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第21回
航 空 輸 送 技 術 講 演 会
要
約
2015年1月30日
集
(金 )
公 益 財 団 法 人 航 空 輸 送 技 術 研 究 セ ンタ ー
第 21 回 航空輸送技術講演会
-
航空安全の取組みの最新動向
-
公益財団法人 航空輸送技術研究センターでは、航空輸送における運航・整備技術の調査・研究や安全
思想の普及啓発を通じて、安全かつ効率的な航空輸送の発展を図るための活動を行っています。
この度、航空の各分野で御活躍されている方々を講師としてお招きし、下記のとおり講演会を開催いた
します。皆様のご参加をお待ちしております。
日
時: 平成 27 年 1 月 30 日(金)
13:30~17:10 (開場 13:00)
会
場: ソラシティ カンファレンスセンター ソラシティホール
東京都千代田区神田駿河台 4-6(JR 御茶ノ水駅、東京メトロ新御茶ノ水駅そば)
主
催: 公益財団法人 航空輸送技術研究センター
後
援: 国土交通省航空局
定
員:
200 名様(参加費無料)ホームページ http://www.atec.or.jp からお申し込み下さい。
プ
ロ
グ
ラ
ム
13:30 開会の辞 (公財)航空輸送技術研究センター理事長 村田 芳彦
13:35 来賓挨拶 国土交通省航空局安全部長
13:45
講演
島村 淳 氏
『国際民間航空機関(ICAO)の組織と政策決定の仕組み』
国土交通省航空局交通管制部運用課長 甲田 俊博 氏
(前 ICAO 日本政府代表部常駐代表)
14:30
講演
『VOICES(航空安全情報自発報告制度)と世界の自発報告制度の動向』
(公財)航空輸送技術研究センター技術部部長/VOICES 運営事務局
(休
15:30
講演
上田 裕久
憩)
『コンピテンシーベーストによるパイロット訓練審査の導入(JAL CB-CT)』
日本航空(株)運航本部運航訓練審査企画部基準室室長補佐 767 機長 片桐 潔志 氏
16:15
講演
『無人ヘリコプターの運用と活用事例』
ヤマハ発動機(株)事業開発本部 UMS 事業推進部開発部長 坂本 修 氏
17:00 閉会の辞 (公財)航空輸送技術研究センター専務理事 宮下 徹
<お問い合わせ先> 公益財団法人 航空輸送技術研究センター
東京都港区三田 1-3-39
TEL03-5476-5461
FAX03-5476-8578
ホームページ http://www.atec.or.jp
第21回 航空輸送技術講演会
国際民間航空機関(ICAO)の
組織と政策決定の仕組み
平成27年1月30日
甲田
俊博
現職:国土交通省 航空局 交通管制部 運用課長
前職:在カナダ大使館 参事官 モントリオール駐在
ICAO日本国政府代表部 常駐代表
ICAO理事会 日本国政府代表
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
目 次
ICAO について
 ICAOについて
ICAO の組織







ICAOの組織
総 会 (Assembly)
理事会 (Council)
理事会 常設委員会
航空委員会
専門部会 (パネル等)
ICAO事務局
ICAO の予算
 ICAO通常予算と締約国分担金
ICAO の業務活動
 ICAOにおける業務活動例 (無人機の検討経緯)
1
ICAOについて
 1944年の国際民間航空条約(シカゴ条約)に基づき設立された国連の専門機関
の一つ。
 国際民間航空が安全に且つ整然と発達するように、また、国際航空運送業務が
機会均等主義に基づいて確立されて健全且つ経済的に運用される」(条約前文)
ことを目的とし、技術的・法律的・経済的問題等に関する各種活動を実施。
 現在の加盟国 191か国 (我が国は1953年10月に加盟)
• この条約は、26国がこれを批准し、又はこれに加入したときは、26番目の文書の寄託の日
の後30日目にそれらの国の間で効力を生じる。(条約第91条)
• この条約は、連合国及びこれらと連合している国並びに今次世界戦争の間中立であった
国の加入のために開放される。(条約第92条)
• 条約第91条及び第92条に規定する国以外の国は、世界の諸国が平和を維持するために
設立する一般的な国際機構の承認を得ることを条件として、総会の5分の4の投票により、
且つ、総会が定める条件で、この条約に加入することを承認される。但し、各場合におい
て、承認を求める国によって今次戦争の間に侵略され、又は攻撃された国の同意を必要と
する。(条約第93条)
2
ICAOについて(つづき)
本部は、カナダ国 ケベック州 モントリオール市
• 条約第45条(恒久的所在地)
この機関の恒久的所在地は、1944年12月7日にシカゴで署名された国際民間航空中間協定によって
設立された臨時国際民間航空機関の中間総会の最終会合で決定される場所とする。その所在地は、
理事会の決定により一時的に他の場所に、また、総会の決定により一時的でなく他の場所に移すこと
ができる。その総会の決定は、総会が定める票数により行われるものとし、総会が定める票数は、締約
国の総数の5分の3未満であってはならない。
• 2013年4月、カタールによる本部移転提案 (カタール・ショック)(その後提案撤回)
7 地域事務所
(バンコク、メキシコ、リマ、パリ、カイロ、
ダカール、ナイロビ)
1 地域事務所支所
パリ
北京
カイロ
(北京)
• 航空の発展が著しく、管轄地域が広範囲なアジア
太平洋地域に2つ目の地域事務所を設立すること
を事務局長が提案したことが発端。
• バンコク事務所支所との位置づけで2013年6月
発足。
メキシコ
バンコク
リマ
ダカール
ナイロビ
3
ICAOの組織
総会 (Assembly)
• 191加盟国(Contracting States)
• 3年毎に開催
理事会 (Council)
• 36か国で構成(3年毎に総会で選挙により選出)される
常設機関。 各国は代表者(政府代表部)を置く。
• 理事会議長(President of the Council)がとりしきる。
理事会 常設委員会
(Council Committees)
航空委員会
(Air Navigation Commission)
事務局
(Secretariat)
• 36 理事国代表が分担して所属
• 航空専門家 19 委員
(Commissioner)から成る。
・ 事務局長(Secretary General)がとりしきる。
4
総会 (Assembly)
 少なくとも 3年に1回 会合 (条約第48条)
第 38 回総会 : 2013 年 9 月 24 日 ~ 10 月 4 日 (モントリオール)
第 39 回総会 : 2016 年 秋
 総会の権限及び任務
(同第49条)
