山形県ドクターヘリ 山形県ドクターヘリ運航 ドクターヘリ運航ハンドブック 運航ハンドブック 平成26年12月 山 形 県 は じ め に このハンドブックは、消防機関の皆様をはじめ、ドクターヘリの運航に 関わる皆様に対して、安全・迅速かつ効果的なドクターヘリの運用を図る ために、必要な手順やご協力をお願いすることを取りまとめたものです。 是非、このハンドブックをご覧いただき、安全で有効なドクターヘリの 運航にご協力くださるようお願いします。 山形県健康福祉部地域医療対策課 山形県環境エネルギー部 危機管理・くらし安心局危機管理課 山 形 県 病 院 事 業 局 県 立 病 院 課 2 目 次 1 用語の略称・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 頁 2 ドクターヘリと消防防災ヘリの運航方針・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 頁 3 ドクターヘリ運航の流れ (1) 救急現場への出動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 頁 (2) 救助現場への出動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 頁 (3) 病院間搬送・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 頁 (4) 消防防災ヘリとの協働・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 頁 4 ドクターヘリ出動基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 頁 5 消防機関の通信指令員及び救急隊員の出動要請判断基準・・・・・・・・・14 頁 6 搬送先となる医療機関・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 頁 7 ホットライン要請内容の例示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 頁 8 ドクターヘリ通信システム概要図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 頁 9 ランデブーポイントの選定基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 頁 10 ランデブーポイントの管理基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 頁 11 ランデブーポイント着陸時の注意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・26 頁 12 ランデブーポイントにおけるドクターヘリの保安・誘導業務・・・・・・・27 頁 13 冬期間におけるランデブーポイント着陸時の注意事項・・・・・・・・・・30 頁 14 医療スタッフに傷病者を引き継ぐ際の留意事項・・・・・・・・・・・・・33 頁 15 傷病者及び家族等に対する説明時の留意事項・・・・・・・・・・・・・・34 頁 16 メディカルコントロールの体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 頁 17 関係機関の活動の記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 頁 18 バックボード等資機材の運用方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 頁 資料編 資料1 ドクターヘリ運航時間表・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 頁 資料2 ドクターヘリ到達時間図・・・・・・・・・・・・・・・・・・47 頁 資料3 ドクターヘリ運航フロー図・・・・・・・・・・・・・・・・・48 頁 資料4 関係機関連絡先一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53 頁 1 用語の略称 用 語 略 称 山形県ドクターヘリ ⇒ ドクターヘリ 山形県消防防災ヘリ ⇒ 消防防災ヘリ 基地病院の運航管理担当者 ⇒ 基地病院CS ドクターヘリと救急車等が合流する地点 ⇒ ランデブーポイント 場外離着陸場 ⇒ ヘリポート ランデブーポイントで誘導及び保安する者 ⇒ ランデブーポイント支援者 ヘリコプターに搭乗する医師及び看護師 ⇒ 医療スタッフ ヘリコプターに搭乗する操縦士及び整備士 ⇒ 運航スタッフ メディカルコントロール体制 ⇒ MC体制 病院間搬送時に出動要請を行った医療機関 ⇒ 搬送元医療機関 病院間搬送時に傷病者を受入れた医療機関 ⇒ 搬送先医療機関 1 2 ドクターヘリと消防防災ヘリの運航方針 (1) 運航方針 運航方針 これまで、消防機関又は市町村からの救助・救急要請については、県の消防防災ヘ リが対応してきたところであるが、ドクターヘリの運航開始により、救急要請事案及 び転院搬送事案の対応について、以下のとおり相互の運航方針を明確化する。 ◇ ドクターヘリ:救急要請事案及び転院搬送事案に対応する。 ◇ 消防防災ヘリ:ドクターヘリが即時対応できない状況の場合は、消防防災ヘリ の緊急運航基準により対応する。 ① ドクターヘリの活動 ドクターヘリの活動 ア 救急現場への医師・看護師及び医療器材等の搬送活動 イ 救急現場からの傷病者の医療機関への搬送活動 ウ エ 高度医療機関への患者の転院搬送活動 大規模災害時の医師・看護師及び医療器材等の搬送活動 ② 消防防災ヘリの活動 消防防災ヘリの活動 ア 火災防ぎょ活動 イ 救助活動 ウ 救急活動 ・救急患者の搬送 ・傷病者発生地への医師及び医療器材等の搬送 ・高度医療機関への傷病者の転院搬送 ・大規模災害時の医師等及び資機材の搬送 ・その他、消防防災ヘリコプターによる救急活動が有効と認められる場合 エ 災害応急対策活動 オ 広域応援要請に基づく活動 カ 臓器搬送活動 (2) 県外医療機関への転院搬送の対応 高度医療機関への患者の転院搬送活動にあたっては、ドクターヘリが優先されるこ とになるが、ドクターヘリは航続距離が短いため、県外遠方の医療機関へ転院搬送す る場合は、消防防災ヘリによる活動を考慮しなければならない。 このため、以下の活動範囲をそれぞれの役割とする。 ◇ ドクターヘリ:原則として隣接県の医療機関への転院搬送を活動範囲とする。 ◇ 消防防災ヘリ:ドクターヘリの活動範囲を上回り、かつ航空基地から燃料補給 せずに活動できる範囲を原則とする。 ※ 但し、消防防災ヘリによる転院搬送時の医師等の帰院は行 わない。 2 3 ドクターヘリ運航の流れ (1) (1) 救急現場への出動 ① ドクターヘリ出動基準 ドクターヘリ出動基準 運航範囲は原則として山形県全域とし、次項4(頁 13)に定める「ドクターヘ リ出動基準」に該当する場合、消防機関は出動要請を行うことができる。 ② 通信指令員及び救急隊員による出動要請判断基準 通信指令員及び救急隊員による出動要請判断基準 ア 119番通報内容や救急現場において、消防機関の通信指令員又は救急隊員が 傷病者の症状等からドクターヘリの出動要請を判断する基準は、次項5(頁 14) に定める「消防機関の通信指令員及び救急隊員の出動要請判断基準」とする。 イ 救急隊の現場到着前にドクターヘリを要請し、その後に救急隊が傷病者と接触 し、救急車による搬送が適当と判断した場合は、要請をキャンセルすることがで きる。 ③ 要請方法 ア 119番通報を受けた消防機関の通信指令員は、その通報内容から、また、救 急現場に出動した救急隊員等は傷病者の症状等から、ドクターヘリを要請すべき と判断した場合は、通信指令員を窓口にドクターヘリ要請ホットラインへ出動の 要請を行う。 ドクターヘリ要請ホットライン イ ウ 消防機関の通信指令員からの出動要請には、基地病院CSが対応する。 要請受付時間は、季節による日没時間を考慮し、月別【資料編:資料1】とす るが、天候状況や要請受付時間により、要請するか判断に迷う場合は、ドクター ヘリ要請ホットラインにより基地病院CSへ相談する。 ④ 消防機関からの要請受信 消防機関からの要請受信 ア 基地病院CSは、消防機関の通信指令員から出動要請を受信した場合は、ラン デブーポイントの場所や傷病者の症状等を確認後、直ちにドクターヘリを出動さ せる。 イ 基地病院CSは、要請を受けた時点で、出動中又は気象条件等により出動不可 能な場合は、出動要請を行った消防機関の通信指令員にその旨連絡する。 