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栄養と食生活

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栄養と食生活
ネスレ
共通価値の創造報告書
2008
目次
会長メッセージ:
「共通価値の創造」
2
CEOメッセージ:
「共通価値の創造」
と栄養
3
世界の栄養情勢
4
報告書について
11
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
14
食品と食生活の質を改善する
21
肥満予防とウエイトマネジメント
28
特定の栄養ニーズを必要とする人々の要望に応える
35
栄養についての認識、知識、理解の向上
44
途上国での栄養の改善
55
将来の目標と課題
64
第三者機関の保証
65
環境マネジメントと職場での安全衛生を含む、2008年度の他の
「共通価値の創造」
の実績は、2008年の
「マネジメントレポート」
とウェブサイト
(www.nestle.com/csv)
にまとめられています。
付随書類
この報告書は以下とともに発行されました:
マネジメントレポート 2008
コーポレートガバナンスレポート 2008
2008ファイナンシャルステートメント
The World’s
leading Nutrition,
Health and
Wellness
Company
Management
Report 2008
Corporate
Governance
Report 2008
2008 Financial
Statements
including
Compensation Report 2008
Consolidated Financial
Statements
of the Nestlé Group
Financial Statements
of Nestlé S.A.
翻訳により解釈に差が生じた場合は、
本報告書の英語版が正式文章となります。
会社概要
ヴェヴェー
1,099 億
104 億
456
スイスの本社所在地
スイスフラン(約 10 兆 2,900 億円)
スイスフラン(約 9,700 億円)
工場数
総売上高
ネスレニュートリションの売上高
1866
180 億
283000
84
設立年
スイスフラン(約 1 兆 6,900 億円)
社員数
ネスレの工場がある国数
純利益
2008 年度大陸別工場数
2008 年度地域別社員数
ヨーロッパ 165
南北アメリカ 168
(北アメリカ 92、中央・南アメリカ 76)
アジア・オセアニア・アフリカ 123
(アジア 79、オセアニア 18、アフリカ 26)
ヨーロッパ 33.3%
南北アメリカ 38.7%
アジア・オセアニア・アフリカ 28.0%
出典:ネスレ
出典:ネスレ
製品カテゴリー別売上およびオーガニックグロース
製品カテゴリー
売上(10 億スイスフラン )
オーガニックグロース
粉末・液体飲料
18.885
12.8%
9.589
− 1.6%
乳製品・アイスクリーム
20.561
ネスレニュートリション
10.375
ネスレウォーターズ
出典:ネスレ
製品カテゴリー
売上(10 億スイスフラン )
オーガニックグロース
調理済食品・調理用食品
18.117
6.1%
菓子
12.370
8.0%
9.2%
ペットケア
12.467
12.1%
7.7%
医療品
7.544
8.8%
2008 年パフォーマンス要約
パフォーマンス評価指標
ネスレは栄養・健康・ウエルネスにおける
「共通価値の創造」
の進捗の測定および報告に焦点をあてるため、パフォーマンス評価指標を開発しました。
グループ総売上高(百万スイスフラン)
純利益(百万スイスフラン)
ネスレニュートリションの売上高(百万スイスフラン)
手の届く価格帯の製品群1:ヨーロッパ(売上高、百万スイスフラン)2
手の届く価格帯の製品群1:南北アメリカ(売上高、百万スイスフラン)2
2007
2008
107552
109908
10649
18039
8434
10375
212
782
3517
1910
手の届く価格帯の製品群1:アジア・オセアニア・アフリカ(売上高、百万スイスフラン)2
1722
2707
栄養もしくは健康に配慮した製品改良の数(製品数)3
6445
6254
栄養価値の高い原材料、または必須栄養素の強化(製品数)3
2603
3068
ナトリウム、糖類、トランス脂肪酸、総脂質、合成着色料の削減(製品数)3
3842
3186
34200
n/a3
204000
290000
5000
6800
n/a
67
トランス脂肪酸の削減量(トン):2003 年 12 月− 2007 年 2 月
砂糖の削減量(トン):2003 年 1 月− 2006 年 12 月までと 2007 年 12 月まで
塩の削減量(トン):2005 年 4 月− 2006 年 12 月までと 2007 年 12 月まで
「ネスレの栄養基盤」に合致、もしくはそれ以上の製品(売上に占める割合%)4
5
6
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」が表示されている製品(売上に占める割合%;GRI PR3 参照)
95
98
45
88
乳児用調整粉乳マーケティング(内部監査回数;GRI 5 PR7 参照)
9
16
乳児用調整粉乳マーケティング(外部監査回数;GRI 5 PR7 参照)
1
2
パッケージに GDA(Guideline Daily Amount)表示のある EU の製品(売上に占める%)
(世界規模では 79%;GRI 5 PR3 参照)7
1 低所得者層向けの製品群
2 「手の届く価格帯の製品群」の売上に関する定義は、2008 年に 3 つの地域にわたって調整されました。詳述は www.nestle.com/csv/inaction/ppp をご覧ください。
3 世界規模の製品開発チームのおよそ 75%の報告書に基づく;トランス脂肪酸削減の大部分は 2007 年に達成、2008 年にはさらなる「栄養密度」の改善を達成
4 2008 年評価の範囲:食品・飲料売上総額の 50%
栄養基盤についての詳述は www.research.nestle.com/Science+in+Action/NestleNutritionalProfiling をご覧ください。
5 グローバル・レポーティング・イニシアチブ
6 コーヒー、茶、水、業務用製品、チョコレートギフト製品、ペットケア製品を除く
7 EU のみの報告書に基づく。世界規模では売上げの 79%;コーヒー、茶、水、業務用製品、チョコレートギフト製品、ペットケア製品を除く
注釈がない限り、パフォーマンス指標は 2008 年 12 月期のものです。
事業の他のエリアに関する最新のパフォーマンス評価指標の全リストは、マネジメントレポート、もしくは www.nestle.com/csv をご覧
ください。
2008 年のハイライト
科学に基づいた
栄養ニーズへの対処
19億 8000万スイスフラン
(約1,900 億円)
ネスレの研究投資の総額
5000
世界 26 カ所の拠点で食品飲料の研究開発に
従事する社員数
2100万スイスフラン
(約20億円)
中国での研究開発投資額
肥満予防とウエイトマネジメント
栄養についての
認識、知識、理解の向上
3600万食
910万人
「リーンクイジン」の
“野菜 2 倍”イニシアチ
ブを通じて2007年以降米国の食生活に提
供してきた野菜のサービング数
136万キログラム
「ジェニークレイグ」の顧客が2008年に減
量した合計
ネスレの教育プログラムなどの対象となっ
た人数
79353人
スタートから 18 カ月以内に NQ ニュートリ
ショントレーニングを受講した社員数
250万人
「EPODE」
肥満予防プログラムに参加した人
数
途上国での栄養の改善
500万トン
食品と食生活の質を改善する
50億スイスフラン
(約4,700 億円)
「ブランディド・アクティブ・ベネフィット
(BABs)
」
を有する製品の売上高
190億個
中央アフリカおよび西アフリカでのヨウ素
を強化した
「マギー」
ブイヨンの年間販売数
特定の栄養ニーズを必要とする
人々の要望に応える
2007年に29カ国のミルク生産地区を通じ
て現地調達されたミルクの量
104億スイスフラン
3000万スイスフラン
(約9,700億円)
ネスレニュートリションの売上高
8%
( 約28億円)
ネスレによる農家への小額融資額
1100万人
「ブランディド・アクティブ・ベネフィット」
のシーツーマックスによるアスリートのパ
フォーマンス向上度
-1-
2011年末までに栄養価を高めた手ごろな価
格のネスレミルク製品を使用する低所得の
消費者数
「共通価値の創造」
:
会長メッセージ
「共通価値の創造」
は、企業としての全体的な成功のための事業
戦略の基本原則であり、基盤となるものです。長期にわたる事業
の成功のためには株主のみならず同時に社会のためにも価値を創
共通のゴール
2007年ブラジルの
フェイラデサンタナ
に新しく建設された
工場で社員と握手す
るブラベック会長
造しなければならないということを
「共通価値の創造」
は意味して
います。もし株主にとっての価値を創造できなければ、経済的に
そして社会的に快適な暮らしの基本となる安定した利益をネスレ
がもたらすことを頼りにする退職金生活者の方々や、年金基金を
はじめ何十万もの投資家の皆さまのお役に立つことはできませ
ん。もし、一方で社会に対する価値の創造ができないならば、私
私たちは現在の実績に満足してはいません。所得ピラミッド
たちは、消費者や社会のニーズに応えることが出来ず、私たちの
の底辺を対象とした
「手の届く価格帯の製品群」
のように、新しい
製品についても購買意欲がそがれてしまうでしょう。
サービス提供の方法を継続的に見出そうとしています。
この事業を通じて社会に役立ちたいという意欲が、28万
「共通価値の創造」
に取り組む企業として、私たちが挑戦してい
3,000人の社員の低い離職率、そして同じく、高い忠誠心と意
ることをご理解いただくうえで、この報告書が一助となれば幸い
欲に反映されていると信じています。ゆえにこれは事業の成功に
です。また、お読みになった後にご質問がありましたら、喜んで
極めて重要なことなのです。
お答えしたいと思います。
私たちはコンプライアンスとサステナビリティのさらに上を
目指しています。事業では、法律のみならず、
「ネスレ考働規範」
、
そして国連グローバルコンパクトを始め、ネスレが順守を確認し
た企業行動の最高基準の規範にも従わなければなりません。これ
は基本であり、妥協は許されません。事業は環境面でも持続可能
な方法で行い、次世代の人たちも享受すべき地球資源を損なうこ
となく、現在のニーズを満たす方法で運営する必要があります。
しかし事業の優れた役割は、価値の創造です。これは長期にわた
る事業の成功を生み出すためには、コンプライアンスとサステナ
ビリティ以上のことを行い、実際に社会にとっての価値を創造し
なければならないということです。私たちの一番の優先事項が、
消費者に価値を提供することであるのは明白であり、栄養的価
値を提供することで、ネスレは世界一の栄養・健康・ウエルネス
企業となったのです。私たちはアンリ・ネスレが乳幼児や高齢者
などの栄養を補給するミルクシリアル製品を開発した1867年か
ら、この価値を提供しています。
しかし、私たちは、対消費者の価値創造にとどまらず、その先
を目指します。長期的なビジネスとして理にかなっていることを
前提に、農家の方々、社員、そして事業を行う地域の小規模起業
家やコミュニティにとっての価値を創造することを目指していま
す。この長期的視野こそが他の多くの企業とネスレの相違点であ
り、とりわけ、途上地域では、明らかな競争上の優位性となって
いるのです。
ピーター・ブラベック−レッツマット
ネスレ S.A. 会長
-2-
「共通価値の創造」
と栄養:
CEO メッセージ
CEOの基本的な役割の一つは、会社が基本的な諸原則に沿っ
た方法で確実に管理運営されるようにすることです。私の責任の
一つは、会社が確実にその諸原則に沿って正しく行動するように
していくことです。このことにより、28万3,000人の社員が一
つの戦略を支持して力を結集し、同じゴールを達成しようと努力
現地の目線で
2008年ガーナにて
し、同じ原則に基づいた業績重視の企業文化を共有することがで
きるのです。
ビジネスの成功の基盤として、ネスレは最高水準の規律と、環
境面での持続可能性に関する厳格な基準を順守したうえで、事業
における経済発展は所得ピラミッドの底辺の人々の栄養改善の
を運営すべきと考えています。これらは、
「ネスレの経営に関する
鍵となります。ネスレは数十年にわたって、主に農家との協働や
諸原則」
とその関係書類に記されています。
456の工場を通じて経済発展に貢献しています。これらの工場
しかし、ネスレは、持続可能性のその先を目指します。社会と
の半数は途上国にあり、また、そのほとんどは農村地域にありま
株主双方にとっての価値を実際に創出すること、これが
「共通価
す。ネスレは1920年代から小規模の酪農家とともに生産性と収
値の創造」
です。ネスレは、栄養、水資源、農業・地域支援とい
入の改善に取り組み始め、酪農家へ無償の技術援助や小額融資を
う3つの分野に、価値の創造の焦点を絞っています。これらはビ
提供し、農村地域のインフラ整備を進めました。今日、ネスレは
ジネスの成功と差し迫った社会的必要性への対処という双方に
世界中の60万の農家の人々と直接取引を行っており、何百万も
とって、基本となるものです。これら3つのうち、栄養はネスレ
の人々が貧困から抜け出すためこのような援助を利用されていま
が社会にとっての価値を創出する主要分野であり、株主に対する
す。ネスレは、農家、とりわけ、酪農家、コーヒー農家、カカオ
価値創造のための主たる基礎部分です。
農家とともに 繁栄しています。
140年以上前のスイスでの創業以来、ネスレは、消費者の健
この報告書をご覧になり、世界中の人々のよりよい食生活や健
康を守り改善する、栄養価値の高い製品を供給することで、長期
康、そしてウエルネスのため、ネスレがどのようにお手伝いがで
的な利益ある成長を達成してきています。結果として、今日、ネ
きるか、ご意見をお聞かせくださることを願っています。それに
スレは世界第一位の栄養・健康・ウエルネス企業であり、2位、
より、私たちの事業も発展し、株主への還元ができるのです。
3位の2つの食品飲料企業を合わせた規模を上回る企業なので
す。毎日、約10億人の人々がネスレの製品を購入してくださっ
ています。忘れてはならないのは、ネスレが世界的によく知られ
ていても、ネスレ製品は、世界中で販売される包装された食品飲
料製品のわずか2パーセントほどしか占めていないということです。
ネスレのCEOとして最初の1年が終ろうとしていますが、栄
養に特化したこの
「ネスレ共通価値の創造報告書」
をお届けできる
ことを光栄に思っています。この報告書には、世界中の幅広い層
の人々の栄養的ニーズに応え、質の高い食生活をおくっていただ
くためのネスレの努力と取り組みが書き記されています。ネスレ
の成長は少なからず世界一の規模の栄養に関する独自の研究開発
部門を社内に持っているという事実によるものです。この報告書
をお読みになられ、ネスレがビジネスの諸原則と栄養の科学の双
方に導かれている企業であることをご理解くださることを願って
います。
消費者の皆さまのより健康的で栄養価値のある食生活の手助
けをし、通貨経済のほぼすべての人々にネスレ製品が消費される
ことが私たちの大きな望みですが、いまなお世界人口のかなりの
割合の人々が通貨経済の圏外に暮らし、私たちの製品を手にされ
ポール・ブルケ
ていないということを忘れてはなりません。とりわけ、農村地域
ネスレ S.A. CEO
-3-
世界の栄養情勢
クライシッド・トンティシリン博士とパッタニー・ウィニチャグン博士
給状況からのFAOの最新推定では、世界で8億4,000万人以上
ネスレが事業活動をしている世界の状況は、ネスレの
栄養・健康・ウエルネスの取り組みに影響を与えていま
す。そして栄養ニーズに対応するための戦略を策定する
にあたり、私たちはさまざまな専門家とともに活動してい
ます。ここではトンティシリン博士とウィニチャグン博士
に、今日世界が直面している主な栄養問題に関して論
じていただきました。
が食糧の確保ができていない状況にあるのです。また、妊娠中の
母体の栄養不足が原因ではないかと思われますが、およそ2,000
万人の乳児が低出生体重(LBW)(2,500グラム未満)
で生まれて
います。出生体重が少ないと、出生後の栄養不足や、その結果と
して低い運動能力と認識能力が引き起こされるリスクが高まりま
す。また将来の食生活関連の慢性疾患にとっても深刻な危険要因
です。発育阻害と低体重は、今もなお途上国で広く見られ、それ
ぞれ1億7,800万人と1億4,000万人の5歳未満の子どもが影
複雑な世界規模のシナリオ
響を受けています。栄養失調が直接または間接の原因で亡くなる
適切な栄養摂取あるいは栄養面でのウエルビーイング、もしく
乳幼児と5歳未満の子どもも、年間500万人に上ります。食糧
は
「栄養保障」
という言い方をする事もありますが、これは、人々
危機はまた、アフリカやアジアや南米の一部のように、開発がう
が栄養面で適切で安全、かつ十分な量の食糧を入手し、消費する
まく進んでいない国々でその状況を深刻化させています。
ことができ、からだが必要とするすべての主要栄養素と微量栄養
微量栄養素の欠乏は途上国を中心に世界で20億の人々に影響
素が満たされることを指します。このように栄養保障は食糧保障
を及ぼしています。
とは切り離せないものであり、食糧の流通、食品衛生と環境衛生、
ビタミンA、鉄、そしてヨウ素の欠乏は、一般的な公衆健康の
清浄な飲料水、そして妊婦と子どものケアや予防接種などの基本
面からも重要性の高い問題であり、機能低下や疾病、死亡の原因
的な保健と健康増進がかかわっています。
となります。ここ数年、亜鉛と葉酸、ビタミンDの不足が健康
ここ数十年の栄養科学の発展により、健康と快適な日常生活の
上の課題として浮上してきている国もあります。これらの問題は
ために栄養が重要であることが明らかとなっています。適切な栄
深刻な病気と経済的負担をもたらします。例えば、ビタミンAと
養摂取により、ウイルスや細菌の感染を予防する免疫力がつき、
亜鉛欠乏症は世界の子どもの障害調整生命年数
(DALY)
の9パー
認知発達や学習能力が伸び、運動能力が高まり、仕事の生産性が
セントにあたるといわれています。
上がります。栄養の摂りすぎは、太りすぎや肥満、食生活から起
鉄とヨウ素の欠乏は世界の子どものDALYについてはわずか
こる慢性疾患
(高脂血症、高血圧、糖尿病、循環器疾患、がんな
0.2パーセントしか影響しませんが、その一方で、認識と学習能
ど)
につながります。長い間、
「栄養障害」
という言葉は栄養不足と
力へのマイナスの影響は定説となっています。
貧困に起因する病気のまん延がもたらす栄養の欠如という意味で
貧血の主因である鉄不足は、途上国、特に南アジアとアフリカ
使われ、誤解を招いてきました。栄養の摂りすぎという最近の世
で、妊婦の死亡を引き起こしています。つまり、多くの途上国に
界的な流行は、先進国と途上国の両方で社会的経済的境遇を超え
おいて、微量栄養素の不足が人々の健康と能力へ高い犠牲を強い
て多くの人々に影響を与えています。このように21世紀の栄養
ているのです。
シナリオは数十年前に比べてより複雑なのです。現在多くの国々
それと正反対に世界で16億人の成人が過体重で、そのうち4
で、栄養不足と栄養過多が同じ人口集団で、同じ地域で、一世帯
億人が肥満です。この過体重または肥満の人の7割以上が社会経
あるいは一個人中に並存するという
「栄養障害の二重苦
(DBM)
」
済階層の中層から下層の人々です。懸念すべき状況として、5歳
に直面しています。
未満の子ども2,000万人に及ぶ、小児肥満の急激な増加があり
ます。2015年までに過体重が23億人にのぼり、肥満は7億人
に及ぶと予想されています。
進捗はあるものの山積する課題
今後死因の6割が糖尿病や高血圧症、循環器疾患やなんらかの
栄養障害の予防と制圧のための目標と戦略に向けて、加盟国と
臓器のがんによるものとなり、その8割は途上国においてのもの
国際社会からの誓約を取り付けるために、国連の食糧農業機関
です。疫学調査から、低出生体重は肥満と食生活由来の慢性疾患
(FAO)と世界保健機関(WHO)は共に1992年に栄養国際栄養会
の重要な長期的危険要因の一つであることがわかっています。
議(ICN)を立ち上げました。
