古 物 営 業 ガ イ ド <福岡県警察本部 生活保安課> 古物営業法を制定した目的 古物営業法は、犯罪被害品が流通することを防止し、被害品を早期に発見して被害 者に還付することを目的として制定されています。 古物営業が許可制となっている理由 古物の売買等は、その営業の性質上、盗難品等の犯罪被害品が混入することも多く、 これを放置すれば古物営業が盗品等の流通の場となるおそれがあることから、これを 防止するために許可制となっています。 このような理由から、誰でも許可を取得できるわけではなく、一定の欠格要件に該 当する者については、許可が取得できないこととなっています。 古物営業者に一定の義務が課せられている理由 古物営業法制定の目的である盗品等の早期発見と被害者への還付を容易にするため に、営業者に対して必要な義務が課されています。 古物商等の三大義務 その1 取引相手の真偽の確認義務 古物の取り引きをする場合は、次に掲げるいずれかの方法で相手の真偽の確認を しなければいけません。(複数の方法で行うことを禁ずるものではありません。) なお、1万円以下の取引の場合で、例外品自動二輪車、原動機付自転車、家庭 用テレビゲームソフト、CD・DVD等、書籍)以外の取引を行う場合は、この限 りではありません。(法の目的を考慮するならば、全ての取引において相手方の真 偽の確認をすることが望ましいと思います。) ① 対面取引の場合 ○ 相手から運転免許証等の身分証明証の提示をうけること ○ 従業員等の面前で「住所、氏名、職業、年齢を自書した文書」を受けとる こと ② 非対面式取引の場合 ○ 電子署名がされたメール等を受けとること ○ その他、国家公安委員会規則で定めるいずれかの方法をとること 罰則:懲役6ヶ月又は30万円以下の罰金 行政処分:指示又は営業停止 ※ 詳細は、帳簿の記載・相手の確認義務早見表 を参照してください。 その2 取引記録の保存義務 古物の売買を行った場合には、次の事項について取引の都度、帳簿又は電磁的記 録に記録して保存しなければいけません。 なお、1万円以下の取引の場合で、例外品(自動二輪車、原動機付自転車、家庭 用テレビゲームソフト、CD・DVD等、書籍)以外の取引を行う場合は、この限 りではありません。 (法の目的を考慮するならば、全ての取引古物の取引記録を残しておくことが望ま しいと思います。) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 取引年月日 取引の古物の特徴、数量 取引相手の住所、氏名、職業、年齢 相手の真偽を確認するためにとった措置の区分 売却年月日 売却相手の住所、氏名 罰則:懲役6ヶ月又は30万円以下の罰金 ※ 行政処分:指示又は営業停止 詳細は、 帳簿の記載・相手の確認義務早見表 を参照してください。 その3 不正品等発見時の警察官への通報義務 取引の古物が盗難品等の疑いがある場合には、警察官に申告しなければいけませ ん。 罰則:なし 行政処分:指示又は営業停止 ホームページを利用した取引を行う場合 届出の義務 ホームページを利用して古物取引を行う場合は、届出をしなければなりません。 ホームページの取引を止めたり、URLを変更したりした場合は、変更の届出を しなければなりません。 その他の義務 ○ 標識の掲示義務・・・公衆の見やすい場所に掲示すること。 ○ 各種届出義務・・・・申請と異なる事由が生じた場合は、警察署に届出を行うこと。 ※ 法定届出期間 ・ ・ 登記簿の謄本を添付する必要のある変更 その他の変更 → → 変更の日から20日以内 変更の日から14日以内 ○ 管理者選任義務・・・営業所ごとに管理者を選任すること。 ○ 品触の保存義務・・・品触を受けとった場合には、日付を記載して保存すること。 営業の制限 ○ ○ 取引場所の制限・・・古物の取り引きをする場合は、営業所又は相手方の住居で 行わなければなりません。(行商の届出をした者を除く。) 差止め・・・・・・・古物商等が売却しようとする古物が、盗品等の疑いがある 場合には、警察署長又は警察本部長から30日以内の期限 を定めて、その古物の保管を命じられることがあります。 立入調査 警察官等は、営業時間中に営業所や保管場所等に立入りを行い、古物及び帳簿等を 検査し、又は関係者に質問することができます。 また、営業者は、正当な理由無く、この検査を拒否、妨害又は忌避すると処罰され ます。 