• 理事会 (Council) に代表者を出す締約国を 選挙 すること
• 3 か年 予算 を表決すること
• ICAO の任意の遂行に必要な又は望ましい権限を 理事会に委任 すること
5
理事会 (Council)
理事会は、総会に対して責任を負う常設機関とする。 理事会は、総会が選挙する36 の締約国から
なる。(条約第50条)
現在のICAO理事国
アジア太平洋
(7)
ラテンアメリカ
(8)
中東
(4)
アフリカ
(6)
欧州
(8)
その他
(3)
Part Ⅰ (11)
オーストラリア、 中国、 日本
Part Ⅱ (12)
インド、 シンガポール
Part Ⅲ (13)
韓国、 マレーシア
ブラジル
アルゼンチン、 メキシコ、
ベネズエラ*
エジプト、 サウジアラビア
ボリビア*、 チリ*、 ドミニカ(共)*、
ニカラグア*
リビア*、 UAE
ナイジェリア、 南アフリカ
カメルーン*、 ブルキナファソ*、
ケニア*、 タンザニア*
ポーランド*
フランス、 ドイツ、 イタリア、
英国
カナダ、 ロシア、 米国
ノルウェー*、 ポルトガル*、
スペイン
PartⅠ:航空運送において最も重要な国
PartⅡ:国際民間航空のための施設の設置に最大の貢献をする国
PartⅢ:その国を指名すれば世界の全ての主要な地理的地域が理事会に確実に代表されることと成る国
我が国は、1956年にPartⅡ理事国として初めて選出、1968年にPartⅠ理事国に昇格。
理事国数が36か国となった2003年以来22か国(最近では23か国)は固定。その他の国(*)は3年毎又
は6年毎に入れ替わる。これは各地域グループにおいて、複数の国でローテーション・グループを形成し
て順番に理事国となるよう、選挙対策を行っていることによる。 (アジア太平洋地域ではそのようなシス 6
テムはない。)
理事会 (Council) (つづき)
 理事会は、その議長を 3年の任期で選挙する。(条約第51条)
 ICAO 70年の歴史で、理事会議長はわずかに 5人。
Edwad Warner
Walter Binaghi
Assad Kotaite
(U.S.A.)
1947-1957
(Argentina)
1957-1976
(Lebanon)
1976-2006
Roberto Kobeh
Gonzalez
(Mexico)
2006-2013
 任期途中で退任したKotaite議長を引き継いだKobeh議長が、正式就任時に「理事会議長
の任期を2期まで」とする規則を提案し、理事会において承認。
7
理事会 (Council) (つづき)
現 ICAO 理事会議長 (第5代)
Dr. Olumuyiwa Benard Aliu (2014 ~ )
氏 名: オルムイワ ・ ベナード ・ アリウ (1960年4月13日生、54歳)
国 籍: ナイジェリア
家 族: 妻、子(3人)
言 語: 英語、ロシア語、(基礎的な)フランス語
学 歴:
1983年 航空工学修士
(ウクライナ、キエフ民間航空技術大学)
1987年 テクニカル・サイエンス博士 (ウクライナ、キエフ民間航空技術大学)
2009年 航空宇宙法修了
(カナダ、マギル大学)
職 歴:
1987年~1988年 ナショナル・オイル&ケミカル・マーケティング・ カンパニー経営情報アナリスト
1988年~1989年 ナイジェリア航空省 航空機検査官
1990年~1991年 ナイジェリア連邦民間航空局(FCAA)商業部門
1991年~1995年 ナイジェリア連邦民間航空局(FCAA)航空輸送部門
1996年~1998年 ナイジェリア航空省 首席航空機検査官
1998年~1999年 ナイジェリア航空省 大臣アドバイザー
2000年~2004年 ナイジェリア民間航空局(NCAA)航空運送規制担当課長
2005年~2013年 国際民間航空機関(ICAO)理事会 ナイジェリア代表
2014年~
現職(現在1期目:2016年12月31日まで)
8
理事会 (Council) (つづき)
 総会から委任された事項を審議し、
3年後の次期総会あてに報告。
 理事会は、1年に 3会期 開催
(1~3月、4~6月、9~11月)
各会期には通算のナンバリングが付されている。
 各会期の
前半(3週間)は常設委員会審議、
休会(3週間)を経て、
後半(3週間)は理事会審議。
 理事会審議は原則
月曜日午後
水曜日午前
金曜日午前
第38回総会
(2013年9~10月)
第 2 0 0 会 期 理 事 会 ( 2 0 1 3 年 1 0 ~ 11 月 )
第201 会期 理事 会 ( 2014 年 1 ~ 3 月)
第202会期理事会(2014年 4~ 6月)
第 2 0 3 会 期 理 事 会 ( 2 0 1 4 年 9 ~ 11 月 )
~
第208 会期 理事 会 ( 2016 年 4 ~ 6 月)
第39回総会
(2016年9~10月)
 会議は公式 6か国言語による
同時通訳 で実施
(英、仏、西、露、アラビア、中)
9
理事会 常設委員会 (Council Committees)
航空運送委員会 (ATC:Air Transport Committee)
• 全36理事会代表が委員となっている唯一の委員会。
• 主に航空経済規制について議論。空港の出入国簡易化も議論の対象。
• 従来は環境問題(主に経済手法)も本委員会で審議を行っていたが、2014年からはEAG
(環境アドバイザリーグループ)という別途の議論グループが新規に設立。
財政委員会 (FIC:Finance Committee)
• 2014年9月の第203会期からメンバー国が3増えて20か国。
• ICAOの財政関係、財政に関する内部及び外部監査関係について議論。
• 特に、ICAO 3か年通常予算の予算規模及び加盟国分担金額はメイン・トピック。
不法妨害行為委員会 (UIC:Committee of Unlawful Interference)
• メンバーは20か国。
• 航空保安(Aviation Security: AVSEC)全般に関する問題を取り扱う。
• 各国の専門家から成る「航空保安パネル(AVSECP)」、その配下の複数のワーキング・
グループで議論が行われ、その議論結果が本UIC及び理事会で議論。
• 具体的には、第9附属書(航空保安)及び第17附属書(出入国簡易化)の改定、解説
ドキュメントの改定等が重要な議論対象。
10
理事会 常設委員会 (Council Committees) (つづき)
共同維持委員会(JSC:Committee on Joint Support to Air Navigation Services)
• メンバーは13か国。
• 北大西洋空域を通航する航空機の管制施設等使用料金、共同維持協定締結国の分担金
等をシカゴ条約第15条第3項の規定に基づき審査。
• 具体的にはデンマーク(グリーンランドを管理)及びアイスランド航空当局との共同維持協定
