EDUCATIONAL COURSES of JUA 2016 in SENDAI 日本泌尿器科学会 2016年卒後教育プログラム 2016年4月23日(土)〜25日(月) 仙台市:東北大学百周年記念会館 仙台国際センター展示棟 第104回日本泌尿器科学会総会における「卒後教育プログラム」の担当講師のご紹介と内容の概説(シラバス)をお届けいた します。会員の皆様方のご参加をお待ちいたしております。 この度の卒後教育プログラムでは、日本専門医機構による専門医制度に対応させるため、専門医共通講習として感染対策、 医療倫理の2コースを新たに設定しました。これによりコース数は、専門部会で企画された従来の17(医療安全を含む)から 19に増加しています。また、プログラム内容をこれまで以上に充実させ、なるべく多くの方が受講できるような配置にいたし ました。 本プログラムの実施にあたりましては、総会会長の荒井陽一教授(東北大学)および教室の先生方より全面的なご支援とご 協力を頂いておりますことを申し添えるとともに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。 松原 昭郎(教育委員会委員長) 開 催 概 要 1.日 時 4月23日(土) 8:20− 9:50[1]尿路感染症・性感染症ガイドライン 尿路性器感染症 8:20- 9:50[2]VUR の診断と治療 小児泌尿器科 10:10-11:40[3]泌尿器科マイナーイマージェンシー1 外傷・救急医療 10:10-11:40[4]副腎・後腹膜腫瘍の診断と治療 泌尿器科腫瘍 14:40-15:40[5]電子カルテと医療安全 専門医共通講習:医療安全 16:00-17:00[6]医療倫理の基本 専門医共通講習:医療倫理 17:20-18:20[7]感染対策の基本 専門医共通講習:感染対策 4月24日(日) 8:20- 9:50[8]女性泌尿器科診療のアップデート 女性泌尿器科 8:20- 9:50[9]サージカル・オフィスウロロジー〜外来手術・生検の実際 オフィスウロロジー 10:10-11:40[10]分子標的薬・免疫療法の基礎知識 泌尿器科腫瘍 10:10-11:40[11]CKD の内科・外科管理と腎移植手術 腎不全・腎移植 4月25日(月) 8:20- 9:50[12]前立腺疾患術後尿失禁の診断と治療 排尿機能・神経泌尿器科 8:20- 9:50[13]泌尿器科腫瘍に対する放射線療法(基礎と実際、そして将来展望) 8:20- 9:50[14]疫学からみた尿路結石のトータルマネージメント 泌尿器科腫瘍 尿路結石 10:10-11:40[15]基礎研究:入門コース「動物・細胞・各種遺伝子解析」 (実験ノート、データ管理、特許、各種関連法規や倫理等を含める) 10:10-11:40[16]高齢者排尿管理における泌尿器科医の役割 10:10-11:40[17]加齢男性性腺機能低下症(LOH)症候群と男性更年期障害 基礎研究 老年泌尿器科・前立腺肥大症 内分泌・生殖機能・性機能 13:20-14:50[18]上部尿路結石症に対するエンドウロロジー(手技と合併症予防) 15:10-16:40[19]進行性および去勢抵抗性前立腺癌の治療 エンドウロロジー・腹腔鏡 泌尿器科腫瘍 2.会場およびチケット発行時間 開催日時 4月23日(土) 4月24日(日) 4月25日(月) コース No. チケット発行時間 会場 仙台国際センター 東北大学 展示棟 百周年記念会館 8:20~ 9:50 1* 第10会場 7:30~ 8:40 7:50~ 8:45 8:20~ 9:50 2* 第11会場 7:30~ 8:40 7:50~ 8:45 10:10~11:40 3** 第10会場 7:30~10:30 7:50~10:35 10:10~11:40 4** 第11会場 7:30~10:30 7:50~10:35 14:40~15:40 5 第10会場 7:30~14:50 7:50~14:55 16:00~17:00 6 第10会場 7:30~16:10 7:50~16:15 17:20~18:20 7 第10会場 7:30~17:30 7:50~17:35 8:20~ 9:50 8* 第10会場 7:30~ 8:40 7:50~ 8:45 8:20~ 9:50 9* 第11会場 7:30~ 8:40 7:50~ 8:45 10:10~11:40 10** 第10会場 7:30~10:30 7:50~10:35 10:10~11:40 11** 第11会場 7:30~10:30 7:50~10:35 8:20~ 9:50 12* 第7会場 7:30~ 8:40 7:50~ 8:45 8:20~ 9:50 13* 第10会場 7:30~ 8:40 7:50~ 8:45 8:20~ 9:50 14* 第11会場 7:30~ 8:40 7:50~ 8:45 10:10~11:40 15** 第7会場 7:30~10:30 7:50~10:35 10:10~11:40 16** 第10会場 7:30~10:30 7:50~10:35 10:10~11:40 17** 第11会場 7:30~10:30 7:50~10:35 13:20~14:50 18 第10会場 7:30~13:30 7:50~13:35 15:10~16:40 19 第10会場 7:30~15:30 7:50~15:35 第7会場:仙台国際センター展示棟1F 会議室2(定員190名) 第10会場:東北百周年記念会館2F ホール(定員1,200名) 第11会場:東北百周年記念会館2F 会議室(定員180名) 注) 「*」または「**」の付してあるコースは講義時間が重なっていますので、各日いずれかのコースしか 受講できません。 3.受講申し込み チケット発行カウンターにて講義当日のチケットを発行します。その際、会員カードが必要です。 また、総会参加受付がお済みでない場合はチケットの発行はできません。 ※お振込期限までに卒後教育プログラム年間受講料10,000円をお支払いになった方は、時間内にチケットの 発行手続きを行ってください。 当日までに年間受講料の入金が確認できない場合は専用デスクにてお支払いいただくことでチケット発行 が可能となります。 ※事前予約はありません。また、各コースとも定員に達した時点で発行終了とさせていただきます。 4.研修単位 学会専門医のための研修単位:コース No.1~4、8~19 1コース 5単位 コース No.5~7 1コース 3単位 機構専門医のための研修単位:コース No.1~4、8~19(診療領域別講習) 1コース 1.5単位 コース No.5~7(専門医共通講習) 1コース 1単位 ※コース No.1~4、8~19は講義開始30分後まで、コース No.5~7は講義開始20分後までに入場してく ださい。退場時に会場出口にてチケットを回収いたしますのでご提出ください。単位は後日 Web 上に反 映されますのでご確認ください。 上記時間以降は単位取得の希望の有無にかかわらず入場できません。また、途中退場の場合は単位となり ません。 5.その他注意事項 ・テキストの販売はありません。 卒後教育プログラム年間受講料をお支払いになった方は、学会 Web サイトよりダウンロードいただけます。 