2009/02/27

MFSシリーズ・トラスト Ⅵ
MFSグローバル・エクイティ・ファンド
-クラスJ受益証券-
運 用 報 告 書
第 23 期
~
2008年11月1日
2009年2月27日
信託終了日
2009年2月27日
代行協会員
株式会社みずほ銀行
管理運用会社
マサチューセッツ・ファイナンシャル・
サービセズ・カンパニー
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目
次
1.ファンドの運用の経過 ··························································
2.フ ァ ン ド の 運 用 状 況 ··························································
3.フ ァ ン ド の 現 況 ··························································
4.フ ァ ン ド の 経 理 状 況 ··························································
5.ファンドの投資信託財産運用総括表 ··············································
頁
1
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25
28
(注1)アメリカ合衆国ドル(以下「ドル」または「米ドル」という。)の円貨換算は、便宜上、平成21年3月31日現在の
株式会社みずほ銀行の対顧客電信売買相場の仲値(1ドル=98.26円)による。
(注2)本書の中で、金額および比率を表示する場合、四捨五入してある。従って、合計の数字が一致しない場合がある。
また、円貨への換算は本書中でそれに対応する数字につき所定の換算率で単純計算の上、必要な場合、四捨五入し
てある。従って、本書中の情報につき異なった円貨表示がなされている場合もある。
(注3)本書中、計算期間(以下「会計年度」ともいう。)とは11月1日に始まり翌年の10月31日に終わる年度をいう。
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1.ファンドの運用の経過
MFSシリーズ・トラストⅣ、MFSグローバル・エクイティ・ファンド
ファンドの運用報告(1999年7月9日~2009年2月27日)
1997年7月の当ファンド設定以降、先進国の株式市場は、ITバブルの崩壊、米同時多発テロ、イラクをめぐる政
情不安などいくつかの試練を乗り越え、中国をはじめとする新興国経済の目覚しい成長の恩恵を受けながら底堅く推
移しました。しかしながら、足元では米国の住宅市場に端を発する欧米金融セクターの信用不安と世界経済の低迷に
より軟調な展開となりました。以下、当ファンド設定から償還までの期間における市場概況とファンドの動きを振り
返ります。
1999年7月から2000年初旬までの世界の株式市場は、堅調に推移しました。1990年代後半に始まった米国のITバブ
ルに後押しされ、世界的な株価の上昇基調が続きました。
一方、2000年上旬から2003年3月頃までは下落基調となりました。ITバブル崩壊により、これまで大きく上昇し
ていたIT関連銘柄を中心に世界の株式市場は大きく下落に転じました。2001年9月の米国同時多発テロにより米国
市場が数日間に亘り取引停止となったことや、米エンロンや米ワールドコムの不正会計問題に加え、イラクをめぐる
国際的な緊張が株式市場の重石となりました。
その後、2003年4月以降は2007年半ばまで4年以上に亘る長い上昇局面を迎えました。2003年3月に開戦したイラ
ク戦争が短期間で終結し、地政学的リスクが後退したことなどが株価上昇のきっかけとなりました。2003年6月には
2001年以降続けられた米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げにより、米国の政策金利が1%に達するなど、各国
の金融緩和策が進んだことが功を奏し、企業業績や経済指標にも改善が見られたことで上昇基調が続きました。2006
年以降も好調な欧州経済や、アジアなどの新興国の内需拡大などが手伝って世界経済は拡大基調が続いたことに加え、
過剰流動性により大量の資金が株式や不動産をはじめとするリスク資産へ流入したことも影響して世界の株式市場は
堅調な推移をたどりました。
しかしながら、2007年後半以降の株式市場は総じて軟調な推移となりました。2007年半ばに米国のサブプライム
ローン問題が表面化すると、金融機関への信用不安が浮上するなど金融市場に問題が波及しました。結果、投資家の
リスク資産回避姿勢が強まり、株式市場も大きく下落しました。その後、金融政策のすばやい対応などを好感して一
時株価は下げ渋る局面も見られましたが、大手金融機関のサブプライム関連損失の拡大や経済指標の悪化などを受け
問題の大きさが認識された2007年11月以降は下落局面へと入りました。資金繰りに行き詰った米証券大手ベア・ス
ターンズが救済された2008年前半には一時的に信用不安が後退する局面もありましたが、2008年半ばには米大手証券
や米政府系住宅金融機関の経営不安を受けて金融機関への懸念が再燃し、2008年9月の米証券大手リーマン・ブラ
ザーズが破綻すると金融システム不安が急速に高まりました。その後は金融システム不安の悪影響が世界経済へと波
及し、大手金融機関の資本不足や企業業績の悪化、景気後退の深刻化を受けて投資家のリスク許容度が急速に後退し、
世界的に株価は大幅に下落しました。
このような市場環境の下、当ファンドでは1999年7月9日の設定時より、世界各国の株式に分散投資を行ってまい
りましたが、ボトムアップ・アプローチを通じてクオリティの高い企業を選択し、高いパフォーマンスを追及してき
た結果、設定時から信託終了日(1999年7月9日~2009年2月27日)のMFSグローバル・エクイティ・ファンドのク
ラスJ受益証券のトータル・リターンは、純資産価額ベースで-7.3%となり、当ファンドのベンチマークであるM
SCIワールド・インデックスのリターン(-31%程度)を上回りました。
- 1 -
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第13期(1999年7月9日~1999年10月30日)
会長からの書簡
受益者の皆様へ、
現在の投資および経済環境は、去年との類似点がほとんどありません。1年前の1998年秋には世界経済はもたつき
を見せており、アジアの危機が弱体化の兆しが見えた米国経済を脅かしていました。企業収益は伸び悩み、「デフ
レーション」の言葉がエコノミストらにより久しぶりに使われました。1999年に入ると、企業収益の成長に対する期
待が大きく低下し、米国の連邦準備制度理事会は成長促進のため金利を引き下げました。
この結果、1990年の米国経済は活況で低失業率になりました。多くの企業は収益性向上に重点を置き、様々な産業
分野で予想以上の業績の上方修正が見られました。我々のアナリストは1999年の企業収益を平均12%-15%と予想し
ています。
世界経済も強さの兆候を示しており、アジア危機は終わりました。事実日本経済の苦況も底をついたようです。ま
だ初歩的段階ですが、一部の日本企業は再編成やコスト削減を口にするのみならず、競争力と株式リターン向上のた
めに自らを見つめ、行動を開始しています。米国に依然遅れをとりつつも、欧州は再編成と合併を開始しつつありま
す。これらの国際的成長の兆候もあり、米国の景気過熱への懸念も生まれています。6月と8月二度にわたり、連邦
準備制度理事会はインフレの恐怖を払拭すべく、0.25%の金利引上げを行いました。
米国株式市場における4年連続のリターン年率20%という前例なき記録が続いた後に我々が恐れるのは、投資家が
高リターンに慣れてしまい、高リターン達成のために自らが取っているリスクを見失ってしまうことです。現在市場
では、多くの投資家が、デイ・トレーディングまたは投機的インターネット株投資などにより、リスクを増大させて
います。
リスクは1年前と同様に現在も市場の一部です。市場は過大評価され、株価は我々のアナリストの評価する適正株
価より30%割高なレベルにあります。一部の銘柄への人気の集中も続いており、例えば米国の代表的株価指数である
S&P500指数を構成する500銘柄の上位25銘柄の株価は依然非常に割高な水準にあります。このような極端な過大評
価は、金利変動と予想外の収益マイナス動向に対して株式市場を過敏にしてしまいます。西暦2000年コンピューター
問題(Y2K)も、投資家の懸念材料となっています。米国企業は年末に起こりうる一切のY2K状況に対して準備
が整っていると我々は信じているものの、投資家の動向は誰にも予測できません。我々の意見では、投資家の動向こ
そ市場の動揺をもたらす最大の潜在要素です。
Y2Kおよびその他の市場リスクに対処する最善の方法は、MFSオリジナル・リサーチおよび長期的投資の投資
原則を堅持し続けることであると我々は考えます。市場の上下変動にかかわらず、MFSのアナリストは各産業分析
および会社訪問を重視し、長期的勝者を選別し、適正と考えられる価格を判断します。国際環境の改善により全企業
が一律に利益を享受するわけではないため、再編成、合併および市場シェア獲得に成功していると我々が判断する企
業を識別する上で、ボトム・アップ調査の果たす役割は大変重要です。
市場および経済条件の変化を予測することはできませんが、常に予想はたてられなければなりません。この1年で
経験した変化は、長期的計画・投資に対する我々の関与を強めました。相場の変動は長期的投資家にとり、堅実な企
業を魅力的価格で買う機会創出を助長するものと我々は考えます。このために我々は、世界各地の企業への独自の調
査を可能とすべく我々の国内および国際的体制を引き続き充実させます。受益者の皆様のため、MFSオリジナル・
リサーチに裏付けられた適切な投資チームを構成したものと我々は考えています。
皆様の信頼に感謝しつつ、ご質問、ご意見を歓迎いたします。
ジェフリー・L・シェイムス
MFSインベストメント・マネージメント
会長兼最高経営責任者
1999年11月15日
- 2 -
(2) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
第14期(1999年11月1日~2000年10月31日)
運用の報告と今後の見通し
2000年10月31日までの12か月間の収益率は、ファンドのクラスA受益証券が10.39%、クラスB受益証券が9.60%、
クラスC受益証券9.62%、クラスⅠ受益証券10.73%、クラスJ受益証券が9.55%だった。以上の収益率は分配金を
再投資したと仮定し、かつ販売手数料の影響を除外したものである。ファンドのベンチマークであるモルガン・スタ
ンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)ワールドインデックスの同じ期間中の騰落率はl.39%だった。
MSCIワールドインデックスは世界中の株式を幅広く組み込んだインデックスであり、運用されているものではな
