監 修:沢野 訳出者:兪 伸浩 礼姫 海洋警察庁 海洋汚染防除バンドブック 海洋警察が作ります! きれいな海洋環境 海洋警察庁 2004.10. イ・スンシェ ◎ 地方海水庁 ◎ 防除業界 ◎ 防除組合 ◎ 防除業界 (環境部、海洋水産部) 影響評価、被害調査、対策検討 事後管理 事故現場 ◎ 保険社/代理人 ◎ 保険会社/代理人 ◎ ボランティア ◎ 地方自治体 海岸防除 地域防除対策協議 支援協力 ◎ 海警庁 海上防除 報告 願いします。 有し、きれいな海洋環境を保護するために皆さんの積極的な参加をお このバンドフックで海洋汚染防除に対する沢山の知識と情報を共 ます。 をするように防除技術に関わる情報を整理し、ハンドブックを発刊し 術と防除体制などを補完して、迅速かつ効率的な応急措置と防除措置 海洋警察庁では海洋汚染事故の現場での豊富な経験を基に防除技 多くの財産的かつ環境的な被害が生じた事故を経験しました。 防除技術支援団 海洋警察庁 ‘02 年のスペインの近海で起きたプレステージ号の沈没事故など、 大型海洋汚染事故の時、効率的な防除措置が行われていなかったので、 防除対策本部 報告 海洋汚染防除体制 以前‘95 年の麗水(ヨス)で起きたシープリンス号の座礁事故と など、気象不良による大型汚染事故の危険性は常在しています。 わが国の遠・近海の海上物流量が増加する中で、頻繁な台風の襲来 挨拶の辞 関 係 機 関 協 力 (法務、保健、建交) 防除人員通関 (国防部、行財部) 人員、装備支援 (環境部) 野生動物救護 (海水部、地方自治体) 漁場、養殖場保護 (労働部、市・都) 作業者健康安全 海洋水産部次官 防除対策委員会 海洋水産部長官 中央事故収拾本部 評価・改善 ▼ 防除終了 ▼ 実効調停 防除措置 ▼ 構成運営 防除組織 ▼ 初動措置 ▼ 申告 ○ 地域防除実効計画と比較評価の問題点改善 ※ 海警、地方自治体、専門家、住民参加 ○ 現場調査チーム構成汚染地域確認、決定 ○ 補給支援および防除事項公報 ○ 防除状況維持および定期的な報告・伝達 理剤撒布、廃棄物貯蔵・処理 ※ 拡散防止、脆弱海域保護、流出油回収、油処 ○ 防除人員の配置調整および防除措置 ○ 毎日の流出油探査調査および拡散状況の評価 ○ 防除対策協議会および防除技術支援団運営 ○ 防除戦略および防除人員動員範囲決定 ○ 防除対策本部および状況対策組織設置運営 ※ 油出口封鎖、積載油移設、拡散防止・回収 ○ 地域防除人員動員および応急防除措置 ○ 上級機関への報告および関係機関伝達 ○ 担当者非常招集現場への参集状況調査 ○ 近隣海域警備艇および防除艇緊急出動 ⅶ.用語説明 ⅵ.報告書式 ⅴ.地域別防除資源保有現況 ⅳ.海洋警察庁および防除組合保有高粘度用油回収機現況 ⅲ.海洋警察庁および防除組合保有防除船舶現況 ⅱ.関係機関、団・業界非常連絡網 ⅰ.油の種類別特性 附録 ················································································ 99 Ⅹ.油処理剤撒布技術 ························································ 93 Ⅸ.油吸着材の使用技術 ····················································· 89 Ⅷ.油回収システム運用技術 ··············································· 69 Ⅶ.海上流出油拡散防止技術 ··············································· 53 Ⅵ.海上漂着油防除戦略 ····················································· 41 Ⅴ.海上流出油防除戦略 ····················································· 31 Ⅳ.油汚染現場の安全事故予防および応急処置······················· 25 Ⅲ.防除対策本部設置・運営 ··············································· 19 Ⅱ.海洋汚染事故の類型別初動措置 ······································ 11 ○ 総合状況室および海洋汚染管理課伝達 次 Ⅰ.海洋汚染事故申告および初動措置·····································1 目 ○ 海洋汚染申告センター運営申告受付 海洋汚染事故処理流れ図 Ⅰ.海洋汚染事故申告および初動措置 1. 海洋汚染の申告 2. 状況報告および伝達 3. 現場状況調査 4. 事故初期の概略的な流出量推定方法 5. 流出油探査および立証資料確保 1 2 Ⅰ.海洋汚染申告および初動措置 1. 海洋汚染の申告 海洋汚染申告は迅速な防除と被害予防措置のために必修な法的任 務である。 海洋汚染申告センター ○ 海洋警察庁および海洋警察署で 24 時間申告電話を受付 ・ 海洋汚染申告電話:地域別局番-5050、119、1588-0333 海洋汚染申告をすべき者は? ○ 法的申告義務者:油など廃棄物を排出した船舶の船長または施設 の管理者および排出原因者 ○ 市民の協力:油など廃棄物の海洋汚染を発見した者 申告方法 ○ 電話、書面、口述、無線通信網のうち最も迅速な方法を利用 申告内容 ○ 海洋汚染事故発生日時、場所、原因 ○ 排出した油など廃棄物の拡散状態および推定量 ○ 事故船および施設の種類、名称および規模 ○ 海・気象状態および応急措置事項 申告受付の措置 ○ 申告受付者は申告者の名前、連絡先を確認 ○ 受付次第、海洋汚染管理課長に報告および総合状況室に伝達 3 2. 状況報告および伝達 海洋汚染事故報告および伝達は現場状況の正確な評価で迅速な防 除措置および関係機関と共同対応するためである。 初期現場状況報告 ○ 手続き:現場出動警備艦艇、防除船および関係者が現場で防除対 策本部又は海洋警察署に報告 ○ 内 容:事故船舶および施設の状態、諸元、油の種類、油の積載 量、流出量、流出油拡散状態(範囲、色など)、応急措 置事項、水深、気象、危険要素、防除作業条件など ○ 方 法:有・無線通信網活用、海警署または防除対策本部に電文、 口頭形態で報告 ☞ 初期報告は迅速性が命であるので、把握次第、優先的に報告 海洋汚染状況報告および伝達 ○ 報告体系 ・海警署➝海警庁➝海洋水産部、国務総理室、大統領府(靑瓦臺) ○ 伝達所 ・海警署:海警署各機能、地方自治体、地方海水庁、防除組合など ・海警庁:行政自治部、消防防災庁など関係機関 報告の種類別報告定期 種類 発生報告 一日計画報告 防除進行報告 一日総合報告 時間 即時 07:00 11:00/16:00 20:00 ※ 報告書の書式および内容は附録 6 参照 4 3. 現場状況調査 防除戦略と方法の決定のために事故船舶の状況、汚染状況、気象・ 海域の特性などを迅速に把握すべきである。 事故船舶の基本情報確認 把握内容 把握先 船名、船種、総トン数、所有者、代理店、 船主(代理店)、船員、 チャーター者、保険加入事項 出港地海警署 船舶、船主、代理店、保険会社連絡先 船主(代理店) 、船員 積載油類および積載量、タンク別積載量 船主監督、機関長 ☞ 活用:防除命令書の交付、事故船舶の対応能力の評価 船体状態の調査 調査内容 調査方法 船体の傾き、破損の位置 ・ 肉眼で外板の確認 および大きさ ・ 潜水調査・水面下の確認 区 画 別 の 浸 水 お よ び タ ・ マンホール解放・海水流入の確認 ンク破損可否 ・ 計測機を用いてタンクの油・水量チ ェック 油流出の状態 ・肉眼で周辺海面の確認 海底との接触可否 ・船体の動き、潜水者による確認 ☞ 活用:事故保規模の評価、油流出の防止措置、救難作業 5 事故海域周辺の特性調査 調査内容 情報確認先 波高、風向・風速・気温・水温 現場艦艇、気象庁 海・潮流流動、潮汐時間および潮高差 潮汐表、海洋調査院 水深、魚場、養殖場など脆弱資源分布 防除情報地図活用 ☞ 活用:散布予測および被害可能性評価、防除方法の選択 4. 事故初期の概略的な流出量推定方法 流出量は動員範囲を決定する要素であるので初期の把握が必要 破損部位が水面の上にある時(沈没してない場合) ○ 流出量(㎥/sce)≒0.6×A 2 × 9.8 × h ・ A:破損面積(㎡) ・ h:破損中心から油タンク内の油面までの高さ(m) ※ 破損タンクの上部分に積載している油のほぼ全量流出 破損部位が水面下舷側にある時(沈没してない場合) ○ 破損タンク積載量の 30~50%流出 ※ 経験的な数値であり、積載量・潮流流速に比例 破損部位が水面に掛かっている時(沈没してない場合) ○ 破損タンクに積載した油全量流出 破損部位が船底にある時(沈没していない場合) ○ タンク積載量の 10~30%流出 ※ 経験的な数値であり、積載量と流速が速いほど多く流出 船体に破損がなく、転覆した時 ○ 少量の流出の場合が殆んどである(経験的な数値)。 6 5. 流出油探査および立証資料の確保 流出した油は海水流動と風の影響により、速く移動するので移動位 置を迅速に探査し、防除人員を配置すべきである。 海上探査は航空機または船舶を用いるが、船舶は視野が制限されるので 迅速な航空探査が必須である。 ○ 準備物:カメラ、海図(1/25,000)、鉛筆、ディバイダー、三角定規 ○ 既存の情報:潮汐、潮流方向および流速、事故情報 ○ 探査方法:移動・拡散予測海域を台形で探査 流出油移動方向および移動速度の予測 ○ 海図上に図示またはコンピューター拡散モデリングで算出 ※ 風による時間あたり移動距離(3%影響) 潮流による時間あたり移動距離(100%影響) 7 油膜の色別厚さで流出量推定 油膜の色調 推定厚さ(㎜) 推定量(㎥/㎢) 銀白色 0.0001 0.1 虹色 0.0003 0.3 黒色/黒褐色 0.1 100 褐色/オレンジ色 1 1,000 海岸探査は航空機で範囲を把握した後、汚染海岸を徒歩で現場を確認し ながら精密に把握すべきである。 ○ 準備:大縮尺地図、鉛筆、メジャー、汚染海岸接近方法の熟知に対す る調査・確認 〇把握事項 ・ 海岸の構成(砂、砂利、岩壁など) ・ 油が溜まっているか ・ どのような状態で付着しているか ・ 汚染範囲などを精密に確認して地図に記録 ※ 汚染範囲が広い場合には、数個のグループに分けて現場を確認 試料採取および現場写真撮影 汚染試料は、原因行為者を探すことおよび、被害賠償の立証資料として 活用するため、試料採取と分析過程を厳格に管理 ○ 採取時期:油が風化する前にできれば速やかに採取 ※ 流出した油は海・気象の影響で物性が変化する。 8 ○ 採取場所 ・ 汚染現場を代表する所(事故現場、周辺) ・ 嫌疑船舶および施設のタンカー、破損ラインなど ○ 採取方法 ・ ガラス瓶および繊維パルプで複数を採取し、日付、場所、採取者、立 会人のラベルを貼り、採取者と立会人が封印 ・ 立会人から試料採取の立会確認書を請求 ○ 保管方法 ・ 4℃以下の冷暗所に冷蔵保管、0℃以下の保管禁止 ○ 写真撮影 ・ 汚染船舶および施設の流出場所 ・ 海上・陸上の汚染現場および防除作業の現場 ※ 海域、海岸別に区分し、日付け別に撮影、保管 9 10 Ⅱ.海洋汚染事故の類型別初動措置 1.船舶の沈没による油の流出事故 2.衝突(沈水)よる油の流出事故 3.座礁による油流出事故 4.転覆による油の流出事故 5.船舶油の積み降ろし作業中の油流出事故 11 12 Ⅱ.海洋汚染事故の類型別初動措置 1. 船舶の沈没による油の流出事故 初期に確認すべき情報 ○ 船舶諸元、貨物・燃料油の種類および積載量、船体の損傷状態 ○ 水深、底質、海・潮流、海洋汚染脆弱資源など 初動措置 項 目 流出口封鎖 措 置 内 容 ・ 海警特区団および民間潜水者を動員 ・ ビニールで包む、セメント固化、栓、鉄板ボルト固定 ・ 近隣地域の機関、団体・業者保有オイルフェンスを優 先活用 拡散防止 ・ 海警および防除組合オイルフェンスを追加動員 ・ 油が拡散する海域にオイルフェンスを 2~3 重に展長 し、流出油の捕集(回収システムと連携) ・ 海警、防除組合保有防除船および油回収機の動員 ・ 水深が浅く、潮流が弱い海域は移動用油回収機を投入 流出油回収 (スクリュー、ディスク、ブラシ、ドラムスキマー) ・ 水深が深く、海・潮流が速い海域は専用防除船油回収 システムの運用(VOSS,U,V,J 型システム活用) 油流出様相および対応 ○ 流出油がバンカーA の場合は初期に殆どの油が流出するので、初期の 流出油の位置を確認して集中防除 ○ バンカーB、C の場合には粘度が高いので、少量流出が持続する。 ※ 初期流出の際、移動する油拡散、防除および沈没船の流出対応 13 2. 衝突(沈水)よる油の流出事故 初期に確認すべき情報 ○ 船舶諸元、貨物・燃料油の種類および積載料、破損の部位および状態 ○ 海・潮流、海洋汚染脆弱資源の分布など 初動措置 項 目 積載油 移積 破損部 封鎖 措 置 内 容 ・ 破損タンクの油を事故船内にある他のタンクに移送 ・ 近隣のタンカーおよびバージ船動員、移積措置 ・ 布と木の栓、セメントで封鎖(海警特区隊、民間) ・ 鉄板で溶接またはボルトで固定(民間救難業者) ・ 近隣地域機関、団体・業者保有のオイルフェンスを優 先活用 拡散防止 ・ 海警および防除組合オイルフェンスを追加動員 ・ 事故船周辺にオイルフェンスを 2~3 重に包囲し展長 ・ 海・潮流に沿って拡散する流出油はオイルフェンスで 捕集 ・ 海警、防除組合の保有防除船および油回収機動員 ・ 事故船周辺をオイルフェンス内に移動用油回収機を集 流出油 回収 中投入して油回収(防除バージ船を事故船舷側に係留) ・ 外海に拡散した油はオイルフェンスと連係した油回収 システムの運用(VOSS,U 型,V 型,J 型油回収システ ム活用) 油流出様相および対応 ○ 事故発生初期の破損タンクは油が瞬間的に流出するので流出した油 の位置を確認して対応(潮流、風影響考慮) ○ 初期以降、流出は中断するが、波、強い潮流、船体変形などによる追 加流出に備え、残存油の全量移積措置が必要 14 3. 座礁による油流出事故 初期に確認すべき情報 ○ 船舶諸元、貨物・燃料油の種類および積載量、損傷位置および大きさ ○ 水深、底質、潮汐時間、および潮高差、海洋汚染脆弱資源分布など 初動措置 項 目 積載油 移積 損傷部 封鎖 離礁移動 措 置 内 容 ・ 損傷タンクの油を事故船内にある安全なタンクで移送 ・ タンカーおよび陸上で油槽車を動員した移積措置 ・ 可能な場合、布と木の栓、セメントで封鎖 ・ 離礁時、損傷部を確認、封鎖後移動 ・ 船体状態を評価後、沈没の危険性がない場合に離礁 ・ 離礁後、事故船の安全性を確保した後、移動 ・ 近隣地域機関、団体・業者保有のオイルフェンスを優先活 動 拡散防止 ・ 海警および防除組合オイルフェンスの追加動員 ・ 事故船の周辺にオイルフェンスで 2~3 重に包囲し展長 ・ 海・潮流に沿って拡散する流出油はオイルフェンスで捕集 ・ 海警、防除組合保有の防除船および油回収機の動員 流出油 回収 ・ 事故船の周辺にオイルフェンス内に移動用油回収機を集中 導入、流出油回収(防除バージ船を事故船に舷側に係留 ・ 外海に拡散する油はオイルフェンスと連係した油回収シス テムの運用(VOSS,U 型,V 型,J 型油回収システム活用) 油流出様相および対応 ○ 事故初期、流出油確認および干潮の時、水線上部の油流出準備 15 4. 