無線LANをめぐる最近の標準化動向について

第90回電波利用懇話会
「無線LANをめぐる最近の標準化動向について」
2011年11月17日
日本電信電話株式会社
NTT未来ねっと研究所
浅井 裕介
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1
※訂正事項※
 講演時には
「TGac Draft D2.0のIEEE802.11WG内のreviewプロセスが11/18(金)より
開始されることが11月のIEEE会合で承認された」
と申し上げましたが、誤りでした。
 11月のIEEE会合の最後のセッションにおいて、D2.0のreviewを行う決議を取
りましたが、必要となる賛成票(75%以上)が得られず、承認に至りませんでし
た。
 したがって、 現在のところ、TGac Draft D2.0のreviewの開始時期は2012年1
月になる見通しです。
 上記に併せて、本pdfファイルのp.42を修正しました。
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2
もくじ
1. IEEE802.11作業部会の概要
2. これまでに策定された追加規格
a. 高速化規格: 11a/b/g/n
b. 高機能化規格: 11e/h/i/k/p/r/s/u/v/w/y/z
3. 現在策定中の追加規格
a. 高速化規格: TGac / ad
b. 高機能化規格: TGaa / ae / af / ah / ai
4. まとめ・今後の方向性
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3
もくじ
1. IEEE802.11作業部会の概要
2. これまでに策定された追加規格
a. 高速化規格: 11a/b/g/n
b. 高機能化規格: 11e/h/i/k/p/r/s/u/v/w/y/z
3. 現在策定中の追加規格
a. 高速化規格: TGac / ad
b. 高機能化規格: TGaa / ae / af / ah / ai
4. まとめ
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IEEE802.11無線LANの位置づけ
Mobility
 無線LANは、IEEE802.11の標準化を通して進化 ⇒ 多種多様な端末に搭載
 2010年の無線LANチップ出荷個数:7億7000万個以上
→スマートフォン・家電製品への浸透が牽引
端末の多様化
高速化・大容量化
Out
-door
Cellular
Movable
or
stationary
3G system
PHS
LTE, 4G
Wireless LAN
802.11/a/b/g
802.11n
802.11
ac/ad
Indoor
Fixed
0.1
Wired link
1.0
10
100
Data rate (Mbit/s)
1000
高機能化
802.11h
(DFS/TPC)
802.11i
(セキュリティ)
802.11e
(QoS)
802.11aa
(ビデオ伝送)
802.11s
(メッシュNW)
等
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5
IEEE802.11作業部会(WG: Working Group)
 目的:無線LANのPHYならびにMAC層の標準規格を策定(Ethernetの無線化)
 1990年設立。1997年に最初の標準規格IEEE802.11をリリース。以降、多数の追加仕様を策定
802 Executive Committee
有線系WG
802.1
802.3
802.17
(HILI) (Ethernet) (RPR)
無線系WG
802.15
(WPAN)
802.16
(WMAN)
802.20
(MBWA)
802.21
(MIHS)
WLAN/WPAN間の
共存確立で連携
家庭内無線映像伝送の共同検討
802.11
(WLAN)
802.22
(WRAN)
IEEE802規格間
のハンドオーバ
を検討
周波数共用検討
IMT-Advanced
検討
IEEE802標準委員会
802.19 (Coex-TAG)
802.18 (RR-TAG)
各外部団体とリエゾンを組み、定期的な意見交換や共同検討を行っている
Wi-Fi Alliance
無線LAN機器間の
相互接続性の認証
ISO JTC1/SC6
IETF
Bluetooth
3GPP
802.11規格の
無線LANスイッチと 2.4GHz帯利用に ネットワーク間連携
国際規格化作業 無線LAN基地局間の ついて意見交換
のための意見交換
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通信プロトコル策定
IEEE802.11標準のscope*
 PHY(PHYsical)レイヤおよびMAC(Medium Access Control)レイヤの標準規格を策定
LLC(Logical Link Control) Sublayer (IEEE802.2)
→他のNW(有線LAN等)に接続
MAC sublayer:
CSMA/CAに基づくチャネルアクセス機能、
データフレームの生成、再送制御、
QoS制御等を行うブロック。
MAC_SAP
Data Link
LAYER
MAC Sublayer
MAC Sublayer
Management
Entity
PHY_SAP
Station
Management
Entity
PLCP Sublayer
Physical
LAYER
PMD_SAP
MLME_SAP
PHY Sublayer
Management
Entity
PLME_SAP
PMD Sublayer
Sublayer:
実際に信号処理・データ処理
を行う機能ブロック
Management Entity:
Sublayerの動作や状態変数を
管理する機能ブロック
* IEEE Std. 802.11 – 2007 より。
** SAP: Service Access Point。Sublayer, Management Entity間のインタフェース。
PLCP Sublayer:
(PLCP: PHY Layer Conversion Procedure )
PLCPヘッダ情報を元にデータフレームの
変復調を行うブロック。
PMD Sublayer:
(Physical Medium Dependent)
RF信号の送受信、利得調整、タイミング・
位相同期等の無線信号処理を行う
ブロック。利用周波数ごとに追加規格を
策定。
IEEE802.11標準で
規定される範囲
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IEEE802.11WG内の活動履歴 (2011年10月時点)
 各TG(Task Group)において標準規格書ドラフトを作成、WGとIEEE-SA(Standard
Association)の審議を経た後に正式に出版される。
IEEE802.11(初期規格)
米国周波数対応
(11d)
各地規制対応
(11j)
日本周波数対応
UHF帯対応(TGah)
TVホワイトスペース
(11y)
(TGaf)
移動体無線アクセス(11p)
他NWとの連携(TGu)
端末間直接通信(11z)
メッシュネットワーク(TGs)
無線NW管理(TGv)
無線リソース測定(11k)
活動中TG
標準化完了TG
DFS/TPC(11h)
AP間通信(11F)
高速ローミング(11r)
高速初期認証
(TGai)
セキュリティ(11i)
管理フレーム保護(11w)
2.4GHz帯高速化(CCK)
管理フレーム優先制御
(TGae)
QoS(11e)
ビデオ伝送(TGaa)
11n: 2.4/5GHz帯高速化
11b
11g
11a
TGac
(MIMO-OFDM)
TGad
5GHz帯高速化(MU-MIMO)
5GHz帯高速化(OFDM) 2.4GHz帯高速化
60GHz帯高速化
(OFDM)
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
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IEEE802.11標準規格が作成されるまでのプロセス
~Study Group 活動
Task Group 活動
PAR & 5C 作成
ドラフト作成
Call for Interest
※下記は一例。TG毎
にルールは異なる
Study Group (SG)
の設立
参加者による
PAR&5Cを実現す
る技術の提案
Project Authorization
Request (PAR)及び
Five Criteria の作成
複数の技術がある
場合には、
セレクションを実施
IEEE-SAでの承認
ドラフト作成
(エアインタフェース
を中心とした
仕様化)
Task Group(TG)
の設立
WGでの審議
IEEE-SAでの審議
WG内の投票権所有者
による電子投票
(問:作成したドラフトを標
準規格としてよいか?)
※”No”の投票にはコメン
トがつけられており、当該
コメントを解決しながらド
ラフトを改訂する
下記の要件を満たすこと
により、IEEE-SAにおける
最終審議へ移行。
①ドラフトに変更なし
②新しい”No”投票なし
③75%以上がYES”投票
④WGメンバーによる
最終審議移行の承認
否決の場合
IEEE-SAメンバー
による電子投票
(問:作成したドラフ
トにより標準規格と
してよいか?)
下記の要件を満たすこ
とにより、承認
⇒規格発行
①ドラフトに変更無し
②新しい”No”投票なし
③75%以上が”Yes”投
票
否決の場合
ドラフト改訂
ドラフト改訂
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IEEE802.11作業部会会合の開催・投票権
 作業部会会合
– Plenary会合(IEEE802全体の会合に同期)、Interim会合(他の無線系IEEE802部会と
の併催)が隔月で交互に開催される(年6回開催)。
 投票権(Voting Right)の獲得方法
1. 直近の4回のPlenary会合のうち2回に出席、あるいは、Plenary会合とInterim 会合に各
1回出席する。
2. 次回のPlenary会合において、75%以上のセッションに出席する。
※ 投票権は(国・企業等の団体毎ではなく) 「個人」毎に付与される。
 投票権の保持・喪失
– 保持するためには、直近の4回のPlenary会合のうち2回に出席、または、Plenary 会合
とInterim会合に各1回以上出席する必要がある。
– また、直近の3回のWGでの電子投票において、放棄、又は、「技術的知識の欠如」に
よる棄権を2回実施すると投票権を喪失する。
月
会合・
イベント
1
▲
Interim
会合
2
3
▲
Plenary
会合
4
5
▲
Interim
会合
6
7
▲
Plenary
会合
8
9
▲
Interim
会合
10
11
▲
Plenary
会合
12
WGでの審議(電子投票)→年間を通じていつでも実施可能。
(会合直後の場合が多い)
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10
各TGの作業進捗状況
MAC
oriented
2011年11月現在、
Study Groupが
存在しない
802.11aa
Video Transport
802.11ai
FILS
Smart Grid
802.11mb
Revision
802.11 ah
Sub-1GHz
band
802.11af
TVWS
802.11ac
VHT 5GHz
PHY
oriented
802.11z
TDLS
802.11u
WIEN
802.11r
Fast Roam
802.11v
Network
Management
802.11ae
QoS Mgt Frames
WNG
802.11s
Mesh
802.11ad
VHT 60GHz
Discussion Study Groups TG without
WG
Topics
(SG)
Approved draft Letter Ballot Sponsor Ballot
*B. Kraemer, “802.11 Snapshots – September 2011,” doc: IEEE802.11-11/1100r3を元に作成.