この取り組みやその他の世界規模の動きにより、この20年で
子どもの栄養不足と微量栄養素の欠乏、また妊婦の栄養障害をあ
る程度は減少させました。しかしながら、エネルギー必要量と供
-4-
“栄養と食糧保障の懸念は、物理
要約すれば今日の食糧と栄養の問題は、急激な経済成長の途上
的、あるいは経済的な理由によ
国でよく見られる、栄養不足と栄養過多が並存する
「栄養障害の
り、必要とするだけの食糧を手
二重苦
(DBM)
」
に関係するものと言えます。栄養不足と栄養過多
に入れることができない人々に
は、
子宮内での栄養障害という同じ根源を共有しているため、
まっ
及ぶ一方で、
「栄養障害の二重苦」
たく別の問題としてとらえることはできません。さらに栄養は食
は、肥満と貧血に同時に悩まさ
と健康をつなぐものであり、それはコミュニティの社会経済、文
れるなど、同じ人口集団、同じ
化、
そして政治的環境の中で機能しており、
さらにグローバリゼー
世帯、あるいは一個人における
ションによる影響を受けています。
栄養障害撲滅への取り組みは、
栄養不足と栄養過多の並存を含
農業、保健、教育、開発、貿易、財政などのさまざまな分野にわ
みます。
”
たって、コミュニティレベルで、また行政基盤のすべての階層と
政策レベルで、横断的に行われなければなりません。
栄養、人口動態の変化、社会経済の課題
1980年以降の家族計画の成功とヘルスケアの改善はいくつか
の途上国の人口動態の特性に大きな変化をもたらし、先進国の間
で一般的なパターンに近づいています。乳児や幼児の死亡率の低
下と寿命の伸びは、特に新興国において高齢者人口の割合の急激
な増加という結果を招きました。栄養とヘルスケアのニーズは変
化し、母親と幼い子どものためのプログラムに資源を集中させる
ことから、高齢者の健康的な生活の促進と早い段階での障害と死
亡を予防するためのものへ、より大きな部分を割り振ることにな
るでしょう。
クライシッド・トンティシリン博士
タイ国マヒドン大学名誉教授
貧困は、栄養障害と発育不全の要因となっている食糧と栄養
不足の主たる根本的原因でした。母親に栄養に関する知識がな
www.nestle.com/csv/stories
く、また乳幼児の世話についても正しい知識と習慣が欠如してい
でインタビュー全内容が
ご覧になれます
るという状況は、伝統的な文化圏でも経済的に発展した文化圏で
も根強く残っています。そして下痢性疾患、呼吸器系疾患、寄生
虫疾患などの従来型、新型の感染症は、発展度合いの低い国々で
は今もなおまん延しています。増えつつある伝染病やHIV/AID、
HIVに関連して、あるいは関連なく再び流行しつつある結核、そ
してマラリアはアフリカとアジアの一部の多くの国々で非常に多
くの人々を苦しめています。いくつかの貧困な途上国では民族紛
争が人々の能力開発をさらに妨げ、食糧と栄養状態を悪化させて
います。
-5-
1
栄養障害の課題
貧困は、途上国で栄養障害を
引き起こす、食糧と栄養不足
の主たる原因です。
1
2
長寿
特に新興国における平均寿命
の伸びは、栄養とヘルスケア
ニーズのより大きな部分が高
齢者のケアに振り向けられる
必要があることを示していま
す。
2
3
栄養過多
高血圧や糖尿病、循環器系疾
患など、肥満や食生活由来の
慢性疾患が近年世界規模でま
ん延しており、これは先進国
と途上国の両方で社会的、経
済的地位にかかわらずすべて
の人口集団に影響を及ぼして
います。
3
-6-
21世紀の栄養シナリオはこれまでの数十年よりさらに
複雑です。栄養不足と栄養過多が同じ人口集団で、同
じ地域で、同一世帯であるいは一個人に並存するという
「栄養失調の二重苦
(DBM)
」
の課題に、
現在多くの国々
が直面しています。
技術や運輸、通信の発達により世界のさまざま場所を短時間で
2007年、2008年と食糧価格は高騰しましたが、値上げの6割
つなぐことが可能となりました。食糧生産から貯蔵や加工、配送
強は2008年上半期に集中しています。この時、穀物の貯蔵は最
に至る食料システムにおいて、いわゆる
「グローバリゼーション」
低レベルとなりました。
の効果が表れているのです。さらに、品質と安全に対する優れた
価格の上昇傾向は、
主食
(穀物やマメ類)
と非主食
(油や野菜、
肉、
品質保証監視システムが求められている一方で、スーパーマー
乳製品など)
の両方でみられています。食糧価格が25パーセン
ケットの拡大により食品の流通チャネルが広がっています。食品
ト上昇すると、収入の半分以上を食品に費やしている低所得者層
のマーケティングと宣伝広告は、流通と消費者の選択に大きな影
の購買力が1割減少するとみられています。
響力を持ち、その結果、多くの伝統的な食文化を変えています。
脂肪や糖分の多い食品の大量消費は世界的な現象となっていま
科学技術開発の発展
す。都市化は、
過去の西洋諸国での進行に比べ、
はるかに速いペー
スで多くの途上国で進行中です。さらに都市生活者の多くは、生
この数十年の科学技術の発展は、食糧と栄養科学分野にさまざ
活や労働環境、また余暇の過ごし方において、あまり体を動かす
まな変化をもたらしました。
ことのないライフスタイルとなっています。食生活習慣と運動に
農業科学は、量と質双方で食糧生産を効率化し、食糧供給の向
おける変化がますます顕著となり、栄養過多と食生活由来の慢性
上に貢献しました。緑の革命が、主食となる穀物の供給を大幅に
疾患を招いています。
向上させるとともに、
微量栄養素含量と供給を容易にするために、
2007年末から2008年上半期にかけて、原油価格高騰の影響
バイオ技術による強化が進行中です。また、従来の植物の育種技
で肥料は3倍、輸送コストは2倍に値上がりし、食糧の生産原価
術と遺伝子マッピングの併用、遺伝子バンクから微量栄養素
(コ
が上昇しました。食糧生産国は直ちに、米の輸出禁止や最低輸出
メに含まれる鉄や亜鉛など)
が豊富に含まれた育種を選別、
「ゴー
価格の設定、最低購入価格の引上げ、農業への助成金、穀物の輸
ルデンライス」
の含有カロチン増強のための遺伝子操作の活用な
入関税の引き下げ、在庫米の補助金付の販売、公共在庫の放出な
ども、近年進展を見せています。バイオ強化された製品の微量栄
ど、短期的食糧貿易政策で対応しました。これらの政治的介入に
養素のバイオアベイラビリティ (生体内への利用性)の調査が行
より、市場と食糧価格がゆがめられた可能性があります。推測の
われています。国によっては議論があるものの、遺伝子組み換え
域を出ないとはいえ、食糧価格の高騰は一般世帯に消費行動と食
技術は殺虫剤や農薬の使用量を減らしたり、作物のやせた土壌や
生活の様式の変更を強いることになるかもしれません。動物性食
水分ストレスへの耐性を改善することに成功しています。
品や果物、野菜の購入を減らしたり、食事の回数を減らしたり、
さまざまな食品加工と保存技術により食品の栄養価の向上がも
調理方法の変更や、子どものための補食の質を落としたりするこ
たらされました。食品の栄養強化は、人々の日常行動に根差し、
とは、食糧を満足に買うことの出来ない世帯では、ありうる調整
取り入れやすい方法であるため、公衆健康上重要な微量栄養素の
であり対応の仕方なのです。
摂取を増やすために世界中で行われています。脂肪酸やアミノ酸
食糧生産の減少と穀物供給の減少に見舞われた2008年はじめ
などの他の栄養素の強化は、製品に付加価値をつけ、売り上げ増
の食糧危機は、気象の変化と原油価格の高騰に伴い
(トウモロコ
加につなげるものとして普及してきています。さらに、より優れ
シやサトウキビ、パーム油由来の)
バイオ燃料の需要が高まった
た畜産飼育や家庭菜園の促進、植物性タンパク質のアミノ酸構成
ことが関係しています。結果として食糧価格は急激で記録的な高
改良、官能的側面
(風味、食感)
の向上により、タンパク質食品源
騰となりました。
が増えました。脂肪代用品と炭水化物
(未精製の穀物やカロリー
急激な経済成長を遂げている国々の増大する穀物需要に食糧
ゼロの炭水化物、脂肪代用品、砂糖代用品など)
が開発され、市
生産はついて行けず、食糧備蓄の減少と激しい価格変動を招き
販の食品に使用されて過体重や肥満、その他の食生活由来の慢性
ました。世界の穀物生産量は、2005年に3.6パーセント下落し
疾患のコントロールに役立てられています。消化器官の健康状態
ましたが、2006年にはそれまで穀物を自給できていた生産国で
を改善するとされるプレバイオティクスとプロバイオティクス
の干ばつにより、さらに悪化し6.9パーセント落ち込みました。
は、継続的な研究開発により、現在では下痢の改善や免疫力の改
-7-
栄養面における目標は、人々の参画による多面的な努
力を通じてのみ達成されるのであり、食糧・栄養に特化
した、またそれ以外のさまざまプログラムが必要となり
ます。成功を収めた国々からの教訓は、栄養上のウエ
ルビーイングを向上させるためのプログラムを立ち上げ
維持する中で、包括的なアプローチで課題に取り組む
必要があり、その効果が出るまでにはそれなりの時間
が必要である、ということです。
善にその効果が明らかとなっています。
による多面的な努力を通じてのみ達成されるのであり、食糧・栄
最後に、
食物と栄養分野の測定器具と測定技術の開発と革新は、
養に特化した、またそれ以外のさまざまなプログラムが必要とな
栄養素や他の機能性成分などの食物組成の分析の改善に貢献して
ります。成功を収めた国々からの教訓は、栄養上のウエルビーイ
います。WHOは食品の安全のためのさまざまな現場検査キット
ングを向上させるためのプログラムを立ち上げ、維持する中で、
の供給や品質保証システムの開発を行うとともに、より簡単な栄
包括的なアプローチで課題に取り組む必要があり、その効果が出
養評価とモニタリングのために新たな発育基準を導入しました。
るまでにはそれなりの時間が必要である、ということです。
これらのツールは、現状と今後の傾向の把握に重要な役割を果
栄養障害の予防や管理を成功させるためには以下の介入が鍵と
たすとともに、栄養障害対策のための政策やプログラムの効果測
なります:
定のための簡便なツールとしても有用である可能性があります。
•食糧生産の効率を高め、安全で栄養のある食糧供給を消費者と
流通業者に対して確保すること
世界的な栄養問題と人々の認識
•強化食品、流通、マーケティング、そして栄養障害になりがち
な貧困層が入手可能な状況を作ること
低栄養は以下の理由でよく知られています。
•
•栄養障害の危険性の高い集団あるいは危機的状況の人々のため
過去20年から30年で栄養に関する世界的な動きがあり大きく
の食糧と栄養補助食品(エネルギーやプロテイン、ビタミン、
報道されたこと
ミネラルなど)
•
•食糧危機に関する最近のマスコミ報道
•食糧の品質と安全性を確保するための食品法規と管理
•コミュニケーションと公共教育による食品と栄養の知識と行動
成功を収めた大規模プログラムが文書化されたこと
習慣の啓蒙
•「セーフティネット」など、社会的弱者のための支援と保護
•基本的な医療保健サービス - 妊婦や子どもへの保健サービス
残念ながら低栄養の減少と並行していくつかの
〝移行期〟
の国々
では、肥満と食生活由来の慢性疾患の問題が急激に増大していま
す。
これらの問題を予防し抑制するための食生活と運動の役割は、
(妊娠中のケア、発育観察と促進、免疫力の付与)と基本的な
よく知られ確立されています。しかしながら、研究によって得ら
医療
•水供給の改善と公衆衛生
•学校や職場、公共機関等での運動実施プログラム
れた知識をより大きな政策的認識に落とし込み、予防や抑制対策
を実施することは、これからの課題です。成功事例とその栄養、
運動への効果に基づく具体的なキャンペーンと、実行可能な市民
プログラムが緊急に必要とされています。これらの新たな問題の
戦略的な実行
認識をより広げることが重要であると同時に、ある地域ではいま
だに残る低栄養と、最近の食糧危機に関連して頻発する問題につ
すべての集団を対象とするためには、人々の参画による総合的
いても、改めて認識しなければなりません。このようにDBMの
な地域に根差したプログラムが重要です。タイやインドネシア、
予防、制御には栄養障害の両極の問題を考慮した戦略的な計画が
ベトナム、中国などでは大規模なプログラムが地域レベル
(地区
必要となるのです。
やそれ以下の区分)
で成功裏に行われています。肝心なのは、健
全な食糧供給と栄養改善の戦略策定、そして栄養を開発目標とし
て設定する、といった国家としての本腰を入れた取り組みなの
栄養障害の二重苦に取り組む政策とプログラム
です。ほとんどの途上国では社会基盤が十分ではないにせよ、現
人的資源と国の発展のために十分な栄養が重要であるにもかか
地の状況に合わせた既存資源の有効活用と組織化は、実行可能
わらず、政策決定の段階で栄養を提唱することは多くの途上国で
かつ効果的であることがわかっています。地域社会レベルでは、
困難な問題となっています。栄養面における目標は、人々の参画
DBM予防が必要なすべての人々が利用できる、基本的なサービ
-8-
1
持続可能な農業
農業生産性の向上には天然資
源の保護、農村地域の社会基
盤の充実、知識の獲得と普及
の能力強化が必要です。
2
食料か燃料か ?
トウモロコシやサトウキビ、
パーム油のような収穫物から
できるバイオ燃料への増大す
る需要は、2008年はじめの
食糧生産の削減と食糧価格の
急激な高騰の原因となりまし
た。
3
主食の食生活、不安定な供給
急激な経済成長を遂げている
国々の増大する穀物需要は食
糧生産の速さを上回り、食糧
備蓄の減少と価格変動の高騰
を招きました。
1,2
3
-9-
スや大量動員、共済や互助努力などの活動が必要です。成功する
疾病の予防や管理における重要な要素です。
ための鍵は、基本的な公共サービスの整備や共同所有、共同参画、
適切な対象人口、焦点を絞った介入とすべてのレベルにおける能
提携とパートナーシップ:公共部門と民間部門
力開発なのです。
農業生産性を向上させ飢餓を減少させるには持続可能な農業と
公共と民間のパートナーシップの目標はすべての人々が食糧と
農村地域の開発が必要です。主要な活動は、天然資源の開発と保
栄養を安心して入手できるようになることです。つまり、ライフ
護、農村地域の社会基盤の充実、知識の獲得と普及の能力強化、
サイクルすべての時点において栄養のウエルビーイングが実現
そして
「セーフティネット」
を通じて最貧困層が食料を確実に入手
できるように、人々が物理的にも経済的にも栄養のある安全な食
できるようにすることです。貧困層のための食糧の供給と入手の
料を入手でき、消費でき、利用ができるようになるということで
状況を向上させるための介入には、食糧生産や所得を増やすため
す。公共と民間のパートナーシップは対話から始まり、責任と信
の活動、そして最貧困層の家庭が十分な食料を直接入手し摂取で
頼を構築して、消費者の皆様にさまざまな種類の健康的な食品と
きるようにすることなどがあります。食と栄養の教育には、農業
メニューを製造しお届けしていくのです。
や食糧供給、
そして栄養面での優れた事例実践の推進などがあり、
このようなパートナーシップは、食や栄養の教育やコミュニ
農業や医療、教育サービス、他の開発システムを通じて実施され
ケーションの実施のための絶好の機会を提供します。事実に基づ
ます。フードチェーン、食品供給行程でのアプローチは、消費者
いた信頼ある栄養情報を提供して、活発で健康的な生活のために
と流通業者が安全で栄養価値の高い食料の供給を確実に受けるた
は健康的な食品を選び、よい食生活を送る必要があることを消費
め使われることがあります。この場合の介入は行程中のさまざま
者に理解していただくのです。栄養障害の二重苦に悩まされてい
な管理段階と項目で行われなければなりません。
る社会的弱者集団の中において栄養改善を目的とした協働プロ
効果的な食品管理システムには適切な食品法規と、食品管理体
ジェクトや活動は他にも多くのことが可能です。例えば、ビタミ
制が不可欠です。市場で流通する食品のモニタリングと食中毒発
ンAや鉄、その他の基本的な微量栄養素による食品の強化、学校
生に関する疫学上のデータを収集するために、検査と衛生試験
給食や運動プログラムの促進、そして労働者の収入の向上や環境
サービスが確立されなければなりません。すべての人々が十分な
保護に関連する農業と食糧生産における地域社会ベースのプロ
量と質の食料を入手できるようにするためには、
リスクに基づく、
ジェクトなどがあります。プロジェクトとプログラム立案と実施
「食は基本的権利」
とするアプローチも有効でしょう。
のさまざまな段階での能力開発は教育とトレーニングで強化され
DBMの予防と抑制のための食を基盤とする戦略・活動には、
ます。
「実地訓練」
はそのようなパートナーシップの主要な要素に
食糧保障や消費者のための安全で栄養のある食糧供給、および食
なり、
ひいては持続可能な成長へとつながっていくことでしょう。
品や食生活、栄養における消費者教育とコミュニケーションな
どがあります。微量栄養素欠乏の緩和のためには、補助食品、摂
食プログラム、強化食品など具体的で直接的な栄養介入が必要で
しょう。
栄養と感染症は緊密に関係しているため、基本的な健康管理と
保健医療サービスが、栄養プログラムを成功させるための重要な
要素です。目標設定と効果測定のために栄養指標を使うこともで
きます。他の基本的な公衆健康対策には、健康栄養教育や予防接
種、
清浄水の供給、
手洗い等基本的な衛生習慣、
必要に応じて駆虫、
マラリアの恐れのある地域でのベッド、ネットの殺虫処理、マラ
リアやその他一般的な疾病の治療があります。さらに、喫煙管理
や運動の推進、地域社会と世帯単位でのケアも食生活由来の慢性
-10-
報告書について
その基本的な事業活動を通じての地域開発への貢献について記載
注力分野
しています。
ネスレは、そのパフォーマンスと進捗をオープンに報告し、ネ
スレとそのステークホルダーにとって最も関連の深い事案を取り
報告書の範囲
上げた報告書の作成をお約束します。2005年の最初の共通価値
の創造報告書である
「ネスレの社会的責任に関する考え方:ラテ
この報告書内の記載事項は、特に明記がない場合は、2008年
ンアメリカでの実践2005」
の発行以降、ネスレは規則に従った
12月期のネスレの食品飲料事業を対象としています。内容は、
測定と報告方法を開発しており、関連する多くの分野への理解を
ビューロベリタスが検証しており、その保証報告書は65ページ
深めてきました。結果として、株主と社会の双方にとっての価値
に記載されています。
「共通価値の創造」
への取り組みの継続的な
の増大を左右する、3つの長期的な優先分野を特定しました:
改善の一環として、私たちは報告書の対象範囲拡大の可能性をさ
•
栄養:すべての収入レベルの消費者にとって、より栄養価値が高
らに探っていきます。
く、おいしく手に入れやすい価格の食品と飲料を開発すること
•
水資源:私たちの事業のための水利用を確保するとともに、特
他の事業部門に関する主要な業務指標の一覧は、2008年の
「マ
に基盤の脆弱な地域の人々が清浄な水を入手できるよう対策を
ネジメントレポート」
、またはwww.nestle.com/csvでご覧い
講じ、状況を改善すること
ただけます。
•農業・地域開発:新興国のサプライヤーや消費者に近い場所で
事業投資を行い、市場での地位を確立すると同時に、地域社会
主な課題
全体の生活水準を改善すること
報告書全般にわたって、外部のステークホルダーからのフィー
ドバックに応え、読む方にとって関心のある事案、栄養を通して
の
「共通価値の創造」
におけるジレンマと課題を明らかにしていま
ネスレの報告書
す。
私たちは2年に一度、包括的な
「共通価値の創造」
報告書を発行
する予定です。それ以外の年は2008年のこの報告書を始まりと
国連グローバル・コンパクトとミレニアム開発目標
して、先に述べた3つの注力分野のそれぞれをさらに深く掘り下
げた報告を行います。この冊子はそのうちの最初の
「栄養」
を取り
ネスレの経営に関する諸原則には、人権、労働、環境、腐敗防
上げており、競合製品よりも優れた栄養価値を持ち、消費者のウ
止という国連グローバル・コンパクトの10原則が含まれていま
エルビーイングとネスレの財務実績の両方に貢献できる製品へ
す。ネスレはまた、有益で持続可能な変化を目指すミレニアム開
のネスレの取り組みについて述べています。環境マネジメント
発目標に貢献しています。
と職場での安全衛生を含む、2008年の他の
「共通価値の創造」
の
この報告書では、国連グローバル・コンパクトに対する進捗を
実績は2008年の
「マネジメントレポート」
とウェブサイト
(www.