転覆による油流出事故 初期に確認すべき情報 ○ 船舶の諸元、貨物・燃料油の種類および積載量、船体の状態 ○ 水深、海・潮流、海洋汚染の脆弱資源の分布 初動措置 項 目 措 置 内 容 流出口の ・ 事故船のエアベント、油注入口をビニールで封鎖 封鎖 積載油 移積 ・ 船体復元作業前に封鎖部分を再確認し、完全封鎖する。 ・ 救難作業者と協議、推進 ※ 移積業者が単独で作業する場合、船体の沈没のおそれ がある。 ・ 近隣地域機関、団体・業者保有のオイルフェンスを優先 活用 拡散防止 ・ 海警および防除組合のオイルフェンス追加動員 ・ 事故船の周辺にオイルフェンスで 2~3 重に包囲し展長 ・ 海・潮流に沿って拡散する流出油はオイルフェンスで捕 集 流出油 回収 ・ 海警、防除組合の保有防除船および油回収機を動員 ・ 事故船で流出した油はオイルフェンス連係した油回収 システムの運用(VOSS,U 型,V 型,J 型油回収システム) 油流出の様相および対応 ○ 船体が転覆した状態では少量の流出が殆んどである。 ○ 船体が沈没したか復元する時は機関室、貨物倉庫に溜まっている油が 流出するのでこれに準備・対応するのが大切である。 16 5. 船舶油の積み降ろし作業中の油流出事故 初期に確認すべき情報 〇施設・船舶の諸元、油の種類 〇海・潮流、海洋汚染脆弱資源分布など 初動措置 項 目 流出遮断 措 置 内 容 ・ 移送ポンプの中止およびバルブ遮断 ・ 排水口の遮断(作業前に施行) ・ 近隣地域の機関、団体・業者保有オイルフェンスを優 先活用または海警あるいは防除組合オイフェンスを 拡散防止 動員 ・ 事故船周辺にオイルフェンスで 2~3 重包囲展長 ・ 海・潮類に沿って拡散する流出油はオイルフェンスで 捕集 ・ 海警、防除組合の保有防除船および油回収機を動員 流出油回収 ・ 流出した油はオイルフェスト連係した油回収システ ムの運用(VOSS,U 型,V 型,J 型油回収システム) 油流出様相および対応 ○ 給油事故は初期に瞬間的に流出するので流出事故に準備し、事前にオ イルフェンスの設置および排出口を封鎖、給油作業をすることが重要 である。 17 18 Ⅲ.防除対策本部設置・運営 1.構成および体制 2.編成および任務 3.運営 19 20 Ⅲ.防除対策本部設置・運営 海洋汚染事故防除措置・指揮統制および事故処理を総括する行政組織 1. 構成および体制 防除対策本部 海洋警察長 防除総合状況室 防除技術支援団 防除課長 現場指揮官 海洋警察長 海警・民間防除チーム 指揮統制組 海岸現場指揮所 防除状況組 補給支援組 行政支援組 現場調査組 2. 編成および任務 本部長 ○ 海洋汚染事故の規模別区分 区分 大型事故 中型事故 小型事故 本部長 海洋警察長 海洋汚染管理局長 海洋警察署長 事故 持続性油 持続性油 持続性油 100kℓ以下 規模 1,000kℓ以上 100kℓ~1,000kℓ 非持続性油 100kℓ以下 ○ 官長業務 ・ 防除優先順位および防除戦略の決定 ・ 防除計画策定・施行および調停 ・ 防除支援の動員範囲決定 21 現場指揮官 ○ 海洋警察署長又は海洋汚染管理課長 ○ 官長業務 ・ 汚染事故の現場状況の把握および評価 ・ 防除作業に動員する人員・装備の指揮・統制 ・ 防除状況報告・防除作業進行および調停 海警および民間防除チーム ○ 海上で現場指揮官の指揮に従い、防除作業を遂行 海岸現場指揮所 ○ 地方自治体など海域管理庁と防除組合・業者で海岸漂着油の防除作業 を遂行し、進行状況を対策本部に報告 事故対応組 ○ 海警署の職員を中心に関係機関、防除組合、船主、保険会社など ○ 官長業務 組 別 任 務 指揮統 ・ 現場出動、防除人員の指揮・統制 制組 ・ 現場防除状況を対策本部に報告 防除 ・ 防除状況を上部に報告・伝達および機関協力 状況組 ・ 海警、防除組合・業者などの防除人員動員 補給 支援組 ・ 動員した防除人員に防除資本材および所用物 品補給 ・ 臨時補給所および廃油など臨時蓄積所運営 位 置 対策本部 現場 対策本部 状況室 対策本部 状況室 ・ 防除活動報道資料の作成配布および取材便宜 行政 対策本部 の提供 支援組 ・ 会議室の準備および対策本部の事務室運営支 状況室 援 現場 ・ 事故原因調査、流出量算定、探証資料確保 調査組 ・ 流出油拡散状況の探査および伝達 22 事故現場 3. 運営 防除対策本部の事故対応組および防除チーム事前構成 ○ 毎年、人事発令後実名で構成任務告知 ○ 海警および民間防除チームは DB を構築し、海警庁のホームページ公 開定期的にアップロード(http://www.nmpa.go.kr) ○ 事故対応組および防除チームの事務室、個別通信網の把握・維持 事故規模に適切な新築的な組織運営 ○ 海上と海岸が同時に汚染した大型事故の時、海警主管関係機関が参加 する典型的な防除対策本部構成・運営 ○ 中・小型事故の場合には状況により適切に防除対策本部を縮小運営 ○ 小型事故で被害なく初期に防除完了が可能な場合には対策本部を設 置せずに、海警署が主管、防除組合、業者を動員して防除措置遂行 時差別の状況変化に積極的な対応 ○ 時時刻刻に変化する現場状況を評価し、防除戦略の修正・施行 ※ 防除対策本部の会議を開催し、防除戦略および防除方法を調停・ 変更 ○ 事故対応組要員は防除対策本部に専従勤務し、状況処理の連続性を維 持 23 防除対策本部の対応班別準備物 区 別 装 備 施 設 情 報 パソコン,携帯電話 指揮 統制組 ● ノートパソコン、カメラ、VCR ● 無線通信機、航無通信機 ● 状況板 有線電話 ● 防除 状況組 ● 広告 行政組 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 油処理剤簡易性能試験官 資 防除情報地図 ● ● 関係機関など主な連絡先 ● ● 防除専門運用チーム連絡網 ● ● 装備保有現況および動員連絡網 ● ● ● 動員警備艦艇、防除船連絡網 ● ● ● ● ● 防除資金実行指針 ● 防除機資材の段階別動員計画書 ● 報道機関および担当記者連絡網 ● ● ● 料 ● ● 宿泊施設、飲食店、弁当業者 事故船舶の諸元、図面、運行事項 ● ● 流量計測器 対策本部構成現況および連絡網 現場 調査組 ● ● 補給所天幕 デジタルカメラ 補給 支援組 ● ● ● ● ● ● ● 汚染事故進行事項 ● 汚染状況評価書 ● 防除技術支援要請書 ● 書 状況報告書、状況記録部 ● 防除命令書、防除協力要請書 ● 類 物品収拾管理記録部 ● 様 廃油など処理管理記録部 ● 物品引渡引受証 ● 式 報道資料作成様式陳述書 ● スクラップブック ● 是認書および陳述書 ● 試料採取立会確認書 ● 航空監視要請書および結果報告書 ● 海図および状況図 ● 24 Ⅳ.油汚染現場の安全事故の予防 および応急処置 1.流出した油の揮発による中毒事故 2.流出した油が肌に付いた時 3.火災・爆発事故予防および応急処置 4.滑り事故予防 25 26 Ⅳ.油汚染現場の安全事故予防および応急処置 1. 流出した油の揮発による中毒 原油、ナフサ、揮発油など揮発性油が流出した時、急激に揮発し、防 除作業者が吸入して中毒になる。 中毒時に現れる症状 ○ 耳鳴り、吐き気、嘔吐、胸焼け、居眠り、瞳孔の拡大、ふらつく、意 識をなくす、呼吸停止など ○ 目眩と無気力症が現れるとお酒で酔ったように歌を歌う。 中毒予防のために措置事項 ○ 関係者以外の出入りを統制し、危険地域を隔離し、出入りを禁止 ○ 気化した油の浄化が可能な呼吸装具着用 ○ 風邪を背にして作業し、ガス、蒸気、煙の吸入を避ける。 ○ 慢性的な呼吸器疾患者、腎臓あるいは肝臓に異常がある者および皮膚 疾患者は防除作業から除外する。 ○ 防除作業の時、ゴムの手袋、保護眼鏡、長袖の作業服および安全靴着 用 中毒の時の応急処置 ○ 汚染地域から離れて新鮮な空気がある所に退避 ○ 応急室(119、病院、防除対策本部)に迅速に通報 ○ 必要の時、人工呼吸のために酸素呼吸器を動員 ○ 暖かくて、安らげるように休ませる。 ○ 即時に医者の治療を受けるようにする。 27 2. 流出した油が皮膚に付いた時 防災作業中に転んだか、油の中に落ちた場合に、眼または皮膚に油が 付着する事故が起こる。 症状 ○ 眼に入ったら、涙が出て、刺激(痛症)がある。 ○ 皮膚に当たったら、刺激、水ぶくれ、発疹、かゆみなど皮膚病が誘発 する。 ○ 長期間露出したら、日焼け、ひりひりした感じがする。 予防 ○ 飛散物または有害液体から保護する保護眼鏡の着用 ○ 作業のうち、皮膚接触を防止するために、皮膚保護用の防除作業服を 着用 ○ 安全帽子、耐油性手袋、耐油性安全靴を着用 ○ 作業者達が作業後、洗浄、着替え室を具備 応急措置 ○ 眼に接触する時、上下のまぶたを上げたまま、化学物質が完全に除去 されるまで、大量の水または食塩水で眼を洗浄 ○ 汚染した服と靴を脱ぎ、除去 ○ 皮膚から化学物質が完全に除去するまで多量の水を使い、15~20 間 洗浄 ※ 皮膚では洗浄剤または布を使用しない。 ○ 必要の時は医者の治療を受ける。 28 3. 火災・爆発事故の予防および応急処置 原油など揮発性油が大量流出する時、油蒸気の混合物は引火、爆発す る危険性がある。 予防 ○ 蒸気、またはガスは遠距離の発火源から点火し、瞬間的に爆発しうる ので、熱、火炎、電気的スパークおよび点火源を除去 ○ 火災の可能性がある気体発生の時、火花、電灯を付ける行為、非防爆 型無線送受信機、鉄製道具などの使用禁止 ○ 船舶が火災による安全装置の警報音が出たり、タンクが変色する場合 には即時に退避 ※ 退避の時、風が吹いてくる方向に退避し、低地帯には油蒸気を集 まるので避けること ○ 温度が多く上昇したり、気化した油の濃度が高い場合、作業人員を撤 収させる。 ○ 風または潮流の上方向に接近する。 応急措置 ○ 関係者以外の接近を防ぎ、危険地域を隔離し、出入りを禁止させる。 ○ 火災・爆発事故の発生し、119(消防艇)に即時に申告する。 ○ 水を撒き、蒸気の発生を抑制させる。 ○ 火災が鎮火した後にも相当の時間に水を散布し、船舶を冷却させる。 ※ 鎮火作業の時、呼吸用の保護具と防火服を着用 29 4. 滑り事故予防 油に汚染した場所は滑ったり、転んだりする事故が発生する。 ○ 予防 ・ 油のある場所が濡れている場合には滑りやすいので、表面に油吸着剤 を敷く。 ・ 油と湿気がある表面は出入りを統制する。 ・ 油がある地域を歩く場合には、ポケットに手を入れたり、両手に物を 持たないようにする。 ・ 作業を始める前に、危害要素があるか確認する。 ・ 滑り防止用の耐油性の安全靴および作業服を着用する。 ・ 海上で防除作業の時、救命服を着用する。 ○ 応急処置 ・ 救難者が危険であるならば、事故者に接近せずに事故者を助ける他の 方法を選択 ・ 事故者が危険な環境に露出しているならば事故者を危険地域から安 全な場所に移動させたり、危険物を除去 ・ 事故者が危険な環境ではなければ移動せずにその場で処置 ・ 多数の災害者の発生時には、生命が危険な者から応急措置 ・ 患者を安全な場所に迅速に移動させ、119(応急救助)または医者に 即時に連絡する。 ・ 汚染した服、装飾品、靴などは即時に除去する。 30 Ⅴ.海上流出油防除戦略 1. 防除戦略決定 2. 油の種類別防除戦略 3. 座礁、沈没船舶から油流出が持続する場合の防 除戦略 4. 海域別防除戦略 31 32 Ⅴ.海上流出油防除戦略 1. 防除戦略決定 効率的な防除措置のために事故規模と危険性を評価し、防除優先順位 と有効な防除方法の決定が先行すべきである。 防除戦略決定方法 流出油が海岸への移動 いいえ 流出油を追跡監視 海岸汚染の憂慮防災 が予測できるか 措置 はい 拡散防止および作業 油処理剤の使用が承認 実施 できたか いいえ はい はい 拡散防止および油回収 作業が可能か いいえ 低い 事故海域の混合・分解 水準はどうか 海岸環境脆弱資源保 護措置を集中実施 高い 粘度が常温で 2000cSt はい 以上か いいえ 油処理剤の使用を考慮 33 現場状況別 防除戦略決定 Key Point Key Point 現場状況 ・ オイルフェンスで捕集後、機械的な油回収作業または 高い 油の 海岸の漂着油回収作業 ・ 油処理剤、油吸着剤使用率は低い 粘度 低い ・ 物理的回収作業を優先検討し、海岸漂着の恐れがある 場合、油処理剤の使用を積極的に検討 ・ オイルフェンス、油回収機、油吸収剤使用が制限させ 海上 荒い の るので油処理剤使用を積極的に検討 ・ 海岸漂着の対応に防除作業の準備 状態 静か ・ 事故規模に相応する防除人員を最大限に動員し、物理 的な回収・回収作業を積極的に施行 ・ オイルフェンスで捕集と同時に回収するシステム運用 早い 海水 〔潮流を沿って順番に回収作業〕 ※ 単独 VOSS および V 型油回収システム運用 ・ 油吸着材の回収が困難であるので使用を抑制 の 流動 ・ オイルフェンスの多重設置と回収作業を積極に施行 遅い ・ 油処理剤の使用時、分散した油が長い間、滞留するの で水深が低い場合は使用禁止 沿岸 ・ 物理的回収を優先的に積極的な防除措置 場所 外海 ・ 海岸漂着の恐れに対し流出油を物理的・化学的に防除 固形化した 油 ・ 油回収機よりグラブ船、フォークレーン動員 ・ すくい網、たも網を利用した海岸回収作業 ・ ゲル化剤、吸着材を投入ハンドリングマシンで除去 夾雑物含有 ・ 広い海域では網ネットあるいはスクリーンベルト運用 ※ 夾雑物が少ない場合、スクリュースキマーを動員 ※ 機械的回収作業を計画した海域では油吸着材を投下すると油回収機 の運用に支障を招くので投下を禁止する。 34 2.油の種類別防除戦略 油 類 防 除 戦 略 ・ 火災・爆発防止のために汚染海域内への立ち入り 揮発性油 を禁止し、自然揮発を待つ。 ・ 陸地と近い場合、消防署など関係機関に通報 ・ 沿岸では拡散防止、機械的な回収、油吸着材によ る吸着除去 軽 油 ・ 揮発速度が速いので油処理剤の使用は抑制 ・ 外海では事故時、海岸漂着の恐れがある場合に防 除 ・ 沿岸では拡散、機械的回収、油吸着材で吸着除去 ・ 油処理剤撒布は水深(10m 以上)と周辺に漁場、 取水口など環境脆弱資源の分布状況を検討し、撒 バンカー-A 布可能決定 ・ 外海では事故海域に防除船を固定配置海上流出油 を監視し、海岸漂着の恐れがある時、防除作業実 施 ※ 回収作業およびスクリュー作業は効果がない ・ 沿岸、外海の場所にかかわらず、積極的な防除措 置 ・ 事故初期、分散期間帯(粘度 2,000cSt 以下)の場 バンカー-B バンカー-C 原 油 合、油処理剤の撒布を検討 ・ 機械的な回収および海岸漂着油回収の中心の防除 作業実施 ※ 回収作業やスクリューによる撹拌作業は油を 固化させ、自然な揮発を阻害するので使用禁止 ― 35 3.