事 業 紹 介 臨床検査試薬 自己免疫疾患、がん、遺伝子関連、感染症、アレルギー分野における 臨床検査試薬の研究・開発・製造・販売を行っています。 自己免疫疾患 身体を守る免疫系は、体の外から侵入してきた細菌や ウィルスを異物として認識し、それらを攻撃して排除す る機能を保っています。しかし、免疫機構が誤って自分 自己抗体または血清学的指標 関連する自己免疫疾患 抗核抗体 (ANA) 全身性エリテマトーデス (SLE), 混合性結合組織 (MCTD), シェ-グレン症候群 (SS), 全身性強皮症 (SSc), 多発性筋炎 / 皮膚筋炎 (PM/DM) 抗 ARS 抗体 PM/DM 抗 DNA-ヒストン抗体(LE 因子) SLE 抗 dsDNA 抗体 SLE 抗 ssDNA 抗体 SLE を「自己免疫疾患」といいます。 抗 Sm 抗体 SLE 自己免疫疾患は、全身に症状が現れる「全身性自己免疫 抗 RNP 抗体 MCTD, SLE 抗 SS-A 抗体 SS, SLE 抗 SS-B 抗体 SS 抗 Scl-70 抗体 SSc(びまん皮膚硬化型) 抗 RNA ポリメラーゼ III 抗体 SSc(びまん皮膚硬化型) 抗セントロメア抗体 SSc(限局皮膚硬化型、CREST 症候群) 自身の組織や細胞を異物として攻撃するようになること があります。このような免疫機構の異常で発症する疾患 疾患」と、特定の臓器に影響が現れる「臓器特異的自己 免疫疾患」の 2 種類に分けられます。全身性自己免疫疾 患の代表として知られている膠原病では、発熱や全身の PBC ( 原発性胆汁性肝硬変 ) 倦怠感、関節痛、筋肉痛、皮膚湿疹、臓器障害などのさまざ 抗 Jo-1 抗体 PM/DM 抗リボゾーマル P 抗体 SLE-CNS ループス まな症状がみられ、関節リウマチ、全身性エリテマトーデ 抗カルジオリピン抗体 抗リン脂質抗体症候群 (APS) ス、抗リン脂質抗体症候群、全身性強皮症、多発性筋炎 / 抗フォスファチジルセリン・ APS プロトロンビン抗体 皮膚筋炎、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、結 抗 CCP 抗体 関節リウマチ (RA) IgG RF RA 節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉 抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA) 顕微鏡的多発血管炎 (MPA), 好酸球性多発血管炎 性肉芽腫症 (EGPA), アレルギー性肉芽腫性血管炎 芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)、好酸球性多発血管炎性肉 芽腫症(アレルギー性肉芽腫性血管炎、チャーグ・スト ラウス症候群)などがあげられます。臓器特異的自己免 抗糸球体基底膜抗体(抗 GBM 抗体) 急速進行性糸球体腎炎 (RPGN), グッドパスチャー症候群 抗ミトコンドリア抗体 (AMA) PBC 抗肝腎ミクロゾーム 1 抗体 ( 抗 LKM-1) 自己免疫性肝炎(AIH) 己免疫性膵炎、天疱瘡、類天疱瘡、後天性表皮水疱症、慢 抗平滑筋抗体 AIH IgG4,IgG 自己免疫性膵炎 (AIP) 性甲状腺炎(橋本病)、バセドウ病、潰瘍性大腸炎、クロー 抗サイログロブリン抗体 慢性甲状腺炎 , バセドウ病 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体 慢性甲状腺炎 , バセドウ病 抗デスモグレイン 1 抗体 落屑性天疱瘡(PF), 尋常性天疱瘡(PV) 抗デスモグレイン 3 抗体 PV 抗 BP180 抗体 類天疱瘡(BP) 抗 BP230 抗体 BP 抗タイプ VII コラーゲン抗体 後天性表皮水疱症 (EBA) 疫疾患には、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、自 ン病などがあります。MBL は、自己免疫疾患全般にわ たって、多くの臨床検査試薬を揃えています。 全身性自己免疫疾患 臓器特異的自己免疫疾患 ● 関節リウマチ(RA) 全身症状 ● 全身性エリテマトーデス(SLE) 発熱 ● 抗リン脂質抗体症候群(APS) 倦怠感 ● 全身性強皮症(SSc) ● 多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM) 甲状腺 関節の痛み・腫れなど 筋肉痛・筋力低下 ● 混合性結合組織病(MCTD) 皮膚症状 ● シェーグレン症候群(SS) 臓器障害 ● 結節性多発動脈炎(PAN) ● 多発血管炎性肉芽腫症(GPA) (ウエゲナー肉芽腫症(WG)) ● 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA) (アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)、 チャーグ・ストラウス症候群) ● 慢性甲状腺炎(橋本病) ● バセドウ病 肝臓 ● 自己免疫性肝炎(AIH) ● 原発性胆汁性肝硬変(PBC) 神経・筋肉 ● 重症筋無力症、多発性硬化症 体重減少 ● 顕微鏡的多発血管炎(MPA) 6 (AGA)、チャーグ・ストラウス症候群 , バセドウ病 抗好中球細胞質抗体(PR3-ANCA) 多発血管炎性肉芽腫症(GPA) 消化管 ● 潰瘍性大腸炎 ● クローン病 膵臓 ● 自己免疫性膵炎(AIP) 腎臓 ● グッドパスチャー症候群 ● 半月形成性糸球体腎炎 皮膚 ● 天疱瘡 ● 類天疱瘡(BP) ● 後天性表皮水疱症(EBA) 抗 CCP 抗体検査試薬 ぎ、QOL(Quality of Life:生活の質)を向上させるには、RA の早 - 関節リウマチ 滑膜 NH2 + - ぺプチジルアルギニンデイミナーゼ - 対する高い特異性と感度をもち、RA 発症早期から陽性になるの 軟骨 - - 関節腔 - = H O シトルリン H-N H-C-(CH2)3-N-C NH2 O=C - シトルリン化抗原 抗 CCP 抗体(環状シトルリン化ペプチドに対する抗体)は、RA に RA特異的自己抗体 で早期診断に有用です。抗 CCP 抗体は、フィラグリンのシトルリ マクロファージ プラズマ細胞 線維芽細胞 好中球 リンパ球 内皮細胞 樹状細胞 ン化部位を含むペプチドを環状化した抗原を使って検出します。 MBL では ELISA 法、免疫クロマトグラフィー法、化学発光酵素免 H H-C-(CH2)3-N-C NH2 O=C パンヌス (肉芽組織) 期発見・早期治療が重要です。 H-N - アルギニン 炎症を起こした 滑膜 関節包 - = 正常な組織 約1%が罹患しているといわれています。関節破壊の進行を防 - 関節リウマチ(RA)は慢性の炎症性自己免疫疾患で、世界人口の Citrullination, the spark that ignites the fire in RA? Erik R. Vossenaar 2004, Doctoral thesis. 疫測定法(CLEIA 法)の臨床検査試薬を販売しています。 抗核抗体検査試薬 抗核抗体 (ANA) は細胞の核内に含まれる様々な抗原物質と反応する自己抗 抗核抗体の検出(フルオロHEPANAテスト) 体の総称で、自己免疫疾患患者血清中に高頻度で存在します。ANA のうち特 定の疾患や病像と相関するものが数多く認められており、診断や治療の指標 として極めて重要と考えられています。 MBL では、間接蛍光抗体法、ELISA 法、CLEIA 法の臨床検査試薬を販売して います。 抗 ARS 抗体検査試薬 多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)は、筋力低下を主な症状とする原因不明の炎症性疾患で、筋肉以外にも多彩な全身 の臓器病変を合併する疾患です。