講義の際に必要な方は事前にご自身でご用意ください。 ・受講対象者は日本泌尿器科学会の正会員および名誉会員です。初期研修医、学生については座席に余裕のあ る場合は受講可能です。 ・他科の医師、日本泌尿器科学会の正会員でない泌尿器科医師については座席に余裕のある場合のみ受講でき ますが、受講料は1コースあたり5,000円となります。 尿路性器感染症 4/23(土) 8:20 〜 9:50 [1]尿路感染症・性感染症ガイドライン 近年、抗菌薬の研究と開発により優れた抗菌活性と広範囲の抗菌スペクトラム、良好な体内動態および高い安全性を有する多くの 抗菌薬を使用できるようになり、通常の細菌感染症の治療は容易となった。しかし、安易な薬剤の選択および漫然とした使用は、耐 性菌の出現、院内感染、日和見感染などの問題を助長した。泌尿器科領域の感染症である尿路性器感染症や性感染症においても ニューキノロン薬耐性菌、extended spectrum beta-lactamase(ESBL)産生菌の増加や多剤耐性淋菌の出現などの問題が生じている。 その一つの対応策として、各種学会の主導のもとに抗菌薬の使用の適正化と標準化のためのガイドラインの作成が進められてきた。 泌尿器科領域の感染症である尿路性器感染症および性感染症に関しては、日本性感染症学会編集の「性感染症 診断・治療ガイドラ イン2011」と日本感染症学会・日本化学療法学会編集の「JAID/JSC 感染症治療ガイド2014」とが発刊されている。しかし、これら ガイドラインが臨床医に広く認知され、それに沿った適正な抗菌薬治療が常に行われているとは言い難い。 今回の教育プログラムでは、尿路性器感染症および主な性感染症の各感染症の基本的な事項(病態、起炎菌の種類・薬剤感受性、 抗菌薬の特徴など)を組み込みながら、ガイドラインに沿った抗菌薬の適正使用について解説する。本教育プログラムが今後の泌尿 器科領域の感染症の治療に際して、安易な薬剤の選択および漫然とした使用をさけ、感染症の病態に沿った適正な抗菌化学療法なさ れるための一助になることを願っている。 出口 隆 昭和54年 岐阜大学医学部卒業 同 58年 米国、Roswell Park Memorial Institute, Research fellow 平成3年 岐阜大学医学部附属病院泌尿器科講師 同 10年 同 医学部泌尿器科学講座教授 同 16年 同 大学院医学系研究科泌尿器科学分野教授 安田 満 平成5年 岐阜大学医学部卒業 同 9年 同 大学院博士課程修了 同 10年 同 医学部附属病院泌尿器科助手 同 14年 同 大学院泌尿器科学分野助手 同 18年 同 医学部附属病院泌尿器科講師 小児泌尿器科 4/23(土)8:20 〜 9:50 [2]VUR の診断と治療 小児 VUR の治療は徐々にではあるが着実な変化を遂げている。診断から治療方針の決定に当たっては、VUR だけに目をむけるの でなく、腎機能・UTI およびその増悪因子など患児の全体像をとらえた治療方針が求められており、小児科医との緊密な連携が要求 される。その一方で外科的には従来の開腹手術に加えて注入療法や膀胱内腹腔鏡手術などの新規治療が発展してきたが、治療体系全 体における位置づけはなお未確定である。本プログラムでは、今後の小児 VUR の治療に必要な知識として、小児科における診断、泌 尿器科における治療方針の決定から手術治療の実践を概説する。 VUR の患児に最初に接するのは泌尿器科医ではなく小児科医である。木全講師からは UTI の診断から VUR の精査、内科的治療か ら外科治療を泌尿器科医に依頼するにいたる過程とその問題点・ピットフォールについて第一線の小児科医としての豊富な経験から 解説していただく。小児科医から VUR 患者の紹介を受けた泌尿器科医は病像を再把握して治療方針を保護者と決定する。VUR/UTI について欧米から複数のガイドラインがでているが、小児科側と泌尿器科側では温度差が存在する。また、ほとんどのケースでは治 療方針が一意的に決定されることはなく、無治療経過観察、予防的抗菌薬投与、注入療法、逆流防止術のうちの複数が選択肢となる。 このような複雑な状況の理解が容易になるべく個々のガイドラインの理念について兼松が概説する。最後に外科的治療は泌尿器科の 独壇場であるが、より確実な逆流防止を合併症なくより低侵襲に行うことが求められている。注入療法および開腹・腹腔鏡下の逆流 防止術の全てにわたるエキスパートである内藤講師から個々の術式の tips を講義いただく。 兼松 明弘 平成3年 京都大学医学部卒業 同 10年 兵庫県立こども病院レジデント 同 16年 ボストン小児病院リサーチフェロー 同 18年 京都大学泌尿器科学助手 同 23年 兵庫医科大学泌尿器科准教授 木全 貴久 平成14年 関西医科大学卒業 同 14年 同 小児科学講座入局 同 17年 同 中野こども病院 同 23年 関西医科大学 助教 同 26年 同 講師 内藤 泰行 平成5年 高知医科大学医学部医学科卒業 同 5年 京都府立医科大学泌尿器科学入局 同 12年 大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科 レジデント 同 17年 京都府立医科大学大学院医学研究科 泌尿器外科助手 同 25年 同 講師 外傷・救急医療 4/23(土)10:10 〜 11:40 [3]泌尿器科マイナーイマージェンシー1 マイナーイマージェンシーとは、ただちに生命の危機には至らないが、救急対応が必要な疾患、病態のことである。泌尿器科医が 遭遇するマイナーイマージェンシーとして、急性陰嚢症(精巣捻転症) 、嵌頓包茎、亀頭包皮炎、持続勃起症、ジッパー外傷、腎瘻・ 膀胱瘻・尿道留置カテーテル・ダブルJ カテーテルなど各種カテーテルのトラブルと留置法や管理法、急性尿閉、癒着胎盤の膀胱浸 潤、がん救急(脊椎転移・麻痺への対応、脳転移への対応)など、多岐にわたる病態が挙げられる。 過去の卒後教育プログラムの受講者アンケート結果を踏まえ、外傷・救急医療領域ではプログラム数が今後4年間で4回から6回 に増やされた。そこで泌尿器科マイナーイマージェンシーと泌尿器科外傷のプログラム数をそれぞれ2回に分けて企画予定である。 今回のプログラム「泌尿器科マイナーイマージェンシー1」では、急性陰嚢症(精巣捻転症) 、持続勃起症、嵌頓包茎、急性尿閉、 種々カテーテル管理に焦点を当てて取り上げた。 急性陰嚢症は、診療ガイドラインが昨年日本泌尿器科学会から出版されたばかりである。本ガイドラインに沿って飯島講師に実例 を交えてまとめていただいた。持続勃起症については、この領域の専門科で多数の経験をお持ちの佐々木講師に詳しく解説いただく。 合わせて嵌頓包茎についても講演いただく。急性尿閉と種々のカテーテル管理法およびトラブルシューティングについての講演は、 これらの病態と対処法ついて積極的に報告されてきた八木橋講師にお願いした。 今回のテーマは、泌尿器科医が日常臨床の現場で頻繁に出会うものばかりである。明日からの診療に役立つ有意義なプログラムと なることを確信しており、多くの先生方の受講を期待している。 