平成26年度第2回表示・広告調査結果「東京都消費生活調査員調査」

表示・広告調査結果報告書
平成26年度第2回表示・広告調査結果「東京都消費生活調査員調査」
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調査のテーマ
「食品の無添加等表示に関する店舗調査」
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調査の目的
近年、食の安全・安心への関心の高まりとともに、商品に「無添加」「不使用」など
と表示することによって、商品の安全・安心感を強調しようとする広告表示が広がって
いる。
今回の調査は、スーパーやコンビニエンスストア等で販売されている食品のうち、パ
ッケージ等に「無添加」「不使用」などの表示のある商品について、消費者に誤解を与
える表示がないかどうか、調査を実施した。
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調査対象
商品のパッケージ等に記された商品名やキャッチコピー等の中で、「無添加」「○○無
添加」「○○不使用」を表示しているものを調査対象とする。
なお、今回は店頭のポップ表示やチラシ類は「調査対象外」とした。
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調査期間
平成26年10月2日(木曜日)から同年10月15日(水曜日)まで
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調査方法
消費生活調査員の居住地域内にあるスーパーやコンビニエンスストアへ行き、「無
添加」
「○○無添加」「○○不使用」を表示している商品2品目を選び、参考として一
括表示の内容、その他の広告表示、全体から受ける印象等を確認し、「無添加」等の
表示が適正か否かについて判断してもらった。
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調査規模
対象調査員数
(調査開始日時点)
197名
調査票を回収した調査員数
177名
調査票の回収率
89.9%
1/4
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調査対象商品の内訳
商品コード別調査対象商品の内訳
商品分類
みそ、しょうゆ
調査員が調査対象とした商品で特に多かったもの
111件
みそ
106
71件
だし(出汁の素)
41
飲料類(ジュース、清涼飲料水等)
22件
ワイン
35
酒類(日本酒、ワイン等)
35件
ハム・ソーセージ
15
8件
食肉加工品(ハム、ソーセージ等)
15件
その他
92件
不当表示等の理由の内訳(複数回答あり)
判断理由
8
件数
調味料類(塩、マヨネーズ、ソース類)
(ルウ、だしの素を含む)
大豆加工品(豆腐、納豆等)
8
対象商品
調査票件数
件数
何が無添加なのか不明
77
無添加・不表示の内容が一括表示と異なる
20
無添加・不表示の文字が大きすぎる
9
上記以外の理由で不当表示と思われる
22
適正な表示である
34
調査員からの報告をもとにした指導と指導対象とした広告表示例
調査員から「適正表示ではない」と判断して報告された7事業者の表示について、
景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)に抵触するおそれの有無について調査及
び指導を行った。
【優良誤認のおそれがあった表示例】
①「即席みそ汁」
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「無添加みそ」の無添加の文字を商品名に匹敵する大きさで表示することにより、
あたかも即席みそ汁全体が無添加であるとの誤認を招くおそれがあるとして改善指
導を行った。
②「ワイン」
「酸化防止剤無添加」を示す表示はあるものの、商品名と同等の文字サイズで「無
添加」を別途強調表示していた。ワイン業界団体の自主基準では「無添加」の単独
表示を禁止しているが、当該事業者は当会員ではないため、自主基準順守の義務は
ないが、景品表示法(優良誤認)に抵触するおそれがあるため、表示の再検討を指
導した。
③「ワイン」
「ポリフェノール4000」等の表示があり、4000はワイン1リットルに換算した場合
のポリフェノールの値を示している。実際の商品は720ml入り瓶であり、ポリフェノ
ールの含有量は2880mgとなる。1リットル換算であるとの表示をしていたが、消費
者は1瓶に4000mgのポリフェノールが含まれていると誤認するおそれがあるため、
表示を再検討するよう指導した。
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無添加表示に関するアンケート結果(複数回答あり)
1 食品の「無添加」表示にどのようなイメージをもっているか(複数回答あり)
回答イメージ
件数
安全・安心
130
害が少ない
80
値段が割高
64
食品添加物全般を使用していない
84
保存料・着色料なし
93
合成ではなく天然の添加物を使用
22
イメージがわかない
4
2 食品を購入する場合「無添加」「不使用」表示は商品選択の条件の一つにしているか
回答理由
件数
全回答に対する割合
商品選択の条件にしている
34
19.2%
商品によっては条件にしている
128
72.3%
商品選択の条件にしていない
15
8.5%
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食品における「無添加・不使用」表示の現状と消費者意識の関係
【食品における「無添加・不使用」表示の現状】
今回の調査員調査において報告された食品は、約150品目あり、「無添加」等の表
示が多くの食品に広がっていることが明らかとなった。食品によっては、業界団体の
公正競争規約や自主基準において「無添加」表示についての規定を設けている場合も
あるが、多くの場合、各表示者の責任において自由に表示している例が多くなってい
る。
各食品の公正競争規約や自主基準では、「無添加」の単独表示を規制している団体
もあるが、味噌業団体のように、一定の原材料(大豆、穀類、食塩等)のみ製造され
た「みそ」である場合は「無添加」表示を容認している。
【「無添加」に対する消費者の意識】
調査員に対し実施したアンケート調査において、「無添加」表示のイメージとして「食
品添加物全般を使用していない」を回答したものが84%、「保存料、着色料なし」を
回答したものが93%あり、回答者のほとんどが「無添加」イコール「食品添加物が無
添加」のイメージを持っている。同時に「無添加」であれば「安全・安心」「少なくと
も害はない」を回答した件数が非常に多く、「無添加」表示が「安全・安心」のガイド
的役割を期待されていることがわかる。さらに「無添加」表示が商品選択の条件となる
かとの問いに対し、「商品選択の条件としている」及び「商品によっては条件にしてい
る」と回答したものを合わせると90%以上の回答となった。
以上のことから、東京都消費生活調査員に限った調査であることを踏まえても、食品
に対する安全安心への関心の高さと同時に、「無添加・不使用」表示への過剰な期待も
うかがえる。
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