座礁、沈没船舶から油流出が持続する場合の防除戦略 流出口封鎖と積載油の移積作業の緊急施行 ○ 防除業者と救難業者の相互協力および船体救難作業と連係して移積 作業を施行(救難指揮者の意見尊重) 24 時間流出源に接近し、流出油回収作業を実施 ○ 油回収船団を 2 個以上編成し、昼・夜間交代 ・ 1 個船団は最小 4 個油回収チームで構成 ・ 事故船周辺にオイルフェンス包囲を展長し、防除バージを係留させて 移動用油回収機 2~3 台投入し、回収作業を実施 ・ 外側で流出する油は海警 300 トン級 1 隻(VOSS)、海警・防除組合・ 業界油回収線船 2 隻と補助船 4 隻で U 型、V 型、J 型油回収システム 活用 油回収船団展開図 ○ 夜間灯火が可能なイカ釣り漁船など 2 隻以上配置し、夜間作業可能お よび安全確保 36 4. 海域別防除戦略 西海で流出事故時 海域の特性 ○ 潮流が早くて 6 時間ごと潮流方向が変わる。 ☞ オイルフェンス機能喪失、流出油がベルトを形成 高速に移動、短時 間で海岸に油が漂着、固定型油回収機の効率を低下させる。 ○ 水深が低くて、潮高差が大きく広い潮間帯が形成されている。 ☞ 防除船を利用する海上防除作業期間が極めて短く、潮間帯と海岸線が 広範囲に汚染 防除戦略 ・潮流速度に沿って傾斜角を作って包囲展長 拡散 防止 流速(kt) 0.7 1 1.4 2 4 傾斜角 90° 45° 30° 20° 10° ・ オイルフェンスと連係した油回収システムで油を包囲、即 時回収するように防除チーム構成 脆弱資 源保護 ・ 漁場・養殖場、取水口など脆弱資源にオイルフェンスを 2 ~3 重に閉鎖して展長後にブーム型油吸着材で補強 ・ 海上流出油の海岸漂着前(2~3 日以内)に回収対策検討 ・ 海警および防除組合専用防除専用船を最大限動員し、流出 流出油 回収 油を集中に海域に配置・活用 ※ 潮流が強いところは回収船で単独または VOSS 形態の油 回収システムを潮流に沿って順番に回収 ・ 潮流が弱い海域に U 型,V 型,J 型油回収チーム配置・活用 ・ ロープ型油吸着材または中質油付着材を利用して回収 ・ 沿岸が水深 10m 以上海域で落潮時に制限的使用、外海は 油処理 剤撒布 海岸に漂着が憂慮される時に積極的に使用を検討 ・ 流出油の粘度(2,000cSt 以下) 、潮流方向、水深分布、環 境脆弱資源分布現況を検討決定 37 南海で流出事故時 海域の特性 ○ 狭湾、狭水路と多くの島が散在した環境脆弱海域である。 ☞ 座礁、衝突など海難による油流出事故がたびたび発生し、沿岸で流出 事故時、短期間に海岸に漂着 ○ 沿岸は殆ど静かな海域または水路を中心に強い潮流が発生し、外海に は大韓(対馬)暖流が北東へ流れる。 ☞ 沿岸は水路中心を避けて潮流が弱いところが多くて防除装備の効率 が高く、外海の流出油は東海へ流れるが南東風が吹くと海岸に漂着 防除戦略 ・ 事故船周辺に 2~3 重にオイルフェンスを包囲および包集 拡散防止 船展長を混合し、設置 ※ 水路中央を貫く展長禁止 脆弱資源 ・ 海岸脆弱資源(漁場、取水口、観光地、干潟など)をオ 保護 イルフェンスで閉鎖し、展長後にブーム型吸着剤で補強 ・ 事故船に防除バージ係留、移動用油回収機 2~3 台配置 ・ 流出油が集中海域に海警 150 トン級以上防除艇および防 流出油 回収 除組合防除専用船を動員し、回収作業 ・ 流出油が拡散した海域にはオイルフェンスと連係した油 回収システムの運用(U 型,V 軽,J 軽油回収システム活用) ・ ロープ軽油吸着材または中質油付着材を利用して回収 ・ 沿岸ではできれば使用を抑制し外海は海岸に漂着が憂慮 油処理剤 撒布 される時に使用を積極的に検討 ・ 流出油の粘度(2,000cSt 以下)、潮流方向、水深分布、環 境脆弱資源の分布現況を検討し、決定 38 東海で流出事故時 海域の特性 ○ 海岸線が単調で沿岸は潮高差が少ないので潮流が弱い。 ☞ 沿岸ではすべての防除方法が適用できるが、海岸線が海の方向に開い ている部分で東風流が吹くと海が荒れる。 ○ 外海では北東向の大韓(対馬)暖流が一定に流れるが、またには寒流 が浮上し、沿岸を沿って南下する場合がある。 ☞ 外海流出事故時、海岸漂着確率は低いが東風流が吹いたら海岸の漂着 可能、高粘度持続性油は日本沿岸まで流れる。 防除戦略 拡散防止 ・ 事故船の周辺に 2~3 重にオイルフェンスを包囲 ※ 外海に拡散、消滅する油は自然防除誘導 ・ 海岸脆弱資源(漁場、取水口、観光地など)をオ 脆弱資源保護 イルフェンスで閉鎖し、展長後にブーム型吸収材 の補強 ・ 事故船に防除バージ、係留移動用油回収機 2~3 台配置 流出油 回収 ・ 流出油の集中する海域および外海には海警およ び防除組合 150 トン級以上の防除専用船を配置 ・ 流出油が広く拡散した海域および沿岸はオイル フェンスと連係した回収システムの運用 ※ VOSS,U 型,V 型,J 型回収機システムの運用 ・ 外海では油処理剤使用を積極的に検討 油処理剤撒布 ・ 油回収機の到着前に海岸に漂着が憂慮される時、 油処理剤の使用を優先的に検討 39 40 Ⅵ.海岸漂着油防除戦略 1.海岸防除の目標および防除段階 2.海岸線の環境脆弱度マップおよび防除戦略 3.海岸防除組織構成および運営 4.海岸漂着油の防除戦略 5.廃棄油・廃棄物の貯蔵、運搬、処理 6.防除終了 41 42 Ⅵ.海岸漂着油防除戦略 1. 海岸防除の目標および防除段階 海岸別に特性を勘案し、4つの目標類型を設定 ☞ 目標1:事故以前の状態より、よりきれいな防除 ・ 事故前、ゴミなど汚染物質がある場合 ・ 政府または公共の政策的な要求 ☞ 目標2:事故以前の水準で防除 ・観光地、親水空間など、最大の清潔さが要求される海域 ☞ 目標3:最小限の防除 ・ 海岸の価値は低いが放置した場合、脆弱海域に拡散する恐れがあ る場合 ☞ 目標4:自然防除の誘導 ・ 防除作業をする場合、生態系の被害がより広がる場合 ・ 被害の恐れがなく自然に清掃されやすい海岸 海岸防除段階別区分 ☞ 防除1段階:厚い油層で固まった油の回収 -装備(真空ポンプ、ホイールローダ、たも網など)による防除 ☞ 防除2段階:海岸に漂着した油の回収 -固まった状態の油を人員回収および洗浄 ☞ 防除3段階:軽く汚染した海岸の掃除作業 -人員のよる清掃またはオイルボールを回収 43 2. 海岸線の環境脆弱度マップおよび防除戦略 海岸付着油の防除戦略決定は海岸線の形態と基質の特性を現す環境 脆弱度を知ることが必要である。 環境脆弱度の等級(ESI)別および防除戦略 ESI 等級 1等級 海岸線の形態 波に洗われた 垂直岩壁海岸 2等級 防 除 戦 略 ・ 高波エネルギー供給により自然 防除がうまくできる。 ・ 高圧洗浄と捕集回収・回収作業 ・ 1 級と類似であるが潮汐と波に 波に洗われた 水平岩壁海岸 より汚染の面積が広がる。 ・ 真空ポンプ、人員回収、高圧洗浄 が効果的である。 ・ 油の浸透性が低く硬い地質で構 3等級 細粒質砂・土の 混合海岸 成 ・ 漂着した油はシャベルなど農機 具での回収作業が効果的である。 ・ 車両および重量装備が投入可能 ・ 油が地面下に浸透し、防除作業量 が多くなる。 4 等級 ・ 油の地面下に浸透の程度により、 粒子が粗い砂海岸 機械的な回収または人員による 回収を遂行 ※ 地盤沈下により、無限軌道車 両のみ進入可能 44 ESI 等級 海岸線の形態 防 除 戦 略 ・ 油が地面下に浸透するので防除 5等級 作業量が多くなる。 砂と砂利が 混じった海岸 ・ 汚染した砂・砂利の除去および洗 浄 ※ 地盤沈下により、無限軌道車 両のみ進入可能 ・ 油が地面下に最も深く浸透する 6A 等級 ので防除作業に長時間が所要 砂利海岸 ・ 汚染した砂利除去および洗浄 ※ 地盤沈下により、無限軌道車 両のみ進入可能 6B 等級 ・ 基質の間に油の浸透の防除作業 基質が透過性であ る岩石海岸 を困難させる。 ・ 岩石表面は高圧洗浄および繋が りで流れてくる油を吸収回収 7 等級 8A 等級 波に影響されない ・ 穏やかな水面で自然防除ができ 護岸または てない分解能力が弱い海岸 半閉鎖海岸 ・ 機械的、物理的回収作業の遂行 干潟海岸 ・ 生物生産能力が大きくて類の多 様性が高い最も脆弱な海岸 ・ 人の進入時、地盤が弱くて油が地 8B 等級 下に埋まるので進入制限 塩湿地 ・ 高潮線に上がった油の回収作業 および低圧洗浄後回収作業 ※ ESI等級は地域防除実行計画の付属書である防除情報地図に 表記された等級を基準にしたものである。 45 3. 海岸防除組織構成および運営 海岸汚染時、防除計画策定、現場作業施行、補給支援などのために、 現場防除組織を運営すべきであり、効率的な防除が可能である。 現場指揮所設置および運営 ○ 汚染海岸の中間地点または交通が便利な所に1カ所に設置 ○ 市町村別に作業監督者(防除組合または業者)1名ずつ配置 ○ 指揮所には通信網、状況図、事務用品および作業文書、動員装備目録、 保安措置などがあるべきである。 現場指揮所の組織構成および任務 構成 編成 現場 ・ 海域管理庁担当 指揮官 課長・係長 評価・ ・ 防除組合、 計画組 業者担当者 任務 ・ 汚染状況調査および防除計画策定 ・ 海岸防除作業総括指揮・監督 ・ 廃棄物運搬車両の移動統制 ・ 市町村別防除方法および作業時間 設定 ・ 人員、装備、物品動員計画策定 ・ 防除組合、業界地 ・ 防除計画による作業遂行 作業組 域住民(市町村ご ・ 防除組合・業者で作業監督および と1つ組) ・ 海域管理庁 補給組 ・ 防除道具および資材・消耗品支給 防除組合、業者担 ・ 廃棄物貯蔵および処置 当者 ・ 海域管理庁 財務組 作業内容記録 ・ 食飲品および衛生用品支給 ・ 人件費および各種費用支給 防除組合、業者担 ・ 防除道具および資材・消耗品購入 当者 46 4. 海岸漂着油の防除戦略 岩盤、石、人口構造物海岸 ○ 防除1段階:厚くて溜まった油除去 ・ 真空ポンプ、真空車で吸収回収 防除方法 ・ 人が桶(小型バケツ) 、バケツ、たも網などで回収 ・ 陸上から消火ホースで水を流し、海側に流れる油を 油回収機で回収 回収廃油貯蔵 ・ ドラム缶、簡易貯蔵タンク、バージ船、タンカーな ど ・ 作業員に耐油性靴および皮膚汚染防止用保護服を 支給 注意事項 ・ 汚染した油は他の海岸が汚染しないようにオイル フェンス設置、拡散防止 ・ 作業車が滑らない用に作業通路と作業場に油吸着 材またはカマス1)などを敷く。 ○ 防除 2、3 段階:油が漂着または軽微な汚染の除去 ・ 高圧洗浄で油を脱落させ、吸着回収 ・ 作業前、オイルフェンスを設置を油吸収材を敷い 防除方法 た方が効果できである。 ・ 油が固まった場合には、油処理剤を撒布し、溶け た状態で洗浄すれば効果的である。 ・ 人員で回収または清掃作業実施 回収廃油貯蔵 ・ 回収廃油はビニール袋にいれて市町村別に集める。 注意事項 ・ すべらないように作業通路と作業場に油吸収材ま たはカマス1)などを敷く。 47 1) わらむしろを二つ折りにして作った袋。穀物・塩・石灰・肥料などを入れる。かまけ 砂利海岸漂着油 ○ 防除1段階:厚く溜まった油除去 ・ 真空ポンプ、真空車で吸収回収 防除方法 ・ 人が桶(小型バケツ) 、バケツ、たも網などで回収 ・ フォークレーンで汚染した砂利を回収し、車両で 臨時貯蔵所(ピット)に運搬 回収廃油貯蔵 ・ ドラム缶、簡易貯蔵タンク、油槽車、臨時貯蔵所 など ・ 作業員に耐油性靴および皮膚汚染防止用保護服を 支給 注意事項 ・ 汚染した油は他の海岸が汚染しないようにオイル フェンス設置、拡散防止 ・ 作業車が滑らない用に作業通路と作業場に油吸着 材またはカマス1)などを敷く。 ○ 防除2、3段階:油が漂着したか軽微な汚染除去 ・ 油の固まりを回収したり、大きい砂利を清掃 ・ 人員で汚染した砂利回収洗浄、油分離 防除方法 ・ 洗浄方法:汚染した砂利を鉄材タンクまたはレミ コンに入れ、軽質油と油処理剤で洗浄 ・ 高圧洗浄で油を洗浄後、吸着回収 ・ 洗浄時油が地面下に浸透することに注意 回収廃油貯蔵 注意事項 ・ 回収廃油はビニール袋に入れて市町村別に集める ・ 洗浄・分離した廃油はドラム缶、油槽車に貯蔵 ・ 汚染した砂利を除去した場合、深刻な海岸は浸食 が発生しうる。 48 砂海岸漂着油 ○ 防除1段階:地表面に浸食および厚い油層の油を除去 防除方法 ・ スコップなど回収道具を利用し、人員で回収 ・ グレイダーおよび重装備で汚染した砂を除去 回収廃油貯蔵 ・ 臨時貯蔵所(ピット) 、ビニール袋 ・ グレイダーおよび重装備の使用、汚染していない砂 が多く含まれるので油が深く浸透した場合のみ使 用 注意事項 ・ 作業員に耐油性靴および皮膚汚染防止用保護服を 支給 ・ 汚染した油は他の海岸が汚染しないようにオイル フェンス設置、拡散防止 ○ 防除 2,3 段階:油が漂着したか、軽微な汚染除去 ・ 漂着した油を手作業で拾う。 ・ 人がスコップで回収し、重装備で追い込みながら 回収し、臨時貯蔵所に運搬 防除方法 ・ 海辺掃除機で砂に混ざった油を選別回収 ・ 軽微な汚染地域には油処理剤を撒布、波に流され るようにするかランドファーミングで風化作業を 促進させ、除去する。 回収廃油貯蔵 注意事項 ・ 回収廃油はビニール袋に入れ、市町村別に集める。 ・ 臨時貯蔵所(ピット) ・ 海岸の砂を多量除去した場合には海岸の浸食が懸 念されるため、必ず砂を補充 49 干潟・湿地帯海岸の漂着油 ・ 油の流入が予想される海岸の高潮線に油吸収剤、 あるいは油ゲル化剤を撒布、油を吸収回収 ・ 高潮線に上がった油を人員で回収 防除方法 ・ 汚染海岸に水を流し(低圧洗浄)、漂着した油が 海上へ流れるようにしてオイルフェンスで包集 回収作業 ・ 植物の根で油が浸透しないように汚染海岸の植 物を刈り取る。 回収廃油貯蔵 ・ ビニール袋、油槽バージ、麻大袋 ・ 環境脆弱等級が一番高い。 ・ 作業員が進入時、干潟の中に油が浸透し、海洋生 態系に長期間被害を与える。 注意事項 ※ 油は干潟に浸透しないので海水に流れて、高 潮線に上がって来る時、人員を動員して回収 ・ 作業員には耐油性靴および皮膚汚染防止用保護 服を支給 50 5. 廃油・廃棄物の貯蔵、運搬、処理 廃油・廃棄物の臨時貯蔵容器 ○ ドラム缶 ・ 油をいっぱいに入れると運搬しにくいため、80%程に入れる。 ○ 簡易貯蔵容器 ・ 回収廃油貯蔵用で製作した四角または円形の移動容器 ○ ビニール袋 ・ 20L程のプラスチック袋に廃棄物を入れる時は結べる余分を残す。 ・ 日光に 10 日以上露出すると損傷するので、その前に処理 ○ 貯蔵ピット(pit) ・ 廃油貯蔵容器の不足および多い量の廃棄物が発生する場合には、汚染 海岸近隣にピットを堀り、油と混じった廃棄物を臨時貯蔵 ※ 合成樹脂で内蔵して油が地面下に浸透することを防止 ※ 貯蔵ピットは人が落ちた場合や強雨時に油が溢れ得るので管理者 をおいて 24 時間勤務させる。 ○ 廃油および破棄物の運搬車両管理 ・ 作業場内の車両が外部へ運行する場合、道路が汚染するので、作業場 内車両と外部運行車両を徹底的に統制 51 廃油および廃棄物の分離、処理方法 状態 液状廃油 固状廃油 分離 処理方法 ・ 重力で分離 ・ タンク下水を排出 ・ ゴミ除去 ・ 再生または焼却処理 ・ 再生または焼却処理 ・ 焼却処理 ・ 埋め立て(油分濃度 5% 砂混合廃油 ・ 汚染した砂除去 以下) 砂利混合 廃油 ゴミ混合 廃油 ・ 軽質油と油処理剤 ・ 廃油焼却処理 で洗浄分離 ・ 砂利は現状復元 ・ 液体と固体で分離 ・ 液体:油槽車 ・ 固体:廃棄物運搬車 ・ 液状は再生または焼却 ・ 固状は焼却処理 6. 防除終了 防除終了時期 ○ 関係機関、地域住民が同意した防除目標を達成した場合 ○ 防除措置の効果がないケース。または、汚染した海岸から油流出など 二次汚染が発生してない場合 防除終了決定 ○ 汚染海岸の管理庁、地域住民、専門家、利害関係者などを参加させ、 合同に現場調査した後 ○ 出席者の意見を聞き、管轄海洋警察署長が終了決定 52 Ⅶ.海上流出油の拡散防止技術 1. オイルフェンスの種類 2. オイルフェンス展長方法 3. 状況によるオイルフェンス選択および所用量 の把握 4. オイルフェンス展長技術 5. オイルフェンス機能喪失現況および対応方 法 6. オイルフェンスに及ぶ張力計算 53 54 Ⅶ.海上流出油拡散防止技術 オイルフェンスを設置し、海上で流出した油の拡散を防止し、民間地 域を保護する応急措置 オイルフェンス展長順序 ・ オイルフェンスを展長する海域の潮流と風の影響を確認して 展長場所を把握 準備 ・ オイルフェンス所用量および種類を決定 ・ 附属装具を準備(曳引ロープ、固定用アンカー、ブイ、アン カー用ロープ、ブイ用ロープ) ・ オイルフェンスの単位別の接触部を連結 連結 ・ 固形式オイルフェンスの場合、接触部の両側にジッパーを上 げて、張力ベルトをシャックルに連結 ※ オイルフェンス別に接触部が違うので連結方法に相違が ある 展長 ・ 出発点をアンカーまたは船舶に固定 ・ 防除船または補助船で曳引しながら展長 ・ オイルフェンス 50m間隔にアンカーを設置し、位置を固定 管理 ・ 水深 20m以上であるか潮流が速い海域は船舶で位置を固定 ・ 安全のため、夜間灯の浮標を設置し、事故を予防 回収 および 収納 ・アンカー、ブイを解体してオイルフェンスを引き上げ、アン カーとブイを回収 ・オイルフェンスも付着した油をきれいに拭いて保管 55 1. オイルフェンスの種類 オイルフェンスの構造 フロート スカート 張力体 バラスト ・ オイルフェンスの浮力形成のために空気または浮 力物質で詰める。 ・ 油がオイルフェンス下に漏れることを防止するた めに浮力体の下に位置した遮断幕 ・ オイルフェンスが外部張力に耐えるように補強し たチェーン、ロープ、ベルト ・ オイルフェンスの下部分にチェーンを付けて水面 下に浮力体とスカートを垂直に均衡維持 コネクター ・ オイルフェンス終端を相互連結した部分 56 オイルフェンスの大きさによる分類 本部体 形式 水面上(㎝) 水面下(㎝) 接触部(㎝) 設置 場所 A型 20 以上~30 未満 30 以上~40 未満 60 以上~80 未満 港湾 B型 30 以上~60 未満 40 以上~90 未満 80 以上~150 未満 沿岸 150 未満 大洋 C型 60 以上 ※ 根拠:海洋警察庁告知 90 以上 第 1997-45 号 (海洋汚染防除資材・薬剤の性能テスト基準および検定基準) カーテン型オイルフェンス:スカートを柔軟式の材質で構成 種類 構造および長所・短所 ・ 発泡性浮力体を内蔵 固形式 ・ 容積が多いので保管空間を大 きく占める。 ・ 価格低廉、破損抵抗が優れてい る。 強制 膨脹式 ・ 浮力体に空気を強制注入 ・ 展長の速度が遅くなる。 事故危険海域に長期 間設置 ・ 沿岸、港湾では使用 ・ 初動措置のために緊 急設置 がある海域で使用可 能 に有利 膨脹式 ・ 事故船の周辺および ・ 主力体の破損の時、沈降の憂慮 ・ 中、大型で潮流と波 ・ 容積が小さいので保管と運送 自動 使用時期および場所 ・ 初動措置のために緊 ・ 膨脹用ばねを内蔵 ・ 外皮破損の時、沈降の恐れがあ 急設置の時 ・ 中・大型で潮流と波 る。 がある海域で運用 ・ 自動膨脹で迅速展長 57 フェンス型オイルフェンス:スカートを固定するかパネルで構成 構造および長所・短所 使用時期および場所 ・ 防油壁の両側に固型の浮力体付着 ・ 事故危険海域で永久的に ・ 容積が大きいので保管空間を多く オイルフェンスを設置時 ・ 海洋施設、取水口の周辺 占める。 ・ 捕集の性能が優秀であるが、柔軟 に設置 性が劣って潮流と波に弱い。 特殊目的用オイルフェンス 種類 海岸用 構造および長所・短所 使用時期および場所 ・ チューブ3つを合わせ ・ 平たい干潟あるいは砂で 運用 て制作 ・ 容積が大きく、値段が ・ 潮汐干満差が大きく、平 たい海岸 高い。 ・ 潮間帯に海岸保護用 耐火用 ・ 耐火用の浮力体を内蔵 ・ 海上で流出油を焼却する ・ 値段が高い。 ために捕集して引き上げ ・ 流出油捕集・引上用で 時 ・ 外海で運用 使用可能 ・ 網の目が1㎜ 程の網 ネット用 ・ 海上で中質油および油が 吸収された油吸着材回収 ・ 再活用不可 ・ 購入しやすく、低価格 58 2. オイルフェンス展長方法 包囲展長 ・ 事故船の周辺、海岸および漁場保護の時に設置 ・ 展長後、終端にターミネータを設置し、油が漏れることを防止 ・ 流出量が多くて潮流がある海域では 2~3 重に設置および中側にはブ ーム型油吸着剤に補強し、油の流出を防止 ターミネータ 運用法(オイルフェンスの終端の油流出を遮断) 運用法 設置方法 ・ 約 10 ㎏のおもり3つをロープに付けて下ろし、 重力方式 オイルフェンスの終端が内側の壁に密着させる方 式 ・ 内側壁が屈曲した場合、屈曲部分にオイルフェン 2重方式 スを2重にして設置し屈曲方向の内部に油が漏れ ることを防止する方式 海岸設置 マグネット式 ・ 干・満潮の時、流出油が漏れないように海岸にオ イルフェンスの終端を固定する方式 ・ マグネットパットを利用し、船体にオイルフェン スを密着し、油流出を完全に遮断する方式 59 捕集展長 ・ 油の流れの方向が一定の場所で油を捕集 ・ 流出量が多く、オイルフェンスが不足あるいは、風・潮流の影 響が大きくて包囲が困難な場合、2重、3重に捕集 ・ 潮流が強くて流れが変わる場所では、状況に沿って反対側にも 展長 閉鎖展長 ・ 狭水路、運河などの水路をオイルフェンスで閉鎖 ・ 潮流が強くて、オイルフェンスでの捕集が困難である場合、展 長 ・ 船舶の通航での水路閉鎖が困難である場合には、潮流(水)の 流れと傾けるか中央を開けて展長 60 誘導展長 ・ 流速度が速い水域から遅い水域へ誘導し、油を回収しやすい場 所に誘導 ・ 流出量が多くて、潮流の影響が大きいので、流出油を現場で捕 集しにくいまたは、現場で回収作業が困難な場合 ・ 集めた油が漏れる場合、オイルフェンスを傾けて重ねて展長 引揚展長 ・ オイルフェンスの両端を 2 隻の作業船で引き上げ、浮油を包囲 ・ 水深が深くアンカーの使用が不可能であるか、あるいは海面に 広く拡散した油を捕集する場合 ・ 高速に引き上げる場合、オイルフェンスの機能喪失および、オ イルフェンスの引張強度より過度な張力が及ぶと破損しうる恐 れがある。 61 流れ展長 ・ オイルフェンスをアンカーで固定せず、油を包囲した状態で潮流 を沿って流す展長 ・ オイルフェンスをアンカーで固定すると、潮流の影響を受けて機 能の失うことが発生した場合、あるいは水深が深くてアンカーで 固定できない場合に使用 ・ 移動しながら回収するか、回収しやすい場所へ流れるように誘導 低引展長 ・ オイルフェンスにチェーンまたは、おもりのような抵抗物をぶら 下げて引っ張るようにして、オイルフェンスの相対速度を減少さ せる展長 ・ 潮流が速い場合、機能喪失の予防のために、オイルフェンスの流 れ速度を減少させるために使用 ・ チェーンおよびおもりが暗礁など障害物に引っかからないよう に注意 62 運用法 フェンスの種類 衝突船舶 外海:膨張式 の周囲 沿岸:固定式 フェンスの長さ (船舶の長さ+船舶の幅)×2+20% 油荷役中の 沿岸、港口:固定式 流出の準備 海洋施設:フェンス型 船舶の長さ+(船舶の幅×2)+20% 油流出 外海:膨張式 回収器の性能により、 捕集/回収 沿岸:固定式 1台当たり 200~300m 川、湾の入口 フェンス型、固定型 入口の幅の 3~4 倍 湾、港口、 (潮流速度(kt)+1.5)×保護する海域 湿地保護 固定型 の長さ 3. 状況によるオイルフェンスの選択および所要量の推定 4. オイルフェンス展長の技術 オイルフェンスの展長法の選択および展長チームの構成 有効な 海上条件 オイルフェンス の種類 波高1m以上 潮流1kt 以上 有効な 展長法 捕集、 膨張式 (大洋用) 誘導展長 引き上げ、 流れ展長 波高1m未満 固定式 包囲、 潮流1kt 未満 膨張式 捕集展長 埠頭、海岸 固定式 捕集、 閉鎖展長 展長 チーム 附帯装備 構成 船舶1隻以上 船舶2隻以上 船舶1隻以上 船舶1隻以上 アンカー、 ブイ、ロープ ロープ アンカー、 ブイ、ロープ アンカー、 ブイ、ロープ ※ これ以外の海上条件は現場指揮官が状況により、適切に対応 63 包囲、誘導、閉鎖展長 ○ オイルフェンスの始まる点を補助線またはアンカーで固定させる。 ○ 展長船が進みながらオイルフェンスを展長し、50mごとにアンカーを 1個ずつ設置し、(ブイも設置)オイルフェンスの固定 ・ 包囲展長は事故船周辺または油が集積した海岸をオイルフェンスで 巻く。 ・ 誘導展長は脆弱海域で流出油が拡散するのを遮断するように潮流方 向と傾斜角を減らして展張する。 ○ 展長が完了したら、終端をアンカーで固定し、ブイで標示 <包囲展長> <誘導展長> 引き上げ、流れ展長 ○ 展長船と補助船の間に通信網を構築し、補助船に連結ロープを引継 ・ 安全事故の予防のために、展張船と補助船は通信網をそろえ、操舵室 と作業甲板はトランシーバで作業を指揮・統制 ○ 展長船を動かしてオイルフェンスをゆっくり下ろす。 ・ 潮流がある海域では潮流方向でオイルフェンスの展張形態を整えて 遊びを持たせて張り、潮流がない海域では始めから展張形態を整えて オイルフェンスに遊びを持たせて張る。 64 ○ オイルフェンスを完全に下ろした後、流出油の拡散方向を勘案して展 長船と補助船を移動させながら展張形態を整える。 ・ 潮流速度を勘案してオイルフェンスの長さ(潮流が速ければオイルフ ェンスを短く展長)と潮流方向とオイルフェンスの傾斜角度を調節す る。 ・ 引揚ロープを 20m以上連結して急な張力に準備する。 ・ 引揚展張の場合、オイルフェンスが傾いているか強い張力で破損しな いように注意する。 <引揚展長> ※ 注意事項 ・ 防除艇に搭載の自動伸張式オイルフェンスは伸張した後、展張するよ うに速度を調整すべきであり、回収時には必ずオイルフェンスの"Reel End"部分が先に巻かれるようにする。 ・ 防除艇に搭載したエクスパンディングオイルフェンスのリードドラ ムはオイルフェンスの回収時のみ使用し、下ろす時には使用しない。 オイルフェンスの展長前の準備事項 ○ 事故現場の潮流、気象状況および周辺状況把握 ○ オイルフェンスの展張法を選択し、位置を海図上に表示、作業の制限 事項を検討 ○ 補助船にオイルフェンス展長計画を通報し、時間内に到着 ○ 乗務員の任務を指定し、安全教育およびオイルフェンス展張を準備 5. オイルフェンスの機能喪失現状および対応方法 65 形態 原因 対処方法 ・ 速 い 潮 流 の 影 響 ・ フェンスを潮流方向に傾けて 設置し、回収作業を平行実施 で油が細かく落 ち、フェンス下に ・ フェンスを潮流に沿って漂流 流れ喪失 流出する現象 させ、相対速度を減らす。 ・ フェンスの内側 ・ 捕集した油を回収もしくは に大量の油が集 フェンスの内にブーム型吸 まったら油膜の 着材を設置し、油層を薄くす 深さが増加し、ス る。 カート下に流出 深さ喪失 ・ フェンスを漂流させ、油を一 定な所に密集するのを防止 する現象 する。 ・ 波 打 つ 短 い 波 高 ・ フェンス内側にブーム型吸収 溢れ喪失 により、捕集した 材を設置するか、浮力比が高 油がフェンスを いカーテン型フェンスを使用 溢れて流出する して防止 現象 66 形態 原因 対処方法 ・ フェンスの相対速力を ・ 潮流が速い海域で投錨 するか、速い速度で引 0.7 ノット以下に引き上 げ、防止可能 き上げる場合はオイル ・ 浮力比が 10:1 以上でカ 浸りの喪失 フェンスが水面下を浸 ーテン型フェンスは引 ってオイルが溢れる現 揚 速 度 象 (1.5m/sec)でも浸りの 3 ノ ッ ト 喪失が発生しない。 ・ 風と潮流が相対的な方 向の場合、オイルフェ ンスが水面上に倒れる 現状で、水面下の接触 傾きの喪失 部分が少ない時に発生 ・ オイルフェンスの引き 上げ速度があまりにも 速いか、障害物に引っ 構造的喪失 かかって材質の引張強 度を超える力を受け て、フェンスが破損す る現象 67 ・ オイルフェンスの展長 形態方向を適切の維持 ・ 大洋用のオイルフェン スまたは波に柔軟のあ る円筒型の膨張式フェ ンスを使用 ・ オイルフェンスの引き 上げ速度を 0.7~1.0 ノ ット以下に減速 ・ 経験と訓練を通じて運 用術熟達 6. オイルフェンスに及ぶ張力計算 海・潮流および風の張力を算出 ► 海・潮流張力:Fc=26×As(面積)×Vc2(流速・潮流) ► 風の張力:Fw=26×Af(乾舷)×[Vw(風)/40]2 ► 合成張力:海・潮流張力(Fc)+風の張力(Fw) 張力計算の例示 ○ 海・潮流による張力 ► 公式:Fc=26×As(面積)×Vc2(流速・潮流) ► 例示:0.5 ノットの流速度と直角におかれた水面下 0.6m のオイ ルフェンスの長さ 100m に受ける張力は Fc=26×As(0.6×100)×(0.5)2=390 ㎏ ○ 風による張力 ► 公式:Fw=26×Af(乾舷)×[Vw(風)/40 ]2 ► 例示:乾舷 0.5m であるオイルフェンスの長さ 100m に 15 ノッ トの風が吹くとフェンスが受ける張力は Fw=26×(0.5×100)×(15/40)2=183 ㎏ ○ オイルフェンスに及ぶ海・潮流及び風の総張力 ► 水の流れと風が同方向にオイルフェンスに作用するとすれば、合 成力は 390+183=573 ㎏または、反対方向である場合には合成 力が 390-183=207 ㎏である。 ► 実際にオイルフェンスは柔軟で、水と風の方向に対してどの程度 の角度をもって、曲線形態であり、これにたいして、補正が必要 である。 ► オイルフェンスにひっかかる張力を計算して、適切な引き上げ色 (?)・係留色(?)、アンカー、引き上げ船を選定 68 Ⅷ.油回収システムの運用技術 1. 油回収機の種類 2. 油回収機の形式および種類 3. 国内保有油回収機の使用法 4. 油回収機の現場運用技術 5. 油回収機の効率に関する指標 69 70 Ⅷ.油回収機システムの運用技術 1. 