村岡花子と「赤毛のアン」の世界展

●東京・弥生美術館
■開催要項■
展覧会名称
●
『村岡花子と「赤毛のアン」の世界』展
会期
2014年7月4日(金)~9月28日(日)
休館日
毎週月曜休館 ※7月21日(月・祝)開館、翌22日(火)休館
村岡花子と「赤毛のアン」の世界展
8月11日(月)臨時開館
9月15日(月・祝)開館、翌16日(火)休館
会場
弥生美術館 1階~2階会場
開館時間
10:00~17:00(入館は 16:30 まで)
同時開催
弥生美術館3階会場 「高畠華宵展」
竹久夢二美術館 「生誕 130 年記念 再発見! 竹久夢二の世界」
入館料
一 般 900 円(800 円) 大高生 800 円(700 円)
プレスリリース
~本を道しるべに、少女たちのために~
2014 年
7月4日(金)~9 月28日(日)
中小生 400 円(300 円)
※竹久夢二美術館と併せての料金。
( )内は20名様以上の団体割引料金
住所
弥生美術館 〒113-0032 文京区弥生2-4-3
「赤毛のアン」の翻訳者として広く知ら
れる村岡花子(1893~1968)。
花子をモデルとしたNHK連続テレビ
小説「花子とアン」放送により、その波
乱万丈の生涯に注目が集まっています。
本展覧会では、本を通じて世の中を明る
く照らそうと尽くした村岡花子の生涯
を、「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」
所蔵資料を中心に、作品約 300 点により
展観します。
TEL: 03(3812)0012 FAX: 03(3812)0699
交通
東京メトロ千代田線〈根津駅〉 及び 南北線〈東大前〉1番出口 より 徒歩7分
JR上野駅 公園口より 徒歩20分
HPアドレス
http://www.yayoi-yumeji.museum.jp
■関連情報
イベント
●カタログ本出版 新刊!
(詳細は美術館HPをご覧下さい)
担当学芸員が編集しました
●喫茶室 港や
「赤毛のアン」メニュー
●講演会
「祖母・村岡花子が伝えたかったこと」
村岡美枝(翻訳家)
・村岡恵理(作家)
9月6日(土)午後6時~
約1時間
定員80名 料金 1200 円(入館料含)
メールにて受付。申込み多数の場合は抽選
[email protected]
7 月 31 日締切
●『赤毛のアン』ギャラリー・トーク
図
版
②
奥田実紀(赤毛のアン研究家)
8月22日(金)午後5時~ 約 40 分間
「いちご水」
予約不要/要入館料
(アンがダイアナを酔わせた!)
終了後、奥田氏のサイン会も予定
●学芸員によるギャラリー・トーク
8月10日(日)午後2時~ 約1時間
予約不要/要入館料
※村岡花子朗読レコードの蓄音器コンサートも予定
「村岡花子の世界
赤毛のアンとともに生きて」
美術館併設の喫茶室では、展
覧会期間中の限定で、「赤毛
村岡恵理監修/内田静枝編
のアン」にちなんだメニュー
河出書房新社 1500 円+税
をご用意いたします。
図版① 大正9(1920)年1月、26歳の村岡花子
す。
2014 年7月3日(木)午後3時~4時半、マスコミ関係者に向けて内覧会を行います。
ゲストとして村岡花子のご令孫をお招きしております。ぜひご参加くださいませ。
おかげをもちまして一般財団法人鹿野出版美術財団は開館30周年を迎えました。
展覧会についてのお問い合わせは・・・
弥生美術館 学芸員
内田静枝 までお願いします
TEL: 03(3812)0012 FAX: 03(3812)0699
書物は私たちの友である。
わが行く道を照らす灯である。
(村岡花子)
大
正
8
年
の
花
子
。
最
愛
の
夫
と
出
会
っ
た
頃
ドラマも後半戦!
花子の物語はいよいよ佳境に入っています!
村岡花子はミッション系の女学校で学び、そこで得た知識と経験―特に読書体験―を自分の礎とし
ました。そして自分の後に続く少女たちにも、よき少女時代を過ごして欲しいと願いました。
読書によって教養を高め、広い世界を知ってほしい。そのためには日本にも少女向けの佳作があっ
て欲しい。その思いが花子を翻訳の仕事に向かわせ、やがて『赤毛のアン』へと結晶したのです。
本展覧会では村岡花子が少女たち、女性たちへ送ったメッセージの数々を、当時の少女雑誌や資料
よりご紹介します。
①本を読み、読教養を高めた
ミッション・スクールでの
女学生時代
1903-1913(明治 36~大正 2)●
花子 10 歳~20 歳
図版④ 東洋英和の書籍室
図版⑦ 青蘭社の最初の本
③忍ぶ恋、そして結婚
図版提供:東洋英和女学院
村岡花子著『紅い薔薇』
関東大震災勃発
文学少女だった花子。
書籍室の本を読み尽
くしてしまいました。
多くを失った夫を励まし
出版事業を始める
翻訳の力が認められ、教文館で
編集者として働き始めました。
働く女性の先駆けでした。
試練を乗り越え、印刷会社の御
曹司村岡儆三と結婚し、幸せの
絶頂にあった花子を関東大震災
が襲います。夫の会社は倒産…。
気力を失う夫を励まし、花子は
自宅に「青蘭社」を設立し、出版
事業を始めます。
図版⑤ 書き込みのある花子の洋書
●第一部
村岡花子の世界
●第二部『赤毛のアン』の世界
さまざまな『赤毛のアン』の書籍と
そのイラストレーションを一挙公開
する他、プリンス・エドワード島の
写真展、アンの世界を体現した手芸
作品を公開します。
『赤毛のアン』フ
ァンは必見です!
