今の時代、「新たな取組み」が必要だ! ガンガン売れる「ビジネスモデル」づくり ~商品力だけに頼らず、「普通の能力の社員」を活かす方法~ ビジョナリーコンサルティング 荒谷 憲(あらたに けん) (中小企業診断士・経営学修士) 今の時代、「新たな取組み」が必要だ 今の時代は激変している ・中国の台頭やフラット化の世界 ・「すり合わせ型」から「モジュール型」へ ・尐子高齢化社会 ・知識集約型社会 ・・・・・・・・など 今までのやり方は通用しない ⇒各企業に「新たな取組み」が必要! 2 「商品」差別化は難しい 「商品」はすぐ模倣される 持続的優位 は難しい! 競合にも類似商品があるので商品の差別化 は難しい <自社> 商品X 類似商品 <競合A社> <競合B社> 商品X‘ 商品X“ 商品はヒットすると模倣する競合が出てくる ので商品寿命が短くなる <自社> 商品Y <競合> 模倣 商品Y‘ 3 絶対的差別化から相対的差別化へ 絶対的差別化:すべての顧客が等しく知覚す る「商品のスペック」の差別化 相対的差別化:それぞれの顧客が異なって 知覚する「商品の主観的ニーズ」の差別化 4 スーパー社員の幻想を捨てる! できることなら、優秀な社員を採用したい ⇒しかし ①優秀な社員を採用するのは難しい :優秀な社員は超1流大企業に就職してしまう ②優秀な社員に「育てる」ことは難しい :成人した社員は「自ら育つ」もの ③優秀な社員はもっと条件の良い会社に転職してしまう :優秀な社員はよほど良い条件を得ない限り1つの企業に留まる理由 はない 「普通の能力の社員」を活用していくことを考える 5 ガンガン売れる「ビジネスモデル」の概要 商品力に頼るだけでは 持続的競争優位は 描けない 「普通の能力の社員」 を活用していくことが 前提条件だ ・・・そのためには ☆「ビジネスモデル」の 差別化で ガンガン売れる! ①「ターゲット顧客」の再考 ②「顧客ニーズ」の再考 ③「組織能力」の再考 *「ビジネスモデル」は 競合から見えにくい ⇒模倣されない ⇒持続的競争優位実現 6 「ビジネスモデル」で差別化する ⇒売上が増大し利益向上 ガンガン売れる「ビジネスモデル」とは 「からくり箱」のような「事業の仕組み」! 外部から仕掛けが見えないので ⇒目立たない成功を実現 ⇒競合の模倣困難 持続的競争優位実現 7 「ビジネスモデル」とは何か 「ビジネスモデル」とは ①「ターゲット顧客」の再考 ②「顧客ニーズ」の再考 のマトリックスで 「事業コンセプト」を考える ターゲット 顧客 顧客 ニーズ 組織能力 それを実現するための ③「組織能力」の再考 8 前提条件としての現状分析 ステップ1:4C分析 供給企業 ステップ2:SWOT分析 強み 弱み 機会 脅威 補完企業 自社 競合 顧客 9 「ビジネスモデル」の切り口 *「ターゲット顧客」の切り口 ①顧客の顧客 ②自社の強みが活かせる周辺層 ③優良顧客に絞り込み *「顧客ニーズ」の切り口 ①消費ライフサイクルに合ったニーズ ②商品学習の成熟程度に合ったニーズ ③顧客現場に接する ④顧客ニーズの突出点 ⑤既存と逆のニーズ *「組織能力」の切り口 ①収益モデルの明確化 ②顧客・仕入先等との関係の築き方 ③業務活動のフロー ④社員のモチベーションの高め方 ⑤PDCAサイクルの回し方 10 「ターゲット顧客」の考え方① 顧客の「顧客」を考える <ターゲット顧客> 自社 顧客 顧客の顧客 *本多プラス(小物容器製造業・社員数140名)の場合 • メーカーだけでなく、エンドユーザーを含めて 標的顧客を考えた • 化粧品メーカーにサンプル提供する場合、容器そのも のを送るのではなく、商品化した時のイメージが浮か ぶように、中身を入れたり、ラベルを貼ったりする 11 「ターゲット顧客」の考え方② 自社の強みが活かせる周辺層を開拓 既存顧客層 新顧客層① 新顧客層② *本多プラス(小物容器製造業・社員数140名)の場合 • 小物容器の需要先として、当初は文具メーカーが中心 だったが、小物容器の使用可能性を探り、 工具・医療・化粧品メーカーの顧客開拓に成功! 12 「ターゲット顧客」の考え方③ 優良顧客に絞り込む 顧客 顧客 顧客 優良顧客 *ヤマグチ(家電小売店・社員数44名)の場合 • 十分なサービスの実現のために、購入履歴 から「本当の顧客」に販売を集中 13 「顧客ニーズ」の考え方① 顧客の消費ライフサイクルに合ったニーズを考える 購入時の ニーズ 納品時の ニーズ 使用時の ニーズ 併用時の ニーズ 保守時の ニーズ 廃棄時の ニーズ *任天堂の場合 ・WiiFitを使えば自分の健康状態やトレーニン グ履歴を気軽に定期的にチェックできる 【併用時のニーズ】 14 「顧客ニーズ」の考え方② 顧客の商品学習の成熟程度に合ったニーズを考える ステップ1:商品 のブランドや特徴 がよくわからない ステップ2:商品 の特徴は理解し ているがブランド がわからない ステップ3:商品 の特徴も理解し ており好きなブラ ンドがある *ヤマグチ(家電小売店・社員数44名)の場合 ・IH調理器を使った料理教室を開き、IH調理器 の使い方を実演【ステップ1】 15 「顧客ニーズ」の考え方③ 顧客現場に接して顧客ニーズを考える 顧客現場 社員 *キーエンスの場合 ・営業社員がユーザーの工場へ入り込み、 問題点を発見して、提案営業につなげる 16 「顧客ニーズ」の考え方④ 顧客の突出点からニーズを見つける 顧客の要望 ここに注目! 