FUKADA FOAM SYSTEMS フカダの泡消火設備 深田工業株式会社 泡消火設備 の役目 水は火災を最も有効に消火します。燃焼温度を低下させる冷却効果が大 きいからです。しかし、比重の小さい液体可燃物などには、水は液体可 燃物の下に沈んでしまって、冷却効果は発揮できません。このような火 災に泡が使われます。泡は空気を含んだ水なので、液体の表面に浮かんで、 液体から可燃性蒸気が発生することを押さえて、窒息消火させるのです。 そこで、水に泡消火剤と空気を有効に混合して泡を発生し、その泡を、 いかに素早く液体可燃物の上に展開させるかが、フカダの泡消火技術な のです。 フカダの泡消火設備は、数多くの石油備蓄基地、石油、石油化学、低温 液化ガス貯蔵施設、その防油堤、精製装置、製造工程、塗装工程、油燃 焼入槽などの施設や、ローリー充嗔場、集油ピット、ラック倉庫などの 可燃物貯蔵倉庫、自動車駐車場、ヘリポート、航空機格納庫などに設置 されています。 フカダ泡消火設備の特徴は、他の消火設備が放出量に限界のあることや 再着火防止能力がないことと異なり、水源および消火剤のある限り、連 続的に泡を放出して消火活動ができることです。そして放出された泡は 燃焼液面を自由に流動展開し、あるいは個体面に付着して火面を封塞し、 さらに泡の放出を中断しても、耐熱性のある泡は液面を被覆しているので、 直ちに再び全面火災に拡大することはないということです。 石油タンク エアーフォームチャンバー 連結送液口 泡原液タンク 泡モニターノズル 混合器 泡ノズル 加圧送水装置 水槽 固定泡ヘッド 泡消火設備系統図 泡消火栓 またさらに、隣接区域で発生した火災や、流出した 可燃物の引火を防ぐ目的で、燃えていない油面に泡 を放出するなどして延焼を防止することができるこ とも大きな特徴です。 泡消火設備は、フカダの最も得意とするもので、蛋 白泡、フッ素蛋白泡、界面活性剤などの泡消火剤や、 フォームチャンバー、高発泡消火設備、航空機救難 化学消防車、高発泡消防車などを日本で最初に開発 しました。そして、これら泡設備に必要な消火試験 は勿論、油汚染性、展開性などについて、貯蔵タン クや洋上、地下などの石油備蓄基地のシミュレーショ ンを行いました。また、高発泡がLNGに対し、どの様 に火災やガスの蒸発を抑制するのかを確認しました。 フカダ泡消火設備の最大の目的は、可燃性の液体火 災を消火することにありますが、また湿潤性を有す るフカダ・ハイフォームを用いる場合は、綿や繊維、 ロールペーパー、タイヤなど水にぬれにくい可燃物 の消火にも有効です。 プレッシャーサイド・プロポーショナー 泡消火設備は、所定の水量を所定圧力で送水できる 水源と、加圧送水装置、泡消火剤の貯蔵タンク、泡 消火剤を水に混合して泡水溶液を生成する混合装置、 泡を発生させる発泡器と泡放出口、これらを連結す る配管と区画弁などから構成されます。泡消火剤を 水に混合する装置と泡放出口の部分を除けば、スプ リンクラー設備や水噴霧消火設備など、他の水系設 備と同様の構成です。泡放出口の種類によって低発 泡設備と高発泡設備があります。 泡消火剤を水に混合する装置はプロポーショナーと 呼ばれ、プレッシャーサイド・プロポーショナー、 プレッシャー・プロポーショナー、ポンプ・プロポー ショナー、ライン・プロポーショナーの4種の方式 があります。 フカダ泡消火設備にはエアフォーム(蛋白泡)、フ ロロエアフォーム(フッ素蛋白泡)、フロロアルコフォー ム(フッ素蛋白耐アルコール泡)、フロロウォーター (フッ素界面活性剤泡)、ハイフォーム(炭化水素 系界面活性剤泡)などの泡消火剤が使用されます。 プレッシャー・プロポーショナー 排気弁 泡原液槽 二針圧力計 等圧弁 泡原液タンク 安全弁 ストレーナー 原液ポンプ ストレーナー 消火ポンプより 混合器 プレッシャーサイド・プロポーショナー 泡原液槽 温水型逆止弁 混合器 プレッシャー・プロポーショナー ラインプロポーショナー ポンププロポーショナー 消防ホース 消防ホース ピックアップシューブ 消火ポンプ 泡原液缶 フート弁 ポンプ・プロポーショナー ライン・プロポーショナー フレキシブル メタルホース 泡消火設備 の方式 フカダの低発泡泡設備には、泡ノズル方式、泡モニター方式、泡ヘッド 方式、泡放出口方式などがあります。