東京工業大学 大学院総合理工学研究科 40周年記念誌 一括ダウンロード

大学院総合理工学研究科要覧
創設 40 周年記念特別号
40
th
1975-2015
東京工業大学
大学院総合理工学研究科
Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering
Tokyo Institute of Technology
大学院総合理工学研究科要覧目次(創設40周年記念特別号)
1 学長の言葉
…………………………………………………………………………………………………………………
2 研究科長の言葉
1
……………………………………………………………………………………………………………
2
3 大学院総合理工学研究科の沿革 ………………………………………………………………………………………
4
4 大学院総合理工学研究科の運営方針と体制
7
……………………………………………………………………… 4-1 平成 27 年度までの運営と体制 ……………………………………………………………………………………
7
4-2 平成 28 年度からの運営と体制の方針 ……………………………………………………………………………
12
5 教育・研究活動
…………………………………………………………………………………………………………… 14
5-1 国際大学院プログラム ………………………………………………………………………………………………
14
5-2 特色ある教育の取組み ………………………………………………………………………………………………
18
6 各専攻の紹介
………………………………………………………………………………………………………………
25
物質科学創造専攻 ……………………………………………………………………………………………………………
25
物質電子化学専攻 ……………………………………………………………………………………………………………
33
材料物理科学専攻 ……………………………………………………………………………………………………………
41
環境理工学創造専攻 …………………………………………………………………………………………………………
49
人間環境システム専攻 ………………………………………………………………………………………………………
57
創造エネルギー専攻 …………………………………………………………………………………………………………
65
化学環境学専攻 ………………………………………………………………………………………………………………
73
物理電子システム創造専攻 …………………………………………………………………………………………………
81
メカノマイクロ工学専攻 ……………………………………………………………………………………………………
89
知能システム科学専攻 ………………………………………………………………………………………………………
97
物理情報システム専攻 ……………………………………………………………………………………………………… 105
7 歴代研究科長の言葉 ……………………………………………………………………………………………………… 113
8 修了生からのメッセージ
……………………………………………………………………………………………… 115
9 創設当時の思い出 ………………………………………………………………………………………………………… 130
10 学務関連データ
…………………………………………………………………………………………………………… 133
11 歴代研究科長・評議員・名誉教授 …………………………………………………………………………………… 138
12 地図、航空写真
…………………………………………………………………………………………………………… 144
1 学長の言葉
総合理工学研究科と私
学 長 三島 良直 大学院総合理工学研究科が設立 40 周年を迎えた。
むことが可能な魅力ある大学院であって、また総理
私にとっては格別の思いがある。昭和 50 年
(1975 年)
工基幹講座教員は協力講座教員とともにその期待に
3 月末、私は本学金属工学専攻修士課程を修了し、
応える教育を提供すべく様々な努力をしてきた。学
Ph.D 取得を目指して米国へ旅立った。卒論、修論
部を持たない総理工は、当初本学大岡山キャンパス
を指導していただいた当時大岡山石川台地区にあっ
の学部と他大学卒業生の比率がおおよそ 50% でス
た精密工学研究所はその秋にすずかけ台キャンパス
タートした。その後 1997 年前後の(国立大学)大
へ引っ越し、所属の各講座はこの年発足した総合理
学院重点化に伴って、特にこの 20 年にわたり以前
工学研究所の協力講座となった。6 年後の昭和 56
にも増して学外の優秀な学部生の獲得と、その入学
年(1981 年)に留学を終えた私は精密工学研究所
後の教育に砕身の努力を続けてきた。こうして総理
熱処理工学部門に助手として採用され、助教授を経
工は多くの優秀な修士と博士を世に輩出し続けて本
て平成 9 年(1997 年)に基幹講座の総合理工学研
学の独立研究科として我が国のアカデミア、産業界
究科材料物理科学専攻教授となった。これらの年月
に大きな貢献をしてきた。
を通して平成 24 年(2012 年)3 月まで、すずかけ
そして総理工は来年平成 28 年 4 月から実施する
台キャンパスで教育研究に従事した。総合理工学研
大きな教育改革により、部局としてのその名を消す
究科では平成 16 年(2005 年)に本学教育研究評議
ことになり独立研究科としての役割に終止符を打
員を務め、翌平成 17 年(2006 年)から 2 期 4 年研
つ。本学の新しい教育システムは学部、大学院を通
究科長を務めた。この間は研究科専攻の 1 教員とし
じて全教員が等しく教育に当たり、大岡山とすずか
てだけではなく、本学で 2 番目に大きい部局である
け台キャンパスの教員は全国、そして国外から優秀
研究科の歴史、現状そして将来あるべき姿を真摯に
な学生を集め、様々な分野におけるその卓越した研
考えるとともに、本学全体の運営体制や各部局の成
究力をさらに高めて世界トップクラスの大学を目指
り立ちと所属教員の意識について多くの知識を体感
すために各分野における教育・研究に最大限の力を
し、吸収出来た。それらすべてが現在学長として新
集約、発揮する体制を構築する。そのためには総理
しい東工大に向けた大きな大学改革を進める駆動力
工がこれまでに培った多様な人材を集めてその能力
になっていることをまず述べたい。
を最大限に高めるための教育に関するノウハウを生
大学院総合理工学研究科(これ以降、総理工)は
我が国初めての独立研究科として輝かしい歴史を築
かすことが必須である。総理工の 40 年にわたる努
力はこれから花開くと信じている。
いてきた。またその英語名からわかるように所属専
攻はすべて境界領域の教育研究を目指したことが画
期的であり、したがって特に他大学卒業生にとって
は出身学部での専門をベースに新たな分野に踏み込
1
2 研究科長の言葉
過去は今、今は未来、
そして明日へ!
研究科長 小田原 修 中国の四書の一つである「大学」と「中庸」では、
「大
学とは、<小を軽んじて大は成せない>という中庸の
「起承転結」の志と使命感を育み、将来の展開に必須な
心で、修己治人の志を育む場である」
、と教えている。
教育研究をしっかり見据え、その展開と将来の展望を成
「世の中を治めるためには、まず自分を修めなくては
ならない」という教えであり、高等教育研究に臨む基
本的姿勢を示していると言える。
昨今の国際化や情報化の大きな展開の中にあって、
就するために、最善を尽くさなければならない。
これまで様々な科学技術に柔軟に対応できる学際
領域における教育研究を推進してきた総合理工学研
究科にとっても、設立 40 周年を迎えた今、正に「過
伝統的な日本の特質であるディシプリン(規範)を我々
去の実績を今に繋げ、描く未来へ向けて今を遂行し、
が失いつつあるばかりでなく、高等教育現場での基本
明日を導く」取組みを展開するタイミングである。
的立場も揺らいでいるように思われる。この様な状況
は、
国を支える一人一人の感性や活性にも影響を与え、
結果的に個人の活動の目的あるいは価値観・人生観
さえも目先の対象に振り回されかねず、
❖上下関係や主従意識を強くすると、中庸が綻びて、
いわゆる「たかり」が蔓延する。
❖拮抗レベルでの不平等感が増幅すると、規律が揺
らぎ、いわゆる「怠惰」が生まれる。
❖外部との連携を八方美人的に維持しようとすると、
2
重要である。今こそ、
何が必要で何ができるかについて、
【総合理工学研究科のシンボル】
学部を持たない独立大学院研究科である総合理工
学研究科は、1975 年の設立以来、学際的な新分野を
平常心が乱れ、いわゆる「おごり」が表面化する。
開拓するという理念に基づき、学際専攻群を整備した。
など、
1997 年からは、新分野の開拓を行い新しい学問領域
過去の教えを歪める事態が起りかねない。それぞれの
を創造する「創造専攻群」と学際分野の深化と定着
思惑で知的集団が連携してこそ成り立つ分野を円滑
を目的とする「学際専攻群」を構成し、我が国の資源
に推進するためには、古い書に学ぶことも多々あるの
循環型社会及び豊かで安全・安心な社会を実現する
ではないだろうか。
ために必要な様々な科学技術に柔軟に対応できる学
次世代への橋渡しも視野に入れた健全な人間社会
際領域における研究と人材育成を展開してきた。現在
の構築と、志の高い青少年の教育・育成を的確かつ
の総合理工学研究科の構成は 11 専攻であり、それら
継続的に推進するためにも、
「日本の位置づけ」を真
が物質材料系、環境エネルギー系、システム情報系
摯にとらえた方策が必要である。国際競争の中では、
の 3 系に大別されている。各専攻は、基幹講座に加え、
「個」に対する厳しさが要求され、それを克服してこ
附置研究所等を原籍とする教員と学外機関に所属する
そ国際化を目指したことになる。国際化を目指すため
研究者で構成する協力講座と連携講座で編成され、現
にも、自己満足的な過程に留まらず、道を究めることが
在 29 機関(2 省、9 独立行政法人、4 財団法人、2 公
共団体、12 企業)による連携講座が、博士課程を志す
かれた大学院としての社会的要請に応える社会人の
学生を中心とした多角的な教育研究に協力している。
ための「社会人博士後期課程」を設けた。さらに、国
総合理工学研究科では、これまで「社会の要請に
際的な教育研究の展開のため、外国人学生を対象と
柔軟に応える」を使命に教育研究を行ってきた。協力
した「国際大学院コース」も積極的に推進してきた。
講座を担う研究所の先進研究による教育研究の推進
英語で学べる「国際大学院コース」を擁する総合
することも大きな特徴であり、基幹講座とそれにほぼ
理工学研究科では多くの留学生が学んでいます。修
匹敵する数の教員を擁する協力講座との複合組織で
士課程では約 1 割、
博士課程では約 3 割に達している。
あることは、総合理工学研究科ブランドの重要な要素
留学生の方々は、総じて向学心が旺盛で、高い志で
である。これに加えて、学外の公的機関や企業の一
懸命に学んでいて、受け入れる側としては、留学生の
流専門家で構成する連携講座も今では社会にアピー
日常が円滑になるようにサポートを充実させている。
ルする上でも必須の構成要素となっている。色々な分
すずかけ台キャンパスは近隣に学生寮も多く、留学
野が融合して学問を進めていく中で、各専攻の基幹
生と地域コミュニティとのつながりや交流にも力をい
講座の教員が中心的に大学院生の教育研究を担い、
れていて、留学生同士の交流や同窓会の活動にも取り
附置研究所等を原籍とする教員と学外機関に所属す
組んでいる。昨今、留学生の日本での就職も増えてい
る研究者で構成する協力講座と連携講座を有機的に
る状況で、そのサポート環境も充実させなければなら
繋ぎ、
その協働で共に築いてきた「独自の風土」には、
ない。また、
「すずかけ台キャンパス」は、教育研究
刻まれた年輪以上の重みがある。
「社会の要請に柔軟
拠点としてのポテンシャルの高さを示していて、多摩
に応える」から「社会を導く」教育研究の充実へ方
田園都市に代表される良好な住環境を有する利点と
針をシフトさせていくことが必要となってきた今日、
の両者から地域と連携した国際性豊かな知識集積拠
多様な課題を抱える社会に応えるためには、これまで
点を形成できることから、すずかけ台「ペリパトス研
に築いた重みに頼ることなく、
「あるべき姿を具現化
杜 21」将来計画を策定し実行に移してきた。キャン
し、合意形成の心で展開し、効果的な手法で訴求し、
パス全体の統一的な将来計画を、基本理念-基本方
次の一手に繋ぐ」を成し得る総合理工学研究科の強み
針-基本計画に立ち返って明確にし取り組んでいる。
を一層強化して、今日の全力を全力以上の明日に繋げ
すずかけ台「ペリパトスの研杜 21」将来計画の 6 つ
る人間力を育む教育研究の技を鍛えなくてはならない。
の理念-「教育・研究」
、
「自然」
、
「安全」
、
「貢 献」
、
「持
昨今の取組みでは、学問の進化に応じた柔軟な教
続」-を具体化し実現するために 2025 年までを期間
育研究と人材育成の教育プログラムを強化するため
として進めている。120 種類もの植生をもち、緑豊か
に、学際的アプローチをさらに超えた複合的な展開を
な自然と会話できるキャンパスに、絵画のギャラリー
図る仕組みとして、
「複合創造領域」を 2010 年に設
や屋外に美術作品を展示するなど、アートの香りも取
置した。複合創造領域では、コアユニットによる新た
り入れている。キャンパスを散策し、気分転換し、教
な先端研究の推進としての「教育研究コアグループ」
育研究の疲れを癒し新しいアイデアに繋げる自分を見
と、現代社会が求める高度科学技術者を養成するこ
出せる環境である。
とを目指す「博士複合創造領域コース」を備えている。
2016 年 4 月から、大学改革の一環として、これま
幅広い学問領域の中で学ぶ学生たちには、出口イメー
での 3 学部・6 研究科とそれぞれに設置してきた 23
ジを提示することを重視し、修了後にどういう分野に
学科・45 専攻の体制を改革し、6 学院 19 系 1 専門職
進むかをイメージしながら学び、研究科の修了生には
学位課程の体制に再編する予定である。総合理工学
常に責任あるリーダーとなる意識を持ってほしい。私
研究科に所属の教員は、6 学院にそれぞれ分散し、今
たちが目指すのは、
「オペレーター」を育てるのではなく、
後の大学の展開を支えることとなる。
「オペレーターを指揮する人」を育てる教育である。
また、グローバル化が急速に進む中で産業環境が
この 40 年間の御厚情を感謝し、今後の一層の御支
援をお願いする次第である。
要求する高度人材の育成へ向けた環境を整備し、開
3
3 大学院総合理工学研究科の沿革
大学院総合理工学研究科は、大学院重点化の先駆
足した。また、平成 9 年 4 月には電子化学専攻と材
的事例として昭和 50 年 4 月に長津田キャンパスに
料科学専攻が母体となり、物質科学創造専攻が新設
創設された。創設時の研究科は基幹 25 講座(新設
されると同時に両専攻は物質電子化学専攻と材料物
13 講座、振替 12 講座)および研究所などからの協
理科学専攻へと改組された。これらの専攻は環境物
力 47 講座の合計 72 講座編成で、物理情報工学専攻、
理工学専攻を除き、全て基幹講座は大講座から編成
電子化学専攻、社会開発工学専攻、精密機械システ
され、また組織対応のある連携客員教授・助教授の
ム専攻、材料科学専攻、電子システム専攻、化学環
ポストを持つなど、新しいスタイルの組織が導入さ
境工学専攻、生命化学専攻、エネルギー科学専攻、
れている。また、物質科学創造専攻は新しい学問領
システム科学専攻の 10 専攻で構成された。
域の創造を標榜する全国で初めての専攻として、本
大学院総合理工学研究科は研究科固有の基幹講座
のみならず、研究所やセンター―など他部局の部門
平成 10 年 4 月には、化学環境工学専攻は、化学
や講座などから教育研究に参画する協力講座から編
環境学専攻に、環境物理工学専攻は、環境理工学創
成されており、相互に密接に協力しあう体制を保持
造専攻に改組し、平成 11 年 4 月には、物理情報工
している。
学専攻は物理情報システム創造専攻に、電子システ
昭和 53 年度から昭和 62 年度の 10 年間に基幹 3
講座および協力 7 講座の合計 10 講座が増設された。
ム専攻は電子機能システム専攻に改組された。
以上の経緯を経て、大学院総合理工学研究科は常
上記 10 専攻のひとつである生命化学専攻は、生命
に自己変革を行いながら学際大学院から創造大学院
現象への化学的接近という発足時の教育研究の目的
へと発展拡充し、物質材料系(3 専攻)-環境エネ
が生命理工学部(平成 2 年 6 月発足)に受け継がれ
ルギー系(4 専攻)-システム情報系(4 専攻)の
たことを契機に、平成 3 年 4 月には知能科学専攻へ
専攻軍を整備し今日を迎え、基幹 22 講座および協
と名称を変更、教育研究の目的を最高次の生命現象
力 55 講座の合計 77 講座、11 専攻という構成で教
である知能にシフトし、関連専攻の協力のもとに、
育研究を行ってきた。
かなりの規模の教官の配置替えを行い、本研究科の
自己改革の先駆けとなった。
平成 28 年 4 月、東工大は日本の大学で初めて学
部と大学院を統一し「学院」を創設し、3 学部 6 研
平成 5 年 4 月には基幹 3 講座および協力 7 講座よ
究科から 6 学院、23 学科 45 専攻から 19 系(大学
りなる環境物理工学専攻が設置された。さらに平成
院課程の教育研究においては、さらに 25 コースを
7 年 4 月には社会開発工学専攻とエネルギー科学専
設置)と 1 専門職学位課程へ移行する予定であり、
攻が改組され、人間環境システム専攻と創造エネル
大学院総合理工学研究科としての歴史は 40 年で閉
ギー専攻が発足した。
じ、これまで培った成果は新しい 6 学院に引き継が
平成 8 年 4 月にはシステム科学専攻と知能科学専
攻が合併し、改組され、知能システム科学専攻が発
4
大学院に設置されたものである。
れる。
(図 1 及び図 2 を参照)
【大学院総合理工学研究科の変遷】
1975(昭和 50)年 4 月:
1996(平成 8)年 4 月:
長津田キャンパスに創設:創設時の研究科は基
システム科学専攻と知能科学専攻が合併・改組
幹 25 講座(新設 13 講座、振替 12 講座)およ
し、知能システム科学専攻が発足
び研究所などからの協力 47 講座の合計 72 講座
編成:
1997(平成 9)年 4 月:
物理情報工学専攻、電子化学専攻、社会開発工学
電子化学専攻と材料科学専攻が母体となり、物
専攻、精密機械システム専攻、材料科学専攻、電
質科学創造専攻が新設されると同時に両専攻は
子システム専攻、化学環境工学専攻、生命化学専
攻、エネルギー科学専攻、システム科学専攻の
物質電子化学専攻と材料物理科学専攻へと改組
10 専攻
1998(平成 10)年 4 月:
1978(昭和 53)年度~ 1987(昭和 62)年度:
基幹 3 講座および協力 7 講座の合計 10 講座を
化学環境工学専攻は化学環境学専攻に改組し、
環境物理工学専攻は環境理工学創造専攻に改組
増設
1999(平成 11)年 4 月:
1990(平成 2)年 6 月:
物理情報工学専攻は物理情報システム創造専攻
生命化学専攻は、生命現象への化学的接近とい
に改組、電子システム専攻は、電子機能システ
う発足時の教育研究の目的が生命理工学部に受
ム専攻に改組
け継がれる
2003(平成 15)年 4 月:
1991(平成 3)年 4 月:
生命化学専攻は知能科学専攻へと名称を変更
1993(平成 5)年 4 月:
精密機能システム専攻は、メカノマイクロ工学
専攻に名称変更
2005(平成 17)年 4 月:
環境物理工学専攻が発足(基幹 3 講座および協
物理情報システム創造専攻と電子機能システム
力 7 講座)
専攻を改組し、物理電子システム創造専攻と物
理情報システム専攻が発足
1995(平成 7)年 4 月:
社会開発工学専攻とエネルギー科学専攻が改組
され、人間環境システム専攻と創造エネルギー
専攻が発足
5
図 1 大学院総合理工学研究科の編成
図 2 平成 28 年度以降の教育研究体制
6
4 大学院総合理工学研究科の運営と体制
4-1 平成 27 年度までの運営と体制
(1)研究科の運営と取組み
本研究科は研究者や教育者としての高度専門家の
設立 40 周年を迎えた総合理工学研究科は、
「現在
養成とともに、産官学、そして市民社会という多様
および将来において多様・複雑に変化・発展し続け
な分野で活躍する高度科学技術専門家を養成してき
る社会環境や産業環境のなかで発生する問題の解
た。専門家としての科学技術分野の高い能力、社会
決」を基本概念に、本学が目指す「世界最高の理工
経済の問題への理解力、洞察力と情報発信力、また、
系総合大学」の具現化へ向けた取組の一翼を担って
専門家として社会から信頼されるような高い倫理観
きた。また、高等教育研究を志す多くの優秀な学生
の醸成を使命とし今後を眺望する能力が強化される
が集いのびのびと科学技術に浸り挑戦できる場とな
ことを期待する取組みを推進してきた。
るように、すずかけ台キャンパスのより良い教育研
究環境としての充実を進めてきた。
常に先導的大学院であり続けることを最大の使命
としてきたが、近未来の科学技術を的確に予測し先
1997 年に創造大学院構想により新たな学問創造
導する人材の養成が重要課題である今日、近縁領域
を目指し博士課程教育に重点を置くことから、特に
との学際化のみでなく外縁異種分野との融合による
「創造専攻」
(11 専攻中の 3 専攻)では博士入学定
新しい分野の開拓と創造へ向けた取組みを推進し、
員を大幅に増加させた。この定員の値は、創造専攻
発足時には、満たすべき数値としてではなく、3 名
「適確な情報を発信し社会と共生する」ための教育
研究の導入とその充実が必須となっている。
まで指導しても良いという考え方で法人化以前に設
定した。その後法人化により状況が変わり、法人化
後は定員を満たすことが求められるようになった。
その結果、博士定員充足率という見かけの指標では
博士教育が不十分なような印象を与えている。しか
し、教員あたりの博士学生指導数は他の研究科の 2
倍近くもあり、本研究科が博士教育を強力に推進し
ていると言える。創造大学院は 10 年を目途に運営
が続けられ、2006 年頃からその成果の検討を行っ
てきた。博士課程教育に重点を置くことは、3 つの
創造専攻だけに課せられたものではなく、他の 8 専
攻も博士教育の強化に努めてきた。
博士教育に重点を置くのは 11 専攻全てに共通す
るとの考えから、時代の新たなニーズに応えるため
に、各専攻が協力して専攻を超えた新たな横断的な
取り組みとして「複合創造領域」事業を 2010 年度
から進め、コアユニットによる新たな先端研究の推
進とともに、現代社会が求める高度科学技術専門家
の養成を図った。
図 1 これからの高等教育研究のあり方
7
(2) 研究科の組織と特徴
学外の官庁・研究組織・企業等から、高度な研究水
準を有する教員を連携教員として招聘するもので、
大学院総合理工学研究科は、研究科固有の「基幹
基幹講座のメンバーとして緊密な関係のもとに教育
講座」と、
本研究科以外の学内組織の教員による「協
研究を行うことで、学生の教育・研究指導を多角的
力講座」とからなっている。協力講座では、各研究
に行える。
所やセンターなどの教員が各専攻に配置され、教育
大学院総合理工学研究科は大学院中心の組織であ
研究に参画している。基幹講座には、学外からの協
り、構成する 11 専攻の研究分野は大きく 3 つのグ
力を得る工夫として、
「連携講座」を構成している。
ループにまとめることができる。図 2 に示すように、
図 2 総合理工学研究科の構成と特徴
8
これらを、物質材料系、環境エネルギー系、システ
研究科又は専攻を超えて、横断的かつ機動的な教育
ム情報系と便宜的に分けている。各専攻とそれぞれ
研究拠点を編成し、プロジェクト的に大学院課程の
の関連分野をマトリックスで示したのが図 3 であ
先端的教育及び実務的人材養成を行う特別教育研究
り、幅広い領域をカバーしている。
コースとして、国際大学院教育研究特別コース、プ
本研究科では通常の研究者博士とともに、今後社
ロジェクトマネージングコース、学術特別コース、
会から求められる新たな博士像である、高度科学技
医歯工学特別教育研究コース、生命情報学(情報)
術専門家の養成にも力をいれている。このことを特
特別教育研究コース、ロボットインフォマティクス
に進めるため、2010 年度から「複合創造領域」を
特別教育研究コース、人間情報学特別教育研究コー
設置し、博士複合創造領域コースと教育研究コアグ
スを担ってきた。
ループを構成した。博士複合創造領域コースは大学
大学院総合理工学研究科が培ってきた教育研究の
院教育体制の進化・充実を目的として設置する新た
実績及び成果は、2004 年 4 月からの国立大学法人
な博士後期課程教育であり、コース履修学生の学位
への移行により策定された中期目標・中期計画での
取得後の多様な活躍の場を想定し、創造性に優れ、
実施遂行に沿っていて、特に第 2 期中期目標・中期
社会の要請に応え得る人材を育成することを目指す
計画(2010 年度- 2015 年度)についてはほぼ達成
ものであり、その取組主体は 2015 年度から「イノ
できた。2016 年度からの第 3 期中期目標・中期計
ベーション人材養成機構」の一環として展開してい
画の策定は、研究科から移行する学院で進められる
る。
が、本研究科の特徴である教育研究ノウハウが大い
博士複合創造領域コースも含め、本研究では大学
に資する取組みとして展開されると期待する。
院の教育研究の高度化及び多様化に資するために、
図 3 各専攻が対象とする教育研究分野
9
(3)学生支援体制
る。東工大に授業料を支払うことで、留学先の授業
学部を持たない独立大学院としての大学院総合理
料や検定料等は免除され、留学先の大学では、状況
工学研究科は、他大学、社会人、海外からの留学生
に応じて授業を受けたり、研究に参加したりするこ
や若手研究者を数多く受け入れてきた。これらの学
とができる。
生が速やかに円滑に新しい環境「すずかけ台キャン
イノベーション人材養成機構では、就職相談全般
パス」に溶け込めるように、本研究科では学生支援
に応じ、就職関係の知識やノウハウ等の情報の提供、
を積極的に実施してきた。学業支援、経済的支援、
東京工業大学の就職情報収集・提供、全学的なガイ
就職支援については、全学一丸となって推進する体
ダンスの開催等を行い、多様化したキャリア支援の
制が構築されてきた。福利厚生施設の充実や学生が
ニーズに対応して、新しい分野への就職アドバイス
抱える日常の様々な問題に対する支援体制について
や進路に迷っている学生へのアドバイスもしてい
も、保健管理センターすずかけ台分室を窓口として、
る。
専門のカウンセラーと学生相談員を配置し、相談し
やすい環境の整備を進めてきた。
10
間)から 1 年以内の期間で留学するプログラムもあ
入学料や授業料に関する学生支援として、入学料
や授業料の納付が困難な学生に対しては、本人の申
学業支援として、語学力を向上させたい学生には
請に基づき、選考の上で、入学料(半額)や授業料
短期間の語学留学、研究室での研究を重視したい学
(半額または全額)を免除する制度があり、さらに
生には研究室滞在型留学、海外の大学で本格的に研
東京工業大学基金による奨学金や学外奨学金の利用
究に打ち込みたい学生には学位取得を目的とした長
制度もある。
期留学を提供する等、留学の目的や語学力に合わせ
学生寮は、男子学生用、女子学生用の学生寮があ
た様々な留学プログラムを展開し、さらに東工大が
り、経済的負担の少ない生活のための取組を進めて
協定を結んでいる大学(授業料等不徴収協定校)に、
いる。
本学に在籍したまま、1 学期以上(留学先大学の期
図 4 すずかけ台キャンパス展望
男子(日本人)
松風学舎
男子(留学生・日本人)
東京工業大学梶が谷国際寮
男女(留学生・日本人)
Tokyo Tech Aobadai House
男女(留学生・日本人)
Tokyo Tech Nagatsuta House
男女(留学生・日本人)
すずかけ台ハウス
南つくし野ハウス
図 5 東京工業大学の学生寮
11
4-2 平成 28 年度からの運営と体制の方針
(1) 新しい学院群としての運営方針
課程と修士課程、修士課程と博士課程の教育カリキ
ュラムに継ぎ目のない学修のために、全学的な基準や
本学の大規模な教育・研究改革が進められている
手法の構築を進め、学生が入学時から大学院までの
状況で、平成 28 年 4 月には全学的に新教育・研究シ
出口を見通して自らの興味・関心に基づく多様な選択・
ステムが始動する。この改革は、本学の学部・大学院
挑戦が可能になることを目指している。
教育の特徴を堅持しつつ取り組むものであるが、本学
理工系分野ではほとんどの学生が大学院課程まで進
に入学した学生を在学中に自主的に専門力と人間力を
学する、という現状に即した教育カリキュラムであり、
身につけ、将来の姿を描きつつ夢と希望を持って世界
その取組みを推進するために、教育革新センターを平
を舞台に活躍するための成長を遂げることを一義とし
成 27 年 4 月 1 日に設置し、取組の強化を図っている。
ている。科学・技術の面白さや奥深さを感じ取りなが
教育改革とともに研究改革も進められ、文部科学省
ら、自ら学び考える力、創造力や表現力等、将来の夢
の研究大学強化促進事業にも本学の提案が採択され
に向かって必要な力を育むカリキュラムを用意し、専
たことを契機に研究力強化が本格的に取り組まれてい
門分野を究めることに加え、関連する分野やその社会
る。本学が国際的に知と人材の還流を促す「世界の
的な背景や関連性も学修できる。
研究ハブ」として革新的な科学や技術を先導し真の
イノベーションを創出することを目標に、東工大建学
の精神を踏まえ、次世代の人材養成とともに、真理を
探究する研究、次世代の産業の芽を創出する研究、
人類社会の持続的発展のための諸課題の解決を目指
す研究を総合的に進め、その成果を社会に広く生か
すことを全学の共通認識としている。研究体制を再構
築し、教員がより多くの時間を研究に費やすことがで
きるための研究環境を整備するよう検討を進めている。
このような教育改革及び研究改革を進めて行くこと
で、科学技術をベースに様々な分野でグローバルにリ
ーダーシップを発揮する人材を輩出し、優れた研究成
果の発信とオープンイノベーションの場が提供される
図 6 新しい教育体系
円滑な学修を推進するために、
「何をどれだけ学ん
だか」を評価して進む、<達成度進行とナンバリング
システム>を導入する。さらに、一定の要件を満たし
た学生は、上位の課程の科目を学修できるようにし、
授業科目に学修段階や順序を示す番号をつけることで、
達成度の進行に合わせた授業科目選択の目安とする。
12
ことが望まれる。
産学連携の実質化等による財源多様化、人事給与
システムの改革による人件費総枠の最適化、などへの
取組みも進めている。
(2) 新しい学院群の組織と特徴
平成 28 年度からスタートする、新しい東京工業大
学は、平成 27 年 7 月 2 日に行われた三島良直学長が
平成 26 年 10 月、大学の国際化と国際競争力強化
「再任に向けた決意と所信」
(東京工業大学ホームペ
を積極的に進める大学を支援する文部科学省による
ージ参照)で述べたように、現在一丸となって取り
スーパーグローバル大学支援事業に本学の提案が採
組んでいる教育改革及び研究改革を通して具現化さ
択され、学生の意欲の向上に繋がるカリキュラムと教
れる。以下に、学長から提示された資料を抜粋して
授法に様々な工夫を凝らした取組を進めている。学士
示し、今後の動向を推し図ることとする。
13
5 教育・研究活動
5-1 国際大学院プログラム
(1) 「日本との架け橋となる行動的科学技術者育成プログラム」
プログラムの目的:
グローバル化の進展に呼応し、発展途上国を主とする留学生の受入れシステムに
おいて、本研究科の特徴を活かし、留学生の学習経歴・意欲などにカスタマイズし
た教育の推進と、日本人学生や研究機関の専門家との交流を促進し、現実問題に対
処可能な“行動的科学技術者”の育成とその多国間ネットワーク構築を行なう。
本研究科の特徴:
物質・環境・情報に関する現
実社会の先端的複合的問題を理
工学の立場から解決する研究
者・技術者の育成を目的とし、
学際的・創造的な教育研究に力
点を置いた独立大学院である。
【プログラムの概要】
大学院総合理工学研究科で学習する留学生には、出
できる道を開く取組みである。
身国の学部卒学生の他に既に職歴を持つ者あるいは学
本プログラムは、博士課程(一貫制)として修士課
歴と職歴が時間的に重複している者など、実社会の問
程から博士課程をシームレスに連続して学ぶ特徴的カ
題に接した経験を持つ者も含まれ、既に何らかの具体
リキュラムとなっていて、カリキュラムや募集・選考に
的な研究対象を持ち、それゆえ勉学へのモティベーシ
ついては、
「国際大学院プログラム総理工プログラム運
ョンも高く、将来の進路が比較的明確で、また将来の
営委員会」を設置し、全学的な組織「国際大学院プロ
自国における社会貢献のイメージも持っている。この
グラム運営協議会」と連携した運営体制の下で、総合
ため、帰国後の本人および所属機関と日本とのつなが
理工学研究科独自のブランド化を目指した取組みを展
りも緊密で、我が国との国際的架け橋として機能して
開してきた。
いる場合が多い。
14
を実行することにより、比較的短期間でも博士号を取得
本プログラムの特徴的カリキュラムである「日本の
そこで本研究科では、上記のような属性を持つ社会
歴史と文化」
、
「国際コミュニケーション」
、
「学際プレ
人留学生の受け入れに配慮し、修了後は日本との架け
ゼンテーション」などを実施し、参加学生のスキルア
橋となる行動的科学技術者育成のための博士課程(一
ップを養成するとともに、本プログラムを学生相互の
貫制)の特別プログラムを設置した。
“現実の複合的問
交流を深める場として活用することで、本プログラム
題に学際的見地からアプローチする”という本研究科
での教育研究を支点とした国際感覚に優れた人材が育
の教育研究の特徴を活かして、個々人の個別バックグ
成できた。本プログラムの英語科目での各専攻が提供
ラウンドやモティベーションに合わせカスタマイズ教育
する多くの講義科目については、本プログラムだけで
なく、日本人学生を含む一般プログラム等にも開かれ
た履修を可能にして参加を促している。海外での長期
ており、本プログラムに所属する留学生は、それらの
インターンシップ等の取組については、自身国との調
講義を介して日本人学生や一般の留学生とも交流する
整が必要ではあるものの、博士一貫コースとしての「人
ことができる。本プログラムの参加学生が受講するイ
間力育成」に対応するためにも大いに推奨し道を開拓
ンターンシップ科目については、全学での取組に沿っ
してきた。
“Modern Japan” 講義実施風景(2011)
15
(2)「グローバルな視点を持った問題解決・分野横断型人材育成プログラム」
【プログラムの概要】
中国、韓国、インドや ASEAN 諸国を含むアジア
本プログラムが対象とする大学院生は、海外から
地域の経済発展はめざましいが、大学、大学院での
の留学生だけでなく、日本人学生も含まれる。これ
高等教育については欧米や日本等の先進国の大学へ
は、本プログラムで行われる留学生と日本人学生と
の進学需要が大きい。ただし、この地域の優秀な人
の共同学習が、日本人学生をグローバルな視点に立
材は、第一の留学先として、欧米を考える傾向がある
たせる良い枠組みとなるためである。今日の科学技
と言われている。しかし、我が国が科学技術先進国と
術の発展には、国境を越えた広い視点と物事に対す
してアジアの発展に寄与し、リーダーシップを発揮す
る深い洞察力が必要であり、それらを備えた日本人
るためには、アジア地域からの優秀な人材の確保と教
学生を育てるのも、目的の一つである。
育、そして彼らの多様なキャリアパスを確保していく
本国際大学院では、海外からの留学生のための国
ことは重要であり、留学生の増加は、とかく内向きで
費の学生枠を設けている。様々な国々からの学生が
あると言われる日本人学生をグローバルな視点に立た
在籍し、お互いの文化や考え方を知り、それを尊重
せる良い機会となる。学生は柔軟性があるので、本質
することは、国際理解の第一歩である。そのために
的に内向きではないが、適切な機会が与えられないと、
も、多様な国々からの学生が一緒に学ぶことが望ま
外へ目が向かないのも無理はない。日本人学生に対し
しく、経済環境の異なる国からの学生も一緒に学べ
ては、このプログラムがそれを解消する機会を与える
るような環境を構築している。
ことになる。以上の 2 つの点から、国費、私費を問わ
ずアジア地域の国々を中心に優秀な留学生を確保す
環境・エネルギー、情報 ・ システム系専攻が編成す
る必要がある。
るカリキュラムを中心とした 3 つのコースで構成さ
大学院総合理工学研究科は、設立のポリシーから、
16
本プログラムは、総合理工学研究科の物質・材料、
れる。従来の学問領域を越えた分野横断型の教育・
様々な分野の教員が協力しながら既存の学問領域を
研究を行っており、本プログラムで求める人材を育
越えた分野横断型の教育・研究を行っており、このよ
てるために適したプラットフォームである。博士課
うな力を身につけるために最適な環境である。本研究
程(一貫制)を標準修了年限 5 年としたプログラム
科は、これまでも国際大学院プログラムを運営し、多
であるが、学生の状況に応じてフレキシブルに対応
くの優秀な卒業生を輩出してきたが、これをさらに発
し、3 ~ 5 年間で、工学・理学・学術のいずれかの
展させ本国際大学院プログラムを実施するに至った。
学位を取得できることとする。これにより欧米型ス
タンダードに近い型の大学院となり、留学生にとっ
専門が共通する教員の研究室において研究上の交流
てはきめ細かい日本型教育の長所を併せ持つ教育を
を行うとともに、日本人学生若干名を加えた十名程
受けることができる。
度のクラスを編成し、環境、社会制度、文化に関す
また、分野横断型の特別教育研究を実施して来た
る科目や課題演習のグループ単位での討議なども実
博士複合創造領域コース(平成 27 年度からはイノ
施している。日本人学生はチューターの役割も持ち、
ベーション人材育成機構において運営)では、外国
留学生とのコミュニケーションが積極的に取れるよ
人教員によるテクニカルライティングやディスカッ
うにし、講義の講師には企業人を含め、演習にはミ
ションの講義、国内外の企業や研究所へのインター
ニ・インターンシップを含めている。
ンシップ、知財や経営に関する講義など、創造性に
優れ社会の要請に応え得る人材の育成をめざし、学
位取得後の多様な活躍の場を想定したカリキュラム
既存の学問領域の枠を超えた
分野横断型の大学院教育
物質・材料
によるコース編成をおこなっていて、留学生と日本
大学院
(本研究科)
人学生がほぼ同数所属している。したがって、本プ
ログラムでは、博士複合創造領域コースと綿密に連
携する。博士複合創造領域コースは博士課程の学生
を対象としているが、本プログラムに所属する学生
は、初年度から博士複合創造領域コースに所属でき
るようにして、早い時期から博士複合創造領域コー
スで開講されている科目を履修できる。その結果、
留学生と日本人学生の双方に同様の効果を与えられ
るようなしくみにより、優秀な留学生の増加が日本
博士複合
創造領域
情報・システム
物化数機電建土経生
理学学械気築木営命
ー効果が期待している。インフォーマルな形で本コ
ースの学生の研究紹介や発表ができる研究会やサイ
エンスカフェなどの懇談の場を設けるなど、積極的
に導入している。企業でのミニ・インターンシップ
を体験して将来展開するための素地を養うことや、
学部
従来の学問領域を基とした学部教育
【本研究科における分野横断型の大学院教育】
人学生に対しても良い刺激を与え、お互いの理解や
協力によりグローバルな人材を育てる上でのシナジ
環境・
エネルギー
日本人学生
留学生
平成22年度
65%
平成23年度
64%
36%
平成24年度
61%
39%
35%
(4月入学のみ)
【博士複合創造領域における日本人学生と留学生の割合】
17
5-2 特色ある教育の取組み
(1) 複合創造領域プログラム
「卓越した理工系教育研究拠点を目指す『複合創造領域』の設置と博士後期課程改革」
【プログラムの概要】
大学院総合理工学研究科が「創造大学院構想」の
履修学生の学位取得後の多様な活躍の場を想定し、
もとで独立研究科として実施してきた教育研究体制
創造性に優れ、社会の要請に応え得る人材を育成す
を進化させることを目的として、
2010 年
(平成 22 年)
ることを目指し、独創性に優れ社会の多様な要請に
4 月から 5 年間の事業として「複合創造領域」を設
応え得る博士の育成を目標とした 3 つのサブコース
置し、博士後期課程教育の実質化と多様化により学
が設置されている。
生の更なる創造性を喚起し、社会の要請に応える人
材の育成を目指してきた。
本研究科が有する 11 の学際専攻群は、大別する
と物質材料系、環境エネルギー系、及びシステム情
報系の 3 グループに分けられるが、複合創造領域は、
これらを横断する専攻横断型の教育・研究領域であ
り、
「教育研究コアグループ」と「博士複合創造領
域コース」で構成されている。前者は各専攻グルー
プから選出した 6 つの有力研究に対してプロジェク
トの運営を支援してきた。
「博士複合創造領域コー
ス」は、大学院教育体制の進化・充実を目的とした
18
新たな博士後期課程教育を実践することで、コース
等を身につける。得られた成果を発表するためのテ
クニカルライティングや海外の研究者とのディスカ
ッションを円滑に行うための方法論を学ぶ。さらに、
数ヶ月間の国内あるいは海外研修を行い、グローバ
ルなネットワークの構築や自身の専門分野における
海外における研究の動向などを調査する。
【博士複合創造領域コース-ワイドキャリアサブコース】
本サブコースは、本学が他大学に比較して優位性
があると思われる「ものづくり」と、
「工学分野に
おける産業界との連携」の伝統を踏まえ、学位論文
の研究テーマをベースに周辺あるいは異分野の科学
技術との融合により新たな価値を創造し、研究シー
ズを事業化できる創造的起業家を育成することを目
的とする。専攻・研究科を超えた指導体制を基本と
し、専門分野の異なる博士後期課程学生が特定の技
術シーズの事業化計画を立てる演習で共同作業を行
い、さらに技術シーズをどこに、どのように活かす
かを様々な角度から議論することによって、博士後
期課程学生の視野の拡大、創造性の発展を目指す。
総合理工学研究科のミッション
分野軸
【博士複合創造領域コース-融合デザインサブコース】
環境
本サブコースは、自身の専門分野をベースとして
社会
複数分野にまたがる幅広い知識を活かし、様々な社
情報
会活動においてリーダーシップを発揮する文理融合
総合理工学研究科
生命
型・異分野融合型人材の育成を目的とする。異なる
工学
専門分野の融合のあり方はきわめて多様であるた
理学
現在
近未来
未来
(5~10年後)
(20年後)
時間軸
め、融合デザインにふさわしい履修計画を履修希望
者自らが設計し認定を受けるか、または本サブコー
スが融合デザインのモデルとして相応しいと認定し
【博士複合創造領域コース-重点プロジェクトサブ
コース】
本サブコースは、国などが支援する重点分野等の
プロジェクトに関わりながら博士の学位を取得する
た既存の特別教育研究コースあるいはこれに相当す
る教育プログラムを履修する。このことにより、新
たな融合デザインに必須の知識を修得し、具体的な
融合デザインの経験を待った人材育成を目指す。
ことにより、組織的・国際的プロジェクトを遂行す
るにあたり必要な知識と経験を身につけた即戦力型
【「複合創造領域プログラム」の展開】
の研究者を育てることを目的とし、重点分野等のプ
「複合創造領域プログラム」で目指した課題は以
ロジェクト等に所属し第一線の研究を行いながら、
下のごとくであり、これまでに培った教育研究の取
将来一流の研究者となるために必要な科学者・技術
組みは、2015 年度から「イノベーション人材養成
者倫理、プロジェクトの管理、知的財産権利の知識
機構」に引き継がれ、展開を図っている。
19
○ 本学唯一の独立研究科における博士後期課程教
資する。
育の実質化へ向けた改革であり、前期課程から他
○ 本事業で得られた各種の新規構想や経験から導
大学出身者が多数を占める状況であるために大学
かれた改良点を含む「博士後期課程教育の多様化
院教育改革を試みる上で斬新な試みが可能であ
に向けた改革」が全学的に波及し、全学的に発展・
る。これを起点に全学への波及を図る。
継続される。
○ 事業を実施するための「複合創造領域」の設立、
○ 本研究科の国際大学院コースとの連携及び学内
博士後期課程におけるグローバルコミュニケーシ
の他の国際教育プログラム、人材育成プログラム
ョン力養成のための外国人教員採用等、総合理工
とも連携し、国際化に対応できる学生の教育を目
学研究科における博士後期課程教育改革を実施に
指す本事業の精神を継続させることを目指す。
(2) 産学連携による実践型人材育成事業
-長期インターンシップ・プログラムの開発-
「社会共生型創発力を育む産学連携実践教育」
【プログラムの概要】
本プログラムは、文部科学省の「産学連携による
としての教育研究指針が必ずしも合致しない場合が
実践型人材育成事業~長期インターンシップ・プロ
ある。そこで、産学の連携協力による大学院レベル
グラムの開発~」に採択された 30 プログラム(平
での主に海外企業・機関における長期派遣型教育プ
成 17 年度:20、平成 18 年度:10)の一つとして平
ログラムの開発として、平成 18 年度より本プログ
成 18 年度より 5 年間計画で実施され、博士一貫コ
ラムを実施した。本プログラムでは、博士後期課程
ースを含む博士課程学生が本プログラムを履修し、
学生を主な対象として、研究能力に富む人材育成に
13 社の海外企業・機関及び関連国内企業・機関と
加え、社会と共生・融合し社会を先導するために果
効果的な連携・協力体制を構築することができた。
敢に挑戦する素養を備え国際的に通用する人材育成
履修学生は既に学位を取得し、国内外の企業への就
を目指した。そのためには、認知-定義-探求-実
職あるいは博士研究員として海外に滞在しその後独
証-評価(Identify-Define-Explore-Act on-Look
立行政法人に就職している。
back)のプロセスを咀嚼する、いわゆる起承転結型
本プログラムは、平成 22 年度で 5 年間の当初計
20
シナリオと本研究科の「次の一手」に繋がる取組み
能力の開発とそのサイクルが社会との共生に繋がる
画を終了したが、総合理工学研究科では平成 22 年
「自然」と 「 社会 」 の融合部分である“創発能力”
10 月に「国際推進室」を設置し、新しいタイプの
を開発する実践的な教育プログラムを構築した。本
国際化を指向した総合理工学研究科の改革を進め、
プログラムでの課題の克服を通して、一般の企業体
本プログラムで培った成果は総合理工学研究科の展
験・就業訓練型のインターンシップとは異なり、同
開に必須な教育プログラムとして継続性のある制度
じ目的意識の下で構築された実務的に社会と直接結
の下で実施されてきた。
びつく開発業務を分担する中で、学生自身が基礎的
総合理工学研究科では、創造性に富む高度な研究
な研究から導かれて社会還元シナリオへと繋がるま
能力を育むだけではなく、
「社会との共生」を意識
でに発生する多くの問題解決の場を体験することが
し近未来の科学技術を的確に予測し先導する人材の
できる。
育成を目指す取組みとして、平成 16 年度より、産
本プログラムの実施にあたっての連携は、本プロ
学連携人材育成の一環としてインターンシッププロ
グラムの取組の特徴である I-D-E-A-L 教育を基本と
グラムを各専攻のカリキュラムとして導入してき
する課題に沿って行ったが、主な取組みは以下のよ
た。しかし、一般的に採用されている企業体験・就
うな枠組みに分類することができる。
業訓練型インターンシップでは、主に企業側の設定
A)海外企業あるいはその企業を含む企業群の海外
シナリオに沿って実施されているものであり、その
研究施設への派遣を、担当する海外企業との契約で
成立させる連携(例:Intel, Agilent Technologies,
体制で取組む課題に協力あるいは共同で推進する
PDF Solutions など)
海外研究機関の研究施設への派遣を、国内研究機
B)国内企業が連携している海外企業あるいは海外
関あるいは密接に関連する国内企業との契約で成
研究機関の研究施設への派遣を、国内企業との契
立 さ せ る 連 携( 例: 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構―
約で成立させる連携(例:SONY/ERICSSON -
Hawaii State­― Univ. of Hawaii)
MC2 Center at Chalmers Univ. など)
E)国内外企業が連携講座あるいは非営利活動団体
C)国内企業が有する海外研究機関の研究施設での
とともに推進する海外研究機関の研究施設への派
イノベーション指向的な取組みをテーマとした派
遣を、国内外企業あるいは非営利活動団体との契
遣を、国内企業との契約で成立させる連携(例:
約で成立させる連携(例:サンリツオートメーシ
豊田中央研究所)
ョン- JAMSS, America, 産総研- Corning, Inc.,
D)国内研究機関あるいは国内企業が国際協働型の
総合理工学研究科所属
連携教員とともに構築する
産学連携・国際協働体制
ギリシャ国立研究所“Demokritos”など)
専門力に加え、「調和あるリーダー性」の発現を目指して!
(A) 海外企業との契約での国際協働
(PDF Solutions など)
(B) 海外機関との契約での国際協働
(MC2 Center at Chalmers Univ. など)
(C) 国内機関・海外企業との契約での国際協働
(産総研-Corning など)
(D) 国内外企業・機関との連携・共同での国際協働
(JAXA, Hawaii State など)
(E) 国内外NPO等との契約での国際協働
(ギリシャ“Demokritos”など)
21
5-3 「見える化」推進への取組み
本研究科では、2011 年度(平成 23 年度)に、研
究科の方向性を検討する資料として、
「総合理工学
頼し、個人や専攻あるいは関連する専攻群で行って
いる取組みについて調査した。
研究科見える化推進」へ向けての協力を各専攻に依
(1) 先進的教育研究におけるポテンシャル
【国の大規模な研究プロジェクトへの参画などについての状況】
◦NEDO「革新的太陽光発電技術研究開発」
◦JAXA「宇宙電力セイル研究開発」
◦NEDO「低炭素社会を実現する新材料パワー半導
◦JAXA「宇宙ステーション曝露部実験」
体」
◦KEK「デジタル加速プロジェクト」
◦JST-ERATO「彌田超集積材料プロジェクト」
◦JST-A-STEP「本格研究開発(起業挑戦)
」
◦NEDO/METI「革新的省エネセラミック製造技
◦JST-CREST「情報システムの超低消費電力化を
術開発」
◦NEDO「固体高分子形燃料電池実用化推進技術開
発」
◦MOE環境総合推進費「先端的単一微粒子内部構
目指した技術革新と統合化技術の創出」
◦JST-CREST「ポストペタスケール高性能計算に
資するシステムソフトウェア技術の創出」
◦JST-CREST「オイル産生藻類の高度利用技術」
造解析装置による越境汚染微粒子の起源・履歴解
◦JST-さきがけ「光エネルギーと物質変換」
明の高精度化」
◦NEDO「バイオマスリファイナリー」
◦特定領域研究「高次系分子科学」
◦NEDO「エネルギーイノベーション」
◦挑戦的萌芽研究「ルビジウムによる特異な酸素還
◦MOE「地球環境研究総合推進費:温暖化関連ガ
元触媒メカニズムの解明」
◦NEDO「革新型蓄電池先端科学基礎研究」
◦NEDO「次世代自動車用高性能蓄電システム技術
開発」
ス循環解析のアイソトポマーによる高精度化の研
究」
◦NEDO「ITイノベーション-立体構造新機能集積
回路(ドリームチップ)技術開発」
◦JST「先端的低炭素化技術開発」
◦MEXT「脳科学研究戦略推進」
◦JST「産学共創基礎基盤研究」
◦JST-CREST「共生社会に向けた人間調和型情報
◦JST「統合化地下構造データベースの構築」
技術の構築」
◦MEXT「首都直下地震防災・減災特別」
(2) 国際化教育の取組み
【海外での出前授業、協定等に基づく学生派遣・受け入れ、海外への授業配信などにつ
いての状況】
◦協定等に基づく学生の受入れ
◦JICA研修生の受入れ
京市)と部局間学術協定、両校で集中講義の実施
◦英語による講義の実施
◦学生・スタッフの短期派遣
◦オーストラリア New South Wales 大学院博士
◦ドイツボン大学から大学院生受入れ(日本学術振
学位審査の実施
◦英国Royal Institution of Great Britainへの博士課
程学生の派遣
22
◦東南大学(中国南京市)
、北京化工大学(中国北
興会)及び大学院生派遣
◦協定校、台湾清華大学からの大学院生受入れ
◦アジア諸国からの大学院生や若手研究者を集めて
のサマーキャンプを主催
◦JASSO「SS/SVプログラムによる派遣及び受入
れ」
◦中国南開大学環境科学研究院において「環境と開
発計画」講義を実施
◦フィリピン大学ディリマン校客員教授の受入れ
◦中国人学生のための日本語作文技術に関する本を
中国語で作成
◦留学生の積極的な受入れ
◦JSPS「若手研究者招聘事業-東アジア首脳会議参
◦海外との双方向遠隔講義を実施
◦日本-台湾学生Jointセミナーを実施
◦アジアを中心とした加速器科学と技術に関する
夏・冬スクールの企画
加国からの招聘-・アジア地域の環境リーダー育
◦ベトナムやタイへの海外出張講義の実施
成をめざす若手エンジニア交流」を遂行
◦JSPS「研究者招聘プログラム」を遂行
(3) 国際研究の取組み
【大規模プロジェクト・MOE 等に基づく国際共同研究、JICA と連携した研究成果の普
及活動などについての状況】
◦NEDO「産業技術研究助成インターナショナル
(米国、オーストラリア)
」
◦JICA「ASEAN諸国の大学の工学系学部教員への
セミナー」
◦日中国際シンポジウムを主催
◦JSPS「先端研究拠点事業-イオン化誘起スイッ
チング(日独英3カ国に渡る共同研究)
◦JSPS日独2国間セミナー「微細藻類による物質生
産:その代謝基盤にもとづく応用への期待」
◦<環境理工学創造専攻>
◦MOE「トルコ・ボガジチ大学とのイスタンブー
ル文化財地震防災共同研究」
◦アジア交通学会国際共同研究スキーム推進
◦ロンドン大学等との国際共同研究「都市交通メガ
プロジェクトに関する研究」
◦ 国 際 共 同 研 究:BAM, Federal Institute for
Materials Research and Testing(独)/ The
George Washington大学, UCLA(米)
◦誘導加速器進捗に関する国際ワークショップの企
画開催
◦大連理工大学環境学院と遼河河口湿地の現地研究
◦中国科学院、中国気象科学研究院との共同研究
◦JST「戦略的国際科学技術協力推進事業:日本-中
◦エルランゲン・ニュルンベルグ大学情報科学科と
国研究交流」
の共同研究
◦日中韓合同シンポジウムの開催
◦JSPS「2国間共同研究(日本-ドイツ)
」
◦JICA-JST「地球規模課題対応国際科学技術協力
◦JST-JICA「地球規模課題対応国際科学技術協力
事業:ペルーにおける地震・津波防災技術の向上
に関する研究」
事業」
◦KAISTとの共同研究
(4) 産業界との取組み
【企業との共同研究・実用化、企業からの研究員・博士課程学生受け入れなどについて
の状況】
◦「新規熱電半導体の創製」共同研究
◦社会人博士課程学生の受入れ
◦「太陽電池用部材の低コスト化」共同研究
◦共同研究「フェライト系ステンレス鋼における金
◦社会人博士課程学生の受入れ
◦学外組織「バイオテンプレート研究会」の運営
◦企業からの研究員の受入れ
属間化合物の析出挙動」
◦環境関連企業グループとのコンソーシアム形成
「貯水池管理のための数値モデル開発」共同研究
23
を実施
◦地震における津波の数値モデルによる再現を環境
コンサルタントと共同研究
◦塩水浸入による汽水湖の水質悪化について環境コ
ンサルタントと共同研究
◦共同研究「可搬型地震動シミュレータの実用化」
◦共同研究「地震時映像データベースの開発」
電元、日本ガイシと共同研究
◦液晶テレビのリサイクルに関する特許(出願人:
東工大)を企業に有償で譲渡し、実用化
◦インフライト溶融プロセスによるガラス製造法に
関する特許を取得し、企業で実用化
◦STARC(半導体理工学研究センター)との共同
研究
◦JAXAオープンラボへの参加企業との共同研究
◦NTTとの包括連携共同研究プロジェクト
◦研究成果の実用化「超高感度ガスクロマトグラフ
◦「テラヘルツデバイス開発」の共同研究
GAS1000HPIDを発売」
◦東工大発ベンチャーの起業「誘導加速サイクロト
◦JST研究成果展開事業「脳活動画像表示システム
の実用化開発」を実施
ロンの共同開発」を住友重機械と、
「次世代スイ
◦「ECF応用機器の実用化に向けて共同研究」
ッチング素子、電源の開発」をサンエー、秋田新
◦「高出力圧電マイクロポンプに関する共同研究」
(5) 社会貢献の取組み
【審議会の参画、NPO との連携、社会人教育への協力などについての状況】
◦KAST 元素戦略プロジェクト推進委員
◦CAO中央防災会議専門調査会委員
◦METI地域技術開発事業事前評価委員
◦MEXT地震調査委員会部会委員
◦METI「環境保全と産業競争力の強化に資する環
◦METI総合資源エネルギー調査会委員
境測定JIS体系の構築戦略」委員
◦日本鉄鋼協会委員長
◦東京消防省火災予防審議会委員
◦日本鉄鋼協会「輸送機械電器産業材料分野WG」
◦横浜市鶴見区防災会議委員
主査
◦MOE中央環境審議会委員、
◦文部科学省大学設置・学校法人審査会委員
◦MLIT関東交通審議会委員
◦MOF独立行政法人評価委員会委員
◦目黒区都市計画審議会委員
◦JSPS特別研究員審査会専門委員
◦千葉県都市計画審議会委員
◦JSPS国際事業委員会書面審査員
◦MLIT「地震による天井脱落対策に関する検討委
◦JSPS科学研究費委員会専門委員
◦MEXT研究振興局「元素戦略検討会」外部専門家
協力者
24
◦東京都防災会議専門委員会委員
員会」委員
◦川崎市事業評価検討委員会委員
◦JAROS研究開発委員会委員
◦東京工業高等専門学校参与会参与
◦JSPS審査委員・専門委員
◦日本学術会議連携会員"
◦弁理士試験委員
◦国交省委員会及び検討会委員長、委員
◦MEXT研究振興局学術調査官 ◦自治体の委員会委員
◦藻類産業創成コンソーシアム監事
6 専攻紹介
物質科学創造専攻
1.専攻の概要 1)教育・研究の目標
面にわたっており、理学から工学に及ぶ修士、博士
号を取得した多くの人材を輩出している。研究分野
は、物理・応用物理、材料科学、化学・バイオプロ
物質・材料系における新プロセスおよび新素材の
セス、エネルギー科学にまたがる融合領域をカバー
開発と応用は、新産業創出、持続的経済発展の維持、
する。研究テーマは、ナノ材料科学、材料マイクロ
安全・安心社会の創出において必要不可欠な条件で
力学、強相関電子系酸化物、極限物質ダイナミック
あり、これに対応できる人材の育成は緊急の課題で
スなどの基礎的な研究から、磁気・光記録材料、誘
ある。物質科学創造専攻の目標は、資源化学研究所、
電体メモリー材料、機能性金属コンポジット材料、
精密工学研究所および応用セラミックス研究所の強
生分解性プラスチック、光機能性有機材料、触媒、
力な支援のもと、博士後期課程を主軸とした先駆的
太陽電池、蓄光・発光材料など、デバイス、環境・
教育・研究プログラムを推進するという強い理念を
エネルギー材料に関わる応用的色彩の強いテーマま
持って、新学問分野の創造と波及効果に富む新技術
で幅広く取り組んでいる。
の構築、さらに新産業の創出を指向する、高度な研
究能力と企画力を有する大学院生を育てることにあ
3)専攻の沿革と歴史
る。この目標を達成するには、教員と大学院生との
物質科学創造専攻は、創造大学院として位置付け
共同作業によって、専攻の各教員の研究分野の多様
られている総合理工学研究科の最初の創造専攻とし
性を確保し、自由な発想のもとに教育・研究を推進
て、旧材料科学専攻(現、材料物理科学専攻)と旧
できる環境を保証し、大学院生に魅力的な教育・研
電子化学専攻(現、物質電子化学専攻)の改組によ
究レベルを維持し続けることが必要である。本専攻
って平成 9 年(1997 年)4 月に新設された。新専攻
はこのような要件を満たすため、基幹講座および協
の設置に際して、特に両者の専攻から金属系、応用
力講座に加えて、独立行政法人、有力企業に所属す
化学系、および無機材料系の研究室の異動が実現し、
る充実した外部連携教員の参加をいただいて学生が
物質電子化学専攻と材料物理科学専攻からの化学お
自主的に幅広い分野選択を行い、先端的かつ実践的
よび物理学を背景としたディシプリン研究に加え
な能力を身に付けられるよう教育・研究の多様性と
て、実社会に近い研究テーマを率先して行う機動性
先進性を醸成するよう工夫している。
の高い専攻が誕生することとなった。これによって
物質科学創造専攻は、材料物理科学専攻および物質
2)教育・研究分野
電子化学専攻とあわせて、大学院総合理工学研究科
物質科学創造専攻は、大講座制のもとに基幹講座
における「材料物質系 3 専攻」として、その一翼を
(環境適応型物質講座)および協力講座(超機能物
担う役割を果たすこととなった。本専攻は、外部連
質講座、物質ダイナミックス講座および元素機能設
携研究機関の強力な支援のもとに、実社会と風通し
計講座)より構成される。本専攻を志す大学院学生
のよい協力体制を維持しつつ、博士後期課程を主体
の出身分野は、化学 ・ 応用化学、物理 ・ 応用物理、
とした多様なプロジェクト型教育研究を実施してい
地球物理、材料 ・ エネルギー、電気 ・ 機械等、多方
る。
25
物質科学創造専攻
教員の推移
現
職 ・
離職時身分
教 員
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
基 幹 講 座
山 崎 陽 太 郎
教
授
小 田 原 修
教
授
石 川 正 道
教
授
吉 本 護
教
授
舟 窪 浩
教
授
准教授
北 本 仁 孝
教
授
准教授
藤 居 俊 之
准 教 授
准教授
柘 植 丈 治
准 教 授
講 師
和 田 裕 之
准 教 授
准教授
三 宮 工
講
師
松 田 晃 史
講
師
連
教 授
教 授
准教授
携
依 田 真 一
連携教授
金 子 正 彦
連携教授
毛 利 衛
連携教授
近 藤 道 雄
連携教授
阿 部 英 喜
連携教授
山 口 孝 夫
連携教授
坂 田 修 身
連携教授
梶 野 勉
連携教授
田 中 拓 男
連携教授
准教授
教 授
准教授
教 授
協 力 講 座
山 内 尚 雄
教
授
若 島 健 司
教
授
近 藤 建 一
教
授
彌 田 智 一
教
授
原 亨 和
教
授
神 谷 利 夫
教
授
東 正 樹
教
授
中 村 一 隆
准 教 授
細 田 秀 樹
教
中 川 勝
准 教 授
松 本 祐 司
准 教 授
笹 川 崇 男
准 教 授
長 井 圭 治
准 教 授
稲 邑 朋 也
准 教 授
鎌 田 慶 吾
准教授
授
準 協 力 講 座
26
北 野 政 明
准教授
多 田 朋 史
准教授
教 授
講 師
准教授
2015
物質科学創造専攻
基幹講座(環境適応型物質講座)
(2015 年現在)
分 野 名
環境物質創成
代替機能物質
自然環境特性
物質フロンティア
物質循環評価
極限物質科学 ( 連携)
拡環境物質科学 ( 連携)
教 員 名
研 究 分 野
教 授 吉本 護 薄膜ナノ機能材料
准教授 柘植 丈治
生分解性プラスチック
教 授 舟窪 浩 無機機能性薄膜材料
講 師 松田 晃史 次世代電子・エネルギー材料開発
准教授 和田 裕之 光学システム、蛍光ナノ粒子
教 授 小田原 修
宇宙科学技術
講 師 三宮 工
プラズモニック・機能性金属ナノ材料
教 授 北本 仁孝 次世代磁性材料
連携教授 近藤 道雄
(産業技術総合研究所)
次世代太陽電池新材料
連携教授 坂田 修身 (物質材料研究機構)
高輝度シンクロトロン X 線解析
連携教授 山口 孝夫
(宇宙航空研究開発機構)
宇宙活動材料設計研究
連携教授 阿部 英喜
(理化学研究所)
リサイクラブル高分子素材
連携教授 田中 拓男
(理化学研究所)
ナノファトニクス・メタマテリアル
連携教授 梶野 勉 (豊田中央研究所)
多孔体利用有機無機複合材料創製
協力講座(超機能物質講座および物質ダイナミックス講座)
(2015 年現在)
分野名
教員名
超機能薄膜
超機能物質講座
物質機能相関
高機能材料設計
極限プロセス
物質ダイナミクス講座
表面機能
研究分野
教 授 原 亨和
(応用セラミックス研究所)
エネルギー変換触媒・光触媒
准教授 鎌田 慶吾
(応用セラミックス研究所)
化学合成プロセス触媒
教 授 神谷 利夫
(応用セラミックス研究所)
半導体新材料、デバイス
准教授 笹川 崇男
(応用セラミックス研究所)
セラミックス超機能・高温超伝導
教 授 細田 秀樹
(精密工学研究所)
形状記憶材料・医療材料
准教授 稲邑 朋也
(精密工学研究所)
形状記憶材料・エネルギー材料
教 授 東 正樹
(応用セラミックス研究所)
機能性酸化物の設計・合成
准教授 中村 一隆
(応用セラミックス研究所)
相転移ダイナミックス
教 授 彌田 智一
(資源化学研究所)
高分子ナノ材料
准教授 長井 圭治
(資源化学研究所)
エネルギー変換材料
準協力講座(元素機能設計講座)
分野名
元素機能設計講座
教員名
元素機能設計
(2015 年現在)
研究分野
准教授 北野 政明
(元素戦略研究センター)
元素機能設計・触媒
准教授 多田 朋史
(元素戦略研究センター)
機能性材料の理論設計
27
物質科学創造専攻
2.教育の特色 1)カリキュラム
本専攻の理念のもとに、物質科学に関する基礎から
応用、企画立案能力を高める技術経営分野までの講
弁理士兼教授の立場から、研究開発者に必要となる
特許権・著作権等の知財に関して分かり易く講義する。
⑩環境高分子材料(柘植丈治)
高分子材料に関して、環境と調和する材料の設計
法とその評価法について解説する。
義を網羅した現在の授業科目の一部を以下に示す。こ
の他、本学教員だけではカバーしきれない最先端の
研究分野については、外部連携教員の授業科目が用
意されている。英語での授業科目も学内教員のリレー
式講義にて用意されている。企業でのインタンーシッ
プ科目も平成 17 年度より開始された。
①物質科学特論 I(笹川崇男、神谷利夫、東 正樹)
物質の機能発現メカニズムに関する電子物性論お
よび物質科学の基礎を、平易に講述する。
②物質科学特論 II(北本仁孝、舟窪 浩)
先端的電子デバイス材料である強磁性体、強誘電
体物性について、機能の発現と応用がを学ぶ。
③固体光化学(原 亨和)
半導体などの固体の光励起と励起子、電子・正孔
の固体表面での分子の吸着、吸着種の分光・エネル
ギー移動、電子移動の基礎を述べる。
④機能デバイス特論(北本仁孝、舟窪 浩)
誘電体、磁性体を用いたエレクトロニクス、フォト
ニクス・デバイスについて、材料・作製プロセス・応
用の各側面から講述する。
⑤金属材料設計特論(細田秀樹、稲邑朋也)
構造用・機能用金属材料について、原子間相互作
用や状態図を用い、金属材料設計の考え方の基礎に
ついて学ぶことを目的とする。
2)テーマ一覧
博士後期課程学生の 1 例を以下に示す。
◦A
uCuAlFe 超弾性合金の組織と機械的性質に関す
る研究
◦強い相対論効果を持つ層状化合物における新奇超
伝導状態の探索
◦可視光応答型 WO3 ナノ粒子の創成とその光触媒特性
◦熱間圧延鋼板における圧延および変態集合組織の
定量予測
◦熱特性に優れた新規芳香族ポリエステルの合成
◦コンタミネーション物質特性への宇宙環境因子によ
る影響
◦銅および銅合金箔の繰り返し変形挙動に及ぼす厚さ
と結晶方位の影響
◦連鎖構造制御による脂肪族共重合ポリエステルの材
料設計に関する研究
◦原子ステップサファイア基板に由来する NiO 系格子構
造のナノスケールでの制御および評価に関する研究
◦ブロック共重合体ミクロ相分離膜による多段転写プ
ロセスに関する研究
◦有機薄膜積層型太陽電池のインピーダンス分光によ
るキャリア挙動解析に関する研究
◦高密度磁気記録媒体の結晶配向制御に関する研究
⑥光機能科学(和田裕之、中村 一隆、長井圭治)
光と物質との関わりについて、概観する。光学材料、
レーザープロセス、高速分光など、最近のトピックス
を含めてわかりやすく説明する。
⑦集積分子工学特論(彌田智一、長井圭治)
3)学生の構成
最近の大学院入学者数の推移を以下に示す。
入学者数の推移
年 度
各種物質の機能と物性の統合・集積化を「分子回路
工学」や「ナノ複合材料工学」などを題材に概観する。
⑧スピンオフ特論(小田原 修)
修士課程
スピンオフに関して紹介しつつ、今後の研究開発の
展開での選球眼の育成を図る。
⑨研究者向け特許論文等知財の基礎(吉本 護)
28
博士課程
2010 2011 2012 2013 2014
入学者数
47
47
46
50
48
学内内数
4
5
4
6
6
学外内数
43
42
42
44
42
留学生内数
3
0
3
4
3
入学者数
17
18
18
16
14
留学生内数
1
2
5
1
4
物質科学創造専攻
学生(修士課程)の出身校の分布(括弧内の数字
は、2010 ~ 2014 年間の全数 238 名に対する内数)
:
3.研究活動と成果 東京理科大学(64)
、
東京工業大学(19)
、
北里大学(15)
、
1)重点研究分野
芝浦工業大学(10)
、東京学芸大学(7)
、群馬工業高
①物 理・応用物理:材料力学、材料微細組織評価、
専(6)
、中央大学(6)
、東京農工大学(6)
、横浜国
立大学(6)
、信州大学(4)
、東京工業高専(4)
、横
強相関電子系酸化物、極限物質ダイナミクス
②材料科学:磁気記録材料・光記録材料、誘電体メ
浜市立大学(4)
、神戸市立高専(3)
、埼玉大学(3)
、
モリー材料、機能性金属コンポジット材料、宇宙
上智大学(3)
、日本大学(3)
、広島大学(3)
、法政大
環境利用・有人宇宙技術
学(3)
、都城工業高専(3)
、山形大学(3)
、宇都宮
③化 学・バイオプロセス:生分解性プラスチック、
大学(2)
、愛媛大学(2)
、金沢大学(2)
、京都工芸
光機能性有機材料、ナノテンプレーティング、自
繊維大学(2)
、群馬大学(2)
、慶応大学(2)
、首都
己集積・自己組織化プロセス
大学東京(2)
、
電気通信大学(2)
、
同志社大学(2)
、
他。
④エネルギー科学:燃料電池、太陽電池、蓄光材料・
発光材料、生命模倣エネルギー変換
4)修了生の活躍状況
卒業生の進路について代表的な機関を以下に示す。
2)外部資金の取得
旭化成工業、旭硝子、王子製紙、オムロン、花王、
舟窪 浩:・「“サイズ効果フリー特性“を有する c 軸配
京セラ、クラレ、神戸製鋼、小松製作所、資生堂、昭和
向ビスマス層状誘電体を用いた高温対応高容量薄膜
電工、信越化学、新日鐵、JX 日鉱日石エネルギー、GS
コンデンサの開発 」、2009-11 年、新エネルギー・産
ユアサ、JFE スチール、住友金属、住友スリーエム、積
業総合研究機構(NEDO)
水化学、大日本印刷、デュポン、テルモ、TOTO、東洋
彌田 智一:・
「超異方性ナノシリンダー構造形成・転写
紡績、東レ、凸版印刷、日立金属、BASF ジャパン、フ
過程の X 線散乱 - 分光同時評価とダイナミクス」2006
ジクラ、富士フィルム、ブリヂストン、古河電工、HOYA、
年、
科研費基盤研究 S、
・
「彌田超集積材料」2010 年、
三井化学、三菱化学、三菱マテリアル、日本触媒、昭和
独立行政法人科学技術振興機構 戦略的創造研究
シェル石油、住友ゴム、NTT 東日本、シャープ、セイコ
推進事業 ERATOタイプ
ーエプソン、ソニー、デンソー、東京エレクトロン、TDK、
東 正樹:・「 ビスマスの特性を活かした環境調和機能
東芝、日本 IBM、日本電気、日本ユニシス、日立、パナ
性酸化物の開発 」、2011 年、最先端次世代研究開
ソニック、富士ゼロックス、三菱電機、村田製作所、ローム、
発支援プログラム
ボッシュ、IHI、川崎重工業、キヤノン、コニカミノルタ、
神谷 利夫:・
「高速省電力フレキシブル情報端末を実
JR 東日本、シチズン時計、スズキ、住友重工、東急、ト
現する酸化物半導体の低温成長と構造制御法の確
ヨタ、ニコン、日揮、日産、富士重工業、本田技研工業、
立」
、2011 年、最先端次世代研究開発支援プログラ
リコー、アクセンチュア、アーサー・アンダーセン・コンサル
ム
ティング、NHK、大和総研、電通、東京三菱銀行、日
吉本 護:NEDO 革新的太陽光発電技術研究開発
本総研、野村アセッ
トマネージメント、野村證券、博報堂、
「高度光利用技術の開発-高性能ガラス基板作製技
みずほフィナンシャルグループ、三菱商事、三菱総研、東
術を使った高 機 能 透 明 導 電 膜の開 発 」2008 年-
京都職員、宇宙航空研究開発機構、産業技術総合研
2015 年
究所、情報通信研究機構、物質・材料研究機構、理
化学研究所、理化学研究所、原子力機構、他。
海外研究機関:オスロ大学、NTT 東日本、オレゴン州
立大学、カイロ大学、ドイツポツダム大学、オクスフォード
大学、ベル研究所、他。
原 亨和:・
「エコ固体酸プロジェクト」
、2007 年、神奈
川技術アカデミー、研究プロジェクト、材料科学・ナノテ
クノロジー・
「多機能不均一系触媒の開発」
、2012 年、
独立行政法人科学技術振興機構 ALCA
北野 政明:・
「チタン酸ナノチューブ固体酸触媒の合成
29
物質科学創造専攻
および炭素ー炭素結合形成反応への応用」2011 年 、
科研費若手研究 A
柘植 丈治:・
「熱分解アルケン酸からのバイオポリエステ
ル酵素再合成・回収プロセスの開発」
、2007 年、科
研費若手研究 A
中村 一隆:・「 超短パルス X 線を用いた超高密度状
態と相転移ダイナミクス 」、2007 年、文部科学省 X 線
自由電子レーザー利用推進研究
編集委員、応用物理編集委員
◦彌田 智一:社団法人高分子学会第 26 期関東支部
理事、会誌編集委員長
◦東 正樹:日本学術振興会研究開発専門委員会幹
事、粉体粉末冶金協会電子部品材料委員会委員、
日本結晶学会誌編集委員
◦稲邑 朋也:日本金属学会第四分科会委員、日本金
属学会会報編集委員、日本金属学会人材育 WG 委
員
3)褒章などの業績
◦坂田 修身:日本結晶学会評議員、SPring-8 ユーザ
◦小田原 修:文部科学大臣表彰科学技術賞(理解
ー協同体評議員、SACL 利用研究課題審査委員会委
増進部門)
、文部科学省 2006 年、JUSTSAP(日米
員、SPring-8 課題審査委員会分科会委員、日本結晶
科学技術宇宙応用プログラム)Burotn L. Edelson
学会男女共同参画推進委員、日本結晶学会行事委員
Memorial AWARD 2008 年
◦坂田 修身:日本結晶学会学術賞 2012 年
◦三宮 工:日本顕微鏡学会関東支部会委員
◦神谷 利夫:日本応用物理学会 代議員、日本応用物
◦稲邑 朋也:日本金属学会奨励賞(組織部門)2007
理学会 薄膜・表面物理分科会 幹事、日本学術振興
年、文部科学大臣表彰若手科学者賞 2013 年、日本
会 第 166 委員会 委員長、Sci. Technol. Mater. Sci.