に基づく議論になるので、メンバー国は同協定の締結国。
技術協力委員会(TCC:Technical Cooperation Committee)
• メンバーは20か国。
• 途上国への 技術支援 (support) 、技術援助 (assistance) に関する問題を取扱う。
• 最近、地球規模での航空安全・航空保安の向上の観点から、途上国支援・援助はICAOに
とっても大きな課題の1つ。
人材資源委員会(HRC:Human Resources Committee)
• メンバーは12か国。
• 総務、人事、ICAOの補助的歳入創出活動等に関する問題を取扱う。
11
理事会 常設委員会 (Council Committees) (つづき)
ホスト国関連協議委員会(RHCC:Relations with Host Country Committee)
• メンバーは8か国。
• 特に途上国理事国が中心となって、現ホスト国カナダに対する外交団への待遇改善問題を
話し合う委員会の設置を提案。
• 2013年6月の理事会で設置が決定。同年11月の理事会から審議開始。
• ビザ問題、医療保険問題、家族の教育・労働問題等、様々な事項について議論。
管理・効率化ワーキング・グループ
(WGGE:Working Group on Governance and Efficiency)
• メンバーは11か国。
• 2008年3月の理事会において、理事会議長から本WGの前身であ
る2つのWG(管理WG及び効率化WG)の創設が提案され、ICAO
の運営やICAO作業の効率化に係る様々な案件について議論を
行っていくことに同意。
• 2012年2月の理事会において、両WGの統合が決議され、現在の
WGGEとなった。
• 最近では、理事会議長や各理事会メンバーからの要請に基づき、
様々な問題をWGGEで議論するようになってきている。
12
航空委員会 (Air Navigation Commission)
 航空委員会は、締約国が指名する者 の中から 理事会が任命する 19人の委員からなる。
(条約第56条)
総会後の最初の理事会において選挙で選出され、任期は 3年。
我が国は1964年に初めて選出されて以来 (1972~1975年を除き) 継続して委員を輩出。
 現在の航空委員 (Air Navigation Commissioner)(2014. 1. 1 ~)
アジア太平洋
ラテンアメリカ
中東
アフリカ
欧州
その他
(5) :
(2) :
(1) :
(2) :
(6) :
(3) :
オーストラリア、中国、日本、韓国、シンガポール
アルゼンチン、ブラジル
サウジアラビア
ガーナ、ニジェール
フランス、ドイツ、アイスランド(*)、アイルランド(*)、スペイン、英国
カナダ、ロシア、米国
(*) : ローテーション・グループ代表
 航空委員会は、次のことを行わなければならない。(条約第57条)
(a)この条約の附属書の修正を審議し、及びその採択を理事会に勧告すること。
(第9附属書(航空保安)と第17条附属書(出入国簡易化)を除く)
(b)望ましいと認める場合には、いかなる締約国も代表者を出すことが出来る専門部会を
設置すること。
13
専門部会 (パネル等)
(注: 交通管制部関係のみを記載)
航空委員会(年3会期)
ATM関係
飛行場関係
飛行場パネル(AP)
【灯電室】
飛行場の設計・運用基準
〈グ
ロ
ー
バ
ル
〉
ATM運用パネル
(ATMOPSP)
【管制課】
ATMの運用方法
灯火・標識作業部会
(VAWG)
【灯電室】
飛行方式パネル
(IFPP)
【空域室】
飛行場運用作業部会
(AOSWG)
【安全部】
飛行方式の設計基準
摩擦タスクフォース
(FTF)
【安全部】
(注)ICAOにおいてパネル再編中
後方乱気流
検討グループ(WTSG)
【管制課】
航空機型式毎の
管制間隔の短縮
ATM要件・能力
検討パネル(ATMRPP)
【管制課・(運用課)】
管制運用データリンクパネル(OPLINKP)
【交企課】
データリンク技術要件と運用方式
ATMの新たな要件
管制間隔・空域
安全性検討パネル
(SASP)
【管制課】
管制間隔と空域の安
全性検証
地域監視機関調整
グループ(RMACG)
【空域室】
CNS関係
(C)
無人航空機検討グループ(UASSG)
【安全部・(交企課・管制課)】
航空通信パネル
(ACP)
【CNS室】
航空航法パネル
(NSP)
【CNS室・飛行検査官】
航空監視パネル
(ASP)
【CNS室】
次世代の
通信技術
次世代の
航法技術
次世代の
監視技術
無人機の管制運用と通信方式
航空情報管理
検討グループ
(AIS-AIM SG)
【運用課】
航空情報の高度化
情報管理パネル
(IMP)
【運用課】
将来の情報共有
(S)
(N)
欧米主催会議等
国際SBAS関係者会議
(SBAS IWG)
【CNS室】
SBASの開発評価・
技術情報交換
国際GBAS関係者会議
(IGWG)
【CNS室】
GBASの開発評価・
技術情報交換
航空局長会議(DGCA)
アジア太平洋地域航空計画実施グループ会議(APANPIRG)(年1回開催)
空域安全監視諮問
グループ(RASMAG)
【空域室】
空域の安全性評価
〈地
域
〉
飛行場運用作業部会
(AOP WG)
【安全部】
飛行場運用・設備の
課題解決
RASMAGの作業部会
【空域室】
評価手法
CNSサブグループ
【国際室・(CNS室・運用課)】
地域のCNS計画実行
ATMサブグループ
【国際室・(管制課・運用課)】
地域のATM高度化
ADS-B導入検討TF(ADS-B SITF)
【CNS室】
地域内のADS-B導入
ATFM 検討グループ(ATFM SG)
【交企課・管制課】
地域の航空交通流管理の構築
航空情報管理TF(AAITF)
【運用課】
地域の航空情報向上
捜索救難TF(APSAR)
【運用課】
地域の捜索救難体制強化
北アジア地域ATFM 調
整グループ(NARAHG)
【交企課・管制課】
北アジア(日中韓)の航
空交通流管理の構築
※北京支所取組
航空通信業務導入調整(ACSICG)
【運用課】
地域内の次世代通信サービス導入
共通通信ネットワーク導入検討TF(CRV TF)
【運用課】
地域の次世代通信ネットワーク技術
14
ICAO事務局 (Secretariat)
ICAO事務局の人員
(2014年1月1日現在)
772名(専門職 411名,一般職 361名)
総 数
(内訳)
通常予算職員
任意拠出金職員
出向職員
666名 (専門職 310名,一般職 356名)
72名 (専門職 72名,一般職 0名)
34名 (専門職 29名,一般職 5名)
(地域事務所)
事務局長
Secretary
General
事務局長室 (Office of the Secretary General)