802.11k
RRM
802.11y
Contention
Based
Protocol
802.11p
WAVE
802.11n
High
Throughput
(>100 Mbps)
802.11w
Management
Frame
Security
Published Amendment
802.11 -2007
e
QoS
h
DFS & TPC
i
Security
f
Inter AP
j
JP bands
g
54 Mbps
2.4GHz
802.11 -2003
b
11Mbps
2.4 GHz
a
54 Mbps
5GHz
d
802.11 (’99)
2.4GHz
Published
Standard
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IEEE802.11標準の改訂履歴
 Amendmentとして出版された規格(IEEE802.11?)は、後に全体を包含したroll-up規格
(IEEE802.11-20xx)の一部となる。
MAC
e
QoS
h
DFS & TPC
802.11
-1999
j
JP bands
PHY
802.11ae
QoS Mgt Frames
802.11
-2007
Contention
Based
Protocol
802.11p
WAVE
a 54 Mbps
5GHz
b
11 Mbps
2.4GHz
802.11r
Fast Roam
802.11Y
f
Inter AP
802.11
-2003
802.11ai
FILS
802.11k
RRM
i
Security
d
Intl roaming
802.11z
TDLS
g
54 Mbps
2.4GHz
802.11n
High
Throughput
(>100 Mbps)
802.11W
Management
Frame
Security
*B. Kraemer, “802.11 Snapshots – September 2011,” doc: IEEE802.11-11/1100r3より.
802.11s
Mesh
802.11aa
Video Transport
802.11u
WIEN
802.11v
Network
Management
802.11
-2012
(※現在
策定中)
802.11af
TV Whitespace
802.11ac
Very High
Throughput
6Gbps @ 5GHz
802.11ad
Very High
Throughput
6Gbps @ 60GHz
802.11ah
<1GHz
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IEEE802.11WGの規格策定動向(’11年11月現在)
追加規格名 or
検討グループ名
検討内容
検討状況
IEEE802.11a
5GHz無線LAN
標準化完了
IEEE802.11b
2.4GHz無線LAN
標準化完了
TGc
IEEE 802.11dに対するMACレイヤ補足
活動休止
IEEE802.11d
電波規則更新
標準化完了
IEEE802.11e
QoSサポート
標準化完了
IEEE802.11F
アクセス・ポイント間通信プロトコル
標準化完了
IEEE802.11g
2.4GHz高速無線LAN
標準化完了
IEEE802.11h
欧州対応5GHz無線LAN(DFS/TPC)
標準化完了
IEEE802.11i
セキュリティ拡張機能
標準化完了
IEEE802.11j
日本における4.9~5GHzオペレーション
標準化完了
IEEE802.11k
無線リソース測定
標準化完了
IEEE802.11m
IEEE 802.11 標準メンテナンス
IEEE802.11n
高スループット無線LAN(>100Mbps)
標準化完了
IEEE802.11p
移動体無線アクセス(米国のITS向け)
標準化完了
IEEE802.11r
高速ローミング・ハンドオフ
標準化完了
IEEE802.11s
ESSメッシュ・ネットワーク
標準化完了
IEEE802.11.2
無線性能測定
標準化完了
IEEE802.11u
外部ネットワークとの連携
標準化完了
IEEE802.11v
無線ネットワーク管理技術
標準化完了
IEEE802.11w
マネジメントフレームへのセキュリティ
標準化完了
継続中
標準規格名 or
検討グループ名
検討内容
検討状況
IEEE802.11y
競合ベースプロトコル(米国3.5GHz帯の
Cognitive Radio的利用)
標準化完了
IEEE802.11z
端末間直接通信
標準化完了
TGaa
AV伝送の品質向上
Draft D7.0
TGac
マイクロ波帯 超高スループット無線
LAN(>1Gbps)
Draft D2.0
TGad
ミリ波帯 超高スループット無線LAN
(>1Gbps)
Draft D5.0
TGae
マネジメントフレームの有線制御
Draft D6.0
TGaf
地上波TV放送周波数を用いた無線
LAN (TV White Space)
Draft D1.04
TGah
1GHz以下の周波数帯を用いた無線
LAN (Sub 1 GHz band operation)
提案募集中
TGai
リンク確立の高速化
(FILS: Fast Initial Link Setup)
提案募集中
・ IEEE802.11? →標準規格として出版済。
・ TG??→現在標準規格を策定中のTask Group
・ 名前の付け方:
アルファベット順。名前自体に意味はない。
(a→b→… … →z→aa→……)
他の文字と混同する恐れのある名前は使われない (l, o)
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もくじ
1. IEEE802.11作業部会の概要
2. これまでに策定された追加規格
a. 高速化規格: 11a/b/g/n
b. 高機能化規格: 11e/h/i/k/p/r/s/u/v/w/y/z
3. 現在策定中の追加規格
a. 高速化規格: TGac / ad
b. 高機能化規格: TGaa / ae / af / ah / ai
4. まとめ
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PHYレイヤ高速化技術の系譜(マイクロ波帯)
1Gbit/s以上
(システム
スループッ
ト)
1200
マルチユーザ(MU-)MIMO技術
(空間分割多元接続)
伝送速度 [Mbit/s]
1000
800
④MIMO-OFDM技術
(空間多重伝送)
600
③OFDM技術
100Mbit/s以上
(直交周波数分割多重) (実効スループット)
400
200
①スペクトル
拡散技術
2Mbit/s
②CCK技術
11Mbit/s
54Mbit/s
0
IEEE802.11
初期規格
(1997年)
802.11b
(1999年)
802.11a
(1999年)
802.11g
(2003年)
802.11n
(2009年)
802.11ac
(2013年頃)
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15
IEEE802.11無線LAN高速化技術の進展
 初期規格(IEEE802.11):スペクトル拡散技術により最大2Mbit/sの規定
 その後、高速化のための追加仕様が策定
■OFDM
<直交マルチキャリア伝送>
•周波数領域信号処理
によるマルチパス対策
技術
•IFFT/FFTによる周波
数多重分離で周波数
リソース活用
•IEEE802.11aで規定
(1999年)
→11n/acの基盤技術
■シングルユーザ
MIMO
<空間多重伝送>
•受信側空間信号処理
によるマルチパス活用
技術
•受信機での空間分離
処理による空間リソー
ス活用
•IEEE802.11nで実用
化(2009年)。
11acの基盤技術。
■マルチユーザMIMO
<空間分割多元接続>
•送信側空間信号処理
による空間チャネル制
御技術
•APでの送信ビーム
フォーミングによる空
間リソース活用
•受信機の信号処理負
荷の軽減
•IEEE802.11acで規定
(2013年?)。
※ 高速化規格は無線LAN標準の機能拡大の根幹となるため,重要度が高い。
また、当該TGには多くの企業により活発な提案活動が行われる。
無線伝送技術は周波数リソース活用通信から空間リソース活用通信へ発展.
更に,受信側での空間信号処理から送信側での空間信号処理に進展すること
で,より柔軟かつ効率的な空間リソース活用が可能となる.