い。また、投資信託のパフォーマンス報告を行っている独立系企業のリッパー・インクによれば同期間中のグローバ
ル・ファンドの平均収益率は10.26%だった。
ファンドマネージャーとのQ&A
Q.この12か月間にパフォーマンスが堅調だった理由は何ですか。
A.1999年の第4四半期から2000年の第1四半期にかけて、アジア、ヨーロッパ、米国において主にテクノロジーと
電気通信関連株が大きく上昇したのですが、3月の初めからこの部門が大幅な調整に入り、市場全体を押し下げて
しまいました。2000年春以降最も好調な部門は、テクノロジーに比べると成長性は低いものの安定的な成長が見込
める金融サービスやヘルスケアなどのテクノロジー以外の分野でした。様々な部門に分散投資する当ファンドの戦
略が、こうした環境下でうまく働きました。当期間の初期には、保有していたテクノロジーや電気通信関連株がパ
フォーマンスを押し上げ、春の調整局面からは保険やヘルスケア、エネルギーといった保有株に助けられました。
3月までは、保険やヘルスケア、エネルギーの3部門は、バリュエーション、すなわち収益予想と比較した株価
が低下しました。これら企業のファンダメンタルに問題があったわけではないのに、大きな成長力があると見られ
ていたテクノロジー関連企業に投資家が夢中になっていたためです。我々は、その時点をこうした人気のない企業
を魅力のある価格で買い増す好機と捉えました。
保険の分野を見ますと、損害保険会社は、ここ数年の低迷を脱して価格上昇による循環的な上昇局面に入ると考
え、生命保険会社は保険料の引き上げおよび年金商品の販売好調が収益に寄与すると見ました。市場がテクノロ
ジーからシフトした時、Hartford Financial ServicesやQBE Insuranceなどの我々が保有していた株式は大きく値
上がりしました。またオランダの金融サービス会社であるING Groupに買収された米国の生命保険会社ReliaStar株
式からも利益を上げました。
ヘルスケアの分野については、ファンダメンタル的に着実に成長していながら、市場平均よりも20%~30%ほど
割高なバリュエーションで売買されてきた企業が割安な価格で市場で取引されていることに1年ほど前に気づきま
した。こうした企業の一部は、テクノロジー関連企業ほど急激ではないものの、より高い確実性をもって引き続き
着実に収益を上げられると判断し、この機会を捉えて、パリに本社を置く世界的な製薬会社である
SanofiSynthelaboなどの企業を買い増しました。米国の会員制民間健康管理機関(HMO)であるCIGNAも、
他の多くのHMOに比べて経営が良好と判断して保有したヘルスケア関連株の1つですが、投資家がより安全な避
難場所を求めてテクノロジー部門から逃げ出した時に、堅調な実績を上げることができました。
1999年には石油やガスの価格が低迷していたためエネルギー関連株は人気薄でしたが、MFSのアナリストは一
部の探査会社と生産会社が割安な投資機会であると判断しました。約1年前に石油やガスの価格が急上昇しはじめ
た時には、我々は既にこうした企業の株式の組入れを高めつつありました。カナダのAnderson Exploration、テキ
サスのEOG Resourcesなどの保有株は3月から当期末まで大きなパフォーマンスを上げています。但し、最近では
エネルギー関連株が十分に評価されていると考えられる水準に到達したため、この部門への投資の一部を減らして
おります。
当期における対ドルでのユーロ安は、ファンドのパフォーマンスにマイナスの影響を与えました。ファンドの実
績は常にドルに換算する必要があるため、対ドルでユーロが下がれば欧州株で上げた利益が目減りします。反面、
ユーロ安は、海外の企業にとって、ドルで事業を営む企業に対する競争力の点でプラス要因となることがあります。
例えば米国ではユーロ安になればヨーロッパの製品の価格が低下し、競争力が上がる結果、最終的にヨーロッパの
企業の株価にはプラスとなる可能性があるわけです。
- 3 -
(3) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
Q.今後の当ファンドの運用において、好調な分野は何だと思いますか。
A.ヘルスケアは堅調な長期成長が見込める分野だと見ており、我々の保有するこの分野の銘柄については年率で
10%台半ばから後半の成長が見込めると見ています。こうした企業のバリュエーションは市場がその潜在成長力を
認識したことで上昇していますが、我々の組入れ銘柄についてはまだ上昇余地があると見ています。これら株式が
割高と考えられるレベルまで上昇すれば、保有を減らしていきます。
保険は、先述した理由から、引き続き成長が見込めるもう一つの分野です。ING GroupによるReliaStar買収で手
にした資金は、St.Paul Companies、MetLifeなど他の保険会社に改めて投資しました。
金融サービス部門では、銀行は総じて良好な運用成績を上げてきましたが、引き続き、アジアの景気回復が進む
ことで、それに関係する銀行は魅力がある分野だと思います。事業の大部分を香港などのアジア地域で展開する世
界的なバンキング・フランチャイズであるHSBC Holdingsや英国に本社を置いてアジアで大半の事業を行っている
新興市場向け銀行のStandard Charterd、シンガポールに本社を置くOverseas Chinese BankおよびOverseas Union
Bankなどの組入れを高めました。
最後に、調整局面にありましたが、テクノロジー部門のいくつかの分野については依然として強気な見方をして
います。実際に、今回の調整によって、長期的に大きく成長する可能性を持った、ファンダメンタルからも良好な
企業が割安な価格で買えるようになりました。光通信インフラの供給会社であるCorning、フランスの電気通信機
器メーカーであるAlcatelなど業界のトップ企業と目される企業を買い増しました。当期の後半は電気通信株のパ
フォーマンスは低迷しましたが、2000年10月31日時点の組入れ銘柄上位2社である携帯電話会社のVodafoneやNT
Tドコモの長期的な成長力には十分な確信があります。
Q.新たな投資機会を見つけるためにMFS Original Research®をどのように使っていますか。
A.ドイツのテレビ局であるProSiebenがいい例です。テレビ局の主要な収益源である広告収入の成長性という点で、
ドイツのテレビ市場は他の欧州のテレビ市場に比べて後れをとっており、そのためにProSiebenの株式は低迷して
いました。しかし、我々の欧州メディア担当のアナリストは二つのことが起こりそうだと確信しました。一つは、
ドイツの放送業界が統合されて、ProSiebenは広告料金引上げに向けた競争力が高まること。二つ目は、その他の
多くのヨーロッパ諸国で起きたように、ドイツの広告収入の伸びが加速しようとしていることです。こうした分析
から我々はヨーロッパの放送局で最も割安なバリュエーションにあったProSiebenを大幅に買い増しました。その
後、統合が始まり、株価は2000年に急上昇しました。ドイツの広告市場が成長するという我々の予想が正しければ、
ProSiebenは更に値上がりする余地があると見ています。
Q.今は、世界的に投資するのに良いタイミングですか。
A.その通りだと思います。いくつか理由があります。第一に、米国の収益の伸びがここ数年の急激なべースから低
下しつつあることを示す兆候が見られますが、過去の水準から見れば依然として極めて良好なべースで伸び続ける
と思われることです。第二に、米国の好景気の原動力となった要因-リストラ、企業統合、新技術の導入、生産性
の向上-が世界中に拡大しつつあると見られることです。第三に、ヨーロッパとアジアにおいては、有望な企業の
株式が、同様に好調な米国企業に比べて割安なバリュエーションになっており、株価が大きく上がる可能性がある
と考えています。最後に、米国以外の地域では、米国経済の成長鈍化を相殺できるような成長率の上昇が見られま
す。我々はヨーロッパの経済成長率は昨年よりも上昇すると予想しています。日本はマイナス成長からプラス成長
に転じましたし、その他のアジア諸国についても1998年の金融危機から回復のテンポが加速すると思われます
デーヴイッド R.マンハイム
ポートフォリオ・マネージャー
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(4) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
第15期(2000年11月1日~2001年10月31日)
運用の報告と今後の見通し
2001年10月31日までの12か月間の収益率は、ファンドのクラスA受益証券がマイナス17.67%、クラスB受益証券
がマイナス18.28%、クラスC受益証券マイナス18.30%、クラスI受益証券マイナス17.54%およびクラスJ受益証
券がマイナス18.29%でした。以上の収益率は分配金および売買益の配当を再投資したと仮定し、かつ販売手教科の
影響を除外したものです。これに対し、ファンドのベンチマークであるモルガン・スタンレー・キャピタル・イン
ターナショナル(MSCI)ワールド・インデックスの同期間の収益率はマイナス25.24%でした。MSCIワール
ド・インデックスは、米国、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドおよび極東を含む世界23の先
進国の株式市場のパフォーマンスを測る、時価総額加重型のトータル・リターン・インデックスであり、運用されて
いるものではありません。また、ミューチュアル・ファンドの独立調査会社リッパー・インクの調査によると、同期
間中のグローバル・ファンドの平均収益率はマイナス25.80%でした。
ファンドマネージャーとのQ&A
Q.ファンドのパフォーマンスは同タイプのファンドとベンチマークを上回りましたが、当期間の収益率はマイナス
でした。その理由は何ですか。
A.この12か月間は途方もない逆風との闘いでした。現在の市場の低迷は2000年春のテクノロジー、メディアおよび
通信(TMT)部門のバブルの崩壊とともに始まりました。2001年には、市場の不調はほとんどの部門および世界
のほとんどの地域に拡大しました。2000年には、一部の「ディフェンシプ(防御的)」部門は好調のようでしたが、
2001年には、事実上、どこにも余力を見いだせませんでした。
不調の理由には、現在は使われなくなっている生産設備への過剰投資と、世界中の企業収益の低下などが背景に
あります。恐らく最後の一撃は9月11日の同時多発テロ事件であり、これが少なくとも米国では、当時まだ勢いの
あった経済活動の一部、個人消費を押し下げたと思われます。旅行、レジャーおよび小売事業は特に大きな打撃を
受け、こうした部門の株価は年間の最安値水準まで落ち込みました。
しかしながら、9月11日以降の市場は同時に、グローバル運用の重要性およびMFSの基本戦略、すなわち“分
散投資”の重要性を示すものとなりました。9月11日以前に、我々は保険株を多く組入れましたが、これら企業の
多くに対する長期的な見通しは、テロ事件後に実際に改善されたと思われます。
Q.保険業界が過去最大規模の損失を被ったにも関わらず、保険会社の見通しはなぜ好転したのでしょうか?