Bangkok Beijing
評価・監査室 (Evaluation & Internal Audit Office)
Nairobi
財政部 (Finance Branch)
Paris
総務局 (Bureau of Administration & Services)
法律・渉外局
(Legal Affairs & External Relations Bureau)
航空技術局 (Air Navigation Bureau)
航空運送局 (Air Transport Bureau)
Cairo
Mexico
Lima
Dakar
技術協力局 (Technical Cooperation Bureau)
現在の邦人職員数は 8名
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ICAO事務局 (Secretariat) (つづき)
現ICAO事務局長(第11代)
Mr. Raymond Benjamin (2009.8.1 – 2015.7.31)
氏 名: レイモンド・ベンジャミン
(1945年11月24日生、69歳)
国
家
言
学
職
籍:
族:
語:
歴:
歴:
フランス
妻、子(2人)
英語、フランス語
公法コース修士(パリ大学法経学部)、パリ政治学院修了
1976年~1977年 フランス航空局 人材資源部門
1977年~1982年 フランス航空局 航空交渉官
1982年~1983年 欧州民間航空会議(ECAC)航空輸送部門
1983年~1989年 欧州民間航空会議(ECAC)事務次官
1989年~1994年 国際民間航空機関(ICAO)航空保安部長
1994年~2007年 欧州民間航空会議(ECAC)事務総長
2008年~2009年 JAA訓練機関(JAA/TO)顧問、
欧州航空保安訓練協会(EASTI)顧問
2009年~
現職(現在2期目:2015年7月31日まで)
16
ICAO事務局 (Secretariat) (つづき)
 次期ICAO事務局長選挙
• 2015年 1月15日 締約国による立候補者ノミネート締切
• 2015年 2 ~ 3月 第204会期理事会で選挙により選出
• 2015年 8月 1日 就任 (任期3年間)
 立候補者
Mr. John McCormick
(Australia)
前豪民間航空安全庁長官
Dr. Fang Liu
(China)
ICAO総務局長
Miss Aysha Alhameli
(United Arab Emirates) ICAO理事会UAE代表
Mr. Prashant Narain Sukul (India)
ICAO理事会インド代表
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ICAO通常予算 と 締約国分担金
ICAO 通常予算
 2014-2016年 3か年通常予算総額 286.54 百万CAD
 2014年 通常予算 総額
締約国 分担額
その他収入
92.75 百万CAD
86.12 百万CAD
6.63 百万CAD
 通常予算の約 70% は、職員の人件費 ・ 関連諸費
 通常予算の約 12% は、言語サービス経費 (会議通訳 ・ 資料翻訳)
分担率の算出方法
分担率=
我が国の国民総所得
全締約国の国民総所得合計
×75%+
我が国の国際線輸送量×3
+
我が国の国内線輸送量
全締約国の国際線輸送量合計×3 + 全締約国の国内線輸送量合計
×25%
最高分担率は25%、最低分担率は0.06%で それぞれ足切り。
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ICAO通常予算 と 締約国分担金 (つづき)
各締約国の分担率
米国
日本
ドイツ
中国
英国
フランス
イタリア
カナダ
スペイン
ブラジル
ロシア
韓国
豪州
オランダ
2008年
25.00%
12.16%
7.08%
2.42%
5.94%
5.17%
3.71%
2.48%
2.38%
0.92%
0.73%
2.45%
1.77%
1.96%
2009年
25.00%
11.75%
6.85%
3.67%
5.74%
5.00%
3.59%
2.39%
2.30%
0.89%
0.79%
2.37%
1.71%
1.90%
2010年
25.00%
11.75%
6.85%
3.67%
5.74%
5.00%
3.59%
2.39%
2.30%
0.89%
0.79%
2.37%
1.71%
1.90%
2011年
25.00%
9.08%
6.56%
4.08%
5.68%
4.92%
3.52%
2.55%
2.47%
1.33%
1.46%
2.41%
1.72%
1.85%
2012年
25.00%
9.08%
6.56%
4.08%
5.68%
4.92%
3.52%
2.55%
2.47%
1.33%
1.46%
2.41%
1.72%
1.85%
2013年
25.00%
9.08%
6.56%
4.08%
5.68%
4.92%
3.52%
2.55%
2.47%
1.33%
1.46%
2.41%
1.72%
1.85%
2014年
22.07%
8.07%
6.06%
5.83%
4.77%
4.59%
3.22%
2.58%
2.47%
2.31%
2.21%
2.18%
1.83%
1.60%
 上位6か国で50%以上を拠出
 下位約130か国は最低分担率の 0.06% をそれぞれ拠出
 我が国の分担率は、米国に次ぐ第2位だが、近年大きく減少
19
ICAOにおける業務活動例 (無人機の検討経緯)
2007年4月 無人機スタディグループの設置
(UASSG:Unmanned Aircraft Systems Study Group)
無人機の開発進展、欧米における民間分野での運用(災害監視、気象観測、情報収集
等)への期待等から関係国等はICAOに対して規則制定を要請。
2008年4月
UASSGの活動開始
欧米を中心とする17カ国、関係団体が参加し、ICAO標準規則の制定に向けての検討を
開始。(我が国は不参加)
 2012年3月までに計8回の会合を開催。
2012年3月
第195会期理事会におけるシカゴ条約第2附属書(航空規則)への
無人機関連一般規則の制定
無人機に関して、「①運航の一般規則、②証明書の取得義務、③飛行領域国への許可申
請手続」の一般規則を第2附属書に制定。
ただし、航空従事者(第1附属書)、運航(第6附属書)、耐空性(第8附属書)等の具体的
規則は未制定の段階で、一般規則のみを制定する極めて例外的な取扱い。
(背景として、具体的規則の検討進展を促したいUASSGの強い意向)
20
ICAOにおける業務活動例 (無人機の検討経緯) (つづき)
我が国は「具体的規則が未制定の段階では、締約国により成されたいかなる証明も自動的にICAO
