フジタ“高”環境レポート

フジタ“高 ”環境レポート
2014
Corporate Social Responsibility
■
お問い合わせ先
■
管理本部 総務人事部
http://www.fujita.co.jp/environment/e-report.html
E-mail : [email protected] Tel : 03-3402-1911
大和ハウスグループの経営のシンボルである「エンドレスハート」は、日本およびその他の国における登録商標または商標です。
© Copyright 2014 DAIWA HOUSE INDUSTRY CO., LTD. All rights reserved.
201410.5500.JBA
自然に、社会に、街に、そして人の心に、
CONTENTS
より高い価値を創造し提供し続けること。
それがフジタの“高”環境づくりです。
1
目次・編集方針
3
フジタの
“高”環境づくり
5
フジタについて
7
トップメッセージ
■ 特集1
9
編集方針
持続的成長に向けた新たな価値創造
〜大和ハウスグループ入りによる
シナジー効果の具現化〜
報告対象範囲
フジタを中心に、一部関係会社/グループ会社の情報を含んでいます。
本レポートについて
本レポートは「社会性・環境性」の大きく2つの要素で構成
し、それぞれの項目において当社の事業活動をCSRの視点
報告対象期間
のPDCA
(Plan・ Do・ Check・ Action)
に活かすことができ
2013年度
(2013年4月〜2014年3月)
の活動を中心に記載していま
るという狙いからです。
す。ただし、一部直近の活動に関しても必要に応じて記載しています。
でとらえた編集となるように心がけました。2014年度版で
より多くのステークホルダ ーの 方 々にご 意 見をいただけ
は、2013年度の活動成果をクローズアップした編集方法と
るよう、
「フジタ
“ 高 ”環 境レポート2014」のアンケートをPDF
し、各報告ページには、Topicsの項目を設けています。さ
化し、本レポ ートのPDF版とともに 当 社 ホ ー ム ペ ージ(
らに、当社が 注力している海外展開に関連する活動には、
http://www.fujita.co.jp/environment/e-report.html)
GLOBAL
のアイコンをつけています。
このような編集とした背景には、ステークホルダーの皆さ
まに当社をより理解して頂きたいという想いがあります。ま
た、私たちがレポートの編集プロセスにおいて、年度の活動
成果を振り返ることで、自社の強みや課題を認識でき、今後
発行について
今回の発行:2014年10月
■ 特集2
11
協力会社とともに持続的な成長を
〜フジタと藤興会のパートナーシップ〜
(前回の発行:2013年9月、次回の発行予定:2015年9月)
に掲載しています。アンケート回答へのご協力をお願いいたし
ます。
お寄せいただきました、ご意見、ご提言は今後の事業活動と、
“高”環境レポートの制作に活用させていただきたいと考えて
います。
参考としたガイドライン
◦環境省
「環境報告ガイドライン
(2012年版)
」
◦GRI
(Global Reporting Initiative)
「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン 第3.1版」
■ 社会性報告
13
社会的責任を果たすために
15
お客様満足の追求のために
17
協力会社とともに
18
安全な職場環境のために
19
働きやすさとやりがいのために
20
人材育成のために
21
地域・社会のために
■ 環境性報告
23
環境目標の全体像
25
地球温暖化防止のために
27
資源循環を推進するために
29
生物多様性保全のために
30
主な外部表彰
編集後記
1
フジタ
“高”
環境レポート 2014
フジタ
“高”
環境レポート 2014
2
フジタの“高”環境づくり
フジタの企業理念は、
「自然を 社会を 街を そして人の心を 豊かにするために フジタは たゆまず働く」
です。この理念をス
テークホルダーの皆様の信頼を得ながら実践していくための基本姿勢が企業行動憲章であり、環境に関する方針を示したもの
がフジタ・エコ憲章です。
また建設業の基軸である安全・品質を含めて、安全・品質・環境方針に示す取り組み姿勢のもと、日々のマ
ネジメントシステムを運用しています。当社のスローガンである
“高”環境づくりは、
これらの方針を包含したもので、
“顧客に必要
フジタ・エコ憲章
基本方針
フジタは、建設事業が環境問題と深く関わっていることを認識し、企業の社会的責任である
「事業活動における環境負荷の低
減」
、建設業本来の役割である
「快適な環境の実現」
、並びに
「環境への取り組みを実践する企業基盤の確立」
を環境に関する経
営の3つの柱とし、
あらゆる企業活動において環境に配慮した積極的展開と継続的改善を推進する。
とされる会社”
を目指すフジタのCSRを表現しています。
自然に、社会に、街に、
そして人の心に、
より高い価値を創造し提供し続けること。それがフジタの
“高”環境づくりです。
自然を 社会を 街を 企業理念
そして人の心を 豊かにするために
フジタは たゆまず働く
行動指針
1.事業活動における環境負荷の低減
キームの提供等を積極的に推進し、顧客との合意形成のも
全ての事業活動において、環境に係る法令等の社会からの
とで、持続可能な街づくりや社会基盤の整備に貢献する。
要求事項を順守するとともに、建設ライフサイクルの全ての
段階で環境課題を抽出・検討し、環境汚染の防止・予防や環
境負荷の低減に積極的に取り組む。
3.環境への取り組みを実践する企業基盤の確立
全社一体となった環境マネジメントシステムを構築し、全て
の事業活動において、
これを効果的に運用し、継続的改善を
2.快適な環境の実現
図る。
また社内外に積極的な情報開示を行い、広く社会との
生態系に配慮した快適な環境を社会へ提供するため、環
コミュニケーションを進める。さらに社員一人ひとりに高
境の保全、再生、創造を目指した技術開発、計画・設計にお
度な環境保全意識の醸成を図る。
ける環境配慮、並びにエンジニアリングによる新たな事業ス
コーポレート・ビジネス・ヒエラルキーとステークホルダー
“高”環境づくり
スローガン
企業スローガン“高”環境づくりについて
当社における経営の重要項目である
「基本理念」
「経営計画」
「管理・規程」
を上位から階層化し、
それぞれの位置づけと、関連するステークホルダーとの取り組みを表現しています。
フジタのステークホルダー
技術力を基盤とする建設業を営む企業として目指すべき姿を示しています。強みを活かした提
■ 企業理念
案力で、快適で豊かな環境を創造しようとするフジタの意思と姿勢を明快に表現しています。
●
スローガン
■フジタグループ企業行動憲章・行動基準
基本理念
企業行動憲章 ∼私たちの基本姿勢∼
1. 誠実な企業活動の実践
人々に、建設を通じて
「ものづくり」
の楽しさ、
「街づくり」
の
識を守るとともに、全ての利害関係者に対して、公平・公正
大切さ、
「自然環境」
への配慮を伝え広める
「築育」
活動等
かつ透明な関係を維持し、誠実な企業活動を実践します。
をすすめ、地域や社会に参加し貢献します。
求める人材像
●
フジタ・エコ憲章
●
安全・品質・環境方針
●
生物多様性保全方針
●
個人情報保護方針
A
■フジタ3ヵ年計画
(中期経営計画)
D
D
C
社会の秩序や安全を揺るがす、反社会的勢力および団体
品やサービスを提供するとともに、常に技術や品質・安全
には、毅然とした対応を行い、一切の関係を遮断します。
経営計画
経営計画
「フジタ・エコ憲章」
を実践し、あらゆる企業活動を通じ、環
人権や個性・多様性を尊重し、ゆとりと豊かさを実現する
境負荷の低減や持続可能な社会の実現に取り組み、地球
ために、快適な職場環境と活力ある企業風土づくりに
の
“高”
環境づくりに努めます。
努めます。
P.15
株主・グループ会社
・誠実で積極的な情報開示
・企業価値の向上
・事業貢献
P.7,9,15
■ 成長戦略基本方針
■ 2014年度重点方針
■ 2014年度計画
・公平・公正な取引
・安全・品質の向上・連携
・安定した雇用環境 P.11,17,18
地域社会
・施工中の地域貢献活動
・築育活動の推進
■ 規程
管理・規程
の向上と、新しい価値の創造に努めます。
6. 活力ある企業風土づくり
・建設物の価値の向上
協力会社
P
5. 反社会的勢力の排除
顧客や社会の満足と信頼を得るため、良質で魅力ある商
3. 地球環境への貢献
●
4. 地域・社会への貢献
国の内外を問わず、法令やルールおよび社会の倫理や良
2. 顧客満足の追求
基本理念
お客様
・最良の品質の実現
管理・規程
■ 安全・品質・環境マネジメントシステム
■ 人材マネジメントシステム
■コンプライアンス・リスク管理体系 A
P
D
C
業務
・海外事業の現地化
P.9,21
行政機関
・法令順守
P.13
NPO/NGO
・社会的課題解決のサポート
■ 年度目標設定
業務
■ 要因分析・評価
・社会貢献における協働
P.21
従業員
・働きやすい職場づくり
・人材育成・活用の推進
P.19,20
Plan・Do・Check・Action
3
フジタ
“高”
環境レポート 2014
フジタ
“高”
環境レポート 2014
4
フジタについて
会社概要
組織図・事業拠点
◦国内拠点
会社名
株式会社フジタ(Fujita Corporation)
業 態
総合建設業
本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目25番2号
主な事業内容
建築・土木ならびにそれらに関連する事業
創 業
1910年12月1日
有資格者数
工学・理学その他博士 28人
技術士 182人
一級建築士 553人
(2014年3月31日現在)
設 立
2002年10月
資本金
140億円
従業員数
1,752名
(2014年3月31日現在)
建設業許可
国土交通大臣許可
「
(特-24)
第19796号」
宅地建物取引業者免許
国土交通大臣
「
(3)
第6348号」
一級建築施工管理技士 628人
一級土木施工管理技士 536人
宅地建物取引主任者
(合格)
413人 株主総会
監査役会
監査役
取締役会
経営改革統括部
東北支店
管理本部
経営会議
営業本部
社長
名古屋支店
建設本部
大阪支店
安全・調達本部
技術センター
監査部
2013年度 フジタ業績報告
(単体)
政府建設投資は復興事業を中心に増加し、民間建設投資も
大幅に回復し、前期比27.7%増の3,070億円、売上高は前期
民間企業設備投資の増加にともない増加しましたが、技能労
比9.0%増の2,645億円となりました。経常利益は、前期に不
働者の不足、資材価格の高騰が懸念されるなど、経営環境は
採算工事の大幅な処理を行ったこともあり、40億円と大幅に
厳しい状況で推移しました。このような中、当社は大和ハウス
回復しました。
グループ入りの好機を活かすべく、企画提案力を活かした事業
発揮しながら、海外事業の拡大、物流における総合力の強化に
建設受注高は、消費税率の引き上げにともなう影響もあり、
建設受注高
(建築・土木)
建築
(億円)
土木
その他
3,000
2,427
2,645
3,070
2,388
2,000
2,205
1,717
2,071
1,744
1,000
675 35
2011
2012
803
40
0
2013 (年度)
本社
東京支店
国際事業部
都市開発事業部
関東支店/横浜支店/名古屋支店/
大阪支店/広島支店/四国支店/
横浜支店
九州支店/国際事業部/
技術センター
都市開発事業部
◦海外拠点(2014年4月1日現在)
香港支店/フィリピン支店/ソウル支店/メキシコ支店/台北支店/ドバイ支店/ヤンゴン支店
経常利益
(億円)
60
40
40.00
34.93
1,689
1,000
516 41
九州支店
2,404
2,000
1,802
土木
東関東支店
上海事務所/ハノイ事務所/ホーチミン事務所/インド事務所/インドネシア事務所
経常利益
建築
(億円)
3,000
2,762
0
取り組み、成長分野の更なる強化を図ってまいります。
関東支店
東北支店/東京支店/東関東支店/
今後も大和ハウスグループの多面にわたるシナジー効果を
の強化、海外事業の体制強化等に取り組みました。 売上高
支店・事業部
四国支店
広島支店
20
644
715
2011
2012
998
0
ソウル支店
2012
2013 (年度)
2013 (年度)
2011
-13.84
成長戦略の策定と実行
当社は2013年度に成長戦略を策定し、基本方針として掲げる
「顧客に必要とされる会社」
を目指して、
さまざまな施策に取り
ドバイ支店 ヤンゴン支店
インド
事務所
香港支店
