熱膨張率 - NMIJ

第4回固体熱物性クラブ講演会@秋葉原、Jan. 16. 2009.
固体熱物性標準整備の現状と開発計画
-熱膨張率産業技術総合研究所
山田修史
・熱膨張率標準の整備状況
・膨張計の校正に関連して
第4回固体熱物性クラブ講演会@秋葉原、Jan. 16. 2009.
熱膨張率標準供給項目 詳細(2009. 1現在)
供給形態
標準物質※
名称
適用範囲
不確かさ等
標準物質名
適用温度範囲
参照値の不確かさ
単結晶シリコン
(NMIJ RM 1101-a)
293 K - 1000 K
ガラス状炭素
(NMIJ RM 1102-a)
293 K - 1100 K
単結晶シリコン
(NMIJ RM 1103-a)
試験名
相対拡張不確かさ: < 1.2 %
3
3
3
頒布形状:6.0□×L10 mm , 6.0□×L20 mm
-9
20 K -300 K
3
頒布形状:4.5□×L60 mm , 9.0□×L60 mm
相対拡張不確かさ: < 3.3 %
-1
-9
拡張不確かさ: 6.0×10 K ~ 8.0×10 K
3
-1
3
頒布形状:10.0□×L30 mm , 10.0□×L60 mm
最高測定能力(k =2)
校正範囲
・単結晶シリコン
もしくはガラス状炭素の
熱膨張率校正
・25×25×t6の単結晶シリコン
-8 -1
もしくはガラス状炭素試験片
2.0×10 K
・校正温度範囲は293 K-1000 K
・短尺ブロックゲージの
熱膨張率校正
150
・呼び長20 mm以上かつ100 mm ⎡ 4.6 α + D ⎤
−9
−1
+ 0.20
⎢
⎥ ×10 ℃ ; D =
以下のJIS K級ブロックゲージ
Δ
T
L
⎢⎣
⎥⎦
0
もしくはこれと同等寸法精度形
-6 -1
状の固体ブロック
ここで入力量の単位はαが10 ℃ , L 0がmm, ΔT
・校正温度範囲は5 ℃ - 35 ℃
が℃とする。
依頼試験
2
2
※現行のロットについては研究成果品扱い、次回生産ロットより認証標準物質(CRM)へ移行する予定
H20FYより頒布業務を外部委託。委託先リスト:http://www.nmij.jp/service/P/else/gyou-ichiran.pdf
第4回固体熱物性クラブ講演会@秋葉原、Jan. 16. 2009.
熱膨張率標準の整備状況 (2009. 1現在)
・標準物質: PR式膨張計やTMAの参照試験片
・依頼試験: レーザ干渉式膨張計群による器物の熱膨張率校正サービス
標準開発/供給の状況:
2004 年度
05
06
07
08
09
ガラス状炭素(RM1102-a)
標準物質
単結晶シリコン(RM1103-a)
依頼試験
single-Si, GCの熱膨張率校正
短尺BGの熱膨張率校正
11
産総研第三期
単結晶シリコン(RM1101-a)
10
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今後の整備予定(熱膨張率関連)
05
2004 年度
06
07
08
09
10
単結晶シリコン(RM1101-a)
6
ガラス状炭素(RM1102-a)
5
4
-6
CTE /10 K
-1
単結晶シリコン(RM1103-a)
3
2
1
NMIJ RM1101-a
NMIJ RM1102-a
NMIJ RM1103-a
0
-1
0
200
400
600
800
1000
ガラス状炭素(RM1104(予定))
1200
Temperature /K
single-Si, GCの熱膨張率校正
短尺BGの熱膨張率校正
無酸素銅(RM1105(予定))
11
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EL
測微望遠鏡法
E
ES
TMS
Knife edge
W
GE
DT
押し棒法
S
S
S
I
TMS
W
GE: Guard electrode
R
E: Electrode
PR
電気容量法
光干渉法
TC
歪みゲージ法
TM
TB
S
SG
固体材料の
熱膨張測定法
RM
F
S
PBS
SG: Strain gauge
BC: Bridge circuit
PS: Power supply
SA: Strain amplifier
TB: Thermal bath
S: Specimen
D: Dummy sample
光走査法
BC
BC
QWP
S
M
W
W
TS
PD
S
D
LS: Laser source
S: Specimen
M: Mirror
PBS: Polarizing beamsplitter
CCP: Corner cube prism
BC: Beamcoupler
QWP: Quarter wave plate
PD: Photo detector
L
PM
PD
PBS
SA
Knife edge
L
W
Re f. signal
PD
PS
Probe light
M
Probe signal
D
BC
CCP
光てこ法
LS
F
TMS: Telemicroscope
LEB: Low-expansion bar
W: Window
S: Specimen
F: Furnace
screening time
DT: Displacement transducer
PR: Pushrod
TC: Termocouple
R: Recorder
S: Specimen
RS : Reference material
F: Furnace
LEB
ES: Electric shield
EL: Electric lead
I: Insulation
S: Specimen
F
S
