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事例 10 「夜市たんたん電車 」(愛媛県松山市)

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事例 10 「夜市たんたん電車 」(愛媛県松山市)
〜 観光客吸引のアクセス対策、地域資源連携による中心市街地活性化 〜
○所在地(行政人口)
愛媛県松山市(473,379 人
○活用資源(立地)
商店街イベント、温泉地 (中心市街地内)
○活用方法
特典付き市電乗車券の無料配布、商品券販売等
○中心市街地活性化基本計画提出日
H12 国勢調査)
H11.6.17(H14.6.28変更)
1.事業の経緯
「夜市たんたん電車事業」は、愛媛県松山市で実施された。
松山市は、人口 473,379 人(H12 国勢調査)で四国西部の政治、行政、商
工業、文化の拠点都市である。松山市では、1990 年代に市南西部に大型店(ジ
ャスコ)が出店し、それに伴い中心市街地のダイエー、サティが相次いで閉
店するなど商機能の郊外化が進み、中心市街地での小売販売シェア率の低下
が進んでいた。そこで、中心市街地での消費の拡大を図るため、年間 100 万
人を超える「道後温泉」(市街地中心部から市電で 10 分。当時中心市街地外)
の宿泊客を、毎年 6 月〜9 月の土曜日に中心市街地の商店街で開催される「土
曜夜市」(1 回平均約 6 万人集客)に引き込むことが考えられ、土曜夜市開催
時期中、道後温泉と中心市街地を結ぶ市電に商店街買物割引等の特典が付い
たチケットを配布する「夜市たんたん電車事業」を導入することとなり、商
店街、鉄道会社、旅館組合、松山市が事業主体となって、平成 12 年 6 月〜8
月に実施された。なお、アクセス手段については当初バスが考えられたが、
既存の バス ルート は不 便であ るこ とや新 規の バスル ート の開設 は難 しいこ
とから路面電車が活用された。
その後、「夜市たんたん」電車の実施を踏まえ、「松山・坊ちゃんパスポー
ト」や「坊ちゃん&マドンナギフトカード」が発行された。
2.事業の概要
(1)「夜市たんたん電車事業」は、松山中央商店街連合会、伊予鉄道、道後
温泉旅館協同組合、松山市が事業主体となり、約 250 万円(うち市の助成
金 100 万円)で平成 12 年 6 月 24 日〜8 月 5 日までの土曜日、計 7 回実施
された。事業内容としては、松山市中央商店街連合会主催の「土曜夜市」
の開催日のみ利用できる特典付きチケット(伊予鉄道路面電車全線を 2 回
まで無料利用可能、道後温泉本館の入浴料を 2 割引き(300 円→240 円)、
「土曜夜市」期間中商店街で開催されるゲームの料金割引)を中央商店街、
道後温泉の旅館、市内シティホテル等で、8 万 5000 枚無料配布した。
−61−
(2)「松山・坊っちゃんパスポート」は、松山中央商店街連合会、道後温泉
旅館協同組合、道後商店街振興組合、愛媛旅行業協同組合の 4 組合が事業
主体となり、平成 13 年 12 月 1 日〜平成 14 年 3 月 31 日に実施された。
事業内容としては、道後地区の旅館の昼食券、内湯の入湯券、「坊っち
ゃん列車」のチケット(市内電車・都心循環バス1日フリー乗車券、記念
品付き)、道後商店街や中央商店街のマップを1セット 3,000 円で、250 セ
ット発売した。
(3)「坊っちゃん&マドンナギフトカード」は、「松山・坊っちゃんパスポー
ト」の利用が複雑であるという反省を踏まえ、上記の 4 組合が事業主体と
なり、平成 15 年 3 月 1 日〜8 月 31 日に実施された。
事業内容としては、「坊っちゃん列車」チケット(市内電車・都心循環
バス1日フリー乗車券)に、提携企業や店舗で利用できる商品券 2,500 円
分を付け1セット 3,000 円で 350 セット発売した。商品券は、中央商店街
(百貨店を含む)と道後商店街で買物に使えるだけでなく、道後温泉の提
携旅館で昼食や内湯入浴にも使え、さらに市内の観光施設の割引券や観光
マップも付けて、「松山・坊っちゃんパスポート」より利用価値を高めた。
■ 位置図
道後温泉
中心部商店街
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<概要>
(1) 夜市たんたん電車運行事業
○ 事業主体:松山中央商店街連合会(市中心部の 4 商店街と 1 地下街で構成)、
伊予鉄道、道後温泉旅館協同組合、松山市
○ 事業費
:約 250 万円(うち市の助成金 100 万円)
○事業内容:以下の特典つきチケットを道後温泉の旅館、市内シティホテル
等で、8 万 5000 枚無料配布した。
《特典》
◇ 伊予鉄道路面電車全線を 2 回まで無料利用可能
◇ 道後温泉本館の入浴料を 2 割引き(300 円→240 円)
◇ 「土曜夜市」期間中商店街で開催されるゲーム料の割引
※ チケットのデザインは、NPO「マドンナ電車からまちづくり
を考える会」が担当。
※ 伊予鉄道では、このイベントに伴い路面電車の 2 両に、松山の
「八百八狸」にちなんだたぬきの装飾を施し走行させた。
○実施期間:平成 12 年 6 月 24 日〜8 月 5 日までの土曜日、計 7 回