上海事務所
台北支店
ハノイ事務所
フィリピン支店
メキシコ支店
ホーチミン
事務所
組んでいます。コア事業の強化や、成長ドライバーを定め、経営資源を集中し施策を実施することで、成長していきます。
◦成長戦略施策の実行
コア事業の徹底的強化、成長ドライバーの設定
3000
60
インドネシア
事務所
◦現場力の強化
2000
提案力、課題解決力の強化、人づくり施策の更なる強化
40
◦ガバナンスの強化
正しい判断・行動の強化
1000
20
また、年度ごとの経営方針を定めた2014年度重点方針では、成長戦略施策の実行を基軸とし、
「 全社VEと全業務のPDCA
の徹底により、
フジタを強靭な体質に変える」
をスローガンとした活動を展開しています。
0
0
60
5
フジタ
“高”
環境レポート 2014
フジタ
“高”
環境レポート 2014
40
6
Top Message
2
「持続可能な
社会の発展への貢献」
― 当社事業が、社会の要請と期待に応え、
最大限の価値を創造しつづけるために―
社会の課題に取り組む
建設事業に対する社会の期待の高まりとともに、事業量が
の不十分さが課題となり、国、地方自治体をはじめ建設業界
いて課題解決力の強化と協力・連携・連帯力の強化を進め
全体がさまざまな対策に乗り出しています。少子高齢化に向
ています。
かう社会、厳しい競争環境、果たさなければならない安全安
そのために、社員一人ひとりが、
「 考える」
ツールとしての
心への責務、
こうした困難な環境の中で一つずつ問題の原因
VE※活動を徹底し、
PDCAをきっちりとまわすことに努めて
を解きながら、
対策を講じてゆかなければなりません。
います。
当社では、協力会社で組織する
「藤興会」
との連携を一つ
人材育成面でも、社内の研修講座である建設大学を約
のキーとして取り組みを進めています。先ずは無駄なく業務
40年続け、今では、建築・土木の技術系科目のほかビジネス
を進めること、仕事量の地域的な偏りに全国の協力会社の
学科も取り入れてレベルアップを図っています。ダイバーシ
支援と連携で対応することなど、藤興会と共に一層の知恵
ティへの取り組みでは、女性職員の
「戦力化」
を目的とする
を絞っています。協力会社の中には、次代を担う若者が建設
F−net活動や、外国人社員の採用も進んでいます。2014年
業の魅力を知って集まり、安心して仕事を続けられるよう
4月入社の定期採用社員94名の内23名が女性、6名が外
に、積極的に工業高校への出前授業を展開し、
ものづくりへ
国籍の社員でした。
これら人材の活動が正しく目標どおりの成果に結びつく
災害対策や防災面では、東日本大震災において被災した
ために、
ガバナンスの強化も欠かせません。組織として、
コー
下水浄化施設の再整備や復興のまちづくり事業に取り組
ポレート・ガバナンスを維持するとともに、社員一人ひとり
み、今後予想される大規模災害への備えとしても、洪水や津
が、当たり前のことを当たり前に実行する
「凡事徹底」
を実践
波で越流しても崩壊しにくい粘り強い堤防を築く技術(フ
してゆきます。
レッシュバンク工法)
や耐震・免震・制振技術など災害対応技
VE:Value Engineering。機能と、資源との関係を分析し、最適な方法を提案
する方法)
。
また、首都直下地震への備えが求められる首都圏では、木
企業理念とその実践
造住宅密集地域の防災面の強化が期待される、東京都西新
4
大和ハウスグループの総合力
宿において市街地再開発事業に取り組んでいます。これは、
海外で大きな航空船舶、そして鉄道事故が発生し、安全
この企業理念には、社会貢献を根幹とし、事業を通じて
安心な社会を築いていくことの難しさを再認識させられま
当社が同地域で手掛ける2件目の大規模市街地再開発で、
社会の期待に応え、持続的に社会の発展に携わることが示
日本初の60階建てマンションを含む大型プロジェクトです。
大和ハウスグループの総合力を活かしてシナジーの追求を
す。国内においては、
インフラの老朽化や度重なる激甚災害
されています。早くから取り組んできた環境技術を例に挙
組織的に進めており、海外建設事業、技術共同開発、土地区
に対する対策が急がれており、安全安心な社会を築いてい
持続可能な社会の発展を目指すことは海外においても同
げると、高度成長期に問題となった
「光化学スモッグ」
や
「酸
画整理事業や生産施設建設、資材調達などにおいても成果
くことへの関心が急速に高まっています。さらに、2020年の
じです。前年の本レポートでもご紹介しましたが、当社は中
性雨」
対策として、道路舗装に光触媒機能を持たせ窒素酸
国事業に30年継続して取り組み、現地化を進めてきました。
が出始めています。今後はさらに、連携の強さを活かして、
東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設整備など社
化物
(NOx)
を分解するフォトロード工法や、交差点などで
社会とお客様のニーズに応じて、さまざまな事業サポート
会資本の整備をいかに進めていくか、建設業界への期待が
現在、中国、韓国、
メキシコで日系ゼネコンの中でトップクラ
自動車の排出ガスに汚染された空気を土壌で浄化するEA
サービスの提供や企画提案で新たな価値の創造をお手伝
高まっています。
スのシェアを持っていますが、注目を集めるASEANやインド
P装置などの開発を進めました。現在では、ため池のアオコ
でも、日系企業のニーズに応え海外進出支援サービス機能
いしてゆく所存です。
当社は、1910年広島での創業以来、建物・道路・橋梁・
を浄化するフェスタ工法や植物で土壌の重金属汚染を取り
空港など社会の求める施設建設に携わり、建設はもとよ
を充実してまいります。
除くファイトレメディエーションなどのユニークな技術へと
り、
まちづくりや環境の技術・ノウハウを磨いてきました。こ
つながっています。
れら事業には、当社の企業理念が貫かれています。
自然を 社会を 街を そして人の心を 豊かにするために フジタは たゆまず働く
7
場力の強化に取り組んでいます。現場力の強化、
すなわち、
営業、工事、設計、安全調達、技術、管理、
すべての部門にお
術にも力を入れています。
1
した技術・ノウハウを維持継続するために、最前線である現
増大し、かねて懸念されていた技能労働者不足や技術伝承
の共感を得て、効果を上げている会社もあります。
代表取締役 社長執行役員
り、海外での情報収集やフットワークであったりします。こう
フジタ
“高”
環境レポート 2014
社会やお客様のニーズに応じて、引き続きさまざまな課
題解決手法をご提案することでお客様に喜んでいただき、
信頼を積み重ねてまいります。
3
当社は大和ハウスグループ入りし2年目となりました。
事業を支える力
こうした当社事業の基盤を支えるものが技術力であり人
材です。お客様にさらによい提案をしていくために必要なも
のは、建設技術の工法であり、開発事業の推進ノウハウであ
フジタ
“高”
環境レポート 2014
8
特集 1
持続的成長に向けた新たな価値創造
~ 大和ハウスグループ入りによるシナジー効果の具現化 ~
Synergy
1
海外における事業価値の向上
江蘇省常州市天寧区プロジェクト
(龙州伊都)
●日本のものづくりを中国で提供する
2500年以上の歴史を誇り、風光明媚でかつ著しい発
2013年1月に大和ハウスグループ入りし約1年半が経過、さまざまなシナジー効果が表れ始めています。
大和ハウスグループの総合力を得て、
当社の事業がより社会の要請と期待に応え、
さらに大きな価値を生み出します。
今後、さらに両社は事業展開・技術力で連携を深め、シナジー効果を発揮していきます。
Synergy
2
震災復興を通じた価値の提供
仙台市内最大級の土地区画整理事業
●高付加価値型のまちづくり
マンションと差別化することを目指しています。
仙台駅から南へ約6km、仙台市営地下鉄南北線富沢駅
クをつくり、いつまでも健やかな暮らしが続く
「サスティナ
展を遂げている江蘇省常州市金融商務区において、大和
これまで当社が中国で培ってきたノウハウや人材が、大
より施行区域内中心部まで約1.5kmという立地で、施行区
ブル・ライフ・タウン」
というコンセプトのもと、街づくりの
ハウス工業が複合開発プロジェクト
(マンション・サービス
和ハウス工業のプロジェクトにおいても活かされ、互いの
域面積約72ha、関係権利者数約290名という、仙台市内で
トータルプロデュースで、クオリティ・オブ・ライフを実現さ
アパートメント・商業施設)
を進めています。その中で当社
情報交換はもとより、より川上での協力体制を構築し、事
は最大級の規模の土地区画整理事業に取り組んでいます。
せ、安心・安全・快適な付加価値の高いまちづくりを推進し
は、一期~三期躯体工事の施工と全体の仕上工事管理業
業価値を向上させています。
務を行っています。
当社は、これまでに培ったまちづくりのノウハウを結集
させ、新しいまちの付加価値を高めて、住宅地を主体とし
このプロジェクトは一期から四期工事に分かれており、
た高品質なまちづくりを提案してきました。
一~三期工事は1,178戸の地上24階~28階の住宅棟9
幹線道路沿いには商業施設等の生活サービス施設の
棟であり、四期工事は約10,000m の商業施設と308戸
立地を図ることで利便性を向上しつつ、高齢化社会を見
のサービスアパートメントです。
据えて、安心して暮らせるまちづくりに欠かせない医療福
2
中国のマンションは、スケルトン
(内装なし)
で顧客に引
祉関連施設も整備します。
き渡すことが多いなか、
このプロジェクトは「日本の繊細な
このまちづくりには、大和ハウス工業が 住宅建設(戸
配慮、高い技術力を導入したより安全で快適な暮らしを提
建・集合)及び商業施設建設で参画。住宅事業保留地約
供する」というコンセプトに基づいて、日本と同じように内
20,000㎡に約100戸の高品質な住宅を建設・分譲し、商
装工事までの仕上げをします。日系建設会社による施工
業事業保留地約36,000㎡に延べ床約12,000㎡の複合
管理で、ハイレベルな商品を提供することにより、周囲の
商業施設を建設します。これら施設の包括的なネットワー
Synergy
3
ていきます。
共同開発による価値創出
両社の強みを活かした技術開発
●
「大型施設用床振動解析システム」
の共同開発
物流施設や工場などの設計段階で、
実際に使用している
ときに起きる床振動を短時間かつ高精度に解析できるシス
●中低層建物向け耐震部材
「鋼製座屈拘束ブレース
(筋交い)
」
の共同開発
中低層(3~4階建)のさまざまな建物に適用可能な耐震部材「鋼製座屈拘束ブ
を大和ハウス工業と
レース ー平鋼を角形鋼管で座屈拘束した耐震ブレースー」
共同開発しました。両社がそれぞれの得意とする分野の建物の耐震技術が、
このブ
レース
(筋交い)
に活かされています。
9
フジタ
“高”
環境レポート 2014
テム
「大型施設用床振動解析システム」
を共同開発しました。
床振動解析に有限要素法を採用することで、従来のシス
テムでは解析が難しかった、特殊な梁や開口のある床など、
さまざまな構造でも床振動を解析することができます。
当社の持つシミュレーション技術に、大和ハウス工業の持
つ検証、実証力が活かされています。
フジタ
“高”
環境レポート 2014
10
特集 2
協力会社とともに持続的な成長を
~フジタと藤興会のパートナーシップ~
建設業において、協力会社とのパートナーシップは欠かせません。
当社は、協力会社を
「ものづくりの主役であり、
フジタの建設事業の重要なパートナー」
と位置づけており、
当社の協力会社で組織する
「藤興会」
と密に連携しともに発展、向上していくためのさまざまな活動を展開しています。
●全国の協力会社とのコミュニケーション
●全国連合藤興会 会長インタビュー
フジタと藤興会の協力体制について、
全国連合藤興会の池田会長にお話を伺いました。
Q
全国連合藤興会会長
東京藤興会会長
株式会社ダイニッセイ
代表取締役
1 藤興会についてお聞かせください。
池田 愼二様
フジタと車の両輪の関係で取り組める
企業の集まりが藤興会です。
全国連合藤興会は10の地区の藤興会で構成され、安全・
品質などの各種委員会活動、安全衛生推進大会や情報交換
会、自主パトロールなどを実施し、品質の向上、自主的な安
足りなかったのではないかと気づかされました。今後はこう
全・環境管理を行っています。
さらに、
フジタと共にVE活動な
した活動をさらに展開していこうと考えています。
ども行い、
よりよいものづくりの実現に向けて取り組んでい
ます。
フジタと車の両輪として取り組むことができる、選ばれ
た企業の集まりが藤興会です。
Q
2 重要なことをお聞かせください。
協力会社とフジタが共に成長していくために、
オールフジタ藤興会協力体制で
課題を乗り越えます。
11
Q
はどのような会社でしょうか?
