レジリエンスの評価について (その 1)

レジリエンスの評 価 について (その 1)
黄野吉博
レジリエンス協 議 会 副 会 長
執 筆 協 力 者 (敬 称 略 、五 十 音 順 )
新藤 淳
NKSJ リスクマネジメント株 式 会 社
関山雄介
大成建設株式会社
田代邦幸
株 式 会 社 インターリスク総 研
田中和明
有限会社藍流経営研究所
永橋洋典
AIU 保 険 会 社
深谷純子
深 谷 レジリエンス研 究 所
槇本純夫
NKSJ リスクマネジメント株 式 会 社
増田幸宏
国立大学法人豊橋技術科学大学大学院
三島和子
セコム株 式 会 社 IS 研 究 所
元谷 豊
株 式 会 社 サイエンスクラフト
山中一克
株式会社竹中工務店
1. はじめに
「レジリエンス」という用 語 は初 め物 理 学 で使 われ、その意 味 は反 発 力 、弾 性 力 、回 復 力 であった。
次 に、精 神 医 学 で使 わ れその意 味 は各 種 のストレスに対 する反 発 力 、 快 復 力 であ った。災 害 ・事
故 ・事 件 関 係 (以 下 「災 害 等 」という)では、2000 年 頃 から使 われはじめ、企 業 や社 会 が災 害 ・事
故 ・事 件 に遭 った際 の反 発 力 、回 復 力 、すなわち復 旧 、復 興 力 である。なお、本 稿 で「災 害 」とは自
然 の変 化 に起 因 する事 象 、「事 故 」とは判 断 ミス・操 作 ミス・設 計 ミス・劣 化 に起 因 する事 象 、「事 件 」
とは意 図 的 攻 撃 に起 因 する事 象 のことを示 している。
物 理 学 でのレジリエンスの意 味 に、精 神 医 学 は各 種 のストレス対 するに強 さを把 握 し、予 防 と治 療
を行 うと言 う意 味 を加 味 した。本 稿 でのレジリエンスは精 神 医 学 のレジリエンスの意 味 を受 け継 ぎ、災
害 等 に対 する強 さを把 握 (診 断 )し、被 災 後 の緊 急 事 態 ・継 続 ・復 旧 の各 対 策 (治 療 )を施 す意 味
である。
レジリエンスが災 害 等 で注 目 を浴 びるようになったのは、事 業 継 続 マネジメント(BCM)が ISO の
国 際 規 格 として検 討 され始 めた 2006 年 1 月 頃 からである。
BCM の国 際 規 格 化 に際 し、二 つの方 針 が日 本 の担 当 技 術 委 員 会 (ISO/TC223)で検 討 された。
ひとつは、リスクマネジメント規 格 (ISO31000、JIS Q31000)と同 様 に第 三 者 認 証 を伴 わない国 際
規 格 にする案 であり、今 一 つは品 質 マネジメントシステム規 格 (ISO9001、JIS Q9001)と同 様 に第
三 者 認 証 を伴 う国 際 規 格 にする案 であった。
日 本 の担 当 技 術 委 員 会 は前 者 、すなわち第 三 者 認 証 を伴 わない国 際 規 格 にする案 を ISO の担
当 国 際 委 員 会 で主 張 したが、投 票 の結 果 は第 三 者 認 証 を伴 う国 際 規 格 、すなわちマネジマントシ
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ステム規 格 (MSS)にする案 になった。
ここの時 点 で早 くも、MSS は客 観 的 な指 標 とその指 標 によるパフォーマンス評 価 を求 めるが、品
質 マネジメントシステム(品 質 ISO)にある顧 客 満 足 度 や不 良 品 率 、環 境 マネジマントシステム(環 境
ISO ) に あ る 電 力 使 用 量 や 廃 棄 物 量 に 相 当 す る 客 観 的 指 標 が 、 事 業 継 続 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム
(BCMS)には確 立 されていないことが話 題 になったが、これは数 年 後 には開 発 されるであろうと、横
に置 かれることになった。
本 稿 では、この横 に置 かれることになった BCMS の客 観 的 な指 標 を構 築 する際 の一 助 になること
目 的 として、作 成 されたものである。
2. マネジメントシステム規 格 (MSS)と客 観 的 な指 標
図 表 1 は、広 く普 及 している品 質 ISO 及 び環 境 ISO と新 しく制 定 される事 業 継 続 マネジメントシ
ステム(BCMS)の代 表 的 な客 観 的 指 標 を比 較 したものである。品 質 ISO や環 境 ISO で使 われてい
る客 観 的 指 標 が BCMS ではまだ確 立 していないことが分 かる。
図表 1
MSS
MSS と客 観 的 な指 標
国際規格番号
代 表 的 な客 観 的 指 標
品 質 ISO
9000 シリーズ
顧 客 満 足 度 、不 良 品 率 など
環 境 ISO
14000 シリーズ
電 力 使 用 量 、廃 棄 物 量 など
BCMS
22300 シリーズ
レジリエンス量 (?)
