活動報告及び決算報告書 - JLMM 日本カトリック信徒宣教者会

2014 年度
活動報告及び決算報告書
一般社団法人 日本カトリック信徒宣教者会
目次
1. 2014年度の動きと成果(概要) .......................................................................................... 4
2. 各国活動 .................................................................................................................................. 6
(1) カンボジア ............................................................................................................................ 6
Ⅰ プノンペン市ステンミエンチャイ地区ゴミ集積場周辺に暮らす家族のための生活向上支援 .............. 6
Ⅱプルサート州コンポンルアン水上村 生活向上支援 .......................................................................................17
Ⅲ シェムリアップ小教区支援 ....................................................................................................................................23
(2)東ティモール .................................................................................................................... 32
Ⅰ プライマリ・ヘルスケアの普及促進事業 ...........................................................................................................33
Ⅱ 健康に関する住民へのサービス及び知識・情報提供事業 ........................................................................34
Ⅲ プライマリ・ヘルスケアを目的としたコミュニティ事業 ....................................................................................35
Ⅳ 地域医療行政との連携・協力事業 .....................................................................................................................38
Ⅴ 人材の育成・研修事業 ...........................................................................................................................................38
(3)モンゴル ........................................................................................................................... 41
Ⅰ ヴェルビスト・ケアセンターでの活動(ウランバートル) .................................................................................42
3. 調査・調整活動 ...................................................................................................................... 44
4. 研修 ....................................................................................................................................... 44
5. 派遣 ....................................................................................................................................... 44
6. 派遣候補者の募集と選考 ........................................................................................................ 45
7. 団体連携・協力 ...................................................................................................................... 45
(1)東ティモール医療友の会(AFMET)の運営協力 ......................................................................... 45
(2)カトリック東京ボランティアセンター(CTVC)の運営協力 ............................................................. 46
(3)カリタスジャパンの運営協力 .................................................................................................... 46
(4)横浜雙葉高等学校総合学習への協力 ..................................................................................... 46
8. ゴスペル ................................................................................................................................ 46
9. 海外ボランティア制度 ........................................................................................................... 47
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10. 広報 ...................................................................................................................................... 47
(1)ミッション(ニュースレター)発行 他 .......................................................................................... 47
(2)広告掲載等 ............................................................................................................................ 48
(3)チラシ配布 ............................................................................................................................. 49
(4)新聞・雑誌記事掲載 ............................................................................................................... 49
11. 報告会・説明会・講演 .......................................................................................................... 49
12. 主催イベント ........................................................................................................................ 50
13. バザー・イベント等への参加・企画協力 .............................................................................. 51
14. ファンドレイジング ............................................................................................................. 51
15. スタディーツアー ................................................................................................................. 52
16. 会議 ...................................................................................................................................... 52
(1)総会 ...................................................................................................................................... 52
(2)理事会 ................................................................................................................................... 53
17. 理事・顧問司教 .................................................................................................................... 53
18.加盟団体等 ........................................................................................................................... 54
19. その他 .................................................................................................................................. 54
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2014年度 日本カトリック信徒宣教者会 活動報告
1. 2014年度の動きと成果(概要)
カンボジアのプノンペン市では、子ども達のための識字、栄養教育、女性のための栄養・保健・住環境セ
ミナー、託児所などの活動を継続実施した。また、2012年度より開始した収入創出プログラム「ハッピーア
イス」を広く展開していくため、「ハッピーアイストラック」を導入した。女性たちの収入が以前の2倍になるな
ど成果をあげているが、販売希望者の増加にいかに対応していくかが当面の課題となっている。また味の
素株式会社「食と健康」国際協力支援プログラムとして実施している栄養改善セミナーが最終年度であり、
「ごはん祭り」の開催や栄養に関する冊子「楽しいごはん」の制作・配布など、3年間の学びの成果をまとめ
る機会となった。
コンポンルアン水上村では保健衛生プログラム、母子保健に関する活動、識字教育プログラムなどを継
続した。水浴びプログラムでも、湿疹や虱などの症状が徐々に減少するなど成果がでている。
シェムリアップでは、奨学金制度を継続し現在78名の奨学生が学んでいるが、希望者数は急増しており
奨学金の確保が課題となっている。
東ティモールでは特定非営利活動法人東ティモール医療友の会(AFMET)に派遣され、プライマリ・ヘル
スケアの普及促進事業を中心に保健プログラムを実施した。4月に2001年開所以来利用してきた土地を、
地主・保健局・AFMET の合意のもと地主に返還した。新規事業の立案やスタッフ能力向上トレーニングを
通して人材育成に力を入れた。
モンゴルでは、ウランバートル市の児童養護施設「ヴェルビスト・ケアセンター」にて派遣者2名が子どもの
教育活動を実施した。10月と12月に派遣者が帰国したことによって、モンゴルへの派遣は休止状態となっ
た。
研修は派遣候補者が3名に達しなかったため実施しなかったが、研修のあり方を見直し、今後1名以上
の派遣候補者がいれば研修を実施し、研修期間は6か月とすることで現職参加希望者にも道を開くことに
なった。
スタディーツアーは新たな試みとして「巡礼ツアー」を企画し、巡礼地や教会訪問を中心に、年配の方々
が参加しやすいプログラムとして実施し好評であった。
ニュースレター「ミッション」が160号から全ページフルカラーとなり、紙面が格段に読みやすくなった。
組織面では新たな代表理事として小林誠(前副代表理事)が選任された。
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各国派遣状況及び会員数は以下のとおりである。
2015年3月31日現在の派遣国と派遣者
カンボジア…3名、東ティモール…1名
計 2ヶ国 4名
2015年3月31日現在の正会員数 9名
2015年3月31日現在の賛助会員数 2,790(個人・団体)
内訳
個人… 1,440、教会… 337、修道会… 683、学校… 190、その他… 140
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2. 各国活動
(1) カンボジア
1992年4月より内戦後の復興に取り組むカンボジア人、帰還難民の支援をきっかけに信徒宣教者の派