中島 洋介 佐々木 春明 飯島 和芳 八木橋 祐亮 昭和57年 慶應義塾大学医学部卒業 平成3年 米国ニューヨーク医科大学研究員 同 7年 慶應義塾大学伊勢慶應病院泌尿器科部長 同 11年 済生会神奈川県病院泌尿器科部長 同 19年 済生会横浜市東部病院副院長・泌尿器科部長 平成11年 信州大学医学部卒業 同 18年 ベルギー・アントワープ大学 同 20年 長野市民病院 昭和61年 昭和大学医学部卒業 平成11年 同 藤が丘病院泌尿器科講師 同 15年 同 横浜市北部病院泌尿器科助教授 同 24年 同 医学部泌尿器科講座教授 同 25年 同 藤が丘病院副院長 平成11年 帝京大学医学部卒業 同 11年 沖縄県立中部病院外科 同 13年 京都大学泌尿器科医員 同 20年 市立島田市民病院医長 同 21年 田附興風会北野病院副部長 泌尿器科腫瘍 4/23(土)10:10 〜 11:40 [4]副腎・後腹膜腫瘍の診断と治療 近年、副腎腫瘍は検診の普及や画像診断の充実およびその精度の向上によって臨床症状が出現しない段階で発見されることが多く なってきている。ホルモン産生副腎腫瘍については、内科医や患者の意識の向上によって、高血圧や高血糖などの症状から逆に検索 されて発見されることも増加している。その結果、副腎手術の件数は一昔前とは比べものにならないほど増加している。特に副腎原 発性アルドステロン症(PA)についての診断・治療はトピックスの一つであり、われわれ泌尿器科医は熟知しておく必要がある。 一方、後腹膜腫瘍はそれほど頻度の高い疾患ではない。組織型や病態も多様で、手術以外の化学療法や放射線治療の標準化が難し いのが現実である。そのため、高いレベルのエビデンスに基づくガイドラインも存在しない。しかし、この疾患は日常診療で必ず遭 遇するため、われわれは後腹膜腫瘍の診断・治療について十分な知識を持ち、常に準備をしておくことが必要である。 今回はまず、香川大学泌尿器科の杉元が副腎手術のための surgical anatomy と後腹膜腫瘍についての概説を行う。次いで東北大学 放射線診断科の高瀬 圭先生より、副腎・後腹膜腫瘍の画像診断と PA の診断における静脈サンプリングの意義とコツについて講義 していただく。最後に宮崎大学泌尿器科の向井尚一郎先生には、副腎腫瘍の診断、機能評価と手術について、また後腹膜腫瘍につい ては手術療法を中心に実践的な講義をしていただくことになっている。 副腎・後腹膜腫瘍は泌尿器科診療のテリトリーではあるが、内科、整形外科、外科あるいは産婦人科などさまざまな領域にまたが るのが特徴で、病院の総合力が試される疾患である。 本プログラムでは、われわれがどうしても苦手意識を持ってしまいがちな副腎・後腹膜腫瘍についての抑えておくべき基礎的な事 項を包括的にまとめてみたいと考えている。 杉元 幹史 昭和63年 香川医科大学(現香川大学医学部)卒業 平成4年 同 附属病院泌尿器科助手 同 18年 香川大学医学部附属病院講師 同 19年 同 附属病院泌尿器・副腎・腎移植外科准教授 同 24年 MD アンダーソン癌センター留学 高瀬 圭 平成元年 東北大学医学部卒業 同 6年 国立循環器病センター放射線診療部 同 9年 石巻赤十字病院放射線科 同 17年 フンボルト大学シャリテ病院放射線科 同 27年 東北大学大学院医学系研究科 放射線診断学分野教授 向井 尚一郎 平成7年 宮崎医科大学卒業 同 20年 宮崎大学医学部泌尿器科助教 同 25年 同 講師 専門医共通講習:医療安全 4/23(土)14:40 〜 15:40 [5]電子カルテと医療安全 1999年、医療安全に対する社会や医療者の意識は大きく転換した。本邦では、特定機能病院において手術患者取り違え事故が起 こった。米国では、医学院 Institute of Medicine がその調査報告書において、 (1)医療の全分野で医療事故による死亡が発生し、年 間4万件以上にのぼること、(2)その件数は交通事故死をも上回ること、などが明らかにされて世界に大きな衝撃を与えた。 本邦ではこの重大事態を受け、医療機関内外でのインシデント・医療事故報告制度が開始された。現在では、日本医療機能評価機 構による医療事故情報収集等事業として継続している。また、各医療機関でのクリニカルパスを用いた医療の安全と質改善の取り組 みも本格化し、地域における連携クリニカルパスとしてもさらに発展している。 一方、1990年代から医療の電子情報化は徐々に広がりを見せた。特定機能病院では、医師の処方・検査等の指示内容を中央診療部 門に電子的に伝達する「診療支援システム(オーダリングシステム、Computerized Physician Order Entry CPOE) 」の本格的な導 入が始まった。それまで紙伝票等で行われていた情報伝達業務が急激に電子化したことにより、医療機関内では当初、様々な混乱を 招いたが、診療業務の安全・効率面での意義は大きかった。2000年代には医師の診療録も電子的に記録する新たな展開が始まり、記 録の3原則(真正性、見読性、保存性)に基づいた電子カルテの導入が進んでいる。平成25年の調査結果では、オーダリングシステ ムと電子カルテの導入率は、それぞれ32% と21.7% であり、10年間で約3倍へと増加した。 本プログラムでは、 (1)医療安全の理論的背景、 (2)医療安全を支える医療機関内外の取り組み、 (3)医療情報システムの歴史 としくみ、(4)医療情報システムにおける医療安全対策の実際について、できるだけ臨床現場に生かしていただけるよう解説する。 斎藤 忠則 昭和53年 日本大学医学部卒業 平成13年 同 医学部泌尿器科学教室助教授 同 15年 日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院 副院長 同 22年 日本泌尿器科学会保険員会委員長 同 24年 日本大学医学部医学生涯教育センター臨床教授 専門医共通講習:医療倫理 根東 義明 昭和56年 東北大学医学部卒 同 60年 西独マックスプランク生物物理学研究所留学 平成12年 東北大学小児病態学分野助教授 同 14年 同 医療情報学分野教授 同 23年 日本大学医学部医療管理学分野教授 4/23(土)16:00 〜 17:00 [6]医療倫理の基本 医療倫理学の目的のひとつは、医療専門職・研究者が生命・医療倫理に関する基本的知識を身に付け、現場における倫理・法・社 会・心理・文化・宗教的問題等を的確に認識し、倫理的不確実性と価値観の衝突が存在する状況で生じる諸問題に対応することで、 医療および医学研究活動の包括的アウトカムを向上させることである。 同領域の重要課題には、治療拒否を含むインフォームド・コンセント関連事項、意思決定能力を欠いた患者に対する最善の利益判 定と代諾を含む治療方針決定、プライバシーと守秘義務およびその限界、安楽死と自殺幇助を含む終末期医療、人工妊娠中絶を含む 生命の始まりと優生思想、強制治療を含む精神科医療、高齢者医療、人権と公益のバランスが求められる公衆衛生、研究倫理と研究 者倫理、遺伝子工学、再生医療、生殖補助技術、移植医療等から構成される先端医療、医療制度と政治哲学に関わる医療資源配分、 そして医のプロフェッショナリズム等がある。 