キャッチフレーズ - 「日本で最も美しい村」連合

特定非営利活動法人
「日本で最も美しい村」連合
活動報告書
The Most Beautiful Villages in Japan
PROGRESS REPORT
2015
もくじ
「日本で最も美しい村」連合とは
…… 1
連合の目的
…… 1
活動内容
…… 2
…… 3
認定の条件
…… 4・5
10年のあゆみ
数字でみる連合のあゆみ
加盟町村の取り組み
…… 6・7
…… 8
…… 9
優良事例紹介町村
<世襲財産>
宮崎県綾町
…… 10
京都府伊根町
…… 11
宮崎県椎葉村
…… 12
長野県南木曽町
…… 13
京都府和束町
…… 14
<経済的自立>
北海道美瑛町
…… 15
北海道標津町
…… 16
徳島県上勝町
…… 17
山形県大蔵村
…… 18
群馬県中之条町伊参
…… 19
<住民の自主的参加>
熊本県南小国町
…… 20
鳥取県智頭町
…… 21
秋田県東成瀬村
…… 22
長野県木曽町
山形県飯豊町
…… 23
…… 24
今後の10年に向けて
……25・26・27
サポーター企業一覧
……28
ご支援の方法
……29
世界の最も美しい村連合
……30・31
財務状況・組織
……32・33
「日本で最も美しい村」連合とは
NPO法人「日本で最も美しい村」連合は、2005年10月に設立。2015年で10
周年を迎えました。
美しい村連合は、失ったら二度と取り戻せない日本の農山漁村の景観や環境・文化を守り、
地域資源を生かしながら美しい村としての自立をめざす運動を展開しています。
今、日本各地で脈々と受け継がれてきた美しいふるさとの風景が消えようとしています。黄
金色に輝く秋の棚田や、古民家が連なる集落のたたずまい、五穀豊穣を願う祭りなどは、地
域に根付いた暮らしの営みからはぐくまれたもので、多くの人々の手で大切に守られてきま
した。しかし、過疎化や少子高齢化の流れが進むなかで、人々が故郷から離れ、地域と人と
の関わりが希薄になると、田畑は荒れた山野となり、祭りの継続や集落の維持そのものが困
難にもなりかねません。どんなに素晴らしい地域資源があっても、そこに人がいなければ、
その価値を認めて応援し支え合う人々がいなければ、守り続けることは難しいのです。
美しい地域資源を持つそれぞれの町や村が自らのふるさとに誇りを持ち、切磋琢磨しながら
自立した地域づくりに取り組むことは、日本の原風景を守ることにもつながります。自然と
人間の営みが長い年月をかけてつくり上げた本当に美しい日本を未来に残したい、小さくて
もオンリーワンの輝きを持つ日本の美しい村を守りたいーそれが「日本で最も美しい村」連
合の基本理念です。
連合の目的
この連合は、素晴らしい地域資源を持ちながら過疎にある美しい町や村が、「日本で最
も美しい村」を宣言することで
①
自らの地域に誇りを持ち、将来にわたって美しい地域づくりを行うこと
②
住民によるまちづくり活動を展開することで地域の活性化を図り、地域の自立を推進
すること
③
生活の営みにより作られてきた景観や環境を守りこれらを活用することで観光的付加
価値を高め、地域の資源の保護と地域経済の発展に寄与すること
を目的としています。
1
活動内容
「日本で最も美しい村」の名称・ロゴマークの使用・普及
l 「日本で最も美しい村」連合の名称とロゴマークが良好な地域づくり、文化及び独自の保
全地域を示す目印(ブランド)となるように活用します。
加盟町村相互の経験や研究の共有
l 定期総会、戦略会議、臨時総会、フェスティバルなどを開催し、加盟町村の自立・発展の
ために、相互の経験や研究を共有する機会を持っています。
l 定期的に加盟町村間及び企業サポーター等との交流の場を設けています。
▶ 成果についてはp6・7を参照
経済的価値の向上・社会的発展の促進
l 連合が目指す将来像の実現のため、経済的価値を高め、社会的発展を促します。
l 資格委員会が資格基準に基づき、新規加盟を希望する町村の審査を実施します。
l 加盟後も5年に1度の再審査を通じ、この連合の価値を維持するよう努めています。
l 「世界で最も美しい村連合会」の国際活動に参加します。
▶ 世界で最も美しい村連合会についてはp30・31 を参照
地域の魅力発信による交流人口の増加
l 公式ガイドブックの継続的な発行や、フォトコンテストの開催を通じ、より多くの方に加
盟町村の魅力を発信しています。
l 連合主催及び地域ごとに設置されている7つのブロック協議会によるイベントの開催や、
町村をPRする商品の開発・販売支援を行っています。
▶ 成果についてはp6・7を参照
景観や自然文化遺産を後世に引き継ぐための広報活動と世論形成
l 雑誌、新聞、テレビ等の各種メディアのほか、ホームページ等による広報活動を展開し、
加盟地区町村の現状について多くの国民に理解を求め、その地域ならではの景観や自然文
化遺産を後世に引き継ぐ必要性について世論を高めるための広報活動を行っています。
l また、そのミッションに共感し、活動を支援してくださる企業、団体、個人によるサポー
ター会員制度の拡充を図ります。
▶ 成果についてはp6・7を参照
2
日本で最も美しい村認定の条件
「日本で最も美しい村」連合では、加盟申請のあった町村への現地調査と厳正な審査のもと、加
盟の可否が決定されます。加盟するには以下のような条件を満たしていることが必要です。
審査基準はフランスでの最も美しい村協会の基準を参考に日本独自の美しさを定義したものと
なっています。日本の美しさの特徴として、ヨーロッパのような都市計画上や建築的な観点より
も、人々の生活の営みからつくられた景観であること、また南北に長い国土であるため、その文
化の多様性が尊重されていることなどが挙げられます。
認定の条件
❶
人口が概ね1万人以下であること
❷
地域資源が二つ以上あること
• 景観ー生活の営みにより作られた景観(伝統的なまちなみや里山・里海)
• 文化ー昔ながらの祭りや芸能、郷土文化など
❸
連合が評価する地域資源を生かす活動があること
• 美しい景観に配慮したまちづくりを行っている
• 住民による工夫した地域活動を行っている
• 地域特有の工芸品や生活様式を頑なに守っている
3
10年のあゆみ
2005年、「日本で最も美しい
村」連合は北海道美瑛町の浜田
町長の声掛けで集まった6町村
と共に誕生しました。
2010年には世界で最も美しい村
連合会にアジアで初めて加盟し、
2015年には日本国内では初めて
の開催となる世界連合会の総会
が北海道美瑛町で開催されまし
た。
その地道な活動内容が認められ、
10年間で60町村地域にまで仲間
が増えました。現在でも多くの
18
町村地域から加盟申請をいただ
き、また、昨今の国の地方創生
の動きも相まってか、メディア
や各種企業からの問い合わせも
増加しており、今後も活動の輪
9
11
7
を広げていければと考えていま
す。
活動の目的は、決して加盟町村
数を増やすことではなく、自ら
の町村を誇りに思い幸せに住み
続けられる人が増えることにあ
るということを忘れず、質の向
上に向け、更なる取組みを続け
てまいります。
2005
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数字でみる連合のあゆみ
美しい村連合を支えるサポーター会員の状況
美しい村 連合の 運営資 金は、 加盟町 村から の会費 と、
サポーター会員は、正会員と準会員に分 けられま す。
正会員とは年間10万円以上の寄付額で、 議決権を 持つ
会員。準会員とは年間5,000円以上の会費 を納めて お
り、議決権を持たない会員のことを言い ます。
サポーター会員(企業・個人)から の寄付 金で成 り
立ってい ます。 おかげ さまで 現在で は89の正会 員と、
563人の準会員様に支えられ、2015年には、10周
年記念ということもあり、過去最高 額の約1,600万
正会員数累計
(人)
円の会費収入を得ることができまし た。
100
企業会員の皆様(主に正会員)には 、定期 的に加 盟
80
町村との交流会を実施しており、官 民連携 プロジ ェ
60
40
クト創出の機会をご提供しています 。
23
28
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37
36
38
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`15
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個人会員(主に準会員)の皆様には 既刊美 しい村 連
`05
合新聞やカレンダーのご送付や、各 種イベ ントへ の
ご案内などの特典をご用意し、情報 提供を 行って い
ます。 28年度より、これまで紙面での登録の みで
準会員数累計
(人)
あった会員入会システムをオンライ ン化し 手間を 軽
600
減いたしました。
441
400
336
269
「景観や自然文化遺産を後世に引き 継ぐた めの広 報
563
506
200
活動と世論形成」という連合のミッ ション のため に
2
も、より多くの方に共感いただき、 会員と なって い
0
ただけるよう努力してまいります。
`05
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民間(企業・個人)からの会費と加 盟町村 からの 会費の 割合は 、おお よそ半 々とな ってい ます。 一般的 なNPO と異な り、① 自
治体会員からの会費収入の割合が大 きいこ と、② 補助金 に一切 頼って いない ことが 大きな 特徴で す。
(百万円)
収入内訳の推移
80
70
60
50
40
民間
30
20
10
自治体
0
2005
2006
2007
自治体会費金額
2008
2009
2010
寄付金額
2011
その他収入
6
2012
2013
2014
民間会費金額
2015
美しい村フェスティバルと総会参加者数の推移
0
100
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200
300
400
フェ ステ ィバ ル 加 者 数 の 推 移
500
0
`05
`06
`06
`07
大鹿
`08
上勝
`09
大蔵
`10
白川
`11
赤井川
`12
高原
`13
海士
`14
北塩原
`15
南木曽・木曽
107
100
200
300
総会参加者数の推移
400
45
美瑛
122
南小国
`07
138
`08
192
330
323
271
260
333
388
`09
木曽
`10
馬瀬
`11
伊参
`12
上島
`13
高山
`14
伊根
`15
美瑛
40
49
70
95
105
113
355
「日本で最も美しい村」連合では年 に各1 回、フ ェステ ィバル と定期 総会を 行って います 。会場 は加盟 町村の 持ち回 りで、
年に2度、全ての加盟町村が顔をあ わせる 機会と なりま す。加 盟町村 数の増 加に合 わせて 、いず れも参 加者数 が増加 傾向で
す。
フェスティバルには担当町村の方々 が郷土 に伝わ る料理 の提供 や伝統 芸能を 披露す るなど 、その 文化に 自覚的 になり 誇りを
持つ機会となるほか、その他の加盟 町村の 住民や サポー ター会 員など 多様な 人が実 際に美 しい村 に足を 運び、 その村 を知る
機会となります。
学習会テーマ
l
年に一度 、加盟 市町村 長が集 まる機 会に、
2009
過去・現在をふまえ、10年後のわが村の デザイン を描く
2010
経済に貢献する地域ブランド戦略
2011
「食とお土産」∼地域資源を活かした魅 力的で美 味しい 食事処・ レスト ラ
ンとお土産∼
2012
『まずは「きれい」に』∼5S運動(整理・ 整頓・ 清掃・清 潔・躾 )を推 進
すための仕組みづくりについて∼
2013
「美しい村づくりの取組み」「期待され る美しい 村連合 の将来の 姿」
2014
「再生可能エネルギー」「美味しい村開 発」「移 住促進 」
2015
自立するためのむらづくり
戦略会議を開催し、美しい村連合と して
の取り組みの方向性を議論します。
l
2014年からは、市町村長の戦略議論に