遣が開始された。バッタンバン州にて児童養護施設におけるソーシャルワーク支援、洋裁技術支援・ハンデ
ィクラフト製作による女性の自立支援、スヴァイリエン省にて試験農場、コンポンスプー省では幼稚園支援な
ど、カンボジア現地 NGO を通してのコミュニティ開発支援を行ってきた。
1996年6月14日カンボジア政府に JLMM カンボジアとして国際 NGO 登録を行った。
1998年1月から、カリタス・カンボジアとの協働によりプノンペン市郊外のステンミエンチャイ地区ごみ集
積場周辺に暮らす人々のための生活向上支援、2001年12月よりバッタンバン知牧区内プルサート省コン
ポンルアンの水上村における住民との関わりを開始した。
また、2007年6月より、シェムリアップ州クナ・トゥメイにおいてカトリック教会が地域の子ども達に向け行っ
ている子どもセンターの識字教室などの活動支援を開始した。
さらに、2008年7月より、バンテイメエンチャイ州タオム村でカトリック教会が地域の子ども達に向け行っ
ている子どもセンターの識字教室などの活動支援を開始。その後、教会の会計管理等の活動支援も開始。
2002年度より浅野美幸(横浜教区)、2013年度に井手司(福岡教区)、細川昭雄(大阪教区)を派遣し
た。2014年11月に石田咲子(東京教区)は任期を終え帰国した。
プノンペン市郊外のステンミエンチャイ地区ゴミ集積場周辺に暮らす人々のための生活向上支援を浅野
が担当し、トンレサップ湖上の村コンポンルアンの活動を石田、井手が担当、シェムリアップ教会の諸活動
協力を石田、細川が担当した。
Ⅰ プノンペン市ステンミエンチャイ地区ゴミ集積場周辺に暮らす家族のための生活向上支援
1.対象地域と地域概要
プノンペン市ステンミエンチャイ地区ルッセイ村
ルッセイ村には、ゴミ集積場でゴミの中からリサイクルが可能な有価物を拾い集め、リサイクル業者に売り、
生計を立てている家族が多く住んでいる。住民の多くは、以前地方で農業を営んでいた人たちだが、グロ
ーバリゼーションの影響などにより、家族を養うための十分な食料や生活物資を購入するための現金を得る
ことが出来ずに都会に出てきた人たちである。
村では、生活環境不良のため栄養不良や皮膚疾患が多くみられる。また、高利貸しへの借金返済にも
苦しんでいる。子どもは家族を助ける労働力とみなされ、親は子どもの教育にあまり熱心ではない。子ども
達も家族を助けたい思いからゴミ集積場で働いている。子ども達は、小学校に入学できても、基礎的生活習
慣や能力不足により落第や退学する子どもが多くいるのが現状である。
2009年7月にステンミエンチャイのゴミ集積場は、ゴミの収容範囲を超えたため閉鎖され、プノンペン市
の全てのゴミはダンコー地区にできた新ゴミ集積場に集め捨てられている。住民たちは以前から住んでいる
ルッセイ村に留まり、そこから毎日ルモー(バイクで牽引する乗り合いの搬送車)で新ゴミ集積所へ通勤して
いる。住民たちの移動がないため、JLMM ではステンミエンチャイ・ゴミ集積場の閉鎖後も、活動を継続して
いる。
2014年度は、次のとおり事業を実施した。事業実施に関する活動資金の一部は、大阪大司教区「カン
ボジアの日」、ドイツ「Die Sternsinger」、NPO法人「芝の会」(創設者、故粕谷甲一神父)、味の素株式会社
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「食と健康」国際協力支援プログラムからの支援を受けた。
2.活動
1) 「子どもの家」活動
貧困や家庭の事情で小学校に通学できない子どもや落第、退学が多い対象地域での就学前の子ども
達への幼児教育、衛生教育、識字教育を実施した。基礎的社会能力や知的能力を向上させる体験の場を
月曜日から金曜日の午前中、能力別に分かれた三クラスで週5日8時半から11時まで運営した。
生徒数は常時70~90名。2014年度は28名の子ども達が小学校に入学した。
a)「大きな子どもの家」
対象年齢:クメール語子音の読み書き、1から10の数字が分かる6歳から12歳の児童35人。衛生教育、
クメール文字の読み書き、足し算や引き算、工作、ぬり絵、お絵かきなどを学ぶ。
b)「小さな子どもの家」
対象年齢:クメール語子音の読み書きができない児童43人。
衛生教育、識字教育、工作、塗り絵、お絵かき、歌などを学ぶ
c)「小さな小さな子どもの家」
対象年齢:3歳から5歳の乳幼児36人。
パズルやお絵かきなど遊びが中心。
① 指導体制強化
子どもの家の先生は、専坦制とし対象年齢層に合わせて適材適所の配置を行った。先生3名、アシスタ
ント3名の体制で週5日8時半から11時まで活動を実施出来るようにした。また、カンボジア人スタッフ2名は、
教材作り等のサポートを行い、相互連携を密にするようにした。
成果
今年度は28人の生徒が小学校へ入学することができた。カンボジア人スタッフが授業に加わるようになり、
授業についていけない子どもたちに目がいき届くようになったため、継続して学びに来る子ども数が増え
た。
課題
本来は就学しなければならない年齢の子どもたちも、家庭の事情で「子どもの家」に学びに来ているが、
妹や弟の面倒を見ながら授業に出席している子がいる。集中して授業に参加できないので3歳児以下の子
どもの受け入れも検討していきたい。
仲良く遊ぶ子どもたち
紙芝居が大好きな子どもたち
(「小さな小さな子どもの家」)
(「小さな子どもの家」)
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② スタッフと先生やアシスタントとの定期ミーティング
「子どもの家」が小学校入学への架け橋として、充実した教育を実施できるよう、スタッフと先生やアシスタ
ントと毎月末に定期的なミーティングを行った。
成果
スタッフと先生やアシスタントとの情報共有の場として定着した。
課題
限られた時間なので予定や問題の周知が中心となった。子ども達の情操を豊かにしていくための教材作
りと指導力の向上を目指していきたい。
③ 家庭訪問
教育の大切さを保護者に理解してもらうため、7歳以上で小学校入学していない子どもの家庭を訪問し、
小学校進学の重要性を伝えた。また、小学校入学の手続きの方法も教えた。
成果
保護者に教育の大切さを理解してもらうことができ、数名の子どもが小学校に入学した。
課題
小学校入学時に必要な住民証を紛失しているケースでは、村長から住民証を再発行してもらう際に、多
額なお金を要求されたり、嫌がらせを受けた保護者がいた。今後も保護者と一緒に村長と交渉し、問題を解
決していきたい。
④ 栄養プログラム及び身体測定
栄養失調や発育不足な子ども達の栄養改善を行うため、味の素株式会社「食と健康」プログラムからの助
成により、肉・魚・卵・野菜等栄養バランスを大切にしながら栄養価の高い食事を子ども達に提供した。また
子ども達の健康のため、学びにきた子ども達全員に毎日1本の牛乳を配布した。野菜が嫌いな子ども達の
ために、授業でも野菜の身体における働きや食の大切さを子ども達に指導した。また、その効果を測定出
来るよう身体測定を実施した。
楽しい給食の時間
おかわりする子どもたち
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成果
子どもたちが毎日美味しく栄養価の高い昼食をとることができた。また牛乳や昼食を楽しみに学びに来る
子どもが増えた。
課題
子どもたちが家でもバランスの良い食事が摂れるように栄養改善セミナーを母親たちに実施しているが、
忙しくてセミナーに参加できない母親たちの教育も今後実施していきたい。
⑤ 幼児教育研修
今年はコンポンソムの Mloptapang で幼児教育の研修を実施した。
成果
指導方法や子どもたちへの接し方を学ぶことができた。
課題
短い時間しか意見交換できなかった。課題や問題点が類似しているので、もっと分かち合える時間を作
っていきたい。
2) 医療サービスと家庭訪問
2014年度は57件の緊急援助を行った。
親が病気や怪我で就労できない家庭にお米や卵などの支給(6件)、病院までの交通費(2件)、治療費
や薬代等(20件)、家賃補助(2件)、葬儀補助(1件)、自転車購入(1件)、粉ミルク補助(5件)、家屋修理
補助(8件)、引越し補助(12件)を行った。
家庭には医薬品が無いため、怪我をした住民に対して、傷の悪化を予防する簡単な傷の手当てと手当
の方法を指導した。
成果
緊急時に食料や治療費を援助することができ、住民たちが高い利子の返済に苦しむ高利貸しからお金
を借りずにすんだ。
課題
住民は保健衛生に関する基本的な知識が不足しているため、病気にかかりやすい。衛生的な生活をお
くることで病気を予防できるので、住民たちの保健衛生の意識向上に努めていきたい。
3) 屋台プロジェクト
① ロッティ
ゴミ集積場での有価物収拾で生計を立てている人たちに屋台の貸し出しを行う「屋台プロジェクト」を継
続し、クレープ菓子「ロッティ」の販売を行った。プノンペン市内や学校周辺などで販売。研修を受けた販売
員に屋台を貸し出すほか、材料を低価格で卸し、出店道具、自転車、屋台の修理等の支援も行った。
2015年3月末現在5名が屋台で生計を立てている。うち2名は自身の収益からバイクを購入し屋台を牽
引し「ロッティ」を販売している。また1名が出産休暇を取った。
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成果
「ロッティ」の知名度が上がり、今まで売れ行きのよくない暑い時期や学校が休みの日も売れるようになり、
収入を増やすことができた。
課題
事務所以外に屋台の保管場所を確保するのが難しく、販売場所が限られるため、新たな販売希望者が
集まりづらい。
② ハッピーアイス(幸せなアイス)
秋田県で「ババヘラアイス」販売を行う進藤冷菓の技術指導を得て、カンボジアの原材料を使ったアイス
の製造・販売を2013年2月に開始し、今年度も継続した。研修を受けた販売員に屋台を貸し出すほか、ア
イスを低価格で卸し、出店道具、自転車、屋台の修理等の支援も行った。
販売場所を拡大しより多くの就労者を増やすため、移動用アイストラックを導入し、販売員をプノンペンに
送迎した。トラックは「ハッピーアイストラック」とし、購入費はクラウドファンティング(Ready For ?)を活用し募
集した。日本国内外の支援者の方々の協力でトラックを購入することができた。
2015年3月末現在12名が小学校前などで「ハッピーアイス」を販売している。
成果
アイストラックを導入したことにより販売場所が拡大したため、販売員を増やすことができた。ゴミ収拾の場
合に比べ収入が2倍になったととても喜ばれている。
課題
アイスを販売したい人たちが多く待っている状態である。アイス機械や冷凍庫、台車を保管する場所の確
保、また販売員たちを販売場所へ送迎する新たなシステムを展開する必要がある。
アイストラックを使い販売員を送迎
子どもたちに人気のハッピーアイス
4) プノンペン市郊外・貧困地域における女性の生活向上プログラム
NPO 法人「芝の会」並びに味の素株式会社「食と健康」国際協力支援プログラムの助成を受け、地域の
母親を対象とした包括プログラムを今年度も継続した。家庭を守る母親が「保健衛生」、「住環境」、「栄養」
に関して知識を深め、実践することにより、家庭から地域全体の生活向上を図ることを目的としている。
① 母親ミーティング
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対象となる地域の母親を集め、プログラムの実施背景や内容説明を行うとともに、母親が抱える問題や課
題などを話し合うミーティングを行った。
日付
8月8日
参加数
105人
内容
*教育の大切さ、小学校への入学手続きの仕方
*Clinic Angkor による家族計画について
*ハッピーアイスの仕事を始めたお母さんたちに収入が増えたことや仕事の楽し
さを分かち合った
2月13日
76人
*栄養改善、保健衛生、住環境セミナーの活動説明
*Helen Keller International による食の衛生、バランスの良い食事
成果
カンボジアでは安く簡単にできる人工中絶により女性の命に危険が伴うケースがよくある。家族計画の知
識を得てもらうことでお母さんたちの不安を軽減することできた。また、アイス販売員による仕事の楽しさや
収入が2倍になった話を聞いたお母さんたちがアイス販売員に加わった。
課題
働いている母親は参加することができないので、参加できなかったお母さんたちにも情報共有できる掲示
板などを検討していきたい。
② お母さんセミナー
母親を対象とした家庭の生活環境改善に必要な「保健衛生」・「住環境」・「栄養改善」のセミナーを継続
し次の内容で実施した。文字の読めない母親にも分かりやすい教材を用意。スタッフ3名、アシスタント3名
でお母さんセミナーを実施した。
また、セミナーを実施するために必要な人材の育成、及び研修に参加した。
(1) 栄養改善セミナー
回
第43回
第44回
第45回
第46回
第47回
日付
対象地区
参加人数
内容
4月2日
グループ1
25人
新生児の栄養(生後6ヶ月まで)
4月3日
グループ2
28人
4月4日
グループ3
45人
4月23日
グループ1
21人
料理実習
4月24日
グループ2
19人
「バナナの花スープ」
4月25日
グループ3
58人
5月7日
グループ1
28人
5月8日
グループ2
29人
5月9日
グループ3
51人
5月28日
グループ1
30人
料理実習
5月29日
グループ2
14人
「特別な雑炊」
5 月30日
グループ3
43人
6月11日
グループ1
31人
離乳期の栄養(生後6ヶ月から1歳)
新生児・離乳期の栄養、復習
11
第48回
第49回
第50回
第51回
第52回
第53回
第54回
第55回
第56回
第57回
第58回
第59回
第60回
6月12日
グループ2
13人
6月13日
グループ3
35人
6月24日
グループ1
20人
料理実習
6月25日
グループ2
13人
「お芋の甘いお菓子」
6月26日
グループ3
42人
7月2日
グループ1
13人
7月3日
グループ2
20人
7月4日
グループ3
41人
7月9日
グループ1
26人
料理実習
7月10日
グループ2
14人
「ニンニクの茎レバー炒め」
7月11日
グループ3
38人
8月13日
グループ1
35人
8月14日
グループ2
15人
8月15日
グループ3
41人
8月27日
グループ1
30人
料理実習
8月28日
グループ2
20人
「ココナッツ魚カレー」
8月29日
グループ3
41人
9月3日
グループ1
36人
9月4日
グループ2
16人
9月5日
グループ3
35人
9月10日
グループ1
33人
料理実習
9月11日
グループ2
16人
「魚スープ掛け麺」
9月12日
グループ3
36人
10月14日
グループ1
32人
新生児が病気になったときの食事
10月16日
グループ2
18人
(生後6ヶ月まで)
10月17日
グループ3
30人
10月28日
グループ1
22人
料理実習、
10月30日
グループ2
17人
「腸肉詰めスープ」
10月31日
グループ3
24人
11月12日
グループ1
34人
幼児が病気になったときの食事
11月13日
グループ2
34人
(生後6ヶ月から2歳)
11月14日
グループ3
24人
11月26日
グループ1
24人
料理実習
11月27日
グループ2
21人
「肉の雑炊」
11月28日
グループ3
25人
1月14日
グループ1
29人
新生児・幼児が病気になったときの食
1月15日
グループ2
27人
事復習
1月16日
グループ3
32人
1月28日
グループ1
24人
幼児期の栄養(1歳~2 歳)
