農家民宿開業の手引き

すすめます「信州・農家の宿」
農家民宿開業の手引き
平成19年 4月
長野県
(第2版)
目
次
第1
農家民宿とは
ページ
1
農家民宿とは
・・・・・・・・・・・・・・・・1
2
「農家民宿」と「農林漁業体験民宿業」について・・・・・1
3
「民宿」と「農林漁業体験民宿」について・・・・・・・・1
4
余暇法における「農林漁業体験民宿」の定義
(1)農村滞在型余暇活動
・・・・・・・・・・・・・・・・2
(2)農林漁業体験民宿業
・・・・・・・・・・・・・・・・2
(3)農村滞在型余暇活動等に必要な役務の提供
5
開設主体別の農林漁業体験民宿の整理
第2
農家民宿の可能性
第3
農家民宿の計画から営業開始までの流れ
・・・・・・2
・・・・・・・・・3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
1
計画から営業開始までの流れ
2
農家民宿の構想づくり
(1)アドバイスの紹介
・・・・・・・・・・・・・5
・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(2)構想を発展させるためのヒント
(3)経営・営業スタイルの検討
・・・・・・・・・・・7
・・・・・・・・・・・・・8
(4)体験メニューの検討
・・・・・・・・・・・・・・・・9
(5)情報発信方法の検討
・・・・・・・・・・・・・・・11
(6)構想検討シート
・・・・・・・・・・・・・・・・・12
第4
農家民宿総合相談窓口
第5
農家民宿関係法令の窓口
第6
農家民宿の関係法令
第7
農家民宿に関する規制緩和等
1
農家民宿関係の規制緩和一覧
・・・・・・・・・・・・17
2
規制対象の明確化等について
・・・・・・・・・・・・18
3
食品営業許可取得のための調理室改造モデル図
4
農家民宿等に係る建築基準法上の取扱いについて
5
農家民宿に対する消防用設備等の技術上の基準の
特例の適用について
第8
・・・・・・・・・・・・・・・13
・・・・・・・・・・・・・・14
・・・・・・・・・・・・・・・・15
・・・・20
・・・21
・・・・・・・・・・・・・・・・22
おもてなしの基本的なノウハウ
・・・・・・・・・・・23
第1 農家民宿とは
1
農家民宿とは
農業者が経営する民宿で、農山村での生活体験、農林業体験などができる民
宿は農家民宿といわれています。都市住民等が農山村を訪れ、豊かな自然や美
しい景観、美味しい郷土料理を食べ、農村の文化に触れ、人々と交流するグリ
ーン・ツーリズム(都市農村交流)への関心が高まっている中で、農山村の素
朴な魅力が体感できる農家民宿は今、やすらぎやゆとりを体感できる宿として
注目されています。
2
「農家民宿」と「農林漁業体験民宿業」について
「農家民宿」としては、法律上の定義はありませんが、農山漁村滞在型余暇
活動のための基盤整備の促進に関する法律(通称「余暇法」「農村休暇法」「グ
リーン・ツーリズム法」
。以下、
「余暇法」という。
)では、主として都市の住民
に対して農林漁業に関する作業体験、農林水産物の加工又は調理体験、農山漁
村の生活及び文化に触れる体験やその知識を与えるサービス等(農村滞在型余
暇活動)を提供できる宿泊施設を、「農林漁業体験民宿業」と定義しています
(P2 参照)
。
なお、本手引書では農業者が経営する農山漁村滞在型余暇活動のサービスを
提供する「農林漁業体験民宿業」を「農家民宿」として扱います。
3
「民宿」と「農林漁業体験民宿業」について
「民宿」を開業するには、旅館業法の「簡易宿所」か「旅館」の営業許可を
受ける必要があります。
「簡易宿所」については、客室の延床面積が 33 ㎡以上ないと営業許可を受け
られないことになっていますが、農林漁業者が「農林漁業体験民宿業」を営む
場合に限り、客室延床面積が 33 ㎡未満であっても許可を受けられることにな
りました。
1
4
余暇法における「農林漁業体験民宿」の定義
(1)農村滞在型余暇活動
余暇法において、「農村滞在型余暇活動」とは、主として都市の住民が余暇を利用
して農村に滞在しつつ行う農作業の体験その他農業に対する理解を深めるための活動
をいいます。
(2)農林漁業体験民宿業
施設を設けて人を宿泊させ「農村滞在型余暇活動」に必要な役務を提供する営業を
「農林漁業体験民宿業」といいます。
○農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律(余暇法)
第2条5項(改正後)
「農林漁業体験民宿業」とは、施設を設けて人を宿泊させ、農林水産省令で
