ステアリングとサスペンション - Nye Lubricants

ステアリングとサスペンション
ステアリングシステムとサスペンションシステム向けの
潤滑油ガイドです。
Innovative Solutions since 1844
ステアリングと
サスペンション
ス
乗り心地の良さと耐久性の向上
テアリング システムとサスペンション システムに求める条件は、信頼性、即応性、そしてノイズ、がたつき、
振動の解消です。 こうした要求を満たす手助けをするのが合成潤滑油です。 正確に配合された合成油とグリー
スを使用すると、ステアリング システムやサスペンション システムが起伏の大きい路面環境にさらされた場合
でも、ノイズやがたつきを吸収し、耐性を高めて、摩擦と磨耗を最小限に抑えることができます。
このパンフレットでは、当社が自動車メーカーや世界各国の部品メーカーとの提携によって得た知識を交えて、ステアリ
ング システムとサスペンション システムの潤滑について重点的に説明します。 用途に応じて最適な潤滑油を検討できる
よう、このパンフレットは設計プロセスの初期にお使いください。貴社製品の性能を向上させる革新的なソリューション
は、Nyeへお問い合わせください。
ステアリング コラム ベアリング
ステアリング コラムの先端にあるボール ベアリングは、運
転感覚に大きく影響します。このベアリングが正しく潤滑さ
れていないと、ステアリングの即応性が損なわれ、ステアリ
ング コラムを通してドライバーにノイズや振動が伝わりま
す。極端な温度差、湿度、埃、絶え間ない負荷の変化に見
舞われる環境では、対応温度範囲が広く、防錆効果の高い
高粘度グリースを使用すると、点検間隔を延ばすことがで
きます。この用途には Rheolube® 368A がお勧めです。
ステアリング ホイールのティルト機
構とテレスコープ機構
ティルト機構とテレスコープ機構には、磨耗を防ぎ、
ガタや耳障りなノイズを解消するように設計されたダ
ンピンググリースが適しています。PTFE 添加のダンピ
ンググリースは、高いせん断安定性を持ち高信頼で低
摩擦のスムーズな動きをもたらします。この用途には
Fluorocarbon Gel 868 がお勧めです。
電動ティルト・テレスコープシステムには、高トルクの小型モータが備わっていま
す。ダンピング グリースを使用すると、ギアボックスの潤滑効果が長期間持続し、ス
テアリング コラムを通して伝わるモータの振動やノイズを軽減することができます。
この用途には NyoGel® 774LF がお勧めです。
インターミディエイトシャフト
インターミディエイトシャフトは、ステアリング コラムをラック&ピニオン システ
ムに連結する役割を果たしています。また、路面からのノイズが車体内部に達しない
ように、振動や衝撃を吸収する役目もあります。プラスチックとメタルを接続するシ
ャフトの場合は、PTFE 添加の中粘度合成炭化水素グリースを使用すると、滑りのよ
さと「静止摩擦」の軽減を実現できます。メタルとメタルを連結するシャフト
の場合は、重粘度の合成炭化水素グリースが適しています。最新式のテレス
コープ シャフトの内部など、比較的狭いスペースを潤滑するには、しゅう動
面専用の軽粘度グリースをお使いください。この用途には Rheolube® 362HB と
Fluorocarbon Gel 868MS と Rheolube® 393VH-MB がお勧めです。
潤滑に関
するヒント
高粘度のベース オ
イルを使用すると、
磨耗防止効果は高ま
りますが、粘性抵抗
も高まる傾向があり
ます。
ラック&ピニオン システム
ショック アブゾーバーとストラット
ラック&ピニオン機構は、潤滑に関するさまざまな課題を
抱えています。ラックとピニオン ギアの連結部には、極圧
添加剤と磨耗防止剤を含んだ合成潤滑油を使用して、ノイ
ズと振動 (ラックノック) を軽減する必要があります。ラ
ック&ピニオン システムが排気システムの近くに装備され
ている場合には、潤滑油が 150°C 以上の高温に耐えうる
