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平成25年度前期
知の加工学ゼミー院生発表会記録
2013年7月26日4・5限目
漢文訓読から見る知の加工学
発表者:津留 佳奈恵
記録者:李 霄
漢文とは、現代中国語文章に対しての古い中国の文章(文言文)、もしくはそれに
ならって日本人が書いた漢字だけから成る文章のこと言う。この外国語である古い
中国語の文章を「訓読」という方法を介して読んできたのである。この「本家」の漢文
を、日本人がどのように受容、加工してきたかを考察していくこととする。
「論語」(開巻第一)を例にする。
漢文は、単なる外国語テクストの域を超えた位置づけで扱われていたことが窺え
る。おそらくそれは、日本人が文字というもの自体を中国から学び、漢字・漢文の
移入とともに圧倒的な中国文明に接し、それを全力で摂取してきた。
中国の書物である本家の「漢文」を日本人は、受容し、加工したために、今日に
いたるまで広く親しまれてきた。
《質問応答》
Q.日本人がどのように受容、加工してきましたか?
A.大量の漢字や漢語が日本語の中に定着し、これらはわが物のように馴染まれて
きた。そして漢文の「訓読」が定着していった中で、自然とそれは外国語としてで
はなく、日本語の一部としてとらえられていったのではないかと考えられる。
明治政府の近代資本主義導入期における知の加工―
二宮金次郎の存在
発表者:上村 駿介
記録者:李 霄
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本文は六つの部分に分けている。
1. はじめに・・・日本人の手本とされた二宮金次郎
2. 明治初期、近代資本主義導入の必要性
3. 広義の資本主義と近代資本主義
4. 近代資本主義の成立―ヨーロッパの場合
5. 近代資本主義の萌芽―日本の場合、勤勉革命と二宮金次郎
6. 結論・・・近代資本主義の導入と二宮の存在
《質問応答》
Q.なぜ二宮金次郎を選びますか?彼は日本近代資本主義の導入とはどういう関係が
ありますか。
A.①今まで近代資本主義に関することを研究している。
②二宮金次郎は日本の重要な教育的人として尊敬されている。
③日本政府は近代資本主義を導入する態度が二宮の真面目な態度と合う。
日本における知識の受容様式―丸山真男・下村寅太郎・山本七平―
発表者:徳永 翔太
記録者:龐 慧妍
はじめに
情報氾濫の現代社会において、知識をどのように受容すればいいのか。先人の議論を
振り返りつつ、日本において知識はどのように受容されてきたのかを検討していく。知
の加工において本質的な部分である、知識を受容することによって、それを自己流で用
いる。
第一章 丸山真男『日本の思想』から
丸山真男の分析手法は主に日本人の精神構造を解明することによって、歴史がどのよ
うにたどられたかを探るものである。「日本の思想」では、丸山真男が日本人の精神的
雑居性を批判し、雑種性を称揚する。それは合理的に取捨を選択し、自己の中に秩序付
けていくことである。
第二章 下村寅太郎による批判
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日本人は批判精神を持ってなかったという丸山の意見に対して、下村は「伝統のない
ことが日本の伝統」と述べ、つまり日本人は択一的対決的でなく、既存のものを共存せ
しめる包容的受容が可能である。キリスト教的な非寛容な精神を持っていないからこそ、
日本の文化と西洋の文化を共存させて近代化をいち早く進めることが出来た。
第三章 山本七平の体験から
日本兵として、アメリカの捕虜になることを体験した山本七平は日米の進化論の差異
をもとに日本人の心理として存在する問題を指摘した。アメリカは進化論とキリスト教
のアダムとイヴが両立し得ないに対して、日本人は進化論と天皇制が両立する矛盾は感
じていない。丸山からしてみれば、そのような思想の対立がない無秩序な構造が敗戦の
原因だと言うが、下村はこのような思想の共存が日本が近代化を推し進めたと言う。
結論
以上のどちらの思想が正しいということは簡単に出来ないが、日本人の心理を徹底