今日の医療倫理では、患者の意思を尊重する、患者の最善の利益になる診療を行う、利益と害の適切なバランスを取る、すべての 患者に公平に接する、患者のプライバシーを尊重する、患者の尊厳、人権、そして人間性を守る、患者とその家族の脆弱性に配慮し、 共感的に接する、患者の QOL の維持・向上を目指す、医療の公共性と社会性を認識する、等が大切な原則として確立している。 医療倫理に配慮して現場の問題解決にあたることで、思考停止や安易さを退け、思考プロセスに第三者性と普遍性を与えることが できる。同時に倫理原則や人権リストの提示、人間の弱さに配慮したテイラーメイドな意思決定支援、チーム・アプローチ、バラン ス・中庸の大切さの確認、優先順位の明確化等が可能になる。ディッケンソンが言うように「我々の最高の知性と最も繊細な感情を 生死に関わる問題に活用する」ことが重要であろう(『Bioethics All that matters』 、2012年) 。 浅井 篤 昭和63年 藤田保健衛生大学医学部卒業 平成7年 京都大学医学部附属病院総合診療部助手 同 12年 同 大学院医学研究科医療倫理学分野助教授 同 17年 熊本大学大学院医学薬学研究部 生命倫理学分野教授 同 26年 東北大学大学院医学系研究科医療倫理学分野 教授 専門医共通講習:感染対策 4/23(土)17:20 〜 18:20 [7]感染対策の基本 医療関連感染(healthcare-associated infection: HAI)とは、医療機関内において患者が原疾患とは異なる新たな感染症に感染した 場合や、医療従事者等が医療機関内において感染した場合を意味している。その予防策として最も重要なのが標準予防策の遵守であ る。医療関連感染は、医療機器や環境等を介して発生することも知られているが、医療従事者の手指を介して発生することが最も多 いことから、標準予防策の1つである「手指衛生の励行」が特に求められてきた。WHO は医療従事者が手指衛生を行うべき5つの 場面(①患者に触れる前、②清潔操作の前、③体液曝露のリスクがあった後、④患者に触れた後、⑤患者環境に触れた後)を勧告し ているが、実際の遵守率は決して充分とは言えない状況にある。 近年のグローバル化に伴い国内で発生をみなかった感染症が容易に国内に侵入する時代になってきている。最近ではエボラウイル ス病(Ebola virus disease: EVD)や中東呼吸器症候群(Middle east respiratory syndrome: MERS)が問題となった。いつ、どこで、 誰がこのような感染症の診療を行うか分からない現代においては、感染症のあるなしに関わらず日常的に標準予防策を行うことが、 感染リスクを最小限に抑える対策としてより効果的である。感染対策はガードの上げ下げが肝である。基本的な感染対策である標準 予防策が実施されていないノーガードの状態では、いざという時にガードを上げることができない(適切な感染対策ができない)な ど感染リスクが増大してしまう可能性がある。感染対策は、個々の医療従事者が行うことが基本であるが、医療機関全体として対策 に取り組むことも肝要である。現代医療において、医療関連感染のリスクを最小限にしなくてはならないことは、もはや医療従事者 の基本的事項になっている。 遠藤 史郎 平成10年 自治医科大学卒業 同 23年 東北大学大学院修了(医学博士) 同 24年 同 検査部助教 同 26年 東北大学病院副感染管理室長、講師 女性泌尿器科 4/24(日) 8:20 〜 9:50 [8]女性泌尿器科診療のアップデート 平成15年に行われたわが国での疫学調査によれば、40歳以上の女性の約半数が下部尿路症状を有する。女性下部尿路症状(female lower urinary tract symptoms; FLUTS)には尿失禁、頻尿などの蓄尿症状に加えて、排尿症状、排尿後症状がある。もちろん女性 では腹圧性尿失禁、過活動膀胱、間質性膀胱炎などの蓄尿障害が多いが、下部尿路症状を訴える患者の約20%は低活動膀胱を有し、 排尿障害を呈する場合も少なくない。2013年11月に「女性下部尿路症状診療ガイドライン」が刊行された。本ガイドラインの利用者 は泌尿器科医師を中心に,広く下部尿路症状を訴える患者の診療に携わる医師・看護師・保健師などの医療従事者を想定し、FLUTS を網羅するガイドラインとしては世界的にも新しいものである。 一方、骨盤臓器脱の手術法は一連の FDA の警告を受けて、我が国でもいわゆる TVM 手術一辺倒ではなく、腹腔鏡下仙骨腟固定 術(腹腔鏡下膀胱脱手術)が保険適応となり、普及しつつある。また native tissue repair も見直され、経腟メッシュ手術は、singleincision, trocar-less, minimal mesh repair に移行する様相を呈している。さらに Capio SLIM device が使用可能になり、術式の選択 肢が広がりつつある。 当日はこれらの新しい変化を中心に紹介しながら、女性泌尿器科診療の最前線について分かりやすく提示する。 髙橋 悟 昭和60年 群馬大学医学部卒業 平成5年 メイヨークリニック・フェロー 同 15年 東京大学医学部泌尿器科助教授 同 17年 日本大学医学部泌尿器科学系主任教授 同 26年 同 医学部付属板橋病院副病院長 野村 昌良 平成5年 産業医科大学卒業 同 泌尿器科入局 同 8年 産業医科大学病院大学院(泌尿器科) 同 12年 米国ロックフェラー大学留学 同12−20年 産業医科大学泌尿器科助教 同 22年 亀田総合病院ウロギネコロジーセンター センター長 藤原 敦子 平成11年 京都府立医科大学卒業 同 11年 同 泌尿器科学教室入局 同 19年 同 大学院修了 同 23年 同 泌尿器外科泌尿器先端医療講座助教 同 25年 同 大学院医学研究科泌尿器外科学教室助教 オフィスウロロジー 4/24(日) 8:20 〜 9:50 [9]サージカル・オフィスウロロジー〜外来手術・生検の実際 医師のライフプランの中で「開業」は一つの選択肢であるが、泌尿器科医は内科などの他科と比べると病院勤務医として生涯過ご す場合が多い。泌尿器科の治療手段は薬物療法を中心とした内科的アプローチと手術による外科的アプローチにわかれるが、オフィ スウロロジスト(開業泌尿器科医)の大半は泌尿器内科医として診療しており、手術を必要とする患者は病院に紹介し退院後のフォ ローを再び受け入れるという方法をとっている。2012年に埼玉県で行ったアンケート調査では泌尿器科を主たる診療科目としている 診療所39施設のうち回答のあった15施設中、前立腺生検を実施しているのが10施設、包茎手術などの外陰部小手術を実施しているの が8施設であったものの、経尿道手術を実施しているのは1施設のみであった。このように泌尿器科医は「開業」した段階で泌尿器 外科医から泌尿器内科医へシフトするのが一般的である。以前は「開業」しても有床診療所であれば病院と同様に入院手術も可能で あったが、度重なる診療報酬の改定で有床診療所は採算性が非常に悪くなったため、廃業や無床診療所へ転換する施設が多く、現在 では新規の有床診療所の開設は産科を除き原則認められていない。