A.まず9月11日以前の保険業界の状況をご説明いたします。1999年後半、MFSの保険業界アナリストは、損害保
険事業(生命保険を除くほとんどのタイプの保険)が長期スランプから脱却しつつあると確信するに至りました。
10年以上の間、業界の過当競争が保険料率を押し下げ、保険会社の利益低下を招いたため、保険株は不調でした。
我々のリサーチによれば、こうした状況がまさに逆転しようとしていました。保険部門への投資は約2年前に始め
ましたが、保険業界の淘汰により、会社が保険料率を引き上げられるようになるにつれ、多くの保険会社の株価が
値上がりしました。
9月11日の直後、投資家は、壊滅的損失を予想して、保険株の殆んどを手放しました。しかしMFSでは徹底的
なリサーチにより、この業界に関する知識が深いことから、9月11日の出来事が長期的には、既に見られるプラス
傾向を更に加速するであろうと予想しています。同時多発テロ事件により被った損失に耐え得る準備金を備えた力
強い企業は、体力の弱い競争相手が事業から撤退したため、一層の価格競争力を備えるものと見ています。さらに、
同時多発テロ事件の結果、産業界および個人が保険額を増やし、これまで比較的安定していた需要も増加すると思
われます。保険業界のリーダー企業にとって、需要増および保険料引き上げの可能性といった理想に近いビジネス
環境となるかもしれません。
こうした見解に基づき、株価が下落した局面を好機と捉え、保険株の買い増しを行いました。当期間末現在、保
険会社の保有銘柄のほとんどすべてが9月11日後の最安値から反発し、今後は、保険業界全体にとって好調な時期
になると思われます。
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(5) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
さらに、世界最大の再保険会社二杜(Munchener Ruckvers(Munich Re)およびSwiss Reinsurance)を新たに組
入れました。(保険証券を発行する保険会社は、しばしばリスクの分散を促すため再保険会社を利用します。)再
保険業界の大部分はヨーロッパに集中しているため、こうした場合にも、当ファンドのグローバルな特質が、国内
のみに投資していた場合には実現が難しいと思われる投資機会をもたらしました。
Q.主要戦略として分散投資について述べ、保険会社の保有例を一例に挙げましたが、部門を越えたファンドの分散
投資について全体像を説明して下さい。
A.ファンドが最も重点を置く部門であるヘルスケアは、平均を上回る長期成長を特徴としてきた(また、それが持
続すると思われる)分野です。ファンドが次に重視している金融サービス部門は先述のとおり、主に保険株が占め
ています。保険業は景気循環型産業であり、現在、循環サイクルの好期にあると、我々は見ています。ファンドが
三番目に重視している素材部門は、不安定な市場にあって比較的力強いと思われる少数の業種の株式により構成さ
れました。
我々はまた、公益・通信部門(主要構成企業は、米国のスプリントPCS、日本のNTTドコモと英国のボーダ
フォン等の携帯電話サービス会社)のウェイトも高めにしました。
公益・通信部門を含め、我々が重視している4つの部門は、それぞれ、資産の約12%から17%を占めました。ま
た、これよりはウェイトは低めですが、資産の約6%から8%をテクノロジー、消費財、エネルギー、レジャーお
よび小売部門に投資し、その他の部門にも少額ながら投資を行いました。
Q.当期間末の上位部門のほとんどは1年前にも上位部門に位置していたことから、MFSの投資手法は非常に一貫
性があると思われます。唯一の例外は素材部門で、これは12か月前の上位10番目から当期間末には上位3番目の部
門へと上昇しました。この理由を説明して下さい。
A.この部門への投資は、MFSの投資手法の別の側面を例示するものです。部門のウェイトは、最初に部門を選び、
それから当該部門内の銘柄を選択する「マクロ」アプローチによるものではなく、個々の株式を選別するボトム・
アップ・アプローチによって決定されます。すべての部門を通じ我々が見つけようとしているのは、平均を上回る
成長が期待出来ると思われる個別企業です。
素材カテゴリーは、鉱業、製紙、化学、金属および貴金属等の分野を含みますが、当ファンドでは、MFSのア
ナリストが発掘した3業種中の6銘柄のみに投資しています。その銘柄は、スイスの農業化学会社のシンジェンタ、
オランダの製薬・化学会社のアクゾ・ノベル、そして米国のプラクセールとエア・プロダクツ、英国のBOCグ
ループおよびフランスのエア・リキッドの産業ガス会社4社でした。
1年前、アクゾ・ノベルは、当ファンドでは唯一の素材企業でした。シンジェンタはこの期間に、欧州製薬会社
2社の農業化学部門の統合によって設立された新会社です。我々のリサーチによればこの会社は長期的な成長が見
込まれ、市場がその可能性を過小評価していると思われた時期に、我々は投資額を増やしました。
また当ファンドでは、産業ガス会社に対して市場の興味が薄く、バリュエーションが割安な時期に当部門の組入
れを開始しました。当時、企業のファンダメンタルズが問題だったわけではなく、10%台前半のやや低め安定した
収益成長率が、テクノロジー企業の目もくらむばかりの成長に比べ魅力が乏しかったことがその要因です。しかし
ながら、世界的な景気後退により、緩やかながらもより信頼できる収益成長が見込まれる企業の価値が、市場で認
識されるようになるでしょう。
デーヴイッド R.マンハイム
ポートフォリオ・マネジャー
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第16期(2001年11月1日~2002年10月30日)
運用の報告と今後の見通し
2002年10月31日までの12か月間の収益率は、ファンドのクラスA受益証券がマイナス5.86%、クラスB受益証券が
マイナス6.53%、クラスC受益証券マイナス6.53%、クラスI受益証券マイナス5.60%およびクラスJ受益証券がマ
イナス6.50%でした。以上の収益率は分配金および売買益の配当を再投資したと仮定し、かつ販売手数料の影響を除
外したものです。これに対し、ファンドのベンチマークであるモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショ
ナル(MSCI)ワールド・インデックスの同期間の収益率はマイナス14.50%でした。MSCIワールド・インデッ
クスは、米国、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドおよび極東を含む世界23の先進国の株式市
場のパフォーマンスを測る、時価総額加重トータル・リターン・インデックスであり、運用されているものではありま
せん。また、ミューチュアル・ファンドの独立調査会社リッパー・インクの調査によると、同期間中のグローバル・
ファンドの平均収益率はマイナス13.92%でした。
ファンドマネージャーとのQ&A
Q.
当期間の市場環境について説明して下さい。
A.
当期間は上昇傾向で始まったものの、最後は極めてチャレンジングな状況に陥っていました。世界中の市場が
2001年第4四半期に盛り返しましたが、その後強力な下向き傾向になり、当期間のほとんどにおいてこれが継続
しました。こうした下落の主な要因は、予想されたほど企業収益が回復しなかったことであると考えられます。
2002年になると、投資家は米国企業が下半期には企業収益の世界的回復を先導すると予想していたようです。予
想が外れたことが明らかになったとき、世界中で発展に対する期待感がしぼみ、これに続いて株価が下落しまし
た。イラクをめぐる国際的緊張および米国の企業会計スキャンダル等の追加要因が世界市場の難局に加わりまし
た。
当期間が終了した10月に、株式市場は再び方向転換をし、2002年第3四半期の収益が強固ではないものの少な
くとも期待はずれではなかったとの情報を根拠に反騰しました。しかしながら、当期間全体について、ほとんど
の株価指数がなお二桁のマイナス成長を示しました。
Q.
当期間中、パフォーマンスに貢献した投資対象は何ですか?
A.
ファンドが世界的下落を免れなかった期間中、セクター別の投資比重および銘柄選別が、ファンドのベンチ
マークおよび同クラスのリッパーと比較して、市場の実績を上回ることに役立ちました。業績を助けたのは、市
場全体より下落の小さかったセクターへのウェイトが高かったことであり、これにはヘルスケア、素材および消
費財が含まれました。消費財セクターは、ファンドのパフォーマンスがより好調な数種の銘柄のDiageo(世界で
最も有名な蒸留酒ブランドをいくつか持つ飲料会社)およびReckitt Benckiser(世界最大の家庭清掃用品メー
カー)等から成りました。
さらに、ファンドは、当期間中パフォーマンスが最悪であったセクターの一つのテクノロジーへのウェイトを
低めにしたことにより利益を得ました。私共はまた、テクノロジー・セクター内の好調銘柄の選別からも利益を
得ました。即ち、携帯電話メーカーのNokiaおよびプリンター製造のCanonといった保有銘柄はテクノロジー企業
の大部分の実績を上回りました。
Q.
パフォーマンスを低下させた保有銘柄は何ですか?。
A.
パフォーマンスが落ち込んだのは通信株ですが、この業界は相変わらず世界的に設備過剰に苦しみ、株価を押
し下げたためです。その他のセクターへの個々の投資も業績を低下させましたが、これには会計問題を抱えた
ケーブル会社で、その後ポートフォリオから売却されたCharter Communicationsおよび女性ホルモン補充薬に関
する不利な情報によりその株式が下落した薬品会社のWyethが含まれました。
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Q.
投資機会をどこに見つけられましたか?
A.
メディアおよびヘルスケアの2分野に多くの投資機会が見つけられました。景気後退の中で大幅に削減された
広告支出が当期間に強化され始め、新聞、放送等の広告に敏感に反応するメディア企業が利益を得ました。
ヘルスケア・セクターについて、現在の有力な薬品が特許切れを迎えることおよび米国での新薬に関する政府
承認手続きの遅れといった短期的と考えられる要因により評価が下がりました。長期的には、ヘルスケアは、特
に世界人口の高齢化を考慮すれば、なお発展分野であると思われます。
Q.
今後の見通しについてどのようにお考えですか?
A.
当期末において、企業収益の見通しは非常に不透明であると、私共と同様に多くの市場関係者も考えておりま
した。今後の数か月間にさらに市場が下落するかまたは回復するかあえて予想は致しません。
通常の様に、私共は、今後数か月間について、短期的事由から利益を得ようとしないでポートフォリオを組入
れてみました。長期的には、持続的な企業収益の伸びは、およそ一桁台後半の従来からのレベルに復帰すると考
えられます。目標は、魅力ある評価額で放置され、かつ市場平均を上回る収益の伸びをもたらすと思われる企業
を見つけることです。私共の調査活動は、ポートフォリオのためにこうした長期的投資機会を発掘し続けている
ことを確信しております。
デーヴィッドRマンハイム
ポートフォリオ・マネジャー
第17期(2002年11月1日 ~ 2003年10月31日)
市場概況
期初の市場では、堅調な地合が支配的となりました。世界の株式市場が、2002年夏の大幅な下げの後、10月および
11月にかけて上昇局面を展開したためです。もっとも先進各国の景気低迷と、イラクおよび北朝鮮を巡る地政学的リ
スクとが下げ圧力となったことから、市場は、12月には、再び下げに転じました。
2003年の市場では、年初の約2か月間で、直近の上げの大半が相殺されたものの、3月中旬には、イラク戦争開戦
による地政学的リスクの後退を受け、再度、上昇局面が展開されました。初期の軍事行動が成功したことに加え、企
業決算および経済指標が景気回復を示唆するものとなったことから、市場は、その後、10月の期末に至る期間を通じ
て堅調に推移しました。当期は、多数の投資家が、数年ぶりで高い投資収益を確保しました。また、ユーロ等の他通
貨に対して米ドル安が進行したことから、米国人投資家は、外国株投資を通じ、為替差益も獲得しました。
市場の上昇の大半は、売られ過ぎの銘柄の反発に因るものと考えられます。「TMT」と通称されるテクノロジー、
メディアおよび通信銘柄や、多数の株式を保有する金融サービス等の銘柄は、相対的な割高感、利益やキャッシュフ
ローの伸び率等、ファンダメンタルズの悪化、バランスシートの膨張などの諸要因が相俟って、大きく売られていま
した。
ファンドは、このような銘柄を殆ど組入れていませんでした。長期的に見て平均を上回る利益成長が見込まれ、か
つ、適度のボラティリティーを有する銘柄に投資を行うというファンドの戦略にはそぐわない、質の低い、高リスク
