財務分析指標 上場会社株主関連指標 TKC経営指標 1.収益性分析項目

財務分析指標
株主資本純利益率
デュポン式 ROE (%)
=
当期純利益 ÷ 株主資本 × 100
= 当期純利益
× 100
売上高
=
×
売上高
総資産
×
総資産
株主資本
売上高純利益率(%) × 総資産回転率(回) × 財務レバレッジ(倍)
上場会社株主関連指標
配当性向(%)
一株当り配当(円)
配当利回り(%)
株価収益率(PER)(倍)
株価純資産倍率(PBR)(倍)
株価キャッシュフロー倍率(倍)
=
=
=
=
=
=
配当金÷当期純利益×100
配当金÷発行済株式数
一株当り配当÷株価×100
株価÷一株当り利益
株価÷一株当り純資産
株価÷一株当りのキャッシュフロー
TKC経営指標
1.収益性分析項目
A.総合指標
No.
1
2
3
経営指標名
総資本営業利益率(%)
総資本経常利益率(%)
自己資本利益率(%)
計算式
= 営業利益÷総資本×100
= 経常利益÷総資本×100
= 税引前当期純利益÷自己資本×100
B.資本回転率
No.
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
経営指標名
総資本回転率(回)
総資本回転期間(日数)
流動資産回転期間(日数)
現金・預金回転期間(日数)
売上債権回転期間(日数)
たな卸資産回転期間(日数)
その他流動資産回転期間(日数)
固定・繰延資産回転期間(日数)
有形固定資産回転期間(日数)
流動負債回転期間(日数)
買入債務回転期間(日数)
買入債務(支払基準)回転期間(日数)
固定負債回転期間(日数)
自己資本回転期間(日数)
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
計算式
純売上高÷総資本
総資本÷純売上高×365
流動資産÷純売上高×365
現金・預金÷純売上高×365
売上債権÷純売上高×365
たな卸資産÷純売上高×365
その他流動資産÷純売上高×365
(固定資産+繰延資産)÷純売上高×365
有形固定資産÷純売上高×365
流動負債÷純売上高×365
買入債務÷純売上高×365
買入債務÷仕入代金支払高×365
固定負債÷純売上高×365
自己資本÷純売上高×365
C.売上高利益率
No.
18
19
20
21
22
23
経営指標名
売上高営業利益率(%)
売上高経常利益率(%)
売上総利益率(%)
材料費対売上高比率(%)
労務費対売上高比率(%)
外注加工費対売上高比率(%)
24
経費対売上高比率(%)
25
26
27
28
29
販売費・一般管理費対売上高比率(%)
販管人件費対売上高比率(%)
営業外収益対売上高比率(%)
営業外費用対売上高比率(%)
支払利息割引料対売上高比率(%)
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
計算式
営業利益÷純売上高×100
経常利益÷純売上高×100
売上総利益÷純売上高×100
当期材料費÷純売上高×売上原価按分率×100
当期労務費÷純売上高×売上原価按分率×100
当期外注加工費÷純売上高×売上原価按分率×100
当期製造経費(除、当期外注加工費)
÷純売上高×売上原価按分率×100
販売費及び一般管理費÷純売上高×100
販管人件費÷純売上高×100
営業外収益÷純売上高×100
営業外費用÷純売上高×100
支払利息割引料÷純売上高×100
2.生産性分析項目
No.
30
31
32
33
34
35
36
37
38
経営指標名
1人当り売上高(月)(千円)
加工高(粗利益)比率(%)
1人当り加工高(粗利益)(千円)
1人当り人件費(月)(千円)
労働分配率(限界利益)(%)
1人当り総資本(千円)
1人当り有形固定資産(千円)
加工高設備生産性(%)
1人当り経常利益(月)(千円)
=
=
=
=
=
=
=
=
=
計算式
(純売上高÷12)÷平均従事員数
加工高(粗利益)÷純売上高×100
(加工高(粗利益)÷12)÷平均従事員数
(人件費(当期労務費+販管人件費)÷12)÷平均従事員数
人件費(当期労務費+販管人件費)÷限界利益×100
総資本÷平均従事員数
有形固定資産÷平均従事員数
加工高(粗利益)÷有形固定資産×100
(経常利益÷12)÷平均従事員数
3.安全性分析項目
No.