定める農村滞在型余暇活動又は山村・漁村滞在型余暇活動(以下「農山漁村滞
在型余暇活動」という。
)に必要な役務を提供する営業をいう。
第2条5項(改正前)
「農林漁業体験民宿業」とは、
(・・・中略・・)必要な役務を提供する営
業であって、農林漁業者又はその組織する団体が行うものをいう。
平成17年12月の余暇法の改正に伴ない、省令で定める農林漁業体験民宿の基準
を満たす宿泊施設であれば、経営者が農林漁業者でなくても、農林漁業体験民宿業に
該当することになりました。
しかしながら、後述する旅館業法等における規制緩和の対象となるのは、あくまで
も農林漁業者が経営する場合に限られますので注意が必要です。
(3)農村滞在型余暇活動等に必要な役務の提供
余暇法施行規則
第2条
(抄)
具
体
例
○農村滞在型余暇活動に必要な役務
イ
農作業の体験の指導
田植え、稲刈り、いも掘り、リン
ゴの摘果、果物・野菜の収穫等
ロ
農産物の加工又は調理の体験の指導
手打ちそば、野沢菜漬け、おやき、
豆腐づくり等
ハ
地域の農業又は農村の生活及び文化に 和紙すき、機織り、雪かき、お祭
関する知識の付与
り等
ニ
農用地その他の農業資源の案内
ホ
農作業体験施設等を利用させる役務
ヘ
前各号に掲げる役務の提供のあっせん
2
○
山村滞在型余暇活動に必要な役務
森林施業又は林産物の生産若しくは採 下草刈り、枝打ち、山菜取り等
イ
取の体験の指導
ロ
林産物の加工又は調理の体験の指導
干し椎茸づくり、竹の子汁、きの
こ汁等
地域の林業又は山村の生活及び文化に 木工細工、アケビ細工等
ハ
関する知識の付与
ニ
森林の案内
ホ
山村滞在型余暇活動のために利用され
ることを目的とする施設を利用させる役
務
ヘ
○
前各号に掲げる役務の提供のあっせん
漁村滞在型余暇活動に必要な役務
(略)
5
開設主体別の農林漁業体験民宿の整理
関係法令や規制緩和に関しては後述しますが、農林漁業者と非農林漁業者の開設主
体別に整理すると以下のとおりです。
農林漁業者
区 分
非農林漁業者
客室 33 ㎡
未満
客室 33 ㎡
以上
客室 33 ㎡
未満
客室 33 ㎡
以上
旅館業法
(簡易宿所)
開設○
開設○
(開設できない)
開設○
建築基準法
上の取扱い
旅館に該当せず
(住宅基準)
(旅館に該当)
消防法
(特例基準)
(特例基準)
余暇法
登録(任意)
○
「農林漁業
体験民宿」
○
「農林漁業
体験民宿」
3
(旅館に該当)
○
「農林漁業
体験民宿」
第2 農家民宿の可能性
農山漁村において、自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動をグリーン・
ツーリズムと言います。
グリーン・ツーリズムは、農産物直売所等での地元農林水産物の購入など日帰りを中心
としたものから、農家民宿等での短期∼長期の宿泊滞在を通じた農作業体験、農村体験、
自然体験まで様々なタイプの都市農村交流を幅広く含むものです。
国民の価値観が多様化する中で、都市住民を中心に「ゆとり」や「やすらぎ」を求める
傾向が強まるとともに、健康志向や環境意識は以前にも増して高まっており、心身の回復
や環境との調和に配慮したグリーン・ツーリズムに対する期待は膨らんでいます。また、
2007年には団塊の世代の定年退職が始まることから(いわゆる2007年問題)これ
からの数年間は、リタイアした団塊世代の「余暇」利用に伴なう新たな需要の拡大が見込
まれています。
こうした都市住民、中学・高校生の受入れや農林漁業体験の提供などグリーン・ツーリ
ズムの推進には、農家などの普段のありのままの生活や農林漁業体験を楽しんで学べる農
家民宿が注目され、大切な役割を担っています。
また、下記の図のように、都市と農山漁村を行き交う新たなライフスタイルを広め、都市
と農山漁村それぞれに住む人々がお互いの地域の魅力を分かち合い、
『人、もの、情報』の
行き来を活発にする取組みを「都市と農山漁村の共生・対流」と呼んでおり、全国的な取
組みが進められています。
都市と農山漁村の共生・対流
定
住
二 地 域 居 住
一 時 滞 在
グリーン・ツーリズム
U、I ターン
農 村 滞 在
長期田舎暮らし
体験型修学旅行
農家民宿
滞在型市民農園
援農ボランティア
農家民泊
(ワーキングホリデイ)
子ども体験学習
週末の田舎暮らし
セカンドハウス
農 作 業 体 験
地域食材、食育
農産物直売所
交流目的
自然体験、レクリエーション
公的施設
4
観 光 農 園
第3 農家民宿の計画から営業開始までの流れ
1
計画から営業開始までの流れ
農家民宿の経営について、家族内の合意づくり