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①IEEE802.11初期規格: スペクトル拡散技術
・ 周波数ホッピングによる送信信号の拡散・受信信号の逆拡散を定義。
・ 2.4GHz帯全体(83MHz幅)に対して、1MHz幅のチップを用いる。
・ 耐干渉性に優れるが、伝送速度はあまり高くない(2Mbit/s @ PLCP)。
干渉
受信機
拡散符号
拡散前の
送信信号
拡散後の
送信信号
逆拡散前
干 の受信信号
逆拡散後
の受信
信号
渉
干
周波数
受信
データ
受信信号復号
電力
送信信号生成
電力
電力
送信
データ
拡散符号
電力
送信機
周波数
周波数
渉
周波数
干渉信号レベル低下
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②11bの高速化:CCK技術
●CCK: Complementaly Code Keying
・ DSSS方式において、拡散符号にも情報を持たせることにより高速化を実現
(2Mbit/s→11Mbit/s)
同相
チャネル
11Mchip/s
送信側
データ
入力
スクランブル
処理
分配
1:8
11Mbps
拡散
(8倍)
拡散符号
選択
6本
直交
変調器
直交
チャネル
DQPSK
変調
1本
1本
(各1.375Mbps)
受信側
同相
チャネル
受信
符号
信号
相関検出
直交
チャネル
6本
DQPSK
復調
直並列
変換
8:1
2本
デスクランブル
処理
データ
出力
11Mbps
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18
③11a/gの高速化技術: OFDM技術
●OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing
帯域外の広がりが
a. マルチキャリア伝送方式による周波数
少ない矩形に近い
選択性フェージングへの高い耐性
スペクトル形状
サブキャリア
b. サブキャリア間の直交性を利用した
稠密なサブキャリア配置による
振幅
周波数利用効率の向上
c. IFFT/FFTを用いたデジタル信号処理
周波数
による送受信の実装
OFDMの周波数スペクトラム
11aで採用、最大54Mbit/sを実現
(NTTと米Lucent Tech.の共同提案)
送信側
OFDM
信号
サブキャリア変調
インタ
リーブ
処理
直並列
変換
サブキャリア変調
・・・
データ
入力
畳み込み
符号化
・
パンクチャド
処理
GI付加
逆
フーリエ
(IFFT)
変換
並直列
変換
サブキャリア変調
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④11nの高速化技術: MIMO-OFDM技術
●MIMO: Multiple-Input, Multiple-Output
送信機
送信データ 変調
器
変
変調
x4 x3 x2 x1
器
調
変調
器
器
変調
受信機
x1
x2
x3
x4
複数の独立した情報を持つ送信
信号を空間上で並列多重伝送
MIMO
チャネル
(空間
多重
伝搬路)
h12
h22
h32
h42
h13
h23
h33
h43
MIMO
チャネル:H
y2
y3
y4
信
号
分
離
受信データ
復
調
器
x4 x3 x2 x1
送信アンテナと受信アンテナの
組合せと同数の伝搬路が存在
★数式で書くとこんな感じ。
 h11

 h21
h
 31
h
 41
y1
h14  x1   n1   y1 
     
h24  x2   n2   y2 


h34  x3   n3   y3 
     
h44  x4   n4   y4 
送信 雑音: 受信
信号: x n 信号: y
空間多重数と同数倍の
伝送速度向上を実現。
(11nでは最大4多重まで
規定。帯域拡大等の規
定と組み合わせて、PHY
レイヤの最大伝送速度
600Mbit/sを実現)
空間多重された
信号を受信
Hx  n  y
信号分離部では,既知である受信信号yとMIMO
チャネルHから送信信号xを推定する.
●例えば:
受信信号yにMIMOチャネルHの逆行列を乗算
(連立一次方程式を解く要領)
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20
もくじ
1. IEEE802.11作業部会の概要
2. これまでに策定された追加規格
a. 高速化規格: 11a/b/g/n
b. 高機能化規格: 11e/h/i/k/p/r/s/u/v/w/y/z
3. 現在策定中の追加規格
a. 高速化規格: TGac / ad
b. 高機能化規格: TGaa / ae / af / ah / ai
4. まとめ
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21
IEEE802.11無線LAN標準化の歴史(高機能化)
年月
イベント
1997年7月
IEEE802.11規格(初期バージョン。CSMA/CAによるアクセス制御を規定)の成立
2003年9月
⑤11h(5GHz帯既存システムと共存のためのDFS/TPC規定) の成立
2004年6月
⑥11i(セキュリティの脆弱性を修正) の成立
2004年9月
⑦11j(日本における4.9-5GHzの運用ルール) の成立
2005年9月
⑧11e(QoSサポート規定) の成立
2008年5月
⑨11k(無線リソース測定のための手順を定義) の成立
⑩11r(AP間ハンドオーバ時の高速ローミング規定) の成立
2008年11月
⑪11y(米国の3.65-3.7GHzの運用ルール) の成立
2009年9月
⑥11w(管理フレームに対するセキュリティ強化規定) の成立
2010年7月
⑫11p(ITS向け規格) の成立
2010年10月
⑬11z(DSL: 端末間直接リンク確立 の高機能化) の成立
2011年2月
⑭11v(無線NWの管理機能追加) の成立
2011年2月
⑮11u(外部ネットワークとの連携) の成立
2011年7月
⑯11s(メッシュNW) の成立
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22
⑤11h規格: 5GHz帯既存システムとの共存
●5GHz帯既存システム(衛星、レーダ)との共存手順を規定
- DFS (Dynamic Frequency Selection):動的周波数選択(下図は例)
- TPC (Transmit Power Control): 送信電力制御
のための制御フレームを規定。
※DFS/TPCは干渉回避以外の用途(ネットワークの利用効率改善等)にも利用可能。
・ 併せて、システム運用中に当該帯域に既存システムが存在しないかを確認する
ための制御手順を規定。
・ 日本の関連規則: 総務省告示平成19年第48号、364号
定期的な
チャネル
監視
衛星
(f2)
f1:
気象
レーダ
f2:
衛星
f
11h対応AP
(f1→f3)
気象レーダ
(f1)
f1:無線LAN
干渉を与えては
いけない
運用チャネル
を遷移
f1:
気象
レーダ
f2:
衛星
f3:
無線
LAN
f
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23
⑥11i/w規格: セキュリティ規格のアップデート
・ 初期規格: WEP(Wired Equivalent Privacy)→致命的セキュリティホールの発覚(2001年)
- 暗号化において秘密鍵(WEP Key)自体を用い、通信期間中に鍵のアップデートを行わない。
→データフレームの固定ビットパターン部分を参照することにより鍵の導出が可能
- 端末間で同一の鍵を用いる、改ざん検出機能を持たない。
・ IEEE802.11iでは以下の認証・暗号化を用いたセキュリティ手順を規定:
1. TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)
→WEPと同等のハードウェアを想定、暗号化に一時鍵を用いるアップデートを規定。
2. AES(Advanced Encryption Standard)
→DESの後継暗号を採用し、暗号強度自体を高めた(最大鍵長256bit)。
3. EAP(Extensible Authentication Protocol)
→端末認証をAPを経由したRADIUS等の認証サーバを用いる認証・暗号化規格。
IEEE802.1X の利用を想定(主に法人向け用途)。
EAP over RADIUS
EAPOL
AP
Station
RADIUS Server
・ WEPの脆弱性対策は無線LAN産業全体の緊急課題であった
→IEEE802.11i標準の成立以前に先行して一部機能がWPA(Wi-Fi Protected Access)
としてWi-Fi Allianceで規定され、相互接続試験が開始された。
・ 後に、管理フレームに対するセキュリティ強化のための追加規格として11wが規定される。
(11iのみだと管理フレームは平文で送受信される)
24
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⑦11j規格:日本の4.9-5GHz帯システム
・ 11a規格を4.9-5GHzにおいて適用。
・ チャネル幅:10/20MH。屋外利用可能。
(11jはIEEE Std. 802.11-2007に吸収済。11-2007には4.9-5GHz帯のチャネルとして
5MHzの帯域幅も定義)
・ 11aフォーマットの信号をダウンクロック(1/2, 1/4)することにより狭帯域化を定義
…
20MHzチャネル
…
・ サブキャリア本数は同じ(52本)
・ 周波数間隔が半分
10MHzチャネル
※この考え方は後継規格(11y、TGaf、TGah)にも踏襲される(開発コスト低減が可能)
<IEEE802.11-2007における日本の4.9-5GHzのチャネル割当>
4900 4910
4990 5000 5010
[MHz]
5090
5MHz幅
10MHz幅
20MHz幅
※無線設備規則第49条21「5GHz帯無線アクセスシステム」に対応。
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25
⑧11e規格: QoSサポート
・ リアルタイム性が求められるアプリケーション(映像・音声)に対する帯域保証を
規定する追加規格
・ データフレームの「アクセスカテゴリ(AC)」毎に個別の送信キューを用意
(優先制御を行わない場合は送信キューは一つ)
・ キュー毎にアクセス権獲得処理を実施し、アクセスカテゴリ番号が高くなればなるほど
送信の優先度が高くなるよう制御する。
(上位レイヤ)
802.1D User Priority
AC_BK
AC_BE
AC_VI
AC_VO
CSMA/CA CSMA/CA CSMA/CA CSMA/CA
Internal Collision Resolution
To PLCP Sublayer
#
Category
1
Background
2
-
0
Best Effort
3
Excellent Effort
4
Controlled Load
5
Video
6
Voice
7
Network Control
802.11e
AC
#
Designation
0
AC_BK
(Background)
1
AC_BE
(Best Effort)
2
AC_VI
(Video)
3
AC_VO
(Voice)
11e規格で規定される範囲
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26
⑧11e規格: QoSサポート
EDCA(Enhanced DCF Access):
・ DCF(通常のCSMA/CAに基づくチャネルアクセス)手順の拡張
・ QoSクラスが高いほど待ち時間の期待値が少なくなり、データの送信機会が増加。
AIFS[j]
immediate access
when medium is free
>= DIFS or AIFS
▽
DIFS
or
AIFS
AIFS[i]
CWmin[j]
CWmin[i]
QoS クラスに応じた
・IFSの差異化
・CWminの差異化
DIFS
PIFS
Busy
Medium
Contention Window
SIFS
Next Frame
SlotTime
Defer Access
Select Slot and decrement backoff
as long as medium is idle
• 送信権の獲得 = “Transmission Opportunity (TXOP)” の獲得.
• TXOP内では複数のフレームを送信可能.