PM/DM では多様な特異的自己抗体が現れますが、その中でも高頻度で検出される 自己抗体がアミノアシル tRNA 合成酵素(Aminoacyl-tRNA synthetases:ARS)に対する自己抗体(抗 ARS 抗体)です。 抗 ARS 抗体陽性の患者は、筋症状、レイノー現象、機械工の手などの症状を好発する他、極めて高い頻度で間質性肺 炎を併発する、ステロイド反応性が良いが再燃しやすいといった共通した臨床的特徴を示し、 「抗合成酵素抗体症候群 (Anti-synthetase syndrome:ASS)」あるいは「抗 ARS 抗体症候群」と呼ばれています。 従来、PM/DM の診断に用いられてきた抗 Jo-1 抗体は、抗 ARS 抗体の1種です。抗 ARS 抗体検査試薬には、Jo-1 抗 原の他、PL-7 抗原、PL-12 抗原、EJ 抗原、KS 抗原の 5 種類の抗原が固相されており、抗 Jo-1 抗体検査試薬に比して、 2.3 倍の検出率上昇が報告されています。抗 ARS 抗体は、2015 年 1 月に PM/DM の難病認定基準に採択されました。 MBL では ELISA 法の臨床検査試薬を販売しています。 抗好中球細胞質抗体(ANCA)検査試薬 抗好中球細胞質抗体(ANCA)は、主として好中球細胞質のア 間接蛍光抗体法染色像(フルオロANCAテスト) ズール顆粒中の抗原を認識する自己抗体です。ANCA はアル コール固定した好中球を用いた間接蛍光抗体法での染色型に よって、細胞質全体が染色される C-ANCA と核周辺が染色され る P-ANCA に分類されます。C-ANCA の主要な対応抗原はプ ロテイナーゼ 3(PR3)、P-ANCA の主要な対応抗原はミエロペ ルオキシダーゼ(MPO)で、これらの抗原に対する自己抗体は それぞれ、PR3-ANCA、MPO-ANCA と呼ばれています。PR3- C-ANCA P-ANCA ANCA は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)で特異的に検出され、 好中球細胞質が顆粒状に染色 核周辺部が染色 MPO-ACNA は顕微鏡的多発血管炎(MPA)で高率に検出され ます。それぞれの抗体価と疾患活動性に相関があり、診断および治療の両面において有用です。 MBL では間接蛍光抗体法、ELISA 法、CLEIA 法の臨床検査試薬を販売しています。 7 抗皮膚抗体検査試薬 表皮細胞間接着 ケラチン 天 疱 瘡(Pemphigus)は、皮 膚 や 口 表皮細胞 腔に水疱ができる自己免疫疾患で、 中 高 年 に 多 く 発 症 し ま す。水 疱 が Dsg1:デスモグレイン1 Dsg3:デスモグレイン3 デスモソーム できる場所や症状によってさらに デスモコリン 正常皮膚 細かく分類されますが、約 6 割が尋 角層 常 性 天 疱 瘡(Pemphigus vulgaris: デスモプラキン プラコフィリン 顆粒層 PV)と 落 葉 状 天 疱 瘡(Pemphigus 表皮基底膜部接着 BP230 foliaceus:PF)です。尋常性天疱瘡 は、粘膜や皮膚の弛緩性水疱とびら プラコグロビン 表皮細胞 表皮 プレクチン 有棘層 インテグリンα6β4 基底細胞 BP180 んを特徴とし、落葉状天疱瘡は皮膚 に小水疱と落屑(水疱が生じたあと 基底膜部 ヘミデスモソーム 基底板(lamina densa) が乾燥してできる皮膚のはがれ)を 伴う紅斑を特徴としています。患者 透明帯(lamina lucida) 基底層 ラミニン332 係留線維(タイプVIIコラーゲン) 表皮基底膜 真皮 真皮 真皮のコラーゲン さんの血液からは主に IgG クラスの 抗表皮細胞間抗体が検出されます。 抗原タンパク質は、表皮細胞間接着構造の一つであるデスモソームに存在し、尋常性天疱瘡の標的抗原はデスモグレ イン 3(Dsg3)、落葉状天疱瘡の標的抗原はデスモグレイン 1(Dsg1)と同定されています。半数以上の尋常性天疱瘡 の患者血清中には抗 Dsg3 抗体のみならず抗 Dsg1 抗体も存在します。MBL では、天疱瘡の他、水疱性類天疱瘡、後天 性表皮水疱症といった自己免疫水疱症の ELISA 法検査試薬を数多く開発し、それらの試薬は世界各国で広く使用され ています。国内においては、抗 Dsg1 抗体、抗 Dsg3 抗体、抗 BP180 抗体の CLEIA 法検査試薬も販売しています。 IgG サブクラス測定試薬 ー IgG サブクラス BS-NIA IgG2, IgG4 ー IgG2、IgG4 は血清中の免疫グロブリンのサブクラスの 1 つ IgG2サブクラス欠乏症 です。 IgG サブクラスの関連する疾患はいくつかありますが、その 一つに易感染性を引き起こす IgG サブクラス欠乏症がありま 繰り返す気管支炎 繰り返す中耳炎 繰り返す肺炎 す。特に IgG2 サブクラス欠乏症は、肺炎球菌や、インフルエ ンザ菌などによる反復する中耳炎、気管支炎及び肺炎の原因 として考えられており、これらの疾患の診断に IgG サブクラ IgG2 スの測定が有用であることが示されています。MBL が販売 している IgG2 を測定する臨床検査試薬「IgG サブクラス BSNIA IgG2」は、2015 年 3 月保険適用になりました。 血中 IgG4 レベルの上昇と IgG4 陽性形質細胞の病変部への 著明な浸潤を特徴とする IgG4 関連疾患は、自己免疫性膵炎 日本発の新しい疾患概念 全身性IgG4関連疾患 での報告に始まり、日本発の新しい疾患概念となっています。 IgG4 に関して自己免疫性膵炎と同様の所見が硬化性胆管炎、 下垂体炎 後腹膜線維症、キュツナー腫瘍、間質性腎炎、下垂体炎および ミクリッツ病 ミクリッツ病などでも認められています。IgG4 を測定する臨 床検査試薬「IgG サブクラス BS-NIA IgG4」は、2010 年 5 月 間質性肺炎 Riedel甲状腺炎 後腹膜線維症 保険適用になっています。血中 IgG4 濃度の測定は、自己免疫 性膵炎の診断と治療の効果判定や再燃の経過観察に極めて有 用で、2006 年から自己免疫性膵炎の診断基準に採用されて います。 8 間質性腎炎 糸球体腎炎 キュツナー腫瘍 自己免疫性膵炎 前立腺炎 遺伝子検査 RAS 遺伝子変異検出キット 抗EGFR抗体 RAS 遺伝子(KRAS/NRAS 遺伝子)は、正常な細胞では上皮成長因子 受容体(EGFR)が出す細胞増殖のシグナルを受け取って核に伝達し、 EGFR 細胞の増殖を促進する役割を持っています。しかし、体細胞で RAS 遺 伝子に変異が生じると、EGFR からのシグナルがなくても、常に RAS が活性型のままになって細胞増殖のシグナルを出し続け、腫瘍が形成 されます。 大腸がんの治療に用いられているセツキシマブやパニツムマブ等の分 RAS RAS 変異型 野生型 子標的薬(抗 EGFR 抗体薬)は、RAS 遺伝子に変異があると期待した 効果が得られにくいため、投与前に RAS 遺伝子変異検査をすること 核 生存 増殖 血管新生 転移 で保険適用となっています。 「MEBGEN™ RASKET キット」は大腸癌の組織中の RAS(KRAS 及び NRAS )遺伝子のエクソン 2,3,4 変異を簡便に検出する試薬で、変異 RAS 変異型の場合 RAS 野生型の場合 の有無を PCR-rSSO 法 [xMAP®(Luminex®) 法 ] を用いて迅速かつ客観 ● 抗EGFR抗体が結合し ● 抗EGFR抗体の結合 的に判定します。最大 96 検体を約 4 時間半で測定することが可能で、 大腸がん治療に使う抗体医薬の効果を事前に短時間で予測できるよう ても恒常的に下流へと によってシグナル伝 シグナルが伝達される 達が阻害される ● 腫瘍は増殖し続ける ● 腫瘍の増殖が抑制さ れる になりました。 「MEBGEN™ RASKET キット」は、国内初の KRAS 及 び NRAS 遺伝子変異を検出するマルチプレックス診断薬です。 [技術提携 : G & G サイエンス株式会社] BRAF 遺伝子変異検出キット EGFR EGFR MBL は、2015 年 6 月に BRAF 遺伝子における変異の有無を判定するキット RAS 「GENOSEARCH™ BRAF」 (研究用)を発売いたしました。BRAF 遺伝子の 34 変 PI3K 異を 1 チューブで検出でき、わずか 50 ng の DNA から、約 4 時間半で最大 96 検 PTEN BRAF 体を測定・解析することができます。 PIP3 MEK [技術提携 : G & G サイエンス株式会社] AKT mTOR MAPK Transcription factors HLA DNA タイピング試薬 ージェノサーチ ™ HLA シリーズ Ver.2 ー 骨髄移植・臓器移植などの移植治療や、血小板輸血治療にお いて、HLA(ヒト白血球抗原 ) 型の一致・不一致が生着率や HLA-DRB1 HLA HLA 治療効果に大きく関係しています。HLA の遺伝子型は人種 や地域によって出現頻度が異なるため、遺伝子型を判定す HLA ることは非常に困難でした。ジェノサーチ ™ HLA シリーズ (HLA-A、-B、-C、-DRB1) Ver.2(研究用)は、短時間で日本 β2-microglobulin HOOC COOH 人の HLA 遺伝子型を判別できます。本試薬は、2007 年度骨 髄バンクドナー登録試薬に採択されました。 [技術提携 : G & G サイエンス株式会社] HLA-A HLA-B HLA-C 白血球 COOH 9 HPA DNA タイピング試薬 ージェノサーチ ™ HPA Ver.2 ー HPA(ヒト血小板抗原)型が不一致な人の間の血小板輸 GPIIIa GPIbα GPIIb 血は、抗 HPA 抗体の産生を導き、その後の輸血不応の原 GPV 因となります。また、母児間の HPA 型不適合が原因で 発症する新生児血小板減少症(NAITP)の予測にも HPA 抗原型の決定は重要です。 HPA-4 GPlX HPA-6 HPA-1 HPA-21 s s GPIbβ COOH HPA Ver.2 は、臨床的に重要な HPA-1、HPA-2、HPA- GPlX GPIbβ HPA-3 s MBL の HPA 検査試薬(研究用)であるジェノサーチ ™ 3、HPA-4、HPA-5、HPA-6、HPA-15、HPA-21 の 6 つ GPIbα HPA-2 s s s COOH GPIa CD109 GPIIa の抗原に対応する 1 塩基多型(SNP)に加え、Nak(a) 抗 s s s 原の産生に関わる CD36 遺伝子の SNP(C478T)を判 s HPA-5 HPA-15 s GPⅣ s 定できます。また、ジェノサーチ ™ HLA シリーズと同一 Nak(a) 条件で測定できるので、血小板表面の HLA 型(HLA-A、 -B、-C)と HPA 抗原型を 1 台のサーマルサイクラー、 COOH COOH ® Luminex 機器で同時に決定することができます。 [技術提携 : G & G サイエンス株式会社] 男性不妊研究のための Y 染色体微小欠失検出試薬 近年、不妊症 * に悩むカップルが急増しています。そのうちの半数は男性に原因 があります。男性不妊の一因である重症精子形成障害については、Y 染色体長腕 上の無精子症因子(AZF:Azoospermia factor)領域における微小欠失に原因が あると報告されています。Y 染色体微小欠失の多くの情報を同時に検出する試薬 「GENOSEARCH™ AZF Deletion」を金沢大学医学系研究科集学的治療学教室と共同 開発し、販売しています。これまで主として欧米人のゲノムデータをもとに研究用試 薬が開発されていたため、日本人では必ずしも信頼できる判定結果が得られないこ とがありました。「GENOSEARCH™ AZF Deletion」は日本人のデータを基礎とし た研究用試薬で迅速かつ高精度な検出が可能です。 * 不妊症:WHO(世界保健機関)の定義では「定期的な性生活を送り、とくに避妊などをしていないのに、1 年以上妊娠しない場合」とされています。 ヒトパピローマウイルス(HPV)遺伝子のタイピング試薬 HPV は 100 種類以上の遺伝子型が存在し、多くのがん発生に関与するとされています。その中でも子宮頸がんに関 しては多くの研究が報告されています。子宮頸部細胞に HPV が持続感染すると、一部は、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN) または異形成と呼ばれる病変を経て、がんに至ることが明らかになっています。CIN または異形成からがんへ進展す るリスクは、感染している HPV の遺伝子型によって異なることが報告されており、子宮頸がんで高頻度に検出される 13 種の HPV 型はハイリスク HPV に分類されています。組織診断の結果、CIN1 または CIN2 と判定された患者に対し て、HPV-DNA タイピング検査を実施し、感染しているハイリスク HPV のタイプに応じて治療方針が決定されていま す。 MEBGEN™ HPV キットは高リスク HPV 遺伝子型を、 HPV感染から子宮頸がんへの進行 高感度、高精度、短時間で測定できる特長を有し、子 1年以上の持続感染 宮頸がんの診断・治療に対して有用な検査情報を提供 することができます。世界で最も同時多項目の遺伝子 感染 進行 測定を可能とする、PCR-rSSO 法と Luminex® 法を原 自然消失 回復 理としており、採取された子宮頸部細胞より抽出した DNA を PCR 法で増幅させ、短時間で最大 96 検体を同 時測定することができます。 10 6~10数年 浸潤 正常細胞 HPV感染細胞 スクリーニング検査 異形成 / CIN タイピング検査 がん細胞 腫瘍マーカー がんによって血液や尿中に特異的に出現するタンパク質や DNA などを腫瘍の目印(分子マーカー)として調べること によって、がんの診断を補助することができます。 BCA225 測定試薬 血清中の BCA225 は原発進行乳がん患者及び再発・転移乳がん患者において高い頻度で高値を示しますが、健常 者、良性乳腺疾患患者、乳がん術後非再発患者では高値を示す例が少ないという結果が得られています。血清中の BCA225 の測定値が高い場合、乳がん術後モニタリングの一手段として利用できます。 MBL では ELISA 法の検査試薬を販売しており、2015 年 5 月より CLEIA 法臨床検査試薬も販売を開始いたしました。 腫瘍関連自己抗体測定用試薬 ー MESACUP™ anti-p53 テストー p53 タンパク質は、細胞周期進行の制御・遺伝子修復酵素の活 p53変異がん細胞 性化・アポトーシス誘導能など、多彩な働きで遺伝子の異常か 漏出 蓄積 ら生体を守る役割を担っています。p53 遺伝子に突然変異が生 じると、p53 タンパク質は細胞増殖の抑制ができなくなり、がん p53 MDM2 p53 p53 MDM2 が発生すると考えられています。ヒトのがん細胞における p53 p53 Ub 遺伝子の変異は、大腸・胃・乳腺・肺・脳・食道など、多くの臓 p53 p53 Ub p53 p53 器でのがん化の初期段階で起こり、その結果として、正常組織で は認められない変異 p53 タンパク質の異常な蓄積が多くの腫瘍 変異したp53タンパク質 組織で起きます。この細胞内に蓄積した変異 p53 タンパク質が p53自己抗体 外に漏れ出した結果、抗 p53 抗体が産生されます。 抗 p53 抗体は他の腫瘍マーカーと陽性率での重なりが少なく、組み合わせにより測定が有効であることが知られてい ます。また、特徴として、比較的早期のがん、すなわち治療によって根治できる可能性の高い段階での陽性率が高いこ とがあげられ、これらのことから、臨床上有用であると考えられています。MBL では、ELISA 法による抗 p53 抗体測 定試薬である MESACUP™ anti-p53 テストを販売しています。 