ステップ1
・農家民宿の経営には家族の協力が不可欠です。
どんな農家民宿にするか、構想を練る
・ 素泊まりか・食事を提供するか、風呂は家族と共用か、客にど
ステップ 2
んな体験メニューを提供するか
等
農家民宿総合相談窓口へ相談する
・構想が固まったら、開業に伴う許認可手続きや支援制度等につ
ステップ 3
いて相談します。各農業改良普及センターでは農家民宿総合相
談窓口が設置され、相談の内容に応じ担当機関への橋渡しをし
てくれます。
開業に必要な手続きや開業に向けての準備を行う
ステップ 4
・関係法令に定められた許認可等の手続きを、担当機関において
行います。施設の改修、もてなしのノウハウの習得、宣伝活動、
地域との連携の準備も怠りなく。
開
5
業
2
農家民宿の構想づくり
(1)アドバイスの紹介
農家民宿を開業するに当たって、南信地域で実際に農家民宿を営んでいる方及び農家
民宿に詳しい有識者のアドバイスがありますので紹介します。
農家民宿経営者のアドバイス
・気取らずに、気配りをする。
・自然体で対応する。
・無理をしない。無理は長続きしない。
・農家民宿は副業。商業的になると続かない。
・設備に金をかけない。
・地域のみんなが関われるようにする。
・家族の協力無くして、農家民宿は成り立たない
・お客が自分で必要なものを用意し体験することが大事。お客は不便な中で、自ら考
えて楽しむ。
・話をしたい人、疲れを取りたい人など客のニーズは様々
客によって対応を変える。
・食事は、山菜など金でなく手間のかかったものを提供することが大事。
有識者のアドバイス
・農家民宿は、農業のついでにやるようなもの。新たに設備投資をして稼ぐようなも
のではない。
・キーワードは、自分でお客を選ぶ・背伸びをしない・ゲストと楽しむ時間空間をつ
くる・自分が楽しめること
・農家民宿は、プロ(旅館・ホテル)と競争すべきではない。
従来の旅館や民宿とは違うものでなければならない。
・プロの旅館業との共存が必要。
・自分の住んでいる環境の良さを理解していて、自分のハッピーをお客さんに分け与
えるという発想が重要。
・食事は、自分のつくったもの(食材)を提供する。
・料理を作ることが嫌でないことが必要
・観光客が減少している中で、体験交流人口は増加している。
・定員については、夫婦二人で対応できるのは20人が限度で、行き届いたサービス
をするなら10人程度が理想的
6
(2)構想を発展させるためのヒント
長野県内には、さまざまな農家民宿があります。ま
農家民宿を知
ずは、農家民宿を体験して、自分の目で確かめて、
ろう
経営されている方の話しを伺ってみてはいかがで
しょうか。
農家民宿の目
的を明確に
自分や家族にとって、どんな農家民宿が、遣り甲斐
があって、生き甲斐になるものなのか、家族で相談
してみましょう。また、地域で取組もうとする場合
には、地域資源の発掘活用などについてもよく話し
合うことも大切です。
農家民宿を始めようとする場合、1戸の農家だけで
なるべく地域
はなかなか取組みにくい部分もあることから、仲間
で取組もう
づくりや地域の応援団など広がりのある取組みが
効果的でしょう。こうすることにより、農家民宿は
地域の活性化にもつながります。
ネットワーク
をつくろう
地域内外にネットワークをつくり、情報交換・情報
収集をしましょう。お客さんのニーズは様々ですか
ら、きめ細かな地域情報や穴場情報が役に立ちま
す。
集まった情報は、まずは地図や簡単なパンフレット
情報を共有化し
て発信しよう
にして情報発信すれば、地域の魅力やリピート効果
も上がります。また、利用者に対して地域の各事業
者(民宿、商店、温泉、レストラン、直売所、農園
など)が、お互いの長所を紹介し合うことにより、
地域全体に経済的な波及効果(観光・食・特産品・
工芸品・農産物等)も期待できるでしょう。
7
(3)経営・営業スタイルの検討
ア
経営スタイル
(ア)素泊まり
食事の提供をしない宿泊のみの形態なので1泊2食付や朝食付きなどに比べると
圧倒的に少ない労働力で運営することができます。宿泊者は、外部の食堂やレスト
ランなどで食事をとるか、自炊をする形態をとります。自炊できる施設がある場合、
自分の畑で採れた作物を安価で提供することも考えてみましょう。そこから交流も
生まれます。
(イ)1泊朝食付き
民宿を営む上で最も手間のかかる食事の提供のうち、軽易な朝食のみを提供する
形態です。食事の準備や後片付けにかかる時間が少なくてすみ、労働力の負担が軽
減します。
(ウ)1泊朝食付+調理体験
夕食の提供をしないとき、自家製の食材を利用して一緒に調理体験はどうでしょ