発泡器には、対象物に適した性質 の泡を発生させるように、いくつかの種類のものがありますが、その基 本的な構造は同一で、加圧された泡水溶液が、ノズルから噴射される際 に減圧域を作り、このとき空気口から空気を吸引して、混合室内で泡水 溶液と攪拌されて発泡するものです。混合室の長さや太さ、大きさある いは金網や板などの挿入によって、発泡倍率、泡の粒子の大きさ、泡の 保水性、粘性などの泡の性状を変えることができます。 泡ノズル方式 泡ノズルは、泡水溶液と空気の混合を、プレイパイプとよばれる細長い 管で行います。泡ノズル方式は泡消火栓方式、泡ホースリール方式など としても用いられます。床面付近の火災に泡を放出する発泡器として、ファ ン(扇型)ノズル、フロアー(床面)ノズルもあります。 空気 泡 泡水溶液 空気 フォームヘッド、フォームウォータースプリンクラーヘッド MEA型中発泡ノズル 泡ヘッドによる消火試験 低発泡ノズルの機構 フォームノズル フォームモニター モニター搭載 空港用消防車 泡モニター方式 泡ヘッド方式 大型の泡ノズルを泡モニター・ターレットといい ます。ターレットは、架台にのせ遠隔操作によっ て旋回、俯仰して、火災部へ泡を直接放射するも のです。危険物施設や港湾の荷役施設には、全固 定式の泡モニターノズル方式が重要な設備となっ ています。このモニターノズル方式(モニターター レット方式)は、消防車にも積載されます。公設 消防では、大きさによって、モニターノズルを泡 放射銃または泡放射砲とよんでいます。 泡ヘッドは、いわば泡のスプリンクラーです。フォー ムウォータースプリンクラーヘッドは、低圧で泡 を広い範囲に放射できるものです。泡ヘッド方式 は、自動車の車庫、駐車場、飛行機の格納庫ある いは、石油化学工場の製造装置、倉庫、塔槽類、 油ポンプ装置などに設置されています。 フォームチャンバー方式 空気 フォームチャンバーは、石油タンクの上部に設置 する一般的な発泡器です。油面を素早く被覆する ように、流動性のよい泡を発生します。コーンルー フタンク、ドームルーフタンク、フローティング ルーフタンクに設置します。 高背圧発砲方式 泡水溶液 泡 空気 高背圧発泡器は、タンクの底部泡供給方式方式に 用いられます。高背圧発泡器は発泡倍率の小さい、 泡粒子の細かい、還元時間の長い泡を発生します。 ネット 中発泡ノズルの機構 タンクフォームチャンバー タワーモニター 床面ノズルの泡の展開 高背圧発泡器 タンク低部泡消火試験 タンクの 泡消火設備 石油タンクの固定泡消火設備は、フォームチャンバーによる方式が一般的 ですが、タンクの底部から泡を注入方式もあります。 日本の石油タンクの固定泡消火設備は、フカダが最初に開発したもので、 フカダが最も得意とするものです。フカダは数々のテストを実施して、石 油タンクの固定泡消火設備の性能確認をしてまいりました。 泡の種類によって液面状の展開時間が異なります。フカダは、泡放出率と 展開時間の関係を、直径40mまでの模擬タンクを用いて、確認しました。 また、泡の油に対する汚染性のテストを行い、フッ素蛋白泡が石油タンク の固定消火設備に最も適した泡消火剤であることを確認しました。 浮き屋根タンクの浮き屋根が上がっているときと、20mの位置まで下がっ ているときでは、タンクの内部に吹く風の方向が変化します。フォームチャ ンバーから放出された泡がどの様な影響を受けるのかを、模型タンクを使っ てシミュレーションしました。そして、実際の泡が風の影響があっても、 フォームダムの中に放出されるフォームチャンバーを開発しました。 さらに、石油備蓄基地の泡消火設備の泡放出展開試験のシミュレーション を実施し、それぞれの石油備蓄タンク船に適した設備を開発しました。 タンク液面泡展開試験 泡モニターノズル 水幕ノズル モニターノズル操作盤 海 桟橋 泡ヘッド設備 火災感知設備 屋内貯蔵所 屋外貯蔵タンク ( 浮屋根式) 加圧送水装置制御盤 固定泡放出口 消火ポンプ室 圧力スイッチ格納箱 タンク散水設備 屋外貯蔵タンク ( 固定屋根式) N 2 配管 泡消火配管 海 加圧送水装置 ( 電動機) 加圧送水装置 ( ディーゼルエンジン) 泡消火原液タンク 固定泡放出口 水消火配管 タンク散水設備 補助泡消火栓 混合器 屋外給水栓 ホース格納箱 手動火災報知器 タンク底部泡注入設備は、フカダの関連会社のス ウェーデン・スクム社の得意とする技術です。