アメリカ・ACE Grand Canyon

中長期ボランティア・アメリカ
ACE
Grand
Canyon
~目次~
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
10)
名前
:後藤
はじめに
事業の概要
参加者・協力者
活動期間中の日程
事業のねらい、ワーク、その成果
ワーク以外の活動
生活
自分自身の変化
提案と今後の構想
終わりに
敬介
活動期間:2012 年 1 月 14 日~3 月 9 日
(8 週間)
1)はじめに
アメリカで 2 カ月間の環境ボランティアを経験させていただいた。お世話になったのはアメリカの NGO:
American Conservation Experience(ACE) という団体である。活動内容は時期や場所によっても異なるが、
今回私が経験したのは、遊歩道の整備、枯死した木の伐採、雑草の除去、道路まわりのゴミ拾いなどの活動
だった。そして多くは国立公園など雄大な自然の中での活動である。ACE ではおもに地域の環境保全活動を
通じての青年の育成そして国際理解を目的として、アメリカだけなくヨーロッパ、アジアから多くのボラン
ティアを受け入れている。
私がこのボランティアを希望した理由は、まずアメリカの大自然を思い切り満喫したいと思ったからであ
る。グランドキャニオンで活動するチャンスがあるということも私にとって大きな魅力だった。そして、海
外の人々と英語でコミュニケーションをとり、外国の人がどのようなことを考えているのか、また外から見
た日本はどのような国なのかを知りたかったのだ。
2 カ月は本当にあっという間に過ぎてしまった。時間さえあれば最低でも 3 カ月は滞在したかった。しか
し短い期間のなかでもここでしかできない貴重な経験をさせていただいた。もちろん楽しいことばかりでは
なかった。特に自分の英語力とコミュニケーション力のなさから、相手の話す英語が聞き取れなかったり、
伝えたいことを伝えられなかったりするもどかしさを何度も感じた。しかし、もがきながらそのようなこと
を繰り返すうちに、少しずつ友達とお互いを分かりあえるようになったと感じる。そして、アメリカでのす
べての経験を今後の生活に活かしていければと考えている。
2)事業の概要
2-1)事業名
2-2)開催期間
2-3)開催地
2-4)事業目的
ACE/01 Grand Canyon
2012 年 1 月 14 日~3 月 9 日(56 日間)
拠点:アメリカ合衆国 アリゾナ州 フラッグスタッフ
活動:アリゾナ州、その他周辺の州の国立公園、自然公園など
① ボランティアや現地の人々とのコミュニケーションを通してアメ
リカやその他の国の文化、人、言語などへの理解を深める
② 国立公園などの大自然のなかでの活動を通して自然の素晴らしさ
を体験し、環境保全に対する考え方を学ぶ
③ アウトドア生活、外国の人々との関わりあいのなかで心身の成長、
英語力の上達をはかる
2-5)参加者
*共に活動したボランティア: 10 ヶ国 約 60 名
*様々な形で参加した住民 :約 名
詳しくは、
「3)参加者と協力者」を参照
2-6)ワーク内容
① 国立公園などの遊歩道の整備
② 枯死した木の伐採
③ 雑草の除去
2-7)他の活動
・小旅行(ラスベガス、グランドキャニオン)
・友達と夕食作り
・フラッグスタッフ市内散策
宿泊:プロジェクト中は基本的にテント、休みの間はアパート
食事:自炊
2-8)生活方法
2-9)言語
英語
2-10)協力
国立公園や自然公園などの職員さん
3)参加者・協力者
3-1)共に期間中活動したボランティア(約 60 名)
アメリカ、韓国、ドイツ、ベルギー、フランス、スウェーデン、エストニア、オランダ、イギリスなどの
人々。ほとんどがヨーロッパの人々。共に活動する人は毎回のプロジェクトごとに異なる。各プロジェクト
のグループのメンバーは 5~10 名ほどで構成されていた。2 週間ごとに新しいボランティアが入り、活動を
終えたボランティアが去っていくので正確な人数は把握できないが、当時は全体では 60 名ほどいたと思う。