MSS は認 証 規 格 とも呼 ばれるが、これは自 己 宣 言 (自 社 認 証 )、ユーザー認 証 (第 二 者 認 証 )、
第 三 者 認 証 ( 審 査 機 関 認 証 ) に 使 わ れ る た め で あ る 。 以 下 は 、 日 本 適 合 性 認 定 協 会 ( JAB ) が
2010 年 12 月 20 日 に発 表 した品 質 マネジメントシステムと環 境 マネジメントシステムの第 三 者 認 証
を取 得 企 業 および組 織 数 (以 下 「企 業 」という)である。日 本 には 500 万 前 後 を数 える企 業 があるが、
多 くの企 業 は顧 客 満 足 度 や電 力 使 用 量 などの客 観 的 指 標 を活 用 していると推 測 でき、第 三 者 認
証 を取 得 している企 業 数 はこの客 観 的 指 標 を活 用 している企 業 数 の 2~3 パーセント程 度 と思 われ
る。
品 質 マネジメントシステム(品 質 ISO)
37,434 件
環 境 マネジメントシステム(環 境 ISO)
20,340 件
これらの客 観 的 指 標 は大 変 重 要 で、顧 客 満 足 度 や不 良 品 率 が毎 年 改 善 していれば、品 質 に対
する PDCA サイクルは順 調 に機 能 していると言 えるが、逆 に品 質 に関 する文 書 量 が毎 年 増 加 しても
顧 客 満 足 度 などが低 下 していれば品 質 の PDCA サイクルは機 能 していないと言 える。
BCMS も同 様 に、レジリエンス量 が毎 年 改 善 していれば災 害 等 に対 する PDCA サイクルは順 調
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に機 能 していると言 えるが、いくら BCMS の成 果 物 である BCP(事 業 継 続 計 画 書 )が厚 くなってもレ
ジリエンス量 が低 下 しているのであれば BCMS の PDCA サイクルは機 能 不 全 であると言 える。
3. PDCA サイクルについて
PDCA サイクルとは、経 営 や作 業 の基 本 手 順 を Plan(計 画 )、Do(実 施 と運 用 )、Check(確 認 と
評 価 )、Act(改 善 )に整 理 し、経 営 であれば企 業 収 益 を継 続 的 に改 善 し、作 業 であれば作 業 効 率
を継 続 的 に改 善 する仕 組 みである。ただし、BCMS を始 めて取 り組 むケースでは少 し変 型 し、図 表
2 の方 が現 実 的 となる。
図 表 2 と一 般 的 な PDCA サイクルの違 いはスタート時 点 に「自 社 の把 握 」があることで、自 社 の把
握 では、次 の二 点 から自 社 を診 断 することになる。
z
経 営 資 源 の把 握
z
リスクの把 握
図 表 2 PDCA サイクル(変 型 版 )
A: 改 善
自 社 の把 握
C: 確 認 と評 価
P: 計 画
D: 実 施 と運 用
3.1 経 営 資 源 の把 握
「経 営 資 源 の把 握 」では、自 社 が関 係 する経 営 資 源 を、自 社 の必 要 度 や依 存 度 に応 じた優 先 順
位 を付 け付 けることになる。これをビジネス影 響 度 分 析 (BIA)ともいう。
図 表 3 は経 営 資 源 の一 覧 であるが、BCMS の対 象 となる経 営 資 源 の範 囲 は企 業 によって異 なり、
自 社 のみ、自 社 +サプライチェーン、自 社 +サプライチェーン+インフラ、自 社 +サプライチェーン+
インフラ+地 域 社 会 など、各 種 ある。なお、地 域 社 会 で一 番 資 源 化 が進 んでいるのが自 然 、神 社 、
仏 閣 などの観 光 資 源 であるが、同 時 にこの資 源 は災 害 や事 故 、事 件 をもたらすこともある。また、観
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光 資 源 、経 営 意 欲 、勤 労 意 欲 、企 業 のブランドは、代 替 や代 用 が難 しい資 源 であり、他 の資 源 は代
替 または代 用 が可 能 な資 源 である。
図表 3 経営資源一覧
自社
人材
従 業 員 、経 営 層 、関 係 者 、他
無形財
知 財 、専 門 技 能 、ブランド、経 営 意 欲 、勤 労 意 欲 、他
有形財
材 料 、部 品 、生 産 設 備 、製 品 、建 物 、他
資金
現 金 、貯 預 金 、売 掛 金 回 収 、給 与 支 払 、他
情 報 (一 般 )
株 主 情 報 、従 業 員 情 報 、顧 客 情 報 、サプライヤ情 報 、他
情 報 (ICT)
各 種 データ、各 種 ソフト、他
サプライチェーン
顧 客 、サプライヤ、物 流 会 社 、他
インフラ (社 会 基 盤 )
電 力 、上 下 水 道 、通 信 、ガソリン、道 路 、医 療 、行 政 、他
地域社会
環 境 、用 途
3.2 リスクの把 握
「リスクの把 握 」とはリスクアセスメントのことで自 社 に影 響 を及 ぼす事 象 を把 握 することである。ここ
で注 意 することは、影 響 には増 収 増 益 に繋 がるプラス方 向 と減 収 減 益 に繋 がるマイナス方 向 の両 者
があることである。