罰則:10万円以下の罰金 行政処分:指示又は営業停止 無償回復請求権 民法の規定 ○ 古物商が一般人から入手した古物が盗難品又は遺失品である場合には、被害者 は、2年間無償で当該古物の返還を請求できます。 ○ 但し、裁判所等の競売で入手した場合には、被害者から代価を得た場合に限り 返還すればよいこととなっています。 ○ 商品券、図書券、ビール券等の有価証券は、該当しません。 古物営業法の規定 ○ 被害者は、古物商が善意で取得した場合(前記の競売を除く。)であっても、 1年以内に限り無償回復請求ができます。 未成年者からの買取(福岡県青少年健全育成条例) 「青少年から、正当な理由無く、古物の買い受け、委託販売、交換をしてはならな い。」と定められています。 ※ 福岡県青少年健全育成条例では、青少年とは18歳未満の者をいいます。 帳簿の記載・相手の確認義務早見表 売 買 価 格 が 1 万 円 以 上 の 場 合 帳 簿 等 の 記 載 等 の 義 務 区 分 売 買 古 物 の 種 類 買取時の身分確認 買 原 則 例 外 品 以 外 の 古 物 品 買 却 時 × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 住所・氏名は不要 ○ ○ ○ 家 庭 用 ゲ ー ム ソ フ ト 類 ○ ○ × 音楽や映像を記録したCD・DVD等 ○ ○ × ○ ○ × 術 計 ・ 品 宝 類 飾 品 類 自 動 車 ( 部 分 品 を 含 む 。 ) 自 動 二 輪 ・ 原 付 ( 部 分 品 を 含 む 。 ) 書 売 売 ○ 時 外 時 ○ 美 例 取 価 籍 格 が 1 万 円 未 満 の 場 合 帳 簿 等 の 記 載 等 の 義 務 区 分 売 買 古 物 の 種 類 買取時の身分確認 買 原 則 例 外 品 以 外 の 古 物 品 売 却 時 × × × × × × × × × × × ○ ○ ○ 部分品は不要 家 庭 用 ゲ ー ム ソ フ ト 類 ○ ○ × 音楽や映像を記録したCD・DVD等 ○ ○ × ○ ○ × 時 外 時 × 美 例 取 術 計 ・ 品 宝 類 飾 品 類 自 動 車 ( 部 分 品 を 含 む 。 ) 自 動 二 輪 ・ 原 付 ( 部 分 品 を 含 む 。 ) 書 籍 不審者・盗品等発見のポイント ① 売却品と売却人の結びつきが不自然ではないか。 ② 遠方から売却に来ていないか。 ③ 売却品の取扱説明ができるか。 ④ 売却品についての知識があるか。 ⑤ 売却品にネームタグ等が付いていないか。 ⑥ 売却品に万引き防止用グッズが付いていないか。 ⑦ 同一品目を多量に売却に来ていないか。 ⑧ 同一品目を複数回にわたり売却に来ていないか。 ⑨ 売却品に記載の名前と売却人の名前が一致するか。 ⑩ 提示した身分確認資料と本人が同一か。 ⑪ 本人自筆の署名文書を作る時、落ち着きがない等の不審な点はなか ったか。 ⑫ 盗難品情報を把握しているか。 ⑬ 警察や同業者と緊密な連携を保っているか。 ⑭ 従業員に指導教育をしているか。 ⑮ 警察への通報体制はできているか。 自動車商・バイク商の皆さんへ!! こんな古物に注意!! 原動機付自転車 1 自 動 二 輪 車 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 自 動 車 1 2 鍵穴が壊れている。 直結されている。 ハンドルカバー部分が取り外された形跡がある。 ハンドルロックが効かない。 自賠責保険証がない。 自賠責保険証の名義と売却人の名前が異なる。 車体番号が削られている。 エンジンキーでその他の鍵(ヘルメット入れ)が開かない。 一見して中学生、高校生風が持ってきた。 言い値での買取を依頼する。(買取価格にこだわらない。) 取扱いを知らない。 エンジンキーの部分が壊れている。 エンジンキーでその他の鍵(助手席ドア、トランク)が開か ない。 3 ドアと窓ガラスの間のゴムに傷がある。 4 センターピラーのプラスティック、ゴムに傷がある。 5 ドアロックノブに傷がある。 6 言い値での買取を依頼する。(買取価格にこだわらない) 7 車検証が無い。 8 車検証がコピーである。 9 自賠責保険の名義と車検証の名義が異なる。 10 売却人の名前と自賠責保険の名義と車検証の名義が異なる。 11 装備の取扱いを知らない。 12 ナンバープレートの封印が無い。 13 封印の取り外しができる。
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