プログラム (休憩込み 全約 100 分) ■幕前解説 <約15分> 体験コーナーあり(パントマイム) ■古典クラシックバレエ・ガラ「白鳥の湖」より ① 白鳥の湖 第 2 幕より <約25分> (13 分) オデット姫と王子の出会い 小さい四羽の白鳥 オデット姫と王子のグラン・アダージオ (*以上必須演目) ② 白鳥の湖 第 3 幕より 悪魔の娘オディールと王子のグラン・パ・ド・ドウ ③ 眠れる森の美女 第 3 幕より (10 分) (15 分) オーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドウ 白い猫と長靴を履いた猫 赤ずきんと狼 ④ くるみ割り人形 お菓子の国より (7 分) コーヒーの踊り 中国茶の踊り ロシアの踊り 金平糖の精の踊り -------------------休憩(約 15 分)------------------------------------ ■クロカミ★バレエ オリジナル「白鳥」 <約40分> <古典バレエ「白鳥の湖」を下地に、新たに創作した現代バレエ> ※組み合わせ例 幕前 舞踊解説 1名 総出演者 / 演者 11 男1名/女1名 古典 ①+②=23 分 女6名 男2 ①+③=30 分 女8名 ①+④=20 分 女8 ----休憩(15 12名 10 名 3名 / 衣装女 6 着 男3着 男3名 / 衣装女 8 着 男5着 男3名 / 衣装女 12 着 男3着 20 分)---- オリジナル「白鳥」 40 45 分 男3名 女8名 計 11 名 【前田新奈】代表・振付 1994 年 新国立劇場バレエ団ソリスト 2007 年谷桃子バレエ団所属、「白鳥の湖」「パキータ」等の主役を踊る。 1997 年より新国立劇場バレエ団と契約、2003 年まで全公演に参加。 バレエ古典作品の主要な役を務める傍ら、創作作品にも意欲的に取り組む。 恵まれた身体と高い集中力を持ち、シャープで強い動きがダンス界でも、高く評価さ れている。現在、未國の中心的舞踊家。 1994 年 谷桃子バレエ団入団。 1996 年 第 12 回 全日本バレエコンクール 第 3 位 IBM 賞受賞 弟 52 回 東京新聞主催 全国舞踊コンクール 第 3 位 1997 年 新国立劇場バレエ団と契約。1999 年ソリストに昇格。 「ジゼル」ミルタ、「眠れる森の美女」リラの精などを踊る。 2002 年 2004 年 パフォーマンスカンパニー 未國 を、立ち上げる。 「Chang mu international dance festival」(韓国・未國公演)及び 「大野一雄演劇プロジェクト」に参加。「Dream Of Dancers」出演。 2005 年 橘秋子記念財団主催「第 15 回日本バレエフェスティバル」出演。 2006 年 谷桃子バレエ団公演にて、初振付作品 くろカミ を発表。 小林恭バレエ団公演「ペトルーシュカ」バレリーナ出演。 2007 年 谷桃子バレエ団公演にて、振付作品 2009 年 東京シティーバレエ団にて、振付作品 白鳥 を発表。 いばら を発表。 他、様々な振付家の作品に多数出演。 出演者プロフィール (写真:高部尚子&熊川哲也) 【高部尚子】ソリスト 4 歳より小野正子に師事。1983 年東京新聞全国舞踊コンクール ジュニア2位。同年、 日本バレエ協会主催第 1 回全日本バレエコンクール第 1 位。1984 年第 12 回ローザン ヌ国際バレエ・コンクールにおいて、プリ・ド・ローザンヌを受賞し、1年間英国ロ イヤル・バレエ・スクールに留学。帰国後、谷桃子バレエ団団員となり、 「リゼット」 を皮切りに「白鳥の湖」 「ジゼル」 「ドン・キホーテ」 「シンデレラ」 「くるみ割り人形」 「令嬢ジュリー」 「テス」 「リリオム」などに主演。