建設常任委員会 1 所管事務調査報告(平成27年度) 経過 開催日 1 主な調査内容 平成2 7年4月2 7日 ○ 今年度の所管事務調査事項を、 ① 特産物の開発 ② 観光行政のあり方 ③ 空き家・廃屋対策 の、3項目に決定し、現状や課題について把握するた め、各委員が3班に分かれて調査研究を行うこととし た。 ○ 調査を進めるにあたり、市の現状と課題について執行 部から説明を受け、勉強する機会を設けることに決定 した。 2 5月20日 ○ 各班の調査報告を受けて、意見交換をする中で、所管 事務調査事項の見直しを行い、 ① 特産物の開発 ② 空き家・廃屋対策 の、2項目に決定した。 ○ 所管事務調査事項の勉強会に向け、執行部への質問事 項をまとめることとした。 ○ 事務事業評価について、執行部へ評価を依頼する事業 を協議した。 3 6月11日 ○ 所管事務調査事項の勉強会を開き、執行部から市の現 状と課題について説明を受け、意見交換を行った。 ○ 事務事業評価について、執行部へ評価を依頼する事業 を決定した。 4 6月25日 ○ 事務事業の評価方法について協議した。 ○ 調査研究をより深めるために行政視察を行う方向で 調査の内容、目的、項目、日程、場所などを協議し、 候補地との調整を行うこととした。 5 7月21日 ○ 執行部が作成した事務事業評価シート(事業成果)の 説明を受けた。 1 6 8月6日 ○ 道の駅と南北道の進捗状況、産業廃棄物大量保管事案 についての勉強会を開き、執行部から説明を受けた。 ○ 各委員の行った事務事業評価をもとに、委員会として の評価意見を取りまとめた。 ○ 行政視察の日程と場所を決定した。 7 9月15日 ○ 議会による事務事業評価を最終決定し、本会議で報告 する旨を議長に申し出ることとした。 ○ 議会報告会で委員会が報告する内容と、報告案作成の 日程を決定した。 8 9月28日~30日 ○ 長野県(飯山市・小布施町・東御市・中野市)へ行政 視察を行った。 ○ 議会報告会の報告内容を協議した。 9 10月9日 ○ 議会報告会の報告内容、資料等について、最終的な手 直しを行い、想定問答等を協議した。 ○ 各委員から提出される行政視察報告書をもとに、委員 会としての所管事務調査報告の案をまとめることと した。 10 11 10月26日~29日 ○ 市内4カ所で議会報告会を開催した。 11月26日 ○ 道の駅の建築工事、道の駅の指定管理者の指定、リバ ース問題についての勉強会を開き、執行部から説明を 受けた。 ○ 各委員から提出された行政視察報告書をもとに、視察 先ごとに担当者を決めて、所管事務調査報告の案を作 成することとした。 12 12月9日 ○ 議会報告会で出された意見・質問に対する回答を委員 会で協議した。 13 12月18日 ○ 所管事務調査報告の案について協議した。 14 12月25日 ○ 所管事務調査報告の案について協議した。 15 平成28年1月13日 ○ これまでの所管事務調査をもとに、行政に具体的対応 を求める事項を協議した。 ○ 所管事務調査報告の内容を決定し、本会議で報告する 旨を議長に申し出ることとした。 2 2 行政視察について ⑴ 危険家屋対策について 平成27年9月29日(月) 長野県飯山市 (人口 約 23,000 人、面積 202.32 ㎢) ① 「飯山市空き家等の適正管理に関する条例」の概要と特徴 (平成24年10月1日施行) ア 豪雪地帯のため、家屋の倒壊や屋根からの落雪により、市民の安心安全 が損なわれるおそれがあるものを対象としている。 イ 建物のみでなく、空き家敷地内の立ち木も条例対象としている。 ウ 正当な理由がなく命令に従わない場合には、所有者または管理義務者の 氏名等を公表する。 ② 危険空き家への対応と課題 ア 所有者がわからない、わかっていても連絡がとれない、連絡がとれても 対応してもらえない。 イ 相続人が相続放棄をしている。 ウ 取り壊しの意志があっても経済的な理由で取り壊しができない。 取り壊し費用の一部補助を行うことは可能だが自己負担分が確保できな い。 ③ 空き家条例の効果 ア 行政が個人の財産に一定の関与をすることが可能になった。 イ 危険な状態にさせないための抑止効果としての意味も大きい。 ウ 田舎暮らしを希望される方が古民家をリフォームし、多くの人が移住し ている。 【行政視察を終えての意見、感想】 空き家の適正管理、危険空き家対策、移住定住施策、空き家バンク等関連の 課題を「移住定住推進課」1課3名体制で対応している。府中市もこのような 体制のほうがよいと感じました。 ⑵ 特産物開発(生産~販売)について 平成27年9月29日(火) 長野県上高井郡小布施町 (人口 約 11,000 人、面積 19.12 ㎢) ① 町の特徴 ア 全世帯の3分の1が農業従事者で、町の基幹産業はあくまでも農業と、 3 「農業立町」宣言をされ、町全体で活性化に取り組まれている。 イ 「栗と北斎と花のまち」が小布施町のキャッチフレーズで、「北斎館」 や多くの美術館、記念館などの観光施設を建設し、小布施町そのものを農 業と観光と文化でブランド化するまちづくりに取り組んでいる。 ウ オープンガーデンと最高の食材を使った最高のおもてなしが評判とな り、女性を中心に人気を集める。年間 120 万人が観光に訪れる町となる。 ② 農業の特徴 ア クリは、室町時代に丹波からクリの苗木を取り寄せ、川の氾濫対策と荒 地利用を図ったものである。 イ ウ 古来、クリは落雁などの和菓子として6次産業となっている。 