的に自覚した上で、意見を採用すべきである。
日本洋上風力発電について
発表者:朱 小偉
記録者:龐 慧妍
洋上風力発電はヨーロッパにおいて普及されているが、日本には、ひいてはアジ
アにとっては全くの新しい領域にも言える。新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)の 2009 年の試算によると、日本の全ての海岸線に打ち寄せる波の潜在的な
発電能力は、原発 36 基(100 万 kW/基)分に相当するエネルギー量と言われる。日
本は巨大な洋上風力発電のポテンシャルを持っている事は確かである。
日本洋上風力発電のプロセス
一、知の受容
日本において洋上風力発電が大きな注目を集めている理由:
1.ヨーロッパで実績をあげた。
(イギリス)
2.東日本大震災後、電力不足という問題が顕著になっている。
洋上風力発電は、日本のエネルギー危機を順調に解決する同時に、環境にもやさし
いと言われている。
二、加工→活用
日本の企業と政府は洋上風力発電に様々な計画と実験を実施している。
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企業:丸紅会社は洋上風力の経験社を買収したが、経験•技術を最大限に活用するこ
とで早期に日本並びにアジア市場を展開する事に期待している。
政府:国内で初めて浮体式の洋上風力発電が始まったのは長崎県の五島沖で、2012
年 6 月に出力 100kW の小規模な試験機が発電を開始した。
三、発信
日本のメーカーは洋上風力発電分野でいち早く世界トップレベルの技術を確立で
きれば、今後成長が予想される世界の洋上風力発電市場でも活躍でき、また裾野の
広い風力発電設備の導入拡大は国内産業への波及効果も大きい。
結論
風が安定的に吹く洋上では稼働率が良いため、大規模な発電所を建設することが
できれば、発電原価の安い大量の発電が可能となる。日本のエネルギー危機を順調
に解決する同時に、環境にもやさしいと言われている。
韓国の現状による共同組合への取り組み
発表者:裵 恩慶
記録者:王 霏
はじめに
発表者は大分駅周辺とジムで出会った小学生やスウェーデンの女の人に習っても
ない韓国語を話しかけられ、また韓国に行きたいと言われた。こうした経験から、
今、韓流や K-POP により韓国は以前より世界によく知られるようになったが、それ
が韓国の社会のすべてかと疑問に思った。
現状
韓国では、去年大企業の輸出利益が史上最高値を更新したものの、自殺率1位、
大卒の就職難やシルバープアーなどが社会的大きな問題となっている。こういった
問題を解決する為に「協同組合」への取り組みを始めた。
新しい協同組合への取り組み
韓国では 2012 年 12 月「協同組合基本法」が制定された。それ以前の韓国の協同
組合法は、農協法などの8つの特別法として存在し、それ以外の分野では協同組合
の設立が不可能だった。しかし、現在出資金と関係なく、5人さえ集まれば市・道
知事二申告するだけですべての協同組合を自由に設立できるようになった。例えば、
訪問教師、タクシードライバー、協同育児など、多彩な分野で協同組合が作り出さ
れている。
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終わりに
イギリスをはじめ、ヨーロッパではすでに普遍的な企業の形として定着している
協同組合は、韓国ではまだスタートしたばかりで、初期段階にすぎないが、今後韓
国社会ではどのような発展をし、どのように成長していくかは楽しみである。
質問
Q:韓国では大学出ても就職は難しいと言われている。実際、韓国では外国労働者が
多くいる、中国の朝鮮族だけでも 46 万人滞在している。韓国の中小企業では外国人
をたくさん雇っています。就職先がないではなく、汚いやきついまたは賃金が安い
仕事に就きたくないからお金がなくなるのではないでしょうか。
A:実際、今の韓国ではたとえ一流の大学を卒業しても中小企業には行きたがらない、
大企業で就職したい若者が多い。卒業しても親のお金を使って、会計士などの資格
を取り、よりいい仕事に就けるように金銭と時間をかけている。そのため、親のお