3「フジタ」
また、
フジタに期待することをお聞かせください。
「フジタだからできる」を強固にし、
ともに成長する。
ほかのゼネコンの協力会の方々から、
「それは、
フジタだ
からできる」
と、
よく言われます。
このように、
フジタと協力会
社は格別な体制を構築しています。その理由は、長年取り組
品質と安全が第一ですが、現在直面している労務課題の
んできたVE活動で、互いに提案しあう文化があるからだと
対応も重要です。作業員の不足や高齢化、就労条件などを
思います。フジタは協力会社の提案を受け入れてくれる。そ
改善しなければなりません。
して、過去にフジタが苦しかったときには、協力会社も一緒
この課題に対しては、
「オールフジタ藤興会協力体制」
を
に乗り越えてきた。こうして築かれた、相互が本音で接し合
構築し、全国の応援依頼システムなどで作業員不足に取り
える信頼関係が、ほかにはない強固な協力体制を生んでい
組んでいます。また、社会保険加入問題については、行政・
るのでしょう。
ゼネコン・サブコンが三位一体となり、過去の体制や慣習を
18歳のときからお世話になっている私が感じることは、
フ
変革しなければなりません。フジタと藤興会がともに成長す
ジタは企業理念を全うする企業であることです。理念の実現
るには、課題解決に向けて、
コミュニケーションを密にとり、
に向けて、
日々の業務にぶれずに取り組んでいるので、協力
行動に移すことが重要だと考えます。
会社もついていくのだと思います。
さらに、次世代に建設業の魅力を伝える活動も重要で
大和ハウスグループ入りし、
フジタの更なる企業成長に期
す。私自身も、工業高校に鉄筋工事の出前授業をしていま
待しています。そして、私たち協力会社もその成長を支え、共
す。きっかけは学校側からの要望で実施したものですが、出
に発展していきたいです。そのためにも、現在直面する課題
前授業をして感じることは、建設業に興味を持つ若い方が
を解決し、安全・品質・顧客満足をさらに高めた持続可能な企
少ないわけではなく、私たちが若い方に対してアピールが
業体
「オールフジタ」
を構築していきます。
フジタ
“高”
環境レポート 2014
2014年度全国連合藤興会定時総会における情報交換会の実施
毎年、全国の藤興会会員各社が集まり、全国連合藤興会
定時総会を実施しています。
情報交換会では当社の経営陣より、成長戦略基本方針を
説明し、藤興会の皆さまにフジタが目指す方向性をご理解
2014年6月、京都での定時総会の際に情報交換会が行
いただくとともに、協力会社の期待に応えられる会社となる
われ、
フジタからは代表取締役をはじめ経営陣3名が出席し
決意が発信されました。
また、藤興会からフジタへの質疑応
ました。総会内では、2013年度の活動実績の振り返りや、
答では、労務課題対応や外国人労働者受け入れに関するこ
安全衛生目標の達成に至った災害防止活動の成果が報告
とをはじめ、
コスト面や仕事量の安定確保の要望まで、踏み
されました。
込んだ議論が交わされました。
●地区藤興会の活動
各地区の藤興会では、
フジタの支店と連携し、
さまざまな安全・品質・環境活動に取り組んでいます。
東京藤興会での取り組み例
安全
労務対策
●フジタの支店管理職パトロールに、
藤興会の安全パトロール委
員も参加し、災害防止活動を毎月実施。
● 藤興会の安全パトロール委員が、
フジタ作業所へ自主パトロー
ルを年3回実施。
●フジタ支店主催の安全衛生協議会に、
藤興会安全委員会メン
藤興会内に労務対策委員会を立ち上げ、フジタの支店管理職
と連 携し、労 務 稼 働 状 況の調 査や社 会 保 険 加 入 対 策 、若 手 人
材確保等に向けて活動。
人材育成
藤興会会員各社の若手経営後継者の会
(二世会)
を設け、勉強会や
バーも毎月参加。
●フジタ支店と東京藤興会の共催で安全衛生推進大会を年1回
情報交換会等を行い、藤興会の次代を担う経営者の育成を実施。
実施。また、協力会社の職長への安全教育を年3回実施。
品質
藤興会の建築委員会・土木委員会の中に、躯体・仕上げなどの各部
会を立ち上げ、
フジタと藤興会が協力し合い、テーマ設定に基づい
た活動を実施。
企業理念のゴールに向かい、協力会社とともに持続的な成長を続ける
藤興会は発足80周年を迎えようとしています。藤興会と当社は、
その長い歴史において決して平坦な道を歩んで
きたわけではなく、
また、藤興会各社は当社のみの仕事をしているわけではありません。
しかしながら、
そのパートナー
シップは他には類を見ない、
と多くの方に言っていただけることを大いに誇りに思っています。
それは長い歴史の中で、
ものづくりのプロ同士として、
皆の努力でWin-Winの信頼関係を培ってきた結果だと思い
ます。人材不足など建設業の環境が厳しくなる中で、
若い人に来てもらえる産業への改革も急務となっています。藤興
会とフジタは信頼でつながる車の両輪としてお互いに努力し、
今後も共に発展をしたいと思っています。
常務執行役員
安全・調達本部長
大西 章喜
フジタ
“高”
環境レポート 2014
12
社会性報告
社会的責任を果たすために
フジタのマネジメント体制
コーポレート・ガバナンス体制
当社のコーポレート・ガバナンスは、経営を迅速に公正
に行うための社内の機構であり、監査機関を設置し第三
者の視点で絶えずチェックする機能の付加によって透明
安全・品質・環境マネジメントシステム
株主総会
選任
性を確保し、経営の質の向上を目指すものです。
その中核となる内部統制では、職務執行時の管理体制
選任
監査役会
監査役
社外監査役
連携
監査
の透明性の確保や、業務上のコンプライアンス
(法令順
コンプライアンス・リスク管理体制
内部
監査
監査部
コンプライアンス・リスクについては、企業行動全般の
適正さをチェックする弁護士などの有識者を含めたコンプ
内部
監査
ライアンス委員会(年2回開催)、および「フジタグループ
法的
助言
る管理本部長が、全支店・事業部を年1回巡回してリスク
企業行動憲章・基準
ミーティングを開催しています。管理職・作業所長を対象
企業行動監理委員会
リスク管理体系
災害リスク
FUJITA
当社を取り巻くリスク
事業継続
マネジメント方針
リスク対策
基本方針
規程
マニュアル
BCP基幹文書
トラブル対応
システム
組織
災害対策本部
リスク対策室
方針
ます。
本部長:社長
室長:管理本部長
緊急リスク対策
委員会
本社プロジェクトチーム
支店対応チーム
災害対策本部
フジタ
“高”
環境レポート 2014
情報リスク
フジタグループ
プライバシー
情報セキュリティ
ポリシー
ポリシー
部機関に設置しているほか、大和ハウスグループの企業
13
D
P
経営活動
計画
部署・個人目標設定
(安全・品質・環境の目標)
製品実現のPDCA
評価・測定
D
業務活動
ご要望
製品・
顧客満足 お客様
働く人の安全と健康“高”環境
コンプライアンス委員会
また、当社では従業員が利用できるヘルプラインを外
リスクミーティング
見直し・改善
お客様満足度調査
内部監査・検査 等
管理本部
営業本部
建設本部
安全・調達本部
コンプライアンス・リスク管理体制図
企業理念
倫理・人権ヘルプラインも利用できるシステムとなってい
C
ムにしています。
計画
経営目標の設定
(年度目標・重点方針 等)
経営のPDCA
評価・測定
是正処置、予防処置 等
成、再発防止、改善に役立つ効果的なマネジメントシステ
内部統制システム
営しています。さらに、企業行動監理委員会の委員長であ
業行動憲章の徹底などの講義を行っています。
A
環境を統合していることが 特徴で、リスク管理、目標達
各本部
P
社内監査・定例報告 等
など、日常の事業活動・業務と一体化し、かつ安全・品質・
についての検証と是正・再発防止を推進する企業行動監
にトラブル事例の情報共有、再発防止に向けた対策、企
C
見直し・改善
各支店・各事業部
企業行動憲章」
の運用と従業員への浸透、
トラブル・事故
理委員会(2013年度より四半期ごとに開催)
を組織、運
質保証と顧客満足の向上、環境負荷の低減と良好な環境
経営層による評価・見直し
(定期的なチェック・改善)
経営目標からの展開、部署業務の運営、監査での確認
執行役員
報告
A
社で運用しています。
経営会議
監査
従業員・協力会社の皆さまの健康・安全の確保、製品の品
の創造を誠実に履行するためのマネジメントシステムを全
コンプライアンス
委員会
(弁護士を含む)
顧問弁護士
各々の立場で判断・行動することが大切と考えています。
連携
会計監査人
社では従業員全員が「経営判断の原則」
を正確に理解し、
取締役会
取締役
社外取締役
代表取締役
守)の確保、
リスク管理の体制などを規定しています。当
方針 安全・品質・環境方針
事業における社会的責任として、安全な工事の推進と
コーポレートガバナンス体制図
選任
全店のマネジメントシステムにおけるPDCAサイクル図
情報セキュリティ
委員会
フジタグループ
情報セキュリティ方針
フジタグループ
個人情報保護方針
フジタグループ
情報セキュリティ規程
フジタグループ
個人情報保護規程
情報セキュリティ
規程細則
個人情報保護
マニュアル
情報セキュリティ委員会
委員長:管理本部長
GLOBAL
Topics 1
Topics 2
大和ハウスグループリスク管理
委員会と連携し、リスク管理を強化
国際リスク管理体制の構築に向けて
海外建設事業の今後の更なる拡大にともない、当社は
国内外のリスクが多様化する中、当社は2013年度か
国際リスク管理体制構築に向けた取り組みを開始しまし
ら、企業行動監理委員会の開催を年2回から4回に変更し
た。2013年度はタスクチームを立ち上げ、各国の法制度
ました。これは、大和ハウスグループリスク管理委員会と
や事業環境の整理をし、法・税・人身を含む幅広い項目か
連携しながら、
リスク対策の早期対応と情報共有を行うこ
ら起こり得るリスクの抽出をしています。
とを目的としています。今後もリスク管理体制の強化に取
り組んでいきます。
将来的には、国際事業を国内事業と同様に管理できる
ボーダレスなガバナンス体制の確立を目指して、取り組ん
でいきます。
Topics 3
BCP
(事業継続計画)
中期活動計画を策定
本社BCP委員会を中心とした、2015年度までのBCP中期活動計画を
策定しました。2013年度は、前年度のBCP訓練で浮かび上がった課題に
対しての対応策を抽出して、今後の実施項目をブラッシュアップしました。
また、休日の災害発生を想定した支店におけるBCP訓練を実施し、課題抽
出と分析を行い、PDCAを意識した継続的な取り組みを展開しています。
PDCAを意識して取り組みます
フジタ
“高”
環境レポート 2014
14
社会性報告
お客様満足の追求のために
フジタの考え方と体制
「お客様満足度と品質の向上を目指して」
品質・維持体制図
お客様のニーズ把握
営 業
企画の立案・検討
社会的基盤の形成と維持という建設業の基本的役割
と責任を十分に認識し、多様化するお客様のご要望に全
社を挙げてお応えしていきます。
1996年より品質マネジメントシステム
(ISO9001認証
基本・実施設計
設 計
設計検証
設計の妥当性確認
取得)
を構築、運用し、右図のような品質・維持体制で取り