金属学会村上奨励賞 2013 年、東工大の星 2015 年
誌編集委員
◦舟 窪 浩:日本セラミックス協 会 学 術 賞 2008 年、
◦吉本 護:電気学会レーザー技術調査専門委員会委
The American Ceramic Society, Richard M.
員、応用物理学会極限ナノ造形・構造物性研究会運
Fulrath Award. 2008 年
営委員
◦彌田 智一:文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部
◦原 亨和:日本化学会・会務部門会務委員、日本化
門)2007 年、高分子学会賞(科学)2009 年、電気化
学会・会務部門会員委員、Bulletin of the Chemical
学会論文賞 2010 年、ナノテク2013 微細加工部門賞
Society of Japan 編集委員
◦神谷 利夫:2015 SID Special Recognition Award、
◦北野 政明:触媒学会・東日本地区幹事、代議員、
第 68 回(平成 25 年度)日本セラミックス協会賞受賞、
会誌編集委員、企画教育委員会・教育担当委員、
The Most Cited Paper Award, Journal of Non-
若手会委員長、改革検証委員会委員、討論会委員
Crystalline Solids(2007-2011)
(2012)
、Best Paper
会委員
Prize, Science and Technology of Advanced
Materials(2012)
、表面科学会 平成 22 年度会誌賞
◦原 亨和:文部科学大臣表彰科学技術賞 2012 年
(開
発部門)
、日本化学会学術賞 2014
◦柘植 丈治:日本生物工学会・生物工学奨励賞(照
井賞)2008 年、高分子学会旭化成賞 2015 年
◦柘植 丈治:日本生物工学会英文誌編集委員、日本
生物工学会バイオミディア委員
◦中村 一隆:日本放射線化学会理事、日本表面化学
会企画委員、日本レーザー学会専門委員会委員、強
光子場科学研究懇談会幹事
◦北本 仁孝:電気化学会 編集幹事長
◦吉本 護:日本セラミックス協会優秀総説論文賞 2014
年
5)公的機関委員および社会貢献
◦小田原 修:燃焼合成研究会会長、JUSTSAP/
4)学会活動
◦小田原 修:日本マイクログラビティ応用学会会長
◦北本 仁孝:Japan Journal of Applied Physics 誌
30
PISA(環太平洋国際宇宙連合会)会長
◦東 正樹:東京大学物性研究所共同利用施設専門
委員、KEK 中性子共同利用実験審査委員会委員
物質科学創造専攻
◦彌田 智一:日本学術会議連携委員
委員会専門委員
◦笹川 崇男:科学技術振興機構アドバイザー
◦柘植 丈治:内閣府・上席科学技術政策フェロー
◦吉本 護:日本学術振興会特別研究員等審査会専門
◦中村 一隆:大阪大学レーザーエネルギー学研究セン
委員・国際事業委員会評価委員
◦原 亨和:独立行政法人日本学術振興会科学研究費
ター共同利用共同研究審査委員
◦北本 仁孝:NEDO 技術委員
代表的な研究成果
研究分野
研 究 成 果 の 概 要
原著論文
特許出願
著書総説
褒賞等
エネルギー変換薄膜
材料
◦薄膜太陽電池における新材料、プロセスの創製。金属誘起
結晶化法による薄膜結晶シリコン太陽電池の開発。スマー
トスタック法による極薄ウエーハ接合技術の開発
◦エネルギー変換薄膜材料や環境触媒の構造評価、ナノ粒子
の電子構造、近-中距離構造解析
◦動作を模した強誘電体薄膜の格子歪、電気分極の同時測定
法の開発
52 件
-
-
3件
ナノ・マイクロ構造
材料化学
◦両親媒性液晶ブロックコポリマーの開発、ミクロ相分離に
よる垂直配向ナノシリンダー構造薄膜の量産、各種材料へ
のナノテンプレートプロセスの実証
◦生物微細構造を鋳型とする機能性マイクロコイルの作製と
電磁波応答機能の探索(バイオテンプレート技術)
83 件
28 件
27 件
4件
光エネルギー変換材
料
◦遷移金属元素を全く含まないだけでなく酸化還元をマクロ
スコピックに分離した高分子膜型光触媒と積層化光触媒フ
ローリアクターの設計と実証
◦ウエットプロセスによるナノ粒子型 p-n 接合体の合成法の
開発
◦有機高分子メソポーラス体の合成と触媒担持
50 件
4件
8件
1件
物質機能相関分野
◦計算機シミュレーションにより上記新材料の構造・欠陥を
明らかにした
◦アモルファス酸化物半導体、新無機半導体材料とデバイス
を開発した
116 件
1件
12 件
12 件
機能性金属材料
◦無拡散相変態によって生じるドメイン組織における、幾何
学的な適合条件の破れに起因した欠陥構造の発見
◦ドメイン構造の制御原理と、それを用いた形状記憶合金の
長寿命化原理
◦ Ti 基、Au 基の生体用合金の開発
◦集合組織制御による医療用チタン合金の高性能化
46 件
4件
6件
7件
触媒材料
◦カーボン固体酸触媒の開発と触媒反応への応用
◦水中機能ルイス酸固体触媒の開発と触媒特性の評価
◦ Ru を担持した電子化物材料を用いたアンモニア合成触媒
の開発
34 件
7件
5件
3件
強相関電子系酸化物
◦電荷移動メカニズムによる巨大負熱膨張材料
◦非鉛圧電体の分極回転観察
42 件
14 件
3件
3件
機能性光学ナノ材料
◦機能性光学ナノ粒子の作製とバイオメディカル分野やエネ
ルギー分野等での応用
31 件
4件
3件
1件
ナノ微細構造材料
◦原子レベル表面構造制御型ナノインプリントプロセスの開
発
◦光機能ポリマー基板上への単原子層ステップ配列の創製
◦ワイドバンドギャップ半導性単結晶薄膜の室温合成プロセ
スの開発
105 件
45 件
10 件
3件
機能性薄膜研究
◦非鉛で最高の特性を有する Bi(Zn1/2Ti1/2)O3 基物質の探索
◦“サイズ効果フリー”高誘電率を有する高温対応誘電体の
発見
◦電界下の分極反転ダイナミックスの直接測定
528 件
165 件
69 件
6件
生分解性ポリマー
◦新規構造を有するバイオポリエステルの開発と物性評価
44 件
4件
11 件
5件
ナノバイオ磁気構造
体
◦ドラッグデリバリー用磁気カプセルの創製
◦磁性ナノ粒子を利用した温熱療法、磁気センシング、ナノ
粒子集積型構造体
28 件
4件
1件
5件
燃焼合成
◦遠心力と燃焼反応を融合させた金属-セラミック複合構造
管の製造
◦液体窒素の応用を特徴とする窒化物燃焼合成
◦溶液燃焼合成による高機能性微粒子合成
◦その場資源有効利用に資する燃焼合成
122 件
39 件
26 件
3件
量子光物性
◦凝縮系物質における量子コヒーレンスの計測と制御に成功
◦衝撃誘起構造相転移過程の動的構造解析に成功
44 件
1件
4件
3件
超電子機能
◦非従来型超伝導の研究
◦トポロジカルな電子状態をもつ新物質、新物性、新現象の開拓
89 件
1件
-
2件
31
物質科学創造専攻
4.次への飛躍
初期の卒業生は、現在社会で中核となって活躍し
物質科学創造専攻が、物質電子化学専攻及び材料
感じられるようになってきた。
物理科学専攻との強い連繋に支えられ、従来の物質
総合理工学研究科は発展的に解消し、来年の 4 月
研究の枠を超えた学門領域である“超学際領域の創
からはまったく新しい教育システムを採用した学院
造”を目指して 1997 年 4 月に誕生してから 18 年に
に生まれ変わる。これは本学の教育システムの“次”
なる。
に向かっての改革である。
この間に社会情勢は大きく変化した。大学におい
18 年前にゼロから専攻を立ち上げた精神が来年
ても法人化が行われ、これまでに無い大きな変革が
以降の新規システム立ち上げにも生かし、将来を憂
起きてきた。そんな中、本専攻は多くの教員に参画
い、将来を夢見て、社会を先導するために果敢に挑
を得て研究・教育を行い、多くの学生が本学の内外
戦する素養を備えた、優れた人材の養成に鋭意努力
から集い、そして社会に巣立っていった。
邁進する所存です。
ており、専攻の刻んできた歴史の長さも実感として
物質科学創造専攻オリエンテーション時の集合写真(2015 年度)
32
物質電子化学専攻
1.専攻の概要
1)教育・研究の目標
物質電子化学専攻は化学の基本的原理から広汎な
福島 孝典 有機化学、機能物質化学
田中 寛 進化細胞生物学
中村 浩之 有機合成化学、創薬化学
[連携教授]
応用までを扱い、化学反応は電子の移動過程である
時任 静士 有機電子デバイス、有機金属錯体
という観点に立って、化学的現象を統一的に解明し
櫻井 庸司 リチウム電池
ようという理念に基づいている。旧来の理学と工学
丹羽 修 電気化学
の壁を取り去り、両者を横割的に結合し、基礎(理
渥美 國夫 有機合成化学、医薬品開発
学)から応用(工学)までの一貫した知識の習得と
荒井 創 燃料電池
最先端の研究を通して広い視野と創造性をもつ技術
和田 達夫 光エレクトロニクス材料
者・研究者を育成することを目的としている。本専
正代 尊久 電池科学
攻では、純正化学分野や有機・無機材料、電子材料、
山本 浩史 有機エレクトロニクス
生物化学、薬化学などの工業化学のみならずエネル
中村 二朗 エネルギーサイエンス
ギー変換、情報機能素子などの開発、ナノテクノロ
佐藤 縁 電気化学、バイオセンサー
ジーなど今日急速に発展しつつある分野で柔軟に対
松川 公洋 機能材料化学
応・活躍できる人材育成に努力している。
[准教授]
山田 淳夫 リチウムイオン電池、無機固体化学
2)教育・研究分野
平成 18 年度から平成 27 年度まで在籍した教員に
よる教育・研究分野は以下のとおりである。
[教授]
北村 房男 電気化学、界面分光化学
玉田 薫 界面科学、バイオセンサ
谷口 裕樹 有機合成化学、有機金属錯体
神原 貴樹 有機金属錯体、高分子化学
淵上 寿雄 有機電気化学、有機フッ素化学
原 亨和 触媒化学、材料科学
冨田 育義 高分子化学、有機化学
久堀 徹 植物生化学、生体エネルギー論
山下 敬郎 構造有機化学、有機機能化学
跡部 真人 有機電気化学、超音波電気化学
菅野 了次 リチウム電池、固体イオニクス
酒井 誠 レーザー分光
大坂 武男 電気分析化学、生物電気化学
野村 淳子 赤外分光、触媒化学
原 正彦 ナノマテリアルサイエンス
小泉 武昭 錯体化学、有機金属化学
田中 正人 有機合成化学、有機金属化学
松下 伸広電子・電気材料工学、ナノバイオ磁気
山本 隆一 有機金属錯体、π共役高分子
工学
辰巳 敬 触媒化学、ゼオライト
林 智広 表面科学、ナノフォトニクス
吉田 賢右 生物化学、分子生物学
稲木 信介 有機電気化学、高分子化学
藤井 正明 物理化学、分子分光学
平山 雅章 固体化学、リチウムイオン電池
阿竹 徹 物性物理化学、材料基礎科学
今村 壮輔 分子生物学
腰原 伸也 半導体物性
布施 新一郎 ペプチド合成化学、創薬化学
川路 均 固体物性
33
物質電子化学専攻
[連携准教授]
井上 宗宣 有機合成化学、天然物化学
尾笹 一成 半導体物理
[助教]
岡島 武義 分子機能電極、生物電気化学
西田 純一 構造有機化学、有機機能化学
田嶋 稔樹 工業物理化学、有機電気化学
矢野 隆章 ナノフォトニクス
西山 寛樹 有機化学、高分子化学
教員集合写真(平成 27 年 4 月撮影)
鈴木 耕太 リチウムイオンバッテリー
34
物質電子化学専攻
3)専攻の沿革と歴史
旧電気化学科(工学部)を主体に資源化学研究所
のいくつかの部門の協力を得て、昭和 48 年 4 月に
発足した電子化学専攻は、昭和 50 年 4 月に我が国
はじめての新構想による独立研究科「大学院総合理
工学研究科」の一員となり、平成 7 年に研究科の設
立 20 周年を迎えた。これを節目として研究科の創
造大学院へ向けて大変革がなされ、その一環として
平成 9 年 4 月に本専攻と材料科学専攻が母体となり、
物質科学創造専攻が新設されると同時に両専攻は改
組され、本専攻は物質電子化学専攻へと名称変更し
た。改組により固体電子化学基幹講座と資源化学研
究所の光化学プロセス部門が本専攻から物質科学創
造専攻の基幹講座と協力講座へと振り替えられ、電
子化学工学学部協力講座は廃止された。これに伴い、
本専攻の 4 つの基幹講座は 2 つに大講座(6 分野)
化され、各大講座には連携教授・助教授のポストが
配置され、応用セラミックス研究所から協力講座が
ひとつ新たに加わった。平成 18 年からの人事異動
を前・本頁の表に示すが、ここ 10 年間で基幹講座
4 名、協力講座 6 名を除き、教員が大幅に入れ代わ
っている。
2.教育の特色
1)カリキュラム
[専攻のカリキュラムと教育方法の特色]
本専攻において用意されている講義科目は以下の
とおりである。
電気化学 触媒化学特論、レーザー分光化学、有機金属化学、
有機機能分子と高分子の設計、生物化学、物性物理化学特
論、熱・統計力学特論、電気化学応用特論、有機電気化学、
高分子科学特論、触媒反応化学、超分子・錯体化学、機器
分析特論、有機合成化学特論、無機材料科学、半導体電子
物性、化学環境安全教育
物質電子化学講究第一~第四、
物質電子化学講究第五~第、
物質電子化学特別講義第一~第八、物質電子化学専攻イン
ターンシップ第一A , B、物質電子化学専攻インターンシ
ップ第二A , B、
Inorganic Materials Science,Laser Spectroscopy for
Chemistry,Organic Synthesis Nanotechnology and
Nanoscience,Organic Molecular and Macromolecular
Chemistr y Coordination Chemistr y,Fundamental
E l e c t ro c h e m i s t r y, F u n d a m e n t a l S c i e n c e o f
Thermodynamics and Magnetics,Advanced Catalytic
Chemistry,Fundamental Biological Chemistry, Organic
Electrode Process, Topics in Process Chemistr y,
Semiconductor Physics and Devices Applied
Electrochemistry
本専攻では科目の新設、内容の改訂等が毎年行わ
れている。複数教員による協同講義の実施をはじめ、
外部連携教員による講義も用意されており、基礎か
ら応用までをカバーする多彩な内容の講義を実施し
35
物質電子化学専攻
ている。特に本専攻は平成 20 年度にグローバル
COE プログラム教育研究拠点に採択、および平成
23 年にリーディング大学院プログラム(環境エネ
ルギー協創教育院)が採択されたのを機に、幅広い
視野を有する人材育成を目的とした総合コース科目
が新設され、従来の講義や演習のみの授業形態では
カバーできなかった部分(たとえば安全教育やプレ
ゼンテーション能力など、体験学習を必須とする科
目)が大幅に補強されていることは特筆されるべき
点である。
[講義・演習の構成・配置]
カリキュラムの見直しやグローバル COE プログ
ラム教育研究拠点採択により、本専攻で用意されて
いる授業科目数は年々増え続けており、その内容も
講義・演習にとどまらず、安全教育、コロキウム、
インターンシップなどバラエティに富んだ内容の科
目が履修可能な構成となっている。科目数(講究を
除いた講義・演習・実習科目)で比較すると、平成
18 年以前では 52 科目(うち日本語の講義 15、英語
の講義 14、演習等 23)
、平成 20 年には 54 科目(う
ち日本語の講義 17、英語の講義 15、演習等 22)で
あったのに対し、平成 21 年度はグローバル COE プ
ログラム総合コース科目が増えて 72(うち日本語
の講義 17、英語の講義 15、GCOE 科目等 40)と大
幅増となっている。科目の内訳を見ても明らかなよ
うに、演習や実習科目の充実が目立っている。さら
に特筆すべきは、主として国際大学院コースを対象
とした英語による授業が 14 科目 28 単位分(有機・
無機・物化系)の取得が可能となっている点である。
これらの科目は後学期に集中的に配置され、コース
履修学生に対する十分な配慮がなされている。
2)テーマ一覧
本専攻の最近の学位論文のタイトルの例を以下に
示す。
チタナサイクル中間体を経由する機能性チオフェンオリゴ
マーの設計とその電解重合によるπ共役高分子薄膜の構
築
含フッ素π共役高分子の合成と反応性高分子としての利
用
トリフェニルアミンをドナー部位に有したドナー・アクセ
36
プター型分子の合成と物性
全固体電池の高エネルギー密度化に向けた高リチウムイオ
ン導電体の開発
層状岩塩型 Li-Ni-O 系材料の還元相合成と構造、物性、電
気化学特性
電気化学的オストワルド熟成に関する研究
一段階電解析出法による白金 - セリア複合触媒の合成とそ
の特性評価
原始地球環境再現実験システムの開発と鉱物存在下での化
学進化実験
自己組織化単分子膜表面上に形成した細胞外マトリックス
の解析
超ルイス酸性ホウ素化合物の合成、構造および反応性
3,5– ビス(2– ピリジル)ピラゾレートを架橋配位子とす
る新規異種二核錯体の合成と触媒活性
紅藻シゾンにおける集光色素複合体フィコビリソーム合
成・分解制御機構の解明
単細胞紅藻 Cyanidioschyzon merolae における GLND
(ACT domain repeat)タンパク質の機能解析
レーザーイオン化質量分析法による迅速呼気分析手法の開
発及び呼気中バイオマーカーの測定
レーザー脱離超音速ジェット分光法によるアドレナリン受
容体部分ペプチドの赤外分光
ペプチド末端修飾によるコンフォメーション制御
ゼオライトを酸触媒としたエチレンからの低級オレフィン
合成
Thermodynamics Study on the Glass Transition Behaviors
and Heat Capacity of Amino-Alcohol and Diol Aqueous
Solution Systems
水素生成を目指した光応答性 FeOOH の研究
3)学生の構成
本専攻では毎年修士課程に約 50 名、博士課程に
約 15 名の学生を受け入れている。現在の学生の構
成は修士 1 年生 51(3)名、修士 2 年生 52(1)名、
博士 1 年生 17(1)名、博士 2 年生 26(6)名、博
士 3 年生 16(4)名となっている(括弧内の数字は
留学生の内数)
。最近の学生の出身大学および留学
生の出身国は以下のとおりである。
学生の出身大学
青山学院大、茨城高専、岡山大、お茶の水大、茨城大、宇
都宮大、横浜国大、横浜市大、学習院大、関西大、岩手大、
宮崎大、京都工繊大、京都産業大、京都大、桐蔭横浜大、
金沢大、九州工大、九州大、群馬高専、群馬大、慶応大、
工科大、工学院大、広島大、弘前大、高知工科大、埼玉工
大、埼玉大、山梨大学、芝浦工大、上智大、信州大、新潟
大、神戸大、神奈川工科大、神奈川大、成蹊大、青山学院
大、静岡大、千葉大、創価大、早稲田大、大阪大、大阪府
大、筑波大、中央大、長岡技大、鳥取大、帝京科学大、電
通大、東海大、東京学芸大、東京大、東京都立大、東京農
工大、東京理科大、東工大、東京農工大、東京薬科大、東
物質電子化学専攻
邦大、東北大、同志社大、奈良高専、日本女子大、日本大、
研、高砂熱学工業、武田薬品、チッソ、千代田化工、千代
姫路工大、富山大、武蔵工大、福島大、法政大、北海道大、
田化工建設、月島機械、TDK、デュポンジャパン、デンソ
北里大、名古屋大、名工大、明治大、立教大、立命館大
ー、帝国インキ、帝人、電気化学工業、電力中央研究所、
留学生の出身国
インド、インドネシア、エジプト、韓国、スイス、スリラ
ンカ、タイ、チェコ、中国、ドイツ、バングラデシュ、ミ
ャンマー、モーリシャス
4)修了生の活躍状況
本専攻の修了生の活躍分野は多岐に渡っている。
主要な就職先を大学、官公庁、および企業に分類し
て以下に示す。
大学: 雲林大(台湾)、大阪大、岡山大、神奈川大、金
沢大、カイロ大、北里大、九州大、京都大、京都工繊大、
熊本大、コーネル大、甲南大、静岡大、上海交通大、上海
師範大、創価大、忠北国立大(韓国)、鳥取大、富山工業
高専、富山大、都立航空工業高専、東海大、東京大、東工
大、東京慈恵会医科大、東京農工大、東北大、豊田工大、
長岡科学技術大、名古屋工大、新潟大、西東京科学大、ピ
ッツバーグ大、広島大、福井大、防衛大、北陸先端科学技
術大、北海道大、山形大、山口大、横浜国立大、三重大、
立教大
官公庁: 宇宙開発事業団、ERATO、大阪工業技術研究所、
科学技術振興事業団、神奈川県庁、韓国科学技術院、岐阜
トヨタ自動車、東亜合成、東京ガス、東京電力、東芝、東
ソー、東陶機器、東洋インキ、東レ、東レ・デュポン、ト
ク ヤ マ、 凸 版 印 刷、 長 瀬 産 業、 ニ コ ン、 ニ ッ ピ、 日 本
IBM、日本カーバイド工業、日本化薬、日本クレイ、日本
興業銀行、日本合成ゴム、日本酸素、日本触媒、日本ゼオ
ン、日本製粉、日本石油、日本総研、日本曹達、日本冶金、
日本チバガイギー、日本特殊塗料、日本電気、日本電装、
日本電波工業、日本能率協会、日本油脂、日本ユニシス・
ソフトウェア、日本ロッシュ、日亜化学、日刊工業新聞社、
日揮、日鉱マグネティクス、日産自動車、日東製粉、日東
電工、ネスレ日本、野村総合研究所、BASF ジャパン、長
谷川香料、半導体エネルギー研究所、古河電工、日立化成、
日立金属、日立製作所、ブリジストン、ブリジストンサイ
クル、富士ゼロックス、富士総合研究所、富士通、富士通
A.M.D.、富士フィルム、ヘキストジャパン、ペルメレック、
電極ペンタックス、北興化学工業、ポリプラスチック、本
田技研、松下寿電気、松下電器産業、松下電池、三井化学、
三井石油化学、三井デュポンフロロケミカル、三菱化学、
三菱ガス化学、三菱重工、三菱商事、三菱製紙、三菱総合
研究所、三菱電機、三菱電線工業、三菱バーティッシュ、
三菱マテリアル、三菱油化、三菱レイヨン、村田製作所、
メイテック、明治製菓、森永乳業、山下ゴム、山之内製薬、
横河電機、横浜ゴム、ライオン、リコー、理工協産、レン
ゴー、ローム
県工業試験所、CREST、公立学校、国立感染症研究所、
埼玉県庁、四国工業技術院研究所、繊維高分子材料研究所、
特許庁、通産省工業技術院生命工学技術研究所、通産省工
業技術院、通産省電子技術総合研究所、日本学術振興会特
別研究員、日本原子力研究所、物質工学研究所、新潟県環
境研究所、新潟県庁、防衛庁、宮崎市役所、理化学研究所
企業など: アキレス、アクセンチュア、アドバンソフト、
3.研究活動と成果
1)研究内容の紹介
本専攻の最近の研究内容について、紙面の許す範
囲でいくつかの例をあげて以下に紹介する。
亜経、旭化成工業、旭硝子、旭電化工業、味の素、INAX、
伊藤食肉、出光興産、岩見谷国際特許事務所、宇部興産、
NKK、NTT、栄研化学、荏原製作所、オリンパス光学、王
子製紙、大阪ガス、沖電気、カシオ、カネボウ化粧品、花
王、化学情報協会、鐘ケ淵化学、川崎製鉄、川村理化学研
究所、関西電力、キャノン、共同印刷、キリンビール、協
和発酵、呉羽、コナミ、コニカミノルタ、コニシ、神戸製
鋼、光陽国際特許事務所、材料科学技術振興財団、サカタ
インクス、三共有機合成、三洋化成、三洋電機、三和ケミ
カル、三和総合研究所、JT、JICST、シミック、シャープ、
資生堂、志賀国際特許事務所、昭和電工、信越化学、新神
二官能性アセチレン類と低原子価金属錯体との反
戸電気、新日鉄、住化ファインケム、住友化学、住友化学
応により、主鎖に メタラサイクル構造をもつ新規
工業、住友金属、住友金属鉱山、住友ゴム、住友商事、住
の有機金属ポリマーの合成を行い、これを主鎖型反
友スリーエム、住友電工、住友ベークライト、セイコーエ
プソン、セイミケミカル、セントラル硝子、ソニー、損害
応性高分子として用いることによって、多様な主鎖
保険料率算定会、ダウケミカル日本、大日精華工学、大日
構造 をもつ高分子へと変換できることを明らかに
精化工業、大日本インキ、大日本印刷、大和証券、大和総
した(冨田)
。
37
物質電子化学専攻
赤外超解像顕微鏡を用いることで、細胞内部の各
点における赤外吸収の変化を調べることが可能にな
り、不均一系の代表である細胞内部の構造や活動を
分子レベルで可視化するナノスケール測定と顕微分
光法を開発した(藤井・酒井)
。
2)研究論文数および特許取得数の推移
最近数年間における専攻所属教員の発表論文数の
推移を示す。ほとんどペースを落とすことなく順調
高速イオン拡散の機構を解明する研究と、これをベー
に成果を公表している様子が見て取れる。
スに新規な物質を創製しようとする研究から、液体のイオ
ン導電率も越える世界最高のリチウム導電性を示す新固
体物質群 LGPS の発見へ繋げた(菅野)
。
伝導性のワイヤーを超分子で絶縁被覆 した結晶
同様に、本専攻の教員が取得した特許数も増加し
ており、専攻の活力を物語っている。
構造の構築と、その物性評価に成功した。
(山本)
。
3)教員の褒賞・受賞
本専攻の教員が受けた褒賞、受賞等は以下のとお
りである。
紫綬褒章、Amegen Award of American Protein Society、
I.O.T. 特別賞、市村賞、市村賞貢献賞、井上学術賞、井上
独自の反応設計戦略により、化学結合の手を二本
しか持たない「カチオン性ホウ素化合物」の合成に
世界で初めて成功した(福島)
。
春成賞、科学技術庁長官賞、加藤記念賞、工業技術院長賞、
高分子学会賞、コニカ画像科学奨励賞、The Calorimetry
Conference(The James J. Christensen Memorial
、触媒学会賞、触媒学会奨励賞、触媒調製化学賞、
Award)
手島記念研究論文賞、手島記念研究賞(発明賞)、手島記
念研究賞(中村賞)手島記念博士論文賞、電気化学会賞・
武井賞、電気化学会学術賞、電気化学会進歩賞・佐野賞、
電気化学会論文賞、電気化学協会溶融塩賞、日本化学会学
術賞、日本化学会講演奨励賞、日本写真学会論文賞、日本
合成樹脂協会学術賞、日本セラミックス協会学術賞、文部
科学大臣表彰 科学技術賞、有機合成化学協会奨励賞、有
機合成化学協会研究企画賞、服部報公賞、紛体粉末治金協
会研究功績賞、日本女性科学者の会奨励賞、石油学会奨励
賞、化学工学会女性賞、Alwin Mittasch Prize 2012、文部
科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
38
物質電子化学専攻
4)国際活動など
本専攻の教員は国際活動に精力的に取り組んでき
ている。このことを示すデータとして外国人研究者
の受け入れ状況、国外研究機関への滞在状況、国際
会議開催実績などを以下に示す。
[外国人研究者の受け入れ]
客員教授、客員助教授:アメリカ、インド、カナダ、韓国、
中国、ドイツ、バングラデシュ、フランス
その他:アメリカ、インド、英国、エジプト、カナダ、韓国、
スイス、スペイン、中国、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、
バングラデシュ、フランス、メキシコ、ロシア(これらの中
に は ノ ー ベ ル 化 学 賞 受 賞 者 の P.D.Boyer(UCLA)、
J.E.Walker(MRC)、および R.A.Marcus(CalTech)が含ま
れている)
[国外研究機関への滞在]
テキサス A&M 大学(アメリカ)、ハンヤン大学(韓国)、
recognition"(横浜、2011 年)
US-Japan Workshop on“Advances in Organic/Inorganic
Hybrid Materials”(アメリカ、ミシガン、2012 年)
JSPS Core-to-Core Program 6th Seminar "Seminar of
Core-to-Core Program on Aromatic Cluster Spectroscopy"
(ドイツ、ベルリン、2012 年)
ABC-7 , 7th International Symposium on Acid-Base
Catalysis(東京、2013 年)
Post-symposium of ABC-7, International Workshop on
Green and Sustainable Chemistry(東京、2013 年)
JSPS Core-to-Core Program 7th Seminar "Core-to-Core
International Symposium on Ionization Induced Switching"
(フランス、マルセイユ、2013 年)
5th Gratama Symposium“Frontiers in Chemical Science”
(東京、2013 年)
JSPS Core-to-Core Program 8th Seminar "Core-to-Core
International Symposium on Ionization Induced Switching"
(イギリス、マンチェスター、2013 年)
スイス連邦工科大学(スイス)、オタゴ大学(ニュージー
(沖縄、
11th International Conference on Ferrites(ICF 11)
ランド)、バングラデシュ工科大学(バングラデシュ)
、ル
2013 年)
イ・パスツール大学、パリ南大学、ボルドー第 1 大学(フ
WOCJC-9(東京、2014 年)
ランス)、ヴロツワフ大学(ポーランド)
JSPS Core-to-Core Program 9th Seminar "Core-to-Core
[国際会議開催実績](過去5年分程度)
KAKENHI International Symposium on "Molecular Science
for Supra Functional Systems"(東京、2009 年)
The Mini International Symposium on Molecular Science
for Supra Functional System(横浜、2010 年)
Molecular & Ionic Cluster Conference 2010(新潟、2010
年)
JSPS Core-to-Core Program "Photoionisation-induced
switch in aromatic molecule-solvent recognition" 1st
Seminar(横浜、2010 年)
"International Symposium on Aromatic Recognition
Phenomena"(Supported by JSPS Core-to-Core & DFG
German-Japan Collaboration Program)(ドイツ、ベルリ
ン、2010 年)
Pacifichem 2010“Nano Structure and Function of
Organic-Inorganic Hybrid Polymers”(アメリカ、ハワイ、
2010 年)
JSPS Core-to-Core Program 3rd Seminar "Photoionisationinduced switch in aromatic molecule-solvent recognition"
Symposium for Young Scientists(イギリス、マンチェス
ター、2011 年)
KAKENHI International Symposium on "Molecular Science
for Supra Functional Systems"(札幌、2011 年)
JSPS Core-to-Core Program 4th Seminar "Symposium on
Aromatic Recognition Phenomena"(ドイツ、ベルリン、
International Symposium on Ionization Induced Switching"
(ドイツ、ベルリン、2014 年)
IUMRS-ICA2014, ”Development of Environmentally
Friendly Processes and Materials - Including Solution
Processes and Their Applications -”
(福岡、2014 年)
The 1st International Symposium on π-System Figuration
(大阪、2015 年)
US-Japan Workshop on Advances in Organic/Inorganic
Hybrid Materials 2015(赤穂、2015 年)
KAKENHI International Symposium on "Studying the
Function of Soft Molecular Systems"(東京、2015 年)
2015 IUPAC 11th International Conference on Advanced
Polymers via Macromolecular Engineering(APME 2015)
(横浜、2015 年)
4.社会貢献
本専攻の教員は研究成果をとおした社会貢献にも
積極的に取り組んできている。
その他にも本専攻の教員は学外の多様な分野にお
いて社会貢献を行っている。本専攻の教員の関与す
る(1)
国、地方自治体における審議会、委員会委員、
(2)日本学術会議、日本学術振興会等の権威ある団
2011 年)
体の会員、委員、
(3)競争的資金、大学評価・学位
JSPS Core-to-Core Program 5th Seminar "Integration of
授与機構、公的機関の外部評価等の審査委員、(4)
experiment and theory in aromatic molecule-solvent
39
物質電子化学専攻
国内学会、協会の役員、
(5)国外学会の役員等の具
体的な分野は以下のとおりである。
庶務理事、電気化学会関東支部監事、電気化学会大会学術
企画委員会副委員長、電気化学会情報ネットワーク委員会
副委員長、電気化学会有機電気化学研究会事務局長、電気
1)国、地方自治体における審議会、委員会委員: 文部
科学省化学技術動向研究センター専門調査員、文部科学省
化学会編集委員会委員、電気化学会近畿支部常任理事、電
科学技術政策研究所科学技術専門家ネットワーク専門調査
学協会評議員会評議員、
日本ポーラログラフ学会編集委員、
員、国立大学等の実験施設における安全衛生管理に関する
日本ポーラログラフ学会理事、粉体粉末冶金協会参事、日
調査研究協力者会議委員。化学技術戦略推進機構理事、化
本生化学会評議員会評議員、
日本植物学会評議員会評議員、
学技術戦略推進機構第 5 回ケイ素系高分子材料シンポジ
日本植物学会ホームページ運営委員会委員長、日本植物生
気化学会評議委員、電気化学会関東支部幹事、有機合成化
ウム実行委員会委員長、化学技術戦略推進機構多相系触媒
理学会評議員会評議員、日本植物生理学会学会誌編集委員
反応プロセス総合調査研究委員会委員、化学技術戦略推進
会編集委員、ケイ素化学協会理事会常任理事、近畿化学協
機構テーラーメイド・ケミストリー WG 委員、化学技術
会代議員会代議員、石油学会表彰選考委員会委員、有機合
戦略推進機構グリーケミストリー調査委員会委員、化学技
成化学協会誌編集委員会編集委員、有機合成化学協会事業
術戦略推進機構プロジェクト推進委員会副委員長、化学技
委員会事業委員、固体イオニクス学会役員会常任幹事、日
術戦略推進機構ノンハロゲン化学プロセス総合調査委員会
本セラミックス協会日本粉末回折データ専門委員会委員
委員、化学技術戦略推進機構新固体酸触媒プロセス技術の
長、日本結晶学会評議委員会評議委員、日本薬学会関東支
開発総合調査委員会委員、化学技術戦略推進機構理事会理
部幹事会幹事、日本薬学会関東支部運営委員会運営委員、
事、新エネルギー・産業技術総合開発機構ケイ素系高分子
日本応用物理学会論文賞評価委員、電気化学会大会学術企
材料研究開発推進委員会委員長、地球環境産業技術研究所
画委員会委員長、電気化学会有機電気化学研究会幹事、電
半導体 CVD 洗浄プロジェクト業務委員、地球環境産業技
気化学会電気化学便覧編集幹事、日本化学会化学コンクー
術研究所新規冷媒等プロジェクト業務委員、グリーンサス
ル実行委員、日本化学会欧文誌副編集委員長、電気化学会
テイナビリティーケミストリーネットワーク運営委員会運
関東支部副支部長、日本化学会有機結晶部会幹事、日本化
営委員、化学・バイオつくば財団化学賞選考委員会委員、
学会春季年会プログラム編成委員会幹事、日本化学会標準
東京大学物性研究所物質合成評価施設共同利用委員会委
化学用語辞典編集幹事、日本熱測定学会標準状態圧力適正
員、環境省ダイオキシン類未規制発生源調査検討会委員、
化ワーキンググループ主査、日本化学会実験化学講座編集
大分県産業創造機構プロジェクト推進委員会委員、川崎市
委員、電気学会マグネティックス技術委員会幹事補佐、日
文化賞等選考委員。
本応用磁気学会総務委員、表面技術協会アカデミー実行委
員、高分子学会関東支部理事、日本化学会グランプリ・オ
2)権威ある団体の会員、委員:日本学術会議第4部結
晶学研究連絡委員会委員、日本学術振興会創造機能化学第
リンピック委員(日本化学会化学教育協議会)、分子科学
116 委員会運営委員、日本学術振興会第 155 委員会委員、
会海外協力分科会委員長、石油学会理事石油学会国際委員
研究会事務局・幹事、日本光合成研究会常任幹事、石油学
日本学術振興会特別研究員等審査会専門委員、日本学術振
会委員長、ゼオライト学会理事副会長、触媒学会理事・関
興会科学研究費審査会専門委員。
東地区代表幹事、石油学会運営委員会委員長、近畿化学協
会評議員。
3)公的機関の審査委員:大学評価・学位授与機構学位審、
査会専門委員、科学技術振興事業団、NEDO、NSF(米国)
の研究助成審査員、日本化学会各賞選考委員会委員、
(財)
5)国外学会役員: 英国化学会 J. Chem. Soc.、Dalton
Trans. 国際評議員、中国化学会 Chinese J. Chem. 国際評
神奈川科学技術アカデミー研究助成審査専門部会委員、グ
議員、英国化学会 -CNRS、New J. Chem. 国際評議員、有
リーンサステイナブルネットワーク GSC 賞選考委員、民
機金属化学国際会議国際評議員、有機ケイ素化学国際会議
間財団研究助成および褒章選考委員会委員、外国の大学に
国際評議員、均一系触媒国際会議国際評議員、米国カロリ
おける修士論文および博士論文の外国人審査員、外国の大
メトリー会議 Board of Directors、Director、International
学における助教授昇進の外国人審査員。
Committee、Technical Committee、Regional co-chair on
Diffraction Data、 米 国 電 気 化 学 会 日 本 支 部 副 支 部 長、
4)国内学会・協会役員:日本化学会理事、日本生化学
会理事、日本熱測定学会長、高分子学会無機高分子研究会
Catalysis Communications Editorial Board、Journal of
運営委員、高分子学会高分子錯体研究会委員、高分子学会
Association Council Member、International Zeolite
高分子錯体研究会委員長、高分子学会高分子編集委員会編
Association Vice President、J. Mater. Chem. International
集委員、日本化学会化学便覧基礎編編集委員会委員、日本
A d v i s o r y E d i t o r i a l B o a r d M e m b e r、 C a l o r i m e t r y
化学会化学教育協議会小委員会委員長、日本化学会コンピ
Conference(Director)、Journal of Thermal Analysis and
ュータ統括委員会委員、日本化学会コロイド界面化学部会
Calorimetry(Editor of Calorimetry)、Thermochimica Acta
幹事、日本化学会関東支部幹事会幹事、日本化学工業協会
(Editorial Board)、International Association of Chemical
シンプルケミストリ部会委員、日本接着学会評議委員、日
本接着学会学会誌編集委員会編集委員、電気化学会理事会
40
Molecular Catalysis A Editor、International Zeolite
Thermodynamics(Director).
材料物理科学専攻
1.専攻の概要
学専攻とが母体となり、物質科学創造専攻が新設さ
1)教育・研究の目標
と改組された。
れると同時に、材料科学専攻は材料物理科学専攻へ
科学技術の革新的な発展の鍵を握っているのは材
料である。新たに発見された基本原理や独創的なア
イデアに基づいた「技術」を実現するためには、そ
れに相応しい機能と性能をもつ材料が必要である。
2.教育の特色
1)カリキュラム
しかしながら、そのような都合のよい材料がすでに
本専攻には学内の物理や材料関係の学部生はもと
存在しているケースは極めて稀である。新しい技術
より全国の大学の物理、応用物理、応用化学、金属
の実現は常に材料の開発に大きく依存している。
材料、無機材料、機械、電気等、様々な学部の出身
また材料に求められる性能・機能は、年を追って
者が入学する。そこでこれら多様なバックグラウン
多様化している。このような社会的要請に応えるに
ドをもつ学生に対しまず必要最低限の材料科学分野
は、材料科学に対する深い基礎知識と幅広い視野が
の基礎を習得させ、その後、各学生が自分自身の修
必要である。
士論文研究との関連を見据えながら材料科学分野の
本専攻は、材料物性、計測、構造解析、表面科学、
基礎と応用研究ならびに当該学問分野の最新の動向
材料設計などの材料科学分野の世界的水準の研究に
を的確に把握できるようにするため、表 2 のような
より社会に貢献するとともに材料科学の基礎に関す
カリキュラムを組んでいる。
る教育と最新鋭の研究設備を駆使した研究を通し
まず、結晶科学、固体物性、材料強度、熱力学等、
て、未来を創る意欲と資質を備えた研究者・技術者
材料科学分野の基礎を習得させ、さらに材料や材料
を養成することを目標としている。
科学者の社会的使命を理解してもらうために、多く
の科目を選択必修としている。これらの科目は原則
2)教育・研究分野
として複数の教員が担当し、すべて学期末試験によ
本専攻の現在の講座構成ならびに教員の専門分
る評価を実施している。後期にはコンピュータによ
野は表 1 のとおりである。本専攻は基幹講座(材
る物性予測や材料解析に必要な各種先端分析技術に
料構造機能と量子表面の 2 大講座および連携講座
関する応用科目を配し、学生が各自の修士論文研究
を含む)と 9 つの協力講座より構成されている。
との関連性を考慮して受講できるようにしている。
協力講座の教員の原籍は応用セラミックス研究所、
さらに学生が各自の研究内容を英語で発表し、学
精密工学研究所およびフロンティア創造共同研究
生と教員が自由に質疑応答を行うことによって国際
センターである。なお講座外担当として大学院理
社会で不可欠な英語プレゼンテーション能力を身に
工学研究科物性物理学専攻の教員が加わっている。
付けさせる英語プレゼンテーションの演習を必修科
目として前・後学期を通じて開講している。
3)専攻の沿革と歴史
本専攻の母体は、昭和 49 年に発足し、翌 50 年 4
月に総合理工学研究科の構成専攻となった材料科学
専攻である。平成 9 年 4 月に材料科学専攻と電子化
41
材料物理科学専攻
表 1 講座構成および研究分野(2016
年 3 月現在)
講座名
分野名
教員
研究分野
教 授 尾中 晋
結晶性材料の力学的性質、材料物性の微視構造依存性、複合
材料などの高強度構造材料の開発、マイクロメカニックス
准教授 寺田 芳弘
高温構造用金属系材料の組織制御と力学的特性評価
教 授 加藤 雅治
材料の組織と性質の関係の解明、微粒子や薄膜の結晶学、相
変態・析出に及す外力・磁場の影響、転位組織と力学的性質
の相関
准教授 中田 伸生
鉄鋼を始めとする構造用金属材料の強靭化・高機能化を目指
した組織と特性に関する研究
教 授 梶原 正憲
電子デバイス用導電性合金の開発、環境調和型の導電性材料
や超伝導合金の開発、反応拡散を利用した合金創製、固体熱
力学や速度論に基づく相平衡・相変化の実験的・解析的研究
准教授 木村 好里
廃熱を電気に-熱電半導体の高性能化、信頼性と性能の向上
-耐熱合金の強靭化、組織制御による材料設計-相平衡と拡
散
教 授 内海 研一
物性理論、結晶理論、相変態理論
教 授 神戸 洋史
自動車用非鉄金属材料、鋳造技術、凝固
教 授 吉永 直樹
金属組織学、鉄鋼材料学
教 授 平山 博之
走査プローブ顕微鏡、非線形光学現象を用いた表面界面の構
造と局在電子状態、表面ナノ構造による量子閉じ込めの研究
准教授 中辻 寛
表面物性、金属・半導体表面における低次元構造・ナノ構造
の構築、量子サイズ効果を始めとする電子物性の解明および
その制御
准教授 合田 義弘
第一原理電子状態理論、表面・界面・ナノ構造の物性予測と
物性デザイン、磁性
教 授 蟹澤 聖
半導体電子物性、結晶成長、表面物理
准教授 西口 克彦
半導体工学・物理学、ナノテクノロジー、電子デバイス、ト
ランジスタ
准教授 須崎 友文
物性物理学、固体物理学、物理化学、低次元系、界面工学、
酸化物エレクトロニクス・デバイス、光電子分光、仕事関数
制御、触媒機能、磁気輸送特性、低環境負荷
教 授 伊藤 満
新機能性物質の設計、強相関係酸化物、超伝導酸化物、磁性
酸化物、機能性酸化物、単結晶の構造と物性評価、イオン伝
導性酸化物の設計構造・物性
准教授 谷山 智康
ナノ・マイクロ領域で発現する新奇磁気物理現象の探索、磁
気・伝導現象、超高速スピンダイナミクス、スピンエレクト
ロニクスデバイス
教 授 佐々木 聡
X 線・粒子線回折、散乱効果の研究、無機材料の結晶構造解析、
放射光利用研究、電子状態と磁気構造、高温超伝導、価数揺
動
教 授 真島 豊
ナノ電子デバイス、無電解メッキ、走査プローブ顕微鏡
准教授 平松 秀典
超伝導体や透明半導体を始めとする様々な機能性材料の探
索、エピタキシャル薄膜成長(PLD、MBE、スパッタリン
グ)
、光・電子・磁気物性評価(発光、キャリア輸送、超伝導)、
デバイス化(LDE、ジョゼフソン接合)
教 授 大場 史康
半導体材料、エネルギー材料のシミュレーション
准教授 阿藤 敏行
固体化学、超高圧力、相転移、衝撃圧縮
材料機能評
価
准教授 曽根 正人
MEMS 用超微細システムのための材料製造プロセス開発、
それにより得られた材料の評価法の開発
材料構造設
計
教 授 若井 史博
ナノ結晶セラミックスの粒界ダイナミクスと超塑性、共有結
合性セラミックスの高温物性
物質フロン
ティア
教 授 細野 秀雄
新超伝導物資(Fe 系など)
、透明酸化物半導体(有機 EL 駆
動用 TFT や CMOS 化)、元素戦略(ありふれた元素を利用
した光・電子・化学機能の実現)
元素機能解
析
准教授 松石 聡
超伝導物資、透明伝導性物質など電子機能性物質の探索
複合物性
メゾスコピック
材料構造機
能
構造機能特性
基幹講座
材料応答
[連携講座]
表面物質
量子表面
非平衡相
量子材料
[連携講座]
低負荷物質
合成
超環境物質
合成
精密構造解
析
協力講座
電子活性物
質
相乗機能物
質
42
材料物理科学専攻
また各研究室での材料科学の最先端の問題に関す
10 年間の外国人留学生の出身国と人数をまとめたも
る修士論文研究や博士論文研究を通して、物質・材
のである。表 4 からわかるように、アジア圏の学生が
料に対する知識を、現実の様々な具体的問題を解明、
大半を占めている。
解決できる能力に昇華させるようにしている。
本専攻では修了時の修士論文発表会において優秀
表 2 平成 25 年度のカリキュラム
な発表を行った学生 2 ~ 3 名に対し、
「学問のすすめ
賞」を贈り、表彰している。
2)研究テーマ
表 3 に最近の博士課程学生の研究テーマを示す。
このように多岐に渡る最先端の研究が遂行されてい
る。博士課程の学生のほとんどは国際会議等での発
表を経験し、国際的にも活躍している。
3)学生の構成
本学学部出身者の割合は約 20% であり、他は全国
の大学、高専専攻科から集まっている。表 4 は過去
前学期
後学期
結晶科学
固体の変形と力学
材料組織学
固体物性 I:電子物性
相平衡の熱力学
固体の拡散と相転移
表面科学
金属のミクロ組織
材料物理科学英語プレゼンテー
ション第一
材料物理科学講究第一
材料物理科学講究第三
材料物理科学講究第五
材料物理科学講究第七
材料物理科学講究第九
材料物理科学特別講義 第一
材料物理科学特別講義 第二
材料物理科学特別講義 第三
材料強度学
固体物性 II:磁性
固体物性 III:誘電体物性
固体物性 V:半導体物性
統計力学
計算材料学
エネルギー・環境材料
ナノ材料テクノロジー
電子顕微鏡および回折
材料物理科学英語プレゼンテー
ション第二
材料物理科学講究第二
材料物理科学講究第四
材料物理科学講究第六
材料物理科学講究第八
材料物理科学講究第十
材料物理科学特別講義 第四
材料物理科学特別講義 第五
材料物理科学特別講義 第六
表 3 博士課程学生の研究テーマ
年 度
題 目
2005 年度
Effects of elastic interaction energy and interface energy on morphology and distribution of precipitates: two-dimensional
analysis based on anisotropic elasticity
Cu 族金属と Sn の反応拡散による組織形成過程
Reaction of tungsten containing phosphate glasses with hydrogen-bearing gases and low temperature thermochemical water
splitting
有機半導体における電荷輸送の素過程とデバイスモデルに関する研究
2006 年度
Surface electronic structure and electron emitting devices of anionic-electron-encaged nano-porous crystal [Ca24Al28O64]4+(e-)4
Study of Evaluation Methods for Monitoring Single Electron Motion in Nanomechanical Single Electron Shuttle Devices
2007 年度
Electronic properties of interface between conductive oxides and organic semiconductors and their application to organic lightemitting diodes
Al-Cu 系の液相 / 固相反応拡散における組織形成と界面移動の速度論的特徴
Study of single endohedral metallofullerene orientation switching devices
走査トンネル顕微鏡を用いた Si(111) 3 x 3 -Ag 表面上での量子閉じ込め構造の作製と評価
2008 年度
Electronic structure and device application of low-valent metal oxide semiconductor
酸化物半導体のヘテロエピタキシャル成長と電界効果型トランジスタ
Study on scanning Lorentz force microscopy and displacement current measurements in organic thin-film transistors
2009 年度
Study on crystal chemistry of anion-encaged C12A7 and iron arsenide superconductors
Study of nanoscale structure controlled by functional molecules and nanoparticles, and its application to nanodevices
2010 年度
Optical studies of electron spin transmission in ferromagnet/semiconductor heterostructures
超微細結晶粒金属および合金の変形機構
2011 年度
Heteroepitaxial growth and superconducting properties of iron pnictide thin films
金属微粒子の形態的特徴の解析と評価
Photoresponse of amorphous In-Ga-Zn-O thin films and Schottky junctions
Photovoltaic properties and electronic structure of amorphous oxide semiconductor, In-Ga-Zn-O, based solar cell
2012 年度
Hydrogen substitution effect in ZrCuSiAs-Type layered transition metal pnictides
Study on exploration for superconducting transition metal compounds with low-dimensionality
Low-temperature cyclic deformation and microstructure of single-crystalline, coarse-grained and ultrafine-grained aluminum
Study on chemically assembled single-electron transistor and single-molecular memory
2013 年度
Exploration of new iron pnictide superconductors utilizing high pressure synthesis
TFT modeling of amorphous IGZO and quantum effect in its superlattice
Self-terminated nanogap electrodes by electroless gold plating
Microstructure evolution due to solid-state reaction at micro-bonding of conductor materials
2014 年度
Perpendicularly magnetized heterostructures for magnetization orientation control and spin filtering
超微細粒銅の塑性変形挙動に及ぼす温度と応力の影響
Study on electronic structure and physical properties of layered nitride compounds
High performance organic-light-emitting-diode television system for high yield manufacturing
2015 年度
Synthesis and characterization of layered perovskite transition-metal oxyhidrides with H-/O2- mixed anion
43
材料物理科学専攻
4)修了生の活躍状況
材料物理科学専攻では様々な分野に多くの人材を
輩出している。表 5 は過去 3 年間の就職先を業種別
に分類したものである。
本専攻の教員の研究のアクティビティは非常に高
く、Nature 等の国際的な学術誌を含め、年平均 200
表4 修士・博士修了者の出身国(平成17年~平成27年)
国名
3.研究活動と成果
本以上の学術論文を発表している。これらは大学発
行の教員研究業績一覧に各年毎にまとめて紹介され
留学生数
全留学生に対する割合(%)
大韓民国
9
45
ている。またここ数年においては、毎年 20 件近くの
中華人民共和国
3
15
特許が出願・登録されており、知的財産の構築に寄
与している。図1は本専攻で行われている研究の一例
インド
1
5
カナダ
1
5
スリランカ
1
5
である。また本専攻の教員は表 6 のように多くの著書
タイ
1
5
を執筆している。さらに多くの外部資金を獲得し、ナ
フィリピン
1
5
ベラルーシ
1
5
ショナルプロジェクトや国際共同プロジェクトのリー
マレーシア
1
5
メキシコ
合計
1
5
20
100
ダーとしても活躍するとともに、国内外の学協会、関
表5 修士・博士修了者の進路(平成25年~平成27年)
修士課程(H25 ~ H27 年度)
(株)デンソー
ABB(株)
Acroques
t Techno
l
ogy (株)東芝
(株)
東芝電子管デバイス(株)
AGCセラミックス(株)
東洋エンジニアリング(株)
(株)AIR DO
トヨタ自動車(株)
(株)IHI
(株)豊田自動織機
JFEスチール(株)
中日本高速道路(株)
JX 日鉱日石エネルギー(株) ニコン(株)
KDDI(株)
日揮プラントソリューション
(株)
(株)LIXIL
日本ゼオン(株)
TDK(株)
日本電気(株)
(株)UACJ
(株)日本取引所
YKK(株)
日本板硝子(株)
YKK AP(株)
日本エー・エム・エス(株)
旭硝子(株)
日本航空(株)
いすゞ自動車(株)
日本電気硝子(株)
鹿島建設(株)
日本電信電話(株)
川崎重工業(株)
川重エンジニアリング(株) (株)ノリタケカンパニーリミテ
ド
川重テクノロジー(株)
華為技術日本(株)
キヤノン(株)
(国行法)原子力研究開発 日立建機(株)
(株)日立製作所
機構
日野自動車(株)
(株)神戸製鋼所
ファナック(株)
コバレントマテリアル(株)
(株)フジクラ
シャープ(株)
富士重工業(株)
ジャパンマリンユナイテッド
(株)
富士ゼロックス(株)
新日鐵住金(株)
古河電気工業(株)
新日鐵住金エンジニアリング 北陸電力(株)
(株)
(株)ボッシュ
住重フォージング(株)
三井金属鉱業(株)
住友大阪セメント(株)
三井造船(株)
住友重機械工業(株)
三菱自動車(株)
住友電気工業(株)
三菱重工業(株)
全日本空輸(株)
三菱マテリアル(株)
ソニーLSI(株)
(株)村田製作所
ダイキン工業(株)
ユニプレス(株)
大日本印刷(株)
(株)ヨコオ
太陽石油(株)
※博士後期課程進学
太洋マシナリー(株)
太陽誘電(株)
(株)千代田加工建設
電気化学工業(株)
電気興業(株)
44
博士課程
(H25 ~ H27 年度)
東京工業大学
京都大学
豊田工業大学
(地独)東京都立産業技術
研究センター
GE Healthcare
サムソン電子
日産自動車(株)
リョービ(株)
※未定&卒業(帰国)
(a)Cu 母相中および転位上に析出した Fe 粒子
(b)多結晶シリコンなみの特性を示す高性能フレキシブ
ル透明 TFT
図1 本専攻で行われている研究の一例
材料物理科学専攻
連省庁の委員会において重要な役割を担っている。そ
育成講座・金属熱処理スーパーマイスタープログラム」
の一例を表 7 および表 8 に示す。表 9 はこのような研
等の社会人教育プログラムに積極的に参画することに
究・教育活動に対し教員が受賞した賞である。
より,産業界の最先端で活躍する研究者・技術者の
社会人教育に貢献している。また,初等・中等教育の
4.社会貢献 学生や一般市民を対象に,材料科学の魅力を伝える
ための教育活動にも積極的に参加している。
本専攻の教員は,本学が主催する「製造中核人材
表 6 教員が執筆した著書
・ 電子ペーパー実用化最前線(2005、エヌ・ティー・エス出版、ISBN 978-4-86043-064-1)(分担)
・ レーザーハンドブック(2005、レーザー学会編、オーム社、ISBN 9784274200359)(分担)
・ Transparent Oxide 2005(2006、Elsevier)(共著)
・ Nanomaterials: from Research to Applications(2006,Elsevier,ISBN 978-0-08-044964-7)(共著)
・ 透明酸化物機能材料とその応用(2006、CMC 出版、ISBN 4-88231-656-0)(監修)
・ 透明酸化物機能材料とその応用(2006、CMC 出版、ISBN 4-88231-656-0)(分担)
・ 透明導電膜の技術 第 2 版(2006、日本学術振興会・第 166 委員会編、オーム社、ISBN 978-4274203442)(分担)
・ エコマテリアルハンドブック(2006、丸善、ISBN 978-4-621-07744-3)(分担)
・ セラミックス基礎工学講座シリーズ 7:セラミックスの電磁気的・光学的性質(2006、日本セラミックス協会、ISBN 4-931298-47-8)
(分担)
・ チャンピオンレコードをもつ金属錯体 最前線(2006、化学同人)(分担)
・ レーザープロセッシング応用便覧(2006、レーザー学会編、NGT)(分担)
・ 有機基板上の電子デバイス(2006、シーエムシー出版)(分担)
・ 材料開発のための顕微鏡法と応用写真集(2006、日本金属学会)(分担)
・ ガラスの辞典(2007、作花済夫編、朝倉書店)(分担)
・ 低温ポリシリコン薄膜トランジスタの開発(2007、シーエムシー出版)(分担)
・ Advances in Transparent Electronics: From materials to devices(2008,Elsevier)(分担)
・ 有機 EL の高輝度・高精細化を実現するための TFT 作成技術(2008、技術情報協会)(分担)
・ レアメタルの代替材料とリサイクル(2008、シーエムシー出版、ISBN 978-4-7813-0002-3)(分担)
・ 有機トランジスタ材料の評価と応用 II(2008、シーエムシー出版、ISBN 9784781300269)(分担)
・ 化学事典(第 2 版)(2009、森北出版、ISBN 978-4-627-24072-8)(分担)
・ 超分子サイエンス&テクノロジー(2009、エヌ・ティー・エス出版、ISBN 978-4-8604-3309-3)(分担)
・ Transparent Conductive Oxide Thin Films 2009(2010、Elsevier)(共著)
・ Nanoscale Physics for Materials Science(2009,CRC Press,ISBN-13 978-1-4398-0060-7)(共著)
・ Handbook of Transparent Conductors(2010,Springer,ISBN 978-1-4419-1637-2)(分担)
・ Transparent Electronics(2010,Wiley,ISBN 978-0-470-99077-3)(分担)
・ 酸化物半導体と鉄系超伝導 ―新物質・新機能・応用展開―(2010、シーエムシー出版、ISBN 978-4-7813-0268-3)(分担)
・ 100 Years of Superconductivity(2011,Taylor & Francis,ISBN-13 978-1-4398-4949-4)(分担)
・ バンドギャップエンジニアリング -次世代高効率デバイスへの挑戦-(2011、シーエムシー出版)(分担)
・ セラミックデータブック(2011、工業製品技術協会、ISBN 4-905959-93-X)(分担)
・ セラミックス機能化ハンドブック(2011、エヌ・ティー・エス出版、ISBN 9784860433505)(分担)
・ Handbook of Zinc Oxide and Related Materials(2012,Taylor & Francis,ISBN-13 978-1-4398-5574-4)(分担)
・ Iron-based Superconductors - Materials, Properties and Mechanism(2012,Pan Stanford Publishing,ISBN 978-9-8143-0322-4)
(分担)
・ Handbook of Visual Display Technology(2012,Springer,ISBN 978-3-540-79566-7)(分担)
・ 高効率太陽電池(2012、エヌ・ティー・エス出版、ISBN 978-4-8646-9034-8)(分担)
・ 熱電材料と製造プロセス技術(2012、サイエンス&テクノロジー出版、ISBN 978-4-8642-8050-1)(分担)
・ 光学薄膜の最適設計・成膜技術と膜厚・膜質・光学特性の制御(2013、技術情報協会)(分担)
・ Handbook of Advanced Ceramics: Materials, Applications, Processing, and Properties(Second Edition)
(2013, Elsevier Inc, ISBN
978-0-12-385469-8)
(分担)
・ 現代表面科学シリーズ 6: 問題と解説で学ぶ表面科学(2013、共立出版、ISBN 9784320033740)(共著)
・ ポストシリコン半導体(2013、エヌ・ティー・エス出版、ISBN-13 978-4-8646-9059-1)(分担)
・ 高次π空間の創発と機能開発(2013、シーエムシー出版、ISBN 978-4-7813-0758-9)(分担)
・ 鉄の事典(2014、朝倉書店、ISBN-13 978-4254240207)(分担)
・ 化学便覧 応用化学編 第 7 版(2014、日本化学会編、丸善出版)(分担)
・ Iron-Based Superconductivity(2015, Springer, ISBN 978-3-319-11253-4)
(分担)
・ Spintronics for Next Generation Innovative Devices(2015, Wiley, ISBN 978-1-1187-5191-6)(分担)
・ 講談社ブルーバックス : すごいぞ!身の回りの表面科学(2015、日本表面科学会編、講談社、ISBN 978-4-06-257940-7)(分担)
・ アンモニアを用いた水素エネルギーシステム(2015、シーエムシー出版、ISBN 978-4-7813-1073-2)(分担)
・ 鉄鋼材料と合金元素(2015、日本鉄鋼協会、ISBN 978-4-930980-87-8)(監修)
・ 鉄鋼材料と合金元素(2015、日本鉄鋼協会、ISBN 978-4-930980-87-8)(分担)
45
材料物理科学専攻
表 7 教員が獲得した外部資金の一例
期間(年度)
46
研究課題
研究制度・相手先
2005-2006
残留オーステナイトの安定性評価と TRIP 現象の有効利用
日本鉄鋼協会 鉄鋼助成
2005-2007
混粒化によるナノ鉄鋼材料の延性改善
科学研究費補助金 若手研究(B)
2005-2007
Ge/Si(001)表面上超高集積 1 次元量子井戸列のシュタルクラダーの実現
科学研究費補助金 萌芽研究
2005-2009
ナノ構造を利用した透明酸化物機能開拓と応用展開
科学技術振興機構
2006
情報通信用新規スピンデバイスの開発を目指したスピン注入ダイナミクスの研究
加藤科学振興会
2006-2007
炭化物とナノ Cu 粒子を複合利用したハイブリッド鋼の創製
JFE21 世紀財団
2006-2007
ナノリンク分子による二重トンネル接合素子の電気伝導の解明
科学研究費補助金 特定領域研究
2006-2008
電子機器実装材料の通電使用環境下における組織変化挙動
タイコ・エレクトロニクス AMP(株)
2006-2008
巨大ひずみが開拓する高密度格子欠陥新材料
科学研究費補助金 特定領域研究
2006-2008
高密度格子欠陥を有する物質・材料のメカニクス解明
科学研究費補助金 特定領域研究
2006-2008
表面量子状態制御による人工原子・分子の構築
科学研究費補助金 基盤研究(B)
2006-2008
磁場印加ローレンツ力顕微鏡の研究開発
科学研究費補助金 基盤研究(A)
2006-2008
磁性体 / 半導体接合におけるスピン注入・検出過程のダイナミックイメージング
科学研究費補助金 若手研究(A)
2007
軽量セラミックスの衝撃破砕挙動
京セラ株式会社
2007
セメント関連水和物の電気的活性化の試み
村田学術振興財団
2007
磁性酸化物 / 半導体界面の原子制御によるスピン検出機能の創出
日本板硝子材料工学助成会
2007
磁性体金属 / 半導体ヘテロ構造を用いた精密スピン計測
島津科学技術振興財団
2007-2008
遷移金属酸化物をベース層に持つトンネルトランジスタの開発
科学研究費補助金 若手研究(B)
2007-2008
磁性体 / 強誘電体ヘテロ構造における界面磁気構造とその制御
村田学術振興財団
2007-2009
ラーベス相を利用した高強度耐熱マグネシウム合金の創成
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2007-2009
ポストコルソンを目指した高強度銅基合金の組織制御
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2007-2009
金属・半導体ナノ構造電子系におけるスピン蓄積と磁気光学検出
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
2007-2009
環境フレンドリーなハーフホイスラー型熱電材料の高性能化と作製プロセス
科学研究費補助金 基盤研究(A)
2007-2009
合金中に析出する擬多面体状粒子における形状の由来
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2007-2010
スピン偏極の外的制御とチューナブルスピン源の創製
科学技術振興機構
2007-2010
材料イノベーションのための教育研究拠点
文部科学省
2008
ラーベス相を利用した構造用耐熱マグネシウム合金の創成
材料科学研究助成基金
2008
微細ラメラ組織を利用した超高強度耐熱マグネシウム合金の開発
池谷科学技術振興財団
2008
軽金属酸化物表面における機能性の探索
花王芸術・科学財団
2008
ナノギャップ電極を用いた分子スイッチ素子の構築
科学研究費補助金 特定領域研究
2008
特異なナノ破壊機能を有するセラミックス材料の開発
大倉和親記念財団研究助成金
2008
磁性酸化物量子ドットの自己組織化形成と超高速局所的磁気状態制御
稲盛財団
2008
局所電圧印加方式による省電力情報磁気ビット操作技術の開発
カシオ科学振興財団
2008
鉄鋼材料の高温損傷組織の解析
鉄道総合技術研究所
2008-2009
超格子化によるワイドギャップ酸化物の機能開発
村田学術振興財団
2008-2009
環境型熱電材料β -FeSi2 と Mg2Si の高速一方向凝固法による省エネルギー作製プロセスの確立
熱 ・ 電気エネルギー技術財団
2008-2009
アルミノケイ酸塩の衝撃ガラス化によるナノ破砕制御
旭硝子財団
2008-2009
結晶粒微細化強化に及ぼす侵入型元素の効果とその高効率化
日本鉄鋼協会 鉄鋼助成
2008-2012
ワイドギャップ酸化物における界面機能開発
科学技術振興機構
2008-2012
走査型プローブ顕微鏡による高次π空間系分子の精密電子物性計測と電子機能の発現
科学研究費補助金 新学術領域研究
2008-2013
高精度にサイズ制御した単電子デバイスの開発
科学技術振興機構
2008-2013
材料ユビキタス元素共同戦略
文部科学省
2008-2014
高秩序構造を有する薄膜多接合太陽電池の研究開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構
2009
鉄系超伝導体のエピタキシャル薄膜作製と物性評価
関科学技術振興記念財団
2009
窒化物を利用したステンレスピアノ線の創製
科学技術振興機構
2009
ナノ人工構造化による軽金属酸化物の電子機能開発
旭硝子財団
2009-2010
時間分解スピンダイナミクスを利用した強磁性金属スピン偏極の定量化プロトコル
三菱財団
2009-2010
SiC 基板上グラフェンへの p 型ドーピングの実現とそのクライントンネリングへの応用
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
2009-2010
微細ラメラ組織を利用した超高強度耐熱マグネシウム合金の創成
立松財団
2009-2010
磁気・電気相関効果に基づくスピン再配列の実現的検証
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
2009-2011
鉄鋼材料の拡散型界面移動に関する研究
住友金属工業株式会社
材料物理科学専攻
期間(年度)
研究課題
研究制度・相手先
2009-2012
超低電力電圧駆動型スピン偏極・配向化技術の開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構
2009-2013
新超電導および関連機能物質の探索と産業用超電導線材の応用
日本学術振興会
2009-2015
先端光量子科学アライアンス(最先端光科学における材料開拓)
文部科学省
2009-2015
パルス圧縮の急速クエンチによる異方的機能性の発現
特異構造金属・無機融合高機能材料開
発
2010
超高強度耐熱マグネシウム合金における微細ラメラ組織安定性の評価
中部科学技術センター
2010-2011
E21 型(Fe,M)3AlC1-x 化合物(M=Mn,Co,Ni)における C 原子規則化制御
JFE21 世紀財団
2010-2011
超微細ラスオーステナイトを初期組織とする鉄鋼材料の次世代組織制御技術提案
科学研究費補助金 若手研究(A)
2010-2012
微細ラメラ組織を利用した超高強度耐熱マグネシウム合金の創成
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2010-2012
強磁性体・強誘電体・半導体ヘテロ界面におけるナノスケール磁気現象の戦略的操作
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
2010-2012
バルクナノメタルにおける力学特性の解明と変形理論構築
科学研究費補助金 新学術領域研究
2010-2012
高導電性銅基合金の組織制御による耐疲労特性の改善
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2010-2012
スピン流を介した量子構造の磁気 秩序化ダイナミクス
科学研究費補助金 基盤研究(B)
2010-2012
強磁性規則合金の磁性制御と偏極可変スピン源への展開
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
2010-2012
擬多面体近似による結晶性材料中の微細な粒子の形状についての理解
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2010-2013
スピン分裂した表面バンド電子の量子干渉とその表面スピンフィルターへの応用
科学研究費補助金 基盤研究(B)
2010-2015
バルクナノメタル ー常識を覆す新しい構造材料の科学ー
科学研究費補助金 新学術領域研究
2011-2015
単一分子の電気伝導度測定
株式会社東芝
2011-2012
鉄系超伝導薄膜を用いた薄膜線材設計指針の提案
科学研究費補助金 若手研究(B)
2011-2012
スピン偏極のユニバーサルな定量化技法
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
2011-2012
同一規則構造をベースとする二相分離にともなう組織化過程の解明と制御
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
2011-2013
グラフェン構造を持ったシリコン平面二次元格子のエピタキシャル成長過程
科学研究費補助金 新学術領域研究
2011-2013
相補的光学アプローチを利用した界面スピン伝導の機構解明
東レ科学振興会
2011-2013
規則構造の格子欠陥制御に基づく環境フレンドリー熱電変換材料の高性能化
科学研究費補助金 基盤研究(A)
2011-2013
規則構造と相界面の制御による太陽熱利用型の熱電材料創製
科学技術振興機構
2011-2016
ステンレス鋼における金属間化合物の析出挙動支配因子の解明
JFE スチール株式会社
2012
Energy Dissipation-Less Spin-Based Devices
ASPIRE リーグ研究グラント
2012
鉄系超伝導体の粒界特性の解明と薄膜線材化
村田学術振興財団
2012
非平衡薄膜成長プロセスを利用した鉄系超伝導体への新規ドーピング手法の提案
旭硝子財団
2012-2013
化学センサの研究
株式会社東芝
2012-2013
磁性体 / 半導体ヘテロ構造におけるスピン伝導機構の解明と新原理スピン検出技術の創出
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
2012-2014
オーステナイト鋼の粒界析出相と局所ひずみによる寿命評価
株式会社 IHI
2012-2014
化学的安定度制御による相変態を利用した超微細粒高強度オーステナイト鋼の創製
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2012-2014
Cu(001)表面に形成した遷移金属窒化物ナノ構造の電子状態
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2012-2015
Observation of SR-MFM and ASR-MFM images
SAE Magnetics(HK)Ltd.