幼児期の栄養(2歳~5歳)
幼児期の栄養復習
料理実習
12
第61回
1月29日
グループ2
14人
2月2日
グループ3
20人
3月23日
グループ1
39人
3月24日
グループ2
38人
3月25日
グループ3
36人
「空芯采スープ」
評価セミナー
※回数は、2012年度からの通算
栄養改善セミナー「料理教室」
栄養改善セミナー「評価セミナー」
(2) 保健衛生セミナー
回数
第12回
第13回
第14回
第15回
日付
対象地区
参加人数
6月10日
グループ1
39人
6月17日
グループ2
24人
6月24日
グループ3
41人
8月12日
グループ1
29人
8月19日
グループ2
32人
8月26日
グループ3
45人
11月11日
グループ1
26人
11月18日
グループ2
16人
11月25日
グループ3
25人
12月16日
グループ1
23人
12月23日
グループ2
24人
12月29日
グループ3
24人
内容
タバコの害
回虫・タバコの害の復習
家族計画
衛生的な生活
※回数は、2012年度からの通算
保健衛生セミナー「タバコの害」
保健衛生セミナー「衛生的な生活」
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(3) 住環境セミナー (住居にて)
回数
第7回
第8回
第9回
日付
対象地区
参加人数
3月28日、4月4日・10日・25日、
グループ3
36人
5月2日・9日・23日
グループ2
31人
5月30日、6月6日・13日
グループ1
37人
6月20日・26日、7月4日
グループ3
46人
7月18日、8月1日・8日
グループ2
31人
8月15日・22日・29日
グループ1
35人
9月5日・12日、10月17日
グループ3
49人
10月31日、11月21日・28日
グループ2
22人
12月5日・19日、1月9日・23日
グループ1
32人
内容
トイレの大切さ
家の中で の子ど もの怪
我
清潔な水
※回数は、2012年度からの通算
成果
お母さんたちの「栄養改善」「保健衛生」「住環境の衛生」についての意識が向上した。また野菜を多く食
すようになったり、手洗いや部屋の掃除習慣が身につくなど行動変容がみられた。
課題
セミナーに参加したお母さんたちがもっと家庭で学びを実践できるように、家庭訪問などによりフォローア
ップする必要がある。また、セミナーに参加できないお母さんたちをエンパワーメントしていくシステムを今後
構築していきたい。
住環境セミナー「トイレの大切さ」
住環境セミナー「清潔な水」
(4) 人材の育成・研修
セミナーを実施するために必要な人材の育成を目的にスタッフたちが次の研修に参加した。
日付
団体
内容
7月14日
Clinic Angkor
家族計画
12月30日
Clinic Angkor
幼児の栄養
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(5) 栄養に関する冊子の出版と配布
3年間の栄養改善セミナーの集大成として冊子「楽しいごはん」を発行した。3大栄養素の働き、料理
教室で実践したレシピ、妊娠・授乳期の栄養、新生児・幼児期の栄養、バランスの良い食事、朝食を食べ
ることの大切さ、よく噛むことの大切さ、おやつについて、衛生環境について、などお母さんたちが3年間
で学んだことをまとめた。字が読めないお母さんたちのためにイラストを多く取り入れ、お母さんたちが写
ったセミナー風景の写真を沢山掲載した楽しい冊子になった。「ごはん祭り」にて住民への第1回配布を
実施した。
成果
イラストや写真を多く取り入れたため、分かりやすい栄養本に仕上がった。栄養や衛生に関心のなかった
お母さんたちが家族や近所の人たちとこの本を使って栄養について話し合うようになった。
課題
今回は栄養だけを取り扱ったが、次回は保健衛生、住環境の衛生改善なども取り上げた本を発行してい
きたい。
完成した栄養に関する冊子
冊子を受け取るお母さん
(6) 「ごはん祭り」の開催
「家庭の栄養改善」母親セミナー修了を前に、成果発表会を兼ねて「ごはん祭り」を開催した。
子どもたちが栄養をテーマとした劇を披露し、5名のお母さんたちが学んだことや行動変容したことを発
表した。また料理教室で学んだレシピを使って、料理コンテストを開催し、グループごとに調理したものを
皆で試食し、一番美味しい料理を競った。149名のお母さんたちが出席した。
当日はスタディーツアー中の専修大学国際協力サークルSIAの学生たちが会場ボランティアとして参
加した。
成果
お母さんたちの成長をみることができた。また、料理コンテストは、お母さんたちにとっては初めての経験
で、とても盛り上がり、楽しみながら栄養を学びあえるイベントになった。
課題
初めての経験で、料理コンテストで用意する食材の量や料理する人たちの人数が適切ではなかった。今
回の経験を次回に活かしていきたい。
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「ごはん祭り」お母さんによる成果発表
料理コンテスト優勝チーム
(7) 家庭の栄養改善評価の実施
2012年4月より味の素「食と健康」国際協力支援プログラムの助成金を受けて、「家庭の栄養改善セミ
ナー」を実施してきたが、2015年3月末に3年間のプロジェクトを終了するにあたり、外部から専門家を招
き、現地スタッフと共にこれまでの活動を振り返り、活動の成果と課題を明らかにした。
成果
これまで栄養や衛生について学ぶ機会がなかった人たちが、栄養の大切さを学び、入手可能な食材を
使い、栄養価の高いバランスが取れた食事を家庭で作る方法を習得し、実際に多くの母親が家で実践して
いることから、妥当性、効果において高く評価できた。
課題
成果を計る適切な指標が特定されていなかったこと、また外部の支援なしに活動を継続する仕組みが現
在考えられていないことが課題になった。今後検討していきたい。
③ 託児所
「母親センター」の2階を使い、3歳~5歳児の30名を朝6時30分から18時30分まで受け入れた。子ども
達は、午前中は隣接する「子どもの家」で学び、給食後、「母親センター」において昼寝、給食、授業、おや
つ、遊びをして1日を過ごす。
授業では、基本的なクメール語の読み、歌、絵本の読み聞かせや塗り絵・パズルなど遊びをとりいれた時
間を子ども達に提供した。スタッフ1名、先生2名、アシスタント2名が交代で指導を行った。
成果
子どもを預かることで母親が安心して働きにいけるようになった。子ども達は沢山の歌を覚え、楽しんで友
達と学べるようになった。託児所は好評で、常に待機児童がいる状態である。
課題
待機児童を受け入れられるようなシステムを構築していきたい。また子どもたちの情操を豊かにしていくた
めの教材作りと指導力の向上を目指していきたい。
16
楽しく歌を歌う託児所の子どもたち
食後は歯磨きをする託児所の子どもたち
5) その他
a) 月1回開催される「レイミッショナリーの集い」に出席
b) カトリックNGO会議に出席(6月、9月、1月、3月)
c) カンボジアで活動する修道会、カトリックNGOとの連携
d) 公立小学校、教育省、NGOなど地域機関との連携
e) 「子どもの家」クメール正月ゲーム大会(4/11)、「子どもの家」卒業式(9/19)実施、クリスマス会開催
(12/2)
f) 味の素「食と健康」国際協力支援プログラムからの助成金、事業報告書・会計報告提出(4月、10月)
g)味の素からの助成、「母親エンパワーメントによる家庭の栄養改善」プログラムの現地視察受け入れ(3月)
h) ドイツ「Die Sternsinger」助成金申請、及び子どもの家、託児所、母親セミナーにおける運用と決算報告
(6月、7月、1月、2月)
i) 大阪教区への助成金申請、及び運用と決算報告(4 月)
j) NPO法人「芝の会」の助成金運用と決算報告(5 月)
k) 外務省、教育省への月間活動報告、決算報告(4月、7月、10月、1月)
l) ENJJ(大使館、NGO、JICA、商工会議所の連絡会)全体会議に出席
m) カンボジア人助祭叙階式(6月)に出席
n) JLMMカンボジアスタッフ定期的ミーティング
o) 菊名教会青年カンボジアツアー同行(3月)
p) 37組のべ209名のステンミエンチャイ訪問・見学の受け入れ
Ⅱプルサート州コンポンルアン水上村 生活向上支援
1.対象地域と地域概要
プルサート州コンポンルアン水上村
水上村コンポンルアンは、カンボジアのほぼ中央にあるトンレサップ湖上に位置している。この村では1,
100世帯、6,000人の人々が船の家で生活しており、約60%がベトナム人である。住民は主に漁業で生
計を立てているが、貧困世帯が多く生活全般に様々な問題を抱えている。住民は生活用水として湖の水を
そのまま利用しているが、生活廃水や家畜の排泄物、ゴミなども全て湖に廃棄しているため、水質汚染は著
しく健康に及ぼす影響も大きい。また、多くのベトナム人はカンボジア語が話せず、国籍を持たないといっ
た理由で公共機関へアクセスすることができず、カンボジア社会から孤立した状態になっている。医療機関
へかかることができないために簡単な病気でも死に至るケースが多い。子どもは言葉の問題から公立の学
17
校へ通えないなどの多くの問題を抱えている。
2001年から JLMM カンボジアと住民の協力のもと、水上教室を設置し、識字教育、住民によって組織さ
れた基本的な保健サービスの管理、運営を行ってきた。
2.活動
1) 保健衛生プログラム
①水浴びプログラム
週1回の水浴びプログラムを継続実施した。湿疹用石鹸、虱用石鹸を使用し家でも使えるように一つ500
リエル(約10円)で販売した。衛生指導や栄養指導も合わせて行い、健康状態の把握、爪切り、耳掃除、薬
の塗布などのケアも継続的に行った。水浴びプログラムに参加する子ども達は平均して1回に40人程度で
ある。
成果
水浴びプログラムに通ってくる子ども達の湿疹や虱などの症状は、年々減少している。
識字教室の先生に加え、識字教室の卒業生もこの活動を手伝ってくれるようになっており、協力の輪が
広がっている。虱用石鹸は洗髪後10分経った後に石鹸を流し落とす必要があるが、以前はすぐに流し落と
していた。しかし現在は先生の指導により、まず頭を洗い、次に体を洗い、時間を置いて、流し落とすことが
習慣化できた。
課題
現在100名以上の子ども達が通ってきており、全員が同じ日に水浴びをするには、時間と場所が限られ
ており不可能な為、3つのグループに分けて行っている。一回で1グループしか出来ないので、子どもたち
は3週間に一度しか水浴びが出来い状態にある。多くの子どもたちが頻繁に水浴びできる出来る環境作り
が急務である。
虱用石鹸で洗う様子
水浴び後の耳かき
②病人支援プログラム
病院受診のための交通費支援、病院や病人受け入れ施設までの付き添い、軽症のケースに対しての健
康相談や、健康管理などの教育・指導、食費の支援などを行った。交通費支援、病人訪問などに関しては、
水上村教会の病人支援グループと協働している。
関わった病人は、百日咳、胃の検査・成長通による膝の痛み、心臓病、喘息、足の怪我、下痢、気管支
炎など様々であった。病人支援は18名、15件ケースであった。
18
成果
支援をすることで安心して病院に行ってもらうことができた。水上村の住人にどのような病気が多いか把
握することが出来た。
課題
利用者が教会関係者に偏ってきているので、村の住人も利用できるように教会が病人支援をしている事
を地域に広くアピールするとともに、協力者も募っていきたい。
全身に湿疹が出て、
水上村の訪問医による診療を受ける患者
病院に行く生後 4 か月の患者
③ホームケアプログラム
主に病人支援で関わった病人(退院した病人など)の家庭を訪問し、在宅での簡単なケアや処置、栄養
剤の支援を実施。また本人や家族に対し健康指導や栄養指導、相談活動なども合わせて行った。
成果
病院に行く時だけの支援ではなく、家庭での継続的な支援が可能となった。
病気が完治し利用者の元気な姿を見ることが出来た。
課題
日々移動を繰り返す水上村では病人の家を把握することが難しく、訪問できないこともあった。今後は病
人との関係を密にし、訪問を続けられるようにしたい。
2) 母子保健に関する活動
月に1回午前9時から11時までの2時間、妊婦や乳幼児へのケア(コンポンルアン保健センターで受けら
れるサービスと同様のサービス)のため、同センターの産婦人科医に依頼し予防接種及び妊婦への教育ワ
ークショップを行った。母乳不足の場合は粉ミルクを支援。また、患者がクリニックを訪れやすくするために、
カンボジア語からベトナム語への通訳を雇用した。より多くの人々に利用してもらうため、予防接種及び妊
婦への教育ワークショップ実施前に村全体で告知を行った。
成果
クメール語に不安を抱くベトナム人住民も安心して予防接種を受けることが出来た。
教育ワークショップによって妊娠期間、出産に対する不安を軽減することが出来た。
妊婦同士、お母さん同士のコミュニケーションの場を提供することが出来た。
19
課題
教育ワークショップは個人指導が主なものになっている。グループワークショップの再開を目指したい。
母子保健プログラム
予防接種を受ける乳児
3) 識字教育プログラム
教会が運営する識字教室「マリアーノ学校」では、ベトナム人の子ども達にカンボジア語とベトナム語の勉
強を無料で教えている。JLMM カンボジアは、その学校のカリキュラム準備、教材の支援などを行った。
2015年3月末日現在、カンボジア人先生2名、ベトナム人先生1名の計3名がカンボジア語の授業を行っ
ている。
授業は午前3クラス。また午後ベトナム人の先生2名がベトナム語の授業を行った。通学する生徒数は1
年平均して午前110名、午後100名程度である。2005年から継続している通学船による子どもの送迎も実
施した。先生とスタッフを含めたミーティングを行い、行事の打ち合わせやカリキュラムの準備や指導力の向
上に努めた。今年度も年中行事(中秋の名月、クリスマス会等)を先生、生徒と共に準備し、行うことが出来
た。
成果
2015年1月より、ベトナム人のバナム氏が校長となり、計4名の先生と、識字教室に通う子どもの親との連
携がとれている。子どもの出席状況をより細かく把握し、親との関係性を深める事が出来ており、通学船の
利用料の徴収も漏れなく行っている。
課題
2014年度は、生徒を公立小学校に送り出す事が出来なかった。公立小学校で授業についていけず学
校を辞めていく生徒が多く、マリアーノ学校での卒業時点での習熟度をあげる必要がある。乾季で水位が
下がると通学船を運行できなくなり、生徒の数が少なくなる。
途中で識字教室を辞めていく生徒もいた。
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主任司祭・信徒代表・識字教室先生の合同会議
クメール語教室の様子
4) 栄養改善プログラム
2005年2月より始まった栄養改善プログラムを今年度も継続して実施。週一回の水浴びプログラムの前、
栄養価の高い食事(お粥、豆乳、バナナの甘味)を提供し合わせて栄養指導を行った。参加人数は1回平
均90名であった。
成果
栄養価の高い食事を提供できたとともに、子ども達にとって週に一度の楽しみを提供することができた。
課題
栄養指導に関しては識字教室の先生に一任していたが、結果、内容が単調になってしまった。説明しや
すいように何種類か教材を用意するなどしていきたい。
栄養価の高い バナナの甘味
美味しく食べる子ども達
5) 奨学金支援(里親制度)
2014年度は日本の里親の方からの支援により高校生1名の里子が奨学金を受けた。里子はバッタンバ
ン市にあるバッタンバン教区が運営する寮で生活しながら学校へ通っていた。だが中学生1名と小学生1名
