【星野リゾート・リート投資法人】長期発行体新規 - 日本格付研究所

16-D-0009
2016 年 4 月 8 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
星野リゾート・リート投資法人
【新規】
長期発行体格付
格付の見通し
(証券コード:3287)
A−
安定的
■格付事由
(1) 13 年 3 月 6 日に設立され、7 月 12 日に東京証券取引所(不動産投資信託証券市場)へ上場したホテル・
旅館特化型の J-REIT。基本方針として、中長期にわたり観光産業の中核となり、安定的な利用が見込ま
れるホテル、旅館及び付帯施設、その中でも特に長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能で
あると見込まれる施設に、重点的に投資を行うこととしている。本投資法人のスポンサーは、資産運用会
社(AM)である星野リゾート・アセットマネジメントの親会社である星野リゾート。上場時に全 6 物件
(ホテル:1、旅館:5)
、総客室数 364 室、取得価格ベースで約 150 億円の資産規模であったポートフォ
リオは、15/4 期末時点では、全 30 物件(ホテル:22、旅館:8)
、総客室数 2,443 室、資産規模は約 333
億円となった。その後、15/10 期及び 16/4 期に 2 期連続となる公募増資の実施等を通じ、物件を新規取
得したことにより、足元のポートフォリオは全 46 物件(ホテル:37、旅館:9)
、総客室数 5,364 室で構
成され、資産規模は約 900 億円と 15/4 期末比で 2.7 倍程度に拡大している。
(2) 本投資法人はスポンサーグループとの強固な協働関係を軸にしながら、AM 独自のネットワークも活用し、
外部成長を積極的に推進してきている。15 年 5 月以降、コンフォートホテル 3 物件(函館、苫小牧、呉)
、
カンデオホテルズ 5 物件(半田、茅野、福山、佐野、亀山)
、チサンイン 1 物件(鹿児島谷山)を順次取
得した。15 年 11 月にはスポンサーサポート契約の活用等により、「リゾナーレ 熱海」、「界 鬼怒川」を
取得したほか、スポンサーグループとの協働投資ストラクチャーに基づき、ANA クラウンプラザホテル 4
物件(広島、福岡、金沢、富山)を取得し、「都市観光」(後述)分野への参入を果たした。また「都市観
光」に関連し、16 年 3 月には「旭川グランドホテル」を新規取得している。これらに伴いポートフォリ
オについて、収益規模の拡大に加え、オペレーターやエリア等の分散も進展している。一方で、キャッシ
ュフローのアップサイドの取り込みを企図し、変動賃料を導入するホテル・旅館が増えており、賃料種別
に占める変動賃料の割合は 16/4 期で 2 割程度になるものと見込まれる。ただ、足元で引き続き好調な国
内外からの宿泊需要も背景に、スポンサーグループが運営する「星のや 軽井沢」をはじめ、こうした取
り組みを採用している各ホテル・旅館について、客室稼働率、ADR や売上高等に関し堅調なトラックレ
コードを確認できる。また、固定賃料を導入しているホテルを含め、テナントの賃料負担力について相応
の水準が確保されていることに加え、15/10 期末の取得価格ベースで 8.0%と、高い NOI 利回りが維持さ
れている。16 年 1 月 28 日現在、収益寄与度において、スポンサーグループ運営物件が固定賃料ベースで
約 40%と、同グループの運営力に依拠する部分は依然一定の割合を占めているものの、高水準の続くイ
ンバウンド観光客の流入を含めて、良好なホテル・旅館運営環境は当面続く見込みであることなども考慮
すると、スポンサーグループのパフォーマンスがポートフォリオ全体の収益へ与える影響についても、現
時点で特段の懸念はみられない。財務面では、資産総額ベースの簿価 LTV が 15/10 期末で 18.6%と、JREIT の中で最低水準でコントロールされている。16/4 期末には 25%超へ上昇する見込みであるが、今後
も概ね 25%∼35%のレンジで運用していく方針である。借入金の無担保化は当面の課題であるものの、
新規借入時における平均金利の低減や返済期限の分散化に関する取り組みも継続されている。また、主に
直近のキャップレートの低下に伴う既存物件の鑑定評価額の上昇等によって、ポートフォリオの含み益は
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増加傾向にあり、財務の柔軟性や安定性の向上に一定程度寄与していると考えられる。以上を踏まえ、長
期発行体格付を「A−」
、見通しを「安定的」とした。
(3) 本投資法人では、当面の目標として資産規模 1,000 億円の達成を外部成長の基本戦略としている。ホテ
ル等に関する取得環境が依然厳しいとみられる中、スポンサーサポートの活用をはじめ多様なスキームを
用い、スピードも重視した物件取得を継続する方針である。足元で、「星のや 軽井沢」への物件集中度は、
15/4 期末の 22.8%から 8.4%へと低下している一方、新規取得した「ANA クラウンプラザホテル広島」
の比率が 19.8%を占めるに至っている。当該物件のトラックレコード等からみて、物件集中リスクの顕在