ウ 基地病院CSは、ドクターヘリが出動中の場合に限って、次回出動可能となる 予定時間を伝え、通信指令員とその後の対応について協議するものとする。 ⑤ 要請時の傷病者情報及び 要請時の傷病者情報及びランデブーポイント 傷病者情報及びランデブーポイント等の連絡 ランデブーポイント等の連絡 ア 消防機関の通信指令員は、ドクターヘリの出動要請時に、傷病者の症状や発生 場所及び選定したランデブーポイントについて併せて連絡する。 その後、ランデブーポイント付近の気象状況及び安全措置等について連絡する とともに、傷病者の症状等に係る追加情報について連絡する。 3 イ 消防機関の通信指令員は、ランデブーポイント支援者の到着が遅れる場合は、 到着予定時間を基地病院CSに連絡するとともに、ランデブーポイント支援者が 消防職員以外の者である場合も、その旨連絡する。 ウ ランデブーポイント支援者と運航スタッフは、消防無線による相互通信が確保 された場合は、お互いに着陸する場所等を再確認する。 エ 医療スタッフは、離陸後、医療無線を通じて基地病院CSから傷病者の詳細情 報を入手する。 オ 現場の救急隊員と相互通信が確保された後は、直接傷病者情報を入手し、状況 により救命処置に関する適切な指示を行う。 ⑥ 離着陸場への着陸 ア 運航スタッフは、消防無線やスピーカーの使用又は合図により、ランデブーポ イント支援者と相互に離着陸場の安全を確認した後、着陸を行う。 その際、医療スタッフも地上の安全確認に協力する。 イ ランデブーポイント支援者が消防職員以外の者である場合は、常に通信指令員 とランデブーポイント支援者との間で連絡が取り合えるよう、携帯電話等による 通信手段を確保し、緊急時の対応に備えておく。 ⑦ 治療の開始 ア 医療スタッフは、着陸後、運航スタッフの誘導により降機し、直ちに救急車内 で傷病者と接触するとともに、速やかに状態を確認し、必要に応じて医療行為を 行うものとする。 イ 医療行為は、患者の安全を第一として、搬送に支障がない最小限に留め、迅速 な搬送に心がけるとともに、原則として、合流した救急車内で行うものとする。 但し、医療スタッフの判断によっては、別の場所でも行えるものとする。 ウ 医療スタッフは、ランデブーポイントに傷病者が到着していないなど、傷病者 といち早く接触する必要があると判断した場合は、消防機関等の協力を得て、救 急現場等への移動も可能とする。 ⑧ 搬送先医療機関の決定 ア 医療スタッフは、患者の症状や緊急度、重症度又は家族の意向を考慮し、搬送 先医療機関を選定するとともに、搬送先医療機関を決定した場合は、患者及び家 族に説明し承諾を得るものとする。 イ 医療スタッフは、患者の症状からドクターヘリによる医療機関への搬送を必要 としないと判断した場合は、適切な地域の医療機関へ受入れを依頼するとともに、 救急隊員に対し救急車による搬送を指示する。 ⑨ 搬送先医療機関への連絡(基地病院へ傷病者を収容する場合を除く) ア 医療スタッフは、搬送先医療機関を決定した場合、速やかに当該医療機関に患 者の収容を依頼し、患者の情報及び搬送手段を連絡するとともに、基地病院CS に対し、決定した搬送先医療機関及び搬送手段を連絡する。 4 イ ドクターヘリによる患者の搬送を決定した場合、基地病院CSは、離陸後に、 搬送先医療機関に到着予定時間等を連絡し、受入体制の確保を依頼する。 ウ 出動要請した消防機関は、必要に応じ搬送先医療機関を管轄する消防機関へ協 力依頼することができる。 ⑩ 傷病者の搬送 ア 医療スタッフ及び運航スタッフは、搬送先となる医療機関に受入れの確認が済 み、患者の乗機が完了次第、速やかにドクターヘリによる患者搬送を開始する。 イ 救急隊員は、医療スタッフからドクターヘリによらず救急車による地域の医療 機関への搬送を指示された場合は、速やかに搬送を開始する。 ⑪ 搬送先医療機関にヘリポートが併設されていない場合 搬送先医療機関にヘリポートが併設されていない場合の協力要請 併設されていない場合の協力要請 ア 医療スタッフは、搬送先医療機関が決定したが、当該医療機関にヘリポートが 併設されていない場合は、出動要請した消防機関に対し、搬送先医療機関を管轄 する消防機関へ協力依頼を行うよう指示する。 イ 出動要請した消防機関は、搬送先医療機関を管轄する消防機関に対し、ランデ ブーポイントの選定協議、ランデブーポイント支援者の配置及び救急搬送につい て協力を依頼する。 ウ 搬送先医療機関を管轄する消防機関は、ランデブーポイントが決定した場合、 速やかに基地病院CSに連絡し、ドクターヘリのランデブーポイントへの到着予 定時刻を聞き取るとともに、依頼された事項について協力する。 ⑫ 救急車への医療スタッフの同乗 医療スタッフは、ドクターヘリによりランデブーポイントまで患者を搬送し、そ の後に搬送先医療機関を管轄する消防機関の救急車で患者を搬送する場合、患者の 症状により救急車への医療スタッフの同乗を考慮するものとする。 5 (2) 救助 救助現場への出動 現場への出動 ① ドクターヘリ出動基準 運航範囲は原則として山形県全域とし、次項 4(頁 13)に定める「ドクターヘ リ出動基準」に該当する場合、消防機関は出動要請を行うことができる。 ② 救助隊員による出動要請判断基準 救助隊員が、火災現場や事故現場及び救助現場等の状況から、ドクターヘリを要 請した方が良いと判断する場合の基準は、以下のとおりとする。 ア 火災現場や事故現場 傷病者の救助に時間を要することが予想され、傷病者の症状が更に悪化する可 能性があると判断した場合 イ 山岳遭難現場 遭難者の捜索及び救助に時間を要することが予想され、客観的に遭難者の生命 に危険が及ぶ可能性があると判断した場合 ウ 水難事故現場 水難者の発見及び救助に時間を要することが予想され、客観的に水難者の生命 に危険が及ぶ可能性があると判断した場合 ③ 要請方法 消防機関の救助隊員は、火災現場や事故現場等の救助現場の状況から、ドクター ヘリを要請すべきと判断した場合は、通信指令員を介してドクターヘリ要請ホット ラインへ出動の要請を行う。 ドクターヘリ要請ホットライン ④ 救助現場への医師及び看護師の投入 ア 救助隊員は、傷病者の状況から直ちに救助現場で治療を開始する必要があると 判断した場合は、速やかにランデブーポイントに転送車両を配置し、医療スタッ フを救助現場へ投入する。 イ 医療スタッフは、救助現場への移動時に現場や傷病者の詳細状況を聞き取ると ともに、必要によっては、応援スタッフを要請する。 ※ 救助現場からの出動要請であっても、消防機関の通信指令員を介するため、ド クターヘリ運航の流れは基本的に前記(1)(頁 3)の「救急現場への出動」と同様 となる。 6 (3) 病院間搬送 ① ドクターヘリの出動基準 運航範囲は原則として山形県内における病院間搬送を対象とするが、例外として 隣接県への病院間搬送も対象とし、下記②の出動要請判断基準に該当する場合、医 療機関は出動要請を行うことができる。 ② 搬送元医療機関の医師による 搬送元医療機関の医師による出動要請 出動要請判断 出動要請判断基準 判断基準 搬送元医療機関の医師が、患者の症状から病院間搬送を行うためにドクターヘリ の出動要請を判断する基準は、以下の場合とする。 ア 患者の生命に関わる理由等から高次医療機関へ病院間搬送する必要がある場合 イ ウ 救急車による病院間搬送では長時間を要し、患者の様態が更に悪化することが 予想される場合 その他 ③ 病院間及び基地病院と 病院間及び基地病院との 及び基地病院との事前調整 事前調整 ア 搬送元医療機関の医師は、上記②の出動要請判断基準に該当し、更に搬送先医 療機関の医師との間において病院間搬送の調整が整った場合は、基地病院CSと 連絡を取り、別途定める「転院搬送情報提供用紙」を基地病院にFAXする。 イ 基地病院CSは、搬送元医療機関の医師から連絡を受け、 「転院搬送情報提供用 紙」のFAXを受信した場合は、基地病院医師とともにドクターヘリによる病院 間搬送の可否を判断し、その結果を搬送元医療機関の医師に伝達する。 ④ 要請方法 ア 搬送元医療機関の医師は、事前調整によりドクターヘリによる病院間搬送が可 能となった場合は、管轄する消防機関に対しドクターヘリの出動要請を依頼する。 イ 搬送元医療機関の医師から依頼を受けた消防機関の通信指令員は、ドクターヘ リ要請ホットラインへ出動の要請を行う。 ドクターヘリ要請ホットライン ウ エ 消防機関の通信指令員からの出動要請には、基地病院CSが対応する。 要請受付時間は、季節による日没時間を考慮し、月別【資料編:資料1】とす るが、天候状況や要請受付時間により、要請するか判断に迷う場合は、ドクター ヘリ要請ホットラインにより基地病院CSへ相談する。 ⑤ 搬送元医療機関を管轄する消防機関 搬送元医療機関を管轄する消防機関からの を管轄する消防機関からの要請受信 からの要請受信 ア 基地病院CSは、病院間搬送のため、搬送元医療機関を管轄する消防機関から ドクターヘリの出動要請があった場合は、原則として直ちに出動させる。 イ 基地病院CSは、要請を受けた時点で、出動中又は気象条件等により出動不可 能な場合は、出動要請を行った消防機関の通信指令員にその旨連絡する。 ウ 基地病院CSは、ドクターヘリが出動中の場合に限って、次回出動可能となる 予定時間を伝え、消防機関の通信指令員を介して搬送元医療機関の医師とその後 の対応について協議するものとする。 7 エ 基地病院CSは、ドクターヘリを出動させた後に、搬送元医療機関を管轄する 消防機関から使用するランデブーポイントの場所や現場の気象状況及び安全措置 等について聞き取るとともに、患者の症状等に係る追加情報について入手する。 ⑥ 搬送元医療機関にヘリポートが併設されている場合の対応 ア 搬送元医療機関にヘリポートが併設されている場合は、原則として当該へリポ ートを離着陸場に選定する。 イ 搬送元医療機関のヘリポートを選定した場合の誘導や保安業務は、原則として 当該医療機関のスタッフが行うものとする。 ⑦ 搬送元医療機関にヘリポートが併設されていない場合の協力要請 ア ヘリポートが併設されていない搬送元医療機関の医師は、管轄する消防機関に 対し、ドクターヘリの出動要請と併せて、ランデブーポイント選定等の協力を依 頼する。 イ 管轄消防機関の通信指令員は、搬送元医療機関の医師から協力依頼があった場 合は、速やかにランデブーポイントを決定し、ランデブーポイント支援者の配置 及び救急搬送等に協力する。 ⑧ 救急車への搬送元医療機関の 救急車への搬送元医療機関の医師の同乗 搬送元医療機関の医師の同乗 ア 搬送元医療機関の医師は、管轄する消防機関に対しランデブーポイントまでの 救急搬送について協力を要請した場合は、原則として消防機関の救急車等に同乗 する。 イ 搬送元医療機関の医師は、ランデブーポイントに到着した場合は、直ちに医療 スタッフに患者を引き継ぐものとする。 ⑨ 離着陸場への着陸 離着陸場への着陸 ア 搬送元医療機関のヘリポートを離着陸場に選定した場合、当該医療機関のスタ ッフと運航スタッフは、目視によりお互いに着陸するタイミングを確認する。 イ 搬送元医療機関の直近のランデブーポイントを離着陸場に選定した場合、ラン デブーポイント支援者と運航スタッフは、消防無線による相互通信が確保された 場合は、お互いに着陸する場所等を再確認する。 ウ 運航スタッフは、消防無線やスピーカーの使用又は合図により、ランデブーポ イント支援者と相互に離着陸場の安全を確認した後、着陸を行う。 その際、医療スタッフも地上の安全確認に協力する。 エ ランデブーポイント支援者が消防職員以外の者である場合は、常に通信指令員 とランデブーポイント支援者との間で連絡が取り合えるよう、携帯電話等による 通信手段を確保し、緊急時の対応に備えておく。 ⑩ 患者の引き継ぎ 患者の引き継ぎ ア 医療スタッフは、着陸後運航スタッフの誘導により降機し、直ちに患者と搬送 元医療機関の医師に接触するとともに、患者の状態等について引き継ぎを受ける。 8 イ 医療スタッフは、患者の状態等に応じて、必要によってはドクターヘリの機内 で医療行為を行う。 ⑪ 患者の搬送 患者の搬送 医療スタッフ及び運航スタッフは、患者の乗機が完了次第、ドクターヘリによる 患者の病院間搬送を開始する。 ⑫ 搬送先医療機関にヘリポートが併設されていない場合の協力要請 ア 管轄消防機関の通信指令員は、搬送先医療機関にヘリポートが併設されていな い場合は、搬送先医療機関を管轄する消防機関に対し、ランデブーポイントの選 定協議、ランデブーポイントの支援者の配置及び救急搬送について協力を依頼す る。 イ 搬送先医療機関を管轄する消防機関は、ランデブーポイントが決定した場合、 速やかに基地病院CSに連絡し、ドクターヘリのランデブーポイントへの到着予 定時刻を聞き取るとともに、依頼された次項について協力する。 ⑬ 救急車への医療スタッフの同乗 医療スタッフは、ドクターヘリによりランデブーポイントまで患者を搬送し、そ の後に搬送先医療機関を管轄する消防機関の救急車で患者を搬送する場合、患者の 症状により救急車への医療スタッフの同乗を考慮するものとする。 9 ドクターヘリ病院間搬送 ドクターヘリ病院間搬送の 手順について 病院間搬送の手順について 基地病院 手順 搬送元医療機関 (運航管理室) 番号 1 【事前調整】 ●搬送元医療機関医師と搬送先医療機関 医師との間で、病院間搬送について調整 2 【ドクターヘリ搬送の連絡】 ●ヘ リ搬送が 必要と考えら れる場合 、 ドクターヘリ運航管理室(CS 室)へ電話 連絡 ①基地病院代表:023-685-2626 ②CS 室直通:023-664-0631 3 【情報提供用紙の送付】 ●患者情報等を記載のうえ、運航管理室 (CS 室)に「病院間搬送情報提供用紙」 をファックス(FAX:023-686-9909) 4 【ドクターヘリ搬送の決定】 ●フライトDrが患者情報を確認し、必要 な医療機器、同乗者、重量等を確認 ● ドクター ヘリ搬送 が妥 当と判断 した 場合、運航計画を調整し、搬送元医療機 関へ連絡 5 【消防機関へ出動要請】 ●搬送元医療機関の管轄消防機関へ ドクターヘリ出動要請 6 【ドクターヘリ出動】 ●搬送元医療機関の管轄消防機関からの 要請により、ドクターヘリ出動 ≪注意事項≫ ①ヘリ機内に持ち込む医療機器については、予め電磁干渉試験に合格したものを使用する 必要があること。 ②モニター、除細動器、人工呼吸器、吸引機は機内備え付けの機器を使用します。 シリンジポンプはドクターヘリ用の機器に付け替えて使用します。 輸液ポンプは使用できません。 ③母体搬送の場合等、搬送元医療機関医師の同乗をお願いする場合があります。 この場合、帰りの交通手段は搬送元医療機関で準備してください。 10 宛 先 山形県立救命救急センター・ 山形県立救命救急センター・山形 センター・山形ドクターヘリ 山形ドクターヘリ運航管理室 ドクターヘリ運航管理室 FAX: 0236869909( FAX :023 -686 -9909 (CS 室) TEL: TEL:023023-685 685-2626( 2626(基地病院代表) 基地病院代表) TEL: 23640631( TEL :023 -664 -0631 (CS 室) 病院間搬送情報提供用紙 山形県ドクターヘリ 山形県ドクターヘリ運航管理室 ドクターヘリ運航管理室 搬送元医療機関 医師 病院 搬送先医療機関 連 絡 担当科 医師 先 病院 担当科 要請機関 消防本部 歳 男性・ 男性・女性 ※名前は 名前は、後程お 後程お電話で 電話で伺います。 います。 病名 現病歴( ・既往歴 現病歴(これまでの経過 これまでの経過) 経過) その他 その他 バイタルサイン JCS 血圧 :GCS E( )V( )M( ) / mmHg 脈拍 回/min 呼吸 回/min SpO2 %(O2 min) ℓ /min) ( リザーバーマスク ・ マスク ・ 鼻カニューレ ) 処置内容 部位・ 部位・G 薬剤 流量 必要資器材(輸液ポンプは 輸液ポンプは使 ポンプは使えません) えません) シリンジポンプ 台 輸 液 □胃管 胃管 □尿道 尿道カテーテル 尿道 カテーテル 気道管理 感染症 家族同乗希望 □気管挿管 気管挿管 無 ・有 無 ・有 希望の 理由( 希望の理由 ( ) ※重量の 重量の関係もあり 関係もあり、 もあり、基本的には 基本的には同乗 には同乗できませんが 同乗できませんが、 できませんが、状況により 状況により検討 により検討させていただきます 検討させていただきます。 させていただきます。 家族の 家族の緊急連絡先( 緊急連絡先(TEL: TEL: ) 11 (4) 消防防災ヘリとの協働 要請方法 消防防災航空隊員は、山岳遭難現場や災害現場等で多数の傷病者の発生を確認し、 その状況から、ドクターヘリとの協働が必要と判断した場合は、救助現場を管轄す る消防機関に協力を依頼し、当該消防機関の通信指令員を介してドクターヘリ要請 ホットラインへ出動の要請を行う。 ドクターヘリ要請ホットライン 【消防防災ヘリとの協働とは】 多数傷病者の発生に伴う救助事案で、消防防災ヘリが傷病者を順次ピックアッ プし、近隣のランデブーポイントにおいて医師による緊急診断・治療等の処置及 びドクターヘリによる医療機関への搬送を実施していくもの。 ※ 消防防災航空隊からの出動要請であっても、管轄する消防機関の通信指令員を介 するため、ドクターヘリ運航の流れは基本的に前記(1)(頁 3)の「救急現場への出 動」と同様となる。 12 4 ドクターヘリ出動基準 ドクターヘリの出動基準は、基本的に以下に該当する傷病者とする。 (1) 重篤な傷病者であること 生命の危険が切迫しているか又はその可能性が疑われる傷病者 ※ 意識の異常、呼吸の異常、循環の異常など (2) 救急現場で処置 救急現場で処置を行う を行う必要 を行う必要が 必要があること 救急現場で、医師による緊急診断・治療等の処置を必要とする傷病者 ※ 脳卒中、急性心筋梗塞、重症外傷など (3) 搬送時間を短縮する必要があること ① 重症患者であって搬送に長時間を要することが予想される傷病者 ② 特殊救急疾患の傷病者で、特に搬送時間の短縮を図る必要のある傷病者 ※ 重症熱傷、多発外傷、指肢切断など 13 5 消防機関の通信指令員及び救急隊員の出動要請判断基準 (1) 通信指令員による出動要請判断基準 通信指令員が、119番通報による覚知内容から、ドクターヘリを要請した方が良 いと判断する場合の基準は、以下のとおりとする。 ※ 原則、119番通報内容によるキーワード方式(同時要請)とする。 ① 高エネルギー外傷 高エネルギー外傷等 外傷等 ア 【自動車事故の発生(単独事故含む)】 車が横転している、車体が潰れ大きく変形している、車の中に人が閉じ込めら れている、車外に人が放り出された、歩行者や自転車が車と衝突し跳ね飛ばされた イ 【オートバイ事故の発生(単独事故含む)】 かなりのスピードで車やガードレールなどに衝突し、運転者がオートバイから 放り出された、運転者は倒れたまま動かない ウ 【転落・墜落の発生】 高所から転落、墜落した エ 【傷害事件の発生】 拳銃で人が撃たれた、刃物で人が刺された、殴られて意識が悪い ② 窒息事故の発生 溺れて意識がはっきりしない、閉鎖空間で窒息している、土砂等に生き埋めになっ ている ③ 意識障害 人が突然倒れた、呼びかけても反応がない、意識がない、呼吸をしていない、呼吸 が変だ、イビキをかいている、脈が触れない、痙攣している、手足が急に動かなくな った ④ 呼吸循環不全 胸が突然ひどく痛い・しめつけられる、背中が突然ひどく痛い、呼吸困難、息が苦 しい、息が出来ない ⑤ 脳卒中 突然手足が動かなくなった、突然言葉が出なくなった。呂律が回らなくなった、突 然激しい頭痛が起こった、突然全身の痙攣を始めた ⑥ 急性中毒及び環境障害(熱中症、低体温) 何かを飲んで、吸って、触れて具合が悪い、意識がはっきりしない、意識がなく体 がひどく熱い、意識がなく体がひどく冷たい ⑦ その他 ア 【多数傷病者の発生が予想される場合】 列車、バス、航空機、船舶、爆発、落雷などの事故、高速道路等で車両の多重事 故が発生した イ 【アナフィラキシーが想定される場合】 食後に全身発赤・呼吸困難になった、蜂などに刺された後に全身発赤・呼吸困難 になった ウ 【通信指令員がドクターヘリを必要と判断した場合】等 14 (2) 救急隊員による 救急隊員による出動要請判断基準 出動要請判断基準 救急隊員が、救急現場で傷病者と接触した際の症状から、ドクターヘリを要請した 方が良いと判断する場合の基準は、以下のとおりとする。 ① 外傷 ア 全身観察の異常 イ ウ 初期評価の異常 広範囲熱傷及び気道熱傷 エ 意識障害を伴う電撃症 ② 意識障害・呼吸循環不全 病院搬送までに気道、呼吸(低酸素)、循環が保たれず生命の危機があり、気管挿 管、輸液、薬剤投与等が必要と判断される場合 《参考》 喘息重積発作、急性心不全、急性心筋梗塞、消化管出血(吐下血)、アナフィ ラキシーショックなど ③ 心肺呼吸停止 ア 救急隊現場到着後にCPAに陥った場合(救急隊により目撃されたCPA) イ 救急隊現場到着時にCPAであったが、救急隊による救命処置によって現場で 心拍再開した場合 ※ 一般市民による心肺停止時点の目撃有り又は無しに関わらず、救急隊現場到着 時に既にCPAであり、救急隊の救命処置によっても心拍再開しない場合は、出 動要請は行わない。 ④ その他 ア 緊急手術を要する可能性のある疾患(急性腹症、頭蓋内疾患など) イ 脳卒中(血栓溶解療法の適応症例など) ウ その他ドクターヘリの要請が必要と考えられる事案 15 《参考》日本航空医療学会で定めるドクターヘリ出動要請基準 A.外因によるもの 1.重症外傷 (1) 高エネルギー外傷 (2) バイタルサインに明らかな異常を認める外傷 (3) 穿通性外傷(刺創、銃創など) (4) 顕著な外出血を伴う外傷 (5) 切断指肢 2.重症熱傷 (1) 体表面積15%以上にわたる熱傷 (2) 気道熱傷(意識障害、顔面熱傷、閉鎖空間での受傷など) (3) 化学熱傷 (4) 外傷を伴う熱傷(爆発による受傷) 3.溺水、窒息 4.急性中毒 (1) 急性薬物中毒 (2) 一酸化炭素中毒 5.アナフィラキシー 6.環境障害(減圧症、偶発性低体温症、熱中症など) B.疾病によるもの 1.意識障害、痙攣、麻痺、強い頭痛(脳卒中など) 2.強い胸痛、腹痛(心筋梗塞、大動脈疾患など) 3.呼吸困難(気管支喘息、急性心不全など) 4.バイタルサインに明らかな異常を認める状態 C.心肺停止 1.CPRによって心拍が再開した心肺停止例 2.初回心電図がVF/VT若しくはPEAである心肺停止例 3.オンラインMCにて指示医師がドクターヘリの適応と判断した心肺停止例 D.周産期救急疾患 E.その他現場にて重篤と判断されたもの F.オンラインMCにて指示医師からドクターヘリ搬送を指示されたもの ※ 上記は、ドクターヘリ搬送対象の具体的な例を示したものであって、対象はこれら に限定されるものではない。 地域性や事後検証結果などを踏まえて、適切に運用されることが望ましいとされて いる。 16 6 搬送先となる医療機関 ヘリポート 地 域 医療機関名 住 所 の有無 県立中央病院(基地病院) 山形市青柳 1800 ○ 山形市立病院済生館 山形市七日町一丁目 3-26 東北中央病院 山形市和合町三丁目 2-5 篠田総合病院 山形市桜町 2-68 至誠堂総合病院 山形市桜町 7-44 山形済生病院 山形市沖町 79-1 山形大学医学部附属病院 山形市飯田西二丁目 2-2 小白川至誠堂病院 山形市東原町一丁目 12-26 山形徳洲会病院 山形市清住町二丁目 3-51 みゆき会病院 上山市弁天二丁目 2-11 天童市民病院 天童市駅西五丁目 2-1 吉岡病院 天童市東本町三丁目 5-21 天童温泉篠田病院 天童市鎌田一丁目 7-1 寒河江市立病院 寒河江市大字寒河江字清水 80 県立河北病院 河北町谷地字月山堂 111 朝日町立病院 朝日町大字宮宿 843 西川町立病院 西川町大字海味 581 北村山公立病院 東根市温泉町二丁目 15-1 県立新庄病院 新庄市若葉町 12-55 新庄徳洲会病院 新庄市大字鳥越字駒場 4623 最上町立最上病院 最上町大字向町 64-3 町立真室川病院 真室川町大字新町 469-1 町立金山診療所 金山町大字金山 548-2 小国町立病院 小国町大字あけぼの一丁目 1 白鷹町立病院 白鷹町大字荒砥甲 501 米沢市立病院 米沢市相生町 6-36 三友堂病院 米沢市中央六丁目 1-219 舟山病院 米沢市駅前二丁目 4-8 公立高畠病院 高畠町大字高畠 386 公立置賜総合病院 川西町大字西大塚 2000 ○ 日本海総合病院 酒田市あきほ町 30 ○ 本間病院 酒田市中町三丁目 5-23 酒田市立八幡病院 酒田市小泉字前田 37 庄内余目病院 庄内町松陽一丁目 1-1 鶴岡市立荘内病院 鶴岡市泉町 4-20 産婦人科・小児科三井病院 鶴岡市美咲町 28-1 鶴岡協立病院 鶴岡市文園町 9-34 ○ 村山 最上 置賜 庄内 17 ○ 7 ホットライン要請内容の例示 ドクターヘリの迅速かつ安全な運航を図るため、ホットラインでの要請に際して、以下 の情報を整理のうえ、基地病院CSに伝達する。 なお、以下の伝達事項の詳細については、 「山形県ドクターヘリ消防本部通信指令員活動 マニュアル」 (平成26年8月作成)の「5 CS(運航管理担当者)との通信内容」を参 照すること。 № ① ② ③ ④ 項 目 消防本部の名称 要請区分 ランデブーポイント 傷病者の発生原因 伝 達 内 容 “現場救急”又は“施設間搬送”の別 GPS番号(例:TU001)・名称 現場救急の場合:“病気”or“けが”、キーワード、人数 施設間搬送の場合:搬送元病院の名称、担当医師名 ⑤ 出動隊の情報 コールサイン(救急隊・支援隊) ⑥ 傷病者情報 事故の概要、年齢、性別等 ⑦ その他 傷病者の詳細(病態、受傷部位等) 気象状況・視程(例:目安となる山の稜線が確認できるか等) ※状況によって、伝達する順序が前後する可能性がある。 【例1:衝突事故の現場】 ・こちらは○○○消防本部です。 ・ドクターヘリの現場救急の要請です。 ・○○エコーラインで車とバイクの衝突事故が発生し、30歳代の男性バイクライ ダーが負傷、左大腿部の開放骨折が見られます。 ・救急隊は間もなく事故現場に到着します。 ・ランデブーポイントは○○-○番の○○グラウンドを選定しております。 【例2:急病発生の現場】 ・こちらは○○○消防本部です。 ・ドクターヘリの現場救急の要請です。 ・○○市の○○町内の住宅で、60歳代の男性が胸痛を訴え、冷や汗をかいており 意識レベル200、心疾患の既往歴があります。 ・現在、救急隊が傷病者を救急車内に収容中です。 ・ランデブーポイントは○○-○番の○○広場を選定しております。 【例3:車内に挟まれている状態の現場】 ・こちらは○○○消防本部です。 ・ドクターヘリの現場救急の要請です。 ・○○市の○○町内の国道でトラックと軽自動車の交通事故です。 ・先に到着した救助隊からの連絡では、軽自動車を運転している50歳代の女性が 車内に挟まれており、救出に時間がかかる模様です。 ・症状は意識無く、呼吸状態は不明ですが、かなりの出血がある状態です。 ・ドクターヘリ搭乗医師の事故現場への出動も併せて要請します。 ・ランデブーポイントは○○-○番の○○駐車場を選定し、そこに乗り継ぎ車両が 待機しております。 18 8 ドクターヘリ通信システム概要図 ドクターヘリ <携帯局> 搬送先医療機関 航空無線 (アナログ) 医療無線 (アナログ) 消防無線 ・受入れの要請 ・患者の症状の 連絡 (アナログ) ・ランデブーポイント の安全管理 ・運航の安全に係る連絡 ・ランデブーポイントの連絡 ・患者の症状 の連絡 (携帯・衛星電話) 救急現場 ランデブーポイント ・消防の動きを モニター 〔傍受のみ〕 消防無線 基地病院(CS室) <携帯基地局> 航空無線 医療無線 消防無線 (モニター) 救セ内に無線設備 を設置 消防無線 電話回線(ホットライン:NTT 回線) ・出動要請 ・ランデブーポイントの連絡 CSから搭乗スタッフへ出動連絡 (医師・看護師) 19 消防本部指令室 ● 携帯電話による情報伝達について ドクターヘリがランデブーポイント着陸後、消防救急無線による情報伝達が困難な 場合かつ携帯電話が使用可能な場合に限り、次のとおり、携帯電話により情報伝達を 行う。 ① ドクターヘリ搭乗医師・看護師は、消防救急無線機を携帯しているため、ドクタ ーヘリがランデブーポイント着陸後においても、消防救急無線による情報伝達が可 能であり、消防救急無線が使用可能な場合は、当該無線を優先して使用すること。 ② ①の消防救急無線が使用できない場合、搭乗医師・看護師との情報伝達は、 次の携帯電話番号によること。 携帯電話番号 ドクターヘリ搭乗医師 (フライトドクター) ドクターヘリ搭乗看護師 (フライトナース) 20 9 ランデブーポイントの選定基準 (1) ランデブーポイントの選定 消防機関は、予め定められたランデブーポイントのリストの中から、ランク付けを 参考に条件の整った箇所を選定する。 (2) ランデブーポイントの所有管理者への連絡 消防機関は、使用するランデブーポイントを選定した場合は、速やかに当該所有管 理者へ連絡し、使用の承諾を得るものとする。 (3) 基地病院CSへの連絡 消防機関は、使用するランデブーポイントが決定した場合は、基地病院CSに登録 番号と名称を併せて連絡する。 (4) ランデブーポイントの変更選定 消防機関は、ランデブーポイントを選定したが、ランデブーポイント支援者が現場 に到着した際に、何らかの事情で使用不可能な状態であった場合は、速やかに基地病 院CSに連絡するとともに、別のランデブーポイントを速やかに選定する。 (5) 冬季におけるランデブーポイントの選定 消防機関は、ランデブーポイントのリストのうち、ランク付けを参考に冬季におい て使用可能なところから、条件の整った箇所を選定する。 21 10 ランデブーポイントの管理基準 (1) 日頃の巡回 日頃の巡回確認 巡回確認 市町村及び消防機関は、日頃からランデブーポイントとして選定されている箇所を 巡回し、緊急時において使用が可能であるか、常に現場の状況を確認し、情報を共有 しておく。 (2) 使用 使用不適 不適となった場合又は新たに箇所を追加する 不適となった場合又は新たに箇所を追加する場合の となった場合又は新たに箇所を追加する場合の対応 場合の対応 市町村及び消防機関によるランデブーポイントの巡回確認の結果、何らかの理由で 使用不適となった場合、又は新たに使用可能な箇所を追加する場合は、基地病院事務 局に連絡するものとする。 (県立中央病院総務課 TEL023-685-2626) 基地病院事務局は、市町村及び消防機関からランデブーポイントの箇所の抹消及び 新たな追加について連絡があった場合は、リストを修正するとともに、関係機関に対 して速やかに情報提供を行う。 なお、新たに箇所を追加する場合は、事前に現地調査を実施する必要があるため、 市町村又は消防機関は、次の選定事務の流れのとおり、所定の様式を基地病院事務局 へ提出すること。 ● ランデブーポイントの選定事務の流れ <選 定 事 務> <留意事項> ①市町村又は消防本部により候補地の選定 ↓ 別紙様式(1~3)により 基地病院へ申請 ②運航事業者による現地調査 ↓ ③当院から現地調査の結果を市町村・消防本部へ通知 ⑤の運用開始予定日を回答に付記 ↓ ④ドクターヘリ運航管理室(CS)においてデータ登録 ↓ ⑤ランデブーポイントとして運用開始 ※既に決定しているランデブーポイントの変更等については、変更等の内容に応じ、上記の 選定事務の流れに準じて実施する。 (3) 所有管理者との連絡体制の構築 消防機関は、緊急時にランデブーポイントとして使用する場合は、所有管理者と連 絡を取り承諾を得る必要があることから、連絡体制を構築しておく。 22 別紙様式1 〇〇第 平成 年 山形県立中央病院長 あて 申 請 者 名 山形県ドクターヘリのランデブーポイント(臨時離着陸場) の選定について(申請) このことについて、下記のとおり、申請します。 記 〇 か所 ランデブーポイント候補地選定箇所 ※別紙様式参照 23 号 月 日 別紙様式2 ■ 担当者 機 関(市町村又は消防本部) 所 属(部局・課(室)) 担当者(職名・氏名) 連絡先(TEL/FAX) 連絡先(e-meil) ■ 候補地 施設名 所在地 所有者 管理者 面 積 冬季の可否 特記事項 TEL: /FAX: ※学校の場合は、設立団体名(県、市町村又は学校法人名)を記載 ※学校の場合は、学校名を記載 離着陸地帯の面積 縦 ○m × 横 ○m ※目視による計測で可 ※冬季の離着陸の可否について、除雪体制の状況により、“可能”又は ”不可“と記載 ※現地調査する上で留意事項を記載(ない場合は、“なし”と記載) 例:施設への事前連絡が必要、市町村又は消防本部職員の立会いが必要 等 < 現況の写真貼付欄 > 写真(東) 写真(西) 写真(南) 写真(北) 24 別紙様式3 <所在地の地図 貼付> 25 11 ランデブーポイント着陸時の注意事項 (1) ドクターヘリが到着する前 ① 救急車の待機 救急車は、上空から視認しやすいグラウンド等の隅で、赤色灯を回転し、ドアや 後部のハッチを閉めた状態で待機する。 ② ポンプ車等の待機 先行して到着しているポンプ車等についても、救急車と同様に待機体制をとるも のとし、救急隊員や医療スタッフの活動及び交通に支障とならない場所に待機する。 (2) ドクターヘリの到着後 ① ドクターヘリへの接近 救急隊員は、ドクターヘリが着陸したら、運航スタッフの合図に従う。 救急車の駐車及び救急隊員の歩行の際は、必ず操縦士が見える範囲で活動を行う。 ※ヘリコプターのローターが完全停止するまで、機体には近づかない。 ② 救急車内での診察 医療スタッフは救急車内で患者を処置することから、救急隊員は、医療スタッフ の指示があるまで救急車から患者を降ろさない。 ③ 患者 患者の乗機 の乗機 医療スタッフによる診察の結果、ドクターヘリによる搬送を選択した場合は、救 急隊員は、医療スタッフと協力し、患者をドクターヘリに乗機させる。 これより後部 は、救急車の 走行や駐車、 歩行は禁止 26 12 ランデブーポイントにおけるドクターヘリの保安・誘導業務 (1) 保安及び誘導業務に係る人員体制 保安及び誘導業務に係る人員体制 ① 市街地のランデブーポイントを使用する場合 市街地で人が集まる可能性があるランデブーポイントを使用する場合は、原則3 名体制で保安・誘導業務に従事する。 ※ 以下のイメージ図のとおり ② ①以外のランデブーポイントを使用する場合 1名の配置で安全を確保できる場合は、ランデブーポイント支援者1名で対応可 とする。 (2) 保安・誘導業務の内容 保安・誘導業務の内容 ① グラウンド等 グラウンド等への散水 学校等のグラウンドをランデブーポイントとして使用する場合、雨天時以外は砂 埃が舞い上がらないように事前に散水を実施する。 ② 避難誘導 ランデブーポイント支援者は、ランデブーポイントに人又は車両がいる場合は避 難を誘導するとともに、立ち入りを制限する。 ③ 近隣住民への協力要請 ランデブーポイント支援者は、近隣住民の住宅等にもドクターヘリが着陸するこ とを伝えるとともに、砂埃が予想される場合は、住宅等の窓を閉めるよう注意を促 す。また、近くにビニールシート等の飛びやすいものがあれば撤去する。 (3) ランデブーポイント支援者の要件 県が開催する保安・誘導者講習会を受講し、訓練を継続して行っている者とする。 27 ドクターヘリ着陸時において保安・誘導業務に従事いただく皆様へ 地域の方々のご理解のもとに、ランデブーポイントの保安・誘導業務にご協力 いただきますこと、心より感謝申し上げます。 ランデブーポイントの保安・誘導業務は、傷病者の救命率の向上や後遺症の軽 減はもとより、ドクターヘリの安全かつ円滑な運航を目指すために必要不可欠な ものとなります。 地域への効果的な医療の提供に、お力添えを賜りますようお願いします。 1 ○ ドクターヘリについて ドクターヘリは、医療機器や医薬品を搭載した小型ヘリコプターに、救急医療の 専門医と看護師が搭乗し、一刻も早く患者に救命治療を行う医療専用のヘリコプタ ーです。 ○ また、機体も小型であるため、救急現場近くの学校のグラウンドや駐車場などを 臨時の離着陸場(ランデブーポイント)として、直ちに救命治療を行います。 ※ ランデブーポイントとは、あらかじめ定められたドクターヘリの臨時の離着 陸場で、救急車と合流し患者を引き継ぐ場所です。 2 着陸時の保安業務について 業務内容として最優先されるのが、現地の安全確保でありますので、以下の順序で 保安業務にあたってください。 ① ランデブーポイント区域に対する人や車両の立ち入り制限 ※ 特に幼児や子供の接近には注意してください。 ② ランデブーポイント区域やその近隣のビニールシート等の飛びやすい物の撤去 ③ 近隣住民に対するドクターヘリ着陸のアナウンス ※ 特にダウンウォッシュによる砂埃が予想される場合は、住宅等の窓を開めて いただくよう注意を促してください。 3 着陸誘導について ○ ドクターヘリは、ランデブーポイント上空に到着し、時計回りに1回ないし2回 ほど旋回します。その際、操縦士は上空から誘導者を探します。 ○ 誘導していただく方は、ランデブーポイント区域の安全が確保された段階で、操 縦士に対し着陸OKサイン(腕をあげ頭の上で○を描く)を出してください。 その後は、操縦士の判断で着陸体制に入りますので、直ちに安全な場所に避難し てください。 28 4 従事いただく方の装備について 消防職員以外の方から業務にご協力いただく場合は、以下の装備をお願いします。 ① ヘルメットの着用 ② ③ 5 ○ アナウンス用の拡声器の所持 上空から操縦士が視認しやすい黄色又は黄緑色系ベストの着用 連絡体制について ドクターヘリの出動要請及び使用するランデブーポイントの選定は、消防機関が 行うことになります。 従って、消防職員以外の方への協力要請の連絡は、消防機関から入ることになり ます。 ○ このため、消防機関と業務に従事いただく方の間で、携帯電話によるホットライ ンを構築していただくことになりますので、ご了承ください。 29 13 冬期間におけるランデブーポイント着陸時の注意事項 積雪期間中は、ドクターヘリが着陸する際、吹き降ろしの風(ダウンウォッシュ)に より積雪が巻き上げられ、ヘリの姿勢が分からなくなる事がある。 また、一面雪に覆われた地表面は、起状などの凹凸の判別が困難となり、操縦士は高 さの判断を失い、非常に危険な状態となる。 このため、出動要請を行った消防機関は、冬期間におけるランデブーポイントの確保 のため、以下の対応を図ることとする。 ① 除雪又は圧雪された場所の常時1箇所以上の確保 除雪又は圧雪は、20m×20mの範囲で実施する。 除雪又は圧雪を実施していないランデブーポイントにも着陸は可能であるが、接 地面の傾きや、雪煙のまき上がりの状況によっては、着陸を断念せざるを得ない場 合がある。 このような事態に備えて、消防機関は、管内で常時除雪してある場所を1箇所以 上確保するよう努めるものとする。 ② 着陸ポイントへのマーキング マーキングは、操縦士が着陸ポイントを確認し、雪面の状況を把握するために必 要となる。 このため、積雪のある場所をランデブーポイントに設定した場合は、必ずマーキ ングを実施する。 マーキングは、水性の赤色スプレー又は入浴剤(グリーンやオレンジなど雪面で 目立つ色)や簡易式雪上視認マーカーにより、直径 1.5m以上の円とHマークを雪 面に表することとする。 ※簡易式雪上視認マーカーの作成方法は、P31~P32 参照。 H 30 簡易式雪上視認マーカー 作成手順 市販 シャックル(約 500g 以上) 長さ約 120CM に切断(約 20~30 本) 平巻きテープ (赤又はピンク) シャックルに一本単位で硬結びしていく ナイロンテープ 20~30 本取り付け(見本は 30 本) 31 補強・擦り切れ防止のためビニールテープで 螺旋状に補強 完成 注意事項 :ナイロンテープはできるだけ視認性の良い物を選択 :金具はシャックルで無くても良いが結んだテープが抜け落ちない構造になっていること :金具重量はヘリのダウンウォッシュで飛ばされない重さ(約 500g 以上)☆重要 :マーカー設置は上の写真のようにヘリ着陸地点風上側の操縦席前方 5M 以上に横一列三箇所・操縦席 右横方向 5M 以上に一箇所へ雪等で踏み固めるなど動かないように固定してください。(ヘリの後方 になるエリアにはテールローターに吸い込まれる危険がありますので置かないでください。) 32 14 医療スタッフに傷病者を引き継ぐ際の留意事項 救急隊が傷病者をドクターヘリに引き継ぐときは、傷病者に関する様々な情報を漏れ なく医療スタッフに伝達し、その後の診察や治療等を迅速かつ適切に行う必要がある。 このため、救急隊と医療スタッフが接触した際に、引き継ぐべき項目は以下のとおり とする。 (1) 引継ぎ項目 ① 傷病者の症状 傷病者の症状 ア イ 氏名 年齢、性別 ウ エ 傷病者の主訴 事故等の状況 オ バイタルサイン等の観察結果 ・意識レベル JCS /GCS ・呼吸 回/分 %(O2 ℓ、投与後 ・SPO2 ・脈拍 回/分(整・不整) ・血圧 / mmHg ・体温 ℃ 救急処置の内容 既往歴、現病名、服薬内容、かかり付け医等 その他参考と思われる事項 カ キ ク %) ② 家族や付き添い人の 家族や付き添い人の状況 傷病者の家族や付き添いの有無等について、医療スタッフに伝達する。 また、家族や親戚に連絡が取れない状況である場合も、その旨医療スタッフに伝 達する。 (2) その他 傷病者本人の荷物を預かっている場合は、当該荷物を医療スタッフに引き継ぐもの とし、救急隊による活動をこの時点で完結させる。 33 15 傷病者及び家族等に対する説明時の留意事項 ドクターヘリを活用するにあたっては、傷病者や家族等に対して十分に説明し、理解 を求めていく必要がある。 また、傷病者や家族等にとっては、搬送先医療機関がかかり付けでない場合があり、 更に遠距離の医療機関に搬送される場合も想定される。 このため、消防機関の救急隊及び医療スタッフは、以下によりその時々の判断や対応 の状況について、説明責任を果たしていくものとする。 (1) 消防機関においてドクターヘリ 消防機関においてドクターヘリを ドクターヘリを要請し 要請したことの説明 ことの説明 ○ 救急隊は、通信指令員又は救急隊の判断で、現在、ドクターヘリの出動を要請し ていることについて、傷病者及び家族等に経過を説明する。 ○ また、ドクターヘリで実際に搬送するか否か、搬送する場合の医療機関は何処か など、それを決定するのは、ドクターヘリに搭乗している医師であることを伝える。 ○ 併せて、これからドクターヘリと合流するランデブーポイントへ向かうことも伝 えておく。 (2) 医療スタッフによる 医療スタッフによるドクターヘリ搬送 によるドクターヘリ搬送判断 ドクターヘリ搬送判断の 判断の結果説明 結果説明 ① ドクターヘリによる搬送を選択した場合 医療スタッフは、ドクターヘリによる搬送を選択した場合は、決定した搬送先医 療機関の情報も含めて、患者本人及び家族等に経過を説明し、了解を得るものとす る。 また、救急車内やドクターヘリの中で行った医療費については、通常の医療費と 同様に、医療保険制度に基づき医療費がかかるため、搬送先医療機関のほかに山形 県立中央病院からも請求されることを説明する。 ※医療費の請求については、次の「② 救急車による搬送を選択した場合」も 同様となる。 ※説明(配布)資料:「ドクターヘリからのお知らせ」参照 ② 救急車による搬送を選択した場合 医療スタッフは、ドクターヘリを活用せず、救急車による搬送を選択した場合は、 患者本人及び家族等に経過を説明し、了解を得るとともに、救急隊に速やかな対応 を依頼する。 