男性が 7 割、女性が 3 割くらいだった。年齢は 18~24 歳くらいの若い人がほとんどだったが、中には 35 歳
の人もいた。
3-2)協力団体・協力者の方々
国立公園、自然公園などの職員の方々
(私のプロジェクトの場合)Coconino National Forest, Cibola National Wildlife Refuge の職員の方々
4)開催中の日程と出来事
4-1)大まかなスケジュール
月
1
2
3
活動内容
オリエンテーション(2 日間)
ACE Litter Pickup (1 日間)
Sedona Trails Work (3 日間)
重点事項
・みんなの名前を覚えて、コミュ
ニケーションをとる
・活動に備えてキャンプ用品など
をそろえておく
・寒さ対策
Cibola National Wildlife Refuge ・体調管理
Crew (8 日間)
・ワークを楽しむ
Cibola National Wildlife Refuge ・コミュニケーション
Crew (8 日間)
・寒さ対策
Reo del Flag Crew(3 日間)
出来事
・よく雪が降った
・ラスベガス旅行
・グランドキャニオン旅行
・プロジェクトで人生初の
ロバに遭遇
・自分の寝言で、テントで
寝ていたメンバー全員が目
覚める
・最後なのでいつも以上にまじめ ・みんなとお別れ
にはたらく
4-2)基本的な週間スケジュール
プロジェクトによってスケジュールは異なるが
多くは 8 日間のワークのあと 6 日間の休み、とい
うサイクル。以下はその場合のスケジュール。
曜日
水
予定
活動日
◆水曜日 早朝にフラッグスタッフを出発。だい
たい午後には目的地に到着。その日に現地の職員
の方の説明を聞くことも。
木
活動日
活動内容
目的地へ向けて車で移動、
到着
ワーク開始
金
活動日
ワーク
◆木曜日~火曜日 ワーク。ワークが終了する火
曜日にはみんなで荷物や用具の整理などを行う。
土
活動日
ワーク
日
活動日
ワーク
月
活動日
ワーク
火
活動日
ワーク終了、荷物の整理
水
活動日
フラッグスタッフへ向け
て出発、到着。車やその他
用具を洗って終了。
◆水曜日 キャンプサイトを出発。午後にはフラ
ッグスタッフのオフィスに到着。そこで車や用具
をきれいに洗って、プロジェクト終了。
◆木曜日~火曜日 休み。各自で旅行などをした
り、家でゆっくりしたりして自由に過ごす。この
間に次のプロジェクトをチェックする。
日程が 8 日間の場合でも、目的地が車で 5 時間
以上かかるところもあるので、初日と最終日は移
動日となっており、実質ワークをするのは 6 日間
となることが多かった。
フラッグスタッフに戻ってくる最終日には、みんな
で車やキャンプの用具をきれいにする。その夜には、
クルーディナーといって一緒に活動したメンバーみ
んなで夕食を食べに行った。
4-3)基本的な1日のスケジュール
◆6:30 朝食は各自でとる。おもにパンやシリア
ルなど。リュックサックにランチ、水などを準備
する。
◆8:00 ミーティングでは、その日に注意すべき
ポイントなどを話し合う。必ず 1 人 1 つは言うよ
うになっているので、
英語のいい練習にもなった。
◆12:30 昼食は作ってきたサンドイッチやフル
ーツ、スナックなど。
◆休憩 午前と午後に 15 分の休憩があった。
◆18:00 夕食は当番制か、
人数が少ない場合はみ
んなで作る。
◆20:00 自由時間にはみんなと話したり、
トラン
プをしたり、星を見たりして過ごした。
時間
6:30
行動
起床、朝食、ランチを作る
7:00
ワークの場所へ出発
8:00
準備体操、ミーティングのあと、ワー
ク開始
12:30
昼食
13:30
午後の開始
16:30
20:00
ワーク終了
キャンプサイトに戻る
夕食、片づけ
団らん
自由
21:00~
就寝
18:00
5)事業のねらいワーク、その成果
5-1)本事業のねらいと背景
本事業の目的は主に、以下の3つである。
① ボランティアや現地の人々とのコミュニケーションを通してアメリカやその他の国の文化、人、言語な
