水素エネルギーの意義 水素は、石油や天然ガス等の化石燃料、バイオマスで発生したメタノールやメタンガスの改質や、風力発電・ 太陽光発電を用いた水の電気分解等の多種多様なエネルギー源からの製造が可能であり、エネルギーセ キュリティの観点から有用です。 また、水素は、利用段階ではCO2を排出しないため、化石燃料由来の水素製造過程に二酸化炭素回収貯留 (CCS)を組み合わせた水素製造や非化石エネルギー由来の水素製造が技術的・コスト的に可能になれ ば、製造から利用段階に至るまで、CO2を排出しないエネルギーとなります。 家庭で使用する電気や熱の供給源や自動車用の燃料に、二酸化炭素を発生する化石燃料ではなく水素を 利用する新しい社会は、私たちの理想の未来ともいえます。 現実的な選択肢としてのエネルギー ガス管、石油精製所、コークス炉、ガソリンスタンド、 ローリー等の運搬車など、既存のインフラの活用 クリーンなエネルギー 水素を燃料とすることによりCO2排出量削減に貢献 水素 (H2) スマートコミニティにおけるエネルギー源の活用 ●水素を製造、運搬、貯蔵しオンサイトで使用するこ とによる分散型電源やエネルギーキャリアとしての 利用 現実的な選択肢としてのエネルギー ●自然には単独では存在しないが、化合物として地球 上に無尽蔵に存在。 ●石油や天然ガスをはじめ、太陽光、バイオマス等の 非化石エネルギーからの製造も可能 ●石油精製所、コークス・製鉄産業等から副生水素を 活用 ! 電気 燃料電池自動車 エネファーム 熱 導入期の 終了 電気 業務用燃料電池 熱 オフィス 電車・都市交通 燃料電池の用途展開 ●燃料電池とは 燃料電池は、水素などの燃料と酸素を化学的に反応させて電気を取り出し、発電時に水しか発生しないク リーンな発電システムです。 水素と酸素の化学反応により直接電気と熱を発生させるため、発電過程で熱エネルギーや機械エネル ギーなどに変換するロスがなく、高効率な発電ができます。また、電気と熱両方を有効に利用することによ り、非常に高い総合エネルギー効率を得られます。 燃料電池の発電効率は、低出力でも内燃機関に比べて高いため、分散型電源として、高出力においても高 効率の火力発電システムであるガスタービンコンバインドサイクルに組み合わせることで、更に高効率の発 電システムとして、幅広い出力で利用が期待されています。 水の電気分解と燃料電池発電の原理 エネルギーロスの少ない燃料電池発電 出典: (一社)日本電機工業会のWebsiteより ●燃料電池利用のいろいろな用途 家庭用燃料電池システム、 燃料電池自動車以外にも、 さまざまな用途での燃料電池の利用が考えられています。 家庭用燃料電池 (エネファーム) 業務用固体酸化 物形燃料電池 業務用りん 酸形 燃料電池 (5kW級) (100kW級) 70 (250kW∼数MW級) トリプルコンバインドシステム 発電事業用 (700W級) SOFC-マイクロガスター ビンハイブリッドシステム 小型トリプルコンバインドシステム 60 ポータブル燃料電池 発電効率 (%) イメージ図 固体酸化物形 (SOFC) 家庭用・業務用 50 溶融炭酸塩形(MCFC) 業務用 固体高分子形(PEFC) 家庭用・自動車用 りん酸形(PAFC) ガスエンジン 業務用 ディーゼルエンジン 40 (200W級) 燃料電池自動車 マイクロ ガスエンジン 30 0 (90-100kW級) 1 10 コンバインド サイクル ガスタービン 石炭火力(蒸気) (40∼110MW級) 大型トリプルコンバインドシステム マイクロ ガスタービン 100 1000 1万 出力 (kW) 燃料電池の発電効率と優位性 10万 100万 は開発目標値 (燃料電池の発電効率は低発電出力でも内燃機関と比べて高い) (1200MW級) 