日本バレエ協会の公演にも数多く 出演し、1996 年都民芸術フェスティバル「眠れる森の美女」でオーロラ姫を踊る。古 典以外にも創作作品への出演は多く、望月則彦、佐多達枝、後藤早知子、島崎徹、金 森穣、二見一幸、竹内登志子、黒田育世などの振付作品を踊っている。東京フェステ ィバル・バレエ第1回・第 2 回アメリカ公演参加。日本バレエ・フェスティバルにも 毎回出演。また、2004 年まで新国立劇場登録ソリストとして、バランシン振付「テー マとバリエーション」のプリンシバル、ナッチャ・ドゥアト振付「ドゥエンデ」など を踊る。 松村賞('88)、芸術選奨文化大臣新人賞('90)、グローバル森下洋子・清水哲太郎賞 ('92)、服部智恵子賞('92)、橘秋子優秀賞('95)を受賞。 【緒方麻衣】 ソリスト (谷桃子バレエ団所属) 3歳よりクラシックバレエを始め、ソフィアバレエアカデ ミーにて中川三千代に師事。04 年、モスクワバレエアカデ ミー短期留学を経て 05 年に谷桃子バレエ団入団。以後、同 バレエ団にてソリストを務め、その他、日本バレエ協会主 催各種公演においてもソリストを務める。 【桑原文生】 ソリスト 15 歳より、ジャズダンス・バレエを始める。アメリカ N. Y.に留学、3 年間ダンスの勉強をする。 02 年帰国後から 2 年間、新国立劇場バレエ団に所属。古典から、金森嬢などの コンテンポラリー作品に出演。バレエオペラ公演「スペイン のきらめき」では、ソリストとして出演。 その後、上田遥 作品、映画「ベロニカは死ぬことにした」 (主演:真木よう子)、 オペラ「オフマン物語」などに出演。 二瓶野枝/山本杏子/平田沙織 瀬田統子(谷桃子バレエ団所属)/樋口みのり(谷桃子バレエ団所属) 川島春生(谷桃子バレエ団所属) ほか、 *(出演者が変更になる場合がございます) 幕前解説 内容 今から約 500 年前の 16 世紀、イタリアで宮廷バレエが生まれました。 当時は音楽、踊りに、歌もありました。 17 世紀にフランスのルイ 14 世が王立舞踊学校を設立し、バレエの基本のかたち、ポ ジションを考案しました。このころからダンサーは舞台上で言葉を発さなくなります。 18 世紀になると、ヨーロッパ各国にバレエ団が設立され、 19 世紀には、長い宮廷ドレスではなく、白くて長いチュチュが登場し、はじめてトウ シューズを用いた演目、 「ラ・シルフィード」が、パリオペラ座にて上演されました。 ロマンティックバレエの誕生です。 これは空気の妖精の演目で、いかに軽く見せるか考えた結果、つま先立ちのトウシュ ーズが考案されたのです。 このシューズは、いまではだいぶ改良され、履きやすくなっていますが、当時はとて も固くて、どんなに痛かったことかと想像してしまいます。おそらく靴の中は血だら けだったのではないかと思われます。 その後、フランスのマリウスプティパという振付・演出家がロシアに招かれ、クラシ ックバレエを誕生させます。バレリーナたちが短いチュチュを着て踊る、 「白鳥の湖」 などの誕生です。 この「白鳥の湖」は、バレエの代名詞にもなりうるくらい、そしてバレエを見た事がな い方でも一度は聞いたことがある有名な作品だと思います。 今日はこの、「白鳥の湖」をご紹介したいと思います。 物語は とあるドイツのお城の庭園で、王子ジークフリートの成人を祝う宴が開かれています。 王子の母親である王妃は、祝いの席で言います。 「今日はお前にとって独身最後の日、明日には結婚しなければならないのです。明日 の舞踏会には、お前の嫁、私の娘になるにふさわしい若い娘たちを呼んでおきました からお前が自分でいちばん気に入った人を選ぶのですよ」 宴もお開きとなった頃です、白鳥の群が上空を飛んで行くのを見た王子は、 狩りで一日を締めくくろうと思いつきます。 