先立ち、担当者が集まり、事前に学 習会
を開催し、ベストプラクティス事例 を相
互に学びあう場として、より実践的 な知
識の共有を図っています。
メディアからの注目度UP
全国紙
l
国の地方創生の流れもあり、近年特 にメ
朝日新聞
2015年12月26日夕刊
日経新聞
2014年9月1日
「美しい村」強み磨く
毎日新聞
2013年10月13日
時代の風
読売新聞
ディアからの掲載依頼が増加傾向に あり
信濃毎日新聞
ます。これまでは、総会やフェステ ィバ
ルの開催、また加盟町村の取り組み 内容
地方紙
福島県飯舘村
ようこそ美しい信州へ
2015年10月2日
日本で最も美しい村
2012年7月13日
長野・岐阜「美しい村」名古屋で特産品PR
連合10周年記念大会
福島民報
2014年10月2日
日本で最も美しい村フェスティバルin北塩原
福島民友
2014年10月2日
日本で最も美しい村フェスティバルin北塩原
近では全国紙や雑誌への掲載が増加 して
週刊朝日
2015年2月20日号
日本で最も美しい村
週刊文春
2011年1月27日号
ライバルは世界遺産です
かがり火
また2012年に美しい村オフィシャルガ
イドブック「日本で最も美しい村」 を出
雑誌
地域づくり
農家の友
高まっています。
美しい村づくり
松尾副会長
2012年12月148号 日本で最も美しい村
旅の手帳
フェイスブックでの「いいね」数も
2016年4月には10,460を超え、発信力が
2007年7月119号
2007年9月120号 フランスの最も美しい村審査基準
版、2015年には改 訂版を 出版し ました 。
l
までい
自立の道、相互に学ぶ
西水美恵子
を取り上げた地方紙が中心でしたが 、最
きています。
l
2016年3月3日
2013年5月23日
「最も美しい村」広がる輪
書籍
2013年9月号 にっぽんの184村
2012年4月号 「日本で最も美しい村」に学ぶ
2012年1月号 持続可能なまちづくり、村づくり
オフィシャルガイドブック第1版、第2版
7
杉理事
加藤理事、杉理事
連合編集委員会
スローな未来へ
加盟町村の取り組み
「日本で最も美しい村」連合の 3つの 柱で ある「 世襲財 産」 「経済 的自立 」「 住民の 自主的 参加 」の項 目に基 づい
て各加盟町村の成果指標(ビジ ョンの 達成 度・人 口増等 )に 照らし 合わせ て格 付けを 強化し てい ます。 また、 その
3本柱 に支え られ、 具体 的な取 り組み とし て住民 参加・ 若者 育成、 移住促 進、 景観保 全、再 生可 能エネ ルギー 開発 、
ツーリズム・交流促進、美味し い村開 発を 相互学 習のテ ーマ として います 。
このような共通の地域課題を持 った町 村同 士が、 相互に その 経験や 知恵を 共有 できる よう、 定期 的な学 習会や 視察
を行うことも連合の重要な活動 のひと つで す。
ここからは、各分野で特徴的な 取り組 みを してい る加盟 町村 の状況 をご紹 介し ます。
未来への挑戦がある
村づくり
最も美しい
村づくり
住民参加
若者育成
移住促進
景観保全
日本で
最も暮らしたい
村づくり
持続可能な資源を
育む村づくり
最も
美しい村
ツーリズム
再生可能
交流促進
エネルギー開発
美味しい
村開発
最も訪れたい
村づくり
地域内産業連関の
ある村づくり
住民の
自主的参加
経済的自立
世襲財産
優
宮崎県椎葉村
群馬県中之条町伊参
秋田県東成瀬村
良
京都府伊根町
山形県大蔵村
長野県木曽町
事
長野県南木曽町
北海道美瑛町
鳥取県智頭町
紹
宮崎県綾町
徳島県上勝町
熊本県南小国町
介
京都府和束町
北海道標津町
山形県飯豊町
例
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次
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紹
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優良事例紹介町村
住民の自主的参加
p15
経済的自立
世襲財産
p16
p22
p18
p24
p19
p11
p23
p21
p13
p14
p17
p20
p12
p10
※特に注記がない限り、各優良事例 紹介ペ ージの 人口に ついて は2016年4月1日時点 の住民 基本台 帳のも のを掲 載して おりま す。
9
世襲財産
森林資源を守り有機農業で綾ブランドを確立、
まちづくりと産業が融合し、いきづく町。
宮崎県
綾町
Aya
Miyazaki
人口: 7,589人
照葉樹林と有機農法の論理的支柱は「土」
面積:95.19㎢
シイ・カシ・タブなどの一年中緑の 葉をつ けてい る常緑 広葉樹 の照葉 樹林が 日本最 大
規模に広がるまちであり、長年、「 自然生 態系農 業」に 取り組 んでい る綾町 。一見 関
係ないようですが、綾町のこの2つ の地域 資源に は、壮 大なス トーリ ーが隠 されて い
ます。その始まりは、昭和42年までさか のぼり ます。 綾町は 町域の 8割が 森林で 、こ
の山林のうち8割の国有林が照葉樹 林で構 成され ていま す。そ の広大 な照葉 樹林の 伐
採計画が 浮上し たとき 、町民 が立ち 上がり 8割を 超える 伐採の 反対請 願書を 国へ直 訴、
伐採計画は中止となりました。それ が、町 民の自 然保護 と農業 への取 り組み 方の考 え
を大きく変えるターニングポイント となり 、その 後のま ちづく りは照 葉樹林 をベー ス
にすすむことになったと言われてい ます。
一坪菜園運動、青空市場、自然生態系農業で推進力を担保
綾町の自然生態系農業は、1973年の「一坪菜 園運動 」から 始まり ます。 当時は 化学
肥料と農薬の多用や大型農業機械の 導入で 生産性 が大き く向上 してい ました が、そ の
1989年開設の農産物直売所「綾手づくりほんものセ
ンター」。安全な食べ物を求める町内外の客で連日
賑わいます。
一方で水質汚濁や地下水・土壌汚染 、景観 の破壊 などの 自然環 境へ大 きな影 響をも た
らすと共に、残留農薬による食の安 全性が 問題視 される ように なって いまし た。そ の
中で、町民自らが体によい野菜をつ くって 食べら れるよ う、綾 町では 各家庭 で小さ な
農園をつくることを奨励し野菜の苗 を無料 で配布 する取 り組み が行わ れまし た。こ れ
が「一坪菜園運動」となりました。 次第に 、野菜 を作っ ていく 上で、 より安 全・安 心
な野菜にしようと「土づくり」を行 うよう になり 、現在 では、 土づく りの基 本であ る
有機肥料の確保のためのシステムを 構築し ていま す。さ らに1978年には 、「青 空市
場」を開設し、お互いの余剰野菜を 新鮮な うちに 流通さ せる仕 組みも 整えま した。 青
空市場とは生産者自ら農産品を持ち 込める 、当時 として は非常 に先進 的なも ので、 現
在の「産直」のモデルとなったとも いわれ ていま す。
管理記録簿を提出して販売される 野菜。一つ一つ生
産者の名前が入る、まさに顔の見える農産 物。
綾町は1988年に「 自然生 態系農 業の推 進に関 する条 例」を 制定し ました 。同年 には、
綾町で生産された農産物は、学識経 験者・ 生産者 ・消費 者の関 係機関 の代表 者から 構
成される「自然生態系農業審議会」 が作成 した独 自の認 証基準 によっ て自然 生態系 農
産物の承認を受けるようになりまし た。安 心・安 全を見 える化 し、価 値を明 確にし ま
した。
「綾野菜」のブランド化
綾町では当時の精神が今でも変わら ず受け 継がれ ていま す。土 まで審 査する 、厳し い
品質基準を設け、綾野菜のブランド 化を図 ってい るとと もに、 それら を販売 する「 綾
手づくりほんものセンター」を1989年に開設 。年間27万 人が訪 れ、約3億 円の売 上
(1日あたり730人90万円程度)を上げています。 お客様 の多く は安全 な食べ 物を求
める町外の消費者であり、きちんと した管 理のも とブラ ンドの 確立が 進展し ている と
言えます。また、2007年に森林セラピー基地 に認定 された 後、さ まざま なコー スを
開設。2012年にはユネスコエコパークに認定 される など、 森と土 を大切 にする 精神
がより多くの方に認められ未来に引 き継が れるよ う、さ らなる 進化を 続けて います 。
10
土作りの基本である有機肥料の確保の ため、1978年
に町内のし尿を液状肥料化する自給肥料供給 施設、
1981年に畜産振興に併せ家畜糞尿処理施設が設置
され、家庭でのコンポストの使用と併せ、町内の 有機
物を農地に還元し、資源循環を行うシステムが出 来
上がっています。
世襲財産
キャッチフレーズ
京都府
伊根町
独特の舟屋の景観という地域資源を生かした、
Ine
Kyoto
住民参加のまちづくり。
人口:2,245人
地形とライフスタイルが織り成すオンリーワンの景観
面積:61.95㎢
伊根湾に沿って立ち並ぶ約230軒もの舟屋群 。ここ 伊根町 には漁 村とし て初め て国の
重要伝統的建築物群保存地区(※) に登録 された 、日本 でオン リーワ ンの景 観が残 っ
ています。舟屋とは、1階部分が海と一 体化し た舟の ガレー ジ、2 階は住 居とい う非
常に特徴 的な住 居形態 のこと 。以前 は、玄 関が道 ではな く海に 面して いたと いいま す。
波や潮の満ち引きが穏やかな地形で 、一時 は京都 府の水 揚げ高 の1/4を占 めるほ ど漁
業が盛んなこの地域ならではの独特 な景観 です。
地域課題解決のための住民参画
そんな舟 屋です が、道 路整備 などで 地盤が 変化し たため に崩壊 の危険 性が発 生。ま た、
人口の高齢化や産業構造の変化、漁 業従事 者の減 少など から、 未利用 ・低利 用のも の
が増加してきました。しかし、アン ケート を実施 したと ころ8 割の住 民がこ の景観 を
5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、習慣)の取組み。
平成 25年 4月~) 地域住民他町内外からボランティ
アを募り、清掃活動及びガードレールの塗装 を実施。
守りたいという意向を示しており、 この景 観を守 るため にも、 観光に 力を入 れるこ と
となりました。特徴的なのが住民自 ら景観 保護活 動を行 ってい る点で す。平 成25年か
らは月1回の頻度でボランティアに よる清 掃活動 が行わ れ、ガ ードレ ールの 塗装も 住
民の手により実施されています。
舟屋の活用促進
まず伊根町が取り組んだのが観光ビ ジョン の作成 です。 住人18人を 巻き込 み官民 が連
携した実効性の高い計画を策定しま した。 この計 画をも とに、 様々な 取り組 みが実 現
されています。まず、創業支援制度 の設立 です。 創業か ら2年 間、10万円 /月の 家賃
船屋を活用した創業支援で成果が 生ま れている。
(舟屋民宿 4件、飲食店 1件、水産物加工販売業 1件)
補助が受けられます。この制度を活 用し、 制度設 立から 数年で 舟屋民 宿が4 軒誕生 し
ました。また、舟屋で宿泊し伊根の 良さを 体感し てもら うため の民泊 を推進 すべく 、
金銭面だけでなく民泊を合法的に行 えるよ う行政 が実施 体制を 整備す ること で民間 事
業者をサポートしています。
写真
包括的な観光施策
伊根町の舟屋群はバスが通れない細 い道路 のため 観光の ネック となっ ていま したが 、
レンタサイクルでまちを回れるよう な仕組 みを導 入。ま た、観 光トイ レの設 置や、 全
域Wi-Fi化など、観光を阻害する要因 をひと つずつ クリア してい ます。 その結 果、平
域内に3つ散策用トイレを設置。トイレマップも作成。
成19年より観光客が増加傾向に転じ、人 口2,300人余りの 町に、 年間約26万 人の観 光
客を惹きつけるまでになっています (平成25年 現在) 。
※重要伝統的建築物群保存地区…文化財保護法によ り「 周囲の環 境と一体を なして歴 史的風致 を形成し ている伝統