プラス方 向 のリスクは判 断 ミスでもあるが、具 体 的 には、自 社 製 品 の異 常 人 気 、ウエブサイトへの
著 しいアクセス数 増 加 、顧 客 企 業 からの一 時 的 な大 量 受 注 などがある。これらにも適 切 に対 応 しな
いと一 時 的 な増 収 増 益 は得 られても長 期 的 には減 収 減 益 になる場 合 がある。
リスク把 握 の方 法 は各 種 あるが、ここでは企 業 に対 する発 生 頻 度 と影 響 度 から見 る図 表 4 と、経
営 トップを中 心 として見 る図 表 5 掲 げた。
図 表 4 の区 分 はここでは 3x3 であるが、2x2、2x3、3x4、4x4 などもある。図 表 4 の利 点 は科 学
的 アプローチであることだが、世 界 規 模 、日 本 規 模 での評 価 になり、都 道 府 県 や市 町 村 になると統
計 的 な正 確 さが弱 くなる。特 に、各 企 業 における災 害 等 の発 生 頻 度 と影 響 額 は個 別 にチェックし、
補 正 する必 要 がある。
図 表 5 は、経 営 者 が経 験 と知 識 に基 づき、主 観 的 に発 生 頻 度 と影 響 額 を推 測 しながら、円 の中
心 なるほど、頻 度 と影 響 額 が高 くなるように各 リスクをプロットする方 法 である。この方 法 も、経 営 者 は
毎 年 データを検 討 し、修 正 することが必 要 である。
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図 表 4 リスク把 握 図 (その 1)
大
大規模地震
株主行動
海 外 のPL
内部統制違反
水害
局地地震
中
影 響 度 (損 害 規 模 )
サイバー テロ
設備火災
倫理違反
機 械 の磨 耗
輸 送 中 の貨 物 破 損
小
軽 微 な物 損 事 故
小
IT障 害
落雷
職場暴力
設 計 ミス
金利変動
ストライキ
人身事故
取締役責任
知財損失
ガラスの破 損
風害
工程事故
人手不足
誘拐
サプライヤ倒 産
情報漏洩
国 内 のPL
土壌汚染
ユーザー企 業 の動 向 為 替 変 動
燃料価格
現金盗難事故
物流会社倒産
景気変動
窃盗
横領
タイヤのパンク
中
大
発 生 確 率 (発 生 頻 度 )
図 表 5 リスク把 握 図 (その 2)
内水氾
雷雨
河川氾濫
土砂災害
降灰
製造物責任
豪雨
新型感染症
津波
高潮
雪害
酷暑
寒波
為替変動
労使関係
竜巻
火山噴
金利変
金融市場不
製 品 リコール運 動
知財損失
台風
地震
顧客倒産
電力不
情報漏洩
重要装置損失
原発事故
テロ
窃盗
敵 対 的 メディア記 事
ブランド攻 撃
労働災害
健 康 ・安 全 障 害
放火
積荷損失
物流障害
IT障 害
水質汚染
材料供給異常
サプライヤ事 業 中 断
建 物 ・設 備 火 災
環境問題
設 計 ミス
重要人物喪失
倫理違反
コンプライアンス違 反
燃料価格高騰
サービス供 給 異 常
横領
役員誘
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なお、「リスク」とは、災 害 等 が顕 在 化 する前 のことであり、顕 在 化 後 は「災 害 ・事 故 ・事 件 」となる。
例 えば、顕 在 化 するまでは「地 震 リスク」、「原 発 事 故 リスク」であり、顕 在 化 後 は「地 震 災 害 」、「原 発
事 故 」になる
4. 経 営 資 源 とリスクの顕 在
リスクが顕 在 化 すると災 害 等 になるが、災 害 等 は企 業 に被 害 を与 えることもあるが、与 えないことも
ある。企 業 が被 害 を受 けるのは、災 害 等 が経 営 資 源 を欠 乏 または中 断 させるからである。経 営 資 源
の欠 乏 が生 じない場 合 は、無 被 害 となり、欠 乏 の度 合 いが高 いと企 業 は倒 産 することもある。
図 表 6 は、平 時 のある企 業 (A 企 業 )の活 動 を 100 とした場 合 に、各 経 営 資 源 の状 況 を模 式 化 し
たものである。100 は企 業 経 営 としては一 番 適 した量 であるが、余 裕 がないとも言 える。図 の A 企 業
では人 材 、有 形 財 、資 金 、情 報 (ICT)、サプライヤに余 裕 があることを示 しており、一 番 余 裕 がある
のが、インフラと地 域 社 会 になっている。
実 際 のこの量 を計 測 するには、3 年 程 度 の経 営 状 況 をチェックし、それぞれの数 字 を洗 い出 し、
量 の算 出 をすることになるが、多 くの場 合 においてサプライヤ、インフラ、地 域 社 会 はまず欠 乏 しない
経 営 資 源 として取 り扱 われているが、これが欠 乏 すると思 わぬ間 接 的 被 害 をもたらす。
図 表 6 平 時 における A 企 業 の経 営 資 源 の状 況
20
40
60
80
100
120
140
人材
自
無形財
社
有形財
資金
情 報 (一 般 )
情 報 (ICT)
顧客
サプライヤ
インフラ
地域社会
図 中 の A 企 業 が災 害 等 で被 災 した場 合 に、余 裕 がある経 営 資 源 (この図 では 10%から 40%であ
る)に多 少 の欠 乏 が発 生 しても企 業 経 営 には影 響 を与 えない。ところが、東 日 本 大 震 災 のようにイン