湖に到着した王子が白鳥を弓で射ようとしたとき、白鳥たちはすーっと姿を消してし まいました。 すると白鳥たちは美しい若い娘たちに姿を変え始め、最後に、王冠をつけていた白鳥 がオデット姫の姿となって登場します。 ジークフリード王子はその美しさに打たれ、仲間たちに「彼女たちを射ってはならな い」と、命じます。 オデットは王子に礼を言い、身の上話をし始めました。 「私と、私に仕える若い娘たちは、ふくろうの姿をした悪魔「ロットバルト」の犠牲 となり、呪いをかけられてしまったのです。昼間は白鳥の姿に変えられ、夜の間だけ、 この廃墟の近くで、人間の姿に戻ることが出来るのです。 私に、生涯にわたる真実の愛を誓ってくださるかたが現れるまで、その恐ろしい呪い は解くことが出来ません。これまで誰にも愛を誓ったことのない人だけが呪いを解き、 もとの姿に戻すことができるのです。」 王子は彼女を救う事を決意し、愛を誓い、こう言いました。 「明日の舞踏会に来てくれたらかならずあなたと結婚すると約束します。」 そして翌日、なんと悪魔ロットバルトが娘のオディールを連れて到来してしまいまし た。昨夜の王子とオデットのやり取りを全て見ていたのです。 オディールがオデットそっくりなので、王子は仰天し、大喜びで彼女を出迎えます。 白鳥の姿をしたオデットが窓に姿をあらわし、悪魔の魔法に用心するよう警告します。 しかし、この新しい客の美しさの虜になった王子は、彼女以外にはないも見えないし、 何も聞こえない。そしてオデットとオディールは同一人物なのだと信じ、愛を誓って しまいました。 そのとき、窓のオデットの姿が王子の目にとまります。彼は騙されたことに気がつ きますが、もう遅い。すでに誓ってしまったのです。ロットバルトとオディールは、 闇に姿を消します。 王子は再び湖へオデットに逢いに行きました。オデットは夜明けとともに白鳥の姿に 変わり、二度と人間には戻れなくなってしまうでしょう。 王子は絶望の淵に立たされ、時間があるうちに死んだ方がましだと思い、オデットと いっしょに死ぬことを誓います。 オデットへの愛による王子の死は、ロットバルトをも滅ぼす事を意味していました。 湖に身を投げようとするオデットにジークフリードは駆け寄り、ともに湖に飛び込み、 愛を確かめ合ったのでした。 最後は悲劇に終わりますが、ほかに、王子が悪魔と戦い、勝利し、ハッピーエンドに なるバージョンもあります。 今日はこの中から、湖で王子がオデットと出会うシーン、そして有名な、小さい四羽 の白鳥の踊り、そして悪魔の娘オディールが王子を誘惑するシーンを上演します。 そして休憩を挟みまして、クロカミ・バレエオリジナル、現代を舞台に置き換えた全 く違うストーリーの作品「白鳥」をご覧頂きます。 ご覧頂く前に、バレエで使われる「マイム」について少しだけご紹介したいと思いま す。 バレエではセリフがありません。 かわりに マイム パントマイム マイム というものを使います。 という言葉は聞き慣れていらっしゃるかと思いますが、 もそれに似ていて、身振りや手振りで感情や出来事を説明、表現します。 実際見て頂きましょう。 ☆さんと☆さん、お願いします。 ----ダンサー男女登場----紹介-----マイム説明 (解説しながら) *時間的に余裕がある場合は、学生の方にも参加して頂きます。 1)わたし 2)あなた 3)美しい王女 4)王子 5)弓で射る 6)愛する 7)誓う 8)死ぬ 会話 王妃 王 滅びる 「白鳥の湖」第 2 幕、王子とオデットの出会いのシーンより お二人に会話をして頂きましょう。 説明なし&あり 王子「あなたはとても美しいかただ。なぜそのようなお姿なのですか」 オデット「私は王女オデットです。私たちは悪魔に捕われ、白鳥の姿 に変えられたのです。