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27
⑧11e規格: QoSサポート
HCCA(HCF Controlled Access)
・ PCF(Point Coordination Function)の拡張
端末が要求する帯域を予め制御フレームで確保するスケジューリングを行う
時分割多元接続(TDMA)に近いアクセス制御。
・ 動的な帯域の要求/変更が可能
TXOP Limit from QoS CF-Poll
TXOP granted by QoS CF-Poll
HC
QSTA
QoS
CF-Poll
A
C
K
SIFS
QoS
Data
A
C
K
SIFS
QoS
Data
A
C
K
SIFS
QoS
Data
aSlotTime
NAV from CF-Poll
※同一システム・他システムからの干渉がある場合に特性劣化が大きいため、
EDCAの方が広く用いられている。
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⑨11k規格:無線リソース測定
・ 端末の状態・周囲の環境情報を測定し、他の端末に通知するための追加規格
・ 目的:既存規格よりも詳細な環境情報を取得し、伝送品質保証を実現。
・ 測定対象となる環境情報
a. Channel load→観測されるチャネル利用の割合
b. Noise Histogram→IEEE802.11規格ではない端末から出される雑音の観測結果
c. Beacon→他の基地局から送信されるビーコンフレームの内容
d. Frame→他の端末から送信され、傍受したフレームについて、送信元別にカウントする
e. STA statistics→受信データフレームの品質に係るデータ
(受信失敗回数、再送回数、フレームの重複回数、マルチキャストフレームの数、誤り検出失敗回数)
f. LCI (Location Configuration Information)→端末の位置情報(緯度/経度/高度)
g. Transmit stream/category measurement→QoS伝送における品質情報
1. 環境情報測定依頼
他のIEEE802.11システム
2-c. Beacon
4. 最適な制御を行う(※変
調モードの選定、チャネル
配置の変更など。規格外)
AP
2-a. Channel Load
2-e. STA statistics
3. 測定結果の
フィードバック
AP
STA
2-g. Transmit stream
/category measurement
2-d. Frame
Station
2-f. LCI(位置)
2-b. Noise Histogram
ISM機器
(電子レンジ等)
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29
⑩11r規格: 高速ローミング技術
・ 無線LAN端末が基地局間の高速ローミング・ハンドオフを実現する規格。
・ 再接続の手順を規定
→QoS、セキュリティをサポートしつつ、処理時間を短縮している。
・ 複数AP間で同一鍵をセキュアに利用→鍵の階層化
・ 効果:
- 無線IP電話でAP間を移動した場合においても通話が継続可能
- 盗聴、なりすましの防止
・ 鍵情報、セッション情報の通知
・ セッション切り替え要求
AP1
①
AP2
高速ハンドオフを可能とするセキュリ
ティが確保されたAP群の集合を
”mobility domain”を定義
②
無線リンクの
高速切替
移動
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⑪11y規格:米国3.65-3.7GHz帯対応
・ 米国の3.65-3.7GHz帯においてIEEE802.11無線LANを利用するための規格
・ FCCにおける議論
- 1998年以前: 固定衛星業務(FSS: Fixed Satellite Service)
- 1999年以降、過疎地域向けbroadband service用に解放する議論が開始→2005年に正式に開放
- 一次業務であるFSSに悪影響を及ぼさないよう、共用条件を策定
→Contention Based Protocolの規定(restricted / unrestricted)
・ IEEE802.11システム向けに”unrestricted” protocolが規定される。
※CCA(Clear Channel Assessment。PHY/MACのキャリアセンス機能)を干渉回避機能と位置付ける。
・ 11y:
1. 11aのフレームフォーマット、CCA機能
2. 11jの狭帯域化規定
3. 11hの送信電力制御、動的周波数切替機能
以上の組み合わせによるPHYレイヤ仕様。
- 固定設置され登録されたAPが必須。
端末は当該APに帰属し、許可された場合に
おいてのみ通信可能。
※米国専用規格なので、日本では利用不可。
(日本の当該帯域は固定/移動業務に割当)
3650
3670
[MHz]
5MHz幅
10MHz幅
20MHz幅
11yにおけるチャネル配置
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⑫11p規格:ITS向け規格
・ 路車間、車車間通信のための追加規格(米国・欧州向け)
・ WAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)→IEEE1609において、L3以上を規定。
・ IEEE802.11p
→ASTM(米国材料試験協会)E2213-03をベースとした11ファミリのITS向け規格。
IEEE1609の下部レイヤとして動作することを想定。
・ 技術的特徴
- 周波数: 5.850-5.925GHz(北米・欧州)
- 移動体速度:最大200km/h
- 伝送距離:最大1km
- チャネル幅:5/10/20MHz(下図。11j同様、11aフォーマットの信号のダウンクロッキングで実現)
- 4種類の電力クラス:0/10/20/28.8dBm
- ビーコンフレームのスキャンを省略した通信手順を規定
→セキュリティレベルを維持しつつ接続手順を簡易化し、高速移動に対応。
5850
5925[MHz]
5MHz幅
10MHz幅
20MHz幅
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32
⑬11z規格:トンネル化直接通信セットアップ
・ APの追加機能を必要としない直接リンク(DL: Direct Link)通信確立のためのメッセージ・
シーケンスを規定。
・ 従来のDLS:11eで規定。APがDLSのセッションを確立するための機能を提供。
APを介した場合よりも通信時間が短縮され、QoSを達成しやすくなる。
●DL伝送を用いない場合
①Data→②ACK→③Data→④ACK
AP
①
★DL伝送を用いると、伝送効率が改善
①Data→②ACK
APはSTA間の直接
リンクを確立する
ための機能を提供
AP
②
③
④
利用例:
端末のコンテンツ
を据置型モニタに
無線接続で表示
①
②
STA-A
STA-B
STA-A
STA-B
→APにDLS機能が必要。
・ 11zで規定されるDLS:
端末同士がAPを介してデータフレームにカプセル化されたDLSを行うための制御・管理
フレームを送受信(Tunneled Direct Link Setup)
APは単にマルチホップ通信路として用いられ、APは同一BSS内の端末間でデータ通信を
行っているとしか見えない→APの追加機能不要、端末のみ機能追加することで実現可能
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33
⑭11v規格:無線ネットワークマネジメント
・ WNM: Wireless Network Management
・ 無線LANネットワーク全体のスループット・品質向上のための管理機能拡張を規定。
11kで規定された無線リソース測定機能を用いてネットワークの高効率化を実現。
・ 既存の管理機能: SNMP(Simple Network Management Protocol)
→実装が複雑、IP接続が必須。PHY/MACレイヤで完結する管理機能が必要。
・ 11vで規定される主な機能:
- 省電力機能の拡充
a. Proxy ARP (ARP: Address Resolution Protocol)
端末のARP返信をAPが代行することにより、接続を保持しながらスリープ期間延伸。
b. FMBS(Flex Multicast/Broadcast Service)
APはマルチキャスト・ブロードキャストデータの送信タイミングをTIM(Traffic Indicator
Map)を用いて通知。
端末はTIMを参照し、自身が受信すべきマルチキャスト・ブロードキャストフレームが
到来しない期間、スリープモードに移行可能。
→従来よりも長期間スリープモードに移行可能(ビーコンフレームの間欠受信も可能)。
c. Wake on Wireless LAN
→Wake on LANの無線LAN版。
- 複数SSIDの一括送信、端末帰属処理の簡易化等によるネットワークのオーバヘッド削減。
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34
⑮11u規格:外部ネットワークとの連携
・ 外部ネットワーク(802.16, 802.3等の他の802系標準、3Gネットワーク等)との連携機能
→モバイル環境における無線LAN接続を想定。
・ ネットワーク検出機能管理、緊急連絡(e911)、ローミング等の上位レイヤサービスを
end-to-endでサポートするためのMACレイヤ追加機能を定義。
・ APが提供するネットワークの種別を通知するための情報を定義
→課金の有無、インターネット接続提供の有無、認証方法、ローミング先プロバイダの候補、
緊急連絡の可否 等。
端末は上記通知情報を元に接続先を決めることができる。
A社 NW
B社 NW
電話網
(PSTN/3G)
Internet
e911 services
GW
(認証・課金機能)
<APの特徴>
・有料ホットスポット
・インターネット接続可能
・オンラインサインアップ
・ローミング先はA,B社を選択可能
・e911提供可能
どのAPに接続すべき
か判断するための情
報が取得できる
AP
ビーコンフレームを
用いてAPの情報を
周囲に報知
STA
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⑯11s規格:無線メッシュネットワーク*
・ ケーブルを敷設することなくメッシュネットワークを形成
・ メッシュNWを構成するノードはAPの機能を拡張することにより実現
・ 要素技術:
- Neighbor management
周辺端末の探索、時刻管理、隠れ端末問題対策
- Peering management
AP
P2Pの論理リンク設定手順
メッシュを構成する基地局間の相互認証
- Path discovery
メッシュNWの経路設定手順。
(Reactive型にProactive型がオーバレイ。
チャネル占有時間が最小となるよう設定)
- Interworking with external network
外部ネットワークとの接続。
(Mesh Gateを定義し、外部NWに対する
AP
Proxyとして動作し、メッシュNWの
サブネット化を実現)
- Congestion control(End-to-Endのフロー制御)
- 省電力モード動作
- 分散予約アクセス
AP間の有線NW
を無線化したい!