銘柄であると判断したためです。当期の市場の上昇に乗り切れなかったファンドのリターンは、ベンチマークである
MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)世界指数のリターンを下回る結果となりました。
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組入れ上位5銘柄(2003年10月31日現在)
銘柄
国籍
業種
組入比率
Reckitt Benckiser PLC
英国
家庭用耐久財
3.1%
Sanofi-Synthelabo SA
フランス
医薬品
2.3%
Air Liquide SA
フランス
特殊化学品
2.3%
Novartis AG
スイス
医薬品
2.0%
Total SA
フランス
石油・ガス
1.8%
ファンドはアクティブ運用を行っているため、上記の組入れは将来、変更される可能性があります。
リターンの要因分析(マイナス要因)
ファンドのリターンがベンチマークのリターンを下回った最大の要因は、好調なセクターをアンダーウエイトとし
たことです。例えば、全セクター中、最も堅調だったテクノロジー・セクターにおいて株価の上昇が特に際立った
IntelとCiscoは、組入れていませんでした。弊社調査部の評価では、長期の利益成長見通しに照らして割高であると
されていたためです。同様に、堅調さの目立った金融銘柄もアンダーウエイトとしていました。巨額の不良債権が嫌
気され売られていた日本の銀行株が反騰し、数銘柄はセクター中、最も大幅に上昇したのに対し、ファンドは、不良
債権処理は十分ではないとの判断に基づき、保有を控えた銘柄もあったからです。
素材セクターでは、Syngenta およびAkzo Nobelの下げの影響を被りました。スイスの農薬メーカーである
Syngentaは、期初は好調だったものの、2月に入って大きく売られました。熾烈な競争が製品価格の下げ圧力となっ
たことに加え、年金基金への拠出の増加とドル安とが相俟って、減益を余儀なくされたためです。
オランダを拠点とする化学・医薬品のAkzo Nobelは、医薬品事業の不振が響きました。コストが予想を上回って増
加する一方、新製品の売上が期待外れだったり、発売に遅れが出たりと悪材料が相次いだことから、株価は期中を通
じて下落基調となりました。ファンドは保有株を全て売却しました。
その他の素材銘柄では、市場を下回る銘柄が散見される中、英国のBOC Group および米国の Praxair 等の産業ガ
ス銘柄が期中を通じて堅調でした。上記2銘柄は、広範な業種に顧客を有し、価格決定力を行使できる業種が殆どな
い環境下、利益水準の維持と値上げとを実現してきたことから、長期的にも有望です。
生活必需品セクターをオーバーウエイトとしたことも敗因でした。当期は、市場の循環により、テクノロジーなど
の景気に敏感なセクターが注目されたためです。
リターンの要因分析(プラス要因)
セクター配分の多くがリターンの足を引っ張る結果となったのに対し、銘柄選択は、概ね、奏効しました。公益事
業セクターでは、スペインの電力銘柄、Iberdrola および日本の携帯電話のKDDIが堅調でした。Iberdrolaは、
電力需要の増加と継続的な発電コストの削減とを受け、株価が上昇しました。期中、新規に組入れたKDDIも、市
場シェアの拡大と増益とが好感され、堅調でした。日本銘柄では、2002年10月、旧日本Rocheと合併した中外製薬も
好調でした。合併によるコスト削減、製品ラインアップの拡大、Rocheが開発中の大型新薬の販売権の取得などを期
待した投資家が株価をつり上げました。ヘルスケア・セクターでは、スイスの医療機器メーカー、Synthes-Stratec
が、再建手術関連機器の売上増を受け、堅調でした。
金融サービス・セクターでは、豪州の保険会社であり、Lloyd's of Londonの最大の法人メンバーであるQBEが、
直近2年間の保険料率の上昇を受け、好調でした。レジャー・セクターでは、英国のGranada が急騰しました。
Carlton Communicationsとの合併による英国唯一の独立系民営テレビ会社設立計画が政府の認可を得たためです。テ
クノロジー・セクターでは、フランスの情報技術コンサルティング会社、Gap Gemini Ernst & Youngが、コスト削減
と、企業の情報技術投資の拡大を見込んで買われましたが、株価が目標水準に達したことから保有株は全て売却し、
利益を確定しました。
ポートフォリオ・マネジャー
David R. Mannheim
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第18期(2003年11月1日~2004年10月30日)
ファンドの運用報告
以下は、ファンドの運用を担当するデビッド・R・マンハイム(ポートフォリオ・マネジャー)による当会計年度(2003
年11月~2004年10月、以下「当期」といいます。)の運用報告です。
当期の市場環境をご説明いただけますか?
マンハイム:世界の株式市場が大きく揺れた2002年および2003年の大半と比較すると、当期、特に後半は、比較的安
定した、「標準的な」一年であったと言えるでしょう。長期的な株価上昇の原動力であると考えられる利益の伸びは、
米国では鈍化傾向を伴いつつ堅調さを維持しましたが、米国以外の先進国では、加速度を増しました。世界経済は、
当期末(2004年10月31日)現在、引き続き、持続的な成長局面にあるという点で、投資家の見方は一致しているもの
と考えます。ファンドのベンチマークであるMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)世
界指数で測った世界の株式市場の当期リターンは、14%程度となりました。2003年の驚異的なリターンと比べると色
褪せて見えるかもしれませんが、長期平均を遥かに上回る数値です。
先進国市場のリターンは概ね横並びで、地域別のリターンに大きな違いは見られませんでしたが、業種セクター間の
リターンには、格差が目立ちました。原油およびガス価格が高騰したことから、エネルギー・セクターおよびエネル
ギー関連セクターが堅調でした。テクノロジー・セクターは軟調な展開となりましたが、これは、企業の技術投資の
伸びの鈍化が予想されたためだと考えられます。メディア・セクター中、広告・宣伝銘柄のリターンも予想に届きませ
んでした。景気の回復、アテネ・オリンピック、米大統領選等が、投資家の期待したほどの広告・宣伝支出につながら
なかったためです。
ファンドの投資哲学について、ご説明いただけますか?
マンハイム:ファンドの中核を成すポートフォリオは、株価が妥当な水準にあり、かつ、高い成長が見込まれる中型
株および大型株で構成しています。
どのような要因がリターンに貢献したのでしょうか?
マンハイム:当期は、優れた銘柄選択が勝因となり、ベンチマークおよび競合ファンド(リッパーのグローバル・マ
ルチ・キャップ・コア・ファンド)の平均の双方を上回るリターン(純資産価格ベース)を達成することができました。
テクノロジー、ヘルスケア、小売および金融サービスの4セクターにおける銘柄選択で、ベンチマークを上回るリ
ターンの大半が説明されます。
テクノロジー・セクターが高い相対リターンをあげたのは、当該セクターをアンダーウエイトとしていたことが一因
だと思われます。テクノロジー銘柄の組入れについてご説明いただけますか?
マンハイム:テクノロジー・セクターは、期末現在、引き続きアンダーウエイトとなっていますが、安値を買いの好
機と捉え、期中を通じて、(テクノロジーおよびテクノロジー関連銘柄の)積み増しを行いました。ベンチマークの
テクノロジー・セクターが、当期を通じて低迷したのに対し、ファンドが組入れたテクノロジー銘柄は、総じて、好
調でした。割高であると判断したインテルなどの主力銘柄を組入れなかった一方で、株価が下落した結果、割安感が
目立ち、かつ、市場平均を上回る長期的な成長が見込まれる銘柄を買い増しました。このような銘柄の大半は、テク
ノロジー銘柄というよりは、テクノロジー関連銘柄でした。
テクノロジー・セクターでは、セキュリティー関連のソフトウェア銘柄に高成長が期待されます。ウィルス駆除ソフ
トのノートン・シリーズや情報セキュリティー製品のSymantec、同じくウィルス対策ソフトのMcAfeeは、株価の上昇
が特に際立ちました。McAfeeは、保有株を全て売却し、利益を確定しました。
ヘルスケア・セクターの銘柄選択も奏効したようですが、詳細をご説明下さい。
マンハイム:ヘルスケア・セクターは、ここ暫く、オーバーウエイトとしており、構成銘柄の3分の2程度を欧州の
医薬品銘柄、残りの3分の1を、主に米国のヘルスケア・サービスおよび医療テクノロジー関連銘柄としています。
処方箋薬給付代行事業を展開するAdvance PCSは株価が大きく上昇しましたが、競合するCaremark Rxに買収されまし
た(ファンドは、Caremark Rxを保有しています)。Fisher Scientific(米国、医療機器)、Sanofi-Aventis (フラン
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ス、医薬品)、Schering AG(ドイツ、医薬品)、Genzyme(米国、バイオテクノロジー)も堅調でした。いずれの企業
も、幅広い製品やサービスを提供しており、長期的な成長が期待されます。
株価が大きく下落した銘柄を組入れなかったり、アンダーウエイトとしたことも、勝因でした。Pfizerは2003年末に
保有株の大半を売却していましたが、残りは、期中、全て売却しました。一方、Merckは、主力の抗炎症剤Vioxxが期
末に回収されたことから大きく売られましたが、ファンドは保有していませんでした。
小売および金融サービス・セクターの銘柄選択も奏効しました。組入れ銘柄について、詳細をお聞かせください。
マンハイム:利益や既存店売上の伸び等、事業の基礎的要因が改善基調を示していることから、ファッション関連の
小売銘柄を数銘柄組入れました。英国のNEXTや、香港に拠点をおきながら欧州で中核事業を展開するEsprit
Holdingsなどです。欧州および米国で事業を拡大した衣料小売のHennes & Mauritxも好調でした。
金融サービス・セクターでは、東欧で幅広く事業を展開するハンガリーのOTP BankやオーストリアのErste Bankを組
入れましたが、好調な域内経済を受け、株価も堅調に推移しました。相対的な低賃金と緩やかな労働規制が、製造業
の東欧への移転を促進しました。
その他、貢献の目立った銘柄はありますか?
マンハイム:生活必需品のReckitt Benckiser は、組入比率が1位、ファンドのリターンへの貢献度が2位となった
銘柄です。同社は、英国に拠点を置く家庭用洗浄剤の世界最大手であり、ファンドが銘柄選定の基準としてきた3項
目(市場平均を上回る長期成長の可能性、拡大基調の市場シェア、割安な株価水準)を全て満たしているものとの判
断で組入れました。私共は、平均を上回る持続的成長が見込まれ、各々の業界において市場占有率を増やし、魅力的
な評価額で株価が販売されていると私共が感じる会社を探します。
業種セクターでマイナスの影響が大きかったのは、公益事業セクターおよび通信セクターでした。両セクターについ
てご説明下さい。
マンハイム:通信セクターで下げが際立ったのは、競争の激化により価格決定力を失った日本の携帯電話2銘柄です。
英国のVodafone Group傘下のVodafone KKは、(競合他社に比べ)製品が流行遅れであるとの見方が強まり、日本市
場でのシェアを落としたことから売却しました。一方、親会社のVodafone Groupは保有を続けましたが、リターンへ
の貢献は僅かに留まりました。
Vodafone KKと競合するKDDIは、競争の激化により値下げを強いられましたが、2003年には年初から年央にかけ
て、リターンに貢献しました。
レジャー・セクターが軟調だった背景をご説明下さい。
マンハイム:レジャー・セクター不振の最大要因は、北米企業の広告・宣伝支出が、予想ほどの回復をみせなかったこ
とです。オーストラリアのメディア大手であるNews Corpや米国の複合企業であるViacomおよびTime Warnerなど、売
上が企業の広告・宣伝費用の伸びに大きく左右される銘柄を組入れていたことが敗因となりました。News Corpにつ
いては、米国への本社移転に伴う短期要因も下げの原因となりました(実際の移転は、当期終了後の11月になりまし
た)。
楽器製造および携帯電話着信音最大手のヤマハも低迷しました。着信音事業が予想より短期間でピークに達したこと
が株価の下落をもたらしました。保有株は売却しました。
期中の為替変動は、ファンドのリターンに影響を及ぼしましたか?