どへの理解を深める
② 国立公園などの大自然のなかでの活動を通して自然の素晴らしさを体験し、環境保全に対する考え方を
学ぶ
③ アウトドア活動、外国の人々との関わりあいのなかで心身の成長、英語力の上達をはかる
それぞれの背景は、以下の通りである。
①このボランティアでは、アメリカ、ヨーロッパ、
アジアなどの様々な国の人たちと生活を共にする。
お互いの国の文化、言語については知っているよう
で知らないことの方が多い。ましてや自分の国につ
いても相手にうまく説明できない人もいる。長期に
わたって他国の人々と過ごしコミュニケ-ションを
とることで、相手の国の文化について深く知ること
ができ、自分自身の国について見つめなおすよい機
会となる。
②アメリカには多くの国立公園、自然公園があり、
それらを守るために公園の職員やボランティアをは
じめ多くの人々が働いている。仕事の内容は環境へ
の貢献が目に見えるものからそうでないものまで
様々で、ただやみくもに自然を保護するというより
も遊歩道の整備のように人と自然が共存できるよう
にするためのものが多い。
そのような活動を通して、
まず自然の素晴らしさを体験する。そして、自然の
景観を保ちつつ自然を楽しみに来る人々が過ごしや
すい場所、そして動物が住みやすい場所にすること
の重要性を理解する。
③ボランティアのなかにはキャンプやハイキングな
どが好きで慣れている人もいるが、今回が初めてと
いう人も少なくない。プロジェクトでは大自然の中
で汗をかきながら働く。時にはハードな仕事もある。
そして、グループで活動するのだから自分の思い通
りにいかないこともある。
このような様々な経験を通して少しのことでは怯
まないたくましさを身につけ、精神的・肉体的に成
長する。また、活動中の言語はすべて英語であるか
ら、多くの会話から各々の英語を上達させることも
目的の1つである。
5-2)ねらい①への成果
国の違いはあっても、時間がたてばそれも関係なく皆仲良くなっていた。
私が痛感したのは、他の国についてあまりにも知らかったし興味を持っていなかったということ。特にヨ
ーロッパの国々。そして向こうの人は日本について知っていたし興味を持ってくれていたにも関わらずだ。
例えば、ベルギーという国がヨーロッパのどこに位置しているのかも知らなかったし、おもにフランス語と
オランダ語が話されているということも知らなかった。そしてビールやチョコレートが有名だということも。
しかしそれについて知り始めると、
どんどん興味がわいてきてもっと知りたくなる。自分が知らないだけで、
それぞれの国にたくさんの魅力があるということを彼らから改めて学んだ。
そしてヨーロッパの人と話していると、島国であるということが特別なんだと感じた。それゆえに日本に
独特の文化が育ったのだろうかとも思った。またそれと同時に、飛行機を使わなくても気軽に外国へ行ける
彼らを少し羨ましくも思った。
5-3)ねらい②の成果
一番印象に残っているプロジェクトについて述べる。
・枯死した木の伐採(Cibola National Wildlife Refuge)
この野生生物保護区では、枯死しているという理由で非常に広い範囲の木々が燃やされていた。このプロ
ジェクトの内容は、燃えて幹や枝のみが残っている木々を伐採しそれを集めていくというものだった。そし
てあとからそれを燃やすのだそうだ。仕事が始まると 2 人のスーパーバイザーがチェーンソーを使って木を
切り、3、4 人のボランティアがそれを集めて小さな山のようなものをいくつも作っていく。それを 6 日間ひ
たすらやっていく。始めたときは何のためにこのようなことをするのか分からなかった。する必要がないと
思ったし、むしろ自然環境を壊しているのではないかと思った。しかし後から分かったのだが、このように
木を切って燃やすことで、妨げるものがなくなるので新しい植物がより育ちやすくなる。また、燃えた灰は
栄養になるから土地もより豊かになる。そして植物が育てばそこは様々な動物の居場所となる、ということ