AP
*H23年IEICE東京支部講演会「IEEE802.11TGs(Mesh Network)における標準化活動」(迫田和之氏講演)を基に作成
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36
もくじ
1. IEEE802.11作業部会の概要
2. これまでに策定された追加規格
a. 高速化規格: 11a/b/g/n
b. 高機能化規格: 11e/h/i/k/p/r/s/u/v/w/y/z
3. 現在策定中の追加規格
a. 高速化規格: TGac / ad
b. 高機能化規格: TGaa / ae / af / ah / ai
4. まとめ
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37
☆VHT-SGにおける高速化規格に関する議論
 Very High Throughput Study Group: TGacの前身となるSG
 11nの後継となる高速化規格を策定するTGを設立することが目的
IMT-advanced対応、
TGnの議論収束傾向
TGn DraftD2.0完成
① Below 6GHz
システム PAR作成
PARの作成
②60GHzシステム
PAR作成
VHT-SG活動開始
(07年5月会合)
TGac活動開始
(08年11月会合)
TGad活動開始
(09年1月会合)
VHT-SGから設立されるTGを、
周波数帯の異なる2つのTGと
することで合意形成
(Below 6GHz / 60GHz)
利用形態の議論
1月
3月
5月
7月
2007年
9月
11月
1月
3月
5月
7月
2008年
各TGへ引継
9月
11月
1月
3月
2009年
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38
☆VHT-SGにおける高速化規格に関する議論 (2/2)
⑰TGac (<6GHzシステム)*のScope(目標とする機能)
規定
内容
1
A maximum multi-station (STA) throughput (measured at
the MAC data service access point), of at least 1 Gbps and
a maximum single link throughput (measured at the MAC
data service access point), of at least 500 Mbps.
①複数端末(STA)合計の最大実効スループッ
ト:1Gbps以上
②1端末あたりの最大実効スループット:500
Mbit/s以上
2
Below 6 GHz carrier frequency operation excluding 2.4
GHz operation and ensuring backward compatibility and
coexistence with legacy IEEE802.11a/n devices in the 5
GHz unlicensed band.
既存の5GHz帯を用いる11a/n STAとのバック
ワードコンパチビリティ(後方互換性)が必須
⑱TGad(60GHzシステム)**のScope
規定
内容
1
Enables a maximum throughput of at least 1 Gbps, as
measured at the MAC data service access point (SAP)
最大スループット: 1Gbps以上
2
Enables fast session transfer between PHYs
PHY機能間での高速セッション切替
(マイクロ波⇔ミリ波)
3
Maintains the 802.11 user experience
既存の無線LAN標準レベルのユーザエクスペ
リエンス(エリアカバレッジ・接続性等)の維持
4
Addresses coexistence with other systems in the band
60GHz帯の他システムとの共存
* E. Perahia, “VHT below 6 GHz PAR Plus 5C‘s,” doc: IEEE 802.11-08/0807r04.
** E. Perahia, “VHT 60 GHz PAR Plus 5C's,” doc: IEEE 802.11-08/0806r7.
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39
⑰TGac: 活動状況 (1/4)
時期
イベント
内容
08年11月
TG発足
TGac標準作成の手順についての議論が開始された。
09年1月
TGac標準作成のルー
ルとなるKey Document
の作成開始
以下の文書の策定が開始された。
・Functional Requirement and Evaluation Methodology (FREM)
・Selection Procedure
・Usage Models
・Channel Models
・Specification Framework (SF)
09年3月
Selection Procedureの策
定
Draft作成までの手続きについての大枠が承認された。
09年11月
4種類のad-hoc groupの
設立、co-chairの選出
TGac標準作成における検討項目が多岐にわたるため、
PHY/MAC/MU-MIMO/Coexistenceの4種類のad-hoc groupが
設立され、合わせてco-chairの選出を行った。
また、ad-hoc groupが取り扱う技術トピックの範囲を策定した。
09年11月
~
SF文書の策定開始
Draftの基礎となるSpecification Framework文書の作成が各adhoc groupで開始された。
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40
⑰TGac: 活動状況 (2/4)
時期
イベント
内容
10年3月
FREM文書の承認
複数AP間で同一周波数を用いるホームNW環境の評価シナリ
オを追加する事で合意形成され、FREM文書が承認された**。
10年3月~
SF文書作成議論の本
格化
(PHYレイヤが中心)
チップベンダを中心とした提案が多数入力され、PHY ad-hoc
groupの議題で取り扱われる仕様の多くがSF文書に盛り込まれ
た。他のad-hoc groupにおける議論はPHY仕様を参照しながら
随時進められた。
10年7月
プリアンブル・PHY
ヘッダ構成の大枠が
承認
チップベンダとETRI(韓国)が互いに競合する提案を行っていた
プリアンブル・PHYヘッダ構成に関する議論について、提案者同
士が合意形成に至り共同提案を行われ、SF文書のアップデート
が承認された***。
SF文書作成の加速・
終結***
各ad-hoc groupにおいてチップベンダを中心した提案が多数採用
され、SF文書の項目数が大幅に増加した。SFでは11nの機能の
一部を11acではサポート「しない」ことを明示的に規定する項目も
存在する。
(RIFS bursting,Implicit CSI feedback,Greenfield Preamble,
20/40 MHzスペクトルマスクの緩和 など)
10年9月~
11月
* Greg Breit, et. al., “TGac Channel Model Addendum Document,“ doc.: IEEE802.11-09/0308r12.
** Peter Loc and Minho Cheong, “TGac Functional Requirements and Evaluation Methodology,” doc.: IEEE 802.1109/451r15.
*** Robert Stacey et. al., “Proposed Specification Framework for TGac,” doc. IEEE 802.11-09/0992r13.
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41
⑰TGac: 活動状況 (3/4)
時期
イベント
内容
11年1月
TGac Draft D0.1承認
Draftの初期案となるTGac Draft D0.1(以下TGac D1.0と表記)が
TGac内で承認された。
(11年2月)
TGac D0.1のTG内
review
WG全体でのreviewプロセスであるLetter Ballot (LB)に先立ち,
TGac参加者によるreviewが行われ、約1,800件のコメントが寄せ
られた。
11年3月~
5月
TGac D0.1のコメント
解決作業実施
D0.1に対するコメントの解決作業がIEEE802会合、電話会議、ア
ドホック会合において行われた。
5月会合までにコメント解決作業が終了し、D1.0が承認された。
(11年6月)
TGac D1.0のWG内
review
IEEE802.11WGの投票権を持つ全体でのreviewが行われ、約
1,800件のコメントが寄せられた。また、支持率は74%にとどまり、
Draftのアップデート後に再度LBを実施することとなった。
TGac D1.0のコメント
解決作業実施
D0.1と同様に、現在、IEEE会合、電話会議、アドホック会合にお
いてコメント解決作業が行われている。
(9月会合終了時点で350件の技術的コメントが未解決状態)
11月会合においてD2.0が承認され、再度LBが実施される見通し
である。
11月会合においてコメント解決作業が終了したが、D2.0の承認
には至らなかった。D2.0のreviewは2012年1月に持ち越された。
11年7月~
11月(?)
※ p.2に記載の訂正事項です
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⑰TGac: 活動状況 (4/4)
現在はここ
~Study Group 活動
Task Group 活動
PAR & 5C 作成
ドラフト作成
Call for Interest
※下記は一例。TG毎
にルールは異なる
Study Group (SG)
の設立
参加者による
PAR&5Cを実現す
る技術の提案
Project Authorization
Request (PAR)及び
Five Criteria の作成
複数の技術がある
場合には、
セレクションを実施
IEEE-SAでの承認
ドラフト作成
(エアインタフェース
を中心とした
仕様化)
Task Group(TG)
の設立
WGでの審議
IEEE-SAでの審議
WG内の投票権所有者
による電子投票
(問:作成したドラフトを標
準規格としてよいか?)
※”No”の投票にはコメン
トがつけられており、当該
コメントを解決しながらド
ラフトを改訂する
下記の要件を満たすこと
により、IEEE-SAにおける
最終審議へ移行。
①ドラフトに変更なし
②新しい”No”投票なし
③75%以上がYES”投票
④WGメンバーによる
最終審議移行の承認
否決の場合
IEEE-SAメンバー
による電子投票
(問:作成したドラフ
トにより標準規格と
してよいか?)