多発性骨髄腫マーカー フリーライトチェーン測定試薬 MBL では多発性骨髄腫などの単クローン性ガンマグロブリン血症の検 免疫グロブリン 査薬として、血清中の免疫グロブリンの遊離 L 鎖(Free Light Chain、 H鎖 FLC)を特異的に測定する臨床検査試薬「FREELITE κ チェーン」および 「FREELITE λ チェーン」を販売しています。両試薬はそれぞれ血清中の FLC を特異的かつ高感度で迅速に定量測定することができます。 L鎖 κFLC λFLC 多発性骨髄腫を含む単クローン性ガンマグロブリン血症の国際ガイドラ インでは、予後予測、経過観察、治療効果判定において血清 FLC 検査を 実施することが推奨されています。 2014 年には国際骨髄腫ワーキンググループにより多発性骨髄腫の診 FLC特異的エピトープ 断基準が改定され、診断項目の一つに血清 FLC 検査が採用されまし FREELITE試薬は免疫グロブリンでは隠れている FLC特異的なエピトープを認識します。 た。新しい診断基準における FLC 検査の基準値は、MBL が販売する 「FREELITE チェーン」試薬を用いて設定されており、 「FREELITE チェーン」試薬はゴールドスタンダードとして世界 中の臨床の場で広く利用されています。 尿路上皮がんマーカー ー Bladder チェック「NMP22」ー 尿路上皮がんでは、細胞死によって核マトリックスプロテイン 22(NMP22) が 尿中に分泌されます。尿中の NMP22 濃度の測定は尿路上皮がんの診断に有 用とされています。MBL が販売する Bladder チェック「NMP22」は、イムノ クロマト法による尿中 NMP22 簡易検出試薬です。 11 細胞診 液状化検体細胞診(LBC)は、検査や健康診断で採取した細胞を固定液の中に回収し、専用の試薬と装置 により標本を作製します。LBC にすることで、細胞診標本の標準化、遺伝子検査や免疫化学的検査の検 査精度の向上へ繋がります。MBL では、液状化検体細胞診用システム「TACAS™」を提供しています。 液状化検体細 胞 診 タクアス TACAS™ Slide TACAS™ GYN Vial 全自動細胞診塗抹装置 TACAS™ Pro 液状化検体細胞診 TACAS™ 細胞診検査は、検査する部位から細胞を採取・染色し、顕微鏡で調べる検査です。子宮がん検診では特に有用な検査 法です。 「液状化検体細胞診」は、専用の固定液の中に細胞を回収します。均層標本が作製できるため、標本標準化、検査の精 度向上につながります。回収された検体は様々な検査(遺伝子検査、HPV-DNA 検査、免疫細胞化学染色等)に利用 可能です。TACAS™ は国産として初めての本格的なシステムです。2014 年 11 月には新たに全自動細胞診塗抹装置 「TACAS™ Pro」の販売を開始いたしました。 HPV-DNA 検査 子宮頸がんは、HPV( ヒト・パピローマウイルス ) による感染が原因とされています。HPV は、性交渉により誰もが感 染し得るウイルスで、90%程度は感染しても 2 年以内に自然治癒します。しかし、持続 ( 長期に断続的に ) 感染した場 合、がんの前段階を経て、子宮頸がんが発症しやすくなります。HPV-DNA 検査をすることで、将来のがん発症の危険 性を調べることができます。 MBL では、HPV の 13 種類のハイリスク型遺伝子を個別検出するタイピングキット「MEBGEN™ HPV キット」を販 100 [技術提携 : G & G サイエンス株式会社] 売しています。 乳がん 80 10万人あたりの人数 Cervex( サーベックス )- ブラシ EndoCervex -ブラシ-S 60 Cervex- ブラシ、Cervex- ブラシ COMBI は、そのユニー 40 胃がん クな構造から、1 回の擦過採取で、膣頸部の細胞を十分量 子宮頸がん (上皮内がん含む) 20 採取することが可能で、ベセスダシステムに準拠した適 卵巣がん 正標本を作製できます。液状化検体細胞診 0 TACAS™ で使 1985 1990 1995 子宮体がん Cervex-ブラシ 2000 COMBI EndoCervex-ブラシ Cervex-ブラシ 2005 用する場合、採取現場ではブラシ先端部分を固定液に回収するだけです。 女性のがん「10 歳から 80 歳」 女性のがん「20 〜 30 歳代」 100 40 胃がん 40 子宮頸がん (上皮内がん含む) 20 子宮体がん 1985 1990 1995 2000 2005 10 歳から 80 歳までは、乳がん、子 宮体がんが増えています。 * データソース 出 典 12 40 30 子宮頸がん (上皮内がん含む) 子宮体がん 20 ないまく (子宮内膜がん) 乳がん 0 子宮の奥の子宮体部に発生します。 50 〜 60 代に多く発生します。 胃がん 10 卵巣がん 0 20 〜 30 代で増えています。 30 10万人あたりの人数 10万人あたりの人数 80 60 子宮の入り口(頸部)に発生します。 子宮がん全体の 60 〜 70% を占め、 子宮頸がん 乳がん 子宮内膜 卵巣がん 子宮体がん 1985 1990 1995 2000 子宮体部 2005 「子宮頸がん」は 20 〜 30 歳代で年々増 加しています。予備軍である「前がん病変 (異形成)」はさらに増えています。 :人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部) :国立がんセンターがん対策情報センター 卵巣 子宮頸部 膣 病理 MBL では、病理組織染色用の抗体(研究用)を提供しています。 米国 BioGenex 社の病理染色用抗体・ キットをはじめ、300 種類以上をラインアップし、病理学、病理検査の発展に貢献しています。 病理組織染色 病理学とは、病気の原因とメカニズムを明らかにすることを目的とした学問で す。病理学は基礎研究から臨床検査といったさまざまな分野で活きています。 MBL は 2014 年 よ り 300 種 類 以 上 の ヒ ト 病 理 染 色 用 抗 体 を 含 む 米 国 BioGenex 社 の 病 理 染 色 用 抗 体・ キ ッ ト を 販 売 し て い ま す。今 後、 fluorescence in situ hybridization(FISH)や mRNA のプローブなども取り揃 えていきます。 また、消化管間質腫瘍(GIST)に関連する抗体や、ヘモグロビン F などの血液 疾患の研究に有用な抗体も取り揃えています。 機 器 ラ イ ン ア ッ プ 検査環境に応じた自動機器の提案をいたします。 全自動臨床検査システム STACIA® 移動式ディスクリート臨床化学自動分析装置 スパプラス 全自動細胞診塗抹装置 TACAS™ Pro 全自動 EIA 装置 /IF 染色兼用装 DAS システム AP22 Speedy IF ELISA/IFA 全自動分析装置 Quad-MACS 蛍光マイクロビーズアレイシステム Luminex ® 100/200 システム 全自動化学発光免疫測定装置 CL-JACK RK 自動塗抹装置 TACAS™ 13 基礎研究用試薬 分子生物学、細胞生物学の研究に必要な抗体や試薬の開発・製造・販売、研究者の「困った」を 解決するトータルソリューションサービスを提供しています。 医学・生物学すべての研究者をサポートする 抗タグ抗体 研究対象のタンパク質を細胞あるいは 抗Mycタグ抗体を用いた細胞染色像 抗DDDDKタグ抗体を用いた細胞染色像 組織に人為的に発現させる場合、発現 Anti-Myc-tag Alexa Fluor ® 488 Anti-DDDDK-tag の指標とするために、ペプチドや蛍光 タンパク質などの“タグ ( 荷札 )”を融 合させることがあります。これらのタ グを認識する特異抗体を用いたウェス タンブロット、免疫沈降、細胞染色な どを行うことで目的タンパク質の動態 を調べることができます。MBL では、 HeLa細胞 HeLa細胞 Green: Anti-DDDDK-tag Blue: DAPI Alexa Fluor ® はLIFE TECHNOLOGIES社の登録商標です。 