が在籍中に退学・退寮することになったため、奨学金支援を中止した。
成果
高校生の里子とは、継続的に訪問、連絡を取り合うことで、状況を把握することが出来ている。
課題
寮での問題から2名が退寮することになってしまった。寮では携帯電話の使用が規制され、また早い時間
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に門限があること、掃除や食事作りなど分担する仕事が多いなど、様々な規則がある。水上村とは違った環
境での生活に戸惑い、寮での生活に馴染めずに退寮することになってしまった。親元を離れて生活する中
学生と小学生一人ひとりの状況把握に努め、進学が継続できるよう励まし続けていく必要がある。
バッタンバンの学生寮
奨学生と一緒に
6) 公立小学校との連携
マリアーノ学校の卒業生が小学校に入学した後も、勉学を順調に続けることが出来るように、公立小学校
との連携を図った。通学船による子どもたちの公立小学校への送迎は2012年5月まで実施していたが、通
学船の運転手が確保できないまま、保留となっている。子ども達は親から交通費をもらい、一般の交通船に
乗って小学校に通学している。
成果
通学船がなくても家族の出費により子ども達の数人は通学することができた。
課題
通学のための船代を出すことのできない貧困家庭の子ども達が、通学を継続できるしくみを考えていく必
要がある。マリアーノ学校の卒業生が公立小学校の授業についていけず、中途退学する生徒が多く、マリ
アーノ学校卒業生へのフォローが必要となってくる。
7) 浄水プロジェクト
2007年4月より湖の水を浄化して住民に安価で販売するプロジェクトを実施。2010年度から運営管理
を現地教会に委託した。JLMM カンボジアは、その運営に協力している。
成果
安価で安全な浄水を提供する事によって水上村の住民の衛生状態が向上した。
課題
年々村人からの需要が増え、乾季には供給が追いつかないほどになっている。供給量増加に向けた取
り組みが必要である。また、浄水装置のメンテナンスや水質検査を実施していく必要がある。
8) 青年活動
教会の青年たちが組織する青年会の活動に協力した。具体的な活動は、ミサ奉仕、病人訪問、お葬式
への参加など。その活動にかかる費用の一部を支援した。
22
成果
青年活動だけではなく、クリスマスや復活祭など教会や JLMM が行う諸行事にも協力が得られた。
課題
活動が単発で終わることが多い。今後は持続していける活動を考えていきたい。
陸で生活するようになったり、ベトナムに帰るなど水上村を離れていく青年がいるが、その時々の親睦を
深め、青年育成につながるような活動に向けて、青年たちと共に関わっていきたい。
9) その他
a) カンボジアで活動する修道会、カトリック NGO との連携
b) 「カンボジア福祉基金藤沢」の運用
c) 水上公園の管理
d) コンポンルアン教会担当司祭及び教会リーダーグループとの定期ミーティング
e) 公立小学校、教育省、警察、漁業局などをはじめとする地域機関との連携
f) 日本や他の外国からなどの訪問者の受け入れ(18組のべ108名)
g) 各教会・個人へ向けた毎月の活動・会計報告
h) 日本からの支援物資の配給
i) バッタンバン教区パストラルミーティングに参加(11月)
j) シンガポールからの医師、医学生の受け入れ(12月)
k) 日本人歯科医師による歯科検診(10月)
l) バッタンバン教区叙階式(Fr. Roth)に参加(12月)
m) JLMM カンボジアスタッフ定期的ミーティング
n) スタディーツアーの受け入れ
Ⅲ シェムリアップ小教区支援
1.対象地域と地域概要
シェムリアップ小教区はバッタンバン知牧区に属し、カンボジア北部のアンコール地域を担当している。
シェムリアップ市内の聖ヨハネ教会を中心に、地域内に3つの教会、6つの子どもセンター、1つの農場を現
地の人々の協力を得て運営している。また、シェムリアップ小教区はアンコールワットなど世界的遺産にも近
く、一年中多くの訪問者が押寄せる特異な場所となっている。支援活動地域の概観図と結果の概要は、以
下のとおりである。
23
1-1 バンテイミエンチャイ州タオム村
シェムリアップから70km の所に位置する。189世帯、900名以上の人が住んでいる。稲作を中心の農業、
川や水田にある沼地での漁業、小売業や物資運搬で生計を立てているが、現金収入は少なくタイへ出稼
ぎに行く家族も多い。違法出入国のため、拘留後に村へ強制送還される場合もある。村内に小学校がある
ほか、中学校や保健センターまでは、約20km の道程である。100年以上前に宣教師が建てた教会は内戦
を通して廃墟と化していたが、2004年以降に近隣住民と教会の支援を受け、現在は聖マリア教会として復
活、子どもセンターは幼稚園として、また青少年の育成の場としても活用されている。
1-2 シェムリアップ州クナ・トマイ村
シェムリアップから5kmの所に位置する。クナ・トマイ村は、内戦時代にタイの難民避難所にいた帰還難
民により開かれた村と言われている。現在、村には約334世帯、1,566名以上の人が住んでいる。シェムリ
アップ市内に近く、市内で働き高額の収入を得ている家庭から、農業のみまたは仕事のない貧困家庭まで
あり、貧富の差が激しい。村内では賭博や麻薬のために、家庭崩壊の危機も生じている。村から通える範
囲内に幼稚園から高校まであり、保健センターや州立病院へも近い。教会の子どもセンターがある。
1-3 シェムリアップ州ピアス・ネン(チャッおよびトマイ)村
シェムリアップから北に30kmの所に位置する。ピアス・ネン・チャッ村には1,054名の234世帯、ピアス・
ネン・トマイ村には1,250名の321世帯が生活している。50%以上の貧困家庭の住民は、田畑が少なく森
で採取した芋を食用にしたり、販売している。それ以外に野菜栽培、薪集め、わら屋根作り、小売業、シェム
リアップ市内までの出稼ぎなどの仕事に従事している。住民は衛生に対する関心が薄く、皮膚疾患、下痢
の症状が多く見られる。村内には小学校、中学校、保健センター、教会の子どもセンターおよび農場があ
る。
1-4 シェムリアップ州コンポンクレアン水上村
コンポンクレアン村はシェムリアップから東に55㎞、プノンペン方向に行く道の途中にあり、5~6mの高
床式住居群が見られる。人口1,675名、775世帯が生活している。トンレサップ湖畔にあり、雨季は水上、
乾季は陸上の村となる。漁業、プロホック 1生産、小売、物資運搬などで生計を立てている。村はコンポンク
レアン寺を中心に形成されており、寺内に小学校、保健センターがある。村の小学校と提携して教会の子ど
もセンターでは幼稚園生、小学校1・2年生を受け入れている。
1-5 シェムリアップ州チョン・クニア水上村
チョン・クニア村はトンレサップ湖上に位置し、シェムリアップから雨季で17㎞、乾季で25㎞離れた場所
に位置する。船で雨季に30分、乾季は車で1時間ほどで到着する。この村には約1,050世帯、6,000名
以上の人が水上で生活しており、ベトナム人が大多数を占め、他にカンボジア人とチャム族 2の人々がいる。
漁業を中心に観光客相手の商売や小売業などで生計を立てている。貧困世帯が多く、生活全般に様々な
問題を抱えている。人々は生活用水として湖水をそのまま使用しているが、生活排水や家畜の排泄物、ご
みなども全て垂れ流しにしているため、水質汚染は著しく健康に及ぼす影響も大きい。村内には公立小学
校が5校、公立中学校が1校、ベトナム人のための学校、チャム族のための学校、カリタス・カンボジアが運
1
2
小魚の塩漬け発酵食品でカンボジアの伝統的な調味料。
イスラム教徒
24
営している診療所がある。聖パウロ教会と子どもセンターがある。
1-6 バッタンバン州プレクトアール水上村
プレクトアール村はトンレサップ湖上にあり、シェムリアップから55㎞の所に位置する。ここには鳥獣保護
区があり、野鳥(ペリカン、サギなど)の飛来を雨期明けの11月~翌年1月末頃に観察することができる。移
動は船でシェムリアップから、雨季に1時間半、乾季は車と船で3時間かかる。この村では980世帯、約4,2
00名が水上で生活しており、大多数がカンボジア人、他にベトナム人、チャム族の人々がいる。住民は主
に漁業で生計をたてている。他に魚の加工業、船での小売業、観光客向けの商売をしている。また、違法
だが鳥・亀・蛇・猿などを捕獲して収入を得ている場合もある。近年はタイへ出稼ぎに行く家族も多い。村内
には、ユニセフの援助による公立小学校2校、中学校、聖ヨセフ教会と子どもセンターがある。
JLMM のシェムリアップ小教区支援は2007年より始まり、2014年度は石田と細川が担当し、財務管理支
援、諸活動支援、地域のカトリック共同体づくりに関わった。
シェムリアップ教会の降誕祭(12月)
タオム村の復活祭(4月))
2.活動
1) 小教区財務管理
小教区内の7施設での社会奉仕活動および4つの教会での典礼、公教要理に関わる会計に従事し、日
常の仮払いや精算と海外からの寄付金の公正な処理を行い、主任司祭と協力して財務・財産管理を行っ
た。また、支援者への報告、寄付品の管理、売店の商品購入・管理・販売を担当した。
① 日常の会計業務
成果
昨年度に引き続き、公正な財務管理により、主任司祭の負担軽減に寄与できた。
課題
現在、教会の財務は外国人が担当し、聖堂と事務所の安全管理を徹底している。しかし残念なことに、ミ
サ献金や備品、訪問者の私物の紛失が続いているため、より一層の安全対策の実施が必要である。今後
は、カンボジア人が中心となって、教会財産を管理・活用ができるように、主任司祭やカンボジア人担当者
と協力して役割を分担・移行していく。
② 寄付品の管理
25
成果
衣服、玩具、衛生用品、文房具などに分類して、在庫の管理、必要時に配布を継続できた。毎回の作業
は、カンボジア人の仲間や各地の担当者と協力して進めることができた。
課題
寄付品の中には不良品や古く汚れた衣服なども含まれており、仕分けに多くの時間と労力を要する。ま
た関係者による寄付品の抜き取りが常態化している。今後は、寄付者や関係者への清潔な衣類の寄贈と仕
分け時の仲間への注意喚起を呼びかける必要がある。
③ 売店の管理
障がい者や女性の自立支援のため、製作した手工芸品を仕入れ、記念品として売店で販売した。特に、
日本他の世界各国の支援者と連携を図り、商品を外国で販売する機会を得た。
成果
売上増と収益向上に貢献できた。毎回、品質検査や製作者との価格の交渉を経て、特徴ある良質な商
品の拡充に努めることが出来た。
課題
購入者のほとんどは、教会を訪問する外国人に限定されている。販路を国内外に拡大することで、製作
者および教会のさらなる支援につながることが期待できる。また、長期滞留品の在庫処分の徹底とカンボジ
ア人が購入可能な1米ドル商品の開発にも注力していく。将来は、商品の購入、管理、販売をカンボジア人
担当者に任せられるように活動を計画していく。
シェムリアップ教会内の売店
製作者の自宅での作業風景
2) 活動支援
典礼・公教要理・社会奉仕活動という小教区における3つの主な働きのうち、典礼の準備と社会奉仕活動
の支援にあたった。小教区の社会奉仕活動の概要は、以下のとおりである。
① プレスクール
子どもセンターでは就学前の幼稚園児を対象にプレスクールを開いている。基本的なクメール語の読み、
歌、絵本の読み聞かせ、塗り絵などの遊びをとりいれた時間を子ども達に提供した。
地域:チョン・クニア水上村を除く全ての子どもセンター
対象:3~5歳の子ども、各センター30名程度
曜日・時間:月~金曜日 午前8:00~10:00
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② 補習授業、外国語・コンピュータ教室
小学校低学年を中心に、クメール語の読み書き、基本的な算数、歌、遊びの時間を取り入れた補習授業
を子どもセンターで展開している。小学校の授業は半日で、教師も欠席することがあるため子ども達の習得
には時間がかかる。しかし家事手伝いもしながら通ってくる子どもも多く、学習意欲は高い。チョン・クニア水
上村ではベトナム語の識字教室に多くの時間を割いている。
地域:全ての子どもセンター
対象:小学校低学年 20名程度
曜日・時間: 月~金曜日 午前8:00~11:00/午後1:00~17:00のいずれかの時間で1~2時間
対象:小学校高学年以上を対象に、英語・中国語・コンピュータの教室を適宜実施。
地域:シェムリアップ、クナ・トマイ、タオム
対象:20名程度
曜日・時間:月~金曜日
中国語(クナ・トマイのみ)…午前6:30~7:30・午後1:00~2:00
コンピュータ(シェムリアップのみ)…午前 9 時~11 時までの各1時間
英語(タオムのみ)…午後4:00~6:00各 1 時間2クラス
③ おかゆ給食
子どもセンターでは、週に1~2回おかゆ給食を実施した。村の子ども達は低栄養状態で、米と塩分以外、
栄養価の高い食品を継続して摂取できない貧困家庭が多い。子ども達の栄養状態改善のために、各国の
支援を受けたシェムリアップ教会が、年間経費を約2万ドルかけて実施している。衛生指導、栄養指導、歌
唱指導、ゲームなどの後におかゆを配食するため、教育の機会ともなっている。また村人や青年たちが手
伝ってくれるため、教会の日常活動を知り、関わり合いの好機ともなっている。
原則、シェムリアップ教会では毎週日曜日約100名、タオムでは毎週火曜日約100名、クナ・トマイでは
毎週日曜日70名、ピアス・ネンでは毎週木曜日約200名、農場では毎週日曜日約70名、プレクトアールで
は毎週日曜日約100名、コンポンクレアンでは毎週土曜日約120名、チョン・クニアでは毎週日曜日約50
名の子どもが集まる。
おかゆ給食によって子ども達の栄養改善がどのように向上したのかを、今後、健康調査などを実施して
具体化していきたい。
④ 図書館の開設
クメール語の本以外にも英語の聖人物語などが所蔵されている。各子どもセンターの教師が管理し、子
どもセンターが開いている時間に自由に利用することができる。また、教師が時々本の読み聞かせを行い、
教育の機会としているところもある。しかし、書籍の破損や老朽化も激しく、修理や補充などが必要である。
地域:タオム、クナ・トマイ
⑤ SSVP(Society of Saint Vincent de Paul)活動
国際的な信徒組織である「聖ビンセンシオ・ア・パウロ会」の活動がシェムリアップ小教区内でも盛んであ
る。タオム、クナ・トマイ、プレクトアールの青年たちが中心となり、病者・高齢者・母子家庭・貧困家庭などを
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訪問し、支援した。週1回の支援活動の報告と振り返り、要理勉強のための打合せが行われる。非信徒の
青年も多数参加し、活動を通してカトリックの教えに興味をもつほか、教会の社会奉仕活動の中で大きな力
を発揮している。
⑥ 井戸・トイレ設置
タオム村の聖マリア教会設置された深さ40mの井戸と浄水装置を利用し、近隣の村人にも安全な水を提
供した。以前の村内に設置した家庭用の井戸26基は、故障が目立ち、当初の計画とおりの十分な水の供
給が出来ていない。またトイレ設置も、村人の管理の程度によって、使用中のところと故障して閉鎖したとこ
ろの差が顕在化している。村人の多くは、夜間に林や藪の中でのトイレを利用している。暗く不安・不便で
危険でもあることから、自宅内でのトイレ設置が望ましい。一基あたり300~500米ドルを要するが、過去の
やり方を謙虚に反省して、安易な資金提供はせず、機会あるごとに村人にトイレ設置の必要性を説明して
いく。