家庭用燃料電池(エネファーム) ●家庭用燃料電池のシステム構成 ■SOFCとPEFCの違い 貯湯へ SOFC 燃料 改質装置 水素 CO 制御 装置 貯湯 ユニット 空気 パワコン 電気 バックアップ ボイラ 補機 空気 バックアップ ボイラ 水素 貯湯 ユニット 補機 熱交換器 電力 水素・CO ・CO セル スタック 改質装置 温水 空気 熱交換器 加湿器 改質装置 燃料 パワコン 電気 改 質 器 貯湯へ 燃料 制御 装置 脱 硫 器 空気 モジュール 温水 スタック セルスタック 燃料 改質装置 熱交換器 セル PEFC 熱交換器 脱 硫 器 改 質 器 シ CO フ 除 ト 去 水素 セル スタック 熱交換器 貯湯へ ●家庭用燃料電池のシステムの利用例と特徴 ●家庭用燃料電池のラインナップ 製造メーカー パナソニック 東芝燃料電池 システム JX日鉱日石 エネルギー アイシン精機 燃料電池形式 PEFC PEFC SOFC SOFC 定格出力 750W 700W 700W 700W 定格発電効率 39.0%(LHV) 38.5%(LHV) 45.0%(LHV) 46.5%(LHV) 定格総合効率 95.0%(LHV) 94.0%(LHV) 87.0%(LHV) 90.0%(LHV) 貯湯量 貯湯温度 147L 約60℃ 200L 約60℃ 90L 約70℃ 90L 約70℃ パワ コン 電力 パワ コン 冷却水 燃料電池自動車 ●燃料電池自動車(FCV)とは ●燃料電池自動車の特徴 天然ガス由来のエネルギーによる総合効率比較 【燃料の効率】 【車の効率】 天然ガス 【総合効率】 CNG HV 84% × 34% = 29% パイプライン 水素 充填 FCV 56% × 60% = トレーラ 34% 【70MPa】 電気 EV 32% × 81% = 26% 日本国内の場合 Toyota 試算 水素・FCVの総合効率が最も高く、 電気・EVの約1. 3倍 出典:トヨタ自動車 (実証段階・2015年市場導入予定) 水素ステーションの先行整備 ●燃料電池自動車の国内市場導入と水素供給インフラ整備に関する共同声明 2011 ●水素供給設備について ❺水素集中製造設備 ❺水素集中製造設備:製油所内などにある大規模水素製造設備 水素インフラ整備に向けた規制の見直し 燃料電池自動車用水素ステーションの整備コストの低下のため、高圧ガス保安法等の規制について、配管・ バルブ等の設計係数、 使用可能鋼材の制約などの規制を見直す必要があります。 例えば、国際基準である70MPa燃料電池自動車に対応した水素スタンドに係る法整備がなされていな かったため、市街地に70MPa水素スタンドを建設することが出来ませんでしたが、2012年度に高圧ガス 保安法一般則及び例示基準の改正を行った結果、 市街地への建設が可能になりました。 また、水素スタンドとガソリンスタンドの併設については、既存法規で対応可能という見解が消防庁の報告 書によって示された結果、 水素ディスペンサーとガソリンディスペンサーの併設が可能となりました。 水素がエネルギーとして普及し始めると、 今までの法規制では想定していなかったような事例や十分に対応 できない事例が出てくることもあります。 法律の整備は安全性の確保が大前提ですので、 規制の緩和が必要 な部分は見直しながらも、 これまで見過ごしていた部分には新たに規制や基準を設けることも必要です。 ●水素スタンドに関する規制の見直し 規制の緩和に向けて、2010年12月、経済産業省は、国土交通省、消防庁とともに規制の再点検 が必要な 16項目の工程表を公表。追加の8項目については、規制改革実施計画(2013年6月14日閣議決定)に基 づき、検討しています。 