フラと地 域 社 会 が大 きく被 災 し、欠 乏 率 が高 くなると、地 震 や津 波 から直 接 的 な被 害 を受 けない A
企 業 の経 営 に影 響 がでる。同 様 に、顧 客 やサプライヤの欠 乏 率 が高 くなると、これも A 企 業 へ経 営
に影 響 を与 える。
すなわち、通 常 は欠 乏 を考 えない資 源 も、災 害 等 により欠 乏 が生 じることになる。従 って、企 業 の
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災 害 等 への対 抗 力 と復 旧 力 を評 価 する際 には、この顧 客 ・サプライヤ、インフラ、地 域 社 会 の災 害
等 への対 抗 力 と復 旧 力 も評 価 する必 要 がある。
5. レジリエンスの評 価
現 在 策 定 が進 んでいる BCP の想 定 リスクは以 下 のようなものであるが、各 リスクに対 する BCP の
有 効 性 (実 効 性 )評 価 は難 しく、多 くのケースでは類 似 した被 災 事 例 を検 証 し、自 社 の BCP が想 定
している条 件 と比 較 し、修 正 することが行 われている。例 えば、東 日 本 大 震 災 で被 災 した各 地 域 と、
自 社 の施 設 がある地 域 を比 較 し、類 似 した地 域 を選 出 し、自 社 の BCP が想 定 している被 災 状 況 と
この大 震 災 との被 災 状 況 を検 討 し、自 社 の BCP の想 定 を大 震 災 に合 わせる方 法 である。
(1) 地 震 ・津 波 対 策
(2) 感 染 症 対 策
(3) 水 害 、土 砂 災 害 対 策
(4) テロ、役 員 誘 拐 、盗 難 対 策
(5) IT 対 策
(6) 財 務 ・経 理 対 策
(7) サプライチェーン対 策
(8) 物 流 対 策
ところが、BCMS 担 当 者 や防 災 担 当 者 は毎 年 継 続 的 に防 災 対 策 や防 災 力 などの改 善 を実 施 す
ることになるが、自 社 の防 災 ・防 火 ・防 犯 対 策 の改 善 に有 用 な災 害 等 が毎 年 、同 業 他 社 で発 生 する
とは限 らない。それに、同 業 他 社 より先 に自 社 が被 災 する可 能 性 もある。
従 って毎 年 BCMS を改 善 するには、他 社 の被 災 事 例 から学 ぶと共 ともに、自 社 の防 災 対 策 や防
災 力 などの現 状 を計 量 化 し、今 年 度 や次 年 度 の目 標 を数 値 として把 握 し、その数 値 の改 善 を実 施
することが望 ましい。この数 値 を本 稿 では「レジリエンス量 」と呼 ぶことにする。
5.1 レジリエンスの構 造
図 表 7 は企 業 から見 たレジリエンスの構 造 である。縦 軸 はレジリエンス量 を表 しており、地 域 ・イン
フラ・サプライチェーン・自 社 の総 和 のレジリエンス量 がある値 を超 えることが目 標 となる。
一 番 目 は「地 域 の環 境 ・用 途 」の評 価 で、「地 域 の環 境 」とは、海 に近 い、川 に近 い、山 に近 いな
どで海 や川 に近 ければ津 波 や水 害 の危 険 があり、山 に近 ければ土 砂 災 害 の危 険 がある。「地 域 の
用 途 」は、工 場 地 域 、商 業 地 域 、住 宅 地 域 などで都 市 計 画 法 が定 めている土 地 利 用 である。この
他 に「地 域 の防 災 力 」や「地 域 のマネジメントシステム力 」などがあるが、これは「地 域 のレジリエンス
評 価 」をご覧 頂 きたい。
二 番 目 は、インフラの評 価 で電 力 ・ガス・水 と言 ったライフラインから、通 信 、道 路 、輸 送 などが含
まれる。これは「インフラのレジリエンス評 価 」をご覧 頂 きたい。同 様 にサプライチェーンの評 価 は「サ
プライチェーンのレジリエンス評 価 」、そして自 社 の評 価 は「自 社 のレジリエンス評 価 」をご覧 頂 きた
い。
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図 表 7 企 業 から見 たレジリエンス
大
自社: D
サプライチェーン: C
インフラストラクチャー: B
小
地 域 の環 境 ・用 途 ・防 災 力 など: A
5.2 レジリエンス量
図 表 8 は、本 稿 で取 り扱 う企 業 のレジリエンス量 の項 目 を表 している。図 表 8 で「地 域 のレジリエン
ス」は地 域 の環 境 ・用 途 ・防 災 力 など・マネジメントシステム力 を評 価 した合 計 ポイントで表 し、インフ
ラも中 断 発 生 率 や依 存 度 、代 替 プランを評 価 した合 計 ポイントで表 している。
図 表 8 企 業 のレジリエンス量
評価項目
ポイント
A. 地 域 のレジリエンス
B. インフラのレジリエンス
C. SC のレジリエンス
D. 自 社 のレジリエンス
企 業 のレジリエンス量
5.3 レジリエンス量 の活 用
レジリエンス量 の比 較 は現 状 では各 評 価 項 目 内 の評 価 パラメーターが異 なるため、同 一 の評 価
パラメーターを使 う場 合 にのみ可 能 となる。これは、同 一 社 内 の年 度 毎 との比 較 、同 一 社 内 の施 設