金を使い、シルバーシルバープアーなどが生じる原因となっている。また、就職せ
ず、バイトをし、結婚もできない若者も増えている。
外国人はやはり韓国人のしたがらない仕事をしている、賃金が安い、きつい、危
ない仕事、例えば、化学工場などの仕事などに就いているのが現状である。
Q:協同組合の人は実際食べていけるのか。
A:韓国ではまだ協同組合を始めたばっかりで、これからどうなるかはわからない。
ちょっと心配だが、利益だけがすべてではなく、組合の商品はより安全・安心と消
費者は思っている、また、協同組合同士での交際もこれから増え、お互い助け合っ
ていくのではないかと考える。これからの韓国の協同組合の成長が楽しみである。
日本人の名前と歴史
―卑弥呼から宝冠(ティアラ)まで―
発表者:川口 泉
記録者:王 霏
最近「空(スカイ)」「響(ハーモニー)」「末仁(ミニ)」のような「キラ
キラネーム」が話題を呼んでいる。日本の一字に対しいくつもの読み方が存在する
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特質が「キラキラネーム」を生じさせたものである。このような現象は日本人の名
前感じの歴史の中でも新しい傾向なのではないだろうか。
日本二まだ文字がなかった時代に「ひめみこ」や「やもとこく」という日本語
の読みに中国語の「卑弥呼」と「邪馬台国」という漢字が当てられたという説が有
力。平安時代以前の天皇の名前は「系字」という兄弟が一文字を共有し、一定の祖
先あるいは親から同一世代であることを示す中国で発生した風習から来ている。そ
の後、キリスト教伝来で日本人が聖書に出てくる名前を子供の名前につけることも
行われるようになった。また、森鴎外は自分の子供たちにドイツ人にもポピュラー
な名前をつけたことで現在の「キラキラネーム」の先駆けともいえるのだろう。
現在の「キラキラネーム」は万葉仮名の読みを無視した無理読みな名前を当て
字して命名された名前のことである。その主な特徴として主に3つある。
間違った読み方
例:星(あかり) 桃音(もね)など
外国の言葉を無理矢理あてはめる読み方
例:末仁(みに)
意味と読み方を近藤している読み方 例:空(すかい)王(きんぐ)
「キラキラネーム」は日本では漢字を和語に当てて自在に使う力を養ってきた
知恵という意見がある中、実際には就職面接でこういった名前のせいで落とされた
り、子供がおおきくなってから解明を望んだり、また外国人にとっては大変読みに
くい名前であることなど様々な問題が生じ、今後更なる議論をおこすと予想されて
いる。
質問&コメント
Q:言葉は変わるものでありますが、昔の言葉を大事にするべきである。日本語教
師の立場として、賛成か反対か聞かせてください
A:そんなにいい気はしない。反対です。日本人なのに外国人の名前にするのはち
ょっと・・・
「ピカチュウ」という名前の人が居たが、ペットの名前のように感じ、そういっ
た感覚で子供の名前をつけるのはどうかと思います。「キラキラネーム」現象が生
じた原因として、今の社会にはいろいろなものがあり、現にあるものだけでは物足
りなく感じ、ネームまで及んだのではないかと考える。
施先生コメント:
子供が年をとった時に苦労しないかと気になる。60 歳になった時に「夢(ろま
ん)」や「末仁(みに)」と呼ばれるのはちょっと・・・親が子供の人生を考えて
ないのではないかと感じる。
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外来語にみる知の加工学
発表者:山下 直子
記録者:李 商益
・はじめに
現在、われわれの生活はもはや外来語抜きでは成り立たない。新聞やマスコミの
世界だけでなくわれわれの生活の偶々にまで外来語=カタカナ語はあふれている。
では、外来語はどのように日本に入り込み、どのような経路をたどったのか。また、
われわれの生活にどのような影響を与えているのか。外来語にみる知の加工を考察
する。
・外来語とは
―「外国語から自国語に取り入れられた言葉。たばこ・パン・ガラスなど。(『角
川新国語辞典』)」
―「日本語の中に入ってきた外国語の単語。中国語から入った漢語も本来は外来