標準を満足するものとは見なされるべきではない」旨、「自国領域における無人機の飛行許可はあく
まで当該国の権限であることはシカゴ条約第8条により保証されている」旨の確認を求めるとともに、
その旨を第2附属書に“Note”として注記することを主張し、理事会の承認を得た。
2012年4月
UASSGへの我が国の参加
上記経緯にかんがみ、我が国としてもUASSGの活動に積極的に参画することを決定。2012年4月
の第9回会合から2014年6月の第15回会合(最終回)まで毎回多数の航空局職員、宇宙航空研究開
発機構(JAXA)、電子航法研究所(ENRI) 専門家が参加し、活動に貢献。
2014年5月
遠隔操縦航空機システムパネルの設置
(RPAS:Remotely Piloted Aircraft Systems)
ICAOとしてRPASの具体的規則の制定に向けて、検討体制を 公式化するため、UASSGをパネル
へ格上げ。
第1回会合を2014年11月に開催。
2018年までに各附属書への具体的規則の制定(理事会採択)を目指す。
21
(最後に) ICAO日本国政府代表部
•
•
•
•
参 事 官
一等書記官
一等書記官
専門調査員
(常駐代表 ・ 理事会代表)
(航空委員会委員)
(官房・会計担当)
(民間から派遣)
• 現地職員3名
(秘書、総務事務等)
合計 7名体制
22
1
VOICES(航空安全情報自発報告制度)と
世界の自発報告制度の動向
(公財)航空輸送技術研究センター
O C S運営事務局
VOICES運営事務局
上田 裕久
航空安全情報
自発報告制度
-VOICES
VOICES-VOluntaryy
Information Contributory to y
Enhancement of the Safetyy
2
目次
• 航空安全情報報告制度
– 自発報告制度
• VOICESの概要
– 目的および基本原則
– データ処理プロセスの概要
デ タ処理プロセスの概要
• VOICES の現状
• 世界の自発報告制度の動向
- 米国、英国、カナダ、オーストラリア、その他
3
航空安全情報の報告制度
義務的安全報告
機長の報告義務
事業者社の報告義務
自発的安全報告
VOICES
4
{
{
{
事故
重大
インシデント
安全上のトラブル
ヒヤリハット
CHIRP
航空安全情報報告件数
 事故
 重大
インシデント
■
安全上の
トラブル
■
ASI NET
ASI‐NET
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
23
17
19
12
14
18
11
12
5
11
12
6
10
8
730
856
884
865
976
991
850
71
94
119
110
110
114
111
事故
重大インシデント
安全上のトラブル
ASI‐NET
報告件数の割合 (2007‐2013
(
)
5
自発報告制度 変遷
自発報告制度の変遷
各分野 おけ 自発報告制度
各分野における自発報告制度
航空安全プログラム
1970年
運航者分野
航空保安業務
分野
2000年
2014年
1999年
ASI-NET
1977年
安全報告制度
2014年
年
VOICES
2004年
小型機
2003年
新安全
報告制度
2008年
安全管理システム制度
空港運用者
分野
7
ASI NET とは?(1/2)
ASI-NET
• 航空安全情報ネットワーク(ASI‐NET)
航空安全情報ネ
– ASI‐NET: Aviation Safety Information Network
y
– 目的
• 事故や重大インシデントには至らなかったものの運航
の安全に影響を及ぼす可能性のあった事象(いわゆ
る ヤリ ット)の情報を、自発的な形で広く集め、そ
るヒヤリ・ハット)の情報を、自発的な形で広く集め、そ
の情報を関係者間で共有し、また、集めた情報を分
析・評価し関係者へ提言・要望等を行うことにより、航
空安全の向上に寄与する とである
空安全の向上に寄与することである。
8
ASI NET とは?(2/2)
ASI-NET
• 航空安全情報ネットワーク(ASI‐NET)
航空安全情報ネットワ ク(ASI NET)
– 参画組織
• 大型機ASI
大型機ASI‐NET:大型機を運航する事業者
NET:大型機を運航する事業者
• 小型機ASI‐NET:小型機を運航する事業者、メーカー、新聞
社、航空関連大学、日本航空機操縦士協会
– 情報提供者の保護
情報提供者 保護
• 報告内容の秘匿化
• 航空安全当局は直接的に関与しない
• 当該情報により行政処分を行うことはしない
しかしながら・・・・・
報告者は運航乗務員のみ
9
VOICES の概要
VOICES の概要
• 航空安全プログラムの
航空安全プログラムの一環として航空安全情報
環として航空安全情報
自発報告制度の運用を2014年7月10日から開始
• 本制度の略称が
本制度の略称が“VOICES”
VOICES
– VOluntary Information Contributory to Enhancement of the Safety
of the Safety • VOICES の目的
– 義務報告制度では捕捉しにくい、民間航空の安全に
関する情報を幅広く収集し、分析し、関係者と共有す
る とにより 航空事故その他の航空の安全運航に
ることにより、航空事故その他の航空の安全運航に
影響を及ぼす事態の予防的対策の実施に役立てる
こと
11
VOICES の基本原則(1/2)
本原則(
)
航空安全プログラム抜粋
1. 主たる報告者は、航空活動に自ら直接携わる
個人又は当該個人が所属する組織とする。
2. 主たる報告対象事象は、航空活動を行う中で、
自ら経験した 又は視認した 航空の安全上の
自ら経験した、又は視認した、航空の安全上の
支障を及ぼす可能性があったと思われる事象
とする。
とする
報告事項は、航空活動を行う中で、自らが、当事者である
か否かにかかわらず、その五感により直接確認した(他人
からの伝聞によるものは含まない)、航空の安全上の支障
を及ぼす可能性があったと思われる事象とする。
12
VOICES の基本原則(2/2)
本原則(
)
航空安全プログラム抜粋
3. 報告を受ける主体は、航空安全当局及び主た
る報告者以外の者(第三者機関) が行う。
4. 航空安全当局は、この制度において収集した
情報のうち 個人 会社名等が特定される情報
情報のうち、個人、会社名等が特定される情報
について、直接アクセスせず、運営主体に対し、
当該情報の提供を求めない また 仮に当該情
当該情報の提供を求めない。また、仮に当該情
報において違反があったことを知ったとしても、
当該情報を不利益処分等の根拠として使用し
ない。
13
VOICES の報告者
• 航空機の運航に関係する、又は航空機の運航