化に関する特段の懸念はないものの、引き続き外部成長を通じた物件分散の進展、ポートフォリオキャッ
シュフローの安定性の動向に注目している。また、保有物件の競争力の維持・向上の観点からは、スポン
サーグループの実績やノウハウもベースとした、CAPEX 等の活用による経年物件への対応が主なポイン
トになるものと考えている。なお、施設運営等に関するスポンサーグループへの依存度を考慮し、利益相
反防止に関する AM の取り組み状況及び成果については今後も注意を払っていく。
(4) デット・ファイナンスでは、上場時より主力 3 行(三菱東京 UFJ 銀行、日本政策投資銀行、三井住友銀
行)を中心としたレンダーフォーメーションが維持されているほか、新規取引先の招聘も進められている。
有利子負債に関し、長期・固定を主体とした調達により金利変動リスクの抑制が相応に図られており、資
金調達面に関する懸念は足元で特段みられない。今後、財務基盤の一段の強化に向けては上述の無担保化
に加え、一定の成果はみられているものの、更なる金融コストの低減、平均残存年数の長期化、返済期限
の分散化等についての継続的な取り組みがポイントになると考えている。引き続き、適切なレバレッジコ
ントロールも含めた財務運営に関する各種施策及びその実効性に注目していく。
【ポートフォリオの分析】
本投資法人はホテル・旅館特化型の J-REIT として、観光客の旅のニーズに応えるホテル、旅館及び付
帯施設を中心とした安定的な収益基盤を持ったポートフォリオを構築していくことを基本戦略としている。
投資対象資産の選定においては、①ソフトの優位性(競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブ
ランド力等を有しており、運営について高い専門性を有するオペレーターにより運営されているかどう
か)、②ハードの優位性(立地の優位性や建物の希少性等により施設自体に優位性があるかどうか)の 2
つの観点から、スポンサーサポート等を活用した新規物件取得が進められている。分散効果を重視し、ス
ポンサーグループが有する、規模や価格設定、ターゲット顧客層の異なる「星のや」、「星野リゾート
界」
(「界」
)及び「星野リゾート
リゾナーレ」
(「リゾナーレ」
)の 3 ブランドのほか、スポンサーグルー
プ以外が運営するシティホテルやバジェット型ホテルへの投資も行われている。
ポートフォリオの固定賃料ベースでの分散状況について、ブランド別(16 年 3 月 31 日現在)では、
「星のや」:13.1%、「リゾナーレ」:14.0%、「界」:11.2%、「その他」:61.7%となっている。「星のや」
及び「リゾナーレ」は「リゾート観光」タイプに、「界」は「温泉観光」タイプに位置付けられているほ
か、「その他」には、新規参入した「都市観光」タイプに区分される「ANA クラウンプラザホテル 4 物
件」等が含まれる。なお、本投資法人によれば、「リゾート観光」はリゾート地に滞在することを主たる
目的とする観光、「温泉観光」は温泉保養を主たる目的とする観光、「都市観光」は歴史的町並みや都市文
化(コンサート、美術館、現代建築等)、夜景、産業遺産・文化遺産、都市の生活文化(食事、ショッピ
ング)等を楽しむことを主たる目的とする観光、と分類される。ポートフォリオは様々な観光分野への対
応を考慮した構成になっているものとみており、今後特に新規参入した「都市観光」タイプにおけるトラ
ックレコードの積み上げ状況が、注目ポイントになるものと考えられる。
賃借人及びオペレーター別(16 年 1 月 28 日現在)では、
「星野リゾートグループ」:70.6%(オペレー
ターによる内訳は「星野リゾートグループ」:40.8%、「IHG・ANA・ホテルズグループジャパン」:
29.8%)、「ソラーレ」:19.8%、「カンデオ」
:5.9%、「グリーンズ」:3.7%となっている。上場以降、スポ
ンサーグループ等をマスターレッシーとした長期(15/10 末現在、年間固定賃料ベースで残存年数 10 年
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超が 68.9%)かつ固定賃料主体の賃貸借契約内容等をベースに、100%のマスターリース稼働率が維持さ
れている。また、15/4 期末時点では「星野リゾートグループ」:64.4%、「ソラーレ」:35.6%という構成
であったが、外部成長に伴い、賃借人及びオペレーターの分散も進展している。
固定賃料と変動賃料(売上連動及び利益連動)による不動産賃貸収入のバランスについて、現行ポー
トフォリオの構成は、変動賃料による収入が 16/4 期の想定賃料総額ベースで概ね 2 割程度となる見込み
である。変動賃料を導入している「星のや 軽井沢」等は、賃借人及びオペレーターであるスポンサーグ
ループ等との協業を軸に運営されている。足元では良好なホテル・旅館需要も背景に、各物件の業績は堅
調に推移しており、今後も現状と同等以上の運営能力が維持され、運営状況の変動による賃料のボラティ
リティが継続的に抑制されていくこと、また、固定賃料のみで賃借されている他のホテル(カンデオホテ
ルズ 5 物件及びコンフォートホテル 3 物件)に関しては、客室稼働率、ADR や売上高等、及びこれらを
ベースとした賃料負担率の動向をフォローしていく。