だからどうか撃たないで」 王子「もちろん、そのような事は致しません。(オデット礼) どうしたら悪の力を解く事が出来るのでしょうか」 オデット「真実の愛だけが、悪の力を解く事が出来るのです。」 (ここまで 15 分程度) 二部 オリジナル作品 詳細 「白鳥」 振付:前田新奈 演出・テキスト・音楽:未國 衣装:柴田好 キャスト ヘアメイク:岡田美砂 (変更になる事もございます) 美容師 「まい」 緒方麻衣 「キング」 平田貴義 「店長」 瀬田統子 「あゆみ」 永橋あゆみ 「ハル」 川島春生 「みのり」 樋口みのり 「あやか」 廣瀬絢香 お客様 「クレーマー」 高部尚子 白鳥 「幻影の王子」 桑原文生 <ストーリー> 美容学校を出て、はや二年、アシスタントの中でもスタイリストにより近い地位に いるはずの「まい」だが、努力を重ねてもその成果は未だ実らない。 彼女のアパートから職場迄は数分とかからない距離ではあったが、いつもタイミング が悪く「開かずの踏切」に捕まった。 いつの頃からだろう、踏切の向こう側に幻想を見る様になったのは、、、 踏切内を交差する列車の向こうに、悲しげな目でこちらを見つめる、大きな翼を持つ 「白鳥」が見える。その白い翼は、電車が通り過ぎる頃には消えてしまう。 「貴方は誰?私に何か伝えようとしている?」張り裂けそうな電車の轟音。 美容室の朝礼。彼女は、仕事に集中出来ずにいた。 店長の訓示が、知らない外国語の様に聞こえてきて、懸命に聞くのだが理解出来ない。 人の言葉の意味がわからないのだ。そこに、中年の女性客が入ってくる。 店員達がさっと目配せすることで、問題のある客だと言う事が伝わる。 彼女は、 「クレーマー」 。いつもの様に、店一番のスタイリスト「キング」が指名され た。そして、誰もがやりたがらないアシストを「まい」が担当することになる。 震える手、何年も繰り返した、ただ単純な作業を「まい」は、失敗した。 元々ひどく痛んでいた「クレーマー」の髪は、取り返しが付かなくなっていた。 「クレーマー」は、血相を変えて怒り出し、店内は凍り付いた。 その難題を処理するのもトップスタイリスト「キング」の務め。 彼は、すべてのエネルギーを用い、彼女を説得した。 「グズ!早く辞めて!」 今迄、何度も聞いた店長の台詞。 今回の怒号から彼女を助けたのは、またもや先ほどの「キング」。 優しく「まい」に触れる「キング」。「まい」はそれを「愛」だと信じたかった。 翌日の閉店時間、彼に真実を確かめようと駆け出す「まい」。 しかし、すでに「キング」は同僚の二人の女の愛憎に揉まれていた。 「まい」の想いは、粉々に砕け散って行く。 帰り道、深夜の踏切、最終列車が踏切を交差しようとしていた。 涙で前が見えない「まい」には、あの「白鳥」だけが見えていた。 踏切の向こうで私を待っているその人を「まい」は懐かしく感じた。 次の瞬間、「まい」の体は宙に浮いていた。 「わたしの居場所はここなの?」 感じた事のない安らぎ、母の胸の中のぬくもり、 胎児の記憶、優しい夕日に光る凪。 彼女は、大空を 彼は決して、幻ではなかったのだ。 「まい」は、本当の自分、「白鳥」に戻ったのだ。 <クロカミ☆バレエ団 演出・テキスト・音楽担当> 未國 プロフィール Mikuni ‒ Country ( 國 ) of the future ( 未 ) Mikuni jin ‒ The people from a wise and ancient civilization 舞台やアートなどに携わる文化人に絶大な支持を得ながら、表舞台になかなか登場し てこなかった、ミュージシャンであり、パフォーマーの未國代表・前川十之朗。 独特のこぶしを持つ唄いまわしと、現代の音楽家とは思えない渋いパフォーマンスを ひっさげて、奇想天外な日本神話を歌いまくる頑強で偏屈な日本人。 