毎 の比 較 は可 能 であるが、パラメーターの異 なる他 社 との比 較 はできない。これは、品 質 ISO におけ
る顧 客 満 足 度 や不 良 品 率 に類 似 している。顧 客 満 足 度 も不 良 品 率 も同 一 社 内 の商 品 ・サービスの
年 次 変 化 、同 一 社 内 の店 舗 間 の比 較 は可 能 であるが、他 社 との比 較 は極 めて限 定 された同 じよう
な商 品 ・サービスとのみに可 能 であり、他 業 種 との比 較 は不 可 能 である。
蛇 足 であるが、環 境 ISO の客 観 的 指 標 である電 力 使 用 量 や廃 棄 物 量 は他 社 との比 較 が容 易 な
汎 用 性 のある指 標 と言 える。
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6. 地 域 のレジリエンス評 価
企 業 から見 た地 域 のレジリエンス評 価 は、「企 業 の BCMS 担 当 者 が入 手 できる情 報 で評 価 する」
ことで、行 政 の防 災 などの担 当 者 が担 当 する地 域 のレジリエンスを評 価 することとは異 なる。行 政 の
担 当 者 が担 当 地 域 の防 災 ・防 火 ・防 犯 対 策 の強 化 を目 指 し活 動 を続 けていることは十 分 承 知 して
いるが、ここではあくまでも企 業 の担 当 者 の観 点 で評 価 する。
例 えば、河 川 の氾 濫 対 策 として堤 防 を強 固 にする場 合 を想 定 すると、組 織 の BCMS 担 当 者 が評
価 するのは「水 害 の減 少 」のみであり、行 政 の担 当 者 がどのように川 上 の降 水 量 や川 の流 量 変 化 の
データ収 集 と解 析 に努 め、その結 果 に基 づきどのように効 率 良 く堤 防 を強 化 したかに踏 み込 むこと
はない。
これはユーザーの観 点 と言 い換 えても良 い。ユーザーが望 むのは一 部 のブランド品 を除 き常 に品
質 が良 く価 格 が安 いものである。生 産 者 がいかに品 質 の向 上 と価 格 の低 下 に努 めているかをユーザ
ーは気 にしない。ユーザーが気 にするのは結 果 としての品 質 と価 格 である。
図 表 9 は地 域 のレジリエンスの構 成 要 素 を示 している。この内 、「地 域 の環 境 と用 途 」は良 い方 が
数 値 を高 くしたプラス(+)評 価 にしてあり、「地 域 の災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度 」は高 いとその地
域 の防 災 ・防 火 ・防 犯 対 策 は低 いことになるから、発 生 頻 度 が高 くなるに従 いマイナス(-)値 が大 き
くなるようにしてある。
「地 域 の防 災 、防 火 、防 犯 力 」は高 くなるに従 い災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度 が下 がると考 えられ
るので、プラス(+)評 価 にしてある。
「地 域 のマネジメントシステム力 」は向 上 するにともない地 域 の住 民 ・企 業 に対 し、災 害 などが発 生
した場 合 の被 害 や避 難 路 を可 視 化 し防 災 力 にプラスに作 用 するため、プラス(+)評 価 にしてある。
図 表 9 地 域 のレジリエンス
評価項目
A 工場地域
A1. 地 域 の現 状 (環 境 、用 途 )
A2. 地 域 の災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度
A3. 地 域 の防 災 ・防 火 ・防 犯 力
A4. 地 域 のマネジメントシステム力
地 域 のレジリエンス量
6.1 地 域 の環 境 と用 途
ここで「地 域 の環 境 」とはある企 業 のある(A)工 場 の所 在 地 周 辺 の環 境 と用 途 のことを言 う。具 体
的 は図 表 10 にあるとおり海 や河 川 に近 い、山 や崖 が迫 っている、活 断 層 がある、火 山 が近 いなどに
なる。項 目 の追 加 と距 離 の見 直 しについては、実 際 に活 用 する際 に各 社 の都 合 により決 めることが
望 ましい。
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「地 域 の用 途 」は、都 市 計 画 法 で決 められている土 地 利 用 のことで、低 層 住 宅 専 用 地 域 (一 種 、
二 種 )、中 高 層 住 宅 専 用 地 域 (一 種 、二 種 )など 12 種 類 があるが、ここでは 6 種 にまとめて評 価 して
いる。
また、図 表 7 の評 価 ポイントは参 考 例 であり、実 際 に使 う場 合 はこのポンイントについても検 討 して
いただきたい。
図 表 10 地 域 の環 境 と用 途 のレジリエンス評 価
項目
環
境
A 工場地域
評 価 の説 明
海岸
海 岸 などからの距 離
河川
50km 以 上
32
山 ・崖
10km 以 上 – 50km 未 満
16
火山
1km 以 上 – 10km 未 満
8
活断層
100m 以 上 – 1km 未 満
4
住宅密集地
10m 以 上 – 100m 未 満
2