下記の要件を満たすこ
とにより、承認
⇒規格発行
①ドラフトに変更無し
②新しい”No”投票なし
③75%以上が”Yes”投
票
否決の場合
ドラフト改訂
ドラフト改訂
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43
⑰TGac: 高速化技術
A. 11nの拡張による高速化
①
②
③
④
シングルユーザ(SU-)MIMO伝送の空間多重数拡大
伝送帯域拡大(最大160MHz)
変調多値数増加(256QAM)
Frame Aggregation拡張(A-MPDU最大サイズ1Mbyte)
B. マルチユーザ(MU)-MIMO技術によるシステムスループット増加
(11nで新規に規定)
– APにおいて定義される機能:
• 下りリンク(AP→STA) MU-MIMOのサポート
(送信機能、CSIフィードバックシーケンス)
• 配下の全てのSTAに対するGroup ID管理機能
– STAにおいて定義される機能:
• MU-MIMOフレームの受信機能
• チャネル情報(CSI)のフィードバック機能
• Group ID管理機能
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44
⑰TGac: 高速化技術 – 11nの拡張 (1/5)
① SU-MIMO技術
• 送受信機に複数のアンテナを
備え、空間多重による並列伝送
を実現
⇒端末アンテナ数に比例して
伝送容量が増大
・11nで最大4空間多重まで規定
→★TGac D1.0では8空間多重まで拡張
ただし、
• アンテナ数の少ない小型・低廉な端末
では基地局の能力が十分活用されない。
• 端末数の増加に伴いMAC効率が低下
する問題を有する。
基地局(AP)
端末
空間多重伝送
高機能端末であれば
高速伝送可能
基地局(AP)
同時に1局のみ(Single User)
端末群
MIMO : Multiple Input Multiple Output
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45
⑰TGac: 高速化技術 – 11nの拡張 (2/5)
② 帯域幅拡大
– 80MHz伝送は必須機能、160MHz伝送はオプション。
– 160MHz伝送において不連続な二つの80MHzスペクトルを用いた並列伝
送を定義(80+80 MHz non-contiguous mode)し、連続した160MHz帯が確
保できない場合においても160MHz伝送と同等の伝送速度を実現する
モードを規定。
5710
[MHz]
100
104
108
112
116
120
124
128
132
136
140
IEEE channel #
5330 5490
36
40
44
48
52
56
60
64
5170
20 MHz(11a/n/ac)×19
40 MHz(11n/ac)×9
80 MHz(11ac)×4
160 MHz(11ac)×2
80+80 MHz noncontiguous mode
(11ac)
×4パターン
※80/160/80+80 MHz伝送すべてについて、現在の日本の電波法関連規則で利用が認められていない。
→今後の制度改正が必須(MMAC802.11WG 11acアドホックで対応中) Copyright © 2011 日本電信電話株式会社 46
⑰TGac: 高速化技術 – 11nの拡張 (3/5)
③ 変調多値数増加
– BPSK, QPSK, 16QAM, 64QAMに加えて256QAMを定義 (オプション)
伝送速度:
8/6倍
64QAMの信号点配置 (6bit/サブキャリア)
256QAMの信号点配置 (8bit/サブキャリア)
★ 懸念事項: 64QAMと比較してより高いSNR(5~9dB)・変調精度が必要。
※ その他のPHYレイヤ高速化をサポートするパラメータは11nに準ずる。
– 符号化率: R=1/2, 2/3, 3/4, 5/6、畳込符号とLDPC符号を定義
– インタリーバ、パイロットサブキャリア: 11nからの拡張
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⑰TGac: 高速化技術 – 11nの拡張 (4/5)
★TGac D1.0のPHYレイヤ最大伝送レート→11nと比較してどれだけ速くなる?
項目
11n
TGac D1.0
伝送レート増加割合
サブキャリア変調方式
BPSK~64QAM
(1~6bit/subcarrier)
BPSK~256QAM
(1~8bit/subcarrier)
×1.33
最大伝送帯域幅
40MHz
(108 subcarriers)
160MHz
(468 subcarriers)
×4.33
最大空間多重数
4
8
×2
・ 11nのPHYレイヤ最大伝送レート: 600Mbps
・ TGac D1.0のPHYレイヤ最大伝送レート: 600Mbps×1.33×4.30×2≒約6.933Gbps
※注意※ 上記はあくまでも規格上の上限値であり、以下を考慮する必要あり:
1. 多値QAM伝送: 高いSNRが必要・RF回路の不完全性に対して脆弱
2. 帯域拡大・空間多重数増加によるサブキャリアあたりの送信電力の低下
→利用可能な環境は著しく限られるものと予想される。
(11aの最低伝送レートと比較して,所要SNRが44dB余分に必要)
3. 伝送速度と装置コストのトレードオフ
→11nは最大4空間多重を規定しているが、市場のほとんどの製品はサポートして
いない(Wi-Fi Allianceの相互接続プログラムの規定に依存)。
初期の11ac標準準拠製品も、最大3~4空間多重が主流となる(か?)
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48
⑰TGac: 高速化技術 – 11nの拡張 (5/5)
④ Frame Aggregation拡張(1/3)
Frame Aggregation: 単一物理フレームに大量のMSDUを格納するための、フレー
ム集約規定(11nで新規に規定)。再送時の伝送効率を考慮し、二段階のフレーム
集約が規定されている。
※MSDU(MAC Service Data Unit): IEEE802.11のMACレイヤと上位レイヤとのインタフェースで
やり取りされるデータの単位。具体的には、EthernetフレームやIPパケットに対応する。
・ 受信側の確認応答は必ずBlockACKを用い、 ACK情報はA-MSDU単位となる。
<例: 10個のMSDUを4つのA-MSDUに集約し、これをさらに集約してA-MPDUを形成>
MSDU MSDUMSDU MSDU MSDU MSDU MSDUMSDU MSDU MSDU
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
1. MSDU
Aggregation
A-MSDU A-MSDU A-MSDU A-MSDU
(1)
(2)
(3)
(4)
2. MPDU
Aggregation
A-MPDU
ヘッダ
データ部分
無線フレーム
・A-MSDU: Aggregated MSDU
・MPDU: MAC Protocol Data Unit。再送単位となるデータ
の単位。Frame Aggregation適用時はMPDUと
A-MSDUはほぼ等価
・A-MPDU: Aggregated MPDU
※MACレイヤにおいてヘッダ等のオーバヘッドは省略
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49
⑰TGac: 必須機能とオプション機能の比較
必須条件とオプションの最高規定の間には著しい格差がある。
→無線LAN端末の多様化ニーズに伴い、仕様のスケーラビリティを高くしている。
TGac D1.0
高速化機能
/特性
11n
最高規定
必須条件
最高規定
①空間多重数
4
1
8
②伝送帯域幅
40 MHz
80 MHz
160 MHz
③変調方式
64QAM
64QAM
256QAM
④Frame Aggregation
65,535 Byte
8,191 Byte
1,048,575 Byte
PHY伝送速度
600Mbps
292.5Mbps
6933.3Mbps
PHY最高速度時のス
ループット(MAC効率)
485Mbps
(81.0%)
157Mbps
(53.4%)
5.85Gbps
(84.4%)
必須条件機能のみの利用だと、
11nの最高規定の約1/3の
スループットにとどまる。
必須/オプション機能間の格差が大きい。
・PHY伝送速度: 23.7倍
・スループット: 37.3倍
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⑰TGac: 高速化技術 – DL MU-MIMO (1/4)
DownLink MultiUser – MIMO:
APが持つ複数アンテナを活用したビームフォーミング制御により空間を分割し、
同一周波数上で複数端末への同時接続を実現する。
 多重伝送するSTA数に比例して、システムスループットを向上させることが可能
(基地局のアンテナ数を最大限活用することが可能)
→最大4台のSTA宛に同時送信/STAあたり最大4空間多重まで送信可能
 高速STA(IPTV等)と低速STA(VoIP、ゲーム機等)、QoSクラスの異なる
STAを同時に効率良く収容可能。
→STA毎に異なる空間多重数を設定可能
→単一のMU-MIMO無線フレームにQoSクラスの異なる複数データが混在可能
基地局
(AP)
端末群
TGacでは
DL MU-MIMOは
オプション規定
となっている。
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⑰TGac: 高速化技術 – DL MU-MIMO (2/4)
★SU-MIMO / MU-MIMOの比較(信号処理の観点)
<SU-MIMO伝送(11n)>
送信機
受信機
a
変調器
b
d c b a
変調器
変調器
(①)
c
変調器
d
MIMO
チャネル
(空間
多重
伝搬路)
信
号
分
離
(②)
復
調
器
d c b a
→空間多重数と同数倍の
伝送速度向上を実現
変調器
< MU-MIMO伝送(11ac)>
①
STA1
AP
d c b a
変
調
器
①空間多重送信:
複数の独立した情報を持つ信
号系列を同一周波数上で空間
多重伝送を行う
②信号分離:
空間多重信号分離処理を行い、
送信データを復元する
送
信
ビ
ー
ム
フ
ォ
ー
ミ
ン
グ
復調器
MIMO
チャネル
(空間
多重
伝搬路)
STA2
復調器
b
STA3
復調器
②
a
c
STA4
復調器
d
①伝搬環境フィードバック(STAs→AP):
APが送信した既知信号を元に各STAで伝
搬環境を推定、APへフィードバック
②DL MU-MIMO伝送(AP→STAs):
STAからフィードバックされた伝搬環境を元
に送信ビームを形成し、空間分割多元接
続伝送を行う。
→同時伝送端末数と同数倍のシステム
スループットを実現
→端末側の信号分離処理が不要
※送信ビームフォーミングを用いることにより、受信機側の信号分離処理が不要となる。
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⑰TGac: 高速化技術 – DL MU-MIMO (3/4)
★SU-MIMO / MU-MIMOの比較(アクセス制御の観点で)
BA: Block ACK
BAR: Block ACK Request
SU-MIMOの場合:ユーザ毎に個別のフレームを送信する
AP
DIFS
+Back off
PHY
Header
Data
Frame
(User 1)
DIFS
+Back off
PHY
Header
Data
Frame
(User 2)
BA
1
STAs
DIFS
+Back off
PHY
Header
Data
Frame
(User 3)
BA
2
BA
3
MU-MIMO伝送の場合:
複数ユーザに対して送信ビームフォーミングを活用した空間多重伝送を行う。
物理フレームあたりに含まれるデータ量をユーザ数と同数倍増加させる事が可能。