おかゆ給食前に子ども達との遊び
設置された自宅内のトイレと家族
⑦ 刑務所・病院訪問
シェムリアップ市内にある州立病院、軍病院、刑務所に果物・食料等を持って毎週土曜日に訪問した。州
立病院内は患者で溢れ、入院環境も決して衛生的とは言えない。入院患者は自炊のため、貧しい患者は
十分な食事も摂れない実情がある。軍病院も貧しい兵士が多く、国境から送られてくる兵士もいる。付き添
い家族が患者の看病をしなければならず、身寄りの無い者や遠くから入院している患者は精神的にも不安
である。州立刑務所にはカンボジア人以外にもベトナム人・タイ人・インドネシア人も収容され、1,000名以
上の受刑者で溢れている。家族の訪問が少なく、毎回、刑務所が要請したグループごとに用意する300食
分の支援物質は、大いに喜ばれている。しかし、直接受刑者と話をする時間が少なく、要望が満たしきれて
いない。
⑧ 農業
ピアス・ネン・トマイ村にシェムリアップ小教区が保有する17ha ほどの農地のうち4ha を農場として利用し
た。マンゴーやジャックフルーツなどの果樹、葉物類やトウモロコシなどの野菜栽培、2ha の農地整備も201
2年度より始まっている。2人の作業員と2家族が農場に住み込みで管理している。現在「牛銀行」以外には、
特色ある畜産事業は無い。今後、農場の再開発のためには、開場時のように農業専門家の常駐と気候や
土壌条件にあった適用作物・換金作物を検討して、農場の中に安心して働ける職場の整備と拡充が必要
である。
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タオム村の農地21ha では、一毛作の水稲栽培が中心である。2013年度から信者家族に農地を貸出し、
収穫した玄米の一部を教会に物納していただいている。
成果
現派遣者が年度途中の8月から活動に参加しているため、関わり方が少なく、成果が未だ良く見えない。
今後とも、教会の仲間・青年たち、そして地域住民と協力して病者・高齢者・貧困家庭の方々のニーズに関
する情報を集めていく。
課題
小教区の日常の財務管理・教会への訪問者の相談と各子どもセンターへの日程調整に時間が割かれる
ことが多く、現地へ行く時間が非常に少ないのが現状である。今後は、仲間と協力して地域の分担を検討し
ていく。教会に集う仲間一人ひとり、また出会う村人や子ども達の置かれている状況は様々であり、直接会
って話し合える機会は少ないが、できる限り日常生活で抱える問題に触れていきたい。
3) 奨学金制度
小教区の奨学金を2014-15学年度は、78名の奨学生に支給している。JLMM や個人からの支援金は、
この中の奨学生44名に支給されている。内訳は中高生28名、大学生7名、職業訓練校生8名、料理学校
生 1 名である。支援形態も期限付きの里親制度を導入するなど多様である。生徒や学生たちも自宅や学生
寮からの通学であり、なかなか現地を訪問して近況報告を聞けないのが実情である。急増する要請に対す
る奨学金の確保に、苦慮している。
成果
前述の生徒・学生が勉学を続けることができた。実際に生徒や学生と会うことで、家庭環境や勉強の習熟
度、心身の健康面についての問題を受止めることができた。また里親制度の拡充により、里親と奨学生の
眼に見える交流の機会を橋渡しすることが出来た。
課題
奨学金を受け進級できたとしても、通学の最終的な選択は本人にあり、様々な困難が待ち受けている。
例えば大学への進学を悩む高校生、家庭の貧困を理由に中退して働き始める生徒もいる。また2014-15
学年度の修了・進級試験制度の大改革で、カンニング゙や教師への賄賂に頼らない本来の実力が試される
ようになってきた。さらに学生寮で暮らす生徒・学生は生活上の悩みもある。彼らの話に謙虚に耳を傾け、
言葉の壁に躓きながらも本人や家族との対話を続けていく必要がある。
今後急増する奨学生のためにも、奨学金の確保と学生寮の整備が最重要課題となっている。村の家族
の生活援助や村の発展のためにも必要な人材として育っていけるように、奨学生の選考過程の見直しに努
め、全人教育のために必要な支援を続けていきたい。
29
クナ・トマイ村の病者の家族
タオム村で奨学金の支給を受ける中学生
4) 訪問者の受け入れ
シェムリアップという世界的観光地としての地域特性による多数の巡礼者の現地視察、旅行者の見学、
支援者の受入など、多くの外国人訪問者の滞在・見学先の調整を行った。時にはカンボジア人責任者と一
緒に現地へ同行し、必要に応じて小教区や各センターの活動について説明を行った。また降誕祭を中心
に支援者から1,000人分を越える贈り物の小分けと配布にあたった。
成果
世界中からの訪問者に、シェムリアップの共同体を紹介し、新たな家族や友のように出会い・交流する機
会となった。貧困で多くの問題に直面するカンボジア人の仲間たちであるが、訪問者を温かく迎え、思いや
る現場に接することが出来た。人生の豊かさと生き方を問い直し、教えられる機会となった。
課題
多くの訪問者を受入れることで、活動自体が時間的にも精神・体力的にも制約・消耗してしまう厳しい現
状がある。小教区内の活動の重点をどこにおき、責任者と仕事の分担をどのように明確・調整していくのか
を充分に検討し、試行錯誤する必要がある。
5) 共同体づくりへの参加
教会に集うだけでなく、仲間と共に貧困家庭・病者の家・障害者の家などの訪問を不定期に行った。言葉
や宗教の違いを超えて、現場で知り得る個人の抱える問題に向き合い続けている。時にはその場での決断
を求められることもあり、大いに悩むことも多い。主任司祭や仲間への報告や分かち合いをとおして、共に
歩もうとする温かい励ましを実感させられる。
成果
家庭訪問により小教区の地域の特性や一人ひとりの家族背景、教会との関わりについて知り、理解を深
めることができた。NGO、バッタンバン知牧区内のネットワークを活かし、必要な支援へと迅速につなぐことも
できた。
課題
教会の仲間や信徒、青年たちと協力して多様性を認める共同体づくりを、進めていく。
30
12 月の支援物質の配布
水による祝福式
6) その他
a) カンボジアで活動する修道会、カトリックNGOとの連携
b) 病院、保健センター、NGOなど地域機関との連携
c) バッタンバン知牧区主催の行事に参加(10月:ローマ教皇庁との外交20周年記念ミサと報告、11月:司
祭・修道者・信徒による司牧会議、11月と12月:カンボジア人司祭叙階式、3月:チョムナオム村の水掛祝
福式など)
d) 日本他からの訪問者の現地案内(8月:バッタンバン友の会、上智大学生一行、2月:専修大生一行な
ど)
e) JLMM 派遣者との定例会議と振返り
Ⅳ その他(JLMMカンボジアとしての活動)
1) スタディーツアー・ボランティア・活動地見学
次の日程で JLMM 関連カンボジア・スタディーツアーの受け入れを行った。
2014年7月15日~23日
JLMM 巡礼カンボジアツアー
2014年8月20日~27日
JLMM 夏のカンボジアツアー
2015年2月15日~28日
専修大学 SIA サークルカンボジア・スタディーツアー
2) 日本の修道会との連帯
「ショファイユの幼きイエズス修道会カンボジア共同体」と活動や事務に関するミーティングを実施。査証
手続きをサポートした。
3) ラチャナ・ハンディクラフト・バッタンバンの支援
女性自立に向けた活動を行う現地 NGO「ラチャナ・ハンディクラフト・バッタンバン」の商品を JLMM プノン
ペン事務所にて販売。バザー用、オーダー受注、東京事務局への発送作業等を行った。
4) 東京事務局との連絡調整
2014年12月8日~15日
プノンペンにて栄養に関する冊子「楽しいごはん」作成
2015年3月22日~24日
味の素からの助成、「母親エンパワーメントによる家庭の栄養改善
プログラム」の現地視察受け入れ
31
5) 黙想会・祈りの集い
2014年7月25日~29日シェムリアップ Metta Karuna Centre において松村繁彦神父(大阪教区)指導
による黙想会を実施した。
また、月に一度、祈りの集い及び活動報告を行った。
6) 一時帰国
一年間の活動を終え、次のとおり一時帰国した。
浅野美幸
2014年9月14日~10月9日
7) 一時帰国報告会
一時帰国の時期に合わせ、次のとおり各地で報告会を実施した。
浅野美幸
2014年9月30日
味の素株式会社本社にて、子どもの家での栄養改善、家庭における栄養改善の活
動報告
2014年10月1日
星美女子大学講義
2014年10月5日
横浜教区カトリック菊名教会
2014年10月8日
NPO 法人「芝の会」にて母親センター活動報告(旗の台)
8) その他
支援者・関係者へのクリスマスカード送付
(2)東ティモール
1999年に発足した東ティモール東部ラウテン県ロスパロス郡トリスラ地区でプライマリ・ヘルスケアの普及
啓発活動を行う現地国際 NGO「東ティモール医療友の会(AFMET)」(現 特定非営利活動法人東ティモ
ール医療友の会 理事長小林裕)に、薬剤師と看護師を派遣したことから派遣活動を開始。
2010年11月30日深堀夢衣(横浜教区)を派遣した。
2014年度は、オランダの人間主義協力協会(HIVOS Foundation-Humanist Institute for Cooperation
in full)が事業実施支援先となり、「衛生的なかまどの普及」事業を継続実施した。
「衛生的なかまどの普及」事業は、東ティモールの NGO である Fraterna、PROSPEK と共に展開した。
対象となっている2準郡の約97%の世帯が現在も薪を使用して料理をしており、煙を吸うことによって起
きる、目・呼吸器疾患患者が多く、特に、女性や子どもへのケアが重要である。本事業は、HIVOS が実施し
ている Food Security プロジェクトを基とし、屋内の空気の汚れが原因で病気にかかっている人々や、安全
な食品が確保されていないラウテン県・ラウテン準郡、トゥトゥアラ準群4村400世帯を対象とした。
JICA(独立行政法人国際協力機構)事業中に組織した、協働組合であるFINI 3は、AFMETから独立し、
東ティモール政府への組織登録を完了したため、補助的な支援を継続して行った。
2014年4月3日、地主・AFMET・県保健局三者で会談、合意書に署名し、2001年の開所式以来利用し
FINI:Fuan Ida Neon Ida テトゥン語で一心同体の意。2008 年に AFMET によって組織された協同組合。天然
素材を使って生産した石鹸・薬草の販売、ココナッツオイルの販売を行っている。
3
32
ていた現地事務所並びに住居棟の土地を地主に返還した。2014年10月より、ロスパロス市内にある政府
の土地建物を借り活動を継続している。
2014年6月30日に HIVOS 事業終了後、一部地域で「衛生的なかまどの普及」事業を継続実施。また、
プライマリ・ヘルスケア事業実施のための調査・活動提案書作成を行った。
Ⅰ プライマリ・ヘルスケアの普及促進事業
「衛生的なかまど」をフードセキュリティーグループ 4に配布する際、PSF 5がかまどのプロモーションを実施
した。住民に対し、ポスター、看板を使用しながら、「衛生的なかまど」を使用する際の利点(森林伐採防止、
時間・経費の節約ができる事、火起こしのストレスからの解放、目・呼吸器の病気予防)、煙が身体に与える
影響、かまどの使用方法を伝えた。
プライマリ・ヘルスケアの普及促進事業
日付
2013年12月26日
内容
場所
集落対象 かまど使用に関する情報提供
(2013年度事業・再掲)
2014年5月15日
2014年6月24日
2014年6月25日
詳細
集落対象 かまど使用に関する情報提供
集落対象 かまど使用に関する情報提供
集落対象 かまど使用に関する情報提供
参加人数
コム村
56名
エテピティ集落
PSF3名
パルラメント村
72名
イラアラ集落
PSF4名
メハラ村ポロス集
158名
落、ロイケレ集落
PSF5名
マヒナ I 村
115名
ソレレシ集落
PSF5名
成果
普段保健衛生に関する情報を得る機会の少ない、集落に住んでいる住民に対し「衛生的なかまど」の利
点について伝える事ができた。
PSF(Promotor Saude Familia)が「衛生的なかまど」に関する情報を住民に正しく伝える事ができた。
フードセキュリティーグループの住民が、「衛生的なかまど」にアクセスできるようになった。
「衛生的なかまど」401基を、コム村、パルラメント村、メハラ村、マヒナ I 村の住民に配布する事ができた。
課題
県環境局環境保全課スタッフから、森林伐採を予防し環境破壊を守るためにも、事業継続の要望があっ
た。事業実施を継続にむけた資金確保が課題である。
4
HIVOS が Food Security 事業を実施した際に組織された住民グループ。
安全な食品を確保出来るよう、
野菜の種、
トウモロコシ保存に必要なドラム缶等が配布された。
5 政府保健省によって組織されている保健ボランティア。各村に5人ずつ配置されている。英訳は、Family Health
Promotor。
33
「衛生的なかまど」の配布を受けた親子
PSF による「衛生的なかまど」プロモーションの様子
Ⅱ 健康に関する住民へのサービス及び知識・情報提供事業
県保健局栄養課担当者と協働し、SISCa 6のMeja2と4を利用して「衛生的なかまど」を利用した栄養のあ
る食事の調理実演を行った。政府保健ボランティアであるPSF(Promotor Saude Familia)と共に、妊娠中の
母親、子ども、治療を受けている一般住民を対象とし、薪を使用して調理することによる身体への影響・かま
どの使用方法・かまど使用時の利点などの情報提供を行った。
日付
内容
場所
参加人数
4月7日
かまど使用に関する情報提供と栄養のある食事の実演
マヒナ I 村
115名
4月11日
かまど使用に関する情報提供と栄養のある食事の実演
アイレベレ村
105名
4月14日
かまど使用に関する情報提供と栄養のある食事の実演
コム村
86名
4月14日
かまど使用に関する情報提供と栄養のある食事の実演
パルラメント村
108名
4月21日
かまど使用に関する情報提供と栄養のある食事の実演
ダウデレ村
105名
4月22日
かまど使用に関する情報提供と栄養のある食事の実演
メハラ村
122名
成果
参加した住民が、かまどの使用方法、かまどを使用する際の利点について理解した。
母親たちが、栄養のある料理の作り方を理解した。
参加した住民が「衛生的なかまど」に興味を持った。
課題
対象地域以外の人々にも「衛生的なかまど」の普及を図るため、SISCa Meja2と4でかまど使用に関する
情報提供の継続的実施を保健局に依頼する必要がある。
6
SISCa:保健省が月に1度村々を訪問して行う母子健康診療サービス。SISCa には Meja-メジャ(テトゥン語で机の意)
と呼ばれる6つのデスクがある。
Meja1:Registration Meja2:Nutrition Meja3:Consultation for pregnant women and nursing mothers
Meja4:Assistance Environmental Health Meja5:Consultation,Prescription Meja6:Health Promotion
34
SISCaMeja2と4を利用した情報提供
集落での情報提供の様子
Ⅲ プライマリ・ヘルスケアを目的としたコミュニティ事業
1.“サナライ”生産女性グループ支援プログラム
東ティモールの伝統的な素焼きの“サナライ” 7と呼ばれる壺や貯金箱等の器を生産しているアサライヌ村
の女性グループと協働し、ポータブルタイプの「衛生的なかまど」を生産した。