だった。ただ木を切って燃やすということがこれだけ自然環境の保全に貢献できているというのはすごいこ
とだと感じた。実際にこの保護区ではたくさんの動物を見かけた。毎日、車でワークの場所へ向かったのだ
が、その途中でロバ、シカ、フクロウ、ボブキャット(ネコ科の動物)
、多くの野鳥などたくさんの動物を見
かけた。毎日何らかの動物を見かけたように思う。テントで寝るとき聞こえるのは虫や動物の鳴き声だけ。
自分たちが自然の中で暮らしているということを実感した。このような生態系の豊かな場所で活動できたこ
とは、今思うと本当に貴重な経験だった。
ここでは、日本に比べて多くの人がハイキングやキャンプ、登山などを楽しんでいるように感じた。アメ
リカ人の自然や環境に対する意識は非常に高い。だからこそ環境保全に取り組む必要があり、私たちが経験
したようにボランティアを始め多くの人々が働いているのだと思った。
またここでは、国立公園などからボランティア団体に仕事が依頼され、お金が支払われる。ACE では、そ
の資金でスタッフの給料やボランティアの食事、住まいなどが提供される、というシステムが成り立ってい
た。そして、ACE だけでなく他にも同様の活動をしている団体をいくつか見かけた。
ワークの様子(左)と積み上げられた木々(右)
5-4)ねらい③への成果
アウトドア初心者でも自然が好きな人々が集まっているので、アウトドア生活の不便さについて不満を言
う人は一緒に活動した中にはいなかった。
みんなそれを楽しんでいたし、
そうした生活の中で精神的な強さ、
たくましさが身についた。ワークについては時にはきついと感じることもあった。もちろん体力はあったほ
うがいい。しかし多くの女性も参加していたように、それぞれができる範囲で無理をせずに働いていた。ま
たワーク中は、一人で運べないものは声をかけて二人で運ぶ、危険かもしれない生き物がいたらスーパーバ
イザーに声をかけて確認する、体調が悪いと感じたらリーダーに言って休むなど、いつもコミュニケーショ
ンや自己管理が求められる。なのでそういった部分でも成長できたと思う。最初のプロジェクトでは一日が
終わってみんな疲れきっていたが、ワークを重ねるごとに体力もつき、慣れてくるので毎日問題なく働くこ
とができた。
英語についてだ。これだけ多くの人が来るので当然国籍に偏りがでる。そうすると英語以外の言語での会
話が聞かれることもある。その人たちだけで話すのならば別に構わないのだが、みんなで行動するときでさ
えそのようなことがあった。
私の場合、
休みの日などフランス語圏の国の人たちと過ごすことが多かったが、
例えば 7 人中 4 人がフランス語圏の時などはフランス語での会話が目の前で行われており、非常にストレス
がたまった。誰かが注意してもすぐもとに戻ってしまう。たとえそれが自分に関係のない内容だったとして
も、私は彼らがどんな話をしているのか知りたいしどうして笑っているのかも知りたいと思った。
一方で私と同じアパートにいた 2 人のドイツ人の女の子はいつでも英語で、彼女らだけで話すときさえも
そうだった。結局それぞれの意識の持ち方次第なのだが、アメリカにいるのだから英語で話すことを当たり
前にしなければならないし、私もそれについてもっと意見を言うべきだったと感じた。
6)ワーク以外の活動
6-1)小旅行(ラスベガス・グランドキャニ
ったと思う。
オン)
プロジェクトが終わるとおもに 5,6 日間の休みが
あるので、皆それぞれレンタカーなどで旅行に行っ
た。私が行ったのは、ラスベガスとグランドキャニ
オン。拠点のフラッグスタッフがあるアリゾナ州や
その周辺には多くの国立公園などがあり、みどころ
はたくさんある。私も行きたかったが時間がなくて
行けなかった場所が多くあった。
手作りのハンバーガー
6-3)フラッグスタッフ市内散策
人もそれほど多くなく、自然に囲まれた穏やかで
過ごしやすいところだった。歩いて街へ行ったり、
バスでショッピングモールへ行ったり、大学へ行っ
たりした。
またハイキングコースも多くあり、日帰りでハイ
キングに行く人もいた。
Road trip to Grand Canyon!