原子力発電所
10m 未 満
0
低層住居専用地域
9
中高層住居専用地域
8
住居地域
7
近 接 商 業 地 域 、商 業 地 域
6
工 業 地 域 、準 工 業 地 域
2
工業専用地域
0
用途
【ポイント】
地 域 の用 途 と環 境 のレジリエンス量
6.2 地 域 の災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度
地 域 の 災 害 ・ 事 故 ・ 事 件 の 発 生 頻 度 は 、 対 象 と な る 工 場 や 事 務 所 を 中 心 に し て 半 径 5km 、
10km、20km とチェックするのが理 想 だが、現 実 には各 種 資 料 は市 町 村 の区 役 所 ・支 所 、消 防 署
および警 察 署 単 位 で公 表 されている。従 って、公 表 されている単 位 でのデータを活 用 することにな
る。
図 表 11 は、災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度 を評 価 するものだが、ここでも実 際 に使 用 する際 は、土
砂 災 害 、落 雷 、高 潮 などの必 要 な項 目 を追 加 して頂 きたい。
発 生 頻 度 ポイント(N)と発 生 した場 合 の影 響 度 係 数 (C)を掛 け合 わせ NC を算 出 すると自 社 に
影 響 を及 ぼす可 能 性 が高 い災 害 などが浮 かび上 がる。従 って、この NC ポイントが高 い災 害 などに
ついては、被 災 した場 合 の想 定 被 害 を算 出 し、予 防 対 策 、緊 急 事 態 対 策 、継 続 対 策 、復 旧 対 策 を
講 ずることになる。
くどいが、発 生 頻 度 ポイント(N)も影 響 度 係 数 (C)も使 用 する際 は、各 社 で検 討 し数 値 を決 める
必 要 がある。
10
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図 表 11 災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度 の評 価 (A 工 場 地 域 )
災 害 ・事 故 ・事 件
対象期間
震度 7
200 年
震度 6 強
地震
震度 6 弱
100 年
震度 5 弱
津波
2m
– 4m 未 満
1m
– 2m 未 満
200 年
(降 灰 /日 )
水害
(浸 水 深 )
-5,000
-500
-10
-50,000
-5,000
-1,000
100 年
0.5m – 1m 未 満
噴火
-100
-10
0.5m 未 満
-1
30cm 以 上
-1,000
10cm – 30cm 未 満
-100
5cm – 10cm 未 満
100 年
2cm – 5cm 未 満
-10
-1
2cm 未 満
-0.1
5m 以 上
-1,000
2m - 5m 未 満
-100
1m - 2m 未 満
100 年
0.5m – 1m 未 満
-10
-1
0.5m 未 満
-0.1
50m/s 以 上
-100
30m/s – 50m/s 未 満
-10
30m/s – 40m/s 未 満
-1
20m/s – 30m/s 未 満
-0.1
10 年
-1,000
風害
竜 巻 (93m/s 以 上 )
(風 速 等 )
竜 巻 (70m/s – 92m/s 未 満 )
-100
竜 巻 (50m/s – 69m/s 未 満 )
-10
竜 巻 (33m/s – 49m/s 未 満 )
-1
雪害
(積 雪 /日 )
NC
-1
8m 以 上
– 8m 未 満
C
-100
震度 5 強
4m
N
竜 巻 (32m/s 未 満 )
-0.1
3m 以 上
-100
2m – 3m 未 満
-10
1m – 2m 未 満
10 年
0.5m – 1m 未 満
-1
-0.1
0.5m 未 満
-0.01
犯 罪 ・交 通 事 故 データ (図 表 12)
11
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火 災 データ (図 表 13)
災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度 ポイントの合 計
N: 発 生 頻 度 ポイント
C: 影 響 度 係 数
【災 害 ・事 故 ・事 件 の発 生 頻 度 ポイント(N)】
ポイント 32: 対 象 期 間 内 に 20 回 以 上 発 生 している
ポイント 16: 対 象 期 間 内 に 11 回 ~20 回 発 生 している
ポイント 8: 対 象 期 間 内 に 6 回 ~10 回 発 生 している
ポイント 4: 対 象 期 間 内 に 3~5 回 発 生 している
ポイント 2: 対 象 期 間 内 に 2 回 発 生 している
ポイント 1: 対 象 期 間 内 に 1 回 発 生 している
ポイント 0: 対 象 期 間 内 に発 生 していない
図 表 9 は犯 罪 の認 知 件 数 と交 通 事 故 の件 数 であり、図 表 10 は火 災 の件 数 と損 害 額 である。これ
らは各 警 察 署 、各 消 防 署 が公 表 している。
図 表 12 犯 罪 ・交 通 事 故 の発 生 頻 度 (A 工 場 地 域 )
罪 種 ・交 通 事 故
認知件数