2012-2021
東工大元素戦略拠点
文部科学省
2013
微細下部組織を有する耐水素脆化・超高強度オーステナイト鋼の創製
科学技術振興機構
2013
シリセン及びジャーマニンの構造と電子状態
村田学術振興財団
2013-2014
金属組織顕微法とデジタル画像相間法を組み合わせた複相鋼の局所歪分布解析
日本鉄鋼協会 鉄鋼助成
2013-2014
磁性金属におけるハイブリッド密度汎関数理論の新展開
科学研究費補助金 新学術領域研究
2013-2014
熱電変換素子活用海水淡水化技術に関する研究
2013-2015
接合界面反応に関する研究
三菱マテリアル株式会社
2013-2015
All in-situ pulsed laser deposition of oxypnictide superconductors and investigation of their electronic
properties
ドイツ研究振興協会
2013-2015
マルチフェロイク超薄膜ヘテロ構造における電荷 / 歪誘起電気 - 磁気交差相関の解明
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
2013-2015
α+θ二相鋼における延性破壊挙動の研究
新日鐵住金株式会社
2013-2015
銀表面を用いたシリセン膜の作製と 2 次元電子構造の研究
東レ科学技術研究助成
2013-2015
酸化物半導体および絶縁体積層構造を用いた表面仕事関数制御
科学研究費補助金 基盤研究(B)
2013-2015
物理的な意味を持つ超球近似による結晶性ナノ粒子の形状解析
科学研究費補助金 基盤研究(C)
2013-2016
鉄系超伝導体の高品質薄膜成長機構の解明と高性能化技術の創製
科学研究費補助金 若手研究(A)
2013-2017
A02(カ)原子層制御による新しい材料機能探索
科学研究費補助金 新学術領域研究
2013-2017
エレクトライドの物質科学と応用展開
科学技術振興機構
( 株 ) サ サ ク ラ、 日 揮( 株 )、( 株 )
KELK
47
材料物理科学専攻
表 8 教員の学会・関係省庁等での活躍状況
学会
関係省庁その他
International Ceramic Federation, Technical committee on ceramics and
environment, Chair
Materials Research Society, Board of Directors
Transactions on Electrical and Electronic Materials, Korean Institute of
Electrical and Electronic Materials Engineers, International Editors
Korea-Japan Joint Forum - Organic Materials for Electronics and Photonics
- KJF, Committee Member
Materials Science and Engineering A, Editor(2001 年 1 月~ 2011 年 12 月)
Nature Publishing Group, NPG Asia Materials, Associate Editor
International Copper Association, 研究開発事業・審査委員(2005 年 4 月~
2009 年 3 月)
The American ceramic society, W.D.Kingery Award 選考委員
M2S Conference, Bernd T.Matthias Prize 選考委員
ALEMI2014、日本開催運営 / 実行委員会 委員(2012 年 4 月~ 2015 年 3 月)
CALPHAD2016、日本開催運営 / 実行委員会 委員(2013 年~現在)
日本学術会議 日本学術会議・会員
日本鉄鋼協会 会長(2014 年 4 月~現在)
日本鉄鋼協会 副会長(2006 年 4 月~ 2008 年 3 月)
日本鉄鋼協会 学会部門長(2006 年 4 月~ 2008 年 3 月)
日本鉄鋼協会 評議員(2008 年 4 月~ 2009 年 3 月)
日本鉄鋼協会 論文誌編集委員会・副委員長(2012 年 4 月~現在)
日本鉄鋼協会 JABEE 委員会・委員長(2016 年 1 月~現在)
日本鉄鋼協会 JABEE 委員会・副委員長(2015 年 1 月~ 12 月)
日本鉄鋼協会 鉄鋼材料と合金元素・出版事業編集委員会・第 1 章主査(2011
年 4 月~ 2015 年 12 月)
日本鉄鋼協会 会報編集委員会・委員
日本鉄鋼協会 JABEE 委員会・委員(2010 年 4 月~現在)
日本金属学会 会長(2009 年 4 月~ 2010 年 3 月)
日本金属学会 理事(2004 年 4 月~ 2006 年 3 月)
日本金属学会 理事(2009 年 4 月~ 2011 年 3 月)
日本金属学会 分科会運営委員会・委員長(2005 年 4 月~ 2006 年 3 月)
日本金属学会 分科会委員会・第 1 分科・幹事(2011 年 8 月~現在)
日本金属学会 欧文誌編集委員会・幹事(2006 年 4 月~ 2012 年 3 月)
日本金属学会 欧文誌編集委員会・委員(2006 年 4 月~ 2012 年 3 月)
日本金属学会 会報編集委員会・委員(2000 年 4 月~ 2002 年 3 月)
日本材料科学会 評議員
日本物理学会 領域代表(2015 年 4 月~現在)
応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会・庶務幹事
応用物理学会 代議員
日本表面科学会 理事(2005 年 4 月~ 2007 年 3 月)
日本表面科学会 理事(2014 年 4 月~現在)
日本磁気学会 編集・論文委員会分野・主査(2013 年 6 月~現在)
日本磁気学会 編集・論文委員会・幹事(2013 年 6 月~現在)
日本セラミックス協会 理事(特命担当理事)
軽金属学会 編集委員会・委員
日本銅学会 論文賞推薦委員会・委員
日本熱電学会 評議員(2011 年 8 月~現在)
日本高圧力学会 評議員(2012 年 4 月~ 2014 年 3 月)
日本高圧力学会 企画幹事(2012 年 4 月~ 2014 年 3 月)
日本熱処理技術協会 学術研究委員会・幹事
日本熱処理技術協会 編集委員会・幹事(2011 年 8 月~現在)
粉体粉末冶金協会 参事(2014 年 6 月~現在)
日本衝撃波研究会 役員(2014 年 4 月~現在)
文部科学省 大学設置・学校法人審議会・工学専門委員会・主査(2012 年 4 月~ 2013 年 3 月)
文部科学省 大学設置・学校法人審議会・専門委員(2010 年 4 月~ 2013 年 3 月)
文部科学省 科学技術・政策研究所科学技術動向研究センター・専門調査員
文部科学省 科学技術・学術政策局 科学技術・学術審議会・臨時委員
文部科学省 ナノエレクトロニクス新領域ワーキンググループ・外部専門家
文部科学省 研究振興局・基礎基盤研究課・材料開発推進室・課長補佐
文部科学省 研究振興局・基礎基盤研究課・材料開発推進室・学術調査官
文部科学省 研究振興局・科学技術・学術審議会・専門委員(2011 年 4 月~現在)
文部科学省 HPCI 戦略プログラム ・分野 2 作業部会・委員(2011 年 2 月~現在)
文部科学省 元素戦略運営統括会議・専門委員(2012 年 12 月~現在)
文部科学省 科学技術政策研究所・専門調査委員
文部科学省 ナノテクノロジー推進専門官
内閣府 ナノテクノロジー材料合同検討会・委員 経済産業省 研究開発事業・事前評価委員(2004 年 4 月~ 2009 年 3 月)
経済産業省 関東経済産業局・技術顧問(2005 年 4 月~ 2009 年 3 月)
防衛省 技術研究本部 外部評価委員会・委員(2011 年 4 月~ 2013 年 3 月)
中小企業基盤整備機構 研究開発事業・審査委員(2000 年 4 月~ 2009 年 3 月)
日本学術振興会 特別研究員等審査会・委員(2013 年 7 月~ 2015 年 6 月)
日本学術振興会 世界トップレベル研究拠点プログラム委員会・拠点作業部会(WPI)・委
員
日本学術振興会 科学研究費委員会・専門委員
日本学術振興会 第 123 委員会・企画委員会・議長
日本学術振興会 第 166 委員会・幹事
日本学術振興会 第 172 委員会・運営委員
科学技術振興機構 産学共創基礎基盤研究・プログラムオフィサー(2010 年 11 月~現在)
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけ)「新物質科学と元素戦
略」研究総括
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(ACCEL)に係るプログラムマネージャー
科学技術振興機構 「元素戦略を基軸とする物質・材料の改革的機能の創出」領域アドバ
イザー
新エネルギー・産業技術総合開発機構 先導的産業技術創出事業・事後評価委員
宇宙航空研究開発機構 スペースプラズマ専門委員会・委員
日本技術者教育認定機構 審査方式研修部会・委員長(2015 年 4 月~現在)
日本技術者教育認定機構 基準委員会・委員(2011 年 4 月~現在)
日本技術者教育認定機構 基準総合調整委員会・委員(2011 年 4 月~現在)
日本技術者教育認定機構 審査方式研修部会・委員(2011 年 4 月~現在)
日本技術者教育認定機構 日本鉄鋼協会・審査委員(2004 年 4 月~現在)
(公社)商事法務研究会 法科大学院適性試験実施委員会・委員(2007 年 4 月~現在)
東京工業大学 製造中核人材育成講座・金属熱処理スーパーマイスタープログラム・実施
委員会・委員(2006 年 4 月~現在)
東北大学 金属材料研究所附属金属ガラス総合研究センター共同利用委員会・委員(兼採
択専門委員会・委員)
(2011 年 4 月~ 2015 年 3 月)
北海道大学 電子科学研究所・客員教授
名古屋工業大学 特別招聘教授
国立高等専門学校機構 外部評価委員(2002 年 4 月~ 2006 年 3 月)
物質・材料研究機構 STAM 編集委員会・委員
物質・材料研究機構 ナノテクノロジー・材料分野戦略検討チーム・委員
Spring-8 ユーザ共同体 評議員
京都ナノテククラスター評価委員会 委員
ミレニアム・サイエンス・フォーラム サー・マーティン・ウッド賞選考委員
住友財団 基礎科学助成・選考委員
日本板硝子材料工学助成会 選考委員
表 9 教員の受賞・褒章
2005 年
文部科学大臣表彰(科学技術賞研究部門)
文部科学大臣表彰(若手科学者賞)
J. Ceram. Soc. Jpn. 、優秀論文賞
薄膜材料デバイス研究会 ベストペーパーアワード
第 76 回・服部報公賞
第 19 回・独創性を拓・先端技術大賞 企業・産学部門・特別賞
2006 年
本多フロンティア賞
2007 年
The Iron and Steel Institute of Japan, International Symposium on Ultrafine Grained
Steels 2007,Best Poster Award
日本鉄鋼協会 年間最優秀論文賞(澤村論文賞)
日本金属学会 論文賞
J. Physical Society Japan, Papers of Editor's Choice
東工大挑戦的研究賞
2008 年
日本金属学会 功績賞
日本金属学会 論文賞
The Japan Society for Heat Treatment(JSHT)for The International Federation for
Heat Treatment and Surface Engineering(IFHTSE),17th IFHTSE Congress
2008,The Poster Award
日本鉄鋼協会 研究奨励賞
J. Physical Society Japan, Papers of Editor's Choice
E-MRS Fall Meeting,The Best Poster Award
応用物理学会 フェロー表彰
2009 年
2010 年
48
紫綬褒章
Award for Superconductivity
第 50 回・藤原賞
応用物理学会 第 31 回・優秀論文賞
日本金属学会 谷川・ハリス賞
日本金属学会 功績賞
JJAP 論文賞
The Best Poster Award of 6th International Symposium on Transparent Oxide
Thin Films for Electronics and Optics
Special Recognition Award,SID
第 13 回超伝導科学技術賞
東工大教育賞最優秀賞
文部科学大臣賞(工学教育賞)
日本表面科学会 会誌賞
J. Physical Society Japan、注目論文賞
東京工業大学 手島精一記念研究賞(発明賞)
銅及び銅合金技術研究会 功労賞
応用物理学会 第 31 回・論文賞
2011 年
日本金属学会 まてりあ啓発・教育賞
朝日新聞文化財団 2010 年度・朝日賞
応用物理学会 業績賞
日本物理学会 第 16 回・論文賞
Journal of Non-Crystalline Solids,The Most Cited Paper Award
国際情報ディスプレイ学会,Society for Information Display(SID)
,Jan Rajchman
Prize 2012 年
World Academy of Ceramics,Academician
平成 24 年度科学研究費補助金審査員表彰
仁科記念財団 2012 年度・仁科記念賞
Science and Technology of Advanced Materials、最優秀論文賞
Journal of Non-Crystalline Solids,The Most Cited Paper Award
日本化学会 第 65 回・日本化学会賞
日本物理学会 第 18 回・論文賞
応用物理学会 第 35 回(2013 年秋季)
・講演奨励賞
東工大挑戦的研究賞 第 16 回超伝導科学技術賞
2013 年
日本金属学会 奨励賞
日本金属学会 第 59 回・本多記念講演
Mott Lecture,
The 25th International Conference on Amorphous and Nano-crystalline
Semiconductors(ICANS)
本多記念会 第 54 回本多記念賞
日本物理学会 第 18 回・論文賞
物質・材料研究機構 2013 年度 NIMS 賞
応用物理学会 第 35 回・解説論文賞
日本工学教育協会 工学教育賞
トムソン・ロイター社 トムソン・ロイター引用栄誉賞
日経 BP 社 日本イノベーター大賞(優秀賞)
大和日英基金 大和エイドリアン賞(Daiwa Adrian Prize 2013)
文部科学大臣表彰 若手科学者賞(科学技術分野)
2014 年
第 11 回国際フェライト会議 ICF11 New Product & Novel Technology Award 受賞
HPCI 利用研究課題優秀成果賞(hp120086)
The Minerals, Metals & Materials Society,JIM/TMS Young Leader International
Scholar
日本鉄鋼協会 澤村論文賞
トムソン・ロイター社 トムソン・ロイター引用栄誉賞
米国物理学会 James C. McGrobby Prize for New Materials
科学技術振興機構 第 2 回・知的財産特別貢献賞
日本学士院 恩賜賞・日本学士院賞
日本金属学会 論文賞
2015 年
文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)
東工大挑戦的研究賞(凝縮系科学賞)
第 40 回 井上春成賞
米国物理学会 James C. McGrobby Prize for New Materials
環境理工学創造専攻
1.専攻の概要
1)教育・研究の目標
良好な環境を保全し次世代に引き継ぐことは現代
を生きる私達の責務である。そのためには環境に過
度の負担をかけず、かつ人間にとって快適な環境調
和型社会を創造していかなければならない。このよ
うな社会の創造のため、環境に関連する様々な分野
を包含する新しい学問体系の確立と、環境への深い
洞察力や具体的な環境政策の立案実施能力を併せ持
図1 環境理工学創造専攻の教育研究分野
った総合的環境専門家の育成が求められている。
このような必要性のもと、本専攻では、国内外で
顕在化している環境問題を解決するための科学技術
環境、環境政策・計画の 3 分野で構成される。
の発展およびそれに立脚した政策展開による持続可
協力講座では、次の 6 分野の教育・研究を行って
能な社会の実現に資することを基本方針として、国
いる。環境エネルギー工学、建築材料工学、環境構
内外の様々な地域を対象に実践的な研究活動を行っ
造工学、環境安全工学、環境化学システムならびに
ている。また、これらの研究活動を通じて、環境問
環境国際協力である。連携講座は、基幹講座の教員
題解決のための深い洞察力と具体的な環境政策立案
と共同して、環境計測技術、環境データプロセス、
能力を併せ持ち、国際社会をリードする総合的環境
環境創造計画の 3 分野の研究を行っている。2015
専門家の育成を行ってきている。
年度における講座・分野別の教員構成と専門分野を
表 1 に示す。
2)教育・研究分野
本専攻は、基幹講座、協力講座、連携講座の 3 つ
3)専攻の沿革と歴史
から構成されている。このうち、中心となる基幹講
環境理工学創造専攻は、前身である環境物理工学
座は、自然環境講座と社会環境講座の 2 講座からな
専攻を発展的に改組して 1998 年に創られた専攻で、
り、理学・工学 ・ 社会科学を基礎として多様な専門
それまでの物理を主体とした分野に加えて化学、地
分野を持つ教員が共同しながら総合的環境専門家育
学、農学、社会科学等の要素を含む横断的分野の教
成のための教育研究活動を行っている。これに、協
員により構成され、環境計画・保全・管理に関わる
力講座、連携講座の多様な教員が連携することによ
創造的・先駆的教育研究を実施してきた。特に、フ
り、幅広い専門領域をカバーしている(図 1)
。
ィールドワークなどによる実環境を対象とした問題
自然環境講座と社会環境講座は、次の 7 分野の教
発見型の教育研究を重視し、将来の環境施策を理工
育・研究に重点を置いている。自然環境に関しては、
学の立場からリードする総合的環境専門家の育成を
水理水文探査、地盤環境探査、大気輸送解析、物質
目指してきている。過去 10 年間における教授、准
循環解析の 4 分野の教育・研究を行っている。また、
教授、講師の異動状況は表 2 の通りである。
社会環境に関しては、都市圏地表環境、都市圏大気
49
環境理工学創造専攻
表 1 環境理工学創造専攻教員およびその研究分野一覧
基幹講座
分 野
自然環境講座
職 名
氏 名
研 究 分 野
教授
吉 川 邦 夫
低環境負荷廃棄物燃焼・資源化、高効率エネルギー変換、大気環境工学
教授
石 川 忠 晴
環境水理学、湖沼・河川の流れと環境、気水域の成層流と環境、流域環境の評価と計画
准教授
中 村 恭 志
数値環境水理学、コンピュータシミュレーションによる湖沼・河川の流れと環境現象の把握、
高精度シミュレーションモデルの開発
教授
山 中 浩 明
地盤探査工学、工学地震学、地盤振動、地震工学、弾性波動シミュレーション
准教授
豊 田 栄
環境地球化学、環境物質循環解析、微量成分の分析化学
大気輸送解析
教授
田 村 哲 郎
環境乱流力学、大気拡散即時予測と避難誘導、台風・突風リスクアセス、都市乱流モデリン
グ、構造物空力制御・制振、再生可能エネルギー適合評価
物質循環解析
准教授
高 橋 史 武
付加価値創造型の廃棄物リサイクル、リスク評価、廃棄物リサイクルの社会心理学、超臨界
流体化学
教授
木 内 豪
水文学、流域・都市の水・物質循環と環境管理、アジアの流域水管理、氷河後退と水資源評
価、環境中の汚染物質輸送
准教授
浅 輪 貴 史
都市・建築環境工学、ヒートアイランド、熱環境シミュレーション、都市緑化、住環境評価、
環境のリモートセンシング
教授
村 山 武 彦
環境政策・計画、リスク評価と管理、環境・リスクコミュニケーション、環境アセスメント、
政策対話、社会的意思決定
准教授
錦 澤 滋 雄
環境アセスメント、市民参加、合意形成、参加型会議の設計と運用
准教授
時 松 宏 治
エネルギー技術、資源需給、環境影響、経済評価、持続可能な発展
水理水文探査
地盤環境探査
都市圏地表環境
都市圏大気環境
環境政策・計画
協力講座
分 野
職 名
氏 名
研 究 分 野
教授
竹 下 健 二 環境化学工学、リサイクル工学、廃棄物工学、原子燃料サイクル工学
教授
加 藤 之 貴
高効率エネルギー変換貯蔵、ケミカルヒートポンプ、炭素循環型エネルギーシステム、水素
エネルギー、エネルギー有効利用システム
環境材料工学(建
築物理研究セン
ター)
教授
山 田 哲
鋼構造建築、耐震工学、免震・制振構造、構造実験、動的解析
准教授
吉 敷 祥 一
耐震技術の高度化、既存建築物への効果的な耐震補強技術の開発と普及、被災した建築物の
損傷評価と早期復旧技術の開発
環境構造工学(建
築物理研究セン
ター)
教授
河 野 進
コンクリート系構造物の耐震設計
准教授
篠 原 保 二
建築構造材料、コンクリートのひび割れ挙動と構造性能
准教授
寒 野 善 博
構造最適化、数理設計、計算固体力学
教授
上 田 宏
生物化学工学、蛋白質工学、抗体工学、細胞工学、環境分析化学、発光生物学、バイオセンサー
准教授
関 宏 也
化学プロセスシステム工学、プロセス制御
准教授
佐 藤 由利子
政策評価、国際協力、地域開発、留学生政策
環境エネルギー
工 学( 原 子 炉 工
学研究所)
環境安全工学(建
築物理研究セン
ター)
環境化学システ
ム( 資 源 化 学 研
究所)
環境国際協力
( 留 学 生 セ ン
ター)
連携講座
分 野
環境計測技術
環境データプロ
セス
環境創造計画
50
職 名
氏 名
研 究 分 野
連携教授
加 茂 徹
リサイクル工学、反応工学、環境工学、資源循環の最適化
連携教授
永 代 成日出
食料生産と環境問題、自然環境の劣化による農村の貧困
連携准教授
喜々津 仁 密
耐風工学、建築防災
連携教授
海江田 秀 志
地熱工学、物理探査学、微小地震学、地球物理学
連携教授
青 柳 みどり
リスク社会学、環境社会学、メディアとリスク、社会調査法
連携准教授
梶 谷 史 朗
化学工学、反応工学、石炭・バイオマスガス化
連携教授
井 上 徹 教
沿岸域水環境、水圏環境工学
連携准教授
小 林 秀 樹
リモートセンシング、農業気象学
環境理工学創造専攻
表 2 過去 10 年間における専攻教員の変遷
H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
基
幹
講
座
協
力
講
座
連
携
講
座
渡邊眞紀子
衣笠善博
原科幸彦
梅干野晁
石川忠晴
吉川邦夫
田村哲郎
吉田尚弘
山中浩明
村山武彦
木内豪
中村恭志
浅輪貴史
錦澤滋雄
豊田栄
高橋史武
時松宏治
木庭啓介
竹見哲也
村上暁信
波岡知昭
田中享二
和田章
林静雄
安部武雄
篠原保二
山田哲
坂田弘安
河野進
吉敷祥一
寒野善博
吉澤善男
竹下健二
加藤之貴
小栗慶之
仲勇治
上田宏
関宏也
佐藤由利子
渡邉修一
佐藤幹夫
道岡武信
中山恵介
井上大榮
村田智吉
大迫政浩
西澤繁毅
岡田知也
野尻幸宏
伊藤茂男
吉田充夫
喜々津仁密
井上徹教
海江田秀志
日向博文
小林秀樹
梶谷史朗
加茂徹
青柳みどり
永代成日出
(連携教授)
ける能力や他分野の専門家と協同して課題を総合的
に議論して解決するコミュニケーション能力、国際
的視野を持って活躍できる能力、日本語及び英語に
よる論理的プレゼンテーション能力を養うことを学
習目標としている。
博士課程ではこれに加えて、より高度な専門学力
や幅広い専門知識、高い視点から新たな課題解決と
創造的提案を行う能力、国際社会でリーダーシップ
を発揮する能力、論理的に討論をリードする能力醸
成を目標としている。
このような理念・目標を達成するため、2012 年
度にはカリキュラムの大幅な刷新を行なった。2012
年度からは、それまでの環境学に関連する必修科目
や専任教員による専門科目、外部講師や連携教員に
よる講義を継続あるいは充実させるとともに、環境
事象に関する理工系の基礎学力を習得する「環境応
用数学」
、
「環境応用科学」や国内外の環境問題を主
体的に調査してグループ討論と英語発表を行う「社
会環境コミュニケーション」
、海外の大学・研究機
関等で環境問題を学び、研究・フィールドワークを
行う「国際環境事例研究」などの特色ある科目を新
設した。あわせて、専任教員による講義のほとんど
を英語で実施するとともに、修士研究の中間発表や
最終発表を英語で行うようにした。また、
「国際環
境事例研究」等による海外経験が通常授業の履修の
凡例
教授
准教授
講師
教授(併任)
着任時期
妨げにならないよう、多くの科目でクォーター制を
導入して、学生の履修計画における自由度を高めた。
以上のような取り組みの結果、環境学の基礎から各
専門分野までを習得するとともに実環境を対象とし
2.教育の特色
1)カリキュラム
た問題発見・解決型の研究・学習の実施を可能とす
る充実したカリキュラム構成が実現している。
また、カリキュラム変更に合わせる形で、入試問
本専攻では「環境問題解決のための深い洞察力と
題も 2012 年度に大幅な変更を行っている。それま
具体的な環境政策立案能力を併せ持ち、国際社会で
では各専門分野の基礎学力の評価に重きを置いた入
活躍できる総合的環境専門家、高度技術者および環
試問題であったものを、文系を含む多様な学問分野
境分野の先端的研究者の養成」を教育研究の理念に
を学んできた学生や海外からの留学生が専門の枠を
掲げている。
越えて受験できるように見直し、あわせて、従来同
修士課程においては、各自の専門分野における実
様に他専攻の専門分野での受験も可能とした。
環境問題の本質を理解する専門学力に加え、他分野
なお、学部段階からの環境教育も重要であること
の専門学力を自ら修得して環境問題の解決に結びつ
から、学部の共通科目等を積極的に担当しており、
51
環境理工学創造専攻
「環境計画と社会システム」
「宇宙地球科学 Ab」
、
「宇
、
の運用とその効果 / Distribution of Nitrous Oxide in the
宙地球科学 Bc」
、
「環境安全論」を本専攻の複数教
Easter n Subtropical Nor th Pacific Ocean and its
員が中心となって担当しているほか、学科の兼担教
員として学部教育に携わっているケースもある。
Production-consumption Mechanisms Elucidated by
Isotopomer Analysis/ Carbonization-Activation of Sewage
Sludge for Production High Quality Gas and Sludge Char/
過大入力下の動的挙動の統計的考察に基づく免震構造物の
2)テーマ一覧
平成 24 ~ 26 年度の 3 年間で取得された博士後期
【平成 25 年度】ダイレクトゲインシステムを導入した住
課程のテーマ(学位論文題目)は以下の 45 件に上る
宅における建築内外の熱環境予測に関する研究 / モンゴル
(21 条、
22 条適用及び論文博士のテーマ 6 件を含む)
。
【 平 成 24 年 度 】Exploration of S-wave Velocity of
都市開発事業における市民参加の改善 / The unsteady flow
field induced by tidal action and its effect on
sedimentation in the Yangtze Estuarine Channel / 中国遼
Sedimentary Layers with Application to Seismic
寧省双台河口湿地の灌漑葦原における水分鉛直移動特性に
M i c ro z o n a t i o n i n M e t ro M a n i l a , t h e P h i l i p p i n e s /
関する研究 /Clumped-isotopes thermometry of natural
Chlorine Removal and Evaluation of Solid Fuel
carbonate: application to high temporal resolution of
Produced from Municipal Solid Waste by Hydrothermal
biogenic and pedogenic carbonates/ Isotopomer analysis
Treatment for Co-firing with Coal/ 水エマルジョン燃料の
産業用ボイラへの応用における省エネルギー効果及び燃焼
汚 染 物 質 削 減 効 果 に 関 す る 研 究 / Recovery of useful
of production, consumption and soil-to- atmosphere
emission processes of N2O in Japanese upland and
paddy fields/ Enhancing Biodegradability of
resources from e-waste by stream gasification in the
Lignocellulosic Residues for Organic Fertilizer Production
presence of eutectic carbonates/ A Basic Study on One-
through Hydrothermal Treatment/ 半屋外の膜構造建築空間
Dimensional Modeling of Lateral Stream Shift in a
に 形 成 さ れ る 光・ 熱 環 境 の 予 測・ 評 価 手 法 の 構 築 /
Meandering Channel/ Analysis of the stratospheric sulfur
Enhancement of Biodiesel Production Reaction with Static
cycle using stable isotopes, experiment and modeling/
Mixer/ 軸方向と水平 2 方向の複合荷重を受ける角形鋼管
Numerical Modeling of Hydrodynamics and Transport
柱の繰り返し劣化挙動 / Cracking Behavior and Bond
Phenomena in Tone River Estuary by Using Three-
Splitting Degradation of Corroded Reinforced Concrete
dimensional CIP-SOROBAN Model/ Characteristics and
Members/ Numerical Simulation of Horizontal Large
Combustion Performance of Solid Fuel Produced from
Vortices and their Effect on Suspended Sediment
Mechanically Separated Korean Municipal Solid Waste
Transport in Shallow Water Flow with Riparian Vegetation/
R e s i d u e E m p l o y i n g H y d ro t h e r m a l Tre a t m e n t / A n
航空機 LiDAR を用いた樹木の三次元情報の計量化と都市
Investigation on Co-combustion Characteristics of
熱環境評価への応用 / Development of Rapid and High-
Hydrothermally Treated Municipal Solid Waste with Coals
resolution Tsunami Simulator with Unstructured Mesh
in Different Kinds of Combustors/ Low-cost Tar Removal
System based on Finite Volume Method
System Combining Oil Scrubber and Char Adsorber for
Biomass Gasification and Power Generation Process/
Nitrogenous Compounds Behavior and Reduction during
the Thermal Conversion Processes of Industrial Biomass
Wastes with High Nitrogen Content/ Glacio-hydrological
analysis of tropical catchments in the Cordillera Real
considering inhomogeneous glacier retreat/ 都市緑化のた
めの樹木の日射遮蔽モデルに関する研究 / 強震動評価のた
めの地下構造のモデル化における地震波干渉法の応用に関
する研究 / Study for Seismic Microzoning in Damascus
City, Syria, from Strong Motion Simulation Considering
Local Site Amplification/ 開発途上国の廃棄物管理における
ハートウェアの役割に関する研究-スリランカの地方自治
体を事例として- / ラオスのダム事業における環境社会配
慮策の効果と課題 / まちづくりにおける協働推進組織の課
題対応とその改善 / 台湾環境影響評価制度における審査会
52
耐震性向上に関する研究
【平成 26 年度】CO2 Gasification of Biomass for High
Efficiency and Carbon-negative Power Generation/ Liquid
Fertilizer Production from Sewage Sludge by
Hydrothermal Treatment/ Analysis of stream temperature
and heat transport in the Tama River under strong
anthropogenic influences/ Application of the Pyrolysis Oils
to a Diesel Engine and its Performances/ 風力発電のプラ
ンニング改善に向けたゾーニング手法の提案 / Catalytic
Conversion of Tar Using Nickel Nanoparticles Embedded
in Rice Husk Char for Biomass Gasification/ Integrated
Recovery of Valuable Resource and Fuel Oil from E-wastes
by Catalytic Pyrolysis and CO2 Gasification Process/
Effect of Catalytic Reforming on Pyrolytic Oil Production
from Waste Plastics/ Isotopomeric analysis on the
production and consumption processes of nitrous oxide
accumulated in and emitted from Japanese tea field soil
環境理工学創造専攻
3)学生の構成
ファシリティーズ、乃村工藝社、日本交通技術
年度ごとの入学者数(修士、博士、留学生数)は
表 3 の通りである(括弧内には留学生の数を内数で
表す)。平成 22 ~ 26 年度における年間入学者の平
均は修士課程約 48 人、博士課程約 15 人で、そのう
ち留学生はそれぞれ約 27%と約 66%を占め、数も
10 年前に比べて大きく増加している。国際社会を
リードする専門家育成の方針を掲げ、留学生の積極
的な受け入れを可能とする教育研究体制を作り上げ
てきたことが数字となって表れている。
表 3 本専攻への入学者数の推移
入学年度
*
修士課程
博士課程
H22
52(13)
17(10)
H23
36(  7)
12(  8)
H24
46(  9)
16(10)
H25
59(23)
21(17)
H26
49(16)
10(  6)
41(  5)
10(  4)
H27
**
** 各年度には 4 月と 10 月の入学者が含まれる。
** H27 年度は H27.4 入学者のみを計上してある。
4)修了生の活躍状況
平成 21 ~ 26 年度の終了生等の就職分野と就職先
を以下に示す。総合的な環境専門家育成を目指した
教育研究の成果は多様な就職先となって表れている
とともに、広い意味で環境・エネルギーに関連を持
つ企業や行政、公的機関、教育・研究機関等に就職
するケースが多い。また、留学生のうち、博士課程
を修了した者は母国等で研究者の道に進む場合もあ
るが、多くが日本企業に就職している。
【大学・官公庁等】東京工大、東北大、筑波大、千葉大、滋
賀県立大、Jiangxi University of Science and Technology、
Konkuk University、Surya University、Royal Institute of
Technology Sweden、上海交通大学、国土交通省、青森県、
神奈川県、東京都、寒河江市、横浜市、相模原市、鉄道運
輸機構、電力中央研究所、鉄道総合技術研究所
【コンサルタント】東京建設コンサルタント、建設技術研
究所、日本工営、ダイヤコンサルタント、エックス都市研
究所、応用地質、玉野総合コンサルタント、野村総合研究
所、フルハシ環境総合研究所、三菱総研 DCS、シンプレ
クスコンサルティング、シアトルコンサルタンツ、東京ソ
イルリサーチ、総合整備コンサルタント、八千代エンジニ
アリング、日揮プラントソリューション、パスコ、NTT
【メディア・情報通信・ソフトウェア】NHK、講談社サ
イエンティフィック、NTT 東日本、日本ユニシス、日立
ソリューションズ、横河医療ソリューションズ、富士通エ
フ・アイ・ピー・システムズ、テプコシステムズ、グロー
リー、楽天、日立システムズ、エルテックス、ITS
【金融・保険・商社】日本郵便、みずほ銀行、三井住友銀
行、三菱 UFJ 信託銀行、りそなホールディングス、新生
銀行、明治安田生命、日本生命、三菱商事
【電気・ガス・運輸】電源開発、NEXCO 中日本、NEXCO
西日本、JR 東日本、大阪ガス、関西電力、中部電力、東
京電力、東北電力、北陸電力、山九
【建設・設計・不動産】鹿島建設、清水建設、大成建設、
竹中工務店、大林組、東急建設、戸田建設、熊谷組、五洋
建設、千代田化工建設、JFE シビル、長谷工コーポレーシ
ョン、大和ハウス工業、日本住宅、鈴与建設、江間忠ホー
ルディングス、金箱構造設計事務所、構造計画プラスワン、
佐藤淳構造設計事務所、東電設計、YKK、三協立山、リク
シル、AZBIL、ニトリホールディングス
【プラント・資源・エネルギー】JFE エンジニアリング、
明電舎、栗田工業、ダイキン工業、東芝プラントシステム、
東洋エンジニアリング、住友金属エンジニアリング、日立
プラントテクノロジー、昭和シェル石油、石油資源開発、
住鉱資源開発、DOWA ホールディングス、中外炉工業、
環境エンジニアリング、東京計装、ウェットマスター、千
代田システムテクノロジーズ、自然電力、共立
【化学・材料】 太平洋セメント、AGC ポリマー建材、ア
サヒ飲料、資生堂、積水化成品工業、帝人、東ソー、三菱
化学メディエンス、三菱ガス化学、三菱重工環境・化学エ
ンジニアリング、三菱レーヨン、中外製薬、ヤクルト、ヤ
マト、アスクレップ
【鉄鋼・機械・電機】トヨタ自動車、いすず自動車、三菱
重工業、石川島播磨重工、荏原製作所、日立造船、三井造
船、日立建機、住友重機械工業、東京鉄鋼、三菱電機、パ
ナソニック、東芝、日立製作所、富士通、ヒューレットパ
ッカード、コニカミノルタ、ROKI、マーレフィルターシ
ステムズ、マイクロ・テック、日立オートモティブシステ
ムズ、理研計器
3.研究活動と成果
1)重点研究分野
環境に関わる研究分野は非常に幅広いが、本専攻
では特に、環境計画・政策、都市環境、水環境、エ
ネルギー・物質循環といった分野とこれらに関連す
る学際分野に重点を置いた様々な研究を実施してい
る(表 1)
。基幹講座において取り組んでいる主な
研究テーマとしては以下が挙げられる。
53
環境理工学創造専攻
【環境計画・政策分野】環境リスクの評価と社会的
表 4 外部資金の獲得状況
予算種別
管理、リスクコミュニケーションと政策対話、環境
と住民認知、環境アセスメント制度の設計、市民参
加型社会を支える会議手法と合意形成方法論の開
発、環境影響の経済評価、持続可能な発展指標
【都市環境分野】地盤の可視化技術、強震観測デー
タ分析、波動伝播シミュレーション、粗面境界層流
れの研究、都市域地表形態を再現した風系推計モデ
ルの構築、危険物質の大気拡散解析、自然のポテン
補助金
科学研究費
アセスメントと合意形成、風力発電施設の環境影響
基盤(S/A/B/C)
H22
H23
H24
H25
H26
7
6
12
11
9
挑戦的萌芽
0
1
3
4
5
若手(A/B)
0
1
3
3
1
新学術領域
0
0
0
1
1
1
1
2
3
0
その他の競争的資金
その他
5
3
6
4
4
共 同 研 究
4
2
7
8
7
受 託 研 究
7
8
12
8
9
寄 附 金
10
11
10
11
15
合 計
34
33
55
53
51
シャルを生かした快適な住環境の創造と評価、都市
と建築の環境設計ツール開発、都市と地域の環境リ
モートセンシング
平成 22 ~ 26 年度に基幹講座在職の教員が研究代
表として実施した外部資金による研究のうち、科研
【水環境分野】河川の蛇行形成や河道内水理現象の
費補助金による研究は基盤 A 1 件、基盤 B 7 件、基
モデリング、密集市街地の津波伝播シミュレーショ
盤 C 6 件、新学術領域 1 件、挑戦的萌芽 4 件、若手
ン、湖沼の水理環境と生態影響、河川汽水域塩水層
B 2 件、若手 A 2 件となっており、以下の課題に取
流動シミュレーション、湖沼熱流動シミュレーショ
り組んできた。
ン、水環境の大規模シミュレーション、流域の水循
環・土砂輸送・汚濁物質流出の実態解明とモデリン
グ、気候変動や土地利用変化の水循環・水環境への
影響予測
【エネルギー・物質循環分野】廃棄物やバイオマス
を用いた固体燃料・ガス燃料製造と発電、廃プラス
チックや電子廃棄物を用いた液体燃料製造、無害化
と高付加価値化を実現する廃棄物リサイクル技術、
廃棄物の処理・処分やリサイクルにおける環境リス
ク評価、リサイクルにおける社会心理学的研究、エ
ネルギー技術の経済性評価、エネルギー・マテリア
ル資源のシステム分析、微量物質の濃度・安定同位
体比の分析法、フィールド観測に基づく物質循環解
析、模擬実験による反応機構解析
2)外部資金の取得
本専攻における外部資金の獲得状況は表 4 に示す
とおりである。教員の定年や転出入による教員数の
変動の影響を受けて外部資金の獲得件数にもばらつ
きがあるが、近年は件数にして年間 50 を超える研
究資金の獲得を行っている。
【科研費による研究テーマ】水蒸気加熱技術を用いた微細
藻類からのバイオディーゼルと高付加価値物質の共生成、
エマルジョン混合によるバイオディーゼル生成反応の促進
に関する研究、準三次元計算と航空写真解析の併用による
河道計画手法の高度化に関する研究、河川感潮域における
出水時と平常時の遷移過程に関する研究、波形逆解析によ
る表層地盤の不均質性の同定方法の開発、地震波干渉法に
よる堆積平野の 3 次元 S 波速度構造モデルのバリデーシ
ョン、全球水素循環解明のための水素の発生・消滅過程の
安定同位体比解析および大気観測、微量一酸化窒素の安定
同位体比測定による生成・消滅過程の解明、遠隔観測・
LES に基づく耐風設計用鉛直風速分布の再評価と乱れの不
確定性の定量化、都市域建物を対象とした CFD に基づく
耐風設計のイノベーション、焼却飛灰の鉱物学的重金属不
溶化と早期土壌還元を実現するジオモディフィケーショ
ン、静電的防食を可能とする帯電化セメント系微粒子の開
発と帯電化メカニズムの解明、生体的鉱物学的反応を利用
したスラグ系廃棄物の付加価値発現型循環資源化、粒径分
布に着目した土壌流出現象の実験的検討と物理モデルの開
発、河川環境と生態系保全のための水文学的水温管理手法
の研究、ユビキタス・センサネットワークによる都市熱環
境の高密度モニタリング手法の開発、三次元レーザースキ
ャナを用いた都市空間における対流熱伝達率分布の可視化
手法の開発、非常時における化学物質の流出に伴う環境リ
スクのコミュニケーションツールの開発、化学物質による
環境リスクの対話型地域コミュニケーションシステムの開
発、風力発電施設の立地選定における戦略的環境アセスメ
ントの方法論、地域の環境計画づくりの参加における学習
プロセスの構築他
54
環境理工学創造専攻
研究成果は査読付き論文や国際会議で発表された
り、知的財産権(特許)となって公開されている。
平成 22 ~ 26 年度の間の年平均で見てみると、基幹
4.社会貢献
1)学会活動
講座・協力講座の専任教員による学術誌掲載論文数
各教員は関連分野の学会でも様々な活動に貢献し
は約 90 編(5.8 編 / 人 / 年)
、国際会議論文数が約
ている。教員によっては主要学会の会長、副会長、
80 編(5.1 編 / 人 / 年)
、国内会議論文数が約 134 編
理事、評議員などの役員を務めている。また、多く
(8.8 編 / 人 / 年)となっており、積極的な研究発表
の教員が各学会の各種委員会の委員長等を務めてい
を行っている。また、同期間の書籍出版数は年平均
で約 5 編、各種研究・調査報告書数は年平均 8 編を
る。
平成 18 年度以降で本専攻の教員が要職を務めた
超えている。本専攻の研究分野の性格上、必ずしも
学会等と役職名は下記のとおりである。
知的財産権の出願と直結しない研究も多いが、上記
主な学会役職: 国際影響評価学会(IAIA)会長、日本計
期間の知的財産権の出願総数は 9 件、取得総数は 8
画行政学会会長、日本ヒートライランド学会会長、日本赤
件となっている。
外線学会会長、環境アセスメント学会副会長、日本不動産
学会副会長、物理探査学会副会長、日本地震工学会理事、
ダム工学会理事、日本評価学会理事、日本リモートセンシ
3)受賞等
ング学会評議員、日本建築学会代議員、日本風工学会代議
平成 22 年度から現在までの基幹講座と協力講座
の専任教員および指導学生等の受賞件数は表 5 に示
すとおりとなっている。
員、日本地球化学会評議員、日本生化学会評議員、日本鉄
鋼協会代議員、日本学術会議連携会員
2)公的機関委員および社会貢献
各教員は多様な分野において公的機関の委員会や
表 5 最近の教員及び学生の受賞件数
H22
H23
H24
H25
H26
審議会のメンバーとなって貢献している。以下は本
教員
5
3
7
3
6
専攻の専任教員による社会貢献活動の一部である。
学生
6
6
9
11
8
【国際分野】国際地震研修・普及会議委員(26-)、国際地
震工学研修カリキュラム委員会委員(11-27)、JICA 環境
社会配慮の遵守に関する異議申立・審査役、JETRO 環境
また、平成 18 年度以降における専任教員による
主な受賞例を以下に示す。なお、同一の受賞が複数
回あるものも一つとして表記している。
主な受賞:文部科学大臣表彰・科学技術賞、環境科学会賞、
社会配慮諮問委員会・委員長 他
【国内・政府】人事院・試験専門委員、総務省緑の分権改
革推進事業(22)
、環境省化学物質と安全円卓会議・共同
座長、環境省環境影響評価制度総合研究会・委員、環境省・
洋上風力発電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に
、環境省・風力発電等に係る地
関する検討会委員(27-)
国際協力機構 JICA 理事長賞、河川環境管理財団理事長賞、
域主導型の戦略的適地抽出手法の構築モデル事業に係る審
経済産業省グッドデザイン賞(金賞)、日本建築学会論文
、
国交省社会資本整備審議会専門委員、
査委員会委員(26-)
賞、日本リモートセンシング学会論文賞、日本リモート
国交省小川原湖水環境検討委員会委員長(22-27)、国交
センシング学会功績賞、日本ヒートアイランド学会論文
省関東地方河川技術懇談会委員(22-27)、国交省東北地
賞、日本免震構造協会技術賞、風工学会シンポジウム論
方河川技術懇談会委員(22-27)、国交省東北地方整備局
文賞、日本分析化学会 Analytical Sciences 注目論文賞、
釜房ダムにおける水質保全対策検討会委員(22-27)、国
長瀬研究振興賞、留学生教育学会優秀論文賞、東工大教
交省東北地方整備局鳴子ダム濁水対策検討会委員(24-
育賞(優秀賞)
27)、国交省国土技術総合研究所技術提案評価審査会委員
(22-27)、国交省関東地方整備局リバーカウンセリング委
員(22-27)、国交省東北地方整備局リバーカウンセリン
グ委員(22-27)、国交省関東地方整備局環境舗装委員会
委員、国交省水循環再構築に向けた影響算定手法検討に関
する懇談会座長、国交省建築基準整備促進補助金事業風荷
55
環境理工学創造専攻
重・耐風設計などに関する基準の合理化に資する検討委員
が社会や行政等に還元されている。また、研究成果
会委員(21-24)、文科省学校施設の耐震化に係る技術的
や研究者のコメント等が新聞・雑誌で発表されたり
事項に関する協力者会議委員、文科省学校施設における非
構造部材の耐震対策の推進に関する調査研究会議委員、文
テレビ番組にて報道されたりしている。
科省天井落下防止対策等検討ワーキンググループ委員、文
科省「学校施設の防災力強化プロジェクト」に関する企画
提案選定委員会委員、文科省留学生交流拠点整備事業選定
委員会委員(24-)、農水省土地改良施設耐震性能設定等
検討委員会委員(20-26)、経産省生物化学産業課第三者
3)国際交流実績
多くの留学生を正規課程の学生や研究生として受
け入れているほか、客員研究員、準客員研究員、準
審査委員会委員(25)、経産省国際標準化活動 ISO 技術評
客員若手研究員、海外交流学生、海外訪問学生等と
価開発委員(26-)、経産省追跡調査・追跡評価委員会委
してコンスタントに受け入れている。平成 22 年度
、強震観測事業推進連絡会議委員(23-27)、原
員(26-)
子力安全・保安院総合資源エネルギー調査会臨時委員
、地震調査研究推進本部委員会強震動評価部会委
(21-24)
以降の研究員受入数は約 30 名で短期間の学生受け
入れは 20 名程度の実績となっている。
員(24-27)、地震調査研究推進本部委員会強震動評価部
国際的な研究交流を推進する体制も大きく強化さ
会地下構造モデル検討分科会主査(23-27)、科学研究費
れてきた。2012 年にはイスタンブール工科大学と
委員会専門委員(26)、原子力規制委員会技術評価検討会
委員(26)他
【地方自治体】 神奈川県公害審査会委員(15-24)、千葉
県一宮川流域懇談会座長(24-27)、千葉県津波対策技術
の全学協定締結に本専攻教員が深く関わった。また、
本専攻による部局間協定(学術交流協定)は、2011
年に北京師範大学、2012 年には忠南大学、ペルー
部会委員(23-25)、沼津市環境審議会会長、葉山町環境
ジャ大学、チェンマイ大学、ルレオ工科大学、トリ
審議会会長、瑞穂町新庁舎建設に係るアドバイザー(27)、
ブバン大学、2013 年にはタイ科学技術研究所、ミ
大洗町水素利用まちづくり研究会座長、目黒区住宅政策審
議会委員(22-26)他
【その他・公益法人等】技術士第一次試験委員(20-24)、
(独)防災科学技術研究所学校施設における大空間建築物
の実験研究分科会委員、日本大ダム会議・ダムの入力地震
ンダナオ大学イリガン校との間で締結されている。
また、海外の大学・研究機関との共同研究や海外フ
ィールドを対象とした研究も盛んに行われるように
なり、国際的に活発な研究活動が行われてきた。
動と耐震性能評価検討 WG 委員(26)、東京大学地震研究
平成 22 年度以降の外国の大学等との共同研究実
所協議会協議員(24-27)、鉄道総合技術研究所研究開発
施数は 30 に上る。共同研究の相手国は以下のとお
レビュー委員会リサーチアドバイザー(26-27)、日本学
生支援機構日本人海外留学生数に関する調査有識者会議委
りとなっている。
員(25)
、日本学術振興会大学の国際化のためのネットワ
ーク形成推進事業プログラム委員会(グローバル 30)評
価部会専門委員(23)、日本学術振興会大学の世界展開力
強化事業プログラム(ASEAN)委員会審査部会委員(24)、
日本学術振興会大学の世界展開力強化事業プログラム
共同研究相手国:中国、台湾、フィリピン、インドネシ
ア、シンガポール、タイ、カンボジア、アメリカ、オー
ストラリア、トルコ、シリア、チュニジア、イタリア、
スイス、ドイツ、デンマーク、ペルー、ボリビア
(ASEAN)委員会評価部会専門委員(26)他
外国からの多数の受入れとともに、本専攻の正規
研究成果は論文、書籍や特許となって公表される
課程の学生が海外に留学する機会も多い。平成 22
他、技術基準等に反映される等の形で各専門分野に
年度以降では、100 名を超える学生が期間の長短の
還元されるとともに、専門家を対象とした講演、技
違いはあるものの、海外機関での研究等を経験して
術セミナーでの講演などによって成果が還元されて
いる。その多くは本専攻の海外体験科目「国際環境
いる。
事例研究」によるものとなっている。
教員は各専門分野の立場から様々な形で社会貢献
も行っている。市民を対象とした講座やセミナーで
の講演、高校・高専での特別授業、外部機関が主催
する各種研修での講義・講演といった形で研究成果
56
人間環境システム専攻
1.専攻の概要
る各種災害や危険に対する脆弱性あるいは都市居住
1)教育・研究の目標
で快適な人間環境を創造するためには、工学的アプ
者の肉体的・精神的なストレスなどを解消し、安全
人間環境システム専攻は、建築学・土木工学・社
ローチも不可欠であると考えられる。このような背
会工学から成る社会開発工学専攻を母体に、宇宙工
景のもと、当専攻においては、これら新しい人間空
学・環境心理学など新分野を加えて、さらなる学際
間の開発や既存の人間空間の再開発に際して、現状
的な研究と教育を行う専攻として平成7年に誕生し
の反省を踏まえて、従来の生産性に重点を置くので
た。
はなく、そこで活動する人間を最も尊重する安全で
「人間環境システム」とは、生産活動に重点を置
く従来型都市の弊害から開放された空間の創造を目
快適な社会環境づくりのための大学院教育と先端的
研究の実施を目的としている。
指し、人間にとって安全で快適な環境としての「人
これまで、文部科学省の 21 世紀 COE プログラム
間環境」の実現と維持を、主として工学的手法によ
国際的研究・教育拠点に本専攻を中心とした「都市
りシステマティックに追及すること、およびそのた
地震工学の展開と体系化」において、研究・教育環
めの大学院教育を行うことを目標として命名された
境の整備を進めてきたが、その後、研究成果を一般
新しい教育研究分野である。
社会に還元する段階に至っており、内閣府中央防災
このような新しい教育研究分野の必要性が痛感さ
会議や文科省地震調査研究推進本部、国土交通省や
れた背景としては、第一に、わが国の政治・経済中
警察庁、またトルコやアルメニア共和国の文化省な
枢機能の一極集中による過密化が挙げられる。この
どの各方面で社会への還元が行われている。
ような状況は、利便性という観点からは望まれるが、
そこで生活を営む人間に対する環境は著しく損なわ
れ、各種の災害や危険に対する脆弱性が危惧されて
いる。
2)教育・研究分野
本専攻では、人間のより良い生活を支える快適で
文化的な環境を創造・維持・管理するため、人間と
第二に、このような過密都市の問題の解決策とし
環境との関わりを総体的なシステムとして捉え、こ
て、超超高層建築や大深度地下・海洋・宇宙などの
れまでの学問分野を越えて新たな領域を切り拓くこ
ニューフロンティア空間の開発に対する期待も大き
とを目指して、学生と教官が一体となってハード・
い。しかしながら、例えば、ニューフロンティアに
ソフトの両面から研究に取り組んでいる。
ついての教育研究は、従来、建設工学や宇宙工学の
本専攻では、安全で快適な人間環境を創造・維持
分野で独立に進展してきており、それぞれの分野に
するための基礎理論を構築し、これを従来の都市の
応用可能な技術が存在する一方で、両者の境界に未
再開発へ応用するだけにとどまらず、宇宙空間や地
検討の課題が残されているなど、解決すべき問題も
下深部空間などのニューフロンティア空間への人間
多いのが現状である。
環境の展開にも応用することを教育・研究の目標と
第三に、現状において「人間と環境の調和」の重
している。そのため、従来の建設工学の域を超えて、
要性については広く認識されているものの、その実
宇宙工学、環境心理学、地理情報学、エネルギー学
態は人文・社会科学的アプローチによる「人間と環
などの幅広い学問分野を取り入れた学際的な教育・
境の融和」であって、世界中の都市で危惧されてい
研究体制をとっている。
57
人間環境システム専攻
人間環境システム専攻の教員と研究分野
講座名
教員
分野
教員の教育・研究分野
教授: 元結 正次郎
講座名
人間環境
(安全性評価分野)
分野
(快適性評価分野)
評価講座 (安全性評価分野)
(災害文化分野)
人間環境
評価講座
基
幹
講
基
座
幹
人間都市
計画講座
准教授:
教員那須 聖
助教:
金子 正次郎
健作
教授: 元結
准教授:
准教授:
連携教授:
助教:
中村 聖
芳樹
那須
清水
寧
金子 健作
(計画理論分野) 連携准教授;
准教授:
(感性科学分野)
助教;
教授:
室町 昌志
泰徳
添田
鈴木
美緒
屋井 鉄雄
(感性科学分野) 連携准教授;
添田 芳樹
昌志
(快適性評価分野)
准教授: 中村
教授: 清水
屋井 寧
鉄雄
(災害文化分野)
連携教授:
(計画理論分野)
(環境管理分野)
教授:
准教授:
准教授:
助教;
応用力学、空間構造
建築構造、シェル・空間構造
建築環境工学、環境心理学、視環境計画、感性工学
建築意匠、建築設計、建築計画、都市景観
建築環境工学、音環境計画
応用力学、空間構造
環境心理行動学、建築計画学、人間工学
建築環境工学、環境心理学、視環境計画、感性工学
国土・都市計画、環境交通工学
建築環境工学、音環境計画
都市計画、交通工学、国土計画
環境心理行動学、建築計画学、人間工学
交通工学、交通計画、自転車交通政策
国土・都市計画、環境交通工学
翠川 泰徳
三郎
室町
藤田
康仁
鈴木 美緒
連携教授:
村田 三郎
健一
教授: 翠川
(都市空間分野)
(環境管理分野)
連携准教授:
柳澤 康仁
潤
准教授: 藤田
計画講座
講
(都市システム分野) 連携教授:
連携教授: 村田
末松 健一
孝司
(都市空間分野)
座
教授: 柳澤
盛川 潤
仁
(知的適応
連携准教授:
ニュー
准教授:
古谷
寛
システム分野)
(都市システム分野) 連携教授: 末松 孝司
フロンティア(特殊環境設計分野)
准教授:
松岡 仁
昌志
教授: 盛川
(知的適応
(新空間居住分野)
連携准教授:
熊倉
洋介
基礎講座
ニュー
准教授: 古谷 寛
システム分野)
(特殊構造要素分野)連携准教授:
鈴木 昌志
高二朗
フロンティア(特殊環境設計分野)
准教授: 松岡
地震防災、地震工学
都市計画、交通工学、国土計画
中世歴史建築、初期キリスト教建築、都市史
交通工学、交通計画、自転車交通政策
日本建築史、文化財保存
地震防災、地震工学
人間都市
人間環境
連携准教授: 佐藤 俊明
基礎講座 (新空間居住分野)
(都市再生分野) 連携准教授: 熊倉 洋介
連携准教授: 鈴木
鈴木 高二朗
敦士
都市講座 (特殊構造要素分野)連携准教授:
人間環境
協力講座
都市講座
連携准教授:
景観工学
教授: 佐藤
笠井 俊明
和彦
(都市再生分野)
連携准教授:
鈴木
准教授: 佐藤 敦士
大樹
講座
景観工学
協力講座 年度 2005
講座
基幹講座の教員異動状況
瀬尾和大 教授
篠野志郎 教授
年度 2005
人間環境
評価講座
人間環境
評価講座
人間都市
計画講座
人間都市
計画講座
ニュー
フロンティア
基礎講座
ニュー
フロンティア
基礎講座
人間環境
都市講座
人間環境
都市講座
2006
2006
教授: 笠井 和彦
2007 2008 2009
准教授: 佐藤 大樹
2007
2008
2009
瀬尾和大
中村芳樹 教授
助教授
篠野志郎
奥山信一 教授
助教授
中村豊 教授
《連携教員》
山田常圭 教授
中村豊
教授
翠川三郎
教授
屋井鉄雄 教授
盛川仁 助教授
翠川三郎
室町泰徳 教授
助教授
屋井鉄雄 教授
盛川仁
助教授
《連携教員》
室町泰徳 助教授
《連携教員》
大町達夫
教授
元結正次郎
助教授
大野隆造
教授
古谷寛 助教授
地震工学、時系列解析
建築意匠・建築計画
宇宙構造物工学、知的適応システム、複合領域最適化
避難安全工学、交通工学
リモートセンシング、ジオインフォマティクス
地震工学、時系列解析
建築意匠、建築設計、環境設計、建築論、都市論
宇宙構造物工学、知的適応システム、複合領域最適化
海岸工学、環境水理学
リモートセンシング、ジオインフォマティクス
地理情報システム・空間情報解析・空間情報工学
建築意匠、建築設計、環境設計、建築論、都市論
エネルギー需給分析、エネルギー価格分析、エネルギー政策
海岸工学、環境水理学
地理情報システム・空間情報解析・空間情報工学
建築構造、構造設計、鋼構造、制振構造
エネルギー需給分析、エネルギー価格分析、エネルギー政策
耐震構造、制振構造、免震構造、耐風設計
2010
建築構造、構造設計、鋼構造、制振構造
2011 2012 2013 2014 2015
耐震構造、制振構造、免震構造、耐風設計
2010 2011
(教授昇任)
2012
2013
2014
清水 寧 教授
那須 聖 准教授
添田 昌志 准教授
清水 寧 教授
添田 昌志 准教授
(教授昇任)
ニューフロンティア基礎講座
(教授昇任)
平田輝満 准教授
ニューフロンティア基礎講座
末松 孝司 教授
村田 健一 教授
平田輝満
准教授
柳澤
潤 准教授
末松 孝司 教授
村田 健一 教授
柳澤 潤 准教授
(教授昇任)
(教授昇任)
人間環境評価講座
(教授昇任)
松岡 昌志 准教授
(教授昇任)
人間環境評価講座
松岡 昌志 准教授
高橋重雄 教授
2015
元結 正次郎 教授
中村 芳樹 准教授
元結那須
正次郎
教授
聖 准教授
中村 芳樹 准教授
(以降兼担)
那須 聖 准教授
元結正次郎
助教授
《連携教員》
古谷寛
伊藤洋 助教授
教授
永田豊 助教授
《連携教員》
伊藤洋 教授
永田豊 助教授
建築意匠・建築計画
中世歴史建築、初期キリスト教建築、都市史
避難安全工学、交通工学
日本建築史、文化財保存
(以降兼担)
(教授昇任)
那須 聖 准教授
中村芳樹
助教授
《連携教員》
奥山信一
山田常圭 助教授
教授
大町達夫 教授
大野隆造 教授
58
建築構造、シェル・空間構造
建築意匠、建築設計、建築計画、都市景観
教員の教育・研究分野
鈴木高二朗 准教授
佐藤 俊明 准教授
高橋重雄 教授
鈴木 敦士 准教授
鈴木高二朗 准教授
佐藤 俊明 准教授
鈴木 敦士 准教授
清水 寧 教授
添田 昌志 准教授
翠川 三郎 教授
清水鉄雄
寧 教授
屋井
教授
添田 昌志 准教授
翠川泰徳
三郎准教授
教授
室町
屋井康仁
鉄雄准教授
教授
藤田
室町
泰徳
准教授
末松
孝司
教授
藤田
康仁
准教授
村田
健一
教授
柳澤 潤 准教授
末松 孝司 教授
村田 健一 教授
柳澤
潤仁
准教授
盛川
教授
古谷 寛 准教授
教授
松岡盛川
昌志仁准教授
古谷 寛 准教授
松岡 昌志 准教授
熊倉 洋介 准教授
鈴木高二朗 准教授
熊倉
佐藤 洋介
俊明 准教授
准教授
鈴木 敦士 准教授
鈴木高二朗 准教授
佐藤 俊明 准教授
鈴木 敦士 准教授
人間環境システム専攻
2.教育の特色
1)カリキュラム
人間環境システム専攻の学習課程は、人間を重視
した豊かで潤いのある人間環境を創造・維持するこ
とに寄与する人材を育成するために下記の科目を用
意している。
視環境設計第一
視環境設計第二都市計画
建築空間維持設計特論
建築構想設計特論
都市災害管理
Basics and Applications of Stochastic Processes
知的適応システム
人間環境デザイン論
大空間構造デザイン論
宇宙環境システム特論
Advanced Analysis and Design of Structures Considering
Material Nonlinearity
都市計画
地域の計画づくりとプロセスの理論
環境交通工学
プロジェクト管理
Strong Motion Prediction
City/Transport Planning and the Environment
Environmental Hazard and Human Behavior
Passive Control of Structure against Earthquakes
構造物の動力学
Advanced Analysis and Design of Structures Considering
Geometrical & Material Nonlinearities
Earthquake and Tsunami Disaster Reduction
人間環境デザイン研究の実践
音空間設計・制御特論
建築環境設計特論
日本伝統木造建築特論
建築設計表現特論
人間環境リモートセンシング特論
快適な都市環境技術特論
安全な都市環境技術特論
人間環境システム専攻インターンシップ第一・第二
人間都市環境システム異分野特定課題研究スキル A・B
人間環境システム特別実験第一・第二・第三・第四
人間環境システム研究序説
人間環境システム講究第一~第四(修士課程)
人間環境システム講究第五~第十(博士後期課程)
創造性育成科目として、
「人間環境システム特別
実験第一」が認定されている。これは、人間環境シ
ステム専攻に相応しい製作課題を年度ごとに設定
し、斬新な発想と発想の具現化を養成するための科
目であり、修士1年生全員を対象として行われるも
のである。
学生は6つのグループに分かれ、与えられた課題
について企画段階および最終製作段階の2段階で発
表会を開催し、これを全教員が審査員となり評価を
行う。まず、第一段階では、対象環境の観察と記述、
計画条件の定義について評価する。第二段階では、
学生たちが目標とする性能や着眼点などが具現化さ
れているかどうかを評価する。各段階で最も優秀で
あると評価されたグループは表彰される。
特に、この科目では、課題に対する整合性や機能
性のみの評価ではなく、学生が制作にあたり最も重
要とする観点を提示させ、その観点からみた妥当性
を重要視している。また、制作にあたっては所定の
予算内での制作を義務付けることにより、計画性と
実践性を意識させるように工夫している。近年の課
題を以下に示す。
◦す ずかけ台キャンパスライフの紹介動画の作成
(2012、2013 年度)
◦すずかけ台キャンパス内のオープン・エア・シェ
ルターの計画(2014、2015 年度)
59
人間環境システム専攻
2)博士後期課程研究テーマ一覧
4)修了生の活躍状況(最近 5 年間)
博士後期課程在籍中の学生の研究テーマを以下に
示す(カッコ内は学年)
。
個材の不安定挙動を考慮したトラス梁要素に関する研究
(D 2)
鉄道網の地震被害推計手法の開発(D 3)
地震動特性に及ぼす地震波の散乱の影響(D 3)
時系列レーダ画像からの地盤変状の詳細把握に関する研究
(D 1)
修了者(修士課程および博士後期課程)の最近5
年間の主な就職先を以下に示す。本専攻の概要で述
べたように、建築・土木・社会工学、いわゆる建設
系のみならず、広い分野に学生が就職している。
■官公庁公社公団:国土交通省、法務省、埼玉県庁、千葉県
庁、東京都庁、立川市、名古屋市、沼津市、藤沢市、横浜市、
文京区、運輸政策研究機構運輸政策研究所、鉄道建設・運輸
施設整備支援機構
明るさ感指標を用いた照明計画に関する研究(D 2)
■教育機関:Xavier University、イスタンブール工科大学、ガ