具体的に言及することはしていませんが、全般にわたって、人権
nestle.com/csv)
にまとめられています。
に関する原則に関連する活動例があります。主として、
WHOコー
ドの順守
(40ページ)
や
「途上国での栄養の改善」
項
(55ページよ
り)
で紹介しています。
「職場での栄養の知識を高める」
(49ペー
報告書の内容
ジ)
は、労働原則に関連しています。
最初に、私たちの取り組みの中で科学が果たす役割を検証しま
国連ミレニアム開発目標の中で最も関連があるのは、ゴール1
した。
(極度の貧困の撲滅)
です。この報告書の随所で言及していますが、
次に、製品を通じてどのように食の質を改善するのか、ウエイ
「途上国での栄養の改善」
項
(55ページより)
に明確に記されてい
トマネジメントの支援と特別な食のニーズを持つ特定の消費者層
ます。妊産婦の健康と乳幼児死亡率に関する国連ミレニアム開発
への対応を考察しています。また、栄養とネスレ製品の便益に対
目標に関わる事例は、35ページからの
「特定の栄養ニーズを必要
する知識、認知、そして理解の向上のために、消費者、社員、そ
とする人々の要望に応える」
の項に記載されています。
してさらに広い対象にどのように伝えていくかの概要を述べてい
国連グローバル・コンパクトおよび国連ミレニアム開発目標
ます。最後に、手ごろな価格で栄養価値ある食品を手にするとい
すべてに対する事例や進捗をさらに包括的にご覧いただくには、
う消費者の最も基本的なニーズにどのように応えていくか、また
2008年のネスレ
「マネジメントレポート」
をご参照ください。
-11-
科学に基づいた
栄養ニーズへの対処
(14-20 ページ)
ネスレは、私的機関としては世界最大
の栄養研究能力を有しており、栄養科
学における世界的なリーダーです。2008
年には、約19 億 8,000万スイスフラン
(約1,900 億円)
を、当時26カ所の食品
飲料の研究、技術および開発の拠点や、
外部の広範囲にわたる協力ネットワーク
に投資しました。特に、上海の既存のR
&Dセンター、そして北京の新R&Dセン
ターへの投資によって、中国での事業展
開を拡大しています。2008 年10月に開
設したこの新しいセンターが本格稼動す
れば、中国におけるネスレの研究者や
技術者は100 名以上となり、伝統的な
中国の食材や、それらがネスレ製品に与
える健康効果の可能性のより踏み込ん
だ研究が可能となるでしょう。
食品と食生活の質を改善する
(21-27ページ)
肥満予防とウエイトマネジメント
(28-34 ページ)
ネスレはその製品を通じて、人々の食生
活と健康の質の向上のために大きな役
割を果たすことを目指しています。その一
環として、味と栄養的価値、食品の安
全を維持しながら、製品に含まれる砂糖
と塩、脂肪の低減に取り組んでいます。
一例をあげると、2003 年1月から2007
年12 月までの間に、私たちの製品に含
まれる砂糖を29万トンも削減しました。
ネスレはまた、健康に有用な鉄やビタミ
ン、ミネラルを始めとする微量栄養素の
食品への強化においても、世界最大の
企業です。途上国における微量栄養素
欠乏の広がりに対処するため、ネスレは
「ニド」
ブランドの乳製品を買いやすい
フォーマットに変更し、各マーケットでもっ
とも不足しがちな微量栄養素を強化した
製品改良をしています。2011年末までに
は、世界中で1,100万人の消費者に行き
渡るものと見込んでいます。
-12-
肥満予防とウエイトマネジメントに対する
ネスレの多面的な取り組みの一つに、米
国での
「ストーファーズ リーンクイジン」
のような有力なブランドの開発がありま
す。一食分のポーションコントロールと
カロリー摂取上限に基づき、
「リーンクイ
ジン」
の冷凍食品とスナック類は、米国
の消費者により多くの野菜をお届けしま
した。ネスレウォーターズは、高カロリー
飲料の代わりとして、便利で安全な容器
でカロリーゼロもしくは低カロリーの飲
料をお届けすることを目指しています。
北米とオーストラリアでは
「ジェニークレイ
グ減量システム」
がカウンセリングとカロ
リー制限された食事を通じて減量したい
人々を支援しています。
特定の栄養ニーズを必要とする
人々の要望に応える
(35-43 ページ)
ネスレは特定の栄養ニーズを必要とする
人々へ栄養面のソリューションをお届け
する事業におけるリーダー企業です。ネ
スレニュートリションは100カ国以上で、
健やかな成長と発育に欠かせない、栄
養豊かなベビーフードとシリアル製品を
作っています。ネスレは乳児にとって母
乳が最良のものであることを支持してい
ます。しかしながら母乳を与えることがで
きない母親のために、ネスレは牛の全乳
や、でんぷんと水などの一般的に使われ
ている母乳代用品に取って代わる最高品
質の乳児用調製粉乳を作っているので
す。
ネスレニュートリションはまた、
アスリー
ト向けのパフォーマンスニュートリション
製品や、特定の病状にある人々のため
の製品を作っています。ヘルスケアニュー
トリションもまた重要な事業であり、5 割
の人が低栄養状態という 介護施設入
所者および病院患者のニーズに応えてい
ます。
栄養についての認識、知識、
理解の向上
(44-54 ページ)
ネスレは、消費者の方々が食生活とライ
フスタイルにおいて賢い選択ができるよ
う支援します。広範囲に及ぶコミュニティ
教育と指導プログラムを通じて、世界で
910万人の消費者の方々が栄養、健全
な食生活、運動の重要性をより良く理解
できるようサポートしています。健康な子
どもの育成には早期の栄養指導が大切
なため、学校という場を重要視していま
す。
-13-
途上国での栄養の改善
(55-63 ページ)
微量栄養素の食品への強化において世
界最大の企業であることに加え、ネスレ
は、
「手の届く価格帯の製品群」
を通じて
収入ピラミッドの底辺の消費者層に製品
を届けるという事業戦略を展開していま
す。それらの製品群は、多くの場合は戸
別配送システムを通じて、低価格で優
れた栄養価値を消費者に提供していま
す。ネスレの広範囲に及ぶ地域開発へ
の関与は、農家の方々や社員、そしてネ
スレのバリューチェーンにかかわるサプラ
イヤーの方々の栄養面に大きな影響を与
え、また、入手できる栄養価値ある食品
の供給が増えるという点において消費者
も影響を受けるのです。
14
21
28
35
44
55
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
食品と食生活の質を改善する
肥満予防とウエイトマネジメント
特定の栄養ニーズを必要とする人々の要望に応える
栄養についての認識、知識、理解の向上
途上国での栄養の改善
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
栄養の必要性
健康に好ましい効果があり栄養価値
のある高品質な食品と飲料
ネスレの対応
共通価値の創造
食品と飲料における栄養面での進
消費者にとっての健康とウエルネス
歩、健康とウエルネスをもたらす上で
便益が確認された高い栄養価値と品質
の栄養の役割、そしてダイナミックな
の製品は、ネスレにとってはマーケッ
新製品開発や既存製品刷新プログラム
トシェアの拡大をもたらし、株主に
に焦点をあてた広範囲の研究開発能力
とってはより大きな財務リターンをも
たらしました。
明確なリーダー
ローザンヌの
「ネ
スレ・リサーチ・
センター」は私的
機関としては世界
最大の栄養研究
ネットワークの一
環です。
(15ページ
参照)
-14-
研究開発分野におけるリーダーシップ
19億8,000万スイスフラン(約1,900億円)
ネスレの研究投資の総額
“
「ネスレ・リサーチ・センター」の主たる責任分野の一
科学における基盤
つは、将来の栄養ニーズと食品を予測することです。
ネスレの142年の歴史は、子どもの命を救った乳幼児用シリ
食品は発展を続け、ますますそれぞれの個人に合わせた
アルという科学に基づいた革新的な製品で始まりました。
ものになっていきます。ネスレはすべての年代の消費者
それ以来、ネスレは乳幼児から高齢者まで、健康状態が頂点の
の現在と将来のニーズに応えるために、研究を行なって
人から虚弱あるいは病気の人に至るまで、すべての消費者のため
います。
”
に栄養・健康・ウエルネス上の利点を持つ食品と飲料を開発して
まいりました。
約5,000人の社員で構成される私的機関としては世界最大の
栄養研究開発組織を基盤として、消費者ニーズに対応し、新たな
栄養・健康・ウエルネスのソリューションをお届けしています。
私たちはまた科学者向けの栄養情報の最大の出版者であり、外部
とのパートナーシップの形成によって、研究開発と科学分野への
最大限の露出が可能となっています。
2008年、ネスレは19億8,000万スイスフラン
(約1,900億円)
ピーター・バン ブラーデレン教授
を研究に投資しました。この投資額は食品業界では最大であり、
ネスレサイエンス&リサーチ
(
「ネスレ・リサーチ・センター」
および
その広範な産学連携ネットワーク)
の代表
過去10年で2倍となっています。
www.nestle.com/csv/stories でインタビューの全内容がご覧
になれます。
世界的なR&Dネットワーク
ネスレは世界26カ所の研究、技術および開発の拠点からなる
専門知識の連携
ネットワークを持っており、その網羅する範囲の広範さは際立っ
「品質と安全」
「
、栄養」
「
、官能的嗜好」
「
、食品科学」
「
、原料と成分」
ています。
の5分野からなる私たちの世界的専門家ネットワークにより、ネ
「ネスレ・リサーチ・センター(NRC)
」
は食品と栄養、健康、
品質、安全研究を行っている私的機関としては世界最大の機関の
スレの研究成果は事業分野を超えて容易に解釈、比較され、迅速
一つであり、そこでの研究は
「プロダクト・テクノロジーセンター
に製品開発に反映されます。
(PTC)」
を通じて新製品と製造工程に落とし込まれます。 各PTC
スイスの
「ビジネス・テクノロジー・センター」
は、また事業の
はそれぞれ固有の製品カテゴリーに特化した専門知識を提供して
あらゆる面でのビジネスシステムを一元化することによって、ネ
います。
「R&Dセンター」
はNRCとPTCと密に連携し、その地域
スレの研究開発を支援しています。
のニーズに対応し、現地の
「応用開発グループ」
に対してサービス
を提供しています。
1999 年から 2008 年までのネスレの研究投資額
この世界的なネットワークは基礎研究から製品への応用まで、
(10 億スイスフラン)
一連の研究機関とサプライヤー企業への投資を通じて、研究開発
2.0
のそれぞれの段階におけるプロセスを迅速化させる
「オープンイ
ノベーション」
によって強化されています。
1.5
また、ネスレ研究プログラムの成果を現地市場に特有の消費者
1.0
ニーズと嗜好に確実に合わせられるよう、世界各地に280の
「応
用開発グループ」
があります。
0.5
www.nestle.com/nestleresearch で詳細がご覧になれます。
0
0.90
1.04
1.16
1.21
1999 2000 2001 2002
-15-
1.73
1.88
1.98
2003 2004 2005 2006
1.21
1.43
1.50
2007
2008
1
研究重視の文化
プロバイオティクスはネスレにとって重要な
研究分野です。プロバイオティクス研究にお
ける 25 年以上の経験を持つネスレの科学者た
ちは新しく画期的な製品応用のパイオニアで
あり続けています。
1
2
知識の活用の推進
総合的なアプローチを通じてネスレの研究は
栄養と代謝、健康の橋渡しをします。科学者
たちは、体重管理とエネルギーの代謝調節、
そしてパフォーマンスにおける諸問題を理解
する一助として臨床試験を活用しています。
3 細部に焦点をあてて
食品の微細構造を調べ、食感と栄養の双方の
質を向上させるために、デジタルイメージン
グシステムを有する電子顕微鏡を活用してい
ます。
2
3
-16-
将来の研究に向けた育成
7億4,200万スイスフラン(約700億円)
新しい栄養関連の事業にベンチャー資金を通じて投入
一元化されたビジネスシステムは、共通の定義とツールを必要
現地インサイト
によってはマーケットに適応させ、リアルタイムのベンチマーキ
ング、明確な責任、効果的な判断、ベストプラクティスの再現能
私たちは、それぞれの市場に近い場所に製造設備を持ち、しっ
力を、ビジネス全般にわたって提供してくれます。
かりと現地に根付いています。 そのため、現地の栄養ニーズに
適切に対応したり、私たちの製品を現地の嗜好に合わせたりする
栄養を好まれる選択肢にするために
上で有利な立場にあります。
中国で販売されているネスレ製品の98パーセント以上が現地
私たちが毎日販売している10億個以上の食品や飲料は、健康と
でつくられています。多くの学術機関と協力し、二つの
「R&Dセ
よりよい栄養を求める消費者の変化する嗜好に応えるために、そし
ンター」
に1億元
(2100万スイスフラン ‒ 約20億円)
を投資す
て忙しい毎日の生活スタイルに合わせたり、味わいの楽しみへの期
ることにより、中国において長期にわたり事業を行っていく体制
待を満足させるためにも進化していく必要があります。私たちの活
を強化しました。一つは上海にある既存のセンター、もう一つは
動が消費者を中心に据えたものであることは、
「共通価値の創造」
に
2008年10月に北京に開設しました。 ネスレは中国における、
とってきわめて重要です。態度や習慣から人口動態、社会経済に至
基礎研究と製品開発の双方を網羅する大規模な
「R&Dセンター」
るまで、多くの要素が現在の消費者選択に影響を与えています。こ
を持った最初の欧米系食品飲料企業です。北京の新R&Dセン
れが、ネスレが自らの理解を深めるためとその情報を意味ある消費
ターは、将来的には100名以上の社員を雇用する予定です。こ
者志向のソリューションに落とし込むために、世界規模の消費者イ
こでの研究により、ネスレは伝統的な中国の原材料に関する知識
ンサイトプログラムに投資する理由です。
を強化することができ、これはまた西洋風の製品にも恩恵を及ぼ
ネスレは健康的な食生活は長続きする楽しいものであるべきと考
すことになるはずです。
えていますが、ひとつの製品に、おいしさと栄養を両立させること
開かれたイノベーションの文化
は必ずしも容易ではありません。とはいえ、革新と再活性化に継続
的な投資を行い、ネスレ独自の
「60/40+(シックスティー・フォー
ティー・プラス)
」
の試験プロセスを用いることで、私たちの製品の
伝統的にネスレが成功させた革新的新製品のほとんどは自身の
おいしさと栄養的価値の両方を向上させることができるのです。こ
研究開発のネットワークの中から、特にネスレ内での異なった分
のプログラムにはふたつの目的があります。
野間の交流により生まれています。当初は乳児用調整粉乳に使用
されていたプロバイオティクスは、現在では成長期の子どもや大
•主要な競合製品と比べて目隠し味見テストで少なくとも6割の
人のための乳製品にも応用されています。またニュートリゲノミ
消費者がネスレ製品を支持すること
クス
(栄養と遺伝子との分子レベルでの関係がもたらす健康への
•世界的に良く知られた健康関連機関により推奨される基準や、
効果)
の研究成果として、変形性関節症の犬のための
「ピュリナ」
食生活における特定の製品の役割、および現地の公衆健康上の
獣医用製品があります。
優先項目に基づく栄養面での
「プラス」
の要素をもたらすこと
近年、私たちは技術主導の農産品基盤の事業から、科学主導の
栄養・健康・ウエルネス企業へと転換を進めてきました。 科学
私たちがどのように栄養的「プラス」
を決定しているかについて
の発展は加速し、かつ深化しており、一企業が、関連する科学の
は、24ページの
「栄養プロファイリング」
の項をご参照ください。
すべての分野をモニターすること、あるいは企業内で意味のある
このプログラムは、私たちのすべての食品飲料カテゴリーに適
規模の専門的な科学知識の集積を図ることは不可能です。そのた
用されていますが、新製品とベストセラー製品に集中することで
め、私たちはより大きな、より優れた、より迅速なイノベーショ
その効果を最大化します。このプログラム4年目の2008年だけ
ンとその実用化を目指して、社外のパートナーとの協力の道を選
でも、売り上げベースで136億スイスフラン
(約1兆2,700億円)
びました。
に及ぶ製品が、全面的に分析され、改良され、あるいはおいしさ
2006年末、ネスレは研究過程を加速させるために
「オープン
と栄養の再確認が行なわれました。
これは食品飲料業界において、
イノベーション」
モデルを採用しました。イノベーションの源泉
これまでで最大規模の栄養的な製品改良プログラムとなります。
としては大学や学会、独立した研究機関、小規模な新興企業、バ
イオテクノロジー企業、その他サプライヤーなどを想定していま
す。
-17-
ベンチャー基金
「ネスレ・グロース・ファンド」
を通じて、健康とウエルビーイ
ング、栄養における有望な新事業のために7億4,200万スイス
フラン(約700億円)
の拠出を確約しています。新規事業や若い
事業を成長させ、富を創造し、願わくば、これまでにない革新的
な製品や製法を開発することに力を貸すことで、私たちの競争上
の優位性を強化し、私たち自身の、科学に基づく栄養における研
究開発能力を補完したいと考えています。
ネスレ食品飲料事業の研究拠点
南北アメリカ
■プロダクト・テクノロジー・センター (PTC)
米国オハイオ州メアリズビル ;
米国ミズーリ州セントジョセフ ;
米国ミズーリ州セントルイス
● R&D センター
米国ミシガン州フレモント *;
米国ミネソタ州ミネアポリス ;
メキシコ・ケレタロ
米国オハイオ州ソロン
*2009 年 1 月以降フレモントは PTC として活動
欧州・中東
▲ネスレ・リサーチ・センター
スイス・ローザンヌ
■プロダクト・テクノロジー・センター
フランス・ボーベー
スイス・コノルフィンゲン
フランス・リジュー
スイス・オーブ
ドイツ・シンゲン
フランス・ヴィッテル
英国・ヨーク
●R&Dセンター
フランス・アミアン
スイス・オーブ
ポーランド・ジェシュフ
イタリア・サンセポルクロ
イスラエル・スデロ
フランス・トゥール
英国・ウェリン
1
1
味覚テスト
「ネスレ・リサーチ・センター」では消費者がネ
スレの
「60/40+」
プログラムに参加しています。
-18-
アジア・オセアニア
● R&D センター
中国・北京
オーストラリア・ルーサーグレン
中国・上海
シンガポール・シンガポール
ネスレの全 R&D 施設と専門分野の
全リストにつきましては
www.nestle.com/ nestleresearch
でご覧になれます。
社外協力
300
大学や研究機関との協力契約件数
科学研究の成果を実践に
ネスレ国際栄養シンポジウム
発明を製品や事業に落とし込むというイノベーションには、
2004年以降、
毎年、
ネスレ国際栄養シンポジウム
(NINS)
がロー
マーケティング、製造、サプライチェーン、販売などの他部門と、
ザンヌの
「ネスレ・リサーチ・センター」
で開催されています。ノー
研究開発部門の連携が必要となります。食品法規の部門が、いか
ベル賞受賞者をはじめ、650名以上の国際的な専門家が栄養と
なる新しい製品や製法もすべての衛生、安全規格、さらには文化
健康の課題を発表し、議論し、将来の研究の方向性を見出すとい
的宗教的規範をも順守しているか、開発に先立ち、確認しておく
う目的のもとに集まるのです。2008年10月の第5回シンポジ
ことも重要です。特に、ネスレの科学者たちは、研究所における
ウムでは
「栄養と身体パフォーマンス」
のテーマのもと、早期の介
新たな科学の知見と、消費者の嗜好やニーズ、要望の双方を、将
入から、ピークパフォーマンス、そして健康的な加齢が考察の対
来の消費者便益をもたらすであろう研究プログラムに落とし込む
象となりました。また国際栄養シンポジウムが初めて北京で開催
という、二方向からのアプローチで栄養の課題に取り組んでいま
されました。2008年10月のオープニングの会合では現代中国
す。
の栄養に関する課題が議題の中心となりました。
栄養、食品、生命科学の分野での課題のひとつは、複雑な食品
原材料の中の有効成分を特定し、特定の健康便益のためにどのよ
www.nestle.com/nestleresearch で詳細がご覧になれます。
うにそれらを利用するかを決定することです。ひとつの方法をす
べてに適用することは不可能です。それぞれの製品にあった、科
ネスレ栄養科学会議:ネスレの栄養戦略の指針
学の
「プッシュ」
と市場の
「プル」
のバランスがあるのです。食品や
調味料においては、
消費者の感覚的、
主観的な要望がイノベーショ
1978年に設立された
「ネスレ・ニュートリション・カウンシ
ンの牽引力となり、それは地域により異なることも少なくありま
ル」
(NNC)
は、社外の、独立した国際的に著名な栄養科学者で構
せん。その一方で乳児用調整粉乳、あるいは医療用栄養食品など
成され、現在の、また今後問題となる栄養に関わる課題を検証し、
の分野においては、生理学的および代謝のニーズはより普遍的で
ネスレの方針と長期栄養戦略への影響についてシニアマネジメン
あり、科学に基づくソリューションで解決されています。
トに助言し、将来のイノベーションのためにきわめて重要な役割
を果たしています。
この10年で、NNCは糖尿病や小児肥満のような問題を検証
社外パートナーとの協力
してきました。そして食品に含まれるトランス脂肪酸や塩、砂糖
の低減、鉄分や他の栄養素の強化についてのネスレの方針策定に
およそ300の大学や研究機関との契約を通してネスレは、協
関与しました。
力先と長期的にプロジェクト開発と実施のリスクを共有します。
「ネスレ・リサーチ・センター」
が共同研究を行っている相手先に
は、
「ブロード・インスティテュート・オブ・MIT・アンド・ハーバー
ド
(マサチューセッツ工科大学およびハーバード大学の研究所)
」
、
「インペリアル・カレッジ・ロンドン」
「
、パリ・デカルト・ユニバー
シティー」
などがあります。また多くの博士課程終了後の研究者
や博士課程の学生、
研修生や実習生に毎年資金援助をしています。
また、ネスレは栄養分野で三つの講座のスポンサーでもありま
す。そのうち二つは、スイス連邦工科大学 ローザンヌ校
(EPFL)
におけるものであり、栄養と脳の発達の関係において、世界を
リードする研究プログラムを形成しています。三つ目はメキシコ
の国立ゲノム医薬研究所においてのニュートリゲノミクスに関わ
るもので、肥満や糖尿病のような栄養関連の症状を引き起こす栄
養ニーズや、体質に遺伝子がどのように影響するのかを研究して
います。
-19-
“北京で行われる研究には、栄養と食品科学におけるネ
スレの世界的な研究開発プログラムへの大きな貢献が期
待されています。従って本日のオープニングは、ネスレ
の研究開発のみならず中国と世界中の消費者にとって記
念すべきことなのです。
”
ワーナー・J・バウワー
2008年10月北京でネスレの新R&Dセンターのオープニングで語る
イノベーション・テクノロジー・R&D部門最高技術責任者兼
エグゼクティブ・バイス・プレジデント
www.nestle.com/csv/stories でスピーチの全内容がご覧にな
れます。
1,2
3
1
新R&Dセンター、北京
中国でのネスレの二つめの研究施設である北京
の新R&Dセンターの開設で中国政府および北
京市要人と。
2
地元の専門家を育成
北京のハイテク環境保護公園に位置する新しい
R&Dセンターはその地域における製品開発と食
品の安全と品質のためのネスレの拠点としての
役割を果たします。
3
北京のR&D センターの
パイロットプラントの科学者
2009年、中国を基盤とする100名以上のネスレ
リサーチ社員は、高品質の食品に対する中国内
での増大する需要に応えるための、ネスレの大
きな戦力となります。
-20-
14
21
28
35
44
55
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
食品と食生活の質を改善する
肥満予防とウエイトマネジメント
特定の栄養ニーズを必要とする人々の要望に応える
栄養についての認識、知識、理解の向上
途上国での栄養の改善
食品と食生活の質を改善する
栄養の必要性
ネスレの対応
共通価値の創造
積極的に健康を維持し、バランスの
製品の組成変更や栄養強化によりす
社会問題化している、摂取量を減ら
取れた食生活に貢献し、健康なライフ
べての製品カテゴリーの栄養プロファ
すべき要素が少なく、ビタミン・ミネ
スタイルを補完するための食品。
イルを改善、また食生活の多様化やバ
ラル・その他の栄養素を強化した製品
ランス、適量の摂取を推進。
から消費者が受ける恩恵。ネスレの研
究所によって開発された、臨床的に証
明済みの恩恵。これらは人々の健康を
改善するよう工夫されており、その結
果として、株主には持続可能な価値を
もたらし、ネスレにはいっそうの事業
の成長と市場の拡大をもたらします。
究極を目指して
ドイツにあるシンゲン
「プロダクト・テクノ
ロジー・センター」の
シェフたちがブロッコ
リースープを開発し
ています。これは
「マ
ギー」の市販品として
同様のものを開発する
際の究極の指標
(ベン
チマーク)となるもの
です。
-21-
微量栄養素の欠乏を克服するために
190億個
毎年アフリカ中部および西部で販売されているヨウ素を強化した
「マギー」
ブイヨンキューブの数
•薬剤の補給:ビタミン剤や注射などによる短期的で緊急の処置
微量栄養素の必要量を満たす
です。
•栄養素の強化:食品摂取のパターンを急激に変えることなく多
微量栄養素欠乏症の増加
くの人々に栄養を届けられる長期的な解決法です。
驚かれるかもしれませんが、微量栄養素の欠乏は途上国のみなら
ず先進国においても広がっています。すべての年齢層に影響を及ぼす
栄養素の強化によって局地的欠乏に取り組む
恐れがあり、特に幼児や出産年齢にある女性が最も危険にさらされ
ています。世界的に最も欠乏している三つの微量栄養素は鉄分
製品全般の栄養基盤を改善するため、ネスレは過剰摂取が健康に
、ヨウ素
(19億人に影響)
、ビタミンA
(2億5,000万
(20億人に影響)
悪い影響を与える栄養素の量を減らし、健康維持のために必要な食
人の就学前の児童に影響)
です。亜鉛、カルシウム、ビタミンDの不
品成分や栄養素を加えています。しかしながら、これは対象となる
足もまた世界的疾病負担を押し上げる大きな一因となっていますが、
消費者によって日常的に消費されている食品について、こうした強
これらの栄養不足の規模や影響を数値化することは難しいのです。
化が適切である場合にのみこれを行ないます。多くの場合その地域
の保健機関と協力して、どの食品を強化するのがよいか、どのよう
な強化が必要かを決めています。
微量栄養素の不足が健康にもたらす影響
鉄分
ビタミン A
貧血/認知および身体能力、持久力への障害
人体が主要な微量栄養素を吸収し利用する能力
(生体利用効率)
を
/感染症への抵抗力の低下/母子死亡の危険
高めるための研究を徹底的に行なった結果、対象となる消費者にとっ
の増加
てそれらの微量栄養素の栄養効果を最大限に高めることが可能にな
深刻な視力障害/子どもの失明/特に下痢や麻
りました。新興国では消費者の皆さまに安全で栄養を強化したミル
疹などからの深刻な疾病や死亡の危険の増加
クを、買い求めやすい価格で、どこでも入手できる形でご提供して
甲状腺機能障害、甲状腺機能低下症、甲状腺腫
ヨウ素
います。例えば
「ニド エッセンシア」
はスイスにある
「ネスレ・リサー
/神経発達および機能に対する不可逆的障害/
チ・センター」
とコノルフィンゲン
「プロダクト・テクノロジー・セン
生殖能力の低下/周産期および乳児死亡の増加
亜鉛
カルシウム
ビタミン D
ター」
により、各地の保健機関によって提供された欠乏データに基い
皮膚炎/子どもの成長障害/下痢/精神障害
/反復性感染症