かまどを焼くために、さらに大きなかまど(フォルヌ)が必要となるため特製フォルヌを制作した。
“サナライ”生産女性グループ支援プログラム
日付
内容
詳細
場所
参加人数
5月16日
ポータブルタイプかまど作成
アサライヌ村
4名
5月21日
かまどの燃焼
アサライヌ村
4名
5月23日
フォルヌ修理
アサライヌ村
4名
5月26日
かまどの燃焼
アサライヌ村
4名
成果
女性グループメンバーがかまど使用・作成の重要性を理解した。
女性グループメンバーと協働でかまど、フォルヌを制作できた。
課題
フォルヌを使用して焼いたかまどは乾かす時間が足りず、失敗に終わった。
フォルヌで焼いたかまどの質が悪く、フォルヌを作り直す必要がある。
2.「衛生的なかまど」普及・促進プログラム
女性グループと協働で生産したかまどは、質が悪く、事業終了までにかまどが配布出来ないことが判明し
たため、AHISAUN 8と協働でポータブルタイプの「衛生的なかまど」を製造・普及することとした。
女性グループのメンバーと共に AHISAUN のかまどの質向上トレーニングに参加したスタッフを中心とし
て、かまどの製造を行った。製造したかまど345基を、マヒナ I 村、メハラ村、パルラメント村に設置した。
7
サナライ:テトゥン語 Sana(鍋)Rai(土)の意。
AHISUAN 障がい者協会 かまど、窓枠生産技術トレーニングを障がい者に対して行い、彼らが収入を得られるよう、販売を
行っている組織。首都ディリで運営。
8
35
事業支援先である HIVOS ジャカルタ本部事業責任者が AFMET の活動視察を行った。
「衛生的なかまど」普及・促進プログラム 詳細
日付
内容
場所
参加人数
4月10日
かまど生産実地トレーニング
AFMET
5名
4月28日
燃焼室購入(72基)
AHISAUN
2名
4月29、30日
かまど生産(13基)
AFMET
2名
5月1日~7日
かまど生産(72基)
AFMET
2名
5月15日
かまど普及(72基配布)
パルラメント村
6月1日~15日
かまど生産(108基)
AFMET
6月24日
かまど普及(158基)
メハラ村ポロス集落、ロイケレ集落
6月24日
HIVOS プロジェクトマネージャー
AFMET
AFMET 活動視察
パルラメント村イラアラ集落
6月25日
かまど普及(115基)
マヒナ I 村
7月31日~8月1日
「衛生的なかまど」普及事業
AFMET
会計監査実施
8月12日
HIVOS ジャカルタ本部事業責任者
AFMET
AFMET 活動視察
パルラメント村イラアラ集落
74名
3名
160名
3名
117名
4名
2名
成果
かまど作成実地トレーニングでは、協働で事業を行っている NGO(Fraterna、PROSPEK)スタッフを招き、
AFMET スタッフがかまどの生産方法を伝える事ができた。
AHISAUN と協働で「衛生的なかまど」を生産する事ができた。
「衛生的なかまど」345基を住民に配布する事ができた。
HIVOS 本部事業責任者による事業受益者へのインタビューにおいても、「衛生的なかまど」を使用する
利点を受益者が理解できている証言があった。
HIVOS による「衛生的なかまど」事業の会計監査が行われ、正しく事業が実施されたことの確認を得られ
た。
課題
スタッフが取得した「衛生的なかまど」製造の知識を住民にさらに伝えていく必要がある。
アサライヌ村に設置したフォルヌを修理し、女性グループの収入創出事業として支援を継続的に実施し
たい。
36
AHISAUN から購入した燃焼室を使い、かまどを作成
AHISAUN と協同で製造した「衛生的なかまど」
3.FINI 活動支援
2012年度に AFMET から独立し、政府登録を完了させた FINI は、商業産業環境省からの支援を受け、
現在も意欲的に活動を継続している。AFMET は、現地代表が FINI 開催の会議に参加するなど、彼らのア
ドバイザー的存在として協力関係を継続している。
2014年度 AFMET がFINIとともに実施した会議数:1回
2014年度FINIを訪問した NGO、他機関:4団体
2014年度顧客数:17店舗(NGO、ホテル含む)
2014年度 FINI が製造・販売した石鹸の合計は次のとおり。
2014年度 FINI 石鹸製造・販売・在庫数 詳細
石鹸タイプ
製造数合計
販売数合計
在庫数合計
石鹸(大)/100g
6,200
3,196
3,004
Virgin Coconut oil 石鹸/100g
1,200
1,200
0
石鹸(小)/25g
24,966
4,786
20,180
また、今年度FINIが主催・参加した会議、イベントは次のとおり。
FINI が主催・参加した会議、イベント 詳細
日付
5月15日
内容
場所
環境産業観光省の支援により、店舗の改築が決定。FINI が祝賀イ
FINI ショップ
FINI 主催 店舗改築祝賀会
ベントを実施した。
5月20日
商業産業環境省主催 東ティモール独立記念イベント
東ティモール独立記念イベントにFINIが出展。石鹸販売実施。
6月15日~
環境産業環境省主催文化フェスティバル
23日
文化フェスティバルに FINI が出展。石鹸を販売した
1 0 月 1 3
農業省主催 世界食べ物の日
日、14日
世界食べ物の日イベントに参加。石鹸を販売した。
37
参加人数
FINI6名
AFMET1名
ディリ
FINI2名
ディリ
FINI2名
ディリ農業省
FINI2名
成果
今年度、新たに香りのある葉を使用した石けんを開発する事ができた。
今年も多くのイベントに参加し、FINI 石けんを紹介する事ができた。
首都ディリでバージンココナッツオイル石けんが一定の評価を受けた。
課題
FINI の安定的活動継続のためにも、頻回に会議開催を行い支援継続の必要がある。
消費者が好む色・香りつきの石けんを開発し、更なる顧客を増やしたい。
石けんの普及、販売促進に向けた市場を確立する必要がある
石けん促進活動に消極的になる傾向が見受けられるため、FINI メンバーの意欲の向上に努めたい。
FINI ショップ外観
FINI ショップ内で作業するリーダーとメンバー
Ⅳ 地域医療行政との連携・協力事業
今年度も、保健、開発行政、他の NGO との連携のため各種会合に参加した。
・ICS ワーキンググループの実施 1 回 (6月26日開催、16名参加)
・他機関主催ワーキンググループ、ワークショップ、イベント、会議への参加 25回
・主な連携機関 保健省(環境衛生課、健康促進課)、農業省(国産物農業広報課)、司法省(市民登録
課)、商業環境産業省(住民グループ支援課)、県保健局(環境衛生課、健康促進課、栄養課)、県農業局
( 国 産 物 農 業 広 報 課 ) 、 県 環 境 局 ( 環 境 保 全 課 ) 、 県 水 道 局 ( 公 衆 衛 生 課 ) 、 NGO フ ォ ー ラ ム
(FONGTIL/DLO)、県庁、JICA(国際協力機構)、AHISAUN 障がい者協会、NGO(ワールドビジョンジャパ
ン、HIVOS、ManyHands、Mercy Corps、Fraterna、PROSPEK、Haburas Fundation、OPAC、パルシック、シ
ェア、ピースウィンズジャパン、TranSMS、AOHPF)
成果
・他機関との連携を深め、情報交換を行うことが出来た。
・NGO 同士の情報交換が頻回に行われるようになり、連携が深まった。
課題
・今後も視野を広げて多くの機関と協働していきたい。
Ⅴ 人材の育成・研修事業
1.AFMET スタッフ能力向上トレーニング
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AFMET スタッフの更なる能力向上のため、「日本カトリック海外宣教者を支援する会」からの助成を受け、
以下の内容でトレーニングを実施した。
実施期間:2014年11月10日~17日(8日間)
トレーニング参加者:
1. ジュベンシオ・ソアレス-現地代表、プロジェクトマネージャー
2. カルリト・ダ・コスタ-プログラム・コーディネーター
3. ジュリエッタ・デ・ジェズス-フィールド・スタッフ
4. ジュゼ・フレイタス-フィールド・スタッフ
5. アリノ・ゴンザガ-プログラム・マネージャー
トレーニング内容は以下の通り。
AFMET スタッフ能力向上トレーニング 詳細
日付
11月10日
内容
• トレーナーとトレーニング参加者の紹介
• 今回のトレーニングで学ぶトピックについての説明
• 財政マネジメントの計画案
- 運営会計について
- AFMET の現在ある資産とその金額の特定
- 現在の資金と運用方法について
- 管理すべき資金について
11月11日
• 会計管理の機能について
- 短期間実施する事業の会計管理方法
- 長期間実施する事業の会計管理方法
- 事業が無い場合の会計管理方法
- モラルについて
• 会計管理責任が必要である理由について
11月12日
• 団体/組織運営の方法
- 支援先の見つけ方
- 支援先との関係を強化する方法
- 支援先のタイプ
- 事業活動提案書の作成方法
11月13日
• 組織内の活動発展戦略の立て方
• AFMET 活動発展戦略の作成
11月14日
• 事業モニタリングと評価方法について
• 2014 年度 AFMET かまど事業 活動評価
11月15日
• 事業提案書作成方法-予算の立て方
- 支援先が求める、活動予算の作成方法
- 支援先ごとの予算の書き方
- 支援先との交渉に仕方について(どのように組織の名を宣伝するか)
- AFMET の強みと弱み
39
- これまでに提出した会計書類の評価(かまど事業を例に)
10月16日
• 事業計画の作成方法
• PDM(Project Design Matrix)の作成-バウカウ県ケリカイ準郡の水事業を例に
10月17日
• スタッフが作成した PDM の評価
• トレーニングのまとめ
• 質疑応答
2.他団体(NGO)との協働
AFMET の活動の充実に向け、他 NGO と積極的に協働した。
(1) 視察等の受け入れ
 AFMET 活動見学 保育士受け入れ
2014年6月12日~6月28日
 NGO 種とも AFMET 活動紹介
2014年9月9日
 “ものつくり”研究者 See-D ツアー AFMET 活動紹介
2014年9月19日
 BFTL 中口尚子さん AFMET 活動紹介
2014年9月19日
 AFMET 活動見学 食品管理者受け入れ
2014年12月8日
 AFMET OB 成田清恵さん AFMET 活動紹介
2015年1月14日
 FINI 活動見学 NGO TranSMS 受け入れ
2015年2月3日~5日
 JLMM OB 徳恵利子さん訪問 AFMET 活動紹介
2015年2月12日~14日
 大阪大学学生 AFMET 活動紹介と見学
2015年3月6日
(2) AFMET と協働している主な NGO、国際機関
NGO フォーラム(FONGTIL/DLO)、HIVOS(オランダ)、Fraterna(東ティモール)、PROSPEK(東ティモ
ール)、日本カトリック海外宣教者を支援する会(日本)、ピースウィンズジャパン(日本)、ワールドビジョンジ
ャパン(日本)
・国際機関
UNICEF
AusAID(オーストラリア)
・その他
アジア歯科保健推進基金(AOHPF)(日本)
ドンボスコフィロロ(東ティモール・サレジオ会)
ドンボスコケリカイ(東ティモール・サレジオ会)
40
イエズス会(東ティモール)
聖母訪問会メハラ修道院(日本)
(3) 政府関係機関
政府保健省(MoH)
政府農業省(MoA)
政府インフラ省水道課(SA)
政府商業産業環境省(MCI)
政府司法省(MJ)
ラウテン県県庁(Administrasaun)
ラウテン県保健局(DHS)
ラウテン県農業局(MAP)
ラウテン県水道局(SAS)
ラウテン県環境局(MA)
日本大使館
独立行政法人 国際協力機構(JICA)
(3)モンゴル
かつてモンゴルは国ではなく、それぞれの部族が遊牧生活を行っていた。12世紀末、チンギスハーンが
諸部族を統一し、現在のモンゴルの原型ができた。その後もハーンと呼ばれるモンゴルの王達が中国、イン
ドまでも統一し、「元」と呼ばれる広大な国を作り上げていった。この時代に日本にも2度襲撃をかけたが、2
度とも失敗に終わっている。その後その勢力は衰え領土は縮小し、現在の外モンゴル、内モンゴルに分か
れ、内モンゴルは中国の支配下に入り外モンゴルは中国の支配から逃れるためにソ連の社会主義と手を結
んだ。しかし実際はソ連の支配下に入る形となり、人々は苦しい生活を強いられた。スターリンの後押しを受
けたチョイバルサン政権時代に宗教活動は徹底的な弾圧をうけ、2万人以上の仏教僧とボー(シャーマン 9)
たちが「粛正」されたという。1992年、ソ連崩壊と同時に社会主義から資本主義に変わり、現在に至る。
ソ連時代により良い生活を求め、遊牧民が都市部に集中するようになっていった。社会主義から資本主
義に経済形態が変わったことで貧富の差がさらに拡大し、都心部での生活困窮者が増えることになった。
都心部は新しい高級マンションやショッピングセンターが次々と建てられ、道を整備し、マナーの向上に繋
がる法律を作るなど急激な都市化がすすめられているが、貧困層の人々の生活は苦しくなっていくばかり
である。現在も貧困層の人々は主に冬に仕事がなく、苦しい生活を余儀なくされている。冬の仕事は石炭
掘りなどの危険な仕事が多く命の保証はされない。極寒の中での路上生活者、遊牧民の減少、寒波による
家畜の大量死、貧富の差による子ども達の学校でのいじめなど、課題が多くある。
また、共産主義崩壊後宗教は活気を取り戻し、壊されたチベット仏教の寺院の復興やシャーマニズム
10
への関心の高まりが見られる。その他の宗教に関しても自由な思想が許され、外国から多くの宗教が入って
きている。
モンゴルは JLMM の新たな派遣先として淳心会の紹介により2010年度から事務局が準備を進め、現地
9
10
超自然的存在と直接接触・交流・交信する役割を主に担う役職。呪術者。
シャーマンの能力により成立している宗教や宗教現象の総称
41
での調整を行った。
2011年1月、JLMM から初の派遣者として町田春海(東京教区)、松本里沙(長崎教区)を派遣した。町
田はアルバイヘール、松本はウランバートル市でそれぞれ主に幼児教育に従事した。
2014年4月からは町田、松本ともに首都ウランバートルのヴェルビスト・ケアセンターにおいて活動した。
2014年10月を以って松本、2014年12月を以って町田がそれぞれ任期を終え帰国した。
Ⅰ ヴェルビスト・ケアセンターでの活動(ウランバートル)
1.概況
カトリック修道会である淳心会が経営する児童養護施設に通い、幼少児の世話、遊びの提供、体調や衛
生管理のサポートを主に行っていた。2014年9月より、幼少児の部屋がなくなったことに伴い学童の教育、
道徳に関わる活動に変更となった。この施設では経済的な理由や家庭の事情により、親元での生活が難し
い子ども達をあずかっており、2014年12月現在37人の子ども達が生活している。
2014年6月までは昨年度に引き続き、幼少児の世話に加え、学童への習い事教室(パソコン、歌、ギタ
ー、工作、ピアノ)などの支援を町田、松本2人で担当し、子どもたちの長期夏季休暇に伴い、7月、8月は
郊外の夏の家での生活支援を行った。9月以降は学童を対象とした学習支援が中心になり、その他、ピアノ、
歌、リコーダー、工作の習い事教室を行った。
月4回の職員会議に参加した。
2.活動
1) 幼児の部屋での関わり(2014年6月まで)
1歳から6歳の幼児が幼児組の部屋におり、その世話係として2名の10代の女児が一緒に生活してい
た。
平日、ほとんどの幼児が幼稚園に通っており日中はセンターにいないため、夕方幼児を迎えに行き、夕