明るさ感を向上させて省エネルギー照明システムの開発に
関する研究(D 3)
ジャマダ大学(インドネシア)、千葉大学大学院工学研究科建築・
地方都市の戸建住宅における玄関アプローチのバリアフリ
ーに関する研究(D 1)
学附属科学技術高等学校、東京理科大学理工学部建築学科、
都市科学専攻、東京工業大学、北海道科学大学、東京工業大
東工大 AES センター、東京大学(研究員 /PD)、福井大学(研
オフィスにおける「打ち合わせしやすさ」と音環境・視環
境の関係(D 1)
究員 /PD)
中期ビザンツ文化圏における内接十字型教会堂の架構形式
および地域性からみた史的展開(D 2)
NTT ファシリティーズ、
UAA 北京(Urbanization
Japan、
EOSplus、
地名を借用する街のイメージ形成の枠組に関する研究(D
2)
建築専門誌に掲載された住宅の内観写真にみられる空間の
図像性(D 3)
篠原一男の図面資料に関する研究(D 1)
航空機事故による社会影響に関する研究(D 2)
自転車シミュレータの開発と再現性検証(D 3)
地域計画の持続可能性評価に関する研究(D 3)
メトロマニラの MRT-3 の利用者福利に関する研究(D 3)
■ コン サ ル・設 計 事 務 所:Acroquest Technology、Arup
Architecture Atelier)
、梓設計、アトリエ・アンド・アイ、飯島建
築事務所、石本建築事務所、伊藤喜三郎建築設計事務所、エ
イト日本技術開発、エー・ピー・オー・一級建築士事務所、エス
テック計画研究所、織本構造設計、基礎地盤コンサルタンツ、
久米設計、構造計画研究所、サーベイリサーチセンター、佐藤
総合設計事務所、三栄建築設計、ジェイアール東日本建築設計
事務所、ジェイアール東海コンサルタンツ、ジェイアール東日
本都市開発、中央コンサルタンツ株式会社、東京海上日動リス
クコンサルティング、日建設計、日本設計、パスコ、三菱地所
設計、安井建築設計事務所、山下設計、ライトデザイン、横河
建築設計事務所、金子敦史建築計画工房、隈研吾建築都市計
宇宙太陽光発電衛星の建造に関する研究(D 3)
画事務所、建設技研インターナショナル、佐藤総合計画、三菱
3)学生の構成
内藤廣建築設計事務所、日本板硝子環境アメニティ、乃村工藝
地所設計、丹青社、地域未来研究所、鉄道総合技術研究所、
安全で快適な人間環境を創造・維持するための基
社、八千代エンジニヤリング、富士通総研、ビルディングランド
スケープ
礎理論を構築し、これを従来の都市だけでなく、宇
■建設業・不動産業:旭化成ホームズ、大林組、奥村組、小
宙空間などのニューフロンティア空間への展開にも
田急不動産、興和不動産、熊谷組、シェルター、清水建設、
応用することを目標としているため、従来の建設工
大成有楽不動産、大和ハウス工業、竹中工務店、東急不動産、
住友林業、住友林業ホームテック、積水ハウス、大成建設、
学の域を超えて、防災工学、宇宙工学、エネルギー
東京ガスリックリビング株式会社、戸田建設(株)、巴コーポレ
工学、環境心理学、地理情報学などの幅広い学問分
フジタ、平成建設、ミサワホーム、三井物産株式会社、リオ・
野を取り入れた研究体制をとり、さまざまなバック
ホールディングス、三菱地所ビルマネジメント、鹿島建設、新
グラウンドをもつ学生が入学している。
日本製鐵株式会社、千代田化工建設、東急建設、北九州家守
ーション、野村不動産、長谷工コーポレーション、ヒューリック、
舎
■その他の業種:JR 東海、JR 西日本、JR 東日本、JR 北海道、
NEXCO 東日本、NHKアート、NSK 株式会社、Philips アジア
研究所、WEB マーケティング総合研究所、アイレップ、エヌ・
ティ・ティ・データ、小田急電鉄、ケイ・ウノ、首都高速道路、
シュルンベルジェ、西武鉄道、大建工業、中部電力、テクノ菱
和、東急電鉄、東京電力、トップ、ナビタイムジャパン、ナブ
テスコ株式会社、成田空港、日本 IBM、日本郵政、パルコ、
日立システムズ、日立製作所、ヤマダ電機、横河電機、三菱
UFJ モルガン・スタンレー証券、中日本高速道路、日本音響エ
ンジニアリング(旧日東紡音響エンジニァリング)、日本住宅保
証検査機構、日立製作所インフラシステム社
60
人間環境システム専攻
3.研究活動と成果 計画理論分野
1)研究室と研究テーマ
教授:屋井鉄雄(やいてつお)
基幹講座
【人間環境評価講座】
安全性評価分野
元結研究室
教授:元結正次郎(もとゆいしょうじろう)
助教:金子健作(かねこけんさく)
シェル・空間構造に関する非線形解析法の開発
建築における非構造要素の耐震性能
耐震・制振・免震構造の性能設計法
那須研究室
准教授:那須聖(なすさとし)
建築・都市空間に関する意匠論
建築設計・まちづくりのデザインプロセス
地域の空間資源の活用手法
快適性評価分野
中村研究室
准教授:中村芳樹(なかむらよしき)
快適性評価、主観評価に関する研究
質の高い光環境の設計ツールの開発
色彩計画、景観計画のため設計ツールの開発
感性科学分野
清水研究室
連携教授:清水寧(しみずやすし)
会話のプライバシー・セキュリティーの主観評価と
音環境性能
図書館におけるプライバシー感
コンサートホールの設計
添田研究室
連携准教授:添田昌志(そえだまさし)
環境心理行動学
建築人間工学
【人間都市計画講座】
環境管理分野
翠川研究室
教授:翠川三郎(みどりかわさぶろう)
地震被害想定
強震動予測
地震防災情報システム
藤田研究室
准教授:藤田康仁(ふじたやすひと)
カフカース地域を中心とした中世歴史建築の調査研
究と保存対策
初期キリスト教建築及びビザンツ建築研究
日本近現代建築史・都市史研究
屋井研究室
助教:鈴木美緒(すずきみお)
交通計画
環境交通工学
国土・地域計画
室町研究室
准教授:室町泰徳(むろまちやすのり)
交通を中心とした人間行動分析
交通が環境に与える影響の評価
都市空間の変容に関する研究
都市空間分野
村田研究室
連携教授:村田健一(むらたけんいち)
日本建築史
文化財保存
柳澤研究室
連携准教授:柳澤潤(やなぎさわじゅん)
都市における公共空間
中心市街地活性化の手法研究
集合住宅の領域研究
地域連携プログラムの研究
都市システム分野
末松研究室
連携教授:末松孝司(すえまつたかし)
群集シミュレーションシステムの研究
避難シミュレーションシステムの研究
交通シミュレーションシステムの研究
【ニューフロンティア基礎講座】
知的適応システム分野
盛川研究室
教授:盛川仁(もりかわひとし)
地震動の確率論的モデル化
深部地盤構造推定
地震波動場の実時間予測
古谷研究室
准教授:古谷寛(ふるやひろし)
宇宙展開構造物の創造と構造特性の解明
高精度宇宙構造システムの構築
構造システムの複合領域最適化
特殊環境設計分野
松岡研究室
准教授:松岡昌志(まつおかまさし)
リモートセンシングによる地震津波災害把握
ジオインフォマティクス防災技術
クラウドを活用した災害情報システム
新空間居住分野
61
人間環境システム専攻
熊倉研究室
超高層制振・免震建物の耐風設計に関する研究
連携准教授:熊倉洋介(くまくらようすけ)
観測記録を用いた建物の実挙動の解明およびシステ
まちなみの保全・再生に関する研究
ム同定に関する研究
まちなみ調査に基づくまちづくり指針の提示
兼担
建築意匠
奥山研究室
【人間環境都市講座】
教授:奥山信一(おくやましんいち)
都市再生分野
建築意匠
佐藤(俊)研究室
建築・都市環境設計
連携准教授:佐藤俊明(さとうとしあき)
建築・都市論
都市の安心・安全のための空間情報解析
坂田研究室
モバイルマッピングシステムを利用した景観解析
教授:坂田弘安(さかたひろやす)
鈴木(敦)研究室
コンクリート系構造の力学的挙動
連携准教授:鈴木敦士(すずきあつし)
木質構造の力学的挙動
線形計画モデル等を用いたエネルギー需給シミュレ
宮本研究室
ーション
教授:宮本文人(みやもとふみひと)
各種エネルギー需給や価格のモデリング
建築計画[学校施設・集会施設など]
人々の生活様式とエネルギー需給の関連分析
環境心理学[環境知覚・環境認知・環境評価]
特殊構造要素分野
大佛研究室
鈴木(高)研究室
教授:大佛俊泰(おさらぎとしひろ)
連携准教授:鈴木高二朗(すずきこうじろう)
集合住宅団地計画
津波・高潮防災に関する研究
地域施設計画
東京湾の流れと水質環境に関する研究
都市空間分析
海洋レクリエーションに関する研究
福田研究室
協力講座
教授:福田大輔(ふくだだいすけ)
【景観工学講座】
土木計画
笠井研究室
交通計画
教授:笠井和彦(かさいかずひこ)
交通行動分
超高層建築や内容物の地震振動問題と安全性
地震による建物損傷・崩壊を防ぐ性能設計法
制振・免震など先端技術を用いた建物の解析と設計
様々な鉄骨架構や接合部の耐震性に関する研究
木質または軽量鉄骨からなる戸建住宅の制振化
佐藤(大)研究室
准教授:佐藤大樹(さとうだいき)
制振・免震建物の応答評価および設計手法の開発
長周期地震動に対する超高層建物の耐震安全性評価
および制振補強に関する研究
地域の景観資源の活用プログラムの
実践
62
地震による天井落下被害調査
輝度・色度画像を用いた色彩
環境の設計法
微動と重力を用いた地盤
構造の推定
高分解能衛星画像を用いた都 交通・大気シミュレーション
市域の建物分布の把握
人間環境システム専攻
2)外部資金の獲得状況(最近 5 年間+ H27 年度途中)
3)教員が関連する知的財産
(最近5年間+ H27 年度途中)
知的財産の出願 学術誌掲載論文数
国際会議論文発表数
国内会議論文発表数
招待講演件数
書籍出版件数
各種研究・調査報告書件数
創作物(作品、建築物)
4 件(内 2 件取得)
279 件
309 件
793 件
93 件
46 件
146 件
1件
4)教員の褒章など(最近5年間+ H27 年度途中)
2010 年度
◦ E E R I(E a r t h q u a k e E n g i n e e r i n g R e s e a r c h
Institute)
、Outstanding Paper Award
◦土木学会 論文賞
2011 年度
◦ B est Paper in Gossamer Systems from the 52nd
AIAA Str uctures, Structural Dynam ics and
Materials Conference 2011
◦日本地震工学会 功労賞
2012 年度
◦第 21 回 BELCA 賞ベストリフォーム賞、公益社団法
人ロングライフビル推進協会(BELCA)
◦アルメニア共和国文化省 褒章
◦防災担当大臣表彰 防災功労者
2013 年度
◦日本地震工学会 功労賞
◦日本建築学会 学会賞(論文)
2014 年度
◦日本免震構造協会 20 周年記念功労賞
◦日本機械学会 宇宙工学部門一般表彰スペースフロン
ティア
◦東京工業大学応用セラミックス研究所 所長賞(社会
貢献部門)
◦地域安全学会 技術賞
◦日本地震工学会 功績賞
◦照明学会 照明デザイン賞(最優秀賞)
◦照明学会 照明学会賞
◦日本建築学会 学会賞(論文)
2015 年(年度途中)
◦日本建築学会 学会賞(論文)
◦日本地震工学会 論文賞
5)学生の褒章など(最近5年間+ H27 年度途中)
2010 年度
◦第 3 回日本免震構造協会 優秀修士論文賞受賞
◦日本建築学会関東支部研究発表会 若手優秀研究報告
賞
◦日本地震工学会 論文奨励賞
2011 年度
◦第 4 回日本免震構造協会 優秀修士論文賞受賞
◦日本建築学会関東支部研究発表会 若手優秀研究報告
賞
◦第 14 回木造耐力壁ジャパンカップ 環境負荷部門賞、
NPO 法人「木の建築フォラム」
◦「第 7 回『新・木造の家』設計コンペ」林野庁長官賞、
NPO 法人「森林をつくろう」
◦ Best Presentation Award, 9th CUEE and 4th ACEE
Joint Conference
◦ Best Presentation Awards for Young Researchers、
9th CUEE and 4th ACEE Joint Conference
◦ 2011 年度冬夏賞、東京工業大学
◦ 2011 年度修士論文専攻優秀賞、東京工業大学
2012 年度
◦第 5 回日本免震構造協会 優秀修士論文賞受賞
◦日本航空宇宙学会 構造部門若手奨励賞
◦日本機械学会 宇宙工学部門若手優秀講演フェロー賞
◦日本コンクリート工学年次大会 論文奨励賞
◦日本建築学会 優秀修士論文賞
2013 年度
◦第 6 回日本免震構造協会 優秀修士論文賞受賞
◦ア メ リ カ 航 空 宇 宙 学 会(AIAA)Jefferson Goblet
Student Award.
◦平成 25 年度手島精一記念研究賞(博士論文賞)
◦日本機械学会 宇宙工学部門若手優秀講演フェロー賞
◦都市計画学会 論文奨励賞
◦地域安全学会 優秀発表賞
63
人間環境システム専攻
◦ C o m m e n d a t i o n s , S T U D E N T D E S I G N
COMPETITION - Acoustical Society of America
Student Council
2014 年度
◦第 7 回日本免震構造協会 優秀修士論文賞受賞
◦第 24 回日本航空宇宙学会賞 奨励賞
◦日本建築学会関東支部 若手優秀研究報告賞
◦日本コンクリート工学会賞 奨励賞
◦地域安全学会 優秀発表賞
◦ C o m m e n d a t i o n s , S T U D E N T D E S I G N
COMPETITION - Acoustical Society of America
Student Council
2015 年度(年度途中)
◦日本地震工学会 論文賞
4.社会貢献
国の委員会
内閣府中央防災会議南海トラフの巨大地震モデル検討会委
員、内閣府中央防災会議首都直下地震モデル検討会委員、
内閣府中央防災会議日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モ
デル検討会委員、文部科学省地震調査研究推進本部地震調
査委員会強震動評価部会委員、文部科学省地震調査研究推
進本部地震調査委員会 長期評価部会・強震動評価部会地
震動予測地図高度化WG主査、国土交通省国土技術政策総
合研究所長周期地震動対策検討ワーキンググループ委員、
国土交通省国土技術政策総合研究所建築構造基準委員会専
門委員、国土交通省交通政策審議会委員、国土交通省道路
分科会基本政策部会委員、国土交通省道路局安全で快適な
自転車利用環境創出の促進に関する委員会委員長、国土交
通省鉄道局東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関す
る委員会委員、国土交通省関東地方整備局首都圏広域地方
計画有識者懇談会委員、国土交通省航空局首都圏空港機能
強化技術検討委員会委員、気象庁長周期地震動に関する情
報検討会委員、気象庁竜巻等突風の強さの評定に関する検
討会委員、気象庁気象分科会部会長代理、観光庁観光分科
会委員、人事院国家公務員採用Ⅰ種試験 専門員、国際事
業委員会書面審査員、JAXA 有人宇宙利用評価委員、道路
緑化技術基準改訂ワーキンググループ委員など
自治体等の委員
東京都都市計画審議会委員、東京都財務局技術革新支援事
業技術審査会委員、東京都都市づくり調査専門委員会委員、
神奈川県地震防災戦略策定検討委員会委員、千葉県都市計
画審議会 委員、目黒区都市計画審議会委員、町田市交通
安全行動計画推進委員会副委員長、千葉県松戸市図書館整
備計画審議委員、横浜市地震被害想定専門委員会委員長、
川崎市建設緑政局指定管理者選定評価委員会委員、宮古市
復興推進総合アドバイザー、長野県塩尻市えんぱーくアド
バイザー委員、札幌市地域活動の場整備支援事業審査委員、
相模原市都市計画審議会委員、藤沢市健康と文化の森地区
まちづくり基本計画策定検討委員会委員、伊勢原道路景観
等検討会会長、立川市自転車等駐車場確保に関する検討会
委員、大田区自転車等駐車対策協議会委員、宮崎市自転車
安全利用促進計画フォローアップ委員会委員など
64
民間団体等の委員
CASBEE 街区認証委員会委員、局地的大気汚染対策に係
る調査研究の体系的レビューとその活用に関する検討会委
員日本免震構造協会審議員、日本免震構造協会研究助成審
査委員会委員、日本建築センターコンクリート系住宅構造
審査委員会評定委員、日本建築センター低層系免震制振構
造審査(評定)委員会評定委員、日本建築防災協会既存建
築物等防災技術評価委員会委員、建築研究振興協会耐震診
断委員会委員、全日本屋外広告業団体連合会屋外広告士試
験委員会委員、ロングライフビル推進協会耐震診断・耐震
改修計画評定委員会委員、自転車政策・計画推進機構理事、
JIA 神奈川幹事、神奈川建築コンクール審査員、大学評価・
学位授与機構建築部会学位審査会専門委員、日本学術振興
会特別研究員等審査会専門委員、日本建築センター特定天
井評定委員会委員長、宇宙システム開発利用推進機構
HISUI 地上データシステム開発委員会委員、JAXA 有人宇
宙利用評価委員、JAXA 大規模災害衛星画像解析ワーキン
ググループ委員、JAXA 水害ワーキンググループ委員、環
境省・三菱総合研究所大規模巨大災害発生時における災害
廃棄物対策検討会「要処理量 WG」アドバイザーなど
学会運営および委員会委員
・会長・理事:(公社)日本コンクリート工学会理事、日
本建築学会理事、日本建築学会代議員、日本地域安全学会
会員理事、Commission Internationale de l'Eclairage(CIE)
副会長、アジア交通学会(EASTS)事務局長、アジア交
通学会(EASTS-Japan)理事、航空政策研究会理事、芸
術工学会理事など
・委員長・主査・幹事:日本建築学会学術推進委員会幹事、
日本建築学会表彰委員会幹事、日本コンクリート工学会コ
ンクリート工学年次論文査読委員会幹事、日本建築学会論
文集委員会委員長、日本建築学会構造委員会応用力学運営
委員会主査、日本建築学会構造委員会応用力学運営委員会
強非線形問題の理論と応用小委員会主査、照明学会視覚・
色・光環境分科会幹事長、照明学会オフィス照明設計技術
指針改訂委員会委員長、照明学会論文委員会委員長、照明
学会ヒューマンファクターを考量した照明制御に関する特
別研究委員会 委員長、日本建築学会スピーチプライバシ
ーワーキンググループ主査、日本建築学会エビデンス・ベ
ースド・デザイン小委員会幹事など
非常勤講師
一橋大学、横浜国立大学、首都大学東京、静岡文化芸術大
学、札幌市立大学、東海大学、神奈川大学(2件)、東京
理科大学(2件)
、
日本大学、
台湾国立中央大学(客員教授)
など
創造エネルギー専攻
1.専攻の概要
題の解決にあたることのできる高度な知識と幅広い
1)教育・研究の目標
ることを目的として設立された。
見識を有する創造的な研究者および技術者を養成す
エネルギーは自然科学の基本概念であると同時に
エネルギー問題は、環境・資源問題、食料・人口
近代社会を支える活力の源である。エネルギー源の
問題、あるいは政治・経済問題とも密接に関係して
多様化、エネルギー利用の効率化、環境に調和した
おり、非常に幅広い視点からの検討が不可欠である。
エネルギー利用、エネルギー技術における国際貢献
細分化された既存の学問領域だけでは、これらの問
といったエネルギー問題に応えるためには、基礎か
題に対応できないことは言うまでもない。本専攻は、
ら開発・応用にいたる研究とともに多分野にわたる
物理学、化学、機械、電気、材料工学等の学際分野
学際的な研究が必要となる。
を包括し、これらの問題に対処できる先進的な学問
本専攻は、エネルギーの視点から地球環境や社会
領域の創成を目指した。
システムを見渡すことができ、種々のエネルギー問
表1 講座構成と研究分野(平成27年:基幹講座)
【基幹講座】 講座名
エネルギー
環境
エネルギー
変換システ
ム
エネルギー
創造
講座外担当
教員
教員名
研究分野
教授 河野 俊之
重イオンビームの医学利用、原子核物理、原子物理、放射線物理
教授 岡村 哲至
冷凍・冷却技術、磁気冷凍、超伝導技術
准教授 長崎 孝夫
熱流体工学、伝熱学、熱エネルギーシステム、熱と流れの数値解析
准教授 肖 鋒
計算流体力学、大気物理及び大気環境、数値解析、コンピュータ並列処理
助教 伊藤 優
低温流体キャビテーション、気液二相数値シミュレーション
教務職員 高橋 浩
コンピュータネットワーク、ヘリウム冷凍液化
連携教授 長谷川裕夫
エネルギー変換工学、分散型エネルギーシステム、エネルギーネットワーク
連携教授 藤井 隆
レーザー測定技術、超短・超高強度レーザー応用技術
連携教授 栗山 透
極低温冷凍・冷却技術、超電導工学
教授 奥野 喜裕
電磁流体エネルギー変換、MHD 発電、プラズマ理工学
教授 末包 哲也
クリーンコールエネルギー変換技術、温暖化防止技術、化石燃料高度有効利用
准教授 沖野 晃俊
大気圧プラズマの環境・医療・宇宙・材料応用、微量元素分析装置開発、プ
ラズマ治療、プラズマ殺菌
准教授 脇 慶子
燃料電池、リチウムイオン電池、太陽電池
教務職員 大柿久美子
非平衡プラズマの化学、高温材料
教授 堀岡 一彦
高エネルギー密度プラズマ、大電力加速器科学、重イオン慣性核融合、レーザー
工学、高速気体力学
教授 堀田 栄喜
プラズマ理工学、パルスパワー工学、慣性静電閉じ込め核融合、放電励起短
波長光源
准教授 長谷川 純
プラズマ理工学、クラスターイオンビーム理工学、慣性核融合、高エネルギー
密度科学、放射線物理
講師 河村 徹
非平衡プラズマ原子過程、プラズマ X 線分光、プラズマシミュレーション
助手 渡邊 正人
流体力学、パルスイオンビーム、レーザー
連携教授 松藤 成弘
放射線の臨床・生物効果モデル、がん治療用放射線の線質、医療物理
連携教授 高山 健
新型加速器、衝突型加速器、重イオンビームの物質・材料科学や生物科学へ
の応用、マイクロ波 FEL、宇宙デブリレーダー
連携准教授 富岡 定毅
ラムジェットエンジン、高速反応性流体、超音速燃焼
教授 青木 尊之
GPGPU Computing、大規模数値流体力学、気象・環境シミュレーション
准教授 横田 理央
GPGPU Computing、大規模数値計算
65
創造エネルギー専攻
【協力講座】
講座名
表 1 講座構成と研究分野(平成 27 年:協力講座、兼担・併任教員)
教員名
研究分野
エネルギー環境シス
テム
教授 小栗 慶之
加速器、イオンビーム、核融合、環境、医療
准教授 松本 義久
分子放射線生物学、がん放射線治療、DNA 二重鎖切断修復
直接変換システム
教授 飯尾 俊二
磁場閉じ込め核融合、レーザー計測、応用電磁気学
超高輝度光工学
准教授 赤塚 洋
プラズマ内の原子分子過程、プラズマ診断・分光学、レーザー基礎、
人工衛星推進器、放射光応用
【兼担・併任】
教員名
所属
研究分野
教授 吉川邦夫
環境理工学創造専攻
高効率廃棄物発電、高温エネルギー変換、大気環境工学
准教授 金森英人
物性物理学専攻
分子分光学・量子工学:レーザーやマイクロ波を用いた実験室分光実
験、国際宇宙ステーションでのサブミリ波観測プロジェクト
准教授 實吉敬二
バイオ研究基盤支援
総合センター
人や環境にやさしいロボットの開発:高速立体画像認識(眼)
、積層
型静電アクチュエータ(筋肉)
、四脚歩行機構と制御(脚とロボット
全体)
2)教育・研究分野
表 1 に平成 27 年度の講座構成と研究分野を示す。
創造エネルギー専攻は、
「エネルギー環境」、
「エネ
1975 年 4 月の総合理工学研究科の創設時に本専
ルギー変換システム」
、
「エネルギー創造」の 3 基幹
攻の前身であるエネルギー科学専攻が新設された。
講座、
「エネルギー環境システム」
、
「直接変換シス
当初は、
「エネルギー基礎学講座」
、
「核融合工学講座」
テム」、「超高輝度光工学」の 3 協力講座、さらに他
の 2 基幹講座と、核融合炉工学講座、プラズマ工学
専攻所属の兼担・併任教員で構成され、表 1 のキー
講座、エネルギー変換物性講座、エネルギー物理・
ワードに示すようなエネルギー関連の広い分野につ
化学講座の 4 協力講座から構成されていた。
いて研究と教育を行っている。
66
3)専攻の沿革と歴史
1979 年 4 月には「エネルギー変換工学講座」が
基幹講座の研究分野としては、MHD(電磁流体
基幹講座として増設され、1993 年 4 月には、環境
力学)発電に関する研究、ならびに慣性核融合と関
物理工学専攻の増設にともないエネルギー物理・化
連する高エネルギー密度プラズマおよび高出力レー
学講座がエネルギー科学専攻から環境物理工学専攻
ザー・高出力イオンビームに関する研究が、前身で
に振り換えられた。
あるエネルギー科学専攻から続く柱である。これら
その後、全国の有力大学ではエネルギー科学専攻
に加えて、最近ではパルスパワーの発生と応用、極
をモデルとした専攻や研究科が設立された。本学・
端紫外線光源開発、加速技術と粒子線の医療・産業
総合理工学研究科のエネルギー科学専攻は 1995 年
応用、放射線物理、プラズマ・放電の産業技術応用、
4 月に改組され、さらに学際色を強めるとともに現
イオンビームの医療応用、燃料電池・太陽電池、電
在の創造エネルギー専攻となった。改組後の教員の
磁流体力学、高速気体力学、極低温技術、冷凍・冷
変遷を表 2 に示す。教員選考は出身大学・国籍にこ
却技術、熱エネルギーの有効利用、流体数値計算技
だわらず、公募により行われ、先進的なエネルギー
術などエネルギーに関連する分野に多面的に取組ん
問題における重要な専門分野をカバーする教員構成
でいる。また外部連携教員は産業技術総合研究所、
となっている。また協力講座については、改組され
電力中央研究所、高エネルギー加速器研究機構、放
た当初は応用物理学科、電気工学科、原子炉工学研
射線医学総合研究所、宇宙航空研究開発機構、
(株)
究所を原籍とする教員で構成されていたが、1998
東芝、などに所属し、学生は希望によりこれら外部
年 4 月以降は全講座とも原子炉工学研究所の教員の
機関でも研究を行うことができる。
協力を得ている。
創造エネルギー専攻
2.教育の特色
カリキュラムは①必修科目、②専門科目、③創造
性育成科目、④インターンシップ科目、⑤コミュニ
1)カリキュラム等
ケーション科目、⑥医歯工学特別コースの 6 つに分
創造エネルギー専攻では、
「理学と工学の幅広い
類できる。基幹講座に対応した 3 つの講義「エネル
分野の学生を受け入れ、高度な専門知識と幅広い見
ギー環境基礎論」
、
「エネルギー変換基礎論」
、
「エネ
識を有する研究者や技術者を養成する」ことを目的
ルギー創造基礎論」
、およびエネルギー関連の最先
として、さまざまな講義が開講されている。表 3 に
端のトピックスと今後の展望を講述する「エネルギ
創造エネルギー専攻の現在(平成 27 年度)のカリ
ー先端理工学」のうち 2 科目を必修としている。ま
キュラムを示す。
た、本専攻学生の出身学科で履修した専門教育科目
表 2 創造エネルギー専攻の教員の変遷
講座名
教授
エネルギー環境
准教授、助教授、講師
椛島 成治 (95.4 ~ 00.3 退官)
堀岡一彦 (95.4 ~ 98.10 昇任)
矢部 孝 (95.4 ~ 00.3 配置換)
長崎孝夫 (95.4 ~)
河野 俊之 (01.3 ~)
肖 鋒 (99.11 ~)
岡村 哲至 (01.3 ~)
連携
高橋 一弘 (95.4 ~ 03.3)
井上敦之 (95.4 ~ 96.4)
長谷川裕夫 (03.5 ~)
須永孝隆 (96.10 ~ 01.3)
中込 秀樹 (95.4 ~ 00.10)
栗山 透 (01.1 ~ 07.3)
栗山 透 (07.4 ~)
根本孝七 (01.4 ~ 07.3)
根本 孝七 (07.4 ~ 10.3)
藤井 隆 (10.4 ~)
基幹講座
エネルギー変換
井上 晃 (95.4 ~ 98.3 転出)
奥野喜裕 (95.4 ~ 00.3 昇任)
システム
北沢日出男 (95.4 ~ 99.3 退官)
岡村哲至 (95.4 ~ 01.2 昇任)
堀岡 一彦 (98.10 ~ 99.9 担任換)
沖野晃俊 (01.4 ~)
山岬 裕之 (99.7 ~ 10.3 退職)
脇 慶子 (03.2 ~)
奥野 喜裕 (00.4 ~)
末包 哲也 (12.4 ~)
エネルギー創造
連携
小川 雅生 (95.4 ~ 96.7 配置換)
河野俊之 (95.4 ~ 01.2 昇任)
堀田 栄喜 (95.4 ~)
糟谷紘一 (95.4 ~ 11.3)
山岬 裕之 (96.10 ~ 99.6 担任換)
河村 徹 (04.4 ~)
堀岡 一彦 (99.10 ~)
長谷川 純(11.7 ~)
水本 元治 (95.4 ~ 01.3)
D. ビスワス(95.4 ~ 03.3)
志甫 諒 (95.4 ~ 07.3)
富岡定毅 (03.7 ~)
金井 達明 (01.4 ~ 09.3)
高山 健 (09.7 ~)
松藤 成弘 (10.5 ~)
協力講座
講座外担当教員
青木 尊之 (11.4 ~)
横田理央 (15.5 ~)
エネルギー環境シ
ステム
綱島 滋 (95.4 ~ 98.3 担当免)
金森英人 (95.4 ~ 98.3 担当免)
藤井 靖彦 (98.4 ~ 99.9 担当免)
服部俊幸 (98.4 ~ 99.9 昇任)
服部 俊幸 (99.10 ~ 14.3 担当免)
青木尊之 (01.1 ~ 01.3 担当免)
小栗 慶之 (11.6 ~)
渡辺隆行 (01.11 ~ 04.10 担当免)
松本義久 (07.4 ~)
直接変換
山岬 裕之 (95.4 ~ 96.10 担当免)
齊藤正樹 (95.4 ~ 04.3 担当免)
システム
小川 雅生 (96.10 ~ 10.3 担当免)
飯尾俊二 (04.4 ~ 15.4 昇任)
飯尾 俊二 (15.5 ~)
超高輝度光工学
石井 彰三 (95.4 ~ 98.3 担当免)
高橋宏治 (95.4 ~ 98.3 担当免)
嶋田 隆一 (98.4 ~ 14.3 担当免)
赤塚 洋 (98.4 ~)
67
創造エネルギー専攻
表 3 カリキュラムの例(平成 27 年度)
授業科目
エネルギー科学原論
エネルギー環境基礎論
エネルギー変換基礎論
エネルギー創造基礎論
エネルギー先端理工学
低温理工学
プラズマ・核融合工学(E)
ハイパワービーム理工学(E)
高密度エネルギー変換工学(O)
電力システム工学
計算流体工学(E)
放射線・粒子線の科学
計測工学
クリーンエネルギーシステム
科学技術特論
創造エネルギーアカデミックスキル
プラズマ応用にみる知的財産
エネルギーサイエンス創成プロジェクト
創造エネルギー国際インターンシップ
創造エネルギー専攻インターンシップ
Fundamentals for Plasma Science(E)
Numerical Simulation for Fluid Dynamics(O)
Fundamentals for Energy Conversion & Environment(O)
医用放射線診断学・核医学
医用放射線生物学
放射線治療学
放射線治療物理学
核医学物理学
放射線医療実習
放射線物理学・放射線技術学特論
創造エネルギー特別実験
創造エネルギー講究
創造エネルギー研究スキル
堀田、岡村、赤塚、長谷川(純)
長崎、末包、肖、小栗、松本 *
奥野、脇、長谷川(裕)
河野、堀岡
各教員、中山 *、長島 *、他
岡村、栗山
沖野、河村、飯尾
河野、堀岡、長谷川(純)
堀岡、高山、赤塚、河村
堀田、藤井、長谷川(裕)* 佐藤
長崎、肖、青木、横田
河野、伊藤、中村、實吉、佐々木、林、廣田、菅野
沖野、藤井、赤塚
堀岡
奥野、他
* 小野
*林
専攻長
専攻長
専攻長
沖野、堀田、堀岡
肖、長崎、青木、横田
脇、奥野
* 大橋、* 鳥井原
* 三浦、* 渡邊
* 未定
河野、松藤、* 水野、* 兼松、* 大野
* 山谷
* 兼松、* 水野、* 古場
* 阿部、* 木藤
指導教員
指導教員
指導教員
が学生によりかなり異なるため、
必修科目である「エ
なコミュニケーション力や研究マネージング力を身
ネルギー科学原論」において電磁気学、熱力学、流
につけることを目標とし、平成 17 年度より専攻独
体力学、統計力学、量子力学および相対性理論など、
自に「創造エネルギー・アカデミックスキル」を開
本専攻で基礎となる科目の要点を講述している。こ
講している。
れらの講義科目に加えて、各研究室で実施される特
講義以外の教育上の工夫として、平成 24 年度か
別実験、講究、および研究スキルが必修となってい
ら「創造エネルギー研究スキル」を新設した。この
る。
科目は、主として副指導教員が学期毎に学生のプレ
また「科学技術特論」は、
(財)経済広報センタ
68
担当教員
ゼンテーションと報告書を評価することによって、
ーとの協力による講義であり、エネルギー・環境技
研究の背景や目的を明確にするとともに論理的で質
術について我が国を代表する産業界の第一線で活躍
の高い修士論文の完成に向けてサポートを行うこと
するエキスパートを毎回講師に招き、テレビ講義室
を目的としている。また、毎年 9 月下旬に修士課程
を用いてすずかけ台と大岡山で同時開講している。
2 年生と博士課程 2 年生を対象として中間発表会を
その他、本専攻発足当時に比べ英語で開講する授業
行い、研究の進捗状況を確認している。また、修士
科目も充実しつつある。また専門教育に加え、国際
論文発表会において優れた発表を行った学生を表彰
会議や英文論文の執筆などの将来の研究活動に必要
している。
創造エネルギー専攻
2)博士論文のテーマ一覧
10 年間(2005 ~ 2014 年度)の博士論文題目と研
究分野を以下に示す。
【エネルギー科学】
応用に関する研究 / フライホイール付誘導電動機による電
力 シ ス テ ム の 停 電 保 護 と 安 定 化 に 関 す る 研 究 / Power
Improvement of Induction Generator Using MERS in
Renewable Energy Generation/ A Study of Flywheel
Induction Motors for Stand-Alone and Grid-Connected
エネルギー分野における国際協力の政策効果に関する研
Renewable Energy Systems/ 洋上風力発電群の構成とそ
究 / 電力システムの設置環境影響評価に関する研究
の制御に関する研究
【プラズマ理工学・核融合】
【電磁流体力学・高速気体力学】
S t u d y o n Z - p i n c h P l a s m a L i g h t S o u rc e f o r E U V
電磁流体相互作用を用いたスクラムジェットエンジンの性
Lithography/ 高速 Z ピンチ放電による水素様窒素軟 X 線
能 / Numerical Study on Performance of Disk MHD
レ ー ザ ー 実 現 に 向 け た 研 究 / A Study on Magnetic-
Generator in the Closed Loop Experimental Facility/
assisted Electrostatic Confinement Fusion/ Plasma
Numerical Study on Plasma Flowfield and Performance of
Dynamics in a 13.5 nm Laser-assisted Discharge Plasma
Magnetoplasmadynamic Thrusters/ パルス熱源を利用す
Extreme Ultraviolet Source/ Study on the inactivation
る MHD 発電に関する数値シミュレーション / Boundary
mechanism of Escherichia coli using non-ther mal
Layer Control in Supersonic Flow by Lorentz Force/
atmospheric pressure plasma jets/ Z-pinch Dynamics in a
Numerical Study of Performance and Turbulent Flows in a
Xenon Gas Jet Type 13.5 nm Extreme Ultraviolet Plasma
Liquid Metal MHD Generator/ 極超音速空気吸込み式エン
Source / 超短パルスレーザーを用いた X 線源に関する研
ジン内の摩擦予測手法に関する研究 / 超音速燃焼器にお
究 / 超短パルスレーザー誘起フィラメントプラズマによる
ける検証形態に関する研究
大気中放電現象の研究 / Warm Dense Matter Studies
using Pulse-power Device and Intense Heavy Ion Beam/
A Study on Relaxation Layer of Electromagnetically Driven
Strong Shock Waves/ An Experimental Approach for
【熱工学・伝熱工学】
低環境負荷作動媒体を用いたヒートポンプに関する研究
【大規模数値流体力学】
Astrophysical Phenomena using Interacting High-speed
マルチ・モーメントに基づく新型高精度数値計算手法に関
Plasma Flow/ トカマクにおけるα粒子の損失過程とリ
する研究 / Development of Accurate Numerical Model for
ップル共鳴拡散の数値解析 / 磁場閉じ込め核融合装置用ヘ
Geophysical Fluid Dynamics/ 高精度津波シミュレーショ
リカルコイルの応力分布最適化に関する研究 / 磁場閉じ込
ン数値モデルの開発研究 / 乱流 LES の高度化・高速化の
め核融合装置におけるマイクロ波イメージング計測の開発
研究 / 気液界面間の乱流輸送に関する数値流体力学的研
【加速器科学・放射線物理・医療応用】
低エミッタンス電子銃システムのビームダイナミクス解析
手法に関する研究 / 粒子線治療時に生じる陽電子崩壊核を
利用した照射野確認法の研究 / マイクロドシメトリ法を
用いた治療用 6MV X 線場における生物学的効果の研究 /
究 / 回転体に駆動された気液二相流の界面捕獲法を用い
た数値シミュレーション / Study on Peta-scale Meshbased Simulations for Physical Phenomena on GPU-rich
Supercomputers
【大気圧プラズマ・微量分析技術】
DNA 二重鎖切断部位における非相同末端結合タンパク質
Development of High-Power Microplasma Source and Its
複合体形成の分子メカニズム)/ XRCC4 と DNA リガーゼ
Application to High-Sensitive Analysis of Smaller Amount
IV の DNA 二重鎖切断部位への動員の分子機構 / DNA 二重
Samples/ 生体微量元素の機能解明を目的とした微少量
鎖切断修復における XRCC4 の役割とリン酸化を介した制
試料分析技術の開発 / 新しい大気圧プラズマ源の開発と
御機構の研究 / DNA 二重鎖切断修復に関わる XRCC4/DNA
製造および環境技術への応用に関する基礎研究 / 単一細
ligase IV 複合体の制御機構に関する研究
胞内微量元素分析用 ICP 発光・質量分析装置の開発 / 大
【電力工学・電力応用】
高速真空遮断器の遮断性能とその適用に関する研究 / 先進
的露光技術のための高平均出力レーザーに関する研究 / ポリ塩化ビフェニール含有絶縁油の光化学的処理に関する
研究 / 磁気エネルギー回生スイッチの誘導電動機駆動への
気圧微小プラズマを用いた微少量試料の高感度無機/有機
分析装置の開発 / 微生物の不活化および生体作用に対す
るプラズマガス種の影響に関する研究
【燃料電池】
Fabrication of Defective Multi-walled Carbon Nanotubes
69
創造エネルギー専攻
and Their Characteristics/ Oxygen Reduction
日本 IBM(2)
、電源開発(2)
、九州電力(3)
、GE
Characteristics of Multi-walled Carbon Nanotubes/ Study
横河メディカルシステム(2)
、コマツ(2)
、JFE エ
on the defective multiwalled carbon nanotubes and their
ンジニアリング(2)
、NTT データ(2)
、東京エレ
application for Li secondary battery/ Study of the
クトロン(2)
、北海道電力(2)
、新日鉄ソリューシ
Interfacial Electron Transfer on Titanium Oxide and Zinc
ョンズ(2)
、鉄道技術総合研究所(2)
、住友重機械
Oxide Photo-anode Based Dye Sensitized Solar Cells
工業(2)
、東燃ゼネラル石油会社(2)
、大日本印刷
(2)
3)学生の構成
全国の国公立大学、私立大学、高専から集まった
以下 1 名:東北電力、北陸電力、沖縄電力、東京
幅広い出身分野の学生で構成されている。出身大学
ガス、四国ガス、新エネルギー・産業技術総合開発
の例は以下のとおりである。
機構、三菱総研、ジャパンエナジー、NTT 研究所、
東工大、京都大、名古屋大、千葉大、筑波大、お
KDDI、日本航空、JAXA、IHI エアロスペース、
茶の水女子大、奈良女子大、横浜国大、熊本大、信
アイシン精機、明電舎、新日鉄エンジニアリング、
州大、東京都立大、電気通信大、埼玉大、茨城大、
三菱化学、旭化成、ブリジストン、日揮、千代田化
東京理科大、豊田工業大、芝浦工大、明治大、立教
工、東洋エンジニアリング、東芝メディカルシステ
大、日本大、学習院大、大分高専、群馬高専 など。
ムズ、東芝プラントシステム、東京工業大学、神戸
また留学生の出身国は、中国、韓国、タイ、イン
大学、日本大学、長岡技術科学大学、順天堂大学、
ドネシア、マレーシア などである。
産業技術総合研究所、経済産業省、ほか。
4)修了生の活躍状況
3.研究活動と成果 本専攻の修了生(2005 ~ 2014)の数を表 4 に示す。
修了生の就職先は、重電、電力・エネルギー関係、
1)重点研究分野
現専攻の前身であるエネルギー科学専攻以来、高
機械・鉄鋼関係、運輸関係、電気通信関係などが中
心であるが、それ以外の幅広い業種で活躍している。
エネルギー密度プラズマの科学、加速器科学と粒子
過去 10 年間の就職先は以下のとおりである(括弧
ビーム応用、放射線物理、電力工学、高速電磁流体
内は人数)
。
力学、熱工学、低温理工学、数値流体力学などが重
東芝(31)
、三菱重工(22)
、トヨタ自動車(19)
、
点研究分野であるが、最近は燃料電池の基礎研究や
日立製作所(17)
、三菱電機(13)
、東京電力(12)
、
大気圧プラズマを利用した微量分析技術の開発など
関西電力(8)
、IHI 石川島播磨重工(7)
、本田技研
にも研究領域を拡大してきている。
工業(7)、新日本製鐵(6)
、富士通(6)
、キヤノン
(6)
、デンソー(6)
、日本原子力研究開発機構(6)
、
2)外部資金の取得
年度ごとの外部資金の取得状況、および研究成果
中部電力(4)
、東日本旅客鉄道(4)
、東海旅客鉄道
の発表状況を表 5 と表 6 に示す。
(4)
、パナソニック(4)
、コニカミノルタ(4)
、ソ
ニー(3)
、リコー(3)
、ニコン(3)
、日本電気(3)
、
川崎重工(3)
、JFE スチール(4)
、ファナック(8)
、
表 4 修了生の数
年度
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
計
士
45
46
41
49
42
40
47
41
44
43
438
課 程 博 士
4
6
7
13
10
10
6
5
8
1
70
修
70
創造エネルギー専攻
表 5 外部資金の取得状況
年 度
平成 22 年度
金 額(千円)
件数
平成 23 年度
金額
件数
平成 24 年度
金額
件数
金額
平成 25 年度
件数
金額
平成 26 年度
件数
金額
科学研究費
6
34,370
6
44,280
11
49,560
13
53,620
20
85,090
外 部 資 金
17
30,734
22
41,904
20
93,121
24
126,070
28
85,931
合
23
65,104
28
86,184
31
142,681
37
179,690
48
171,021
計
表 6 研究成果発表の状況
年 度
2005
2006
2007
2008
2009
学術誌掲載論文
72
66
56
65
65
国 際 会 議 発 表
69
67
101
90
62
国 内 会 議 発 表
113
124
138
118
130
招 待 講 演 件 数
2
4
9
11
20
著
書
0
1
5
2
6
知的財産権の出願
10
9
15
7
9
年 度
2010
2011
2012
2013
2014
学術誌掲載論文
63
49
42
49
60
国 際 会 議 発 表
66
84
79
95
104
国 内 会 議 発 表
161
125
143
164
152
招 待 講 演 件 数
25
22
35
29
33
書
7
11
4
6
8
知的財産権の出願
5
12
3
10
6
著
3)研究活動と受賞など
専攻では設立以来、先端的なエネルギー技術に関
連する研究を行っている。
図 1 は、最近専攻に設置されたクラスタービーム
れた。この研究によって得られた成果は二酸化炭素
地下貯留、原油の増進回収、地熱資源回収の分野に
おいて地質構造内の熱物質移動現象の解明に貢献す
ると期待されている。
発生装置である。レーザーアブレーション法により
生成した金属などのマイクロクラスターを静電エネ
ルギー分析器と質量分析電磁石を用いて分別し、サ
イズや価数ごとの生成比率を精密に測定できる。レ
ーザーアブレーション型クラスター源の性能評価や
動作条件の最適化を行い、高エネルギー加速器によ
る高フラックスのクラスター加速実験に向けた基礎
データの取得を行っている。
図 2 は多孔質内部の密度差によって形成される自
然対流の 3 次元構造を示しており、レイリーテイラ
ー不安定性に伴う対流現象が世界で始めて可視化さ
図 1 高分解能クラスター分析装置
71
創造エネルギー専攻
4.社会貢献 1)学会活動および社会貢献
本専攻の教員は、大学院での教育・研究活動以外
にも、学会活動、学術雑誌編集、公的機関の委員な
どを通じて様々な活動と社会貢献を行っている。
以下は活動例である。また、表 7 に最近 10 年間
の社会貢献活動に関する集計を示す。
【専攻教員の社会貢献活動例】 プラズマ・核融合学会監事 / プラズマ・核融合学会誌編
集委員 / プラズマ・核融合学会編集委員会幹事、電気学
図 2 多孔質内部の自然対流の三次元可視化像
会論文委員 / 電気学会部門誌編修委員 / 電気学会 技術
委員会委員長 / 調査専門委員会委員長 / MHD 発電に関
最近 5 年間の受賞例を以下に示す。
【平成 22 年度】
電気学会優秀技術活動賞技術報告賞 / 第 24 回数値流体
シンポジウム・ベスト CFD グラフィクスアワード 2 位・
3 位 / 原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ若手原子
力プログラム表彰
【平成 23 年度】
日本機械学会計算力学部門業績賞 / ACM ゴードンベル賞・
特別賞(本賞)/ 日本計算力学連合日本計算力学賞
日本計算工学会論文賞
【平成 24 年度】
する国際委員会日本代表 / 低温工学・超電導学会理事 / 日本分光学会 常務理事 / プラズマ分光分析研究会事務局
長 / 資源・素材学会地球環境工学部門委員会委員長 / エ
ネルギー資源学会代議員 / 日本放射線影響学会幹事・評
議員 / 日本ガスタービン学会評議員 / 日本伝熱学会評
議 員 / Associate Editor of Journal of Computational
Physics/ プラズマ・核融合学会英文誌常務エディター / 日本計算工学会評議委員 / 重イオン慣性核融合国際会議
組織委員 / Laser & Particle Beams Editorial Bord/ (独)
HEDgeHOB Collaboration at FAIR Committee/ 日本学術
振興会科学研究費委員会専門委員 / 藻類コンソーシアム
監事 / など
第 17 回 計 算 工 学 講 演 会 ベ ス ト ペ ー パ ー ア ワ ー ド /
Achievement Award for CUDA Centers of Excellence,
表 7 社会貢献活動の集計
NVIDIA CUDA Fellow Award/ 文部科学大臣表彰科学技術
賞(開発部門)/ 応用数理学会・業績賞 / 独立行政法人
年度
学会の委
員・役員
2005
15
6
3
2006
12
10
4
2007
15
9
1
フォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウ
2008
28
9
2
ム)最優秀論文賞
2009
29
10
2
【平成 26 年度】
2010
24
7
3
2011
28
8
4
2012
38
14
6
2013
36
11
7
2014
28
9
7
日本学術振興会科研費審査委員表彰
【平成 25 年度】
Analytical Sciences Hot Article Award/ 可視化情報学会
ベストプレゼンテーション賞 / 日本計算力学連合 日本計
算力学賞 / 日本計算工学会論文賞 / HPCS 2013(ハイパ
Analytical Sciences Hot Article Award/ 2013's Top 25
most read JAAS articles/ 日本機械学会フェロー / 第 28
回数値流体シンポジウム・ベスト CFD グラフィクスアワ
ード 動画部門 / 第 19 回 計算工学講演会グラフィクスア
ワード最優秀賞 / HPCS 2014 最優秀論文賞 / 日本流体力
学会フェロー / 日本放射線腫瘍学会生物部会賞
72
公的機関
の 委 員
その他の
社会貢献
化学環境学専攻
1.専攻の概要
1)教育・研究の目標
准教授 三重 正和(細胞工学、タンパク質工学)
(研究テーマ)三次元組織構築を目的とした環境応
答性タンパク質の開発、骨組織再生を目的とした新
化学環境学専攻は、
「化学」を通じて自然環境と
規細胞外マトリックスの構築、神経組織再生を目的
調和の取れた豊かな人間社会を醸成することを目指
とした新規細胞外マトリックスの構築、新規細胞外
している。21 世紀の豊かな人間社会を実現するた
マトリックスによる iPS 細胞からの組織構築、転写
めには、より効率のよい生産プロセスを開発するこ
因子エンジニアリングによる細胞分化誘導法の開
とや、資源の再利用を常に考えなくてはならない。
発、環境バイオセンシングシステムの開発、DNA-
また、環境における物質循環機構を深く理解し、環
タンパク質ハイブリッド分子作製法の開発、細胞接
境に対する負荷が少ない循環システムを構築するこ
着タンパク質による抗血栓性人工血管の開発、高感
とも大切である。本専攻はこのような基本理念に基
度バイオセンシングに向けたタンパク質ナノ粒子の
づいて組織されており、化学の知識をベースにして、
構築、タンパク質ナノ粒子による成長因子デリバリ
環境・資源・エネルギー・燃料・生命・反応・材料・
システムの開発。
プロセスなど、化学と環境に関わるさまざまな最新
教 授 吉 田 尚弘(物質循環解析、地球化学、
の知識を学ぶことが出来る。
本専攻の前身の化学環境工学専攻は昭和 49 年に
環境化学)
准 教 授 山田 桂太(有機地球化学、
地球環境化学)
当時、ほぼ初めて”環境“という名の冠された専攻
連携教授 笠井 康子(分光化学)
として誕生した。その後、数回の改組を経て現在に
連携教授 大河内直彦(有機海洋化学)
至っているが、今でも設立当初の気概は色濃く残さ
れている。
(研究テーマ)環境物質の起源・循環を理解するた
めに、地球化学的な解析による研究を行っている。
環境物質について、元素や分子内位置の組合せで多
2)教育・研究分野
種存在する分子種(アイソトポマー、isotopomer)
平成 10 年の改組の際、前項の目的を達成するた
の自然存在度を観測することで、大気・海洋・陸域
めに、講座構成において特に基幹講座は小講座制か
のさまざまな環境における物質循環の時空間的な変
ら大講座制に移行し、環境解析構築(大)講座は環
動について、定量的な解析を行っている。具体的に
境エンジニアリングの教育研究機能を、環境プロセ
は、アイソトポマー計測・解析法の開発、温暖化ガ
ス化学(大)講座は環境反応学の教育研究機能を主
スや寒冷化要因となる関連物質の循環の定量的解
に担当することとし、
「環境理工学創造専攻」と協
析、地球と生命の起源と進化、相互の関わりの研究、
力して学際的な「環境学」の教育 ・ 研究を行ってき
環境-食品-生体を通じた物質循環解析、生合成・
た。
代謝系の正常と異常の診断解析。
環境プロセス化学講座
< 基幹講座 >
教 授 馬場 俊秀(触媒化学)
環境解析構築講座
講 師 本倉 健(触媒化学)
教 授 小畠 英理(タンパク質工学、
細胞組織工学、
連 携 教 授
生物工学)
畑中 重人(石油化学)
連携准教授 坂本 康治(天然物合成化学)
73
化学環境学専攻
(研究テーマ)環境問題に挑戦する新規な反応とそ
れを支える触媒の開発・反応機構の解明を行ってい
准教授 今岡 享稔(有機物理化学、電気化学)
る。環境問題の本質的な解決には新しい固体触媒・
(研究テーマ)樹状高分子(デンドリマー)の合成、
生体触媒による新しい反応経路の創出が必要であ
精密金属錯体の構築、樹状骨格に発現する特異な電
る。具体的なテーマは以下の通り:糖・天然ガスか
子密度勾配とその機能解明、ナノ空間を活用した新
らの選択的ブタジエン・プロピレン合成のための新
機能創出、金属や金属酸化物および合金からなる精
しい固体触媒の開発、メタンの新規活性化とメタン
密クラスター合成と構造解析、クラスターの機能解
の新しい転化反応、酵素によるアルカンからアルコ
明(量子サイズ効果・魔法数 / 非魔法数による特異
ールへの酸化反応、生体内酸化酵素による酸化スト
物性の発現)
、クラスター電極触媒の開発、クラス
レス機構の解明、触媒による二酸化炭素の変換反応、
ター有機分子変換触媒の開発、クラスターを用いた
固体表面における協同触媒作用の創出。
分子素子(発光・光電変換・メモリ)の開発。
< 協力講座 >
化学環境プロセス設計講座
化学プロセス計画講座
教 授 山口 猛央(化学工学、機能性材料化学)
教 授 穐 田 宗隆(有機金属化学、有機化学、材
講 師 田巻 孝敬(化学工学、生物電気化学)
料化学)
(研究テーマ)地球環境と持続的発展可能社会のた
(研究テーマ)光・熱・電場・磁場などの外部刺激
めの高機能化学システムの構築へ向けて、材料自身
や環境変化に応答する分子および分子集合体の開発
をシステムとしてとらえ、高度な要求機能を実現す
を目指し、有機金属化学・錯体化学・超分子化学・
る「材料機能のシステム設計」という概念を提唱し、
光化学・触媒化学を基盤とした研究。最近の研究テ
研究を行っている。
(具体例)固体高分子形燃料電
ーマ:最小電子回路の構築を指向した分子ワイヤー
池(PEFC)材料のシステム設計・開発、固体アル
の開発、ナノ空間の機能創出を目指した分子カプセ
カリ燃料電池のシステム設計・開発、バイオ燃料電
ルの構築、太陽光で駆動するフォトレドックス分子
池の設計・開発、生体システムから発想した分子認
触媒の開拓。
識膜の開発、プラズマグラフト重合の研究、分子認
環境分子変換講座
識人工アロステリック酵素の開発、拡散モデルの構
教 授 小 坂田 耕太郎(合成化学、錯体・有機金
築、水処理膜システムの開発。
(重要な成果)PEFC
属化学)
准教授 竹内 大介(高分子化学、有機金属化学)
(研究テーマ)新しい結合をもつ有機金属化合物の
の高温・広湿度作動へ向けた酸高密度構造で発現す
る高速プロトン伝導機構の解明。
環境微生物工学講座
合成、二次元共役系を目指した錯体化学、遷移金属
教 授 久堀 徹(植物生化学、
生体エネルギー変換)
錯体の素反応機構の解明、含遷移金属超分子の合成
准教授 若 林 憲一(細胞運動の生理・生化学、光
と構造、異性化重合による新しいポリオレフィンの合
成、複核金属錯体触媒を用いたオレフィン重合制御。
74
材料化学)
合成微生物の光行動反応)
(研究テーマ)光合成生物のエネルギー代謝と運動
高分子プロセス講座
を中心に研究。葉緑体 ATP 合成酵素 の活性調節の
教 授 西山 伸宏(生体材料学、高分子化学)
分子機構の解明、光合成生物のレドックスネットワ
准教授 宍戸 厚(高分子物理化学)
ークの包括的理解、生体内レドックス状態およびタ
(研究テーマ)生体機能性分子、刺激応答型バイオ
ンパク質のレドックス状態可視化ツールの開発、シ
マテリアル、超分子集合体を基盤とする診断・治療
アノバクテリアの遺伝子改変による代謝調節技術の
システム、光分子配向、フィルムの力学解析。
開発、緑藻クラミドモナスを用いた真核鞭毛の運動
環境調和分子設計講座
調節と構築機構の解明、緑藻クラミドモナス・ボル
教 授 山 元 公寿(高分子化学、錯体化学、機能
ボックスの光行動調節の解明。
化学環境学専攻
環境材料化学講座
を引き受けた。また改組に伴って従来の修士・博士
准教授 吉沢 道人(超分子化学、ナノ空間化学)
(工学)の学位に加えて修士・博士(理学)の学位
(研究テーマ) 光・熱・電場・磁場などの外部刺激
を取得できる専攻となった。平成 14 年度には新し
や環境変化に応答する分子および分子集合体の開発
く資源研に新設された部門が環境材料化学講座(協
を目指し、有機金属化学・錯体化学・超分子化学・
力講座)として加わり、現在の構成(2 基幹講座、
光化学・触媒化学を基盤とした研究。最近の研究テ
7 協力講座、1 併任講座)に至っている。京都議定
ーマ:最小電子回路の構築を指向した分子ワイヤー
書締結にも見られるとおり、ものを作ることで高度
の開発、ナノ空間の機能創出を目指した分子カプセ
成長を続けて来た先進工業国、人口問題を抱える発
ルの構築、太陽光で駆動するフォトレドックス分子
展途上国双方とも、限られた地球の資源 ・ 環境と調
触媒の開拓。
和しなければ人類の未来はないことを知って久し
< 併任講座 >(環境理工学創造専攻)
く、省エネルギー型、リサイクル型産業社会を目指
環境化学システム講座
した問題解決のための科学 ・ 技術の確立が急務とな
教 授 上 田 宏(生物工学、タンパク質工学、生
っている。改組、国立大学法人化を機に本専攻は、
物分析化学)
准教授 関 宏也(プロセス制御、プロセスシステ
ム工学)
学内はもとより全国の化学環境研究・教育の中核と
してこれまでつちかった学術的基盤を強めると共
に、新しい環境保全型資源リサイクル社会を想定し
て教育・研究に取り組んでいる。化学環境工学専攻
3)専攻の沿革と歴史
本専攻の前身となる化学環境工学専攻は、1)で
述べた目的を達成するために、環境問題をアカデミ
アに根ざして研究・対応するという進歩性から新設
2 講座を基幹とし、資源研の 5 部門が協力する形で
設置する申請が行われ、昭和 49 年 4 月に基幹 1、
協力 5 講座で発足し、理工学研究科に属した。
(な
お博士後期課程は 51 年 4 月に発足している。)発足
2 年目の昭和 50 年 4 月より総合理工学研究科の新
設に伴い 1 基幹講座が新設された。すずかけ台キャ
ンパスには G1 棟の完成と共に昭和 52 年夏に移転
した。昭和 53 年 4 月より 1 協力(資源研より)講
座が参加した。この後、兼担教官(員)や一部の教
官(員)の配置替え、資源研付属施設の他専攻への
協力講座化などを経て、設立以来 23 年を経た平成
10 年度には総合理工学研究科を「創造大学院」化
する一環として、
「化学環境学専攻」として改組さ
れた。この時、基幹講座は小講座制から大講座制に
移行して二つの基幹講座「環境解析構築講座」
・
「環
境プロセス化学講座」に再編され、外部連携教員や
環境理工学創造専攻とも連携を保って学内外と学際
的に教育・研究を行う環境が整えられた。資源研の
2 協力講座が環境理工学創造専攻との入れ替えの労
設立以来の教員の異動は下記の通りである。
現講座名(旧講座名)
((連)は外部連携教員)
教授
准(助)教授(*講師)
環境解析構築講座
(化学生態システム解析)(再生産システム)
明畠 高司
海野 肇(昭 51.7-62.5)
梶内 俊夫(昭 63.2- 平 7.3)
(昭 50.9- 平 2.10)
渡邊 公綱 *関根 光雄
(平 2.11-3.3)
(昭 63.3- 平 1.12)
中野 義夫
*上田 渉(平 2.12-10.3)
竹下 健二(平 8.6-14.11)
(平 4.6-22.3)
吉田 尚弘
*清田 佳美(平 12.4-13.3)
渡辺 隆行(平 16.11-25.3)
(平 22.12-)
小畠 英理
山田 桂太(平 24.7-)
三重 正和(平 25.12-)
(平 25.4-)
(連)吉川 邦衛
(連)沓掛 洋志
(平 10.4-16.3)
(平 10.4-12.3) (連)廣川 能嗣
(連)齋藤 穂高
(平 10.4-17.3)
(平 13.4-20.9) (連)石垣 隆正 (連)清田 佳美
(平 17.4-21.3) (平 16.11-21.3)
(連)笠井 康子
(平 23.4-)
(連)大河内 直彦 (平 23.10-)
(連)渡辺 隆行
(平 25.4-26.3)
環境プロセス化学
(省エネルギープロセス)(環境調和化学)
一國 雅巳
小林 孝彰(昭 56.7-22.3)
*泉 康雄(平 10.4-19.7)
(昭 52.4- 平 3.3)
秋鹿 研一 *本倉 健(平 20.10-)
(平 4.3-17.3)
馬場 俊秀(平 16.6-)
75
化学環境学専攻
(連)荒川 裕則
(連)須藤 重人
(平 15.8-20.3)
(平 10.4-16.3)
(連)久松 由東
(連)小渕 存
(平 10.4-16.3)
(平 10.4-14.3)
(連)小渕 存 (連)大河内 直彦
(平 16.4-20.3) (平 20.4-23.9)
(連)Leon Lefferts (連)坂本 康治
(平 16.10-20.3) (平 20.4-)
(連)畑中 重人(平 20.4-)
(連)菅野 靖史(平 24.4-25.3)
化学プロセス計画(化学プロセス計画)
伊香輪 恒男
諸岡 良彦(昭 50.4-57.3)
鈴木 寛治(昭 59.1- 平 3.3)
(昭 50.4-55.10)
諸岡 良彦
北島 信正(平 3.7-7.1)
穐田 宗隆(平 7.6-14.3)
(昭 57.4- 平 11.3)
岩本 正和
*石谷 暖郎(平 14.11-26.11)
(平 12.4-26.3)
穐田 宗隆(平 27.2-)
環境分子変換(再生産プロセス)
佐伯 雄造
江口 元徳(昭 54.1-58.1)
山瀬 利博(昭 61.3- 平元 .3)
(昭 53.4-60.3)
山本 明夫
池田 富樹(平 4・5-6・11)
森 敦紀(平 7.7-18.3)
(昭 61.1- 平 2.3)
檜山 為次郎 竹内 大介(平 18.5-)
(平 4.4-9.3)
小坂田 耕太郎(平 11.11-)
高分子プロセス(資源循環プロセス)
池田 朔次
曽我 和雄(昭 50.4-57.3)
土肥 義治(昭 59.1- 平 4.6)
(昭 50.4-55.3)
曽我 和雄
塩野 毅(平 5.12-16.6)
(昭 57.4- 平 3・6 併任 -6.3)
池田 富樹
*宍戸 厚(平 17.4-20.2)
(平 6・12-22.8) 宍戸 厚(平 20.3-)
西山 伸宏(平 25.1-)
環境調和分子設計(化学環境設備)
白崎 高保
森川 豊(昭 58.12- 平 17.3)
成毛 治朗(平 13.11-25.3)
(昭 50.4-57.3)
伊香輪 恒男 今岡 享稔(平 26.4-)
(昭 55.11-63.3)
山瀬 利博(平元 .4-20.3)
山元 公寿(平 22.3-)
化学環境プロセス設計(化学環境プロセス設計)
白井 隆
石田 愈(昭 50.4-59.10)
(昭 50.4-55.3)
黒田 千秋
石田 愈(昭 61.11- 平 6.2)
(昭 59.10- 平 17.3) 鈴木 孝弘(平 6.6-14.3)
山口 猛央
竹下 健二(14.11- 平 22.3)
(平 19.2-)
*田巻 孝敬(平 24.4-)
環境材料化学
穐田 宗隆(平 14.10-27.1) 吉沢 道人(平 20.4-)
環境微生物工学(物質処理工学)(環境物理工学専攻)
正田 誠
阿野 貴司(平 5.4-21.3)
菅野 靖史
(平 5.4-20.3)
久堀 徹(平 21.11-24.3)
76
(平 21.4-)
若林 憲一(平 24.11-)
環境化学システム(環境理工学創造専攻)(化学環境プ
ロセス管理)
明畠 高司
仲 勇治(昭 56.9- 平 5.10)
相 衛(平 6.4-7.3)
(昭 50.4-50.8)
大島 栄次
陸 明亮(平 7.11-9.6)
(昭 51.12- 平 4.3)
渕野 哲郎(平 9.11-11.3)
仲 勇治
青山 敦(平 11.10-17.3)
関 宏也(平 17.10 -)
(平 5.10-21.3)
上田 宏(平 26.1-)
2.教育の特色
1)カリキュラム
平成 24 年度の教育ポリシーの新たな策定に際し
てカリキュラムを大幅に改訂した。本専攻は、
「化学」
を通じて自然環境と調和の取れた豊かな人間社会を
醸成していくことができる人材養成を目指してい
る。化学と環境の広範な科学技術の分野を理解し、
新たな領域を切り拓き先導していく人材を養成する
ため、化学に関する十分な基礎学力と理工学の基礎
専門力を習得できる「授業科目」と、実験を通じて
独創的な科学者・技術者としての素養を身につける
「研究指導」を両輪として、教育と研究を一体とし
たプログラムに基づく学習課程を構成している。講
義科目では、唯一、環境基礎群・環境科学を必修と
し、環境基礎群の科目と先進科目群に大別し、履修
を明快にして、しっかりとした化学的な基礎学力、
環境科学への応用力、各分野の深い専門性とともに、
社会性・国際性を身につけた科学者、技術者の養成
を行うことを可能とした。
平成 27 年度授業科目 化学環境学講究第一~第
十、化学環境学ラボ・フィールドワーク第一~第十、
環境基礎群・環境科学、環境基礎群・生命と化学、
環境基礎群・物理化学、環境基礎群・有機化学、環
境基礎群・無機化学、環境基礎群・化学工学、化学
環境学特論第一~第二、先進有機合成戦略論、先進
反応化学、先進錯体化学、先進高分子材料化学、先
進環境化学、先進化学工学、化学環境学特別講義第
一~第六、化学環境学インターンシップ第一 A,B
~第三 A,B、Macromolecular and Supramolecular
Chemistry、Advanced Inorganic Chemistry、
化学環境学専攻
R e a c t i o n S y s t e m s E n g i n e e r i n g、A d v a n c e d
Organic and Inorganic Physical Chemistry、
Biochemistry Standing on Elements、Chemistry
for Environment、化学環境学異分野特定課題研究
スキル A,B、エネルギー化学環境学特論;エネルギ
ー最前線、リーダーシップ論、極微量物質論、環境
分解化学論
平成 21 年度には文部科学省博士課程教育リーデ
ィングプログラム「環境エネルギー協創教育院」が
採択され、引き続き、大学院での教育・研究の刷新
と発展をめざして 2 名の事業推進担当者を中心に参
画している。
平成 19 年度には COE プログラムに続いてグローバ
ル COE「新たな分子化学創発を目指す教育研究拠点」
が採択され、大学院での教育・研究の刷新と発展を
めざして 4 名の事業推進担当者を中心に参画した。
2)テーマ一覧
最近 3 年間の博士論文の題目を以下に示す。
◦ Synthesis and Fluorescent Properties of Molecular
Tubes with Covalently Linked Anthracene Rings
◦ C onstruction and Unique Host Capability of
Polyaromatic Micelles with Anthracene Rings
◦精密サブナノ粒子の触媒機能の開発
◦デ ンドリマーを鋳型とした特定原子数金属クラスタ
ーの精密合成と機能
◦水 素結合による芳香環の配列制御を用いたピンセッ
ト型包接錯体および分子歯車の合成と機能
◦ The application of carbon stable isotope ratio in
clarifying skin moisturizing effect by dietary
glucosylceramide
◦ Environmental Implication from Isotopic Signatures