材料の規制 立地の規制 ○ 保安検査の基準整備(開放検査が必須) (高圧ガス保安法) ○ 設計計数の緩和(配管:4倍) (高圧ガス保安法) ○ 配管等への使用可能鋼材の拡大 (高圧ガス保安法) ○ 蓄圧器への複合容器使用の基準整備 (高圧ガス保安法) ● 使用可能鋼材に係る性能基準の整備 (高圧ガス保安法) ○ 70MPaスタンドを設置する基準整備 (高圧ガス保安法) ○ 水素保有量の上限の撤廃 (建築基準法) ● 液化水素スタンドの規制・基準の整備 (高圧ガス保安法、消防法、建築基準法) ● 市街地に設置可能な小規模水素ステーション の基準整備 (高圧ガス保安法、建築基準法) ● 市街地における水素保有量の増加 (建築基準法) ● 市街化調整区域への水素スタンド設置許可 基準の設定 (都市計画法) ○ は、2010年12月点検項目 ● は、2013年追加項目 ※赤字は見直し済項目 輸送の規制 ○ 容器の圧力上限緩和(35→45MPa) (高圧ガス保安法) ○ 安全弁の種類追加(ガラス球式) (高圧ガス保安法) ○ 容器等に対する刻印方式の特例 (高圧ガス保安法) ● 水素運送トレーラー容器の上限温度の 見直し(40℃⇒85℃) (高圧ガス保安法) マルチステーション 蓄圧器 圧縮器 水素 ディスペンサー 水素トレーラー 水素製造装置 給油空地 貯蔵 距離の規制 運営の規制 その他の規制 ○ CNGスタンド併設時の設備間距離短縮 (高圧ガス保安法) ○ ガソリンディスペンサーとの併設 (消防法) ○ 公道との離隔距離短縮(8m→6m) (高圧ガス保安法) ○ ディスペンサー周辺の防爆基準の策定 (高圧ガス保安法) ● プレクーラーと学校・病院等との距離短縮 (10m⇒8m) (高圧ガス保安法) ○ セルフ充填の検討 (高圧ガス保安法) ○ 充填圧力の緩和(フル充塡) (高圧ガス保安法) ○ 公道充填のための基準整備 (高圧ガス保安法) ● 水電解機能を有する昇圧装置の定義 (高圧ガス保安法) 水素供給インフラに関する法律:高圧ガス保安法、消防法、建築基準法、都市計画法 燃料電池自動車の導入、走行に関する法律:高圧ガス保安法、消防法、道路運送車両法 エネファームの市場自立化に向けた取り組み① エネファームは、燃料電池の技術開発の支援、2005年からの4年間で3千台以上の大規模な実証など、 商品化に対し強力な支援を行い、2009年に世界に先駆けて販売が開始されました。 エネファームの量産化を支援するため、導入費用の一部補助を実施しており、これまでに5.5万台以上が 普及しています。 技術開発や量産化を支援した結果、2009年の販売開始時には300万円を超えていたものが、現在では 200万円を切るところまで着実に価格が低下しています。 市場拡大に向けて、海外への展開(2013年9月パナソニック㈱は、2014年4月からドイツで家庭用燃 料電池を販売することを発表)や集合住宅に設置可能なエネファームの開発が進められています。 ●家庭用燃料電池開発の経緯 ∼14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 技術開発 (12−16年度) 固体高分子形燃料電池システム技術開発 (17−21年度) 固体高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発 (13−16年度) 固体酸化物形燃料電池の研究開発 (16−19年度) 固体酸化物形燃料電池システム技術開発 (22−26年度) 固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発 (20−24年度) 固体酸化物形燃料電池システム要素技術開発 (25−29年度) 