興行分析 9 月度レポート

K INEMA JUNPO R ESEARCH
I NSTITUTE
興行分析
9 月度レポート
< 2 0 1 2 年 1 0 月 1 6 日>
8 月に続き前年比クリア、一昨年実績も上回り
引き続き、興行は回復傾向に
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興行分析
9 月度レポート
【首都圏ロードショー館の前年同月比は、興収 131.2%、動員 130.5%】
9 月の興行は、東京ロードショー劇場 74 館の集計では、総動員数が 86 万 8738 人、総興収が 12
億 2527 万円となり、興収で前月比 95.9%、前年同月(78 館)比では動員で 130.5%、興収で
131.2%となった。また、一昨年の同月(74 館)比では興収で 110.7%となる。なお、昨年、一
昨年は週末が 4 回、今年は 5 回あるため単純比較はできないが、前月に続き、市場は前年の低調か
ら回復傾向にあるといえそうだ。
週末ランキングの各週 1 位を見ると、9/1-2 には「るろうに剣心」
(WB)が前週から続いての首位
獲得。以降、9 月の残り 4 週は、「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」
(東宝)の快進撃が続
くことに。
【
「踊る〜」が期待通りの大ヒット、「最強のふたり」が想定外の大ヒット】
9/1-2 の週末には、
「映画 ひみつのアッコちゃん」
(松竹)と「最強のふたり」
(ギャガ)が登場。
前者は、217 スクリーン、初日 2 日間で動員 12 万 8773 万人、興収 1 億 4176 万円、パー・スク
リーン65.3万円とまずますのスタート。綾瀬はるか主演作では、今年6月に「ホタルノヒカリ」
(東
宝)が 316 スクリーンでスタートし、最終約 19 億円の仕上がりとなったが、本作は 10 億円到達
は難しいものの 6 〜 7 億円を目指す結果に。一方、後者は、日比谷シャンテを頭に 49 スクリーン
と絞ったかたちでのスタート。結果、初日 2 日間で動員 7 万 324 人、興収 7906 万円、パー・ス
クリーン 161 万円の大ヒットとなり、その後、公開規模を 170 スクリーン規模にまで拡大し、最
終 10 億円を狙う興行となった。同作は、昨年の東京国際映画祭でグランプリを獲得した良作なが
ら、近年、日本ではヒットの難しいフランス映画。フランスでは 1800 万人を動員し、歴代 5 位
に入る大ヒットを記録、ハリウッドリメイクが決まったとは言え、このタイプの仏製ドラマ作品
の 10 億円を目指すヒットは、異例中の異例といえる。ハリウッド製の話題作が CG 多用のエンタ
メ作品に偏るなか、観客がこれに反発して良作を求める傾向にあるのかもしれない。
9 月 2 週目の週末には、
「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」
(東宝)、
「デンジャラス・ラン」
(東宝東和)
、
「夢売るふたり」
(アスミック)などがスタート。「踊る〜」は、452 スクリ ーン、金
曜日初日の週末 3 日間で動員 79 万 8382 人、興収 10 億 4699 万円、パー・スクリーン 231.6 万
円の大ヒット。フジテレビ製作作品としては、「テルマエロマエ」
(東宝 / 約 60 億円)、「BREAVE
HEARTS 海猿」
(東宝 /70 億円超)に続く、50 億円を超える興行となる。前作「〜ヤツらを解放
せよ !」
(10/ 東宝)の 73.1 億円にどこまで迫るかに注目が集まる。「デンジャラス・ラン」は、デ
ンゼル・ワシントン主演のアクション映画。248 スクリーン、初日 3 日間で動員 9 万 8764 人、興
収1億2063万円、パー・スクリーン48.6万円とやや厳しいスタート。
「ゆれる」
「ディア・ドクター」
の西川美和監督作「夢売るふたり」は、松たか子、阿部サダヲ競演で、結婚サギを働く地方出身カッ
プルの物語。166 スクリーンとこれまで以上に規模を広げた公開が注目されたが、初日 2 日間で
動員 1796 人、興収 7813 万円、パー・スクリーン 47 万円と、多少、公開規模を広げすぎた印象も。
ただ、この規模の作品で 150 スクリーン前後に見合うヒットが多く出てくると日本映画にも厚み
が出てくるので、今後のさらなるチャレンジに期待したい。
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【
「バイオハザード」が洋画今年 5 本目の 30 億円超えのヒット】
3 週目の注目作は、
「バイオハザードⅤ:リトリビューション」
(SPE)と「天地明察」
(角川映画
=松竹)
。
「バイオ〜」は 779 スクリーンの拡大公開、14 日(金)初日で土〜月の 3 連休を含
め 4 日間で動員 82 万 85 人、興収 12 億 4881 万円、パー・スクリーン 160.3 万円と、今年公開の
洋画で最高のスタートを切った。初日成績では前作「〜アフターライフ」
(10 年 / 最終 47 億円)を
上回り、50 億円を超えての伸びに期待がかかる。また、
「天地明察」もまずますのスタート。325
スクリーン、初日 3 日間で動員 18 万 2824 人、興収 2 億 1460 万円で、ローカルシェアも 74.2%
と高い。パー・スクリーンは 66 万円だが、客層が 40 代以上の女性層が多いことから平日の高稼
働にも期待がかかる。
4 週目には、「劇場版 TIGER&BUNNY-The Beginning-」
(松竹=ティ・ジョイ)と「ロック・オ
ブ・エイジズ」
(WB)が登場。前者は東京アニメアワードでテレビ部門優秀賞を受賞した人気ヒー
ローアクションの劇場版で、70 スクリーン、初日 2 日間で動員 7 万 3413 人、興収 1 億 1765 万
円、
パー・スクリーン168万円の大ヒットスタート。5億円超えを狙う。後者は大ヒットしたブロー
ドウェイ・ミュージカルの映画化で、トム・クルーズがカリスマ・ロックスターに挑むが、日本で
は難しいジャンル。公開規模を 70 スクリーンに抑えたが、初日 2 日間で動員 2 万 2073 人、興収
2865 万円、パー・スクリーン 40.9 万円とやはり厳しい結果に。
9 月最後の週末には、「ボーン・レガシー」
(東宝東和)と「ハンガー・ゲーム」
(角川映画)が公開。
前者は、マット・デイモン主演のジェイソン・ボーン シリーズのスピンオフ作で、328 スクリー
ン、初日 3 日間で動員 18 万 8618 人、興収 2 億 3120 万円、パー・スクリーン 70.4 万円と順調な
スタート。一方、後者は、全米オープニング 3 日間で歴代 4 位を記録したヒット作で、567 スクリー
ンまで規模を広げての公開となったが、初日 3 日間で動員 9 万 4872 人、興収 1 億 2240 万円、パー・
スクリーン 21.5 万円と大変厳しい結果となった。
8 月、9 月と前年比はもちろん、好調だった前々年と同程度の成績を残すも、1 〜 9 月の合計興
収はほぼ前年並みという。残る 3 ヵ月の作品を前年と比べても大きく上回るほどの期待は持てず、
年間興収は、ほぼ前年並みとなることが見えてきた。
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