て開発されました。小売価格1サービングわずか0.3スイスフラン
(約
骨ミネラル量・骨密度の低下/骨粗しょう症
28円)
のこの製品は、ギニアを始めとしたアフリカ西部の人々の食生
の危険の増加
活に1サービング0.7mgの鉄分と10.4mgのビタミンCを供給する
子どものくる病の危険の増加/大人の骨軟化
ことを目指したものです。消費者の高いブランド認知率はまた多く
症の危険の増加
の
「ニド」
販売店にも収入増加の機会をもたらしています。
低所得者層の消費者向けのネスレ乳製品の微量栄養素強化につい
微量栄養素の欠乏は人の健康にさまざまな悪影響を与えます。
てのさらに詳しい説明は56ページをご覧ください。
その影響は、臨床的にすべて明らかなわけではありません
(表参
主な課題
照)
が、世界の疾病率の7パーセント以上を占めると見られてい
ます。世界保健機関によると、年間約80万人の死亡
(年間総数
栄養バランスの欠如を特定する
の1.5パーセント)
が鉄分不足に、またそのほぼ同数の死亡がビ
国が異なれば欠乏する栄養素の種類や度合いも違いますが、消費
タミンA不足に起因するということです。たとえ軽度の欠乏で
者はいくつかの大切なビタミンやミネラルが欠乏しているかもしれ
あっても公衆衛生、生産性、そして経済発展に深刻な影響を与え
ないことに気がついていないことが多いのです。ですからまず大切
ます。
なことは、低所得者市場における特定の消費者グループの栄養のア
ンバランスさの実態をつかむことです。それによって、正しい栄養
微量栄養素の欠乏に取り組むには三つの主要なアプローチがあります。
の恩恵が対象とすべき人々に的確な方法で届くでしょう。これは多
くの場合、現地の保健機関の協力を必要とします。私たちはまた新
•すべての栄養素が十分に含まれるバランスの取れた食事をとる
興市場の消費者がどれくらい自身に必要な栄養を把握しているかを
ようにすること:残念ながら、これをすべての国や地域で達成
理解するのに役立つ簡単なツールキットを作りました。
することは非常に困難です。なぜなら十分な食料と適切な食習
慣を誰もが手に入れることができるわけではないからです。
-22-
1-3
栄養素強化の基礎
途上国において児童の身体的・精神的発達に
深刻な障害を与えるヨウ素不足に取り組むた
め、ネスレの
「マギー」ブイヨンキューブはヨ
ウ素を強化した塩を使用して作られています。
ネスレは 2008 年にヨウ素を強化したブイヨン
を10万トン以上販売しましたが、これは世界
のヨウ素強化食品として最大のものです。これ
にはヨウ素不足が顕著なアフリカ中部およ
び 西 部 で 販 売 さ れ た 190 億 個 の
「 マ ギ ー」の
キューブが含まれています。
1,2
3
-23-
科学に基づいた栄養
50億スイスフラン(約4,700億円)
「ブランディド・アクティブ・ベネフィット」
を持った製品の売上高
の拡大をもたらします。2008年、BABsを含む製品は、前年比
主な課題
21パーセント増となる50億スイスフラン
(約4,700億円)
の売
安全で効果的な栄養の強化
上を達成しました。
厳しい品質管理手順の課せられている食の安全ですが、私たち
栄養バランスのニーズに応える
の一番の懸念は特にビタミンAとDに関するものです。これらは
一日の摂取必要量と安全な摂取の上限量の差が比較的小さいので
食生活のバランスと適量の食事摂取
す。製品に加えられるいかなる成分も吸収が容易でなくてはなり
ませんし、また含まれる食品の味や匂いや見た目に影響を与える
すべての食品・飲料はライフステージ、ライフスタイル、摂取
ものであってはなりません。
の時間次第では良い効果をもたらしますが、栄養の必要量は、国
しかしながら、味と栄養価のバランスの背景にある科学は複雑
の食事摂取基準に沿って、食生活のバランスと適量の食物摂取を
なものです。鉄分は多くの製品において味を損ねることなく加え
組み合わせて考えるべきだとネスレは確信しています。健康でバ
ることが特に難しい成分です。食品において、望ましくない反応
ランスの取れた食生活に不可欠なこの2点は栄養欠乏を防ぎ過度
を引き起こす触媒となってしまうからです。ですから、製品に鉄
の摂取を避けるのに役立ちます。私たちはまたブランドの価値、
分を加えることによって得られるいかなる栄養面での価値も、食
地域社会での教育、アウェアネス・イニシアチブ
(47ページ参
品の安全を損ねてはなりませんし、味などすべてに対して注意深
照)
を通して適度な運動をするよう推進しています。
く検討する必要があります。
「ネスレ・リサーチ・センター」
は大学病院と協力して、幼児の
栄養プロファイリング
鉄分不足のリスクを減らすためにはどのように鉄分を子ども用シ
リアルに加えれば一番良いかについて各種の研究を行ないまし
ネスレは世界中で幅広い種類の製品を生産し販売しているた
た。安全性が証明され、味や色への影響が極めて小さい鉄分であ
め、それらのさまざまな栄養プロファイルを分析するための厳し
るフマル酸第一鉄が大変吸収されやすいことがわかりました。そ
いシステムが必要です。今のところ世界共通の栄養プロファイリ
の結果、ネスレ子ども用シリアルは、現在では可能な限り、フマ
ングシステムがないため、ネスレはそれを独自に開発しました。
ル酸第一鉄で強化されています。しかし、例えばバナナのような
すべての食品または飲料がタイプごとに独自の基準によって
果物を含むいくつかの製品はフマル酸第一鉄が加えられると色が
チェックされます。これらの基準は、世界保健機関と米国医学研
変わってしまいますので、別の鉄分で強化されています。
究所によって発行される公衆衛生勧告に沿って定期的に更新され
ています。これらは次のものに基づいています。
「ブランディド・アクティブ・ベネフィット」
を
通しての健康増進
•バランスの取れた健康な食生活におけるその製品カテゴリーの
果たす役割
•社会問題化している、摂取量を減らすべき栄養素、例えばカロ
ネスレはまた
「ブランディド・アクティブ・ベネフィット
(BABs)
」
を持った多様な製品を消費者の皆さまにご用意しています。これら
リー、ナトリウム、糖分など。そして有益な栄養側面、例えば
の生理活性成分は私たちの主要な食品飲料製品に加えられており、
食物繊維の添加など。
•摂取が過度となる可能性があるものの上限量(例:ビスケット
製品が本来持っている味や自然な栄養素の含有量を超えて、科学的
に証明された補完的な健康便益をご提供しています。
の脂肪含有量)
または栄養素が不十分になりがちなものの下限
これまでに15種類のBABsが開発され、消化を助けたり、免
量
(例:カルシウム)
•ライフステージ、ライフスタイル、調理方法、摂取方法を考慮
疫を高めたり、体重管理を補助したり、心身の発達を高めたり、
健康的に年を重ねるための補助に、何百もの製品で使用されてい
に入れたサービングサイズ
ます。その例として、
「ニド」
に含まれ骨や歯を強くする
「カルシエ
ヌ」
、乳製品やヘルスケアニュートリション製品に含まれ消化を
この栄養プロファイリング基準を満たすことによって、製品は
助ける
「プレビオ-ワン」
などがあげられます。
「ネスレの栄養基盤」
を満たしたと判断され、日常的に摂取されて
BABsはネスレに競争力を生むだけではなく、付加価値と利益
も、ほとんどすべての人にとってバランスの取れた食生活におけ
-24-
る適切な選択肢になると見なされるのです。逆にこれに達しない
「ネスレ栄養プロファイリングシステム」
の基準はすべてのネス
製品は、もし頻繁に摂取されるのであれば、他の選択肢とのバラ
レ製品のカテゴリーに適用されます。例外となるのは、乳児用粉
ンスを取ることが必要になります。例えば、塩分の多いスナック
ミルクのような規制の厳しいカテゴリー、別のアプローチや基準
を頻繁に食べるのであれば他の塩を含む食品の摂取を控えること
値が適用されるヘルスケアやパフォーマンスニュートリションの
が必要になるでしょう。
ような特殊な分野と合弁事業により開発された製品などです。
1
2
1-3
健康を増進し、富を生み出す
ギニアのコナクリにある売店では
「ニド エッセ
ンシア」
の販売により収入を得ています。
「ニド エッセンシア」
はアフリカ西部における
鉄分・ビタミンC不足に取り組むために開発
された強化ミルクです。
工夫によってより良い製品を
ネスレの
「ブランディド・アクティブ・ベネ
フィット(BABs)」は食品が自然の状態で持っ
ている以上の臨床的に証明された健康便益を
もたらします。骨や歯を強くする
「カルシエ
ヌ」
、消化を助ける
「プレビオ - ワン」などがそ
の例です。
3
-25-
栄養価を改善するために
6254
2008 年に栄養や健康のことを考えて刷新された製品の数
全粒粉を豊富に含む食生活は健全な体重を維持し、
心臓病、
糖尿病、
栄養プロファイリングを私たちがどのように製品の革新と再
活性化のプロセスに適用しているかについて、詳しくは17ペー
がんのリスクを軽減するのに役立つことがわかっています。です
ジの
「栄養を好まれる選択肢にするために」
の60/40+ツールの
からすべての全粒粉ネスレ朝食シリアルは全粒粉を使っています。
「シュレッディッド・ホィート」
は全粒小麦だけから作られていま
項で述べていますのでご覧ください。
す。またビタミン、ミネラル、植物栄養素も豊富に含んでいます。
レシピの革新と刷新
「シュレッディッド・ホィート」やネスレの他の全粒粉朝食シリ
アルの製造をおこなうシリアル・パートナーズに関するスライ
ドショーをご覧ください。
私たちは、社内栄養改良方針に従って、レシピの革新や刷新を
通して、常に製品の栄養組成を見直し、可能な限りその栄養価値
www.nestle.com/csv/stories
を最適化しています
(下表参照)
。
主な課題
2003年と比較しての砂糖の使用量と売上の変化
130%
115%
100%
85%
70%
2003
売上
どこまで減らすのか?
ネスレには製品に含まれる塩、砂糖、トランス脂肪酸を
減らすための指針があるものの、それらは食品の原材料に
自然に含まれているものなのです。ですからそれらを完全
2004
2005
2006
に取り除くことは技術的に不可能です。私たちはその含有
2007
量を最小限にするためにあらゆる努力をしていますが、同
砂糖の使用量
時に、どのような変更も、製品の安全性や消費者の方々に
好まれる味に影響を与えないことが重要なのです。
社会的な問題としてとらえられている栄養素の量を減らすとい
いくつかの製品分野においては、私たちは既にこれ以上
う私たちの製品に対する方針は大変効果がありました。2003年
できないレベルにまで引き下げています。例えばブイヨン
から2007年の間に、売上を22パーセント伸ばす一方で、砂糖
においては、風味を損なうことなく塩分量を大幅に下げて
の使用量を17パーセントも減らすことができたのです。
います。これ以上引き下げても栄養面での更なる優位性を
達成することはできませんし、美味しさの質を落とすと消
全粒粉
費者がご自身で塩を加えてしまわれるかもしれません。同
様に、製品から脂肪を完全に取り去ることも望ましくあり
私たちのレシピの革新と刷新へのアプローチの基本は、社会問
ません。単に味が落ちるからというだけでなく、いくらか
題化している、摂取量を減らすべき栄養素を減らし、有益な微量
の食物脂肪は代謝のために、またビタミン A・D・E・K の
栄養素を加えるということです。しかし、そこには健康に良いと
吸収のためにも必要だからです。
される食品成分を加えるということも含まれています。例えば、
ネスレの栄養方針の目標に対しての進捗状況
(2007 年末まで)
方針の目標
トランス脂肪酸
塩
進捗状況
全エネルギーの 1%未満に減らす
(脂肪の 3%まで)
5 年間で 25%削減
(100mg/100kcal を超える場合)
2003 年 12 月から 2007 年 2 月の間に
34,200 トンを削減
2005 年 4 月から 2007 年 12 月の間に
6,800 トンを削減
2003 年 1 月から 2007 年 12 月の間に
290,000 トンを削減
砂糖
5 年間に 5%削減
飽和脂肪
3 年間に全脂肪を 3%、
または飽和脂肪を1%削減(継続中)
-26-
2009 年初頭に新しい方針を発行予定
•コールセンターや顧客への栄養トレーニングを通じた包括的な
外食:レストランで、職場で、公共施設で
「ニュートリ・サービス」
コンセプト
•市場と業界向けの、現地に合わせた季刊誌「ニュートリ・プロ」
付加価値の高い栄養・健康・ウエルネスソリューション提供者と
して世界的なリーダーになるという私たちのビジョンは外食市場
の発行
•シェフとレストラン経営者向けに特化した「ネスレ・プロフェ
にも及びます。外食市場は7,500億スイスフラン
(約70兆円)
の規
模があるとされ、これから大きな収益の伸びが見込まれています。
ショナル・エデュケーション・センター」
ネスレプロフェショナルは私たちのグローバルな業務用ビジネ
ス部門であり以下を通して世界でも有数のレストラン事業向けの
ネスレブランドの温/冷・非炭酸飲料や調理用食品ソリュー
メーカーとなっています。
ションに力を入れながら、私たちは10年以内に年間売上を、現
在の60億スイスフラン
(約5,600億円)
から2倍に増やすことを
•
•特別なターゲット層のためのBABsと製品の栄養強化
•製品パッケージへの「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」の適用
固有の栄養価値を持った製品群
1-3 低脂肪ヌードル
ネスレのシンガポールR&Dセンターのシェ
フたちは低塩・低脂肪のインスタントヌード
ルを開発し、消費者からの相反する二つの要
求に応えました:大好きな油で揚げたおいし
い味をあきらめることなく、健康的な食事を
とりたいという要望です。
「テイスティーライ
ト マギー」
ヌードルを作る工程では、空気乾燥
という製造技術を使い、無添加の濃縮
「フライ
風味」を使用し、ナトリウムの一部を他の原料
に置き換えています。
目標にしています。
1
減塩
「ヘルタ」ブランドではポーク・フランクフル
トソーセージの塩分含有量を100グラムに
つき 2 グラムから 1.8 グラムに減らしました。
これはイギリス政府の食品基準局
(FSA)
により
2006 年に発行された
「2010 年塩分削減目標」
に沿ったものです。
全粒粉の増加
ゼネラルミルズ社との合弁会社であるシリア
ル・パートナーズ・ワールドワイドは、その
全世界における製品群で全粒粉を使った製品
を2003年以来 22 億食分増やしました。
2
3
-27-
14
21
28
35
44
55
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
食品と食生活の質を改善する
肥満予防とウエイトマネジメント
特定の栄養ニーズを必要とする人々の要望に応える
栄養についての認識、知識、理解の向上
途上国での栄養の改善
肥満予防とウエイトマネジメント
栄養の必要性
安全で健康的なウエイトマネジメン
トと減量に寄与する食品やサービス
ネスレの対応
共通価値の創造
個々に応じた独自のウエイトマネ
低カロリー製品、一食分のポーショ
ジメント事業である
「ジェニー クレイ
ンコントロール、幅広い肥満解消の取
グ」
、そして子どもを対象とした学校
り組みによる消費者便益、そしてそれ
単位のイニシアチブに特に焦点をあて
らが創り出す市場の拡大とブランドロ
た肥満防止プログラムの支援
イヤリティー、およびネスレとその株
主にとっての利益ある成長
活動の成果
ネスレが支援している
実践的な栄養教育で成
功を収めるEPODEプ
ログラム。
そのプログラムが実施
されているフランス・
ベジエで、料理ワーク
ショップに参加してい
る栄養士と児童。詳細
は33ページをご覧くだ
さい。
-28-
米国での肥満との闘い
3,600万食
「リーン クイジン」
の
“野菜2倍”
イニシアチブを通じて 2007 年以降米国の食生活に提供して
きた野菜のサービング数*
*参考:米国における
「1サービング」
は、調理済みの野菜の場合、計量カップで1/2カップ分に相当します。
平均が、1日に1人当たり222カロリー増加し、そのうちほぼ半
ウエイトマネジメントと減量
分
(108カロリー)
は、カロリーのある甘味料入りの炭酸清涼飲
料からの摂取となっています。同じような変化が世界の他の多く
サービングサイズのガイダンス
の国々でも見られます。
ネスレはよりバランスのとれた食事のためには、一食当たりの
バランスの取れた食生活の一部として、水は健康的な水分補給
量を適切に消費者にアドバイスすることが非常に大切であると考
を求める消費者にとって最良の選択であることが証明されていま
えています。これは、
いくつかの食品や成分の摂取を控える一方で、
す。しかしながら、飲食料品摂取のバラエティーを求める声に応
他の食品や原料の十分な摂取やバラエティーは確保すべきと強調
え、ネスレウォーターズは、カロリーを厳しく制限しながら、消
する保健局のガイドラインに沿っています。消費者の摂取量につ
費者の味の好みや機能性、そして栄養ニーズを満足させるブラン
いての研究や世界各国の食事指針から、ネスレは新製品開発や製
ドの開発を目指しています。
品改良、消費者コミュニケーションのベースとなる適正なサービ
味わいを求める人には、低カロリーのフレーバーウォーターが、
ングサイズを定義しています。適正なサービングサイズと全体的
高カロリーの甘い飲料に代わるより健康的な飲料として魅力的で
な食生活の中でのさまざまな種類の食品や飲料の位置付けは、
「ネ
しょう。ネスレウォーターズの全製品の砂糖含有量は、味とカロ
スレ栄養プロファイリングシステム」
の主要原則となっています。
リー量のほどよいバランスをとりながら、
継続して減少しています。
ウエイトマネジメントにおける水の役割
「リーン クイジン」
:より健康的な代替品
炭酸清涼飲料は、2002年の米国のカロリー摂取量の6.5パー
ネスレは何年も前に、おいしくかつカロリーをコントロールし
セントを占めており、より健康的で同じように便利な代替品とな
た食事を求める潜在的な消費者需要に気づいていました。
るボトル入りウォーターの役割は、医療関係者や学者から注目を
それに応じてネスレは、1981年に米国で
「リーン クイジン」
集めています。ネスレウォーターズは、ノースカロライナ大学公
ブランドを冷凍食品の
「ストーファー」
ブランドに加え、米国の消
衆衛生学部のバリー・ポプキン教授による二つの研究など、水の
費者へより健康的な代替品を提供しました。100以上の丁寧に
摂取とウエイトマネジメントの関連性に関する踏み込んだ調査に
調理された冷凍主菜、ピザそしてディナーを通して味と栄養の双
継続して取り組んでいます。
方をお届けすることで、
「リーン クイジン」
は、米国での最大のネ
最初の研究は、
「第3回全米栄養調査」
を分析したもので、水の
スレブランドのひとつとなり、またダイエット食品分野で2番目
摂取量が多い人は、カロリーの摂取量が少なく、清涼飲料、菓子
のブランドとなったのです。このブランドはカナダ、メキシコ、
や塩分の多いスナックなどの摂取も少ない、より健康的な食生活
そしてオーストラリアでも販売されています。
をしていることがわかりました。これに続く研究では、異なるダ
「リーン クイジン」
ブランド名の
「リーン
(Lean)
」
という単語
イエット法を1年以上続けている311人を評価し、水の摂取量
は、
米国監督官庁によって栄養素量の強調表示とみなされるため、
が比較的多い食生活は、カロリーのある飲料摂取が多い食生活と
このシリーズのすべての製品は、100g当たり、そして通常消費
は対照的に、明らかに減量に結びついていたことがここでも示さ
推奨量
(RACC)当たり、脂質10g未満、飽和脂肪4.5g以下、
れたのです。
そしてコレステロール95mg未満となっています。
これらの二つの研究の結果、より多くの水を飲むことは、カロ
また、
「リーン クイジン」
リーのある飲料の摂取を抑えるための効果的な代替手段であり、
製品のカロリーは、150
米国成人の炭酸清涼飲料からのカロリー摂取量 1965年-2002年
肥満の主たる要因であるカロリーの摂りすぎを防ぐ助けとなる可
から410キロカロリーの
150
能性があるということがわかりました。
間です。
100
他の飲料の選択
50
この25年間、世界の食生活では、特に炭酸清涼飲料の中に含
0
35
まれるカロリーのある甘味料の消費増加が際立っています。米国
1965
では、1965年から2002年の間に、飲料からのカロリー摂取の
41
81
1977
1988
出典:1965-2002年間の飲料傾向と消費の推移
-29-
143
2002
“ネスレウォーターズは、健康の
ために、水と水分補給の重要性
に対する理解を絶えず強調し、
促進しています。
”
明確な優位性 ナチュラルミネラル
ウォーターの
「コント
レ ッ ク ス 」は、 乳 製
品摂取を控えること
により影響を受ける
カルシウムの健康的
な摂取レベルの維持
に役立ち、カロリー
に気をつけている健
康志向の女性をサ
ポートします。
1
斬新なアイデア
米国アイオワ州ソロン
のネスレR&Dのテス
トキッチンで、シェフ
が
「リーン クイジン」
新製品の新鮮な原料の
重要性をネスレのフー
ド・テクノロジストに
示しています。
2
試食
の
「リーン クイジン」
新製品をテストする
ソ ロ ン R&D の メ ン
バー
3 カロリーを減らす
一週間分の買い物に
「リーン クイジン」製
品 を 加 え る こ と で、
より健康的な食生活
を維持する消費者
フローレンス・コンスタン
ニュートリション・
デベロップメント・ダイレクター
ネスレウォーターズ
1,2
3
-30-
ウエイトマネジメントを通じて生活を変える
136万キログラム
「ジェニー クレイグ」の顧客が 2008 年に減量した合計
ンスとサービングサイズのコントロールへの貢献は、多くのヘル
キャンペーン、イニシアチブそしてパートナーシップ
スケア団体のメンバーからよい評価をいただいています。
アメリカ・オン・ザ・ムーブ:
「リーン クイジン」
は、全米の健
クリーブランドクリニックは栄養を含む臨床ケアのリーダーと
康とウエルネスに取り組む米国の非営利団体、アメリカ・オン・
されています。昨年、そこの栄養士が患者のために24万8,000
ザ・ムーブ財団法人
(AOM)
による医療従事者用の専門ツールキッ
食の
「リーン クイジン」
を発注しました。ネスレの業界における
ト開発を支援しています。患者が一日に2,000歩多く歩き、食事
リーダーシップは
「リーン クイジン」
のような製品の成功によっ
で100キロカロリーの摂取を減らせるように指導し、やる気を出
て強化されています。
「リーン クイジン」
は、クリーブランドクリ
させるよう、データ表や歩数計といった情報やツールからなるツー
ニックのような医療機関での患者の栄養基準をも満たすものなの
ルキットを医療従事者に提供しています。米国栄養士会
(ADA)
の
です。
年次会議や国際的に名高いAOMの創設者であるジェームズ・ヒ
「リーン クイジン」
についての映像がご覧になれます。
ル博士の講演を通じてこのパートナーシップは推進されています。
www.nestle.com/csv/stories
農産物健康増進基金
(プロデュース・フォー・ベター・ヘルス)
:
「リーン クイジン」
は、
“野菜2倍 スパ”
シリーズの発売に際し、食
一人ひとりのウエイトマネジメント:
「ジェニー クレイグ」
生活にもっとおいしい野菜を加えたいという消費者のニーズに応
えました。その多くが、それぞれの製品で2サービングの野菜を十
体重コントロールは多面的な課題なので、個々に応じたウエ
分な量、供することができます。
「リーン クイジン」
は、農産物健康
イトマネジメント事業である
「ジェニー クレイグ」
のような多面
増進基金
(PBH)
の
“フルーツ&野菜−大切なこと”
キャンペーン
的なソリューションが求められます。2006年ネスレニュートリ
と提携しています。なぜなら、よりよい健康のためにはより多く
ションの傘下となった
「ジェニー クレイグ」
は効果的な減量に欠
の果物と野菜の摂取を推進することが重要と信じているからです。
かすことのできない3つの分野に取り組むことで生活を変えるこ
流通業者、サプライヤー、教育関係者、そして医療従事者が推進
とができると考えています:
「ネスレ・ニュートリショ
するキャンペーンのメッセージはまた、
食事面:食べ物との健康的な関係の促進、そしてカロリーや分
ナル・コンパス」
のなかにも盛り込まれています。製品の組成変更
量を制限した食品
の結果、2007年以来、
「リーン クイジン」
製品を通じて、米国の食
身体面:個々に応じた運動プログラム
生活に3,600万サービングの野菜が加えられたことになります。
精神面:ジェニー・ダイレクト・コールセンターへの電話や
オンライン情報、そして700を超えるセンターでの
ザ・ベスト・ライフ・ダイエット:
『ザ・ベスト・ライフ・ダイエッ
3,500人のコンサルタントから提供される個々に応
ト』
の著者であり、名高い運動生理学者、かつパーソナルトレー
じたアドバイスや動機付けによる、生活に対するバ
ナーであるボブ・グリーン氏は、女性たちがより健康になるため
ランスのとれたアプローチ
に、永続的に生活スタイルを改善するサポート活動を行なってお
「ジェニー クレイグ」
が提供する製品やアドバイス
り、この活動に
「リーン クイジン」
は参画しています。食べること
は、2005年に発行された
「アメリカ人のための食生
は人生における最大の喜びの一つであるという考えに根付いた3
活指針」と2002年に医学研究所が発行した
「栄養基
段階のプログラムでは、簡単な運動を行い、気を紛らわすために
準摂取量」
といった主要な保健機関の提言を反映して
食べることを止め、カロリー計算をせずに健康的な食事量を把握
います。
する訓練を行うことで、減量というゴールに到達することができ
ます。一人ひとりが
“自分のために何か良いことをする”
ことをか
カリフォルニア大学サンディエゴ校の調査では、
「ジェニー クレイ
つてないほどに容易にしたことで、
「リーン クイジン」
ブランドの
グ」
は6カ月で8パーセントの減量を促進し、その減量が1年後にも
85製品が
“ベストライフ”
の承認ブランドとなっています。
保たれていました。この減量率は、
ほどよい運動と組み合わせた場合、
2型糖尿病のリスクを58パーセント減らすということが外部調査に
よって確認されている7パーセントの減量率を上回っています。
「リーン クイジン」
とヘルスケア
「リーン クイジン」
は日々の食事の選択ですが、その栄養バラ
詳しい情報はこちらでご覧になれます。
www.jennycraig.com
-31-
運動の役割
健康とウエルネスは、活動的なライフスタイルと必然的に結び
ついていますが、食品企業のネスレがこの分野で貢献できること
は非常に限られています。しかし、活動的なライフスタイルを促
進する、
「ジェニー クレイグ」
の運動プランや、
“未来のチャンピオ
ンのスポーツ飲料”
として知られる麦芽飲料の
「ミロ」
などのいく
つかのブランドを活用することはできます。食品からのエネル
ギー放出を最大化するよう作られたビタミンとミネラルの組み合
わせである
「アクティゲンE」
の強化によって、
「ミロ」
は、ガーナ
からマレーシアに至るさまざまな国で、多くのイニシアチブに参
加し、子供たちが運動に参加することを奨励しています。
「ミロ」
はまた、オーストラリアのスポーツ振興にも深くかかわっ
ています。国の連盟などのパートナーとして
「ミロ」
は子供たちが
クリケットやウインタースポーツをすることを奨励しています。
“私のお気に入りのツールは、運
動のための歩数計と、食べすぎ
を防ぐサービングサイズが調整
された食事の二つです。だから、
アメリカ・オン・ザ・ムーブと
「リーン クイジン」
の提携には大
変満足しています。調査では、
お皿に盛られた料理の量があれ
ばあるほど人は食べるというこ
とがわかっています。だから、
「リーン クイジン」
だとそれをす
1,2
プレイボール!