固体酸化物形燃 料電池等実用化 推進技術開発 エネファームに必要な要素技術開発 、システム開発 実証 (14∼16年度) PEFC 45台 定置用燃料電池実証研究事業 (17∼20年度) PEFC 3,307台 定置用燃料電池大規模実証研究事業 (19−22年度) SOFC 233台 固体酸化物形燃料電池実証研究 実使用条件下で性能確認、商品化に向けた課題抽出と改良 規制適性化 (12−16年度) (17−21年度) 水素社会構築共通基盤整備事業等 固体高分子形燃料電池システム普及基盤整備事業 規制適性化への試験データの提供 ●燃料電池の現状と普及シナリオ ●「日本再興戦略」 (2013年6月)において、 導入 補助の 終了 ●2009年、固体高分子形燃料電池(PEFC)が 世界に先駆けて市場投入。2011年、発電効率が 高い固体酸化物形燃料電池(SOFC)が市場投入。 約5.5万台 2013.10 エネファームの市場自立化に向けた取り組み② エネファームの市場自立化にあたっては、通常の給湯器と比較してメリットの得られる価格である約70万 円∼80万円までコストダウンを行う必要があります。 システムコストの低減にあたっては、特に周辺機器(補機)のコストダウンが重要であることから、エネ ファームメーカと周辺機器(補機)専門メーカが集結し、補機の仕様の共通化と補機の開発に取り組んでき ました。 一部の補器について、十分に低コスト化が進んでいないため、技術力を有する企業の新規参入による競争 力強化が必要です。 ●エネファームの構成要素 補機・その他 ブロアー 水流量計 燃料切換弁 燃料出口弁 空気流量計 燃料流量計 圧力計 ガスセンサー 温度センサー その他 燃料電池スタック 熱交換ユニット 温水熱交換器 凝縮水タンク 冷却水タンク 水ポンプ 水浄化装置 空気フィルター オートドレン パッキン類 空気流路配管 純水配管 貯湯水配管 加湿器 その他配管・継手 家庭用燃料電池を構成する主要部品・デバイスの例 MEA (膜・電極) セパレータ ガスケット 端板等 貯湯槽 タンク ケーシング他 三方弁等 バックアップ熱源 燃料処理装置 脱硫剤 改質触媒 変成触媒 選択酸化触媒 制御部 改質器 バーナー 脱硫器 変成器 選択酸化器 排ガスバーナー他 パッキン 断熱材 機能部品 センサ・ヒータ 熱電対 バルブ類 インバータ メイン基板 スイッチング電源 リモコン ハーネス インバータ リレーボックス NEDO 固体高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発 「家庭用燃料電池システムの周辺機器の技術開発」 (H17∼21年度) 成果品 [弁 類] 平成17∼19年度 開発品 ㈱鷺宮製作所、タイム技研㈱、㈱ミクニ、 SMC㈱、㈱アイビーエスジャパン 電磁弁: SMC㈱ [圧 力 計] 日本電産コパル電子㈱ 圧力計:日本電産コパル電子㈱ [流 量 計] 愛知時計電機㈱、㈱オーバル、 ㈱山武 [ポ ン プ] ㈱イワキ、㈱ミクニ、 日本コントロール工業㈱、 ㈱荏原製作所、㈱ニクニ、 ㈱萩原製作所、 パナソニック電工㈱ 空気流量計:㈱山武 [ブ ロ ワ] 平成20∼21年度 開発品 [インバータ] ㈱ウィンズ、㈱三社電機製作所、 オリジン電気㈱、田淵電機㈱、 東京精電㈱ [熱 交 換 器] ㈱アタゴ製作所、㈱三五、 ㈱ティラド、㈱リガルジョイント インバータ:田淵電機㈱ [水処理装置] オルガノ㈱ ㈱テクノ高槻、アルバック機工㈱、㈱イワキ、廃熱回収ポンプ:㈱萩原製作所 ㈱荏原電産、安永エアポンプ㈱、太産工業㈱ バーナ空気ブロワ:安永エアポンプ㈱ 熱交換器:㈱ティラド 水処理装置:オルガノ㈱ 水素ステーション整備に向けて① オンサイト水素ステーションにかかる供給設備のコストは、2013年度で5.5億円程度と試算されており、 燃料電池自動車の市場投入予定の2015年度には3.6億円まで下げることが目標となっています。