39
40
41
42
43
44
45
46
47
経営指標名
流動比率(%)
当座比率(%)
預金対借入金比率(%)
借入金対月商倍率(月数)
固定比率(%)
固定長期適合率(%)
自己資本比率(%)
経常収支比率(%)
実質金利率(%)
=
=
=
=
=
=
=
=
=
計算式
流動資産÷流動負債×100
当座資産÷流動負債×100
預金÷借入金×100
借入金÷(純売上高÷12)
(固定資産+繰延資産)÷自己資本×100
(固定資産+繰延資産)÷(固定負債+自己資本)×100
自己資本÷総資本×100
経常収入÷経常支出×100
(支払利息割引料-受取利息割引料)
÷(借入金-定期預金)×100
4.債務償還能力項目
No.
48
49
50
51
52
経営指標名
ギアリング比率(%)
自己資本額(千円)
計算式
= 有利子負債÷自己資本×100
= 自己資本
= (有利子負債-運転資金-現金・預金)
債務償還年数(年)
÷(経常利益-法人税等+減価償却費合計)
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) = (営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息割引料
償却前営業利益(千円)
= 営業利益+減価償却費合計
5.成長性分析項目
No.
53
54
経営指標名
対前年売上高比率(%)
経常利益増加額(千円)
計算式
= 今期純売上高÷前期純売上高×100
= 今期経常利益-前期経常利益
6.損益分岐点分析項目
No.
55
56
57
58
59
経営指標名
損益分岐点売上高(月)(千円)
経営安全率(%)
限界利益率(%)
平均固定費(月)(千円)
固定費増加率(%)
=
=
=
=
=
計算式
(固定費÷12)÷(1-(変動費÷純売上高))
(1-(損益分岐点売上高÷純売上高))×100
(1-(変動費÷純売上高))×100
固定費実績累計額÷12
今期固定費÷前期固定費×100
経営(財務分析)指標の見方と考え方
<期間損益>
(株主・債権者)
(顧客(商品))
(会社員)
資本
売上高
従業員数
一人あたりの
経常利益
①
利益
②
収益性
=
資本効率
×
売上利益率
経常利益
経営資本
=
売上高
経営資本
×
経常利益
売上高
経営資本対経常利益率
経営資本回転率
10%以上を目指せ!
業種によっては5%~
売上高対経常利益率
3回転を目指せ!
4%以上なら上出来!
売上高
売掛金+受取手形
売掛金+受取手形
売上高÷12
売上債権回転率
代金回収速度
3ヶ月以内が目標
③
資金循環性
売上総利益
売上高
販売・管理費
売上高
マージン率
経費率
30~40%以上が理想!
卸・商社なら15%~
仕入債務回転率
棚卸資産回転率
<ある時点の財産状態>
・ 決算日
資産構成 資本構成
流動資産
固定資産
自己資本
総資本
固定資産
自己資本
×
自己資本比率
自己資本
総資産 = 総資本
・ 純資産 = 総資産 - 負債合計
= 自己資本
= 総資本 - 他人資本
⑤
固定資産
総資産
=
固定比率
40%以上が理想!
卸・商社なら15%~
100%以下
負債合計
自己資本
固定資産
自己資本+固定負債
負債比率
固定長期適合率
支払能力
150%以下が理想
流動資産
流動負債
⑦
仕入高
買掛金+支払手形
安全性
④
他 流動負債
人
資 固定負債
本 負債合計
100万円以上なら理想
= 売上総利益率 - 販売・管理費比率
売上債権比率
売上高
棚卸資産
経常利益
年間平均従業員数
成長性
80%以下を目指せ!
流動比率
110%未満では資金繰り困難!
