ステンシルのアート的な表現により、ペイントの可能性を深め

セミナーレポート #004
PXIアートセミナー
~IN OSAKA~ステンシルの世界①
SEMINAR
2014年4月23日
(水)
関西ペイント
(株)大阪本社にて開催した
「第2回 PXIアートセミナー∼IN OSAKA∼
ステンシルの世界① イントロダクション編」に
ついてレポートいたします。
PXIでは、会員の皆様にもっとペイントの楽しさ、身近さを感じていただくために様々なセミナーを企画しております。
今回ご報告するセミナーは、ステンシルの技法を使ったアート的な表現により、ペイントの持つ汎用性や可能性
への理解を深め、それぞれのビジネスにお役立てていただこうというもので、実践的な内容で構成した3回シリーズ
の第1回目です。講師にはデコラティブペイントの国内第一人者であるヨザン弥江子さんをお迎えし、魅力たっぷり
のお話を伺いました。
まずはスライドで、
ヨザンさんが代表を務める(株)フォー アーツ デザインの活動事例を見ながら、
デコラティブペイントやステンシルについてイメージを膨らませていきました。
ステンシルというと版画やレコパージュのように、小さい物に模様を付けるというイメージをお持ちの方が多いと
思いますが、
ヨザンさんが手掛ける物件は、住宅から大規模商業施設やホテル、駅、レストランなど規模も内容も
様々。非常に大きな空間でもストーリー性があり、華やかに彩られていたのが印象的でした。
それらはみなオリジナリティに溢れ、個性的でアーティスティックな世界です。ペイントが持つデザイン性を再認識
するとともに「どこにも無いものを提供できることがこういったお仕事のすばらしさです」
という、
ヨザンさんの言葉
にも非常に興味をそそられました。
SEMINAR
「ステンシルはシンプルで分かりやすく、誰でも親しみやすいものです。年賀状のようにテーブルの上で作れるサイ
ズはいろいろありますが、空間に施すのは意外に難しいと思われているみたいです。まだ実践されている方はあま
りいらっしゃいませんが、窓の縁や腰まわりなどポイント的に使ったり、使い勝手もよくてものすごく応用の幅が広
いです。皆さんが独自に作ることができるスタイル、それがステンシルだと思います」
とその魅力をアピールされ
ていました。
休憩をはさみ後半もスライドを見ながら、デコラティブペイントやステンシルの魅力についてのお話が続きます。
最近のトレンドでどこでも引っ張りだこだという
「チョークアート」
(黒板グラフィック)のお話や、わざと古い風合いを
つける「エイジング」技法で浮世絵風にデザインした店舗のお話、
他にも、目の錯覚を利用して表現する
「トロンプルイユ」、
フィラデルフィアの治安回復にも役立った「パブリックアート」
の話など、さまざまな手法について話しは尽きません。
これまで日本では塗装といえば壁や天井に色を塗るという認識がほとんどでしたが、デコラティブペイントがこんなに
空間の中で存在感があるものだと皆さん実感されたのではないでしょうか。
SEMINAR
ペイントのすばらしさが日本でなかなか普及せず歯が
ゆい思いをしている、
と話されるヨザンさんは「空間のプ
ロフェッショナルである皆さんに、ぜひペイント文化の
担い手になっていただき、新しい表現としてステンシル
を取り入れ、発展させてほしいです」
と仰っていました。
最後は、次回のセミナーでステンシルを制作する際の簡単な手順やテンプレート(型板)についての説明、また実際
にヨザンさんにステンシルのデモンストレーションをしていただき、ペイントアートが簡単にできる様子をご覧いた
だきました。
「セミナーに参加してちょっとお土産を持って帰るというよりは、皆さんの個性で応用できるものをたく
さん制作して、次へつなげて欲しいと思っています」
とヨザンさん。
ご参加いただいた皆さんも2回目3回目への期待がますます膨らんでおられるようでした。
レポート:PXI編集担当 由良 和美