3 年前
2 年前
昨年
平均
N
C
凶悪犯
-10
粗暴犯
-1
窃盗犯
-0.01
知能犯
-0.1
風俗犯
-0.1
その他
-0.1
交 通 事 故 (人 身 )
-0.1
交 通 事 故 (物 損 )
-0.01
NC
犯 罪 ・交 通 事 故 の発 生 頻 度 ポイント
【犯 罪 ・(事 件 )の発 生 頻 度 ポイント(N)】 3 年 間 の平 均 値
図 表 13 火 災 の発 生 頻 度 (A 工 場 地 域 )
項目
3 年前
2 年前
昨年
平均
N
C
火災件数
-0.05
損 害 額 (億 円 )
-5
NC
火 災 の発 生 頻 度 ポイント
【火 災 の発 生 頻 度 ポイント(N)】 3 年 間 の平 均 値
12
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図 表 10、11、12、13 から A 工 場 がある地 域 の環 境 と用 途 および災 害 等 の発 生 頻 度 と影 響 度 が
把 握 可 能 となる。同 様 の作 業 を、同 一 社 内 の他 工 場 や他 施 設 と行 うと施 設 毎 の災 害 ・事 故 ・事 件 に
対 する脅 威 の高 低 が比 較 できるようになる。
6.3 地 域 の防 災 ・防 火 ・防 犯 力
地 域 の防 災 ・防 火 ・防 犯 力 も企 業 の BCMS 担 当 者 の観 点 からチェックする。図 表 14 では自 社 が
参 加 すると評 価 ポイントが高 くなるが、これは参 加 すると見 える情 報 、取 れる情 報 が増 加 し、地 域 と
自 社 の連 携 が強 化 され、結 果 として自 社 と地 域 の両 者 にプラスに作 用 するためである。
なお、図 表 14 の項 目 には地 域 により情 報 が得 られないもの、または得 難 いものもある。これら項 目
も使 用 前 に社 内 で検 討 する必 要 がある。
図 表 14 地 域 の防 災 ・防 火 ・防 犯 力 (A工 場 地 域 )
項目
消 防 署 までの距 離
警 察 署 までの距 離
消防団
水防団
防犯協会
パトロール実 施 状 況 (終 日 )
説 明 【参 考 例 】
ポイント
1km 以 内
8
1km - 10km 以 内
4
10km - 30km 以 内
2
30km 以 上
1
1km 以 内
8
1km - 10km 以 内
4
10km - 30km 以 内
2
30km 以 上
1
自 社 が参 加 している
8
あり、積 極 的 に活 動 している
4
ある
2
ない
0
自 社 が参 加 している
8
あり、積 極 的 に活 動 している
4
ある
2
ない
0
自 社 が参 加 している
8
あり、積 極 的 に活 動 している
4
ある
2
ない
0
自 社 が参 加 している
8
高頻度
4
低頻度
2
13
A工 場 地 域
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地 域 住 民 のコミュニケーション
ない
0
自 社 が参 加 している
8
良い
4
悪い
2
大変悪い
0
90% 以 上 カバーしている
防 犯 灯 の整 備 状 況
60 – 90% 未 満
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
90% 以 上 カバーしている
防 犯 カメラの整 備 状 況
防 火 水 槽 ・貯 水 池 整 備 状 況
消火器設置状況
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
十分
16
やや不 十 分
8
不十分
2
ない
0
十分
16
やや不 十 分
8
不十分
2
ない
0
(地 域 住 民 のカバー率 )
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
16
60 – 90% 未 満
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
90% 以 上
公 共 施 設 の耐 震 化 率
16
60 – 90% 未 満
90% 以 上 カバーしている
災 害 時 の避 難 所
16
60 – 90% 未 満
90% 以 上 カバーしている
緊 急 事 態 通 信 の整 備 状 況
16
16
60 – 90% 未 満
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
14
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90% 以 上
土 砂 災 害 危 険 区 域 の整 備 率
60 – 90% 未 満
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
90% 以 上
市 街 地 における耐 震 構 造 建 造
物 の比 率
防 火 構 造 建 造 物 の比 率
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
設置状況
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
16
60 – 90% 未 満
