社会 ・ 環境報告書 2010

社会 ・ 環境報告書 2010
大電株式会社
編集方針
会社概要
当社では 2006 年度から環境報告書を作成し、社内の
社
名 大電株式会社
デジタル複合機により小冊子印刷して発行しています。
本
社 〒 830-8511
創刊 5 年目にあたる 2010 年度については、大幅な改訂
福岡県久留米市南 2-15-1 を行いました。
設
また、社会面の内容増加に伴い名称を「社会 ・ 環境
代 表 者 代表取締役社長 森 昭典
立 1951 年 3 月 10 日 報告書」に変えました。
資 本 金 4 億円
私たちは、これからも当社の社会貢献活動 ・ 環境保全
売 上 高 146 億円
活動等に真摯に取り組む姿勢をご理解いただくために
従業員数 451 名
分かりやすく親しみやすい手作りの報告書の作成に
事業内容
努めてまいります。
電力ケーブル、通信ケーブル、光ファイバー
ケーブル、電力用機材、FA ロボット
ケーブル・OA ケーブル、ネットワーク
■ 対象組織
大電株式会社および大電産業株式会社
機器、産業機器、蛍光体等の製造、加工、
販売
関係会社
大電商事(株)
■ 対象期間
大電産業(株)
2009 年度 (2009 年 1 月~ 12 月)
クランデーワールド(株)
(一部 2009 年以前の経過と 2010 年度の活動を
大電塑料(上海)有限公司
含みます)
■ 対象分野
社会 ・ 環境
■ 参考ガイドライン
環境省「環境報告ガイドライン(2007 年度版)」 GRI「サステナビリティ ・ レポーティング ・ ガイド
ライン第 3 版(G3)
」
当社ホームページ http://www.dyden.co.jp でも
ご覧いただけます。
■ 売上高
(億円)
250
200
150
100
50
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009 (年度)
2005
2006
2007
2008
2009 (年度)
■ 経常利益
(億円)
12
10
8
6
4
2
0
2004
02 トップコミットメント
04 大電って
・当社概要 ・佐賀事業所
・久留米事業所
・上峰事業所
08 特集
・モーダルシフトの取り組み
10 社会貢献
・吉田学術教育振興会活動
・美化運動
・工場案内
・地域イベントへの参加
14 安全衛生/健康
・安全衛生マネジメントシステム
・安全衛生標語
・メンタルヘルス対策
・健康教室
・DY 駅 dEN(ダイ駅デン)大会
16 リスクマネジメント/従業員満足
・情報セキュリティ対策
・BCP(事業継続計画)
・DYP 活動
・ライフプランセミナー 18 環境パフォーマンス
・環境方針
・環境マネジメントシステムの状況 ・環境目標と実績
・マテリアルフロー
・環境会計 ・地球温暖化防止
・環境コミュニケーションと法令遵守の状況
・環境配慮製品の開発
・グリーン調達/化学物質管理
社会・環境報告書 2010 1
TOP COMMITMENT
九州のグローバル企業を目指し、全社員一丸となって
「明るく楽しく元気に」業務活動を推進しています。
当社では CSR 経営につながる理念である
しかし、幸いなことに 2009 年度は前年より
「我等の信條」という企業理念のもと堅実な
売上が大幅減少する中、約 4 億円の経常利益を
経営を推進しています。これからも引き続き
出すことが出来ました。この体験は、当社の
「我等の信條」にあるように「会社の発展を
今後にとり非常に大きな自信となるものと考えて
通して従業員の幸福と社会の繁栄に貢献する」
います。
ための会社経営を行っていく所存です。
また、2009 年度は、厳しい経営環境・市場
ところで当社は 2007 ~ 2009 年度の中期
環境にも関わらず新製品開発や新規顧客の開拓
経営計画で、2009 年度の連結売上目標を
などの市場対応も確実に行うとともに規程の
300 億円以上とするという目標を設定して
整備・新制度の導入などの内部体制の充実にも
経営を推し進めてまいりました。しかしながら、
取り組みました。
2008 年 9 月の金融危機をきっかけに売上が
本報告書をご高覧いただき、大電グループの
低下し、2008 年度は連結売上が 260 億円、
取り組みをご理解いただきますと共に、皆さま
2009 年度の同売上が 172 億円にとどまる
方のより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう
という厳しい結果となりました。
お願い申し上げます。
我等の信條
我等は信頼と敬愛のもとに
積極 正確 迅速に行動し
協力一致 会社の発展
従業員の幸福 社会の
繁栄を期す
昭和三十六年 元旦
吉田 直大
2 社会・環境報告書 2010
「新たな価値の創造」への挑戦!