そのため「開業」して手術を行う場合は通常「日帰り」が条件と なる。開業泌尿器科で日帰り手術を実施するためには、麻酔の工夫、適切な手術方法の選択、十分な患者および家族への指導、スタッ フの教育、後方支援病院の存在などが必須である。本プログラムでは「サージカル・オフィスウロロジー」と題して開業泌尿器科医 が行っている外来手術・前立腺生検の実際を紹介し、安全な日帰り手術を完遂させるために必要な知識を解説する。 加藤 裕二 平成5年 浜松医科大学医学部卒業 同 7年 国立豊橋病院泌尿器科医員 同 9年 亀田総合病院腎センター泌尿器科医員 同 12年 行田総合病院泌尿器科医長 同 23年 かとう泌尿器科クリニック院長 加藤 忍 平成3年 藤田保健衛生大学医学部卒業 同 10年 同 大学院博士課程卒業 同 13年 国民健康保険団体連合会福生病院泌尿器科医長 同 18年 平塚市民病院泌尿器科部長 同 25年 かとう腎・泌尿器科クリニック院長 泌尿器科腫瘍 4/24(日)10:10 〜 11:40 [10]分子標的薬・免疫療法の基礎知識 近年、がん化学療法は新たな分子標的治療薬などの登場などにより、急速に発展しつつあります。 泌尿器癌の領域もその例外ではなく、特にチロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor; TKI)を中心とする分子標的治療薬 の導入により、新たな治療ストラテジーの構築が進んできています。 さらにこの数年は TKI 時代から免疫療法時代への移行を予感させる状況が生まれつつあります。そのさきがけとなったのが、腎細 胞癌や尿路上皮癌に対する抗 PD-1抗体であるニボルマブや抗 PD-L1抗体、抗 CTLA-4抗体などの免疫チェックポイント阻害薬で す。これらの薬剤の臨床導入で近い将来、泌尿器癌治療に新たなパラダイムシフトが起きることも期待されています。 しかしながら一方で、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤などは特有の有害事象を生ずることが知られており、それら 薬剤の効果を最大限に発揮させるには、その有害事象に対する適切な評価と支持療法が不可欠です。 本セッションでは分子標的治療および新たな免疫チェックポイント阻害剤を中心とした免疫療法の現状と、それら治療に必要な有 害事象マネージメントの基礎知識につき概説します。 筧 善行 昭和56年 京都大学医学部卒業 平成元年 同 大学院医学研究科卒業 同 12年 同 医学部泌尿器科助教授 同 13年 香川医科大学(現香川大学)泌尿器科教授 同 27年 香川大学理事(研究・評価担当) 辻 晃仁 平成2年 岡山大学医学部卒業 同 6年 同 大学院卒業 同 17年 高知医療センター腫瘍内科科長 同 23年 神戸市立医療センター中央市民病院 腫瘍内科部長 同 27年 香川大学医学部臨床腫瘍学教授 腎不全・腎移植 4/24(日)10:10 〜 11:40 [11]CKD の内科・外科管理と腎移植手術 慢性腎臓病(CKD: chronic kidney disease)は本来不可逆性であり、進展悪化し腎固有の機能が障害された結果が末期腎不全 (ESKD: end-stage kidney disease)である。生命存続に危機を及ぼす状態になると、腎代替療法が必要になるが、それには透析療法 と腎移植がある。 CKD の原因はさまざまであるが、近年では特に高齢化や糖尿病、高血圧、動脈硬化といった生活習慣病関連の疾患を原因とする場 合が増加している。ESKD に進行すると同時に,心血管合併症(CVD: cardiovascular disease)の危険因子となるため介入管理が必 要である。生活習慣の改善、食事療法指導などを行った上で、降圧治療、血糖管理、脂質異常症管理などを行い、CKD の進展スピー ドを抑制することが内科管理の基本である。ESKD への進展に伴い、二次性副甲状腺機能亢進症に対する副甲状腺摘出術やバスキュ ラーアクセスおよびペリトネアルアクセス手術などの外科管理が必要となってくる。さらに、腎移植に関しては、近年の特徴として、 高齢化以外にも、糖尿病を原疾患とする ESKD 患者の増加、長期透析患者の増加が挙げられる。これらの患者では高度脈硬化症を合 併している場合が多く、腎移植術そのものによる手術合併症、特に CVD のリスクが増加する。 今回は CKD/ESKD 患者に対する内科治療および外科治療、さらには腎移植を担う若手泌尿器科医を主な対象に、3名の講師が CKD/ESKD 患者の内科および外科管理、腎移植術について解説する。もちろん、現在、第一線で診療に当たっておられる先生方に は、本講義が知識の整理と今後の診療の参考となれば幸いである。 学習目標:CKD および ESKD 患者の管理、さらには腎移植術に関する基本的事項を理解し、治療の実際について学ぶ。 講義内容および担当講師:CKD の内科管理(平野)、CKD の外科管理(土岐) 、腎移植術(奥見) 奥見 雅由 平成9年 大阪大学医学部医学科卒業 同 16年 米国マサチューセッツ総合病院 / Harvard Medical School 研究員 同 18年 鹿児島大学フロンティアサイエンス 研究推進センター研究員 同 22年 大阪大学泌尿器科助教 同 26年 東京女子医科大学泌尿器科講師 土岐 大介 平成11年 群馬大学医学部卒業 同 11年 東京女子医科大学泌尿器科入局 同 17年 同 大学院卒業 同21-24年 シドニー大学附属ウエストミッド病院 同 26年 東京女子医科大学泌尿器科医局長 同 27年 同 八千代医療センター 平野 一 平成10年 大阪医科大学医学部卒業 同 12年 福岡大学腎臓内科入局 同 22年 東京女子医科大学泌尿器科助教 同 24年 大阪医科大学泌尿器科助教 同 25年 同 附属病院腎泌尿器外科・ 血液浄化センター講師 排尿機能・神経泌尿器科 4/25(月) 8:20 〜 9:50 [12]前立腺疾患術後尿失禁の診断と治療 昨今、前立腺全摘においてロボット支援手術の急激な普及及び Rocco らの方法を初めとする様々な工夫が導入され、優れた早期尿 禁制率が報告されているが、中長期の尿禁制率が明らかに改善したとする報告はない。術後1~5年の尿失禁有症状率は8−20% 程 度、1−3% の患者に重症尿失禁が発生する傾向は続いており、外科的治療を要する尿失禁の発生頻度が、劇的に現象する可能性は 少ないと思われる。 欧米では、前立腺全摘除後の腹圧性尿失禁に対する外科治療として、人工尿道括約筋埋込術、尿道スリング手術、調節型尿禁制バ ルーン埋込術、幹細胞注入療法が施行されている。重症例に対しては、人工尿道括約筋が唯一の選択肢であるが、軽症~中等症で、 保存的治療が抵抗性の場合には、自然排尿を担保するため、海外では、後者3方法も施行されている。既に、優れたキッドも発売さ れており、本法における承認、利用または新たなキッドの開発も含めて、我々泌尿器科が果たす役割は大きい。上記の背景を踏まえ て、本稿では、 1.外科的治療介入の時期と治療の選択 (増田) 2.