油回収機の種類 油回収機の主な構成 回収部 ・ 油を直接に回収する部分 ・ 油回収機の種類を区分する基準であり、ディスク、ブラシ、ロー プ(モップ) 、ベルト、ワイヤー、真空吸収装置などである 動力部 ・ 主にディーゼル機関を使用し、回収部とポンプを駆動するために 動力を発生させる ・ エンジン、油圧ポンプ、燃料油タンク、油圧油タンクで構成し、 移送ポンプがともに設置されている場合もある 移送部 ・ 回収部で回収した油を貯蔵タンクに移送するポンプとホースで構 成 ・ ポンプの吸収・吐出可能な高さを確認し、ポンプ位置の選定 ・ ポンプを分離し、事故前の残存油の移積用に活用可能 71 2. 回収機の型式および種類 型式 国内保有の製品 作動の原理 ディスク、モップ、 ・ 親油性ディスクとブラシに粘度 吸着式 ブラシ、マルチ スクリュー、 ワイヤー式 にある油が吸着して T-ディスク、 トロール、 ・ 油を掻き出すか絞り出して回収 ・ 水と油の比重差を利用 ・ ワイヤーの上端が油水境界面に 位置するように調停し、流れ込む ワイヤースキマー 真空式 スピルバック 油を回収 ・ エジェクトポンプを利用し、形成 した真空タンクに流出油を吸収 (ビーチクリーナ) し、回収する ・ 水と油の比重差を利用して円心 円心力式 サイククローネ 分離し、油はチェンバー上部にあ つまり、水は下部に排出する ・ パドルベルト、スクリーンベルト は上向回転しながら油および浮 パドルベルト、 ベルト式 スクリーンベルト、 浮遊ベルト 遊物質を取り上げて ・ 浮遊ベルトは下向回転しながら 浮遊油を集油タンクに集めて回 収 以外の 回収可能な 装備 グラブ船、 ・ グラブ船、フォークレーン、真空 車は硬化した高粘土油回収に活 フォークレーン、 真空車、ハンドリン グクレーン 用 ・ ハンドリングクレーンは油が付 いた夾雑物を回収 72 3. 国内保有回収機の使用法 ディスクスキマー(KOMARA-12K,20K) 回収原理 ○ 回転するディスク(A)の側面に付いた油をスクレーパー(B)で掻きだし、 ポンプを利用し移送 性能 軽質油 中質油 優秀 優秀 重質油 普通 最大潮流 運用方式 1 ノット 停止形 以下 重さ(kg) 回収能力 動力部 195 12~20 回収部 56 ㎥/hr 運用可能な場所 〇沿岸、港湾、船上で捕集した流出油回収に効率的である。 使用方法 ○ 埠頭、船上で動力部と回収部に油圧ホースに連結 ○ ポンプに吸収ホースと吐出ホ-スを連結し、廃油貯蔵タンクの設置 ○ 回収部を海上に投入し、動力部を稼動し、ディスク速度を調節しなが ら流出油を回収 73 ディスクスタースキマー(KOMARA STAR) 回収原理 ○ 高粘土で絡まった油をディスクの周りの歯車で取り、スクールポンプ を利用して移送 性能 軽質油 中質油 重質油 普通 優秀 優秀 最大潮流 1 ノット 以下 運用方式 停止型 重さ(kg) 動力部 175 回収部 160 回収能力 15 ㎥/hr 運用可能な場所 ○ 油層が厚い高粘土油の回収時 使用方法 ○ 油圧ホースを動力部と回収部に連係 ○ 回収部のポンプに吐出ポンプを連結を、廃油貯蔵容器設置 ○ ディスクおよびポンプ用レバーを転換後、エンジン速度を上げてディ スクとポンプ速度を調節しながら回収 74 ブラシスキマー(PBC-2,トロールブラシ) 回収原理 ○ ドラム型とチェーン型があり、回転するブラシに付いた油をスクレー パーで掻き、ポンプを利用して移送 性能 軽質油 中質油 優秀 優秀 重質油 優秀 最大潮流 運用方式 1 ノット 前進型 以下 重さ(kg) 回収能力 動力部 170 31~50 回収部 70 ㎥/hr 運用可能な場所 ○ 沿岸、港湾船上で捕集した流出油回収 使用方法 ○ 動力部と回収部で油圧ホースと吸収ホースを連結 ○ 動力部ポンプに吐出ホースを連結して廃油貯蔵容器を設置し、エンジ ン速度を上げて回収 ○ オイルフェンスを V 型に連係して運用し、回収効率を高める。 75 ワイヤーディスクスキマー(Termination100) スクリュースキマー(GT-185) 回収原理 ○ ワイヤーの高さを調節しホッパーに流れて来る水と油をスクリューポ ンプを移送し、回収 性能 ○ ターミネーター100 軽質油 中質油 重質油 優秀 優秀 優秀 最大潮流 運用方式 2 ノット 以下 自航式 重さ(kg) 動力部 100 回収部 100 回収能力 100 ㎥/hr ○ スクリュースキマー 軽質油 中質油 重質油 普通 優秀 優秀 最大潮流 運用方式 2 ノット 以下 重さ(kg) 回収能力 動力部 750 停止 回収部 150 45 ㎥/hr ホース部 375 運用可能な場所 ○ 高粘度油と海藻、木の切れなど浮遊ゴミが散在する海域 ○ スクリューポンプを分離し、積載油の移積作業に利用 使用方法 ○ 油圧ホースを動力部と回収部に連結し、吐出ホースを油タンク艀船ま たは油タンカーに連結 ○ エンジン速度を上げてレバーでワイヤーの高さを調節しながら回収 ○ 軽質油および中質油の回収の時は軽質油用のアダブターの装着 76 ワイヤーディスクスキマー(Transrec100/200) 回収原理 ○ 水と油の比重差により、水の上に浮遊する油をポンプで移送し回収 性能 軽質油 中質油 重質油 最大潮流 運用方式 重さ(kg) 回収能力 動力部 優秀 優秀 普通 2ノット 以下 自航式 800/1,250 100/200 回収部 ㎥/hr 260/450 運用が可能な場所 ○ 油層が厚い高粘度油の回収時 使用方法 ○ 油圧ホースを動力部に連結 ○ 吐出ホースを貯蔵タンクに連結 ○ 動力部を作動回収部レバー(自航装置、ポンプなど)を適切に調節し、 回収 ○ ワイヤー式およびディスク式カートリッジ、ホスリル装置、ホースハ ンドリングクレーン及びプロティグホースが一体型で1人運転可能 77 ドラムスキマー(Magnum100/200) 回収原理 ○ 汚染現場にヘッド部を投入し、回転するドラムの表面についた油をス クレーパーで掻き出し、回収 性能 軽質油 中質油 重質油 最大潮流 運用方式 重さ(kg) 回収能力 動力部 優秀 優秀 普通 1ノット 以下 停止型 190/200 22/45 回収部 ㎥/hr 57/118 運用可能な場所 ○ 沿岸、港湾、船上で捕集した流出油の回収に効率的 使用方法 ○ 動力部、回収部に油圧ホースを連結 ○ 回収部に吸収ホースと連結し、廃油貯蔵タンクを設置 ○ 回収部を汚染現場に投入し、動力部を稼働し、ドラム速度を調節して 油回収 78 トロールスキマー(SIRENE 20A) 回収原理 ○ 40mのブームを引き上げ、油を捕集しながら浮遊ゴミと海水は排出し、 油は回収 性能 軽質油 中質油 重質油 普通 優秀 優秀 引上速度 運用方式 重さ(kg) 回収能力 動力部 1800 0.5~3 前進型 ノット 回収部 1500 100 ㎥/hr ポンプ 550 運用可能な場所 ○ 油が拡散する海域で3~4隻の船団で構成 使用方法 ○ タンカー1隻、バージ船1隻と引き上げ船2隻で構成 ○ 中央ブームと両側の翼ブームを組み立てた後、空気を注入し、膨張 ○ 浮遊ゴミによる詰まり現状と船団の衝突などに注意 79 マルチスキマー (ディスク) (ブラシ) (ドラム) (ベルト) 回収原理 ○ ディスク、ブラジ、ドラム、ベルトが複合形態の構成で、状況により、 回収部を選択し、使用 性能 軽質油 中質油 優秀 優秀 重質油 最大潮流 優秀 2ノット 以下 運用方式 前進型 重さ(kg) 動力部 159 回収部 85 回収能力 50 ㎥/hr 運用可能な場所 ○ 潮流2ノット以下の海域で前進型で運用 ○ 沿岸、港湾、船上で捕集した流出油の回収 ○ ポンプを分離し、事故船で積載油を移積用の使用可能 使用方法 ○ 状況により、回収装置とスクレーパーを選択し、回収部に設置 ○ 動力部と回収部、ポンプに油圧ホースを連結 ○ ポンプに吐出ホースを連結し、廃油貯蔵容器を設置 ○ 回収部、ポンプ用油圧ベルブを調節し、流出油を回収 80 4. 油回収機の現場運用技術 海上の状況により、オイルフェンスを連係した油回収し、回収量およ び回収効率を最大化する。 海上条件を勘案した油回収機および回収システムの選択 海上条件 有効な油回収機 ・ 300トン級防除艇(ブラ シ) ・ 双胴船防除艇(ブラシ、浮 波高1m以上 潮流1kt 以上 遊ベルト) ・ 140 トン級防除艇(サイク ロネット) ・ トロールスキマー、トロー ルブラシ 有効な回収システム VOSS V型 VOSS 法案講ずる V型 ・ 上記の油回収機全体 ・ 移動用油回収機 波高1m未満 潮流1kt 未満 (ディスク、スクリュー、ワ イヤー/ディスク,ミニマッ V 型,U 型,J 型 クス、自航ワイヤー、マル チ、ドラムなど) ・ 移動用油回収機 (ディスク、スクリュー、ワ 埠頭、海岸 イヤー/ディスク,ミニマッ 陸上または海上に廃 クス、自航ワイヤー、マル 油貯蔵容器設置 チ、ドラム、ビーチクリー ナー) 81 油の粘度を勘案した油回収機の選択 粘度 有効な油回収機 その他 ・ 最適:ブラシ(防除艇) 、ディ 高粘度 10,000cSt 以上 スクスター、スクリュ ー ・ 普通:ワイヤー式、吸収式、 円心力式 中粘度 1,000~10,000 cSt 低粘度 1,000 cst 未満 ・ 最適:ブラシ、ディスク、ド ラム、ワイヤー、吸着 ベルトなど殆どの油回 収機 ジェル化状態の高 粘度油はディスク スター、スクリュー スキマーが最適 ・ 最適:ディスク、浮遊ベルト、 ワイヤー、真空式、円 心力式 油回収機の動員時に、把握、検討すべき事項 ○ 流出した油の種類と粘度、流出量 ○ 波の高さ、潮流の速度、風速など海上条件 ○ 流出した油に浮遊ゴミの混合状況 ○ 油回収機の運用船舶、回収油の貯蔵容器、捕集用オイルフェンスの動 員可否など 82 海警防除艇(300 トン級、150トン級)VOSS の運用 ○ 展開図:潮流の強弱によってスィーピングアーム調停 ・ 300 トン級防除艇の回収幅の調停 3段3段組立 2段2段組立 2段3段組立 (弱潮流) (普通潮流) (強潮流) スィーピング (3段) (2段) (2段) -アーム 16m(70°展開) 11m(70°展開) 11m(35°展開) 区分 スィーピング -ブーム (3段) 22m (2.5+4.3+15.2) (2段) 17.7m(2.5+15.2) (3段) 22m (2.5+4.3+15.2) 展開幅 30m(15m×2) 20.6 (10.3m×2) 15m(7.5m×2) 船幅 10.7m 10.7m 10.7m 回収幅 40.7m(10.7+30) 31.3m(10.7+20.6) 25.7m(10.7+15) ○ 運用方法 ・ 潮流速度を考慮して、スィーピングアームの長さと角度を調整 ・ 油のバンドを沿って、回収船を運行しながら回収 ・ 1隻の船舶で流出油を捕集、回収、貯蔵 83 タンカーおよび引揚船を利用した VOSS 運用 ○ 展開図 ○ 運用方法 ・ 船舶でスィーピングアームとスィーピングブームを展開 ・ 1~3ノットで前進航海したり、潮流を利用し、流出油を捕集しながら 回収 ・ 潮流の強弱および航海速度によって展開幅を調停 ※ 強い潮流または引揚速度が速い場合、展開幅をあまり広げれば、ス ィピングブームに及ぶ張力でスィーピングアームが損失する可能性 があるので注意する。 84 V 型回収システム ○展開図 <双胴船を利用した場合> <トロール型スキマーを利用した場合> ○ 運用方法 ・ 双胴船回収船またはトロールスキマーに 2 隻の引揚船がオイルフェン スを V 型(中央部分を解放する)で引き上げして捕集した抽出流が流 れるのを回収 ・ 潮流が速いと、油バンドを沿って、回収船を運航しながら回収 ・ 作業チーム長は艀船を指揮・統制し、流出油が多い方に誘導 ※ オイルフェンスの長さは両方の各々100~200m 程度が適当だが、 潮流が速い場合は捕集用のオイルフェンスの長さをこれより短く 調停し、展開図を縮小させる。 85 U 型回収システム ○展開図 ○ 運用方法 ・ 2隻の引揚船でオイルフェンスを U 字型で引き上げして流出油を捕集 し、油槽艀船で移動し、回収する。 ・ オイルフェンスの長さは普通 400m 以内が適切で、海上の条件によっ て適切に調整する。 ・ オイルフェンスの頂点付近の幅が 5~10m 程度に維持するようにロー プを連結し、オイルポケットを作れば渦巻き現状を減らすことができ、 回収作業がしやすくなる。 J 型回収システム ○展開図 86 ○ 運用方法 ・ 引揚船1隻でオイルフェンスを J 字型に展長し、流出油を捕集しなが ら、油槽艀船で移動用油回収機を下ろして回収 ・ オイルフェンス全体の長さは普通 200m 以内が適切で、海上の条件に よって適切に調整 ・ オイルフェンスの頂点付近の幅が 20~30m程度に維持するように、ロ ープを連結し、ロープの長さを継続に調節しながら、最適の頂点形態 を維持する。 ※ 潮流と波が比較的に弱いところで使用し、船体揺れに注意する。 海岸での油回収システム運用 <埠頭で回収作業> <高圧洗浄機から付着油を脱落させ、回収> ○ 運用方法 ・ 海岸で多量で寄ってきた油をオイルフェンスで拡散防止し、油回収を 投入し、回収作業を実施 ・ 内側に付着した油は高圧洗浄機で脱落させ、捕集 ・ 回収油貯蔵容器を海上または陸上に設置し、回収油を貯蔵 ※ 埠頭の高さ(6m 以内)と水深を勘案し、油回収地点を選定し、回 収率が高い油回収機は油水分離方案を検討 87 事故船周辺で停止型油回収システム運用 ○ 展開図 - 油槽バージ船を事故船に係留し、事故船周辺にオイルフェンスを展張 し、事故船から流出する油を回収 - 回収した油は油槽バージ船に移送貯蔵 5. 油回収機の効率に関する指標 ○ 回収率(ORR: Oil Recovery Rate) ・ 時間当たり回収する油の量(㎥/h) ○ 回収効率(RE: Recovery Efficiency) ・ 水と油が混合した全体の回収量のうち、純粋な油の包有量(%) ○ 処理効率(TE: Throughput Efficiency) ・ 時間当たりに寄ってくる流出油量に対する回収比率(%) ○ 遭遇率(ER: Encounter Rate) ・ 時間当たりに寄ってくる海上流出油の量(㎥/h) 例)幅 100mに 0.1 ㎜の油膜が 0.3m/sec に来る時 ☞ 遭遇率 100m×0.1/1,000m×0.3m/sec×3,600=10.8 ㎥/hr 88 Ⅸ.油吸着材の使用技術 1. 油吸着材の種類 2. 油吸着材の使用法 89 90 Ⅸ.油吸着材の使用技術 1. 油吸着材の種類 種類 パット型 形態 使用場所 ・ 四角形のシーツ ・ 密閉した区域で少量の油の回 の形 ロール型 ブーム型 クッション型 収に使用 ・ 幅 0.5 ~1m の ・ 海水浴場、岩の隙間などの脆 弱な地域保護に使用 吸着材を長さ 50 ・ 船舶の甲板または作業区域の m程に巻いたロ 汚染防止およびすべり防止に 使用 ール形態 ・ 3 ~ 10 m の ブ ー ・ 下水溝または下川に長期間設 置し、流出油を吸着 ムの形に連結し ・ オイルフェンス内部に設置 た形態 し、補修した油の流出防止 ・ 吸着素材を内蔵 ・ 粘性があり、油層が厚い油回 した枕形態 ロープ型 ゲル化剤 内蔵型 収に使用 ・ 吸着素材をロー ・ オイルフェンス内部に設置 し、捕集油回収 プに連結した形 ・ 川、河川、静かな海で油の回 態 収に使用 ・ 油ゲル化剤を内 ・ オイルフェンスの内部に設置 蔵した形態 し、捕集した油の流出防止 91 2. 