を直接的に支援する活動に自ら直接携わる個
人又は当該個人が所属する組織
– 航空従事者(操縦士、整備士等)、客室乗務員、運航管理者、
指定航空従事者養成施設及び認定事業場の業務実施者、航
空管制官等の航空保安業務実施者、航空保安施設の管理運
用に携わる者 空港施設・運用業務実施者 地上取扱業務実
用に携わる者、空港施設・運用業務実施者、地上取扱業務実
施者、及び航空機の設計製造に携わる者、
– 並びにこれらの者が所属する組織
14
VOICES 組織図
制度運営者
制度運営事務局
(分析担当者チーム)
管制・運航(大型機)
分析検討WG
分析委員会*
管制・運航(小型機)
分析検討WG
* 学識経験者を含む
空港・客室・航空機
分析検討WG
15
VOICES データ処理プロセスの概要
16
VOICESの報告方法(1/5)
• ATEC が管理するVOICESのポータルサイト
p
j
jp
http://www.jihatsu.jp/
• 航空安全情報自発サイト
https://asicss cab mlit go jp/voluntary/
https://asicss.cab.mlit.go.jp/voluntary/
• 電子メール [email protected]
• ファックス 03-6435-4727
• 電話(フリ
電話(フリーダイヤル)
ダイヤル) 0800
0800-8057-482
8057 482
• 郵送用の報告用紙
17
VOICESの報告方法(2/5)
•
ATEC が管理するVOICESのポータルサイト http://www.jihatsu.jp//
18
VOICESの報告方法(3/5)
•
航空安全情報自発サイト. https://asicss.cab.mlit.go.jp/voluntary/
•
航空局が設置し、システムの保守のみを実施する。航空安全情報
自発サイトの内部情報はATECのみが取り扱う。
19
VOICESの報告方法(4/5)
• 航空安全情報自発サイト https://asicss.cab.mlit.go.jp/voluntary/
20
VOICESの報告方法(5/5)
• 郵送用の報告用紙
•
•
•
•
•
•
•
① 客室業務用(コスモス色)
② 整備・地上取扱業務・認定事業場・その
他用(クリーム色)
③ 管制:航空管制・情報提供用(空色)
④ 管制:施設運用用(レモン色)
管制 施設運用用(レモン色)
⑤ 空港管理:空港事故につながる事態報
告用(もえぎ色)
⑥ 空港管理:施設不具合報告用(コスモ
ス色)
⑦ 操縦士・運航管理者用(レモン色)
21
航空活動関係者への情報提供
• 業務実施者間で共有す
べき重要な安全情報を
「
「FEEDBACK」として発行
と
発行
(VOICESホームページへ掲載)
– No.2014‐001
• 2014年12月25日発行
– No.2014‐002
• 2015年3月発行予定
22
VOICES の現状
VOICES ポータルサイトへのアクセス件数
タ
ク
件数
2014年7月10日以降
8000
7000
アクセス数の
順調な伸び
6000
5000
4000
3000
2000
1000
0
1
週
5
週
10
週
15
週
20
週
25
週
24
VOICES報告件数
2015年1月20日現在
総報告件数が
ASI‐NETより少ない
大型機
68%
小型機
13%
客室
5%
空港施設
3%
管制
7%
整備
5%
25
VOICES報告(個人/組織)比率
2015年1月20日現在
組織
80%
組織からの報告が
圧倒的
個人
15%
26
(1/2)
そのエクステンションベルト 使っても大丈夫??
そのエクステンションベルト、使っても大丈夫??
• 機内搭載のエクステンションベルト(シートベルトの延長ベルト)で
はなく、個人所有の認証されていないエクステンションベルトを旅
客自身が機内に持ち込み使用しようとした事例が 最近2ヶ月間で
客自身が機内に持ち込み使用しようとした事例が、最近2ヶ月間で
3件発見された。3件ともに客室乗務員による離陸前の安全性
チェック時に発見され、未然に是正することができた。なお、3件全
て外国人旅客による持込み事例であったが その内の1件の事例
て外国人旅客による持込み事例であったが、その内の1件の事例
については他航空会社のエクステンションベルトであった。イン
ターネットの海外サイトではエクステンションベルトを個人向けに販
売しているサイトも存在している。
☞ VOICESコメント
• 航空機への取り付けについて認証されていないエクステンション
ベルトは使用禁止であり 安全性の認証されているベルトが機内
ベルトは使用禁止であり、安全性の認証されているベルトが機内
に配備されていることを旅客に周知することも一つの予防的対策
と考えられます。
27
(2/2)
Pilotの操作に配慮を!
• 成田空港への進入時、通常通り、事前にATISを聴取しILS進入の準備を
実施。その後APCHとの交信と同時にATISと違うILS進入を指示された。指
示に従いFMS CDUを新たに指示されたILS進入に変更 その後STARを指
示に従いFMS CDUを新たに指示されたILS進入に変更。その後STARを指
示され、FMS CDUを変更しSTARに従い飛行したSTAR上のPointに近づいた
時、急遽別のPointへの指示。別のPointは指示されたSTAR上にはなく、別
のPointを確認し選定して向かった。その後、別の滑走路を指示され、新
たに指示された
たに指示されたPointに近づくと、Headingを指示され、Radar Vectorで新た
に近づくと
d を指示され
d
で新た
に指示された滑走路へのILS進入をCDUにSetして進入し着陸した。
☞ VOICESコメント
• この時の管制指示の頻繁な変更理由は不明です。状況によっては、航
時 管制指示 頻繁な変更理由は不明 す 状況によ
は 航
空機への配慮から経路変更が行われるかもしれませんが、その結果、
頻繁な経路変更等に伴うFMSへの入力行為による操縦士(PM)の
Headdownの機会が増え、重要な業務であるOutside watch や計器のモ
Headdownの機会が増え、重要な業務であるOutside watch や計器のモ
ニター業務に影響し、安全性の低下にもつながることも懸念されますの
で、可能な範囲でPilotの意向も確認し、空港周辺での変更指示は少なめ
にする配慮も大事です。
28
世界の自発報告制度の動向
諸外国安全報告制度
• 米国、英国、カナダ、オーストラリア、その他
– 事故/重大インシデント報告、航空機/部品の故障/
損傷など耐空性に関する報告事項では大きな相違
はない
– 運航関連事象では国ごとの特徴が認められる
30
運航関連事象における報告項目の区分
31
米国の自発報告制度(1/2)