MBLではAlexa Fluor ® 標識抗体を、LIFE TECHNOLOGIES社より特許ライセンスを受けて製造・ 販売しております。 GFP や RFP などの蛍光タンパク質、あるいは Myc、His、HA、V5、DDDDK を始めとする種々のタグに対する高性能 な抗体を多数揃えております。世界中の研究者の方にご利用いただいており、多数の研究論文で MBL のタグ抗体が使 用されています。これらの抗体を利用したタグ融合タンパク質精製キットのラインナップも充実しています。 新規タンパク質間相互作用検出システム Fluoppi MBL は蛍光タンパク質ベクターと蛍光タンパク質に対する抗体を多数取り揃えています。 2013 年より販売している「Fluoppi」は、タンパク質同士の相互作用(Protein-protein interactions, PPI)を生きた細 胞でリアルタイムに観察できるツールです。蛍光タンパク質とタグ技術を利用した新しい技術で、従来法に比べ使い 方が簡便で、イメージングを専門とする研究者以外の方々も簡単に PPI を観察できます。PPI は生体内でシグナル伝 達や転写因子の調節など重要な機能を担っており、PPI を阻害し、細胞増殖や分化などへの働きを制御する薬剤は新 しい創薬ターゲットとして注目され、開発が進められています。 「Fucci」は、理化学研究所で開発された、細胞周期の進行をリアルタイムに観察できる蛍光プローブです。2 種の蛍光 タンパク質が Fucci に組み込まれており、従来法では不可能であった細胞の増殖や分化、がん細胞の挙動などの生命 現象の時間的・空間的なパターンをイメージングすることができます。 ※ Fucci は、独立行政法人 理化学研究所及び財団法人東京都医学研究機構の発明の実施許諾を受けています。 また、各細胞小器官をお好みの色で蛍光標識できる発現ベクター CoralHue® シリーズを開発・販売しています。 ※ CoralHue® 蛍光タンパクシリーズは独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム(宮脇敦史チームリーダー)との共同研究で開発さ れたものであり、MBL が実施権を有し販売しております。 Fluoppiによるタンパク質間相互作用の観察 細胞周期の進行を"リアルタイム"に観察できる蛍光プローブ Fucci G2 S タンパク質間相互作用がない時 M G1 タンパク質間相互作用がある時 細胞小器官標識用発現プラスミド 細胞膜の標識 CoralHue® pPM-mKeima-Red 14 ミトコンドリアの標識 CoralHue® pMT-mAG1 小胞体の標識 CoralHue® pER-mKO1 核の標識 CoralHue® pNP-KO オートファジー抗体 オートファジーは細胞内に蓄積した異常なタンパク質や古くなった細胞内小器官を丸ごと分解・除去する自己消化 システムです。分解産物は生合成の材料として再利用されます。哺乳類におけるオートファジーの異常はアルツハイ マー病やパーキンソン病といった神経変性疾患、炎症性腸疾患、がんなどの病気に関与します。がんの分野ではオー トファジー阻害剤を使用した治験が進んでいます。一方でオートファジーを制御する分子機構は不明な点が多く、基 礎研究の重要性が指摘されています。 MBL はオートファジーの研究にお オートファジーの生理的役割 いて第一線で活躍される先生方にご 協力をいただき、高品質な抗体を開 飢餓状態 体は定評を頂き、多くの研究論文で 細菌感染 Atg16L 肝機能維持 LC3 発販売しています。特にオートファ ジーの観察に必須な LC3 に対する抗 リン酸化抗 p62 抗体による細胞染色 心筋症 オートファジー 細胞死 p62 Beclin 抗原提示 神経変性疾患 Atg5 使用されています。また近年、神経 発生 変性疾患やがん化との関連が指摘さ 癌化 huH1 細胞 老化 Green: Anti-Phospho-p62 (SQSTM1) (Ser351) pAb Blue: DAPI れ る p62 の 機 能 は p62 自 身 の リ ン 酸化により制御されていることが分 かり、リン酸化 p62 に注目が集まっ リソソーム Atg5-Atg12など 加水分解酵素 ています。これを受けて、MBL では 2013 年より各種のリン酸化 p62 に 対する抗体を販売しています。 隔離膜 LC3 オートリソソーム オートファゴソーム 細胞質成分の取込み オートファゴソーム形成 内容物の分解 リソソームと融合 転写後の遺伝子発現調節の解析ツール RiboCluster Profiler™ DNA の 遺 伝 情 報 は mRNA へ と 転 写 さ れ、この mRNA の情報を元に翻訳され Brain SDS-PAGE RiboChip てタンパク質が合成されます。mRNA タンパク質同定 RNA 結合タンパク質 X X Z BrU 標識 RNA これらの制御を行うことで転写後の遺 Ribonomic Discovery Cycle X Z RiboTrap Kit 興味ある RNA Sequencing Z TM Microarray Kit」と RIP-Assay に 使 え る 抗 体「RIP- RIP-Chip 技 術 は Ribonomics, Inc. の 特 許 技 術 (USP# 6,635,422、USP# 7,504,210、 JP 5,002,105 ) です。 MBL は Ribonomics, Inc. からワールドワイドな 独占実施権を得てキットを開発しています。 Certified Antibody」を販売しています。 Reference: Dale L. Beach and Jack D. Keene, Methods Mol. Biol., 419: 69‒91 (2008) を網羅的に解析するキット「RIP-Assay RIP-Assay Kit RIP-Assay Kit for microRNA RIP-Certified Antibody RiboTrap RBP と mRNA の複合体 (mRNP) を免疫 沈降 (RIP) し、機能的に関連する mRNA RIP-Chip X X は特定の RBP に対する抗体で、特定の Heart Breast Adipose Colon Testicular and Ovarian Bone X れ、その後分解されます。RNA 結合タ 伝子発現調節を担っています。MBL で Liver Muscle は核から細胞質へと輸送され、翻訳さ ン パ ク 質(RBP)は mRNA に 結 合 し て Lung RT-PCR mRNA/miRNA の同定 また、RNA にはタンパク質に翻訳され ずに転写後発現調節に関与する短鎖 RNA(microRNA/miRNA)があり、miRNA は関連する mRNA と RBP を介してク ラスターを形成しています。これらの関連する mRNA と miRNA を回収可能な「RIP-Assay Kit for microRNA 」と、特 定の RNA に結合する RBP を網羅的に回収することができる「RiboTrap Kit」も販売しています。これらの製品群を RiboCluster Profiler™ シリーズとして展開しており、RIP-Certified Antibody は毎年ラインナップを拡大しています。 RiboCluster Profiler™ シリーズは従来の遺伝子発現解析、あるいはタンパク質発現解析では困難であった遺伝子の転 写後発現調節機構を研究する有用なツールとして注目されています。 15 RNA の半減期解析ツール BRIC Kit RNA 分解による遺伝子の発現制御は、DNA のメチル 細胞 化状態やヒストンコードに反映される転写レベルで RNA の制御と同様に、様々な生理現象を調節する重要な機 構です。これまで、RNA の安定性や半減期の解析には BrUでのパルスラベリング BrU アクチノマイシン D などの転写阻害剤が用いられて きました。