組んでいます。そして、お客様の求める品質をより的確に
実現するため、経営者がシステム全体の運用状況を定期
的に点検し、継続的な改善に努めています。
積 算
積算
営 業
受注
防止策を水平展開する制度を設けています。さらに、アフ
施 工
基本施工検討会議
施工管理
設計照査
重点管理項目
受入・工程内検査
試験
竣工・引渡し
工事完了報告会
維持管理
お客様アンケート・アフターケア
VE(Value Engineering )とは
止に役立て、お客様満足度をさらに高めることを目指して
お客様が求めている働き(機能)と、それを手に入れるために必要な
います。
高い満足をご提供するエンジニアリング手法です。VE が追求する価
資源との関係を評価し、最適な方法を提案することにより、お客様に
値は、機能と資源の関係で表され、VE は価値を向上させるとともに、
来、当社はお客様にご提供する建設物・サービスの価値向
上を目指し、VE活動を実施しています。現在では施工だ
けにとどまらず、すべての分野、部門においてVE活動を展
価値を創造します。
Value(価値)=
社員VE活動の徹底」
を目標とし、VE推進準備室を立ち上
推進部を設け、お客様満足度と企業価値の向上を目指し
て取り組んでいます。
F u n c t i o n(機能 : 得られた効用の大きさ)
Resources(資源 : 使用した資源の大きさ)
て、新たに3つの活動をスタートし、企業価値の向上に向け
をしました。抽出された課題や対応策は、作業所へ水平展
て取り組んでいます。
開していきます。
①新たな成長事業を考える
「横断プロジェクトVE」
「クオーターVE」
Topics 2
GLOBAL
フジタグローバルスタンダード
を策定
お客様のグローバルな事業展開が加速するとともに、
地域差のない高い品質レベルをお客様に提供するために、
「フジタ国際標準仕様
(フジタグローバルスタンダード)
」
を新たに策定しました。これは、異なる環境のなかで品質
ます。そして、次のステップとして、仕上げ編・設備工事編
のスタンダードを策定し、
お客様の更なる満足度向上に向
けて、地域を超えて品質レベルを高めていきます。
ひとりVE
短時間VE
「VEサークル活動」
改善提案の抽出を継続する
とともに、採用された活動の実
施に取り組んでいきます。
VEで企業価値を高めます
GLOBAL
Topics 4
「カザフスタンの建設業団体」
や
「アジア諸国」
との技術交流
長年にわたるVEの取り組みを活かし、当社は海外との
技術交流をしています。
2013年5月には、
カザフスタンの
大手建設業団体の16名が当社を訪れ、当社のVEの取り
また、
10月に行われた、第3回VEアジア大会 兼 第46
回VE全国大会
(公益社団法人日本バリュー・エンジニアリ
ング協会、
アメリカVE協会共同主催)
内の、環太平洋6カ
国による国際パネルディスカッション
(テーマ:アジア諸国
と日本の技術交流)
では、当社の松田節夫
(VE推進部)
が
総合司会として、パネラーではユン ミン ニュット
(国際事
業部)
が参加しました。出席した
機能→アイデア
方々からは、
「大変興味深かった」
2時間VE
「参考になった」
と好評の声が
プロジェクトVE
機能―目的
日)
に部内でディスカッション
し、実際に改善を実施する
組み事例をもとに、VEを学びました。
ミニVE
もの→機能
③クオーターVE提案を持ち寄り、VEの日
(毎月第3木曜
制度、労務・資材などの調達環境が異なるなかで、当社は
代替案作成
機能定義
機能評価
フジタ
“高”
環境レポート 2014
他社などのトラブルも事例とした当社での対応策の検討
お客様の
満足
横断PJVE
15
いう考え方のもと、当社はVEを活用した取り組みに注力
しています。2013年度は、全社員で取り組むVE活動とし
VE
げ、新たなVE活動
(右ページTopics3参照)
を展開してい
ます。そして、
2014年度からは、経営改革統括部内にVE
社」
を目指す姿に掲げています。2013年度から活動して
レベルを保つための社内統一基準です。
お客様の
要求
企業価値向上こそが、お客様満足の向上につながると
いる品質向上委員会では、潜在リスクの洗い出しや、同業
まずは躯体編を2013年度に作成し、運用を開始してい
VEの考え方
開しています。
2013年度は、成長戦略の重点方針でも掲げている
「全
当社は成長戦略の基本方針で、
「顧客に必要とされる会
た。お客様の進出される国や地域によって、法規制や諸
合情報は研修などの教育にも反映し、品質向上と未然防
1968年に日本の建設業では初となるVEを導入して以
横断プロジェクトVEとクオーター
VE・VEサークル活動をスタート
当社においても海外建設事業がますます拡大してきまし
社・支店連携で迅速な対応をとる体制としています。不具
「品質を向上させ、価値を向上させる」
バリュー・エンジニアリング
(VE)
潜在リスクの洗い出しとお客様の
ご要望を知る仕組みづくり
②個人の業務課題と改善策を15分で考える
基本施工計画
検査
ターケアについては、情報の一元管理、全店共有のできる
データベース
「お客様対応システム」
を構築することで、本
Topics 3
受注工事引継会議
また、
「 品質・環境事故報告制度」
を設け、施工中・施工
後の事故が起きた場合には、速やかに問題を解決し、再発
設計検討会
Topics 1
聞かれました。今後も、グローバ
グローバルスタンダードとしてまとめています
ルにおける建設業の発展やVE
の推進に貢献していきます。
技術交流で貢献します
フジタ
“高”
環境レポート 2014
16
社会性報告
協力会社とともに
フジタの考え方と体制
安全な職場環境のために
部は各支店を回り、調達担当者に適正な調達手法や建設
フジタの考え方と体制
当社は、協力会社にも安全・品質・環境などに関する当
業法等、関係法令への理解と順守への取り組み等につい
当社は、協力会社の作業員の皆さまと当社の従業員の
社の方針を理解してもらうことが、よりお客様満足度の
ての研修を毎年実施し、調達力の向上に向けて取り組ん
健康と安全を確保し、安心して働いてもらえるよう、
「安
高い建設事業につながると考えています。協力会社は
「も
でいます。
全・品質・環境マネジメントシステム」
の一環として、
「 予防」
のづくりの主役であり、
フジタの建設事業の重要なパート
また、協力会社に対しては、2年に1度協力会社調査票
「全員参加」
「 継続的な知識と意識の向上」
を柱とした、労
ナー」
と位置づけています。その考えに基づき、技術と経
を配布し、経営状況や社会保険加入等の労務状況および
働安全衛生マネジメントシステムを運用しています。業務
営に優れた協力会社との共生を図り、
「 競争力に優れた建
環境技術の保有状況などをフィードバックしてもらい、協
に潜む健康・安全リスクの重大さや発生確率をあらかじめ
設集団づくり」
「 建設生産システムの合理化」
ならびに
「魅
力会社の情報を把握・管理しています。
予測し、その予測結果に基づいて管理策を決定・運用して
力ある職場環境づくり」
を推進しています。また、当社の協
力会社の集まりである藤興会とさまざまな取り組みをして
います
(P11の特集2をご覧ください)
。
安全・品質・環境活動の向上
藤興会会員各社も、当社とともに全国各地で川上段階
を目指して日々改善を重ねています。
VE実施事例を共有するために、
VE発表会を実施していま
ルス研修の実施や、本社での産業カウンセラーによる
「心
した。
す。また、安全パトロール
の相談室」
の開催(月3回)
など、心の健康づくりにも取り
や優秀な職長の表彰・人
組んでいます。
組むことで、
安全・品質・環
境活動の向上を図り、共
沿った適正な調達を実践しています。そして、安全・調達本
存共栄を目指しています。
VE発表会
・退職自衛官の雇用促進をサポート
(協力会社への制度紹
介など)
また、大和ハウスグループ入りによるシナジーを創出す
るため、大和ハウス工業との生産購買分科会で構築した、
少による、建設技能者の不足が課題となっています。これ
全店応援支援システムの運用で、労務不足対策に取り組
に対し、当社と協力会社による労務対策プロジェクトを実
んでいます。
施し、労務問題の解決に協働して取り組んでいます。
・オールフジタ藤興会協力体制を構築し、各地区藤興会
で労務不足の際に応援対応するシステムを構築
17
しています。導入後の意見を集約し、
より実行的な内容に
改善することで、安全教育の標準化を目指しています。
安全教育を標準化します
2013年度の重点課題と活動成果
2013年度は、
「不安全行動による災害を防止するため
Topics 2
社会保険加入促進に向けて
た。協力会社とともに安全標語の横断幕を全作業所に提
示するなど、
「皆の目」
によるパトロールの継続強化を実施
しました。度数率は0.53と、目標の0.65以下は達成しまし
たが、作業手順や施工計画の不備による災害がみられま
した。2014年度は、作業手順に合ったリスクアセスメント
作業手順書や、作業条件変更時の作業手順書の見直しに
対し、徹底して取り組んでいきます。
調査と対応策を実施
制台帳に社会保険加入状況欄を設けるなど、未加入問題
0.50
・外国人技能実習制度の採用を検討する協力会社へ、制
への対応策を講じています。協力会社には周知・徹底を図
0.00
度のポイント・注意点等の情報提供。また、協力会社の
り、魅力ある建設業に向けて2014年度も継続して取り組
要望に応え、複雑だった管理基準を改善。
んでいます。
フルハーネスの着用を開始しました。震災復興案件なども
含めた対応となっています。この取り組みについては、全
国連合藤興会定時総会でも発表され、各支店でも今後の
ど、大会を通じて、参加した全員が無事故・無災害貫徹の
決意を新たにしました。
1.50
基づき、社会保険料を見積に内訳明示することや、施工体
墜落事故防止を目的とし、東北支店では2013年度より
で、安全帯の使い方について、実演を交えた講演を行うな
2.00
立ち上げ、労務稼働状況や社会保険加入状況の実態
東北支店でフルハーネスの
着用を開始
横浜支店では、横浜藤興会との共催の安全推進大会
度数率の推移
当社では、国土交通省や日本建設業連合会の指針に
Topics 3
展開を検討しています。
(度数率)
・藤興会とフジタ各支店が連携し、
「労務対策委員会」
を
フジタ
“高”
環境レポート 2014
た資料も加えた教育内容とすることで、更なる理解・浸透
Topics 1
の実効的な予防策」
を重点課題として掲げ、取り組みまし
2013年度の実績
ました。従来はプリントでの説明が主でしたが、映像化し
材育成などにともに取り
に基づき、取引先との係わりや心得を含めた規程・基準に
近年、建設業では建設従事者の高齢化や若年層の減
向があります。この課題解決に向けた施策として、映像に
よる作業所入所時教育システムを2013年度から導入し
料の貸し出しを開始することで、最前線の災害予防を実施
支店単位での課題を抽出し、協力会社とともに取り組みま
労務対策プロジェクトの実施
の未熟練者、作業環境に慣れていない者の災害が多い傾
よるパトロールや、安全大会を定期的に実施し、災害ゼロ