オーバヘッド(フレームギャップ、PHYヘッダ)が減少し、
伝送効率の改善
MAC効率が改善される。
Data Frame (User 1)
AP
STAs
DIFS
+Back off
PHY
Header
Data Frame (User 2)
BA
R
Data Frame (User 3)
BA
1
BA
R
BA
2
BA
3
※ユーザあたりのPHYレイヤ伝送
速度はMU-MIMOの方が低速で
あっても、空間多重により複数
ユーザの同時伝送を行っている
ため、システム全体の伝送効率
が改善される。
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⑰TGac: 高速化技術 – DL MU-MIMO (4/4)
Group IDの定義(11ac特有の規定)
 Group ID:MU-MIMO伝送を行うSTAの集合に対応付けられたID番号
1. APはSTAの集合に対するGroup IDの一覧を定義し、全てのSTAに通知を行い共有する。
2. APがMU-MIMO伝送を行う際には、ヘッダ部分に宛先STAの集合に対応したGroup IDを付加する。
3. STAは受信したMU-MIMOフレームのヘッダ部分を参照し、自身がユーザの集合として登録されてい
るGroup IDであれば受信動作を行い、そうでなければ受信動作を中止する。
Group IDの利点:
 STAは自身宛でないフレームを受信する動作をいち早く停止できる→消費電力低減
 STA群を呼び出す情報量が小さい(6bit)→ヘッダ部分のオーバヘッドを最小化
 無線フレーム毎にSTAの集合の呼出が可能→自律分散制御であるCSMA/CAとの高い親和性
Group ID一覧表:
GID=1→(A,B,C,D)
GID=2→(A,C,D)
GID=3→(B,D)
GID=4→(C,E)
GID=5→(D, E)
AP
STA-A
(受信動作実行)
GID: 1,2
STA-B
(受信動作中止)
<例:送信された無線フレーム>
Frame
GID: 1,3
STA-C
(受信動作実行)
GID: 1,2,4
STA-E
(受信動作中止)
GID: 4,5
Data Frame for STA-A
Header
Data Frame for STA-C
STA-D
(受信動作実行)
GID=
2
Data Frame for STA-D
GID: 1,2,3,5
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⑰TGad: 活動状況
時期
イベント
内容
09年1月
TG発足
TGac標準作成の手順についての議論が開始
~09年
11月
初期の議論
・ Channel Model, Evaluation Methodology, Selection Procedure
文書の策定
・ 802.15.3cとの共存について議論(合同セッション)
・ 技術提案に係る初期議論
10年
1~5月
技術提案募集期間
各社からの個別の技術提案が行われる。
10年5月
業界団体WiGig提案の
登場、提案の一本化
WiGig提案を元に他の提案が吸収される形でTGad Draft D0.1
を作成。TGad内部においてreviewが行われる。
10年9月
Draft D1.0完成
Letter Ballotを実施→支持率87%
・・・
・・・
・・・
11年11月
Draft D5.0完成
Recurculation Ballotを実施中
12年12月
標準化作業終了(予定)
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⑰TGad:技術の概要(PHYレイヤ)
・ IEEE802.15.3c(先行して策定されたミリ波PAN規格)のPHYをベースモデルとして仕様策定
・ チャネル: 57-66GHz帯に4チャネル、チャネル幅は2.16GHz(→11aの108倍、11acの13.5倍)
・ 同じ帯域を利用するIEEE802.15.3cとの共存機能を規定
(総務省資料より)
57-59GHz帯
2011年9月に割当が拡大された領域
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⑰TGad:技術の概要(PHYレイヤ)
・ SC(Single Carrier)モード(必須)とOFDMモード(オプション)を規定
・ PHYフレーム:
- SC/OFDMモード共通の「SCプリアンブル」の利用により互換性を実現
- CEF(Channel Estimation Field)においてSC/OFDMのモード識別を行う
・ 変調方式:
- SC(Single Carrier)モード: p/2-DBPSK/BPSK/QPSK/16QAM
p/2 BPSK, R=3/4(1155Mbps)までを必須、p/2-16QAM, R=3/4(4620Mbps)までを
オプション規定
- OFDMモード(全てオプション規定):
SQPSK, QPSK, 16QAM, 64QAM(R=13/16で最大6,756Mbps)
・ チャネル符号化:
- リードソロモン符号(SCモードのみ)
- LDPC符号(SC/OFDM共通)
・ 接続性を高めるための規定
- ミリ波接続(11ad)とマイクロ波接続(11a/b/g/n/ac)との間の高速セッション切替機能
- ビームフォーミング機能
(最適ビームの探索のためのシグナリング・フレームシーケンスの規定)
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⑰TGad:技術の概要(MACレイヤ)
・ DBand Channel Access(11ad専用のMACレイヤ)を新規規定
→スーパーフレーム上に、帯域予約型のチャネルアクセス期間
と競合型チャネルアクセス期間を定義
(ARIB STD T-70(HiSWANa)に類似)
・ OBand: Omni-directional Band
→2.4/5GHz帯システム(11a/b/g/n/ac)
・ DBand: Directional Band
→ミリ波帯システム(11ad)
DBand Channel Access
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もくじ
1. IEEE802.11作業部会の概要
2. これまでに策定された追加規格
a. 高速化規格: 11a/b/g/n
b. 高機能化規格: 11e/h/i/k/p/r/s/u/v/w/y/z
3. 現在策定中の追加規格
a. 高速化規格: TGac / ad
b. 高機能化規格: TGaa / ae / af / ah / ai
4. まとめ
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⑲TGaa: 映像・音声伝送の品質向上規格
・ 11eで規定された優先制御の高機能化による映像・音声伝送のさらなる高品質化
・ 規定される技術
- GCR(Groupcast with Retries)
→group address宛に送信されたデータを端末側から再送要求する機能を規定。
(既存規格では再送は行われない)
- OBSS Mangament
※OBSS: Overlapping BSS。BSSはBasic Service Setの略で、APが構成するセルを意味する。
OBSS環境では、複数APにより同一周波数チャネルが共有されるため、1セルあたりのスループット
はAP数に反比例する。また、複数APでアクセス権を取り合うので、QoSが保証できるスループットが
大幅に低下する。
→OBSS環境において、互いのBSSに帰属する端末に対してQoSを達成しやすくするよう、協調
動作を行うための機能を提供する。具体的には、APが送信するビーコンフレームに現在の
BSSの運用状況を通知し、他のAPがチャネル選択、端末収容受付の可否(admission control)、
チャネルアクセス権のスケジューリングを行う判断材料として活用される。
- SCS(Stream Classification Service)を用いた同一AC内での優先制御
→映像・音声ストリームに対してL2/L3情報を元にクラス付けを行う機能。
11eで規定された4つのACに対して6つのEDCAクラスを定義し、個別の映像・音声ストリームに
対するきめ細かな優先制御を実現可能。
- IEEE802.1Q SRP(Stream Reservation Protocol)との相互運用
→有線ネットワークとQoSパラメータをやり取りするための追加規定。
・ 進捗状況:
- 2008年5月: TG設立 → 2010年7月: Draft D1.0完成
- 2011年6月: DraftD5.0のSponsor Ballot → 予定標準化完了時期:2012年6月
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60
⑳TGae: 管理フレームの優先制御
・ Prioritization of Management Frames
・ 各追加規格では管理フレームによりシステムの運用を実現するが、管理フレームの
伝送遅延により特性が低下する問題が発生
→解決策:従来データフレームのみに対して規定されていた優先制御(11e規格)を管理
フレームに対しても適用
・ TGaeの規定
- QMF(Quality-of-service Management Frame。QoS制御される制御フレーム)の概念を定義
- 管理フレームの種別ごとの優先度をビーコンフレーム等で周知
- QoS制御される制御フレームについてそれぞれの優先度を持つキューに入力され送信
- リアルタイムに近い応答が求められる制御フレームを優先制御の対象と規定
(ほとんどが最高の優先度で送信される。また、QoS制御されない制御フレームもある)
> APへの帰属要求および返答
> ビーコン、帰属解除、認証要求、認証解除
> DFS(11hで規定)のためのチャネル遷移メッセージ
>高速BSS遷移
>メッシュネットワークの経路探索、輻輳制御
など。
・ 進捗状況:
- 2010年1月: TG設立 → 2010年9月: Draft D1.0完成
- 2011年9月: DraftD5.0のSponsor Ballot → 予定標準化完了時期:2012年6月
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㉑TGaf: TVWS帯における無線LAN*
・ IEEE802.11標準にTVWS(TV White Space)の利用を定義
・ TVWS: 地上波テレビ放送において、地域・時間によって利用されない周波数リソース
- FCC Rules Part 15: 既存システムに有害な干渉を与えない条件での共用条件を規定。
- 当初はスペクトルセンシング(運用周波数帯において他システムが存在するかを定期的に確認する
機能)が必須であった
- 2010年のFCC Rules Part 15の改訂: スペクトルセンシングが必須でなくなる
(位置情報・地域ごとのTVチャネルのデータベースの参照は必須)
→携帯型端末の実装緩和→無線LAN利用が現実的となり、TGafが設立される(2010年1月)
- ポータブル機器の主要な規制:
> 周波数帯: 54-698MHz(固定機器)/512-698MHz(ポータブル機器)
> 最大送信電力: 100mW/EIRP
> 隣接チャネル干渉: ≧-55dBr
・ TGaf Draftの主要な規定:
- 11a/nのフレームフォーマットをダウンクロッキングすることにより狭帯域化を規定
→11j/yと同様の考え方。11a/nで規定される20/40MHzチャネルに10/5MHz幅を追加
- APが自身およびSTAの位置情報とデータベースを参照することにより、運用可能チャネルを
検出するための処理手順・管理フレームメッセージ
・ 作業進捗状況:
- 現在、Draft D1.0のコメント解決作業中。
- 標準化完了予定時期: 2013年3月
*佐々木重信教授(新潟大学), ”TVホワイトスペースの有効利用で白熱するIEEE802委員会”, 2011年10月17日, IEEE802セミナ,
リックテレコム を参考に作成.