う。共同作業を通して親交も深まりますし、郷土料理を教えるなどの文化交流もで
きます。
(エ)1泊2食付き
朝食と夕食を提供する従来型の形態ですが、調理や片付けなど賄いの労働力が必
要となり負担が増えます。
食事は、地域の食材や旬の食材を使った料理を提供することを心がけましょう。
利用者の満足感も大きくなります。
イ
営業スタイル
農作業の繁忙なども考慮し、無理や負担とならない計画づくりが必要です。
(ア)通年型
一年間いつでもお客様を迎えられる体制を整え、一年を通して営業。
(イ)季節型
(ウ)週末型
土曜日、日曜日、祝祭日等
8
(4)
体験メニューの検討
どういった体験メニューを提供するかは、ターゲットを誰にするかということと
密接に関連します。ターゲット別のイメージ分類を参考に検討してみてください。
どんな方をターゲットにするか分類例
区
分
客
ア
体験型
1
体験学習旅行
層
こどもグループ
体験型
2
ゆったりのんびり型
中高年、団塊世代
家族連れ
小グループ
体験型1
区
分
体
験
型
1
客
層
体験学習旅行、こどもグループ
体
験
環境・農業・民泊体験、アウトドア体験
農山村の家庭における生活体験
セールスポイン
家庭的な心あたたまる交流体験
ト、キーワード
農山村の魅力を伝える
既存の旅館や民宿のサービスとは違うものにすること
今ある地域資源を活用した取組みであること
差 別 化 の ポ イ ン 自ら生産した食材の提供など価値観の共有化
ト(例)
利用者のニーズに対応した豊富な体験プログラム、
柔軟な受入れ体制、指導者の確保。
ほんもの体験
情報発信(例)
そ
の
他
学校訪問などにより魅力や取組の PR、ニーズの把握など相
互理解
体験学習旅行を受け入れるには、地域の一体的な取組みが不
可欠
9
イ
体験型2
区
分
体
客
層
家族連れ
体
験
自然体験、食文化体験
験
型
2
子連れでも気がねなくのんびり楽しめる環境
セールスポイン
ト、キーワード 安心・安全な食事
楽しい思い出づくり
既存の旅館や民宿のサービスとは違うものにすること
今ある地域資源を活用した取組みであること
差別化のポイン
自家生産した食材の提供など価値観の共有化
ト(例)
子供にさせてみたい田舎体験、アレルギー等に配慮したサービス
小動物・家畜とのふれあい
情報発信(例)
*
「ロハス」、「お値打ち感」
、「教育」といった視点で情報発信
*「ロハス(LOHAS)」とは Lifestyles of Health and Sustainability の頭文字をとった略語で、健康と環境
、持続可能な社会生活を心がける生活スタイルのこと
ウ
ゆったりのんびり型
区
分
ゆったりのんびり型
客
層
中高年、団塊世代、小グループ
体
験
(自由気ままに)
心身の回復につながる環境
セールスポイン
ト、キーワード 心のいやし、充足感
散策・気ままな時間
既存の旅館や民宿のサービスとは違うものにすること
今ある地域資源を活用した取組みであること
差 別 化 の ポ イ ン 自家生産した食材の提供など価値観の共有化
ト(例)
宿泊客の高い「本物志向」を満たすこと
プログラムを押付けないこと
「囲炉裏」
情報発信(例)
団塊世代向けに「田舎暮らし」の予備的な体験を
10
(5)情報発信方法の検討
①なるべく経費をかけずに、様々な情報媒体を活用し、多くの人に知ってもらうこと
が何よりも効果的。テレビ、新聞、雑誌などに積極的に情報提供することにより取
材、報道されるきっかけをつくることも大切。
②インターネットの活用(ホームページ開設、ブログ、電子メール)
③フリーペーパーなども新たな情報提供方法として考えらる。
11
(6)構想検討シート
★
どんな農家民宿にするか、次の表に記入しながら構想を練ってみましょう。
私の農家民宿のスタイル
客
室
数
ト
イ
レ
お
風
呂
部屋数
部屋
定
人
員
・家族と共用
・客専用
大
大
小
旅館業法
共用
旅館業法
小
・家族と共用
あり
旅館業法
・客専用
なし(近接浴場利用)
→
浴場名:
・朝食のみ
食事の提供
関係する法令等
〇をつける
食品衛生法
・2食付き
・な
し
−
・自
炊
−
自家製加工食品の提供
(提供するものを右欄に記入 )
食品衛生法
体 験 メ ニ ュ ー 提供する農林漁業体験メニュー:
余暇法
・最寄りの駅等まで
送
迎
・それ以外(具体的に記入)
道
道路運送法
→
・な
水
−
し
−
・水道水
−
・井戸水等
水質検査(旅館業法・食品衛生法)
・下水道
下
水 ・合併浄化槽
・単独浄化槽
建
物
料
・既存建物(改修)
・新
建築基準法、都市計画法、農地法、
農振法、浄化槽法、消防法
築
