欧州国際トピカルチーム(沸騰・二相流・界面現象分野) ワークショップ

日本マイクログラビティ応用学会誌 Vol. 23 No. 4 2006 (244)
会議報告
欧州国際トピカルチーム(沸騰・二相流・界面現象分野)
ワークショップ
The International Topical Team Workshop ``Two-Phase Systems for
Ground and Space Applications'' 1921, September, 2006, Brussels, Belgium
大田
治彦
オーガナイザー
プレナリー講演が行われたが,内 3 件が沸騰関連であり,
Heat Transfer International Research Institute of ULB and IT
欧州における当分野に関する関心の高さを物語るものであ
SB RAS, Brussels
った.
Institute of Thermodynamics. Siberian Branch of Russian
このワークショップへの日本からの参加を要請されたの
Academy of Sciences, Novosibirsk
は,6 月にアイルランドで開催されたマイクロチャンネル
Microgravity Research Center, Universite Libre de Bruxelles,
内流体現象の国際会議の折で,その趣旨は ESA の沸騰・
Brussels
二相流トピカルチームを日本なども含めた協力国の国際
European Space Agency
チームに発展させたいということであった.何分急な話で
URLhttp://hti.ulb.ac.be/workshop.html
あり,また状況がいまひとつ不明確で,スケジュール上の
課題と発表件数(うちキーノート(含,プレナリー)講演
都合もあるので,今回は産総研の阿部宜之先生と兵庫県立
件数)
大学の河南
修先生との 3 名のみの参加となった次第であ
る.結果的には沸騰・二相流に限らず,広い分野の研究が
Films and layer, 17(3)
対象となっており,欧州研究者との協力推進に向けて次回
Experiments in microgravity, 12(1)
からは対応方法を変える必要があるように思われた.
Interfaces and patterns, 11(1)
ワークショップは 3 日間で,各セッションでの議論は非
Boiling, 10(4)
常に活発であった.欧州宇宙機関によるきわめて機能的な
Condensation, 6(2)
支援による研究の進展と活性化が深く印象づけられたワー
Electronics cooling, 5
クショップであった.
次回の WS は2007 年に奈良の ISPS のサテライト会議と
Bubbles and drops, 8
Twophase ‰ows, 6(2)
して,京都で開催予定であり,予定参加者数60~80名程度
Spray and jet, 3(1)
の会議を日本側でお世話させていただくことになった.
Others, 4
ISPS の前の週にはブルガリアのバンスコで,日本からの
合計82(14)
参加者も毎回多く今回 5 回目の開催となる ECI 主催の In-
terdisciplinary Transport Phenomena V: Fluid, Thermal, BioConference Chairs はブリュッセル自由大学( ULB )の
logical Materials and Space Sciences が予定されており,少
Oleg Kabov 教授, Jean-Claude Legros 教授で, 当大学に
なくとも界面現象分野に関しては 2 週間で 3 連続の国際学
おいて開催された.開会式後のプレナリーセッションでは,
会となる予定である.引き続き,皆様の御参加や御協力を
ESA の Dr. Olivier Minster より, ELIPS プランにおける
お願い申し上げます.
流体関連研究について説明がなされた.引き続いて 4 件の
九州大学大学院工学研究院航空宇宙工学部門
(E-mail: ohta@aero.kyushu-u.ac.jp)
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