ス クム社ではタンク底部泡注入設備についても、実 規模の確認試験を実施しております。セミサブサ ーフェース設備は、泡をホースの中を通して液表 面まで到達させることができるものです。石油類 は勿論、アルコール類などの水溶性溶剤の消火に 有効な設備です。 このような試験の結果、フカダには、それぞれの 対象物に適した発泡器と泡放出方式を組み合わせ て設置する泡消火技術があります。フカダは泡消 火技術の専門家です。 泡に対する風の影響確認試験 浮屋根タンク内の風の流れ レベル:上部から2 2 . 5 m 1 風 1 5 4 3 D / 4 5 上部泡供給方式 上部泡供給方式は液表面泡供給方式(Surface Foam Applica tion Systems)ともいい、タンクの 消火設備に最も多く用いられている方式で、フォー ムチャンバーを用います。 フォームチャンバーには、コーンルーフタンクや ドームルーフタンクに設けるCRT型フォームチャ ンバーとフローティングルーフタンクに設けるF RT型フォームチャンバーがあります。 その設備は、損害保険料率算定会規則、NFPA 規格(アメリカ防火協会規格)に基づき設計され ていましたが、危険物の法令改正に伴ない運用指 針が定められ、現在はこの指針に基づいて設置さ れます。 指針では、この方式に用いる泡放出口を、Ⅰ型、 Ⅱ型および特型と定めています。 Ⅰ型泡放出口は、放出された泡が液面を攪拌しな いで油面を展開するように、デフレクターの代り に樋やシュートなどが設けられたものですが、過 去30数年間、日本では設置された例は1件もあり ません。 Ⅱ型泡放出口は、コーンルーフタンクに設けられる もので、最も一般的な方式です。フカダではCRT 型フォームチャンバーといいます。水と泡消火剤を 所定濃度に混合した泡水溶液が、フォームメーカー を通過するときに空気を吸引混合し、さらにフォー ムチャンバーで整泡して、泡放出口からタンクシェ ルに沿って流下して、油面へ達するようにデフレク ターによって調節されます。タンクからの油蒸気が フォームチャンバーに入り込まない役目をするシー ルガラスは、泡の流入圧で送泡時に破られるように なっています。 特型泡放出口は、フローティングルーフタンクに設 ける泡放出口であって、シールガラスは付いていま せん。フカダではFRT型フォームチャンバーとい います。FRT型フォームチャンバーは、デフレク ターがタンク壁の内側に突起物を出さない構造となっ ています。フカダのFRT型フォームチャンバーは、 泡の流れの変化だけでタンク壁に沿って泡を流下さ せ、タンクのリム(環状部分)に、泡を放出するこ とができるものです。 デフレクター フォームチャンバー フォームチャンバー デフレクター フォームメーカー フォームメーカー 空気口 タンクシェル 空気口 タンクシェル ストレーナー ストレーナー フレキシブル チューブ フレキシブル チューブ CRT型フォームチャンバー フォームチャンバーの泡放出 FRT型フォームチャンバー 底部泡注入方式 底部泡注入方式は泡を液面の下部へ油中を通して 直接送り込む、サブサーフェース泡供給方式(S SA方式 Sub‑Sruface Application Systems) とホースを用いて泡が油と接触しないようにした、 セミサーブサーフェース方式(SSS方式 Semi‑Sub‑SurfaceSystems)があります。 サブサーフェース泡供給方式(SSA方式) 防油堤外に設けられた高背圧発泡器によって発泡 された泡は、長い距離の配管を通ってタンク内の SS泡放出口から油の中へ放出されます。泡は油 の中を通って自力で浮上し油の液面下へ達し、泡 は小さな塊となって油面上で集合し、浮上する泡 の攪拌流動する流れにのって油表面を展開します。 泡は油の中を10m以上も通過するわけですから、 その際に多量の油を吸い上げます。そこで、これ に対抗する耐油性、耐油汚染性のある、フッ素蛋 白泡とフッ素界面活性剤泡が用いられます。運用 指針ではⅢ型固定泡放出口といいます。 セミサブサーフェース方式(SSS方式) セミサブサーフェース方式は、スウェーデンのスク ム社が開発したもので、フカダはスクム社と技術提 携しています。サブサーフェース法が油中に直接泡 を放出するのに対し、セミサブサーフェース方式は、 タンク外部にフォームメーカーとホースコンテナー を置きます。