of Land Snail Shell Carbonate Based on Laboratory
Culturing Experiment
◦ N ovel plasma-induced graft polymerization for
fabricating functional membrane materials from
porous substrates
◦ A s t u d y o f n i t r o u s o x i d e p r o d u c t i o n a n d
consumption mechanisms in wastewater treatment
system using stable isotopic analysis
◦ S ynthesis of Metal Boride Nanoparticles by RF
Thermal Plasmas
◦構 造制御と失活抑制を考慮したバイオ燃料電池用酵
素電極の高性能化へ向けた研究
◦ P reparation of porous ZrO2 - and TiO2 - based
Composite Oxides through a Wall Ion Exchange
Method
◦ Construction and Host Capability of Metal-linked
Molecular Capsules with Anthracene Rings
◦ I nvestigation of In-Flight Melting of Glass Raw
Materials by Multi-Phase AC Arc
◦ S t u d y o n N e w M e t h o d o l o g y f o r R a d i c a l
Functionalization of Olefins by Photoredox Catalysis
◦ I n v e s t i g a t i o n o f E l e c t r o d e P h e n o m e n a f o r
Nanomaterial Production by DC Arc Discharge
Method
◦ DNA 複合化分子認識材料の開発
◦酸 高密度構造における高プロトン伝導性の発現と伝
導機構の解明
◦ト ランスキレート型ビスピリジル配位を用いる大環
状分子とこれを含む超分子の合成と性質
◦二 層型環状複核金属錯体によるオレフィンの重合お
よび共重合
◦ A study of nitrogen oxides dynamics between
urban atmosphere and the phyllosphere using triple
oxygen isotopes
◦ Global distribution of ozone isotopic enrichment in
the middle atmosphere: Retrieval and observation
◦ Systems Approach to Process Lifecycle Engineering
in Pharmaceutical Production
◦デ ンドリマーを鋳型とした金属サブナノ粒子の合成
と配列制御
◦ S ystematic design of anion conductors based on
their physical properties for solid-state alkaline fuel
cells
◦ T he System Design of Membrane Electrode
Assembly for Solid-State Alkaline Cells
◦パ ラジウム錯体によるトリエンの立体選択的ダブル
環化異性化重合
◦分子認識による活性制御型人工酵素の開発
◦固 体高分子形燃料電池電極の電解質特性に基づいた
設計・開発
◦光 増感性パラジウム錯体の反応性に及ぼす励起状態
特性の効果
◦真菌由来酸化還元酵素 DyP の反応機構解明に向けた
研究
◦ Synthesis, Characterization, and Reactivity of Group
4 Transition Metal Polyhydride Complexes Bearing
Monocycopentadienyl Ligands
◦ Investigation of arc discharge phenomena for waste
treatment
◦ Metal-Containing“Clicked”Rotaxanes. Synthesis of
Triazole-Containing Rotaxanes, Their Complexation
Behaviour with Pt(II)and Pd(II)Complexes, and
Functionalization onto Silicones and Silica Surfaces
◦光 及び酸化に応答する多色発色性有機金属ジチエニ
ルエテン錯体に関する研究
◦ Factors controlling the carbon isotopic variation of
caffeine in tea leaves
◦ Quadruple sulfur isotope analysis of sulfur cycle in
monomictic lake and its application for sedimentary
records
77
化学環境学専攻
3)学生の構成
化学環境学専攻の研究活動状況
最近 5 年間の博士前期課程学生(学内収容定員:
40 名;合計合格者数 205 名)の出身大学は以下の
通りであった。
( )内は合格者人数。
本学卒業生を中心に東京近郊の幅広い国立・私立
大学から学生を受入れて、人材育成に貢献している。
本学(40)
・東京理科(53)
・中央(13)
・学芸大(9)
、
H23
H24
H25
H26
合計
学術論文
74
85
81
128
368
招待講演
34
42
57
50
183
著書・報告書
13
12
10
19
54
国内
/国際
155
/ 78
133
/ 79
169
/ 66
139
/ 84
596
/307
登録
/出願
7
/ 11
4
/ 10
10
/ 15
6
/ 19
27
/ 55
発表
北里(9)・首都(5)
・東京農工(5)
・横浜国立(4)
・
上智(4)
・早稲田(4)
・群馬(3)
・明治(3)
・ICU(3)
・
特許
千葉(2)
・新潟(2)
・信州(2)
・金沢(2)
・学習院
(2)
・芝浦工業(2)・東邦(2)
・神奈川(2)
・東京・
電気通信・筑波・宇都宮・岩手・秋田・山形・埼玉・
大阪市立・神戸・岡山・九州・慶応・青山学院・日
化学環境学専攻の外部資金受け入れ状況(単位:百万円)
科研・基盤
31
82
65
64
242
6
4
10
15
35
本女子・工学院・日本・東京工芸・城西・関西(各
科研・挑戦的萌芽
1)
・工業高等専門学校専攻科(10)
・外国(4)
科研・若手
16
23
47
17
103
科研・新学術
30
31
32
29
122
科研・その他
5
2
2
4
13
共同研究
4
2
6
13
25
受託研究
85
111
131
107
434
奨学寄附金
10
8
6
8
32
外部資金・その他
241
73
205
153
672
外部資金総額
428
336
504
410
1678
4)最近 5 年間の修了生の主な進路
国立私立大学、研究機関、国家・地方公務員のほ
か、企業としては、ADEKA、IHI、味の素ファイ
ンテクノ、旭化成、旭硝子、出光興産、NTT データ、
花王、キヤノン、コニカミノルタ、小林製薬、三洋
化成、JX 日鉱日石エネルギー、昭和シェル、信越
化学、新日鉄住金、住友化学、大日本印刷、田中貴
金属、千代田化工建設、DIC、東芝、東ソー、東京
ガス、東燃ゼネラル石油、東洋インキ、凸版印刷、
トヨタ自動車、日揮、日油、日本触媒、日本精工、
日本ゼオン、日本ペイント、ネクストジェン、野村
證券、パナソニック、半導体エネルギー研究所、日
立化成、富士ゼロックス、富士フィルム、ブリヂス
トン、本田技研、三菱ガス化学、三菱樹脂、三菱マ
下記に示すとおり、学会運営、政府および関連団
体の委員、他大学・研究機関での教育・研究支援な
テリアル、三菱レイヨン、村田製作所 他。
どさまざまな社会の場において社会貢献しており、
3.研究活動と成果
る。この他、省エネルギープロセスの開発、生産シ
各研究室の顕著な成果を次ページにまとめた。ま
それらの活動に対して政府・学会から授賞されてい
ステムの設備や操作情報の表現モデルの世界標準策
定などを通じて、研究成果を社会にフィードバック
た、付表には、これらの研究に関連した過去 4 年分
している。
の成果報告(研究論文・報告・著書)
、外部資金(科
学会活動
学研究費・受託研究・奨学寄付金)の件数並びに獲
◦欧州地球科学連合 ACP 誌エディター
得金額をまとめた。
78
4.社会貢献
◦英国化学会 DT 誌 Advisory Board member
◦米国化学会 Organometallics 誌 Editorial Advisory
化学環境学専攻
Board member
◦国際アイソトポマー会議会長
◦日本学術会議連携会員
◦日本地球化学会会長、副会長 子力発電所事故による放射性物質汚染」
◦ H22 年 4 月 8 日テレビ東京系列情報番組「ワールド
ビジネスサテライト」「レアメタルへの依存度を減ら
そうという試み」
◦日本化学連合理事
◦日 本化学連合シンポジウム H26 年 3 月「化学コミュ
◦日本化学会副会長
ニティのビジョンをとらえる」:同 H25 年 3 月「科学
◦日本化学会関東支部長
◦日本バイオマテリアル学会評議員
◦日本 DDS 学会評議員
◦高分子学会理事
◦日本植物学会専務理事
◦日本植物学会理事
◦日本植物生理学会評議員
◦日本生化学会代議員
◦日本光合成学会常任幹事
◦日本分子イメージング学会編集委員
◦日本膜学会評議員
◦化学工学会材料・界面部会会長、副会長
◦化学工学会男女共同参画委員会副委員長
◦日本化学会ナノテク・材料科学部門主査
◦医用高分子研究会第 32 期運営委員
◦有機合成化学協会誌編集委員長
◦触媒学会有機金属研究会世話人代表
◦日本化学会英文誌編集幹事
◦近畿化学協会有機金属部会幹事
◦日本化学会触媒化学ディビジョン幹事
◦ Aseanian Membrane Society 8 科学委員
◦有機金属化学国際会議国際科学委員
国、地方公共団体等の委員
◦国連環境計画(UNEP)科学委員
◦文部科学省研究振興局学術調査官
◦厚生労働省医薬食品局委員
◦日本学術振興会国際事業部科学委員
◦日本学術振興会第 153 委員会委員
◦日本学術振興会第 151 委員会委員
成果の普及
◦平成 27 年 6 月 11 日テレビ朝日テレ朝ニュース:「ナ
ノマシンによる切らない手術」
◦日 本産業新聞 H24 年 7 月 4 日掲載フロンティア知恵
を絞る - 資源に配慮し材料開発 ◦日 本経済新聞 H24 年 11 月 16 日掲載最先端走る燃料
電池 分散型発電への道開く:同 H26 年 9 月 30 日掲
載燃料電池 もっと安く:同 H27 年 1 月 9 日掲載燃料
電池 水素以外も利用
◦平成 25-27 年度私立市川学園高等学校 SSH より 校外
演習を受け入れ
◦日本アイソトープ協会アイソトープ利用講演・見学会
での講演
◦日本地球化学会年会一般講演会「東京電力福島第一原
技術と社会を結ぶサイエンスコミュニケーション」
◦ H24 年 7 月東京工業大学田町 CI 公開講演会シリーズ
4「ナノメートルサイズの器を用いて新材料をつくる」
◦ H26 年度市民講座開催「未来を拓く科学と技術」講
演
◦国際化学オリンピック H23 年度トルコ大会メンター:
同 H24 年度アメリカ大会ヘッドメンター
◦サイエンスカフェ:2 回(H24、H27 年)
国際交流
◦外国人研究員の受入数:31
◦留学生(国際環境事例研究を含む)の派遣数:24
◦留学生(短期)の受入数:13
◦共同研究の実施数と相手国:2(スイス)、2(デンマ
ーク)、3(フランス)、5(アメリカ)、1(ドイツ)
、1
(中国)、1(インド)、1(台湾)、1(ブルガリア)
学生・教員受賞
<学生の受賞>
◦ H22 年度
◦日本化学会優秀講演賞(産業)
◦日本化学会第 4 回関東支部大会学生講演賞 ◦化学工学会関東支部大会学生賞(銅賞)
◦ 7th Workshop on Organic Chemistry for Junior
Chemists Presentation Award
◦ T he 6th International Symposium on Organic
Photochromism ポスター賞(2 件)
◦第 60 回錯体化学討論会学生講演賞
◦第 21 回基礎有機化学討論会ポスター賞
◦ H23 年度
◦日 本化学会第一回 CSJ 化学フェスタ最優秀ポスター
賞
◦第 92 回日本化学会春季年会優秀発表賞
◦第 61 回錯体化学討論会学生講演賞
◦化学工学会関東支部大会学生賞(銅賞)
◦第 15 回ケイ素化学協会シンポジウムポスター賞
◦ T he first NTU-TITech Joint Student Workshop
Poster Award
◦ H24 年度
◦日本膜学会学生賞
◦化学工学会関東支部横浜大会学生賞(金賞)
◦化学工学会第 44 回秋季大会学生優秀発表賞(2 件)
◦日本化学会第二回 CSJ 化学フェスタ 2012 最優秀ポス
ター発表賞
79
化学環境学専攻
◦電気化学会第 80 回大会ポスター賞
◦日本地球化学会 2012 年度年会ポスター賞
◦日本化学会優秀講演賞(産業)
◦日本化学会第二回 CSJ 化学フェスタ 2012 優秀ポスタ
ー賞(7 件)
Chemists Presentation Award
◦第 15 回リング・チューブ超分子研究会シンポジウム
ポスター賞
◦第 23 回基礎有機化学討論会ポスター賞
◦第 18 回ケイ素化学協会シンポジウム ポスター賞
◦第 102 回有機合成シンポジウムポスター賞
◦第 61 回有機金属化学討論会ポスター賞
◦ International School & Symposium on Molecular
◦第 12 回ホスト・ゲスト化学シンポジウム ポスター賞
Materials & Devices(ISSMMD)2012 ポスター賞(2
◦日本化学会第 94 春季年会学生講演賞
件)
◦第 61 回応用物理学会春季学術講演会講演奨励賞
◦第 23 回基礎有機化学討論会ポスター賞
◦第 63 回高分子討論会優秀ポスター賞(2 件)
◦第 59 回有機金属化学討論会ポスター賞
◦ものづくり技術交流会ポスター賞受賞(2 件) ◦第 9 回ホスト・ゲスト化学シンポジウムポスター賞
◦ The Third International Education Forum on
◦日本化学会第 92 春季年会学生講演賞
Environment and Energy Science Best Oral
◦ The Joint International GCOE Symposium for
Presentation Award
Emergence of New Molecular
Chemistry and Materials Innovation
ポスター賞
◦手島記念研究賞(留学生研究賞)
<教員の受賞>
◦ H22 年度
◦文部科学大臣表彰若手科学者賞
◦ ICSM 2010 Young Researcher Poster Award
◦ H25 年度
◦高分子学会 Wiley 賞
◦日本化学会第 93 春季年会学生講演賞
◦有機合成化学協会研究企画賞
◦日本膜学会学生賞(2 件)
◦化学工学会化学工学会盛岡大会学生賞(銀賞)
◦化学工学会第 79 年会学生賞(銀賞)
◦第 19 回大気化学討論会若手ベストポスター賞
◦日本化学会第 93 回春季年会学生講演賞
◦日本化学会第三回 CSJ 化学フェスタ 2013 優秀ポスタ
ー賞(4 件)
◦第 14 回リング・チューブ超分子研究会シンポジウム
ポスター賞
◦ H23 年度
◦日本地球化学学会奨励賞
◦ H24 年度
◦文部科学大臣表彰科学技術賞(研究分野)
◦第 3 回トムソン・ロイター リサーチフロントアワード
◦化学工学会研究賞實吉雅郎記念賞
◦ IUMRS-ICEM2012 Young Scientist Gold Award
◦ IPC 2012 Young Scientist Poster Award
◦第 65 回錯体化学討論会ポスター賞
◦ H25 年度
◦第 60 回有機金属化学討論会ポスター賞
◦ Enzyme Engineering XXII, Poster Award - 1st
◦ The 8th International Symposium on
Macrocyclic and Supramolecular
Chemistry(8-ISMSC)The ACS Poster Award
◦日 本化学会第三回 CSJ 化学フェスタ最優秀ポスター
賞(2 件)
◦第 36 回フッ素化学討論会最優秀ポスター賞
◦第 24 回基礎有機化学討論会ポスター賞
◦ものづくり技術交流会ポスター賞受賞
◦ H26 年度
◦日本膜学会第 36 年会学生賞
◦化学工学会第 46 回秋季大会学生優秀発表賞
◦化学工学会関東支部大会学生賞(銅賞)
◦化学工学会第 80 年会学生賞(特別賞)
◦化学工学会第 80 年会学生賞(金賞)
◦高分子学会第 63 回年次大会優秀ポスター賞
◦日本化学会第四回 CSJ 化学フェスタ 2014 優秀ポスタ
80
ー賞(7 件)
◦ 9th Workshop on Organic Chemistry for Junior
Place
◦日本化学会第 93 春季年会優秀講演賞(学術)
◦日本化学会若い世代の特別講演会講演者
◦高分子学会賞
◦ブリヂストンソフトマテリアルフロンティア賞
◦手島記念研究賞(博士論文賞)環境関係部門 ◦ H26 年度
◦日本膜学会第 36 年会膜学研究奨励賞
◦ Distinguished Award 2014 for Novel
Materials and Synthesis by IUPAC & NMS
◦ H27 年度
◦日本地球化学学会奨励賞
◦第 61 回高分子研究発表会(神戸)ヤングサイエンテ
ィスト講演賞
◦長瀬研究振興賞
◦日本光合成学会年会優秀ポスター賞
物理電子システム創造専攻
1.専攻の概要
テム分野は専門分野として定着し、一方で、ナノテ
1)教育・研究の目標
を駆使して、革新的な情報通信技術の創出を目指す
クノロジーとして知られる極微の物質の究極的性質
平成 16 年度まで密接に連携して運営してきた物
新しい材料・デバイス分野が創出されてきた。この
理情報システム創造専攻と電子機能システム専攻の
ような背景からサイエンス、量子・光技術を含む、
2 専攻は、平成 17 年度より改組し、物理電子シス
先端的な電子情報通信ハードウェア技術を研究教育
テム創造専攻と物理情報システム専攻として運営さ
分野としてカバーする物理電子システム創造専攻を
れている。旧 2 専攻では材料・デバイスから情報シ
創設し、新学問分野の創造を目指すこととなった。
ステムに関する電子・情報技術を共に教育研究の対
新しく生まれ変わった物理電子システム創造専攻
象とし、電気情報系をバックグラウンドとして物理
は、前身の物理情報システム創造専攻と電子機能シ
学、化学、応用物理学、機械工学、制御工学、情報
ステム専攻の「デバイス・材料系」教員で構成され
工学などの幅広い分野を取り込んだ新しい学問領域
ている。新専攻では、旧専攻が築いてきた教育研究
を切り開く専攻として、多くの卒業生を様々な分野
に関する資産を継承しつつ、情報通信技術(ICT)
に送り出してきた。その成果として近年、人間と情
分野を支える最先端材料デバイスの教育研究を行っ
報の関わり合いを数理・物理的に捕らえる情報シス
ている。図 1 は物理電子システム創造専攻のコンセ
材料と物性
半導体、磁性半導体、誘電体、強誘電体、液晶材料、有機半導体、イメージング材料、超伝導体、
ナノ構造材料、光物性、電気物性、磁性、誘電性、液晶性、ナノ量子物性、融合機能、複合機能
材料を創る
ICT分野における新材料の創造や新物性の探索、
デバイス・システムの開発:新機能の融合・集積化
光で広げる
光デバイス
電子を生かす
ナノデバイス
半導体レーザー、光スイッチ、太陽電池
イメージングデバイス
薄膜トランジスタ、イメージセンサ
ディスプレイ・プリンタ
光集積回路・システム
光インターコネクト
大容量光通信システム
超高速超並列光通信システム
近接場光学とメモリ
生体に学ぶ
超高速デバイス・回路
超低エネルギーデバイス・回路
量子効果デバイス・スピンデバイス
有機デバイス
波動応用デバイス
超音波素子、弾性波素子
集積回路・システム
システムオンチップ、マイクロプロセッサ
超大容量メモリ、多機能LSI・
動的再構成可能回路システム
バイオセンサ
バイオデバイス
マイクロメカトロニクス
知的センサシステム
適応学習デバイス
知的情報処理デバイス
進化機能デバイス
ヘルストロニクス
図1 物理電子システム創造専攻のコンセプト
81
物理電子システム創造専攻
プトを示している。次世代の ICT 技術を創り出す
2)教育・研究分野
ためには、新しい材料の性質とその精密な制御に関
表 1 に本専攻の講座と教員、研究分野・テーマを
する深い物理的理解と最高水準の技術基盤が必要と
示す。本専攻は、
「先端デバイス講座」と「新機能
されるのはもちろん、それらを基礎とした新しいコ
デバイス講座」の二つの基幹講座と、これを支援す
ンセプトに基づく光デバイス、電子デバイス、さら
る五つの協力講座から構成されている。近年、技術
には生体を模したデバイス等の創造が求められてい
の細分化と専門化が進んでいる一方で、益々重視さ
る。そして、それら個々のデバイスの機能を相互に
れるアプリケーション志向に対応するため、システ
連携・融合させ、システムとしての機能を発現させ
ムレベルの価値向上を重視している。そこで本専攻
ることが求められている。物理電子システム創造専
では、物理情報システム専攻と共に、講義や入試を
攻では、このように一見多様に見える材料・デバイ
はじめ密接な連携のもとに運営しており、学生には
ス分野を互いに“機能融合・集積化”させ、先進情
材料・デバイス分野を中心として、情報・システム
報デバイス・システム分野の創造と教育・研究を推
など他分野にわたる教育・研究を経験することが可
進することを目的としている。
能となるよう配慮されている。
表 1 講座と教育研究分野
先端
講座・分野名
職・教員名
集積機能デバイス分野
准教授 角嶋 邦之
デバイス 知的システムデバイス分野
講座
創造機能物質工学分野外部連携
教授 若林 整
研究分野
電子デバイス
電子デバイス、集積回路、ナノデバイス
准教授 大見 俊一郎 集積化電子デバイス、半導体デバイス・プロセス
連携教授 岡本 隆之
ナノフォトニクス、プラズモニクス
教授 梶川 浩太郎 プラズモニクス、メタマテリアル、非線形光学、液晶
機能量子場分野
基
幹
講
座
新機能
デバイス
講座
進化機能デバイス分野
准教授 伊藤 治彦
教授 浅田 雅洋
准教授 渡辺 正裕
ナノ機能デバイス
教授 筒井 一生
アトム・フォトニクス・ナノフォトニクス・
量子機能デバイス・量子エレクトロニクス
テラヘルツデバイス、
超高周波ナノエレクトロニクス・ナノデバイス
量子効果光電子デバイス、ヘテロエピタキシャル成長
固体電子工学、ナノ電子デバイス・プロセス技術
連携教授 加藤隆志
有機材料化学、機能性色素、
画像表示材料、有機半導体材料
連携教授 町田 克之
集積化CMOS-MEMS技術、CMOS LSI技術、
MEMS技術、異種機能集積化インターフェース技術、
実装技術、異種機能集積化プラットフォーム
創造情報デバイス分野外部連携
教授 半那 純一
イメージング材料講座
准教授 飯野 裕明
光電変換・大面積電子デバイス材料、半導体薄膜物性、
液晶性有機半導体材料、イメージング材料
液晶性有機半導体、有機エレクトロニクス、
イメージングデバイス、薄膜トランジスタ
教授 宗片 比呂夫 固体物理(実験)、結晶工学、スピントロニクス、光物性
協
力
講
座
フロンティア物性デバイス講座
フォトニックシステムデバイス講座
知的電子システム講座
准教授 菅原 聡
教授 植之原 裕行 光ルーティング、光スイッチング、光信号処理、光集積素子
教授 益 一哉
准教授 伊藤 浩之
集積フォトニクス講座
理研連携
82
半導体デバイス、スピンデバイス、
電子/スピン物性、集積回路
教授 小山 二三夫
准教授 宮本 智之
連携教授 石橋 幸治
集積回路工学・半導体エレクトロニクス、
RF-CMOS集積回路設計
集積回路工学、CMOS回路技術、無線通信機器
光エレクトロニクス、光通信ネットワーク、光インターコネクト、
光マイクロマシン、面発光レーザ
光エレクトロニクス、半導体光デバイス、
面発光レーザ、量子効果構造
固体電子工学・ナノ構造作製プロセス、ナノデバイス工学
物理電子システム創造専攻
3)専攻の沿革と歴史
昭 和 47(1972) 年 4 月、 物 理 情 報 工 学 専 攻 が、
学部を持たない大学院構想のトップをきって、大学
2.教育の特色
1)カリキュラム
院理工学研究科(大岡山キャンパス)内に開設され
講義カリキュラムを表 2 に示す。材料・デバイス
た。昭和 50(1975)年 4 月には、すずかけ台キャ
の設計・作製からシステムに亘る広い視野と個別の
ンパスに総合理工学研究科が創設され、物理情報工
深い専門を同時に身につけ、急速に進歩する情報技
学 専 攻 と 電 子 シ ス テ ム 専 攻 が 発 足 し た。 平 成 11
術を革新するナノ材料、プロセス、極限情報デバイ
(1999)年 4 月、物理情報工学専攻と電子システム
ス、システムの研究・教育の先頭に立って活躍でき
専攻を改組し、物理情報システム創造専攻と電子機
る人材の養成を目指してカリキュラムが組まれてい
能システム専攻が設置された。さらに平成 17
(2005)
る。また、物理電子システム創造専攻と物理情報シ
年 4 月に、これらの専攻を改組し、情報・システム
ステム専攻では密接な協力のもとに講義を行ってお
系と材料・デバイス系の研究分野を集約することに
り、表 2 に、この 2 つの専攻に関する専門授業科目
よって、現在の物理電子システム創造専攻と物理情
を、材料・デバイス系と情報・システム系の 2 つの
報システム専攻が発足した。すずかけ台キャンパス
系に分類して記載している。さらに、大学院での学
という豊かな環境で勉学に励む学生と共に、世界的
問と社会との関わりについて学習する機会を与える
な成果を生み出し続けている。
ために、主に産業界から 10 名程度の非常勤講師を
招いて研究開発の経験談などを踏まえた特別講義を
開講している。
表 2 講義カリキュラム
脳の統計物理と並列計算(物情)
高機能VLSIシステム(物情)
知的情報システム(物情)
視覚情報処理機構(物情)
音声言語情報処理(物情)
光画像工学(物情)
医用画像情報学(物情)
波動マイクロシステム(物情)
計算論的脳科学(物情)
人間情報学特別演習(物情)
仮想世界システム(知シ)
先進情報材料特論(物電)
光通信システム(物電)
イノベーション工学マネジメント特論(電電・指定科目)
フォトニクス
材料・デバイス系
エレクトロ
ニクス
物理電子システム基礎論I(物電)
物理電子システム基礎論II(物電)
VLSI工学I(物電)
VLSI Engineering II (物電)
高周波計測工学特別講義(物電)
光と物性基礎論I (物電)
光と物性基礎論IIa (物電)
Fundamentals of Light and
Matter IIb (物電)
先端機能材料光学(物電)
オプトエレクトロニクス(物電)
イメージング材料(物電)
D前学期 D後学期
技術マネジメント特論(電電・指定科目)
感覚情報学基礎(物情)
超音波エレクトロニクス(物情)
言語工学(物情)
音声認識と機械学習(物情)
M後学期
物理電子システム特論(物電・オムニバス)
ヒューマン
インフォメーション
情報・システム系
○先端物理情報システム論(物情・オムニバス・指定科目)
★知的情報資源の活用と特許(物電)
★物理情報システム特別講義第一・第二(物情)
情報
システム
M前学期
デジタル信号処理基礎論(物情)
IT社会と情報セキュリティ(物情)
VLSIシステム基礎論(物情)
画像解析論(知シ)
83
物理電子システム創造専攻
また、講義のみでなく、所属研究室での研究・論
応用化学系がそれぞれ約 5%となっており、総合理
文作成に関して、構想発表や中間発表、論文発表を
工学研究科の教育理念に相応しい構成である。また
通して研究の目的や構想の発表と質疑応答を行い、
出身機関別は、本学が約 60%、残り 40%には東京
研究推進に対する自主性を養っている。これらの発
理科大学、早稲田大学、慶応大学、電気通信大学、
表では、優秀な発表をした数名の学生を対象に研究
横浜国立大学、埼玉大学、千葉大学、茨城大学、群
賞を授与している。選考には研究方針や発表のアピ
馬大学、高専専攻科などとなっている。
ール、質疑応答などが考慮され、必ずしも研究の進
展度に限っていない。この賞の設置により学生の取
り組みが積極的で質が向上しており、大きな教育効
果を実現している。
さらに、修士 1 年次の終わり頃には進路指導を行
い、修士課程修了後に就職を希望する場合には、就
職指導を行う。また修士課程、博士後期課程ともに、
優秀な学生については半年ないし 1 年修了を早める
短期修了を積極的に奨励している。
加えて、平成 14 から 18 年度まで 21 世紀 COE プ
ログラム「フォトニクスナノデバイス集積工学」の
図 3 H27 年度 4 月入学説明会後の集合写真
研究拠点のひとつとして運営され、さらに平成 19
から 23 年度までグローバル COE プログラム「フォ
トニクス集積コアエレクトロニクス」の研究拠点の
4)修了生の活躍状況
修士課程修了者過去 5 年間の進路を図 4 に示す。
ひとつとして運営された。これは大岡山キャンパス
修士課程修了者の多くは電気電子関係または情報関
とすずかけ台キャンパスにある電気系の 5 専攻によ
係企業へ進み、活躍している。また、機械・自動車
るプログラムで、博士後期課程大学院生を国際的に
関係企業、化学・材料関係企業から金融・商社まで、
第一級の力量を持つ研究者等に育成することを目標
各分野に広く卒業生を輩出している。他方、博士後
に推進し、研究教育面での支援とともに、経済的な
期課程修了者について、大学、国公立またはこれに
支援も行った。さらに平成 25 年からは、大岡山・
準ずる研究機関だけではなく、最近は企業への就職
すずかけ台に跨がる 50 名程度の教員が参加する東
も増加していて、ほぼ半数に上っている。
工大 COI プログラムに一部教員が参加して研究を
推進するなど、リサーチアシスタント(RA)やテ
ィーチングアシスタント(TA)などの支援制度も
充実している。
2)テーマ一覧
表 1 に各教員の研究テーマも併せて示している。
光、電子、バイオ領域の材料・デバイス分野につい
て、網羅的に研究を推進していることが分かる。
商社・金融・保険, 2
鉄鋼・金 電 計測
属, 3 線, 器, 1
1
建設・機械, 6
官公庁・研究職, 7
当専攻に入学する出身機関の分野別構成は、電気・
情報系が約 60%、物理・応用物理系が約 30%、化学・
84
その他
(印刷ほ 博士後期課
程, 30
か), 24
鉄道・運輸, 8
情報サービス, 8
電気・通信機器, 83
電力・ガス, 10
精密機械, 10
3)学生の構成
過去5 年、全 240 名
化学・薬品・医
療・福祉, 4
通信・
放送,
20 自動車,
23
図 4 修士課程修了者の進路分野の分類
(過去 5 年間 240 名分)
物理電子システム創造専攻
3.研究活動と成果
のイノベーション」領域代表を務めた。平成 20 ~
1)重点研究分野
11 ~ 17 年とほぼ同程度である。
27 年に約 1 億 1300 万円 / 年を獲得しており、平成
情報通信分野における新材料の創造や新しい物性
の探索、デバイス・システム開発を重点研究分野と
◦その他競争的研究資金、助成金、受託研究等
しており、平成 20 ~ 27 年(途中)において、学術
競 争的大型プロジェクトとして、NEDO 国際共
論文 559 件、国際学会発表 1069 件、招待講演 345 件、
同研究、JST 戦略的創造研究推進事業(CREST)
出版書籍 37 冊、出願特許 98 件、取得出願 60 件と
なっている。
(2)
、JST 産学共創基礎基盤研究、総務省 SCOPE
等 が あ る。 ま た、 受 託 研 究・ 共 同 研 究 は 20082015 年に約 2 億 6800 万円 / 年となっている。
2)外部資金の獲得
平成 20 ~ 27 年(途中)における、主な外部資金
取得状況は以下の通りである。
3)受賞等
本専攻の学生と教員の受賞の一部を表 3 にそれぞ
れ示す。
◦日本学術振興会科学・科学研究費
平成 20 年:13 件
(基盤(S/A/B/C)6、若手(A/B)2、新学術 1、
その他 4)
平成 21 年:12 件
(基盤(S/A/B/C)7、挑戦的萌芽 1、若手(A/
B)1、その他 3)
平成 22 年:13 件
(基盤(S/A/B/C)8、挑戦的萌芽 2、若手(A/
B)1、その他 2)
4.社会貢献
本専攻教員は多くの審議会・委員会の委員や他の
大学・研究機関の非常勤講師を務めている。その一
部を以下に示す。
1)学会等
◦ Society of Imaging Science and Technology
Board member, President of Tokyo Chapter
平成 23 年:9 件
(基盤(S/A/B/C)7、挑戦的萌芽 1、若手(A/
B)1)
◦ IEEE, EDS, VLSI Circuit Committee member
(2)
平成 24 年:9 件
(基盤(S/A/B/C)4、若手(A/B)3、その他 2)
平成 25 年:14 件
(基盤(S/A/B/C)3、挑戦的萌芽 5、若手(A/
B)3、新学術 1、その他 2)
平成 26 年:16 件
(基盤(S/A/B/C)5、挑戦的萌芽 6、若手(A/
B)2、新学術 2、その他 1)
平成 27 年:15 件
(基盤(S/A/B/C)6、挑戦的萌芽 4、若手(A/
B)3、新学術 1、その他 1)
◦応用物理学会
会長、副会長(2)
、理事(3)
、評議員、分科会代
表世話人、分科会常任幹事、研究会世話人、研究
会実行副委員長、研究会常任幹事、JJAP 編集委
員長(3)
、JJAP 編集委員(3)
◦ 2013 Symposium on VLSI Technology
General Chair
◦ SS0
Organizing Committee Chair(2)
,Executive
Committee Chair(2),Program, Committee
Chair(2),Program Committee Vice-Chair(2)
,
特に 18-20 年には、特定領域研究「新世代光通信
Program Committee members(3)
85
物理電子システム創造専攻
表 3 学生及び教員が受けた賞の一部(平成 18-27 年度途中まで)
平成
年度
学⽣が受けた学会賞等
教員が受けた褒賞, 学会賞, フェロー等
18
19
国際コミュニケーション基⾦優秀研究賞
VDEC VLSI Designer's Forum 2008, 最優秀ポスター賞
STARCフォーラム/シンポジウム 2008, 最優秀ポスター賞
DAシンポジウム2007, 優秀論⽂賞/優秀発表学⽣賞
情報処理学会, 平成20年度⼭下記念研究賞受賞
20 応⽤物理学会, 講演奨励賞
応⽤物理学会 薄膜・表⾯物理分科会・シリコンテクノロジー分科会共催
特別研究会, 安⽥賞
ESSCIRC 2008 Best Paper Award
ウルム⼤学 Hans-Kupczyk-Stiftung客員教授
IEEE/LEOS William Streifer Scientific Achievement Award
応⽤物理学会フェロー
応⽤物理学会APEX/JJAP編集貢献賞
IEEE 2008 EDS Distinguished Service Award
IWDTF Young Researcher Award
SSDM Award
特定領域研究
「新世代光通信のイノベーション」
領域代表
第140回SLDM研究会, 優秀発表学⽣賞
ISOCC 2009, IEEE CAS Seoul Chapter Award
CSTIC 2010, Best Student Paper Award
IEEE Electron Devices Society Japan Chapter Student Award
21 G-COE PICE International Symposium on Silicon Nano Devices in 2030,
Best Student Paper Award
電⼦情報通信学会 光エレクトロニクス研究会, 学⽣優秀研究賞
⽂部科学⼤⾂表彰 科学技術分野 科学技術賞 開発部⾨
電気学会電⼦情報・システム部⾨ 部⾨貢献賞
応⽤物理学会フェロー(3名)
応⽤物理学会JJAP編集貢献賞
電⼦情報通信学会フェロー(2名)
電⼦情報通信学会 功績賞
⽇本画像学会(第16回) 学会賞
⽇本液晶学会 論⽂賞A部⾨ (a分野)
応⽤物理学会会⻑
システムLSI設計技術研究会 第142回研究発表会, 優秀発表学⽣賞
16th Microoptics Organizing Committee, A Best Paper Award
22 電⼦情報通信学会電⼦デバイス研究会, 論⽂発表奨励賞
Taiwan-Japan Workshop "Nano Devices", Best Poster Award
IEEE Electron Devices Society Japan Chapter Student Award
電気学会 上級会員
応⽤物理学会 APEX/JJAP 編集貢献賞
16th Microoptics Conference, A Best Paper Award
東京⼯業⼤学 挑戦的研究賞
応⽤物理学会会⻑
Taiwan-Japan Workshop, Best Poster Award
17th Microoptics Conference MOC Award
IEEE Photonics Society Japan Chapter Young Scientist Award
IEEE(⽶国電気電⼦学会)フェロー
International Symposium of Terahertz NanoScience,
電気学会フェロー
Young Researcher Award
⽇本写真学会 ⽇本写真学会年次⼤会 若⼿優秀研究発表賞
⽇本液晶学会学会賞 業績賞 (学術分野)
23 CSTIC 2012, SEMI ECS Student & Engineer Award
ICTF-15, Award for Encouragement of Resesarch in THin Films
Materials Research Society Fellow
G-COE PICE Internatiional Workshop on Advanced Hybrid Nano Devices, The Institute of Electrical Engineers of Japan Fellow
Best Poster Award
The Japan Society of applied Physics Honorable Member
TANAKAホールディングス(株) 研究助成 MMS賞
応⽤物理学会講演奨励賞
International Cnf. Indium Phosphide and Related Compounds (IPRM),
Best Student Paper Award
ISNE 2013, Excellence for research in the field of
24 Solid-State Technologies and Devices
Future Trend of Nanodevices and Photonics: IEEE EDS Wimnact 37,
Best Porster Award
電⼦情報通信学会 光エレクトロニクス研究会, 学⽣ポスター優秀賞
応⽤物理学会春季学術講演会Poster Award
電気学会 フェロー
電気学会 上級会員
応⽤物理学会 フェロー
応⽤物理学会 光・電⼦集積技術業績賞
応⽤物理学会 有機分⼦・バイオエレクトロニクス分科会 奨励賞
電⼦情報通信学会 フェロー
IUMRS International Conference on Electronic Materials 2013,
Young Scientist Award, Silver Award
⽇本写真学会 ⽇本写真学会年次⼤会 若⼿優秀研究発表賞
電気情報通信学会ソサイエティ⼤会, エレクトロニクスソサイエティ学⽣奨励賞
電気学会総合研究会, 優秀論⽂発表賞
Laser Display Conference, The LDC Award
第27回 独創性を拓く先端技術⼤賞, ⽂部科学⼤⾂賞
IEEE Photonics Society Japan, Young Scientist Award
iNOW2013, Tyngye Li Memorial Poster Award
25 18th Microoptics Conference, MOC Student Award
応⽤物理学会, 講演奨励賞
IEEE Electron Devices Society Japan Chapter Student Award
The Workshopon Future Trend of Nanoelectronics: WIMNACT 39,
Best Poster Award
⽇本液晶学会, 虹彩賞
MORIS2013, Best Poster Award
第74回応⽤物理学会秋季学術講演会 PosterAward
電⼦情報通信学会 業績賞
電気学会総合研究会 優秀論⽂発表賞
Best Paper Award at 13th International Workshop on
Junction Technology 2013
⽇本化学会 ⽇本化学会第93春季年会 優秀講演賞(学術)
⽇本液晶学会 奨励賞(c分野)
東京⼯業⼤学 挑戦的研究賞
TANAKAホールディングス(株) 研究助成シルバー賞
Thailand-Japan Microwave, Young ResearcherEncouragement Award
応⽤物理学会テラヘルツ電磁波研究会, サマースクール学⽣奨励賞
電⼦情報通信学会光エレクトロニクス研究会, 学⽣優秀研究賞
電⼦情報通信学会 エレクトロニクスソサイエティ レーザ量⼦エレクトロニクス研究会,
奨励賞
電⼦情報通信学会 電⼦デバイス研究会, 論⽂発表奨励賞
26 電⼦情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ優秀学⽣修了表彰
第28回 独創性を拓く先端技術⼤賞, ⽂部科学⼤⾂賞
Optoelectronics and Communications Conference 2014,
Wanda Henry Prize および Distinguish Student Prize
CSTIC 2015, ECS Best Student Award
IEEE EDS Mini-Colloquium: WIMNACT45, Best Poster Award
電気学会学⽣研究発表会, 優秀発表賞
電気学会 業績賞
電気学会 優秀論⽂発表賞
第5回集積化MEMS技術研究ワークショップ 優秀ポスター賞
TANAKAホールディングスMMS賞
応⽤物理学会 JJAP編集貢献賞
2015 IEEE Cledo Brunetti Award
⽇本写真学会 論⽂賞
電⼦情報通信学会エレクトロニクスソサイエテ ィ活動功労表彰
半導体製造技術国際会議ISSM2014, Best Paper Award
⽶国画像学会(IS&T)senior member
27
86
その他,特筆すべき関連事項
平成18〜20年度
科学研究費補助⾦
⽂部⼤⾂表彰科学技術賞(理解増進部⾨)
JJAP論⽂賞
電⼦情報通信学会 集積回路研究会, 研究会優秀若⼿講演賞
電⼦情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ
エレクトロニクスソサイエティ学⽣奨励賞
電気学会 電⼦・情報・システム部⾨貢献賞
応⽤物理学会フェロー
電⼦情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ賞
応⽤物理学会会⻑
物理電子システム創造専攻
◦ IWJT
◦日本学術振興会
Chairs(2)and committee members(4)
,2015
第 130 委員会主査、第 187 委員会運営委員、第
IWDTF Program Chair
142 委員会委員、第 165 委員会委員、学術システ
ム研究センター専門委員、先導的研究開発委員会
◦電子情報通信学会
委員
エレクトロニクスソサイエティ会長(2)
、専門委
員会委員長、専門委員会委員、フェローレビュー
◦科学技術振興機構
委員会委員、研究会幹事、研究会委員、ELEX 編
科学技術振興調整費プログラムオフィサー、日仏
集長(3)
、
ELEX 幹事、
英文論文誌(C)編集長(2)
共同研究プロジェクトアドバイザー、知財活用促
進ハイウェイ評価委員会外部専門委員
◦電気学会:
技術委員会委員長(2)
、調査専門委員会委員長
◦総務省
電波利用料による研究開発等の評価に関する会合
◦エレクトロニクス実装学会:理事
構成員、SCOPE 評価委員、NICT 委託研究専門
委員
◦日本光学会
ナノオプティクス研究会運営委員、レーザーディ
スプレイ技術研究グループ委員
◦レーザー学会
レーザー照明・ディスプレイ専門委員会委員
◦農林水産業
食品産業科学技術研究推進事業・評価分科会委員
◦理化学研究所
基礎科学・国際特別研究員制度推進委員会委員、
基礎科学・国際特別研究員制度審査委員会委員
◦日本画像学会:会長
◦日本写真学会:理事
◦日本液晶学会:理事
◦新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
評価分科会委員長、副委員長、委員(2)
◦日本印刷学会:理事
3)民間団体等
2)公的機関委員および社会貢献
◦テラヘルツフォーラム:企画委員、運営委員
◦日本学術会議
◦電子情報技術産業協会
総合工学委員会 ICO 分科会光科学技術調査企画
半導体技術ロードマップ諮問委員会委員、WG 委
小委員会委員
員
◦総合学術会議:技術専門アドバイザー
4)非常勤講師等
九州大学機能化学研究所客員教授、京都大学非常
◦文部科学省
文部大臣表彰若手部門審査委員会委員、知的クラ
勤講師、名古屋大学非常勤講師、九州大学非常勤講
師、日本女子大学非常勤講師
スター創成事業審査委員、研究振興局基礎基盤研
究課学術調査官、科学研究費専門委員会専門委員
これらの外、本専攻教員による新聞などメディア
への発表も多数ある。
87
物理電子システム創造専攻
図 5 溶液プロセスで製膜した液晶性有機半導体
(Ph-BTBT-10)の薄膜トランジスタ
図 8 室温電子デバイスで最高周波数(1.9 THz)の発
振を達成した共鳴トンネルダイオード(RTD)発
振器
図 6 超低電力 RF トランシーバ
図 9 高駆動電流と低消費性を両立するシリコンナノワイ
ヤ FET。最先端加工技術による形状制御によって
実現可能となった。
図 7 環境温度に安定で、波長可変動作を可能にする
アサーマル波長可変面発光レーザー
88
図 10 蓮の葉を鋳型に作製したメタマテリアル
反射率 1% 以下の超薄膜光吸収構造を実現
メカノマイクロ工学専攻
1.専攻の概要
い専攻のカリキュラムにおいても広領域の学際融合
1)教育・研究の目標
理工学研究科の基幹講座(機能創造講座)の教員お
分野を包含している。本専攻の教育・研究には総合
本専攻では、機械・電子・制御・情報・材料など
よび同一キャンパスにある精密工学研究所の機械系
の工学分野に関わる学科の出身者をはじめとして、
の教員が担当している。表 1 に 2015 年度の教員の
材料系、生命系、応用化学、化学工学など広い分野
一覧を示す。
の出身者から入学志願者を募るとともに、社会人あ
常に新たな学術分野の開拓を希求する本専攻の姿
るいは企業経験者も積極的に受け入れ、たとえば機
勢は、東京医科歯科大学との医工学連携による医療
械工学の素地をもった学生には電子工学的センス
ロボットや人工心臓用のアクチュエータの研究への
を、また電子工学の素地をもった学生には機械工学
取り組みや、本学生命理工系とのバイオ機械融合研
的センスを与えるなどのように、入学者各自の専門
究にも表れている。
以外の分野に深い理解と幅広い見識をもった研究
者・技術者を養成することを目標にしている。つま
り「幅広い視野に立って精深な学識を修め、当該専
表 1 2015 年度の教員一覧
講座・分野名
攻分野における学理と展開のための研究能力を養
う」ことを目的とした大学院教育及び研究を行って
機能創造
いる。
教
小 俣 透
ロ ボ ッ ト 工 学、
医 療 ロ ボ ッ ト、
髙山 俊男
メカトロニク
ス、制御、知能
北條 春夫
機械の騒音計
機械装置の振動
測、動力伝達系
松 村 茂 樹 計測および低振
のダイナミック
動設計
ス
新野 秀憲
ナノモーション
ナノ加工学、マ
システム、イン
ザーマシン工
吉 岡 勇 人 プロセス加工計
学、設計方法論、
測、ナノ加工の
工作機械工学
能動制御
製造技術、レーザによる加工・計測技術、MEMS/
NEMS、マイクロマシン技術、ロボット技術、フレ
キシブル生産システムなどの最近の科学・技術の研
極限
デバイス
究成果こそが、本専攻の主要な分野に関連する技術
のである。
が得られるか否かということである。そのためには、
初 澤 毅
先端メカト
ロニクス
各分野の専門家が互いに話し合える言語を充分に身
につけていることが必要であり、それが可能な人材
の育成を目標にしている。
2)教育・研究分野
本専攻の研究分野は、先端メカトロ二クス、極限
デバイス、先端ロボティックス、バイオテクノロジ
といった学際的境界領域にわたっており、それに伴
ロ ボ テ ィ ク ス、
メカトロニク
ス、 医 用 機 器、
移動ロボット
精 密 機 械 要 素、
進 士 忠 彦 人工心臓、マイ
クロマシン
者の緊密な協力によってはじめて作り上げられたも
ここで重要な点は、異分野の専門家の緊密な協力
准教授
精 密 運 動 機 構、
プロセス計測制
精密運動制御、
」
香 川 利 春 御、圧縮性流体 佐 藤 海 二 ア ク チ ュ エ ー
工学、ガス工学
タ、マイクロマ
シン
本専攻の性格・目的がより一層明確に理解される
ように、例を挙げて説明する。たとえば、超 LSI の
授
ナノ・マイクロ
マシン要素の構
栁田 保子
築法、バイオ分
野への応用
バ イ オ MEMS/
NEMS、ナノバ
イオテクノロ
ジー
流体マイクロマ
医 療 ロ ボ ッ ト、
シン、マイクロ
只 野 耕 人間機械システ
吉田 和弘 ア ク チ ュ エ ー
太
郎 ム、空気圧シス
タ、機能性流体
テム
応用
機械運動学、ロ
ボティクス、メ
先端メカ 堀 江 三
カノマイクロシ 佐 藤 千 明
ノ材料
喜
男
ステム設計・製
作論
機械工学と化学
の境界領域、複
合 材 料、 接 着・
接合
セキュア
マイクロ
デバイス
MEMS、マイク
ロメカトロニク
ス、バイオメカ
トロニクス
金 俊 完
機械量子
集積マイクロシ
高木 秀樹
工学
ステム
講座外
ロ ボ ッ ト 工 学、
川 嶋 健 嗣 流 体 計 測 制 御、
マイクロセンサ
89
メカノマイクロ工学専攻
3)専攻の沿革と歴史
2003 年の改組に伴い、大講座制へと移行した。
近年の先端的センサ、高機能アクチュエータ、マ
基幹講座として機能創造講座(教授 2 名、助教授 2
イクロモーションシステム等の開発に必要不可欠
名)
、協力講座として極限デバイス講座、先端メカ
な、微細加工技術を含むマイクロシステム技術に基
トロニクス講座(以上各大講座教授 3 名、助教授 3
づく新たな精密機械システムの開発と人材育成を目
名)
、生産システム講座(教授 1 名、助教授 1 名)
、
的として、1973 年 4 月に発足し、1975 年 4 月より
外部連携講座として機械量子力学が設置され、最先
大学院総合理工学研究科の 1 専攻「精密機械システ
端の教育研究が実施できる環境を整備した。
ム専攻」として本格的なスタートを切った。2003
2.教育の特色
年 4 月に改組を行い、
「メカノマイクロ工学専攻」
として新たに発進した。
1)カリキュラム
表 2 に教員の変遷を示す。基幹講座として、情報
変換学の 1 講座、協力講座として、精密要素、超精
本専攻の授業には、学生の視野を広め総合する能
密測定学、精密加工学、精密伝達学、機械運動要素
力を養うため、各学科出身者の未学習科目を補う基
の 5 講座の計 6 講座からスタートした。
礎学問的授業、工学基礎実験、各教員によるそれぞ
1976 年より自動設計学が加わり基幹講座が 2 講
れの専門領域における最近の技術、研究動向等を論
座体制となった。また 1978 年からは精巧機器講座
ずる授業、実地調査等が設けられ、学際性と創造性
が協力講座に加わり、基幹講座 2、協力講座 6 とな
を備えた研究者・技術者を養成する本専攻特有の配
った。1991 年には知能システム工学専攻との連携
慮がなされてきた。
講座、知的システム講座が加わった。さらに、1994
1973 ~ 1993 年まで、精密機械システム専攻とし
年からは外部連携講座として機械量子工学が設置さ
て次頁の講義が主な必修科目として開講されてい
れた。
た。
表 2 教員の変遷(次ページにつづく)
73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03
西暦年度
専攻主任
情報変換学
石川 吉本 吉本 佐藤 林国 豊山 白鳥 佐藤 林輝 神馬 林国 中野 梅澤 池上 佐藤 林輝 佐藤 神馬 丸山 横山 下河辺 池上 横山 下河辺 丸山 吉川 横田 北條 香川 小杉 堀江
吉川昌範 堀江
佐藤拓宋
小杉幸夫
佐藤海二
小杉幸夫
横山正明
林国一
自動設計学
横山正明
小俣 透
機械量子工学(外部連携)
精密機素
超精密測定学
精密加工学
精密伝達工学
機械運動制御
吉本 勇
林 輝
丸山一男
北條春夫
林 輝
林 巌
佐藤海二
永井
中野和夫
中野和夫
横田眞一
伊東 誼
吉田和弘
佐藤千明
藤田 肇
丸田
泰之 芳幸
中野道雄
下河辺 明
横田眞一
香川利春
初澤 毅
吉田和弘 堀江 川嶋健嗣
静粛工学(寄附講座) 横野
坂田 勝、長谷川健介
90
堀江
堀江三喜男
今井 聖
兼担教官
横田眞一
堀江三喜男
生産システム
(知能システム)
進士忠彦
香川利春
池上皓三
梅川壮吉
池上皓三
専任教官
橋詰 等
下河辺 明
梅澤清彦
白鳥英亮
川嶋
新野秀憲
新野秀憲
大塚二郎
池辺 洋
香川利春
松村茂樹
梅澤清彦
神馬 敬
石川二郎
松村
北條春夫
梅澤清彦
下河辺 明
山本 晃
北條春夫
初澤 毅
豊山晃
松島皓三
精巧機器
加藤隆久
丸山一男
林 巌
伊東 誼
柳田
初澤 毅
帯川利之
松尾芳樹 、平田 敦
大竹尚登
木村康治
岩附信行
メカノマイクロ工学専攻
◦メカノマイクロ工学基礎学および基礎実験
◦精密機械システム応用
◦メカノマイクロ工学特別講義
製作課題を与え(Hands-on Exercise)前期末に
となり、内容の充実が図られた。
発表させる。学生の共同作業を趣旨とし、学生間の
基礎学は、専門分野の異なる学生に基礎知識を身
コミュニケーションを促す。
当初は、グループ数分の課題を教官が出題した。
に付けてもらうために、修士課程 1 年の前期に機械
その後は、統一課題を各グループに与え競作させる
および電気系の基礎科目を基礎学第一から第五とし
こととした。例えば 1987 年の課題はクライマーロ
て開講している。基礎学第一は材料力学、第二は機
ボットであった。このように現在重要視されている
械力学 第三は流体力学、第四は制御工学、第五は
創造性教育やものつくりにいち早く取り組んでいた
電気・情報工学の内容である。各講義とも英語の教
ことがわかる。
科書を使用している。これらの科目の学業成績の評
◦精密機械システム特別講義
価は、中間試験、期末試験をはじめ適宜小テストに
より定量的に行なっている。
当初は、話題になった商品開発秘話や研究、製品
開発の実情を担当者から講義して頂いていた。その
2012 年度より、メカノマイクロ工学基礎学を 5
後は、10 年程度経過した卒業生に仕事の実体験を
月中旬開講とし、その前に基礎数学、基礎力学の 2
紹介してもらい、学生の目を社会に向けさせると同
科目を開講することにした。必要な学生には基礎学
時に、卒業生とのパイプを広げることを目的とした。
力を向上させるとともに、これらの学力が十分な学
1994 ~ 2002 年度までは下記の講義が主な必修科
生には、修士論文の準備となる演習を各研究室で実
目であった。
施している。学生アンケートによりその高い教育効
◦精密機械システム基礎学および基礎実験
果を確認している。
また、大学院で実験実習は珍しいが、本専攻では
◦精密機械システム特別講義
実験から学ぶことを重視して、基礎実験として実験
2003 年度からは専攻名変更に伴い、
表 2 つづき
西暦年度
専攻長
04
新野
05
初澤
06
小杉
07
北條
08
小俣
09
新野
10
香川
11
初澤
12
横田
小杉幸夫 横山正明 機能創造
小俣 透 機械量子工学
加藤孝久
極限
デバイス
13
進士
14
北條
15
小俣
香川利春 小俣 透 佐藤海二 髙山俊男 髙山俊男
矢部 彰 高木秀樹 北條春夫 新野秀憲 進士忠彦 松村茂樹 下河邊明 吉岡勇人 橋詰 等
進士忠彦 香川利春 吉田和弘
横田眞一 先端メカト 堀江三喜男
ロニクス
川嶋健嗣
佐藤千明 初澤 毅 只野耕太郎 吉田和弘 栁田保子 堀江三喜男 佐藤千明 生産
システム
メカノフロンティア
セキュアデバイス
先端
メカノ材料
秦 誠一 秦 誠一 堀江三喜男 佐藤千明 秦 誠一 川嶋健嗣 金 俊完 講座外
セキュアマイクロ
デバイス
角田 貢
木村康治 岩附信行 大竹尚登 平田 敦 兼担
平田 敦
帯川利之 松尾芳樹 初澤 毅 栁田保子 吉岡勇人
91
メカノマイクロ工学専攻
実習を実施している。当初は、各研究室の研究に関
Electrical Discharge Machining and Laser Beam
連した実験をテーマとしていたが、2010 年度より、
Machining
基礎学の教育効果をより高めるために、基礎学第一
から第五に関連した実験を実施することにした。
それに加えて、本専攻で管理しているクリーンル
ーム内での実習、および、機械工場の協力を得て機
械加工の実習を行っている。これらの実験を通じて、
実験の進め方、レポートの書き方を学ばせることが
でき、修士論文の作成に大いに役立っている。
後期には、Theory of Robotics、Advanced Mechanical
Systems Design などの英語での講義やインターンシッ
プを実施するなど幅広い視野を持った人材に育成に
適したカリキュラムを備えている。
特別教育コースである「医歯工学特別コース」に
本専攻は参画している。例年修士 1 年次の約 2 / 3
の学生が受講し、他の専攻と比較して高い受講率で
ある。幅広い視野に立って精深な学識を修めるという
本専攻の教育理念が学生に浸透している証左である。
なお、修士論文の発表会においては、全教員が出席
◦補助人工心臓への応用を目指した軸方向制御型磁気
軸受モータの研究
◦柔軟関節を用いた空気圧駆動鉗子マニピュレータの
開発
◦フォークリフト用油圧多板クラッチの損傷要因と設
計指針について
◦ Control design of the pneumatic servo system
considering connected pipelines
◦内視鏡外科手術のための柔軟要素を用いた流体利用
臓器圧排挙上機器の開発
◦ A Study on Unequal Temperature Distribution
Effect in Viscosity Measurement of Vibroviscometer
◦交差軸歯車の歯当たり解析とマシニングセンタによ
る大形歯車製造への応用に関する研究
◦ Combinatorial Approach of Ni-based Amorphous
Alloys for Glass Lens Molding Die Materials
◦グリース潤滑された小形ギヤードモータ用歯車減速
機の損失低減に関する研究
◦ Fabrication and Application of Micro Diaphragmtype Electromagnetic Actuators Utilizing thin film
Permanent Magnet
し、発表態度、内容、質疑応答の各項目について評価
を行い、最優秀講演賞を授与する体制を整えている。
また、本学機械系学科の同窓会である白星会より、
修士修了者の学生 1 名に対して白星会メカノマイク
3)学生の構成
2006 年度から 2015 年度の入学者数は表の通りで
ある。
ロ工学専攻最優秀論文発表賞を、自動者技術会より、
表 3 修士、博士入学者数
学生 1 名に対して自動車技術会大学院研究奨励賞を
頂いている。
以上、本専攻では学生の研究、プレゼンテーショ
ン能力向上のための体制を整備している。
2)テーマ一覧
2012 ~ 2014 年度の博士論文の研究課題を以下に
列挙する。
◦ Multilayer Thin Electrostatic Actuator Supported
by Only Lubricating Oil for Fine Stages
◦ A Study on a Pressure Regulator for Compressible
Fluid Systems with Flow Rate Feedback
◦低差圧駆動形ガスガバナに関する研究
入学者数
年度
修士
留学生
(内数)
博士
留学生
(内数)
2006
31
2
12
3
2007
33
3
11
2
2008
30
5
3
1
2009
38
3
11
4
2010
39
6
8
1
2011
32
4
5
4
2012
38
4
9
3
2013
37
2
6
2
2014
34
2
7
2
2015
31
0
6
2
* H27.8.19 現在(2015 年 10 月入学者は未定)
◦大形バイラテラルマニピュレータの研究
◦電界共役流体を用いたマイクロレートジャイロに関
する研究
◦ Force Perception in Time Delayed Telerobotics
◦ High Speed and Multi-DOF Maglev Actuators for
92
4)修了生の活躍状況
博士修了者は、大学関係では、本学、広島大学、
埼玉大学、千葉大学、鹿児島大学、首都大学東京、
メカノマイクロ工学専攻
防衛大学校、中国科学技術院深せん先進技術研究院
(中国)
、McGill University(カナダ)
、Universidade
Federal do ABC(ブラジル)
、Universiti Teknikal
【外部資金取得状況】
<科学研究費補助金>
代表者が本専攻教員のものに限る。基盤研究
(C)
、
Malaysia Melaka(マレーシア)などで活躍している。
若手研究(B)については省略する。
企業では、アズビル、豊田中央研究所、三菱電機、
2015 年度
安川電機などで活躍している。
◦佐 藤海二:
「追加・交換が容易な光磁気駆動エン
2014 年度の修士修了 36 名の就職先はつぎの通り
ドエフェクタをもつマイクロマニピュレータ」
、
である。本専攻の博士後期課程、独立行政法人航空
2015-2017 年度、基盤研究 B、14,450 千円(2015
大学校への進学、アズビル、いすゞ自動車、独立行
年度配分)
政法人宇宙航空研究開発機構、オリンパス、川崎重
◦石田忠:
「ナノバイオロジーのための MEMS 電子
工業、コマツ、シャープ、Schlumberger、JX 日鉱
顕微鏡技術の確立と細菌の動態研究への応用」
、
日石エネルギー、JNC、住友重機械工業、ソニー、
2015-2017 年度、若手研究 A、13,390 千円(2015
大日本印刷、テルモ、東芝、日本光電、日立建機、
年度配分)
日立製作所、ファナック、富士重工、古河機械金属、
◦佐 藤海二:
「小型化・高推力化に適した高性能熱
本田技研工業、三菱重工業、安川電機、リコー、初
磁気サーボアクチュエータの基礎研究」
、2015-
期臨床研修医
2016 年度、挑戦的萌芽研究、3,900 千円
上記より、重工業、自動車メーカ、電機メーカな
どの製造業をはじめとして多くの分野に人材を輩出
していることがわかる。
2014 年度
◦吉 田和弘他:
「高パワー作業を行う狭隘空間内作
業マイクロロボットの開発」
、2014-2016 年度、基
盤研究 B、14,650 千円
3.研究活動と成果
機械要素として欠かせない歯車や自動制御の研究
◦金 俊完他:
「電界共役流体マイクロポンプを内蔵
したマイクロ液滴生成デバイスの開発と応用」
、
2014-2016 年度、基盤研究 B、14,620 千円
などが活発に行われてきた。さらに、異なる分野の
◦石 田忠:
「微小空間適応を利用したシアノバクテ
研究者が共同してシナジー効果を発揮した、数値制
リアの葉緑体化への挑戦」
、2014 年度、挑戦的萌
御(NC)に関する研究開発で、我国の工作機械や
芽研究、3,900 千円
ロボットの発展に貢献するとともに、静粛工学とい
う新しい工学分野を開拓してきた。
最近では、科学研究費補助金基盤研究(S)
(A)
、
若手研究(S)
(A)などの大型予算により、充実し
◦進 士忠彦:
「ネオジム磁石膜のレーザアシスト加
熱 に よ る 高 ア ス ペ ク ト・ 微 細 着 磁 法 の 研 究 」
、
2014-2015、3,900 千円
◦吉 田和弘他:
「交流電気浸透を用いた外部刺激応
た研究環境で研究を推進している。代表的な研究と
答形ドラッグデリバリーシステムの基礎研究」
、
して、基盤研究(S)の課題である工作機械に関す
2014-2016 年度、挑戦的萌芽研究、3,900 千円
る研究、超微細加工技術(MEMS 技術)を用いた
◦佐 藤千明:
「傾斜物性値を有する多層粘着剤を用
マイクロ、ナノオーダの要素やシステム開発、およ
いた接合部の耐衝撃性向上」
、2014-2016 年度、挑
びそのバイオ分野への応用、東京医科歯科大学との
戦的萌芽研究、3,900 千円
医工学連携による医療ロボット研究が挙げられる。
2012 年度
論文、特許、著書等の研究業績については専攻
◦新 野 秀 憲 他:
「高度機能集積形マザーマシン
HP および各教員の HP を参照頂きたい。また、社
AIMS の実現とそれによる工作機械工学の体系
会貢献度の高い研究例については、次節で紹介する。
化」
(図 1 参照)
、2012-2016 年 度、 基 盤 研 究 S、
161,850 千円
93
メカノマイクロ工学専攻
2011-2013 年度、挑戦的萌芽研究、4,030 千円
2010 年度
◦初澤毅他:
「生体高分子と MEMS 加工の融合によ
るナノパターン自己創成技術」
、2010-2014 年度、
基盤研究 A、47,970 千円
◦吉 岡勇人:
「ハイブリッド駆動機構を用いた超精
密 2 自由度回転テーブルシステム」
、2010-2011
年度、若手研究 A、25,480 千円
図1 開発中の超精密マザーマシンの加工空間
◦小 俣透他:
「多様な臓器・器官の低侵襲操作のた
鏡のためのヒモ形アクチュエータの開発」
、20102012 年度、挑戦的萌芽研究、3,550 千円
めの高集積手術機械システムの創造」
、2012-2014
2009 年度
年度、基盤研究 A、39,130 千円
◦新 野秀憲他:
「コンパクト 3 次元形状計測システ
◦横田眞一他:
「機能性流体 ECF を用いた高出力パ
ワー密度マイクロ液圧源」
、2012-2014 年度、基
盤研究 A、45,890 千円
◦進 士忠彦:
「磁気浮上補助人工心臓における軸受
性能と血液損傷のバランス設計」
、2012-2014 年
度、基盤研究 B、18200 千円
◦吉 岡勇人他:
「回転主軸対応高速工具サーボシス
テムの開発」
、2012-2015 年 度、 基 盤 研 究 B、
17,940 千円
◦香 川利春他:
「消炎特性を持つ高圧水素用超静音
型減圧弁に関する研究」
、2012-2014 年度、基盤
研究 B、18,460 千円
◦川 嶋健嗣他:
「生体信号による操作者の特性を考
慮した力覚提示機能を有する遠隔操作システム」
、
2012-2014 年度、基盤研究 B、17,940 千円
ム Compact Nano-Profiler の開発」
、2009-2011 年
度、基盤研究 A、42,510 千円
◦横 田眞一他:
「電界共役流体のコモンラインを利
用したマイクロアーム / 多指ハンドシステムの研
究」
、2009-2011 年度、基盤研究 A、46,540 千円