ことも必要です。この用途には Rheolube® 393 と Fluorocarbon Gel 880MS & 868H がお勧めです。
最新式のサスペンション システムでは、これまでにない
カスタマイズが可能になっています。ただし、従来型のシ
ョック アブゾーバーの緩衝液は、低温時に粘性が高くな
り、液量を制御してサスペンションの剛性を調整するバ
ルブを通過できないことがあります。調整可能なサスペン
ション システムの潤滑には、-60°C の低温にも対応する
超低粘度の合成潤滑剤をお使いください。この用途には
Nye Synthetic Oil 167B がお勧めです。
ラックとピニオン
ギアをかみ合わせるヨークも、ノイ
ズや磨耗の原因となる場合があります。Y
形状ヨークに
よっては、ラックに熱処理と研磨が加えられ、皮膜や凹
凸が取り除かれているものもあります。高負荷用に強化
された高粘度の合成炭化水素グリースを使用すると、
研磨加工されていないラックの磨耗を防ぐため、手間
のかかる研磨を行わなくても済みます。この用途には
Rheolube® 393VH と PG44Aと Fluorocarbon 868VH がお勧めで
す。
スタビライザー ブッシング
電動パワーステアリング モータ
電動パワーステアリング モータは、ラック&ピニオン機構
の上に直接取り付ける場合があります。これらのモータに
は、防錆剤と極圧添加剤を含んだ中粘度合成ギア潤滑油が
適しています。この用途には Rheolube® 365A-MS がお勧め
です。
車体内部 (フット ペダルの近くが一般的) に取り付けられ
た小型プラスチック ギアボックスのモータには、PTFE が
添加された軽粘度の合成炭化水素潤滑油が適しています。
この用途には Rheolube® 363F がお勧めです。
ボール ジョイント
密着型のボール・ソケット設計は、あらゆる向きの激しい
動きにさらされています。ボールジョイント内の潤滑油
は、過酷な環境条件、エンジン熱、起伏の激しい路面から
の衝撃、滑らかな路面から伝わる連続性微振動など、さま
ざまな要因に耐えうることが前提となります。最新式のボ
ール ジョイントにはグリースニップルが備わっ
ていないので、最初に注入した潤滑油だ
けで潤滑効果を持続させる必要があり
ます。対応温度範囲の広い耐水、耐
塩水の合成グリースをお使いくだ
さい。この用途には Fluorocarbon
Gel 880 と NyoGel® 774LF と
潤滑に関
Rheolube® 393 がお勧めです 。
するヒント
ベース オイルは潤
滑効果をもたらすグ
リースの主要素です。
油分のにじみ現象が見
られるかどうかによっ
て、ベース オイルの使
用量を判断すること
ができます。
スタビライザー ブッシングは、アンダー
フードの高温にさらされながら、スタ
ビライザー バーとコントロール アー
ムとの密着性を維持する必要があり
ます。このように、応力と圧力が
絶えず変化する環境で高温にさら
潤滑に関
されると、ゴム部が劣化する傾
するヒント
向にあります。ブッシングには
フッ素油とフッ素
グリースは、シリコン グリースが適していま
90°C ~ 250°C 以
す。フッ素グリースはスタビラ
上の温度範囲に対
イザー ブッシングに特に効果が
応しています。
あります。この用途には Fluorocarbon Gel 880と Fluorocarbon Gel 868Hと
UniFlor™8612 がお勧めです。
リーフ スプリング
ピックアップ トラックと SUV で一般的に使用されるリー
フスプリングは、後輪のサスペンションを可能にし、ショ
ックを吸収する効果があります。リーフ スプリングは、
水、海水、砂利などにさらされているので、磨耗や亀裂が
起こりやすく、耳障りなノイズを発することもあります。
極圧対応された高粘度の合成グリースを使用すると、磨耗
と腐食を軽減できるほか、制動機能を高めて、路面からの
ノイズを最小限に抑えることができます。この用途には:
NyoGel® 774VH-MS がお勧めです。
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