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糖 尿 病 入 門

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糖 尿 病入 門
糖尿病と妊娠
糖 尿病 入 門
糖尿病と妊娠
柳沢 慶香1)
内潟 安子2)
Keiko Yanagisawa
Yasuko Uchigata
東京女子医科大学 糖尿病センター 講師1),教授・講座主任2)
糖尿病」,
「糖尿病合併妊娠」
がある
はじめに
(表1)1)。いずれの場合も妊娠中
の高血糖は周産期合併症を引き起
妊 娠 中に扱う糖 代 謝 異 常には,
「妊娠糖尿病」,
「妊娠中の明らかな
妊娠が糖代謝に与える
影響
こすため,厳格な血糖コントロールが
必要である。
妊娠,分娩,産褥の経過に伴っ
て母体の糖代謝は変化する。 妊娠
後半期は,胎児の重量が加速度的
表 1 妊娠中の糖代謝異常と診断基準
に増加するため,母体が摂取したエ
1 .妊娠糖尿病 gestational diabetes mellitus
(GDM)
ネルギー,すなわちブドウ糖を優先的
75 gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
① 空腹時血糖値 ≧92 mg/dL(5.1 mmol/L)
② 1時間値 ≧180 mg/dL(10.0 mmol/L)
③ 2時間値 ≧153 mg/dL(8.5 mmol/L)
に胎児に供給するようになる。この
ため,胎盤からはホルモンやサイトカ
2 .妊娠中の明らかな糖尿病 overt diabetes in pregnancy註1
以下のいずれかを満たした場合に診断する。
① 空腹時血糖値 ≧126 mg/dL
② HbA1c値 ≧6.5%
*随時血糖値≧200 mg/dLあるいは75 gOGTTで2時間値≧200 mg/dLの場合は,妊娠中
の明らかな糖尿病の存在を念頭に置き,①または②の基準を満たすかどうか確認する註2。
3 .糖尿病合併妊娠 pregestational diabetes mellitus
インが分泌され,同化ホルモンである
インスリンが効きにくい
(インスリン抵
抗性)
状態にさせ,胎盤を通してブド
ウ糖を胎児に供給する。インスリン
抵抗性のため,正常妊婦では非妊
婦に比べて,食後に高血糖と高イン
① 妊娠前にすでに診断されている糖尿病
② 確実な糖尿病網膜症があるもの
スリン血症が認められる。 一方,食
註 1:妊娠中の明らかな糖尿病には,妊娠前に見逃されていた糖尿病と,妊娠中の糖代謝の変化
の影響を受けた糖代謝異常,および妊娠中に発症した 1 型糖尿病が含まれる。いずれも分
娩後は診断の再確認が必要である。
註 2:妊娠中,特に妊娠後期は妊娠による生理的なインスリン抵抗性の増大を反映して糖負荷後
血糖値は非妊時よりも高値を示す。そのため,随時血糖値や75 gOGTT負荷後血糖値は非
妊時の糖尿病診断基準をそのまま当てはめることはできない。
これらは妊娠中の基準であり,出産後は改めて非妊娠時の「糖尿病の診断基準」に基づき再評価す
ることが必要である。
前は,胎児へのブドウ糖供給のため,
インスリン濃度には差がないにもかか
わらず,正常妊婦の方が非妊婦に
2)
比べ血糖値が低くなる
(図1)
。
(文献1より引用)
26
(190)
DIABETES UPDATE Vol.4 No.4 2015
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