ストックホルム大学交換派遣留学生 寺島尚志さん(法学部政治経済学科 3 年) 2012 年 10 月 3 日 8 月 26 日にストックホルムに到着し、既に 1 か月が過ぎました。到着当初は美しい スウェーデンの夏の名残を楽しんでおりましたが、そろそろ秋も深まり木々が色を変え 始めています。ひとたび外に出ると表記が全てスウェーデン語であるため、最初は右も 左も分からない状態でしたが、この頃になってやっとそれらが何を意味しているのか分 かるようになってきました。スウェーデン語の単語は英語と似ているものも多く、例え ば英語で bus はスウェーデン語で buss です。そして、基本的にスウェーデン人は英語 を非常に綺麗に話すため、分からないことを英語で尋ねれば何でも親切に教えてくれる ため心配はいりません。また、到着して一週間では生活必需品などを街で買い揃え、オ リエンテーションを通して出来た友達と共にストックホルム市街や旧市街を観光しま した。食事に関しても、どれもとても美味しいので不自由なく生活出来ています。しか し、高福祉高負担で知られるスウェーデンだけあり、小さいクロワッサンが日本円で 350 円近くするなど物価の高さを肌で感じます。科目の履修登録は到着後すぐに行い、 2 週目からは授業が始まりました。 スウェーデンといえば IKEA。オリエンテーションウィークでは留学生を対象に大学か ら無料シャトルバスが提供されていました。必要なものは何でも揃います。 ・学習 現在受講している Swedish Geography ではスウェーデンの地理やそれに関わる歴史な どを勉強しています。授業内容に Excursion も全2回あり、この前はチャーターされた バスを用いてストックホルムの教会や、歴史的名所などを教授の解説と共に巡ってきま した。昨日もグループワークの課題としてユネスコ世界遺産にも登録されている Skogskyrkogården へグループメンバーと足を運び、実際に現場で働いている人に質問を し、プレゼンテーションで何を発表するか決めてきたところです。授業は Seminar と Lecture 形式に別れており、Seminar はプレゼンテーションやディスカッション、Lecture は教授による講義が行われます。プレゼンテーションは全 9 回ある授業のうち 2 回、デ ィスカッション 3 回で、議論も非常に活発に行われているため常に気を緩めることはで きませんが、これがまさに僕が求めていた授業スタイルであるため、大変でも有意義な 時間を過ごすことができています。今日は明日提出期限であるエッセイを仕上げている ところです。次の授業では、決められたパートナーのエッセイを事前に読み、授業中に 先生と共に相手にフィードバックすることになっています。自分だけではなく、他の生 徒のエッセイも読み、かつコメントしなければならないので責任重大です。 授業のスケジュールやアナウンスは Mondo と呼ばれるストックホルム大学が作成し たウェブサイトで確認できます。各人にアカウントが支給され、課題やエッセイの提出 もそのウェブ上で行います。 Excursion の際に撮った一枚です。ストックホルム中心部からバスで 20 分くらいでし たが、非常にのどかな風景が広がっています。 英語に関しては、時に聞き取り難いことがあり、危機感をもって今必死に勉強してい ます。TOEFL でアカデミックな英語を勉強していたとはいえ、ディスカッションで自 分の言いたい要点を瞬時に英語でまとめることはまだまだ難しく感じます。さらに、各 国から留学生が集うことから、当然、母国語に由来する独特のなまりが混じっており、 それを完璧に聞き取り、理解することも自分にとって当面の課題となっています。特に フランス人とスペイン人、イタリア人のなまりは強いように感じます。一方で、ほとん どの若いスウェーデン人はアメリカ人のような綺麗な発音と文法で英語を喋ります。こ れはこちらでの幼少からの英語教育によるものと、上記でも述べたようにスウェーデン 語と英語は単語や文法レベルである程度似ているところがあるからだと思います。 日本語で森の墓地と訳される Skogskyrkogården。この写真の奥には沢山のお墓があるの ですが、その空気がとても独特で不思議な感覚に陥りました。 ・生活 ここ数日、気温も下がり少々肌寒くなってきましたが、紅葉も見頃で、まだまだ美し いスウェーデンを堪能しています。休日など空き時間があるときはこちらで出来た友達 とカフェに行ってお話をしたり(スウェーデン語で Coffee break を Fika と呼び、彼らは この文化を非常に大事にしています)、ストックホルム市街の観光地や博物館を巡った りしています。また、今週はストックホルムジャズフェスティバルが開催されています。 僕の好きなアーティストの一人であるジャズピアニストの上原ひろみさんが今回出演 されるので、早速インターネットでチケットを予約し、今か今かと待ちわびているとこ ろです。こちらでは音楽関連のチケット料金は日本に比べて非常に安いので、音楽好き の僕にはたまりません。上述の上原さんのコンサートは 180SEK、日本円で約 1980 円(当 時のレート)でした。先日、市街でジャズクラブも発見したので今度そちらにも行って みようと考えています。 ストックホルムは島から成り立つ都市ですので、このように街の至る所に水路が入り 組んでいます。また、魔女の宅急便のロケ地としても有名です。 スウェーデン人の毎日に欠かせない Fika。僕も日本の某コーヒーチェーン店で 2 年ほ どアルバイトをしておりましたが、日本のものと比較してもスウェーデンのコーヒーの クオリティは非常に高いと思います。こちらのお店では繁忙時でもラテアートはもちろ ん、非常に綺麗なフォームミルクでラテを作ってくれます。さすが年間一人当たりのコ ーヒー消費量が世界 6 位の国だけあります。一年間に一人 799 杯!単純計算で一日に 2.1 杯以上飲むことになります。ちなみに日本は 29 位だそうです。 以上のように、英語には依然として課題も残りますが、学習面、生活面共に非常に充 実しております。
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