エリア別の分散状況(16 年 3 月 31 日現在)については、北海道・東北地方:9.9%、関東地方:12.7%、
北陸地方:13.9%、中部地方:34.0%、近畿地方:3.9%、中国・四国地方:15.5%、九州・沖縄地方:
10.1%となっており、概ね国内全域にわたって物件を保有しており、エリア集中に関する懸念は特段みら
れない。
一般に資産規模が拡大することで、分散度の上昇に伴うキャッシュフローの安定化、スケールメリッ
トによるコスト低減、物件入替時等における運用の自由度向上などが見込まれ、J-REIT の信用力向上に
資するものと JCR では考えている。本投資法人は当面の資産規模として 1,000 億円の達成を目指す中、
今後特定物件への集中度緩和の観点も含め、スポンサーサポートなどを活用した物件取得等の動向に注目
していく。
【星野リゾートグループの概要】
スポンサーである星野リゾートを中核とした星野リゾートグループは、1904 年に軽井沢で創業後、
1914 年に星野温泉旅館を開業し、2014 年には同旅館開業 100 周年を迎えた。1987 年のリゾート法の施
行を契機に、大手企業のリゾート分野への参入に備え事業内容をリゾート施設・旅館の所有にこだわら
ない運営分野に特化することとし、その企業ビジョンを「リゾート運営の達人」と設定した。特に 2001
年以降の 1990 年代後半の金融危機を経て顕在化した不良債権問題等によって、施設価値再生を求めるリ
ゾート施設・旅館の経営・運営の受託に携わりながら拠点数を拡大してきた。現在では、同グループの
代表的施設として、2005 年に星野温泉旅館の改築計画に基づく「星のや 軽井沢」、2009 年に「星のや
京都」
、2012 年に「星のや 竹富島」
、2015 年に「星のや 富士」を自己所有施設としてそれぞれ開業する
一方、運営受託件数も増加し、2016 年 1 月 28 日現在、同グループが有する拠点は国内 36 箇所、海外 1
箇所にのぼっている。国内では基幹ブランドである「星のや」の他、温泉旅館ブランド「星野リゾート
界」
、デザイナーズリゾートの「星野リゾート リゾナーレ」の 3 ブランドを全国に展開しており、2016
年には「星のや 東京」
、
「星のや バリ」の開業が予定されている。
スポンサーグループでは、国際的なコモディティ化(消費者からみた場合、必ずしも差別化が図られ
ず、結果として似通った商品やサービスが多く提供されるとともに、それらが最適な生産性で生産され、
効率的に消費者に届けられることで、どの企業も競争優位を維持できなくなる状態)が進んでいる高級
宿泊施設セグメントにおいて、
「脱コモディティ化」を図るべく運営効率や集客力の最大化を目的に、グ
ループ独自の運営の仕組みを創出してきた。仕組みの特徴は①マルチタスク(サービスチーム編成)
、②
調理プロセス管理(セントラルキッチン)
、③本部主導のマーケティング、④予約チャネル管理(統合予
約センター)、⑤CS(顧客満足度)調査とフィードバック、⑥ブランド確立戦略といった点にある。こ
れらの仕組みを通じて、スポンサーグループの運営施設に対する顧客の認知率及び利用意向度が上昇傾
向にあることも背景に、本投資法人が保有するスポンサーグループ運営施設の売上高は、足元で総じて
増加傾向にある。一方で、スポンサーグループ運営施設に対する顧客からの期待度は高まっているとみ
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られ、今後運営する施設数の増加が想定される中にあって、労働集約的な側面の強いこの分野において、
足元の高収益かつ円滑な運営状況の継続性が注目される。
【主要保有物件の概要】
(1) 星のや 軽井沢
・本物件は「星のや」、「トンボの湯」、「村民食堂」、「ハルニレテラス」で構成される、リゾートホテ
ル・公衆浴場・店舗である。中核の「星のや」は 05 年 4 月に竣工、フロント・レストラン棟、スパ棟、
ゲストリビング棟・客室棟を有している。客室数は全 77 室で、タイプは①庭路地の部屋:8 室、②水
波の部屋:34 室、③山路地の部屋:35 室に分類される。「トンボの湯」、
「村民食堂」はそれぞれ公衆
浴場、飲食店舗で、02 年 2 月に竣工した。また、
「ハルニレテラス」は 09 年 6 月に竣工した店舗であ
る。オペレーター及びテナントは星野リゾートで、マスターリース稼働率は 100%となっている。
・近隣は星野リゾートが運営する教会、結婚式場、店舗、温泉施設等からなる複合的なリゾートエリア
の一部を構成し、自然環境を満喫できる観光スポット、レジャー施設等が集積しており、優れたリゾ
ートエリアとしての環境が醸成されている。広大な敷地に高い品等の建物などが配され、高級リゾー
ト地としての知名度も高い。しなの鉄道「中軽井沢」駅は南方約 2.5km(道路距離)に、北陸新幹線
の停車駅である JR「軽井沢」駅は南東方約 5.8km(同)に存する等、最寄駅は徒歩圏にはないものの、
車での移動が主体とみられるほか、星野リゾートにより無料シャトルバスや無料送迎バスが運行され
ていることから、アクセスについて特段問題はみられない。客室は定員 2 名から 5 名まで、広さも 39
㎡から 81 ㎡まで(メゾネットタイプを含む)と幅広いバリエーションを具備し、様々な顧客ニーズへ