また、各支店での管理職・所長を対象としたメンタルヘ
Topics 1
災害発生のケースとして、新規入職者、新規入所者など
度の向上を目的としています。また、協力会社にも映像資
からのVEに取り組み、当社グループと協力会社の優れた
調達活動は、
「フジタ企業行動基準」
や
「調達業務要領」
入所時教育システムの強化
います。さらに、現地では当社の経営陣と藤興会の役員に
2013年度は、労務不足対応や社会保険加入促進など
適正な調達の実践
Topics 2
1.00
0.74
0.69
2008
2009
※度数率 =
死傷者数
延実労働時間数
0.52
2010
0.74
0.64
0.53
2011
2012
2013(年度)
×1,000,000 =
延べ労働時間100万時間
あたりの労働災害死傷者数
災害ゼロを目指します
フジタ
“高”
環境レポート 2014
18
社会性報告
働きやすさとやりがいのために
フジタの考え方と体制
人事・労務に関する考え方と制度
人材育成のために
フジタの考え方と体制
義資料を自ら作成するため、
した。こうした活動から、ライフスタイルが多様化する現
当社は、人材育成の基本方針に沿って、大きく分けて
講師自身のスキルアップにも
当社では、
誰もが自らの意欲と能力を持って、
さまざまな
代に、各従業員がいきいきと自己の能力を発揮できる職場
OJT、
OFF・JT、
登用・公募からなる人材育成体系を構築して
つながるとともに、受 講 者に
働き方や生き方に挑戦できる機会を提供しています。さら
環境を目指しています。そして、社会の変化にともない活動
います。
そして、
個人の適性、
希望を考慮しながら、
計画的に
対しての技術の伝承にもなっ
に子育てや介護が必要な時期など、個人の置かれた状況
の方法も変化させ、
メンバー一人ひとりが主役となり、主体
人材を育成するCDP
(キャリア・ディベロップメント・プログラ
ています。
に応じて多様で柔軟な働き方を選択できる制度を設けてい
的に活動を推進する体制へと進化しています。
ム)
制度を導入しています。入社後の数年間は複数の職務プ
ます。
また、子育て支援を目的とする
「次世代育成支援対策推
進法」
の趣旨に鑑み、育児関連規程では法定基準以上の
適用拡大など、
より働きやすい職場環境を整えています。
2013年度は、長時間労働の削減や、
ワークライフバラ
ンスの浸透に取り組みました。
各種制度
主な特別休暇
◦リフレッシュ休暇
◦勤続リフレッシュ休暇(10・20・30 年)
(2013年度から旅行券も贈呈)
◦異動時休暇
◦失効有給休暇活用制度
◦看護休暇(2013年度から小学1年生⇒ 3 年生までに変更)
・介護休暇
◦産前産後休暇
記念日休暇
従業員が「記念日」と指定する日を「記念日休暇」と位置づけ、
有給休暇を計画的にあてはめることで、取得の促進を図るものです。
半日有給休暇制度
有給休暇は、半日単位でも取得できます。
休職制度
◦育児休職 ◦介護休職
ランを経験することで、
幅が広がり、
専門知識と総合力を高
Topics 1
め、
プロとしての素地を養う仕組みにしています。
さらに、
キャ
Topics 1
ワークライフバランスの取り組み
リア申告制度で、本人の将来目標を確認し、実現に向けて
成長戦略と連動した人材育成
建設現場では、自然環境の影響などの予測できない事
象や納期の厳守から、長時間労働になりやすい現実があ
2 0 0 8 年に「 ダイバーシティー社 長 方 針 」を策 定し、
2009年にはダイバーシティー推進室を設置しました。重
要さが増すグローバル市場や異業種企業との協働では、
性別・国籍・年齢・個性の違いを認め合い、産業や生活習
慣の違いを尊重することが、新たな価値を生み出すと考え
ています。
具体的な活動として、女性職員の
「戦力化」
を目的とした、
F-net
(フジタ女性総合職ネットワーク)
を2007年に組織
し、全女性職員がメンバーとなり活動しています。活動開
始から8年目を迎え、
この間に女性管理職も3名誕生しま
フォローしています。
また、
実務的な技術を習得する
「フジタ建設大学技術学科」
ります。こうした事業環境で、当社は労働時間管理の取り
やビジネスパーソンとしての実務能力の向上を図る
「フジタ
組みやノー残業デーの実施、休暇を取得しやすい環境づく
建設大学ビジネス学科」
、
階層別研修、
職能別研修など、
多様
りに取り組んでいます。 2013年度は、
ひとつの現場が終わり、次の現場に異動
する際に連続休暇を取得できる、異動時休暇制度の取得
状況をモニタリングしました。その結果、
2012年度の取
得率76%に対して、
2013年度は93%まで向上させること
ができました。今後も制度の見直しとともに、
アフターフォ
ローにも取り組んでいきます。
な目的に応じた教育制度も設けています。
2013年度は、
成長戦略基本方針で掲げているコア事業の
強化、
海外建設事業の拡大などを実現させる人材育成を目
標として取り組みました。
人材育成体系 人材育成の基本方針
❶「フジタが求める人材像」
に 向かって、自ら考え、自ら行動する人材を
育成する。
Topics 2
❷自らを変革・個人力を強化し、組織行動によって成果を出せる人材
2013年度のF-net活動
2012年度に引き続き、
全店共通テーマ
(ライフイベントの
壁を乗り越え働き続けるためには)
に取り組みました。新た
な取り組みとして、
ゆるやかなタテヨコのつながりの強化を
ダイバーシティの考え方とF-net活動
フジタ建設大学での研修
目的に、
女性職員の交流機会を増やすための定期的なラン
チコミュニケーションの開催や、
全国の作業所勤務の女性
職員約30名による意見交換会などを実施しました。意見交
換会では、
出産経験者が作成した妊婦スケジュールをもと
に、
妊娠中・産休中・復職時の情報を共有し、
年代別チーム
に分かれて意見交換をしました。
メンバーの多くが若手で
未婚のため、
とても有意義な会となりました。
を育成する。
成長戦略基本方針を実現させるための取り組みとして、
社長をはじめ経営トップが16回にわたって全店を回り、成
長戦略の説明をするとともに、従業員との対話の機会を設
け、成長に向けたマインドセットを行いました。
また、国際人材育成計画の見直しや、VE教育の強化、
コ
ンプライアンス面での企業行動憲章の徹底を図っていま
す。そして、新たな研修制度として、次代を担う人材育成
を目的とした管理職候補を対象としたリーダーシップ研修
や、外部機関も活用した女性リーダー研修なども設けまし
た。
2014年度も成長戦略につながる人材育成に注力し、
研修を計画・実施するだけでなく、その後のチェック・アク
ションも含めた、PDCAを意識した人材育成に取り組んで
いきます。
❸高いマネジメント力と強いリーダーシップを備えた幹部人材を意図
的に育成する。
❹技術を磨き、
フジタの独自性ある価値を創造する専門家を育成する。
❺育成にあたっては「場を与える OJT」を主軸とし、節目ごとに「OFF・
JT」を組み合わせて行う。
フジタ建設大学
フジタ建設大学は、社内研修制度として約40年の歴史
があります。
建築系では、新入社員から8年目までの間に、1年間で
集合教育講座と通信教育講座を各1講座受講するシステ
Topics 2
TOE
IC通信教育制度を開始
今後の更なる海外事業の拡大に向け、海外で活躍でき
る人材育成に注力して取り組んでいます。
2013年度末か
らは従業員の語学力向上を図るため、新任管理職・昇格
者の全員を対象とした、TOEIC通信教育制度を新たに開
始しました。通信教育終了後には、
テストを受ける仕組みと
しています。
ムで、
コンクリート・鉄骨・防水・音振動・断熱防露など15を
以前から内定者には実施
女性だけでなく、周囲の従業員もまきこんだ幅広いダイ
超える講座があり、一方的な講義にならないよう演習や
していましたが、海外で活躍
バーシティー活動や、大和
工場見学なども取り入れています。土木系では、9つの必
ハウス工業とコラボレー
修講座と、より専門性の高い6つの講座、ビジネス学科で
今後は、ダイバーシティー推進室と更なる連携を図り、
ションした活動を展開し
は、6つの必修講座と4つの選択講座があります。
ていきます。
建設大学の講師は社内のベテラン技術者が中心で、講
GLOBAL
できる人材の幅を広げること
を目的とし、今後5年間を目
安に全従業員が教育を受け
る予定となっています。
海外で活躍できる人材を
増やします
自分らしく働き続けます
19
フジタ
“高”
環境レポート 2014
フジタ
“高”
環境レポート 2014
20
社会性報告
地域・社会のために
フジタの考え方
当社は、建設業が 地域社会と密接に関わる事業形態
だくために築育活動を展開します。また、将来の日本や世
であることをしっかりと認識し、地域社会とのコミュニケー
界を築く建設技術者を目指す子供たちや若者を育んでい
ションや自然環境への配慮、
「築育」
活動などに積極的に取
きます。
り組んでいます。
2013年度も各地でさまざまな社会貢献活動を展開しま
当社の特徴的な活動である築育とは、次代を担う子供
した。今後も地域社会との積極的なコミュニケーション活
たちや若者、
そして地域住民の方々に
「ものづくり」
の楽し
動や、
事業を通した社会貢献活動に取り組んでいきます。
さ、
「まちづくり」
の大切さ、
「 自然環境」
への配慮などを伝
『 築育』の由来:
「土木」
の語源である
“築土構木”
と
「建築」
の両方に含まれる
「築」
と育成の
「育」
を組み合わせて名づ
けました。
え、広めていくための活動です。そして建設業のスケール
http://www.fujita.co.jp/chikuiku/
の大きさや、高度な技術力などを多くの方に理解していた
Topics 5
大江川クリーン作戦に参加
内モンゴル植林ボランティアに参加
名古屋支店
藤田中国
2013年11月に、愛知県一宮市・宮田用水土地改良区
2014年5月、内モンゴルの砂漠での植林ボランティア
が共催する
「大江川クリーン作戦」
に参加しました。
「市民
活動に、藤田中国から23名の社員が参加しました。この
の手でわたしたちの街と川をきれいに」
の趣旨で毎年開
活動はNPO法人グリーンライフが始めたもので、共感し
催され、大江川のゴミ・草取りをしています。今回も企業
た当社も2011年から継続して参加しています。
や学生など、総勢1,000名近くの方が集まり、当社作業
参加者は、砂漠を目の前にすることで植林の重要性を
所員も参加しました。当日は川の水量が多く、川底までを
実感しながら、500本の苗木を植えました。小さな効果で
きれいにすることはできませんでしたが、川岸や沿道を清
はありますが、少しでも地球環境に貢献できるよう、今後
掃し、地域の方々
も環境ボランティアに積極的に参加していきます。
と力を結 集する
Topics 1
広島工業大学“女子学生キャリアデザインセンター”
と
“F-net”がコラボ見学会
広島工業大学女子学生キャリアデザインセンター
(JCDセ
広島支店
のばかりで、目を輝かせていました。見学後の質疑応答では、
ンター)
から、作業所見学の要請を受け、2013年7月、広島支
「作業所で、女性として困ってい