34 ドクターヘリからのお知 ドクターヘリからのお知らせ -山形県ドクターヘリ事業- ■ ご家族・ 家族・付添い 付添い者の同乗について 同乗について 山形県ドクターヘリにおいて、家族・付添い者の同乗は安全 面などを考慮し、原則同乗させることができません。 なお、搬送先医療機関までは自家用車などをご利用下さい。 ■ ○ ○ ○ 費用、 費用、個人情報、 個人情報、検証等について 検証等について ヘリコプターの出動に伴う費用は発生しませんが、医師が現 場およびヘリコプター内で行った診療については、保険医療 制度に基づき医療費がかかりますので、搬送先医療機関の他 に山形県立中央病院からの請求が届きます。搬送先の医療機 関との間で、保険診療に必要な患者さんの個人情報のやり取 りが必要になります。 労災事故の場合は、当院にも労災用紙を提出していただきま す。 山形県として予後調査を行います。それに伴い患者さんの 個人情報を取り扱います。情報管理につきましては厳重な セキュリティのもとで行います。個人が特定されることは ありません。ご理解くださいますようお願いいたします。 何かご不明な点がございましたら、下記へご連絡ください。 山形県立中央病院 総務課 電話 023-685-2626 山形県立救命救急センター 救急室 〒990-2292 山形県山形市大字青柳 1800 番地 電話 35 023-685-2626 16 メディカルコントロールの体制 救急隊の病院前救護活動に対する医師による管理又は支援として、MC体制が構築 されているが、ドクターヘリが運航されることにより、指示・指導・助言体制及び事後 検証体制について重複する部分が発生する。 このため、MC体制とドクターヘリ運航管理体制のすみ分けを以下により行うものと する。 (1) 救急隊員に対する指示・指導・助言体制 ○ ドクターヘリの要請事案であっても、救急隊の病院前救護活動に対する医師の指 示・指導・助言については、これまでと同様にMC体制下において実施していくこ とを原則とする。 ○ 但し、ドクターヘリの要請事案であって、地域のMC医師から指示等を受けるこ とが困難な場合、又はドクターヘリ搭乗の医師から指示等を受ける必要がある場合 は、消防無線によりドクターヘリ搭乗医師に要請を行うものとする。 ○ また、ドクターヘリに搭乗している医師と連絡が取れない場合は、基地病院であ る県立中央病院の救急担当医師に指示等を仰ぐものとする。 ○ 併せて、地域を越えたMC体制づくりのため、県内の消防機関と県立中央病院と の指示・指導等に係る業務委託契約を締結するものとする。 (2) 事後検証の実施体制 ① MC体制における事後検証 MC体制における事後検証 救急隊の傷病者接触時からドクターヘリの医療スタッフへ引き継ぐまでの間の病 院前救護活動を対象に、これまでと同様、MC体制下において事後検証を実施して いく。 ② ドクターヘリ運航管理体制における事後検証 ア 検証組織 ドクターヘリの運航は、県が設置する「山形県ドクターヘリ運航調整委員会」 の下で実施される。 従って、事後検証についても当委員会の下部組織である「ドクターヘリ症例検 討会」で事案の検証を行っていく。 イ 事後検証の対象となる活動 ・通信指令員及び救急隊員等の要請判断 ・救急隊員と医療スタッフの引継ぎ ・関係機関との連絡 ・救急隊及び医療スタッフによる傷病者本人及び家族等への説明 ・医療スタッフの診療活動 36 17 関係機関の活動の記録 ドクターヘリ運航に係る全ての活動について、その後、事後検証を実施することから、 各関係機関の活動内容について記録を残す必要がある。 また、ドクターヘリにより患者を搬送した医療機関の医師から、患者の予後情報に ついても聴取し、事後検証の参考としていく必要があることから、以下により取り扱う こととする。 (1) 通信指令員の 通信指令員の活動内容の 活動内容の記録 内容の記録 通信指令員のドクターヘリに関連した以下の活動内容について事後検証を実施する ため、通信指令員は、通常使用している指令記録の他に、別紙【様式1:ドクターヘ リ関連通信指令活動記録票】に内容を記録しておく。 ・キーワード方式により出動要請を判断した(又は判断しなかった)内容 ・基地病院CSとの間で連絡を取り合った内容 (2) 救急隊 救急隊員 員の活動内容の 活動内容の記録 内容の記録 救急隊員のドクターヘリに関連した以下の活動内容を事後検証するため、救急隊員 は、通常使用している救急活動記録票の他に、別紙【様式2:ドクターヘリ関連 救 急隊活動記録票】に内容を記録しておく。 ・傷病者の症状によりドクターヘリの出動要請を判断した内容 ・傷病者や家族等への説明内容 ・医療スタッフ引継ぎ時の伝達内容 (3) ドクターヘリ ドクターヘリ医療スタッフの 医療スタッフの活動・ 医療スタッフの活動・診療 活動・診療内容の 診療内容の記録 内容の記録 ドクターヘリに搭乗した医療スタッフの以下の活動・診療内容を事後検証するため、 医療スタッフは、別紙【様式3:ドクターヘリ関連 医療スタッフ活動・診療記録票】 に内容を記録しておく。 ・患者本人及び家族等への説明内容 ・診療内容 ・搬送先医療機関との連絡内容 (4) 搬送先医療機関からの患者 搬送先医療機関からの患者予後 からの患者予後情報の 予後情報の提供 情報の提供 ① ドクターヘリに関する活動の事後検証の参考とするため、平成25年5月21日付 け地医第242号「ドクターヘリ搬送患者に係る予後調査の実施について(依頼)」 (山 形県健康福祉部長通知)により、予後調査を実施する。 具体的には、専用のWeb上のURL「 https://dh.ypch.gr.jp/ 」にアクセスし、 患者の退院時点の状況を調査票に入力後、情報送信する。 ② 基地病院は、ドクターヘリの医療スタッフにおける医療行為について、基地病院 での患者登録のため、搬送先医療機関から別紙【様式4:ドクターヘリ運航に係る 患者情報の提供について】により、患者情報の提供を受ける。 37 【様式1:ドクターヘリ関連 通信指令活動記録票】 消防本部名 通信指令員氏名 事案発生年月日 平成 年 入電時間 傷病者 月 時 氏 名 年 齢 性 別 生年月日 日 分 歳 男 ・ MTSH 女 年 月 日 キーワード方式により出動要請を判断した(又は判断しなかった)内容 基地病院CSとの間で連絡を取り合った内容 時 間 発信・受信 連 38 絡 内 容 【様式2:ドクターヘリ関連 救急隊活動記録票】 消防本部名 救急隊名 救急隊長氏名 事案発生年月日 平成 年 救急現場到着時間 傷病者 氏 名 年 齢 性 別 生年月日 項 月 時 日 分 歳 男 ・ MTSH 女 年 目 月 内 ドクターヘリの出動要 請を判断した内容 傷病者本人に対し説明 した内容 家族に対し説明した内 容 医療スタッフ引継ぎ時 に伝達した内容 39 日 容 【様式3:ドクターヘリ関連 医療スタッフ活動・診療記録票】 紹介先医療機関名 (搬送先) 紹介元医療機関 所 在 地 山形県山形市大字青柳 1800 番地 名 称 山形県立中央病院 電話番号 023-685-2655 医師氏名 ㊞ 病院 主治医 殿 (山形県立中央病院) 山形県ドクターヘリ 山形県ドクターヘリ記録 ドクターヘリ記録( 記録(診療情報提供書) 診療情報提供書) 日時 年 月 日( ) ID ) 天気( 天気( DH 番号 要請機関( 要請機関( ) 入電形態 □キーワード □現場判断 ふりがな 病院間搬送 氏 名 → □改姓( ) 日 年齢( )男・女 時 間 年 月 住所 市・町・村 電話番号 搬送病院 ID □有 M・T・S・H : □不明 □無 経過 接 触 Bp JCS / ,HR GCS E( ,R )V( ,SpO SpO2/O2 )M( % )瞳孔所見: 瞳孔所見:右/左 ( ・ )/ ( ) 既往歴・ 既往歴・家族歴 到着までの 到着までの症状 までの症状経過 症状経過( 経過(受傷機転・ 受傷機転・患者の 患者の状況) 状況) 紹介目的 診察所見( 診察所見(現症・ 現症・検査) 検査) 傷病名( ) 処置・ 処置・処方 : 搬送先医療機関到着 : 搬送先医療機関収容 活動形態 □PDLZ&COME □PDLZ&GO □施設間搬送 □現場直近 救急車同乗 □Dr □Ns □OJT.Dr □OJT.Ns □なし 処置 □気管挿管 □輪状甲状間膜 穿刺・切開 □酸素投与 □人工呼吸 □喀痰吸引 □心マッサージ □胸腔ドレナージ □胃ドレナージ □ECG12 誘導 □胸腹部エコー(FAST) □心エコー □パルスオキシメーター 搭乗者 有 ( ) 無 家族連絡 済 ( ) 未 連絡先 続柄 ( 住所 ( TEL ( : 患者所持品 □呼吸心拍監視 引き渡し者/続柄( ) - その他( ) バックボード交換 バックボード交換 持参品 担当医師 ・ Drカー ・ ) ) ( ) 備考 Drヘリ / ) 紹介状・レントゲン・CT・心電図 搬送方法 □紹介状 保険証・財布・携帯電話・免許証・時計・鍵・靴・鞄・眼鏡・義歯(上・下) 救急隊・ 救急隊・Heli 等の備品( - □除細動 □簡易血糖測定 救急車 40 担当看護師 患者情報提供用紙】 【様式4:ドクターヘリ関連 ドクターヘリ運航 ドクターヘリ運航に 運航に係る患者情報の 患者情報の提供について 提供について 山形県立救命救急センタ 山形県立救命救急センタ- センタ-・山形県立中央病院 ドクターヘリの運航に際して、ご協力をいただきありがとうございます。 