ル・マンのためのニュー911 RSR

17. Nov. 2016
Vol.131/16
ル・マンのためのニュー911 RSR
史上最も華々しい 911
ドイツ. ポルシェ AG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr. オリバー・ブルーメ)
は、ゼロから新開発された GT レーシングカーによって 2017 年のモータースポーツに取り組
みます。ニュー911 RSR は、ル・マン 24 時間レースの GT 規定に準拠しながら、体系的な軽
量設計に加えてリアアクスル前部に最新式水平対向 6 気筒エンジンを搭載します。非常に軽
量な 4 リッターエンジンは、ダイレクト・フューエル・インジェクションとリジッドバルブ
ドライブを備え、抜群の効率性を特徴とします。ニュー911 RSR は、2017 年 1 月にデイトナ
24 時間レースでデビューします。
「911 特有のデザインを維持しながら、GT のトップモデルとして史上最高の進化を遂げてい
ます」とポルシェ・モータースポーツの責任者である Dr.フランク・シュテファン・バリサー
は話します。完全に新開発されたニュー911 RSR は、サスペンション、ボディ構造、エアロダ
イナミクスコンセプト、エンジン、およびトランスミッションがゼロから設計されています。
そのエンジンコンセプトによって特に大型のリアディフューザーの取り付けが可能になりま
した。LMP1 レーシングカーの 919 ハイブリッドから採用したトップマウントリアウイングと
の組み合わせで、ダウンフォースとエアロダイナミクスの効率性が大幅に改善されています。
「911 RSR のために、私達は意図的に、特に軽量な最新の自然吸気エンジンに焦点を合わせま
した。これが車両の開発においてエンジニアに大きな自由を与えました。新しい LM-GTE 規定
は、ターボエンジンと自然吸気エンジンのトルク特性が一致するなど、原則として多彩なドラ
イブコンセプトが完全に平等となるレギュレーションです」と Dr. バリサーは説明します。新
しい自然吸気エンジンは、リストリクターのサイズに応じて約 375kW(510PS)の最高出力
を発生します。ステアリングホイールのパドルシフトは、マグネシウムハウジングを備えた 6
速シーケンシャルトランスミッションを作動して、31cm 幅の後輪にトルクを伝えます。911
GT3 R と 911 GT3 Cup に続き、ポルシェ GT レーシングカーも、同様の最新式水平対向 6 気筒
エンジンファミリーによって駆動されます。これにより新世代エンジンへの転換は完了しまし
た。
かつてポルシェは、
1996 年に 911 GT1 によって 911 のコンセプトを徹底的に押し進めました。
大きな成功を収めた 911 GT1 は、1998 年のル・マン 24 時間レースでポルシェに 16 回目の
総合優勝をもたらしました。当時は GT1 クラスがル・マンにおけるトップカテゴリーでした。
ポルシェ GT レーシングカーは、初めて最新のアシスタントシステムを備えます。ニュー911
RSR には、
「コリジョン・アボイド・システム」と呼ばれるレーダーサポートによる衝突警告
システムが装備されます。夜間にも、高速の LMP プロトタイプを早期に検知して接触を回避
します。新しい安全ケージコンセプトと強固に取り付けられた新しいレーシングシートがドラ
イバーの安全を強化します。シートはシャシーに固定され、ペダルを動かして調節し、ドライ
バーに適合させることができます。
ニュー911 RSR ではメンテナンス性も大幅に改善されています。インテリジェントなクリック
リリースファスナーによって、カーボンファイバーボディのエレメント全体を短時間で完全に
交換することができます。さらに、サスペンションセットアップの変更をより簡単迅速に行う
ことができます。
911 RSR の外観は、ボディ全体に渡って新しい方向性を示します。GT レーシングカーは、ポ
ルシェ モータースポーツの明確でダイナミックなデザイン言語をさらに発展させた新しいフ
ァクトリーデザインを備えます。鳥瞰すると、ポルシェのエンブレムを暗示するシルエットが
見られます。ベーシックカラーは、ホワイト、レッド、およびブラックです。
ファクトリーは、2017 年シーズンに 140 時間以上のレースに匹敵する 19 のレースでニュー
911 RSR を走らせる予定です。ポルシェは、2 台のファクトリーエントリーによってル・マン
24 時間レースを含む FIA 世界耐久選手権(WEC)と米国の IMSA ウェザーテック・スポーツカ
ー選手権に参戦します。新しいレーシングカーは、1 月 28 日-29 日にデイトナの IMSA 開幕
戦において最も過酷な条件でデビューします。「レースに備えて十分な準備をしています。今
年 3 月のヴァイザッハでの初公開以来、欧州と北米のサーキットで 35,000km におよぶテスト
走行を行ってきました。この距離は、他のどのポルシェ GT レーシングカーの開発過程をも上
回ります」と GT モータースポーツ総合プロジェクトリーダーのマルコ・ウジュハシは話しま