◦小 俣透他:
「センシング機能付加による腹腔内組
立式ハンドの高機能化」
、2009-2011 年度、基盤
研究 B、18,200 千円
◦佐 藤海二:
「高推力密度で製造・分解の容易な永
久磁石なし多層型超精密高速平面モータ」
、20092011 年度、基盤研究 B、19,910 千円
◦進 士忠彦:
「磁気浮上遠心補助人工心臓の多機能
化・高信頼化の研究」
、2009-2011 年度、基盤研
究 B、19,240 千円
◦川 嶋健嗣他:
「遠隔治療対応型手術ロボットシス
2011 年度
テムの通信遅れを考慮した制御と安全性評価」
、
◦吉 田和弘他:
「交流電気浸透流を用いたマイクロ
2009-2011 年度、基盤研究 B、19,240 千円
アクチュエーションシステムの開発」
、2011-2013
◦佐 藤千明:
「タック性制御によるリサイクル対応
年度、基盤研究 B、19,110 千円
解体性接着剤の界面剥離特性改善」
、2009-2011
進士忠彦:「ネオジム磁石薄膜のマイクロ多極着
年度、基盤研究 B、19,500 千円
磁 と そ の MEMS へ の 応 用 」
、2011-2012 年 度、
3,900 千円
◦吉岡勇人:
「エバネッセント光を用いた超精密切削加
◦横 田眞一他:
「電界共役流体を用いた極薄液体レ
ートジャイロの研究」
、3,200 千円、挑戦的萌芽研
究、2009-2010 年度
工における工具 - 工作物接触状態の直接的検出」、
<文部科学省地域産学官連携科学技術振興事業費補
2011-2013 年度、挑戦的萌芽研究、3,900 千円
助金>
◦佐 藤千明:
「通電解体性接着剤を用いた時限接着
技術の実現と時限剥離ラミネートへの応用」
、
94
◦吉 田和弘他:
「形状適応機能を有する次世代内視
只野耕太郎他:イノベーションシステム整備事業
大学発新産業創出拠点プロジェクト「気体の超精
メカノマイクロ工学専攻
密制御技術を基盤とした低侵襲手術支援ロボット
システムの開発」
、2012-2014 年度、192,170 千円
◦新野秀憲、吉岡勇人:精密工学会春季大会学術講
演会ベストプレゼンテーション賞
<受託研究>
◦横田眞一:日本機械学会賞(論文)
◦只 野耕太郎:経済産業省平成 25 年度課題解決型
◦横田眞一:日本フルードパワーシステム学会フェ
医療機器等開発事業、
「手術支援用空気圧駆動ア
クティブホールダの開発」
、37,962 千円
◦只 野耕太郎:経済産業省平成 26 年度医工連携事
業化推進事業、
「手術支援用空気圧駆動アクティ
ロー
◦横 田 眞 一:IMechE( 英 国 機 械 学 会 )JOSEPH
BRAMAH MEDAL 2011
◦吉田和弘ほか:ICMT2013 Best Paper Award
ブホールダの開発」
、53,990 千円
<東工大挑戦的研究賞>
◦土方 亘:
「人工心臓装着患者のクオリティ・オブ・
ライフの向上」
、2015 年度、2,500 千円
◦只 野耕太郎:
「外力検出可能な腹腔鏡手術用 3 指
ハンドの開発」
、2013 年度、1,300 千円
◦高山俊男:
「螺旋捻転運動を用いた内視鏡の開発」
、
2011 年度、2,000 千円
【最近の主な受賞】
(過去 3 年間)
2015 年度
◦只 野耕太郎:科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞
4.社会貢献
【学内外における主な活動】
(評議員は省略)
小俣透
◦日本ロボット学会理事(2009 ~ 2010)
◦日本シミュレーション学会理事(2006 ~ 2009)
新野秀憲
◦経 済 産 業 省 産 業 構 造 審 議 会 臨 時 委 員(2005 ~
2006)
◦財 団 法 人 フ ァ ナ ッ ク ロ ボ ッ ト FA 財 団 理 事
(2009 ~ 2012)
◦新野秀憲、吉岡勇人:マザック財団優秀論文賞
◦一般社団法人 FA 財団理事(2012 ~現在)
◦吉田和弘:日本機械学会機素潤滑設計部門一般表
◦日本学術会議連携会員(2011 ~現在)
彰(優秀講演)
◦文部科学省理工学系委員会(2013 ~現在)
2014 年度
◦日本機械学会理事(2007 ~ 2009)
◦小俣透:日本ロボット学会フェロー
北條春夫
◦小俣透、髙山俊男:日本フルードパワーシステム
◦日本機械学会 副会長(2014.4 ~ 2015.4)
学会 学術論文賞
◦小俣透、髙山俊男:日本機械学会ロボティクス・
メカトロニクス講演会’13 ROBOMEC 表彰
◦只 野耕太郎:日本フルードパワーシステム学会、
学術論文賞
◦進 士 忠 彦 他: 第 5 回 International Journal of
Automation Technology 誌 最優秀論文
◦進士忠彦他:18th International Conference on
Mechatronics Technology, 2014、BEST PAPER
AWARD
◦横田眞一:ICMT2014 Outstanding Contribution
Award
◦日本 IFToMM 会議 議長(2011 年~現在)
堀江三喜男
◦ T h e I n t e r n a t i o n a l A d v i s o r y C o m m i t t e e
Member, The International Conference on
Electronic Materials and Packaging(2001 ~現
在)
横田眞一
◦日本フルードパワーシステム学会、理事・副会長
(2007.6 ~ 2011.5)
、理事・会長(2011.6 ~ 2013.5)
吉田和弘
◦日本フルードパワーシステム学会、理事(2006.6
~ 2010.5、2012.6 ~現在)
2013 年度
佐藤海二
◦新野秀憲、吉岡勇人:精密工学会、沼田記念論文賞
◦ International Journal of Precision Engineering
95
メカノマイクロ工学専攻
a n d M a n u f a c t u r i n g (K o r e a n S o c i e t y f o r
Precision Engineering, Springer), Members of
位置情報
Editorial Board(2012 ~現在)
力情報
【研究紹介】
社会貢献度の高い研究開発を紹介する。
マスタ
スレーブ
只野耕太郎准教授は、空気圧駆動を利用した腹腔
鏡手術支援ロボットシステムの開発を行っている
(図 2)。空気の圧力情報から接触力を推定し、術者
ジャイロセンサ
に反力として提示できることを特徴としている。ま
頭部運動による操作
た、空気圧駆動ロボットアームに腹腔鏡を把持させ、
空気圧駆動
ロボットアーム
術者の頭部運動に連動させることで、直感的に腹腔
鏡の視野を操作できるシステムの開発も行ってい
腹腔鏡
る。これらのシステムは、医工連携として主に東京
医科歯科大学の協力の下で実用化を目指した改良を
進めており、2014 年には文科省の支援により大学
図 2 開発中の手術支援ロボットシステム
発ベンチャーを起業し製品化に向けた取り組みを行
っている。
進士忠彦教授らは、生体心臓や補助人工心臓の移
植までの橋渡し、人工心肺補助などの長期安定利用
を可能とする血液ポンプの研究開発を実施した(図
3)
。磁気浮上技術による羽根車の完全非接触浮上・
回転により、従来にない高い生体適合性と耐久性を
有するポンプを実現し、大学発ベンチャーでの研究
成果の実用化を進めている。
香川教授は等温化圧力容器の技術を開発している
(図 4)
。この技術は、空気圧容器内に 40~50μm の
図 3 東京医科歯科大学での血液ポンプの動物実験の様子
金属細線を充填させ、容器内空気の状態変化を等温
に近くするものである。図右上に等温化圧力容器と
600KPa から空気を放出した場合の温度変化を示す。
通常空気などの圧縮性流体は圧力変化に伴い、流体
温度が変化する。これが圧縮性空気の状態変化であ
る。この変化を熱容量の大きな金属細線によって吸
収させる。電磁弁の流量特性を省エネルギーで短時
間で計測することが出来る。本研究室で提案された
本等温化手法は TC131 で ISO 化された。
この他、マイクロマシン展をはじめ各種展示会等
での研究活動の積極的公開、中高生の見学受け入れ
(群馬県立前橋高校、宮城県富谷町立日吉台中学校)
など、地域や社会への貢献を推進している。
96
図 4 等温化圧力容器と温度変化
知能システム科学専攻
1.専攻の概要
中間発表・論文審査の各段階を通じて、指導教員以
1)教育・研究の目標
客観的指標を重視して研究指導にあたっている。ま
外からも評価・コメントのフィードバックを受ける
本専攻はあらゆるシステムを対象とする「システ
た、企業・研究機関からの外部連携教官による先端
ム科学」の研究において世界最大の拠点であり、ネ
テーマの講義・研究指導、海外協定校との交流プロ
ットワークオブエクセレンスのハブとしての国際的
グラムや春・夏期の休暇を利用した公開講義・セミ
な役割を果たし、人材育成につとめている。システ
ナーなどを有機的に組み込んでおり、教育・研究に
ム科学のプロに求められる能力は、対象となるシス
関して多様な選択肢が用意されている。
テムの背後に潜む事柄を抽象化し数理的に考察でき
る素養とセンス、および少なくともひとつの具体的
課題を解決した実践経験である。さらにグローバル
3)専攻の沿革と歴史
知能システム科学専攻は以下のような経緯にて、
社会では、異分野・異文化を背景とするメンバーか
平成 8 年度に発足した。
らなるグループによる問題解決能力が不可欠である。
生命化学専攻とシステム科学専攻の歴史
本専攻では、
「人間」を起点としてスケール別に
知能システム科学専攻の前身である生命化学専攻
設定した 3 つの分野に、数理基盤に関する研究を加
とシステム科学専攻は、昭和 50 年に総合理工学研
えた次の 4 つの学問分野を現代システム科学のフロ
究科開設と同時に設置された。生命化学専攻は、
「化
ンティアとして設定し、最先端の教育・研究を展開
学的接近に基づく生命現象の解明」を教育研究の目
している(図 1)
。
標として、2 基幹講座と 4 協力講座(理学部天然物
◦知能情報学 :ひとりの人間の知性
研究施設)から構成されていた。一方、システム科
◦社会システム学:複数の人間からなる社会
学専攻は、創設時に 3 基幹講座と 3 協力講座(理学
◦システム生命学:人間を形作る生命
部 1、工学部 2)からなり、
「組織化された複雑系の
◦数理情報学 :数理基盤
原理を探るとともに、システムを計画・設計・運用
するための理念と方法を見いだすこと」を教育研究
2)教育・研究分野
の目標としてきた。
本専攻では、これらの分野をリードする第一線の
スタッフが知の拠点を形成しており、国内外の教育
領
域
横
断
型
人
材
研究機関・企業とのコラボレーションのもとで最先
端の教育・研究を展開している。教育の目標は、最
先端の分野を先導するとともに、未開拓の分野にも
積極的に挑戦する創造性豊かな人材を育成すること
にある。このため、基盤となる数理専門必修科目、
個別分野の基礎・先端の 4 つのサブコース、異分野・
必
修
科
目
異文化チーム問題解決科目によって学習課程を構成
している。また、修士論文研究では構想発表・中間
発表・論文審査・ポスター発表、博士論文研究では
図1 教育の目標
97
図 1 教育の目標
知能システム科学専攻
図 2 講座構成および教員の異動履歴
生命化学専攻から知能科学専攻への名称変更
98
能率協会の寄付)と LIFE ファジィ理論寄付講座(国
生命化学専攻の発足以来の顕著な研究業績もあっ
際ファジィ工学研究所の寄付)の設置など、組織の
て、本学では、生命理工学分野での教育研究体制を
充実が図られた。専攻の研究内容も、抽象的なもの
充実するために、平成 2 年度に長津田キャンパスに生
から具体的なものへ、特に「ヒトの知」を明確に意
命理工学部を開設する運びとなり、生命化学専攻の 4
識したものへとシフトしてきた。
協力講座の原籍講座は生命理工学部の新学科に振り
このような状況の中で、知能科学専攻とシステム
替えられることから、対象を生物にとって最高次の生
科学専攻は、カリキュラムの相互乗り入れや教官の
命現象である「知能」にシフトし、生命化学専攻の協
相互併任などを通じて交流を深め、新分野を開拓す
力講座の原籍を精密工学研究所と工学部に移すと共
ることの必要性を認識するに至った。すなわち、両
に、多数の教官の配置替えを行った。平成 3 年度に
専攻は相補的なふたつの学際領域を融合することに
知能科学専攻へと名称が変更され、教育研究の目標
より、超学際性をベースに、生物のように頑健で適
は「自然知能の解明と機械知能の創造」に設定された。
応的な性質をもつ「複雑適応系」を新しい教育研究
知能科学専攻とシステム科学専攻から知能システム
の対象とする新専攻に向けて改組することで合意
科学専攻への改組
し、平成 8 年度に知能システム科学専攻が発足する
システム科学専攻では、その後、昭和 62 年に教
ことになった。図 2 に発足以来の講座構成(連携講
育システム工学講座が新設され、基幹が 4 講座にな
座、客員を除く専任のもの)と教員の異動履歴につ
ることに加えて、JMA 創造性開発寄付講座(日本
いてまとめる。
知能システム科学専攻
授業科目
単位
担当教官
学期
授業科目
単位
担当教官
学期
知能システム数理
2-0-0
室伏
前
パターン情報システム論
2
長谷川(修)
前
複雑ネットワーク解析
2
山村、寺野 ほか
後
適応学習特論
2-0-0
伊藤
前
適応システム論
2
山村、小野
前
システム・合成生物論
2
木賀、山村 ほか
後
ファジイシステム論
2-0-0
廣田、菅野、室伏
前
情報ネットワークシステム論
2
山村、小野 ほか
前
情報統計力学
2
樺島
後
創発システム論
2-0-0
小林(重)、樺島
前
動的システム論
2
三宅、青西 ほか
前
情報学習理論
2
渡邊
後
進化計算論
2-0-0
山村
前
離散システム論
2
新田、樺島 ほか
前
神経確率過程論
2
青西
後
自律分散制御
2-0-0
原、岩崎
前
計算言語学
2
高村
前
U-Martシミュレーション演習
1
小野 ほか
後
能情報処理
2-0-0
中村
前
仮想世界システム
2
佐藤、長谷川(晶)
前
ロボットインフォマティクス実践研究法
1A,2A,3A,1B,2B,3B
2
三宅、小野 ほか
神経情報処理
2-0-0
佐藤、熊沢、小林(隆)
前
生命知識特論
2
小長谷
前
システムモデリング実践演習
2
瀧ノ上、小野 ほか
信号パターン処理
2-0-0
小林(隆)、佐藤
前
システムモデリング
2
小野、三宅 ほか
前
組織知能論
2-0-0
中野
前
画像解析論
2
長橋
前
言語機能学特論
2-0-0
菅野、内海
後
社会経済システム論
2
出口
前
複雑システム数理
2-0-0
三宅、原
後
中小企業価値創造演習
2
出口 ほか
前
仮想世界システム
2-0-0
佐藤
後
SOARS社会シュミレーション演習
1
出口 ほか
前
音声言語認知
2-0-0
今井
後
離散数理
2
室伏
後
画像認知特論
2-0-0
廣田、小川
後
経済物理学
2
高安
後
先端人工知能
2-0-0
後
ナレッジマネジメント
2
寺野、吉川
後
生命システム論
2-0-0
後
制御システム論
2
石井
後
知能機械システム
2-0-0
松野、横田
後
社会サービスシステム創出論
2
出口
後
○知能システム科学特別実験第一・二
0-0-2
全教官
前・後
進化システム論
2
小野、山村
後
○知能システム科学特別演習第一・二
0-2-0
全教官
前・後
複雑システム数理
2
三宅、矢野 ほか
後
○知能システム科学特別演習第三・四
新田、山田、小林(重)
山村、柴山
小林(重)、武井、相澤
半田、田中
0-2-0
全教官
前・後
知財活用サービスマネジメント
2
新田、松田
後
○知能システム科学講究第一~四
2
全教官
前・後
脳情報システム論
2
中村
後
○知能システム科学講究第五~十
2
全教官
前・後
社会サービスシステム設計論
2
出口
後
知能システム科学特別講義第二、第三、
第四、第五
知能システム科学専攻インターンシップ
第一A、第一B、第二A、第二B
知能システム科学講究第一、第二、第
三、第四
知能システム科学講究第五、第六、第
七、第八、第九、第十
Advanced Topics in Socio-economic
Sciences I,Ⅱ
Advanced Topics in Intelligence
Sciences I,Ⅱ
Advanced Topics in Systems LifeSciences I,Ⅱ
Advanced Topics in Mathematical
Information Sciences I,II
Strategic Management of Technology
Topics in Translational Biomedical
Informatics
Special Lecture on Computational
Intelligence and Systems ScienceⅡ,V
IPISE International Communication
(CISS) ,Ⅱ,III,IV
I
Seminar for Cultivating International
Understandings I, Ⅱ
IPISE Internship (CISS) IA,IB,IIA,IIB
IPISE Seminar (CISS) ,Ⅱ,III,IV,V,
I
VII,IX
IPISE Academic Presentation (CISS) ,
I
Ⅱ,III,IV,V,VII,IX
前、後
後
1,2
町田 ほか
前、後
1,2
専攻長
前、後
2
指導教員
前、後
2
指導教員
前、後
2
出口、寺野 ほか
前、後
2
三宅、新田 ほか
前、後
2
山村、中村 ほか
前、後
2
渡邊、樺島 ほか
前、後
2
宮崎
前
2
小長谷 ほか
後
1
町田 ほか
1
各教員
1
前
前、後
梶川
前、後
1,2
専攻長
前、後
1,2
指導教員
前、後
1
指導教員
前、後
図 3 カリキュラムの変遷(左:設立時、右:現在)
2.教育の特色 機会になっている。2 年次 10 月に修士論文中間発
表会、2 月に本発表審査会・ポスター発表会を開催
本専攻は多様なシステムを対象とするため、極め
している。学位は研究内容と本人の希望に基づいて、
てバラエティに富んだ内容の教育が行われている。
修士(工学、理学、学術)の中からいずれかを取得
図 3 に本専攻のカリキュラムの変遷を示す。また、
することができる。
図 4 には過去 5 年間の博士論文のテーマを、図 5 に
博士課程の重要性
は過去 10 年間の学生の出身大学および留学生の出
日本の科学技術は欧米に追いつくことから独自の
身国のリストを、図 6 には年間の修了生の就職状況
創造性が求められる時代に入った。それに伴って日
を博士後期課程と修士課程に分けて示す。
本社会も大学院修士から、独自に研究開発を担える
修士課程の教育
能力をもつ博士を求める時期に移りつつある。今後、
本専攻には、さまざまな学部・学科から多様な学
日本が国際競争力を維持発展させていくためには欧
生が入学してくる。このためまず、専攻として共有
米並みの博士研究者の育成が急務となっている。博
すべき知識とスキルを習得し、かつ専門科目への関
士号重視の変化はすでに始まっている。
心を高めるため、共通必修科目(離散システム論、
例えば国公立研究機関の研究職採用者のほとんど
動的システム論、システムモデリング)を設けてい
はすでに博士号取得者となっている。 民間企業に
る。また、専門科目については、4 つのサブコース
おいても研究部門が縮小される傾向の中、研究所内
が設定した選択必修科目を前学期と後学期にバラン
での博士号取得者の比率が急速に高まっており、博
スを考慮して配置することにより理想的な専門知識
士号取得者を随時採用するようになっている。これ
の修得を実現している。修士論文の研究課題を自主
らの状況に応えて本専攻では、博士課程の教育を修
的に探索するため構想発表会を設けている(修士 1
士課程からの一貫教育として拡充するとともに、修
年次の 1 月または 2 年次の 4 月のいずれかを選択)
。
了生が創造性豊かな科学技術者として活躍できるよ
自らの研究構想を発表するだけでなく、指導教官以
うに博士課程進学を強く勧めている。
外の教官からコメントやアドバイスを受ける貴重な
99
知能システム科学専攻
論文タイトル
The Investigation of Online Negotiation based on Haptic Interaction (触覚インタラクションに基づくオンライン
交渉の研究)
Flexible Representation of Quantum Images, Processing Transformations, and their Applications (量子画像の
柔軟な表現、処理変換と その応用)
取得年
2012/3/26
2012/3/26
学位
博士(工学)
複雑ネットワークの成長モデルの構築とその応用
2014/3/26
博士(理学)
博士(学術)
Design and Analysis of Predictive Multi-Agent Learning Classifier System and its Application to
Recommender Algorithms (予測型マルチエージェント学習分類子システムの設計と分析およびその推薦アル
ゴリズムへの適用)
2014/3/26
博士(工学)
監視制御システムにおける通信シーケンスに基づく侵入検知方式に関する研究
2012/3/26
博士(工学)
エンタテインメント体験の喜びを損なわずに体験を拡張する提示システム
2014/3/26
博士(工学)
状態空間法による神経細胞カルシウム蛍光時系列の解析
2012/3/26
博士(工学)
インターパーソナルなリズム相互作用と歩行リハビリ支援
2014/6/30
博士(理学)
生体反応系における領域複合型システムのモデル化とデザイン
2012/3/26
博士(理学)
New necessary and sufficient conditions for convergence theorems with respect to non-additive measure (非
加法的測度に関する収束定理の新しい必要十分条件)
2014/6/30
博士(理学)
画像構造解析に基づくオプティカルフロー推定に関する研究
2012/3/26
博士(工学)
Study of Influence-Centric Recommendation Algorithms (利用者と項目間の影響を考慮した推薦アルゴリズム
の研究)
2014/9/25
博士(工学)
人間の運動制御メカニズムを考慮した筋電信号ベースのパワーアシスト装置
The study of human sensory motor adaptation in terms of muscle activation(筋活動に基づく人間の感覚・運
動適応に関する研究)
合成生物学的手法を用いた小分子応答分子スイッチの構築
2012/3/26
2012/3/26
2012/6/30
博士(工学)
A Risk Analysis Framework for Nosocomial Influenza Infection Using Agent-Based Simulation (エージェント
ベースシミュレーションを用いたインフルエンザ院内感染リスクアセスメントフレームワークの構築)
2014/9/25
博士(理学)
博士(学術)
Enhanced Models for Query-Oriented Extractive Summarization (クエリ指向の抽出的要約モデルの高度化に
関する研究)
2014/9/25
博士(工学)
博士(工学)
Intelligent Methods for Capnogram Feature Extraction Applied to Asthma Classification 喘息分類のためのカ
(
プノグラム特徴量抽出における知的手法)
2014/9/25
博士(学術)
意思決定とその無意識的側面との関係
2012/9/25
博士(理学)
トリプトファンを含まない遺伝暗号表およびタンパク質に関する研究
2014/12/31
博士(理学)
エージェントシミュレーションを用いた組織の効用と振る舞いに関する研究
2012/9/25
博士(工学)
A study on fundamental properties of representations for piecewise linear funstions(区分線形関数の表現形
式の基本的性質に関する研究)
2014/12/31
博士(理学)
高品質な力覚インタラクションのためのマルチレートシステム
2012/9/25
博士(工学)
A study of reinforcement learning in neural systems: time and state (脳の強化学習の理論研究:「時間」と「状
態」に関して)
2015/1/31
博士(学術)
上肢到達運動における最適制御
2012/9/25
博士(工学)
触質感と可視化法およびそのネット通販への応用
2015/3/26
博士(工学)
Three-dimensional Fuzzy Voronoi Diagram and its Application to Geographical Data Analysis
2012/9/25
博士(工学)
Structure Analysis and Creation of Hierarchical Neural Network in Multi-Task Learning Process (マルチタスク
学習過程における階層型ニューラルネットワークの構造解析と形成)
2015/3/26
博士(学術)
Algorithmic Frameworks to support the Realisation of Secure and Efficient Image-Video
Processing Applications on Quantum Computers
2012/9/25
博士(工学)
Deep Level Emotion Understanding using Customized Knowledge and its Visualization Method in Long
Distance Interaction (エージェント依存知識を用いた深層的感情理解とその遠隔インタラクションにおける可視
化法)
2015/3/26
博士(学術)
Acute Leukemia Diagnosis using Microscopic Image Segmentation and Differential Counting
based on Fuzzy Morphology and Fuzzy Decision Tree
2012/9/25
博士(工学)
Multi-Robot Behavior Adaptation to Deep Level Environmental Information in Humans-Robots Interaction (人
間‐ロボット相互干渉における深層環境情報へのマルチロボット行動適応)
2015/3/26
博士(工学)
2015/3/26
博士(工学)
A Study of Image Information Processing Based on Density-Ratio Estimation (密度比推定法による映像情報
処理に関する研究)
2013/3/26
博士(工学)
Ischemia Diagnosis based on Fuzzy Association Rules and its Monitoring Application in Smart Home Care
Environment
Multifractal Feature Descriptor for Cancer Grading of Histological Images (病理画像におけるがん診断のため
のマルチフラクタル特徴記述子)
2013/3/26
博士(工学)
Non-Photorealistic Rendering and Informative Region Detectionfor High Dynamic Range Scenes
2015/3/26
博士(工学)
神経組織のメゾスコピックモデルとその数理解析
2013/3/26
博士(理学)
実数値進化計算によるノイズを有する関数の期待値最適化
2015/3/26
博士(工学)
細胞種多様化のための人工遺伝子回路の設計と制御
2013/3/26
博士(工学)
Explorationに着目した実数値遺伝的アルゴリズム
2015/3/26
博士(工学)
解集合の被覆度を重視した多目的連続関数最適化に関する研究
2013/3/26
博士(工学)
6軸モーションセンサ装着移動単眼カメラによる3次元距離計測
2015/3/26
博士(工学)
国民経済計算の推計と利用を支援する手法に関する研究
2013/3/26
博士(学術)
ビデオ・オン・デマンドサービスにおけるユーザの視聴・コミュケーション行動の分析
2015/3/26
博士(工学)
2015/3/26
博士(工学)
意思決定理論に基づく主観的最適解探索と集団意思決定分析
2013/3/26
博士(工学)
Atmosphere Understanding with Individual Difference and its Application to Distance Education (個人差を含
んだ雰囲気理解とその遠隔教育への応用)
Unbiased Estimator of Generalization Lossnin Statistical Learning : Theory and Practice(統計的学習におけ
る汎化損失の不偏推定量の研究)
2013/3/26
博士(理学)
Fuzzy Relationship Visualization and its Application to Bibliographic Big Data Retrieval System フ
( ァジィ関係
の可視化およびそのビッグデータ論文検索システムへの応用)
2015/3/26
博士(工学)
Fuzzy Atmosfield for Analyzing Communication Atmosphere and Its Application to Humans-Robots
Interaction (コミュニケーション雰囲気解析のためのファジィ雰囲気場とその人間ロボット情報交換への応用)
2013/3/26
博士(工学)
VANET (Vehicular Ad-hoc NETwork) Optimization based on Fuzzy Network Stability and its Application to
ITS (ファジィネットワーク安定性に基づいた車車間通信VANETの最適化及びITSへの応用)
2015/3/26
博士(工学)
企業信用取引データに見られるゆらぎの統計物理学的な手法による解析とモデル化
2013/3/26
博士(理学)
Study on the Dynamics of Customer Loyalty from the Service-Dominant Logic Perspective using AgentBased Simulation (エージェント・シミュレーションとサービス・ドミナント・ロジックに基づくカスタマー・ロイヤル
ティの動的変動に関する研究)
2015/3/26
博士(工学)
RGB Multi-Channel Representation for Quantum Images and Its Application to Color Image Watermarking
2013/9/25
博士(工学)
A Robust Visual-Feature-Extraction Method in Public Environment
2015/3/26
博士(工学)
Fuzzy Guided Segmentation and Labeling for Dental Based Personal Identification System
2013/9/25
博士(学術)
外国為替市場の状態変化の計測とモデル化
2015/3/26
博士(理学)
ソーシャルメディアにおける単語出現頻度時系列の解析とモデル化
2013/9/25
博士(理学)
ラットにおけるCognitive Map生成およびその適応に関する数理モデル
2015/3/26
博士(理学)
Networked Control of Uncertain Systems under Communication Constraints (通信制約がある下での不確かな
システムのネットワーク化制御)
2013/9/25
博士(工学)
Study on Agent-based Models for Routing Selection in Road-Network Congestion Management (道路渋滞管
理のためのルート選択問題に関するエージェント・ベース・モデルの研究)
2015/3/26
博士(工学)
Aspiration-Based Learning Shaped by Sharing Mechanism and Its Applications
2013/12/31
博士(工学)
動力学系を特徴付ける不変多パラメータ感度
2015/3/26
博士(理学)
Deep Level Situation Understanding in Casual Communication between Humans and Robots (さりげない
ヒューマン・ロボットコミュニケーションにおける深層的状況理解)
2014/3/26
博士(学術)
EFFECTS OF NUMERIC ORDER AND MODE OF MOTOR CONTROL ON SUBJECTIVE TIME ( 主観的時間感
覚に与える数字の順番や運動制御モードの影響)
2015/3/26
博士(理学)
Quantum Computation based Image Data Searching, Image Watermarking, and Representation of Emotion
Space (量子計算に基づく画像データ探索、電子透かし及び感情空間の表現法)
2014/3/26
博士(工学)
Studies on Neural Basis of Robust Motion Perception in Drosophila melanogaster(ショウジョウバエにおける
頑強な動き検知を実現する神経機構の解明)
2015/6/30
博士(理学)
連想記憶に最適な神経実装の探索: 海馬のスパイクタイミング依存可塑性と位相応答曲線
2014/3/26
博士(工学)
Human Parts Detection in Gesture Communication Using A Novel Method Based on AdaBoost (ジェスチャーコ
ミュニケーションにおけるAdaBoostに基づく手と顔の検出の新たな手法に関する研究)
2015/6/30
博士(工学)
A study of citizen-centered E-government service system: An agent-based approach
2014/3/26
博士(工学)
The Effect of Motion Information on Simultaneity Perception (同時性知覚に対する運動情報の影響)
2015/9/25
博士(理学)
人工ネットワークを用いた部分観測下におけるネットワーク構造の推定
2014/3/26
博士(理学)
ロボットを用いた知識転移
2015/9/25
博士(工学)
単純化遺伝暗号構成手法の汎用性の検証
2014/3/26
博士(工学)
センサーネットワークの長寿命化に向けた統計力学的手法による検討
2015/9/25
博士(工学)
Misacylated tRNA for PEGylation and in vitro selection of photo-responsive peptide aptamer
2015/9/25
博士(工学)
図 4 博士論文のテーマ一覧
博士課程の教育
博士課程は、修士課程に比べて自主的な研究活動
が中心になる。研究室内のみでなく学会活動や海外
100
発表などを通した外部との交流も含めて、意欲的に
研究活動に取組むことが求められる。本専攻では、
多様なものの見方を養えるように、本人の希望によ
知能システム科学専攻
学生の出身大学
東京工業大学
東京大学
横浜国立大学
新潟大学
千葉大学
筑波大学
群馬大学
一橋大学
広島大学
弘前大学
東北大学
埼玉大学
京都大学
富山大学
名古屋大学
城大学
信州大学
九州大学
徳島大学
金沢大学
大阪大学
鳥取大学
神戸大学
北海道大学
宇都宮大学
静岡大学
東京学芸大学
大分大学
埼玉県立大学
広島工業大学
奈良女子大学
上智大学
青山学院大学
同志社大学
芝浦工業大学
工学院大学
明治大学
日本女子大学
関西大学
奈良先端科学技術
大学院大学
長浜バイオ大学
福井大学
横浜市立大学
大阪府立大学
熊本大学
琉球大学
岡山大学
東京農工大学
国際基督教大学
兵庫県立大学
東京女子大学
愛媛大学
成蹊大学
関西学院大学
洗足学園音楽大学
北里大学
九州工業大学
関西学院大学
豊橋技術科学大学
東京理科大学
中央大学
電気通信大学
東京薬科大学
日本大学
首都大学東京
東邦大学
東京電機大学
津田塾大学
名古屋工業大学
慶応義塾大学
東京電機大学
京都工芸繊維大学
東京工科大学
早稲田大学
東京農業大学
武蔵工業大学
職業能力開発大学校
職業能力開発総合大学
神奈川大学
産業技術大学院大学
上海理工大学
厦門大学
交通大学
合肥工業大学
長春理工大学
熊本高等専門学校
鈴鹿工業高等専門学校
長岡工業高等専門学校
釧路工業高等専門学校
鳥羽商船高等専門学校
大分工業高等専門学校
城工業高等専門学校
ジョンキャロル大学
(アメリカ)
モスクワエネルギー
工科大学(ロシア)
ラバル大学(カナダ)
クイーンズ大学
(オーストラリア)
ラヴァル大学(フランス)
ラドバウド大学(オランダ)
東京都立産業技術
高等専門学校
北九州工業高等専門学校
東京工業高等専門学校
久留米工業高等専門学校
University of Kelaniya,
SRI LANKA
Chulalongkorn
University
North China University
of Water Resources
and Electric Power
中南大学
エディンバラ大学
Benemerita
Universidad
(スコットランド)
浙江大学(中国)
Autonoma de Puebla
成都理工大学(中国)
タマサート大学(タイ)
バンドン工科大学
University of
北京郵電大学(中国)
(インドネシア)
Edinburgh
湖南大学(中国)
メキシコ自治大学(メキシコ) New York University
山東大学
同済大学(中国)
Jose Antonio
シンガポール国立大学
Echeverria
(シンガポール)
天津大学(中国)
復旦大学(中国)
Amirkabir University
ロンドン大学クイーン・
of Technology
メアリー(イギリス)
上海工程技術大学(中国)
木更津工業高等専門学校
沼津工業高等専門学校
群馬工業高等専門学校
全州大学
南昌大学
大連理工大学(中国)
狭西師範大学(中国)
北京大学(中国)
北京航空航天大学(中国)
華東師範大学(中国)
西北工業大学
哈尔滨工程大学
上海交通大学
東南大学(中国)
仙台工業高等専門学校
中山大学(中国)
松江工業高等専門学校
沖縄工業高等専門学校
西安交通大学(中国)
北京師範大学(中国)
University of
Indonesia
黒龍江工程学院
南京理工大学
成功大学
大理学院
韓国海洋大学
Chung-ang University
チュラロンコン大学(タイ)
ムンバイ大学(インド)
ケープタウン大学
(南アフリカ)
King Mongkut's
Institute of
Technology
Ladkrabang
Baja California
Institut Teknologi
Sepuluh Nopember
Huazhong Normal
University
Jadavpur University
Zhejiang University
of Technology
University of
South Alabama
National Tsing Hua
University-
Dalian University of
Technology
Universiti Putra
Malaysia
University of
California, SanDiego
City University of
HongKong
図 5 学生の出身大学
り指導教官のほかに助言教官をおくことができる。
博士課程の学資助成
これらの教官との交流を通して科学的論理的思考を
博士課程の学生には多様な学資助成がある。平成
鍛練し将来の計画について気軽に話す機会が得られ
27 年 の 実 績 で、 大 学 に よ る TRA 38 名( 月 額 約
る。また、本専攻以外での研究活動を希望する学生
44,800 円)
、TA 2 名(総額約 100,000 円)
、日本学
のために学外研修制度が設けられている。これは国
術振興会特別研究員 4 名(奨励金月額 200,000 円)
、
内外の企業、研究所等で 2 ヵ月から 6 ヵ月の研修を
日本学生支援機構奨学金(月額 80,000 円~ 120,000
行う制度である。
円、申請者全員)
、博士課程教育リーディングプロ
これによって研究室の専門領域以外についても見
グラム・グローバルリーダー教育院 3 名(奨励金月
識をもち、修了後社会に出てさまざまな分野で幅広
額約 200,000 円)
。その他に民間の奨学金や研究助
く活躍するための視野を養うことが期待される。博
成が多数ある。
士論文審査は、中間発表・予備審査・本発表の順で
課外活動
行われる。学術論文を初めて投稿したときを目安に
本専攻の教員が中心となって特色ある課外活動と
中間発表を行い、助言を得る。予備審査にはいるた
して、国際人工遺伝子回路コンテスト(iGEM)
、国
めには、内規による修了条件を充足している、また
際分子ロボットコンテスト(BIOMOD)に参加し、
は十分な見通しがあることが求められる。博士論文
優秀な成績を上げている。これらの活動の教育的側
提出の機会は 3 ヵ月毎に用意されていて修了年数は
面が評価され、日本工学教育賞を受賞している。
各学生の研究の進捗に合わせて決めることになる。
学位は博士(工学、理学、学術)を取得することが
できる。
101
知能システム科学専攻
ACCESS
IBM
K DD I
K TI半導体製造設備有限公司
NEC
NHK技研
NiCT 研究員
NTTコミュニケーション科学研究所
NTTサイバースペース研究所
Sch lu mbe rge r
Un iversity of Arkan sas
インテージ
インドネシア大学
エレキラビッツ
オー・エル・エム・デジタル
キヤノン
グーグル
グーグル株式会社
慶応大学
ボッシュ・イン・ジャパン
みずほ総合研究所
海上技術安全研究所
楽天
株式会社 日本科学技術研修所
株式会社インクス
株式会社リコシス
関西学院大学
関 東学院大学
岐阜大学工学部
京都産業大学経済学部
京都 大学
ACCESS
エーザイ
Acc enture
エースネット
cosmo
エ クサ
DeNA
エムティビー・インベトメントテクノロジー研究所
DISCO
エンタースフィア
IBM
王 子製紙
IBMサービス
オークマ
IBMビジネ スコンサルティングサービス
オ ーム 社
IHI
沖電気工業
IMAGICA
オムロン
IMGジャパン株式会社
オリンパス光学
JFEスチール
オロ
香川高等専門学校
国立障害者リハビリテーションセンター研究
所
国立精神・神経センター
三菱UFJ投信
三菱電機
産業技術総合研究所
産総研第二号契約職員
大日本印刷(株)
中外製薬
中央三井信託銀行
千代田化工建設
帝人
テ ク ノバ
鉄道情報システム
島津製作所
寺島薬局
デロイトコンサルディング
デンソー
東 京海上
日立システムアンドサービス
日立情報システムズ
日立製作所
日立ソフトウェアエンジニアリング
日立ソリューションズ
日立ビジネ スソリューション
日立メディコ
三井住友銀行
ビデオリサーチ
ファナック
ファナック
富 士重工
富士ゼロックス
JP Morgan
科学技術振興事業団
東京ガス
JRAシステムサービス
神奈川県庁
東京都職員
富士通
JR総研(鉄道総合研究所)
JR東日本
JR東日本
K D DI
LG電子端末研究所
株式会社FFC(富士通電気システムズ)
株式会社サキココーポレーション
川上産業
川崎重 工
キーエンス
東京三菱銀行
東芝
東芝ソリューション
東芝メディカルシステムズ
東 芝電力シ ス テ ム 社
ゴールドマンサックス
秋田県立大学
NEC
キヤノン
東北電力
コニカミノルタ
コ マツ
サキコーポレーション
サムスン横浜研究所
シーエスデー
東京メータ株式会社
東京海洋大学
東京工業大学
東京工芸大学工学部
東京大学
NECファシリティーズ
NEC 情報シ ステム ズ
NHK
NRIセキュアテクノロジーズ
NSW
京セラ
京大大学院
グーグル
グリ ー
グリーンスタンプ
東洋エンジニアリング
栃木県庁
トッパン・フォームズ
凸 版 印刷
豊田自動機械
富士通コンピュータテクノロジーズ
フジテック
富士フィルム
フリービット
プリジストン
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパ
ン
フロム・ソフトウェア
ベリングポイント
ボッシュ
本田技研工業
松下通信
シュルンベルジェ
東京都神経科学総合研究所
NTT Communications
構造計画研究所
トヨタ自動車
松下電器産業
セイコーエプソン
セコム株式会社 IS研究所
ソニー
チュラロンコン大学
テ ルモ
トヨタ自動車
トロント大学
ニコン
ネットマイル
パキスタン大学
フィックスターズ
フランス国立情報学自動制御研究所
(INRIA)
東京農工大
東京理科大学
東芝研究開発センター
東北大学
日産自動車
日本ユニシス
日本銀行 金融研究所
日立製作所
任天堂
富士写真フイルム株式会社
武蔵工 業大学
野村総合研究所
理化学研究所
NTTアイティ
NTTアドバンステクノロジー
NTTコムウェア
NTTソフト
NTTデータ
NTTデータクイック
NTTデータ経営研究所
NTTドコモ
NTT東日本
NTT西日本
TBSテレビ
TOKAI
UBS証券
UFJパートナーズ投信(株)
アイシン精機
赤木屋証券
アクセス
アクセンチュア
旭化成
旭化成情報システム
足利銀行
アジレント・テクノロジー
アックス
アップルコンピュータ
アニモ
アルバイン
池上通信機
いすず
伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠商事
興和
ドワンゴ
ゴールドマン・ サックス証券
ナリ カ
コニカミノルタビジネ ステクノロジーズ
日本IBM
ザ・パブリックアフェアーズ
日本SGI
サツマ電気工業
日本興亜損害保険
サピエンス研究所
日本電信電話
三桜工業
日本IBM
サントリー
日本アイビーエムサービス
サントリー株式会社
日本オラクル
サンマイクロシステムズ
日本オラクル
シスコシステムズ
日 本 銀行
システム科学研究所
日本航空
システム技研
日本サーモニクス
シマノ釣具
日本システムアプリケーション
シャープ
日本生命
ジャパンエナジー
日本総合研究所
シュルンベルジェ
日本テ レ コ ム
情報処理推進機構
日本電気
新日鉄ソリューションズ
日本ナショナルインスツルメンツ
新日本石油
日本光電工業株式会社
新日本製鐵
日本ヒューレット・ パッカード
シンプレクス・コンサルティング
日本フィッツ
スズキ
日本プロセス
住友金属工業
日本無線
セイコーエプソン
日本モレックス
セガ
日本ユニシス
ゼクセル
新潟トランシス
セコム
任天堂
ソイン・マーケティング
野村證券
ソニー
野村総合研究所
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーション
パナソニック
ズ
インクス
インターナショナルネットワークセキュリ
ティ
インフォコム
ウィッツェル
宇宙開発事業団
宇宙航空研究開発機構
松下電工
マツダ
みずほ銀行
みずほ証券
みずほファイナンシャルグループ
みずほ信託銀行
三井物産
三菱UFJ証券
三菱自動車
三菱総研
三菱総研DCS
三菱UFJ信託銀行
三菱重工業
三 菱 電機
宮川製作所
ミログ
明治大学大学院基礎理工学専攻
明治図書出版
森北出版
森精機
ヤフー
大和総研(自由)
ヤマト運輸
ヤマハ発動機
山武ビルシステム
ゆうちょ銀行
ユニチカ
横河電機
楽天
リコ ー
リコ ー
ソネットエンタテインメント
浜銀総合研究所
レッドフォックス
ソフト バンク
ソリトンシステムズ
ダイキン工業
大同精密工業
パラマウントベッド
東日本電信電話
日立アドバンスドデジタル
日立コンピュータ機器
レノボ・ジャパン
ローランド
ワークスアプリケーションズ
図 6 修了生の進路(左:博士、右:修士)
3.研究活動と成果 ルな研究ではない特徴を共有している。例えば、人
本専攻には多様な分野をリードする第一線のスタ
工知能、機械学習、経済物理学、合成生物学、分子
ッフが知の拠点を形成しており、国内外の教育研究
ロボティクスなど、従来の学問のパラダイムには当
機関・企業とのコラボレーションのもとで最先端の
てはまらない新しい領域を切り開いてきている。単
研究を展開している。
に学問的に新しいだけではなく、社会に与える影響
各教員の研究分野のキーワード一覧を図 7 に示
す。すべての研究について紹介することは不可能で
あるが、4 つの学問分野に合わせていくつかを図 8
に示す。
本専攻が組織単位で目指す学問の理想像は領域横
102
あって、従来のパラダイムに即したインクリメンタ
や倫理的側面への配慮を怠っていないことに特徴が
ある。
本専攻の研究成果は、科学研究費補助金・新学術
領域研究の採択数などにおいて、新しい学問領域と
しての評価が現れている。
断型である。このことから、研究成果は非常に広い
通常のインクリメンタルな研究活動以外に、本専
専門分野にまたがっているように見える。その多く
攻の特色として学問領域にパラダイムシフトを引き
は数理的基盤をベースとしたシステム科学の研究で
起こした領域横断的な研究例を 2 つ示す。
知能システム科学専攻
職名
教授
准教授
准教授
教授
准教授
教授
連携教授
連携准教授
連携教授
連携准教授
連携教授
連携准教授
連携教授
連携准教授
教授
准教授
教授
准教授
教授
連携教授
連携教授
連携准教授
教授
准教授
教授
准教授
教授
准教授
連携教授
連携教授
連携教授
教授
准教授
教授
准教授
教授
准教授
特任教授
特任准教授
特任教授
連携教授
教員名
寺野 隆雄
室伏 俊明
石井 秀明
新田 克己
専門分野
社会シミュレーション、知識システム、進化計算、サービスサイエンス
非加法的測度論、集合関数論、区分線形関数論、形式概念分析、情報視覚化
システム制御、ネットワーク化制御、マルチエージェント系の協調制御、分散アルゴリズム
人工知能、議論解析、知的対話処理、ヒューマンインタフェース
超多自由度系の統計物理学、大規模データ解析、社会シミュレーション、複雑ネットワーク、経済物
高安美佐子
理学
小長谷 明彦
生命医学情報学、知識科学、グリッド計算、高性能計算
福永 健次
機械学習、統計的学習、数理統計
池田 思朗
情報幾何学、信号処理、情報理論
山田 誠二
ヒューマンエージェントインタラクション、知的インタラクティブシステム
齋藤 智也
バイオセキュリティ、公衆衛生危機管理、感染症疫学
マルチエージェント社会シミュレーション、災害情報共有・災害救助ロボットシステム 、マルチエージェ
野田五十樹
ント学習
大規模データモデリング、人間行動予測、生活支援技術、サービス工学、アクションリサーチ、ベイジ
本村 陽一
アンネットワーク
木川 隆則
生命動態システム、システム構造生物学、NMR、無細胞タンパク質合成、疎性モデリング
本間 光貴
創薬分子設計、インシリコスクリーニング、薬物動態・毒性予測
出口 弘
進化経済学、エージェントベースモデリング、社会システム論、ゲーミングシミュレーション
青西 亨
非平衡統計力学、非線型動力学、生物物理学、計算論的神経科学
渡邊 澄夫
数理科学、確率論、数理統計
生物物理学、非線形非平衡科学、マイクロ流体工学、自律的人工生体分子システム、人工細胞モデ
瀧ノ上正浩
ル
樺島 祥介
統計力学、情報理論、学習理論、神経回路網理論
赤穂昭太郎
数理工学、機械学習、パターン認識、データマイニング、情報幾何学
柴田 崇徳
インテリジェンス、インタラクション、身体性,神経学的セラピー、脳機能、認知科学
計算神経科学、理論神経科学、活動依存性可塑性、神経回路ダイナミクス、神経情報処理
豊泉 太郎
三宅 美博
共創システム(Co-creation System)、コミュニケーション科学、認知神経科学、自己組織システム
小野 功
進化計算、最適化、人工知能
中村 清彦
脳情報科学、知能情報学、神経生理学、人工脳
宮下 英三
システム神経科学、生体運動制御、神経符号化
山村 雅幸
ナチュラルコンピューティング、分子コンピューティング、システムバイオロジー
木賀 大介
合成生物学、人工遺伝子回路、DNAコンピュータ、試験管内進化、遺伝暗号
矢野 和夫
ビッグデータ解析、スマートシティ、ライフログ分析、統計物理/数理、知能増幅、社会行動分析
吉川 厚
ナレッジ・マネジメント、認知科学、ゲーム情報学、教育工学
金谷 泰宏
公衆衛生学、医療政策、健康危機管理 (災害医療システム、感染制御システム)
ヒューマンインタフェース、嗅覚ディスプレイ、感性情報処理、センサ情報処理、匂いセンシングシステ
中本 高道
ム、バイオセンサ
高村 大也
計算言語学、自然言語処理、テキストマイニング
佐藤 誠
ヒューマンインタフェース、バーチャルリアリティ、画像処理
バーチャルリアリティ、ヒューマンインタフェース、動力学シミュレーション、力触覚,エンタテインメント
長谷川晶一
工学
長橋 宏
画像処理、コンピュータビジョン、機械学習・認識
長谷川 修
パターンベース人工知能、SOINN、 人工脳、認知ロボティクス
David Eric Smi th origin of life,self-organization,non-equilibrium systems,biochemistry,geochemistry,metabolism
董 芳艶
メタヒューリスティクス、スケジューリング問題、物流
中野 健次
ケースメソッド、ビジネスゲーム、意思決定学習
医用生体工学・生体材料学、高分子合成、生体医工学・生体材料学・分子ナノシステムの創発科学、
伊藤 嘉浩
生物分子化学、生物機能・バイオプロセス、複合材料・物性、生物有機科学
図 7 研究分野
経済物理学:本来人間の知的活動の産物として複
た生物学に数理的基盤に基づくモデル化とシステム
雑極まる経済現象に対して、規模を拡大することに
デザインの概念を導入し、産業革命に匹敵するパラ
よって、より単純な原理に支配される物理現象とし
ダイムシフトを引き起こしつつある。この分野の重
て予測分析することができる。この分野の重要性は、
要性は、担当教員が「明日の象徴」研究者部門表彰、
担当教員が日本学術会議連携会員に就任しているこ
日本学術振興会賞を受賞していること、および科学
とから、わが国でも認められている。
研究費補助金に新学術領域「合成生物学」が設定さ
合成生物学:勘と経験の人海戦術が支配的であっ
れたことから、わが国でも認められている。
103
知能システム科学専攻
テーマ
メダル
部門賞・各賞
2006
大腸菌と○×ゲーム
2007
働き者の中の怠け者
金賞
2008
大腸菌タッチパネル
金賞
2009
火星開拓大腸菌
金賞
2010
人の心のわかる大腸菌:困ったときはお互い様
金賞
情報処理部門賞
2011
大腸菌とじゃんけんして遊ぼう
金賞
学生投票世界一、16位入賞、
モデル部門賞(アジア)
2012
ロミオとジュリエット:恋愛のポジティブフィードバック
は死なない程度にほどほどに
金賞
情報処理部門賞
2013
大腸菌忍者:侍が来たら変装を解いて手裏剣投擲
金賞
情報処理部門賞
2014
銀行大腸菌:中央銀行の役割と景気循環を教える
教育ツール
金賞
情報処理部門賞
2015
繰り返し囚人のジレンマゲーム:合成生物学のアウ
トリーチは社会科学ゲーム
金賞
情報処理、パーツセット部門賞
ノミネート
協働部門賞、パーツ部門2位
a)システム生命学:人工遺伝子回路コンテスト iGEM の戦績(木
賀)
複数地点への
制御通信ネットワーク
協調した攻撃
!"# 攻撃
状態推定の
誤まり
制御・指令
情報
未知の電力
消費・流入
電力・監視
情報
誤動作 ・事故
c)知能情報学:分子ロボティクス(瀧ノ上)
電力系統ネットワーク
b)数理情報学:電力と通信の 2 階層による大規模ネットワー
ク化制御系(石井)
d)社会システム学:金融市場の板情報から観測できる仮想ブ
ラウン粒子の運動(高安)
図 8 特色ある研究
4.社会貢献 スティチュートは、単なる講演ではなく、数日間の
本専攻では先端的な技術を広く普及させるため
グループワークや実習を伴うアクティブラーニング
に、教員個人による社会貢献とは別に、平成 14 年
とし、先端技術を深く習得できるように、工夫を施
度より専攻主催による特色ある社会貢献活動として
している。
サマーインスティチュートおよびスプリングインス
年度毎にプログラムに入れ替わりがあるが、平成
ティチュートを毎年開催してきた。対象は、本学の
27 年度は夏休み期間に「SOARS サマースクール」
大学院生、他大学の大学院生、および一般社会人と
と題する外部向けのグループワーク形式のセミナー
し、近年、非常に注目を集めている科学技術分野の
を開講している。
研究をテーマに、関連の学会誌の特集やチュートリ
104
アルが分かりやすく紹介される。また、サマーイン
物理情報システム専攻
1.専攻の概要 す役割はますます重要になっている。情報システム
は、我々の生活を大きく変えるポテンシャルを有し、
物理情報システム専攻には、総合理工学研究科に
その影響する対象も非常に広範なものとなってい
籍を置く教員からなる基幹講座、連携教員が構成す
る。このため、これら分野を学ぶためには、科学・
る外部連携講座、そして研究所やセンター等に籍を
技術の伝統的領域に閉じこもることなく、学際的な
置く教員からなる協力講座がある。各学生は入学時
アプローチに挑戦することが重要である。
からこれらの講座を担当する教員の研究室に所属
物理情報システム専攻は、人間中心の情報融合シ
し、講義による単位習得と研究指導を受ける。本専
ステムのための科学・技術の追求と教育の実施を目
攻の修了者には、修士・博士(工学、理学または学
標とし、また本専攻では、学問領域間の課題の融合、
術)の学位が授与される。
問題解決手法の融合、そして科学・技術と人や社会
とが目標とする価値観の融合を基本方針として揚げ
1)教育・研究の目標
ている。そして、図 1 に示す分野の専門家を教員に
私達が相互の円滑なコミュニケーションをはかり
擁し、融合的な教育・研究にあたっている。
効率的な社会活動を行う上で、情報システムの果た
図 1 物理情報システム専攻の教育・研究ポリシー
105
物理情報システム専攻
表 1 物理情報システム専攻の教育・研究分野
講 座 ・分 野
人間情報
システム
未来型情報
メディア
情報環境・
外部連携
高機能情報
システム
情報融合
システム
職 ・教 員 名
研究分野
教授
内川惠二
視 覚 情 報 認 識 、色 覚 学 、色 彩 工 学 、心 理 物 理 学
准教授
篠崎隆宏
音 声 認 識 、音 声 情 報 処 理 、機 械 学 習
音 声 情 報 処 理 、マルチモーダルインタフェース、ディジタル信 号 処 理
教授
小林隆夫
准教授
金子寛彦
視 覚 情 報 処 理 、空 間 認 識 、多 感 覚 情 報 統 合 、眼 球 運 動
連携教授
柏野牧夫
聴 覚 情 報 処 理 、認 知 脳 科 学 、心 理 物 理 学
連携准教授
佐 藤 いまり
視 覚 情 報 工 学 、コンピュータグラフィックス、画 像 ・光 情 報 処 理
連携准教授
渡邊淳司
認 知 心 理 学 、インタフェース工 学
教授
伊東利哉
理 論 計 算 機 科 学 、計 算 量 理 論
准教授
杉野暢彦
GPU コンパイラ、自 動 コード並 列 化 、DSP 自 動 コード生 成 、
教授
山口雅浩
光 工 学 、画 像 工 学 、病 理 画 像 解 析 、マルチスペクトルイメージング、
信 号 処 理 システム実 現
ホログラフィー
准教授
黒澤 実
電 気 音 響 変 換 デバイス、アクチュエーター、メカトロニクス
知的情報
連携教授
住田一男
自 然 言 語 処 理 、情 報 検 索 ・フィルタリング
システム・
連携教授
合田憲人
並 列 ・分 散 計 算 、e-サイエンス
外部連携
連携教授
知覚像処理
応用像情報
波動応用
システム
生体情報
教授
藤崎英一郎
暗 号 理 論 とその応 用
大山永昭
医 療 情 報 システム、社 会 情 報 システム、光 情 報 処 理
准教授
小尾高史
医 用 生 体 イメージング、社 会 情 報 システム
教授
熊澤逸夫
神 経 回 路 モデル、認 知 科 学 、画 像 処 理 、画 像 符 号 化 、パターン認 識 、
ユーザインターフェイス
教授
中村健太郎
圧 電 超 音 波 デバイス、光 ・超 音 波 センシング・光 ファイバセンサ
准教授
田原麻梨江
超 音 波 工 学 、医 用 超 音 波
教授
奥村 学
自 然 言 語 処 理 、テキストマイニング、Web テキスト処 理 、機 械 学 習
教授
小池康晴
計 算 論 的 神 経 科 学 、生 体 工 学 、ヒューマンインタフェース
システム
感覚情報
システム
知 能 システム
科学専攻
准教授
吉村奈津江
脳 機 能 、脳 波 、fMRI、ブレインマシンインタフェース
教授
佐藤 誠
ヒューマンインタフェース、バーチャルリアリティ、画 像 処 理 、パターン認 識
教授
長橋 宏
画 像 処 理 、コンピュータビジョン、コンピュータグラフィックス、
機 械 学 習 ・認 識 、形 状 モデリング
物理情報システム専攻では一つの専門分野の学生
2)教育・研究分野
を対象とするのではなく、広く、数学、物理・応用
物理情報システム専攻は表 1 に示すように、基幹
物理系、電気・情報系、計測・制御系、機械系、化
講座、協力講座の教員に、他の関連する 2 専攻から
学・応用科学系などの多方面の学科の出身学生に進
の併任教員を加えて幅広い分野をカバーしている。
学の機会を与え、それぞれの学生が学部で学んだ基
また、基幹講座では外部連携分野を設け、企業等に
礎をもとにして、専攻独自の新たな視点からの教育
おける最先端技術も大学の教育・研究に反映してい
を通じて、専門的な知識の履修と先進的研究に取り
る。
組む能力の獲得を支援している。
多くの緒先輩は、新しい体系に基づく研究開発能
3)専攻の沿革と歴史
力修得の後に、学会・産業界を始めとした広い分野
1972 年 4 月 1 日
に職を得て活躍している。また本専攻では個々の専
理工学研究科に物理情報工学専攻新設
門領域において先頭に立って活躍できる研究者の養
1975 年 4 月 1 日(総合理工学研究科発足)
成を目指して、大学院博士課程でのカリキュラムや
総合理工学研究科に物理情報工学専攻移設
諸支援施策などを通じて、研究者としての自立に必
1999 年 4 月 1 日
要な基盤作りに力を入れている。
物理情報システム創造専攻発足
物理情報工学専攻、電子システム専攻を改組し、
106
物理情報システム専攻
物理情報システム創造専攻、電子機能システム専攻
ラムを用意して、物理情報システムに関する総合的
として設置
な広い視野と個別の深い専門を同時に身につけた人
2005 年 4 月 1 日
材の養成を目指して教育を行っている。また、物理
物理情報システム専攻発足
情報システム専攻と物理電子システム創造専攻で
物理情報システム創造専攻、電子機能システム専
は、密接な協力のもとに教育を行っており、この 2
攻を改組し、これらの情報・システム系、材料・デ
つの専攻に関する専門授業科目が、情報・システム
バイス系講座を集約し、それぞれを物理情報システ
系と材料・デバイス系の 2 つの系に分類されて用意
ム専攻、物理電子システム創造専攻として設置
されている。一つの分野あるいは特定の学期に偏る
ことなく、履修することを強く推奨している。目安
2.教育の特色 として、M1 前期、M1 後期、M2 前期の各学期で、
最低 2 科目以上取得することを推奨している。
1)カリキュラム
このカリキュラムの別の特徴は、オムニバス形式
物理情報システム専攻では、表 2 に示すカリキュ
の先端物理情報システム論、物理情報システム特別
表 2 物理情報システム専攻のカリキュラム
M前 期
ディジタル信 号 処 理 基 礎 論
(小 林 ・山 口 ・杉 野 :物 情 )
IT 社 会 と情 報 セキュリティ
情 報 システム
(大 山 ・小 尾 ・藤 田 ・岩 丸 ・谷 内 田 ・
福 田 :物 情 )
M後 期
脳 の統 計 物 理 と並 列 計 算
(熊 澤 :物 情 )
高 機 能 VLSI システム(杉 野 :物 情 )
知 的 情 報 システム(伊 東 ・住 田 ・
合 田 :物 情 )
VLSI システム基 礎 論 (杉 野 :物 情 )
画 像 解 析 論 (長 橋 :知 シ)
感 覚 情 報 学 基 礎 (内 川 ・金 子 ・
柏 野 ・川 崎 ・渡 邊 :物 情 )
超 音 波 エレクトロニクス
(中 村 ・田 原 :物 情 )
ヒューマンインフ
超 音 波 エレクトロニクス
ォメーション
(中 村 ・田 原 :物 情 )
言 語 工 学 (奥 村 :物 情 )
音 声 認 識 と機 械 学 習 (篠 崎 :物 情 )
仮 想 世 界 システム(佐 藤 (誠 ):知 シ)
視 覚 情 報 処 理 機 構 (内 川 ・金 子 ・
佐 藤 (い)・渡 邊 :物 情 )
音声言語情報処理
(小 林 ・奥 村 ;物 情 )
光 画 像 工 学 (山 口 ・物 情 )
医 用 画 像 情 報 学 (小 尾 :物 情 )
波 動 マイクロシステム
(黒 澤 ・中 村 :物 情 )
計 算 論 的 脳 科 学 (小 池 :物 情 )
人 間 情 報 学 特 別 演 習 (物 情 )
物 理 電 子 システム基 礎 論 Ⅰ(物 電 )
先 進 情 報 材 料 特 論 (物 電 )
物 理 電 子 システム基 礎 論 Ⅱ(物 電 )
エレクトロニクス
VLSI 工 学 Ⅰ(物 電 )
VLSI EngineeringⅡ(物 電 )
高 周 波 計 測 工 学 特 別 講 義 (物 電 )
光 と物 質 基 礎 論 Ⅰ(物 電 )
光 通 信 システム(物 電 )
光 と物 質 基 礎 論 Ⅱa(物 電 )
Fundamentals of Light and Matter
Ⅱb (物 電 )
フォトニクス
先 端 機 能 材 料 光 学 (物 電 )
オプトエレクトロニクス(物 電 )
イメージング材 料 (物 電 )
ナノフォトニクス(Ⅱ)(物 電 )
光 通 信 システム(物 電 )
記 号 の説 明 :○必 修 科 目 ★非 常 勤 講 師 科 目 ※国 際 大 学 院 コース科 目
(物 情 )物 理 情 報 システム専 攻 科 目 (物 電 )物 理 電 子 システム創 造 専 攻 科 目
(知 シ)知 能 システム科 学 専 攻 科 目 (電 電 )電 気 電 子 工 学 専 攻
107
物理情報システム専攻
講義第一・第二によって、産業界を含めた最先端の
研究・開発について、学生時代より社会の動きを修
3)学生の構成
2009 年度からの入学者数を表 3 に示す。東工大
外からの入学者が多く、幅広い研究分野の学生が入
得してもらうように心掛けている。
また、表には示されていないが、修士1年次の構
学している。
想発表会及び修士2年次の中間発表会においては優
表 3 入学者数
秀な発表を学生発表賞として表彰している。更に、
インターシップ第一・第二を用意して、学生の自由
意志で企業のインターシップ参加を推奨している。
2)テーマ一覧
現在の博士課程学生の研究テーマの主なものを以
下に示す。
(1)Three-dimensional Airborne Ultrasonic
Position and Velocity Measurement Based on
入学年度
'09
'10
'11
'12
'13
'14
'15
修 士 課 程
40
63
55
53
52
48
42
内学外生
31
43
34
34
35
31
23
内留学生
5
13
10
9
11
7
0
博 士 課 程
19
28
24
14
17
20
3
内学外生
12
18
16
8
8
11
0
内留学生
n/a
8
6
8
5
8
0
(‘15 は 4 月入学までの人数)
Echolocation.