ホースコンテナーには合成繊維性の泡 ホースが折りたたんで格納されていて、火災時にフォー ムメーカーから配管を通じて送泡された泡の圧力で、 このホースがタンクの油中へ伸長されます。ホース は油表面へ達し、液面への距離より長い余分な部分 は燃えて切断され、適切な長さとなって泡を油表面 へ展開させます。泡はホースの中を通って液表面供 給されるので、泡と油とは接触しないので油に汚染 されないから、SSA方式のように使用する泡消火 剤と発泡倍率に制限がなく、すべての種別の泡がす べての発泡倍率で用いられます。アルコール類など、 水溶性液体火災の消火にも有効な設備です。運用指 針ではⅣ型泡放出口といいます。 セミサブサーフェース方式( S S S ) 泡 ホース ホースコンテナー 石油タンク 発泡器 油 防油提 泡水容器 泡 サブサーフェース方式( S S A ) 泡 石油タンク 泡 発泡器 油 防油提 泡 泡水容器 セミサブサーフェース用ホースコンテナー サブサーフェイス用泡放水口 高背圧発泡器 高発泡設備 フカダ高発泡設備の特徴は、極めて倍率の高い泡を、圧倒的大量に、 一挙に防護する対象物に放出し、高発泡で冠泡(泡で埋めてしまう) して消火するもので、他の泡消火設備が火災表面の平面的な消火であ るのに対し、高発泡は立体的な三次元消火法であるともいえます。 フカダの高発泡設備は、タンクの防油堤、地下油ポンプ室、危険物のラッ ク倉庫、ジェット機の格納庫などに設置されています。さらに、地下街、 トンネルの火災のように、煙が充満して消火が困難となるような場所 の火災に対して、火源から離れた安全な地点から泡を送入し、泡によ る排煙と火災鎮圧の威力を発揮します。また、水を使用することによっ て損害が大きくなったり、多量の消火水を使用できない船舶や倉庫の 火災にも有効に使用されます。 低温液化ガスに水や泡を放出すると、蒸気の発生が多くなり危険です。 そこで水分の少ない高発泡が使用されます。高発泡を超低温のLNG・ LPGに放出すると、空気を含んだままシャーベットのように凍結して、 しっかりと表面を覆いガスの発生を抑制します。凍結層の割目から発 生した蒸気は、泡層を通過する時に温められて上方に安全に拡散します。 このようなことを確認したフカダの高発泡は、各地の低温液化ガス貯 蔵施設に設置されています。 空気口 高発泡機 排気用ダンパー ポンプ室 I T V カメラ 地下貯水槽 炎感知器 泡消火剤混合装置 火災報知設備 吸気用ダンパー LNGに対する火災抑制試験 フカダの高発泡施設には、50‑1000倍程度の発泡倍 率の高発泡を発生させる種々の型式のものがあり ます。装置への空気の取り入れ方法によりアスピレー ター型とブロアー型があります。対象物の型式や 可燃物の種類によって、有効に使い分けることが 重要です。このとき発泡倍率だけでなく、泡の供 給レートをも同時に考慮することが必要です。例 えば、ジャンボジェットの格納庫やラック倉庫あ るいは船舶、フェリーなど、室内で水損を嫌う場 所には、500倍以上の泡を使用し、野外のタンクの 防油、防液堤や流出油火災には、100‑300倍の泡を 使うなどです。 消火設備を総合的な防災システムとして完成させ るためには、火災感知センサーが重要な役目を占 めます。フカダは、この目的のために、温度感知 器、煙感知器など通常の火災感知設備のほか、赤 外線、紫外線を利用した炎感知センサーや、光ファ イバーセンサーを開発しています。また、ガスや LNG/LPGの漏洩を検出する、ガスセンサー、 低温センサーを用意しています。 映像技術による、ITV監視設備や出入監視設備 を併用することにより、充実した防災、防犯シス テムとなります。 ブロアー型高発泡装置 発泡ネット 空気 ハイフォーム 水溶液 泡 スプレーノズル LPガスタンク高発泡設備 ジャンボジェット機格納庫設備 ラック倉庫高発泡設備 ( ファン 駆動源 電動モータ エンジン 水流作用 ( アスピレータ型高発泡装置 火災感知システム ハイフォーム 水溶液 発泡ネット 泡 スプレーノズル 赤外線火災感知装置 光ファイバー火災感知装置 タンク高発泡設備 R 深田工業株式会社 (弊社の都合により本カタログの内容を変更することがありますのでご了承下さい)
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