2002年春、舞踊家・前田新奈、美術照明家・山口明子ら、各分野で活躍する様々なジ ャンルのクリエーターが、そんな前川が造り出す戯曲に賛同し集まった。未國の誕生。 ヨーロッパ仕込みの振付師、錚々たるミュージシャンのサポートを努める音楽監督、 アジア各国を放浪し音楽家としての素養を身につけた尺八奏者、CMを中心に活躍す る新進映像作家、そして、新国立バレエ団プリンシバル、圧倒的な存在感でNYを唸 らせた俳優、車椅子から降りた身体表現者・・・・ 強烈な個性がつくり出す未國の舞台。 過去の公演 2002年 12月9 2003年 2月8 2003年 11月20 2004年 6月19 2004年 10月21 22日 2004年 12月20 21日 未國公演『マレヒト』 2005年 11月14日 2006年 1月13 15日 未國公演『蛇女』天王洲アイル スフィアメックス 2007年 3月28 30日 未國『蛇女 live act 1 』三茶 グレープフルーツムーン 2007年 12月 未國『蛇女 前川十之朗 11日 9日 未國公演『流人の唄』 三茶 グレープフルーツムーン 未國公演『流人の唄 2』仙川 スペース仙川 21日 未國公演『かたらい』 21日 笹塚劇場 (現・笹塚ファクトリー) The 12th ChangMu International Arts Festival 参加(韓国ソウル) 国際交流基金事業 DANCE SELECTION 2004 参加 六本木オリベホール めぐろパ−シモンホール小ホール 天王洲アートスフィア・オン・マンデー出演(ランチタイムコンサート) 幻夜ノ戀』(文化庁・芸術文化振興基金助成事業)六本木オリベホール プロフィール 1987 年頃から、メジャー、インディーズに関わらず、シンガー・ソングライターとして、近年では、 レコーディングエンジニア・サウンドプロデューサーとして、多くの楽曲を発表。個性的なアーティ ストとの共演も多く、クニ河内・伊藤多喜雄・ミッキー吉野・氷室京介・IKURA など、その活動は多岐 にわたる。 評論文 関口 紘一 (舞踊評論家/Web マ ガジン Dance Cube より) 『白鳥』は、前田新奈が振付け、未 國がテキストと音楽を担当してい る。 主人公は美容師のまい。踏切待ちの 間に転倒して、幻影の王子の白鳥を 見る。美容室に戻って、キングや店 長、美容師たちとからむうちに、幻 影の王子とパ・ド・ドゥを踊り、幻 影の中で結ばれる・・・といったス トーリーが、かなり大胆なパロディ 風の展開で描かれている。キングや 店長もそれぞれ面白かったが、高部 尚子の客(クレーマー)が圧巻だっ た。 吉田 悠樹彦 (舞踊評論家) 前田新奈による「白鳥」はこの踊り手の面白い感覚を感じさせる作品だ。若い美容師 (緒方麻衣)が仕事場で起こしたトラブルを経ながら、愛と夢の大切さを見出すとい う作品だ。若い美容師と共に仲間たちがハサミを持って踊りだす。青いチュチュの似 合う廣瀬絢香、黒いワイルドな衣裳をまとった樋口みのりの溌剌とした表情が見事だ。 やがて髪をパーマでぼさぼさにしたクレーマー(高部尚子)が現れるとパーマの失敗 にカンカンに怒り出す。しかしなんとか男性店員が丸め込み逆に満足させて返すこと に成功する。美容師は失望の中で夢と愛の大切さを願う。すると舞台の上では白鳥と 王子(桑原文生)が二人踊りだす。細かい構成や振付をさらに磨き上げることが重要 だが、モチーフの面白さや感受性はこの作家の持って生まれた面白さを感じることが できる。非常に面白い作家であるためにこれからが楽しみだ。 音楽舞踊新聞 平成19年8月1日号 掲載
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