(2)Haptic Rendering of Dynamic Motion in an
Image Sequence.
上記入学学生は東工大の外、東京理科大、電通大、
(3)Efficient Modulation of Friction in Ultrasonic
Motors Using Functional Fluids.
首都大学東京、同志社大、芝浦工大、横浜国大、千
葉大、中央大、お茶の水女子大、上智大、東京農工
(4)視覚特性解明のための補償光学系の開発に関す
る研究
大、筑波大、早大、慶応大、群馬高専、沼津高専な
どから入学している。また、留学生の出身国は、中
(5)Image Reconstruction for the New
国、タイ、インドネシア、韓国、マレーシア、アメ
Simultaneous Whole-body OpenPET/CT
リカ合衆国、ポーランド、トルコ、アルジェリア、
Imaging Geometry.
インド、スリランカ、ガーナ、コロンビアなどの国々
(6)金、銀、銅色知覚の生起条件とそのメカニズム
である。
に関する研究
(7)Real-time Brain Computer Interface based on
Eye Movements using Electroencephalographic
物理情報システム専攻は 2005 年度から発足した
新しい専攻であるが、前身の旧物理情報システム創
Signals
Properties
造専攻と旧電子機能システム専攻を合わせた博士前
in Plastic Optical Fibers for Sensing
期課程(修士)修了者過去 5 年間の進路は図 2 に示
Applications.
すとおりである。博士前期課程(修士)修了者の多
(8)A study on Brillouin Scattering
(9)ピッチ角推定に基づく車載単眼カメラによる車
間距離計測システム
(10)A Study on Acoustic Modeling of Speech for
Personalized Speech Interface.
(11)Study of a Level-Set Based Active Contour
Method for Liver-Image Segmentation.
(12)センサネットワーク向け低消費電力超広帯域
インパルス無線機の研究
108
4)修了生の活躍状況
くは電気電子関係または情報関係企業へ進んでお
り、卒業生がこの分野で活躍している様子がわかる。
また、機械・自動車関係企業、化学・材料関係企業
から報道や金融・商社まで、各分野に広く卒業生を
送り込んでいる。この傾向は本専攻においても同様
で、博士後期課程修了者に関しては、旧 2 専攻の実
績からは、主に大学、国公立またはこれに準ずる研
究機関、企業の研究所等へ進んでいる。
物理情報システム専攻
博士前期(修士)課程修了者 過去5年間の進路
120
2012
100
80
60
2013
40
20
0
2014
図2 学生の進路 (2010 ~ 2014 年度 )
2015
3.研究活動と成果
科学研究費
13
23,000
受託研究・共同研究
17
113,511
その他寄付金など
10
50,224
科学研究費
16
38,600
受託研究・共同研究
21
113,501
その他寄付金など
15
45,572
科学研究費
16
55,320
受託研究・共同研究
14
101,923
その他寄付金など
17
52,718
科学研究費
17
53,608
受託研究・共同研究
12
73,306
その他寄付金など
13
28,767
1)学術発表(2010 年度~)
研究活動の成果として、学術論文、著書、国際会
3)褒章(2010 年度~)
褒章については教員個人の成果であり、その状況
議発表、発明について下表に示す。
を表 6 に示す。
表 4 教員の研究成果
論文件数
177
著書数
表6 褒章の状況
25
国際会議発表数
252
国内会議発表数
346
発表数中の招待講演数
106
知的財産権の出願
30
知的財産権の取得
20
平成 22 年度 科学技術分野の文部科学大臣
表彰 科学技術賞(研究部門)
2010
日刊工業新聞第 5 回モノづくり連携 大賞
モノづくり連携大賞特別賞
WebDB Forum2010 マイクロソフトリサーチ賞
他 1 件
2011
電子情報通信学会 フェロー
超音波シンポジウム論文賞
映像情報メディア学会 丹羽・高柳賞 功績賞
平成 24 年度手島精一記念研究賞(中村 健
二郎賞)
2)外部資金取得状況(2010 年度~)
科学研究費(厚生労働科学研究費を含む)
、受託
研究・共同研究、その他の助成金(奨学寄附金を含
2012
他 2 件
表5 外部資金取得状況
名称
科学研究費
2010
2011
件数
平成 23 年度マザック高度生産システム論文賞
2012 年度エヌエフ基金研究開発奨励賞
む)の獲得状況について表 5 に示す。
年度
安藤研究所 第 25 回安藤博記念学術 奨励賞
画像電子学会 特別功労賞
総額(千円)
2013
言語処理学会 第 19 回年次大会最優秀賞
他 1 件
7
23,100
受託研究・共同研究
20
100,326
その他寄付金など
11
59,845
科学研究費
13
22,900
受託研究・共同研究
18
107,510
平成 26 年度コニカミノルタ画像科学 奨励賞
その他寄付金など
16
52,025
他 1 件
2014 年度情報処理学会論文賞
日本音響学会 佐藤論文賞
2014
言語処理学会 2014 年度論文賞
情報処理学会論文誌ジャーナル /JIP 特選論文
109
物理情報システム専攻
4)研究紹介
本専攻における最近の研究について代表的なもの
を以下に紹介する。
人間の視覚-大脳系が持つ優れた情報処理・認識メ
カニズムの解明と応用(内川研究室)
色恒常性:人間の目には照明光によらず、レモン
はどちらも黄色に見える(図 3)
情報産業と半導体産業を支える新しいコンパイラ技
術の創成(杉野研究室)
GPGPU 向けに C 言語から CUDA コードへソー
スレベルで変換(図 5)
図5 GPCPU 向けコンパイラの構成
図 3 照明光の変化による色の見えの変化
光技術に基づく画像処理とディスプレイ
(山口研究室)
色や質感を忠実に再現する映像システム、ホログ
ラフィーによる 3D ディスプレイ、定量的病理診
断のための病理画像解析技術
電気音響変換器とシステム応用(黒澤研究室)
高推力で微細な動作が可能な弾性表面波モータ
(図 6)
音声認識システムとその応用(篠崎研究室)
音声のモデル化とモデル学習法
音声を用いたヒューマンインタフェースの実現
(小林研究室)
多様な音声のスタイル(感情表現・発話様式)に
よる音声合成(図 4)
図 6 試作した弾性表面波モータの例
安全・安心・便利な情報サービス、システムに関す
る研究(大山研究室)
個人情報を管理する公的な情報基盤に基づき、個
人の生涯健康情報を健康増進や医療の質の向上に
役立てる(図 7)
図 4 任意のスタイルを指定した音声合成
人間の空間認識メカニズムの解明(金子研究室)
視覚系を中心とした人間の知覚認知過程の解明
理論計算機科学の基礎研究とその応用
(伊東研究室)
オンラインアルゴリズム、電子商取引アルゴリズ
ムの理論研究
110
図7 個人健康情報管理システム
物理情報システム専攻
医療・社会の情報化を支える画像技術・情報技術の
開発(小尾研究室)
医用生体イメージング、社会情報基盤の安全性確保
生物の神経回路と知覚機構に学ぶ新情報処理原理の
探求とその光学的応用(熊澤研究室)
触覚増強機構を備えたユーザインタフェース
動いて測る、測って動く。安全で安心な社会をにな
うセンサとアクチュエータの融合(中村研究室)
プラスチック光ファイバによる高度な歪測定(図 8)
1)国、地方自治体における審議会、委員会の
委員等
【国(省庁)
】
内閣官房 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部
評価専門調査会(委員)
、内閣官房 デジタル放送移
行完了対策推進会議(委員)
、内閣官房 情報連携基
盤技術ワーキンググループ(構成員)
、内閣官房 日本
工業標準調査会(臨時委員)
、内閣官房 政府情報シ
ステム刷新有識者会議(構成員)
、内閣府 官民競争
入札等管理委員会(専門委員)
、総務省 自治体クラウ
ド推進本部有識者懇談会(座長)
、総務省 住民基本
台帳ネットワークシステム調査委員会(委員)
、総務省
住民基本台帳ネットワークシステム専門調査会(委員)
、
総務省 地方公共団体における番号制度の活用に関す
る研究会(委員)
、総務省 投票環境の向上方策等に
関する研究会(委員)
、総務省 個人番号を活用した今
後の行政サービスの在り方に関する研究会(構成員)
、
図8 プラスチック光ファイバによる家の安全性診断
総務省 国民本位の電子行政の実現に向けた電子証明
書の活用ニーズに関する調査研究検討会(構成員)
、
総務省 電子自治体の取組みを加速するための検討会
波動を応用した新規生体計測システムで医療・ライ
フサイエンス分野に貢献する(田原研究室)
光・超音波を利用した生体計測・医用画像
ことばを計算機で処理する技術とその応用システム
の開発(奥村研究室)
Web 上の多数のテキストから意見を収集、分析
するシステムの開発
脳の運動学習機能の解明とその応用システムの開発
(小池研究室)
計算論的神経科学、生体信号を用いたインタフェース
脳活動情報の解読による脳機能解明とシステム開発
(吉村研究室)
脳を傷つけることなく人間の脳を直接計測して、
脳機能の解明へ(図 9)
(座長)
、総務省「電子自治体の取組みを加速するため
の 10 の指針」フォローアップ検討会(座長)
、総務省
政府情報システム改革検討会(構成員)
、総務省 スマ
ートプラチナ社会推進会議戦略部会(構成員)
、総務
省 遠隔医療の推進方策に関する懇談会(構成員)
、
総務省「ICT 街づくり推進会議 共通 ID 利活用ワーキ
ンググループ」(構成員)
、総務省「ICT 街づくり推進
会議 共通 ID 利活用サブワーキンググループ」(主査、
構成員)
、総務省 クラウド時代の医療 ICT の在り方に
関する懇談会(構成員)
、総務省「情報通信技術の研
究開発の評価に関する会合」評価検討会(構成員)
、
文部科学省 サイエンスインカレ 審査員、厚生労働省
情報政策参与、厚生労働省 社会保障審議会(臨時
委員)
、厚生労働省 医療情報ネットワーク基盤(検討
会座長、検討作業班構成員)
、厚生労働省 医療機関
等における個人情報保護のあり方に関する検討会(構
成員)
、厚生労働省 保健医療福祉分野における公開
鍵基盤認証局の整備と運営に関する専門家会議(構
成員)
、厚生労働省 医療等分野における番号制度の
活用等に関する研究会(構成員)
、厚生労働省 年金
図9 非侵襲的な脳活動信号計測
4.社会貢献 本専攻の各教員がこれまでに行ってきた社会貢献
と考えられるものについて以下に示す。
記録問題人員確保対策プロジェクト(チームアドバイザ
ー)
、厚生労働省 年金特別会計公共調達委員会(委
員)
、経済産業省 産業構造審議会(臨時委員、知的
財産分科会委員)
、経済産業省 おもてなしプラットフォー
ム研究会(委員)
、特許庁 情報システムに関する技術
検証委員会(委員長)
、特許庁 技術評価チーム(座
長)
111
物理情報システム専攻
【地方自治体】
Society of America)、Journal of the Optical
高知県電子自治体推進協議会(顧問)
、東京都情報
Society of America A、Topical Editor、光ファイバセ
公開 ・ 個人情報保護審議会(東京都)
(専門調査員)
ンシング振興協会(理事長)
、
日本視覚学会(編集幹事)
、
【その他】
日本光学会(学術雑誌「Optical Review」編集委員)
、
日本学術振興会 科学研究費委員会 専門委員、日本学
日本光学会(視覚研究グループ代表)
、日本医用画像
術振興会 第 179 委員会 委員、
(独)情報通信研究機
工学会(常任幹事、幹事)
、日本機械学会 アクチュエ
構ユニバーサル・コミュニケーション基盤技術領域外部
ータシステム技術企画委員会(委員長、委員)
、日本機
評価委員、
(独)情報処理推進機構 ソフトウェア・エ
械学会 機素潤滑設計部門 代議員、日本機械学会
ンジニアリング・センター審議委員会委員、地方公共団
ISO/TC108/SC5 国内委員会 委員他
体情報システム機構 経営審議委員会委員長、地方公
共団体情報システム機構 地方公共団体の情報システム
3)その他、民間団体等の委員会委員
調達における機能要件の表記方法に関する調査研究会
国 際 照 明 委 員 会 Technical Committee 8-07
委員長、
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構
Multispectral Imaging 主 査、日本 照 明 委 員 会 事前書面審査委員、国立公文書館 歴史公文書等保
TC8-07 特別技術委員会 主査、
(財)自治体衛星通信
存方法検討有識者会議 委員
機構 認証業務情報保護委員会委員、超臨場感コミュ
ニケーション産学官フォーラム事務局 アドバイザリコミッ
2)学会等の委員
【電子情報通信学会】
ティ 構成員、次世代 IC カードシステム研究会 会長
日本 IC カードシステム利用促進協議会 理事、
(一財)
ヒューマン情報処理研究専門委員会 委員長、情報
日本情報経済社会推進協会 電子記録応用基盤研究
システムソサイエティ誌(編集幹事、編集委員)、和
会 顧問、
(財)自治体衛星通信機構 認証業務情報
文論文誌 D 編集委員、学会誌 編集委員、100 年
保護委員会 委員、
(一社)コンテンツ海外流通促進機
史 刊 行 委 員 会、 電 子ディスプレイ研 究 専 門 委 員 会 構 Manga- Anime Guardians Project に係る「大規
幹事、ME とサイバネティックス研究会(M B E)(幹
模削除事業検証・報告書作成に係る有識者委員会」
事補佐、専門委員)、音声研究会(SP)専門委員、
構 成 員、
( 一 財 ) 医 療 情 報システム開 発 センター リコンフィギャラブルシステム(R E C ONF)研究専門
ISO/TC215 国内対策委員会委員、日本医師会 医療
委員会 専門委員、基礎境界ソサイエティ ファンダメ
分野等 ID 導入に関する検討委員会委員、
(財)JKA
ンタルレビュー(F R)誌 編集委員、医用画像研究
機械振興補助事業審査・評価委員会委員長、
(一財)
会専門委員、査読委員
インターネット協会 評議員、
(一財)ニューメディア開
【情報処理学会】
音声言語情報処理研究会(SIG-SLP)運営委員
システムとLSI の設計技術(SLDM)専門委員会委員
発協会 評議員、
(財)国際情報化協力センター 理事、
(財)国際情報化協力センター 評議員、公益信託小
野音響学研究助成基金 運営委員会委員
【日本音響学会】
会長、副会長、評議員、編集委員会 委員長、アコー
スティックイメージング研究会 委員長、音響学入門ペ
ディア作成事業 運営委員
【IEEE】
東京大学工学部精密工学科 非常勤講師、東京医
科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 非常勤講師、
奈良先端大学情報科学研究科 非常勤講師、国立研
International Ultrasonic Symposium Technical
究開発法人放射線総合医学研究所 客員研究員、国
Program Committee member
立研究法人国立精神・神経医療研究センター 神経
【応用物理学会】
研究所 疾病研究第七部 客員研究員、国立研究法人
JJAP(超音波特集号編集委員)
、応用物理学会光波
国立精神・神経医療研究センター 脳病態統合イメ
センシング技術研究会 委員長
ージングセンター 先進脳画像研究部 客員研究員、
【その他】
映像情報メディア学会 総務理事、
米国光学会(Optical
112
4)非常勤講師等
高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)主催 音
声認識・対話技術講習会 講師
7 歴代研究科長の言葉
専門家の倫理と学際
欲的なものとした。
【創造大学院】
原科 幸彦
後半は、博士課程教育に重点を置いた創造大学院
へと転換し、1999 年に完了した。その際、3 領域に
【専門家の責任】
一つずつ置いた創造専攻は、博士定員を分野あたり
本学は戦後、戦時中の反省に立ち新たな出発をし
3 名とした。これは、3 名までは受入れ可という弾
た。社会の動きをよく理解し、専門家としての責任
力的な対応の意味だったが、法人化後はこれが義務
を果たせる人材育成を目指した。社会工学はその理
と解釈され、当初の意図とは異なってしまった。
念から生まれたが、総合理工学も社会との関係を考
研究科長就任前に、教員当たりの博士学生指導数
え、タコツボを排する学際的な教育・研究を行う大
を調べたが、本研究科は 1.7 名。大岡山は 1 名を切っ
学院として生まれた。適切な判断力を持つ人材の育
ていたので、大岡山のほぼ 2 倍であった。創造大学院
成が目標であり、教員にもその資質が求められる。
の面目躍如の結果だが、3 名という過大な数字には届
本研究科の教員が適切な判断をした一例に、東日
かない。3 名は、研究科設立時に各分野に課された義
本大震災直後の計画停電への対応がある。停電対策
務ではなかったのだから、評価の仕方が間違っている。
として各研究科で土日開講、連休返上の授業時間へ
例えば、大岡山から来た某教授は、すずかけ台で
の変更が検討されたが、私は学際的に視野広く思考
多くの博士を育てることができた。それぞれ 14 年
すれば、変更は不要だと説明し、教授会で理解が得
ほどの期間だが、大岡山では 10 名の博士、こちら
られた。判断は正しく、5 月の連休にボランティア活動
では 30 名を超えたという。明らかに本研究科は博
で東北に行った学生は本研究科が突出して多かった。
士教育の成果を上げてきた。
【学際大学院】
【専門家としての倫理教育】
研究科の 40 年の歴史を振り返ると、前半は学際大
だが、間違った評価でも批判があれば対応せざる
学院の先駆けとしての確立期であった。学部とは直結さ
を得ない。研究科長に就任した 2010 年には、創造
せず、個々の学際専攻には大岡山の多様な学科の卒
大学院を発展させるため複合創造領域が設置でき
業生が進学することを想定し、加えて幅広く国内外から
た。この計画を主査としてまとめる時に重視したの
の優秀な学生も受け入れるという開かれた思想である。
は、グローバル人材としての国際性と学際教育によ
独立大学院とは大岡山の各学部から全く独立とい
る広い視野、そして、専門家としての倫理教育であ
う意味ではない。むしろ、学内の多様な学科との緊
る。そのために、
「科学技術者の倫理」という授業
密な結びつきが前提であった。研究科の 3 領域、11
を作り、私が責任担当した。
専攻は学部生の大学院進学の際、その選択の自由度
を高める受け皿である。
東日本大震災と原発事故後、科学技術に対する社
会の目は厳しい。職人気質のエンジニアを輩出して
そして、学内の研究所等の支援も得られる組織構
きた東京工業大学は社会の信頼を得てきた。その伝
成とした。研究科固有の基幹講座と、研究所やセン
統の継承に、専門家としての倫理教育は特に重要で
ター等の協力を得る協力講座からなる斬新な発想で
ある。大切なのは幅広い視野を持たせることであり、
あった。専攻名からも学際的な学問領域を切り開く
本研究科の学際教育は成果を上げてきた。
意欲が読み取れる。
個々の学際専攻は博士教育に重点をおき、通常、
分野あたり博士入学定員は 1 名だが、2 名という意
2016 年度からは、総合理工学研究科も社会工学
科もなくなる。積み重ねてきた多くの成果が、学内
の各所で生かされることを祈りたい。
113
すずかけ台キャンパスに憩いの
空間と時間を:ペリパトス文庫、
ペリパトスシネマ、ペリパトスオ
ープンギャラリー
内川 惠二
同様な思いで、学生が一時でも毎日の緊張感から
解き放たれて、ホッとできる時間をこのキャンパス
内に持てないかと考えました。これが憩いの時間ペ
リパトスシネマの発想です。学務課の職員のお力を
借りて、平成 20(2008)年 12 月に最初の作品をす
ずかけホールで上映できました。ペリパトスシネマ
のコンセプトはとにかく面白い作品を上映するこ
と、観た後で何か嬉しい、幸せ感を感じられること、
すずかけ台キャンパスは 40 年前の発足以来、徐々
エンタテイメントに徹することです。最近では近隣
に発展を続け、今では大学院棟、生命理工棟、研究
の多くの住民の方々も鑑賞に来られ地元貢献の一旦
棟、合同棟と多くの建物が立ち並び、加藤山の散策
を担っています。学内と学外を合わせて毎回 70 ~
路、大学会館、広場、バーベキュー場など、生活環
80 名の方々が参加しています。
境も整備されてきました。このすずかけ台キャンパ
平成 24(2012)年 4 月、私は総理工の研究科長
スは学生や教員が研究を進めて行く上では十分とい
に選出されました。そこで、さらに、広いすずかけ
える環境が整ってきたといえます。
台キャンパスが歩いて楽しい場所になれば良いと思
このキャンパスには、学生、教員、職員を合わせ
い、何かさりげないが面白い物を毎日の人々の動線
ておよそ 2,500 人の人々が日々通学、通勤をし、毎
に置けないだろうかと思いました。知人の女子美術
日のほとんどの時間をこのキャンパス内の空間で過
大学の先生にお願いして、女子美の学生の作品をお
ごしています。
借りし、絵画を J2 棟のエントランスの廊下、立体
しかし、確かに、このキャンパスは年々立派にな
物キャンパス内の道の傍らに置くことができまし
り、勉学や研究をする上では申し分ないと言えます
た。これが、平成 25(2013)年 3 月に開設したペ
が、何か、殺風景であるし、潤いを感じない、卒業
リパトスオープンギャラリーです。この開設には、
生がもう一度、訪れたいと思うキャンパスだろうか、
女子美の教職員の方々と総理工の事務グループの
と私は以前から感じていました。何かが足らないと
方々に多大なる協力をいただきました。東工大と女
思っていました。同じような感想を持つ人も少なか
子美の学長をはじめ執行部の方々にも感謝を申し上
らずおりました。
げます。このギャラリーは予想以上に出来栄えがよ
私にも何かできないことはないかと思っていたと
ころ、平成 18(2006)年に、附属図書館すずかけ
このようなペリパトスの活動を通して、私が最も
台分館の分館長の任が回ってきました。そこで、学
強く感じましたのは、教員と職員が一つの方向を持
生が研究の合間にホッと休める空間、憩いを感じる
って共に協力して働くと難しいことでも決して不可
空間が分館内にできないかと考え、東工大の図書館
能ではないこと、また、東工大の職員は素晴らしい
にはない小説、新書、ガイドブックなどの柔らかい
力を持っておられるということです。現在東工大で
読み物を図書館に置き、そこで学生や教職員が過ご
全教職員が一丸となって進めている教育・研究改革
したり、その本を気楽に借りられたりできれば良い
は成功間違いないと思います。来年(平成 28 年)
と思い、総理工の研究科長に働きかけました。その
の 4 月から、東工大は新しい大学へと変身します。
結果、分館の職員の方々の大きなサポートと 5 部局
それと共に総理工という名は東工大の組織からは消
の支援を受けて、平成 19(2007)年 3 月に憩いの
えますが、これまでにすずかけ台キャンパスの中で
空間ペリパトス文庫が開設しました。この文庫は、
総理工が果たした役割は今後も引き続かれて、東工
今では、5,000 冊以上の本が揃い、その後の分館長
大の発展に寄与して欲しいと願っています。
のご努力で分館 1 階の大きな空間となりました。
114
く、大変好評をいただいています。
8 修了生からのメッセージ
うわけですが、私はそんな風にして大学と企業の研
バランス重視
究姿勢のどちらにも偏り過ぎず、できるだけバラン
スを取って「この研究で重要なのは何か?」を考え
似鳥 広幸
ながら進んでいきたい、と思いつつ日々の実験に向
かっています。
日本ゼオン株式会社
総合開発センター 新材料開発研究所
2012 年化学環境学専攻博士課程修了
学部 4 年生の時からすずかけ台キャンパスに通い
始め、そこから修士、博士と気づけば 6 年間。穐田・
吉沢研究室では、先生方を始め素晴らしいスタッフ
と恵まれた研究設備・環境(遊び場が無いこと含め)
の中、研究の基礎から最先端まで様々なことを学ぶ
ことができました。また海外留学など貴重な経験も
と、このようないかにも社会人然としたことを書
かせて頂きましたが、そうは言ってもまだ就職して
4 年目。未だに研究室に所属していた期間の方が長
いという準社会人の若輩者です。今年で総合理工学
研究科は一旦の幕引きということですが、これから
もその志や心意気は受け継がれていくものと思いま
すので、これからの未来の修了生とともに東工大を
誇れるように精一杯頑張っていきたいと思います。
させて頂けたこと、社会人になって改めてその有難
さを感じています。
ところで社会人といえば、卒業後にリクルーター
として専攻に伺う機会がありましたが、学生さんに
よく聞かれるのが「社会人と学生との違い」です。
十把一絡げにしては言いづらいので「コスト・納期・
目的意識ですかね」などと面白みのない回答をして
しまいがちですが、私が社会人になって意識してい
るものは何かと聞かれれば、
“バランス感覚”です。
とはいっても足元が覚束ないとかそういう意味では
なく、研究姿勢としてのバランス感覚です。
というのも、東工大を出た学究の徒として真理の
探究第一にあるべし、と行きたいところですが企業
ではまずモノが安定的にできて性能が良いというこ
すずかけ台キャンパスという
研究環境
とが前提です。しかし、そうして製品を求めて細か
郡山 知樹
い反応機構や条件依存性の解析などをなおざりにす
ると、後々思いもよらないトラブルが起きることが
あります。またコスト意識と新規性なども同様で、
コスト第一では新しいものは作れない/コストを考
えない製品開発など話にならない、という難しい問
題になります。
東京工業大学 大学院総合理工学研究科
物理情報システム専攻 助教
2013 年物理情報システム専攻博士課程修了
私は 2009 年に大学院に入学してから 2013 年に博
士課程を修了し、2014 年から総合理工学研究科の
そうして色々考えていくと、結局どうすべきかと
教員として働いています。学部時代も合わせると 8
いうのは状況次第、という当然の結論になってしま
年以上すずかけ台キャンパスで研究を行っているこ
115
とになります。物理情報システム専攻の小林研究室
では、人間の声をコンピュータで生成する音声合成
などの音声情報処理の研究を行っています。研究室
の自由ながらも真面目な環境から、独自性の高い研
人脈を広げてくれた
研究室への感謝の気持ち
吉田 理恵
究を立ち上げることができ、その結果学会の研究奨
励賞を頂くことができました。
研究活動は行き詰まることも多いですが、すずか
け台キャンパスはちょっと散歩するとすぐリフレッ
シュのできる環境です。研究棟のビルに彫り込まれ
た偉人たちの名言、J2 棟の高層階からの遠くまで
オリンパス株式会社
2011 年物理情報システム専攻修士課程修了
私は、2009 年 4 月に総合理工学研究科物理情報
システム専攻の修士課程に入学しました。
見える素晴らしい景色、いつから住み着いているの
大学時代は情報系の学科に所属しておりました
かもわからない人なつっこい野良猫。またウッドデ
が、大学生のとき親しい知人を病気で亡くしたこと
ッキでのバーベキューでは気軽に他の研究室と交流
をきっかけに、病気を早期に食い止める研究がした
でき、すずかけ台スポーツ大会では強豪の事務のチ
いと思いました。そのような研究ができる大学院を
ームとの対戦が楽しめます。
探していたときに出会ったのが、物理情報システム
私がすずかけ台キャンパスに来てから、すずかけ
選考の山口研究室でした。
門の通路は広くなり、さらには J3 棟もでき、研究
修士課程では、細胞を撮影した画像から得られる
環境が変わっていくのも楽しみの一つです。これか
スペクトルを解析し、得られた解析結果を病理診断
らますますの発展を願い、総合理工学研究科の 40
に役立てるための研究をしていました。他大学の先
周年の祝いの言葉とさせて頂きます。
生や企業の方々との研究会に参加させていただく機
会もあり、非常に緊張したことを今でも覚えていま
す。
研究室合宿では自分たちの研究テーマが社会にど
う活かせるか、というテーマで発表をするイベント
がありました。多くの先生方が参加される発表だっ
たため、合宿前日に研究室のメンバーと遅くまで質
疑対策を考えたこともありました。他にも、スポー
ツ大会、バーベキュー、おでんパーティーなどのイ
ベントが盛りだくさんで、楽しい研究室生活でした。
学生時代に顕微鏡の論文を読んだことをきっかけ
に顕微鏡の仕組みに興味を持ち、現在は顕微鏡メー
カーの開発部門に所属しております。仕事の中で、
学生時代にお世話になった方々に再会することもあ
ります。東工大での研究生活を通じて貴重な人脈を
築かせていただいたことに、とても感謝しています。
116
研究成果を自らの手で実用化
原口 大輔
リバーフィールド株式会社 代表取締役社長
2013 年メカノマイクロ工学専攻博士課程修了
私は 2008 年より防衛省から国内留学の機会を得
て、東工大大学院で修学いたしました。博士課程に
おいてメカノマイクロ工学専攻 香川・川嶋研究室
の空気圧駆動手術支援ロボットの研究に出会い、3
分野間を渡り歩いて
年間お世話になりました。論文執筆のための研究は
もちろんのこと、研究試作機としての完成度を高め
るための地道なものづくり・改良を繰り返し、とて
も充実した時間を過ごせたことはまだ記憶に新しい
です。
博士課程も卒業の迫った 2012 年の秋、当研究室
の手術支援ロボットが文科省の新産業創出拠点プロ
ジェクト(START)に採択されたことを機に、人
生の一大決心をして防衛省を退職し、東工大から本
格的に事業化を目指すこととなりました。そして
2014 年、手術支援ロボットの開発・製造・販売を
手掛ける東工大発ベンチャー企業「リバーフィール
ド株式会社」を先生方とともに起ち上げ、
2015 年(本
年)8 月に第 1 号製品である空気圧駆動の内視鏡ホ
ルダロボット EMARO を発売するに至っておりま
す。
実用に寄与する製品開発はもとより、医療機器業
界に参入するための準備を全て自分たちで行わなけ
ればならず、研究成果の実用化は困難を極めました。
そのような状況でも何とか第 1 号製品を世に送り出
すことができたのは、東工大をはじめ関係各位のご
支援・ご尽力の賜物であり、この場をお借りして深
く御礼申し上げます。今後は、さらに高度な手術支
援ロボットシステムの上市に向け、大学研究室と密
に連携し製品開発を加速していきます。本事業にお
ける取り組みが、技術立国としての我が国の産業発
展ならびに世界の医療技術向上に貢献できることを
願っております。
高橋 一匡
長岡技術科学大学 大学院工学研究科 電気電子 情報工学
専攻
2013 年創造エネルギー専攻博士課程修了
元々ものづくりが好きで工学部機械宇宙学科に所
属し、学部時代はサークル活動で人力飛行機づくり
に情熱を注ぎました。その後、機械だけでなく物理
の分野にも興味をもち、大学院は様々な分野の研究
室が集まる総合理工学研究科創造エネルギー専攻を
選択しました。そこではプラズマやイオンビームに
関するテーマを頂き、研究に精を出した結果が現在
の職および研究につながっています。現在の職場も
工科系大学なので雰囲気は東工大と似通っていま
す。学生時代と違う点といえば自分は機械系だと思
っていたのがいつの間にか所属が電気系に変わった
ことくらいでしょうか。今でも研究費および時間節
約のために実験に使用する装置部品を加工するため
学内の工作センターに足を運んでおり、気分は未だ
機械系です。所属は学部時代の機械から大学院での
応用物理を経て今では電気の専攻に変わり、研究の
対象も気体からプラズマ、イオンビームと変遷して
きて、自分は随分異色の経歴だと思っていました。
しかし、現在所属する長岡技術科学大学の周りの先
生を見渡すと案外同じ分野だけを経験してきた方は
それほど多くはなく、材料から電気、物理から機械
あるいは物理から生物に変わってこられた先生など、
様々な分野を経由してきた先生が多く驚きました。
117
学部時代のロボットづくりの実習やサークルでの
界領域の研究が行われているため、私のように理学
ものづくり、大学院時代の機械、電気、物理、材料
部に所属しながら工学に興味があったり、逆に工学
など様々なバックグラウンドを持つ学生や先生方と
部に所属しながら理学的な研究に取り組みたい人に
過ごした研究室生活、そして米国の国立研究所への
とって絶好の環境でした。
半年間に渡る留学など、東工大では色んな経験をさ
創造エネルギー専攻に入学した動機は、
「エネル
せて頂き、また、そんな多様性をもつ環境が今の私
ギー問題」に強い関心があったからです。エネルギ
を形作っているのだと思います。現在も続く研究テ
ー問題は、環境・資源問題、食料・人口問題、ある
ーマであるプラズマやイオンビームの用途は幅広く
いは政治・経済問題と密接に関係しており、これら
様々な分野に応用が可能ですので、現状を変えるこ
の問題を解決するためには非常に幅広い視点からの
とは何かと大変ですが、これからも新しいことを始
検討が不可欠です。当専攻でエネルギーについて学
めることを恐れず色んなことに挑戦していきたいと
んでいくにつれ、様々なバックグランドを持つ教員・
考えています。
学生方と、細分化された既存の学問領域を飛び越え
た学際的な議論を行い、一つの課題に対する多角的
なもの見方を学ぶことが出来たと感じております。 私が研究していたテーマは、
「マルチチャネル放
電による極端紫外プラズマ光源の高効率化」です。
この研究は、産業化を目指した企業との共同研究で
あり、電磁気学、高電圧・パルスパワー工学、プラ
ズマ工学の知識など、学部時代に興味のあった工学
分野の知識が必要とされるため、毎日楽しく勉強で
きておりました。
また、充実した設備で実験ができ、留学生と英語
で会話し、ゼミで活発に議論し合い、頻繁に仲間達
創造エネルギー専攻を
振り返って
黒田 雄介
とお酒を飲んだりと、非常に多くのことを体験・勉
強できて、忙しくも刺激的な研究生活を送っていた
充実した日々が昨日のように思い出されます。
当時を振り返ってみて、何が一番思い出に残って
いるかといえば、2011 年にフランスで行われた国
際 会 議「Seventh International Conference on
北海道電力(株)
2012 年創造エネルギー専攻修士課程修了
て、仲間達とともに土日深夜を問わず、実験や発表
私は、2010 年 4 月に総合理工学研究科・創造エ
資料の作成に取り組んだことです。発表当日、英語
ネルギー専攻に入学し、2012 年 3 月で修了するま
でのプレゼンは大変緊張しましたが、その後のフラ
で在籍しました。
ンス旅行(笑)はとても盛り上がり、内心そのため
学部時代は他大学の物理学科に在籍し、熱電発電
材料の高効率化に関する理論物理の研究をしていま
したが、より工学的で産業に関わる研究へ枠組みを
に皆で頑張っていたことは先生方には内緒でした
(笑)
。
他にも「National Institute for Fusion Science」
広げたいと思い、創造エネルギー専攻への進学を決
や「応用物理学会」等の学会発表に積極的に参加し
めました。
ました。2 年間、高いモチベーションで研究出来た
私の所属していた堀岡研究室では理学と工学の境
118
Inertial Fusion Sciences and Applications」へ向け
のは、学会発表等の具体的な目標を設定したことが
大きいと感じています。また、当専攻は意欲的で非
常に幅広い分野出身の学生が集まっており、周りに
モチベーションの高い仲間達がいたからこそ頑張り
続けることが出来たのだと思っています。
このように研究に励んだ結果、私にとって学生生
活の総仕上げとなる平成 23 年度の創造エネルギー
専攻修士論文発表会にて、最優秀論文発表賞を受賞
することが出来ました。
「充実した論文発表を行う」
ことも目標の一つであったので、大変嬉しく感激し
ました。ただ、この受賞は私の力で頂いたものでは
なく、創造エネルギー専攻の先生方のご指導や、研
究室の仲間達の支えがあって受賞できたものである
と感じております。
また、すずかけ台キャンパスで過ごした 2 年間は
専攻の仲間達とともに互いの将来の夢について議論
した時期でもあります。私は「現代社会に必要不可
欠であるエネルギー関連事業に携わりたい」
「社会
成長させてくれた
総理工への感謝
今村 明博
への貢献を強く感じることができる仕事がしたい」
という 2 つの強い動機があり、
「電力の安定供給」
によって社会の生活基盤を支えている「電力会社」
、
中でもふるさとである北海道のためにはたらきたい
と決意して、北海道電力に入社しました。現在も創
造エネルギー専攻で身につけた知識や経験は会社生
活においても大変役立っていると自負しておりま
す。
古河電気工業
2011 年物理電子システム創造専攻博士課程修了
総合理工学研究科は本年で 40 周年を迎えられ、
心よりお祝い申し上げます。
私は総合理工学研究科、物理電子システム創造専
攻に 4 年半お世話になり、学部卒業研究を含めると、
以上のように少し振り返っただけでも、大学院時
合計 5 年半の間、小山二三夫教授、宮本智之准教授
代は自分の人生において大変濃密で、自分自身とい
のもと面発光レーザに関する研究をさせていただき
う人間性の軸が出来た時期であると感じておりま
ました。
す。
学部生の頃は研究に対する興味も薄く、大学院へ
恩師の堀岡先生をはじめ、お世話になった創造エ
進学の意志もない出来の悪い学生でしたが、恩師の
ネルギー専攻の先生方、先輩方、同期、後輩方の皆
指導の下、研究の面白さを学び、博士課程まで進学
様、そして共同研究を通じて、アイデアを製品化す
させていただきました。当時は学部で習った内容か
ることの重要さを教えていただいた(株)IHI の桑
ら学びなおしが必要となり、怠けていた学部生時代
原様に改めて御礼申し上げますとともに、今後の
を後悔したものです。私の研究テーマは多波長面発
益々のご発展を心よりお祈りしております。
光レーザアレイ出力光の合波技術開拓で、光インタ
最後に、創造エネルギー専攻所属時に出会い、
ーコネクトなどの短距離通信における波長多重技術
当時からずっと支えてくれている妻に深厚なる謝意
導入を目的とした、最先端の研究をさせていただき
を表します。
ました。現在の職場の設備と比べても遜色のない充
分な設備で研究をすることができ、人生の中でも非
常に貴重な時間であったと感じます。実験失敗の後、
119
成功の後などには同期や後輩と食堂の二階にある
SPOPA でよく飲んでおりましたが、最近、その食
データを大切にすること
堂が某ディズニーアニメにて校舎のモデルになった
小林 侑
との噂を聞き、当時を懐かしく思い出しております。
出来の悪い学生でしたので、教育という面でも先
生方にご迷惑をおかけしてしまいましたが、グロー
バル COE プログラムの支援の下、海外の学生との
国土交通省水管理・国土保全局河川計画課
2010 年環境理工学創造専攻修士課程修了
議論など様々な経験を積ませていただいたおかげ
技術的・専門的な知識を有することこそ技官(技
で、研究者として成長することができたと感じてお
術系公務員)の強みだと意気込んで飛び込んだ行政
ります。博士課程ではカリフォルニア大学バークレ
の世界でしたが、当然のことながら、自分の専門分
ー校へ短期留学させていただく機会があり、短期で
野(土木とりわけ河川工学)だけでは仕事ができな
はあったものの、目標を決め海外の学生と取り組ん
いものだと、何度も痛い目を経験しています。
だことは特に貴重な経験でした。また、サバイバル
最初に冷や汗を流したのが、入省して間もなく実
英語ではありましたが、海外の学生と議論したり遊
施された省庁横断の統一研修でした。研修で扱われ
びに行ったりしたことは自信にもつながり、海外の
る議題は法律、経済など多岐にわたり、班別討議で
研究者との議論に対する障壁も低くなった気がいた
は事務官集団の議論に全くついていけず、意気消沈
します。実際に留学前後では TOEIC の点数も 200
しました。といった例をあげればきりがないのです
点上昇し、英語力の面でも成長を実感いたしました。
が、現在は自然災害発生時における情報提供方法の
現 在 は MOCVD で の 結 晶 成 長 技 術 開 拓 業 務 や
企画・立案など担当しており、マスコミや通信業界
1.48um 帯半導体レーザの高出力化に向けた設計開
等、土木の立場からは異分野の方と議論する機会が
発業務を行なっておりますが、総合理工学研究科で
多かったりします。
学んだ知識、経験が非常に役立っております。組織
つまり、異分野と関わらない仕事など無いような
改革により総合理工学研究科は無くなるとのことで
ものですから、今となっては学生時代から異分野と
すが、後継の研究科では総理工の果たしてきた役割
親しめる姿勢を養っておけばよかったと後悔しま
を担い活躍してくれるものと期待しております。
す。総理工は学部を持たない分、同級生がほとんど
新しいメンバー、それも土木以外の方が多かったの
で、もっと積極的にコミュニケーションを取るべき
だったとしみじみ思います。自分の研究に閉じこも
っていました。
このような経験を繰り返していると、さて技官の
強みとは何だろう、と考えます。研究室時代の研究
が直結するポストもあるかもしれませんが、概ね 2
年程度でポストを転々とするので、はっきり言って
当時の研究そのものはあまり役に立たないと考えた
方が良さそうです。ですが、研究の結論を得るまで
の論理的思考の方法は、あらゆる仕事に通じるもの
があり、理工学的知見に基づき、データを根拠に論
理を構築できるのが技官の強みなのだと感じていま
す。
研究室では、利根川河口部における土砂動態や塩
120
水流動の現象解析を目的に足繁く現地観測に赴きま
ごしました。本学で私が受けた教育と現在の仕事の
した。データを取ることに満足して、あとは解析モ
繋がりについて紹介させていただきたいと思いま
デルに入れ込めば何かしら結論が出るだろうと勘違
す。
いしていた小生を、恩師は「データを取ったら、ま
論文指導
ずはそこから何が現象として起こっているか考え
研究では学生の独創性を尊重する雰囲気と、きめ
ろ」と、見捨てずご指導頂きました。採取できるデ
細やかな論文指導により研究者としての腕を磨くこ
ータは限られますが、
「少なくともこういう現象が
とができました。特に小俣教授には「ここまで丁寧
起こっていそうだ」ということを言うために、色ん
に文章を見て下さるのか」と驚いた記憶があります。
な角度でデータを見るのが楽しいものだと学んだか
会社に入ってからも文章や説明の図などを書きます
けがえのない経験です。
が、わかりやすく相手に物事を伝えるスキルは私の
業務では様々なデータを扱いますが、データを大
切にすることと、それに基づいた説明を心がけてい
大きな財産となっています。
コミュニケーション
私の本学での研究内容は全て医療機器の開発でし
ます。
た。そのため異分野の研究者との共同研究となり、
コミュニケーションの重要性を実感しました。また、
留学中はイギリスでグループ研究を行っていたた
め、英語を通じたグループ内でのコミュニケーショ
ンの訓練を積むことができました。入社後リハビリ
機器を開発する部門で働いていたときも、臆するこ
となく異分野・異文化の方々とコミュニケーション
をとることができたのはこの時の経験のおかげだと
思っています。
博士課程修了生として
博士課程修了生は、独創性と専門性に関して修士
修了生よりも高いレベルを要求されます。学部の頃
は自分の独創性と専門性に自信を持てなかったので
私が総合理工学研究科で
受けた教育
大﨑 幹生
すが、本学に入ってからは学会での受賞や他大学と
の共同研究による特許出願を達成し、大きな自信を
得ることができました。会社においても積極的に提
案する姿勢が評価され、社内のアイデアコンテスト
では優秀賞を受賞することができました。特許提案
も積極的に行っています。
株式会社安川電機 開発研究所所属
2012 年メカノマイクロ工学専攻博士課程修了
まとめ
医療用ロボットを作ろうと思って東工大へ入学し
私は他大学の学部生の頃、医療用ロボットに興味
博士課程まで進学しましたが、修了後は実用化への
を持ち東京医科歯科大と連携して研究を進めている
最短の道を求めて医療福祉ロボットも開発している
本学総合理工学研究科メカノマイクロ工学専攻の小
安川電機に就職しました。企業に勤めている今現在
俣(現在は小俣・高山)研究室への進学を決めまし
まで、一貫して自分のやりたい方向に進むことがで
た。そして 2006 年 4 月から 2012 年 3 月までの計 6
きたのも本学総合理工学研究科での教育が土台とし
年を東工大の学生(修士、留学生、博士)として過
てあったからだと思い、感謝しております。
121
たことを覚えています。初めはわからない事ばかり
でしたが先生や先輩方、同級生、後輩から学ぶこと
が非常に多く、最後の修士論文発表では最優秀電化
賞を頂くことができました。
現在は、学生時代とはまた大きく異なる分野の開
発職に従事しており、国内・海外問わず出張に行く
ことも多く、毎日刺激的な日々を過ごしております。
修士課程の 2 年間は短い期間でしたが現在の仕事に
も活かせる貴重な 2 年間であったと感じておりま
す。東工大の組織改革に伴い総合理工学研究科が今
年度で歴史を閉じると聞き、寂しくも感じておりま
すが、冨田先生をはじめお世話になった先生方や職
員の皆様に厚くお礼申し上げますと共に、皆様のま
すますのご活躍を心よりお祈りしております。
私にとっての東工大の 2 年間
中西 弘貴
株式会社クラレ倉敷事業所
2013 年物質電子化学専攻修士課程修了
私は 2011 年 4 月に入学し、2013 年 3 月に修了す
るまで 2 年間の間総合理工学研究科物質電子化学専
攻の冨田研究室でお世話になりました。
私の経歴は少し変わっており、高専で専攻科含め
7 年間勉強した後に物質電子化学専攻に入学し、研
究内容も高専では 3 年半の間環境系の研究を行って
いましたが、大学院の修士課程では高分子合成系の
研究室を選びました。今考えてみれば修士課程の 2
年間は私にとって挑戦の 2 年間であった様に思いま
す。
総合理工学研究科は大学院大学ですので、東工大
以外の大学から入学した学生が大部分を占めていま
したし、大学時代の研究内容とは異なる分野の研究
室を選ぶ学生も数多くいました。修士課程入学から
学生全員が新しい環境で新しい研究を始めるわけで
すから、私のような経歴の学生にとって総合理工学
研究科は最適の環境であったと思います。特に在籍
していた研究室では実験に関するサポートが厚く、
入学時には 1 ヶ月間先輩が親切に指導してくださっ
122
今も当時も変わらぬ
“私らしいビジョン”の原点
中北 正武音
東日本電信電話株式会社 ビジネス&オフィス営業推進本部
SE 部
2012 年知能システム科学専攻修士課程修士課程修了
私は、2010 年 4 月に総合理工学研究科知能シス
テム科学専攻に他大学から入学し、2 年間の修士課
程を修了するまでお世話になりました。短い期間で
通信の側面からの電気機器制御に将来性があると自
したが、ほぼ毎日研究室に通い、とても濃い日々を
分なりに考察し、現在は消費電力見える化やリモー
過ごすことができました。
ト家電制御、ホーム ICT といったサービス開発に
入学してすぐに感じたことは、私のように他大学
から入学してきた方や外国からの留学生、社会人経
携わり、エンドユーザに近い立場で生活が賢く便利
になっていくのを感じられています。
験を持つ方など、様々なバックグラウンドの学生が
今後、知能システム科学に関わるコミュニケーシ
多かったということです。そのような環境だからこ
ョンや学習の在り方は変化し続けると思いますが、
そ、斬新な意見が飛び交い、意外なことから新たな
東工大出身としての高い IT スキルと、総合理工学
発見が生まれ、広い視点で研究ができたと感じてい
研究科出身としての幅広く柔軟な考え方を兼ね備
ます。特に、毎年開催されていた複数研究室合同の
え、豊かなコミュニケーションを創造していきたい
ゼミ合宿では、日中に議論しきれなかったことを夜
と思います。特に、総合理工学研究科で培われてき
の宴会でも繰り広げ、
(お酒のせいで一部の記憶は
た精神が多岐にわたる分野で今も発揮されているよ
曖昧ですが)朝方まで語り合ったことを思い出しま
うに、今後もどのような形であれ、継承されていく
す。その後、研究生活では互いの研究に協力し合う
ことを信じ、私もその一翼を担う気概で邁進したい
など、研究室の垣根を越えた交流や議論の場が増え
と思います。
ました。
そして、これらの風通しの良く、研究するための
すばらしい環境を築き上げられてきた先生方には感
謝のしようがありません。
“知能システム科学”の
各分野を開拓されてきた先生方だからこそ、単に研
究室にこもって研究するのではなく、
“知能システ
ム科学”の基盤ともいえるコミュニケーションをと
ても大切にされ、研究にも良い影響を与えるような
仕組みを自然と創られたのだと思います。例えば、
RoboCup サッカーの協調行動学習の研究がされて
いた研究室を発端に、研究室対抗のフットサル大会
(AI-Cup)が毎年開催されるようになり、そこでの
気づきから、更に研究を加速させていたようです。
当時の私にとって、研究に対する考え方を劇的に変
アカデミック 3 年、
民間企業 9 年目の OB より
渡邉 隆之
えさせられた出来事でした。
このような専攻で、私はパターン認識手法を活用
した電力の側面からの家庭内電気機器の稼働状況を
推測する研究テーマを選定しました。先述のコミュ
キヤノン株式会社 R&D 本部
2004 年物質科学創造専攻博士課程修了
ニケーションなどを基盤とし、身近な生活を賢く便
総理工再編には、故郷や馴染みの飲み屋が無くな
利にできるような応用研究がしたいと考えたためで
るような寂しさを感じますが、40 歳と言う働き盛
す。研究では多くの壁にぶつかりましたが、ここで
りでの再出発にエールをお送りします。総理工修了
もやはり先生や周囲とコミュニケーションをとり、
生という母数は今年度末に決まりますが、その一員
議論し合うことで、一人では学べないほどの知見を
として今後も総理工の価値を様々な形で高めて行き
蓄えることができ、将来自分がどうなりたいのかを
ましょう。
より具体的に考えることができました。結果として、
これから研究を始める皆さんには、研究テーマを
123
教材として、①課題解決の仮説を立て、適切なアプ
ローチを選択して仮説検証できる実行力、②どんな
テーマでも面白さを見つけて取り組める適応力、③
国際人としての協調性を育てていただきたいと思い
ます。
研究開発においても、すでに新興国への実験アウ
トソーシングが進んでおり、課題解決への道筋を示
し、リーダーシップを発揮できる研究者の価値はま
すます高まっています。海外では指導教官はアドバ
イザーと言います。一流研究者たる先生方の声には
真摯に耳を傾けつつ、研究を自分でドライブする実
行力をまず養ってください。
次に、科学技術は進歩と同時に急速に陳腐化して
おり、社会に出れば数年おきに好むと好まざるに関
よくばりだった学生時代
わらずテーマが変わります。対象の面白さを見つけ
藤原 邦彦
出し、興味を持って取り組むことができることは大
変な長所です。小手先の知識にしがみつかず、色々
なテーマ、環境、文化への適応力を手に入れて下さ
い。
最後に、研究開発は国境を越え、多くの仲間達と
124
株式会社竹中工務店 技術研究所
2013 年環境理工学創造専攻修士課程修了
私が環境理工学創造専攻の浅輪研究室にいたのは
効率的に行う世の中です。その時にリーダーとして、
2011 年~ 2013 年の 2 年間のことです。2015 年 9 月
通訳として(文字通りの意味だけではなく)活動で
現在から遡ることたった 2 年半のごく近い過去の話
きる人材が必要です。早期に先生と人生設計につい
ですが、僭越ながら頂いたこのような執筆機会に一
て話し合い、学会賞や投稿論文等の業績を計画的に
度振り返ってみようと思います。
築き上げれば、博士課程修了後に海外に渡るための
浅輪研究室での生活を開始した当初、
「しっかり
奨学金もぐっと身近になります。先生との信頼感を
研究に取り組みたい。けど学生らしく遊びたい。
」
高め合えれば、在学中から年に数度は国際学会で発
というよくばりな思いを抱きつつもお金がなかった
表し、未来のボスを探す機会も与えられるはずです。
私は、その生活の在り方を模索していました。そし
そして、海外に出たら自分の力だけではどうにもな
て試行錯誤の末、青葉台の家賃 5 千円の学生寮に住
らないことがあることを学び、国際人としての協調
み、朝 6 時~ 9 時にコンビニでアルバイトした後で
性を身に着けてください。
研究室に移動、その後夜まで研究し、昼夜の食事は
やや堅苦しいことを書いてきましたが、研究に携
研究室のキッチンで自炊、という苦学生的な生活ス
わる若い皆さんへの私の経験を踏まえた素直な気持
タイルを確立していきました。楽な生活ではありま
ちです。困難にぶつかる時もありますが、自分なり
せんでしたが、その甲斐もあってか個人的には充実
の気分転換方法を見つけ、疲れたら仲間と語らいま
した研究室生活を送ることができたと思っていま
しょう。私は仲間達と釣りに出かけるのが至福の楽
す。
しみです。(※写真は総理工と勤務先の仲間達と船
浅輪先生はめったなことでは学生を褒めず、研究
宿の前で。筆者は前列左から三人目。
)新生総理工
の中身で褒めて頂いた記憶はほとんどありません。
での皆様の実り多い研究生活と平和を心より願って
しかし前述の生活スタイルにもある自らの置かれた
います。
環境下でより多くを得ようとした「よくばり」な姿
勢についてはお褒めの言葉を頂いたことを覚えてい
子システム論』や『社会システム論』等を通して様々
ます。
な階層の世界をシステムという文脈で把握でき、
『複
修了後、私は建設会社の研究職として働いていま
雑システム数理』等を通してシステムをどのように
す。一年の研修期間やその後の研究職としての勤務
科学的に取り扱うかを学べたのは、筆者にとって大
の中で、大規模高層ビルの建設現場における施工管
変幸運であった。そして所属した三宅研究室でその
理、とある社長が建てた豪邸での設備設計、自社の
学びを深められたことは言うまでもない。
設計施工物件における熱環境計測といった様々な業
駆け出しの研究者たる筆者が本専攻で得た気づき
務に携わってきました。そのような貴重な経験の積
の一つは、システムが内包する循環に注目すること
み重ねを振り返ると、ただただ慌ただしく過ぎ去っ
の大切さである。科学技術の発展は、人と協調し、
ていったという印象が強く、よくばりな姿勢では臨
社会に必要な価値創出が重要な目的の一つであり、
めていなかったように思います。この執筆をよい転
実現される科学技術は人間社会に根差していること
換点とし、よくばり精神を取り戻していきたいと思
が必要であろう。しかし一方で、科学技術が社会に
います。
適用された瞬間に、その機能が人間社会の存在自体
に内包されるため、人や社会にとっての新しい価値
の評価軸が変化することを忘れてはいけない。
つまり、科学技術の発展とその社会実装に伴う価
値評価との関係をシステムという観点から捉えると
き、両者が切り離すことができない共時的な循環を
伴う問題である事に気づくのである。新たな機能の
実現と人や社会における価値評価の最適化が繰り返
されるといった科学技術の発展が備える循環に積極
的に注目し、そしてその循環が織り成す不思議の環
に潜む普遍的な関係性を見つけようとする姿勢を得
世界の捉え方を学ぶ
たことは、筆者の世界観を大きく拡大させたに違い
ない。
東京工業大学の組織改革に伴い本専攻がその姿を
内富 寛隆
変えるのは修了生として心寂しくもあるが、本専攻
での学びや三宅研究室での研究活動に感謝すると共
株式会社本田技術研究所・四輪 R & D センター(栃木)
2014 年知能システム科学専博士課程修了
に、本専攻の歴史を礎とした本学の次なる進展に期
待したい。
筆者が“システム”と出合ったのは、ノーバート・
ウィーナー著『サイバネティックス』を読んだ高校
時代であった。システムという概念を用いて生物と
機械を統一的に扱う事への素朴な興味が、知能シス
テム科学専攻の門を叩いた切っ掛けだった。
本専攻に入学してまず驚いたのは、カリキュラム
の多様性であった。本専攻の専門たるシステム科学
はモノ・コトの捉え方を研究する分野であり、具体
的対象に捕らわれることがない。そのため所属する
先生方の専門分野は多岐に渡った。例えば『生体分
125
博士学生生活のギャップ
移ったり、
UCLA で 3 ヶ月間研究させてもらったり、
という機会にも恵まれたため、進学前には考えもし
なかったほど色んな人たちと交流のあった博士後期
萩原 汐
課程 3 年間でした。むしろ就職後の方が行動の自由
度が減り、内向きになっているように感じます。自
富士通研究所
2011 年物理電子システム創造専攻博士課程修了
由度の少ない環境特有の気楽さを享受しながらも、
たまに昔が懐かしくなって一週間だけ学生に戻って
広々としたすずかけ台キャンパスは天気の良い日
研究漬けの生活やってみたいな、などと馬鹿なこと
は散歩するだけで気持ち良いところでしたが、研究
考えてしまうことさえありますが、今の私には耐え
施設以外にはほぼ何もなく、歩いている人も少ない
られないでしょう。そう思うと、若いエネルギーの
寂しいキャンパスでもありました。研究に集中しや
ある時代に様々な機会を提供してくれた研究室と母
すい環境は、一歩間違えば研究室に閉じこもりがち
校には感謝するばかりです。機構改革により東工大
になりかねません。きっと博士学生は研究室と自宅
は大きく変わるようですが、今後も若い研究者の卵
を往復するだけの生活をしているのだろう…博士後
たちに様々なチャレンジの機会を提供してくれる大
期課程への進学前はそんなことを思っていたもので
学であって欲しいと思っています。
した。しかし実際にはそんなことにはならず、研究
室内で日々研究ディスカッションをしながらも、研
究室外との関わりも多くありました。これは主に電
気系 5 専攻博士フォーラム監事の活動と多くの学会
発表のお陰でした。
博士フォーラムは大岡山の電気系 3 専攻とすずか
け台の 2 専攻の博士学生の交流を深めようというプ
ログラムで、総会、研究コロキウム、ワークショッ
プや講演会などのイベントがありました。私は幹事
の 1 人として約 3 年間これらの企画運営に携わりま
した。幹事は当然同じ大学の博士学生であり、月一
度の打合せではイベントに関して話し合うだけでな
く、前後の時間には互いの研究室の様子を情報交換
したり、悩みを共有したり、他分野の研究について
話を聞けたり、助けになると共に刺激にもなりまし
た。幹事の活動により多少研究の時間は削られまし
たが、研究は加速したので、結果的には大きなプラ
スでした。
また学会や研究会で発表や聴講で参加する中で、
学外の先生や博士課程学生と交流する機会も多くあ
りました。普段接することのない先生や学生と研究
の話をするのは大変刺激的で、次の学会発表への大
きなモチベーションとなりました。まさに正のスパ
イラルでした。
その他、指導教官の関係で京都大学へ研究拠点が
126
専門家としての基礎を
築いたすずかけ台時代
坂井 孝典
Ph.D. Candidate at Urban Planning and Policy,
University of Illinois at Chicago/
Research assistant at Urban Transportation Center
2008 年人間環境システム専攻修士課程修了
私は 2006 年に東工大工学部土木工学科を卒業し、
総合理工学人間環境システム専攻に移ってきまし
た。カリフォルニア大学アーバイン校への交換留学
を挟んで 2008 年に修了し、それから約 5 年間、交
通計画コンサルタントとして東南アジアを中心とし
た開発発展途上国で仕事し、2013 年から博士号取
得のため、イリノイ州シカゴへと移っています。
東工大在籍時から一貫して交通計画に携わってい
ますが、業務や研究の遂行に必要なアプローチ、例
えば、情報収集、課題認識、論理的思考、科学的検
証…等々、のほとんどは、論文制作を含む修士課程
に身に着けた基礎能力に依るところがとても大きい
ように思います。例えば、私の修士論文研究は交通
東工大土木工学専攻の福田先生(左)とシカゴにて。
計画に係る意思決定手続き理論に関するものでした
が、根拠曖昧な先入観から脱却し、現状の全うな把
握と、先人による知的蓄積を自らのものにすること
によって漸く、今日向かい合うべき課題や明らかに
すべき命題が立ち上がってくるということを、研究
すずかけ台で得たもの
を通して学びました。言葉では簡単なようですが、
菅沼 学史
実際、このプロセスはなかなか容易ではありません。
修士課程を通じたトレーニングは、コンサルタント
として関わった途上国での交通計画であれ、現在取
り組んでいる都市物流政策の研究であれ、私の実務
遂行の重要な基礎になっています。
鳥取大学 工学部附属 GSC 研究センター テニュアトラッ
ク助教
2012 年物質電子化学専攻博士課程修了
私が総合理工学研究科で研究室生活をスタートさ
私はこれまでにアメリカの 2 つの大学に籍を置い
せたのは東京理科大学の学生のときです。翌年には
ており、また、様々な国の研究者・専門家と交流し
物質電子化学専攻に入学したので、合計で 6 年間す
ていますが、東工大の修士課程で一般的に見られる
ずかけ台キャンパスに通いました。この地域は学部
ような、研究に対する教員と学生と密度の濃い向か
3 年まで通った飯田橋周辺とは異なり繁華街のみな
い合い方というものは、少なくとも他国では見られ
らず飲食店も少ないため研究に没頭できる環境でし
ない、一言では言えませんが専門家として独特の強
た。しばしば終電間際まで実験をしていたため、駅
みを形成するのに貢献しているように感じます。グ
へと続く緩い登り坂を走ったことが懐かしく思い出
ローバル化する社会環境において大学教育というも
されます。
のも変化しつつある中、東工大が、総合理工学研究
当時のキャンパスには触媒研究の大家である先生
科が、創立以来培ってきたものが、将来の世代に対
方が多く、博士論文の審査まで大変お世話になりま
しても、大いに益するものとして続いて行くよう祈
した。私が所属していた原亨和先生の研究室はアク
念しています。
ティビティが売りの一つでした。日常的に深夜まで
私について言えば、まだイリノイ大学シカゴ校の
実験をするだけでなく、ゼミ旅行、飲み会にも全力
Ph.D. プログラムの半ばではありますが、OB の研
投球で取り組んでいました。ゼミ旅行では 1 泊 2 日
究者として東工大の名に恥じないよう、世に貢献し
で飛騨高山へ往復 600 km を移動して観光をし、さ
ていきたいと思います。
らに強者揃いで 3000 m 級の山に登るということを
しました。また、他の研究室と飲み会をする際には
原研究室に幹事を任せれば間違いがないと言われて
いました。研究室では上下関係を越えて協力して研
127
究をし、外に出れば共に笑って遊ぶという生活をし
たため、今でも交流が続く素晴らしい関係を築くこ
出会いとつながりは人生の宝
とができました。
劉 雅萍
現在は鳥取大学で助教をしており引き続き研究を
行っています。これまでの人生の大半を神奈川県内
で生活していたため、はじめ鳥取の気候、生活に馴
染めない部分がありました。しかし、いざ研究とな
れば外の様子は関係なく、むしろ余計な雑念が生じ
ることが無いため、研究に集中できます。鳥取大と
大学院生の時との決定的な違いは学部教育をすると
いうことです。日常的に研究と並行して学生実験や
講義で指導する機会が多く苦労しましたが、東工大
で鍛えたバイタリティでこなすことができていま
す。
総合理工学研究科では国内外の様々な出身の人達
が高い志をもって集まってきます。そのため、私の
在学期間には仲間とぶつかり合うこともありました
が、彼らとは切磋琢磨して成長することができまし
た。今後もすずかけ台キャンパスが学生にとって自
身の能力を磨き上げる場であり続けてほしいと願っ
ています。
(株)日立製作所 研究開発グループ
材料イノベーションセンタ 研究員
2014 年化学環境学専攻国際大学院プログラム博士一貫コー
ス課程修了
環境問題に強い関心を持っていた私は 2009 年に
化学環境学専攻の博士一貫コースに入学した。そこ
では、熱プラズマという高温化学反応場を利用した
革新的ガラス溶融技術に関する研究に従事した。こ
の研究は、ガラス溶融プロセスを大きく刷新しうる
技術であり、プラズマなどの高温化学反応場を用い
ることで、現行法と比較して 50% 以上の省エネ効
果が見込まれるプロセスである。渡辺隆行准教授
(現
在は九州大学教授)の指導のもと多く学び、大変充
実した時間を過ごすことができたと考えている。し
かし留学当時は、語学面・費用面など様々な面で難
しいことがたくさんあり、研究を進める上でもそれ
らの影響がないとは言えなかった。異なる文化や価
値観の中での生活と研究の両立には、孤独で辛い思
いをすることも多かったが、教員の方々、専攻職員
の方々などたくさんの素晴らしい方々に恵まれ、多
くの面で助けられた。その結果として、研究内容を
まとめて論文発表をするという生き方に強い意志を
もつことができ、四年間で日本、韓国、アメリカ、
イタリア、オーストラリアの国際学会に出席した。
研究を発展させることができたと同時に、自分自身
も大きく成長することができたことを大変誇りに考
えており、支えて下さった研究科の方々には心より
修了年度のゼミ旅行での登山(鹿島槍ヶ岳)
筆者:後列左から 2 番目
感謝している。
本専攻修了後は、2014 年㈱日立製作所に入社し、
プラントシミュレーションおよび制御に関する技術
の開発に携わった。勤務当初は、学生時代と全く違
う分野であることによる知識不足に加え、研究・仕
事の進め方が大学とは異なることで、落ち込む場面
も多かった。そのような時は、
本専攻で研究した日々
や、日本の研究者の科学研究に対する真摯な姿勢や、
研究室の教員方・先輩方を含めた専攻の方々から頂
128
いた厳しい言葉を思い出すことが、非常に励みにな
ません。そのような短い期間にもかかわらず、私が
っている。
過ごした研究室並びに専攻科は、その後の人生を決
総合理工学研究科との出会いおよび四年半の留学
める大きなきっかけを与えてくれました。先生方は
生活は、私の人生を大きく変える転機であった。自
大変国際経験が豊富で、研究室はそれまで私にとっ
分が変わると世界の見え方が変わる。その経験が今