食、就寝までサポート。翌朝登園準備、幼稚園に送り届けるところまで補助を行い、日中休憩するという形
で支援を行った。
また、休日は食事、昼寝など幼児のスケジュールに沿って共に生活し、余暇時間は遊びや、勉強の時間
を提供した。
成果
子ども達が睡眠、おやつ、遊び、入浴等の時間割をはっきりさせ、遊べる環境を確保することで、時間割
に沿って遊びも勉強も、いきいきとできるようになり、生活習慣を身につけた。
課題
幼児が学童女児の部屋に振り分けられ、生活のリズムが変わったため、幼児が規則正しい生活を継続で
きるように、学童女児をサポートする体制が求められる。
2) 夏季長期休暇中の生活支援
子どもたちのスケジュールや訪問者の予定に合わせて子どもたちと寝食を共に生活を送り、レクリエーシ
ョンや生活の支援、海外からの訪問者の通訳等、随時活動を行った。
成果
42
寝食を共にし、普段より子どもたちに寄り添った生活を送ることにより、互いの信頼関係をより深めることが
できた。
幼児の衛生管理に留意したことにより、衛生状態を良好に保つことができた。
課題
特になし
3) 学習支援(2014年9月~12月まで)
センターでは、就学児童の学力、マナーやモラルの低下が懸念されており、9月より心理カウンセラーの
職員が新たに雇用され、児童への道徳教育を含めた学習支援が行われている。それに伴い、派遣者も新
しい職員の補助として学習支援を行っていた。
成果
答えを教えるだけではなく、学童自身が自分で考えるように促すことで、自ら答えを導き出す意識を育て
ることができた。
課題
特に低学年の児童は常時職員のサポートが必要な状態にあるため、自主的に意識して自分のやるべき
ことを考えていけるような支援の継続が必要である。
4) 習い事(パソコン、歌、ギター、工作、ピアノ、リコーダー)
パソコン教室とギターレッスンは前年に引き続き町田が担当し、2014年6月まで実施した。9月以降は、
歌と工作を町田、ピアノとリコーダーを松本が担当した。
成果
余暇時間を使って、興味のあることを学ぶことができ、マンネリ化していた児童の生活が活気づいた。
課題
習い事を始めて1カ月ほどでやめたいと言い出すなど参加を面倒くさがる姿も見られ、一度始めたことを
続けることができるよう支援する必要を感じる。
5) 幼児、低学年児童対象のプレイルーム解放
幼児の部屋の閉鎖に伴い、空いた部屋を遊び場として整え、スケジュールを組み子どもたちが遊べるよう
に解放した。
成果
年長の児童の目のない場所でのびのびと遊ぶことができ、気分転換できていた。
課題
派遣者の活動終了に伴い、職員不足から継続は困難と思われる。継続のためには新たな人材が必要で
あろう。
43
ヴェルビスト・ケアセンターでの幼児教育
ウランバートル知牧区ウェンス司教と派遣者
3. 調査・調整活動
(1)カンボジア
JLMM カンボジアを訪ねステンミエンチャイ地区での活動、コンポンルアンでの活動、シェムリアップで
活動の視察、調整をスタディーツアー等も兼ねて行った。
2014年12月 8日~12月15日
辻明美
現地活動支援
2014年 7月15日~ 7月23日
漆原比呂志、辻明美
スタディーツアー
2014年 8月20日~ 8月27日
漆原比呂志
スタディーツアー
2015年 2月15日~ 2月28日
漆原比呂志、辻明美
スタディーツアー
2015年 3月21日~ 3月25日
辻明美
味の素事業活動評価
(2)モンゴル
派遣先との調整、活動の調整などを行った。
2014年10月27日~10月31日
漆原比呂志
派遣終了に伴うまとめと手続き
4. 研修
2014年度は派遣候補者が3名に達しなかったため、研修を実施しなかった。
2015年度の研修準備のため、2015年1月14日、2月4日、3月18日に研修スタッフミーティングを開催
した。また3月4日には講師打ち合わせを行った。
5. 派遣
2014年度派遣は実施されなかった。
44
6. 派遣候補者の募集と選考
2015年度派遣に向けた派遣候補者の募集を2014年8月1日より開始した。
また、昨年度に引き続き応募者増と当会の活動の周知を行うため、派遣候補者募集説明会を実施した。
JLMM の活動紹介並びに派遣候補者募集に関する説明や相談を行った。
派遣候補者募集説明会(JLMM 活動報告会と併催)
1)大阪会場
日時:2014年9月12日(金)19時から
会場:サクラ・ファミリア
(大阪府大阪市北区豊崎)
参加:23名
2)東京会場
日時:2014年9月23日(火・秋分の日)14時から
会場:フランシスコ会聖ヨゼフ修道院1階ホール (東京都港区六本木)
参加:6名
募集説明会と併催した浅野美幸活動報告
また、派遣候補者には2名の応募があり、2013年11月29日(土)に派遣候補者選考試験を実施。英
語面接は別途11月22日及び12月6日に実施し、結果2名が合格した。
選考委員は次のとおり。
小林誠代表理事、浜崎眞実理事、Sr.エリザベス・カトウ(研修担当)、高橋睦子理事、漆原比呂志事務
局長、辻明美。
7. 団体連携・協力
(1)東ティモール医療友の会(AFMET)の運営協力
特定非営利活動法人東ティモール医療友の会理事会(AFMET)に事務局職員金山重之と漆原比呂志
を派遣。AFMET の運営に協力した。
AFMET 理事会 (作業部会含む)
2014年4月30日、5月26日、7月11日、8月18日、9月10日、
10月15日、11月4日、11月7日、11月11日、11月17日、
11月25日、11月27日、2015年1月13日、3月24日
AFMET 総会
2014年5月31日
45
(2)カトリック東京ボランティアセンター(CTVC)の運営協力
2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災地支援に向け、2011年4月24日に開設されたカトリ
ック東京ボランティアセンター(CTVC)の活動を支援した。
(3)カリタスジャパンの運営協力
カリタスジャパン委員、援助部会に事務局職員辻明美を派遣。カリタスジャパンの運営に協力した。
カリタスジャパン委員会/援助部会
2014年 4月14日、5月28日、6月30日、7月29日、
8月1日、9月16日、10月7日、11月5日、12月1日
(4)横浜雙葉高等学校総合学習への協力
高校2年生事務局訪問
2014年7月31日
グローバルフェスタ JAPAN2014ブース手伝い
2014年10月4日、5日
8. ゴスペル
派遣地での派遣者と現地の方々との「つながり」と同様、日本国内においても「つながり」をもち、連帯して
いくことを目指し、2007年度創立25周年記念式典に向け結成したゴスペルクワイアを再結成。継続して活
動を行った。
指導に布施多真美さんを迎え、月2~3回程度の練習を通じ、自分達らしいゴスペルクワイアを目指し
た。
練習会場:六本木フランシスカン・チャペルセンター聖堂ほか
練習日: 2014年 5/8、5/22、6/5、6/19、7/15、7/17、7/31、8/14、8/21、8/28、9/4、
9/18、9/25、11/6、11/20、11/22、12/2、12/4
2015年 1/22、2/5、2/19、3/5、3/19
コンサート
JLMM GOSPEL CHOIR チャリティ ゴスペルコンサート
結成5周年記念コンサートを開催した。
開催日時:2014年12月6日(土) 午後2時開演
会場:フランシスカン・チャペルセンター (東京都港区六本木)
イベント参加
カリタスジャパン反貧困キャンペーンアクションデー
カリタスパナマ制作の「Food for All」キャンペーンソングの日本語版を演奏した。
2014年10月13日(月・体育の日)
会場:東京カテドラル関口教会
46
ゴスペルコンサート
反貧困キャンペーンアクションデー
9. 海外ボランティア制度
キリスト教信徒ではない、もしくは短い期間でも派遣を希望する方に向け、2012年度から新たな試みとし
て、フェローズ制度を設置し試行的に実施した。
2013年度からは名称を「海外ボランティア制度」に改め参加者を募集したが、希望者がなかったため実
施しなかった。
10. 広報
(1)ミッション(ニュースレター)発行 他
ミッション№159~164 計6号を以下のとおり発行した。
No.160からは全ページフルカラー印刷となり、紙面が大変読みやすくなった。
№
発行日
部数
内容
・モンゴルからの手紙(松本里沙)
・カンボジアからの手紙(井手司)
№159
2014年5月15日
3,000 部
・東ティモールからの手紙(深堀夢衣)
・夏のカンボジア・スタディーツアー参加者募集中!
・2013年度 活動報告
・2014年度 新代表理事ご挨拶と理事紹介
・カンボジアからの手紙(篠田正司)
№160
2014年8月10日
3,000 部
・amazon でお買い物して JLMM 支援!
・2015年度派遣候補者募集説明会のご案内
・平和祈念募金ご協力のお願い
・カンボジアからの手紙(浅野美幸)
・モンゴルからの手紙(町田春海)
№161
2014年10月20日
3,000 部
・カンボジアからの手紙(細川昭雄)
・2015年度派遣候補者募集説明会開催のご報告
・2015年度派遣候補者募集中!
47
・カンボジアからの手紙(井手司)
・カンボジアからの手紙(浅野美幸)
№162
2014年12月15日
3,000 部
・amazon でお買い物して JLMM 支援!
・クリスマス緊急支援のお願い
・派遣を終えて~モンゴル(松本里沙)
・カンボジアからの手紙(細川昭雄)
№163
2015年2月10日
3,000 部
・JLMM ゴスペルクワイア結成5周年コンサート開催
・派遣を終えて~カンボジア(石田咲子)
・活動資金支援のお願い
・派遣を終えて(町田春海)
・書き損じはがきをお送りください
№164
2015年3月31日
3,000 部
・amazon でお買い物して JLMM 支援!
・カンボジアからの手紙(井手司)
・東ティモールからの手紙(深堀夢衣)
(2)広告掲載等
カトリック新聞におおむね月2年20回広告を掲載した。
2014年
4月20日
2段5cm
イースター募金にご協力ください
5月18日
2段5cm
JLMM カンボジア・スタディーツアー
6月01日
2段5cm
JLMM カンボジア・スタディーツアー
6月15日
2段5cm
JLMM カンボジア・スタディーツアー
7月20日
2段5cm
JLMM カンボジア・スタディーツアー
8月24日
2段5cm
ともに生きる人 募集中!
8月31日
2段5cm
ともに生きる人 募集中!
9月14日
2段5cm
ともに生きる人 募集中!
9月21日
2段5cm
ともに生きる人 募集中!
9月28日
3段1/2
ともに生きる人 募集中!(世界難民の日))
10月12日
3段1/2
ともに生きる人 募集中!
10月19日
2段5cm
ともに生きる人 募集中!
11月16日
2段5cm
クリスマス募金
11月23日
2段5cm
クリスマス募金
12月07日
2段5cm
クリスマス募金
12月14日
2段5cm
クリスマス募金
1月18日
2段5cm
JLMM の活動にご支援ください
2月15日
2段5cm
JLMM の活動にご支援ください
3月15日
2段5cm
JLMM の活動にご支援ください
3月22日
2段5cm
イースター募金にご協力ください
2015年
48
(3)チラシ配布
1)広報チラシ作成配布
JLMM の広報、会員募集、募金を目的として郵便振替用紙付きカラー版チラシを作成し国内の教会へ配
布した。
平和祈念募金
「共に生きる人募集中!」
20,000部作成(2014年5月)
クリスマス募金
「クリスマス募金にご協力ください」
20,000部作成(2014年10月)
イースター募金 「その瞳の向こうに希望がある」
平和祈念
20,000部作成(2015年3月)
クリスマス
イースター
2)広報用リーフレット作成配布
JLMM 活動紹介リーフレット(カラー、A4版三つ折)を作製頒布した。
作製部数
800部
2014年 6月 6日
300部
2015年 1月16日
(4)新聞・雑誌記事掲載
きずな(日本カトリック海外宣教者を支援する会発行)
№127(2014年6月1日)
巻頭言 イエスの招き(小林誠代表理事)
№129(2014年12月1日)
巻頭言 モンゴルのなんでもシェア文化(松本里沙)
内戦後の水上村のこと(石田咲子)
№130(2015年3月1日)
ジュスティーノさんの帰天(深堀夢衣)
医学生による医療支援(井手司)
ザ・メッセージ 海外短信(JLMM カンボジア)
11. 報告会・説明会・講演
活動報告会を次のとおり行った。(一部再掲)
活動報告会(全体)
49
2014年 6月22日(日)
カトリック新潟教会 活動紹介
漆原比呂志
2014年10月 1日(水)
星美女子大学
浅野美幸
2014年10月 5日(日)
横浜教区菊名教会
浅野美幸
2014年10月 8日(水)
NPO 法人「芝の会」
浅野美幸
2014年12月16日(火)
聖霊会本部(名古屋)
石田咲子
2015年 1月25日(日)
横浜教区藤沢教会
石田咲子
2015年 1月24日(土)
バッタンバン友の会(東京・麹町教会) 石田咲子
2015年 3月 1日(日)
成城教会 ツアーオリエンテーション
石田咲子/漆原比呂志
東京教区立川教会
町田春海
2014 年 9月12日(金)
サクラ・ファミリア (大阪)
漆原比呂志/辻明美
2013年 9月23日(秋分の日)
フランシスコ会聖ヨゼフ修道院(東京) 事務局
カンボジア報告会
モンゴル報告会
2015年 1月25日(日)
派遣募集説明会(再掲)
講演その他
2014年4月28日(月)
第2回召命担当者の集い(カトリック召命チーム主催) 漆原比呂志
2014年6月11日(水)
芝浦工業大学生命倫理授業
2014年9月26日(金)
神奈川県立二俣川看護福祉高等学校 創立50周年 漆原比呂志
漆原比呂志
12. 主催イベント
カンボジアデー2014
カンボジア・スタディーツアー参加者の同窓会を兼ねた「CAMBODIA DAY」を昨年に引き続き企画、開
催した。
当日は、Skype 11中継によりカンボジア水上村のコンポンルアンと六本木をつなぎ、派遣者の井手司と参
加者がクイズや歌などを通して交流した。また小グループにわかれてカンボジアでの体験や現在の思いに
ついて分かち合った。
第6回カンボジアデー
開催日時:2014年11月15 日(土) 午後2時
会場:フランシスカン・チャペルセンター 地下ホール (港区六本木)
参加:25名
11
スカイプ。インターネットを利用した電話(映像・音声)サービス。
50
第6回カンボジアデー Skype による現地をつなぎ生中継
チャリティ・コンサート(再掲)
JLMM ゴスペルグループによるチャリティ・コンサートを実施、支援者のみならず幅広い層の参加を得る
ことができた。また、カンボジア・プノンペン市における「ハッピーアイス・トラックプロジェクト」について報告し
た。
JLMM GOSPEL CHOIR チャリティ ゴスペルコンサート
開催日時:2014年12月6日(土) 午後2時開演
会場:フランシスカン・チャペルセンター (東京都港区六本木)
出演:JLMM Gospel Choir、佐藤五魚(key)、松本直樹(ds)、高倉利昭 KOB(vo)
参加:50名
13. バザー・イベント等への参加・企画協力
2014年10月26日(日)
東京教区三軒茶屋教会バザー出展
2014年10月4日(土)、5日(日)
グローバルフェスタ JAPAN2014(日比谷公園)出展
2014年10月13日(月・体育の日)
カリタスジャパン反貧困キャンペーンアクションデー出展
2014年10月14日(火)