的な建造物群で価値の高いもの」とされる文化財の中 でも、優 れたものを国( 文化庁)が 選定し市町 村の主体 性を尊重
して、都市計画と連携しながら、歴史的な集落や町並 みの保存と整 備を行 う制度 のこと。(出典:文 化庁HP)
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全域Free Wi-Fi化など観光客の多角的なニーズを捉 え
ている。
世襲財産
キャッチフレーズ
宮崎県
椎葉村
5000年前の古来より焼畑文化を継承し、
Shiiba
Miyazaki
現代につたえる村。
椎葉村は、九州山地の中央に位置し 、四方 を山で 囲まれ 、村域 の96%が山 林とい う
厳しい条件です。しかしその不利な 条件ゆ えに、5000年前 の古来 より焼 畑農業 が
続けられてきたといいます。その連 綿と続 く独自 の文化 に惹か れ、日 本を代 表する
人口: 2,918人
面積:537.29㎢
民俗学者・柳田國男も、明治42年日本初 となる 民俗学 の本「 後狩詞 記(の ちのか り
ことばのき)」のほとんどのページ を椎葉 村に割 いてい ます。 椎葉村 は、そ んな日
本の貴重な歴史・民俗の詰まった村 です。
教育と連携した文化継承
椎葉村を代表する焼畑農業。焼畑農 業とは 、50a∼1 ha 程度の区画の森林を伐採し
火入れを行い、焼け跡に1年目がソバ、2 年目は ヒエか アワ、3年 目に小 豆、4年 目
に大豆の輪作を行い、4年間栽培すると 再び20年ほ ど放置 し、地 力の回 復を待 って
また火を入れるというもの。連作障 害を避 け肥料 も農薬 も使わ ない、 持続可 能・循
環型の農 耕文化 の原点 といえ るシス テムで す。火 入れ前 のお神 酒や祝 詞の儀 式など 、
小学生の活動の様子。焼畑後、そばの種まき を行っ
ているところです。
自然に対する畏れや敬意も力強く息 づいて います 。
この焼畑が原始的な形で見られる のは日 本で唯 一椎葉 村のみ 。しか し、農 家の高
齢化も進み焼畑を営む農家はたった 一軒と なって しまい ました 。村で はこの 歴史・
民俗を維持していこうと小学校でも 焼畑体 験学習 を行っ ていま す。
継承される神楽とコミュニティの結束
また、椎葉村では神の降臨した日向 国らし く、23地区 で神楽 が舞わ れてお り、冬 の
風物詩となっています。神楽を継承 し続け る、こ のコミ ュニテ ィの結 束が、 厳しい
条件下での農林作業を支えたと言わ れてい ます。 近年で は、こ の独自 の文化 に惹か
れて移住 してく る若者 も増加 傾向に あるた め、こ れまで のコミ ュニテ ィだけ でなく 、
移住者と地域の若者(35歳以下)で語り 合う場 を設け ていま す。対 話を行 うこと に
対話会の様子
より、移住者は村のことを深く知る ととも に早く 地域に 馴染み 、在住 の若者 は移住
者の視点で話を聞くことで地域資源 の見直 しや魅 力を改 めて認 識する 良い機 会に
なっています。
広域連携で世界農業遺産登録を実現
椎葉村は、高千穂町、五ヶ瀬町など 近隣3 町2村 と連携 し、1988年より 「フォ レ
ストピア」という複合型農林業の振 興計画 を実行 してい ます。2015年に は、焼 畑
や神楽などの伝統的な地域資源が認 められ 、日本 で7つ 目の世 界農業 遺産登 録を果
たしました。今後もそれが推進力と なり文 化が持 続して いくこ とが期 待され ていま
す。
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焼畑をつづける唯一の農家。滞在可能な民宿「焼
畑」や、農業体験メニューのコーディネートも行い、文
化の伝道師として活躍されてい ます。
「保存という名の開発」という思想のもと、
世襲財産
妻籠を守る住民憲章で景観を受け継ぐ町。
キャッチフレーズ
写真
長野県
南木曽町
Nagiso
Nagano
人口: 4,370人
面積:215.93㎢
日本初の集落保存構想制定「保存という名の開発」
人口約4,400人の南木曽町の中で、妻籠宿保存 地区の 人口は668人 、230世帯。中 山道
の木曽11宿のひとつであり、島崎藤村の 夜明け 前にも 登場す る歴史 香る山 間の町 で、
日本で初めて重要伝統的建造物群保 存地区 に選定 された 場所で もあり ます。 現在は 観
光地として有名なこの町ですが、昭 和30年代の 高度経 済成長 期には 、産業 構造の 変化
により主要産業であった林業が伸び 悩むよ うにな り、若 者が激 減し地 域の存 続が危 ぶ
閑散としていた頃の妻籠宿の様子 。
まれた時期がありました。
日本中から古いものが壊され、新し い物を 貴ぶ時 代、妻 籠宿は 昭和42年「 保存と いう
名の開発」を掲げ、「集落保存構想 」を策 定しま す。策 定には 住民リ ーダー の熱い 想
いと、大学教授などのサポートがあ りまし た。
全戸加入の「妻籠を愛する会」
苦心の甲斐あって、住民の集落保存 の機運 が高ま り、昭 和43年には 全戸加 入の住 民組
織「妻籠を愛する会」が発足しまし た。あ くまで もその 場に住 んでい る人を 主体と し
看板も景観を配慮したものに。
たまちづくりを行うことを確認し「 売らな い」「 貸さな い」「 壊さな い」の 三原則 を
申し合わせました。基本的にはこの 組織が 、看板 規制、 店舗運 営など を常に 議論し な
がら、町 並みに 必要な 物を判 断して います 。それ は看板 などの 店舗外 見にと どまら ず、
飲食店で提供するメニューにまで及 びます 。
集落保存の政策の難しい部分は、 行政の 方針と 個人所 有の住 居や店 舗の利 害が必 ず
しも一致しないところです。その調 整を円 滑にす る重要 な役割 をもっ ている のもこ の
妻籠を愛する会であり、民間主導の 集落保 存は議 論を重 ねる中 で脈々 と次の 世代に 受
け継がれています。
街並み保存を続けた結果、昭和45年こ ろには 妻籠宿 に想像 以上の 観光客 が訪れ るよ
環境整備作業により妻籠宿を守る意識が次 世
代に引き継がれていきます。
うになり、今度は外部資本が入って くるこ とで景 観が破 壊され る恐れ が危ぶ まれま し
た。そのため、妻籠はテーマパーク ではな く、人 々が生 活し住 み続け される ことこ そ
重要だという考えを貫くため、「妻 籠を守 る住民 憲章」 を掲げ 、住民 自らが 厳しい 看
板の乱立や商業化を防いでいます。
例年幾度となく行われる環境整備 作業は 、住民 による ボラン ティア 活動で す。こ の
作業により住民の結束力が培われる ととも に、住 民憲章 の志が 確認さ れてい ます。
住民憲章に謳われている妻籠宿の座 右の銘 は「初 心忘る べから ず」で す。
毎年11月23日に開催される文化文政風俗 絵
巻之行列は、宿場内に人が溢れかえります 。
13
世襲財産
町のコンシェルジュが町の様々な活動、
そして産業と観光をつなぎ、とどける。
キャッチフレーズ
写真
京都府
和束町
Wazuka
Kyoto
人口: 4,210人
和束町は京都府の南部に位置し、山 腹に茶 畑が広 がる宇 治茶の 主産地 です。 茶栽培
は鎌倉時 代に始 まり、 現在で も府内 の37%に当 たる600ha の茶畑 が町全 体に点 在し、
面積:64.93㎢
府内の茶生産量の45%を占めています。800年に もわた って高 級茶を 作り続 けてき
たことが地域の誇りとなっており、 郷土食 、祭の 他、銘 柄を当 てて楽 しむ競 技「茶
香服(ちゃかぶき)」など、生活の 中にも お茶を 使った 文化が 根付い ていま す。
鎌倉時代から続く茶源郷
和束町の 独特 な景観 は、農 地と集 落が 明確に 分離さ れてお らず 、家屋 の傍ま で茶畑
が迫って おり 、まる で茶畑 の中に 町が あるよ うに見 えると ころ 。これ も急傾 斜を手
鍬で開墾 した 先人た ちの努 力の結 晶と いえま す。そ の景観 は、 京都府 景観資 産の第
1号登 録を 受け 、ま た文 化庁 より 「日 本 遺産 ∼日 本茶800年 の歴 史散 歩」 の 一部と
して認め られ ました 。そこ でも評 価さ れてい るのは 単なる 自然 景観で はなく 、人々
急斜面にまでびっしり敷き詰められたよう な茶畑。
の生活の 中か ら生み 出され る、生 業景 観であ るとい うこと です 。人々 の生活 文化と
景観が融合している代表例のひとつ と言え るでし ょう。
1つの資源を様々な角度から楽しむプラン
しかし、課題もあります。急傾斜に 茶畑が へばり つくよ うにあ ること から、 大規模
経営や機械化が難しく、経営を効率 化しに くいと いうこ と。ま た人々 の生活 スタイ
ルも変化し、喫茶の習慣もなくなり 茶産業 の従事 者が減 少、若 者が流 出し、 茶畑の
後継者が減少しているということで す。そ こでこ のお茶 という 地域資 源を活 かし、
近年では観光に力をいれています。 「飲む お茶」 「見る お茶」 「体験 するお 茶」
「食べるお茶」のカテゴリーに分け 、多く のプラ ンを用 意して います 。また 、滞在
時間を長くしてもらうため、ガイド ボラン ティア の導入 や京都 の山城 地区で は初め
ての農家民宿を始めるなど先進的な 取り組 みも行 ってい ます。
和束茶カフェでお茶を購入し、隣の公園の天空カフ ェで、
和束町を一望しながらゆっくりすることもでき ます。
まちのコンシェルジュ「和束茶カフェ」
中でも重要な役割を果たしているの が、茶 農家が 集まっ てでき た協議 会によ り運営
されている「和束茶カフェ」。ここ では来 訪者が 和束を 知りた いとい うとき に上記
のような様々なプランの提供窓口と なった り、和 束町の 茶農家 さんの 産品を 試して
購入することができるという、ワン ストッ プサー ビスを 提供し ていま す。さ らに、
その名の通り、お茶と茶団子を気軽 に楽し めるカ フェサ ービス も提供 してお り、散
漫な印象を与えがちな多方面の活動 のコン シェル ジュ役 を果た し、情 報発信 の質を
高めているといえます。その甲斐あ って、 和束茶 カフェ の訪問 者数は 増加、 販売額
も設立当初の約1.3倍以上に増加してい ます。 近年で は独自 の文化 と産業 を中心 と
したインターンシップ制度も整備し 、和束 ファン の確保 ととも に、後 継者育 成へと
和束茶カフェの販売額推移
繋がっています。
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経済的自立
景観と産業を両立し、
独自ブランド開発で地域経済循環を生みだす町。
キャッチフレーズ
北海道
美瑛町
Biei
Hokkaido
人口:10,413人
面積:676.78㎢
美瑛町は 、大雪 山十勝 岳連峰 の裾野 に広が る丘陵 地帯で 、ジャ ガイモ 、小麦 、豆類
など の畑 作を 中心 とす る農 業の まち 。3000枚の 畑が 輪作 によ って 、色 とり どりの
美しい模 様を作 り出し 、パッ チワー クの丘 と形容 されま す。美 瑛町で は、そ の景観
を守る取 り組み や、そ こで生 産され る農産 品を活 かした 事業化 と、そ れによ る交流
人口の増加のサイクルをつなぎ合わ せ、地 域の経 済循環 が生み 出され ていま す。
景観計画制定により地域資源を守る努力
美瑛町で は知 名度の 上昇と ともに 観光 入込が 増加( 平成18年1,143,200人→平 成27
年1,698,400人)。独 特の 景観 を目 的とし た観 光客 の増 加によ り、 農地 が荒 らされ
たり 、移 住希 望 者の 増加 や配 慮 を欠 いた 改築 な どに より 、景 観 が脅 かさ れた りと
住民による景観保護活動。ガードレールを塗装 して
います。
いっ た事 態が 発生 しま した 。 そこ で、 平成27 年度 に景 観計 画を 策定 。一 定程 度以
上の改築 ・建築 行為に ついて は届出 制とす る従来 の景観 条例に 加え、 色彩基 準や景
観形成基 準を設 定し、 建物自 体だけ ではな く、遠 景から どのよ うに見 えるの か、と