て遠い存在であった「世界」との繋がりを、身近に
日の私自身の研究や仕事、そして人生に対する姿勢
感じさせてくれる雰囲気に満ちていました。例えば
に大きな影響を与えている。経験、出会いを大切に
博士課程の学生は研究報告を英語で行ったり、留学
し、「今」を大切に生きるということが大事だと痛
生との議論が英語で行われていたりと、それは、以
感している。
前より海外に興味があった私にとっては大きな衝撃
最後に、東工大は新たな教育組織となり、総合理
でした。結果として博士課程やポスドクを海外で過
工学研究科としては一区切りの転換期を迎えられる
ごすことになったわけですが、いざ日本を出た後に
かと思いますが、40 周年を迎えたこと、誠におめ
改めて実感したことは、よく先生方がおっしゃられ
でとうございます。総合理工学研究科、化学環境学
ていた言葉でした。それは日本と海外における研究
専攻の益々のご発展を心よりお祈りします。
の仕方の違いや、いかに総合力(人間力)が試され
るかということでした。私が行っている複合領域は
物理・化学・生物が混ざり合った領域であり、それ
ぞれ異なる専門性をバックグラウンドとする人々が
一緒に研究を行う世界です。そのため、自分の知識
が及ばない領域では、その領域に明るい研究者とい
かに協力して行うかが、研究の成果に関わってきま
す。一人で 1 から 10 まで完遂できる研究よりも、
様々
な人と共同で行う研究や、予想外のことばかり起き
る日々の生活の中で、私の「人間力」は養われたと
思っています。私自身まだまだ道半ばでありますが、
総理工で学んだことを大切にし、今後とも邁進して
いきたいと思います。
東工大で出会った新しい世界
當麻(大塚)浩司
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 助教
2009 年物質電子化学専攻修士課程修了
私は、総合理工学研究科物質電子化学専攻の修士
課程に 2007 年に入学し、
2 年間お世話になりました。
しかしながら、実際には指導教官の先生の異動に伴
い、2007 年 12 月頃から東北大学で研究生活を過ご
したので、半年程度しか、キャンパスを経験してい
129
9 創設当時の思い出
大学院総合理工学研究科
開設時の想い
市川 惇信
○分野を増設する」という言葉を使えず拡充政策へ
の適合性が悪いことから、学科制を復活させ、学生
を学習課程に閉じ込める方向へ逆行したことは残念
であった。この自由な組織形態を大学院教育に実現
するのが私の想いの一つであった。
もう一つの想いは、制度として設置された大学院
大学院総合理工学研究科開設の経緯については東
京工業大学百年史に公式記録がある。附置研究所に
に入学するに際して、世界と日本の大学院制度を通
観して知ったことに由来する。
および本邦初の学部
1810 年、W. フンボルトは「大学において教育と
に基礎を置かない大学院研究科の開設が可能になっ
研究は統合されるべきである」という「フンボルト
た経緯 については、すでに公表してある。
理念」を掲げ、ベルリン大学を設置し高い業績を挙
おける大学院教育がもつ意味
1)
2)
ここでは総理工の理念と目標設定の場の末席にあ
げた。この理念は研究レベルの高度化と共に破綻し
った私の思いを語る。想いは 2 つあった。1 つは新
て、100 年を経た 1911 年にドイツはカイザーウィ
制大学最初の学生になるときに私を本学に誘引した
ルヘルム協会(現マックスプランク協会)を設立し
当時の和田小六学長の大学教育の理念である。それ
て、教育組織と研究組織を分離して大学の外に研究
は「東京工業大学刷新要項」の形で制度と運営の基
環境を整備する方針をとった。これが西欧諸国にお
本とされた。その「
(3)刷新の目的・方針」はいう。
ける研究体制の主流となった。
◦本学は真実なるもの及びより高きものの探求を
これに対して米国は、学部教育の上に教育組織と
基調とし、文化の他の分野との関連においてな
しての大学院を設置して、教育と研究の統合を維持
される健全なる価値判断に従って、科学技術の
した。これが研究面における米国のその後の卓越の
絶えざる発展に努力する(以下略)
基盤となった。
この目的・方針を受けて本学は、他大学と異なり
1891 年に設立された帝国大学は米国型を採用し
教養部を置くことなく、専門理工系教育と人文社会
ていた。帝国大学令はいう。
系の教育を統合して 4 年間を通じて行う体制を採
◦帝国大学令 第二条 帝国大学ハ大学院及分科大
り、永井道雄先生はじめ錚々たる論客多数を教官と
学ヲ以テ構成ス 大学院ハ学術技芸ノ蘊奥ヲ攷
して招いていた。
究シ 分科大学ハ学術技芸ノ理論及応用ヲ教授
学科制を廃止し教官組織と教育組織を分離して学
スル所トス
習コースをおき、学生は学習コースを参考に自分で
これを時の学位令と併せれば堂々たる大学院教育
履修課程を作り教務部の認証を得れば、それに沿っ
であった。この制度は学位令に付記された論文博士
て履修し卒業できる制度とした。私はこの制度の恩
がその後支配的になって、1920 年改正の学位令で
恵を最大限に享受して、化学工学コースに身を置き
は論文博士のみになり大学院の命脈が絶たれた。こ
ながら他のコースにある関連授業科目を広く履修し
の大学院大学の復活が私のもう一つの想いであっ
た。これはその後の研究生活において大きな力とな
た。
り、多岐の分野を広く深く渉猟できる環境が大学の
知的資産の一環であることを知った。
この教育形態はその後の理工系拡充の時代に、
「○
本学の一段の飛躍を目指す今回の組織改革におい
て、これらの思いがどのような形で実現されるのか
は私の強い関心事の一つである。
1)市川惇信、研究所と大学院教育、大学基準協会会報 51 号、1984
2)天城 勲 , 慶伊富永編、大学設置基準の研究、第 IV 部第 3 章、東京大学出版会、1977
130
「すずかけ台キャンパス」
草創期の思い出
武者 利光
頼されて、近所への挨拶回りにつきあった。私が、
ここで自治会長を務めたときには、土地の人達と親
しくなり、おもしろい昔話を聞かされた。キャンパ
ス前の国道 246 号線は戦時中には「戦車道(センシ
ャミチ)
」よばれ、戦車が道路脇にずり落ちてひっ
くり返ったことがあるとか。さらに昔に遡ると、検
当時私は村山貯水池の近くの電電公社の共済組合
地があると聞くと、この地域には隠し田があったた
の分譲地に居を構えていたが、東工大に勤務するよ
め、皆逃げ出して無人状態になった時期があったと
うになり、自宅から大岡山キャンパスまで一時間半
か。土筆が生えるようなところは土地がやせている
をかけ自動車通勤をしていた。そのうちに腰痛など
という意味で、
「つくし野というこの地名は、そん
に悩まされ、新しい居住地を求めて町田市の南つく
な痩せた土地で百姓をしているということで、百姓
し野に移転した。当時、田園都市線は「渋谷行き」
にとっては不名誉なことなんだよネ」という、土地
ではなく「大井町行き」だけだったので、乗り換え
の長老からの昔話に耳を傾けたこともあった。大学
なしで大岡山まで 40 分で行けたことは、なんと感
と近隣住民との親睦会の折には、土地の芸能太鼓集
動的であったことか。しばらくして、家の近くにな
団を連れてきたこともある。キャパスの祭りで大き
んと、東工大の新キャンパス建設の噂が耳に入った。
なキャンプファイアを企画し、私がその世話をする
「このチャンスを逃すな」とばかり、新キャンパス
ことになった。体格のがっちりした清水先生に薪の
への移動希望者として真っ先に手を挙げた。仲間か
材料集めをお願いしたところ、東急電鉄から使い古
ら「君は先見の明があるね」
、とうらやましがられ
した枕木を沢山手に入れてきて、それらを井桁に積
たが、実は偶然だったのである。
み上げて、盛大なキャンプファイアが実現したが、
大学の建物が未完のため、とりあえず総合研究館
これらは当時だからできたのであろう。
の一室を研究室とした。窓から外を見ると、野兎が
このキャンパスの教授・助教授・助手を集めて「題
走り回るのをよく見かけ、素晴らしい研究環境だと
名のない談話会」を毎月企画した。参加者の中には、
思った。ところが、雨が降ると、246 号線の下を通
築地の魚市場からマグロの土手を買ってきて、皿い
ってキャンパスへ入る境界の窪地がドロ沼状態にな
っぱいの刺身を作ってくれる者もいて、食べながら
り、
「地獄谷」と呼ばれた。もちろん長靴通勤である。
皆で議論をしたこともある。この談話室には音響設
キャンパス内にマムシがいるので、応急処置用にと
備やバーカウンターなどを(レーザー照射台と称し
して事務室には血清が常備されていた。
て)準備し、研究で疲れたときには、この部屋でリ
当時は田園都市線に乗る人も少なく、工大のキャ
ラックスしながら懇談したり、音楽を聴いたりでき
ンパスは東急の土地で生産緑地として利用が限られ
るようにした。これは私が MIT での経験を若干拡
ていた。それを国が買い上げて大学の用地にしたの
張して、ここに移植したものである。外国出張から
で、東急が感謝して、東工大に、駅の名を考えてほ
帰ってきた人はみやげのワインなどを、この部屋の
しいと言ってきた。その昔プラトンが大きな木の下
冷蔵庫にいれる習慣がつき、楽しくも有益な「談話
で若者たちに学問の話をしたことにちなみプラタナ
室」となった。今から振り返ると、かなり自由に活
スの和名の「スズカケ」はいかがと工大が提案した
動した楽しい草創期であった。こんな雰囲気の大学
と伝えられる。東急では、既に「南つくし野」とい
生活をもう一度体験してみたいものだ。
う切符まで印刷してあったが、工大提案の名に「台」
をつけて現在の駅名に収まった。
私はキャンパスまで徒歩通勤をする「土地の者」
と見做されていたので、事務からしばしば同行を依
131
予定地の事務部による視察
1973 年 造成中のキャンパス。
用地入口の立看板。
1972 年つくし野 - すずかけ台の開通
(当時は単線)
建設中の G1 棟
1980 年の航空写真
本ページの写真は林厳先生、北条春夫先生、東工大施設部が撮影されたものです。ご協力を感謝いたします。
132
10 学務関連データ
学 生 数
(平成 27 年 5 月 1 日現在)
学 生 数
総合理工学研究科専攻名
修 士 課 程
1年次
2年次
博 士 後 期 課 程
計
1年次
2年次
3年次
計
物
質
科
学
創
造
専
攻
50
52
102
8
12
20
40
物
質
電
子
化
学
専
攻
51
55
106
17
26
22
65
材
料
物
理
科
学
専
攻
38
45
83
10
7
8
25
環 境 理 工 学 創 造 専 攻
52
57
109
15
14
20
49
人 間 環 境 シ ス テ ム 専 攻
46
43
89
4
6
12
22
創 造 エ ネ ル ギ ー 専 攻
50
48
98
12
6
16
34
化
攻
43
44
87
12
9
16
37
物 理 電 子 シ ス テ ム 創 造 専 攻
52
51
103
12
11
12
35
物 理 情 報 シ ス テ ム 専 攻
49
60
109
13
14
26
53
メ カ ノ マ イ ク ロ 工 学 専 攻
32
37
69
7
8
3
18
知 能 シ ス テ ム 科 学 専 攻
77
85
162
24
27
57
108
計
540
577
1,117
134
140
212
486
攻
756
789
1,545
215
157
243
615
生 命 理 工 学 研 究 科 5 専 攻
153
172
325
30
24
49
103
情 報 理 工 学 研 究 科 3 専 攻
125
152
277
21
15
47
83
社 会 理 工 学 研 究 科 4 専 攻
127
136
263
21
25
83
129
イノベーションマネジメント研究科 2 専攻
39
49
88
10
10
28
48
1,740
1,875
3,615
431
371
662
1,464
理
学
工
環
学
境
研
究
学
専
科 20 専
合 計
入 学 状 況
修士課程
年度(平成)
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
員
433
433
433
433
433
433
433
433
433
433
学
533
525
476
500
519
501
475
497
473
481
前年 10 月入学
16
16
33
41
47
55
51
48
67
59
項目
入
学
入学者数
定
4 月
入
博士後期課程
年度(平成)
項目
入
学
入学者数
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
員
219
219
219
219
219
219
219
219
219
219
学
104
106
119
102
98
116
105
103
94
86
前年 10 月入学
39
54
44
42
58
70
35
50
55
48
定
4 月
入
133
外国人留学生内訳
課程
国・地域名
国 費 留 学 生
大学院
修士課程 博士課程
私 費 留 学 生
大学院
小計
修士課程 博士課程
中
国
6
15
21
76
56
タ
イ
8
8
16
4
インドネシア
9
5
14
2
1
韓
国
マ レ ー シ ア
台
3
湾
アメリカ合衆国
カ
ナ
1
ダ
16
20
36
7
7
14
28
2
4
10
14
16
4
1
6
7
11
0
2
5
7
7
1
1
2
3
0
2
3
3
0
3
1
1
3
2
3
3
1
3
0
2
1
2
2
3
フ ィ リ ピ ン
1
1
2
ト
ナ
ム
モ
ン
ゴ
ル
8
合計
小計
161
1
ベ
研究生
140
バングラデシュ
1
1
0
1
1
2
1
ン
2
2
カ ン ボ ジ ア
1
1
シ
1
1
1
1
2
ス リ ラ ン カ
0
2
2
2
セ
0
1
2
2
0
2
1
1
イ
ラ
リ
ネ
ト
1
ア
ガ
ル
ル
コ
フ
ラ
ン
ス
メ
キ
シ
コ
1
1
1
1
1
2
0
アルジェリア
1
1
2
0
2
1
1
0
1
1
1
1
1
1
1
オーストラリア
0
ガ
ナ
0
コ ロ ン ビ ア
0
シンガポール
0
1
1
1
ス
ス
0
1
1
1
タジキスタン
0
1
1
1
タ ン ザ ニ ア
0
1
1
1
ー
イ
1
1
1
パ キ ス タ ン
1
1
0
1
パ レ ス チ ナ
1
1
0
1
1
0
1
ブ
ペ
ラ
ジ
ル
ル
1
ー
1
1
0
1
ル ー マ ニ ア
1
1
0
1
1
0
1
ロ
シ
ア
1
中 国( マ カ オ )
1
1
0
1
南 ア フ リ カ
1
1
0
1
226
308
計
134
研究生
(平成 27 年5月1日現在)
33
49
0
82
104
112
10
学 位 授 与 数
修士
(平成 27 年4月1日現在)
平成 17 年
理学 工学 学術
平成 18 年
計
理学 工学 学術
平成 19 年
計
理学 工学 学術
平成 20 年
計
理学 工学 学術
平成 21 年
計
理学 工学 学術
計
物 質 科 学 創 造
2
42
44
2
37
39
5
39
44
2
49
51
4
42
46
物 質 電 子 化 学
26
28
54
25
29
54
24
28
52
20
35
55
16
33
49
材 料 物 理 科 学
10
45
55
3
48
51
17
35
52
6
33
39
5
38
環 境 理 工 学 創 造
9
40
49
7
40
47
8
38
47
5
32
2
39
5
38
33
33
48
48
45
1
46
12
33
45
7
39
46
学
7
45
52
10
42
52
物理情報システム創造
2
72
74
2
2
0
50
50
30
30
60
73
2
2
人間環境システム
創 造 エ ネ ル ギ ー
化
学
環
境
物理電子システム創造
メカノマイクロ工学
37
知能システム科学
7
56
電子機能システム
37
1
64
42
42
物理情報システム専攻
合 計
75
473
13
1
41
41
5
36
41
3
46
49
9
39
48
5
42
47
0
59
49
1
51
1
55
549
68
476
1
545
82
448
平成 23 年
理学 工学 学術
2
62
29
18
533
理学 工学 学術
36
42
6
33
39
42
42
0
2
83
29
14
47
44
1
39
537
57
414
44
62
59
473
5
0
平成 25 年
計
29
1
0
平成 24 年
計
37
6
29
63
56
3
44
37
55
0
1
計
55
31
47
43
1
0
59
31
13
0
平成 22 年
理学 工学 学術
1
理学 工学 学術
40
2
473
平成 26 年
計
理学 工学 学術
計
物 質 科 学 創 造
4
44
48
7
35
42
8
41
49
4
42
46
10
35
45
物 質 電 子 化 学
16
42
58
11
36
47
16
33
49
18
34
52
22
29
51
材 料 物 理 科 学
13
41
54
6
45
51
6
45
51
4
39
43
5
39
44
環 境 理 工 学 創 造
4
40
44
7
40
47
35
35
4
44
49
3
43
43
43
46
46
42
42
人間環境システム
1
50
50
46
39
1
40
創 造 エ ネ ル ギ ー
4
36
40
4
43
47
9
32
41
1
43
44
6
37
43
化
4
43
47
9
42
51
12
32
44
5
33
38
17
27
44
48
48
学
環
境
学
物理情報システム創造
0
物理電子システム創造
57
メカノマイクロ工学
57
36
知能システム科学
11
59
0
50
36
1
電子機能システム
50
38
71
11
38
56
1
0
物理情報システム専攻
36
合 計
56
477
1
0
68
9
49
49
31
31
66
75
0
0
44
77
36
36
66
143
0
36
2
44
2
48
2
55
534
57
475
3
535
62
461
523
37
37
14
71
85
52
2
41
43
597
79
446
0
57
0
0
44
52
113
483
1
博士後期 0
1
526
(平成 27 年4月1日現在)
平成 16 年まで
平成 17 年
平成 18 年
平成 19 年
平成 20 年
平成 21 年
理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計
物
質
電
物
科
学
子
質
材
創
化
電
子
料
化
科
造
11
73
84
学
24
48
72
学
47
45
学
10
47
16
材
料
物
理
科
学
環
境
物
理
工
学
環 境 理 工 学 創 造
社
会
開
発
工
9
学
人 間 環 境 シ ス テ ム
創 造 エ ネ ル ギ ー
14
化
物
学
環
学
理
境
環
情
工
境
報
工
学
学
57
21
44
2
3
3
36
10
1
55
1
13
14
1
10
11
1
9
10
1
11
12
8
7
15
6
4
10
12
10
22
9
11
20
5
7
12
2
11
13
1
8
9
2
9
11
5
5
4
4
1
6
9
12
12
2
6
8
7
7
17
18
10
10
6
6
3
3
4
4
2
2
4
2
6
4
3
7
10
13
1
9
10
4
7
6
6
1
7
8
1
1
2
6
8
1
17
52
2
1
51
4
46
56
54
1
40
1
12
18
1
13
1
1
1
1
1
1
8
8
11
11
18
1
19
6
6
9
1
10
10
1
11
13
4
23
21
5
30
0
1
16
1
17
6
97
6 122
14 117
33
3
3
1
1
2
2
5
5
5
5
シ
ス
知
テ
能
ム
科
科
2
学
8
学
知 能 シ ス テ ム 科 学
6
29
1
18
9
70
34
1
35
電 子 機 能 シ ス テ ム
11
シ
ス
テ
8
15
17
53
子
11
物 理 情 報 シ ス テ ム
合 計
0
2
ム
電
3
15
33
学
8
1
メ カ ノ マ イ ク ロ 工 学
化
1
0
精 密 機 械 シ ス テ ム
命
7
65
物理電子システム創造
生
1
9
54
38
19
12
65
学
物理情報システム創造
41
21
49
6
96
14
57
12
エ ネ ル ギ ー 科 学
化
4
5
166 787
28 981
3
15
3
21
1
12
2
15
5
18
3
26
4
4
8
8
1
1
1
1
8
8
7
7
26 102
6 134
99
3 116
89
3 119
14
27
6
19
4
1
1
7
9 140
135
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
平成 26 年
合計
理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計 理学 工学 学術 計
物
質
電
物
科
学
子
質
材
創
化
電
子
料
造
2
化
科
物
理
科
学
環
6
境
物
理
工
学
発
11
12
3
9
12
6
9
15
1
13
14
工
3
9
15
3
3
7
10
7
9
16
7
7
8
4
12
7
7
14
9
9
1
7
8
21
2
12
14
5
6
1
12
1
14
2
15
4
1
5
1
6
3
3
5
5
7
6
5
5
7
10
3
72
11 120 119
4 243
47
57
7
7
22 111
133
21
21
10
11
22 148
9 179
12
12
10
108
9 117
10
9
1
8
8
1
1
11
15
7
12
エ ネ ル ギ ー 科 学
創 造 エ ネ ル ギ ー
化
物
学
環
学
理
境
環
工
境
情
報
工
1
9
10
2
3
7
7
1
7
1
6
3
9
31
88
2 121
学
学
8
3
4
5
65
65
30 112
1 143
学
54
物理情報システム創造
1
物理電子システム創造
13
1
3
13
21
1
22
7
2
9
9
1
10
13
13
シ
ス
知
化
テ
ム
能
科
科
5
子
シ
ス
10
5
5
9
テ
10
5
21
2
10
8
20
4
13
1
18
3
9
2
14
9
16
4
29
1
1
8
1
14
1
16
113
15
103
12
130
19
87
7
21
20
21
105
7
132
23
12
1
13
96
7
126
21
物 質 科 学 創 造
1
物 質 電 子 化 学
2
材 料 物 理 科 学
平成 18 年
計
環 境 理 工 学 創 造
1
0
0
0
2
0
3
2
0
0
1
1
0
1
1
18
2
46 287
1
35
27
27
2
15
2 105
6 113
104
7
132
364 1786
95 2245
物理情報システム
1
合 計
4
0
0
1
1
2
2
0
1
1
0
1
1
1
1
0
0
1
1
1
1
1
1
0
0
2
0
0
0
0
1
0
0
2
1
2
2
0
0
4
4
0
0
平成 23 年
理学 工学 学術
2
1
0
11
平成 24 年
計
理学 工学 学術
0
0
11
0
11
平成 25 年
計
理学 工学 学術
2
0
2
理学 工学 学術
7
0
8
合計
計
理学 工学 学術
計
0
0
0
0
1
1
物 質 電 子 化 学
0
0
0
0
1
2
3
材 料 物 理 科 学
0
1
1
0
8
8
1
2
2
人間環境システム
1
0
1
1
創 造 エ ネ ル ギ ー
0
学
1
1
1
0
2
0
6
6
2
1
1
6
6
0
0
1
1
1
3
4
1
8
9
2
1
2
2
0
0
物理情報システム創造
0
1
1
0
0
7
7
物理電子システム創造
0
0
0
0
7
7
精密機械システム
0
0
0
0
メカノマイクロ工学
0
0
0
0
3
知能システム科学
0
0
0
0
3
電子機能システム
0
0
0
0
9
物理情報システム
0
0
0
0
1
3
5
0
2
0
2
0
7
0
7
0
2
0
2
0
3
0
2
1
0
3
1
4
9
1
63
1
69
1
0
0
1
平成 26 年
計
1
0
0
0
2
0
物 質 科 学 創 造
環 境 理 工 学 創 造
1
1
0
0
1
0
0
2
5
11
1
1
1
2
0
1
計
1
0
3
15
0
0
2
1
11
理学 工学 学術
0
3
1
平成 22 年
計
0
0
0
5
1
理学 工学 学術
1
0
0
合 計
29
0
3
精密機械システム
知能システム科学
3
0
メカノマイクロ工学
境
6
13
平成 21 年
計
2
1
電子機能システム
理学 工学 学術
0
1
3
平成 20 年
計
0
1
物理情報システム創造
理学 工学 学術
0
創 造 エ ネ ル ギ ー
物理電子システム創造
平成 19 年
計
1
化
学
理学 工学 学術
0
人間環境システム
環
15
(平成 27 年4月1日現在)
平成 17 年
学
37
73
34
1
1
合 計
化
5 106
2
51 190
ム
76
71
17
6
7
境
9
学
理学 工学 学術
136
10
8
1
環
5
学
物 理 情 報 シ ス テ ム
学
5
2
電 子 機 能 シ ス テ ム
論文博士
5
学
知 能 シ ス テ ム 科 学
電
54
3
37
メ カ ノ マ イ ク ロ 工 学
命
70
101
精 密 機 械 シ ス テ ム
生
216
48
学
人 間 環 境 シ ス テ ム
化
33 183
10
環 境 理 工 学 創 造
開
1
学
料
会
13
24
学
材
社
11
学
0
0
7
1
8
産業別就職者数(平成 17 年度~平成 26 年度修了者)
計
447
124
426
65
438
70
462
87
498
122
334
75
786
217
503
149
5,352
1,264
90
97
65
84
64
68
73
72
44
253
90
1,000
364
60
424
49
418
35
363
43
362
15
370
29
389
31
426
47
290
29
533
81
413
78
4,352
497
1
1
0
1
2
6
85
4
138
5
6
2
1
3
1
1
4
5
3
1
2
15
23
2
9
2
化 学 工 業・ 石
油・ 石 炭 業
54
11
147
22
36
4
30
4
鉄
鋼
業 ・
非鉄金属業・金属製品
39
5
7
68
7
一
械
30
5
18
電 気・ 情 報 通
信・ 機 械 器 具
81
11
電子部品・デバイス・
電
気
回
路
建
設
業
水 産・ 食 品 業・
飲料・たばこ・飼料
繊
製 造 業
就 職 者 数
電
供
物理情報システム
業
知能システム科学
鉱
メカノマイクロ工学
業
物理電子システム創造
農
学
数
483
76
維
工
業
境
者
521
147
環
職
454
132
学
就
化
博 士 後 期 課 程 進 学 者 数
創 造 エ ネ ル ギ ー
数
人間環境システム
者 環 境 理 工 学 創 造
了 材 料 物 理 科 学
修 物 質 電 子 化 学
区 分
物 質 科 学 創 造
専 攻
1
1
6
9
1
5
0
7
6
1
12
1
6
1
1
268
11
26
2
6
17
0
4
1
14
10
3
7
5
2
92
5
4
12
163
9
12
1
20
1
7
4
1
489
53
12
5
19
1
14
1
5
13
1
4
2
186
17
29
2
19
4
1
31
3
7
23
53
4
24
3
20
3
258
21
66
3
76
6
32
2
3
1
90
6
41
7
127
24
62
6
132
6
126
25
836
97
38
4
23
4
37
3
8
1
24
1
15
65
7
9
3
33
8
26
3
279
33
輸 送 用 機 械 器 具
40
2
45
5
92
4
22
1
1
68
1
18
55
1
70
2
43
4
33
1
487
21
精 密 機 械 器 具
4
1
6
1
3
1
10
3
5
9
1
8
2
2
1
51
6
そ
9
2
24
2
22
10
4
3
3
21
1
16
1
15
1
20
2
4
4
148
16
3
5
1
1
16
1
6
1
42
2
10
1
16
9
3
6
117
6
5
12
25
12
1
14
5
6
6
88
0
出版・印刷・同関連業
般
機
の
気・ ガ ス・
給・ 水 道
他
熱
業
運 輸 業・ 郵 便 業
2
情 報・ 通 信 業
11
1
9
9
1
29
2
20
18
1
16
43
1
1
1
146
18
126
13
428
38
卸 売・ 小 売 業
3
1
2
3
6
4
4
2
1
4
4
2
2
36
2
金 融 保 険 業
4
1
4
4
14
4
3
9
4
2
29
1
6
83
2
3
19
3
1
1
1
28
0
不 動 産 業・
物
品
賃
貸
業
学 術 研 究、 専 門・
技 術 サ ー ビ ス 業
10
6
19
1
6
4
18
1
43
2
14
4
10
1
6
4
4
1
40
10
27
6
197
40
教 育・ 学 習 支 援
3
5
3
6
3
4
1
17
1
5
3
3
6
2
6
6
2
22
12
18
92
その他サービス業等
6
3
6
1
3
12
1
14
6
3
7
1
5
1
4
15
5
13
3
91
18
公 務
3
1
7
3
20
1
21
3
4
5
1
1
3
5
2
75
5
そ
他
1
1
9
1
1
1
の
1
1
1
5
12
上段 : 修士課程、下段:博士課程
旧専攻の修了者を含む(3. 総合理工学研究科の沿革を参照)
137
11 歴代研究科長・評議員・名誉教授
◎歴代研究科長
歴 代
事 務 取 扱
第 一 代
第 二 代
第 三 代
第 四 代
第 五 代
第 六 代
第 七 代
第 八 代
第 九 代
第 十 代
第 十 一 代
第 十 二 代
第 十 三 代
第 十 四 代
第 十 五 代
第 十 六 代
第 十 七 代
第 十 八 代
第 十 九 代
第 二 十 代
第二十一代
氏 名
川 上 正 光
福 与 人 八
松 田 武 彦
小 林 啓 美
明 畠 高 司
田 中 良 平
岸 源 也
市 川 惇 信
古 川 静二郎
塩 田 進
佐 藤 拓 宋
塩 田 進
野 中 勉
椛 島 成 治
秋 鹿 研 一
大 町 達 夫
石 原 宏
三 島 良 直
三 島 良 直
原 科 幸 彦
内 川 惠 二
小田原 修
平成元年度
就 任 日
昭和 50 年 4 月 1 日
昭和 51 年 4 月 1 日
昭和 53 年 4 月 1 日
昭和 55 年 4 月 1 日
昭和 57 年 4 月 1 日
昭和 59 年 4 月 1 日
昭和 61 年 4 月 1 日
昭和 63 年 4 月 1 日
平成 2 年 4 月 1 日
平成 4 年 4 月 1 日
平成 6 年 4 月 1 日
平成 7 年 4 月 1 日
平成 9 年 4 月 1 日
平成 11 年 4 月 1 日
平成 12 年 4 月 1 日
平成 14 年 4 月 1 日
平成 16 年 4 月 1 日
平成 18 年 4 月 1 日
平成 20 年 4 月 1 日
平成 22 年 4 月 1 日
平成 24 年 4 月 1 日
平成 26 年 4 月 1 日
平成 4 年度
平成 5 年度
平成 6 年度
平成 7 年度
平成 8 年度
平成 9 年度
平成 10 年度
平成 11 年度
平成 12 年度
平成 13 年度
平成 14 年度
氏 名
平成 16 年度
昭和 50 年度※ 1
岸 源 也
中 村 正 久
平成 17 年度
昭和 51 年度
岸 源 也
中 村 正 久
岸 源 也
松 田 武 彦
中 村 正 久
岡 田 利 弘
岸 源 也
吉 見 吉 昭
岸 源 也
吉 見 吉 昭
明 畠 高 司
市 川 惇 信
岸 源 也
市 川 惇 信
岸 源 也
市 川 惇 信
岸 源 也
市 川 惇 信
岸 源 也
明 畠 高 司
市 川 惇 信
明 畠 高 司
明 畠 高 司
古 川 静二郎
明 畠 高 司
古 川 静二郎
平成 18 年度
昭和 52 年度
昭和 53 年度
昭和 54 年度
昭和 55 年度
昭和 56 年度
昭和 57 年度
昭和 58 年度
昭和 59 年度
昭和 60 年度
昭和 61 年度
昭和 62 年度
昭和 63 年度
138
平成 3 年度
平成 15 年度
◎歴代評議員
年 度
平成 2 年度※2
平成 19 年度
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 27 年度
明 畠 高 司
古 川 静二郎
明 畠 高 司
岡 田 勲
塩 田 進
岡 田 勲
塩 田 進
岡 田 勲
佐 藤 拓 宋
佐 藤 拓 宋
野 中 勉
森 勉
野 中 勉
安居院 猛
徳 田 耕 一
河原田 弘
徳 田 耕 一
小 林 重 信
紀 谷 文 樹
小 林 重 信
紀 谷 文 樹
横 山 正 明
山 﨑 陽太郎
横 山 正 明
大 町 達 夫
大 町 達 夫
加 藤 雅 治
加 藤 雅 治
内 川 惠 二
内 川 惠 二
山 﨑 陽太郎
山 﨑 陽太郎
翠 川 三 郎
翠 川 三 郎
三 島 良 直
原 科 幸 彦
内 川 惠 二
原 科 幸 彦
小 林 隆 夫
小 林 隆 夫
原 科 幸 彦
原 科 幸 彦
淵 上 壽 雄
淵 上 壽 雄
小 杉 幸 夫
小 杉 幸 夫
小田原 修
小田原 修
堀 田 栄 喜
堀 田 栄 喜
加 藤 雅 治
加 藤 雅 治
内 川 惠 二
内 川 惠 二
*1 岸 源也、中村正久の任期は昭和 50 年 10 月 25 日
から昭和 52 年 3 月 31 日まで。
*2 明畠高司の任期は生命理工学部生体機構学科に配置
換のため平成 2 年 10 月 31 日まで。
岡田 勲の任期は残任期間のため平成 2 年 11 月 1
日から平成 3 年 3 月 31 日まで。
◎名誉教授
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
秋 鹿 研 一
平成17年
大学院総合理工学研究科
今 井 淑 夫
平成 8 年
工学部
相 澤 益 男
平成19年
大学院生命理工学研究科
今 田 髙 俊
平成26年
大学院社会理工学研究科
青 木 繁
平成13年
大学院情報理工学研究科
岩 井 洋
平成27年
フロンティア研究機構
青 木 志 郎
昭和59年
工学部
岩 本 正 和
平成26年
資源化学研究所
青 木 義 次
平成24年
大学院理工学研究科(工学系)
上 田 光 宏
平成17年
大学院理工学研究科(工学系)
青 柳 克 信
平成20年
大学院総合理工学研究科
上 田 充
平成25年
大学院理工学研究科(工学系)
赤 池 敏 宏
平成24年
フロンティア研究機構
宇治橋 貞 幸
平成24年
大学院情報理工学研究科
赤 堀 侃 司
平成21年
教育工学開発センター
臼 井 英 治
平成 2 年
工学部
秋 庭 雅 夫
平成 2 年
工学部
宇田川 重 和
昭和61年
工学部
安居院 猛
平成 8 年
大学院総合理工学研究科
内 山 耕 平
平成27年
大学院理工学研究科(理学系)
明 畠 高 司
平成 3 年
生命理工学部
梅 川 荘 吉
昭和59年
精密工学研究所
淺 野 康 一
平成 9 年
工学部
梅 谷 陽 二
平成 5 年
工学部
大学院生命理工学研究科
安 部 明 廣
平成 6 年
工学部
海 野 肇
平成17年
阿 部 統
昭和59年
工学部
越 後 亮 三
平成 9 年
工学部
阿 部 正 紀
平成21年
大学院理工学研究科(工学系)
越後谷 悦 郎
昭和58年
工学部
阿 部 光 雄
平成 4 年
理学部
榎 敏 明
平成24年
大学院理工学研究科(理学系)
新 井 榮 一
平成 8 年
原子炉工学研究所
圓 川 隆 夫
平成27年
大学院社会理工学研究科
荒 木 純 道
平成26年
大学院理工学研究科(工学系)
遠 藤 剛
平成12年
資源化学研究所
有 坂 文 雄
平成26年
大学院生命理工学研究科
遠 藤 滿
平成21年
大学院理工学研究科(工学系)
有 冨 正 憲
平成25年
原子炉工学研究所
狼 嘉 彰
平成11年
工学部
安 藤 勲
平成17年
大学院理工学研究科(工学系)
大 倉 一 郎
平成22年
大学院生命理工学研究科
安 藤 恒 也
平成23年
大学院理工学研究科(理学系)
大 島 榮 次
平成 4 年
資源化学研究所
飯 尾 勝 矩
平成17年
大学院理工学研究科(理学系)
大 島 泰 郎
平成 7 年
生命理工学部
飯 島 茂
平成 4 年
工学部
飯 島 泰 藏
昭和61年
工学部
太 田 秀 樹
平成21年
大学院理工学研究科(工学
系)
伊 賀 健 一
平成13年
精密工学研究所
太田口 和 久
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
大 津 元 一
平成18年
大学院総合理工学研究科
猪 飼 篤
平成20年
大学院生命理工学研究科
碇 屋 隆 雄
平成26年
大学院理工学研究科(工学系)
井 口 家 成
平成17年
大学院理工学研究科(理学系)
大 塚 潔
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
大 槻 茂 雄
平成17年
精密工学研究所
大 友 進
平成21年
外国語研究教育センター
大 西 孝 治
平成 3 年
資源化学研究所
大 沼 甫
平成 8 年
理学部
大 野 隆 造
平成27年
大学院総合理工学研究科
大 橋 裕 二
平成17年
大学院理工学研究科(理学
系)
大 町 逹 夫
平成23年
大学院総合理工学研究科
平成 7 年
理学部
池 上 皓 三
平成12年
精密工学研究所
池 川 信 夫
平成 3 年
理学部
池 田 駿 介
平成22年
大学院理工学研究科(工学系)
池 田 光 男
平成 5 年
大学院総合理工学研究科
石 井 志保子
平成23年
大学院理工学研究科(理学系)
石 井 彰 三
平成23年
大学院理工学研究科(工学系)
石 井 源 信
平成25年
大学院社会理工学研究科
石 田 愈
平成17年
資源化学研究所
石 津 浩 二
平成23年
大学院理工学研究科(工学系)
岡 睦 雄
石 戸 良 治
平成元年
理学部
石 原 宏
平成23年
大学院総合理工学研究科
岡 崎 健
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
井 関 孝 善
平成13年
大学院理工学研究科(工学系)
岡 田 勲
平成10年
大学院総合理工学研究科
磯 親
平成 2 年
理学部
岡 田 清
平成26年
応用セラミックス研究所
岡 田 典 弘
平成25年
大学院生命理工学研究科
市 川 惇 信
平成 3 年
大学院総合理工学研究科
一 國 雅 巳
平成 3 年
大学院総合理工学研究科
小 川 浩 平
平成21年
市 村 國 宏
平成13年
資源化学研究所
大学院理工学研究科(工学
系)
市 村 禎二郎
平成22年
大学院理工学研究科(理学系)
小 川 英 光
平成17年
大学院情報理工学研究科
伊 藤 宏 司
平成22年
大学院総合理工学研究科
小 川 雅 生
平成19年
原子炉工学研究所
伊 東 誼
平成12年
工学部
奥 田 雄 一
平成27年
大学院理工学研究科(理学
系)
小 國 正 晴
平成26年
大学院理工学研究科(理学
系)
長 田 洋
平成25年
大学院イノベーションマネ
ジメント研究科
小 田 健 司
平成 9 年
理学部
織 田 暢 夫
昭和60年
原子炉工学研究所
小 野 昱 郎
平成 8 年
理学部
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
乾 正 雄
平成 7 年
大学院総合理工学研究科
井 上 晃
平成10年
大学院総合理工学研究科
井 上 淳
平成21年
大学院理工学研究科(理学系)
井 上 一 郎
平成 3 年
工学部
井 上 健
平成18年
外国語研究教育センター
井 上 隆
平成14年
工学部
井 上 正 篤
平成21年
外国語研究教育センター
井 上 義 夫
平成23年
大学院生命理工学研究科
小 野 京 右
139
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
氏 名
小 野 英 哲
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
黒 川 洸
平成13年
大学院総合理工学研究科
平成 9 年
工学部
小 野 嘉 夫
平成11年
大学院理工学研究科(工学
系)
黒 﨑 晏 夫
黒 田 千 秋
平成26年
大学院理工学研究科(工学
系)
桑 嶋 功
平成10年
理学部
小 池 迪 夫
平成 4 年
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
小 泉 堯
平成 6 年
工学部
鯉 沼 秀 臣
平成17年
応用セラミックス研究所
河 野 長
平成14年
理学部
小 門 宏
平成 4 年
工学部
黒 正 清 治
昭和63年
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
小野田 眞穂樹
平成 7 年
工学部
小 尾 欣 一
平成10年
理学部
帯 川 利 之
平成19年
大学院理工学研究科(工学
系)
恩 澤 忠 男
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
海 津 洋 行
平成20年
大学院理工学研究科(理学
系)
垣 花 秀 武
昭和56年
原子炉工学研究所
加倉井 敏 夫
昭和58年
工学部
影 山 任 佐
平成24年
保健管理センター
梶 内 俊 夫
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
梶 谷 洋 司
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
柏 木 孝 夫
平成24年
ソリューション研究機構
片 岡 昭 雄
平成 9 年
工学部
片 山 卓 也
平成12年
大学院情報理工学研究科
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
加 藤 和 典
140
称号取得年
在職時所属部局
小 島 政 和
平成24年
大学院情報理工学研究科
小 杉 幸 夫
平成25年
大学院総合理工学研究科
後 藤 武
平成 4 年
工学部
後 藤 尚 久
平成 8 年
工学部
小長井 誠
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
小 林 彬
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
小 林 孝次郎
平成 9 年
大学院情報理工学研究科
小 林 功 郎
平成22年
精密工学研究所
平成23年
大学院総合理工学研究科
加 藤 誠 軌
平成元年
工学部
小 林 重 信
椛 島 成 治
平成12年
大学院総合理工学研究科
平成17年
神 尾 彰 彦
平成12年
大学院理工学研究科(工学
系)
小 林 英 男
大学院理工学研究科(工学
系)
小 林 宏
昭和62年
理学部
小見山 二 郎
平成 8 年
工学部
神 本 武 征
平成11年
工学部
川久保 達 之
平成4年
理学部
川 崎 順二郎
平成20年
大学院理工学研究科(工学
系)
川 島 一 彦
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
川 副 博 司
平成11年
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
河 村 和 孝
平成 2 年
原子炉工学研究所
河 村 雄 行
平成25年
大学院理工学研究科(理学
系)
川 村 光 男
平成元年
工学部
河原田 弘
平成11年
佐 伯 とも子
平成25年
大学院イノベーションマネ
ジメント研究科
齋 藤 彬 夫
平成20年
大学院理工学研究科(工学
系)
大学院社会理工学研究科
平成26年
原子炉工学研究所
齋 藤 正 德
平成 9 年
理学部
齋 藤 安 俊
平成 4 年
原子炉工学研究所
大学院総合理工学研究科
齋 藤 義 夫
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
佐 伯 雄 造
平成 3 年
資源化学研究所
酒 井 徹 志
平成17年
大学院総合理工学研究科
酒 井 哲 也
平成 2 年
工学部
坂 井 典 佑
平成20年
大学院理工学研究科(理学
系)
酒 井 善 則
平成24年
大学院理工学研究科(工学
系)
坂 田 忠 良
平成13年
大学院総合理工学研究科
坂 田 勝
平成 5 年
工学部
坂 庭 好 一
平成26年
大学院理工学研究科(工学
系)
坂 本 一 成
平成21年
大学院理工学研究科(工学
系)
笹 尾 靖 也
平成 5 年
理学部
笹 田 義 夫
昭和62年
理学部
平成 9 年
工学部
工学部
岸 本 健 雄
平成25年
大学院生命理工学研究科
木 田 拓 郎
平成13年
北 川 能
平成25年
北 沢 日出男
平成11年
大学院総合理工学研究科
大学院理工学研究科(工学
系)
大学院総合理工学研究科
北 爪 智 哉
平成24年
平成25年
大学院社会理工学研究科
平成17年
平成 8 年
喜多村 直 実
応用セラミックス研究所
平成13年
齋 藤 堯 幸
神 沢 淳
平成10年
平成21年
齊 藤 正 樹
菊 池 章 夫
北 原 和 夫
近 藤 建 一
今 野 浩
大学院生命理工学研究科
大学院理工学研究科(理学
系)
大学院生命理工学研究科
衣 笠 善 博
平成22年
大学院総合理工学研究科
木 村 泉
平成 8 年
大学院情報理工学研究科
木 村 脩 七
平成 6 年
工学部
木 村 孟
平成10年
工学部
木 本 忠 昭
平成21年
大学院社会理工学研究科
篠 野 志 郎
平成27年
大学院総合理工学研究科
佐 治 哲 夫
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
大学院情報理工学研究科
紀 谷 文 樹
平成11年
大学院総合理工学研究科
桐 生 武 夫
平成 3 年
工学部
柊 元 宏
平成 8 年
日下部 治
平成23年
久保田 宏
昭和63年
工学部
大学院理工学研究科(工学
系)
資源化学研究所
佐 々 政 孝
平成25年
里 達 雄
平成27年
精密工学研究所
佐 藤 彰 一
平成17年
大学院総合理工学研究科
佐 藤 伸
平成 3 年
原子炉工学研究所
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
佐 藤 泰 介
平成27年
大学院情報理工学研究科
高 橋 渉
平成21年
大学院情報理工学研究科
佐 藤 拓 宋
平成 7 年
大学院総合理工学研究科
高 原 康 彦
平成 8 年
工学部
佐 藤 史 衞
平成17年
大学院生命理工学研究科
髙 柳 邦 夫
平成24年
澤 岡 昭
平成11年
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
大学院理工学研究科(理学
系)
瀧 口 克 己
平成22年
大学院情報理工学研究科
塩 田 進
平成 9 年
大学院総合理工学研究科
武 井 直 紀
平成27年
留学生センター
志 賀 浩 二
昭和63年
理学部
竹 添 秀 男
平成25年
志 賀 德 造
平成20年
大学院理工学研究科(理学
系)
大学院理工学研究科(工学
系)
辰 巳 敬
平成25年
資源化学研究所
宍 戸 和 夫
平成21年
大学院生命理工学研究科
田 中 享 二
平成23年
応用セラミックス研究所
斯 波 弘 行
平成13年
大学院理工学研究科(理学
系)
田 中 順 三
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
柴 田 修 一
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
田 中 善一郎
平成24年
大学院社会理工学研究科
平成17年
大学院生命理工学研究科
渋 谷 一 彦
平成25年
大学院理工学研究科(理学
系)
田 中 信 夫
田 中 正 人
平成24年
資源化学研究所
渋 谷 壽 一
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
谷 岡 明 彦
平成24年
大学院理工学研究科(工学
系)
嶋 田 隆 一
平成25年
原子炉工学研究所
谷 口 汎 邦
平成 3 年
工学部
谷 口 雅 男
平成元年
工学部
谷 崎 義 衛
平成 3 年
理学部
玉 泉 八州男
平成 8 年
工学部
玉 浦 裕
平成25年
大学院理工学研究科(理学
系)
田 村 章 義
TANTHA
PANICHAKOON
WIWUT
千 葉 廉
昭和61年
工学部
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
平成 3 年
理学部
中 条 利一郎
平成 4 年
生命理工学部
塚 田 忠 夫
平成11年
大学院情報理工学研究科
辻 茂
昭和58年
工学部
辻 二 郎
平成 3 年
工学部
辻 井 重 男
平成 6 年
工学部
辻 内 順 平
昭和63年
工学部
津 田 健
平成20年
大学院理工学研究科(工学
系)
綱 島 滋
平成13年
大学院理工学研究科(理学
系)
水 流 徹
平成24年
大学院理工学研究科(工学
系)
土 肥 義 治
平成16年
大学院総合理工学研究科
道 家 達 將
平成元年
工学部
当 麻 喜 弘
平成 6 年
工学部
德 田 耕 一
平成13年
大学院総合理工学研究科
戸 倉 和
平成26年
大学院理工学研究科(工学
系)
生命理工学部
志 水 英 樹
平成 8 年
工学部
清 水 優 史
平成19年
大学院情報理工学研究科
清 水 康 敬
平成13年
大学院社会理工学研究科
志 村 正 道
平成 9 年
大学院情報理工学研究科
下河邉 明
平成19年
精密工学研究所
正 田 誠
平成20年
資源化学研究所
白 樫 高 洋
平成10年
工学部
神 馬 敬
平成 4 年
精密工学研究所
末 武 國 弘
昭和56年
工学部
末 松 安 晴
平成 5 年
工学部
菅 野 道 夫
平成12年
大学院総合理工学研究科
鈴 木 忠 義
昭和57年
工学部
鈴 木 敏 郎
平成 8 年
工学部
鈴 木 朝 夫
平成 5 年
工学部
鈴 木 博
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
鈴 木 弘 茂
昭和57年
工学部
鈴 木 寛 治
平成26年
大学院理工学研究科(工学
系)
鈴 木 正 昭
平成26年
大学院理工学研究科(工学
系)
鈴 木 光 男
昭和63年
理学部
鈴 村 暁 男
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
住 田 雅 夫
平成22年
大学院理工学研究科(工学
系)
瀬 尾 和 大
平成22年
大学院総合理工学研究科
関 根 光 雄
平成27年
大学院生命理工学研究科
関 本 博
平成23年
原子炉工学研究所
仙 田 満
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
宗 宮 重 行
昭和63年
大 門 正 機
平成21年
戸 田 不二緒
平成 6 年
冨 安 博
平成12年
原子炉工学研究所
仲 勇 治
平成23年
資源化学研究所
永 井 和 夫
平成13年
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
中 井 武
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
永 井 泰 樹
平成19年
大学院生命理工学研究科
大学院理工学研究科(工学
系)
大学院理工学研究科(理学
系)
大学院理工学研究科(理学
系)
大学院情報理工学研究科
髙 木 ミ エ
平成 3 年
理学部
中 澤 清
平成20年
高 野 綏
昭和63年
教育工学開発センター
中 嶋 正 之
平成24年
高 橋 清
平成 7 年
工学部
永 田 和 宏
平成21年
高 橋 孝 志
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
大学院理工学研究科(工学
系)
長 瀧 重 義
平成 9 年
工学部
髙 橋 恒 夫
昭和61年
工学部
永 津 俊 治
平成 3 年
大学院総合理工学研究科
高 橋 幸 雄
平成22年
大学院情報理工学研究科
中 野 和 夫
平成 4 年
精密工学研究所
高 橋 亮 一
平成 8 年
工学部
中 野 文 平
平成14年
大学院総合理工学研究科
141
氏 名
142
称号取得年
在職時所属部局
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
中 野 道 雄
平成11年
工学部
日 野 幹 雄
平成 5 年
工学部
中 野 義 夫
平成22年
大学院総合理工学研究科
平 井 聖
平成 2 年
工学部
中 濱 精 一
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
平 尾 明
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
中 原 綱 光
平成21年
大学院理工学研究科(工学
系)
平 林 順 一
平成20年
火山流体研究センター
中 原 凱 文
平成17年
大学院社会理工学研究科
廣 瀬 幸 夫
平成24年
留学生センター
長 松 昭 男
平成12年
工学部
廣 瀬 茂 男
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
中 村 良 夫
平成11年
大学院社会理工学研究科
広 瀬 茂 久
平成25年
大学院生命理工学研究科
中 山 眞 彦
平成 3 年
工学部
廣 瀬 千 秋
平成13年
資源化学研究所
南 谷 崇
平成14年
大学院情報理工学研究科
廣 田 薫
平成27年
大学院総合理工学研究科
新 山 浩 雄
平成17年
学術国際情報センター
弘 津 俊 輔
平成13年
大学院生命理工学研究科
西 敏 夫
平成20年
大学院理工学研究科(工学
系)
深 尾 毅
昭和62年
工学部
西 川 治
平成 4 年
大学院総合理工学研究科
深 尾 正
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
西 田 信 彦
平成25年
大学院理工学研究科(理学
系)
深 海 隆 恒
平成13年
大学院社会理工学研究科
仁 科 喜久子
平成24年
留学生センター
福 田 敦 夫
平成 9 年
工学部
西 本 敏 彦
平成 8 年
理学部
福 田 拓 生
平成11年
大学院理工学研究科(理学
系)
入戸野 修
平成14年
大学院理工学研究科(工学
系)
福 冨 兀
平成 9 年
工学部
二ノ方 壽
平成24年
原子炉工学研究所
福 長 脩
平成 9 年
工学部
布 村 成 具
平成 6 年
精密工学研究所
藤 井 修 二
平成27年
大学院情報理工学研究科
野 口 潤次郎
平成22年
理学部
藤 井 信 生
平成21年
大学院理工学研究科(工学
系)
野 崎 睦 美
平成11年
外国語研究教育センター
藤 井 光 昭
平成 9 年
大学院情報理工学研究科
野 瀬 卓 平
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
藤 井 靖 彦
平成21年
原子炉工学研究所
野 田 偵
平成 8 年
工学部
藤 家 洋 一
平成 8 年
原子炉工学研究所
野 中 勉
平成13年
大学院総合理工学研究科
藤 江 學
平成 5 年
工学部
萩 原 一 郎
平成24年
大学院理工学研究科(工学
系)
藤 岡 洋 保
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
橋 爪 大三郎
平成25年
藤 田 隆 夫
平成27年
大学院理工学研究科(理学
系)
橋 爪 弘 雄
平成12年
藤 平 正 道
平成21年
大学院生命理工学研究科
橋 本 壽 正
平成25年
藤 本 善 徳
平成27年
大学院理工学研究科(理学
系)
橋 本 弘 信
平成17年
長谷川 健 介
平成 3 年
籏 野 嘉 彦
平成12年
服 部 俊 幸
平成23年
大学院社会理工学研究科
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
大学院理工学研究科(工学
系)
大学院生命理工学研究科
工学部
大学院理工学研究科(理学
系)
原子炉工学研究所
羽 鳥 好 律
平成26年
大学院総合理工学研究科
濱 口 幸 久
平成26年
大学院生命理工学研究科
濱 野 勝 美
平成 4 年
濱 野 健 也
昭和61年
早 川 豊 彦
平成 3 年
理学部
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
工学部
早 坂 眞 理
平成26年
大学院社会理工学研究科
林 靜 雄
平成25年
応用セラミックス研究所
林 輝
平成 5 年
精密工学研究所
原 辰 次
平成14年
大学院情報理工学研究科
原 科 幸 彦
PULVERS
ROGER
STUART
春 山 志 郎
平成24年
大学院総合理工学研究科
半 田 宏
疋 田 巧
平成11年
樋 口 雄 三
藤 原 英 二
平成21年
大学院情報理工学研究科
藤 原 大 輔
平成 5 年
理学部
二 木 昭 人
平成24年
大学院理工学研究科(理学
系)
渕 上 壽 雄
平成24年
大学院総合理工学研究科
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
古 井 貞 熙
平成23年
大学院情報理工学研究科
古 川 浩 一
平成11年
大学院社会理工学研究科
古 田 勝 久
平成12年
工学部
古 屋 一 仁
平成22年
大学院理工学研究科(工学
系)
寳 来 正 子
平成12年
大学院情報理工学研究科
星 元 紀
平成12年
生命理工学部
細 谷 曉 夫
平成24年
大学院理工学研究科(理学
系)
舟 橋 宏 明
梅干野 晁
平成24年
大学院総合理工学研究科
堀 素 夫
平成 3 年
理学部
掘 越 弘 毅
平成 5 年
生命理工学部
本 藏 義 守
平成23年
大学院理工学研究科(理学
系)
大学院理工学研究科(理学
系)
本 間 龍 雄
昭和61年
理学部
前 島 英 雄
平成25年
大学院総合理工学研究科
平成20年
大学院理工学研究科(工学
系)
眞 壁 肇
昭和63年
工学部
肥 後 矢 吉
平成22年
精密工学研究所
益 子 正 文
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
肥田野 登
平成27年
大学院社会理工学研究科
間 瀬 茂
平成26年
大学院情報理工学研究科
平成22年
外国語研究教育センター
平成元年
工学部
平成24年
ソリューション研究機構
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
氏 名
称号取得年
在職時所属部局
松 尾 孝
平成23年
大学院理工学研究科(工学
系)
矢 部 孝
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
松 尾 陽太郎
平成20年
大学院理工学研究科(工学
系)
山 内 尚 雄
平成21年
応用セラミックス研究所
昭和63年
工学部
松 村 正 清
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
山 口 昌一郎
山 口 隆 夫
平成11年
外国語研究教育センター
松 本 浩 之
平成10年
工学部
山 崎 升
平成 3 年
工学部
丸 茂 文 幸
平成 4 年
応用セラミックス研究所(工
業材料研究所)
山 岬 裕 之
平成22年
大学院総合理工学研究科
山 崎 正 勝
平成22年
大学院社会理工学研究科
山 路 昭 彦
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
山 下 敬 郎
平成27年
大学院総合理工学研究科
山 瀬 利 博
平成20年
資源化学研究所
平成 5 年
生命理工学部
丸 山 一 男
平成12年
精密工学研究所
丸 山 茂 徳
平成27年
地球生命研究所
丸 山 俊 夫
平成27年
大学院理工学研究科(工学
系)
三 神 尚
平成 6 年
理学部
山 中 健 生
三 木 千 壽
平成24年
大学院理工学研究科(工学
系)
山 根 正 之
平成13年
大学院理工学研究科(工学
系)
水 谷 惟 恭
平成17年
大学院理工学研究科(工学
系)
山 根 隆一郎
平成12年
工学部
平成 2 年
資源化学研究所
南 不二雄
平成26年
大学院理工学研究科(理学
系)
山 本 明 夫
山 本 經 二
平成 8 年
工学部
三 町 勝 久
平成26年
大学院理工学研究科(理学
系)
横 田 眞 一
平成27年
精密工学研究所
横 山 正 明
平成18年
大学院総合理工学研究科
吉 川 昌 範
平成11年
大学院総合理工学研究科
吉 田 朋 好
平成23年
大学院理工学研究科(理学
系)
宮 内 敏 雄
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
三 宅 哲
平成 4 年
理学部
宮 坂 啓 象
平成 4 年
工学部
吉 田 夏 彦
平成元年
工学部
吉 田 弘
平成 8 年
理学部
吉 田 賢 右
平成21年
資源化学研究所
吉 田 裕
平成10年
大学院情報理工学研究科
吉 見 吉 昭
昭和63年
工学部
宮 﨑 榮 三
平成 8 年
理学部
宮 嶋 勝
平成17年
大学院社会理工学研究科
向 山 光 昭
平成 3 年
理学部
武 者 利 光
平成 4 年
大学院総合理工学研究科
牟 田 博 光
平成24年
大学院社会理工学研究科
吉 村 昌 弘
平成20年
応用セラミックス研究所
村 井 隆 文
平成26年
大学院理工学研究科(理学
系)
吉 本 勇
昭和61年
精密工学研究所
米 﨑 直 樹
平成27年
大学院情報理工学研究科
村 木 正 昭
平成26年
大学院社会理工学研究科
若 島 健 司
平成21年
精密工学研究所
村 田 實
平成24年
大学院理工学研究科(理学
系)
脇 原 將 孝
平成20年
MORTON
LEITH
DOUGLAS
大学院理工学研究科(工学
系)
平成26年
外国語研究教育センター
和 田 章
平成23年
応用セラミックス研究所
平成26年
持 丸 義 弘
平成25年
大学院理工学研究科(工学
系)
渡 辺 順 次
大学院理工学研究科(工学
系)
渡 邊 隆
昭和61年
工学部
本 尾 實
昭和63年
理学部
渡 辺 千 仭
平成21年
大学院社会理工学研究科
本 川 達 雄
平成26年
大学院生命理工学研究科
渡 邉 利 夫
平成12年
大学院社会理工学研究科
森 欣 司
平成24年
大学院情報理工学研究科
森 勉
平成 7 年
大学院総合理工学研究科
渡 邊 靖 志
平成19年
大学院理工学研究科(理学
系)
森 雅 夫
平成14年
大学院社会理工学研究科
藁 谷 敏 晴
平成26年
大学院社会理工学研究科
森 政 弘
昭和62年
工学部
森 川 陽
平成10年
原子炉工学研究所
森 田 茂 之
平成20年
大学院理工学研究科(理学
系)
工学部
森 地 茂
平成14年
森 村 英 典
平成元年
理学部
諸 岡 良 彦
平成11年
八 木 克 道
平成12年
八 木 幸 二
平成22年
八 木 誠 一
昭和63年
資源化学研究所
大学院理工学研究科(理学
系)
大学院理工学研究科(工学
系)
工学部
八 嶋 建 明
平成12年
安 田 榮 一
平成20年
応用セラミックス研究所
安 盛 岩 雄
昭和58年
理学部
栁 澤 健
平成 3 年
工学部
矢 野 眞 和
平成17年
大学院社会理工学研究科
大学院理工学研究科(理学
系)
143
12 地図、航空写真
キャンパスマップ
キャンパスマップ
すずかけ台キャンパス 建物配置図
すずかけ台キャンパス
建物配置図
S 地区
Area
調整池
岡部門
Okabe Gate
守衛所
5
P
6
7
4
3
P
池
保存緑地
P
長津田門
1
Nagatsuta Gate
景観緑地
2
守衛所
H 地区
Area
2
5
2
P
至渋谷
P
国
至渋谷
道
G 地区
Area
4
7
6
2
5
1
8
2
12
24
6号
6
トンネル
調整池
1
3
グラウンド
3
4
1
J 地区
Area
9
1
10
P
P
11
R 地区
Area
テニスコート
2
すずかけ台駅
改札
1
3
すずかけ門
Suzukake Gate
至中央林間
1
2
3
4
B地区 B-Area
B1・B2高層棟 16,103m2
B1・B2-A棟 2,753m2
B1・B2-B棟 1,622m2
980m2
B1・B2-C棟
S地区
1
2
3
4
5
6
7
144
S-Area
6,000m2
S1棟
7,687m2
S2高層棟
4,697m2
S3棟
613m2
S4棟
440m2
S5棟
593m2
S6棟
1,672m2
S7棟
R地区
R1高層棟
2 R1-A棟
3 R1-B棟
4 R2高層棟
5 R2-A棟
6 R2-B棟
7 R2-C棟
8 R3本棟
9 R3-A棟
10 R3-B棟
11 R3-C棟
12 R3-D棟
1
4
B 地区
Area
至厚木
R-Area
8,180m2
1,395m2
216m2
8,582m2
656m2
1,001m2
711m2
4,865m2
200m2
225m2
844m2
1,500m2
G地区
1
2
3
4
5
6
G1高層棟
G2高層棟
G3高層棟
G4棟
G4-A棟
G5高層棟
H地区
1
2
1
2
H1棟
H2棟
G-Area
9,571m2
7,665m2
11,669m2
1,865m2
494m2
6,720m2
H-Area
3,191m2
J地区 J-Area
J1高層棟
6,277m2
J2・J3高層棟 29,272m2
棟番号案内
Introductory Guide
生命理工学研究科
B1-2
総合理工学研究科
G1-5
すずかけホール
H1-2
資源化学研究所
R1
精密工学研究所
R2
像情報工学研究施設
R2
応用セラミックス研究所
事務部
R3
J1
総合研究館
S1
フロンティア研究センター
S2
附属図書館
S3
J2
航空写真
平成 17 年
平成 27 年
145
東京工業大学
大学院総合理工学研究科要覧
(創設 40 周年記念特別号)
平成 28 年 3 月
東京工業大学大学院総合理工学研究科 発行
〒 226-8502 横浜市緑区長津田町 4259 TEL. 045-924-5951
URL http://www.titech.ac.jp/ http://www.igs.titech.ac.jp/