M: Mirror
W: Window
TS: Twisted strip
D: Diahragm
S: Specimen
H: Heater
PD
H
scan verosity
LS
LS: Laser source
PM: Polygon mirror
L: fθ lens
PD: photo detector
S: Specimen
R: Recorder
F: Furnace
W: Window
R
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プッシュロッド式膨張計とTMAによる熱膨張測定
模式図:差動型TMA
スプリング
荷重発生部
変位検出部
(差動トランス)
関連JIS規格:
・JIS R1618: 2202 ファインセラミックスの熱機械分析
による熱膨張の測定法
・JIS Z2285: 2003 金属材料の線膨張係数の測定法
など
熱膨張率の決定手順
温度変化:
T1 → T2 ; ΔT = T2 − T1
①:(測定試料 + 参照試料)による測定
ΔLSP ,m = (ΔLSP − ΔLref ) + ΔLbl
マイクロメータ
検出棒
温度制御部
測定試料
②:(参照試料 + 参照試料)による測定
熱電対
ΔLref ,m = (ΔLref − ΔLref ) + ΔLbl
参照試料
α sp ≡
ΔLsp
ΔT ⋅ L0
=
(ΔLsp ,m − ΔLref ,m )
ΔT ⋅ L0
+ α ref
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PR膨張計・熱機械分析装置における校正(1)
変位の校正
JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ、または装置に付属するマイクロメータに
よって、変位計の出力の校正を行う。また、参照試料と同一材質・同一寸法の試料を
用いて、実際の測定と同じ測定条件でベースラインの測定をする。
(JIS R1618:2202 ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定法 他)
スプリング
荷重発生部
①:(測定試料 + 参照試料)による測定
ΔLSP ,m = (ΔLSP − ΔLref ) + ΔLbl
変位検出部
(差動トランス)
②:(参照試料 + 参照試料)による測定
ΔLref ,m = (ΔLref − ΔLref ) + ΔLbl
マイクロメータ
検出棒
測定試料
熱電対
参照試料
α sp ≡
ΔLsp
ΔT ⋅ L0
=
(ΔLsp ,m − ΔLref ,m )
ΔT ⋅ L0
+ α ref
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PR膨張計・熱機械分析装置における校正(2)
温度の校正
使用する温度計の校正には純度が99.9%以上の校正用試料を用い実際の測定の場
合と同じ条件(荷重、昇温速度、雰囲気)で校正用試料の融解に伴う検出棒の変位が
起こるときの熱電対の出力電圧を測定する。
(JIS R1618:2202 ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定法)
0.2
検出棒
Indium
0.0
物質名
試料容器
参照試料
ΔL
normalized
-0.2
インジウム
-0.4
-0.6
-0.8
試料容器
-1.0
校正用試料
(純金属)
熱電対
-1.2
0.5
すず
Thickness
亜鉛
~50μm
アルミニウム
~100μm
~150μm
銀
~200μm
金
~300μm
融点
T 90 (K)
t 90 (℃)
156.6
429.7
231.9
505.1
419.5
692.7
660.3
933.5
961.8
1234.9
1064.2
1337.3
*50μm,150μm; 5N
Others; 4N
1
1.5
2
T -T /K
TC
M
2.5
3
3.5
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熱膨張計校正キットの開発
◎熱膨張率標準物質の範囲拡充
・適用温度範囲の超高温領域への拡張 (at ~2000 K by GC, 高融点金属)
・参照値の多様化(熱膨張率の大きいモノから小さなモノまで; by 銅, アルミナ, 石英ガラス etc)
を継続する。
さらに
標準値の
小さな不確かさが
生かされていない!!
AIST
5
熱膨張率標準物質
単結晶シリコンの
Si,
3rd run
RRT結果
4.5
α (10-6/K)
実際の測定の現場では、4
3.5
3
参照値の不確かさ:~10-8K-1
2.5
2
関連JIS規格:
・JIS R1618: 2002 ファインセラ
ミックスの熱機械分析による熱膨
張の測定法
・JIS Z2285: 2003 金属材料の
線膨張係数の測定法 他
200
400
600
Temperature (K)
800
1000
C1
C2
C3
C4
C5
C6
C7
C8
U1
U2
U3
標準物質の
U4
O1
供給だけで
O2
いいの?
取得データの健全性・信頼性を確保のみならず計測スキルのアップおよび
不確かさ評価への意識の向上を目的とし、
高付加価値な標準供給形態として、
・標準物質(2種類以上)+その他有用な標準データ情報
・関連JIS規格の詳細解説/ガイド
・上記規格に準拠した実践的な校正プロトコル/チェックシート
・不確かさの推定に係る技術資料 等
を1パッケージとした校正キットの開発を検討
ご意見お願いします