恐れ入りますが、当院での患者登録のため、以下のとおり患者情報の提供をお願いいたします。 なお、保険証情報について、当センターでは、事故・労災などに関わらず保険証情報が必要にな るため、保険証の写しを添付してください。 ※以下の事項について記入いただき、ご返送お願いいたします。 ドクターヘリ:患者情報 診療情報 受診日:平成 年 月 日( 曜日) 傷病名( ) □死亡 ※死亡された場合は、✓ チェックを入れてください。 フリガナ 氏 名 旧 姓 漢字 性 生年月日 受診者情報 明・大・昭・平 年 月 日 男 別 〒 - 〒 - 現住所 旧住所 自宅 電話番号 携帯電話 県立中央病院受診歴 有 ・ 無 注:保険証の写しを添付ください 返送先: 〒990-2292 山形県山形市大字青柳 1800 番地 山形県立救命救急センター TEL 023-685-2655 FAX 023-685-2700 41 救命受付 ・ 女 18 バックボード等資機材の運用方法 通常、重症患者の救急搬送では、バックボードに固定したままドクターヘリにより搬 送することにしているため、患者と共に搬送されたバックボードの運用方法及び費用 負担方法について、以下により取り扱うものとする。 また、バックボード以外の資器材の取扱いについても同様とする。 ○ 消防機関及び搬送元医療機関 消防機関及び搬送元医療機関が所有するバックボード 及び搬送元医療機関が所有するバックボード 救急車からバックボードごと患者をドクターヘリに搬入し、必要によってはドクタ ーヘリに搭載しているバックボードを代替として救急隊員に手渡す。 基地病院を含む受入医療機関へ搬送されたバックボードについては、消防機関側が、 後日受け取り(交換)に行く又は基地病院負担で返送するものとする。 42 43 資 料 44 編 45 【資料1】 ドクターヘリの運航時間 ドクターヘリの運航時間について 運航時間について 1 運航時間の基本的な考え方について 運航時間の基本的な考え方について ○原則として、「8時30分から17時15分まで」とするが、運航終了時間については、日没時 間を考慮し、月別に定める。 ○搭乗スタッフ及び機体の準備が整っている場合、傷病者の重症度等によっては運航時間の前後で あっても、基地病院及び操縦士の判断により対応する。 ※ただし、ヘリコプターは有視界飛行であるため、運航は、原則として日中に限定 2 月別運航時間について 月別運航時間について 〔考え方〕 ○各月の日没時間(当該月のうち最も早い日没時間)前に運航を終了 ○運航業務を委託するため、年間の平均勤務時間が、7時間45分(8:30~17:15)と なるよう設定 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 開始 8:30 日没 18:01 18:29 18:56 18:50 18:11 17:25 16:41 16:19 16:18 16:28 17:00 17:32 終了 17:45 18:15 終了後日没 までの時間 (0:16) (0:14) 18:30 (0:26) (0:20) 18:00 17:15 16:30 (0:11) (0:10) (0:11) 16:00 (0:19) ※終了時間の( )は、運航終了後、日没までの時間 (0:18) 16:15 16:45 17:15 (0:13) (0:15) (0:17) 出典:国立天文台天文情報センター暦計算室 山形市(2011 年4月~2012 年3月) 3 消防機関からの出動要請に係る最終の受付時間について 〔考え方〕 ○「要請後離陸までの時間(4分)+往復時間+現地滞在時間(21分)」から最終の 出動要請受付時間を設定 ※離陸及び現地滞在時間は、先行県の平均時間 ○なお、傷病者の重症度等によっては基地病院及び操縦士の判断により、最終の受付時 間を越えて運航することも想定 出動要請に係る最終の受付時間(目安) 月 10分圏内 (日没 45 分前) 20分圏内 30分圏内 (同1時間5分前) (同1時間 25 分 前) 4月 17:00 16:40 16:20 16:00 5月 17:30 17:10 16:50 16:30 6~7月 17:45 17:25 17:05 16:45 8月 17:15 16:55 16:35 16:15 9月 16:30 16:10 15:50 15:30 10 月 15:45 15:25 15:05 14:45 11~12 月 15:15 14:55 14:35 14:15 1月 15:30 15:10 14:50 14:30 2月 16:00 15:40 15:20 15:00 3月 16:30 16:10 15:50 15:30 46 40分圏内 (同1時間 45 分 前) 【資料2】 47 【資料3】 ドクターヘリ運航フロー図 ドクターヘリ運航フロー図 《救急現場への運航》 《救急現場への運航》 48 《救急現場への運航》 《病院間搬送のための運航》 49 《病院間搬送のための運航》 《病院間搬送のための運航》 50 《病院間搬送のための運航》 《病院間搬送のための運航》 51 《病院間搬送のための運航》 《病院間搬送のための運航》 52 【資料4】 関係機関連絡先一覧 〔基地病院(県立中央病院 運航管理室)〕 ドクターヘリ要請ホットライン 搭乗医師・看護師連絡用携帯 運航管理室 一般連絡用 023-686-0631 運航管理室 FAX 023-686-9909 県立救命救急センター代表 023-685-2626 〔消防機関〕 山形市消防本部 023-634-1198 上山市消防本部 023-672-1190 天童市消防本部 023-654-1191 西村山広域行政事務組合消防本部 0237-86-2504 村山市消防本部 0237-55-2514 東根市消防本部 0237-42-0134 尾花沢市消防本部 0237-22-1131 最上広域市町村圏事務組合消防本部 0233-22-7521 置賜広域行政事務組合消防本部 0238-23-3107 西置賜行政組合消防本部 0238-88-1211 鶴岡市消防本部 0235-22-8321 酒田地区広域行政組合消防本部 0234-61-7116 53 〔搬送先医療機関:代表電話〕 県立中央病院救命救急センター 023-685-2626 山形市立病院済生館 023-625-5555 東北中央病院 023-623-5111 篠田総合病院 023-623-1711 至誠堂総合病院 023-622-7181 山形済生病院 023-682-1111 山形大学医学部附属病院 023-633-1122 小白川至誠堂病院 023-641-6075 山形徳洲会病院 023-647-3434 みゆき会病院 023-672-8282 天童市民病院 023-654-2511 吉岡病院 023-654-1188 天童温泉篠田病院 023-653-5711 寒河江市立病院 0237-86-2101 県立河北病院 0237-73-3131 朝日町立病院 0237-67-2125 西川町立病院 0237-74-2211 北村山公立病院 0237-42-2111 県立新庄病院 0233-22-5525 新庄徳洲会病院 0233-23-3434 最上町立最上病院 0233-43-2112 町立真室川病院 0233-62-2211 町立金山診療所 0233-52-2915 小国町立病院 0238-61-1111 白鷹町立病院 0238-85-2155 米沢市立病院 0238-22-2450 三友堂病院 0238-24-3700 舟山病院 0238-23-4435 公立高畠病院 0238-52-1500 公立置賜総合病院救命救急センター 0238-46-5800 日本海総合病院救命救急センター 0234-26-2001 本間病院 0234-22-2556 酒田市立八幡病院 0234-64-3311 庄内余目病院 0234-43-3434 鶴岡市立荘内病院 0235-26-5111 産婦人科・小児科三井病院 0235-22-3290 鶴岡協立病院 0235-23-6060 54
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