基盤研究施設(分子細胞生物学)

総合医科学研究センター
基盤研究施設(分子細胞生物学)
Core Research Facilities for Basic Science(Molecular Cell Biology)
研究支援業務
基盤研究施設(分子細胞生物学)には様々な大型研究機器が備わっており、これらは利用を
登録することによって自由に利用することができる。
形態学系の研究で良く利用されているものに各種の顕微鏡がある。施設では蛍光色素を標識
した抗体(蛍光抗体法)を用いて蛋白質の局在を検索(免疫組織化学)したり、標識タンパク
を用いることによって細胞内動態を生きている細胞で追跡(ライブセルイメージング)するこ
とが可能である。また蛋白質の局在を三次元的に観察することも良く行われている。光の波長
を超えた検出限界以下の微細な観測には、細胞内部の小器官などの観察を得意とする透過型電
顕顕微鏡と、細胞などの表面構造の観察に有用な走査型電顕顕微鏡が使用され、さらに免疫電
子顕微鏡法や分析装置を兼ね備えた透過型電子顕微鏡も利用でき細胞内の Fe の沈着などの検
出に用いられている。
生化学では次世代シークエンサーなど核酸系の装置のほか、本学ではタンパク質の分析が盛
んなため質量分析装置が良く用いられている。高分解能質量分析装置(LC-MS/MS)はオミク
ス解析で威力を発揮している。この技術により病態の代謝物やタンパク質など分子レベルの動
的変化が網羅的に測定され、得られた結果については統計解析(主成分解析、多変量解析)に
より有効な診断マーカーや治療マーカー等が探索されている。MALDI-TOF MS/MS では組織
切片の代謝物、脂質、ペプチド、タンパク質、投与薬剤などのイメージが空間分解能10μ m で
測定されている。この装置ではバイオマーカーや薬物代謝物などを直接可視化できるため、特
に病変部と正常部の局在比較解析などに有効である。表面プラズモン共鳴(SPR)はタンパク
質など生体分子間の相互作用をラベルすることなくリアルタイムに観察することを可能にして
いる。リガンドをセンサー表面に固定化し、作用物質をマイクロ流路系でセンサーに運ぶこと
により、そこで起こる 2 分子間の結合・解離が質量変化としてモニターされる。リアルタイム
で得られたデータから反応速度論解析し分子相互間力を評価でき、また相互作用しているタン
パク質や化学物質を解離させ、溶出してきた試料を LC-MS/MS で同定することも可能である。
また、受託業務として各種電子顕微鏡の試料作成や撮影、質量解析、高速液クロマトグラフィー
による微量分子の定量分析等を専門のスタッフが行っており、
受託で支援を受けることができる。
詳細については学内イントラネットを参照のこと。
http://j-net.jikei.ac.jp/~core-res-facil/
教 授
馬目 佳信
岩本 武夫
立花 利公
坪田 昭人
講 師
池田 惠一
藤岡 宏樹