いった景 観への 影響度 を示す 景観図 も届出 必須と なって います 。さら に現在 、町内
の建物の 「建ち 方分類 図」を 事例集 として まとめ 、景観 に配慮 した開 発行為 となる
よう推進しています。
廃校を活用してまちを支える事業化
また、美 瑛町で は景観 を守る 努力だ けでは なく、 積極的 にそれ を活か し人を 呼び込
む努力も してい ます。 例えば 、廃校 となっ た校舎 を様々 な形で 活用し 、美術 館や企
業とタイ アップ した研 修施設 、眺望 抜群の レスト ラン、 地元の 農畜産 物処理 加工施
設などに リニュ ーアル してい ます。 食事や 観光を 目的と した観 光客の 増加だ けでは
なく、都 市と農 村との 交流か ら新た な人材 を育成 する中 長期の 研修を 中心と した長
廃校となった校舎を活用した研修施設。この 左手に
は、丘の上の眺望が素晴らしいレストラン「ビブレ」も
あります。
期滞在者も受け入れ、交流人口層の 多様化 を図っ ていま す。
独自ブランド開発と6次産業化
小麦を中 心とし た地場 産の野 菜や肉 を町内 外のレ ストラ ンや物 販で提 供する ことに
より生産 者の所 得の安 定化や 販路拡 大に寄 与して います 。また 、国内 企業と のコラ
ボレーシ ョンに よるパ ン作り に適切 な美瑛 町独自 の小麦 の品種 「ゆめ ちから 」を開
発。それ により 、町内 消費だ けでな く、小 麦工房 でラス クや食 パン等 を製造 し、直
営店や新 千歳空 港店、 東京の アンテ ナショ ップ等 で販売 し、都 市住民 向けへ の販路
を拡大することで付加価値の向上に も努め ていま す。
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景観計画により、きめ細かなルールが設定され てい ま
すが、事例集の作成などにより、申請者へのわか りや
すさにも配慮しています。
経済的自立
キャッチフレーズ
人口の21%を巻き込んだ、
北海道
標津町
町の主要産業の高付加価値化と新たなツーリズムの可能性。
Shibetsu
Hokkaido
人口: 5,299人
面積:624.68㎢
日本の水産業を支える鮭の町
「シベ-ツ 」はア イヌ語 で「サ ケのい るとこ ろ」と いう意 味。昭 和60年に秋 鮭漁獲 高
が1万t (約260匹 )を 超 えて 以降 、15回 も日 本一 の漁 獲量 を記 録し てい ると いう 、
名実ともに鮭の町です。
標津町 では 平成10年 のO-157での 風評 被害を 重く 受け 止め 、また 日本 有数 の水産 加
工業の 町で ある こと から 国民 の食 に対 して 大き な責 任を 感じ 、水 産関 係業 界が中 心
鮭の水揚げの様子
となって、地域HACCPという食品 衛生管 理の方 法を日 本で初 めて導 入しま した。
人口の21%を巻き込んだ地域HACCP
HACCPとは、食品の製造・加工工 程のあ らゆる 段階で 発生す るおそ れのあ る微生 物
汚染等の危害をあらかじめ分析(H azard Analysis)し、その結 果に基 づいて 、安全
な製品を得ることができるよう製造 工程の 段階ご とに対 策すべ き重要 管理点
(Critical Control Point)を定め、これを連続的に監視 するこ とで製 品の安 全を確 保
する衛生管理の手法です(厚生労働 省HPよ り抜粋 )。
標津町の 特徴は 、この 手法を 一工場 内で取 り入れ ている のでは なく、 出港、 網越し 、
秋サケの芯温を測定し、鮮度対策状況を確認・記録
荷捌き、水質検査、船内、加工場な ど漁師 や女工 さん、 運転手 が一体 となり 、徹底
して品質管理対策を記録し「信頼の 本物ブ ランド 」の確 立を目 指して いる点 です。
役場職員と業界関係者が同じ想いの もと、 水産業 に携わ る関係 者を一 軒一軒 現場を
まわって現状と課題を調査して対策 や管理 手法に ついて まとめ た「標 津町地 域ハ
サップ管理マニュアル 」に基づいて管理されています。これ まで管 理を記 録する 習
慣のなかった業者も多く、最初は戸 惑いが あった と言い ますが 、業界 リーダ ーが一
丸となり、予想より早くシステムを 軌道に 乗せる ことが できた そうで す。一 連の関
係者の数なんと1,300人、町の全人口の21%が一体 となっ た活動 といえ ます。
セリ前 のタンクにシートをかけ、鳥害 や虫・埃の混 入、
水温上昇を防止
標津型エコツーリズムへの展開
上記の地 域H ACCP を契機 に、さ らに 活動は 広がり を見せ てい ます。 もっと このシ ス
テムを 広く 国内 に知 って もら おう と、 漁業 者か らの 提案 でエ コツ ーリ ズム に取り 組
み始めま した。 「顔 の見え る水産 業」 を掲げ 、 9月か らの秋 鮭の時 期から 、早朝 の
荷揚げの 様子 や選別 方法、 地域 HAC CPの取 り組み をガイ ドが 案内す るとい う、漁 業
の現場に消費者を招き入れる初めて の試み です。
地域の 主要 産業 であ る水 産業 の新 たな 試み が、 さら に地 域に 新た な産 業を 生むと い
う好循環を生み出しています。
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「顔の見える水産業」を目指す標津型エコツーリズム
経済的自立
キャッチフレーズ
徳島県
町の課題をチャンスにつなげ、
上勝町
次々とソーシャルビジネスが生まれる町。
Kamikatsu
Tokushima
人口: 1,662人
面積:109.63㎢
上勝町は人口約1,700人、高齢化率50%を超える四 国で一 番人口 の少な い町で す。
かつて、上勝町は人口減少と高齢化 だけで なく、 様々な 面から 危機的 な状況 に瀕し
ていました。そのひとつが、もとも と主要 産業で あった みかん の生産 が昭和56年
の寒波により壊滅的な被害が出たこ と。ま た、野 焼きが 行われ ていた 上勝町 では、
ダイオキシンの影響でそれが禁止さ れ、大 型焼却 炉の設 置が必 要に。 しかし 資金が
足りず、結果、大量のごみが行き場 を失っ てしま ったな ど問題 が山積 みでし た。し
かし、最近では移住者が新たなビジ ネスを 続々展 開して います 。その きっか けをつ
くった2つの事業をご紹介します。
葉っぱビジネス
一つ目が葉っぱビジネスの彩(いろ どり) です。 紅葉、 椿の葉 っぱや 梅など を日本
彩(いろどり)事業で葉っぱを収穫するおばあちゃん。
料理で季節感を演出するために添え られる つま もの として 商品化 したも のです 。
これらの生産物は軽量で、女性や高 齢者で も負担 なく取 り扱う ことが できま す。当
時農協職員だった横石氏が昭和61年に4 軒の生 産者と スター トした 事業で 、現在
の販売額は約2億6000万円となっており、中には 年収1,000万円 稼ぐお ばあち ゃん
もいます 。葉っ ぱビジ ネスの ポイン トは生 産者、 農協、 市場を ネット ワーク で結び 、
受発注情報、全国の市場情報を迅速 に共有 するこ とで、 需要に 応じて 葉っぱ を供給
写真
している 点です 。農協 に集ま ったデ ータを (株) いろど りが分 析し、 生産者 へ伝達 。
生産者はその情報をパソコンやタブ レット でキャ ッチし 、生産 者自ら 、出荷 品目や
出荷量を調整します。生産者・農協 ・(株 )いろ どりの 三者が 一体と なって 葉っぱ
ビジネスを運営しています。
34種類にごみを分別 し、使 えるものは 徹底的に 使い、
再資源化が図られます。
ゼロ・ウェイスト宣言
「未来の子供たちにきれいな空気や おいし い水、 豊かな 大地を 継承す るため 、
2020年までに上勝町のごみをゼロにすること を決意 し、上 勝町ご みゼロ (ゼロ ・
ウェイスト)を宣言します」という ゼロ・ ウェイ スト政 策を通 じて、 上勝町 内の焼
却、埋め立て処分となるごみをなく す最大 限の努 力をし 、もの を作る 人、売 る人と
ともに、そもそもごみの出ない社会 を目指 してい ます。 NPO法人 ゼロ・ ウェイ ス
トアカデミーが、ごみの中間処理支 援を行 うとと もに、 くるく るショ ップ( 町民が
使わなくなったものを持ち込み・持 ち出し できる 無料リ サイク ルショ ップ) 、くる
くる工房(全て一点もののリメイク 商品販 売)の 運営に より、 ごみの 減量普 及啓発
に取り組んでいます。
今後5年間で 半数の 彩(い ろどり )農家 が引退 すると いうア ンケー ト結果 を受け て、
町の次世代の担い手確保のために平 成22年から インタ ーンシ ップ事 業を開 始。上
勝町の先進的な取り組みを学ぼうと6年 間で600名を 超える 若者が 全国各 地から 集
まり、うち30人以上が移住・就業してい ます。 最近で は転入 者が地 域住民 と一緒
になり、地域資源を生かした新たな 事業づ くりに 次々と チャレ ンジし ていま す。
17
平成24年度だけで84名のインターン生が上勝町をお
とずれました。
経済的自立
四季折々の地域の魅力や人々の営みを発掘、
ツーリズムに生かして集客力も愛着もUP。
山形県
大蔵村
Okura
Yamagata
大蔵村には開湯1200年を超える歴史ある湯治 場、肘 折温泉 があり ます。 小さな 温泉郷
ではありますが、月山へ向かう修験 道者や 参拝者 などの 参道口 として 機能し ていた 名
人口: 3,481人
面積:211.63㎢
残で、道路に沿って宿泊施設が縁側 を並べ ている のが特 徴です 。また 、その 多くが 湯
治宿として長期滞在型の宿泊プラン を持っ ている のもこ の地域 ならで は。ま た、毎 朝
5時半からは 、朝市 が行わ れ、宿 泊客の 下駄の 音がカ ランコ ロンと 街に響 き渡り ます。
温泉だけでなく、湯治客も一緒にな って情 緒ある 街の風 景をつ くりだ してい ます。
四季を通じたツーリズム
そんな大蔵村では、年間を通して誘 客を図 るため 、四季 折々の イベン トを開 催し、 交
流促進に努めています。冬期間の肘 折温泉 は、積 雪3メ ートル を超え る豪雪 地。と も
すると足が遠のいてしまう季節です が、雪 を活用 したイ ベント に工夫 を凝ら してい ま
す。
また、年間を通じたイベント企画と 並行し 、近年 注目す べき取 り組み は、大 蔵ガイ ド
ほたる火コンサートの様子~幻想的なほたる火の 中で毎
年コンサートが開催される~
協議会のガイドツアーです。もとも とは観 光協会 の呼び かけで 始まっ たもの だそう で
すが、平成25年には地元の旅館業や商店 を営む 若い方 々が有 志で集 まり大 蔵ガイ ド協
議会を結成しました。メンバー11名中60歳以 上は3人し かいな いとい う、非 常に若 い
組織で新しい発想や感覚をうまく取 り入れ 、四季 折々の 地域の 魅力を ツアー 化し、 温
泉だけではない大蔵村の魅力を伝え ていま す。3日前 までの 申し込 みであ れば対 応し
てくれるというのも非常に現代のニ ーズに 合って おり、 事業者 間の連 携がス ムーズ だ
からこその強みといえそうです。こ の取り 組みに 昨年で は240∼250人が参加 してお
り、人口3400人余りの村にとっては大きな変 化とな ってい ます。 しかし 、最も 大きな
変化はガイド自身にあったのかもし れませ ん。こ の活動 を通じ 地域の ことを 顧客に 伝
える中で、地域の魅力を自ら発見し 、地元 への愛 着が深 まって いると いいま す。
棚田ほたる火まつり
棚田の景観を守り、次代に引き継ご うと、 農業関 係者を 中心に 地元有 志が積 極的に 保
全活動を行っています。平成16年に、こ の美し い棚田 の景観 をたく さんの 方々に 見て
雪部会肘折温泉ならではの、雪の上に咲く桜 の花を数カ
所ながめながらめぐる雪上お花見巡りコース。4月の 玄
順からGW頃にかけ て。他地域に ない地域 資源に着目 し、
ガイドツアーとすることで魅力を対外的に 発信 している。