油吸着材の使用方法 種類 使用方法 ・ 捕集した油層の上に パット型 投下して油の吸着 ・ ロール型 ・ ・ ブーム型 ・ ・ クッション型 ・ ・ ロープ型 ・ ・ 後、回収 適切な大きさに切っ て、パット型ととも に使用 海水浴場、岩の隙間 など脆弱地域に油が 漂着する前にあらか じめ敷き、脆弱地域 の保護 油を回収またはオイ ルフェンス代用に使 用 オイルフェンスの内 部に設置して機能喪 失の防止 ロープで連結して海 岸側に固定し、潮間 帯に岩または砂利海 岸で流れる油を吸着 オイルフェンスの内 側に設置して、油が 流れないように使用 オイルフェンス内部 に設置して機能喪失 の防止 作業船 2 隻を利用し て拡散した流出油を 回収 92 ・ ・ ・ ・ ・ 注意事項 投下した油吸着材は必 ず 100%回収して二次汚 染を防ぐ。 ※ パット型を多量投下 した場合には、スク リーンベルトを装着 した防除船を動員 し、回収すると効率 的である。 回収方法を考慮し、使用 可否を決定すること ※ 投下した油吸着材の 回収対策がない場合 には使用禁止 黒 褐 色 油 膜 ( 厚 さ 0.1m )以上の流出油に 使用し、油膜の上に精確 に投下 油膜が薄い場合には、オ イルフェンスで油膜を 厚く捕集すると効率を 高める。 油処理材の撒布作業と 並行すると吸着性能が 低下するので同時に使 用しないようにする。 高粘度油(5000cSt 以上) は吸着できないので使 用を抑制 Ⅹ.油処理剤撒布技術 1. 油処理剤の撒布決定 2. 油処理剤の撒布方法 93 94 Ⅹ.油処理剤の撒布技術 油処理剤を使用し、分散した油による海洋生態系の被害を減らすため に、撒布順序と方法を遵守すべきである。 1. 油処理剤の撒布決定 油処理剤使用決定 ○ 油処理剤の撒布可能な海域で(防除情報地図で確認)分散期間帯に粘 度 2,000cSt 以内である流出油は現場指揮官の判断により、撒布決定 ○ 油処理剤の撒布抑制、考慮海域では純粋環境利得分析および防除技術 支援団の諮問を受けて、防除対策本部長または海洋警察署長が撒布決 定 油処理剤撒布量の決定 ○ 油処理剤撒布比率 ・ 油の粘度による油処理剤の撒布率は次の通りである。 油粘度 農畜型 一般型 1,000cSt 以下 流出量の 5~10% 流出量の 30~50% 1,000cSt~2,000cSt 流出量の 10~15% 流出量の 100% 2,000cSt 分散効果が低い 分散効果が低い ・ 農畜型の油処理剤は普通海水で希釈して使用し、油処理剤と海水の比 率を 1:10 以上に希釈すると性能が低下する。 ・ 一般型の油処理剤は希釈せずに原液を使用し、希釈する場合には油処 理剤と海水の比率は 1:3 を超過せずに、希釈した即時に使用しなければ ならない。 95 ○ 油処理剤の撒布量の算定 ・ 油膜の面積および油膜の色により、流出量を推定する 油膜色 銀白色 油層の厚さ(㎜) 0.0001 ㎥/㎢ 虹色 黒褐色 褐色、オレンジ色 0.0003 0.1 1 以上 0.3 100 1.000 以上 0.1 ※ 例)長さ 10km、幅 1km 範囲内に黒褐色が約 20%、虹色の油膜が 50% 散在時 Z 流出量 黒褐色=10,000m×1,000m×0.0001m×0.2=200 ㎥ Z 流出量 虹色=10,000×1,000×0.0000003m×0.5=1.5 ㎥ Z 総流出量=200+1.5=201.5 ㎥ ・ 油処理剤撒布量を計算する。 Z 撒布量(ℓ/ha)=ha 当り油量(ℓ)×撒布比率 (農畜型 1:10、一般型 1:1) Z ポンピング量(ℓ/分)=0.0031×撒布量×船速(Knot)×撒布幅(m) ※ 例)黒褐色の油膜 1 ヘクタールに農畜型油処理剤を使用して船速 3Knot、 撒布幅 25mで撒布する場合 Z 油量は 100 ㎥/㎢=100×1,000ℓ/1,000×1,00 ㎡=1,000ℓ/ ha Z 面積当たり撒布量=1,000×1/10=100ℓ/ha Z 機械的ポンピング量=0.0031×100×3×25=22.5ℓ/min ※ 1ha=10,000 ㎡、1Knot =1,825m/h ・ 油処理剤ポンピング量と船舶の速度を相互調整し、撒布率を調整する。 96 2. 油処理剤の撒布方法 油膜の上に精確に撒布 ○ 油処理剤の噴霧液が大きい場合、油膜を貫き水の中に沈降して流出し、 油処理剤が海水より密度が高いか水溶性型の場合には沈みやすい。 ○ 油処理剤噴霧液があまり少ない場合には、風により散りやすい。一般 的に噴霧液の直径は 400~700m が適切である。 撒布方法および撒布量を遵守 ○ 汚染海域を何箇所に分けて、油処理剤の撒布方法を指定する。 ○ 油処理剤撒布が最善の方法である場合には、厚い油膜から撒布する。 ○ 油膜が厚い部分は十分に撒布するが、薄い油膜は波の作用のみで分散 するので撒布しない。 航空撒布 ○ 風の方向より、成功の可否が決まる。 ○ 飛行方向は風と並行にして撒布する。 ○ 航空撒布には農畜型油処理剤が適切である。 ○ 油膜が少ないが、油膜がバラバラに分かれている場合にはヘリが効果 的であり、広い油膜または陸から結構離れて海域の場合には空港機が 適切である。 97 船舶撒布 ○ 船首波の油膜が船体から押される現象(herding effect)で、風が吹 く方向に撒布する。 ※ 油処理を撒布した場合には監視員を船首に配置し油膜が多い方に 船舶を誘導して撒布する。 ○ 撒布した後には分散効果を高めるために、小火砲とスクリューで撹拌 する。 98 付 録 i. 油種類別特性 ii. 関係機関、団体・業者非常連絡網 iii.海洋警察庁および防除組合の保有防除船舶の 現況 iv. 海洋警察庁および防除組合の保有高粘度用油 回収機の現況 v. 地域別防除資源保有現況 vi. 報告書式 vii.用語説明 99 100 ⅰ.油種類別特性 1. 原油 地下で採掘した様々な炭化水素の混合物で空気より軽いガスと中質 油、ワックス、アスファルトの成分などが混合 物性 比重 動粘度(20℃) 流動性 引火点 0.8~0.95 1~100cSt -35~10℃ 多様である 原油の特性 ○ API 比重による分類 ・ API= 141.5 -131.5 比重 ・ 軽質原油:API 比重 34 以上 ☞ 軽油成分が多い ・ 中質原油:API 比重 30~34 ☞ 軽油と重油成分が混合 ・ 重質原油:API 比重 30 以下 ☞ B-A 油より高粘度 ○ 化学的な調整による分類 ・ パラフィン原油、ナフテン原油と二つ基が混ざった中間基油で分類し、 中間基油が沢山生産される。 ○硫黄含有量による分類 ・ 硫黄含有率が 1%以下は低硫黄、2%以上は高硫黄原油 ※ 比重が低いほど硫黄含有量が少なくなる傾向がある。 海上流出の時特性 ○ 重質原油の流出時、30~40%まで蒸発するが、エマルジョンにより容 積が 2~3 倍程増加する。 ○ 流出後、油の温度が降下により粘度と比重が増加 101 2. 揮発性油 種類:ナフサ、揮発性、航空油、有機溶媒、灯油など 物性 比重 動粘度(20℃) 引火点 爆発範囲(Vol%) 0.75 以内 1cSt 常温 1.1~7.6 海上流出時の特性 ○ 海上流出後、1時間以内に大部分が蒸発消滅 ○ 油蒸気により、火災・爆発事故の恐れがある。 注意事項 ○ 油蒸気が拡散地域内の船舶、人員進入の統制 ○ 風の反対方向で事故地点に接近 ○ 防爆設備の船舶および安全装具の着用後、現場接近 3. 軽油(MGO,MDO) 物性 比重 動粘度(20℃) 引火点 爆発範囲(Vol%) 0.8~0.85 1.5~6.0cSt 40℃以上 1.6~6.0 海上流出の時特性 ○ 波がある清い海域では 12 時間以内に拡散消滅 ※ MDO には中質油が含油していて持続性がある。 ○ 冬期、低気圧・霧海域では3~4日残存可能 ※ 海水の中に多くの量が分散して、油分濃度が高くなる。 ○ 海域では追跡監視、沿岸に移動の時、回収措置 102 4. バンカーA 油 物性 比重 動粘度(50℃) 引火点 流動点 0.85~0.89 2cSt 以下 60℃以上 5℃以下 ○小型船舶の主な機関および中・大型船舶の発展機の燃料として利用 海上流出時の特性 ○ 流出後、素早くエルマジョン化し、容積が 3 倍以上膨張 ※ エルマジョン化した油は黄褐色に変化し、粘度が上昇 ○ 夏期にはより拡散・消滅する傾向があるが、海岸岸壁、砂利、砂など に付着する場合には長時間持続 ○ 冬期には気温降下により粘度が高くなり、長時間汚染持続 5. バンカーB、C 油 種類 ○ 船舶燃料油:MF30~420 ○ ボイラー燃料油:低硫黄バンカーC 油、高硫黄バンカーC 油 物性 区分 動粘度(50℃) 流動点 バンカーB 21~50cSt 10℃以下 バンカーC 51~540 cSt - 海上流出時の特性 ○ 長期持続性油で防除作業が必須的である。 ○ 夏期には固形がしないがエルマジョン化し、粘度増加 ○ 冬期には気温降下により固形化する傾向である。 103 ⅱ.関係機関、団体・業者非常連絡網 1. 海洋警察庁 庁/署 申告電話 FAX 防除課(係) 状況室 海洋警察庁 032-883-1846 032-883-0461 032-888-0594 釜山海洋警察署 051-403-5002 051-404-6112 051-404-1356 仁川海洋警察署 032-883-5050 032-888-0112 032-881-7531 束草海洋警察署 033-633-5050 033-632-0112 033-636-1125 東海海洋警察署 033-533-5050 033-532-7072 033-531-5150 泰安海洋警察署 041-674-5050 041-675-0112 041-672-1695 群山海洋警察署 063-467-5050 063-467-5472 063-467-9374 木浦海洋警察署 061-244-0505 061-242-0112 061-243-5051 莞島海洋警察署 061-555-0505 061-554-0112 061-555-5051 麗水海洋警察署 061-651-5050 061-651-0112 061-651-4950 浦項海洋警察署 054-247-5050 054-242-0112 054-247-5049 蔚山海洋警察署 052-261-5050 052-260-0112 052-265-3812 統営海洋警察署 055-645-5050 055-641-4112 055-644-7667 済州海洋警察署 064-757-5050 064-751-0112 064-758-0611 104 2. 韓国海洋汚染防除組合 本部/支部 代表電話 本(支)部長 防除チーム長 防除組合本部 02-3498-08585 011-418-8666 011-268-0961 釜山支部 051-466-3914 011-566-3414 011-757-3924 仁川支部 032-884-7702 011-892-7702 011-206-8692 東海支部 033-531-4056 011-892-7701 010-6449-4255 平澤支部 031-683-7973 011-9980-3510 010-6449-4462 大山支部 041-664-9101 011-659-1931 011-9004-9101 群山支部 063-468-2106 010-6449-2944 010-6449-2966 馬山支部 055-223-8833 011-743-8834 010-6449-4471 麗水支部 061-665-7703 011-346-3510 011-9060-7467 浦項支部 054-231-6653 011-242-2061 011-6649-3044 蔚山支部 052-261-3413 011-892-7938 011-861-8762 済州支部 064-753-4376 011-417-4376 010-6449-4463 105 3. 防除業者 地域別 釜山 仁州 木浦 麗水 浦項 蔚山 業者名 代表電話 携帯電話 スイル総合環境(株) 051-463-5828 018-554-9729 ケイシエイ(株) 051-831-1954 011-868-6705 ムソンハンオプ(株) 051-207-9966 011-865-9965 ジエスンシルオプ(株) 051-465-0279 011-572-8668 (株)ソンファ産業 051-416-2240 018-372-6626 (株)サンウ環境 051-412-4424 016-9295-4883 (株)ジンミョン環境 051-637-4040 011-872-9876 (株)グリーン-シ 051-441-8668 011-885-2533 (株)ヨンファギオプ社 032-763-7224 011-758-4581 (株)ウェンカンサ 032-888-4561 016-308-2129 (株)ヘンソン環境 032-889-9501 011-294-6853 (有)ジュンドウンジョウサ 061-243-9339 011-9608-5121 ドンソンハンコウ(株) 061-666-1221 011-621-1221 (有)グリーンポト 061-666-4546 017-617-1710 (株)東洋 061-794-4183 011-621-8551 (株)韓国海運 061-686-6609 011-674-4764 ウジンジルオプ(株) 061-666-4333 011-648-4181 (株)ジェドン 054-274-2040 016-808-2257 (株)ジョンパ 054-278-8200 017-505-2231 (株)ソンヤン 520-265-7937 011-847-8887 (株)ドンファ交易商社 052-265-9137 011-823-7452 106 4. 救難業者 地域別 仁川 等級 業者名 1級 (株)韓国サルベージ 032-881-9911 〃 アルファ潜水技術工事 032-885-1088 〃 韓国海洋汚染防除組合 02-3498-8653 〃 東亜水中開発(株) 032-882-4406 〃 バイズミュルロサルベイジコリア(株) 02-34471129 海洋開発工事 032-885-4243 ライフ水中開発工事 032-881-0050 デア臨海企業事 032-772-3889 (株)ゴウェン船舶ヘチェ 032-761-7766 (株)テフンサルベージ 051-761-0095 〃 グンホ海洋開発工事 051-466-2534 〃 (株)キン & ゴサルベージ 051-463-5828 〃 (株)現代海洋開発 051-418-0331 〃 大韓海洋開発 051-462-4157 〃 (株)ドンイン工事 051-241-6423 〃 テソン産業 051-412-0452 〃 ピョンギル企業(株) 〃 ブウォン開発 051-412-9700 051-417-0557 〃 ゴジン海上開発(株) 051-413-0444 〃 八八開発(株) 051-423-8808 〃 ホンヨン開発(株) 051-465-8480 〃 エイステクナリジ(株) 051-462-8000 〃 コリアサルベイジ(株) 051-441-0803 〃 (株)デワ総合建設 051-466-6131 〃 チャンウ海洋(株) 051-416-1464 〃 サルコ(株) 051-468-2020 ボンウ産業 051-462-0161 2級 〃 3級 〃 1級 釜山 2級 電話番号 麗水 2級 ドンイン開発 061-241-2780 蔚山 1級 (株)蔚山海洋開発 052-265-9518 統営 1級 デウ造船海洋(株) 055-680-3951 107 ⅲ.