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長崎大学大学院工学研究科
未来工学研究センター 共同研究計画概要
研 究 分 野
○
グリーンイノベーション
ライフイノベーション
社会インフラ
萌芽的・独創的研究
研究分野に○印を付してください。
1.課題名
スマートコミュニティのためのアクティブエネルギーマネージメント開発研究
2.代表者名
くろかわ
ふり が な
氏 名(年齢)
ふ じ お
黒川 不二雄 (63)
所属・職名
電気・情報科学部門・教授
3.研究組織(研究者名と役割分担)
ふり が な
氏 名(年齢)
所属・職名
役割分担
電気・情報科学部門
黒川不二雄 (63) ・教授
総括,エネルギーマネージメントシステムの
設計・構築
電気・情報科学部門
剛 (61) ・教授
新しい風力発電機の開発,モデル化および設
計
くろかわ ふ じ お
ひぐち
樋口
もりぐち
森口
つよし
いさむ
勇 (52)
物質科学部門・教授
高性能バッテリのモデル化
電気・情報科学部門
丸田 英徳(40) ・助教
機械学習による最適な制御アルゴリズムの提
案および作成
よこい
ゆういち
電気・情報科学部門
横井 裕一(31) ・助教
新しい風力発電機の解析および作製・構築
まるた
ひでのり
4.研究期間(標準年数5年)
平成27年4月1日~平成32年3月31日
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5.研究計画と到達目標(年度計画と最終年度(5年目)の達成目標を含めて1ページ以内に述べること)
CO2削減や大規模災害時への対応として,省エネが緊急の課題として閣議決定の科
学技術基本計画,科学技術重要施策アクションプラン,経済産業省・技術戦略マップ
等で挙がっている。その場合,産業部門の電力は省エネ化がかなり進んでいるが,家
庭部門の電力は1973年に較べて逆に2倍以上に増えている。家庭においても省エネを
飛躍的に実施するためには,各家電機器,照明機器あるいは今後増える太陽電池,風
力発電およびバッテリ間のエネルギーマネージメントをDC-DCコンバータ(直流-直流
電力変換回路)を用いて如何に最適に行うかがクリーンエネルギーの安定した変換や
蓄積,グリーンイノベーションには極めて重要である。
このように,家庭内やコミュニティにおける電子機器の省エネは国の重要課題であ
り,経済産業省においてもスマートコミュニティ対応が課題として取り挙げられてお
り,省エネ型情報機器・システムにおけるディジタル制御電源が今後開発すべき重要
な技術として位置付けられている。
今回の申請課題は,アクティブエネルギーマネージメントの考え方をスマートコミ
ュニティに適用し、優れた省エネ効果をもつ未来志向のエネルギーマネジメントシス
テムの構築を行うものである。アクティブエネルギーマネージメントとは,負荷であ
る電子機器の状況に応じて必要な電源のみを立ち上げ,不要なものは切断してしまう
ことにより高い電力効率を常に保つという電源業界にとっては画期的な技術である。
スマートコミュニティでは,出力が不安定な太陽電池や風力発電を用いなければな
らない。特に,変化が比較的緩やかな太陽電池とは異なり,風力発電は急激に電力が
変動する。このような自然エネルギー発電に関しては,その変動を最小限に抑制し,
同時に電力効率を向上した新しい提案をおこなう。それでも生じるエネルギー供給の
ばらつきは高性能バッテリで吸収するが,その際,ダイナミックに電力の流れを制御
するためにはバッテリの正確なモデル化が必須であり、 バッテリに対しての最適なダ
イナミックエネルギーマネージメントの条件さらには限界を明確にしたい。さらに,
これらの複雑な制御対象のモデル化を行うと共に最適な制御アルゴリズムを自動的に
構築する機械学習を採用する。
以上のような要素技術を有機的に組み合わせ,ディジタル制御技術を駆使して電力
効率,組立密度および出力過渡応答特性の改善を図り,世界で最初に高性能なスマー
トコミュニティのためのダイナミックエネルギーマネージメントシステムの開発研究
を完遂する。また,この分野での世界に秀でた技術を、本学発信のグローバルに適用
可能な優れたシステムとして展開したい。
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