10 0 A B C D E *A社の場合 ・ある顧客の厳しい要望から、 新しい顧客ニーズを創造した 17 「顧客ニーズ」の考え方⑤ 既存の顧客ニーズの逆のニーズを考える 従来の ニーズ 逆の ニーズ *ヤマグチ(家電小売店・社員数44名)の場合 ・大手量販店の値引き戦略に対抗し、サービス の質を徹底的に高める。 18 「ターゲット顧客」と「顧客ニーズ」との マトリックスで事業コンセプトを考える ターゲット顧客 顧客ニーズ 既存のまま 顧客の顧客 周辺顧客 顧客絞り込み 既存のまま 消費ライフサイクル 例③ 商品学習の成熟度 例⑤ 顧客現場の接点 例① ニーズの突出点 既存と逆のニーズ 例④ 例② 例①業務用ミラーメーカーが購買担当者ではなく各店舗の店員に直接、声を聞く。 例②ばねメーカーが他社がやらない1個からのばねの注文を受ける。 例③畳メーカーが賃貸住宅の入居者入れ替えの畳の表替えに事業を集中する。 例④シャツ製造販売が女性に連れられ来店する男性のリピーターに注目する。 例⑤ホテルがスポーツ団体客も顧客にし、セルフサービスや設備簡素化をする。 19 事業コンセプトを実現するための 「組織能力」を構築する 事業コンセプト(ターゲット顧客+顧客ニーズ) 「組織能力」構築 ステップ1:収益モデルを考える ステップ2:顧客・仕入先等の関係を考える ステップ3:業務活動のフローを考える ステップ4:社員のモチベーションの高め方を考える ステップ5:PDCAサイクルの回し方を考える 20 「組織能力」の考え方①-1 収益モデルを考える 1、資本利益率の考え方による切り口 ●利益率重視型 ●回転率重視型 2、損益分岐点分析の考え方による切り口 ●変動費型 ●固定費型 21 「組織能力」の考え方①-2 資本利益率による収益モデル 利益率重視型:顧客の回転数は尐ないが、 高付加価値によって利幅を大きくする 回転率重視型:利幅は薄いが顧客の回転率 を高くする 22 「組織能力」の考え方①-3 損益分岐点分析による収益モデル 変動費型: ①固定費比率が低く、すぐに利益が出る体質 ②景気の変動が大きくても業績の変動が小さい ③参入障壁が低いので競争が激しい 固定費型: ①固定費比率が高く、利益が出にくい体質 ②景気の変動が大きいと業績の変動が大きい ③参入障壁が高いので競争は激しくない 23 「組織能力」の考え方② 顧客・仕入先等との関係を構築する 長期的に持続的な売上高増大 顧客との関わり・取引先との関わりから企業信頼度を生み出す 販売前接点 対応 (例) ・製品のアピール方法 ・プロモーション資料作成方法 ・営業マンのファーストコンタクト方法 ・効果的なファサードあり方 ・仕入先への対応のあり方 販売時接点 対応 (例) ・顧客との商談方法 ・事務員の電話対応方法 ・店内のPOP、接客方法 ・仕入先との交渉のあり方 販売後接点 対応 (例) ・製品の設置のあり方 ・製品保証体制のあり方 ・定期メインテナンスのあり方 ・アフターフォローのあり方 ・顧客満足度調査方法 ・関連製品の販促方法 24 「組織能力」の考え方③ 業務活動のフローを考える 業務活動を「除去」「減尐」「増加」「付加」 「プロセス入れ替え」「結合」 ⇒業務活動をゼロベースから組み直す ⇒「ターゲット顧客」「顧客ニーズ」を実現する 業務活動にする 研究 開発 調達 生産 販売 サービス *本多プラス(小物容器製造業・社員数140名)の 場合 工場で働く社員も率先して営業スタッフに同行し て客先に出向いて顧客の要望を聞く【結合】 25 「組織能力」の考え方④ 社員のモチベーションを高める *脳の働きを活用する 始業前に体を動かす:朝礼、体操、そうじ いつもと違うことをする:月1回勉強会 ごほうびを与える:承認、目標達成でごほうび 目標を持つ:キャリア目標、あこがれの先輩 *本多プラス(小物容器製造業・社員数140名)の 場合 朝の30分間をそうじの時間にあて、各人が 担 当エリアをピカピカに掃除をする【体を動かす】 26 「組織能力」の考え方⑤ PDCAサイクルを回す 仕事をしていく上で、「計画(Plan)」⇒「実行 (Do)」⇒「チェック(Check)」⇒「修正(Action)」の サイクルを回す 活動に学習効果が生まれる *T社の場合 月初に「営業会議」で営業計画を立て、月中旬 の「中間報告会」で進捗状況をチェックし、計画 達成のための知恵をしぼる。 27 魚は頭から泳ぐ 「ビジネスモデル変革」もトップが主導する ボトムアップではビジネスモデル変革はでき ない←ボトムアップで権限委譲すれば社員は 筋の悪いことをしだして組織として収拾がつ かなくなる 「トップの想い」を社員に伝え続ける→社員も トップの想いを受け止めて賛同し協働してくれ る 28
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