15 Nov. 2010 Vol.148/10 世界最強の GT カー、911 GT3 RSR ポルシェ インテリジェントパフォーマンス ポルシェ AG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のポルシ ェ 911 GT3 RSR が再び世界最強の GT レースカーとなりました。GT2 カテゴリーのレギュレー ションに準拠し、ポルシェ インテリジェントパフォーマンスの理念に基づき開発された最速 のコンペティション仕様の 911 は、世界中のサーキットで優れたラップタイムと高い信頼性、 そしてきわめて低い燃費を記録して 2010 年も着実にその足跡を残しました。最高出力 450 PS を発生する 4 リッター水平対向 6 気筒エンジンを搭載した 911 GT3 RSR は、2010 年ル・マン 24 時間レースの GT2 カテゴリーで優勝したほか、ル・マン・シリーズおよびアメリカン・ル・ マン・シリーズでチャンピオンシップタイトルを獲得、ドバイおよびスパ・フランコルシャの 24 時間レースでも総合優勝を飾りました。これらはフェラーリ、BMW およびアストンマーチ ンという強豪を抑えての勝利です。 公道仕様の 911 GT3 RS をベースに開発されたポルシェ 911 GT3 RSR は、レースでの勝利以外 でも感動をもたらしています。アメリカン・ル・マン・シリーズでは、ラップタイムと燃費の 比率で求められる総合効率でも最高の GT カーであることが証明されました。これにより、環 境クラス「ミシュラングリーン X チャレンジ」でも 2 年連続となる総合優勝を果たしたので す。また、ル・マン 24 時間レースの「ミシュラングリーン X チャレンジ」でも優勝していま す。「レーシングカーの効率に重点を置くのは正しいメッセージを発信することになると思い ます」と、ポルシェのモータースポーツ部門のトップであるハルトムート・クリステンは話し ています。 「私達も非常に力を入れているグリーン X チャレンジで勝利したことで、ポルシェ 911 はただ速いだけでなく、高い効率性をもつことも証明されました」。 現行のポルシェ 911 GT3 RSR(タイプ 997)は 2007 年から世界中のカスタマーに供給されて います。この 911 のトップレーシングモデルには年々改良が加えられてきました。2009 年モ デルではリアに搭載された水平対向 6 気筒エンジンの排気量が 3.8 リッターから 4.0 リッター に拡大され、より低回転域から最適なトルク特性を発揮するとともに、ドライバビリティも向 上しています。デビューから 4 年目を迎えた現在でも、最強の GT カーであり続ける 911 GT3 RSR の最大の特長は、デザインの見直しが行われ大型化されたエアインテークを備えたフロン トセクションです。最初に目を引くのは、フロントフードに設けられたルーバーと呼ばれるエ アアウトレットで、ラジエーターのエアダクトが大幅に見直されたことを示します。これはオ プションのエアコンを取り付けるために外気の取り入れおよび排出を見直す必要があったた めです。リア下回りのエアロダイナミクスもさらに最適化が図られたほか、リアウイングの調 整範囲も大きくなっています。2008 年モデルと比較して、ブレーキシステムが車両重量に対 して最適化されたこと、およびワイヤハーネスが軽量化されたことにより、さらにドライビン グダイナミクスが高まっています。 911 GT3 RSR のギアボックスには、大きな成功を収めたスポーツプロトタイプである RS スパ イダーからのノウハウがフィードバックされています。ポルシェのエンジニアが開発した 6 速シーケンシャルギアボックスは先代に搭載されたユニットより大幅に軽量で、内部フリクシ ョンも極小になっています。また、ドライブシャフトに対してよりフラットになっているため、 サスペンションのセッティングにも自由度が増しています。 今日の成功への道筋は、レース仕様のポルシェ 911(タイプ 996)ですでに付けられていまし た。ル・マン 24 時間の GT クラス参戦用に製造された 911 GT3 R は 1999 年のアメリカン・ ル・マン・シリーズの GT クラスで事実上すべての勝利を独占しました。2001 年には改良さ れた 911 GT3 RS バージョンがレースに参戦、この車両は参戦したクラスでの成功を収めただ けでなく、2003 年にはデイトナ 24 時間レースでポルシェのワークスドライバー、イェルク・ ベルクマイスターとティモ・ベルンハルトのドイツ人ドライバーペアとチームオーナーのケビ ン・バックラーがパワーで大きく勝るプロトタイプを抑えて栄誉ある総合優勝も果たしていま す。また同年、ポルシェのワークスドライバーであるマルク・リーブ(ドイツ)がロマン・デ ュマ(フランス)とステファン・オルテリ(モナコ)とともにスパ 24 時間レースで、大きな パワー差のある GT1 クラスの全車を抑えて優勝しています。 2004 年シーズンには、後継モデルの 911 GT3 RSR(996)がデビューしました。3.6 リッター 水平対向 6 気筒エンジンの最高出力は 455 PS(335 kW)/8,500 rpm、最大トルクは 410 Nm /7,200 rpm にそれぞれ高められました。このモデルは、アメリカン・ル・マン・シリーズ(GT クラス)、ル・マン耐久シリーズ(GT)、FIA GT 選手権(N-GT)、ル・マン 24 時間およびスパ 24 時間のクラス優勝、プチ・ル・マンと、デビューシーズンを数々の勝利で飾りました。 「毎年 911 GT3 RSR が積み重ねてきた功績には感動すら覚えます。