の対応が可能となっている。
・客室棟を有する「星のや」は築後約 11 年を経過しているが、維持管理の状態は概ね良好である。15
年 10 月度の稼働率:84.1%(対前年同月増減▲3.9pt)、ADR:76,015 円(同+8,533 円)、RevPAR:
63,914 円(同+4,574 円)となっている。
取得日:13 年 7 月 16 日
取得価格:7,600 百万円
鑑定評価額:10,400 百万円(15 年 10 月末時点)
(2) ANA クラウンプラザホテル広島
・83 年 8 月に竣工した、鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地下 2 階付 22 階建のシティホテル。客室数は
409 室で、レストラン、ラウンジ、宴会場、物販店舗、結婚式場、屋上庭園等が併設されている。テ
ナントはホライズン・ホテルズ、オペレーターは IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社で
あり、マスターリース稼働率は 100%となっている。
・周辺は事務所ビル、店舗付事務所ビル、ホテル等が建ち並ぶ商業施設が形成されている。広島市の中
心商業・業務地区である紙屋町や八丁堀からも近く、広島平和記念公園も至近であるほか、平和大通
りに面するため視認性が高いことから、ビジネスや観光の需要を吸収可能である等、ホテルとしての
立地条件は優れている。また、広島全日空ホテル時代からの認知度も高い。全 409 室の客室タイプは
シングル 222 室、ツイン 150 室、ダブル 26 室、エグゼクティブツイン 9 室、エグゼクティブロイヤル
1 室、スイート 1 室で構成される。シングルルームでも 17 ㎡以上を確保し、客室内の家具・什器の更
新状態や内装などは相応の質感を有しており、シモンズ社製のベッドの導入や空調の更新状態、Wi-Fi
接続など、近年のホテルに要求される広さや設備水準も備わっている。また、客室はフロアごとにス
タンダードフロア(7 階から 12 階)
、ミドルフロア(14 階から 19 階)及びクラブフロア(19 階から
21 階)に分類され、宿泊者の多様な利用目的への対応が可能となっている。宴会場については、
1,000 名以上を収容可能なボールルームの「オーキッド」、最大 10 名まで収容可能であり、食事会等
のニーズにあわせたバンケットスイート「オリオン」等、大・中・小 13 の施設が確保されている。
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・築後約 33 年を経過しており、建物の外観上はやや古さが感じられ、経年相応の損耗等が認められるも
のの、維持管理の状態は概ね良好である。15 年 10 月度の稼働率:90.3%(対前年同月増減+2.9pt)
、
ADR:13,025 円(同+2,296 円)
、RevPAR:11,767 円(同+2,390 円)となっている。
取得日:15 年 11 月 2 日
取得価格:17,784 百万円
鑑定評価額:19,000 百万円(15 年 8 月 15 日時点)
(担当)杉山 成夫・松田
信康
■格付対象
発行体:星野リゾート・リート投資法人
【新規】
対象
長期発行体格付
格付
見通し
A-
安定的
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2016 年 4 月 6 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:杉山
主任格付アナリスト:杉山 成夫
成夫
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)のストラクチャード・フ
ァイナンス「格付の方法」のページに、
「J-REIT」
(2014 年 6 月 2 日)の信用格付の方法として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等)
星野リゾート・リート投資法人
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・格付関係者が提供した監査済財務諸表
・格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、iz
いずれかの格付関係者による表明保証もしくは対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が
求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
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■NRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページの“Rating Information”(http://www.jcr.co.jp/english/top_cont/rat_info01.php)
に掲載されるニュースリリースに添付しています。
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