• ASRS(Aviation Safety Reporting System)
– 1976年に設立
– National Aviation System
(NAS)に関する不備の確認、
(NAS)に関する不備の確認
改善の支援およびヒューマン
ファクターの研究の強化のた
め
– 研究機関(NASA)により運営
– 報告者は、運航乗務員、
管制官 整備士 客室乗務員
管制官、整備士、客室乗務員
– 一定の条件下で行政罰から
免責される(事故、犯罪行為
に関わる場合を除く)
32
米国の自発報告制度(2/2)
• ASAP(Aviation Safety • ATSAP(Air Traffic
Action Program)
– 1994年に設立、1997年運
用開始
– 事業者あるいは職域単位
で、事業者・従業員組織代
表
表・FAA が協力して実施す
が協
実施す
る制度
– 報告者は、運航乗務員、
報告者は 運航乗務員
客室乗務員、運航管理
者、整備士等
Safety Action Program)
– 2007年に発足
– 事業者あるいは職域単位
で、事業者・従業員組織代
表・FAA が協力して実施す
る制度
– 報告者は管制官
33
英国の自発報告制度
• CHIRP(Confidential Human Factors Incident (C fid ti l H
F t I id t
Reporting Program ) – 1982 年に米国のASRS を参
考にして導入
– 当初
当初、研究目的として王立空
研究目的として王立空
軍航空医学研究所で運営、
1996 年から公益法人CHIRP としてCAA 支出資金により運
としてCAA 支出資金により運
営
– 報告者は運航乗務員、管制
官、整備士、航空機製造関
係者、客室乗務員
34
カナダの自発報告制度
• SECURITAS
– 1995 年に発足
– 他の手段では把握しにくい不
安全行動、不安全な状態を
把握するため
– 事故調査委員会(CTSB)によ
り運用
– 報告対象者は
報告対象者は、運航乗務
運航乗務
員、管制官、ディスパッ
チャー,客室乗務員、整備
士 航空安全に関心のある
士、航空安全に関心のある
乗客等
35
オ ストラリアの自発報告制度
オーストラリアの自発報告制度
• REPCON(Report Confidentially)
(R
t C fid ti ll )
– 1988 年に発足し、その後一
時中断し、2007 年に再発足
– 事故調査委員会(ATSB)によ
り運用
– 報告者は航空事業関係者お
よび乗客等
36
その他各国の自発的安全報告制度
 14ヶ国の組織がInternational Confidential Aviation Safety Systems (ICASS)に加盟して活動
Aviation Safety Systems (ICASS)に加盟して活動
ICASS:国レベルで自発的安全報告制度を運用する機関に
よる任意団体であり定期的に会議を開催
 ドイツ(EUCARE)、ニュージーランド(ICARUS)は制度休止
ドイツ(
)、
ジ ランド(
)は制度休
 南アフリカは2013年から活動を再開
37
ICASS加盟組織 (2014年11月現在)
国名
報告制度名(開始年度)
運営機関
Australia
REPCON(1976)
ATSB
Brazil CFSR(1997)
Brazilian Air Force
Brazilian
Air Force'ss Aeronautical Accident Aeronautical Accident
Investigation and Prevention Center Canada
SECURITAS(1995)
TSB Chi
China
SCASS (2004)
SCASS (2004) Ci il A i ti U i
Civil Aviation University Of China
it Of Chi
France
REC(2000)
BEA
Japan
VOICES (2014)
ATEC
Korea KAIRS(2000)
Korea Transportation Safety Authority, Aviation Safety Center
Russia
VASRP(1992)
Institute of Aviation/Space Medicine
p
Singapore SINCAIR(2004)
AAIB
South Africa
CAHRS (2013)
SACAA
S i
Spain
SNS(2007)
SENASA
Taiwan TACARE (2000)
ASC
United Kingdom
CHIRP(1982)
CHIRP
United States
ASRS(1976)
NASA 38
Thank you for your attention.
39
無人ヘリコプターの運用と活用事例
2015年 1月30日
ヤマハ発動機㈱
1
本日のご説明内容
1.「産業用無人ヘリコプター」とは?
2. ヤマハの産業用無人ヘリコプター事業について
3. 農業分野における無人ヘリコプターの活用
4. 観測,測量分野における無人ヘリコプターの活用
2
1.「産業用無人ヘリコプター」とは?
2. ヤマハの産業用無人ヘリコプター事業について
3. 農業分野における無人ヘリコプターの活用
4. 観測,測量分野における無人ヘリコプターの活用
3
産業用無人ヘリコプターとは?
■用途は…
主に、水稲などの農作物
を対象に農薬や種もみ等
の散布に使用
■操縦資格は…
「(社)農林水産航空協会」
指定の教習を受講、
同協会発行の“産業用
無人ヘリコプター技能
認定証“が必要
「農業用途」
■動力は…
ガソリン燃料を
使ったエンジン
[RMAX]
2ストローク 246cc
[FAZER]
4ストローク 390cc
■積載可能重量は…
離陸総重量(150kg未満)
-機体重量
=積載可能薬剤重量
(16~24kg)
※航空機製造事業法適用外
4
産業用無人ヘリコプターとは?「農業以外」
■用途は…
主に、環境観測、測量、
映像撮影に使用
■動力は…
・ガソリンエンジン
・電動モーター
電動マルチローター
■機体認定操縦資格は…
「日本産業用無人航空機協会」
が安全基準を定め、機体及び
操縦技量を認定
⇒自主規制:任意
■積載可能重量は…
小型⇒数kg
中型⇒10~20kg
※大型⇒30~60kg
(総重量が150kgを超える場合、航
空機製造事業法の認可が必要) 5
産業用無人ヘリコプターの飛行領域
無人地帯(安全が確保可能な地域)の上空を飛行
飛
行
高
度
(
対
地
)
150m
有人機空域
無人ヘリコプタの飛行空域
航空法
有視界内
高高度飛行
有視界外飛行
5m
散布飛行
0m
0m
200m
飛行距離
6
1.「産業用無人ヘリコプター」とは?