もらいたい、また、後継者不足で耕 作放棄 地が増 加して いる地 元を活 性化さ せたい と
の思いから「四ヶ村棚田ほたる火ま つり」 を始め ました 。平成 18年 からは 、隣接 す
る肘折温泉地区と協力し合い、その ほたる 火の中 で、オ カリナ とキー ボード のコン
サートを行い、はじめは数百人でや ってい たイベ ントが 、今で は毎年 県内外 から1500
名の来場者があるイベントとなって います 。地区 住民は ほたる 火の製 作はも とより 、
早朝からほたる火の設置や撤去、そ の他お もてな しなど 、様々 な形で 協力し 合って い
ます。棚田所有者は、互いに耕作放 棄地を 発生さ せない ための 保全活 動に取 り組み 、
コンサートの際には、全体の草刈り を行い 、来場 者に少 しでも 美しい 景観を みても ら
おうと地域住民が一丸となって保全 活動を 行って います 。更に 、地元 中学生 はパン フ
レットの作成・配布、オカリナの演 奏、ほ たる火 製作へ の協力 、小学 生は点 火式や エ
コキャンドル製作の協力をすること で、地 元の地 域資源 を深く 理解し 、次世 代へ継 承
する活動となっています。
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おおくら雪ものがたり(冬の花火と雪回廊そして巨大雪 だ
るま「おおくら君」がお目見え。昨年はゆきだるまをスク
リーンに、大蔵村をPRしたプロジェクトマッピングが 好評
だった。)
経済的自立
写真
群馬県
日本初、自治体の売電会社を設立、
中之条町伊参
Isama
Nakanojo
Gunma
電力の地産地消に取り組む。
人口: 1,308人
面積:30.49㎢
味わいのある木造建築を活用したまちづくり
群馬県北西部に位置する中之条町伊 参地区 は、周 囲を山 々に囲 まれた 美しい 山村
です。かつて養蚕が盛んだったため 古い養 蚕農家 も数多 く残っ ており 、江戸 末期
に建築された養蚕農家冨沢家住宅(国指定 重要文 化財)や、全 国に唯 一残る 民俗行
事白久保のお茶講(国指定重要無形 文化財 )は、 里山の 素晴ら しい地 域資源 です。
情緒ある地域資源を活かした観光に も力を 入れて おり、 廃校に なって いた中 学校
を改装した「伊参スタジオ」は映画 祭の開 催や映 画等の ロケ地 として 、「旧 五反
田学校」はアートフェスティバル「 中之条 ビエン ナーレ 」の会 場とし て活用 され
ています。
ソーラーパネルの様子
電力の地産地消に取り組む中之条町
そんな伊参地区を擁する中之条町が 近年取 り組ん でいる のが、 電力の 地産地 消で
す。2011年の東日本大震災による電力需要の ひっ迫 を経験 したこ とによ り、電 力
の地産地消の取組を通じた町の活性 化や地 域資源 の有効 活用と 調和の とれた 魅力
ある地域づくりを目指して「再生可 能エネ ルギー のまち 」宣言 を採択 しまし た。
伊参地区のエネルギー供給の特徴は 、アー トフェ スティ バルで の廃校 活用と 同じ
ように「地域にあるもの」を活用し ている 点にあ ります 。メガ ソーラ ー発電 の導
入を筆頭に、傾斜地が多いことを活 かした 小水力 や畜産 ・木質 バイオ マスな ど、
廃校を活用した伊参スタジオ
地域資源をミックスしたエネルギー 供給を 目指し ていま す。
美しさと地域経済循環の両立
美しい村連合の活動として再生可能 エネル ギーに より地 域経済 循環の 創出・ 経済
の自立を 目指す 場合、 常に景 観の保 護との せめぎ 合いが 生じま す。伊 参地区 では、
太陽光発電の候補地に、かつてキャ ンプ場 として 整備さ れ、駐 車場や テニス コー
トとなっていた町有地を採択するな ど、自 然環境 や景観 の保全 にも配 慮して いま
す。また、発電は町内3か所のメガ ソーラ ーが担 い、売 買は自 治体主 導の電 力会
社である一般財団法人「中之条電力 」が担 うなど 、公民 連携の 手法を 導入し 効率
的な運営を実現しています(平成27年12月よ り(株 )中之 条パワ ーが事 業継承 )。
自治体が主導することで信頼性を高 め、ス ピード 感を持 った事 業展開 が可能 とな
り、全国初の自治体主導の売電会社 設立と なりま した。 現在で は町内 の役場 や小
中学校などの公共施設に、使用量の 約60%の電 力を供 給して います 。その 実績が
高く評価され、2015年には「第17回グリーン購入 大賞」 を受賞 。培っ てきた ノ
2年毎に開催される中之条ビエンナーレ
ウハウを学ぼうと、他の自治体から の視察 も相次 いでい ます。
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地域内の業種横断まちづくり研究会NPO法人「みなりんく」
住民の自主的参加
が人と未来をつなげる。
熊本県
南小国町
Minamioguni
Kumamoto
人口: 4,240人
面積:115.90㎢
阿蘇の恵みに満ちた美しい村、南小国町
九州の ほぼ中 央、阿 蘇外 輪山の ふも とに位 置する 南小 国町。 黒川温 泉を はじめ と
した温 泉地観 光で知 られ ていま すが 、美し い新緑 や紅 葉など 四季折 々の 表情を 見
せる「 瀬の本 高原」 や「 マゼノ 渓谷 」、太 古の遺 跡と もいわ れ多く の謎 を秘め る
パワー スポッ ト「押 戸石 」、木 立や清 流の 音に囲 まれ 味わえ る「そ ば街 道」な ど、
多様な自然資源に恵まれた美しい村 です。
豊かな自然を活かす「人のつながり」
南小国 町の観 光を支 えて いるの は、 豊かな 自然資 源だ けでな く、そ れを 守り活 用
ほたる火コンサートの様子。幻想的なほたる 火の中 で毎
年コンサートが開催される。
する人 たち。 黒川温 泉が 「街全 体が 一つの 宿、通 りは 廊下、 旅館は 客室 」とい う
キャッ チフレ ーズの もと 、地域 が一 丸とな って来 客を もてな したこ とに 始まり 、
南小国町ではまちづくりに取り組む 様々な 団体が 活躍し ていま す。
その よう な 団体 のひ とつ が 、有 志に よ って 設立 され たNP O法 人南 小 国ま ちづ く
り研究 会みな りんく (平 成26 年4 月)で す。観 光業 ・農業 ・林業 ・商 工業そ し
写真
て行 政と 様々 な分 野 から 、30代 から40 代前 半の 若い 世代 が 集い 、ま ちづ くり 会
議「 みなCo ラ ボ」 や、 地元 民と 来 訪者 が一 緒に なっ て南 小 国町 のま ちづ くり を
考える ツアー 「共創 ツア ー」な ど、 町内外 の垣根 を超 えたま ちづく りを 進めて い
ます。 これま でまち づく りとい えば 温泉観 光地の 黒川 が中心 で、ど ちら かとい う
未来の南小国町について書いた付箋紙
と南小 国町と いう名 前は 単なる 地名 でしか なかっ たと いいま す。し かし 、みな り
んくの 横断的 なつな がり が、町 内に 新たな 一体感 を生 み出し 、住民 の「 南小国 町
民」としての意識に変化が生まれて いるよ うです 。
世界各国の映画祭でショートフィルムが高評価
平成27年には 、東京 在住の クリエ イタ ーチー ムと黒 川温泉 が共同 制作し たショ ー
写真
トフ ィル ム「 KUROKAWA WO NDERLAN D」 が世 界各 国の 映画 祭で 複数 の賞 を
受賞 。 ここ でも み なり ん くは 撮影 に 関す る アテ ンド や 出演 者 の手 配、 プ ロモ ー
ション を中心 となっ て取 り仕切 るなど 、地 域内外 のつ なぎ役 として 活躍 しまし た。
地域や 業種に とらわ れな い関係 性を 構築す ること によ って、 これま でに なかっ た
まちを盛り上げる手法が生まれてい ます。
「KUROKAWAWONDERLAND」上映会ポスター
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住民の自主的参加
鳥取県
ようちえんからデイケアまで、
智頭町
どんな世代にとっても住みたい町を実現する。
Chizu
Tottori
人口: 7,475人
まちの総面積の9割以上が山林で、 スギを はじめ とする 見渡す かぎり の緑が 一面に 広
面積: 224.70㎢
がる鳥取県智頭町。「智頭杉」を生 産する 林業の 歴史は400年以 上とい われ、 町内に
は「慶長杉」と呼ばれる樹齢400年以上の人 工林も 残って います 。また 江戸時 代から
宿場町として栄え、今もなお往時の 歴史と 文化を 色濃く 残すま ちです 。
住民自治を後押しする「智頭町百人委員会」
智頭 町は 、住 民自 治の 盛ん なま ち。 その 象徴 的 な取 り組 みが2008年 (平 成20年 )に
始まっ た「百 人委 員会」 。「 住民と 一緒 にまち を作っ てい こう」 と始 まった この 取り
組みは 、100人を 超え る住 民か らあげ られ た提 案に 対し て、優 れた 取り 組み には 町が
直接予 算をつ け、 住民自 らが 実行す ると いう画 期的な もの でした 。町 内地域 の特 色を
掘りお こし、 その 将来を 考え て自ら が知 恵と汗 を絞っ て、 地域づ くり と担い 手づ くり
森のようちえんの授業風景。14ヶ所の山をフィールドに
日々冒険です。
に取り組んでいるのです。
自然の中で見守る保育「森のようちえん まるたんぼう」
百人 委員 会の 支援 を得 て生 まれ た事 業の ひと つが 「森 のよ うち えん まる たん ぼう 」。
智頭町 に移住 して きた女 性が 「この 森で 子育て をした い」 とはじ めた 取り組 みで 、と
にかく 自然の 中で 子ども たち を自由 に遊 ばせる という デン マーク の教 育に範 をと って
います 。都会 に追 いつこ うと せず、 都会 にはな いけど 田舎 にはあ る資 源を存 分に 活用
森のミニデイの様子。
し、14ヶ所の 山を フィー ルドに 行われ るユニ ーク な教育 スタイ ルです 。非常 に好 評で、
まる たん ぼう へ の入 園を 目当 てに 移 住し てく る家 族も 多 く、 平成24 年∼27年 で の流
入人口 の累 計は176人 にの ぼり ました 。入 園を 望む 保護 者はと ても 多く 、分 園「 すぎ
ぼっくり 」がで きまし た。 その後 、幼児 だけで はもっ たいな いと、6-18歳 向けの 「新
田サド ベリー スク ール」 を開 校。子 ども の自主 性を尊 重す る教育 スタ イルが 広が りつ
つあります。
移住者がパン屋さんを開店。海外からも注目され 交流人
口増加につながっている。
保育園からより多世代へのサービスへ展開
また、子どもだけではなく高齢者向 けの「 森のミ ニデイ 」とい う活動 も。こ れは住 民
によるデイサービス(高齢者の居場 所作り )で、 利用さ れなく なった 保育園 を活用 し
て、住民が利用者を自宅から送迎を 行い、 日中を 一緒に 過ごし 、高齢 者を見 守ると い
うもの。介護保険に頼らない住民発 の新し い福祉 サービ スとし て、全 国から 注目を 集
めています。また、現在では妊娠・ 出産の ための 身体づ くりを 行う「 育みの 郷」事 業
も検討されており、住民のアイデア が実現 しやす いまち として 生活に 密着し た質の 高
いサービスづくりに注力し、多様な 世代が 幸せに 生きら れるま ちづく りを行 ってい ま
す。
住む人が幸せなまちづくりを目指し た結果 、近年 ではそ のビジ ョンに 共感す る移住 者
が増え、更にまちに彩りを与えてい ます。
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先進的な取り組みは首長のリーダー シッ プに支えら れて
いるところも大きいといいます。住民の夢を実現すべく全
力でサポートする行 政のバ ックアッ プ体制 ができ ています。
住民の自主的参加
小さいことを強みにした多様なカリキュラムで
学力日本一の子供を育てる村。
秋田県
東成瀬村
Higashinaruse
