あれから何が変わったのか

SPIC Group
会長 芝田 乃丞
3.
11から2年、あれから何が変わったのか
「日本人は約束を守る、誠実である、正直で嘘を言わない、真面目である、だから好きだ。」
と海外の方は評価してくれます。
(中国と韓国は除く)
それは、先人が長い間積み上げてきた日本人に対する「信頼」であり、大切な宝のようなものです。 私もそれを誇りにしてきました。今それが大きく揺らいでいるように思えます。
今年もあの3月11日を迎えます。2年前、東日本大震災、大津波、福島原発事故と日本を揺るがす大災害が
■私達を襲いました。尖閣問題や竹島問題とは比較にならないほど国民の生命と財産に関わる大問題です。
日本のとるべき最優先課題は、震災復興、原発事故処理です。
政治家や経産省も自治体も電力会社や保安院も「原発は安全に作られている」と言い続け、
国民はそれを素直に信じてきました。しかし、それは幻想であったことを思い知らされました。
事故後の政府や電力会社の対応は実にお粗末で、健康には影響ないと言い続け、
住民避難を遅らせ、多くの国民に放射線被ばくを与えてしまいました。
マスコミや専門家と称する学者は一斉に嘘をつきはじめ、簡単に基準値を変え、
正しい情報を排除し、社会的に葬ろうとさえしました。
私達の提案も無視され、政府の嘘が一層国民の不信感を買い、不安は一層高まっていきました。 私達が最も大切にしてきた、誠実さに欠け、嘘の情報を流し、約束を守らない人間が沢山
目に付くようになりました。日本は法治国家で、技術・科学先進国だと思っていましたが、
何の役にも立ちませんでした。私達の期待を裏切ることになったのです。
福島原発事故はなぜ起こり、なぜ国民の生命を優先しなかったのかを考え、
今後の原発問題を考える上で参考になればと思います。
1
会長メッセージ
President
Message
会長メッセージ
SPIC Group
会長 芝田 乃丞
1)過去、震度6以上で問題を生じなかった原発は一基もなかった。
地震国日本では最も相応しくないのが原発である。
2)事故原因を明らかにする。
設計ミス、施工ミス、管理ミス、メンテナンスミス、運用ミス、全てのミスを明らかにし改善策を講じる。
3)スピーディーのデーター等科学的情報を隠蔽し、住人を被ばくさせることになった。
4)事故が起きたときの対策が全く考えられていなかった。
5)原発事故は「0」ということで住民避難計画は無視されていた。
6)従来の被ばく限界基準を守ろうとせず、政府や偽専門家が勝手に上限を変え、多くの国民を被ばくさせた。
7)国民の健康被害を全く無視し、嘘を突き通し、責任の所在を明確にしていない。
この様な多くの問題が解決されていない中で、再稼働を前提とした原子力規制委員会の報告は
意味をなさないものと思います。政府は国民にこの点を明確に示し同意を得ながら真摯に検討し、
今後の対策を進めなければなりません。
放射線被ばくによる子供の健康障害の現実
チェルノブイリ事故は1986年4月に発生し、4年後から14歳以下の子供の甲状腺ガンの患者数は
一気に増加しています。福島県健康管理委員会は3人目の甲状腺ガンの発症を報じました。
また7人が「ほぼ甲状腺ガン」と診断され合計10名としています。
このガンは女性に多く、40歳ぐらいから増えるのが特徴ですが、検査は子供38,000人の検査結果です。
国立ガンセンターのデーターでは通常10万人の子供の0.6人程度の発症率としています。
通常の発症率で算定すると0.2名であるべきですが、実際には10名ですから通常の50倍に当たります。
前例から予測すると2015年から一気に増加することになります。
最良の医療は国民を病気にさせない。予防医療を目指すべきであるが、国や行政、
医師会は病気になるまで待つといった姿勢です。
「命をかけて子供を放射線被ばくから守れ」
と言った態度を国や行政、医師団は示さなければならないと思う。
私達は「世界の人々を放射線被ばくから守る医師団」
(柳澤厚生会長)の活動を強力に支援し、
SPIC Group会員が国民一人一人に正しい理解を促し、活動する努力を続けなければならないと感じます。
2
原発はなぜ地方にあるのか
過去、原発は安全、絶対に事故は起きない、クリーンエネルギーと評価されてきました。もしそうであるなら
なぜ東京で消費する電力を遠く離れた、福島や新潟に原発を置き、送電線で東京まで送るのでしょう。
それは原発が危険であるからに他なりません。もし事故が発生したら都市が壊滅し、
人間が住めなくなるからです。原発周辺住人は、誘致する際に多額の危険手当を手にしています。
安全であるなら、危険手当など存在しないはずです。この危険手当は電気料金に上乗せされている
のであるから、危険を前提に原発は設置されたということになります。
次の問題は放射性廃棄物の処理です。日本ではこのやっかいな廃棄物が130万本あると推定されているが、
処理方法が未だ決まらない。
まずこの廃棄物の処理が明確でない限り、絶対に原発の再稼働はあり得ない。
「将来子供を放射線被ばくから守る」のは、原発建設を許してきた私達の責任でもあるのですから、
全ての条件が整うまでは原発再稼働はあり得ません。そして世界一の地震国に最も相応しくない
エネルギーは原子力である、ことがこの2年間で私達は良く理解出来ました。
私達は放射線被ばく予防として、子供用にミライオン、大人用にリポスフェリック・ビタミンCを提案しているが、
柳澤厚生会長の世界各国の講演活動で、放射線被ばく対策にビタミンCは常識の域にまで高まってきています。
今後、放射線被ばくからの健康障害を防ぐために、
私達が持っている知識を多くの方に知っていただく活動が必要であります。
かつての日本が尊敬され信頼されていたように、私達の子供達も日本人であることに誇りを持てるような
政治や企業のあり方を、今一度取り戻す必要があるだろう。
先日ロシアで、隕石の落下が報道されました。
いつ落ちてくるか判らない隕石だが、
世界では年間何万個も落ちているようだ、
地震、津波に加え、隕石落下の恐怖も加わり、
原発の再開などは殆ど無理である
との条件が揃うことになります。
SPIC Group
会長 芝田 乃丞
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会長メッセージ
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会長 芝田 乃丞