人工尿道括約筋埋込術の術前、術中、術後の詳細及び成功に導くポイント 特に、カフを巻き付けるための尿道剥離のコツ、バルーン埋込における前立腺全摘の術式別(開放とロボット、腹腔鏡手術で の差)、鼠径ヘルニア手術の既往例における工夫、術後の包括的、緊急時を含めた対応、東北大学における術後成績 (海法) 3.尿道スリング手術の詳細と筆者らの試み (増田) 恥骨固定型と経閉鎖孔型スリング手術の概説と我々の成績 上記について詳細に概説する。また、ポイントについてはビデオで供覧する。 ガイドラインと呼べるものはなく、また発展途上の分野であるが、ロボット支援手術の普及と表裏一体をなす分野であり、泌尿器 科医が日常診療でさけては通れない。筆者らのそれぞれでの施設におけるノウハウを開示するので、多くの先生に興味をもって頂き たい。 増田 均 平成元年 東京医科歯科大学医学部卒業 同 15年 ピッツバーグ大学泌尿器科リサーチフェロー 同 19年 東京医科歯科大学泌尿器科講師 同 23年 同 医学部・腎泌尿器外科学准教授 同 24年 がん研究会有明病院泌尿器科副部長 海法 康裕 平成4年 東北大学医学部医学科卒業 同 12年 医学博士取得 同 16年 Pittsburgh 大学泌尿器科研究員 同 18年 東北大学医学系研究科泌尿器科学分野助教 同 24年 同 泌尿器科学分野講師 泌尿器科腫瘍 4/25(月) 8:20 〜 9:50 [13]泌尿器腫瘍に対する放射線療法(基礎と実際、そして将来展望) 近年の放射線治療技術の進歩に伴い、泌尿器腫瘍に対する放射線治療は最近その治療患者数が増加して来ている。前立腺癌につい ては強度変調放射線治療、定位放射線治療、粒子線治療という外部照射の他に小線源治療(低線量率、高線量率)も用いられている。 種々の高精度放射線治療が用いられる代表的な疾患である。筋層浸潤性膀胱癌については、TURBT 及び化学療法との併用で、時に は膀胱部分切除も併用して膀胱温存を行なう症例が増加している。睾丸腫瘍に関しては、予防的もしくは根治的に所属リンパ節に対 する放射線治療が行なわれている。腎臓癌に関しては手術不能例に対して試験的に定位放射線治療が用いられている。また腎臓癌は そのままでは放射線抵抗性ではあるが、1回線量を上げると、感受性が良好になる事が知られている。原発巣だけではなく、脳転移、 骨転移などにも、1回線量を増加させた定位放射線治療が試みられている。その他腎盂尿管癌、副腎癌、陰茎癌に対しても放射線治 療が用いられる事がある。 今回のセミナーでは、まず放射線治療が何故効くかという観点から、 「放射線治療の生物学的、物理学的基礎」というテーマで、筑 波大学放射線腫瘍科の石川仁先生に講演頂き、次に放射線治療をどのように効かせるかという観点から、泌尿器腫瘍、特に「前立腺 癌の放射線治療」の実際をがん・感染症センター都立駒込病院放射線科の二瓶圭二先生にご講演頂く。そして最後のパートは放射線 治療の Cutting edge techniques をご紹介するという観点から、 「放射線治療の将来展望」というテーマでがん・感染症センター都立 駒込病院放射線科の唐澤が務めさせて頂く。 折しも日本泌尿器腫瘍学会の設立とともに、泌尿器腫瘍の集学的治療が今後発展していくことが予想される中、放射線治療の役割 は増えこそすれ、減る事はないであろう。本セミナーが泌尿器科の先生方の放射線療法に関する理解の向上に役立てれば、望外の幸 せである。 唐澤 克之 昭和59年 東京大学医学部卒業 同 60年 同 医学部放射線医学教室助手 同 61年 スイス国立核物理研究所客員研究員 平成3年 医博 同 5年 社会保険中央総合病院放射線科医長 同 6年 都立駒込病院放射線科医長 同 17年 同 部長、現在に至る 二瓶 圭二 平成6年 京都大学医学部卒業 同 6年 京都大学病院放射線科・核医学科 同 7年 日本赤十字社和歌山医療センター 同 11年 国立がん研究センター東病院 同 23年 がん・感染症センター都立駒込病院 石川 仁 平成7年 群馬大学医学部卒業 同 18年 同 放射線科講師 同 20年 放射線医学総合医研究所 重粒子医科学センター病院医長 同 20年 在外研究:米国 Rochester 大学 (Visiting Associate Professor) 同 23年 筑波大学医学医療系放射線腫瘍学准教授 尿路結石 4/25(月) 8:20 〜 9:50 [14]疫学からみた尿路結石のトータルマネージメント 尿路結石は泌尿器科の中で最も多い疾患の一つであり、ほぼすべての泌尿器科医が診療に携わっているであろう。ESWL の発明や 内視鏡治療の発展によって、より低侵襲な砕石が可能となってきた。しかし、砕石治療の進歩とともに再発予防への関心は高くない のが実情である。 尿路結石は多因子疾患であり、さまざまな要因が重なって発症する。その成因は完全には解明されていない。しかし、基礎研究の ほか、疫学的研究からも「尿路結石は生活習慣病の一疾患である」という概念がほぼ確立されてきた。実際、大規模な疫学研究から は、尿路結石と肥満、生活習慣病との関係が明らかにされ、わが国からも尿中排泄量、メタボリックシンドローム因子との関連が示 されている。この10年を振り返ると、知見の集積、新たな技術の開発と普及に伴い、診断、治療、予防のすべてで、日常診療も大き く変化していることが判る。診断、手術機器の改良のほか、大規模な疫学的手法を用いた臨床研究なども報告され、予防法のエビデ ンスが確立されてきた。 2015年には、我が国における尿路結石の全国疫学調査が、本学会会員の先生方のご協力で実施された。50年にわたって全国規模の 疫学調査が継続されている例は世界でも見られない。卒後教育プログラムは、その集計作業の最中であり、それぞれの施設、関連の 先生方にご尽力いただいている時期にあたると推察する。 本プログラムでは,尿路結石の疫学の基礎的事項から、生活習慣病との関連、遺伝性尿路結石まで幅広く、最新の疫学的知見に基 づく「トータルマネージメント」を、3名のエキスパートの先生方から解説していただく。専門医を目指す先生はもちろんのこと、 指導医の先生方にとっても新たな知見を得ることができる有用な時間になるものと確信している。 安井 孝周 柑本 康夫 坂本 信一 安藤 亮介 平成6年 名古屋市立大学医学部卒業 同 12年 同 助手 同 21年 愛知県厚生連海南病院部長 同 22年 名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野講師 同 25年 同 教授 平成11年 千葉大学医学部卒業 同 18年 ケンタッキー大学泌尿器科ポストドクトラル フェロー 同 21年 千葉大学医学部附属病院泌尿器科助教 同 22年 同 大学院医学研究院泌尿器科学助教 同 27年 同 診療講師 平成3年 和歌山県立医科大学卒業 同 10年 マサチューセッツ州立大学生理学 同 13年 和歌山県立医科大学泌尿器科助手 同 16年 同 講師 同 22年 同 准教授 平成12年 三重大学医学部卒業 同 12年 安城更生病院研修医 同 24年 名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野助教 同 27年 同 病院講師 基礎研究 4/25(月)10:10 〜 11:40 [15]基礎研究:入門コース「動物・細胞・各種遺伝子解析」(実験ノート、データ管理、特許、各種関連法規や倫理等も含める) 泌尿器科学は、その学問・研究領域として臨床医学と基礎医学の両方を含んでいると考えられる。