Akita
人口: 2,643人
面積:203.69㎢
星空日本一 学力日本一
秋田県南東部に位置し、奥羽山脈の 豊かな 森林と 水資源 に恵ま れた東 成瀬村 。山
村ならではの澄んだ空気は、平成11年に は「美 しい星 空日本 一」に 認定さ れるほ
ど。でもそれだけではありません。 人口約2,600人の 東成瀬 村です が、子 どもた
ちの学力が高いことでも全国に知ら れてい るので す。
小さな村ならではの小中連携教育
東成瀬村では、小学校・中学校それ ぞれ1 校とい う村の 特徴を 活かし て、小 中連
携教育を行っています。「知徳体」 のバラ ンスを キーワ ードに 、教員 研修会 の実
施による指導力向上、国道沿いに「 キバナ コスモ ス」を 植える 心の教 育、小 中学
グローバル夢ミーティングの様子。1泊2日で英語で東
成瀬村のよさを紹介したり、留学生に 留学動機 や夢を
語ってもらい、将来の夢を膨らませたり、英語で意思 疎
通を図ることの素晴らしさを実感してもらう取り 組み。
生の混成チームによる「パークゴル フ・グ ランド ゴルフ 」によ る教育 などを 実践
しています。
取り立て て特別 なこと をして いない ように みえる かもし れませ ん。実 際のと ころ、
日本有数の学力を誇る東成瀬村の教 育は、 何かひ とつの 目玉施 策では なく、 村民
の総合力で実現したものなのです。 職員以 外に、 臨時講 師やALT を村独 自に採 用
して少人数学習を提供したり、パー クゴル フや授 業参観 には父 兄のみ ならず 地元
の人たちが参加したり。驚いたこと に、東 成瀬村 では「 学校以 外での 学習す る機
会を」という保護者の声に対応し、 年間20日ほ ど教育 委員会 が村営 の学習 塾を運
営しています。学力向上の方策を探 ろうと 、年間 約60団体500人程の 教育視 察者
が国内外から訪れます。
グローバル夢ミーティングなど多様な教育の場を提供
ふるさとは自分を見つめさせ、未来に勇気 と力を与 え
てくれるこ とから、 できる だけ子供の 頃に故郷に感 動し、
学ぶ多様な「ふるさと教育」の機会を教育活 動に取り 込
んでいます。
バラエティにあふれた体験学習も東 成瀬村 の教育 の特色 です。 「ふる さと教 育」
では、村出身でそれぞれの分野で活 躍して いる方 をふる さと先 生とし て招聘 し、
講話や実技指導をしてもらったり、 村内の 事業所 を訪問 し、勤 労体験 を行う わが
村体験を実施しています。「グロー バル夢 ミーテ ィング 」では 、英語 力向上 や
キャリア教育推進をねらいとし、秋 田大学 の留学 生を招 聘し小 中学生 と英語 合宿
を行っています。「都市の方が教育 環境が 恵まれ ている 」とは 言わせ ない東 成瀬
村独自の教育環境づくり。これから の地方 にとっ て示唆 にあふ れてい ます。
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地域の方々がたくさん参加して指導してく れるパーク ゴ
ルフ。
住民の自主的参加
住民の自主性
郷土食を通じて文化を学び、守り、伝える
長野県
スローフード木曽の取り組み
木曽町
Kiso
Nagano
人口: 11,753人
面積:476.03㎢
厳しい自然の中で生まれた独自の郷土食文化
長野県西南部に位置し、冬が長く厳 しい木 曽町で は、そ の自然 環境下 に独自 の暮
らしの知恵が育まれてきました。す んき、 とうじ そば、 からす み、朴 葉巻き など
の食品は、いずれも木曽の自然と先 人たち の知恵 が生み 出して きた木 曽の誇 りで
す。人口が減少し、高齢化が進む中 でも、 そうし た豊か な木曽 の郷土 食文化 を継
承し、地域資源として更に活用をす ること を目指 して、 平成21年、 任意団 体であ
地元の専門家を講師に春と秋には山菜、キノコを山 で
観察し、旬の食材を用いた御膳を味わいながら地元の
料亭でその調理などについて学びます。
る「スローフード木曽」が設立され ました 。
スローフード木曽の組織と活動
スローフード運動とは、元々はファ ストフ ードの 代表格 である マクド ナルド がイ
タリアに出店したことに対して起こ った運 動で、 その土 地の伝 統的な 食文化 や食
材を見直す運動のことを言います。 スローフード木曽は、スローフードや 地産地
消を推進する関係者、その活動を支 援する 団体間 でネッ トワー クを形 成し、 情報
交換・連携を促進することで、個々 の取組 をバッ クアッ プ、地 域とし てのア ク
ションの幅や質の向上を図っていま す。平 成27年度か らは、 東京農 業大学 の発酵
学の権威、岡田早苗教授を顧問に迎 え、さ らに専 門的な アドバ イスや 技術協 力に
美しい村フェスティバルのお弁当も地産地消の手 作り。
フェスティバルの夜のイベントでも地元のお母さん たち
が得意料理をブースで提供し、地元食 材オンリーの 贅
沢な食事が提供されました。。
より、木曽ならではの発酵関連商品 開発や 発信力 の向上 を図っ ていま す。
地域に根付いたすんき文化の発掘
数ある伝 統発酵 食品の 中でも 「すん き漬け 」は、 日本で 唯一塩 を使わ ない漬 物で、
海のない長野県ならではの独特の食 品です 。材料 である 赤カブ が食べ ごろに 育つ
9∼12月頃になると、町中で赤カブを販売す る様子 がみら れ「お いしく 漬かっ
た?」がご近所との挨拶になるほど 、各家 庭です んきが 漬けら れると いう地 域に
木曽の郷土食を継承してきたお母 さん方を講 師に朴葉
料理講習会。買えない味がテーマの定例 講座 です。
根付いた文化です。
「すんき漬け」が食べごろになる1 ∼2月 に、町 のすん き名人 を選ぶ 大会が 開催
されています。みんなですんきを持 ち寄り 、最も おいし いすん きを決 定しま す。
見事、名人に輝いた方のすんきはお 裾分け され、 各家庭 の種菌 となり ます。 楽し
いイベントとともに、立派に地域の 味が守 られ地 域の伝 統を引 き継ぐ 場とな って
います。木曽町ならではの文化の独 自性の 発見や 対外的 な発信 は、住 民の自 信を
高め、またワークショップの首都圏 ・周辺 自治体 からの 参加の 増加な ど、交 流人
口の増加にもつながっています。
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発酵の専門家が登壇するイベント。参加者は東京、大阪
からも。
住民の自主的参加
キャッチフレーズ
写真
山形県
飯豊町
住民発 年間1,200人訪れる
Iide
Yamagata
農家民宿が暮らしの文化を継承する
人口: 7,507人
面積:329.41㎢
東洋のアルカディア、日本のスイス
山形県の南端に位置する飯豊町は、 明治初 期に東 北、北 海道を 中心に 旅した イギ
リスの女性旅行家、イザべラ・バー ドが『 東洋の 桃源郷 (アル カディ ア)』 と絶
賛した田園風景が広がる山形県置賜 地方に 属して います 。町域 の8割 が森林 です
が米の産地でもあり、山間に広がる 美しい 田んぼ と散居 集落、 そして 飯豊山 が織
り成す四季折々の景色は「日本のス イス」 とも形 容され ます。
年間1,200人を受け入れる農家民宿
昭和42年の羽越水害により白川ダムがつ くられ 、その 上流に 位置す る飯豊 町中津
川地区では過疎化が進みました。そ の状況 をなん とかし たいと いう住 民の思 いか
農家民泊で農作業の手伝い中。
ら、平成18年、旅館業法の規制緩和によ り、中 津川地 区の8 軒が農 家民宿 の営業
許可を取得。翌年にはグリーンツー リズム の一環 で教育 旅行の 受け入 れが始 まり
ました。平成16年度からPTAが地域の学 校存続 のため に「山 村留学 」で子 どもた
ちの宿泊体験の受け入れを行ってい たこと もあり 、民泊 での受 け入れ 体制が 整い
ました。当初中学校1校だった受け 入れも 、3年後の 平成22年に は6校350人 まで
増加。一時は東日本大震災後の放射 能の風 評被害 から来 訪者が 減少し たもの の、
時を同じくして、台湾からのインバ ウンド の観光 が始ま りまし た。は じめは 言葉
に不安が あり、 観光協 会でも 指差し 単語帳 などを 作って 対策を とって いまし たが、
言葉がなくても気持ちは通じるとい うこと がわか り、今 では自 信を持 って年 間
1,200人程度の宿泊客をもてなしています。
築90年の農家民宿いからし本家。
農家民宿の仕組みと効果
飯豊町の取組は「なかつがわ農家民 宿組合 」とい う組合 方式で 行われ ていま す。
団体の受け入れ予約などは組合で行 い、負 担を偏 りなく 配分し 、協力 して運 営し
ています。年間1,200人程度の受け入れは副収 入につ ながり 、持続 可能な まちづ く
りに寄与していることは間違いあり ません 。しか し、経 済的な こと以 上に自 分た
ちの地域に対する誇りが生まれてき ました 。都市 から研 修旅行 でくる 学生や 若い
社会人がともに食事の準備や農作業 をする 中で、 日本の 食や文 化の素 晴らし さを
再認識し、尊敬の眼差しをうける… そんな 体験を 繰り返 すうち に、自 分たち の地
域はとんでもなく素晴らしいところ だった のでは ないか 、と自 信をも てるよ うに
なったといいます。
「なかつがわ農家民宿組合」の設立 から10年目 を迎え 、常に 向上心 を持ち 、多く
の年齢層、バックグラウンドの方に も喜ん でいた だける よう日 々学び ながら 、8軒
が協力して組合として運営していま す。
台湾インバウンド観光向けのパンフレット。台湾では
飯豊町のラッピング広告バスまで走っている とか! ?
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これからの10年について
NPO法人「日本で最も美しい 村」連 合は 2015年 で1 0周年 を迎え た。 この間 、加盟 町村 は7町 村から 60 町
村・地域に拡大、予算規模も600万円か ら4000万円 、民 間サポ ータ企 業も 7社か ら8 8社と 規模の 面か らは大 きく
成長を遂げた。
一方、最も美しい村の品質面で の妥当 性や 意思決 定の遅 れに よる成 長チャ ンス の遺失 、広報 活動 の脆弱 さゆえ の
認知度不足、更には最も美しい 村はこ れか ら如何 あるべ きか と言う 未来ビ ジョ ン構築 の欠如 など 、将来 に向け て
の大きな課題も顕在化して来た 10年 であ った。
これからの10年に向けての課 題は2つあ ると考 えてい る。
1つ目は、人口減に歯止めを掛 けて持 続的 な発展 を遂げ るた めの内 部的な 質の 充実の 再構築 で、 加盟町 村がそ れ
ぞれの 地域の 実情に 応じ た地域 資源を 活か した自 立の道 を探 り、地 域に誇 りが 持てる 地域づ くり を実現 するこ と。
10年先を見据えて、各加盟町 村が我 が村 の未来 ビジョ ンを 描くこ とが求 めら れる。
2つ目は、連合体であればこそ 可能な 、外 部への 影響力 発揮 や社会 的連携 の構 築で、 これら の活 動がひ いては 、
内部の質の充実に直接的なイン パクト を与 えると 考えて いる 。
美しい村の生活基盤は、消費者 であり 訪問 者であ る都市 住民 との関 係性に 依存 してい る。連 合体 として 、外部 と
の連携やプロモーション活動を 、連合 の基 本理念 を見据 えて 、潜在 的ポテ ンシ ャルを 活かす 視点 から、 新たな 展
開を目指す時期に来ている。
これからの10年に向けて、2 つの課 題に 付いて の具体 的な イメー ジと何 を成 すべき かを次 ペー ジより 整理し て
みた。
これまでの10年
・理念の共有と普及
・ロゴマークの発信
・相互学習の推進
・住民の主体的活動
・地域の誇りの醸成
・地域資源の保存と育成
・世界連合会加盟(2010年)
・事務局機能の確立
・格付けによる評価・検証
・サポーター企業との連携
これからの10年の取組
の継続とブラッシュアップ
2005
年設立
7町村
(目標達成!!)