(2) 松山・坊っちゃんパスポート事業
○ 事業主体:松山中央商店街連合会、道後温泉旅館協同組合、
道後商店街振興組合、愛媛旅行業協同組合
○事業費
:連絡事務費程度で経費はかけていない。
○事業内容:道後地区の旅館の昼食券、内湯の入湯券、「坊っちゃん列車」
のチケット(市内電車・都心循環バス1日フリー乗車券、記念
品 付 き )、 道 後 商 店 街 や 中 央 商 店 街 の マ ッ プ を 付 け 1 セ ッ ト
3,000 円で、250 セット発売。
○実施期間:平成 13 年 12 月 1 日〜平成 14 年 3 月 31 日まで
(3) 坊っちゃん&マドンナギフトカード事業
○ 事業主体:松山中央商店街連合会、道後温泉旅館協同組合、
道後商店街振興組合、愛媛旅行業協同組合
○事業費
:84 万円(印刷、PR費用等)
○事業内容:「坊っちゃん列車」チケット(市内電車・都心循環バス1日フ
リー乗車券)に、提携企業や店舗で利用できる商品券 2,500 円
分、市内の観光施設の割引券や観光マップも付けて、1セット
3,000 円で 350 セット発売。
○実施期間:平成 15 年 3 月 1 日〜8 月 31 日まで
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■ 夜市たんたん電車チケット
(表)
(裏)
■ 松山・坊っちゃんパスポートのチラシ
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■ 坊っちゃん&マドンナギフトカード
①商品券
②坊ちゃん列車乗車チケット引換券
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■ 夜市たんたん電車
■ 松山市中心商店街(大街道商店街)
■ 松山市中心商店街(銀天街商店街)
■ 松山地下街
■ 道後温泉本館
■ 道後商店街
−66−
(まつちかタウン)
3.事業の効果
(1)中心市街地と観光地との交流に一定の効果
「夜市たんたん電車事業」について、チケットの利用状況により、効果を
測定すると、中心市街地での夜市ゲーム券の利用枚数のうち道後温泉旅館
配付分が 544 枚(11.0%)あり、道後温泉から中心市街地への移動がう
かがわれる。また、道後温泉での割引入浴券利用枚数のうち中心市街地配
付分(中央商店街、市内シティホテルでの配布)が 751 牧(27.8%)占
めており、中心市街地から道後温泉への移動がうかがわれる。従って、通
常の中心市街地と道後温泉の交流状況が不明であるため、今回の事業でど
の程度交流が促進されたのかは分からないが、中心市街地への観光客の吸
引、中心市街地と観光地との交流について一定の効果があったと思われる。
なお、通常 1 日当たり約5万人の利用がある路面電車において、1 日平
均約 1,500 人が当該チケットを利用したことなり、規模は小さいが、無視
できない結果であると思われる。
■ チケットの利用状況
チケット
配布元
中央商店街
道後温泉旅館
市内シティホテル
合計
交付枚数
電車
無料券
6,230
2,600
1,939
10,769
40,000
30,000
15,000
85,000
道後温泉から中心市街地への移動 544 人
夜市
ゲーム券
3,983
544
408
4,935
道後温泉
本館割引
382
1,952
369
2,703
中心市街地から道後温泉への移動 751 人
「夜市たんたん電車事業」の経験を踏まえ実施された「松山・坊っちゃんパ
スポート」は、250 セット「坊っちゃん&マドンナギフトカード」は、350
セット発売しており、まだ、販売数は少ないが、中心市街地と観光地との交
流を促進するものとなっている。
4.成功の要因
(1)観光客吸引の環境(周辺既存観光客、市内の資源等)が整っていたこと
○松山市においては、商機能の郊外化が進んでいるものの依然として集客力
の強い中心商店街があり、また、1回6万人を集客するイベントも行なわ
れていたこと。
−67−
○ 路面電車で 10 分程度の近隣に年間 100 万人の宿泊客がある道後温泉が立地
していたこと。
○ 中心商店街と観光地(道後温泉)とのアクセス手段として活用できる資源
(路面電車)が存在したこと。
(2)民間主導の事業体制と行政の支援
「夜市たんたん電車事業」については、中心市街地と観光地との交流促進
を目的として、観光客等の吸引で活性化を図りたい市内中心部の商店街、
都市型観光地を目指す道後温泉、路面電車まちづくりを考える NPO などが
連携し、民間主導で事業体制をつくり、これに行政が調整、助成などの側
面支援を行ったことが、早期の事業実施ができた要因となっている。
5.課題と対策
「夜市たんたん電車事業」、「松山・坊っちゃんパスポート」、「坊っちゃん
&マドンナギフトカード」については、いずれも中心市街地と観光地との交
流促進するための一助になり、画期的な企画であったと思われるが、全体と
しては規模が小さく、今後、PR方法、特典内容等の検討が必要であると思
われる。
6.今後の予定
今後は、「坊っちゃん&マドンナギフトカード」などギフトカードについて
内容の拡大が予定されている。
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