6-2)友達と夕食作り
休みの日には友達と料理をすることもあった。ス
ーパーで食材を買い、アパートのキッチンで一緒に
つくった。ハンバーガーやピザ、パスタなど、どれ
も簡単なものばかりだったがおいしかった。また、
買い物をするとき、料理をするときには必ずしゃべ
るので英語でコミュニケーションをとるいい機会だ
アパートの近くの風景
7)生活
7-1)宿泊施設
私が滞在したところは、4 名 1 室の部屋が 4 つあ
るアパート。
それぞれの部屋にはベッド、
シャワー、
トイレがあった。みんなリビングでテレビを見たり、
本を読んだり、しゃべったりして過ごしていた。ア
パートには、スーパーバイザーも 2 名住んでいたの
で、分からないことなどはその人に聞いていた。洗
濯機・乾燥機もあるので不便なく生活できた。
プロジェクト中はほとんどの場合各自テントを張
って寝る。周りの環境は行き先により異なる。私が
行ったところには、キャンプサイトにトイレ、水道
などがあり便利だった。友達が行ったところには、
近くに水道がなく水を持って行ったところもあった
ようだ。
7-2)食事
プロジェクト中:朝はパンやシリアルなどを食べ
る。昼は作ってきたランチ(サンドイッチやフルー
ツ)を食べる。夜はキャンプサイトで自炊。メニュ
ーは毎日決まっている(ハンバーガー、パスタ、ス
テーキ等)
ので、
持ってきた食材で調理して食べた。
一日働いたあとに食べる夕食は、どれもとてもおい
しかった。また、プロジェクトの人数が多い場合に
は調理、
食器洗いなどを日替わりの当番制で行った。
休み:各自で食材を買ってきて自炊。アパートの
キッチンで調理して食べる。友達と外食に行くこと
もよくあった。
常に役に立った。
7-4)その他
各アパートでは wifi が使えるようになっており、
パソコンを持っていれば自由にインターネットがで
き、非常に便利だった。また、近くに大学(Northern
Arizona University)があり、そこの図書館でもイ
ンターネットを使用できた(図書館での使用時間は
1 日 2 時間まで、印刷は週 20 枚まで)
。
気候に関しては、やはり冬なのでフラッグスタッ
フはとても寒かった。標高が高いので時には雪も積
もっていた。ワーク中は行った先でそれぞれ。私が
行ったところには春のように暖かい場所もあった。
7-3)シャワー
私が泊っていたアパートはそれぞれの部屋にシャ
ワーがあったので全く不便なく使えた。
プロジェクト中は、キャンプサイトの環境にもよ
るが、シャワーなどはないことが多い。そのため 8
日間シャワーなしで生活する。冬だったので汗をか
くことも少なくそれほど気持ち悪いと感じたことは
なかったが、持って行ったウェットティッシュは非
8)自分自身の変化
8-1)モチベーションの変遷
モチベーション
開始前
1週目
2週目
3週目
4週目
5週目
6週目
ワークのモチベーション
7週目
8週目
全体的な
8-2)モチベーションの変化の分析
開始前:期待より不安が大きい
1,2 週目:ヨーロッパ人の英語のうまさに驚き、そして自分の英語力のなさに落胆。今後やっていけるか不安に。
加えて、プロジェクトがたった 4 日しかなく、モチベーションは低め。
3,4 週目:ついに 8 日間のプロジェクト。充実はしていたが、まだ自分から積極的にコミュニケーションをとれず、
受け身でいることが多かった。
5,6 週目:再び同じ場所へ 8 日間のプロジェクト。前回行って慣れていたこと、そしてスーパーバイザーも前回と
同じ人だったので、少しずつではあるが話すように。相変わらず英語は下手だったが、素晴らしい仲間のおかげ
で前回に比べてずいぶん変われたと思う。1 番楽しかった 2 週間。
7,8 週目:最後なので期待していたが、たった 3 日間しかもフラッグスタッフ市内のプロジェクトのため、キャン
プではなくアパート泊だったのでがっかり。楽しいとは言えなかったが、それは自分だけではないので仕方ない
と思うことにした。
8-3)活動を通じて得たことや気づき
先に述べた木を切っていくワーク。スーパーバイザーはひたすら木を切り、ボランティアはひたすらそれを集