店のF-net活動とコラボレーションした作業所見学会を
「厚生
ることは?」
などの多くの質問に
堂長崎病院移転新築工事」
で開催しました。建築・設計・土木
ついて、
“F-net”
メンバーからの
を学ぶ女子学生3名と准教授が参加し、当社からは当作業所
アドバイスを受けていました。今
勤務の女性総合職をはじめとした、F-netのメンバーたちが参
後も、建設技術者を目指す女子
加しました。
学生をサポートしていきます。
学生にとって初めての工事現場は、学校では目にしないも
ことで、環境を整
備することが で
きました。
地域の方々と力を結集します
建設技術者を目指す女子学生
をサポートします
Topics 2
GLOBAL
Topics 3
小学生を技術センターに招待
技術センター
毎年、土木の日にちなんで、厚木市立森の里小学校5
アフガニスタン留学生が見学
技術センター
外 務 省 のアフガニスタン復 興 支 援 活 動 の 一 環で 、
年生を技術センターに招待して見学会を開催しており、
2013年12月に土木工学系の留学生9名が、当社の技術
2013年11月には39名の児童が見学しました。
センターに見学に訪れました。
地球環境に貢献します
Topics 6
Topics 7
記録的大雪による街路樹災害に対応
被災地へ本を寄贈
東京支店
東北支店
2014年2月14・15日、
東京での記録的な大雪で、
日本青
東北支店では、東日本大震災の被災地にある仮設図書
年館様から、
「雪の重みで枝木が大量に折れ、
道路をふさい
館への本の寄贈を継続して行っています。2012年12月
でいる。
信号機にも引っかかっており、
危険な状態」
と、
緊急
と2013年4月には、当社が復興工事を担当している宮城
対応要請の連絡をいただきました。
県山元町の図書館に、300冊を超える本を寄贈しました。
建築工事部が即時に対応し、周辺の当社作業所員や、
山元町の住民の方から、
「 町に本を贈ってくれているフ
協力会社の方々を招集しました。現場では、信号機に引っ
ジタさんですね」
と声をかけていただいた作業所職員もお
風洞実験室、植物による土壌浄化、土木基盤技術、揺れ
当社の実験施設の規模の大きさや展示模型などに驚
かかった枝木の撤去と、集積した枝木の搬出を行いまし
り、地域コミュニティに参画していることを実感しました。
ない橋、免震装置などを見学しました。児童たちは、風洞
き、海外拠点や進行中のプロジェクト、水環境ビジネスな
た。15日中にはすべて撤去することができ、通行に支障を
今後も、
東日本大震災の記憶が風化しないよう、
継続した
実験室の中では、寒いと言いながらも
「もっと強い風を吹
どについて、多くの質問もありました。このような見学会
きたさずにすみました。
復 興 支 援を行っ
かせて!」
と賑わう姿や、研究員の説明に熱心にメモを取る
が、国と国の更な
姿も見られました。今
る友好関係の発
後もこうした活動を継
展 や 、海 外 の 技
続し、次 世 代 が 建 設
術者育成に貢献
業に触れる機会を創
するよう、積極的
出していきます。
に取り組んでい
次世代に建設業を伝えていきます
21
GLOBAL
Topics 4
フジタ
“高”
環境レポート 2014
きます。
ていきます。
世界を築く技術者を応援します
現場の力を活かした活動で貢献します
復興支援を継続していきます
フジタ
“高”
環境レポート 2014
22
環 境性報告
事業活動における物質・エネルギーのINPUT・OUTPUT
INPUT
環境目標の全体像
オフィスでの資源消費
ない、従来の環境活動項目・目標区分を見直し、新たに
「大
2013年度の環境会計は、適正管理を維持するとともに
に合
和ハウスエンドレスグリーンプログラム の環境目標」
コストを圧縮しました。主な環境活動の実績は、以下の通
わせた環境マネジメントを展開していきます。2013年度
りです。 は、大和ハウス工業の環境指標にフジタの目標を整合さ
せるように運用を進めました。おおむね目標を達成でき、
大和ハウス工業による環境経営評価も3段階の最上位ラ
環境保全コスト区分
大区分
事業エリア内コスト 計
※‌エンドレスグリーンプログラム:大和ハウスグループでは、環境ビジョンの
実現に向け、中期経営計画の対象期間に合わせて、およそ3ケ年ごとに具
体的な目標と計画を
「エンドレスグリーンプログラム」
として策定し、活動を
推進しています。
単位:百万円
中区分
2010年度
1,751.6
公害防止コスト
2011年度
343.5
地球環境保全コスト
3,632.9
2012年度
659.1
3,161.3
638.5
2013年度
2,156.5
275.4
6.9
6.4
3.5
3.8
1,401.2
2,967.4
2,519.3
1,877.3
産業廃棄物処理・リサイクル費用
1,362.8
2,909.7
2,476.5
1,840.9
一般廃棄物処理・リサイクル費用
29.1
45.3
31.2
23.3
9.3
12.4
11.6
13.1
26.5
61.0
12.7
9.3
資源循環コスト
マニフェスト費用
上下流コスト 計
管理活動コスト 計
301.0
研究開発コスト 計
119.3
社会活動コスト 計
0.1
環境損傷・修復コスト 計
168.7
総計
235万kWh
上水
紙
1,992万枚
2,367.2
346.9
131.2
446.1
40.3
0.0
143.3
4,315.3
0.0
0.7
3,661.1
267.8
40.3
0.0
161.0
2,475.7
電力
ガス
オフィス業務
環境負荷
オフィスからの排出
1,084t
164t
実験施設からの排出
599t
32t
CO₂
廃棄物
119万kWh
8万m3
作業所での資源消費
電力
灯油
軽油
重油
上水
紙
OUTPUT
CO₂
廃棄物
11.6万m3
2.6万m3
実験施設での資源消費
ンクを獲得しました。
※
電力
ガス
大和ハウス エンドレス グリーンプログラムの環境目標
当社は、
2013年1月の大和ハウスグループ入りにとも
フジタ事 業 活 動
資源・エネルギーの消費
企画・設計
1,215万kWh
183kℓ
19,453kℓ
0.6kℓ
27万m3
1,997万枚
作業所からの排出
CO₂
55,008t
建設発生土
有効利用
→
内陸埋立地等
→
建設
70万m3
62万m3
8万m3
建設資材の使用
コンクリート
PC
砕石
セメント
鉄筋
鉄骨
82.7万m3
3.6万m3
11.8万m3
1.2万t
8.3万t
3.5万t
運用・リニューアル
グリーン調達
再生骨材等
再生アスファルト等
高炉セメント等
バークたい肥
陶磁器質タイル
8.3万t
2.4万t
3.5万t
3.5万t
0.6万m2
解体・廃棄
建設廃棄物
81.6万t
最終処分
→
1.4万t
リサイクルへ
→
80.2万t
内訳
アス・コン塊
コンクリート塊
7.1万t
35.2万t
建設汚泥
発生木材
その他
20.5万t
1.3万t
16.1万t
2013年度の主な活動結果と2014年度の目標
2014年度からの新環境目標
2013年度の主な活動成果
環境配慮の項目
環境配慮設計
2013年度目標
・CASBEE 評価の実施率UP
(2,000m2以上の物件)
・対象物件にてBEE 値
(B+1.0以上)
必須
・LCCO2排出量が参照値を5%以上、
下回る
net-ZEB実現のための研究開発
全社で21.8t-CO2/億円以下
(-1.8%)
地球温暖化対策
(2009年度基準)
電力/ガス使用量-いずれも毎年1%削減
[省エネ法対応:技術センター実験棟含む]
・6.0kg/m2以下 ※
(完了時で評価)
・2.5t/億円以下
省資源・資源循環
2013年度実績
・B+案件達成率90%
(17件/19件)
・平均BEE値1.2
省エネルギー建物の外皮における計画、
設計に必要な設計フロー
を提案
21.6t-CO2/億円
・電気から1,244t-CO2
・ガスから440t-CO2
分野
戦略的環境活動
地球温暖化対策
(※長期目標 :
2020年に1990
年比33%削減)
2
・5.9kg/m(新築)
・1.9t/億円
(土木)
リサイクル率95%以上
リサイクル率98.3%
電子マニフェスト率70%
電子マニフェスト率95%
オフィス分別の徹底活動の推進
61%
OA紙の購入量の削減
(使用量の削減 A4換算枚数)
1,992万枚
生物多様性関連
・各保全手法
(計画、設計、移植等)
の評価継続と
保全後モニタリング
(技術WG)
・外構、特殊、法面の緑化手法の評価継続と
施工後モニタリング
(技術WG)
・ヒメボタル生息状況調査
・緑化基本方針と壁面緑化チェックシート
・緑化トラブル対策集
グリーン調達・購入
・グリーン調達品の情報収集と、業者の環境への
取り組み把握の充実
・グリーン購入率の増加に向けた検討
・グリーン調達13.3億円
・グリーン購入0.15億円
・各階層別の実効的な教育の実施
・地域の美化・緑化活動等への参加
・環境パトロールの実施
・内部監査員養成教育
・内部監査員レベルアップ教育
環境教育等の推進
※印は、大和ハウスエンドレスグリーンプログラムの環境目標に含まれない、
フジタ独自の環境目標
(従来の継続活動目標)
生態系の保全
廃棄物・省資源
対策の推進
有害・化学物質
対策の推進
サプライチェーン
環境提案環境技術※
23
フジタ
“高”
環境レポート 2014
活動項目
環境貢献型事業の 環境エンジニアリング事
拡大
業売上高
商品サービスによ CO2削減貢献量
るCO2削減貢献の
拡大
CO2削減率
2014年度目標・指標 2014年度活動施策
2.8億円
3,960t-CO2
参照建物仕様比
17.5%
事務所
35kg/m2
CO2排出量
(面積当り)
車両
(工事以外)
8.3t/台
CO2排出量
(台数当り)
施工
(建築)
15.1t-CO2/億円
(売上高当り)
事業活動
(施工)
に伴 CO2排出量
うCO2排出の削減
施工
(土木)
47.6t-CO2/億円
CO2排出量
(売上高当り)
開発・街づくりにおけ
緑被率
19%
る生物多様性保全
2
建設廃棄物排出量
(建築) 58.3kg/m(総量)
(混廃は自主管理)
(有価物以外総量)
生産・施工段階の (施工面積当り)
2
6kg/m(混廃)
廃棄物削減
混合廃棄物排出量
(土木)
2.45t/億円
(売上高当り)
(建築)
リサイクル率
95%
建設廃棄物
(副産 施工
施工
(土木)
リサイクル率
95%
物)
のリサイクル
推進
施工
(解体)
リサイクル率
90%
建設廃棄物の
電子マニフェスト利用の
枚数ベース75%
適正管理※
推進
事業活動
(オフィ
ス)
に伴う
CO2排出の削減
居住系施設の室内
測定とフィードバック
空気質の改善
グリーン購入・
調達の推進
グリーン購入率
基準値以内
データの採取
(前年度比+1%)
売上高を目標に、下記の事業を推進する
(
(株)
高環境エンジニアリングと連携)
・EAPメンテナンス事業、LED照明、FTマッドキラー販売、
メガソーラー事業、
その他
省エネ法対象案件
(延床面積300m2以上)
について、CO2削減貢献量をCASBEER
参照値との原単位差により算出、管理する
について、CO2削減率をCASBEER参照