マンハイム:ファンドは、為替変動の恩恵を受けました。ユーロ、円およびポンドの3通貨は、当期を通じて堅調な
展開となり、特にユーロの対ドル・レートは2桁台の上昇を記録しました。米国の投資家は、外国株投資の成果をド
ルに転換し、為替差益を享受しました。期末現在、組入れの半数を超える欧州、英国、日本の株式の効果が、特に際
立ちました。
註記:
本報告書中の記述は、当会計年度(2004年10月31日終了)のファンドの運用実績(対ベンチマークのリターン)に関
するものです。
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(11) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
第19期(2004年11月1日~2005年10月31日)
以下は、当期終了後、ファンドの運用を担当するポートフォリオ・マネジャー(David R.MannheimおよびSimon
Todd)が行った当期実績の報告および分析です。
クラスJ受益証券の当期リターン(純資産価格ベース)は11.74%となり、ベンチマーク(「MSCI(モルガ
ン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)世界指数」)のリターン(13.82%)には及びませんでした。
ファンドの投資哲学を説明して下さい。
Mannheim:「MFSグローバル・エクイティ・ファンド」は、利益およびキャッシュ・フローの成長率が持続的に
市場平均を上回るものと期待される銘柄の発掘に努めており、中・大型の優良銘柄のうち、長期の成長予想が株価水
準に織り込まれていないものと考えられる割安銘柄に注目しています。
小売セクターの銘柄選択とオーバーウエイトがファンドの相対リターンを悪化させたようですが、特に大きな影響を
及ぼした銘柄について説明して下さい。
Todd:個別銘柄の不振が、小売セクターのリターンを悪化させました。Kingfisherは、米国を除くと世界最大の
ホームセンター(DIY)を展開していますが、英国を拠点とする子会社のB&Qが減収を発表したことから売られ
ました。英国の個人消費 の 低迷は、衣 料 小売のNEXTにも及びました。米国では、TJ Maxx、Marshalls、
HomeGoodsなどを傘下に持つ衣料小売のTJX Companiesが軟調でした。四半期ベースの売り上げは事前予想に達したも
のの、複数の地域で減収を計上し、通期予想を下方修正したためです。
レジャー・セクターのオーバーウエイトも相対リターンを悪化させたようですが、個別銘柄について説明して下さい。
Mannheim:Viacomなど、米国のメディア銘柄の組み入れが敗因となりました。広告市場の伸びが、総じて鈍化し、
従来型の広告がネット上の広告にシェアを奪われていることから、長期の利益成長見通しが懸念され、株価の下落を
もたらす結果となりました。
リターンに貢献した要因にはどのようなものがありますか?
Mannheim:資本財サービス、テクノロジーおよび運輸セクターの銘柄選択が奏効しました。また、エネルギーおよ
びヘルスケア・セクターの複数の銘柄も効果をあげました。
資本財サービス・セクターの銘柄選択は、リターンに大きく貢献しましたが、個別銘柄の組み入れについて説明して
下さい。
Todd:期中の景気回復を背景とした企業の設備投資の増加が、資本財セクターの追い風となりました。高いリター
ンをあげた銘柄の大半が、設備投資の伸びの恩恵を受けた模様です。土木鉱山機器のSandvik(スウェーデン)およ
び建機のAtlas Copco(同)は、貢献が特に際立ちました。両社は、2004年から2005年にかけての設備投資の回復局
面に利益を計上し、増配および自社株買いを通じて、株主への還元を行いました。
テクノロジー・セクターの資産配分と銘柄選択も、ファンドのリターンに貢献しました。
Mannheim:(期初の時点で)テクノロジー・セクターをアンダーウエイトとしていたのは、割高感が懸念されたた
めですが、その後、他セクターに出遅れ、株価が下落した機会を捕らえて、長期の成長が期待される銘柄を安値で買
い増しました。期初のアンダーウエイトに加え、銘柄選択も効果をあげました。中でも、アジアのエレクトロニクス
最大手、Samsung Electronicsは、貢献が際立ちました。同社は、ベンチマークには採用されていませんが、携帯電
話等、各種の製品市場で高いシェアを占めています。期中は、iPod Nanoと、一部の携帯電話に内蔵されているNA
ND型フラッシュ・メモリーが注目され、株価をあげました。Nanoの好調な売り上げとNAND型フラッシュ・メモ
リーの携帯電話への採用増が貢献しました。
ヘルスケア・セクターで貢献の目立ったのはどのような銘柄ですか?
Todd:スイスのRoche Holdingが好調でした。処方箋薬部門の増収に加え、開発中の抗癌剤に関して良好な臨床結
果が得られたためです。一方、米国医薬品大手のPfizerを組み入れなかったことも勝因でした。 Merck が抗炎症剤
Vioxxの回収を決めた後、主力の関節炎用鎮痛剤であるCelebrexおよびBextraの今後が懸念され、株価が下落したた
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(12) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
めです。
註:2005年4月1日付で、Simon Toddがポートフォリオ・マネジャーとなり、David R.Mannheimと共に、ファン
ドの運用を担当しています。
*期末現在、ポートフォリオの組入れ銘柄ではありません。
第20期(2005年11月1日~2006年10月31日)
2006年10月31日終了の12か月間には、MFSグローバル・エクイティ・ファンドのクラスA受益証券は純資産価額
で24.73%の総リターン率をもたらしました。これは、当ファンドのベンチマークであるMSCIワールド・イン
デックスのリターン率21.91%に匹敵するものです。
パフォーマンスへの貢献銘柄
ヘルスケア・セクターにおける好調な銘柄選択が高実績を生み出した主な要因でした。中でもドイツの製薬会社の
シェリンク(g)と科学製品・サービス提供会社のフィッシャー・サイエンティフィック・インターナショナルが当期間
中のファンドの上位貢献銘柄でした。2006年初めにメルクとバイエルからの買収オファー受けた後、シェリンク株式
は高騰しました。(シェリンクはバイエルによる買収の途上にあります。)
消費製品セクターでも銘柄選択が一助となりました。UKを本拠地とする家庭用品製造会社レキット・ベンキサー
は、同社が当期中強調な売上増を示すにつれて相対的リターンに貢献しました。
小売セクターの銘柄選択も相対的パフォーマンスを高めましたが、このセクターの株式はファンドの上位貢献銘柄
には入っていませんでした。
金融サービス、公共事業、通信の各セクターの銘柄選択も相対的実績を増強しました。金融サービスでは、投資銀
行会社ゴードマン・サックス、スイスの資金運用会社ジュリウス・ベア・ホールディング、イタリアの金融会社ウニ
クレディト・イタリアーノ、スイスの投資運用・金融会社UBSがプラスの実績に貢献しました。公共事業および通
信では、スペインの電力事業会社イベルドロラの組入分がファンドの実績を補強しました。イベルドロラは、欧州の
公共事業業界内で生じた合併の思惑による恩恵を受けました。
相対的パフォーマンスの助けとなったその他のセクターの銘柄には、日本のビデオゲーム・コンソール・メーカー
の任天堂とプリンターやコンピューターの周辺機器メーカーのキヤノンが含まれていました。
当期中には通貨エクスポージャーがファンドの相対的パフォーマンスへの貢献要素でした。MFSの全ての投資決
定は個々の機会に係る基礎条件に基づいており、従って、各ポートフォリオがベンチマークとは異なる通貨エクス
ポージャーを維持することが通常です。
パフォーマンスへの減損銘柄
基礎素材セクターの銘柄選択は相対的パフォーマンスを後退させました。中でも多角的な素材会社3M Co.の組入
分はファンドの上位減損銘柄でした。3M株は、当期中値上がりしましたが、LCDスクリーン・ディスプレイの需
要の軟化と新プラントの操業開始問題の結果、その光学フィルム事業における売上鈍化と収益性低下を主因として市
場に遅れをとりました。
そのほか、ネットワーク・ソフトウェア会社のシマンテック(c)(g)、直売コンピューター販売会社のデル、巨大チッ
プ会社のインテル、医療機器メーカーのメドトロニックも相対的パフォーマンスを引き下げました。
ファンドの現金保有は相対的パフォーマンスの減損要因でした。ファンドは、新規組入分の取得と流動性の確保の
ために現金を保有します。ファンドのベンチマークで計測すると、株式市場が値上がりする時期に現金を保有するこ
とは、現金保有分のないベンチマークと比較してパフォーマンスを損なうことになります。
敬具
デイビッド R.マンハイム
サイモン・トッド
ポートフォリオ・マネジャー
ポートフォリオ・マネジャー
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(13) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
(c) 本証券はベンチマークの構成銘柄ではありません。
(g) 本証券は期末現在、ポートフォリオ中には保有されていませんでした。
第21期(2006年11月1日~2007年10月31日)
運用概況
当期のMFSグローバル・エクイティ・ファンドのクラスJ受益証券のトータル・リターンは、1口当たり純資産価
格 ベ ー ス で 16.57 % と な り 、 当 フ ァ ン ド の ベ ン チ マ ー ク で あ る M S C I ワ ー ル ド ・ イ ン デ ッ ク ス の リ タ ー ン
(20.97%)には及びませんでした。
市場概況
当期の米国経済は、他諸国とデカップル(非連動)な動きに終始しました。2007年第2四半期および第3四半期の
経済成長率自体は堅調でしたが、米国の経済活動は、他の主要国に比べて、精彩を欠きました。世界経済は、全般的
に、内需の改善および世界的な貿易の加速を背景に堅調な成長を遂げた前期に比べて、若干失速しました。
世界経済が力強い成長を見せた一方で、設備投資の制約条件が厳しさを増し、賃金上昇ならびにエネルギーおよび
食料品価格の高騰が見られる中で、世界的なインフレ圧力の増大に対する懸念が高まりました。世界各国の中央銀行
は、期中、金融引締政策をとりましたが、その結果、景気拡大という環境にありながら、各国の債券利回りが過去最
高水準にまで押し上げられました。
一方、2007年7月下旬、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を端緒に景気の先行き
不透明感および金融不安が高まりました。これを受けて、世界の信用市場では相次いで流動性が低下し、国債利回り
の低下および信用スプレッド(社債の国債に対する上乗せ金利幅)の拡大という事態に発展したことから、各国の中
央銀行は、流動性の供給および金融引締政策の見直しを余儀なくされました。2007年10月下旬、米連邦準備制度理事
会(FRB)の利下げに踏み切ったことで、信用状況は幾分改善が見られたものの依然として激しい混乱の渦中にあ
りました。米国住宅市場ローンの焦げ付き問題、住宅価格の下落および労働市場のトレンドが弱含んだこと等が相
俟って、市場のボラティリティ(変動率)の増大に一層拍車がかかったためです。一方、すべての資産クラスにわ
たってボラティリティが増大し、信用スプレッドが拡大する中にありながら、世界の株式市場は、夏場に計上した損
失分を概ね取り戻し、上昇基調を維持しました。
リターンの要因分析(マイナス要因)
当期のファンドのリターンが相対ベースでベンチマークに及ばなかった最大の敗因は、テクノロジー(情報技術)
セクターの銘柄選択でした。中でも、電機メーカーであるSamsung Electronics(*) (韓国)が、ファンドのリター