しかし、転写阻害剤を使用すると RNA の 安定性や局在が変化するなどの悪影響があり、正し 各経時点での細胞回収 い解析結果が得られない可能性が指摘されています。 こうした中、悪影響の少ない穏やかな条件下で細胞 内の RNA の安定性を網羅的に測定できる手法として 5-bromouridine immunoprecipitation chase-deep total RNAの回収 Spike-in control (BrU-labeled lacZ RNA)� 外部標準 RNA の添加 免疫沈降 sequencing 法 (BRIC-seq) を東京大学の秋光信佳先 生らが発表し、注目されています。MBL では秋光先生 との共同研究のもと、BRIC Kit を開発し、2014 年 8 月より販売しています。 Anti-BrdU mAb BrUラベルされた RNAの抽出 BRIC Kit を用いて HeLa 細胞の 8 種の RNA の半減期 を RT-qPCR にて解析したところ、恒常的に発現して RT-qPCRおよびdeep-seq (RNA-seq) など いることが知られている 18S rRNA や β-actin mRNA は半減期が長く、低酸素誘導性転写因子である HIF-1α や強力な降圧ペプチドである ADM の mRNA は半減期が短い という結果が得られました。これらの現象は、RNA の安定性が生理機能と密接な関係にあると報告している秋光先生 らの知見を反映しており、リーズナブルな結果であると言えます。 このように BRIC Kit は RNA 分解の解析に有用な研究ツールであるとともに、新規の ncRNA バイオマーカーや創薬 ターゲットの探索への利用が期待されます。さらに、トランスクリプトーム解析においても BRIC-seq による RNA 分 解制御のデータを考慮することで、DNA メチル化やヒストン修飾の状態などの遺伝子の転写制御だけでは説明がつか ない現象を説明できる可能性が示唆されており、エピゲノム研究分野での貢献も期待されています。 特許出願番号 2010-15264 号 出願人国立大学法人東京大学 1) Tani H. et al. Genome Res. 22, 947-956 (2012) 3) Imamachi N. et al. Methods 67, 55-63 (2014) 5) Tani H. et al. RNA Biol. 9, 1370-1379 (2012) 2) Tani H. and Akimitsu N. RNA Biol. 9, 1233-1238 (2012) 4) Tani H. et al. PLoS One 8, e55684 (2013) 6) Maekawa S. et al. BMC Genomics. 16, 154 (2015) ゲノム科学の進展とともに、これまで「がらくた」とされてきたゲノム配列の多数の領域から、機能不明の RNA が大量に転 写されていることがわかってきました。これらはタンパク質のアミノ酸配列情報をコードしないためノンコーディング RNA (ncRNA)と呼ばれています。近年では、機能不明な ncRNA を解明する一環として、RNA の細胞内における安定性を指標と する研究が注目を集めています。これらの機能を明らかにすることにより、疾患の原因の解明や新しい診断薬の開発に貢献 することが期待できます。 細胞外分泌小胞 エクソソームの解析ツール ExoCap™ MBL は 2014 年よりエクソソームの解析ツール「ExoCap™」を販売しています。 エクソソームは、様々な細胞から放出される直径 30 ~ 100 nm ほどの細胞外小胞の一種 です。この小胞の中には、タンパク質、mRNA、miRNA などが含まれています。近年、特に エクソソーム由来の miRNA のプロファイリングと細胞や組織特異性、疾患との関連につい て注目が集まるようになりました。現在、がんなどをはじめとする様々な疾患において、エ クソソーム由来の分子を用いた診断薬の開発や創薬ターゲットとしての可能性、ドラッグ デリバリーシステムのツールとしての利用など、エクソソームに焦点を当てた様々な研究が行われています。 16 遺伝子発現を制御するエピジェネティクス エピジェネティクスとは、DNA の塩基配列の変化を伴わない、DNA やヒストンの化学修飾などの後天的な変化によ る遺伝子発現制御機構およびその研究分野を指します。発生やがんなどの疾患に関連していることが明らかとなり、 注目を集めている分野です。代表的な化学修飾として、DNA のメチル化、ヒストンのメチル化・アセチル化が知られ ています。 MBL で は、2011 年 よ り メ チ ル 化 DNA 結 合 タ ン パ ク 質 MBD1 を ベ ー ス に し た メ チ ル 化 DNA の 回 収 キ ッ ト 「MethylHunter MBD1-based Methylated DNA Enrichment Kit」、2013 年より利便性およびメチル化 DNA の濃 縮率を向上させた「MethylHunter MBD1-based Methylated DNA Enrichment Kit 2」とメチル化 DNA に次ぐ新 たな制御因子として注目されている 5- ヒドロキシメチル化シトシン(5-hmC)を同定できるキット「MethylHunter 5hmC Detection Kit」を販売しています。 抗体については、自社開発抗体に加えて、モノクローナル抗体研究所の修飾ヒストンに対する抗体を多数販売し、エ ピジェネティクス関連抗体のラインアップを充実させています。 抗修飾ヒストン抗体による細胞組織染色 Hoechst 33342 H3K9me2 H3K9me3 H3K9me2 H3K9me3 H3K27me3 H3K9me2 H3K27me3 X X X X Lys Ac Lys Ac NAD X X X H3K9me2: Anti-Dimetyl histone H3 (Lys9) mAb H3K9me3: Anti-Trimetyl histone H3 (Lys9) mAb H3K27me3: Anti-Trimetyl histone H3 (Lys27) mAb X Hoechst 33342:核染色試薬 X X Me Me Me それぞれの抗体を異なる蛍光色素で直接標識し、マウス雌細胞の免疫染色を行いました。H3K9me3抗体は構成的ヘテロクロマチン (ペリセントロメア)、H3K27me3抗体は条件的ヘテロクロマチン(不活性X染色体)を強く染色しました。 MHC Tetramer 試薬 MHC(Major Histocompatibility Complex: 主 要 組 織適合遺伝子複合体)は、自己と非自己の識別に関与 するタンパク質をコードする遺伝子の総称で、病原 菌に感染した細胞やがん細胞の排除、移植した臓器 Th2 Th17 IL-6+TGF-β IL-4 IL-17 TGF-β Treg IL-10 TGF-β S100A8/A9 Pathogens TLR IL-2 IFN-γ TNF-α MDSC MHC class II ロファージなどの抗原提示細胞に発現しています。 私達の体内で起きている免疫応答には T 細胞と呼ば Th1 IL-12 MHC は、構造の違いからクラス I 分子とクラス II 分 ての細胞や血小板、クラス II 分子は、樹状細胞やマク Antibodies CD4+T の拒絶などの免疫応答に深く関与しています。 子に分けられます。クラスⅠ分子は、ほとんどすべ B cell IL-4 IL-5 IL-10 IL-13 Dendritic cells CD8 T + CTL Perforin Granzyme IFN-γ TNF-α CD1d NKT MHC class I Target cells れる細胞が存在していますが、それぞれの T 細胞上 に発現している T 細胞受容体(TCR)は抗原ペプチド Cell death と結合した状態の MHC(MHC/ ペプチド複合体)を 特異的に認識して結合し、機能を発揮します。