める。同じ作業の繰り返しなので時には飽きてしまってモチベーションも下がりがちなのだが、スーパーバイザ
ーをはじめチームのメンバーは常に楽しもうとしていた。お互いに声を掛け合い、時には冗談を言っていたので、
雰囲気はいつも和やかだった。そのようなメンバーがいたおかげで、私自身も単調な作業をつまらないのでやめ
たいと感じることなく前向きに取り組み続けることができた。特にスーパーバイザーは発言も態度も常に前向き
だった。体力的にきついこと、メンバーが言うことを聞かなくて困ったことなどはあったと思うのだが、それを
一切顔に出さず、加えていつもメンバーへの気遣いがあった。さすがリーダーだと思った。私もいつかそのよう
な立場で行動することがあるだろうが、その時にこのスーパーバイザーのようにやっていけるようこれから頑張
りたいと思う。
最後に、一日働いたあとに外で皆と作って食べる夕食は、最高だった。
8-4)今後どのようにこの経験を生かしていくか
環境への意識もそうだが、一番はコミュニケーションの取り方だ。向こうでは初対面の時、必ず名前を名乗っ
て握手する。日本でも相手の名前を聞くことは当たり前だが、以前私は聞かれなければ言わなかったし、自分か
ら尋ねることもほとんどなかったように思う。要するにいつも受け身だった。しかしアメリカに来て、名前を名
乗り、握手し、時にはぎこちないながらもハグをしたりしているうちに、それが当たり前になっていった。そし
て、初対面で名前さえ聞かずに黙っていた自分を恥ずかしく思った。そんな中で一番強く感じたことは、思って
いることは言わなければ伝わらないということ。友達と長い間一緒に過ごしていればある程度相手が考えている
ことも分かるようになるが、今回は初対面かつ育ってきた環境も異なるのでそれも難しい。逆に少しでも思って
いることを口に出せば、相手はそれをしっかりと受け止めてくれる。英語の上手い・下手は関係ない。小さなこ
とだが、それをするかしないかで後々の環境が大きく変わることもある。日本にいる時ですらこれができていな
かった私は当然アメリカでもできていなかった。しかし、時間が経つうちに少しずつ主張できるようになった。
日本でも、このような小さな意識を継続して持っていきたいと思う。
9)提言と今後の構想
今回満足いかなかったことは、十分なプロジェクトが与えられなかったことだ。これは私だけでなく多く
のボランティアが不満に思っていた。本来ならばプロジェクトに行っているはずの時期なのに、アパートに
待機しなければならないことがあった。特に 3 月上旬には、2 週間のうちに与えられたプロジェクトが 3 日
のみというボランティアが 20 名以上もいた。これでは、何のためにアメリカまで来たのかというふうに感
じてしまう。冬季の気候のために ACE に依頼される仕事が少ないからというのが理由らしい。しかし、ボ
ランティアを受け入れるからには、十分な仕事を与えてほしいと思った。
(3 月中旬以降からは、全員に十分
なプロジェクトが与えられたようだが)
確かに、ボランティアの受け入れが決定する時点では、それ以降どれだけの仕事の依頼が来るのか分から
ないから今回のようなことが起こるのだと思う。だがもし十分なプロジェクトが与えられなくても、ただボ
ランティアを待機させるだけでなく、どこかハイキングに出かけたり、環境や自然について学ぶような時間
を設けていただけたらよいのではないかと思った。
10)おわりに
この 2 カ月で数々の貴重な経験をさせていただいた。いろいろなことを感じ、いろいろなことを考えさせ
られた。感情の浮き沈みが大きい 2 カ月でもあった。そして最高の仲間と素晴らしい時間を過ごすことがで
きた。このプログラムを通じて出会ったすべての人に感謝したい。もし時間とお金があるのならば、もう一
度行きたい。この経験はこれからの人生のなかで必ず役に立つと思うし、そうなるようにしたい。
このプログラムに行こうか迷っている方にはぜひ行っていただきたいと思う。行く時期によってもやるこ
とは多少異なるし、行く人によって感じることももちろん異なる。そして、自分を成長させられる素晴らし
い経験ができることは間違いない。