語であるが、日本では主としてヨーロッパ語から入ったものをさしていう。(『小
学館日本百科全書』)」
―「外来語とは、他外国の語句(他の言語体系中の資料)を、自国語のなかに借り入
れて、その使用が社会的習慣化したもののことである。」
・外来語の歴史
日本には中世の末期にポルトガル語から入ったもの、江戸時代にオランダ語から
入ったものがある。しかし、外来語の大部分は明治以降に入っている。明治維新後
の日本は、自ら近代化し、西欧に追いつくことを至上目的としてきた。そのために
西欧の制度、思想、文物をどんどん取り入れた。外来語はそのために必要な道具だ
ったのだ。カタカナ語が日本の近代化に貢献してきたのだ。
・外来語の派生
外来語の浸透に伴って、和製英語を含む和製外来語など、外来語からの造語も用
いられるようになった。これこそが外国語を借用した日本でのことばの知の加工だ
と考える。
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和製英語の例
OL・オフィスレディー(female office worker)
ガソリンスタンド(米国「gas station」、英国「petrol station」)
ゴールデンウィーク(Golden Week,GW 黄金週間、大型連休)
今種語の例
東京ガス、西友ストア、ビジネス街
動詞・形容詞用法の例
カスタマイズする、リラックスする、グレードアップする、シリアスな、シンプル
化、セレブっぽい、ナウい
外国語の借用を独自の形にして使われている例
テレビジョン―テレビ、コンビニエンスストアーコンビニ
若者による造語の例
スターバックスでお茶をするースタバる
・外来語の氾濫
現在、広告や雑誌は外来語の洪水である。新聞の投稿欄には外来語が多すぎると
いう苦情もよく乗っている。しかしながら、外来語でなければ言えないことも多い
のである。たばこ、パン、ラジオなど日本語に言い換えることは不可能ではないが、
大変効率が悪い。もし、漢字による訳語が定着していたとしても漢字自体がもとを
ただせば外来語である。外来語一般を非とするのではなく、具体的に個々の事例に
ついてそれがなぜカタカナ語でなければならないのか、なぜ漢語や和語でなければ
ならないのかをこそ問題にすべきである。石野博史(1983)『現代外来語参考』 大
修館書店
・おわりに
日本人は新しい物をどんどん取り入れ、古いもの、新しいもの、また日本的なも
の、外国的なものを、雑然と混在させる。そしてそれらを整理統一しようとはせず、
各人が各人の好みにしたがって適当に処理することで、結果的にはうまくやってい
く。これが日本の文化一般に対する態度であり、言葉に対する態度でもある。
外来語は、日本におけることばの「知の加工」である。最近、カタカナの不要な
使用も多いが、その使用には配慮が必要であるとも感じる。しかし、言葉はその国
の文化であり、日本人は日本人の器用さを生かしてことばを創造、使用していけば
いいのではないかと考える。
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中国における天然ガス自動車の展望について
発表者:李 霄
記録者:李 商益
・はじめに
「知の加工学」とは、様々なものを受け入れた上で組み合わせたり改良したりし
て、新しい物にしていくという学問である。具体的にいえば、「知の受容・加工・
活用・発信」というプロセスがる。世界における様々な先端の知識を受容し、背後
の原理を探り、受容した知識の改善を行い、その結果を利用して自分たちの生活の
改良に役に立てる、あるいは、他者の同様のりように向けて発信するという。
ここで、中国における天然ガス自動車の普及促進政策を「知の加工学」に応用して
みる。
・知の受容
天然ガス自動車の保有量が多い国々の例
国:①イラン②パキスタン
その現象としては、ガス自動車の普及が急速に推進していることであり、「知」と
して普及を目的とした政府の優遇政策が取り上げられることができる。ここで、中
国における天然ガス自動車の展望について、これらの「知」を参照することができ
る。
・知の加工
中国におけるガス自動車の普及過程においての三段階