規制緩 和、量産効果、技術開発の組合せとパッケージ化(コンテナ内に収納するなど)、機器の標準化等によって、 毎年15∼20%程度のコスト低減を期待しています。 ●水素供給の流れ(オンサイト水素ステーション) ①水素改質器:燃料から水素を製造・改質する装置 ②圧縮機:水素を圧縮・加圧する装置 ③蓄圧器:水素を加圧状態で保存する容器 ④水素ディスペンサー:水素を適量取り出し車に供給する装置 ●オンサイト水素ステーションの水素供給設備コスト内訳 2013年度 5. 5億円 エンジニアリング費、 建築土木費 ④ ディスペンサー・ プレクーラ ① 改質機 ①水素製造・精製装置 ②70MPa圧縮機 ③80MPa級蓄圧器 ④ディスペンサ・プレクーラ ② ③ 圧縮機 蓄圧器 水素ステーション整備に向けて② 2015年の燃料電池自動車の市場投入に向けて、 水素ステーションの整備コスト低減には、 炭素繊維を用い た大型の高圧複合容器の開発・導入が有効です。 高圧複合容器には国内企業が競争力を有する炭素繊維を 大量に使用することから、炭素繊維を中核とした国内産業の育成にも寄与します。高圧複合容器について、 高圧ガスサイクル試験をはじめとした試験を実施するため、 世界最高級の試験設備が建設されています。 ●水素容器試験設備 (公財)水素エネルギー製品研究試験センター (HyTReC) (一財)日本自動車研究所(JARI) 事業概要 事業概要 水素エネルギー製品研究試験センターで は、水素ガス環境下で使用する「バルブ」 「センサー」など水素関連製品の耐久性 試 験や企業との共同研究開発などを通 じて中小・ベンチャー企業の水素エネル ギー新産業への参入を支援しています。 (所在地:福岡県糸島市) HyTReCで実施する代表的な水素製品試験 日本自動車研究所では、燃料電池自動車の安全性 を評価する各種試験装置を備えています。世界初 の燃料電池自動車の火災に対する安全性を評価す る設備も備わっています。これらの設備により、燃 料電池自動車の実用化・普及のための安全性評価 法の国内外の標準・基準化に貢献しています。 (所在地:茨城県東茨城郡城里町) 水素・燃料電池自動車の安全評価試験設備(Hy-SEF)の主な試験設備 ●高圧水素試験室 ●防爆火災試験ドーム 耐久試験/最大99MPaの水素の流通/停止を繰り返しながら、 製品を作動させ、 その耐久性を確認する。 気密試験/試験体へ最大110MPaの水素を充てん/放置し、 試験体の気密性能を確認する。 圧力サイクル試験/水素を使って容器等へ指定した上限/下限圧力を繰り返し加え、 試験体への影響を確認する。 環境試験/試験体へ水素を流通させつつ、 廻りの温度を変化させ、 試験体の影響を確認する。 ・屋内での高圧容器搭載車両の火災試験、 高圧ガス容器の火炎暴露試験の実施 ・容量260L、 充填圧力70MPaの高圧水素容器が破裂した場合においても安全な構造 耐爆カバー/圧力・ 流量制御ユニット ●水素試験設備 水加圧試験設備 ●振動試験室 ●低圧水素試験室 振動試験/ 試験体を強制的に振動させ、 振動による 影響を確認する。 耐久試験/ 最大0.9MPaの水素の流通/停止を繰り返しながら、 製品を作動させ、 その耐久性を確認する。 性状調整水素流通試験/ 改質器から発生した不純物を含む 水素 (改質ガス) を模擬した性状調整水素を 試験体へ流通させ、 その影響を確認する。 環境試験/ 試験体へ水素を流通させつつ、 廻りの温度を変化させ、 試験体への影響を確認する。 