・素泊まり
円 ・
体験指導料
円
金 ・朝食付き
円 ・
体験指導料
円
・2食付き
営業期間
定
休
日
通年営業
円 ・自炊設備の貸出し
・
曜日 ・ /
月から
∼
月まで営業
・
週末のみ
円
・
他
/まで ・ 週末のみ営業 ・ 他(
・電話
・インターネット
予 約 方 法 ・インターネット
宣
・その他
伝 ・雑誌広告
・その他
12
)
第4 農家民宿総合相談窓口
農家民宿の構想が固まったら、家の図面等を持って最寄りの地方事務所に開設され
ている農家民宿総合相談窓口へ相談に行きましょう。図面がない場合は、簡単な見取
り図でも大丈夫です。また、家の外観や水周り(台所、洗面所、トイレなど)の写真
があると更に説明し易いでしょう。
相談窓口の総括担当者が、手続きの概要について説明するとともに、更に詳しい説
明が必要な場合には、担当機関への橋渡しをしてくれます。
窓口を訪ねる際には、あらかじめ電話をして担当者の都合を確認しておきましょう。
県下の農家民宿総合相談窓口一覧
窓口設置先機関
直通電話番号
FAX番号
佐久農業改良普及センター(佐久地方事務所内)
0267-63-3167 0267-63-3308
上小農業改良普及センター(上小地方事務所内)
0268-25-7157 0268-23-2161
諏訪農業改良普及センター(諏訪地方事務所内)
0266-57-2913 0266-52-2295
上伊那農業改良普及センター(上伊那地方事務所内) 0265-76-6841 0265-76-6844
下伊那農業改良普及センター(下伊那地方事務所内) 0265-53-0437 0265-53-1629
木曽農業改良普及センター(木曽地方事務所内)
0264-25-2230 0264-22-4346
松本農業改良普及センター(松本地方事務所内)
0263-40-1947 0263-47-6594
北安曇農業改良普及センター(北安曇地方事務所内) 0261-23-6544 0261-23-0706
長野農業改良普及センター(長野地方事務所内)
026-234-9536 026-235-8393
北信農業改良普及センター(北信地方事務所内)
0269-23-0222 0269-26-0074
メモ欄
13
第5 農家民宿関係法令の窓口
どのような農家民宿にするかによって、必要な許認可等の手続きが異なります。
本県では、農家民宿の開業に必要な許認可等の業務については、次の機関で担当し
ています。農家民宿総合相談窓口や担当機関から詳しく説明を受け、漏れのないよう
に、許認可手続きを行ってください。
法律名
法律の概要
旅館業法
民宿を営業する場合は許可が必要
食品衛生法
宿泊客に食事を提供する場合は許可が必要
建築基準法
建物が適切に設計されているか検討が必要
浄化槽法
浄化槽を新設・規模変更する場合は届出が必
担当機関
保健所
地方事務所
地方事務所
要
(市町村)
水質汚濁防止法
厨房などについて届出が必要
下水道法
公共下水道に接続する場合には届出が必要
市町村
消防法
民宿の規模により消防設備等の設置が必要
消防署
農地法
農地に新築する場合は転用許可が必要
市町村農業委員会
農振法
農用地区域内に新築する場合は除外が必要
市町村役場
都市計画法
農家民宿の営業ができる場所かの確認
市町村役場
メモ欄
14
第6 農家民宿の関係法令
農家民宿を開業するに当たっては、人を宿泊させようとする場合に関係してくる「旅
館業法」、食事を提供しようとする場合の「食品衛生法」、民宿としての施設を整備しよ
うとする場合の「建築基準法」や「消防法」などの様々な法律が関係してきます。これ
らの法律に基づく手続きや改装などの工事にかかる経費を考えた場合、農林漁業を営み
ながら副業的に取組みやすい宿泊施設とは、旅館業法の「簡易宿所」に区分される小規
模な宿泊施設です。
また、農林漁業者等が営業する農林漁業体験民宿(農家民宿)については、
「簡易宿所」
の営業許可に関して客室面積の規制が緩和されています。一般的に、客室延床面積は、
33㎡(客室とする部屋の合計が20畳程度)以上が必要とされていますが、農家民宿
については、この基準を適用しませんので、例えば客室が8畳間の1部屋だけであって
も開業が可能です。
1
旅館業法
旅館業とは、人を特定するしないにかかわらず、宿泊料を受けて寝具を使用して宿泊
させることを繰り返して行う営業のことをいいます。旅館業法によると、営業スタイル
は、
「ホテル」、
「旅館」、
「簡易宿所」、
「下宿」の4つに分類されます。いわゆる民宿の営
業許可は、
「旅館」と「簡易宿所」がありますが施設内容により下欄のとおり区分されて