海洋警察庁およびほう助組合保有防除船舶現況 1. 海洋警察署 保有防除装備 所属 船名 トン数 船種 携帯番号 フェンス(m) 油回収機(㎥/hr) 防除 12 号 147 兼用船 304 ブラシ 100 017-779-4283 防除 18 号 300 兼用船 600 ブラシ 280 017-779-4284 防除3号 65 回収機 ― ブリッジストン 60 017-779-4190 防除 19 号 300 兼用船 600 ブラシ 280 017-779-4191 束草 防除6号 85 兼用船 375 ブリッジストン 80 017-779-4484 東海 防除 10 号 140 兼用船 395 サイクロネット 180 011-779-4579 防除 11 号 140 兼用船 304 サイクロネット 180 017-779-4011 防除 21 号 300 兼用船 600 ブラシ 280 017-779-4012 防除8号 140 兼用船 304 サイクロネット 180 017-779-4383 防除7号 85 兼用船 304 ブリッジストン 80 017-779-5681 防除 20 号 300 兼用船 600 ブラシ 280 017-779-4685 防除1号 150 兼用船 300 ブラシ 200 017-779-4684 防除 13 号 147 兼用船 304 ブラシ 100 017-779-4781 防除 15 号 300 兼用船 600 ブラシ 280 017-779-4782 浦項 防除9号 140 兼用船 304 サイクロネット 180 017-779-4982 蔚山 防除 16 号 300 兼用船 600 ブラシ 280 017-779-5282 統営 防除2号 150 兼用船 300 ブラシ 200 017-779-5016 防除5号 50 展長船 400 防除 17 号 150 兼用船 300 ブラシ 200 017-779-4834 釜山 防除バージ 1 号 500 バージ船 400 ワイヤー60 011-9317-7139 仁川 防除バージ 2 号 500 バージ船 400 ワイヤー40 011-1727-2358 麗水 防除バージ 2 号 500 バージ船 600 ワイヤー60 011-9433-5816 釜山 仁川 泰安 群山 木浦 莞島 麗水 済州 108 017-779-4833 2. 韓国海洋汚染防除組合 支部(港) トン 船名 墨湖 東海 平澤 清掃船 ディスク 20 011-660 0244 釜山 933 号 46 清掃船 ブラシ 10 011-660-0245 54 清掃船 マルテ 30 フィルターベルト 59 フィルターベルト 100 ヘリョン号 295 300 300 予防船 011-556 3914 011-649-6027 306 デリョン号 190 予防船 120 9 ファンリョン号 206 予防船 250 107 チョンリョ号 113 予防船 300 ディスク 22 011-574-4804 108 チョンリョン号 138 予防船 250 ワイヤー 100 011-577-6720 208 ファンリョン号 212 予防船 300 ワイヤー 100 011-516-8096 38 清掃船 500 ワイヤー 35 フィルタベルト 59 仁川 937 号 149 清掃船 仁川 938 号 36 清掃船 201 ファンリョン号 125 予防船 207 ファンリョン号 139 予防船 300 011-453-9717 019-502-3867 017-337-3882 150 011-660-0242 フィルタベルト 59 011-660-0241 ワイヤー 100 ブラシ 011-346- 5411 300 017-252-6497 102 チョンリョ号 98 予防船 105 チョンリョ号 120 予防船 109 チョンリョ号 138 予防船 250 ワイヤー 100 017-252-6811 防除 1003 号 654 付船 500 ワイヤー 100 010-6810-4884 35 清掃船 ガンウォン 907 号 209 ファンリョン号 139 予防船 302 デリョン号 164 予防船 3 デリョン号 295 予防船 仁川 933 号 83 清掃船 313 デリョン号 190 予防線 202 ファンリョン号 120 予防線 50 清掃船 ファンクムサン号 大山 携帯番号 釜山 931 号 仁川 936 号 仁川 フェンス(m) 油回収機(㎥/hr) 数 84 釜山 936 号 釜山 保有防除装備 船種 防除 2 号 312 デリョン 号 5 防除船 192 予防船 016-332-7152 011-750-1331 200 ドラム 22 フィルターベルト 59 ブラシ 50 011-9361-2297 011-9792-7999 019-375-3014 200 011-9878-3494 011-9750-0244 300 200 300 109 ワイヤー 100 011-566-3413 ディスク 50 011-9955-6379 ドラム 45 フィルタベルト 59 真空 40 017-403-7286 100 010-4306-0600 ワイヤー 011-579-5569 支部(港) 船名 全北 920 号 群山 木浦 麗水 浦項 蔚山 馬山 三千浦 済州 トン数 船種 36 清掃船 保有防除装備 フェンス(m) 油回収機(㎥/hr) 携帯番号 011-9628-1907 106 チョンリョ号 113 予防船 200 305 デリョン号 158 予防線 200 307 デリョン号 160 予防船 200 12 チョンリョ号 133 予防船 200 ディスク 20 018-625-1280 チョンへ号 64 清掃船 500 ドラム フィルタベルト 45 59 019-626-7235 全南 938 号 46 清掃船 300 全南 939 号 149 清掃船 420 316 デリョン号 300 ディスク 40 011-670-2570 016-617-7817 011-672-4801 ディスク 22 フィルタベルト 59 ブラシ 150 ワイヤー 100 011-635-7517 010-5653-6322 ワイヤー 100 016-647-8531 40 010-7979-9014 フィルタベルト 100 017-275-7314 225 予防船 防除1号 5 防除船 真空 防除 5 号 10 防除船 環境1号 120 防除船 250 017-623-1565 環境2号 22 タンカー 200 017-650-7200 防除 1001 号 522 付船 1,200 慶北 939 号 35 清掃船 301 デリョン号 160 予防船 慶北 962 号 206 予防船 チョンファ号 71 清掃船 防除3号 11 防除船 311 デリョン号 198 予防船 309 デリョン号 190 予防船 203 ファンリョン号 113 予防船 防除 1002 号 751 附船 慶南 936 号 32 清掃船 ワイヤー 250 018-641-6321 59 017-809-6300 フィルタベルト 300 016-808-5108 011-828-7343 300 フィルタベルト 50 011-236-7989 真空 50 011-9509-0962 220 011-885-8063 440 ワイヤー 100 017-295-2131 200 ワイヤー 50 011-819-0773 600 ワイヤー 250 ブラシ 120 011-9389-9850 ドラム 22 019-588-5499 ディスク フィルタベルト 20 59 017-588-1410 チョンへ号 52 清掃船 101 デリョン号 113 予防船 ディスク 40 011-586-5120 308 デリョン号 160 予防船 ワイヤー 100 017-875-0268 303 デリョン号 161 予防船 済州 935 号 33 清掃船 13 デリョン号 133 予防船 300 017-842-8749 フィルタベルト 59 011-692-9069 011-692-3155 110 ⅳ.海洋警察庁および防除組合保有 高粘度用油回収機の現況 1. 海洋警察署 所属 スクリュー トロール ディスク ワイヤー スキマー スキマー スター ディスク 連絡先 (45 ㎥/hr) (100 ㎥/hr) (22 ㎥/hr) (50 ㎥/hr) 計 7 2 釜山 1 1 仁川 1 7 1 3 1 051-403-5002 1 032-882-5050 束草 033-633-5050 東海 033-533-5050 泰安 1 群山 1 041-674-5050 1 063-467-0505 061-244-5050 木浦 莞島 麗水 1 浦項 1 蔚山 1 統営 1 1 061-555-5050 1 061-651-5050 1 1 054-247-5050 1 052-261-5050 1 055-645-5050 064-757-5050 済州 111 2. 韓国海洋汚染防除組合 ○油回収機 トロールスキマー ディスクスター (53 ㎥/hr) (22 ㎥/hr) 所属 2 計 10 ワイヤーディスク 吸引力 フィルターベルト (m3/hr) (m3/hr) (m3/hr) 100 250 100 50 200 100 2 12 5 1 2 釜山 1 1 1 仁川 1 1 1 東海 1 大山 1 平澤 群山 12 1 1 3 1 1 1 1 浦項 1 蔚山 1 馬山 1 済州 1 1 051- 466-3914 2 032-8884-7702 1 033-531-4056 1 041-644-9101 2 031-683-7973 2 1 063-468-2106 1 1 1 1 2 1 木浦 麗水 59 1 1 1 1 063-468-2106 1 061-665-7703 1 054-231-6653 1 052-261-3413 1 055-223-8833 1 064-753-4376 ○ 捕集用網 所属(支部) Veeweep(60m) Current Buster(60m) 計 2 4 仁川 1 032-884-7702 大山 1 041-664-9101 麗水 1 1 061-665-7703 蔚山 1 1 052-261-3413 112 V.地域別防除資源の保有現況 1.釜山 業種 機関 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 2 11 2,300 7,000 3,7000 051-412-5050 9 12 3,240 3,130 6,010 051-466-3914 機関・業者名 釜山海洋警察署 防除組合 防除組合釜山支部 非常連絡網 防除業 スイル総合環境 1 1 500 2,000 1,000 051-463-5828 防除業 KCA 1 1 600 700 500 051-831-1954 防除業 ムソンハンギョウ 1 1 600 600 1,400 051-207-9966 防除業 ジスン実業 1 1 600 600 500 051-264-3471 防除業 ソンファ産業 1 2 400 400 1,800 051-418-6677 防除業 サンウ環境 1 1 360 400 500 051-412-4424 防除業 ジンメイ環境 1 1 300 200 500 051-637-4040 防除業 グリーン-シ 1 1 300 200 500 051-441-8668 660 700 1,800 051-413-1643 660 230 4,700 051-640-8421 800 360 4,100 051-643-3331 600 840 1,400 051-403-5071 SK 釜山物流 貯油所 センター LC 釜山物流 貯油所 センター 1 現代精油釜山 貯油所 貯油所 仁川精油釜山 貯油所 貯油所 113 2.仁川 業種 機関 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 2 9 1,800 7,387 35,234 032-882-5050 9 17 4,810 14,810 18,996 032-884-7706 1 1 1,679 80 13,190 032-570-5433 840 500 5,000 032-770-2761 1,480 1,290 8,400 032-885-2162 機関・業者名 仁川海洋警察署 非常連絡網 防除組合 防除組合 仁川支部 精油所 仁川精油 貯油所 LG-Caltex 精油 貯油所 SK(株) 貯油所 現代精油(株) 320 280 270 032-578-9112 貯油所 S-oil 仁川貯油所 840 150 4,200 032-880-5852 防除業 円光公社 1 1 1 440 270 6,840 032-888-4561 1 1 520 310 2,430 032-763-7224 1 1 800 900 720 032-889-9501 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 1 2 950 4,279 8,514 033-633-5050 120 40 033-636-7842 ヨ ンフ ァギギ ョ 防除業 社 防除業 ヘソン環境 3.束草 業種 機関 機関・業者名 束草海洋警察署 非常連絡網 防除組合東海 防除組合 支部束草事業所 1 114 4.東海 業種 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 1 4 1,339 3,600 17,896 033-533-5050 4 9 4,180 3,422 3,884 033-532-4056 460 160 2,430 033-522-0140 460 40 1,760 033-521-0112 460 180 800 033-533-2661 520 410 738 033-534-2093 機関・業者名 非常連絡網 東海海洋 機関 警察署 防除 防除組合 組合 東海支部 SK(株)東海 貯油所 物流センター LG - カ ル テ 貯油所 ス(株)東海 貯油所 S-oil(株) 貯油所 ムクホ貯油所 現代精油(株) 貯油所 オクケ貯油所 5.