2. ヤマハの産業用無人ヘリコプター事業について
3. 農業分野における無人ヘリコプターの活用
4. 観測,測量分野における無人ヘリコプターの活用
7
無人ヘリコプター開発モデルの変遷
西暦
1983年
開発の動き
モデル
農林水産省の外郭団体「一般社団法人農林水 RCASS
産航空協会」から産業用無人ヘリの開発委託 (研究開発機)
を受け、開発に着手。
・重量90kg
・ローター径2.6m
・空冷2サイクル250cc
・ペイロード 10kg
1987年
世界初の産業用無人ヘリ「R50」を開発し、 R50
限定モニター販売を開始。翌1988年より
・重量44kg
本格販売開始。
・ローター径3.07m
・水冷2サイクル100cc
・ペイロード 20kg
・生産数 1171機
1997年
新開発の姿勢制御システムを搭載し、基本性 RMAX
能を大幅に向上した新型機「RMAX」を発売。・重量65kg
・ローター径3.11m
・水冷2サイクル250cc
・ペイロード 30kg
・生産数 665機
2003年
GPSによる速度制御機能を付加し、一層の
操縦安定性を実現した「RMAX TypeⅡG」
を発売。
RMAX
TypeⅡG
・GPS装備
・速度連動散布装置
・生産数 約2800機
8
製品ラインナップ
モデル
FAZERTypeⅡG
(フェーザー)
RMAX
特徴・搭載機能
姿勢制御システム
オートクルーズ
とGPS制御の組み
による安定散布が
合わせによる安定
可能
飛行を実現
用途
価格
農業
1,173万円
982万円
(税別)
測量/撮影
-
観測/監視/警備
-
ラインナップ
RMAX L181
カメラ等搭載可能
RMAX G1
コンピューター
プログラミング
による自律飛行
9
新型モデル“FAZER”
作業効率向上と環境性能に軸足を置いた
次世代プラットフォーム
■ 作業効率の追求
余裕のペイロード
■安心・安全な散布作業
正確な散布フライト
オペレーター作業負荷の軽減
■ 環境への配慮
低騒音/低燃費
■次世代プラットフォーム
主要部品の機能UP
拡張性UP
■ デザイン:機能美の追求
¥
次世代を担う人々への訴求
10
1.「産業用無人ヘリコプター」とは?
2. ヤマハの産業用無人ヘリコプター事業について
3. 農業分野における無人ヘリコプターの活用
4. 観測,測量分野における無人ヘリコプターの活用
11
農作物防除機器の位置づけ(イメージ)
効率化・省力化
有人機
小
規
模
大
規
模
産業用無人ヘリコプター
乗用管理機
農業従事者は、散布規模や
コストなどにより防除機器
(形態)を選択
動力防除機
低コスト
12
水稲防除カバー率と効率比較
■防除機器別 水稲防除カバー率(2013年/当社調べ)
有人機 2%
無散布 12%
産業用無人ヘリ
36%
乗用管理機 22%
動力防除機
28%
食卓に上がるご飯お茶碗3杯
のうち1杯は無人ヘリが防除
(‘14年水稲防除面積:延べ105万ha)
■防除機器別 散布効率比較(当社調べ)
防除機器(形態)
産業用無人ヘリ
※1ヘクタール=10,000㎡(100m×100m)
1ヘクタールあたりの散布時間
10分
動力防除機
160分
乗用管理機
60分
13
産業用無人ヘリの普及
無人ヘリ
有人機
・1960年~80年代
にかけて活躍
・年間約250機の販売
移行
・墜落事故、農薬飛散
問題などが発生
・国内で2,694機が活躍
(’14年9月現在)
散布面積の推移
散布面積(ha)
有人機
2003年に逆転
無人ヘリ
14
農政動向と産業用無人ヘリコプターへの期待
成長戦略
★農林水産業:『攻めの農業』
・農地大規模化
・低コスト化
・農業への参入促進
・輸出強化など
□達成のための課題
・水稲大規模ほ場化促進
・生産者高齢化対応
作業の効率化
⇒農作業の請負化/自動化
水稲収量・栽培方法
⇒飼料用稲/コメ直播の普及
・低コスト化へ
□産業用無人ヘリへの期待
用途:農薬散布 / 除草剤散布 / コメ直播 / 施肥 / 生育調査
農薬散布
コメの直播
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1.「産業用無人ヘリコプター」とは?
2. ヤマハの産業用無人ヘリコプター事業について
3. 農業分野における無人ヘリコプターの活用
4. 観測,測量分野における無人ヘリコプターの活用
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観測・測量分野での活用例
環境観測
環境調査・測量
◇山形県 鶴岡市
⇒地表面計測&静止画撮影
◇鳥取県 鳥取市
⇒砂丘形状測量
◇広島県 八幡高原
⇒植生調査目的の3次元表面計測
◇宮城県鬼首地熱発電所
⇒温水採取
⇒地形形状計測
⇒噴出口撮影
災害復興
◇福島県線量率モニタリング業務
防災業務
◇鹿児島県 新燃岳
⇒地震計設置作業&地磁気計測
◇鹿児島県 桜島
⇒地震計設置・回収&地磁気計測
◇被災地害虫駆除
◇東京都 伊豆大島
⇒地磁気計測
測量業務
◇愛知県 新日鉄
⇒スラグ棚卸計測
⇒細粒鉄源棚卸計測
災害支援
◇静岡県 浜松市春野町
⇒ 地すべり
レーザーによる地形測量
⇒ 崩落幅、土砂量、
河川氾濫状況等
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自律航行型無人ヘリコプタ RMAX-G1
地上局通信アンテナシステム
(データ, GPS, 画像)
オプション装備
CCD カメラ
IRカメラ
LRF
(夜間用)
(3次元マッピングシステム)
静止画撮影装置
地上局 操縦システム
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自律航行型無人ヘリコプタ RMAX-G1運用状況
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山形県鶴岡市 3次元地形計測・写真撮影
静止画撮影によるオルソ(正投影)画像の撮影
LRF (レーザープロファイラ)を使った3次元地形計測
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鹿児島県桜島 火山観測(東京大学地震研究所)
火口付近に地震計を設置および回収。
機体カメラで地上確認
黒神
A
1
野尻
A4
A2
A3
古里
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鹿児島県桜島
火山観測
(東京大学地震研究所)
◆地震計設置、回収作業
・上空からモニターカメラを見ながら切り離し、または回収操作を行なう
地震計設置
地震計回収
モニターカメラ
リール
約30m
約30m
切り離し
フック
地震計
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地震計設置、赤外線、写真、ビデオ撮影
白線:フライト軌跡
A2:地震計設置(2ヶ)
赤外線写真
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津波被災地 害虫駆除(2011年8月:石巻市)
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今後の無人ヘリコプター事業展望
国内
農
業
分
野
非
農
業
分
野
海外
■水稲、畑作などを中心に農薬、 ■水稲、畑作を中心に農薬散布
肥料、種子などの散布を実施中
を展開中(韓国)
■今後は就農者高齢化、TPP、
環境対応などの課題対策で、
精密農業の推進や省力化、
コストダウンに寄与できる
■ワイン葡萄畑や牧場の除草を
中心に農薬散布を検討中
(米国/豪州)
■自律機により、観測、計測、
空撮などを実施中
■害草の防除、ライフライン保守、
鉱山測量、観測などを検討中
(豪州/米国)
■「人ができない」仕事に着目し、
展開
■警備、監視、観測用途を検討中
(インフラ点検など)
(米国などの先進国)
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ご清聴ありがとうございました。
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