この MHC/ ペプチド複合体を 4 量体化して蛍光物質で標識した MHC Tetramer 試薬は、抗原特異的 T 細胞を直接的に検出することを可能にしただけでなく、抗原特異的 T 細胞の分離にも 利用できるため、抗原特異的 T 細胞の機能やフェノタイプ等の詳細な解析を可能にしました。現在、MHC Tetramer 試薬は、感染症やがんワクチン療法、細胞免疫療法、移植免疫、自己免疫疾患などの基礎研究分野あるいは臨床開発に おいて、T細胞免疫応答のモニタリングに欠かすことのできないツールとして広く利用されています。 MBL は、免疫研究の新たなツールとして、クラス I 分子およびクラス II 分子に対応したテトラマー試薬を開発・製造 している唯一の企業です。 17 制御性 T 細胞検出抗体 Regulatory T-cell 制御性 T 細胞(Treg)は、活性化 T 細胞の働きを抑制することで、生体の免 CD4 疫系を負に調節しています。この免疫抑制は、自己免疫だけでなく腫瘍免 GITR CD25 疫、移植免疫等多様な免疫反応に及ぶといわれています。がんやアレルギー CD103 の発症に活性化 T 細胞と Treg のバランスが関与しています。MBL は Treg FR4 GPR83 を特異的に検出できる抗体をはじめ、マウスの生体内で FR4、GITR 機能を + CD4 T CTLA-4 Neuropilin-1 Foxp3 + CD8 T ブロックできる抗体を販売しています。 粘膜免疫関連抗体 腸管は内側を粘膜で覆われた器官で、栄養源となる食物 ( 由来物質 ) だけで 濾胞関連上皮 なく、さまざまな病原体にさらされています。腸の内壁に散在する M 細胞 (Microfold cell)は、消化物から様々な物質を取り込み、粘膜直下に存在す る免疫細胞に受け渡すゲートのような役割を担っています。免疫細胞は渡 された抗原を異物とみなした場合、それを排除する反応を誘導します。しか し、これまで M 細胞の目印となるマーカー分子が不明だったため、M 細胞 による物質の取り込み機構の解析は進んでいませんでした。 2008 年、M 細胞の特異的な分子マーカーとして糖タンパク質 GP2 が発見 M cell 抗原提示細胞 されました。その後、GP2 はマウスだけでなくヒトにも存在する人畜共通 GP2 リンパ球 病原体 マーカーであることが世界で初めて報告されました。MBL で開発・販売し ている GP2 に対する特異抗体(抗 GP2 抗体)は、粘膜免疫の研究で広く利 用されています。抗 GP2 抗体が M 細胞の抗原輸送機構の解明に貢献し、さらには腸の免疫反応の調節、感染症やがん に対する経口ワクチンの開発、炎症性腸疾患の治療への応用へと展開されていくことが期待されます。 ヒトの iPS 細胞を効率的、安定的、そして安全に樹立するキット CytoTune®-iPS CytoTune®-iPS は、株式会社 ID ファーマが開発した人工多能性幹細胞(iPS 細胞)誘導用センダイウィルス(SeV)ベ クターキットです。 MBL は 2013 年より従来の CytoTune-iPS の特長を改良した「CytoTune®-iPS 2.0」を販売しています。従来品では 誘導しにくかった細胞からも iPS 細胞が誘導できるようになりました。iPS 細胞誘導時の細胞傷害性もより低くなり、 誘導した細胞から SeV ベクターをより早く取り除くことができます。さらに、創薬等の商業目的利用のライセンスも 撤廃され、営利団体の方にもご利用いただきやすくなりました。iPS アカデミアジャパン株式会社との共同販売も開始 し、CytoTune®-iPS 2.0 をより多くの方にご利用いただけるよう努めています。 2015 年 5 月にはがん化リスクの少ない L-Myc を搭載した新しい iPS 細胞誘導キット「CytoTune®-iPS 2.0L」の販売 を開始いたしました。 本製品は、センダイウイルスベクターに関する株式会社 ID ファーマの特許上の独占的技術と、核初期化遺伝子に関する iPS アカデミアジャパン株式会社の独占的技術から構 成されています。 Oct3/4 Sox2 Klf4 c-Myc 赤血球 初期化 iPS 細胞 肝臓 膵臓 神経細胞 センダイウイルスベクターの特徴 18 抗 SLC(Solute carrier)トランスポーター抗体 カルシウムイオン、グルコースやアミノ酸など生体 膜輸送タンパク質 の維持に必須な成分の多くは水に親和性がありま チャネル す。そのため、リン脂質で構成される生体膜をほと イオン・水チャネル トランスポーター 二次性ポンプ (SLC型など) 一次性ポンプ (ABC型など) んど透過できません。そこで、細胞はこれら水溶性 溶質を脂質二重膜で構成される生体膜を効率的に通 過させるために膜輸送体(トランスポーター)やポ 脂質 二重膜 ンプを備えています。トランスポーターの発現分布 ATP は特に腎臓・肝臓などの泌尿器系・消化器系や脳 チャネル輸送 単純拡散 神経系に集中しており、SLC ファミリーのトランス ポンプ機構 促進拡散 能動輸送 受動輸送 ポーターとその関連分子の異常(遺伝子変異)は各 種の腎疾患(尿細管性アシドーシス、シスチン尿症、 遺伝性腎性糖尿など)の発症に関係しています。 MBL では、トランスポーター関連疾患の早期原因究明と治療ターゲットの開発に貢献するため、免疫組織化学染色 (IHC) に使用できる 100 種類以上の高品質な抗 SLC トランスポーター抗体を開発しました。なお、これらの抗体は、 MBL グループ会社である Beijing B&M Biotech Co., Ltd.(中国)と共同で製造しています。 抗 G タンパク質共役型受容体(GPCR)抗体 リガンド GPCR Gα 細胞は、細胞外環境に存在する情報に応じて増殖、分化、移動を行い、 GDP ときには自ら死を選択します。細胞外の情報を細胞内に伝える役割を することは極めて重要です。MBL では、免疫組織化学染色 (IHC) に使用 Gγ Gβ GTP (GPCR)です。さまざまな細胞機能に関わる GPCR は生理的に重要で、 用を低減させるために、体内における個々の GPCR の発現・分布を理解 細胞膜 Gγ Gα 担うのが受容体で、その一つのグループが G タンパク質共役型受容体 創薬のターゲットとして注目されています。薬の効き目の解析や、副作 Gβ AC エフェクター PLC エフェクター Ca2+ cAMP 標的タンパク質 Ca2+経路 cAMP経路 できる抗 GPCR 抗体を 900 種以上販売しています。 リン酸化シグナル 遺伝子発現 悪玉コレステロールと PCSK9 悪玉コレステロールと呼ばれる LDL コレステロール LDLR PCSK9 (LDL-C)は、本来は、われわれの細胞を構成する上 で必要不可欠な脂質を肝臓から末梢組織へ運ぶとい LDL-C 細胞膜 う重要な働きしています。肝臓で合成された LDL-C は、血流を介して末梢組織の細胞表面にある LDL 受 容体 (LDLR)に結合して細胞に取り込まれ、脂質で 構成されている細胞膜、脂溶性ビタミンや脂溶性ホ ルモンなどの合成に利用されます。しかし、この血液 中の LDL-C が必要以上に高濃度になると、高脂血症 の中でも特に注意を要する高 LDL コレステロール血 エンドソーム PCSK9が結合した LDLRはリソソーム で分解される リソソーム 分解 LDLR リサイクリング LDL-Cが細胞内に 取り込まれる PCSK9は、主に肝臓・腎臓・小腸で発現している分泌タンパク質で、LDL 受容体に直接結合し、LDL 受容体の分解を促進する作用が示されています。 症を発症することになります。2003 年、遺伝的に高 LDL コレステロール血症を呈する家系において PCSK9(Proprotein convertase subtilisin/kexin type 9)遺伝子に変 異があることが報告されました。