130%以上が理想
前年比
自己資本増加率
売上高増加率
営業利益増加率
(機械設備)
設備資産
生産性
⑥
付加価値額
延べ労働時間
加工高
設備資産
年間平均従業員数 = 年間平均従業員数 ×
時間あたりの
一人あたりの
付加価値額
加工高
=
一人あたりの
×
加工高
設備資産
機械投資効率
機械装備高
人件費
加工高(粗利高)
従業員定着率
平均賃金
労働分配率
<コメント参考>「船井流経営計画の立て方」
「中小企業の経営指標」
付加価値額の定義について
「経営の向上の程度を示す指標」として用いられる付加価値額は、いわゆる粗付加価値額
として、 「 営業利益+人件費+減価償却費 」 と定義され、その詳細については以下の
点に留意する必要があります。
(1)人件費
以下の各項目のすべてを含んだ総額とする。ただし、これらの会計計算ができない場合
については、簡易的な推計方法(例えば平均給与×従業員数)によって算出することも可
能であることとする。
・ 売上原価に含まれる労務費(福利厚生費、退職金等を含んだもの)
・ 一般管理費に含まれる役員給与、従業員給与、賞与及び賞与引当金繰り入れ、福利厚生
費、退職金及び退職給与引当金繰り入れ
・ 派遣社員、パートタイム社員の給与を「外注費」で処理した場合の当該費用
(2)減価償却費
以下の各項目のすべてを含んだ総額とする。ただし、各費用項目の詳細について把握で
きない場合については、当該項目については省いても可能であることとする。
・ 減価償却費(繰延資産の償却額を含む)
・ リース・レンタル費用(損金算入されるもの)
一人あたりの付加価値額の定義について
・勤務時間によって人数を調整することも可能とする。
・分母の従業員数の定義については、分子の付加価値額の定義と整合性のとれるものとす
ることが必要である。例えば、派遣社員やパートタイム社員に係る経費を付加価値額に
算入した場合は、分母にも加える必要がある。(その際には、勤務時間によって人数を調
整する必要がある。)(パートを0.5人分と計算するなど)
これら以外にも各省庁、各新聞社などの統計に使われる付加価値があります。
1) 中小企業庁 「中小企業の経営指標」 ・・・控除法:中小企業庁方式
加工高=生産高-(直接材料費+買入部品費+外注加工費+補助材料費)
※ 生産高=純売上高-当期製品仕入原価
・ 製造業の場合
付加価値(加工高)=売上高-(材料費+買入部品費+外注工賃)
・ 建設業の場合
付加価値(加工高)=完工工事高-(材料・部品費+外注費)
・ 卸売業・小売業の場合
付加価値(粗利益)=売上高-売上原価
2) 経済産業省 「工業統計」
付加価値=生産額-原材料使用料等-製品出荷額に含まれる国内消費税等-減価償却費
3) 日本銀行 「主要企業経営分析」 「企業規模別経営分析」 ・・・加算法:日銀方式
付加価値額=経常利益+人件費+金融費用+賃借料+租税公課+減価償却費
4) 財務省 「法人企業統計」
付加価値=人件費+動産・不動産賃貸料+支払利息・割引料+租税公課+営業純益
※ 人件費=役員報酬+従業員給与手当+福利費
※ 営業純益=営業利益-支払利息・割引料
5) 日経新聞 「日経経営指標」
粗付加価値=人件費+賃借料+租税公課+支払特許料+減価償却実施額+営業利益
各業界団体、シンクタンクやコンサルティングなども独自の計算式を決めて用いているよう
です。
それらのうちどれを用いるかは、各企業の目的によります。自社の状況を何らかの統計データと比較
したいのであれば、その統計データが用いている計算式を採用するのが妥当です。
業界内の競合他社と比較したいのであれば、業界団体の計算式か、それが無ければ公表されてい
る各社の財務諸表から簡単に計算できる方式を採用することになります。
あるいは、社内の労使間で賃金の協議をするための基礎データとして用いるのであれば、労使で協
力して定義しておくことが必要です。経営計画を作るための一時的な分析データであればその要因
や必要性に応じた付加価値の計算式を考案して用いればよいかと思います。