小布施町は寒暖の差が大きく、年間降水量は 1,000 ㎜以下と少ない気候 であり、水はけのよい扇状地といった好条件を生かし、クリ、リンゴ、ブ ドウ、桃など、質の高い果樹を栽培している。 エ 現在は、新たにブラムリー(料理用の青いリンゴ)など付加価値のある 果物の栽培に取り組んでいる。 ③ 販売 経済産業省の補助事業を使い、東京にアンテナショップを出店している。 【行政視察を終えての意見、感想】 人口約 1 万 1,000 人の小布施町だが、数十年かけて年間 120 万人もの観光客 が訪れる町へと変えてこられた。ターゲットは女性、販売は人脈が一番重要で あると、町長自らが営業に出ておられるのが印象的だった。 ⑶ 特産物開発(生産~販売)について 平成27年9月29日(火) 長野県東御市 (人口 約 30,000 人、面積 112.37 ㎢) ① 特産物のクルミ(シナノグルミ)について ア 大正4年から一世紀にわたりクルミを栽培している。 イ 生産者へは、行政による直接的な支援のほかに、東御市農業技術者連絡 協議会、東御市農業農村支援センターなどによる支援を行っており、この 中にはクルミ栽培専門の研究者もおられる。 ウ 市の補助は年間の上限が 500 万円。 ② クルミ栽培による収益と採算 ア 収益を得るには最低70アールの作付が必要、苗木は2年物で10アール当 たり10本を定植の目安としている。 イ 苗木は雌雄同株、異花で異なる種類のものを2本以上定植する。 4 ウ 栽培区域面積45ヘクタール、約33トン収穫している。 ③ 道の駅「雷電くるみの里」 ア 徹底して地元産にこだわった新鮮な野菜や果物が並ぶ農産物直売コーナ ーを設置しているため、利用客が多い。 イ 特産の土産物が豊富にそろう物産コーナーがあるため、それを目当てに 立ち寄る観光客も多い。 ウ クルミを使った菓子類の品数が豊富にそろっている。 エ クルミを使用したソフトクリームが有名で、手打ちそば、すいとん、ク ルミのおはぎなど、郷土食を売りにした食堂がある。 オ 駐車場は普通車 100 台、大型車 20 台と大変広く、建物には地元産の木材 を使用している。 【行政視察を終えての意見、感想】 クルミの栽培が府中市の土壌や気候に合うかどうかの研究が必要であり、特 産にするには時間がかかると思われる。 地域の農産物、特産物を通年販売し、 農業振興や地域活性化につなげている。 客が客を呼ぶよいサービスによって、何度でも行きたくなる道の駅になるよ う取り組むこと。 ⑷ 特産物開発(生産~販売)について 平成27年9月30日(水) 長野県中野市 (人口 約 44,000 人、面積 112.18 ㎢) ① 市の特徴 ア エノキタケの生産は、先人の先駆的な取り組みにより全国第1位の生産 量を誇っており、ブナシメジ、ナメコ、エリンギ、アギタケなどのキノコ 類の生産も県内で上位を占めている。 イ 果樹栽培に適した気候を生かし、ブドウ、桃、リンゴ、サクランボなど を生産している。 ② 農業への施策(行政と民間の施策) ア 市の基幹産業である農業を活性化するため、 「売れる農業推進室」を設置 し取り組んでいる。 イ JAが積極的に農産物等の営農指導、販売にかかわり、技術員、指導員 の確保は県内1位である。 ③ 販売方法 5 ア 各種イベント、お祭りなどに参加し、食品を実際に食す機会を設けて特 産物のPRと多様なマーケティングを推進している。 イ 夏と秋にギフトカタログ等を発行。市内産商品を紹介する一冊も作成し、 市民と連携して市内産商品をPRしている。 ウ 地元食材を使った料理方法の開発、PRにより、地産地消の推進を図っ ている。 エ インターネットを活用し、農業情報の受信、発信をしている。 オ 地元の高校生、地域の若者を巻き込み、市の広告塔として活躍してもら うための取り組みを行っている。 カ 市長が積極的にトップセールスを実施している。 キ 猫の手援農隊を活用している。 【行政視察を終えての意見、感想】 新規就農者支援事業を積極的に推進している。 「売れる農業推進室」を設置され、農産物の販路拡大に取り組まれている。 3 事務事業評価 今年度初めて、議員が事業の目的や内容、事業量等を確認し、その成果を妥当 性・有効性・効率性等の観点から評価し、問題点等を明らかにする事務事業評価 を実施しました。 本委員会では、次の5事業を抽出し評価を行った結果、いずれの事業も「一部 見直しのうえ継続すべき」とし、意見を付して来年度の予算編成への反映を求め、 市長に対し提言を行いました。 ⑴ じん芥処理費 ⑵ 野生鳥獣被害対策事業 ⑶ 地籍調査事業 ⑷ 公共下水道事業 ⑸ 社会資本整備総合交付金事業 4 所管事務調査を終えて行政に具体的対応を求める事項 ⑴ 府中市においても危険と思われる空き家が多くある。行政として対応できる 「空き家対策条例」を早急に制定し、空き家対策や人口増に向けた移住対策に 取り組むこと。 ⑵ 道の駅については、地域の農産物、特産物を通年販売し、農業振興や地域活 6 性化につなげ、客が客を呼ぶよいサービスによって、何度でも行きたくなる場 所になるよう取り組むこと。 ⑶ 高齢化、後継者不足、遊休荒廃地化、鳥獣被害対策など、個々の農家では対 応できない課題を、行政が中心になって取り組むこと。また、売れる農業、も うかる農業の推進に取り組むこと。 執行部におかれては、こうした課題があることを十分認識され、今後の施策に 取り組んでいただきたい。 7
© Copyright 2024 Paperzz