図版⑧ 青蘭社の最初の本
●1916(大正 5)
23 歳
図版③ ベッドメイキングを教わる花子
展覧会は二部構成
村岡花子著『紅い薔薇』
イラスト/加藤美紀
花子は 10 歳~20 歳までカナダ系ミッション・
スクール東洋英和女学校で学びました。
貧しい茶商の子として生まれた花子ですが、給
費生として入学し、必死で英語を学びました。
寄宿舎では外国人教師たちから、西洋の風俗や
マナーも教わりました。
②テーマに気づく
日本には少女向けの
●のちに花子が訳した青春小説
モンゴメリ『赤毛のアン』シリーズ
モンゴメリ『エミリー』シリーズ
E・ポーター『少女パレアナ』
J・ポーター『スウ姉さん』
J・ポーター『リンバロストの乙女』
など多数
翻訳家としての
使命に目覚める
1926(大正 15) ●
33 歳
1935(昭和 10)頃~●
42 歳頃~
1893(明治 26)~1968(昭和 43)
山梨県甲府市生まれ。東洋英和女学校卒
業。歌人、佐佐木信綱主宰の竹柏会所属。
山梨英和女学校の英語教師、銀座・教文
館の編集者を経て、児童文学の創作や英
米文学の翻訳の道に進む。
主な著書・訳書にマーク・トウェイン『王
子と乞食』
、E・ポーター『少女パレアナ』
、
パール・バック『母の肖像』
、C・ディケ
ンズ『クリスマス・キャロル』、ウィー
ダ『フランダースの犬』など多数。『赤
毛のアン』をはじめとするアン・シリー
ズの翻訳は代表作である。
少女雑誌、婦人雑誌でも評論家として活
躍。戦前には JOAK(NHK の前身)のラジオ
番組「子供の新聞」を担当し、“ラジオ
のおばさん”としても親しまれた。
燁子の紹介で歌人佐佐木信綱の弟子となり、
日本語に磨きをかけます
本
を
愛
し
、
本
を
通
じ
て
⑥戦火の中、友情の証をたてるため
命懸けで『アン』を翻訳
姪のみどりを養女に迎え、女の子の母となった花子。
依然として少女向けの良書が少ないことに気づきま
す。花子は人気少女雑誌『少女の友』や『ひまわり』
に少女のための書評を連載し、本の案内人として活
躍し始めました。エッセイも多く寄稿し、少女たちの
オピニオン・リーダーになりました。
■自らの魅力と才能とで、花子は人の輪を広げてゆきました■
東洋英和で出会った親友柳原燁子(白蓮)
一人息子の道雄を疫痢で死なせてしまった花子。涙も枯れ果
てたある日、一冊の本に出会います。寝食を忘れてまる二日
間読みふけった後、花子の胸にある思いが宿ります。
「日本の子どもたちのために、良き文学を届けよう。わが子
は失ったけれども、世にある人の子たちのために、道を照ら
そう」 花子はこの本「王子と乞食」を翻訳し、以後、海外
の子ども向け小説の翻訳にまい進します。
⑤少女雑誌で書評家・
評論家として活躍
昭和 20 年 52 歳
村岡花子プロフィール
図版⑨ 幸せだった頃の一家
④愛児の死をきっかけに
青春小説がない!
作家志望でしたが、家計を支えるため、山
梨英和女学校の英語教師となりました。
女学生を教える中で、花子は日本には少女
向きの物語が少ないことに気づきます。
英語が堪能だった花子は、海外には魅力あ
る青春小説があることを知っていました。
夏休中、富士山麓で合宿し、読書三昧の
日々を過ごした花子は、「日本の少女たち
に自分が青春物語を届けよう」と進むべき
道を見つけました。
図版⑭
●1919(大正 8)~
26 歳~
少
女
た
ち
、
女
性
た
ち
に
エ
ー
ル
を
送
り
続
け
た
村
岡
花
子
●1939(昭和 14)~1945(昭和 20)
46 歳~52 歳
戦争が始まり、西洋人たちは帰国を余儀なくされました。
花子は友人のミス・ショーから、友情の証として手ずれた
1冊の本を渡されます。
「再び平和が戻ったら、あなたの手
で翻訳出版してほしい」と。
カナダ人作家モンゴメリによる少女アンの物語は、懐かし
い東洋英和の恩師たちを思い出させました。カナダの友人
たちへ友情の証をたてるため、空襲警報の鳴る中、花子は
『赤毛のアン』を訳し続けました。
今なお愛される『赤毛のアン』の世界! 展示の見どころ
⑦『赤毛のアン』出版!
図版⑩ 「赤毛のアン」原書と原稿
※実際の展示イメージとは異なります
1952(昭和 27)●
59 歳
⑦遂に『赤毛のアン』出版!
図版⑦ 花子の詠んだ短歌
花子の友人たち~ 片山廣子
図版⑥ 燁子に英詩を語る花子
イラスト/加藤美紀
吉屋信子 林芙美子 深尾須磨子
市川房枝 宇野千代 壺井栄 等
図版⑫ 松浦英亜樹画『赤毛
のアンの手作り絵本』原画
図版⑬ 吉村和敏の写真展示
『 図
赤 版
毛
の ⑪
ア
ン
』
初
版
本