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㉒TGah: 1GHz以下の帯域を用いる無線LAN
●S1G: Sub 1GHz license-exempt operations(1GHz以下の周波数での低速無線LAN)
・ TVWS以外の1GHz以下の免許不要帯での運用を想定
→Smart Gridに対するIEEE802.11標準によるソリューション
・ 利用シーン:
1. センサノードの無線アクセス
2. センサノードの無線アクセスを提供するシステムの無線バックホール
3. セルラシステムのトラフィックオフロード
・ 要求条件:
- 伝送距離・速度: 半径1kmの範囲で100kbps以上
→狭帯域化が必要(11j/y/af同様、11n or acのフレームフォーマットのダウンクロッキングにより対応)
- APあたりの端末帰属台数: 約6,000台
→既存のIEEE802.11標準では、最大2,007台であるため、何らかの改良が必須
- IEEE802.15.4g(先行して標準化作業が行われている無線PAN規格)との共存機能
- 省電力機能の高機能化(センサノードへの適用を想定しているため)
・ TG活動状況
- 活動開始: 2010年11月
- TGac同様のDraft作成プロセス(Selection Procedure)を採用
→技術仕様一覧となるSpec Framework文書を作成した上で、Draftの初期バージョンを作成
(今後の予定)
- 2012年7月: Spec Framework文書完成予定→TGah内のreview
- 2012年11月: Tgah Draft D1.0に対するLetter Ballot
- 2014年11月: 標準規格出版
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㉒TGah: 1GHz以下の帯域を用いる無線LAN
・ 各国における利用可能帯域*
5.6 MHz
8 MHz
779
787
China
(max erp <= 10 mW)
863
EU
26 MHz
868.6
902
Region
Tx power regulations
US
Max e.r.p. <= 1 W
EU
max erp <=14 dBm
PSD <= -4.5 dBm/100KHz (863~868.6MHz)
PSD <= 6.2 dBm/100KHz (865~868MHz)
Korea
3 mW or 10 mW (920.6~923.5MHz and six 200
KHz channels below 920.6 MHz)
China
Max e.r.p. <= 10 mW
Japan
1mW , 20 mW or 250 mW (915.9~929.7MHz)
Max BW <= 1 MHz
928 MHz
US (max erp <=1 W)
6.5 MHz
Korea
917
923.5
13.8 MHz
Japan
915.9
928 MHz
929.7
(Max BW = 1MHz)
・ チャネル幅規定(※現在議論中)
米国: 1/2/4/8/16 MHz、中国: 1/2/4/8MHz、韓国: 1/2/4MHz、欧州: 1/2MHz、日本: 1MHzのみ
・ 2MHzと1MHzチャネルの受信機能は必須となる見通し。
* Rolf De Vegt, doc.:IEEE802.11-11-1329r1 より
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㉓TGai: 初期接続の高速セットアップ
●FILS: First Initial Link Setup →無線LANネットワークの接続性向上が目的
・ 要求条件:
- リンク確立までの所要時間: 100ms以下
- 11i/wで提供されるセキュリティレベルの維持
・ 利用シーン:
課題:
既存の無線LANは初期接続の確
立に時間がかかる
1. ホットスポットサービス
2. 無線LAN・モバイルルータを用いた列車インターネット接続
3. 多数の端末が帰属するAPにおける高速チャネル遷移
4. 電子クーポン配布
AP
移動
STA
・ 活動経緯
- 2010年5月: FIA SG設立 → 2011年1月:TGai活動開始
- Chair: 真野浩氏(Allied-Telesis R&D Center)
・ 2011年9月会合より技術提案受付(全てMACレイヤの機能拡張):
- Probe Request / Responseフレームのメッセージ追加
- APのブロードキャスト情報の追加
- 端末のネットワーク探索機能の強化
- 上位レイヤ(DHCP/GWへの request)の並列セットアップをAPに依頼するメッセージの追加
- セキュリティ機能の追加 など
・ 今後の予定(2011年11月現在)
- 2012年1月: 技術提案締切→Draftの初期バージョン作成
- 2012年7月: Draft D1.0に対するLetter Ballot実施
- 2014年9月: 標準化作業完了
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もくじ
1. IEEE802.11作業部会の概要
2. これまでに策定された追加規格
a. 高速化規格: 11a/b/g/n
b. 高機能化規格: 11e/h/i/k/p/r/s/u/v/w/y/z
3. 現在策定中の追加規格
a. 高速化規格: TGac / ad
b. 高機能化規格: TGaa / ae / af / ah / ai
4. まとめ・今後の方向性
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まとめ・今後の方向性
1.IEEE802.11作業部会の概要
・ 20年以上にわたり、無線LANの標準規格を策定中
・ IEEE802.11標準はPHY/MACレイヤを規定
→ただし、外部ネットワークとの連携のための追加規格も多数存在
・ 端末・利用形態の多様化により、高速・高機能化がすすむ
→マーケットニーズにタイムリーに対応
2.これまでに策定された追加規格
・ 高速化規格: 無線LAN産業の発展に大きく寄与
(無印)スペクトル拡散→(11b)CCK→(11a,g)OFDM→(11n)MIMO-OFDM
※伝送帯域拡大の寄与も大きい:
(無印)1MHz/chip→(11b)25MHz→(11a,g)20/25MHz→(11n)40MHz
・ 高機能化規格:
- 11e: 優先制御によるQoS保証
- 11k: 環境情報収集による周波数利用効率の高い運用を実現
- 11h,j,y: 適用周波数領域の拡大
- 11i,w: セキュリティアップデート
- 11r,s: スポットエリアから面的エリアへの拡大
- 11v,u: ネットワーク機能強化
- 11z: DLSによるチャネル利用効率向上
→高速化規格と高機能化規格により、無線LAN標準は充実の一途を辿った
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まとめ・今後の方向性
3.現在策定中の追加規格
・ 高速化規格:
- TGac: マイクロ波帯の拡張(11nの後継規格)
- TGad: ミリ波帯のギガビット無線LAN
→必須機能とオプション機能の間に大きな乖離。
当面(3~5年)の高速化機能は11ac/adで既に規定されている(?)
・ 高機能化規格:
- TGaa: 映像/音声伝送の品質確保
- TGae: 管理フレーム有線制御
- TGaf: TVWSにおける無線LANシステムの利用
- TGah: 1GHz以下のセンサネットワーク向け無線LAN
- TGai: 高速初期リンク確立
→標準化のscopeが細分化される傾向にある。
現在のトレンドは無線LANシステムの適用領域拡大(11z, TGaf, TGah)
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まとめ・今後の方向性
★What are the next big things?
a. 適用領域のさらなる拡大
- TGaf, TGahに類似した新たな周波数帯への対応(あれば)
b. ネットワーク連携機能のさらなる強化
- 3Gネットワークのオフロードの役割は今後さらに重要度を増す
- QoS確保のためには外部ネットワークとの連携が必須(TGaa)
- 11v/u/aiの高機能化技術?
c. さらなる周波数利用効率向上を目指した高機能化
- 無線LAN端末の普及により、端末間の干渉問題が今後より顕著になる見通し
- 特に都市部における2.4GHz帯の利用は既に飽和状態
→無線LANサービスプロバイダが持つ最大の課題
- 今後は5GHz帯、ミリ波帯の利用が進むものと考えられるが、単一リンクの伝送速度向上
は11ac/adで頭打ち(?)
- 周波数・空間リソースのさらなる有効活用を実現する技術の規定が期待される
例えば(以下は既存のIEEE802.11標準に規定されていない)……
> 上りリンクMU-MIMO(TGacでは下りリンクMU-MIMOのみを規定)
> OFDMAに類似した多元接続方式
> 空間信号処理による余剰リソースの利用効率向上
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