~30年~
2025年
○町村地域
(目標まで70%)
~20年~
地域住民の豊かな農村生活の
実現
◇「日本の文化的財産」としての地位の確立
2015年
60町村地域
(目標まで30%)
~10年~
2035年
○町村地域
◇地域資源の保護と育成による活性化
◇美しい村としての自覚と誇りの醸成
これからの10年
①地域資源の再発見,再編成,再活用
②美しい村,美しい地域文化の学習と 体験
③美しい村の基本的管理と情報発信
④政府,企業,団体,大学との連携・推進
それぞれの地域特性による取り組みを
見出し、実行し、継続させていく事業
を「美しい村づくり事業」として認定
し、連合一体となって推進する。
25
1.10年先を見据えたビジョン構築
「地域資源を活かし、多様性に 富んだ 豊か な農村 生活の 実現 」が、 成熟社 会の 未来を 見据え た「 最も美 しい村 」
の共通ビジョンと考えている。
加盟町村が自立(自分たちの運 命は自 ら決 める) するた めの 連合3 戦略( 経済 的自立 、住民 の自 主的活 動、世 襲
財産を未来に繋ぐ)を実践する 方策を 住民 を巻き 込んで 自主 的に構 築する こと が課題 で、連 合の 存在意 義でも あ
る加盟審査の格付け評価と国内 外の先 進事 例を学 び合う 組織 体制を 、戦略 実現 の実践 ツール とし て深化 させ、 使
い切れるかが鍵に成る。
その具体的なイメージとして、
・住民が心豊かに楽しく暮らし 、その 暮ら しぶり に共感 して 都会か ら人が 訪れ 、移住 者を生 む豊 かな農 村生活 モ
デル
・美しい生き方、美しい景観、 美味し い料 理など 農村な らで はの美 しさの 追求
・利他、他者への務めに繋がる 循環、 連携 システ ム(そ っと 、ちょ っと役 に立 つ)
・成長神話、生産性追求社会か ら、あ るも のを循 環させ 、あ るもの を丁寧 に生 かす持 続性社 会の 実現
・日本社会に新しい社会価値を 提案す る「 日本で 最も美 しい 村」の 社会モ デル
高齢化社会に置いて、人口減に 歯止め を掛 けて地 域が元 気に 成るた めには 、町 村で求 める人 材を 外部か ら呼び 込
み、改革推進の一員としてプラ スのス パイ ラルを 廻す必 要が ある。
最も美 しい村 も5年 間で 平均7 ∼ 8% の人 口が減 ってい るが 、加盟 後に人 口減 に歯止 めがか かっ た町村 が4つ あり 、
それらを分析すると、若者の移 住促進 には 住宅整 備など のハ ード面 より、 固有 の町づ くり政 策を 持続し ている こ
とが大きく、いずれも首長の独 自のビ ジョ ンに惹 かれた Iタ ーン者 やU ターン 者が定 着し 、起業 が成功 して いる事
例を数多く目にする。
経済的な自立に目を向けると、地 域資 源を活 かした 経済 モデル には2 パタ ーンあ る事 が見て 取れ、 加盟 町村の 経
済的自立に向けての着実な歩み が必要 であ る。
(1)出を制するモデル
・農業生産システム転換(消費 動向変 化に 応じた 米作一 辺倒 からの 畑作物 加工 品転換 )によ り地 域内自 給率向 上
・耕畜連携(堆肥と畑作物飼料 )によ る循 環型農 業で、 地域 外への 資金流 出減
・未利用資源の掘り起しと活用 (木材 と水 を活用 したエ ネル ギーと 住の自 給)
(2)入りを増やすモデル 滞在型ツーリズムで宿泊数の増 加と通 年平 準化
・ツーリズムを支える地域にお 金が落 ちる 宿やレ ストラ ンの 選択肢 を拡大
・美味しい村づくりへの地域を あげた 取り 組みの 展開( 美食 革命)
・地域資源の独自化、差別化で わが村 への リピー タ客を 拡大
最も美しい村の美味しいお食事処、シェフ/料理人が鍵
⽊曽町 信州の郷⼟料理
26
2.連合体として出来ること
連合の潜在的ポテンシャルを活かす新展開
加盟町村を取り巻く環境は、都 市や大 企業 中心の 市場原 理主 義、成 長一辺 倒の 国策に 翻弄さ れて 一段と 厳しさ が
増し、多くの加盟町村は人口減 の荒波 の中 、消滅 可能自 治体 として 存続の 危機 に晒さ れてい る。
こう言う状況下で、農村回帰の 若者や おカ ネより 生きが いで 仕事を 選ぶ多 様な 選択肢 が生ま れる など、 生活基 盤
を地域経済や地方で心豊かに生 活する 社会 モデル 型にシ フト する潮 流も生 まれ 、連合 の活動 への 追い風 も吹き 始
めている。
これらの新しい流れの中で、都 市と地 方の 交流や 、若者 と地 域の関 わり、 多様 な外部 組織と の連 携、連 合ブラ ン
ドの確立、インバウンド観光の 取り込 みな ど、連 合体だ から 出来る 、連合 の潜 在的ポ テンシ ャル を活か す新展 開
に付いての現状と10年に向け ての課 題に 付いて 纏めて みた 。
連合の認知度向上に向けた広報 活動
※2015年度にホームペー ジをリ ニュ ーアル 済
更にコンテンツやリアルタイム 機能、 会員 サービ ス機能 の充 実など 、内・ 外部 への発 信力を 強化 してい く。
※世界連合会加盟国への情報発 信
成熟社会のインバウンド観光の 目玉と して 、欧州 からの 観光 客の呼 び込み に貢 献
※外部からの講演依頼やメディ ア掲載 依頼 に積極 的に対 応
多様な外部組織との連携、共創
※ツーリズム企業との連携
※政府観光局との連携
※カメラ媒体企業との連携
外部組織との連携では、協業内 容が連 合の 理念や 価値観 と合 致して いるか の評 価や判 断が求 めら れてい る。
※
連合Facebookページで情報を発信
季刊「日本で最も美しい村」
27
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に
掲
載
サポーター企業
「日本で最も美しい村」連合の 活動は 多く のサポ ーター 企業 様から のご寄 付か ら成り 立って いま す。
利害関係ではなく連合の哲学に 共感し てご 寄付を してく ださ る方が 多いの が特 長です 。
・企業正会員 ( 88社 / 2016年4月1日現在 )
加盟順
会社・団体名
所在地
加盟順
会社・団体名
所在地
1 カルビー株式会社
東京都
45 日本甜菜製糖株式会社
東京都
2 伊那食品工業株式会社
長野県
46 タイム技研株式会社
愛知県
3 中日本氷糖株式会社
愛知県
47 ハジメ産業株式会社
愛知県
4 株式会社 新進
東京都
48 株式会社 蓬莱軒
愛知県
5 株式会社 革新企業研究所
東京都
49 株式会社エフ・プロジェクト
東京都
6 株式会社 グリーン・カンパニー
東京都
50 株式会社そごう・西武
東京都
7 石田紙器株式会社
鳥取県
51 日本プラスター株式会社
栃木県
8 カルビーポテト株式会社
北海道
52 アミタホールディングス株式会社
京都府
9 宝製菓株式会社
鳥取県
53 株式会社シーピーアール
愛知県
10 タイコー株式会社
東京都
54 三井製糖株式会社
11 株式会社地域科学研究所ホールディングス
大分県
55 富士ゼロックス株式会社
12 不二製油株式会社
大阪府
56 国土総合研究機構観光まちづくり研究会
東京都
13 株式会社 プランナー・ワールド
東京都
57 株式会社アゴーラ・ホスピタリティーズ
東京都
14 株式会社 博報堂
東京都
58 株式会社 田中屋
山形県
15 有限会社 エイチ・アイ・エフ
長野県
59 株式会社 綾・野菜加工館
宮崎県
16 株式会社 沖縄教育出版
沖縄県
60 株式会社電通 第12営業局
東京都
17 株式会社 エイチ・アイ・エス
東京都
61 株式会社 叶匠寿庵
滋賀県
18 株式会社 アデリー
山口県
62 株式会社 ブナの里振興公社
北海道
19 株式会社 ハートリンク
長野県
63 丹後海陸交通株式会社
京都府
20 信濃毎日新聞社
東京都
64 キャリーシステム株式会社
茨城県
21 クラブツーリズム株式会社
東京都
65 敷島堂株式会社
岡山県
22 喜界島酒造株式会社
東京都
神奈川県
66 井村屋グループ株式会社
三重県
23 株式会社ANA総合研究所
東京都
67 美瑛町農業協同組合
北海道
24 ギノウス株式会社
埼玉県
68 一般財団法人 本山町農業公社
高知県
25 株式会社 北海道産地直送センター
北海道
69 球磨村森林組合
熊本県
26 ニシカワ食品株式会社
兵庫県
70 株式会社美瑛ファーム
北海道
27 株式会社 昇夢虹
北海道
71 株式会社竹之内製材所
宮崎県
28 株式会社 グラムスリー
東京都
72 株式会社アイモバイル
東京都
29 馬路村農業協同組合
高知県
73 株式会社キロロアソシエイツ
北海道
30 生和糖業株式会社
鹿児島県
74 佐久間建設工業株式会社
福島県
31 松谷化学工業株式会社
兵庫県
75 株式会社 向新
大阪府
32 サッポロビール株式会社 北海道本社
北海道
76 株式会社石井実業
福島県
33 はなびら
千葉県
77 有限会社長友コンクリート工業所
宮崎県
34 ハートツリー株式会社
東京都
78 山形もがみ農業協同組合
山形県
東京都
79 一般財団法人 岡山旭東病院
岡山県
80 株式会社 琉球補聴器
沖縄県
81 株式会社 チュウブ
鳥取県
82 REALTA
東京都
83 株式会社アドバンテック
東京都
35 パプアニューギニア政府観光局
36 株式会社 サカタのタネ
37 三浦工業株式会社
38 株式会社 霧島町蒸留所
39 江別製粉株式会社
40 株式会社 祁答院蒸溜所
鹿児島県
神奈川県
愛媛県
鹿児島県
北海道
84 曽爾村観光協会
奈良県
41 株式会社 太洋商会
東京都
85 株式会社ホテルセントパレス倉吉
鳥取県
42 メイホウ食品株式会社
愛知県
86 株式会社日本エム・アイ・エー
愛知県
43 近畿日本ツーリスト 首都圏千葉団体旅行支店
千葉県
87 釧路信用組合
北海道
44 六合の里温泉郷組合
群馬県
88 KREエンジニア―ズ株式会社
東京都
鹿児島県
●準会員 ( 557個人・企業・団体 / 2016年4月1日現在 )
28
支援の方法
「日本で最も美しい村」連合の 運営資 金は 加盟町 村の他 、個 人・企 業サポ ータ ー様か らの会 費で 賄われ ていま す。
この美しい風景、残すべき景色 を守る ため に、「 日本で 最も 美しい 村」連 合で は、皆 様のご 協力 を必要 として いま
す。
サポーター会員には、正会員と 準会員 の2 種類が ありま す。
正会員と準会員では、年会費が 異なり ます 。また 、正会 員は 総会時 などで の議 決権を 有しま す。
正会員(企業・団体のみ)
1口 100,000円から
正会員のお申し込みは郵送のみ となり ます 。
1)
入会申込書に必要事項をご記入の うえ 事務局 にお送 りく ださい 。
2)
事務局から会費の振り込み依頼書 をお 送りい たしま す。
3)
会費のご入金確認後、会員証など をお 送りい たしま す。