います。前述のとおり、一連の規制緩和を利用して取組みやすいのは、旅館業法に基づ
く「簡易宿所」です。
項
定
目
義
客室の数
客室の床面積
定
員
玄関帳場など
浴
室
ホ テ ル
旅
館
洋式の構造設備を
和式の構造設備を
主とする施設
主とする施設
10室以上
洋式:1客室
5室以上
9㎡以上
和式:1客室 7㎡以上
簡易宿所
宿泊する場所を多人数
で共用する構造設備を
主とする施設
―
客室の延床面積 33 ㎡
以上
洋式:宿泊床面積4.5㎡に1人
宿泊床面積
和式:宿泊床面積3.3㎡に1人
2.5㎡に1人
宿泊者との面接に適するものであること
洋式浴室又はシャワ
近接して公衆浴場があり、入浴に支障をきたさない
ー室を有すること
場合を除き、適当な規模の入浴施設を有すること
15
2
食品衛生法
農家民宿で食事の提供を行う場合は、食品衛生法上の「飲食店営業許可」を受ける
必要があります。
ただし、宿泊客自らが農家等の台所を借用して調理等を行い飲食する場合や宿泊客
自ら飲食物を農家と一緒に調理し飲食する場合は、飲食店営業許可は不要です。
3
建築基準法
建築物を新築又は改築する場合は、建築基準法による建築確認申請が必要です。
改装などをして、住宅の一部を農家民宿に用途変更する場合、客室やお風呂、トイレ
といった宿泊者が使う部分の面積が100㎡を超える場合は、建築確認が必要です。
4
消防法
旅館業営業許可申請時に、消防法令適合通知書を提出する必要があります。
施設の規模(面積、収容人員)により、消防用設備などの設置が必要です。
カーテン、じゅうたんは、防炎加工したものを使用する必要があります。
消火器(延べ面積が 150 ㎡以上となる場合は、消火器又は簡易消化用具の配置が必
要です。
5
水質汚濁防止法
農家民宿の厨房施設・洗濯施設・入浴施設から公共用水域に水を排出する場合には、
その施設の設置工事に着手する日の60日前までに地方事務所へ届け出なければなり
ません。
6
浄化槽法
浄化槽を設置するときには、市町村へ届出をしなければなりません。
ただし、建築確認申請をする場合は、それと同時に届出を行うことができます。
7
都市計画法
地域における都市計画に基づき、土地をどのように利用するのかが規定されていま
す。
農家民宿として利用予定の建物の場所によっては、農家民宿を営業できない場合が
ありますので確認をする必要があります。
8
農振法
農用地区域では、建築物その他の工作物の新築等の行為は禁止されており、農用地
区域から除外を申請する必要があります。
9
農地法
農地を農地以外のものに転用する場合は、農業委員会の許可を受ける必要がありま
す。
16
第7 農家民宿に関する規制緩和等
1
農家民宿関係の規制緩和一覧
農家民宿関係の規制緩和
【平成15年4月1日から適用】
旅館業法
簡易宿所の民宿を開業
33㎡に満たない客室延
する場合、33㎡以上
床面積でも、簡易宿所営業
の客室延床面積が必要
の許可を得ることが可能
になりました。
長野県独自の規制緩和
【平成17年8月11日付け通知】(長野県)
「飲食店営業及び喫茶店営業の施設基準の運用について」
食品衛生法
「食品営業許可取得のための調理室改造モデル図」(20ページ)
【平成17年1月 17 日付け通知】
(国交省住宅局建築指導課長)
建築基準法
小規模で避難上支障がなけれ
「農家民宿等に係る
ば、新たな内装制限は適用し
建築基準法上の取扱
ないことを明確化しました。
いについて」
(21ページ)
【平成 19年 1 月19日付け通知】(消防庁予防課長)
地元の消防長又は消防署長の判断により、誘導灯を設置し
ないことが可能です。
消防法
「民宿等における消防用設備等に係る消防法令の技術上の
基準の特例の適用について
17
(22ページ)
2
規制対象の明確化等について
法令
農家民宿に関係する通知等
【平成 15 年 3 月 28 日付け通知】(自動車交通局旅客課長)
農家民宿が行う送迎輸送を道路運送法の許可対象外として明確化
疑問:農家民宿の宿泊者に対する送迎は、
「白タク営業」にあたるの
では?
道路運送法
答え:宿泊サービスの一環として行う送迎輸送は原則として許可
対象外であり、道路運送法上の問題はありません。
※
送迎客から料金を徴収したり、送迎を利用する客と利用し
ない客との間に宿泊料金に差があったりする行為は対象に
なります。
【平成 15 年 3 月 28 日付け通知】
(国交省総合政策局観光部旅行振興課長)
農家民宿が行う農業体験サービスを旅行業法の対象外として明確化
疑問:農家民宿が体験ツアーの販売・広告をするのは、旅行業法に抵
触するのでは?