省エネ法対象案件
(延床面積300m2以上)
建物仕様比を基に算出、管理する
事務所のCO2削減策として、面積あたりのエネルギー
(電気、燃料等)
使用量の運用
を監視する
事務所車両のCO2削減策として、台数あたりの燃料使用量の運用を監視する
工事のCO2削減策として、
「CO2削減活動シート」
を活用し、
運用・監視する
またモデル作業所では重機台数等を集計し、
CO2実排出量を算出する
緑化規制のある案件について緑被率を算出、
管理する
有価物を除く建設廃棄物の施工面積あたり総排出量の運用を監視する
混合廃棄物の売上高あたり排出量の運用を監視する
建設廃棄物が中間処理施設でリサイクルされる割合を増やすよう運用監視する
電子マニフェストの使用率を向上させる
住宅のVOC測定を法令以上の基準
(2015年度法令基準値の1/2)
で管理する
オフィス文房具・備品等のグリーン購入を進める
ガイドラインの運用・制定
運用準備態勢の確保 木材調達ガイドラインの運用に向けて準備する
(木材)
環境提案
(民間)
の
案件ごとに
環境提案の実施
環境技術等の提案を進める
推進
複数提案を行う
フジタ
“高”
環境レポート 2014
24
環 境性報告
地球温暖化防止のために
フジタの考え方と方針
地球温暖化対策として、建設業に求められる役割は、
ま
2014年度は、省エネ法対象案件(延床面積300m 2以
すます大きくなってきていきます。当社は、建設物のライフ
上)
について、CO₂削減貢献量をCASBEE®参照値との原
CASBEE 評価数
サイクルのあらゆる段階でのCO₂の削減に取り組んでお
BEE ※2 平均
単位差により算出、
管理し、CASBEE®参照建物仕様比を
※1
25
を使
り、CASBEE ®
( 2.0
建築環境総合性能評価システム)
2.00
もとにCO₂削減率を算出し、
管理していきます。
最終処分量の推移
(評価件数)
23
用した自主評価や環境配慮型技術の開発など、
事業活動
20
21
1.8
20
15
13
1.55
10
1.4
設計時の取り組み
1.40
燃費運転、発生土の運搬距離の短縮、仮設照明の高効率
1.45
1.36
₂ 1.39
1.33
1.20
当社では、延床面積2,000m
以上の設計案件に対し、
化などに取り組んでいます。
1.2
5
1.2
0
CASBEE ®での自主評価を行い、
建物の環境性能の向
1.0
2008
2009
2010
2011
1.00
2013年度は、
全社で21.8t-CO₂/億円以下(-1.8%)
2012
2013年5月、東京都砂町水再生センター雨水放流渠工
た、
「フジタ高環境シールド」
を確立しました。
当社は施工段階において、建設機械・トラックなどの省
12
シールド現場で多様な環境対応技術をシステム化し、
「フジタ高環境シールド」
を確立
~CO₂排出量を全体工事量の5%削減~
2013(年度)
シールド工事は多くの施工機械や設備を有し、大量の電
防止や消灯など定性的な取り組みが多く、定量的に効果
となりました。アイドリングストップを中心に取り組んだほ
(Fujita CO₂ Monitoring System)
」
の導入で見える
(B+1.0以上)必須の目標に対して、B+案件達成率90%
か、すべての作業所に
「CO₂削減活動シート」
を配布し、新
(17件/19件)、平均BEE値1.2という結果となり、0.16
規教育や朝礼、環境パトロール等で活用しました。また、モ
また、省CO₂建築の開発においては、省エネルギー建
物に不可欠な、外皮性能を上げるためにBIMを使用し、シ
ミュレーションを行う取り組みに注力しました。
パトロール時には削減に向けた課題抽出をしました。
電力計測盤 LAN
重機CO₂
計測盤
(親)
重機CO₂計測
を検証する手段がありませんでした。
CASBEE®評価の実施率UPと対象物件におけるBEE®値
デル作業所で施工高あたりのCO₂排出量を把握し、環境
電流
(CT)
、電圧
総量でしか管理できておらず、省エネ活動もアイドリング
そこで、
CO₂発生量を常時監視するシステム
「FCMS
ポイントの改善となりました。
計測・通信設備
電力計測
力を消費します。
しかし、
これまでは月ごとの消費電力を
を目標として取り組んだ結果、21.6t-CO₂/億円の結果
上、CO₂排出量の削減に努めています。2013年度は、
CO₂モニタリングリステム
「FCMS」
事のシールド工事で、多様な環境対応技術をシステム化し
1.80
17
施工時の取り組み
1.60
を通じて低炭素社会の実現に向けて貢献します。
1.6
(BEE 平均値)
Topics 1
CO₂発生量
・WEB機能 -グラフ、履歴データ、帳票
-警報メール
・警報機能
・セキュリティ -ユーザ認証
ルータ
クライアント
本支店、事務所
インターネット
サーバ
WEB画面例
重機CO₂
計測盤
(子)
回転計
運転席モニター
・電力量、デマンド
・CO₂発生量 ・日報、月報
化し、
エネルギー消費量を一元管理しました。さらに、
CO₂
を削減する個別の施策として、立坑クレーン電力回生や現
場内での太陽光と風力発電の使用、坑内でのLED照明、
掘削土砂の脱水設備として高圧薄層フィルタープレスを
設置するなど、高環境技術を駆使しました。
2014年度は、
重機台数等を集計し、
四半期ごとの排出
この結果、施工中のシールド工事でCO₂削減量88t
(全
量を集計し、
抽出された課題の改善に取り組んでいきます。
体工事量の5%)
という改善効果を実証し、エネルギー回
収、汚泥減量化などを組み合わせた
「フジタ高環境シール
エンジン回転センサ
運転席モニタ
立坑クレーン電力回生
坑内LED照明
ド」
としてのシステムを確立しました。今後も、
さまざまな環
(Q値)
CASBEE 評価数
(評価件数)
1.80
13
1.60
1.55
1.40
12
10
1.4
5
1.2
建築物の環境・品質性能Q
20
17
15
1.6
100
※2 平均
2.00
23
21
20
1.8
BEE
BEE=3
BEE=1.5
BEE=1
75
オフィスでの取り組み
50
オフィスにおける取り組みでは、
本社・東京支店などで省
25
電力照明に切り替えたことで、
2012年度比6.3%を削減し
1.45
1.39
1.33
1.36
1.20
0
1.2
ました。
また、
本社ではガスの活用により、
1次エネルギーの
0
25
2008
2009
2010
2011
2012
50
75
建築物の環境負荷L
1.00
0
1.0
ます。
(BEE 平均値)
25
2.0
境配慮技術を駆使し、地球温暖化対策に取り組んでいき
CASBEE®評価の分布状況
CASBEE®
評価の推移
最終処分量の推移
2013(年度)
工場
物販店舗等
事務所
倉庫
100(L値)
集合住宅
2012年度比3%減の成果がでました。
オフィスにおけるエ
ネルギー使用量を毎月監視・公開することにより、
PDCAの
展開を意識した取り組みをしています。
※1 CASBEE
‌
:一般財団法人建築環境・省エネルギー機構の登録商標で
す。当社は使用許諾に基づき使用しています。
®
※2 BEE
‌
:
(一般財団法人建築環境・省エネルギー機構の登録商標です。当
社は使用許諾に基づき使用しています。)
建物の環境性能を表す指標で、
大きいほど性能が高く、標準的な建物ではBEE=1となります。
®
2014年度は、事務所のCO₂削減策として、面積あたり
のエネルギー
(電気・燃料など)
や、車両台数あたりの燃料
使用量を監視していきます。
25
フジタ
“高”
環境レポート 2014
フジタ
“高”
環境レポート 2014
26
1.0
0.5
環 境性報告
0.0
100
資源循環を推進するために
コンクリート塊
木くず
フジタの考え方と方針
建設汚泥
混廃
廃棄物の内訳と最終処分量の推移
80
(万t)
2013年度の副産物排出量は、震災復旧事業の影響
廃棄物や発生土砂の減量化などに取り組んでいます。建
による増加や、解体業務にともなうコンクリート塊の排
49.6
60
設副産物の管理では、関連情報をすべて管理する
「建設
3.6
8.0
合廃棄物の排出量は、2012年度にこの数年間で最も高
30
6.1
マニフェストをはじめ、マニフェストを使わない広域再生利
20
い7.8kg/m 2となってしまったため、2013年度の目標を
39.7
用や、専ら物 ※、建設発生土などの情報も一元的に管理し
6.0kg/m 2に掲げ取り組んだ結果、5.9kg/m 2の結果とな
ています。廃棄物処理の適正化を推進するとともに、廃棄
りました。また、土木混合廃棄物の排出量は2.5t/億円以
2008 2009 2010
物管理の省力化も進めています。
下という目標に対し、1.9t/億円という結果になりました。
31.3
28.8
10
29.5
36.0
31.9
2011
(マニフェスト枚数:枚)
5.9
6.2
6.0
コンクリート塊
建設汚泥
2.0
定し、更なる廃棄物削減に取り組んでいきます。
木くず
混廃
(万t)
0
80
70
67.5
60
50
45.5
40
30
16.0
6.3
6.1
4.8
最終処分量の推移
28.8
60
50
30
49.6
45.5
40
16.0
6.3
6.1
4.8
28.8
5.5
34.6
29.1
25.3
31.3
29.5
31.9
36.0
2009
2010
2011
2012
※当該年度完了物件のみカウント
2
(kg/mフジタ
) “高”
環境レポート 2014
27
10.0
2013(年度)
29.1
31.3
39.7
29.5
31.9
2009
2010
2011
2012
36.0
2008
3.0
0.5
2.5
0.0
1.2
1.4
1.2
0.8
0.9
1.0
0.8
0.6
1.7
1.5
0.9
0.8
1.4
0.6
2008
2009
2010
2011
2012
電子マニフェスト
電子マニフェスト率
(マニフェスト枚数:枚)
120,000
PCBの管理拠点では定期的に保管状態の確認を行って
おり、
2013年度は
(株)
テクノマテリアル、
技術センター、
大
阪機材センターの3ヵ所の届出書を確認し、
適切な管理状
態であることを確認しました。
また、
2013年4月には、
当社の
「建設廃棄物等適正処理
0
要領」
を改定し、廃PCBの取り扱いについて、発注者・請負
(年度)
2013
者の関係の中での役割分担や、保管と処理方法をより明
確にしています。
ストやPCB、
フロン、土壌汚染といった生物や地球環境に
1.5
0.8
1.4
0.6
2008
2009
2010
当社では関連する法規制の把握・周知といった情報管
2011
2012
2013(年度)
理から、実際の処理に必要な技術・体制などの社内横断
(マニフェスト枚数:枚)
紙マニフェスト
5.9
6.2
104,700 100
104,700
ます。
94,800
80,000
60,000
4.0
(電子マニフェスト率
%)
物等適正処理要領」
「:
化学物質適正管理規程」
などの手順
に沿って、PDCAを回すことでその適正な処理に努めてい
100,000
6.9
31.5
71,600
77.4
108,600