す。
テクニカルデータ:ポルシェ 911 RSR(MY2017)
コンセプト
レース用シングルシーター(カテゴリー:LM-GTE)
重量/寸法
重量
全長
全幅
ホイールベース
約 1,243 kg(各レギュレーションのベース重量に合わせて調節)
4,557 mm(スプリッター、リアウイング、ディフューザーを含めず)
2,042 mm(フロントアクスル) / 2,048 mm(リアアクスル)
2,516 mm
エンジン
水冷式 6 気筒水平対向エンジン(ミッドシップレイアウト)
、排気量:4,000 cc、ストローク:
81.5 mm、ボア:102 mm、最高出力:約 375 kw(510 PS)(リストリクターの設定によって
調節)、4 バルブヘッド、ダイレクト・フューエル・インジェクション(DFI)、ドライサンプ
潤滑システム、シングルマスフライホイール、リストリクターによる出力制限、電子制御スロ
ットル
トランスミッション
コンスタントメッシュ式 6 速シーケンシャルトランスミッション、ベベルギアを採用した前
後方向のツインシャフトレイアウト、電子制御シフトアクチュエーター、ステアリングホイー
ルに設けられたシフトパドル、マグネシウム製トランスミッションケース、ビスカスカップリ
ングユニットを採用したマルチディスク式リアディファレンシャルロック、トリプルディスク
方式のカーボン製レーシングクラッチ
ボディ
アルミニウムとスチールの組み合わせによって重量を最適化したシャシー、ルーフに設けられ
たリムーバブル方式のレスキューハッチ、ルーフに組み込まれたリフト用ブッシュ、FT3 規定
の燃料タンク(車両前方に配置)
、溶接ロールケージ、FIA 8862-2009 に準拠したシート、シ
ャシーへのリジッドマウント、HANS 対応 6 点式シートベルト、前後調節式ペダル、クイック
チェンジが可能な CFRP 製ボディ、“スワンネック”マウントを採用したリアウイング、4 ポス
トエアジャッキシステム(安全プレッシャーバルブ付)、電子制御消火システム、ヒーター付
フロンドウインドウ。
サスペンション
フロントアクスル:ダブルウィッシュボーンサスペンション、4-way バイブレーション・ダン
パー、ツインコイルスプリング(メインスプリングおよび補助スプリング)
、ブレードポジシ
ョンによって調節を行うスタビライザー、電動油圧式パワーステアリング
リアアクスル:サブフレームとダブルウィッシュボーンを採用したインテグレーテッドリアサ
スペンション、4-way バイブレーション・ダンパー、ツインコイルスプリング(メインスプリ
ングおよび補助スプリング)
、ブレードポジションによって調節を行うスタビライザー、電動
油圧式パワーステアリング、トライポッドドライブシャフト。
ブレーキ
バランスバーによって調節を行うフロントおよびリアの独立 2 系統ブレーキシステム。
フロントアクスル:クイックカップリングを採用したワンピース構造の 6 ピストン式アルミ
ニウム製レーシングキャリパー、スチール製ベンチレーテッドディスク(直径:390 mm)
、
レース用ブレーキパッド、最適化されたブレーキ冷却ダクト。
リアアクスル:クイックカップリングを採用したワンピース構造の 4 ピストン式アルミニウ
ム製レーシングキャリパー、スチール製ベンチレーテッドディスク(直径:355 mm)、レー
ス用ブレーキパッド、最適化されたブレーキ冷却ダクト。
ホイール/タイヤ
フロントアクスル:ワンピース構造の鍛造軽合金ホイール(12.5Jx18、オフセット:25、セ
ンターロック式)
、ミシュランスリックタイヤ (30/68-18)
リアアクスル:ワンピース構造の鍛造軽合金ホイール(13Jx18、オフセット:37、センター
ロック式)
、ミシュランスリックタイヤ (31/71-18)
。
エレクトリカルシステム
Cosworth(コスワース)製セントラルロガーユニット、CFRP 製マルチファンクションステア
リングホイール(ディスプレイ一体型)、シフトパドルおよびクイックリリース、衝突回避シ
ステム、充電制御型オルタネータ―および LiFePo4 バッテリー、LED ヘッドライト、LED テー
ルライトおよびレインライト、イルミネーション機能付カーナンバーおよびリーダーライトシ
ステム、コックピット内のブラックライト、電動調節式ウイングミラー(メモリー機能付)
、
タイヤプレッシャー・モニタリングシステム(TPMS)、ドリンクシステム、エアコンディショ
ニングシステム、センターコンソールのメンブレンスイッチパネル(蛍光ラベル付)
。
<本件に関する読者からのお問い合わせ先>
ポルシェ カスタマーケアセンター 0120-846-911
ポルシェ ホームページ http://www.porsche.com/japan/
<本件に関する報道関係の方のお問い合わせ先>
ポルシェ ジャパン株式会社
広報部/塚原久 木内洋治
〒105-6329 東京都港区虎ノ門 1 丁目 23 番 1 号 虎ノ門ヒルズ森タワー29 階
TEL:03-5511-6912 FAX:03-5511-6918