環境試験設備 振動試験設備 環境試験/ 試験体へ水素を流通させつつ、 廻りの温度を変化させ、 試験体への 影響を確認する。 ヒートショック試験/ 試験体廻りの温度を急激に変化させ、 熱膨張/ 収縮による試験体への影響を確認する。 ヒートショック試験/ 試験体廻りの温度を急激に変化させ、 熱膨張/ 収縮による試験体への影響を確認する。 高圧タイプ オートクレーブ 270MPa増圧機 (サイクル試験用 サイクル試験用) ●強度試験室 コーンカロリーメータ/燃料電池部品や絶縁材料などの火災の危険度を予測する発熱速度を算出す る装置 絶縁材料燃焼物有害ガス成分分析システム/種々材料の燃焼時に発生する有毒ガスを分析する装 置 水素拡散透過性試験用濃度検知装置/水素、ヘリウムガス濃度を測定する装置 容器内の水素濃 度を測定 水素挙動可視化装置/水素ガスの挙動を可視化する装置 高圧電線過電流評価システム/高圧電線の短絡、 あるいは過電流が流れた際の燃焼性を調べる装置 環境試験設備 ●その他の試験設備 高温タイプオートクレープ 高圧タイプオートクレープ 気密チャンパー など 水素挙動可視化装置 水素充填設備/高圧水素容器の水素ガスによる急速充填試験、 ガスサイクル試験等を実施する装置 ガス透過試験設/備高圧水素容器の外部への水素透過量を調査する装置 透過量はガスクロマト グラフにより計測 環境温度の制御可能 容器付属品高温・低温試験装置/高圧水素容器に取り付ける電磁弁などの付属品の環境温度下にお ける性能を評価する装置 ガス試験室(ピット)/高圧水素容器のガスサイクル試験、ガス透過試験、急速充填試験などの高圧 水素ガスを使用した試験を実施するためのピット ●破裂・耐久試験室 破裂試験 (水圧) /試験体へ水圧を加え、 破裂する時の圧力を測定し、 破裂性能を確認する。 耐圧試験 (水圧) /試験体へ常用の圧力の1,5倍以上の圧力を加え、 耐圧性能を確認する。 圧力サイクル試験 (水圧) /試験体へ指定した上限/下限圧力を繰り返し加え、 試験体への影響を確認する。 ハイスピードカメラ撮影/破裂試験をハイスピードカメラで撮影し、 破裂時の挙動を確認する。 防爆火災試験ドーム 気密チャンバー 300MPa増圧機 (破裂試験用 破裂試験用) 地下ピット 120MPa増圧機 (サイクル試験用) ●水試験設備 水加圧試験装置/燃料電池自動車に搭載される高圧水素容器の圧力サイクル試験などの水圧を利 用した試験を行う装置 水試験室(ピット) /高圧水素容器の圧力サイクル試験などの水圧を利用した試験を行うためのピッ ト 供試品 水圧試験装置 出典:HyTReCパンフレット 出典:JARIホームページ ●水素供給インフラ用大型水素容器の試験施設の建設(平成24年度補正予算) 今後主流となることが見込まれる炭素繊維を用いた水素ステーション 用大型蓄圧器の開発、 認証取得に取り組む企業を支援するため、 「燃料 電池自動車のための水素供給インフラ用大型水素容器の試験施設整 備事業」 (平成24年度補正予算) により、 (公財) 水素エネルギー製品研 究試験センター (HyTReC) に大型水素容器の試験施設が建設され ます。 (平成26年3月完成予定) 設備概要 500リットル φ800mm×6,000mm(L) 110MPa 事 業 名: 「燃料電池自動車のための水素供給インフラ用大型水素容器の試験施設整備事業」 事業期間:平成25年3月1日∼平成26年3月31日 事 業 費:2,941,479千円 -40℃ 高圧水素ガス試験室 【4室】 水素ガス圧力 (常用圧) :110MPa 供給水素ガス流量:2,000m3/時 雰囲気温度制御: ‐40℃∼+85℃ 供給ガス温度 (プレクーラー) : ‐40℃ ガスサイクル試験 ガス透過試験 急速充填試験 気密試験 環境圧力サイクル試験室 (液圧) 【1室】 最大圧力:140MPa 雰囲気温度制御: ‐40℃∼+85℃ 加速応力試験 (温度クリープ試験) : 200MPa 液圧サイクル試験 高温クリープ試験 常温圧力サイクル試験室 (液圧) 【1室】 最大圧力:140MPa 液圧サイクル試験 破壊試験室 (水圧) 【1室】 最大圧力380MPa 耐圧試験 破裂試験 膨張量測定試験室 (水圧) 【1室】 最大膨張量:2% 膨張量測定 試験の例 公益財団法人水素エネルギー製品研究試験センター +85℃ ○高圧ガスサイクル試験1000回の圧力 サイクルをかけた上で、容器を切断し、 損傷の有無を確認する試験。従来のガ ス吐出能力の130倍以上 (2000m3 /時間) の能力。 ○高圧液圧試験実際に使用される圧力の 2.25倍を超える水圧で破裂させる試 験。 500ℓ (5m) 級蓄圧器に対応。 エネファーム補機仕様 ●特に低コスト化が必要なエネファーム周辺機器(補機類)仕様リスト B1:バーナ空気ブロワ B2:選択酸化空気ブロワ B3:カソード空気ブロワ G1:燃料昇圧ブロワ カソード空気ブロワ(B3) W1:改質水ポンプ W2:冷却水ポンプ 燃料昇圧ブロワ(G1) ●部 品 名/ ●部 品 名/ ●使用箇所/燃料電池ユニット ●使用箇所/燃料改質ユニット ●用 途/空気を昇圧して燃料電池セルスタックに送り込む ●用 途/原燃料(都市ガス、LPG)を昇圧して燃料改質器に送り込む ± カソード空気ブロワ例 W3 :排熱回収ポンプ 改質水ポンプ(W1) ●部 品 名/ ●使用箇所/燃料改質ユニット ●用 途/改質用水蒸気のための水を改質器に供給する ± ± 燃料昇圧ブロワ例 改質水ポンプ例 水素ステーション補機仕様 ●特に低コスト化が必要な水素ステーション機器仕様リスト 水素ステーションシステム 圧縮水素 液体水素 水素輸送 蓄圧器 ディスペンサー 水素貯蔵設備 都市ガス・ LPG 圧縮機 B 水素製造設備 A 水素製造装置(A) 弁・継手類 C 圧縮機(B) プレクーラー D ●部 品 名/ ●部 品 名/ ●用 途/都市ガスやLPGから高純度水素を製造する ●用 途/水素製造装置や水素トレーラーから供給される ●主な機器構成/ 水素ガスを昇圧する。 ・ボイラー…水から水蒸気を製造。 ●主な機器構成/ ・水蒸気改質器…原料ガスと水蒸気から触媒改質により水素を ・圧縮機本体 製造。 ・冷却水等循環装置…水素ガスの昇圧により水素ガスと圧縮機 ・CO変成器…水蒸気改質器からの水素を含む生成ガス中に 本体が温度上昇するため、これらを冷却 残存するCOを触媒改質によりCO2と水素に変換。 するための冷却水等を循環させる。 ・PSA(圧力スィング吸着)装置…CO変成器からの水素を含む ・熱交換器…温度上昇した水素ガスと冷却水等との熱交換を 生成ガスより純度99.99%の 行う。 水素を精製。 ・制御盤 燃料電池 自動車 (FCV) 弁・継手類(C) ●部 品 名/ ●用 途/水素ガスの流通を制御するための機器。 ●弁の種類/(1)手動弁:主配管用(高Cv値)、 枝配管用(圧力計元弁等) (2)自動遮断弁:主配管用(高Cv値)、 (3)流量調節弁:主配管用 プレクーラー(D) ●部 品 名/ ●用 途/FCVへの水素ガス充填時に、FCVの水素タンク 内温度が85℃以上に上昇しないようにするため、 ディスペンサー内を流通する水素ガスを冷却し、 充填ノズルの出口水素ガス温度が-40℃となる ようにする設備 ●主な機器構成/ ・熱交換器…水素ガスと冷却水等との熱交換を行う。 ・冷凍機(ブラインチラー等)…冷却水等を冷却し、循環させる。
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