Ready For Of The Year 出席
2014年12月14日(日)
Bit主催 チャリティ・コンサート(横浜教区由比ヶ浜教会)
14. ファンドレイジング
味の素株式会社「食と健康」プロジェクト
JLMM カンボジアと事務局のプロジェクト担当者による実施プロジェクト報告
2014年9月30日
味の素AIN15周年イベント出席
2014年11月15日
カンボジア申請案件説明
2015年1月23日
教会への支援依頼
運営費の財政難を改善するため顧問司教、理事、事務局スタッフで検討し、小教区・修道会へ顧問司教
名義で支援依頼を行った。2014年11月に296か所の教会と修道会本部に送付した。
51
アマゾン・アフィリエイト
JLMMのホームページにリンクされている「amazon 12」から買い物することで紹介料がJLMMに支払われる
システムを導入。ニュースレター「ミッション」や報告会などで広く呼びかけた。
15. スタディーツアー
応募型スタディーツアーと諸団体からの依頼、会員や一般参加者に向けスタディーツアーの企画を行っ
た。
カンボジア 巡礼の旅
2014年7月15日(火)~23日(水)
行程:プノンペン→コンポンルアン→バッタンバン→シェムリアップ
参加者8名
2014年夏のカンボジア・スタディーツアー
2014年8月20日(水)~27日(水)
参加者4名
行程:プノンペン→コンポンルアン→バッタンバン→タオム→シェムリアップ
専修大学国際協力サークル SIA ベトナム/カンボジア スタディーツアー
2015年2月15日(日)~2月28日(土)
参加者11名
行程:ホーチミン市(ベトナム)→プノンペン→コンポンルアン→シェムリアップ
カンボジア 巡礼の旅
SIA ベトナム/カンボジア スタディーツアー
16. 会議
(1)総会
12
アマゾン。インターネットによる販売サイト
52
開催回
開催日
会場
議
題
フランシスコ会
2014年
定時
・2013年度事業報告(案)及び収支決算(案)について
聖ヨゼフ修道院
5月30日
・2014年度事業計画(案)並びに収支予算(案)について
2階会議室
(2)理事会
開催回
開催日
会場
議
題
・代表理事の選出
フランシスコ会
・各国・国内活動状況について
聖ヨゼフ修道院
・2013年度第4回運営委員会議事録確認と署名
2階会議室
・総会付議事項について
2014年
第1回
5月30日
2013年度事業報告(案)及び収支決算(案)について
・各国・国内活動状況について
・2014年度第1回理事会議事録確認と署名
フランシスコ会
・任期延長について(深堀夢衣)
聖ヨゼフ修道院
・任期短縮申請について(町田春海)
2階会議室
・財政状況と資金確保について
2014年
第2回
10月17日
・2015年度派遣候補者募集について
・その他(第6回カンボジアデー開催について)
・各国・国内活動状況について
・緊急支援進捗状況について
フランシスコ会
2013年
第3回
・第3回議事録の確認
聖ヨゼフ修道院
12月1日
・来年度研修と派遣候補者について
2階会議室
・JANIC アカウンタビリティチェック2012について
・公開講座について
・各国・国内活動状況について
・2015年度研修について
フランシスコ会
・第3回議事録確認
聖ヨゼフ修道院
・任期延長について(浅野美幸)
2階会議室
・理事の選任について
2014年
第4回
3月20日
・2015年度事業計画(案)及び収支予算(案)ついて
・2015年度総会について
17. 理事・顧問司教
1998年以来当会の顧問司教として指導してくださった池長潤大阪大司教の司教定年に伴い、新たな顧
問司教として諏訪榮治郎高松教区司教が就任し、2013年度にカトリック司教協議会より承認を得た。顧問
司教面談は2014年10月1日に行った。
53
2014年4月7日に開催された2013年度第4回理事会において新代表理事が選任された。
役員構成は以下のとおりである。
理事の任期は2014年5月30日から2014年度最終総会まで、監事の任期は2012年3月21日から201
4年度最終総会までとなる。
役 職
氏 名
所 属 等
1
代表理事
小林 誠
2
理事
浜崎 眞実
3
理事
實藤 恵利子
4
理事
松村 繁彦
大阪教区香里教会主任司祭
5
理事
高橋 睦子
幼きイエス会
6
理事
瀬戸 高志
レデンプトール会日本準管区長
7
理事
品田 典子
日本カトリック学校連合会 主幹
8
理事
渡邉 怜子
日本カトリック信徒宣教者会・OG
9
理事
漆原 比呂志
1
監事
徳 修
2
監事
眞鍋 まり
法務省多摩少年院(医師)
カトリック相模原教会主任司祭
備考
前副代表理事
指導司祭
ケア・インターナショナル / JLMM・OG
JLMM 事務局 / OB
研修担当者
事務局長
税理士/心のともしび責任役員
芝浦工業大学准教授(法学、生命倫理)
18.加盟団体等
2015年3月31日現在、当会が所属する団体等は次のとおりである。
日本カトリック司教協議会 公認団体 (2002年5月9日加盟)
特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)正会員 (2009年10月23日承認)
アジア司教協議会連盟福音宣教局 アジア信徒宣教団体会議 (2010年1月24日参加)
2015年3月31日現在、当会が派遣する外部委員は次のとおりである。
カリタスジャパン カリタスジャパン委員会委員・カリタスジャパン援助部会委員 (2010年9月より)
19. その他
・OBOG 会が開催された。(第4回:2014年5月11日、第5回:2015年3月21日)
・アジア青少年養成プログラム(仮称)の打ち合わせに参加した。(2014年6月4日)
・2013年度研修を修了した弓野綾の JOCS(日本キリスト教海外医療協力会)派遣式に JLMM 理事とスタ
ッフが参加した。(2015年3月29日、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団溝の口キリスト教会)
54
貸 借 対 照 表
一般社団法人 日本カトリック信徒宣教者会
2015年3月31日現在
科 目
当年度
前年度
(単位:円)
増減
Ⅰ 資産の部
1流動資産
預金
4,725,685
3,352,799
1,372,886
5,999
4,938
1,061
4,731,684
3,357,737
1,373,947
116,767
196,270
△ 79,503
電話加入権
74,984
74,984
0
固定資産合計
191,751
271,254
△ 79,503
4,923,435
3,628,991
1,294,444
34,714
△ 34,714
281,147
195,975
85,172
流動負債合計
281,147
230,689
50,458
負債合計
281,147
230,689
50,458
正味財産合計
4,642,288
3,398,302
1,243,986
負債及び正味財産合計
4,923,435
3,628,991
1,294,444
前払費用
流動資産合計
2固定資産
什器備品
資産合計
Ⅱ 負債の部
1 流動負債
未払金
預り金
Ⅲ 正味財産の部
-55-
正味財産増減計算書
一般社団法人
日本カトリック信徒宣教者会
2014年4月1日から2015年3月31日まで
科 目
1経常増減の部
(1)経常収益
受取会費
受取寄付金
受取助成金等
受取利息
経常収益計
(2)経常費用
事業費
研修費
派遣活動費
調査研究費
広報活動費
行事費
事業費計
管理費
人件費
事務管理費
減価償却費
管理費計
経常費用計
当期経常増減額
経常外増減の部
(1)経常外収益
経常外収益計
(2)経常外費用
固定資産除却損
経常外費用計
当期経常外増減額
当期正味財産増減額
正味財産期首残高
正味財産期末残高
当年度
(単位:円)
増減
前年度
1,769,000
19,832,452
6,829,500
738
28,431,690
1,627,000
16,949,255
8,143,427
857
26,720,539
142,000
2,883,197
△ 1,313,927
△ 119
1,711,151
297,051
12,939,152
4,200,670
3,042,230
244,942
20,724,045
2,477,132
11,935,123
4,389,288
3,445,993
656,677
22,904,213
△ 2,180,081
1,004,029
△ 188,618
△ 403,763
△ 411,735
△ 2,180,168
4,701,545
1,682,611
62,643
6,446,799
27,170,844
1,260,846
4,838,281
1,561,136
93,174
6,399,417
29,303,630
△ 2,583,091
△ 136,736
121,475
47,382
△ 2,132,786
3,843,937
0
0
0
0
16,860
16,860
△ 16,860
1,243,986
3,398,302
4,642,288
0
0
0
△ 2,583,091
6,074,567
3,398,302
2
-56-
16,860
16,860
△ 16,860
計算書類に対する注記
1重要な会計方針
(1)固定資産の減価償却について
有形固定資産の減価償却は定額法を採用している。
(2)資金の範囲について
資金の範囲には、現金預金、未収金・未払金、前払金・前受金、立替金・預り金及び
前払費用を含めることにしている。なお、当期末残高は2に記載のとおりである。
2次期繰越収支差額の内容は、次のとおりである。
科 目
預 金
前払費用
合計
未払金
預り金
合計
次期繰越収支差額
前期末残高
4,725,685
5,999
4,731,684
0
281,147
281,147
4,450,537
当期末残高
3,352,799
4,938
3,357,737
34,714
195,975
230,689
3,127,048
3有形固定資産の取得価額、当期償却額及び当期末残高は、次のとおりである。
科目
什器備品
合計
取得価格
減価償却累計額
358,500
241,733
358,500
241,733
当期末残高
116,767
116,767
パソコン1台(取得価格 199,438円 残高 16,860円)を2014年5月に除却した。
-57-
財 産 目 録
2015年3月31日現在
一般社団法人日本カトリック信徒宣教者会
(単位:円)
貸借対照表科目
場所・物量等
使用目的等
金額
(流動資産)
預 金
普通預金
三菱東京UFJ銀行六本木支店
運転資金として
212,319
三菱東京UFJ銀行六本木支店
寄付金等受け入れとして
1,158,348
郵便振替
寄付金等受け入れとして
1,354,151
定期預金
三菱東京UFJ銀行六本木支店
前払費用
2,000,867
労働保険料
流動資産合計
5,999
4,731,684
(固定資産)
什器備品
パソコン2台
事務局にて使用
電話加入権 事務局FAX 03-5414-0991
116,767
74,984
固定資産合計
191,751
資産合計
4,923,435
(流動負債)
預り金
社会保険料
177,151
スタディーツアー
103,996
流動負債合計
281,147
負債合計
281,147
正味財産
4,642,288
-58-
収支計算書
一般社団法人 日本カトリック信徒宣教者会
自2014年4月1日 至2015年3月31日
収入の部
科 目 名
受取会費
受取寄付金
受取助成金等
受取受取利息
雑収入
当年度収入合計(A)
収入合計 (B)
収
入
の
部
(単位:円)
14年度予算A 14年度決算B
増減額B-A 増減率B/A
備 考
2,000,000
1,769,000
△ 231,000
88.5%
21,200,000
19,832,452 △ 1,367,548
93.5%
6,929,000
6,829,500
△ 99,500
98.6% 芝の会,味の素
1,000
738
△ 262
73.8%
10,000
0
△ 10,000
0.0%
30,140,000
28,431,690 △ 1,708,310
94.3%
30,140,000
28,431,690 △ 1,708,310
94.3%
支出の部
支
運
出
営
の
費
部
活
動
費
科 目 名
1. 人件費
(D)
給料手当
人
通勤手当
件
退職金
費
法定福利費
福利厚生費
2. 事務運営費 (E)
会議会場費
会議食事代
会議旅費交通費
電話料
事
郵便切手送料
務
印刷コピー代
管
備品費
理
旅費交通費
費
消耗品費
リース料
支払手数料
諸会費
水道光熱費
租税公課
慶弔費
運営費支出合計 (F)=(D)+(E)
研修費
派遣活動費
調査研究費
広報活動費
行事費
活動費支出合計 (G)
経常費用計 (H)=(F)+(G)
その他の繰入金支出
財務支出合計 (I)
当年度支出合計 (J)=(H)+(I)
当期収支差額 (K)=(A)-(J)
前年度繰越金 (L)
次期繰越収支差額 (M)=(K)+(L)
14年度予算A 14年度決算B
増減額B-A 増減率B/A
備 考
5,153,000
4,701,545
△ 451,455
91.2%
4,150,000
3,750,000
△ 400,000
90.4% 1名分
302,000
301,280
△ 720
99.8%
0
0
0
694,000
643,227
△ 50,773
92.7%
7,000
7,038
38
100.5% 健康診断
1,753,000
1,682,611
△ 70,389
96.0%
15,000
0
△ 15,000
0.0%
5,000
2,348
△ 2,652
47.0%
80,000
0
△ 80,000
0.0%
200,000
222,055
22,055
111.0%
80,000
142,178
62,178
177.7%
120,000
28,077
△ 91,923
23.4%
0
0
0
30,000
35,521
5,521
118.4%
50,000
57,403
7,403
114.8%
843,000
848,772
5,772
100.7%
120,000
137,414
17,414
114.5% 振替手数料他
40,000
40,000
0
100.0% 司教協議会公認団体,JANIC
80,000
81,703
1,703
102.1%
70,000
81,200
11,200
116.0% 法人都民税他
20,000
5,940
△ 14,060
29.7%
6,906,000
6,384,156
△ 521,844
92.4%
350,000
297,051
△ 52,949
84.9%
13,413,000
12,939,152
△ 473,848
96.5% 職員1名分含む
4,990,000
4,200,670
△ 789,330
84.2% 職員1名分含む
3,630,000
3,042,230
△ 587,770
83.8%
185,000
244,942
59,942
132.4% 報告会等
22,568,000
20,724,045 △ 1,843,955
91.8%
29,474,000
27,108,201 △ 2,365,799
92.0%
0
0
0
0
0
29,474,000
27,108,201 △ 2,365,799
92.0%
666,000
1,323,489
657,489
198.7%
3,000,000
3,127,048
3,666,000
4,450,537
657,489
121.4%
-59-