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
90% 以 上
自家用消火器設置状況
16
60 – 90% 未 満
90% 以 上
住宅用火災警報機の
16
60 – 90% 未 満
90% 以 上
住 宅 の防 火 率
16
60 – 90% 未 満
90% 以 上
住 宅 の耐 震 化 率
16
60 – 90% 未 満
90% 以 上
市 街 地 における
16
16
60 – 90% 未 満
8
30 – 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
地 域 の防 災 ・防 火 ・防 犯 力 のレジリエンス量
15
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6.4 地 域 のマネジメントシステム力
図 表 15 の 地 域 の マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 力 も BCMS 担 当 者 の 観 点 か ら チ ェ ッ ク す る 。 基 本 は
BCMS 担 当 者 がウエブサイトや電 話 などで容 易 に入 手 出 来 る情 報 で判 断 することである。毎 年 ハザ
ードマップが見 直 されていれば、その地 域 のマネジメントシステム力 は高 いと言 える。
ところで地 域 のマネジメントシステム力 とは継 続 して改 善 する力 のことで、行 政 のトップや担 当 者 が
代 わっても災 害 等 に対 する広 報 や周 知 活 動 を前 向 きに維 持 する力 である。これは執 行 予 算 とも関
係 する。ある年 度 は多 くの予 算 を執 行 し災 害 などの広 報 活 動 のレベルを上 げるが、その翌 年 度 は予
算 を減 額 しそのレベルを下 げるようであれば、その地 域 のマネジメントシステム力 は不 安 定 と言 え、好
ましくない。
図 表 15 地 域 のマネジメントシステム力 (A工 場 地 域 )
項目
説明
公 表 し、3 年 毎 に見 直 しをしている
地域防災計画書
の策 定 状 況
8
策 定 している
4
策 定 していない
0
ハザードマップ
(地 震 )
8
整備中
4
未整備
0
(津 波 )
8
策 定 している
4
ない
0
(水 害 )
16
公 表 している
8
策 定 している
4
ない
0
公 表 し、3 年 毎 に見 直 しをしている
ハザードマップ
16
公 表 している
公 表 し、3 年 毎 に見 直 しをしている
ハザードマップ
16
整備済み
公 表 し、3 年 毎 に見 直 しをしている
16
公 表 している
8
策 定 している
4
ない
0
公 表 し、3 年 毎 に見 直 しをしている
16
ハザードマップ
公 表 している
8
(土 砂 災 害 )
策 定 している
4
ない
0
ハザードマップ
公 表 し、3 年 毎 に見 直 しをしている
16
A工 場 地 域
16
公 表 している
毎 年 見 直 しをしている
災 害 時 の避 難 計 画
ポイント
16
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(噴 火 )
公 表 している
8
策 定 している
4
ない
0
公 表 し、毎 年 見 直 しをしている
犯 罪 危 険 マップ
公 表 している
8
策 定 している
4
ない
0
90% 以 上 カバーしている
災害時要援護者
支援状況
8
30 - 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
支援方法
8
30 - 60% 未 満
4
30% 未 満
2
ない
0
8
整備中
4
未整備
0
16
30 - 50% 未 満
8
10 - 30% 未 満
4
10% 未 満
2
実 施 していない
0
50% 以 上
防災訓練参加率
16
整備済み
50% 以 上
防火訓練参加率
16
60 - 90% 未 満
毎 年 見 直 しをしている
災害時要援護者
16
60 - 90% 未 満
90% 以 上 カバーしている
独 居 老 人 マップ
16
16
30 - 50% 未 満
8
10 - 30% 未 満
4
10% 未 満
2
実 施 していない
0
地 域 のマネジメントシステム力 のレジリエンス量
17
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7. まとめ
以 上 が地 域 のレジリエンス評 価 である。プラスの評 価 項 目 を増 やすと地 域 のレジリエンス量 は増 加
し、マイナスの評 価 項 目 を増 やすとその量 は減 少 する。従 って長 期 にわたりこの評 価 方 法 を活 用 す
る場 合 は、年 度 毎 に評 価 項 目 を増 減 することは極 力 避 けて頂 きたい。どうしても項 目 を追 加 または
削 除 する必 要 がでた場 合 は、調 整 作 業 をしていただきたい。
また、評 価 ポイントや係 数 を変 えるとレジリエンス量 も増 減 するため、遡 って各 項 目 の評 価 を再 計
算 する必 要 が出 て来 るが、こちらは調 整 が可 能 である。
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