日々の診療に携わりながら泌尿 器科専門医を志し、その中で研究機関に属して基礎研究を実施する泌尿器科医も多いと思われる。近年、大学等の研究施設における 基礎研究成果を産業に生かそうとする産学連携活動の推進が国を挙げて行われており、基礎研究に基づくイノベーションに期待が集 まっている。また一方で、基礎研究および臨床研究のいずれの分野においても論文作成・発表に関して、研究不正の問題がクローズ アップされている。基礎研究の分野では遺伝子組換え生物を用いる実験や動物実験等の実施について法律が定められており、言うま でも無くこれらの遵守は必須であり、また臨床研究の分野では平成27年4月1日から人を対象とする医学系研究に関する倫理指針が 施行される等、研究をとりまく規制環境はより厳しさを増している。 これらの現状を背景に、本教育プログラムでは泌尿器科領域における基礎研究の入門コースとして、2名の講師が解説をする。渡 部は、泌尿器科領域で行われる実験手法を実際の基礎研究に基づいて、特に動物・細胞・各種遺伝子解析等の観点から解説する。さ らに基礎研究の遂行に当たって留意する必要がある点として、前述の法規に基づく研究申請や、論文作成、利益相反の開示等につい て解説する。那須は、基礎研究の分野における成果をいかに臨床に結びつけていくかという観点から、我が国における新規医療技術 の開発に関わる各種関連施策・法規・倫理について概説する。また、基礎研究成果が導かれるべき一つのゴールでもある新規医療技 術としての産業化という観点から、講師らの経験・取り組みに基づき、具体的事例を基にそれらの実際について解説する。 本プログラムが、若い泌尿器科医の皆さんの研究の一助となり、さらに今後の研究に有益な指針となることを期待する。 那須 保友 昭和56年 岡山大学医学部卒業 同 61年 同 大学院医学研究科修了 平成3年 同 医学部附属病院講師 同 22年 同 病院新医療研究開発センター教授 同 27年 同 大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学 教授 渡部 昌実 平成8年 岡山大学医学部医学科卒業 同 12年 同 大学院医学研究科修了 同 21年 岡山大学病院泌尿器科助教 同 22年 同 遺伝子・細胞治療センター准教授 同 23年 同 新医療研究開発センター准教授 老年泌尿器科・前立腺肥大症 4/25(月)10:10 〜 11:40 [16]高齢者排尿管理における泌尿器科医の役割 日本は急速なスピードで超高齢化社会に突入しようとしており、急速な社会の高齢化は様々な社会構造の変化を引き起こし、いろ いろな領域で超高齢化社会を先取りした対応が求められている。医療においても、高齢者医療の今後のあり方に関する多くの議論が 行われているが、地域包括ケアシステムの構築という医療政策の中で、診療所・病院完結型医療から地域完結型医療への移行、治す 医療から支える医療への移行が大きな潮流として見えてきている。 このような医療政策に沿って、高齢者の診療・ケアが今後病院から地域、すなわち在宅に移行する流れの中で、高齢者の泌尿器科 疾患においても地域においてどのような診療連携を行っていくかが重要な課題と思われる。下部尿路症状(Lower Urinary Tract Symptoms: LUTS)は下部尿路機能障害によって引き起こされる種々の症状であるが、本邦の疫学調査では、60歳以上の78%が何ら かの LUTS を有することが示されている。下部尿路機能障害は直接生命に関わることはまれであるが、生活の質を阻害し、特に高齢 者では本人のみならず介護者の QOL も障害することがある。また、虚弱高齢者においては不適切な排尿管理が、寝たきり状態や認 知症の誘発につながることが少なくない。超高齢化社会を迎え、高齢者の介護予防や QOL の向上に社会的関心が高まっている我が 国において、高齢者における下部尿路機能障害の診療やケアはますます重要となっている。高齢者における排尿管理の診療連携・地 域連携においては、多職種が協力して連携システムを構築することが重要であり、特に泌尿器科医は中心的・指導的役割を果たさな ければならない。本卒後教育プログラムでは、高齢者排尿管理の実態、高齢者排尿障害に対する薬物治療の基本的知識を講師にご講 演いただき、高齢者排尿管理における私たち泌尿器科医の役割について考えたい。 後藤 百万 昭和55年 三重大学医学部卒業 同59−60年 マクギル大学泌尿器科留学 同 63年 碧南市民病院泌尿器科部長 平成10年 名古屋大学医学部附属病院泌尿器科講師 同 18年 同 大学院医学系研究科泌尿器科学教授 吉田 正貴 昭和56年 熊本大学医学部卒業 平成元年 米国 Yale 大学医学部泌尿器科教室に留学 同 8年 熊本大学医学部泌尿器科助(准)教授 同 21年 熊本労災病院医療情報部部長 同 24年 国立長寿医療研究センター手術・集中治療部 部長 山西 友典 昭和57年 千葉大学医学部卒業 平成9年 同 医学部泌尿器科講師 同10−13年 英国シェフィールド大学客員講師 同 21年 獨協医科大学泌尿器科教授 同 23年 同 排泄機能センター長 内分泌・生殖機能・性機能 4/25(月)10:10 〜 11:40 [17]加齢男性性腺機能低下症(LOH)症候群と男性更年期障害 テストステロンは男性では主に精巣のライディヒ細胞においてコレステロールより産生される。テストステロンは体内のほとんど の組織にある、アンドロゲン受容体と結合し作用するが、また皮膚、前立腺、陰茎、陰嚢では5α還元酵素によりジヒドロテストステ ロンに変換され、より強力な作用を生じる。成人においては、テストステロンは筋肉の量と強度を保つのに必要であり、また内臓脂 肪を減らし、性欲を起こす。 加齢男性において、血中テストステロン値が低値であると、抑うつ状態、性機能低下、認知機能の低下、骨粗鬆症、心血管疾患、 内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性の悪化、HDL の低下、コレステロール値と LDL の上昇に関与し、メタボリック症候群のリスク ファクターになることが知られている。また心血管疾患、糖尿病、呼吸器疾患のリスクを高め、寿命が短くなる。 加齢に伴いテストステロン値が低下することによる症候を late onset hypogonadism(LOH 症候群)と呼ぶ。LOH 症候群は、テス トステロンの補充療法などの治療により、自他覚症状が改善する。 高齢者の QOL は今世紀の大きな課題であり、それを解く鍵のひとつに性ホルモンがあると考えられる。アジア、ヨーロッパにお いて、男性の健康を考える 「メンズヘルス」 をキーワードにテストステロンをバイオマーカーとした男性医学が進展している。 この講座ではテストステロンの作用と測定、LOH 症候群の疫学、臨床像、診断、治療、テストステロンと前立腺癌、LOH 症候群 と生活習慣病について専門医が知っておくべき内容をまとめる。 