ラップタイムだけを見て も驚かざるを得ません。レギュレーションで私達に次々と制約が課せられているにもかかわら ず、このモデルは毎年速さを増しているのですから」とポルシェのワークスドライバーであり、 自らのキャリアの勝利のほとんどを RSR で挙げているイェルク・ベルクマイスターが話して います。アメリカン・ル・マン・シリーズ 5 冠のベルクマイスターは、2011 年シーズンも不 安なく戦えるとコメントしています。「シーズンが終わると、いつも自分達は限界に達した、 車両も行くところまで行ったと感じます。でも、ポルシェは必ず何か新しいものをぶつけてき ます。そして、2011 年も同じことが起こると期待しています」。 ポルシェ 911 GT3 RSR(タイプ 997) 主な戦績 2010 年 アメリカン・ル・マン・シリーズ(GT クラス)優勝 ル・マン・シリーズ(GT2 クラス)優勝 ル・マン 24 時間(GT2 クラス)1 位 ドバイ 24 時間レース(総合)1 位 スパ 24 時間レース(総合)1 位 2009 年 アメリカン・ル・マン・シリーズ(GT2 クラス)優勝 ル・マン・シリーズ(GT2 クラス)優勝 FIA GT 選手権(GT2 クラス)優勝 ニュルブルクリンク 24 時間レース(総合)1 位 2008 年 アメリカン・ル・マン・シリーズ(GT2 クラス)優勝 セブリング 12 時間レース(GT2)1 位 ニュルブルクリンク 24 時間レース(総合)1 位 ドバイ 24 時間レース(総合)1 位 2007 年 インターナショナル GT オープンチャンピオンシップ優勝 ル・マン 24 時間(GT2 クラス)1 位 ニュルブルクリンク 24 時間レース(総合)1 位 スパ 24 時間レース(GT2 クラス)1 位 プチ・ル・マン(GT2 クラス)1 位 サンパウロ 1000 マイルレース(GT2 クラス)1 位 ポルシェ 911 GT3 RSR 技術仕様(2010 年シーズン) エンジン:水冷式水平対向 6 気筒エンジン、4 バルブ 3,996 cc、ストローク 80.4 mm、ボア 102.7 mm、331 kW (450 PS) / 7,800 rpm、最大トルク 430 Nm / 7,250 rpm、最高回転数 9,400 rpm、ドライサンプ、独立スロットルバタフライ、フューエル・インジェクション、エアリス トリクター 2 x 28.6 mm。 トランスミッション:シーケンシャル 6 速トランスミッション(ドグクラッチ)、水冷式オイ ルクーラー、シングルマスフライホイール、油圧式シフター、トリプルカーボンファイバーク ラッチプレート、後輪駆動、リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(45/65%)。 ボディ:亜鉛コートされたスチール製モノコックボディ(911 GT3 RS ベース) 、空力特性を最 適化したフロントセクションとフロントスポイラー、空力特性を最適化したフロントアンダー フロア、可変リアウイング、90 リッターの安全燃料タンク(急速給油機能付き) 、エアジャッ キ、ロールケージを溶接、難燃性のシートカバー材を使ったフルバケットレーシングシート(ド ライバーシートのみ)、ハンスヘッド/ネックサポート対応の 6 点シートベルト、電気式消火シ ステム。 サスペンション: フロント:マクファーソンストラット式サスペンション、ザックス製ガス封入式 4 段調整式 ダンパー、ダブルコイルスプリング(メインスプリングおよびヘルパースプリング) 、キャン バー調整式フロントアクスルアーム、調整式スタビライザー(両側) 、パワーステアリング。 リア:固定マウント式サブフレーム付きマルチアームアクスル、ザックス製ガス封入式 4 段 調整式ダンパー、ダブルコイルスプリング(メインスプリングおよびヘルパースプリング)、 無段階調整式強化リアアクスルタイバー、調整式スタビライザー(両側)、無段階調整式サス ペンション(高さ、キャンバー、トレッド) ブレーキ:バランスバー付きブレーキシステム。フロント:モノブロック構造 6 ピストン固 定式キャリパー、ベンチレーテッドディスク(Φ380 mm) 、競技用ブレーキパッド リア: モノブロック構造 4 ピストン固定式キャリパー、ベンチレーテッドディスク(Φ355 mm)、 競技用ブレーキパッド ホイール: フロント:3 ピース構造 BBS アルミホイール(11J x 18 -34)、センター ロックシステム リア:3 ピース構造 BBS アルミホイール(13J x 18 -12.5)、センター ロックシステム エレクトリカルシステム:モーテック製ディスプレイ(データロガー付き)、マルチファンク ションディスプレイ(ギアシフトインジケーター付き)、アジャスタブルトラクションコント ロール、バッテリー:12V 50Ah。オルタネータ 140 Ah 車両重量:約 1,220 kg(A.C.O.レギュレーション適合)/1,245 kg(FIA レギュレーション適 合) <本件に関する読者からのお問い合わせ先> ポルシェ カスタマーケアセンター 0120-846-911 ポルシェ ホームページ http://www.porsche.co.jp <本件に関する報道関係の方のお問い合わせ先> ポルシェ ジャパン株式会社 広報室/荒瀬大雅 木内洋治 〒153-0064 東京都目黒区下目黒 1-8-1 アルコタワー 16F TEL:03-5436-5936 FAX:03-5436-5919 ポルシェ ジャパンプレスサイト https://press.jp.porsche.com
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