※入会申込書は本紙をコピーい ただく かH Pから ダウン ロー ドでき ます。
準会員(企業・団体・個人)
1口 5,000円から
準会員のお申し込みはホームペ ージま たは 、郵送 にて受 けた まわり ます。
【ホームページの場合】
お支払いいただく口数を選択し 、寄付 口数 (任意 )、デ ィス クパネ ルの有 無を 選択し て「会 費を 決済
して準会員に登録する」をクリ ックし てく ださい 。
【郵送の場合】
1)
入会申込書に必要事項をご記入の うえ 事務局 にお送 りく ださい 。
2)
事務局から会費の振り込み依頼書 をお 送りい たしま す。
3)
会費のご入金確認後、会員証など をお 送りい たしま す。
寄附金のお願い
当連合は、より公益性が高く、 会員の 皆様 にも有 利な認 定N POの取 得を目 指し ており 、取得
要件であります寄付金額3,0 00円 ×1 00名 以上の 条件 をクリ アする 必要 がある ため、
会費と は別に 3,0 00 円の寄 付金に つい てもご 協力の ほど 、よろ しくお 願い 申し上 げます 。
29
世界で最も美しい村連合会
「日本 で最も 美しい 村」 連合は 、20 10 年に「 世界で 最も 美しい 村連合 会」 に加盟 、日本 以外 には、 フラン ス、
イタリア、ベルギーのワロン、 カナダ のケ ベック が世界 連合 会に加 盟して いま す。各 国の最 も美 しい村 協会は 、
独自のシンボルと言えるロゴマ ークを 保有 してお り、そ のロ ゴマー クが各 国の 最も美 しい村 の特 徴を表 してい ま
す。世界連合会には、各国内で の5年 以上 の活動 成果を 評価 して入 会が認 めら れてい ます。
世界大会調印式
世界で最も美しい村総会ロゴマーク
フランスの最も美しい村協会
(1982年設立)
フランスは、コミューン(基礎 自治体 )が 366 97( 20 11年 1月) も存 在する 地方分 権型 社会。 古くか
ら歴史的文化財や世襲財産は法 的に保 護さ れてき ました 。一 方、日 本と同 様に 、美し い村で あっ ても過 疎化や
高齢化は急速に進みました。 1982年に64の村で始まった フラン スの 最も美 しい 村協会 は、歴 史的 財産
などの地域の特色を観光資源と して付 加価 値を高 め、小 規模 な農村 を保護 する 運動を 広める ため にネッ トワー
ク化を図り、協働してプロモー ション 、コ ミュニ ケーシ ョン を行う 場とし て設 立され ました 。国 の政策 として
もコミューンの存続は「フラン スの文 化遺 産」と して合 併政 策が転 換され 、広 域連携 へと進 みま した。 協会本
部はコロン・ラ・ルージュ(Collonges-la-R ouge) の村 役場に ありま すが 、資格 審査の 事務 局はク レルモ ン
フェランにあるなど機能は分散 してい ます 。20 15年 末現 在、1 55の 村が 加盟し ていま す。 村の加 盟は審
査委員が審査を行い、品質委員 会で合 否が 判定さ れます 。再 審査で 基準を 満た さない 村は除 名さ れる等 、フラ
ンスで最も美しい村協会加盟が ステー タス となっ ていま す。 「フランスの最も美しい村」の 共通的 な特 徴は
地域全体の建物の同質性や周囲 の自然 環境 に同化 した集 合景 観です 。
フランスの最も美しい村ロゴマーク
リムーザンのコロンジュ・ラ・ルージュ(フランス)
30
イタリアの最も美しい村協会
(2001年設立)
イタリアは基礎自治体(コムー ネ)が 81 00あ り、中 規模 の自治 体が多 く、 各自治 体は将 来を 見据え て都市
計画図を作成、これがまちづく りの基 本と なって います 。イ タリア の最も 美し い村協 会が設 立さ れたの は20
01年。以降地域活性化の柱と して、 ツー リズム 産業や 修景 事業に 注力し て順 調に成 長を遂 げ、 201 4年末
現在、245の村が加盟してい ます。 協会 本部は 代表加 盟町 村の役 場にあ るの ではな く、首 都の ローマ に本部
を設けて専任の事務局長を置き 、ブラ ンド 力強化 に向け たプ ロモー ション 戦略 や「最 も美し い村 」の観 光価値
を評価してくれる市場のマーケ ティン グや 客先開 拓、海 外展 開に力 を入れ てい ます。 イタリ アで は国や 県の補
助金は修景コンテストで決まる 事が多 く、 都市計 画図に 修景 プラン を落と し込 む事が 加盟コ ムー ネの大 事な仕
事であり、協会全体としてもサ ポート して います 。「イ タリ アの最 も美し い村 」の共 通的な 特徴 は開放 的で明
るい台地上の建物の集合景観や 山、湖 、海 、農村 の雄大 な景 観。「 最も美 しい 村」の 収益モ デル を定め 、何処
で稼ぎ何に投資するのか、「最 も美し い村 」の観 光価値 を評 価して くれる 市場 のマー ケティ ング や海外 展開に
力を入れています。
イタリアの最も美しい村ロゴマーク
カスティリオーネ・デル・ラーゴ(イ タリ ア)
ワロン(ベルギー)の最も美しい村協会
(1994年設立)
ベルギー南部フランスと国境を 接する 仏語 圏のワ ロン地 方に は自然 豊かな 小さ な村が 点在し 、2 4の村 が、
「ベルギーの最も美しい村」と して登 録さ れてい ます。 協会 の設立 は19 94 年と仏 に次い で古 く、数 十人か
ら数百人規模の小さな自然豊か で伝統 的な 家が並 ぶ村が 選ば れてい るのが 共通 的な特 徴です が、 5つの 州ごと
に異なる顔も持っています。エ ノー州 は森 に囲ま れた自 然豊 かな環 境、ナ ミュ ール州 は砂岩 や石 灰岩の 淡い色
の家々が、ブラバン・ワロン州 は白い 石ゴ ベルタ ンジュ の家 が、リ エージ ュ州 は牧草 地・渓 谷な ど自然 が美し
く、リュクサンブール州は石灰 岩で作 られ た家々 の外壁 が季 節毎の 花で埋 まり ます。
ワロンの最も美しい村
ロゴマーク
ソソワ(ベルギー)
カナダケベック州の最も美しい村協会
(1998年設立)
カナダのセントローレンス川流 域の仏 語圏 のケベ ック州 は1 7世紀 に始ま った 歴史を 持ち、 建築 物の歴 史遺産
と自然豊かな景観に恵まれてい ます。 セン トロー レンス 川沿 いの両 岸の1 1地 域の3 6の村 が「 ケベッ ク州の
最も美しい村」に選ばれていま す。協 会は 199 8年の 設立 で、観 光客を 増や す事と 歴史遺 産の 品質維 持を目
的に設立されました。
ケベックの最も美しい村ロゴマーク
キャプサンテの住宅(カナダ)
31
財務状況・組織
財務状況
2014年の決算状況
活動計算書
2014 年
4 月
1 日
~
2015 年
3 月
31 日 まで
(単位: 円)
科 目
金 額
Ⅰ 経常収益
1 . 受取会費
自治体
正会員
準会員
2 . 受取寄付金
受取寄付金
3 . 事業収益
販売事業収益
4 . その他収益
受取利息
その他収益
経常収益計
Ⅱ 経常費用
( 1 ) 人件費
給料手当
法定福利費
福利厚生費
人件費計
( 2 ) その他経費
売上原価
業務委託費
諸謝金
印刷製本費
旅費交通費
通信費
運賃
水道光熱費
消耗品費
会費
支払手数料
地代家賃
修繕費
その他経費計
事業費計
2 . 管理費
( 1 ) 人件費
給料手当
法定福利費
福利厚生費
人件費計
( 2 ) その他経費
旅費交通費
通信費
運賃
交際費
会議費
水道光熱費
消耗品費
租税公課
支払手数料
地代家賃
保険料
事務用品費
賃借料
減価償却費
修繕費
その他経費計
管理費計
経常費用計
税引前正味財産増減額
法人税等
当期正味財産増減額
前期繰越正味財産額
次期繰越正味財産額
14,221,325
8,700,000
2,470,000
2 5 ,3 9 1 ,3 2 5
1,765,468
1 ,7 6 5 ,4 6 8
2,130,471
2 ,1 3 0 ,4 7 1
2,512
1,037,043
1 ,0 3 9 ,5 5 5
3 0 ,3 2 6 ,8 1 9
3,061,687
299,412
14,075
3 ,3 7 5 ,1 7 4
1,185,857
1,501,200
30,000
3,563,052
3,920,415
298,877
410,705
77,730
2,531,903
169,974
915,604
4,686,707
221,185
1 9 ,5 1 3 ,2 0 9
2 2 ,8 8 8 ,3 8 3
984,918
110,754
5,206
1 ,1 0 0 ,8 7 8
444,487
91,149
125,253
14,670
83,232
23,706
85,024
3,750
279,233
564,937
51,620
215,342
237,600
54,625
67,455
2 ,3 4 2 ,0 8 3
3 ,4 4 2 ,9 6 1
2 6 ,3 3 1 ,3 4 4
3 ,9 9 5 ,4 7 5
2 0 ,0 0 0
3 ,9 7 5 ,4 7 5
1 0 ,4 0 9 ,1 1 0
1 4 ,3 8 4 ,5 8 5
32
財務状況・組織
組織
会 長
事務局
副会長
(事務局長・事務局員)
資格委員会
理事会
資格委員会委員長
・副委員長 ・委員
監 事
正会員企業
事業委員会
正会員(3号)
事業委員会委員長
・副委員長 ・委員
テーマ活動部会
準会員
正会員・地域会員 51町村9地域 首長・代表
九 州
ブロック
近畿・中国・四国
ブロック
関東中部
ブロック
(12町村地域)
(13町村地域)
首長・代表
担当補佐役
(18町村地域)
東 北
ブロック
(9町村地域)
北海道
ブロック
(8町村地域)
首長・代表
首長・代表
首長・代表
首長・代表
担当補佐役
担当補佐役
担当補佐役
担当補佐役
■組織の構成
①
「会員総会」が最高議決機関として位置づけられています。
②
「理事会」は、会長と3名の副会長、16名の理事、2名の監事から成り立ち、
創立理念の継承のほか総括・執行機能を担います。任期は2年です。また、中核
的組織として「資格委員会」、「事業委員会」が構成されています。
③
「資格委員会」は、新規加盟審査、5年ごとの再審査などを行います。
④
「事業委員会」は、ロゴマークの管理、種々の事業戦略の構築、プロモ―ション活
動などを行います。
⑤
各加盟町村は、北海道、東北、関東・中部、近畿・中国・四国、九州・沖縄のい
ずれかのブロックに所属し、各ブロックから、理事を選出します。
⑥
「テーマ活動部会」とは、加盟町村が直面する課題に向けての自主的テーマ別課
題解決組織です。
⑦
「正会員」とは、加盟した町村(自治体)、企業サポーター、組織設立に多大な
貢献をした人(3号会員といいます)が該当します。
⑧
この他に地域で加盟している「地域会員」があります。
⑨
「準会員」は、この連合の活動を支援する人として各種の活動に参加できます。
33