95
80
PCBの保管状況
80.7
60
65.8
51.2
40
40,000
2.0
20
0
2013(年度)
100
ら、
石綿健康手帳制度の周知も行っています。
とって有害な物質を扱う場面が発生します。
0.6
66,600
1.4
2012
0.0
えた作業を進めています。
また、
労働安全衛生上の観点か
建設物の新築や解体、
また技術研究の中では、アスベ
1.7
0
2.0
1.8
2011
解体などの工事ではアスベス
ト調査を行い、
対策を踏ま
0.5
的な検討まで、
毎年の環境活動頂目に設定し、
「 建設廃棄
電子マニフェスト率
7.8
6.0
2.5
2010
アスベスト対策とPCB管理
1.0
2.0
100
1.8
1.0
2013(年度)
2009
2.5
め、運用しています。
20
有害物質の取り扱い
120,000
6.4
40
1.0
3.5
0.5
10.0
6.4
60
65.8
最終処分率
(%)
1.5(年度)
2013
2.0
※当該年度完了物件のみカウント
(kg/m2)
3.0
0
2008
34.6
25.3
2.0
4.5
2012
4.0
20,000
最終処分量
(万t)
0
1.5
8.0
0.5
0
最終処分率
(%)
3.5
1.5
39.7
5.5
4.0
2.0
8.0
20
10
3.6
最終処分量
(万t)
4.5
7.1
7.0
7.1
2011
80
40,000
電子マニフェスト
アス・コン塊
その他
72.2
7.0
77.4
2.5
0 (新築)
建築
混合廃棄物排出原単位の推移
(全店)
2008
67.5
2010
紙マニフェスト
95
3.5
生管理について」
に、環境および安全上の作業基準をまと
3.0
1.5
80.7
51.2
31.5
3.0
8.0
20
10
3.6
49.6
2009
71,600
60,000
3.5
108,600
94,800
66,600
4.0
81.5
80.1
104,700
4.0
2.0
2013(年度)
104,700 100
80,000
4.5
アス・コン塊
その他
72.22008
2012
(電子マニフェスト率:%)
100,000
6.9
し、2014年度に説明書や建設副産物管理の手引きを改
70
2008 2009 2010 2011
電子マニフェストの利用状況
7.8
8.0
6.4
0.6
120,000
ステムを活用した四半期ごとの確認とチェックを実施し、
81.5
ます。
回収)
を目指し、リサイクル率の高い中間処理施設を持
10.0
6.4
1.8
電子マニフェスト
電子マニフェスト率
4.0
80.1
状況重点調査地域内での建設工事における労働安全衛
2013(年度)
2012
また、建設副産物管理システムの運用上の課題を抽出
80
4.5 対象作業向けには
り組んでいます。
「除染特別地域、汚染
1.7
引き続き、電子マニフェスト未導入の取引先に対して
1.4
1.5
1.2
は、
1.5
1.0 情報提供や指導により利用率の向上を目指していき
0.8
0.9
1.4
0.8
0.6
0.5
(kg/m2)
PDCAを展開していきます。
(万t)
2.5
2012年度比+約14ポイントと、
利用状況が伸びました。
2.0
2014年度は建設副産物全体リサイクル率95%
(分別
※当該年度完了物件のみカウント
建設副産物管理システムでの管理
建設汚泥
混廃
側面を環境活動項目に加え、除染技術の評価などにも取
0
つ混合廃棄物処理委託先の選定や、建設副産物管理シ
コンクリート塊
木くず
り、
2013年度も
3.0作業所での積極的な協力体制もあり、
2.0
0
※‌専ら物:廃棄物だが専ら再生利用の目的となる廃棄物のこと。紙、鉄、び
ん、古繊維の4種類が該当する。
副産物排出量の推移
(項目別)
工事や除染類似作業にともない、除染作業における環境
25.3
4.8
副産物管理システム」
を運用しています。また、紙や電子の
29.1
34.6
出量が 影響し、計81.5万tとなりました。
建築(新築)混16.0
40
当社は、電子マニフェスト導入の推進に取り組んでお
3.5
5.5
45.5
6.3
4.0
7.1
7.0
また、2012年度からは、東日本大震災を受けての除染
4.5
72.2
67.5
循環型社会を実現するために、当社は建設現場からの
電子マニフェス
最終処分量
(万t)トの推進
最終処分率
(%)
81.5
80.1
70
50
アス・コン塊
その他
2008
2009
2010
2011
2012
2013(年度)
20,000
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
(年度)
2013
紙マニフェスト
(電子マニフェスト率:%)
104,700 100
フジタ
“高”
環境レポート 2014
28
生物多様性保全のために
フジタの考え方と方針
主な外部表彰
2013年度表彰の紹介
受賞名
■ 平成25年度 宮城労働局長表彰 功績賞
2013年度の総括と2014年度の取り組み事項
建設業は、事業と生態系との関連性が強く、自然生態
2013年度は、各保全手法
(計画、設計、移植など)
の評
系に与える影響をきちんと認識し、事業の上流から下流ま
価継続と保全後モニタリング、外構・特殊・法面の緑化手
で一貫して生物多様性保全に取り組むことが重要です。
法の評価継続と施工後モニタリングの実施を、
活動目標と
■ 平成25年度 神奈川労働局長安全衛生表彰 安全衛生推進賞
■ 平成25年度 リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰 国土交通大臣賞:南三陸作業所
■ 第4回
(平成25年度)
日本建設業連合会 快適職場表彰 特別賞:カレスト座間作業所
(時系列順)
ディスプレイ産業奨励賞を受賞
当社は2010年に制定した生物多様性保全方針をもと
しました。2012年度から継続している
「生物多様性・緑化
に、建設工事の計画・設計・施工、および施工後の各段階
ワーキンググループ」
を部署横断的な活動として展開し、
建
当社横浜支店で施工し、2013年2月に竣工した、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル
において、身近な自然への影響を極力低減することを目
設業として関連の深い、
屋上・壁面緑化などの事例調査、
技
株式会社新本社が第32回ディスプレイ産業賞
(2013)
「ディスプレイ産業奨励賞」
を受賞しました。
指しています。
術指針をまとめました。
また、
希少種保全に関してのモニタ
リングも継続しました。
生物多様性保全方針
〜身近な自然と暮らしを守る〜
この地球上には、たくさんの生きものたちが存在し、それらが
2014年度は、
緑化規制のある案件についての緑被率を算
出・管理することで、
緑化トラブルの減少に注力していきます。
互いにつながりを持って生きることで生態系が維持され、私たち
フジタはこの事実をしっかりと認識し、彼らの暮らしとつながり
基本理念
私たちは、
「自然を 社会を 街を そして人の心を 豊かにするた
めに フジタは たゆまず働く」
という企業理念を背景に、様々な生
きものたちとその暮らしを守ることの重要性を認識し、事業活動
Topics 1
良好な屋上・壁面緑化のために
近年、街中でよく見られるようになった屋上・壁面緑化で
すが、過酷な都市環境下で良好に植物を生育させるには、
のあらゆる場面で、次の視点を持って行動します。
各種技術の評価・選定の継続が欠かせません。中でも壁面
具体的な取組み
緑化は、近年そのニーズが高まっていることから、2013年
クル全般における環境配慮、ならびに顧客と地域・社会とのコ
な壁面緑化を設計・施工するための要点を整理し、
チェック
生態系に関する情報・技術を活用した、建設事業のライフサイ
ミュニケーションのサポートなど、総合建設業としてこれまで培っ
てきた技術力や調整力、視野を活かし、建設事業を通じた生物
多様性の保全・再生・創出を目指します。
1.
計画・設計・調達・施工・維持保全・解体等の様々な場面・段階
連合会が主催する賞で、ディスプレイを通じて生活文
化の向上および国土景観の発揚に寄与することを目
的としたものです。
お客様のニーズをとらえ、日本の伝統工芸である
「刀-KATANA」
をモチーフとして、スピード感溢れ
人間も生かされています。
を維持していくことが重要と考えます。
この賞は、一般社団法人日本ディスプレイ業団体
度は部署横断的な
「生物多様性・緑化WG」
において、適正
リストとしてまとめ、社内イントラネットへの掲載を行いまし
た。今後はより実務レベルでの技術力向上を目指して、社
内の各種基準への反映などを検討していく予定です。
において、自らの事業が生態系に及ぼす影響を把握・評価し、
る表現とすることにより、優秀なデザインとして評価
されました。
キャナルシティ博多イーストビル 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール
壁面・特殊緑化部門にて国土交通大臣賞を受賞
公益財団法人 都市緑化機構主催の
「第12回屋上・壁
面・特殊緑化技術コンクール」
において、当社が施工し、
2011年に竣工した
「キャナルシティ博多イーストビル」
が
壁面・特殊緑化部門の国土交通大臣賞を受賞しました。
当コンクールは、都市がかかえる環境問題や景観向上
への取り組みの推進を目的として、屋上や壁面などの特
殊空間における優れた緑化技術について成果を挙げてい
負荷の回避・低減に取組みます。
る企業などを顕彰するものです。
2.
生物多様性保全・再生・創出のための技術の開発、導入に取り
組みます。
イーストビルは、審査ポイントとなった美観性や公開性、維持管理技術の工夫
(ユニット型工法、荷
3.
顧客・行政・企業・NGO・地域住民の方との連携を積極的、か
重軽減、水分蒸散度や省管理を考慮した潅水設計)
などが評価されました。
つ継続的に行います。
4.
取組み浸透のため、全社員への教育や周知を行います。
当社技術センター緑地内のつる植物の自然の姿
(
「ツルマサキEuonymus fortunei」
:ニシキギ科の常緑つる性木本)
都市緑化においても、植物の生態的特徴を活かすことが大切です。
編集後記
2014年度版は、特集記事のテーマとして
「持続的な成長」
を取り上
げ、大和ハウスグループ入りによるシナジー効果の具現化、協力会社
とのパートナーシップを掲載いたしました。これは、企業として取り組
結果として表れているのかを明確にお伝えするよう努めました。 た取り組みを実施し、社会の持続可能な発展へ貢献し、企業としても
ルとしての役割を果たしていけるよう、今後も内容の充実を図ってま
むべき
『社会的課題』について、事業活動を通じて、課題解決に向け
発展することを目的とした、当社の取り組み姿勢を表現しています。
29
フジタ
“高”
環境レポート 2014
2014年度版は従来のレポートよりも、事業年度の活動報告を充実
させ、当社の事業方針がどのように実際の業務に結びつき、改善が
本レポートがステークホルダーの皆様とのコミュニケーションツー
いります。
フジタ
“高”
環境レポート 2014
30