旅行業法
答え:農家民宿がグリーン・ツーリズムの企画(体験ツアーな
ど)を販売する場合ツアー主催者が自ら行う販売・広告
は、旅行業法の対象になりません。
18
法令
農家民宿に関係する通知等
【平成 17 年9月】(農地法施行規則第1条の2第4)
農業生産法人の行う事業に農作業体験施設の設置・運営や民宿経営
を追加
農地法
農業生産法人が行う農業関連事業の範囲は、農畜産物の貯蔵・運搬
又は販売、資材製造、農作業受託に限定されていましたが、農作業
体験施設の設置・運営や民宿を経営することが可能になりました。
【構造改革特区における規制緩和】
農家民宿等による濁酒の製造事業の特区(どぶろく特区)
製造量が6キロリットルに達しない場合、雑酒(濁酒)の製造免許を
酒税法
受けることができない。
(酒税法第7条第2項)
→
農家民宿等を営む農業者が、自ら生産した農産物を主原料として、
いわゆる「どぶろく」
(濁酒)を製造する場合には、酒類製造免許に
あたって、最低製造数量基準を適用しません。
19
3 食品営業許可取得のための調理室改造モデル図
換気扇
窓には網戸
∞
調理台
食品洗浄設備
レンジ
(上部フード)
手指洗浄設備
器具洗浄
消 毒 設 備 ︵自 動 食
器洗浄機︶
冷凍
冷蔵庫
調理台
(下部器具容器保管庫)
食品保 管庫
下膳台
(下部廃棄
物容器)
家庭の台所を調理室(厨房)とする場合のポイント
①調理をする場所と食事をする場所は区分されていること。
②専用の手指洗浄設備が必要。
③食品洗浄設備(シンク)とは別に、器具容器洗浄設備、器具容器消毒設備が必要。
*以前は全部で3つのシンクが必要でしたが、平成17年8月から器具洗浄・消毒設備と
して共用が可能になりました。
【ポイント!:2つのシンクで OK】
また、自動食器洗浄機の能力の高度化(洗浄能力、すすぎ温度の高温等)に伴い、
消毒効果が認められる機器については、器具洗浄・消毒設備として認められることと
なりました。
【ポイント!:1つのシンクと自動食器洗浄機で OK】
(詳細は、保健所に御確認ください。)
20
4 農家民宿等に係る建築基準法上の取扱いについて
1 基本的な考え方
計 画 内 容
法 規 制
住宅の一部を下記を満たす農家民宿にする場合
住宅程度の法規制
①客室の床面積の合計が33㎡未満の計画
②客室から直接外部への容易な避難経路確保
旅館としての法規制
上記以外の計画
(住宅程度の法規制を含む)
2 具体的な規制
<2階建て木造住宅の一部を農家民宿等へ用途を変更する場合の主な規定適用範囲>
区
下記の床面積の場合、建築基準法の適用がされる
分
0 ㎡以上
住宅
程度の
法規制
旅館
としての
法規制
構造
規定
内装
制限
階段形
状規定
界壁
規定
300 ㎡以上
500 ㎡以上
火気使用室の不燃化
けあげ 23cm 以下
踏面 15cm 以上
間仕切壁を
耐火構造化
非常用照明を設置
階段形
状規定
けあげ 20(22)cm 以下
踏面 24(21)cm 以上
階段幅 120(75)cm 以上
適用される場合を「
200 ㎡以上
耐震基準など
非常用
照明規定
階段設
置規定
内装
制限
廊下幅
規定
耐火
規定
排煙
規定
建築
確認等
100 ㎡以上
括弧
規定
2 階の
居室
2 階の
2 以上の階段を設置
宿泊室
旅館の
避難経路の不燃化
部分
両側居室廊下 1.6m
片側居室廊下 1.2m
その階の
居室
2 階の
建物を準耐火構造化
旅館部分
旅館の
排煙設備を設置
部分
旅館の
用途変更として必要
部分
」とします。
21
5
農家民宿に対する消防用設備等の技術上の基準の特例の適用について
(農家民宿を開業する場合に緩和される消防法の内容)
消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長)または消防署長が消防法
施行令第32条に基づき、農家民宿に対する消防用設備等に係る技術上の基準の特例の
適用について判断する際の考え方は以下のとおりです。
1
「誘導灯」及び「誘導標識」について
農家民宿の避難階において、以下の(1)から(3)までのすべての条件に該当す
る場合は、当該避難階における誘導灯及び誘導標識の設置を要しません。
(1)
各客室から直接外部に容易に避難できる、または、建物に不案内な宿泊者でも
各客室から廊下に出れば、夜間であっても迷うことなく避難口に到達できることな
ど、簡明な経路により容易に避難口まで避難できること。
(2)
農家民宿等の外に避難した者が、当該農家民宿等の開口部から3m以内の部分
を通らずに安全な場所へ避難できること。
(3)
農家民宿等において、その従業者が、宿泊者等に対して避難口等の案内を行う
こととしていること。
2
「消防機関へ通知する火災報知設備」について
以下の(1)から(3)までにすべての条件に該当する場合には、当該農家民宿等
における消防機関へ通報する火災報知設備の設置を要しません。
(1)
上記1の条件を満たしていること。
(2)
客室が10室以下であること。
(3)
消防機関へ常時通報することができる電話が常時人がいる場所に設置されてお
り、当該電話付近に通報内容(火災である旨並びに防火対象物の所在地、建物名お