オーストラリア、
シドニーでの
“ミロ イン2クリケッ
ト”
ワークショップに元気に参加する子どもたち
3
パーフェクトチーム
“ ミロ イン2クリ
テストクリケッターであり、
ケット”プログラムの大使であるアダム・ギル
クリスト( 左) は、
「ミロ」がプログラムを完璧に
補うと考えています。
“このプログラムは健康的
でバランスのとれた食事に焦点を当てていて、
健康的なライフスタイルを促進し、チームワー
ク、信頼、自尊心といった社会的スキルをもた
らすのです。
”
ア ダ ム・ ギ ル ク リ ス ト 氏 の 全 イ ン タ
ビューはこちらでご覧になれます。
べて食べるだけ、それだけで終
了、おしまいなんです。
”
www.nestle.com/csv/stories
3
ジェームズ・O・ヒル教授・博士
コロラド大学、
小児科学教授、
ヒューマン
ニュートリションセンター所長
全インタビューは
こちらでご覧になれます。
www.nestle.com/csv/stories
-32-
1,2
地域に根付いたイニシアチブ
250万人
フランスの 167 の町、スペインの 30 都市、ベルギーの 8 都市で
「EPODE」
プログラムに
参加した人数
トへの52万5,000ユーロの提供を確約しています。これは、
ヨー
継続中の研究
ロッパ中で地域介入型のEPODEのようなプログラムの実施促
「ネスレ・リサーチ・センター」
は、空腹と飽食の生理学と心理
進を目指すものです。政府の関与、
科学的評価、
官民のパートナー
学の研究を行なっています。そしてその研究結果をDiOGenes
(ダ
シップ、ソーシャルネットワーキングのマーケティング、そして
イエット、肥満、遺伝子)
プロジェクトに反映させています。産
ベストプラクティスの共有などのガイドラインの開発によって、
業界および大学からの34のパートナーとともに、5年間にわたっ
EENは、より健康的なライフスタイル、食生活、そして運動や、
て全ヨーロッパ対象で行なうこの研究は、食事と体重変化に関わ
肥満や他の慢性疾患の予防を促進するというEUの目標に貢献し
る遺伝子間の相互作用を明らかにすることを目指しています。
ていくでしょう。
肥満防止プログラムの支援
主な課題
マルチ・ステークホルダー・プロジェクト
肥満、とりわけ子どもの肥満は、世界的にもこの20年間で非
常に増加しています。肥満は、さまざまな因果関係によるもので
ネスレは、世界の肥満率を減らすことを目指して、国や国際的
あるため、広域的、そして学校単位でのイニシアチブを含むあら
な公衆衛生機関と協働しています。地域社会を巻き込んだ解決案を
ゆる関係者に対するアプローチが求められることが多いのです。
見出すためには、政府、学校、非政府組織や地方自治体など他の機
ネスレは多くの教育、介入プログラムを開発、後援してきており、
関からの支援、あるいはそれらとのパートナーシップの重要性を過
多くは、学校を通じて指導されています。
小評価するわけにはいきません。私たちはみな、きわめて重要なそ
れぞれ異なる役割を担っているのです。ネスレやそのパートナー組
これらのプログラムについてはこちらでご覧になれます。
織に対して、そして社会に対しても
「共通価値の創造」
を提供しなが
www.nestle.com/csv/education
ら、かつ利害の対立にかかわる課題に取り組むためには、高い透明
性、明確なルール、そして優れた統治が必要です。それらがあって
ネスレフランスは、1992年から、フランス北部の2つの村で
こそ、異なる機関や組織があらゆる関係者に対する多元的アプロー
長期にわたる栄養教育プログラムを支援しています。
結果として、
チのなかで、お互いの役割、責任、そして専門性を発揮するエリア
子どもたちがより栄養についての知識を持つようになっており、
を真に尊重することができるのです。
子どもの肥満は、比較対象の町が2倍に増加したのに対して、大
きく増加はしていません。
2004年には、このプロジェクトは、
「一緒に子どもの肥満を
防ごう
(EPODE)
」
という地域社会が介入して実施する子どもの
肥満防止プログラムとなり、ネスレフランスはこれを引き続き
支援しています。プログラムでは、ポスターやファクトシート、
ニュースレター、ワークショップやメニューを通じて、定期的な
運動や学校への徒歩通学、そして健康的な食生活を促進していま
す。EPODEプログラムは、フランスの167の町に広がり、また、
スペインの30都市
(ネスレスペインの支援で実施)
やベルギーの
8都市にも広がっています。現在、ヨーロッパ全土で250万人が
参加しており、ギリシャのように他のヨーロッパ諸国や、オース
トラリア、カナダといった国でも検討が進んでいます。
ヨーロッパでのEPODEネットワーク
欧州委員会の支援を得て、ネスレは2007年から2010年にか
けて、全ヨーロッパのEPODEネットワーク
(EEN)
プロジェク
-33-
“パートナーはEPODE の鍵とな
るものです。ここベジエでは、
プログラムの成功はその多くを
教師たちに頼っています。医師、
保健室の先生方、そしてもちろ
ん子どもたち自身など、さまざ
まな他の参加者、団体などから
の支援も必要不可欠です。今ま
で、
ネスレのような全国的なパー
トナーと直接活動を行なっては
いませんが、どのようなやり方
であれ、私たちにとって、とて
も重要な行動指針であるプログ
ラムの実施条件を尊重した内容
であれば喜んでそうしたいと
思っています。
”
1-3
健全な投資
ネ ス レ フ ラ ン ス は、
年 間 25 万 ユ ー ロ を
EPODE の
“一緒に子
どもの肥満を防ごう
プロジェクト”
に寄付
しています。そのプ
ロジェクトでは、フ
ランス内の多くの町
でのより健康的な食
事に対する実践的で
総合的なアプローチ
を 行 な っ て い ま す。
加えて、ネスレスペ
イ ン は、2008年 度、
同様のTHAOプロ
グラムに12万 6,000
ユーロを投資してお
り、ネスレS.A.は、3
年間にわたる全ヨー
ロ ッ パ で のEPODE
ネットワークプロ
ジ ェ ク ト に 52 万
5,000ユ ー ロ の 提 供
を確約しています。
1,2
3
モニカ・バレーズ
フランス・ベジエの副市長
(保健担当)
ベジエでの EPODE に関するインタ
ビューはこちらでご覧になれます。
www.nestle.com/csv/stories
-34-
14
21
28
35
44
55
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
食品と食生活の質を改善する
肥満予防とウエイトマネジメント
特定の栄養ニーズを必要とする人々の要望に応える
栄養についての認識、知識、理解の向上
途上国での栄養の改善
特定の栄養ニーズを必要とする
人々の要望に応える
栄養の必要性
ネスレの対応
共通価値の創造
乳児、子ども、高齢者といった年齢
世界最大の事業規模と研究開発能力
層や、病気療養中や回復途上にある場
を持つネスレは、特定の栄養ニーズに
ニーズに対応すること、
そしてそれは、
さまざまな消費者の多様な栄養的
合、また運動選手などといったライフ
重点的に取り組んでおり、明確なター
ネスレのインファントニュートリショ
ステージやライフスタイルによって、
ゲット層への科学に基づく製品とサー
ン、ヘルスケアニュートリション、ウ
非常に独特な栄養ニーズがあります。
ビスの開発を行っています。
それらは、
エイトマネジメント、そしてパフォー
消費者の皆さまのより健康的な暮らし
マンスニュートリション分野での利益
と長寿に寄与するものです。
ある成長につながる強固な基盤となっ
ています。
すべての年齢層へ
適切な栄養補給を
エスタモーネ・ケア・ホー
ム(フランス、クイザ市)
の入居者へ栄養豊富な
「ダビジェル」
製品を提供
している栄養士。
(37ページ参照)
-35-
栄養・健康・ウエルネス分野におけるリーダーシップ
億スイスフラン(約9,700億円)
104
ネスレニュートリションの売上
ネスレニュートリション
高齢者の栄養的なリスク
ネスレニュートリションはグローバルに事業を展開しており、
過去半世紀にわたる感染症の大幅な減少の結果、世界中で人々
特定の栄養ニーズを持つ人々に対し、臨床的に実証された効果あ
はより長生きできるようになり、先進国では2050年までに、人
る製品を開発するために、最新科学とテクノロジーに重点を置い
口のおよそ30パーセントを65歳以上の高齢者が占めるように
た取り組みをしています。
なります。しかし同時に慢性疾患の広がりは、低栄養状態のリス
おいしさを大切にしながらも一方で、これら栄養製品群は、栄
クも高めています。介護施設の入所者で最大50パーセント、ま
養ニーズに応え、特定の症状に対処し、使用者がより豊かに、よ
た、高齢の入院患者で最大70パーセントに低栄養状態が見られ
り健康的にそしてより長生きする一助となるような機能上の効用
ます。この低栄養状態のための医療費はすでに、肥満にかかる費
をもたらすことに主眼をおいています。
用を上回っています。
乳児、子ども、高齢者、病気療養中や回復途上にある方、また
低栄養により、転倒や骨折を引き起こす身体の衰弱や筋肉の萎
持久力を必要とするアスリートや積極的な健康志向者、そして体
縮が起こり、からだの自由が奪われます。股関節骨折の高齢患者
重をコントロールする人々など、さまざまなライフステージのさ
のほぼ半数に低栄養が見られ、重度の低栄養患者は、感染症に罹
まざまな状況にある人々は、それぞれ独自の栄養ニーズを持って
る確率が3倍以上になります。
います。これらの特定のニーズを満たす革新的で科学に基づく製
ネスレニュートリションには、臨床的なスクリーニングと評価
品やサービスを提供することで、ネスレニュートリションはお客
を通じて高齢で低栄養状態にある方、あるいはその危険性のある
様のクオリティ・オブ・ライフを高めています。
方を特定する
「ミニ・ニュートリショナル・アセスメント
(MNA)
」
100カ国以上の国で、2万人を超える社員を擁するネスレ
というツールがあります。このMNAは、誰でも使いやすく、完
ニュートリションは4つの事業分野で活動しています。
了までに4分とかからず、政府や国際機関からも推奨されていま
す。またネスレニュートリションは
「リソース」
のような経口サプ
•
インファントニュートリション:ベビーフードや乳児用調製粉
リメント製品でも、高齢者の特定のニーズに対しての栄養的ソ
乳を通して、乳幼児や子どもの健やかな成長をサポート
(38
リューションを提供しています。
ページ参照)
•ヘルスケアニュートリション: 高齢者や病気療養中、あるいは
www.mna-elderly.com で詳細がご覧になれます。
回復に向けリハビリをされている方のための製品を提供
(36
ページ参照)
•
子どもの胃腸障害
パフォーマンスニュートリション:アスリートの方が精神的に
も肉体的にも最大限の能力を発揮できる製品を提供
(38ページ
外傷性傷害や大手術、そして嚢胞性線維症・クローン症・膵臓
参照)
炎などの疾病は、後遺症として、炎症、吸収不良、逆流、嘔吐な
•ウエイトマネジメント:減量とその維持を目的とする方向けの
どの胃腸障害
(GI)
を発症させることがあります。これは低栄養
パーソナルプログラムを提供
(31ページ参照)
状態や体重の減少のリスクを高め、胃腸障害患者の多くは経管栄
養の必要があります。
成人向けの製品群に加えて、
「ペプタメン・ジュニア」
製品シリー
特定の栄養ニーズに応える
ズは、1歳から10歳の子ども向けに開発されました。これらの
ヘルスケアニュートリションビジネスにおいて世界第2位の事
製品は乳清ペプチドを原料とし、吸収しやすく、逆流や嘔吐を引
業規模を持つネスレのヘルスケアニュートリション事業は、特定
き起こしにくくしてくれます。また
「モジュレン IBD」
は、
クロー
の疾患に悩まされる人々のクオリティ・オブ・ライフを高める、
ン症の患者に対し、炎症を抑え、治癒を促進し、健全な成長をサ
医学的に実証された健康効果を持った特定の栄養的ソリューショ
ポートするために使われます。
ンを提供することにより、根本的にヘルスケア部門における栄養
「ブースト・キッズ・エッセンシャル」
は新たな完全栄養の飲料
の役割を変えることを目指しています。
で、子どもに優しいパッケージで、免疫力を助ける効果のある乳
酸菌
「ラクトバシルス・ロイテリ・プロテクティス」
を使用した画
期的なストローがついており、子どもの健康を支援します。この
-36-
ストローで飲むこと自体が楽しくなるとともに、療養期間の短縮
と急性下痢の症状の軽減に明らかな効果が臨床的に証明されてい
ます。
「ブースト・キッズ・エッセンシャル」
はまた、ビタミンC、
E、セレニウムなどの必須ビタミンやミネラル、良質なタンパク
質や抗酸化物質のすぐれた供給源にもなります。
“高齢者の運動機能や日常の身体的機能、そして認識能
力における初期の障害の発見を専門的に研究していま
す。これらのごく初期の兆候を見つけることで、転倒す
るリスクを予測し、合併症にならないようにその人に
合った治療を施すことが出来ます。また、栄養補助食品
で、さらに治療の効果を高めることができます。
”
1,2
レト・クレシッグ教授
バーゼル大学病院 高齢者医療センター 院長
全インタビューはこちらでご覧になれます。
www.nestle.com/csv/stories
3
1
予防第一
栄養的評価プログラムの一環で、ごく初期の
栄養障害のリスクを特定するために
「ミニ・
ニュートリショナル・アセスメント
(MNA)
」
に
記入する患者
2
思考の糧
フランスにあるケアホームの入居者向けに、
タンパク質、カルシウムを強化したネスレの
「ダビジェル」
製品を調理しているシェフ
3
ヘルスケアの科学
スイスのコノルフィンゲンにある
「ネスレ・プ
ロダクト・テクノロジー・センター(PTC)
」
の科学者が行なっているような高い水準の研
究は、ネスレ製品の医学的な効能を裏付ける
ために、また人々の信頼を得る上でも重要な
役割を果たしています。
-37-
科学に基づいたスポーツのための栄養
8パーセント
「ブランディド・アクティブ・ベネフィット」
の
「シーツーマックス」
による
アスリートのパフォーマンス向上度
割合で含まれ、トップパフォーマンスを8パーセント向上させる
がんと闘う患者の健康をサポートする
ことが立証されています。
世界中では1千万人を超える新たながん患者が毎年増えており、
2020年までには1,500万人に達するとも見込まれています。がんと
母乳代替品のニーズに応える
その治療は身体の栄養成分を大量に必要とします。その一方で、吐き
気、食欲不振、下痢、臭いや味についての知覚の変化といった治療の
母乳の擁護
副作用のために、食事摂取量の減少、消化不良と栄養吸収能力の低下
にしばしば陥ります。およそ8割のがん患者が臨床的な低栄養状態に
ネスレ創設の直後に出版された創設者アンリ・ネスレの自叙伝
陥り、それは治療効果の低下、さらなる副作用、そしてクオリティ・
の中で、彼は、母乳は乳児にとって望ましいものであり、可能な
オブ・ライフの低下の要因になります。
限り母乳で育てるべきである、と言明しています。
治療中のがん患者をサポートするためにネスレニュートリション
ネスレは、可能な限り長く母乳のみを与えること、また、安全
が提供する栄養的ソリューションには、
「リソース 2.0」
「
、クリニュー
で適切な離乳食を開始した後も、母乳による授乳を継続するとい
トレン HPHC」
「
、ブースト ハイ プロテイン」
のような、高タンパク、
う考えを支持しています。
高カロリーの経口サプリメントがあります。これらの製品は、エネル
また私たちは、母乳の便益や優位性を乳幼児製品のパッケージ
ギー補給や筋肉の保持を目的としており、免疫システムを支え、体重
やラベル上で、消費者や医療従事者に伝えており、母乳推奨のた
の減少を最小限に抑えます。
めの教育用資料も広く配布しています。
「クリニュートレン フルーツ」
や
「ブースト ブリーズ」
のようなフ
ルーツ風味の飲料は、患者によってはミルクシェイク・タイプのサプ
乳児用調整粉乳の役割
リメントよりも、その風味ゆえに好まれています。
今日世界中で、何百万もの母親が子どもにとって安全とはいえ
特定の栄養ニーズに応える:スポーツと運動
ない母乳代替品を使い続けています。それらは、成分未調整のま
まの牛の全乳や、でんぷんと水であったり、重湯や砂糖水だった
パフォーマンス・ニュートリションは小規模の専門的な事業分野
りします。そこでネスレは、国連とWHOが安全で滋養ある母乳
ですが、真剣にスポーツに取り組む人たちの栄養的なニーズに応え
の代替品であると認証した唯一の製品カテゴリー、乳児用調製粉
ています。
乳をそれらの代わりに使っていただくことを目指しています。
エネルギー補給用バー製品、スポーツドリンクやジェル、そして
タンパク質補給製品を含めた製品群の中で主力製品である
「パワー
“最初のトライアスロンレースなら、たとえ 100 位以内
バー」
は、2007年に、それぞれのパフォーマンスのステージごと
に入れなくても 個人的な満足感を得ることはできるで
に最適の栄養補給を行なう革新的な
「スリーステップ パワーバーパ
しょう。しかしあなたがトップを目指そうとするなら、
フォーマンスシステム」
を採用し、製品改良を行ないました。
スポーツという観点からと同時に、科学という観点から
も考えなくてはなりませ
•
•動き続けるために:競技中の炭水化物と汗成分の電解質の栄養
体を動かすために:運動前の適切な栄養補給
ん。
”
補給
•動いた後の体作りに:運動後の筋肉補修、およびグリコーゲン
補充と水分補給のための炭水化物、タンパク質、水分の補給
トップアスリートがピーク時のパフォーマンスを達成するた
めに開発された
「動き続けるために」
製品はとくに、アイアンマ
ン・トライアスロンのような超耐久競技に適しています。
「パワー
バー」には
「ブランディド・アクティブ・ベネフィット」の
「シー
ファリス・アルースルタン
ツーマックス」
として、グルコースとフラクトースが独特の配合
5度のアイアンマンレース優勝者で、
前世界チャンピオン
-38-
1
糖尿病患者とともに
高血糖症の
「ソンダリス ダイアベテス」は、
人々向けの優れた経腸栄養液体製品です。
2
パワ−バー チーム エリート
「パワーバー」は、年間1,000を超えるスポーツ
イベントのスポンサーになると同時に、その競
技の普及に大きな影響を与えるアスリートをサ
ポートしています。
体を動かすために、動き続けるために、そして
運動後の体作りに
「パワーバー」には
「ブランディド・アクティブ・
ベネフィット」
の
「シーツーマックス」
として、グ
ルコースとフラクトースが独特の配合割合で含
まれ、トップパフォーマンスを8パーセント向
上させることが立証されています。
3
母乳の擁護
母乳は乳児にとって最良のものであり、可能な
限り母乳で育てるべきです。
1
2
3
-39-
ネスレは、WHOの
「母乳代替品販売に関する国際規約」
を順守し、
乳児の消化管バクテリアを活発に
乳児用調製粉乳のマーケティングや販売を責任を持って行うために、広
範囲に及ぶ管理システムを実施しています。
母乳はプロバイオティクス、とりわけビフィズス菌の供給源の
まず最低限の基準として、ネスレ乳児用調製粉乳のマーケティングポ
一つです。これらの善玉菌は授乳を通して乳児にもたらされ、免
リシーでは、世界中どこででもその国の政府の基準を順守することとして
疫システムを獲得できるようにして、感染やアレルギーのリスク
います。さらに衛生環境が悪く乳児死亡率の高い国々の乳児を守るため
を低減します。
に、
仮に国家としての基準がない国であっても、
すべての途上国でWHO
母乳で育っていない
(人工栄養の)
子どもに対しては、プロバイ
規約を自発的に履行しています。
これは企業としてはネスレが初めて行なっ
オティクスを強化した乳児用調整粉乳が腸管微生物叢内の健康的
たことです。
な菌の発現を促進することができます。ネスレは、母乳のもたら
ネスレの乳幼児用シリアルやベビーフード
(42ページ参照)
はどの国に
すメリットにより近づけるために、乳児用調整粉乳に初めてプロ
おいても、母乳代替品としての販売促進活動を行なったり、母乳代替品
バイオティクスを採用した会社の一つです。
というようなラベル表示はしていません。ネスレは、
途上国においてスター
ター(新生児∼ 8カ月児向け)
やフォローアップ
(9カ月から)
製品について
主な課題
WHO規約を自主的に適用している唯一の企業であり、また、途上国で
牛乳タンパク質に起因するアレルギー
は、乳幼児用シリアルとベビーフードの販売は月齢 6カ月以上のみを対象
に行っています。
乳児が必要とする栄養素のすべてを与えるだけでなく、母乳は数
種類の生理活性物質または成分を含み、アレルゲンに対する過剰反
応を抑え、異種タンパク質への耐性システムを作り上げます。しか
主な課題
しながら人工栄養の場合、牛乳由来の乳児用調製粉乳が、その子に
WHO規約を順守するために
とって初めて遭遇する異種タンパク質となることが多く、この牛乳
乳児用食品の製造者として、ネスレは責任を持って、WHO規約
アレルギー(CMPA)
が新生児の食品アレルギーの中で最も一般的な
の順守を徹底し、販売活動を行っています。規約に関する公式の書
ものとなっています。母乳で育つ場合、牛乳を完全に避けることは比
類を広く配布するとともに、ネスレは、組織的に規約を順守できる
較的容易なことですが、人工栄養の乳児の場合、牛乳アレルギーを防
よう広範囲にわたり社内の仕組みを整えてきました。 例えば:
ぐ、あるいはコントロールするためには適切な代替品が必要となりま
•
•大規模な社員トレーニング、教育、そして試験
•規約順守における懸念案件があれば社員が匿名で通報できる
す。アレルギーの可能性を低くする2つの異なる対策があります。
規約順守にかかわる詳細なインストラクションの発行
・アレルギーの予防:
専門家たちによる多くの研究により、部分的に加水分解された
社内オンブズマン制度
乳児用調製粉乳を人工栄養の乳児に最初の数カ月間与えると、ア
•
•年間20カ国に及ぶ社内監査も実施
定期的な外部監査会社による独立した監査プログラムの導入
レルギーを引き起こすリスクを下げることが実証されています。
これは、それらが含むタンパク質が、アレルギーを引き起こす
要因となりにくい
「ペプチド」
に分解された結果でした。ネスレの
www.babymilk.nestle.com で最新の監査結果がご覧になれま
「NAN H. A. 1」
や
「NAN H. A. 2」
のような部分加水分解乳は、リス
す。
クの高い乳児に対してアレルギーとなる危険性を50パーセント
まで下げることが臨床的に確認されており、また2歳以下の乳児
ネスレは販売活動でのWHO規約の順守に真剣に取り組んでおり、
では、アレルギー由来の皮膚の炎症を同程度減らすことができま
活動組織から規約違反の疑いを指摘された場合は真摯に対応していま
す。
す。検討するに足る具体的な申し立てである場合には、十分に調査を行
・アレルギーセラピー:
ないます。これまでの調査の結果、実際の規約違反は稀であり、あった
人工栄養の乳児の牛乳アレルギーや他のタンパク質不耐症を