① 天然ガス自動車の導入
② ガススタントの建設及びコンプレッサー工場の設立
③ 急速な普及
・知の活用・発信
中国において最も普及が進んでいる四川省の事例を取り上げ、その地域的な条件
を検討し、天然ガス自動車の不足点を分析する。
・おわりにー中国における天然ガス自動車普及に向けて
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四川省のような天然ガスが豊富な地域においてガス自動車産業を発展させること
ができれば、天然ガスの開発事業を促進できるだけではなく、運送、販売などの面
で波及効果が期待でき、環境保護にも役に立つ。
―「環境保護」に関して、近年中国で深刻な大気汚染問題の発生に向けて、この
天然ガス自動車の普及は環境汚染に貢献できるコメントもあった。
日本における地熱エネルギー利用の現状と将来の展望
- 再生可能エネルギーの普及に見る「知の加工学」-
発表者:龐 慧妍
記録者:裵 恩慶
地球の気温が急速に上昇している原因として二酸化炭素などの温室効果ガスが指
目され、エネルギー消費量の削減や再生可能エネルギーの大幅な増加が求められて
いる。日本は地熱エネルギーの点ではアメリカ、インドネシアにつぐ世界 3 位の地
熱資源国ではあるが、太陽光や風力発電が注目される中、地熱発電は総発電量の
0.3%に留まっている。
1966 年始まった日本の地熱発電は、エネルギー政策が原子力発電に傾斜したこと
や新エネルギーの枠から外されたことによって、研究費や補助金などが大幅に削減、
停滞の現状である。
地熱発電の停滞の主な理由としては、開発リスクやコストの負担の高さ、有望な
地熱発電の多くが国立公園の特別地域内にあること、温泉や景観へ影響で地元温泉
業者らとの調整が必要であることなどが挙げられる。
原発事故後、日本政府が再生可能エネルギーの導入促進に転じ、環境省は国立公
園内の地熱開発基準を緩和し、公園内に新たな開発を探る動きが始まった。これは
日本が世界トップクラスの再生可能エネルギー国になるチャンスかも知れない。
日本のスマホ産業について
発表者:王 霏
記録者:裵 恩慶
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スマホとは個人用の携帯コンピュータの機能を併せ持った携帯電話ということで、
従来の携帯情報端末に携帯電話‧通信機能を統合したものと表現されることもある。
世界で現在に繋がるスマホの嚆矢になったのは 1996 年ノキアであり、日本のスマホ
の先駆けと言えるものとしては 2005 年ウィルコムとシャープ、マイクロソフトのさ
ん者の共同開発による W-ZERO3 がある。
現在日本の国内スマホのメーカ別シェアを見ると、アップル、サムスンにシェア
を取られすぎているが、その原因としては日本のスメホ産業への進出が遅かったこ
ととマーケティングの不足が取り上げられる。技術力の面では劣らない日本のスマ
ホ産業が海外進出をするためには今後とんな戦略が必要なのだろうか。まず国内シ
ェアの回復であり、ローカルのニーズにしっかり答えることである。それは日本市
場を失っては足場を失うことになるからである。
日本における中国朝鮮族研究-「朝鮮族研究学会」の活動を中心に
発表者:李 商益
記録者:裵 恩慶
朝鮮族研究学会とは 1999 年日本で留学していた朝鮮族の人たちが中心になって結
成した。朝鮮族の研究に関心のある人なら誰でも参加できるし、その研究分野とし
ては文化、歴史、言語など幅広いところまで及んでいる。
日本における朝鮮族を研究対象とする研究者たちは、「知の中継地」としての日
本で学び、活躍しながら朝鮮族における問題点‧未来像などを中国‧韓国あるいは世
界各地の朝鮮族または他集団にも発信している。
近年激しい人口変動とそれによる一連の社会変動を抱えている中国朝鮮族を注目
し、海外移住者の増加とそれによって生じる諸問題を念頭に置きつつ彼(彼女)ら
が故郷である延辺にどれくらい帰国‧定住意識をもっているのかという点を明らかに
することを目的とし、研究をする。
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