ンの大きな下押し要因となりました。Samsungの株価が冴えなかった一因としては、液晶ディスプレイ(LCD)お
よび記憶装置の価格圧力が挙げられます。また、プリンターおよびコンピューター周辺機器メーカーであるキヤノン
(日本)のポジションも、ファンドのリターンにとってマイナス要因でした。また、ベンチマークの構成銘柄で、堅
調なリターンを獲得したAppleを組入れなかったことは、相対リターンの足を引っ張りました。
自動車および住宅セクターについては、オートバイ製造のHarley-Davidsonの保有がリターンの重しとなりました。
米国内での需要低下および2007年第1四半期の影響が長引いたことが、同社の収益の悪化を招いたためです。
素材関連セクターの銘柄選択も、裏目に出ました。代表的な鉱業会社であるBHP Billton(英国)が、堅調なリ
ターンを計上したにもかかわらず、当期、ファンドが組入れを行わなかったためです。
さらに、ヘルスケア・セクターのオーバーウェイトが、相対リターンにとってマイナスとなりました。当セクター
内では、医薬品および診断薬メーカーのRoche(スイス)の株価が軟調でした。2007年第3四半期の収益発表が、タ
ミフル(Tamiflu)の販売実績が全般的に低迷したことを背景に、市場のコンセンサス予測を下回る結果となったた
めです。また、ヘルスケア製品メーカーであるJohnson & Johnsonおよびバイオテクノロジー会社のAmgen(**) のポジ
ションも、ファンドにとってマイナス要因でした。
銘柄選択およびエネルギー・セクターのアンダーウェイトも、当期のリターンを妨げる結果となり、特に、エネル
ギー・セクター銘柄を組み入れなかったことは、最大の敗因でした。
その他には、スイスの投資運用会社および銀行であるUBSを組み入れましたが、モーゲージ担保証券を巡る金融
不安により株価が下落したため、ファンドのリターンにとってマイナス要因でした。投資会社であるGenworth
Financialのオーバーウェイトも、敗因でした。当期末にかけて、住宅担保ローンのデフォルト率への懸念が台頭し
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(14) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
たことが、株価を下押したためです。
リターンの要因分析(プラス要因)
当期のファンドの相対リターンにとって最大のプラス効果を上げたのは銘柄選択でしたが、金融サービス・セク
ターのアンダーウェイトも奏功しました。スイスの富裕層向け運用会社であるJulius Baer(**) ならびに個人および
機関投資家向けに金融サービスを提供する世界的な代表企業であるBank of New York Mellonも、底堅いリターンを
計上し、この2社の株価は、当期のベンチマークのリターンを上回った結果、ファンドにプラスとなりました。ベン
チマークの構成銘柄であるCitigroupの組入れは行いませんでしたが、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライ
ム・ローン)市場への高水準の組入れに対する懸念が生じたため、結果的にはプラス要因となりました。
小売りセクターについては、銘柄選択が奏功しました。運動靴・アパレル製造のNikeが、相対リターンに貢献しま
した。Nikeは、総収入や企業収益において堅調な成長を遂げました。Nikeブランドの主力商品であるフットウェアの
3ラインが、代表的なスポーツ関連の催しへの参加を通じて市場の圧倒的な支持を集めたことにより、持続的な販売
の伸びによる収益が得られたためです。
生活必需品セクターのオーバーウェイトも、奏功しました。英国を拠点とする家庭用品メーカーであるReckittBenckiserは、事前予想を上回る売上高の増加を背景に株価が値上がりし、セクター内では特に堅調に推移しました。
食品メーカーのNestle(スイス)を組入れたことも、相対リターンの獲得に寄与しました。
その他セクターにおける個別銘柄としては、ヘルスケア商品メーカーのBayerおよび工業ガス製造のPraxairが、相
対リターンにプラス寄与しました。また、ドイツの電力およびガス会社であるE.ONならびにシンガポールの通信企業
のSingapore Telecommunicationsへの投資も、勝因となりました。
当期において、為替エクスポージャーも、相対リターンにとってプラスとなりました。MFSの投資決定は、すべ
て、個別の投資機会のファンダメンタルズに基づき行われるため、ファンドの組入銘柄の為替エクスポージャーがベ
ンチマークに一致しない場合があります。
今後の投資方針
生活必需品、ヘルスケア等、マクロ経済の動向如何に拘わらず市場平均以上の収益成長が期待できるクオリティの
高い企業群、ならびに、新興諸国の所得水準向上によって恩恵を受けるブランド力の強い企業群への投資を継続しま
す。一方、景気循環性の高いセクターや小型株、新興諸国等、収益成長性に対しバリュエーションが割高となってい
る銘柄群への投資は慎重に検討します。世界景気の失速、金融不安の更なる拡大と長期化等を背景とした個人消費の
悪化や企業業績の鈍化、堅調に拡大する新興国市場での株価調整リスク、商品市況の高止まりに伴うインフレ圧力の
上昇、為替の急変動などによる株価下落リスクに留意しながら、MFSオリジナル・リサーチのプロセスにより、短
期的で不安定な市場の動向に過剰反応することなく、長期的視野に基づいた投資行動を行って参ります。
デイビッド・マンハイム
サイモン・トッド
ポートフォリオ・マネジャー
ポートフォリオ・マネジャー
敬具
(*)
本銘柄は、ベンチマークの構成銘柄ではありません。
(**)
本銘柄は、当期末時点でファンドへの組入れはありません。
第22期(2007年11月1日~2008年10月31日)
運用概況
当期のMFSグローバル・エクイティ・ファンドのクラスJ受益証券のトータル・リターンは、純資産価額ベース
で-34.98%となり、当ファンドのベンチマークであるMSCIワールド・インデックスのリターン(-41.51%)を
上回りました。
市場概況
当期の米国経済および金融市場は悪化の一途を辿り、ボラティリティが激しく上昇しました。米国経済成長は、第
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(15) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
2四半期の景気刺激策による一時的な拡大局面を除き、激しい減速に見舞われました。住宅市場の加速度的な悪化、
企業投資の低迷、不振を極める雇用市場および信用市場の一段の収縮が逆風となり、内需拡大を強く阻みました。当
期後半には、JPモルガンによる経営破綻したベアー・スターンズの救済合併、政府支援法人である連邦住宅抵当金
庫(ファニーメイ)および連邦住宅金融抵当金庫(フレディマック)の保全管理、投資銀行リーマン・ブラザーズの
経営破綻、米連邦準備制度理事会(FRB)による保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
への緊急支援、複数の大手欧州銀行の国有化、ワシントン・ミューチュアルの経営破綻ならびにワコビアの救済合併
等、金融市場を取り巻く波乱に満ちた一連の出来事が、市場を直撃しました。このような市場を震撼させる報道が相
次いだ結果、世界の株式市場は大きく値を下げ、信用市場にはこの度の信用危機が始まって以来最悪となる亀裂が生
じました。
当期前半は反発局面も見られましたが、米国の景気減速の余波は世界経済および金融システムに一段と激しく襲い
かかりました。景気失速の兆しは、欧州および日本のみならず、世界の経済成長の力強い原動力であったエマージン
グ市場をも呑み込み、エマージング市場はついに下降トレンドを辿り始めました。
期中、FRBは大幅利下げに踏み切り、未曾有の収縮に見舞われる信用市場の緩和に向けた新たな信用枠の設定を
相次いで打ち出す一方で、米国政府は小規模の景気刺激策の策定および実施に迅速に着手しました。他にも複数の主
要国の中央銀行が利下げに踏み切りましたが、原油価格および商品価格の高騰が続く中、景気減速下でのインフレ予
想の上昇に対する懸念が高まり、中央銀行の政策担当者は難しい手綱捌きを迫られました。当期終盤にさしかかって
漸く、経済成長の鈍化が商品価格の急落を促し、インフレ率およびインフレ予想の緩和の兆しが見え始めました。世
界的なレバレッジ解消の動きに伴いインフレ懸念が衰退する一方で、株式および信用市場の悪化がさらに拍車がか
かったことから、主要中央銀行は協調利下げにより、積極的な利下げ政策の推進を開始しました。
リターンの要因分析(プラス要因)
当期は、基礎素材の銘柄選択が奏功し、ベンチマークであるMSCIワールド・インデックスを相対ベースで上回
りました。中でも、コングロマリットの3Mのポジションは、当期の相対リターン獲得の大きな原動力となりました。
同社は、全事業にわたる力強い収益基盤をベースとする予測に一致した、事前予想を上回る収益を獲得しました。
生活必需品のポジションのオーバーウエイトも、相対リターンのプラス要因となりました。食品会社のNestle(ス
イス)およびGeneral Mills、家庭用品および工業用品の花王(日本)等の銘柄は、際立った貢献を果たしました。
Nestleの株式は、持続的に堅調な販売実績を追い風に値上がりし、コスト管理能力の改善を背景に同業他社を上回る
リターンを計上しました。また、世界第2位のチョコレート製造のHersey'sとの業務提携や買収観測も、株価の押し
上げ要因となりました。
また、金融サービス銘柄のポジションをアンダーウエイトとしたことも、相対リターン獲得に寄与しました。中で
も、金融サービスのBank of New York Mellonは、相対リターン獲得に大きく寄与しました。
その他の業種セクターで相対リターンに寄与したのは、医薬品および診断装置製造のRoche Holding(スイス)、
ヘルスケア製品製造のJohnson & Johnson、医療用器具製造のSynthes Inc.(スイス)、エンタープライズ・ソフト
ウェア製造のOracle、およびスポーツシューズおよびアパレル製造のNIKE等の銘柄でした。NIKEが買われたのは、北
京オリンピック開催による相乗効果を追い風に四半期の収益が事前予想を上回ったことが好感されたためでした。
リターンの要因分析(マイナス要因)
銘柄選択につきましては、レジャーが相対リターンの足かせとなりました。株価が低迷したブックメーカーの
William HillおよびLadbrokes(英国)のポジションが、リターンを下押ししました。William Hillsの株価は、利幅
の縮小および冬期営業時間の延長によるコスト上昇が逆風となり、苦戦を強いられました。
公益事業および通信のアンダーウエイトも、相対リターンに負の影響を及ぼしました。もっとも、同セクター内の
銘柄がファンドのリターン低迷に及ぼした影響は、いずれも軽微に留まりました。
金融セクターのアンダーウエイトは、相対リターンに貢献した要因でしたが、同セクターの複数の銘柄は、リター
ンを下押ししました。例を挙げますと、金融サービス業のUBSグループ(スイス)(*)およびAXA(フランス)、
銀行業を営むErste Bank(オーストリア)等です。ベンチマークを上回るリターンを獲得した金融サービス業のJP
Morgan Chaseを組み入れなかったことは、相対リターンを下押ししました。
その他の銘柄では、米大手小売のWal-Martグループ、電気装置製造のSchneider Electric(フランス)および大手
ビール醸造のHeineken(オランダ)が、相対リターンを押し下げました。Heinekenは、食品および燃料価格が値上が
りした影響により梱包および配送コストが上昇したことから、軟調でした。株価が堅調に推移した自動車メーカーの
- 16 -
(16) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