としても通常、申し立ての受領の前には是正されています。世界的な教
コントロールするためには、タンパク質への過敏な反応を完全
会指導者や、倫理的投資のアナリスト、政府やオピニオンリーダーから
に回避することのできる特別な乳児用調整粉乳が必要となりま
は、
ネスレの活動内容を精査のうえで、
好意的な評価をいただいています。
す。含有するタンパク質が免疫反応を誘発しないほど小さな微
問題は、WHO規約の対象範囲と適用に関する意見の相違に起因する
粒子までに分解されているため、高加水分解乳は実質上アレル
ようです。WHO規約はその名の示すとおり母乳代替品を対象にしている
ゲンフリーとされています。これを利用した乳児用調製粉乳は
とネスレは考えていますが、活動組織によってはとても広い解釈をしてい
何十年も前から製造されてきましたが、コストが高く、苦味を
る場合があるのです。
伴うものでした。ネスレの技術者はこれら2つの問題点を費用
効率がよい製品の開発でついに克服しました。食品不耐症や過
www.babymilk.nestle.com で所見サマリーがご覧になれま
敏症向けに特別に開発された
「アルファーレ」
や
「アルテラ」
がこ
す。
れに該当しますが、味が改良されたことにより、長期的な摂取
と指示どおりの服用ができるようになりました。
-40-
1
新知識を深める
ジャカルタにある本社で、WHO 規約に関する報
告会に参加するネスレインドネシアの社員
1
2,3
規約の順守
インドネシアでネスレの WHO 規約オンブズマ
ンと話し、ネスレ乳児用製品を店頭で視察する
ビューロベリタスの監査官
2
3
-41-
ダーとしての役割を果たし、個々に適した栄養ソリューションの
帝王切開で生まれた乳児向けの製品
開発をしています。
近年帝王切開による出産が増えており、その割合は、欧州や米
国で3割、いくつかの南米やアジアの国では7 ∼ 8割にも上りま
「スタートヘルシー・ステイヘルシー」
す。帝王切開により通常無菌状態で生まれた乳児は、自然分娩の
子どもは成長段階ごとに特有の栄養とカロリーを必要としてお
間に初期の腸内定着をする腸内微生物がいないため、アレルギー
り、私たちはネスレの総合的な栄養摂取プランにこの知見を組
や消化管感染症罹患率が高くなります。
特に帝王切開で生まれた乳児を考慮して、
スターター用
(新生児
み込んできました。最新の栄養上の改善をネスレの乳児用調製粉
∼ 8カ月児向け)
の乳児用製品を開発しているのは現在、ネスレ
乳や母乳補助食品に確実に反映させることで、子どもたちは成長
だけです。
「ネスレNAN 1」
や
「NAN H. A. 1」
は、プロバイオティ
するにつれ、さまざまな異なった味覚を楽しむことを学び、この
クスのビフィダスBLを用いて腸内で防御的な役割をになうビ
よい食習慣はのちの人生における健康とウエルネスの礎となるで
フィズス菌を定着させる、
「 ブランディド・アクティブ・ベネ
しょう。
フィット」
の
「プロテクト・スタート・エクセル」
を含んでいます。
ガーバー社は、両親や栄養士と共同で、地元で生産された高品
質な原料を使用してベビーフードの新製品を開発しています。
www.nestle.com/csv/stories で詳細をご覧になれます。
これはすべての乳児、とりわけ帝王切開で生まれた腸内の細菌叢
が少ない乳児に効果があります。これらの製品は、2009年中に
は多くの国々で販売されている予定です。
特定のニーズに応える:乳児向け補助食品
月齢6カ月を過ぎると、母乳だけでは乳児の必要とするエネル
ギーと栄養を供給しきれない場合があります。この段階の乳児は
液体ではない補助的な食品を飲み込むことも可能になり、これら
の食品は成長、脳の発達、また生来の防御機能の構築に寄与しま
す。
乳児と幼児の栄養摂取に関する研究
胎児の期間や授乳期間をも含む人生の最初の段階で、バラエ
ティ豊かな味や食品を日常的に体験することによって、のちの食
品の嗜好や食習慣に良い影響があることが調査からわかっていま
す。
2008年ネスレニュートリションは、4歳未満の乳幼児を対象
とした食事の摂取調査を実施しました。これは、先行して2002
年にガーバー社により米国で行われた3,000名以上の4カ月児
から2歳児までを対象とした食習慣と栄養摂取に関する調査に加
えて行ったものです。その結果、健康に良い脂肪分と食物繊維の
摂取が少ないこと、塩分の過剰摂取、さらに以下のことが判明し
ました:
•19-24カ月の幼児の25パーセント近くが野菜や果物を摂取し
ていなかった
•15-18カ月幼児では、ポテトフライが最も一般的に食べている
野菜だった
•7-8カ月児の46パーセントが、デザートやスイーツ、甘味飲
料を摂っていた
乳幼児を対象とした食事の摂取調査の結果を、保護者や小児科
医と共有することで、
ガーバー社は、
米国におけるこの分野のリー
-42-
1,2
成長する市場
最新のガーバー製品の若い消費者テスト。
ガーバーは
「スタートヘルシー・ステイヘルシー」
というイニシアチブを展開しており、子どもの
健康的な食習慣を確立することを手助けしてい
ます。
3
スマートな容器
(ベビーフード製品)
の製
「ネスレ ナチュアネス」
品群に採用されている環境にやさしい容器は、
持ちやすく、十分な強度があり、電子レンジ対
応でかつ、取り外しのできる蓋つきです。
1
2
「ナチュアネス」の容器が消費者の視点から、また環境問題を念
頭において、どのように開発されたかについては www.nestle.
com/csv/stories でご覧になれます。
3
-43-
14
21
28
35
44
55
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
食品と食生活の質を改善する
肥満予防とウエイトマネジメント
特定の栄養ニーズを必要とする人々の要望に応える
栄養についての認識、知識、理解の向上
途上国での栄養の改善
栄養についての認識、知識、理解の向上
栄養の必要性
ネスレの対応
共通価値の創造
栄養に関する認識と理解が深まるこ
ネスレの取り組みには、製品パッ
栄養情報の提供により、消費者の皆
とにより、消費者は賢い食品選択が可
ケージ上での明快な栄養情報、教育,
さまにはより健康的な食品を選び、栄
能になり、ネスレ社員は自らが健康的
介入プログラム、ウェブサイト上での
養や健全な食生活、運動の重要性をよ
なライフスタイルの伝道者となること
栄養情報開示、職場でのウエルネスプ
りよく理解していただくことができま
ができます。
ログラム、
公共の保健機構や政府など、
す。ネスレの社員はよりよい食生活、
健康的な食生活やライフスタイルの普
運動の機会の増加、栄養知識の増加の
及のために活動している組織との協働
恩恵を受けることとなり、科学に基づ
などがあります。
く保健衛生の政策立案機関からの評価
の向上、ひいては利益ある成長の機会
へとつながります。
遊びのなかで
ネスレの食育プログラムで楽しみ
ながら健康的な食生活について学
ぶペルーの子どもたち
(47ページ
参照)
-44-
明快で実用的な栄養情報
98パーセント
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」
が表示されているネスレ製品の割合
の製品への導入を目指しています。
一般社会での栄養知識の普及、向上
ネスレは消費者、特に子どもたちに対する責任あるコミュニ
主な課題
ケーションの必要性を強く認識しており、すべてのグループ企業
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」
の成否の判断
は該当法規のみならずネスレ消費者コミュニケーションの原則に
従っています。
世界のネスレの製品ラインアップは常に進化し、拡大し
私たちの責任の一環として、ネスレは明快で消費者にわかりや
ているため、消費者に明快で実用的な栄養情報を製品パッ
すい包装ラベル表示を重要視しています。また、地域社会、ある
ケージ上でお伝えするという私たちの取り組みの進捗を測
いは国の栄養教育プログラムに参加し、社員がより健康な生活を
ることはたやすい作業ではありません。
「ネスレ・ニュート
送り、健康とウエルネスの伝道者、スポークスパーソンになれる
リショナル・コンパス」
のような世界規模の取り組みの成否
よう、援助しています。より健康な社会に向けての公衆衛生機関
の確認には時間も人手もかかります。費用もかさむうえ、
や政府その他の組織との協働により、ネスレは世界をリードする
ネスレが調査をしたのであれば結果の信憑性が疑問視され
栄養・健康・ウエルネス企業としてさらに高い評価をいただいて
る可能性があります。とはいえ、業界団体がそのような調
います。
査をすることも期待はできません。
そこでネスレは2007年6月、外部のコンサルティング会
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」
社に依頼し、面談とオンラインのアンケートを併用した消
費者の意識調査を11カ国で行いました。結果として調査対
パッケージは製品の購入時、調理時、あるいは消費時に消費者
象のほぼ半数
(45パーセント)
に
「ネスレ・ニュートリショナ
に見ていただけるため、明快で実用的な栄養情報の伝達媒体とし
ル・コンパス」
は認識されており、通常のパッケージ上の栄
て理想的です。
養情報パネルよりも良いという評価をいただいていること
ネスレはどのような表示が最適であるかの検討を続ける一方
が分かりました。
で、
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」
と名付けた分かり
やすく意味のある栄養情報を伝える情報パネルを導入し、消費者
が自ら口にする食品に関して、知識に基づいた選択をする一助と
GDA
(Guideline Daily Amount )
一日の栄養摂取基準量
していただいています。
• 1 0 0グラム当たり、あるいは一食分当たりの量とGDA
ネスレの栄養士は
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」
の
(Guideline Daily Amount 一日の栄養摂取基準量)中の割合を
内容の開発と、その内容を常に適切に維持するためにさまざまな
示す栄養成分表
関係者とともに活動しています。例としてヨーロッパでは
「ビッ
• “ご存知ですか”では脂肪、糖、食物繊維あるいはカルシウム
グエイト
(8大栄養素)
」(下記参照)が
「一日の栄養摂取量の目安
含有量など製品の成分や栄養素について説明しています。
(Guideline Daily Amounts ‒ GDA)」
に対してどの程度含まれる
•
“ひとくちメモ”では製品を適量楽しむためのヒントやバラン
かを表示しています。健康に関わる、あるいは栄養上の表示を
スの取れた一日の食生活のなかでその製品が果たす役割につ
する場合、8大栄養素の表示はネスレの方針であり必須のもので
いての情報などを提供します。
す。表示スペースの関係で8大栄養素すべてが表示できないとき
• “お客様の声をお聞かせください”はネスレの消費者対応窓口
のみ、
「ビッグフォー(4大栄養素)
」
が記載されます。
やホームページへのリンクなど、ネスレの連絡先の詳細情報
を載せています。
主要栄養素
4 大栄養素
2008年の12月までに
「ネスレ・ニュートリショナル・コン
8 大栄養素
パス」
は世界のネスレの総販売数量の98パーセントの製品に導
熱量、炭水化物、タンパク質、脂質
熱量、炭水化物、タンパク質、脂質、糖質、
飽和脂肪、ナトリウム、食物繊維
(注:日本のネスレグループでは、製品パッケージ上に栄養成分表を載せる
ときは、3大栄養素
(炭水化物、タンパク質、脂質)にエネルギーとナトリ
ウムを加えた5つを基本項目として表示しています。
)
入されました。ネスレから新たに発売される製品は多数あります
が、少なくともこの水準は保持し、理想的には100パーセント
-45-
「一日の栄養摂取量の目安(GDA)」
はCIAA(ヨーロッパ食品
飲料連盟)が自主的な栄養表示の構想の一部として、バランスの
取れた食生活において、平均的な消費者が一日に必要とする量に
対して、食品にどの程度の熱量やその他の主要栄養素が含まれて
いるのかを伝えるため、開発したものです。ヨーロッパにおいて
は、2008年末時点でネスレ製品の88パーセントにGDAの表
を表示していますが、さらにパッケージの表面での一食分あたり
のエネルギー量と一日の必要量に対する割合がひと目で分かる表
示と、多くの場合そこから矢印で案内している、より詳しく行動
に結びつけやすい裏面の
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」
の表示とで補完しています。
1
2
3
1
理解のために
2008年10月開催の米国栄養士会総会におい
て
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」
の説明をするネスレ社員
2
お客様の声をお聞かせください
ネスレドイツでは消費者にインターネットで
栄養情報、電話でアドバイスを提供。
3
軌道に乗って
「ネスレ・ニュートリショナル・コンパス」は
世界中で売られているほとんどすべてのネス
レ製品に導入されています。
-46-
世界規模の栄養教育
910万人
ネスレの教育プログラムなどの対象となった人数
もに望ましい食の習慣を広めるため、理論と実践の両方を活用
教育プログラムによる支援
しています。また本プログラムは小児の栄養不良の減少ととも
ネスレは、人々に栄養、健康的な食生活、そして運動の重要性
に、3歳から8歳までの子どもたちの心身の発育にも貢献するこ
についての理解を深めていただくため、世界中の多くの地域で教
とでしょう。
育プログラムを運営、支援、あるいはそのようなプログラムに参
参加した教師たちは子どもたちの保護者の参画について強い関
画しています。早い段階での教育は子どもたちの健康と学習能力
心を表明しました。また現地での栄養士、教師、心理学者、育児
を高めることができますので、ネスレの取り組みの多くは学校に
の専門家の参画も
「クレセールビエン」
の成功には不可欠の要素で
焦点をあてたものとなっています。例としては次のようなものが
した。
あります。
ラテンアメリカ:ブラジルでは5歳から14歳の約118万人の
子どもたちが、低所得家庭の青少年の栄養不良や肥満防止のため
開発され、彼らのコミュニティに直接働きかけるよう作られた、
www.nestle.com/csv/education で詳細がご覧になれます。
ネスレの「ニュートリールプログラム」の恩恵を受けています。
ヨーロッパ:2008年9月にスタートしたネスレフランスの
1,400名のネスレのボランティアが年間11万6,000時間を栄
「フォンダシオンダントラプリーズ」は長期的な健康とウエル
養教育に費やした
「ニュートリールプログラム」
はボランティア活
ビーイングにつながる食習慣が身につくようフランスの家庭を支
動、
大学との提携、
地方の公共団体との提携という3つの柱によっ
援しています。分野横断的な委員会が率いるこの基金は食物の生
て支えられており、プログラムには食と肥満防止の分野での就職
物学的、社会的、また人間的な側面の研究に対する援助を行い、
資格に関わる2つのプロジェクトも含まれています。本プログラ
4つの部門(健康、運動、楽しみと味わい、教育)での取り組み
ムはその後メキシコとコロンビアに導入され、
「ニュートリールプ
に対して“金の巣”賞を授与しています。
ログラム」
バーチャル版も作られました。
www.fondation.nestle.fr で詳細がご覧になれます。
“
「健康的なタイの子どもたち」プログラムに参加して、
生徒たちはずいぶん変わりました。楽しみながら生活習
アジア:ネスレの
「ベアブランド」
粉ミルクが協賛するフィリピ
慣を変えることができ、健康状態もよくなりました。以
ンの
「ミルクで成長」
キャンペーンは公立の学校の生徒、母親、教
前より栄養のある食品を選ぶようになり、運動もするよ
師を対象とした栄養教育もその一部となっています。政府や栄養
うになって学習能力も上がりました。
”
関連の機関が後援し、高名な市長で女優のヴィルマ・サントスさ
んが応援する本キャンペーンはフィリピン全土で2,300の学校
に通う、6歳から8歳までの児童100万人が参加し、ネスレの他
の事業もそれぞれの現地ブランドで同様のキャンペーンを行う動
機付けとなりました。
オセアニア:バランスのとれたライフスタイルの利点を生徒
が十分理解し、スポーツや他の分野でチャンピオンを目指せる
よう、指導する教師の方々への支援として、ネスレはオーストラ
タイ、
バンコクの小学校教師
リアン・インスティチュート・オブ・スポーツ(AIS)とニュー
ジーランド・ミレニアム・インスティチュート・オブ・スポーツ
www.nestle.com/csv/stories で全インタビューがご覧になれ
&ヘルスとの協働により、10歳から13歳の子どもたちのために
ます。
さまざまな無料の教材を提供しています。
ラテンアメリカ:ペルーでも最も貧しい地域での革新的な教育
ツールとして開発された「クレセールビエン
(すくすく育て)
」の
プログラムは就学児童に栄養と衛生についての教育を行うとと
-47-
1-3
すくすく育て
ネスレがペルーで展開する
「クレセールビエ
ン」プログラムにより5,000 名の子どもたちが
両親や先生とともに、さまざまなパズルやゲー
ムなどを利用して栄養について学ぶことがで
きました。全部で2万5,000人が本プログラム
とかかわりました。
1
2
3
-48-
ブラジル
「ニュートリールプログラム」
116,000
ネスレのボランティアが活動した総時間数
誓約と取り組み
責任ある宣伝広告とマーケティング
消費者との適切なコミュニケーションに関わる責任ある宣伝広告とマー
ネスレはこれまでに5つの国、あるいは地域レベルの独立機関
ケティングの方針は、
「ネスレの経営に関する諸原則」
が1999年に最初
の監査を受けている、責任ある食品と飲料の宣伝広告に関しての
に発行されて以来その一部をなしてきました。その後三度にわたる見直し
自主的な取り組みに参加しています。
「EUの誓約」
と
「タイの誓約」
と追補により、これらの原則はすべてのマーケティング担当者と担当広告
「カナダ、米国、オーストラリアにおける子どもに対する食品飲料
代理店にとって参照必須のものとなっています。加えてネスレはすべての
の宣伝広告の取り組み」
の調印者として良好な栄養と健康なライフ
消費者コミュニケーションでのコンプライアンス確保のため、ガイドライン
スタイルを支援し、推進する業界としての努力に参画しています。
を策定しています。また、食品飲料のマーケティングコミュニケーションに
社会的な問題としてとらえられている栄養素の量を減らすとい
おける行動規範の順守状況を評価するヨーロッパ全域にわたるプログラ
う私たちの製品に対する方針は効果がありました。2003年から
ムを含む、業界をあげての取り組みに参加しています。
2007年の間に、売上を22パーセント伸ばす一方で、砂糖の使
用量を17パーセントも減らすことができたのです。
モニタリングは、業界の誓約や取り組みに不可欠な要素です。EASA
(ヨーロッパの広告基準に関わる業界団体)
は食品と非アルコール飲料の
ネスレ米国は2008年7月に
「米国の誓約」
に参加、ヨーロッパ、
宣伝広告に関してモニタリングを行いました。これは国際商業会議所の
タイ、オーストラリアにおける誓約は2009年1月に発効しました。
包括的規約とフレームワーク、および国単位の自主規制基準に基づいた
www.nestle.com/csv/pledges で詳細がご覧になれます。
ものです。ネスレの場合は全84 種の宣伝広告が関係規範に則っており、
100パーセントの順守でした。食品飲料企業全体としての順守状況は
96パーセントでした。さらに、2005年からはEASAは食品企業の宣
職場で栄養の知識を高める
伝広告のモニタリングを行ってきています。 世界経済フォーラムの
“ウエルネスに向けて”
(世界保健機構の
子どもに対する健康的な製品の宣伝広告
食事、運動、健康に関する世界戦略の一部)
に参加しているネス
当然のことながら、子どもを対象とした宣伝広告には多大な政
レの基本原則のひとつに社員を大切にする、というものがありま
治的関心が寄せられており、食品飲料業界は世界でその自主規制
す。社員の健康こそは事業運営の基本ですが、近年増加傾向にあ
のプロセスを拡大強化し、最近では2006年10月に改訂された
る、主に不適切な食生活や運動不足、また喫煙の結果引き起こさ
責任ある食品と非アルコール飲料の宣伝広告に関する国際商業会
れる循環器系疾患、糖尿病、肥満などの非伝染性の疾病は生産性
議所のフレームワークを採択し、大きな進展を遂げています。
を低め、コスト増の原因ともなります。
職場は多数の人々が長時間を過ごす場所なので、効果的な予防
子どもに対しての責任ある宣伝広告とコミュニケーションは、
以前から
「ネスレ 消費者とのコミュニケーションに関する諸原
対策の場となりえます。一時しのぎの対策はありませんし、社員
則」
という上位方針の一部であり、両親の権威を損なったり、人
の生活習慣の責任は社員自身にあります。しかしながら適切な
気や成功の面で非現実的な期待を醸成したりすることは避け、節
ツールと奨励策により、雇用者が社員に良い影響を及ぼすことは
度を保った健康的な食習慣と運動を奨励することを目指していま
十分可能です。
す。
職場でのウエルネスプログラム
•
6歳未満の子どもに対しては宣伝広告やマーケティング活動を
28万3,000人のネスレ社員がより効果的にネスレのスポーク
行わない。
•6歳から12歳までの子どもに対しての宣伝広告は、砂糖、塩、
スパーソンとなれるよう、私たちは数十年前から職場でのウエル
脂肪分の明確な上限基準を満たした健康的でバランスの取れた
ネスを実践しています。社員食堂がある場合は栄養に配慮した食
食生活の実現に寄与する製品のみに限る。
品、飲料を提供していますし、研修、会議、調理の実演などで社
員の栄養の知識を高め、また運動を奨励しています。
-49-
1,2 最高レベル
オーストラリアスポーツ機関とともに子どもた
ちが勉強でもスポーツでも彼らの可能性を十分
発揮できるよう支援するための教材を開発しま
した。
1
3 健康そのもの
学校の栄養士、調理師、教師のトレーニングと
教室で使う教材の提供によりネスレブラジルの
「ニュートリール」食育プログラムは子どもの栄
養不足や肥満を防ぐ一助となっています。
2
3
-50-
社員向け栄養研修
79,353
スタートから18カ月以内にNQニュートリショントレーニングを受講した社員数
社員のウエルネス支援のため、以下に述べるスイスのヴェヴェーにある
時間の制約と社員の間でも意識の差があるなか、スタートから
本社での
「ウエルネス・フォー・ミー」
プログラムなど、40以上の職場でウ
1年半で約8万名の社員がこの研修を受けました。研修前後のテ
エルネスプログラムを実施しました。
ストの点を比較することで、知識の習得度合いは測ることができ
ますが、その知識を実際に社員が生活に生かしているか否かは今