よび電話番号の情報その他これに関連する内容とすること。)が明示されていること。
22
第8 おもてなしの基本的なノウハウ
お客様に心地よく過ごしていただくため、おもてなしの基本的なノウハウを習得して
おきましょう。
ゆとりをもった対応を
農家民宿に対するお客さんのニーズは多様です。一律的なサービスを提供するの
ではなく、お客さんのニーズや天候に応じた柔軟な対応も時には必要です。無理の
ない範囲で、食事や体験プログラムの計画変更などに対応できるようなゆとりを持
っておきましょう。
予約時にきちんと説明・確認
予約を受けるときには、お客さんに提供するサービス、体験プログラムの内容等
をきちんと説明し相手の了解を得ておきましょう。また、サービス内容について一
般的なホテルや旅館との相違点がある場合(例えば、浴衣・バスタオル・歯ブラシ
等は持参をお願いする等)は、事前に説明しておくことが必要です。
質問に対しては、丁寧に答えるとともに曖昧な返答はしないことが大切です。
宿
帳
記
帳
必ずしも専用の帳場を設けなくてもかまいませんが、民宿を営む場合、宿泊者名
簿を備え付けなくてはなりません。これは「顧客名簿」としても利用できますので、
宣伝に有効活用するとよいでしょう。
ただし、宿泊者名簿も個人情報ですので、取り扱いには十分注意しましょう。
水周りの「清潔感」に配慮
トイレ、洗面所、風呂などの水周りは、衛生面に配慮するとともに「清潔感」が
あることが大切です。お客さんが気持ち良く利用できるように心がけましょう。
23
食
事
利用者にとって、食事は大きな魅力のひとつです。食事の際に、農家や山村な
らではの食材や料理が話題になることで、宿の魅力も一層引き立ち、お客さんの
地域に対する共感も深まるでしょう。
一方で、外食をする場所が近くにあれば、そうした場所を紹介する方法もあり
ます。お奨めの農家レストラン、食の体験館などの地域資源を活用することも、
効果的です。
料 金 設 定
民宿の料金設定にあたっては、高額では利用者に敬遠され、また低額では経営上
支障をきたします。食事を提供する場合、食材は可能な限り自家調達するなどして
コストを抑えましょう。
適切な価格を設定するのは難しいですが、地域の農家民宿や宿泊施設の料金など
も参考にして、提供するサービスに応じた料金を設定しましょう。
整 理・整 頓
利用者に気持ちよく泊まってもらうため、利用者と家族の兼用空間などを、あま
り生活臭を感じさせない程度に整頓しておきましょう。
衛
生
管
理
食事など飲食物の提供をするときは、衛生管理に最も気を使わなくてはなりませ
ん。食中毒の防止のため、白衣や髪おおいなど清潔な服装を着用し、調理開始前には
必ず手洗い消毒を行い、調理関係の設備器具、食器などは入念に洗浄します。
24
防 火 ・ 防 犯
火災は最も気をつけなくてはならないことの一つです。火の元の確認はもちろ
んのこと、宿泊者に対して寝タバコやストーブの取り扱いなど十分な指導も必要
です。万一に備え、最初にお部屋に案内したときに、避難方法、火災警報器、消
化器の位置や取り扱い方なども説明しておかなくてはなりません。カーテン、じ
ゅうたん、布団は、燃えにくい加工が施されている防火品を使用すると安心です。
また、窃盗事故防止のため、外部からの侵入者なども考慮に入れ、万一に備え
て具体的な防止策も講じておきましょう。
保
険
宿泊中のケガや食中毒などによる宿泊客に対する補償や、火災や災害による損
害などに対処するため、保険の加入を検討する必要があります。
また、体験メニューを提供する場合は、レクリエーション保険の加入も必要で
す。これについては、保険料を料金に含めるなどの工夫をするとよいでしょう。
滞在中に起きる事故として、次のようなケースなどが想定されます。
【利用者に損害を与えてしまった場合】
●宿泊先の失火により利用者がやけどをした。
●利用者に出した食事が原因で食中毒になった。
【利用者自身の不注意でケガをした場合】
●利用者が農作業体験中に転んで足を折った。
【利用者の不注意で損害が起きた場合】
●利用者が稲刈り体験中に誤って他の参加者にカマでケガをさせてしまった。
●利用者が誤って家の中のものを壊してしまった。
【指導する側の責任で事故が起きてしまった場合】
●きのこ狩りにつれていったところ、こちらの不注意でケガをさせてしまった。
●体験に使う道具を車で運ぶ途中、停車中の車にキズをつけてしまった。
補償の内容については、公的な共済から民間の損害保険会社の商品まで、いろいろ
なものがありますので、それぞれの特性に応じて保険設計する必要があります。
詳細については、近くの保険会社まで問い合わせてみてください。
また、財団法人都市農山漁村交流活性化機構(03-3548-2711)でも相談に応じ
ています。
25
編集・発行
長野県 農政部 農村振興課
発行日
平成 19 年 1 月 26 日 初版発行
平成 19 年 4 月 10 日 第2刷発行
〒380-8570 長野市大字南長野字幅下 692 の 2
電話 026-235-7242(直) 026-232-0111(代)
FAX 026-235-7483
26