これまでに PCSK9 は、 (1)血液中に分泌され細胞表面の LDL 受容体に結合すること、 (2)この結合により LDL 受容体の分解を促進し、LDL 受容体の数を減少させること、 (3)その結果、血液中の LDL-C の 細胞への取り込みを減少させ、血液中の LDL-c 濃度を高めることが明らかになっています。血液中の PCSK9 量の増加 自体が、高 LDL コレステロール血症の発症リスクである可能性も考えられています。MBLでは PCSK9 の定量試薬の他、 PCSK9 と LDLR の試験管内での結合特性の研究や阻害剤の評価のできるキット、関連抗体、組換えタンパク質を販売 しています。 [製造元 : 株式会社 サイクレックス ] 19 新規薬剤候補物質を効率的に探索できる測定系 MBL では、株式会社サイクレックスが新規薬剤候補物質を効率的に探索できる測定系(Drug Screening System)を ベースに開発したリン酸化酵素、脱アセチル化酵素、脱リン酸化酵素などの活性測定キットを販売しています。特に ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC) はヌクレオソーム構造を変化させることにより、様々な遺伝子を調節する重要な 働きをしています。また細胞周期の進行、分化に関与しており、この調節の崩れと、ある種のがんの発生が関係してい ることが報告されています。HDAC 阻害剤は細胞増殖を阻害すると共に、最終分化を誘導してマウスモデルにおいて 腫瘍の増大をおさえることから、抗がん剤として期待されています。HDACs Deacetylase Fluorometric Assay Kit, SIRT1/Sir2 Deacetylase Fluorometric Assay Kit 他多数のキットをラインアップしています。 [製造元 : 株式会社 サイクレックス ] サイクレックスでは脱アセチル化酵素について世界に先駆けてハイスループット測定法を発明し、日本、欧州、米国およびカナダでの特許を取得しています。 HDAC Assay Kit 酵素活性測定原理 1 HDACが基質に結合 2 HDAC アセチル基除去 (脱アセチル化) HDAC Ac X X HDAC Ac HDAC Ac Ac Lys MCA X X Lys リジルエンドペプチダーゼ(LEPDase) によるリジン残基後方の結合切断 3 LEPDase AMCの蛍光強度測定 4 LEPDase AMC LEPDase MCA X X Lys MCA X Lys X MCA : 4-methyl-coumaryl-7-amide ↓変換 AMC : 7-amino-4-methylcoumarin 3 次元培養容器 NanoCulture Plate/Dish 3 次元培養は細胞を立体的に培養する技術で、従来の培養法に 比べて生体内における細胞の性質を反映した培養細胞を得るこ とができます。NanoCulture Plate/Dish は SCIVAX ライフサイ エンス株式会社により開発された 3 次元培養容器で、従来法と 同様の簡便な操作、培養細胞の高い生存率など他の 3 次元培養 技術と比べても優れた特徴を有します。NanoCulture Plate で培 養したがん細胞株を用いて抗がん剤に対する感受性試験なども 行われており、医療分野への応用も期待されます。 MBL では 2014 年より NanoCulture Plate/Dish を販売してい ます。SCIVAX ライフサイエンス株式会社と JSR 株式会社は戦 フィルムの微細構造に接着する HeLa 細胞のスフェロイド スフェロイドを形成する細胞のうち、フィルムに接する 一部の細胞が仮足で微細構造をつかみ、接着している。 データご提供:早稲田大学 教授 並木秀男 先生 略的提携を行っており、今回の販売は JSR 株式会社との資本業 務提携の成果です。 RNA を 1 コピーから検出できる超高感度 RNA ISH 試薬 RNAscope® RNA in situ ハイブリダイゼーション(RNA ISH) は、培養細胞や組織切片中の RNA を染色して可視化する技術です。 試料(細胞や組織)の抽出物中の RNA を検出するブロット法と比べて、試料の形態を保ったまま RNA の局在を視覚的 に捉えることができるという利点があり、分子生物学研究で多用されています。しかし、従来の RNA ISH は実験工程 RNAscope® を用いた染色と従来法の比較 RNAscope® 従来法 mRNA-X/DAPI mRNA-Y/DAPI mRNA-X/DAPI mRNA-Y/DAPI 赤・緑: RNA、 20 青:核 が煩雑なうえに感度に限界があり、試料中の RNA 量が少ないとうまく検出できませんでした。 MBL は 2013 年より米国 Advanced Cell Diagnostics, Inc.(ACD 社)の超高感度 RNA ISH 試薬 RNAscope® を販売 しています。RNAscope® は ACD 社独自の技術を使った新しいタイプの RNA ISH 試薬で、1 コピーの RNA から検出 でき、従来法では検出できなかった極微量の RNA を可視化できます。また、実験プロトコルも従来法に比べて簡便で、 実験時間を短縮できます。 RNAscope® は基礎研究の強力なツールとなるだけでなく、米国では RNAscope® 技術をベースとした病理診断法の開 発も進められています。 抗体作製受託サービス・総合受託サービス MBL では、独自の技術や高度な専門性を持つ MBL ネットワーク企業や業 務提携企業とともに、ライフサイエンス研究を幅広くサポートする「総合 受託サービス」を行っております。 日本最初の抗体メーカーである自社の技術を生かした抗体作製受託サー ビスに、ファージディスプレイを用いた抗体作製、DNA メチル化解析、遺 伝子発現解析、タンパク質質量分析などのユニークなサービスを追加し事 業を伸長させてまいりました。 2013 年には株式会社組織科学研究所(HSL)より事業譲渡を受け、株式会社新組織科学研究所(NHSL)を設立いたし ました。NHSL の病理標本作製や病理組織学に関する確かな技術力・開発力に、MBL の高い抗体作製技術や販売ネッ トワークを融合し、製薬企業や研究機関などに組織標本作製や病理組織学的検査の受託サービスを展開しています。 また、従来からの抗体作製受託に NHSL での免疫染色がオプションとして加わり、MBL ネットワークを活かしたサー ビスを展開しております。さらに、かずさ DNA 研究所と新たに提携し、次世代シーケンスの受託サービスを強化いた しました。 MBL は今後も先進的な企業と提携し、最新の技術を基にしたトータルソリューションサービスを提供できるように取 り組んでまいります。 ラット関節 モバット五重染色 一般的なコールHE染色 硬質の金属ステント DNA・RNA オリゴ / 遺伝子合成サービス MBL は 2013 年 に 米 国 Integrated DNA Technologies, Inc.(IDT)と の 合 弁 企 業 Integrated DNA Technologies MBL 株式会社 (IDT-MBL KK) を設立しました。IDT は、バイオテクノロジー、診断薬、製薬などの研究活動を行って いる大学、研究機関、企業へ人工的に合成された核酸(DNA・RNA・遺伝子)を供給する、世界最大の核酸受託合成品 メーカーです。 核酸合成品は遺伝学的研究に欠かせないツールとなっており、IDT の核酸合成品はゲノム編集技術や次世代シーケン ス、合成生物学などに幅広く利用されています。IDT の日本総代理店である MBL は、IDT-MBL KK と協力して、IDT の 高品質な製品を日本の研究者の皆様へ提供してまいります。 21
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