堀江 重郎 昭和55年 東京大学医学部卒業 平成10年 同 医学部講師 同 14年 杏林大学助教授 同 15年 帝京大学医学部主任教授(泌尿器科学) 同 24年 順天堂大学大学院医学研究科教授 (泌尿器外科学) 辻村 晃 昭和63年 兵庫医科大学卒業 平成10年 ニューヨーク大学泌尿器科および細胞生物学 臨床研究員 同 17年 大阪大学医学部泌尿器科講師 同 22年 同 准教授 同 26年 順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科 先任准教授 井手 久満 平成3年 宮崎医科大学卒業 同 7年 国立がんセンター研究所分子腫瘍学部 同 11年 カルフォルニア大学ロサンジェルス校 ハワードヒューズ研究所 同 14年 杏林大学医学部泌尿器科学助手 同 19年 帝京大学医学部泌尿器科学教室准教授 エンドウロロジー・腹腔鏡 4/25(月)13:20 〜 14:50 [18]上部尿路結石症に対するエンドウロロジー(手技と合併症予防) 尿路結石における積極的治療法は現状 ESWL、r-TUL、f-TUL、PNL の4つの手技がそれぞれ独立して、または幾つかの組み合わ せにより行われている。約30年前の ESWL 本邦導入からほんの10年程前までは、尿路結石に対するこれらの治療というものは施設毎 の取り組みに大きな温度差が存在していた印象があり、比較的規模の大きな施設では全く扱わないところも多く存在していたと記憶 している。しかし、落ち着いて考えれば尿路結石は良性疾患ではあるものの本邦では年々増加傾向にあり、泌尿器科の外来患者数で 見れば確実に上位にくる疾患であるわけで、新規患者獲得を経営側から突き上げられる運営会議の席上、各泌尿器科責任者にとって 無視出来ない疾患である事が再認識されて来たという現実がある。それにも増して、この何年かの間に急速に改良された硬性軟性内 視鏡と実に様々な種類の周辺機器とレーザー破砕器により繰り出される f-TUL の魅力的な治療成績に大いなる興味を持たれた若手 医師が全国に多数存在した現実もある。これらの状況が大きな流れを生み出し、多くの施設が f-TUL を取り入れる事となった。さら に、f-TUL では対応し切れない大きな結石を面前にした医師達は、PNL にも興味を示し、工夫を重ねて f-TUL と PNL の併用療法に まで辿り着いた。本年の日本泌尿器内視鏡学会、日本尿路結石症学会のみならず、日泌総会でもこれら治療法の報告数は相当な割合 を占めている。そして、これら手技を行う新たな術者が増えれば当然合併症も増える事になる。今回の『卒後教育プログラム』にお いては、高沢亮治先生に r-TUL と f-TUL を、濱本周造先生には PNL と ECIRS を担当頂き、それぞれの手技の細かな基本を御教授 願い、できうる限り合併症を回避するコツを御伝授頂く予定である。新たにこれらの手技を始めようとする先生方、既に実施してい るものの壁に突き当たって伸び悩んでいる先生方に是非拝聴願いたい。 荒川 孝 昭和54年 北里大学医学部卒業 同 55年 聖路加国際病院で泌尿器科研修 同 63年 興生会相模台病院尿路結石破砕治療センター長 平成17年 北里大学泌尿器科助教授 同 18年 国際医療福祉大学三田病院泌尿器科教授 尿路結石破砕治療センター長 高沢 亮治 平成10年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業 同 16年 オーストラリア・モナシュ大学客員研究員 同 18年 東京都立大塚病院泌尿器科医員 同 21年 同 医長 同 27年 同 尿路結石センター医長 濵本 周造 平成13年 名古屋市立大学医学部卒業 同 21年 同 医学研究科腎・泌尿器科学分野特任助教 同 24年 JA 愛知厚生連豊田厚生病院泌尿器科医長 同 25年 同 内視鏡部長 同 27年 名古屋市立大学医学研究科 腎・泌尿器科学分野助教 泌尿器科腫瘍 4/25(月)15:10 〜 16:40 [19]進行性および去勢抵抗性前立腺癌の治療 初発時から転移を有する進行性前立腺癌に対しては、アンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy: ADT)や非ステロイ ド性抗アンドロゲン剤などを駆使し “ ホルモン抵抗性 ” になるまでの時間を延長させる治療が行われ、“ ホルモン抵抗性 ” には BSC という時代が長く続きました。しかし、2004年にこのような “ ホルモン抵抗性 ” 癌に対して化学療法剤であるドセタキセルの有効性 が TAX327や SWOG9916試験によって示され、今や標準治療として定着したことは、まさに “ パラダイムシフト ” だったと思いま す。以来10年が経過し、米国では “ 去勢抵抗性癌(CRPC)” と少し名を変えて標準治療であるドセタキセルを投与した後のセッティ ングで生存期間の延長を示す新規薬剤として、2010年にカバジタキセル(TROPIC 試験)、2011年にアビラテロン(COU-AA-301試 験) 、2012年にエンザルタミド(AFFIRM 試験)と立て続けに認可されました。本邦では2014年に一気にこれら3剤が認可され使用 することができるようになり診療の現場に導入されました上に、さらなるエビデンス(COU-AA-302試験、PREVAIL 試験)からア ビラテロンとエンザルタミドはドセタキセル前に使用することもできるようになっています。またほぼ同時にまたこの時(2014年) にもう一つ、米国臨床腫瘍学会(ASCO)で「進行性前立腺癌に対して ADT と同時にドセタキセルを併用することで著しく生存期 間を延長する」という衝撃的な報告(通称 “CHARRTED 試験 ”)がなされました。このことは2015年の ASCO で報告された STANPEDE 試験の結果でも同様に示され、近い将来、ホルモン感受性のあるうちからの進行性前立腺癌の標準治療が変わる可能性 があります。 本プログラムではこの激流とも言える“情報”を、進行性前立腺癌について東邦大学佐倉病院の神谷直人先生に、CRPC については 広島大学の亭島淳先生のお2人の先生におまとめいただき、氾濫・混乱する情報をスッキリ整理していただけるものと確信しています。 賀本 敏行 昭和62年 京都大学医学部卒業 平成7年 京都大学医学研究科第一病理助手 同 13年 同 泌尿器科講師 同 15年 同 助教授(准教授) 同 21年 宮崎大学医学部泌尿器科教授 亭島 淳 平成6年 広島大学医学部卒業 同 16年 同 大学院医歯薬学総合研究科腎泌尿器科学 助手 同 19年 テキサスA & M大学客員研究員 同 22年 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 腎泌尿器科学講師 同 27年 同 医歯薬保健学研究院腎泌尿器科学准教授 神谷 直人 平成10年 杏林大学医学部卒業 同 15年 千葉大学大学院医学研究科終了 同 18年 同 医学部附属病院泌尿器科助教 同 22年 東邦大学医療センター佐倉病院泌尿器科講師 同 27年 同 准教授
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