•活動的なライフスタイル:無料や会社の援助で使用できるス
後評価していく必要があります。社員からのフィードバックとし
ポーツクラブや余暇活動クラブの数を増やすとともに、ネスレ
ては、本研修の内容は実用的であり、実生活に応用可能との声が
の栄養とウエルネスの中核施設として、ウエルネスセンターが
寄せられています。
新たに完成しました。
•健康的な食事:社員食堂のメニューのすべてはカロリー計算さ
www.nestle.com/csv/NQで詳細がご覧になれます。
れており、低カロリー、あるいは栄養バランスの良い選択肢も
用意されています。社員食堂を利用する社員の三分の一は健康
主な課題
に留意した、500kcal以下のメニューを選んでおり、一年に
プログラムの効果測定
45万個の果物とミネラルウオーター 140万ボトルが無償で利
用者に提供されています。
例えば、インフルエンザの予防注射を受けた社員数や、病
•予防医学:社員はまたインフルエンザの予防注射や旅行の際の
欠数、退職者数なども判断材料にはなりますが、このような
保健アドバイス、体重管理のプログラムや禁煙プログラムも利
全社規模のプログラムの効果測定は、一般的に困難なもので
用できます。
「ボディ・トウー・ハート」
プログラムは1993年
す。国によっては予算や個人のプライバシー保護のため、デー
から続いており、約1,000名の社員が毎年、コレステロール、
タが取れない場合も少なくありません。守秘義務や情報を慎
血糖値、BMIをチェックしています。この記録によればネスレ
重に取り扱うことは重要なことですが、これにより評価は困
社員の健康状態は年々改善しています。
難なものとなります。国や地域によってプライバシーに対す
る受け止め方は異なりますが、ネスレは各個人のデータを個
社員のための栄養研修
別に追跡することはしていません。結果的に、特定の病気に
焦点を絞ったり、ライフスタイルの選択に注目した行動ベー
栄養はすべてのネスレ社員の関心事であり、持続的な学習の企
スのアプローチによる私たちの職場のウエルネスプログラ
業文化の醸成は栄養・健康・ウエルネス企業であるための重要な
ムの効果測定は、難しい課題であり、さらなる調査が必要
条件です。このため、ネスレは2007年、社員のための栄養研修
です。
プログラムを導入し、2008年には世界中で実施しています。
世界中で実施の
「NQ(栄養指数)ニュートリショントレーニン
ネスレ日本の
「NQ ニュートリショントレーニング」の様子を
www.nestle.com/csv/stories でご覧になれます。
グ」
プログラムは、社員の知識を高め、社員が自信を持ってその
知識を仕事でも私生活でも応用できるように設計されています。
NQツールキットには、トレーナーのためのマニュアルやプレゼ
科学とヘルスケア分野での取り組み
ンテーション、および研修を受ける社員用の、実用的な運動や
CD-ROMやビデオによる双方向のモジュール、研修の効果確認
のための研修前・後のオンライン・テストなどの教材が含まれて
ネスレニュートリションは60年以上、科学、医療分野の専門家
います。また、現地の言語、文化、健康上の優先事項に合わせた
の持続的な栄養教育に貢献してきました。3,600名の専門知識を
意識向上のための教材もあります。
持った担当者が医師、看護師、栄養士が患者に対応する上で有用な
情報、製品、サービスをお届けしています。
NQ (栄養指数)ニュートリショントレーニング(2007年7月−2008年12月)
ヨーロッパ・ロシア
南北アメリカ
アジア、アフリカ、オセアニア
スイス本社および研究開発部門
この情報共有、教育訓練の活動の中心となるのが
「ネスレ・ニュー
28%
43%
24%
5%
トリション・インスティチュート
(NNI)
」
です。NNIは
「より良い
栄養のための科学」
の発展のための学際的なコミュニケーションの
ネットワークであり、保健専門家に最新情報やツールを提供し、小
%は各地域での受講終了率
児栄養、臨床栄養とスポーツ栄養における研究を支援しています。
-51-
NNIはまた世界最大の栄養情報の出版者であり、3,000に及
公衆衛生の担当局や政策機関との取り組み
ぶその出版物には
「ネスレ年鑑」
、小児科健康専門家向けの
「ネス
ト」
、そして臨床栄養士のための学術雑誌
「クリニカル・ニュート
非伝染性の疾患の増加を懸念する各国政府や官庁は、肥満を減
リション・ハイライト」
が含まれます。さまざまな印刷物、CD/
らし、食事の質を向上させ、運動を奨励するなど、予防と治療の
DVDなどの視聴覚資料に加え、NNI ウェブサイトではオンライ
ためのアクションプランの導入を検討してます。世界保健機構と
ンによる医療学術ライブラリーや教育ツール、ワークショップや
欧州委員会からの民間セクターへの提言を始め、各国政府の枠組
イベントの開催案内などを提供しています。
み
(53ページ参照)
などがその例です。
www.nestlenutrition-institute.orgで詳細をご覧になれます。
過去25年間にわたり、NNIは100以上の国際的ワークショッ
プやシンポジウムを開催し、世界を代表する科学者や臨床医が一
堂に会する場を提供してきました。同時に500以上の大学院奨
学金を選び抜かれたパートナー教育機関において、乳児と妊婦の
健康と栄養などの分野の専門家を目指す若い小児科医や救急救命
士、科学者たちに授与しています。
2005年からはNNIは20以上の地域拠点を持ち、独自の医学、
科学のアドバイザーを擁するグローバルなネットワークへと進化
を遂げています。加えて、NNIは500名以上の影響力のあるオ
ピニオンリーダーとのネットワークを築いており、その方々には
NNIの種々の諮問委員会の委員をお願いしています。
1
2
1 知識欲を満たす
「NQニュートリショントレーニ
ング」ではネスレ社員は e ラーニ
ングや対面セッションなど、興味
の持てる形で栄養について学びま
す。スイスの工場での研修の様子。
3
2.3 食が焦点
2009 年1 月にオープンした、ス
イス、ヴェヴェーのウエルネスセ
ンターはいまやネスレの栄養・健
康・ウエルネスの中心となってい
ます。
-52-
「ネスレ・ニュートリション・インスティチュート
(NNI)」
500以上
過去 25 年で授与した大学院奨学金件数
取り組みを通じ、健康とウエルネスを推進していきます。
国際組織
www.ciaa.be と www.aim.be で詳細がご覧になれます。
ヨーロッパ食品産業連盟
(CIAA)
のメンバーとして、ネスレは
早い時期から世界保健機構の食事、運動、健康に関する世界戦略
国家レベルでの栄養プラットフォーム
を支持してきました。ネスレ会長のピーター・ブラベック‐レッツマッ
トはこの議題についての最初のWHO CEOラウンドテーブルに参加して
非伝染性疾患と広がる肥満との闘いにおける食事と栄養の重要性
以来、
WHOと産業界の合同ワーキンググループの熱心なメンバーであり、
その進展に尽力してきました。2008年5月にポール・ブルケCEOは他
が認識され、政策面で対応する国が増えています。ネスレは以下の
の国際的食品飲料企業7社の幹部とともに、WHOの事務局長に対し、
ような包括的な栄養プラットフォームや計画を支持しています。
製品の組成と入手のしやすさ、消費者向けの栄養情報、子どもに対する
マーケティングと宣伝広告、運動の推進と健康的なライフスタイル、そし
マレーシア:マレーシアの栄養のための国家アクションプラン
てパートナーシップの5つの分野において、世界規模での対応を図ること
II(NPANM II)は2015年までの10年計画で全国の栄養関連の
を確約しました。これが WHOの世界規模の戦略実施のさらなる進展の
活動を統括します。目的は肥満や糖尿病のような食に関連した、
基盤となっています。
非伝染性の疾患の増加を食い止め、マレーシア国民の栄養的ウエ
ほとんどのEU諸国では成人の半数以上、また推定2,200万人
ルビーイングを高めようというものです。ネスレは不足しがちな
の子どもたちが体重過多という状況です。肥満関連の疾患による
栄養素を強化した製品、摂取量を減らすべき栄養素を低減した製
経済的コストも甚大で、WHOの推定では、国により差があるも
品、消費者の意識を高めるための教材の提供、社員や学生の教育
のの、EU諸国の保健コストの2パーセントから8パーセントを
訓練などを通じ、NPANM IIを支援しています。
占めています。
www.nestle.com/csv/malaysia で詳細がご覧になれます。
肥満の原因はひとつではないので単純な解決策もありえませ
ん。そのため、ヨーロッパ委員会の
「食事、運動、健康のプラッ
トフォーム」が2005年5月に設立されました。このプラット
シンガポール:東南アジアでの公衆衛生改善への努力の一環
フォームでは、農業関係者、食品メーカー、小売業者、給食業者、
として、ネスレシンガポールはシンガポール心臓基金との戦略
広告関係者、NGO, 保健専門家、そして政府関係者が共に手を
的パートナーシップのもと、「ラブユアハート」キャンペーンを
携え、全ヨーロッパにおける肥満とそれに起因する健康の課題に
支援し、またネスレのオメガプラスシリーズは心臓と骨の健康の
取り組んでいます。プラットフォームでの活動の範囲は、食品表
ための推奨ミルク製品として、基金のロゴを付けてお届けしてい
示、宣伝広告とマーケティング、製品の規格や分量の変更、健康
ます。ネスレはまた、健康増進理事会(HPB)とともに、「健
的なライフスタイルの推進などに及んでいます。
康的な食、健康な人生」キャンペーンを推進しています。シンガ
ネスレはEUプラットフォームの一つ、ヨーロッパ食品飲料工
ポール全国労働組合会議が運営する生協とのパートナーシップに
業会
(CIAA)
の創立メンバーであり、22カ国の1,800の消費者
よる、健康的な製品の基準を満たす製品の販売や、講義、料理の
向けブランド製品メーカーから成るヨーロッパ・ブランド協会
講習や製品キャンペーンなどがその例です。
(AIM)
のコーポレートメンバーでもあります。
www.nestle.com/csv/singapore で詳細がご覧になれます。
AIMを通じ、バランスの取れた食品の選択肢の提供と健康的
なライフスタイルを推進し、ヨーロッパの人々の健康増進に取り
ブラジル:ブラジル政府は公立学校における給食プログラムを
組んでいます。
50年以上続けており、2008年には3,450万人以上の子どもたちが
学校給食を利用しています。ネスレブラジルの「ニュートリール」
http://ec.europa.eu で詳細がご覧になれます。
食育プログラムは低所得家庭の子どもたちの栄養不良と肥満を予防
するよう設計されており、栄養士、教師、給食の調理師のトレーニ
産業界での機運の上昇に数カ月にわたり積極的に貢献した結果、
ングや教材の提供などを通じて政府の取り組みを支援しています。
2008年4月、ネスレはAIMの
「健康とウエルビーイングのための
ブランド憲章」
に調印した創立54メンバーの一つとなりました。
www.nestle.com/csv/nutrir で詳細がご覧になれます。
消費者の皆さまからのネスレブランドに対する信頼を生かす形で、
イノベーション、製品開発、消費者への助言、教育、訓練などの
-53-
「2008年に、地域社会のより多くの人々に役立ててもら
える活動を増やそうと、産業界の協力を求めたところ、
ネスレマレーシアから大きな支援を頂き、お陰様で
“マ
レーシア栄養月間 2008”
は大成功を収めることができま
した。
」
マレーシア栄養協会会長
1
www.nestle.com/csv/stories で全インタビューがご覧になれ
ます。
2
1 共通の目標
「ネスレとの協働は長期的なパー
トナーシップであり、ネスレの支
援は消費者に健康的な食の選択
肢を提供するという点で、シンガ
ポールでの健康的な食を推進する
という私共の使命と完全に合致し
」
シンガポール健康推
たものです。
進委員会メンバー。
3
2.3 元気な子どもたちに
「ミロ」
はシンガポールの健康増進
理事会
(HPB)
の認定マーク付きの
ネスレ製品のひとつであり、多く
の国々の未来のチャンピオンの飲
み物です。
-54-
14
21
28
35
44
55
科学に基づいた栄養ニーズへの対処
食品と食生活の質を改善する
肥満予防とウエイトマネジメント
特定の栄養ニーズを必要とする人々の要望に応える
栄養についての認識、知識、理解の向上
途上国での栄養の改善
途上国での栄養の改善
栄養の必要性
ネスレの対応
共通価値の創造
特に新興経済地域においては、手頃
世界中の低所得者層が栄養価値のあ
低所得者層が栄養価値ある食品や飲
な価格で栄養価値のある食品を入手で
る食品を手ごろな価格で手にすること
料製品を手にすることができます。ト
きることが大切です。
ができるようにする取り組み、技術支
レーニングを受け、意欲もある農家の
援やトレーニング、小額融資を通じて
人々は収穫高を増やすことができ、収
の持続可能な農業と地域開発プログラ
入も増えます。そしてその地域社会は
ムの支援、ネスレ財団を通じて世界の
雇用の機会と経済発展によって豊かに
貧困層の人々の栄養を改善するための
なります。ネスレは高品質な原材料の
研究への財務的支援を行っています。
確保と地域との密接な関係という利益
を得ることができます。新たな消費者
がネスレブランドに魅力を感じること
で、会社は利益ある成長を実現し、す
べての株主に適切な財務リターンを産
み出すことができるのです。
手ごろな価格で
手に入れやすい
マレーシアのクアラル
ンプールで鉄とカルシ
ウム、数種のビタミン
が 強 化 さ れ たPPP製
品
(手の届く価格帯の
製 品 群「
)ネ ス プ レ イ
セルガス」を購入する
消費者
(56ページ参照)
-55-
質のよい栄養を入手しやすく
300
世界での
「手の届く価格帯の製品群」
イニシアチブの数
原料調達もまた、信頼できる商圏からの定期的な収入とネスレの
低所得者層の栄養ニーズに応える
ミルク生産地区のようなネットワークを通じての無償の技術指導
を供給業者に提供しています。
「手の届く価格帯の製品群」
低所得者層が購入できる栄養価値ある製品群を増やすため、ネ
「手の届く価格帯の製品群」
を通じての栄養の改善
スレは
「手の届く価格帯の製品群
(PPPs)
」
イニシアチブを大きく
拡大させています。この達成のために重要なのは、新しい食品と
世界の新興国の多くの消費者は 鉄分、亜鉛、ヨウ素、ビタミ
栄養の技術と、低価格で栄養価値のある安全な製品をお届けする
ンAといった主要な微量栄養素の欠乏の影響を受けており、低価
新しい流通モデルの活用です。
格の微量栄養素を加えたネスレの
「手の届く価格帯の製品群」
は、
消費者が暮らす場所へネスレの製品を届けるために、アジアや
手頃な価格で、
最も一般的な欠乏症に対処する一助となるのです。
ラテンアメリカのさまざまな国でのネスレの直接販売イニシアチ
とりわけ、低所得者層の人々は、穀物などの主食に、微量栄養
ブでは、
地域の代理店が
「手の届く価格帯の製品群」
を、
小型トラッ
素を豊富に含む肉や魚、鶏肉、卵などを追加して摂取する経済的
クやオートバイを使って農村地区の小規模の流通業者へ直接配達
な余裕はありませんが、カルシウムが豊富で微量栄養素強化の添
しています。その他の国々では、地域の零細小売店や、直接、ス
加に適している牛乳は、多くの人々にとって長期的に取り入れや
トリートマーケットの消費者やコミュニティセンター、そして地
すい栄養素の源です。ゆえに、ネスレは、
「ネスレ・リサーチ・セ
域行事向けに販売を行う業者を通じて、市場浸透や製品の入手の
ンター」
やスイスのコノルフインゲンにある
「プロダクト・テクノ
しやすさを高めています。時には小額融資の支援を受け、タイで
ロジー・センター」
での、牛乳を原材料とする常温で長期保存可
は1,700の移動式
「ネスカフェバー」
、西アフリカでは3,000の
能な製品の研究に年間3,000万スイスフラン
(約28億円)
を投資
コーヒー販売カート、ブラジルでは6,000の直販スタッフが活
しているのです。
躍する現地販売ルートがあります。
2008年には、
「手の届く価格帯の製品群」
の取り組みに参加し、
進捗をモニターする国の数は、37から70に増え、300を超え
「ニド」
:実践中の
「手の届く価格帯の製品群」
の強化
るさまざまな取り組みが実施され、27パーセントのオーガニッ
クグロースを達成しました。
「ニド」
「
、ニンホ」
「
、ネスプレイ」
「
、クリム」
「
、ベアブランド」
「
、イ
デアル」
といったさまざまなブランドで展開しているミルク製品
群は、子どもたちの成長に必要なエネルギー、タンパク質、微量
世界での
「手の届く価格帯の製品群」
の売上
(2008年)
栄養素を含むよう設計されており、結果として、多くの消費者に
百万スイスフラン
782
望まれる製品となっています。しかし、栄養の質において妥協す
南北アメリカ
1,910
ることなく、低所得者層が利用しやすくするために、ネスレは新
アジア、オセアニア、アフリカ
2,707
興市場の人々が無理なく買える形態でこれらのミルク製品を提供
ヨーロッパ
しています。これらの製品はまた、対象となる人々やそれぞれの
「手の届く価格帯の製品群」の定義は、2008 年に 3 つの地域で
統一されています。詳述は www.nestle.com/csv/inaction/ppp
をご覧ください。
地域での最も一般的な欠乏症に適するように、鉄分、亜鉛、ビタ
ミンA、その他の微量栄養素が強化されています。
2006年末時点で、このような無理なく買えるミルク製品群は、
世界10地域で展開していました。最新の試算によれば、2011
社会における
「共通価値の創造」
年末までにはこれらの強化製品を世界50カ国1,100万人に供す
「手の届く価格帯の製品群」
による価値創造は、手頃な価格での
ることができるようになるはずです。新たな販売地域はすでに特
栄養価値ある食品の入手という範囲を超え、社会のあらゆる面に
定されています。
及んでいます。
地域の製造や物流ネットワークを使用することで、
メキシコでは、子どもたちの3人に1人は貧血であり、5歳未
工場従業員、代理業者、仲介業者、供給業者、物流業者など直接、
満の子どもの多くが食生活の中で亜鉛を十分に摂取できていませ
間接的な雇用の機会を創出し、それが、地域経済の発展を促進し、
ん。低所得者層だけでも、メキシコの1歳から6歳の1,430万
トレーニングを通じて技能を高めることになるのです。地域での
人の子どもたちのうち、600万人以上に
「ニド」
を提供できる可
-56-
能性があるのです。私たちは、2010年までに、70万人以上の消
費者が、鉄分、亜鉛、ビタミンAを強化した
「ニド リンデス ディ
アリオ」
を購入してくださると予測しています。
2009 年に手の届く価格で
ネスレの強化ミルク製品が発売された国
「ニド」
アルゼンチン、バングラデシュ、チリ、
モロッコ、パキスタン、南アフリカ
「ネスプレイ」
シンガポール
「クリム」
コロンビア
「グローリア」
アルゼンチン
「サンシャイン」 太平洋諸島
1,2
3
1
経済発展の促進
「手の届く価格帯の製品群」
は、多くの場合、現地の人々
に工場従業員として、また
代理業者、流通業者などで
雇用の機会を提供していま
す。マレーシアの工場で品
質検査担当者が栄養強化ミ
ルク製品を検査していま
す。
2
理想的な解決法
ブラジルでは何千人もの直
販スタッフが、栄養が強化
されたミルク製品
「イデア
ル」を戸別に配達し、市場
での浸透度を高めるととも
に収入を得ています。
3
店頭で
マギーの
「手の届く価格帯
の 製 品 群 」を 取 り 扱 う マ
レーシアの個人店主
-57-
生産能力の強化
3,000万スイスフラン(約28億円)
ネスレの援助による農家への小額融資の総額
ブラジルの多くの地域で見られる鉄分の欠乏による貧血は、同
フラン
(約2兆1,100億円)
に達しました。
様に、インドネシアでも5歳未満の800万人
(4割)
の子どもたち
現地での調達、製造、そして消費という短いサプライチェーン
に見られる公衆衛生上の大きな問題です。鉄分を強化した
「イデ
により、高品質な原材料の確保と配送費の削減が可能となり、私
アル」
は両国で、2005年から販売され、以来ブラジルの180万
たちは栄養改善に寄与する適切な価格の製品を製造することがで
人、インドネシアでは40万人以上が利用しています。
きるのです。ネスレの製造設備のほとんどは、農村地域の農作物
他の強化ミルク製品として、
「ネスプレイ」
(マレーシアとスリラ
の供給者に近いところに位置し、約半数の工場は途上国にありま
ンカ)
「
、クリム (
」カリブ諸国)
「
、ニドエッセンシャル (
」中央アメ
す。これらの工場では、約240万人がネスレのサプライチェー
リカ)
「
、ニドエッセンシア」
(中央および西アフリカ)
があります。
ンから生活の糧を得ており、地域発展の拠点となっています。
加えて、フィリピンでは、
「ベアブランド」
製品が、子どもたちの
社会的、環境的にも高いネスレ独自の基準を強化するために、
鉄分、カルシウム、ビタミンAの欠乏に対処するため栄養強化さ
私たちは新たなサプライヤー規約を導入しました。これはすべて
れています。さまざまな度合いで、鉄分、ビタミンA、ヨウ素の
のサプライヤーに適用されるもので、これまでに16万5,000の
欠乏が見られるモロッコ、アルジェリア、チュニジア、そしてモー
ネスレのサプライヤーのうち12万がすでに規約を受け取り、規
リタニアに及ぶ北アフリカのマグレブ地域でも、まもなく手の届
約に言及した発注書や契約を履行しています。規約の順守は、サ
く価格の強化ミルク製品が販売されます。
プライヤーによる自己査定と第3者機関の監査により管理されて
います。
微量栄養素不足による栄養障害に対し、ネスレが無理なく買え
る仕様での
「ニド」栄養強化製品の提供によってどのように対応
し て い る か は www.nestle.com/csv/stories で ご 覧 に な れ ま
す。
www.nestle.com/suppliers でサプライヤー規約がご覧になれ
ます。
ネスレのミルク生産地区モデル
地域開発
育児用粉乳と乳児用シリアル製品を製造する小さな会社として
ネスレの農家および農村地域の工場との協働は、地域の多くの
1866年に創業して以来、ミルクはネスレの事業の中核であり、
人々の収入に好影響を及ぼし、従って人々の栄養状態にも影響し
先に述べたように私たちの事業にとって一番大切な農産物である
ます。
ことに変わりはありません。今日、ミルクは、ネスレの食品飲料
地域発展に直接農家と共に取り組むというネスレの姿勢は、高
事業の11パーセントを担っています。
品質で安全な農産物の安定的な供給の確保のために、事業戦略の
高品質な供給を確保するとともに、貧困と闘い、栄養の改善を
中枢を成しています。これは、ネスレの2大主要原材料であるミ
進めるため、ネスレは19世紀に開発されたスイスのミルク生産
ルクとコーヒー豆はもちろんのこと、他の重要な農作物にも言
地区システムを世界中の途上国の酪農家に適用しています。
えることです。ネスレの771名の農学者や7,784名の農業改良
