【ニュースリリース】小説執筆ソフトを中村航と共同開発

2014 年 10 月 28 日
~卒業生で作家・中村航氏の思考をシステム化~
小説執筆の支援ソフトを共同開発
芝浦工業大学(東京都江東区豊洲/学長 村上雅人)情報工学科の米村俊一教授は、本学工業経営学科の卒
業生で作家の中村航さんと、小説執筆の支援ソフト「ものがたりソフト」を共同開発しました。
米村教授は、認知心理学で用いられるプロトコル解析法という手法を用いて、中村さんの発話内容を書き出
し、思考の規則性を整理することで、小説家の思考をシステム化。書き手の頭の中にある断片的な思考をつな
いで一つのあらすじ作成をサポートしてくれるソフトを開発しました。
現在も改良中でソフトの公開予定は未定であるものの、今後はインターネットと連携するなどし、小説本体
の執筆までサポートすることができるものをめざしていきます。
なお、そのソフトで作ったプロット(小説の設計図)を基に書かれた中村航さん・中田永一さんの合作青春
小説『僕は小説が書けない』が、2014 年 11 月 1 日に発売されます(発行元: KADOKAWA 価格:本体 1,500 円+税)。
執筆ソフトを利用した小説が発売
中村航さんと共同開発した「ものがたりソフト」の一部
数年前より携帯電話で容易に投稿できる『ケータイ小説』が話題となり、作品が書籍化・映画化されるなど、小
説の執筆が一般の人にとっても身近な時代となりました。2012 年、小説を書きたいと思っている人を情報工学の力
でサポートしたい、と芝浦工大と中村さんの間で執筆支援ソフトの共同研究がスタート。のちに中田永一さんも参
画。ソフトは、画面に出る質問項目に沿って答えを入力していくことで、小説を全く書いたことのない人でも、話
のあらすじを作ることができるというものです。また、ヘルプボタンを使えば、あらかじめソフト中にデータベー
ス化されている文言がランダムで出てくるため、書き手の発想を広げることが可能となります。
また、プロ・アマチュア問わず一番時間を要するのは、小説執筆の際に必要な「調査」だと言います。例えば、
時代背景を調査するのに「昭和初期」とワード検索で入力すると、それに関連する出来事やものがリスト化された
りするなど、インターネットとうまく連携し、小説執筆を容易にするためのサポート機能の充実をめざしていく予
定です。
【中村航】
芝浦工業大学 工業経営学科を卒業後、一度エンジニアとして就職。現在は作家として活動中。2002 年『リレキショ』で第 39 回文
藝賞を受賞し、その後も芥川賞候補へのノミネートや、野間文芸新人賞の受賞をする。2014 年 11 月 1 日には、中田永一との共著『僕
は小説が書けない』(作品 HP:http://www.kadokawa.co.jp/sp/2014/bokukake/)を出版予定。
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