Volkswagen(ドイツ)を組み入れなかったことも、相対リターンへのマイナス要因となりました。
デイビッド・マンハイム
サイモン・トッド
ポートフォリオ・マネジャー
ポートフォリオ・マネジャー
敬具
(*)
本銘柄は、当期末時点でファンドへの組入れはありません。
第23期(2008年11月1日~信託終了日)
運用概況
2008年11月1日~2009年2月27日のMFSグローバル・エクイティ・ファンドのクラスJ受益証券のトータル・リ
ターンは、純資産価額ベースで-21.1%となり、当ファンドのベンチマークであるMSCIワールド・インデックス
のリターン(-21%程度)とほぼ同等のパフォーマンスとなりました。
市場概況
2008年11月~2009年2月にかけての世界の株式市場は、9月の米リーマン・ブラザーズ破綻をきっかけとする信用
市場の機能不全が世界経済へと波及し、景気後退と金融不安への懸念が急速に高まった前期の流れを引継ぎ、軟調に
推移しました。11月は、欧米大手金融機関や米自動車大手の経営に対する懸念が高まったことに加え、欧米の主要経
済指標の悪化や金融機関の抱える不良資産の劣化が不安視され、株価は軟調な展開となりました。11月後半から1月
初頭にかけては、シティグループやUBSなど欧米大手金融機関の救済や欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀
行(BOE)など各国中央銀行による大幅な利下げ、オバマ米新政権の大型景気対策への期待などから底堅く推移し
ました。しかしながら、1月中旬以降はシティグループやバンク・オブ・アメリカなど米大手金融機関の経営不安が
再燃し、再び下落基調に転じました。米国など主要国のGDP成長率が大幅なマイナスとなったことで景気後退の深刻
化が改めて意識されたほか、2月には米自動車大手ゼネラル・モーターズの破産申請懸念や大手金融機関の国有化懸
念の高まりなど悪材料が重なり、米政府による8,000億ドル規模の景気対策の議会通過も材料視されず株式相場は下
げ足を速めました。その後も米政府の具体性にかける金融安定化政策への失望感が株価押し下げ圧力となったほか、
欧州でも英大手銀ロイズ・グループの国有化や、景気悪化の著しい中・東欧新興国に展開する西欧大手銀行への悪影
響などが懸念されたことが相場の下落圧力となりました。結果、当該期間の株式市場は下落して終了しました。
リターンの要因分析(プラス要因)
金融サービスでは、金融機関の信用不安が高まる中、資本不足の懸念などからパフォーマンスの悪化した大手銀行
のBank of America(米)、Wells Fargo(米)、Citigroup(米)などを非保有としたことがプラス要因となりまし
た。
また、工業財・サービスでは、General Electric(米)を非保有としたことがプラス要因となりました。同社は、
金融子会社のGEキャピタルの経営悪化の影響により減配や格下げが懸念され株価が下落しました。受配電・制御・
オートメーション分野における世界的企業であるSchneider Electric(仏)についてはオーバーウェイトとしたこと
がプラスに寄与しました。
その他セクターでは、生活必需品セクターの英家庭用品大手Reckitt Benckiser(英)をオーバーウェイトしたこ
ともプラスに寄与しました。同社は、10-12月の収益が市場予想を上回るなど、引き続き景気が低迷する中において
も安定的な業績が期待できると見られたことから株価が上昇しました。また、自動車大手Volkswagen(独)の非保有、
日本企業ではエネルギー銘柄の国際石油開発帝石(日)や総合光学機器メーカーのHOYA (日)などをオーバーウェ
イトとしたことがプラス要因となりました。HOYAは生産・研究拠点の統廃合や人員削減を含むコスト削減効果が期待
されたことで株価が堅調に推移しました。
リターンの要因分析(マイナス要因)
金融サービス銘柄は、金融システム不安が高まる中、多くの銘柄で資本不足や国有化が懸念されたため、株価のパ
フォーマンスが悪化しました。当ファンドでは、スイスの再保険・保険大手Swiss Reinsurance(スイス)、仏保
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(17) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
険・金融グループAXA(仏)、中東欧、英国、アジアを拠点に預金、融資、投資銀行業務などを提供するオースト
リアのユニバーサルバンクErste Group Bank(オーストリア)、米資産管理銀行大手State Street(米)、米個人富
裕層や小規模企業会員のほか世界中に会員を有する米金融総合サービス大手のAmerican Express(米)、スイスの金
融サービス大手UBS(スイス)など複数銘柄を保有していましたが、いずれもマイナス要因となりました。
その他セクターでは、景気後退の深刻化による消費者需要の低迷を受け経営環境が悪化する中、生活必需品銘柄で
は家庭用トイレタリー用品・化粧品大手の花王(日)、レジャー銘柄では多角的エンターテインメント会社のWalt
Disney(米)、自動車・住宅銘柄でオートバイ大手のHarley-Davidson(米)、素材銘柄では収益見通しが悪化した
米大手複合企業の3M(米)などが冴えない結果となり、これらをオーバーウェイトしていたことがマイナスに寄与し
ました。
- 18 -
(18) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
2.ファンドの運用状況
(1)投資状況(資産別及び地域別の投資状況)
(2009年2月27日)
資産の種類
国名
普通株式
時価合計(米ドル)
アメリカ合衆国
投資比率(%)
117,808,390
38.51
スイス
42,615,418
13.93
フランス
35,203,639
11.51
イギリス
31,223,606
10.21
日本
24,413,663
7.98
オランダ
20,226,635
6.61
ドイツ
19,354,906
6.33
カナダ
3,685,984
1.20
大韓民国
2,961,017
0.97
シンガポール
2,323,594
0.76
イタリア
1,104,071
0.36
メキシコ
1,050,942
0.34
オーストリア
959,833
0.31
デンマーク
894,456
0.29
チェコ共和国
682,817
0.22
オーストラリア
510,337
0.17
305,019,308
99.71
894,772
0.29
小計
その他の資産(負債控除後)
合計
(純資産総額)
305,914,080
(30,059百万円)
(注)投資比率とは、ファンドの純資産総額に対する当該資産の時価の比率をいう。以下同じ。
- 19 -
(19) / 2009/06/03 15:35 (2009/05/29 18:26) / 030_09579488_運用経過_MFSグローバルエクイティF_償還報告書.doc
100.00
(2)投資資産
①
投資有価証券の主要銘柄
(2009年2月27日現在)
取得価格(ドル)
順位
銘柄
国名
業種
保有株数
単価
1
Nestle S.A.
スイス
食品・飲料
2
Roche Holding AG
スイス
製薬
3
Reckitt
Group PLC
Benckiser
4
Heineken N.V.
5
Linde AG
6
時価(ドル)
総額
単価
総額
投資
比率
(%)
374,204
24.85
9,298,841
32.77
12,263,950
4.01
77,100
98.36
7,583,856
113.69
8,765,483
2.87
12.39
2,484,466
38.57
7,735,830
2.53
イギリス
消費財・サービス
200,580
オランダ
アルコール飲料
282,170
56.39
15,910,226
26.97
7,608,726
2.49
ドイツ
特殊化学
113,580
101.45
11,523,047
64.63
7,340,664
2.40
PepsiCo, Inc.
アメリカ
合衆国
食品・飲料
150,030
58.90
8,836,644
48.14
7,222,444
2.36
7
Diageo PLC
イギリス
アルコール飲料
592,967
11.19
6,637,435
11.69
6,931,447
2.27
8
Oracle Corp.
アメリカ
合衆国
コンピューター・ソ
フトウエア
443,750
14.15
6,280,023
15.54
6,895,875
2.25
9
3M
アメリカ
合衆国
化学
147,890
74.13
10,963,059
45.46
6,723,079
2.20
10
LVMH Moet Hennessy
Louis Vuitton S.A.
フランス
アパレル・メーカー
114,920
78.34
9,002,340
57.53
6,611,405
2.16
11
NIKE, Inc., "B"
アメリカ
合衆国
アパレル・メーカー
148,750
40.89
6,082,272
41.53
6,177,588
2.02
12
Medtronic, Inc.
アメリカ
合衆国
医療機器
184,200
44.48
8,194,110
29.59
5,450,478
1.78
13
Merk KGaA
ドイツ
製薬
69,550
127.34
8,856,165
75.03
5,218,607
1.71
放送
310,490
26.43
8,206,454
16.77
5,206,916
1.70
208,700
37.50
7,826,686
23.86
4,979,582
1.63
14
Walt Disney Co.
アメリカ
合衆国
15
Walgreen Co.
アメリカ
合衆国
食品・ドラッグスト
ア
フランス
電気機器
82,316
69.58
5,727,854
60.29
4,963,166
1.62
日本
特殊化学
109,100
56.95
6,212,971
44.59
4,864,508
1.59
16
17
18
Schneider
Electric
S.A.
Shin-Etsu
Chemical
Co. Ltd.
Synthes, Inc.
19
Bank of New
Mellon Corp.
20
Accenture Ltd.
21
Kao Corp.
York
スイス
医療機器
41,870
114.54
4,795,641
116.08
4,860,406
1.59
アメリカ
合衆国
大手銀行
213,623
35.99
7,688,787
22.17
4,736,022
1.55
アメリカ
合衆国
ビジネス・サービス
159,570
28.78
4,591,965
29.19
4,657,848
1.52
消費財・サービス
244,000
26.44
6,452,148
18.99
4,634,192
1.51
日本
22
Johnson & Johnson
アメリカ
合衆国
23
United
Parcel
Service, Inc. "B"
アメリカ
合衆国
運送
110,780
68.30
7,566,286
41.18
4,561,920
1.49
24
Givaudan S.A.
スイス
化学
7,830
894.93
7,007,296
576.18
4,511,481
1.47
アメリカ
合衆国
放送
187,690
45.02
8,449,034
24.03
4,510,191
1.47
天然ガス-供給
エネルギー・統合供
給業者
エネルギー・統合供
給業者
エレクトロニクス
138,872
48.13
6,683,266
31.94
4,435,115
1.45
93,030
32.00
2,976,615
47.32
4,402,359
1.44
25
Omnicom Group, Inc.
26
GDF Suez
フランス
27
TOTAL S.A.
フランス
28
Royal Dutch Shell PLC
オランダ
29
Canon, Inc.
30
Proctor & Gamble Co.