普及員は、80年にわたる経験を活かし、無償の技術支援とアド
ネスレのミルク生産地区モデルは以下のものを含んでいます
バイス、そして3,000万スイスフラン
(約28億円)
の小額融資を、
•地域レベルでの、支払い体制、品質・安全管理手法、電子計量
設備、冷却タンクを備えた集乳センターの設立
世界の59万4,223の農家の人々に提供しています。世界中の途
•ミルクの量・品質の改善のための酪農家への無償の技術支援、
上国に合わせた系統的なアプローチを適用することで、大規模な
畜産アドバイス、およびトレーニングの提供
貧困の減少と栄養改善に貢献し、意義ある長期的な事業経営を成
•食の品質と安全基準の改善
•薬物療法から人工授精にわたる獣医サービスの提供
•輸送とインフラのネットワークの構築
•酪農家への即時現金払い
•必要とする酪農家への毎年約3,000万スイスフラン(約28億
功裡に行っているのです。
農業におけるサプライチェーン
ネスレは毎年原材料の約3分の2を、新興市場の農家や加工業
円)
の小額融資の提供
者から購入しています。2008年度の原材料購入額は、2007年
度より16億スイスフラン
(約1,500億円)
増加し、225億スイス
-58-
結果として、2007年にミルク生産地区を通じて現地調達され
たミルクは500万トンとなり、小規模酪農家の収入は急速に改
善しています。
世界のミルク生産地区
集乳センターの設置、酪農家のトレーニング、より優れた技術
の導入といったネスレの経験は、これまでに29カ国
(ヨーロッ
パ地域:フランス、ドイツ、スイス、スペイン、イギリス;アメ
リカ地域:ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エクアドル、ジャ
マイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、ペルー、キューバ、ア
メリカ合衆国、ベネズエラ;アジア・オセアニア・アフリカ地域:
オーストラリア、中国、エジプト、インド、インドネシア、モロッ
コ、パキスタン、南アフリカ、スリランカ、ウズベキスタン、ジ
ンバブエ)
でも行われ、最近では、中国内モンゴル自治区にも導
入されました。いずれの場合もネスレ、地域社会どちらもが利益
を得ています。
1,2
3
1,2
サプライヤーとの
パートナーシップ
コスタリカ、ベトナム、他
の生産地域でのコーヒー農
家への支援によって、最高
水準の品質の
「ネスプレッ
ソAAA
(トリプルエー)
」
や他のコーヒーブランドの
ための確実な豆の供給が確
保できています。
3
支援とアドバイス
コートジボワールの農場で
持続可能なカカオ豆栽培技
術と農法上のベストプラク
ティスを教える農学者
-59-
接続可能な農業への支援
32
「接続可能な農業イニシアチブ
(SAI)
」
に取り組む国数
www.nestle.com/csv/stories で個別プロジェクトがご覧にな
ミルク生産地区での実践
れます。
インド:インド北部にあるモガのネスレミルク加工工場は
1959年から操業しています。当初は、2,000トンのミルクを
マルチ・ステークホルダー・プログラム
4,600人の酪農家が供給していましたが、いまや2,600の村の
10万人の酪農家が30万トンを超える供給を行うまでの規模に
ネスレは約60万人の農家と直接接してはいるものの、すべて
拡大しました。ネスレ・アグリカルチュラル・サービスが運営す
の問題に対しての解決策があるというわけではありません。それ
る野営キャンプでは、酪農家同士の交流や、最新の技術情報の共
ゆえ、他の企業や機関と協働することで地域開発の効果を上げよ
有を奨励しています。年に一度のミルク収穫高コンテストは、ネ
うと努力しています。
ネスレは2002年に、ダノン、ユニリーバとともに
「持続可能
スレが主催するファーマーズ・オープンデーの一環であり、ビ
レッジ・ウーマン・デベロップメント・プログラムでは、3万人
な農業イニシアチブ(SAI)
プラットフォーム」
を設立しました。
の女性酪農家へのトレーニングを行いました。モガ工場では、3
加盟する26企業は、6つの研究部会
(穀物、コーヒー、ミルク、
万3,000人を超える生徒が利用する85の村の学校での飲料水設
果物、じゃがいもと野菜、水と農業)
を通じて、30カ国以上の主
備の建設や植樹計画、結核診療所のための資金援助といった地域
流農業での優れた農業実践の振興と持続可能な方針の実施を目指
に根づいた他のプロジェクトも開始しています。
しています。
今日、モガは近隣の地域よりも生活水準が高く、現地酪農家の
www.saiplatform.org で詳細がご覧になれます。
購買力の増加はまた、
ネスレ製品の市場を大いに拡大させており、
ネスレの事業の成功を後押ししています。
インドネシア:ジャワ東部のワルーにあるネスレの最初の工場
ネスレはまた、4,000人の女性農業アドバイザーの育成を行
は、1975年5月にミルク協同組合から初めての供給を受けまし
う国連開発計画
(UNDP)
とネスレパキスタンの協働プログラム
た。今日、ネスレインドネシアは27のミルク共同組合から毎日
のような、官民のパートナーシップにも貢献しています。彼女た
480トン
(年間1億4,100万トン)
の新鮮なミルクを調達していま
ちは、供給するミルクの品質や価値の向上のため、パキスタンの
す。
農村部の女性酪農家へ、家畜の健康、飼育や飼料の生産に関する
パキスタン:ネスレは年間1億8,000万米ドル以上をパキス
技術支援やアドバイスを提供しています。
そしてこれらの活動は、
タンでのミルク調達に、300万米ドルをミルク調達関連業務や、
地域経済力をも高めているのです。
農業、
技術支援、
酪農家のトレーニングに投資しています。2,000
このような農家との密接な協働は、
「ネスプレッソAAA(トリ
の村でのミルク配送拠点を通じて、13万5,000人以上の酪農家
プルエー)
」
に使われる最高級品質の原料や
「モーベンピッククラ
が、カビルワラのネスレ最大のミルク工場など2つの工場へ、年
シック」
アイスクリームの原料となるエクアドルのカカオやしょ
間50万トンに近いミルクを供給しています。国連開発プログラ
うがのように製品レベルでの差別化に有利な条件をもたらしま
ムと協働で4,000人の女性の畜産家への研修も行っています。
す。また、ミツバチの減少に関する研究への
「ハーゲンダッツ」
の
中国:中国東北部の黒竜江省の2万4,000人近い酪農家が78
支援のように、社会的な問題の解決に関連したマーケティング
カ所の集乳センターへ新鮮なミルクを届けています。ネスレはミ
キャンペーンの信憑性をも高めます。詳細は、同時に発行されて
ルク代金の支払い、税金、サービスや給料を通じ、年間約2億米
いるマネジメントレポートをご参照ください。
ネスレはまた、コーヒーの分野でのさらなる持続可能性のため
ドルを地域経済へ投入しています。
コロンビア:2カ所のミルク生産地区で年間22万6,000トン
に取り組む
「コーヒーコミュニティの共通規約
(4C)
協会」
の共同
を供給するコロンビアにおいて、ネスレは3番目に大きなミルク
設立者でもあります。
の購入者であり、ひと月に約500万米ドルを4,000人の現地酪
農家に支払っています。加えて地域の1万人以上が、搾乳者、現
地労働者、運送者、トレーダーとしてミルクサプライチェーンに
穀物、豆類に含まれる毒素の削減
かかわって働いています。
事業上の重要性を考慮し、ネスレは、約59パーセントの穀物
がマイコトキシン
(真菌の産出するカビ毒)
に汚染されているコー
-60-
www.nestle.com/csv/agriculture で詳細をご覧になれます。
トジボワール、ガーナ、ナイジェリアで、穀物や豆類
(豆、えん
どう豆など)
の汚染レベルを削減するための3カ年プロジェクト
パキスタンの農村部でミルク生産の改善のためにネスレが支
援するプロジェクトについての動画は www.nestle.com/csv/
stories でご覧になれます。
を開始しました。正確なデータの収集、
毒素削減策、
国の普及パー
トナーとの協働、電子媒体やニュースレターを通じたステークホ
ルダー間の対話の推進、管理と能力強化トレーニングによって、
中国内モンゴル自治区のアールグナ工場で酪農家の発展を支援
するミルク生産地区の詳細は、www.nestle.com/csv/stories
でご覧になれます。
6割の改善が期待されています。
これにより主に恩恵を得るのは、トレーニングと同時に、汚
染されていない原材料を高く売ることのできる3,000の農家の
人々です。食品会社、小売業者、卸業者においても、農産物のマ
イコトキシン汚染と健康との因果関係についての認識が高まる
でしょう。同時に、これらの3カ国で現在アフラトキシン
(天然
に存在するマイコトキシン)
に曝されている150万と予想される
人々がより健康的な食物を手にすることができるのです。この
計画は、ジンバブエ、ケニアそしてマイコトキシンが問題になっ
ている他の国々でも展開される予定です。ネスレは、
「ゴールデン
モーン」
(ナイジェリア)
「
、セレラック」
(コートジボワール)
「
、セレ
ビータ」
(ガーナ)
といった手頃な価格のブランドへの根強い需要
のある地域で、急速に成長する朝食用シリアル事業にとりわけ重
要な、高品質の穀物や豆類を入手することができるようになるで
しょう。
1,2
3
1
草の根活動
コロンビア特有のブラキア
リア草
(熱帯イネ科牧草)
の
おかげで、カケタのミルク
地区の乳牛は高品質のミル
クの安定供給を続けていま
す。
2,3
直接的なかかわり
インドのモガ、中国内モン
ゴル自治区、アールグナの
集乳センターへミルクを持
ち込む現地の酪農家たち。
ここでミルクが検査・計量
され、貯蔵されます。
-61-
情報が入手できない状況での能力開発は考えられません。それゆ
栄養の研究と健康増進のための知識の創造
えに、財団はセネガルやベナン共和国の栄養学課程の大学院生を
支援しています。
世界の栄養問題研究のためのネスレ財団
2003年、財団は低所得国への知識の移転を促進するため、
世界の栄養問題研究のためのネスレ財団は、創業100周年の
enLINKイニシアチブを始動させました。インターネット上の
記念として1966年に設立されました。スイス・ローザンヌに本
enLINK電子図書館
(www.enlink.org)では、低所得国の大学に
拠地を置き、
ネスレからは財務的にも運営上も独立していますが、
所属する個人のために、最新の学術雑誌、栄養学や医学の教材の
40年以上の間、栄養研究において独自の方法で、共通価値の創
全文を無料で提供しています。電子図書館を補完する実際の書籍
造を行ってきました。
や出版物の提供を行う
「オレンジenLINK可動式図書館トランク」
栄養と医療に特化した能力開発は、生活や行動様式の変化をも
は、世界唯一のものです。enLINKトランクには、栄養学や医学
たらし、たとえ収入に変化がなくともよりよい健康とウエルビー
の教材、パンフレット、ガイドラインといった最新の主要な栄養
イングをもたらします。財団の主たる目的は、所得の低い国々で
情報が計3万ページ以上も詰め込まれています。このトランクに
の公衆健康に関連の深い、人の栄養に関する研究の立ち上げや支
は、大小があり、どちらもすぐに利用できる知識が詰まってい
援を行うことです。
るのです。これが利用される多くの地域では、たいていの場合、
enLINK電子図書館とトランクが、信頼できる最新の栄養情報を
現在、財団は、4つの主要研究分野に重点的に取り組んでいます
入手する唯一の情報源となっています。2008年末までに、ト
•妊婦と子どもの栄養(母乳および補完的な栄養を含む)
•主要栄養素と微量栄養素の欠乏とアンバランス
•伝染病と栄養の相互作用
•栄養教育と健康の増進
ランクは10以上の低所得国で使用されています。
「共通価値の創
造」
はまさに知識の共有から始まるのです。
ネ ス レ 財 団 の 世 界 の 栄 養 問 題 研 究 に つ い て は www.
nestlefoundation.org と www.enlink.org でご覧になれます。
途上国での栄養障害にかかわる取り組みであれば、他分野の研
究も対象としています。
財団の活動はアジアやアフリカ、そしてラテンアメリカの30
以上の低所得国に及んでいます。現在、AからZまで、つまりあ
りとあらゆる研究プロジェクトが世界中で進行中です。微量栄
養素との関連でいうと文字通りAからZまで
(ビタミンAや亜鉛
[Zinc]
など)
が対象となります。このような状況において、衛生
と医療面での改善を組み合わせた、
食品を基盤とした取り組みが、
持続可能な問題解決法となるのです。
財団は、その地で生産される食材を使用して栄養障害の問題を
解決するといった、食品を基盤とした取り組みに力を注いでいま
す。ウガンダでのプロジェクトでは、児童の栄養状態におけるア
マランスの効用に取り組んでいます。一方、インドネシアでは、
鉄分の生体利用率の改善のため、ビタミンCを最大限に摂取で
きる理想的な現地の食材を調査しています。中国では、今までお
ざなりにされていた妊娠期間中のヨウ素の必要量を明確にするさ
らなる研究に取り組んでいます。
知識の力:enLINKイニシアチブ
「共通価値の創造」
は、
知識を共有することから始まるのであり、
-62-
「とうもろこし、落花生、大豆を栽培しています。教え
てもらった優れたやり方で、収穫高を増やすことができ
るでしょう。できの悪いとうもろこしをよいものと選別
することができれば、家族でそれを食べることができま
す。健康な生活がおくれるし、また、市場での高値も期
待できます。
」
ガーナ北部タマレ近郊の農家
インタビュー全文は www.nestle.com/csv/stories でご覧にな
れます。
1,2
3
1-3
最高品質の作物
ガーナ北部のタマレで収穫
されたトウモロコシは現
地で製造される朝食用のシ
リアルに使用され、同時に
農家の人々の食用にもされ
ています。農家の人々はネ
スレセントラル&ウエスト
アフリカの農学者から作物
の品質向上法を学んでいま
す。
-63-
将来の目標と課題
く、外的環境の変化に成功裏に適応してきました。その結果、世
ネスレの基本戦略
界をリードする栄養・健康・ウエルネス企業としてのネスレの今
栄養・健康・ウエルネスというネスレの戦略は、今や確立され
日があるのです。これからも同様に、ネスレは食品と栄養に影響
ています。この戦略を積極的に推進するのは、
栄養に対する意識、
を与える今後の世界規模の課題に取り組んでいかなければなりま
健康とウエルネスのさらなる向上への願いが、消費者の製品選択
せん。
にとって、ますます重要となってきていると認識しているからで
この140年あまりで、貧困を減らし食品の購買力を向上させ
す。私たちの事業活動を律する全体の枠組みは、変化する世界に
た緑の革命と経済発展を主な要因として、栄養障害の減少に顕著
あわせて絶えず手を加えている
「ネスレ 経営に関する諸原則」
と
な改善がありました。
「考働規範」
であることに変わりはありません。
しかしながら、ネスレは企業として近年の食料の価格の高騰を
目の当たりにし、
危惧しています。私たちはまた、
この
「食糧危機」
がこれからの数年あるいは数十年の長期にわたって水と食糧の世
科学的根拠に基づく製品開発のいっそうの拡大
界規模の危機になるのではないかと憂慮しています。もしそのよ
私的機関としては世界最大の栄養と食品に関する研究能力と、
うなことが起これば、とくに途上国における社会と私たちの事業
の双方に重大な結果をもたらすことでしょう。
中国などの国々への事業拡大、そして研究と製品づくりとの力強
私たちは、世界のさまざまな場所ですでに明白となっている、
い結びつきにより、ネスレは製品全般にわたり新しい栄養的な価
値と健康への便益を創造し続けます。そしてオープンな研究組織
そしてもし適切に対処ができなければ慢性的な食糧不足と著しい
と世界中の約300の科学研究機関との連携がこれを支援してい
栄養不足をもたらすであろう水不足という深刻な課題に直面して
ます。この報告書で先に述べた
「60/40+」
手法はこれを実現する
います。これは気候の変化や水資源の管理の甘さ、人口増大と経
ための重要なツールであり、その適用はますます広がっていくで
済成長による食品の需要増大の結果なのです。
食料と栄養の保障はネスレにとって主要課題であり、すべての
しょう。
ステークホルダーの協力が必要となるでしょう。
ネスレは将来を楽観視する一方で、そのような危機が起こらな
消費者への働きかけ ー 栄養・健康・ウエルネス
いように他の主要なステークホルダーと協働し、政策とその実施
ネスレはまた、消費者が、健康とウエルネスの質的向上につ
に働きかける所存です。この懸念を共有する方々と手を携えて共
ながる、より栄養に配慮した食生活を送ることができるよう、
に行動する用意があるのです。
斬新な方法で情報とアドバイスを提供するサービスを拡大しつ
つあります。ますます増大する質の高い食生活に対する消費者
ニーズに従うだけでなく、可能な場合には、栄養・健康・ウエル
ネスの目標に消費者の関心が向くよう働きかけています。
収入ピラミッドの底辺に向けた戦略
ネスレはまた、拡大が続く事業分野である
「手の届く価格帯の
製品群」
を通じて、
競合製品に比べて低価格で栄養価値の高い数々
の製品をお届けする
「収入ピラミッドの底辺」
に向けた戦略に着手
しました。この非常に大きなマーケットへの取り組みは始まった
ばかりです。低所得者層のための栄養価値の創造を通じた株主に
とっての価値創造はまだまだ未開拓な分野なのです。
将来の不安要因:水資源と食料保障
これまで140年以上にわたりネスレは地域的紛争や世界大戦、
深刻な景気の低迷や環境の激変の中をくぐりぬけてきただけでな
-64-
第三者機関の保証:
所見(中間報告)
はじめに
ビューロベリタス英国は、ネスレの
「2008
年共通価値の創造報告書:栄養と食生活
(以下
栄養報告書)
」についてネスレ S.A,(ネスレ)の
ステークホルダーに対して外部保証を行うた
めに携わってきました。栄養報告書の準備は
ネスレ自身の責任において行われます。私た
ちの目的はステークホルダーの皆さまに栄養
報告書の記述内容が正確で信頼できるもので
あることを合理的に保証することです。
保証の範囲と手順
1. 栄養報告書の対象期間である2008年1月か
ら12月末までのネスレの活動を審査しまし
た。
2. 重要度の評価とステークホルダー召集に関
連する外部パートナーからの情報について
の限定的な審査をしました。
3. ネスレが直面する課題、応答、パフォーマ
ンスデータ、ケーススタディとその基礎と
なる情報、データ管理のシステムを審査し
ました。
4. すべてのマーケットレベルにおける「共通
価値の創造」関連のポリシーと手順の実施
についてパイロット評価をしました。
上述の範囲の一環としてビューロベリタス
は以下を行いました。
•ネスレ本社の幹部のインタビュー
•世界各地の事業所からの関連情報や報告内
容、パフォーマンスデータの特定と照合のた
•
•
めのプロセスの審査
栄養報告書にあるパフォーマンスデータと事
実関係の審査
マーケットレベルのプログラムとプロセスの
理解と実施状況を検証するためにネスレ南ア
フリカを訪問
ネスレの事業地域での
ポリシー実践のパイロット評価
ネスレの各事業地域におけるポリシー実践
のパイロット評価は、栄養・健康・ウエルネ
ス企業としてのネスレの位置づけが十分に理
解されていて、
「60/40+」や
「栄養基 盤
(NF)
」
、
「手の届く価格帯の製品群
(PPPs)
」などこの報
告書で記述されている主要なプログラムやポリ
シーが本社からのガイドラインに沿って事業地
域で現在実践中であることを示しています。
審査結果は www.nestle.com/csv に掲載の保
証ステートメント完全版に記述されています。
改善すべき主要分野はwww.nestle.com/csv
に掲載の保証ステートメント完全版に記述さ
れています。
その他留意点
以下の情報は審査の対象外とします。
•報告期間外での活動
•将来の行動についてのコミットメントや意向
に関わる記述
•意見、信条、願望
私たちの保証は
「栄養報告」からのハイパー
リンク先にある情報を含みません。
審査は完全というよりは妥当な保証を目的
として行いました。上記の範囲は弊社が結論
を得るための根拠として妥当であると考えま
す。
本第三者ステートメントは過失、脱漏、虚
偽表示の特定については責任を負いません。
ビューローベリタス
ロンドン、2009 年 2 月
所見
(中間報告)
審査に基づく栄養報告書についての私たち
の意見は以下のとおりです。
•信頼に足る情報が分かりやすく記載されてい
る。
•報告期間における活動やパフォーマンスにつ
いての適切な説明を行っている。
•取り上げられているさまざまな課題が食生活
に関して最も緊急性の高いものであると認識
されるよう具体的な報告がなされている。
•ネスレが直面している問題や課題を記述に含
めることで前回の報告に比べ、改善が認めら
•
れる。それらの問題へのネスレの対応を読者
がよりよく理解できるよう追加の情報が盛り
込まれている。
栄養報告書の主たる読者として、科学や保健
コミュニティーを含むことを想定しており、
それらに対するネスレの回答は明快で包括的
である。
Photography
Nana Kofi Acquah,
Nicole Bachmann,
Patrick Brown/Panos Pictures,
Markus Bühler-Rasom,
Warren Clarke/Panos Pictures,
Stephane Danna/Agence France Presse,
Tim Dirven/Panos Pictures,
Douglas Engle/Panos Pictures,
Sam Faulkner/NB Pictures,
Jonathan Fong,
David Gagnebin, Peter Garmusch,
Tobias Gerber/laif,
Peter Ginter,
Nicolas Goldberg/Panos Pictures,
Josh Haner/laif,
Harmen Hoogland/Nestec,
Kemal Jufri/Panos Pictures,
Geert van Kesteren/Magnum Photos,
George Osodi/Panos Pictures,
Marc Latzel,
Marta Nascimento/laif,
Philippe Prêtre/APG Image,
Marta Ramoneda/laif,
Sergio Santorio,
Qilai Shen/Panos Pictures,
Jacob Silberberg/Panos Pictures
本報告書内の日本円表示は 1スイスフラン=
93.62 円の換算レート(2008 年 1-12 月平均)
による参考額です。
制作 / ネスレ日本株式会社
コーポレートアフェアーズ本部 2009.10
-65-
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