泰安 業種 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 2 10 2,962 10,011 31,450 041-674-5050 3 13 5,110 3,529 6,615 041-664-9101 2 6 3,300 3,180 4,013 031-683-7974 1 2 1,540 1,500 4,876 041-660-5632 機関・業者名 非常連絡網 泰安海洋 機関 警察署 防除 防除組合 組合 大山支部 防除 防除組合 組合 平澤支部 現代 精油所 オイルバンク 115 6.群山 業種 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 1 5 1,465 4,145 19,834 063-467-5050 5 10 4,120 4,221 6,087 063-468-2101 460 240 1,000 032-885-2162 460 230 1,413 063-467-3600 460 100 1,252 063-467-3131 460 340 660 063-467-6325 機関・業者名 非常連絡網 群山海洋警察 機関 署 防除 防除組合 組合 群山支部 貯油所 SK(株) LG カルテクス 貯油所 (株) 貯油所 S-oil(株) 現代オイルバ 貯油所 ンク(株) 7.木浦 業種 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 2 7 1,780 4,236 38,911 061-244-5050 1 3 600 1,280 3,814 061-245-4830 1 1 320 648 240 061-242-5898 280 450 260 061-464-5541 500 416 170 061-462-5151 機関・業者名 機関 木浦海洋警察署 防除 防 除組 合群山 支 組合 部木浦事業所 非常連絡網 防除 (油)中東商社 業者 貯油 所 貯油 所 LG –カルテス 木浦貯油所 現代精油 木浦貯油所 116 8.莞島 業種 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 1 4 1,300 4,625 21,916 機関・業者名 機関 莞島海洋警察署 防除 防除組合麗水支部 組合 (莞島事業所) 非常連絡網 600 061-555-5050 061-552-1403 9.麗水 業種 機関 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 2 12 2,858 5,840 23,198 061-651-5050 4 6 7,200 2,500 40,060 061-680-2386 8 15 6,150 8,557 17,638 061-665-7703 1 1 580 880 1,962 061-666-1221 クリンポト 1 1 1,000 220 420 061-666-4565 (株)ドンヤン 1 1 470 400 660 061-794-4181 ウジン実業(株) 1 1 400 400 400 061-666-4333 韓国海運(株) 1 1 300 200 200 061-653-4451 機関・業者名 麗水海洋警察署 非常連絡網 LG- 精油所 カルテス精油 防除 防除組合 組合 麗水支部 防除 ド ンソ ンハン ウ 業者 ン 防除 業者 防除 業者 防除 業者 防除 業者 117 10.浦項 業種 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 1 7 2,076 7,409 27,498 054-247-5050 3 7 3,060 3,438 5,124 054-231-6653 (株)ジェドン 1 1 2,770 160 1,584 054-274-2040 (株)ジョンパ 1 1 620 390 550 054-278-8200 360 100 2,000 061-680-2386 機関・業者名 機関 浦項海洋警察署 防除 防除組合 組合 浦項支部 非常連絡網 防除 業者 防除 業者 LG- 貯油所 カルテス精油 11.蔚山 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 蔚山海洋警察署 1 10 2,480 8,764 33,447 052-261-5050 精油所 SK(株) 8 5 5,554 458 32,335 032-885-2162 精油所 S-oil(株) 1 1,450 1,000 2,200 063-467-3131 貯油所 韓国石油公社 1,500 1,010 20,004 061-688-8757 貯油所 現代オイルバンク 840 400 4,000 041-660-5632 業種 機関 機関・業者名 非常連絡網 防除 防除組合蔚山支部 6 15 4,960 2,692 7,514 052-261-3431 (株)ソンヤン 1 1 300 200 324 052-227-8100 1 1 500 700 1,440 052-265-9137 組合 防除 業者 防除 (株)ドンファ交 業者 易商社 118 12.統営 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 統営海洋警察署 1 8 1,210 7,594 23,193 055-645-5050 防除組海馬山支部 5 13 3,480 7,108 14,838 055-223-8833 1,500 22,140 1,940 061-688-8757 1,940 460 504 055-640-6181 460 230 1,260 055-245-6054 500 300 2,400 055-264-4624 業種 機関 機関・業者名 非常連絡網 防除 組合 貯油所 韓国石油公社 韓国ガス公社 貯油所 統営生産支部 SK(株) 貯油所 馬山貯油所 LG(株) 貯油所 馬山貯油所 13.済州 業種 機関 防除船 回収機 オイルフェンス 油吸着材 油処理剤 (隻) (台) (m) (㎏) (ℓ) 済州海洋警察署 2 5 1,080 4,697 20,310 064-757-5050 防除組合済州支部 2 7 2,420 3,273 3,758 064-753-4376 1 460 160 1,274 064-721-6051 540 250 1,600 064-722-5346 機関・業者名 非常連絡網 防除 組合 SK(株) 貯油所 物流センター LG- 貯油所 カルテス精油(株) 119 ⅵ.報告書式 1.現場状況調査チェックリスト 区分 船種 船名 総トン数 解消汚染保険 積載量 貨物船 燃料油 燃料油 kℓ kℓ kℓ kℓ 基本情報 タンク別積載量 所有者(電話) 代理店(電話) 船舶(電話) 船体状態 傾き 破損位置 油流出状態 タンクの破損位置 海低接触可否 周辺海域特性 風向 風速 波高 視程 気温 水温 高潮 低調 最大流速 水深 漁場分布 脆弱資源分布 120 2.状況報告書 状 況 報 告 区 分 書 派出所 出張所 No ( ) 海警署 接受時間 : : : 状況室長: 受 信 者: 送 信 者: 送信時間: 200X.X.X,00:00 受 信: 発 信: 題 目: 海洋汚染の発生報告 伝達先 1.日時及び場所:200X.XX.XX,00:00(場所、経緯度) 2.汚染源:船名(トン数、船種、国籍) 3.汚染物質及び数量(油種、数量 kℓ) - 積載油:油種、数量(kℓ) 4.汚染範囲:長さ 海洋 警察署 m×幅 m、 - 流出油の移動方向及び拡散状態、油膜の色など 5.被害事項:現在までに把握された事項 6.概 要:六何原則(5W1H)に基ついて作成 7.措置事項 - 防除関連措置事項を時間帯別に記載 (防除艇及び艦艇の出動関係、オイルフェンスの設置等、初動応急 措置事項、油回収機の動員の可否等) - 防除措置の命令、防除対策協議会の開催内容等 - 予定方法の選択内容 - 防除予定事項及び動員計画等 8.その他 - 現地の気象:潮流、風向・風速、波高、視程、水深、朝夕等 - 報道事項及び関連情報 ※ 上記内容の中で初期に把握可能な部分だけ把握して迅速に報告 121 状 況 報 告 書 No 区 分 接受時間 受 信: 派出所 ( ) 海洋 出張所 海警署 警察庁 : : : 状況室長: 受 信 者: 送 信 者: 発信時間: 200X.X.X,00:00 発 信: 題 目:海洋汚染の進行事項の報告(第 報) 日時、場所、汚染源、事故概要を簡略に記録 1.船体状態 2.汚染状態(00:00 現在) 3.措置事項 - 船体安全措置及び油流出防止、移積事項等 - 汚染海域別、具体的な防除措置の計画 - 救難事項 - 防除人員、防除船及び装備・資材動員の計画等 4.その他 - 海・気象 - 報道機関の現場取材及び報道事項 - 汚染事故の関連情報及び隘路事項 ※ 07:00 に報告する内容で現場状況を正確に判断して作成 122 伝達先 状 況 報 告 書 No 区 分 派出所 出張所 ( ) 海警署 海洋 警察庁 接受時間 : : : 状況室長: 受 信 者: 送 信 者: 発信時間: 200X.X.X,00:00 受 信: 発 信: 題 目:海洋汚染の防除一日総合報告(第 報) 伝達先 日時、場所、汚染源、事故概要を簡略に記録 1.船体状態(現状態と当日の変換事項を記録) 2.汚染状態(現状態と当日の変換事項を記録) ―海上: ―海岸: 3.被害措置 4.措置事項 ―船体措置 ―防除措置 ―救難事項 5.動員人員および防除機資材の使用現況 区分 人員 船 舶 オイルフェン 油 吸 着 油 処 理 (名) (隻) ス(m) 材(㎏) 剤(ℓ) 日計 累計 海警 組合 ―油、廃棄物の回収量および処理内訳 ―防除進度(予想可能な場合のみ記録) ※ 動員機関・団体・業者別に動員内訳集合記録 6.一日防除結果の評価:戦略と計画の適正性 7.展望および今後の計画 8.その他 ―海・気象、特報事項 ―報道機関取材および報道事項 9.明日の計画 123 そ の 他 状況報告書 NO. 区 分 接受時間 受 信: 派出所 ( ) 海洋 出張所 海警署 警察庁 : : : 状況室長: 受 信 者: 送 信 者: 発 信: 発信時間:200X.X.X,00:00 題 目:流出油航空探査の結果報告(第 報) 日時、場所、汚染源、事故概要を簡略に記録 1.日時および探査区間 ―日時:00:00~00:00(00 分間) ―探査区間 2.流出油探査の結果 ―XX海域(地形地物および経・緯度明示) ・拡散範囲:幅 00m×長さ 00m ・油膜の色:銀色、薄い虹色、濃い虹色、紺色、黒など ・移動方向 ―XX海域(地形地物および経・緯度明示) ・拡散範囲 ・油膜の色 ・移動方向 3.そのほか ―航空機:所属、機名、操縦者(階級、氏名) ―搭乗者:所属、階級、氏名 ―その他参考事項 ※現地気象 添付:汚染範囲および状態表示図面1部 124 伝達先 ⅶ.用語の説明 Double Bottom(二重底):貨物倉を保護するために、二重にした船底 ESI MAP(Environmental Sensitivity Index Map):環境脆弱地図 HNZ(Hazardous and Noxious Substance):危険・有害物質 IMO(International Maritime Organization):国際海事機構 IOPC FUND1992(International Oil Pollution Compensation Fund1992): 国際油濁補償基金 1992 LNG(Liquid Natural Gas)Tanker:液化天然ガス運搬船 LPG(Liquid Petroleum Gas)Tanker: 液化ガス運搬船 MAPROL(The International Convention for the Prevention of Pollution from Ships): 国際海洋汚染防止協約 MEPC(Maritime Environment Protection Committee):IMO 海洋環境保護 委員会 NOWPAP(Northwest Pacific Action OPRC(International Convention Plan):北西太平洋保全実践計画 on Oil Pollution Preparedness Response and Cooperation):油類汚染準備・対応および協力に関する国 際協約 125 PORT-MIS(Port Management Information System):港湾運営情報システム PSC(Port State Control):港湾国統制 P&I Club(Protection and Indemnite Club):船主相互責任保険組合(海 洋汚染事故など第3者被害補償) SBT(Segregate Ballast Tank):分離バサストタンク TEU(Twenty footer Equivalent Unit) : (長さ 20 ピトを基準に換算した コンテイナーの単位 TOVALOP(Tanker Owner Voluntary Agreement Concerning Liability for Oil pollution) :油初汚染責任に関するタンカー船主間の自主協定 VOSS(Vessel of Opportunity Skimming System):一隻の船舶を利用し、 流出流を捕集、回収するシステム VTS(Vessel Traffic Service): 海上交通関税制度 VLCC(Very Large Crude Carrier):積載トン数 20 万~30 万トンの大型 原油運搬船 ULCC(Ultra Large Crude Carrier) :積載トン 30 万~50 万トンの超大 型原油運搬船 126 満積吃水線(load line):水面が船体と接する部分を吃水線いい、満積 吃水線は貨物が満積した時、吃水線 排水トン数(Displacement Tonnage):ある吃水での船舶の全体の重さ(船 体の水面に漬かる容積に該当する海水の重さ9 二重船殻(Double Hull):船体の底および側面が二重になっている船体 (浸水、沈没および海洋汚染防止) 載荷重量トン数(DWT, Deadweight Tonnage): 荷重量トン数とは、船舶の 航行の安全を確保することができる限度内における貨物等の最大積載量を表す ための指標として用いられる指標で、人または貨物その他の物(燃料、缶水、 清水、乗組員、食料、バラスト等)を積載しないものとした場合の軽荷状態の 吃水に対する船舶の排水量と、比重 1.025 の水面において 計画満載喫水線に 至るまで人または物を積載するものとした場合の排水量との差を 1000kg を1 として、「トン」付して表すものです) 「保留」 総トン数(G/T、Gross Tonnage):船舶内部の容積を表示(客船と漁船の 代表的なトン数) 127 海洋汚染防除ハンドブック 発行人:海洋警察長 編集人:海洋警察庁 防除課長 発行日:2004.10.27 印 刷:国際文化社 032)881-3007 <非売品> 128 129
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