②
日本
アメリカ
合衆国
製薬
92,410
56.36
5,208,049
50.00
4,620,500
1.51
消費財・サービス
196,970
34.75
6,843,743
21.89
4,311,582
1.41
168,200
43.70
7,350,622
25.26
4,247,989
1.39
83,345
44.79
3,733,237
48.17
4,014,729
1.31
投資不動産物件
該当事項なし(2009年2月27日現在)
③
その他投資資産の主要なもの
該当事項なし(2009年2月27日現在)
- 20 -
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(3)運用実績
①
純資産の推移
2008年11月から2009年2月までの期間における各月末および下記各会計年度末の純資産の推移は次のとお
りである。(1口当たりの純資産価格については、クラスJ受益証券の運用開始(1999年7月9日)以前は
クラスB受益証券のものである。)
純資産総額
千ドル
1口当たりの純資産価格
百万円
ドル
円
1989年10月末日に終了した会計年度
50,827
4,994
12.96
1,273
1990年10月末日に終了した会計年度
81,505
8,009
12.94
1,271
1991年10月末日に終了した会計年度
82,890
8,145
12.40
1,218
1992年10月末日に終了した会計年度
101,550
9,978
13.50
1,327
1993年10月末日に終了した会計年度
147,651
14,508
16.53
1,624
1994年10月末日に終了した会計年度
193,846
19,047
16.78
1,649
1995年10月末日に終了した会計年度
211,358
20,768
16.55
1,626
1996年10月末日に終了した会計年度
284,551
27,960
18.36
1,804
1997年10月末日に終了した会計年度
437,874
43,025
19.97
1,962
1998年10月末日に終了した会計年度
578,062
56,800
20.21
1,986
1999年10月末日に終了した会計年度
721,012
70,847
22.21
2,182
2000年10月末日に終了した会計年度
831,904
81,743
22.36
2,197
2001年10月末日に終了した会計年度
627,493
61,657
17.08
1,678
2002年10月末日に終了した会計年度
545,234
53,575
15.97
1,569
2003年10月末日に終了した会計年度
605,188
59,466
18.74
1,841
2004年10月末日に終了した会計年度
639,575
62,845
21.80
2,142
2005年10月末日に終了した会計年度
662,910
65,138
24.36
2,394
2006年10月末日に終了した会計年度
762,046
74,879
28.80
2,830
2007年10月末日に終了した会計年度
772,168
75,873
29.43
2,892
2008年10月末日に終了した会計年度
410,403
40,326
17.02
1,672
2009年2月27日に終了した会計年度
305,914
30,059
12.46
1,224
2008年11月末日
374,257
36,774
15.83
1,555
12月末日
387,895
38,115
15.39
1,512
2009年1月末日
346,244
34,022
13.86
1,362
2月27日
305,914
30,059
12.46
1,224
クラスJ証券の運用は1999年7月9日から開始された。
- 21 -
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②
分配金
(イ)分配方針
ファンドは、少なくとも毎年1回、受益者にファンドの純利益(キャピタル・ゲインを含む。)の大
部分を支払う。
(ロ)分配の推移(クラスJ受益証券)
1口当たりの配当額(ドル)
支払日
1999年10月末日に終了した会計年度
該当なし
該当なし
2000年10月末日に終了した会計年度
1.98(約194円)
1999年12月17日
2001年10月末日に終了した会計年度
1.42(約139円)
2000年12月18日
2002年10月末日に終了した会計年度
該当なし
該当なし
2003年10月末日に終了した会計年度
該当なし
該当なし
2004年10月末日に終了した会計年度
該当なし
該当なし
2005年10月末日に終了した会計年度
該当なし
該当なし
2006年10月末日に終了した会計年度
1.17(約115円)
2005年12月15日
2007年10月末日に終了した会計年度
3.70(約364円)
2006年12月14日
2008年10月末日に終了した会計年度
3.19(約313円)
2007年12月13日
2009年2月27日に終了した会計年度
1.20(約118円)
2008年12月16日
③
収益率の推移(クラスJ受益証券)
収益率(%)
1999年会計年度(注1)
-1.55
2000年会計年度
9.55
2001年会計年度
-18.29
2002年会計年度
-6.50
2003年会計年度
17.35
2004年会計年度
13.75
2005年会計年度
11.74
2006年会計年度
23.88
2007年会計年度
16.57
2008年会計年度
-34.98
2009年会計年度
該当なし
(注1)クラスJ受益証券の設定日(1999年7月9日)から1999年10月31日までの期間。
(注2)収益率(%)=100x(a-b)/b
a=会計年度末の1口当たりの純資産価格(当該会計年度の分配金の合計額を加えた額)
(注)上記分配金は再投資されたものとして計算されている。
b=当該会計年度の直前の会計年度末の1口当たりの純資産価格(分配落の額。)
- 22 -
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(4)販売及び買戻しの実績
(クラスJ受益証券)
販売口数
買戻口数
発行済口数
1999年10月末日終了の会計年度
32,609
(32,609)
0
(0)
32,609
(32,609)
2000年10月末日終了の会計年度
966,052
(966,052)
80,257
(80,257)
918,404
(918,404)
2001年10月末日終了の会計年度
198,769
(198,769)
212,899
(212,899)
904,274
(904,274)
2002年10月末日終了の会計年度
321,433
(321,433)
147,882
(147,882)
1,077,825
(1,077,825)
2003年10月末日終了の会計年度
490,824
(490,824)
250,572
(250,572)
1,318,077
(1,318,077)
2004年10月末日終了の会計年度
760,073
(760,073)
1,014,626
(1,014,626)
1,063,524
(1,063,524)
2005年10月末日終了の会計年度
214,359
(214,359)
492,373
(492,373)
785,510
(785,510)
2006年10月末日終了の会計年度
406,916
(406,916)
469,057
(469,057)
723,369
(723,369)
2007年10月末日終了の会計年度
103,421
(103,421)
355,680
(355,680)
471,110
(471,110)
2008年10月末日終了の会計年度
320
(320)
89,229
(89,229)
382,201
(382,201)
2009年2月27日終了の会計年度
771
(771)
95,905
(95,905)
287,067
(287,067)
(注)(
)の数は本邦内における販売、買戻しおよび発行済口数である。
- 23 -
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3.ファンドの現況
純資産額計算書
(2009年2月27日現在)
ドル
千円(Ⅴを除く)
Ⅰ
資産総額
306,679,353
30,134,313
Ⅱ
負債総額
765,273
75,196
Ⅲ
純資産総額(Ⅰ-Ⅱ)
305,914,080
30,059,118
クラスA
194,715,273
19,132,723
クラスB
25,793,505
2,534,470
クラスC
19,690,055
1,934,745
クラスI
39,527,716
3,883,993
クラスJ
3,578,201
351,594
クラスR1
2,561,758
251,718
クラスR2
13,210,643
1,298,078
クラスR3
6,408,453
629,695
クラスR4
428,476
42,102
Ⅳ
Ⅴ
発行済口数
1口当たり純資産価格(Ⅲ/Ⅳ)
総口数
22,926,525口
クラスA
14,416,670口
クラスB
2,034,047口
クラスC
1,604,915口
クラスI
2,867,408口
クラスJ
287,067口
クラスR1
205,882口
クラスR2
1,001,995口
クラスR3
476,862口
クラスR4
31,679口
クラスA
13.51
1,327円
クラスB
12.68
1,246円
クラスC
12.27
1,206円
クラスI
13.79
1,355円
クラスJ
12.46
1,224円
クラスR1
12.44
1,222円
クラスR2
13.18
1,295円
クラスR3
13.44
1,321円
クラスR4
13.53
1,329円
- 24 -
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4 ファンドの経理状況
財務諸表
a. ファンドの2008年11月1月から2009年2月28日までの期間に関する財務書類は、「特定有価証券
の内容等の開示に関する内閣府令」に基づき、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規
則」第127条第5項ただし書の規定の適用によるものである。
b.
ファンドの原文の財務書類は、ファンドの本国における独立登録会計事務所であるアーンスト・
アンド・ヤング LLPの監査を受けていない。
c.
ファンドの原文の財務書類は、ファンドが設定され運営されている国の通貨である米ドルで表示
されている。日本文の財務書類には、主要な金額について円貨換算が併記されている。日本円によ
る金額は、2009年3月31日現在における株式会社みずほ銀行の対顧客電信売買相場の仲値(1米ド
ル=98.26円)で換算されている。なお、千円未満の金額は四捨五入されている。当該円貨換算は、
米ドル貨が上記レートまたはその他のレートで換算され得ることが保証されると解釈されるもので
はない。当該円貨換算は監査の対象ではない。
- 25 -
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MFSグローバル・エクイティ・ファンド
資産・負債計算書
2009 年 2 月 28 日現在
(米ドル)
(千円)
資産
投資有価証券、時価
305,019,308.01
29,971,197
(取得価額 440,724,553.69 ドル)
現金預金
(368,189.15)
(36,178)
保有外貨 (取得価額 271,701.64 ドル)
268,494.56
26,382
未収配当金
859,270.04
84,432
ファンド証券売却未収金
364,469.58
35,813
29,620.22
2,910
499,956.36
49,126
未収収益
返還請求未収金
その他の資産
資産合計
6,423.31
631
306,679,352.93
30,134,313
負債
ファンド証券買戻未払金
287,246.33
28,225
未払費用
448,406.38
44,060
111,243.16
10,931
うち管理運用報酬
22,872.02
2,247
うち法務報酬
(9,731.09)
(956)
うち監査報酬
5,785.91
569
うち独立受託者報酬
3,866.20
380
うち販売およびサービス報酬
3,477.63
342
うち保管報酬
うち管理事務サービス報酬
561.41
55
うち印刷費
15,580.43
1,531
その他の未払金
29,620.22
2,910
765,272.93
75,196
305,914,080.00
30,059,118
負債合計
純資産
発行済受益権証券数
22,926,524.781 口
1口当たり純資産価格
13.34 ドル
- 26 -
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MFSグローバル・エクイティ・ファンド
運用計算書
2008 年 11 月 1 日から 2009 年 2 月 28 日までの期間
(米ドル)
(千円)
純投資収益:
収益-
配当金
2,399,673.61
利息
貸付証券収益
その他
外国源泉税
92.22
9
46,432.06
4,562
1.58
0
(109,346.24)
投資収益合計
235,792
(10,744)
2,336,853.23
229,619
1,075,788.34
105,707
169,427.42
16,648
28,156.56
2,767
6,660.04
654
保管報酬
62,822.56
6,173
監査報酬
16,918.52
1,662
法務報酬
6,233.96
613
費用-
管理運用報酬
販売およびサービス報酬
管理事務サービス報酬
独立受託者報酬
印刷費
18,034.80
1,772
その他
700,652.82
68,846
2,084,695.02
204,842
252,158.21
24,777
費用合計
純投資収益
実現/未実現(損)益:
実現(損)益(取得原価基準)-
投資取引
(6,918,371.71)
(679,799)
外貨取引
(33,432.37)
(3,285)
(6,951,804.08)
(683,084)
(135,705,245.68)
(13,334,397)
投資および外貨取引に係る実現純(損)益
未実現増(減)価の変動-
投資
外貨建資産・負債の換算
(34,675.66)
(3,407)
投資および外貨換算に係る未実現純(損)益
(135,739,921.34)
(13,337,805)
投資および外貨に係る実現/未実現純(損)益
(142,691,725.42)
(14,020,889)
(142,439,567.21)
(13,996,112)
運用による純資産の増(減)
- 27 -
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5 ファンドの投資信託財産運用総括表
投資信託当初払込日(注)
1999年7月6日
投資信託契約終了日
2009年2月27日
投資信託契約終了時の状況
信託期間
区
分
受益権口数
元
本
額
投資信託当初払込時
投資信託契約終了時
差引増減
資産総額
306,679,353ドル
負債総額
765,273ドル
32,609口(注)
287,067口
254,458口
純資産総額
305,914,080ドル
721,012,000ドル(注)
305,914,080ドル
△415,097,920ドル
受益権口数
287,067口
1口当たり償還金
12.46ドル
(注)クラスJ受益証券の運用は、ファンドの運用が開始された1993年6月以後の1999年7月9日から開始されたた
め、最初の会計年度の末日である1999年10月末日の数値を示している。
- 28 -
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