大電株式会社
代表取締役社長
社会・環境報告書 2010 3
大電って
当社をよくご存じない方のために、「大電って」という特集ページを作成しました。九州のグローバル
企業を目指して「明るく楽しく元気に」をモットーに業務遂行にあたっている様子を紹介します。
当社概要
■九州電線から大電へ
■トピックス
当社は、1951 年九州電線株式会社として設立しま
したが、1963 年に現在の大電株式会社へと名称変更
しました。これは、
「大」に「視野を広く持ち、いい
● NEDO の「2009 年度省エネルギー革新技術
開発事業」に採択されました
製品を作って国内だけでなく広く海外まで提供し貢献
研究開発テーマ「ヘテロ接合構造を有する環境対応
するために会社を大きくしよう」という意志を込めて
型プリンタブル有機 EL 素子に関する研究開発」が採択
の変更でした。
され、3 ヶ年で 3 億円の補助金を受けることになりま
そして、現在ではその言葉通り、主力の電線 ・ ケー
した。
ブル以外にロボットケーブル、産業機器、ネットワー
ク機器など多くの製品を国内外に提供しております。
■多角的事業経営とトップシェア
当社は、事業基盤部門の電線事業部門のほかに国内
トップシェアの FA ロボット電線事業部門や産業機器
部門、さらにはIT業界を支えるネットワーク機器部門
などがあります。
当社には、これらの事業部門のほか、蛍光体を開発
している機能材料開発室や有機 EL などの研究を行う
研究開発部門があります。また、環境配慮材料の開発
などを自社で行うことができることは非常な強みと
研究開発部員
いえます。
●トップシェア製品
●情報セキュリティ基本規程制定
情報システムの保護を目的に、基本規程を ISMS
FA ケーブル
40%
(情報セキュリティマネジメントシステム)に準拠
した内容で整備しました。
● HS&T(住電日立ケーブル)ブランド PVC 鉛
フリー化
2008 年度から検討していました HS&T ブランド品
の PVC( ポリ塩化ビニル ) の鉛フリー化を開始しました。
油圧バルブ
50%
さらに、電力会社等へ納入している製品の PVC 鉛
フリー化についても拡大を展開中です。
●新型インフルエンザ対策
新型インフルエンザ対策マニュアルを発行すると
ともに対策総本部および各事業部に対策本部を設置
しました。また、マスクや消毒液、在宅勤務用の
バッテリーインジケータ
70%
4 社会・環境報告書 2010
パソコンなどを配備しました。
大電って 佐賀事業所
■トピックス
■経営者の声
●九州グリーン物流パートナーシップ協会賞受賞
2008 年 3 月から運用開始しましたグリーン物流の
31 フィートコンテナ輸送が省エネ+ CO2 削減目標を
クリアし、効果が評価され受賞となりました。当社の
輸送におけるモーダルシフト率は年々向上し、2009
「明るく、元気なプラス思考」
で新たな価値を創造
年度末で 21%以上となっています。
取締役
佐賀事業所長
山倉 修一
佐賀事業所では、電線 ・ ケーブル、電力用機材を造って
います。
事業所方針としましては「お客さまと社会のために、
31 フィートコンテナ輸送
明るく、元気なプラス思考で、新たな価値を創造して
いく」ことですが、新たな価値は「新製品」だけでは
ありません。高い「技術力」も「品質」も「働く人たち
の幸福」も「価値」ととらえています。
リーマンショックもプラス思考で乗り切りました。
また、佐賀事業所では人材育成の手段として 5 年前
からラインカンパニー活動に取組んでいます。
この活動は、アメーバ経営と似た手法で、一人一人が
「損益意識」を持つことで、カンパニーは変わります。
●第 54 回渋澤賞受賞
CT 型工事用開閉器テスターの開発に対し、お客さま
と当社開発グループが澁澤賞を受賞しました。6 年
ぶり 11 回目の受賞となりました。
スタッフはカンパニーの「コンサル」としてサポート
しています。
リーマンショックで生産量が減少する中、ロス率の
改善が出来ました事は「本気の活動」の結果だと考え
ます。
「環境」については、現場の「省エネ」、「産廃 ・ ロス
削減」活動を行っています。そのほか風力発電で得ら
れたエネルギーを伝送する「低風圧電線」、「エコケー
ブル」さらには「エコ材料」も開発しています。
銅もアルミもリサイクルしています。事務所の空調
は「エコアイス」と「ヒートポンプ」を使った省エネ
に配慮した製品を使用しています。
佐賀事業所建設から 40 年が過ぎましたが、今後も
受賞者の電力機器部
課長 工藤 善則
CT 型工事用開閉器テスター
「明るく、元気なプラス思考」で新たな価値を創造し
ていきます。
どうぞよろしくお願いします。
社会・環境報告書 2010 5
大電って
久留米事業所
■トピックス
■経営者の声
●国際ロボット展に出展
東京ビッグサイトで開催されました「2009 国際
ロボット展」に出展しました。今回も、安川電機様
のご好意によりロボットによるケーブルの配線作業や
「そろばん踊り」を実演しました。あわせて寿命シュ
ミレーションも初めて展示しました。会期中の来場者
登録数は約 10 万人で、当社ブースにも多数来場いた
だきました。
「今だからできる、今しか
やれない」ことを行って
次に備えたい
取締役
久留米事業所長
津地 誠哉
当事業所の FA ロボット電線事業部の市場である
FA ロボット業界は、2009 年度当初、前年比 7 ~ 8 割減
という非常に厳しい状況が続きました。
このような厳しい中で、「大変な時期に生きている」
と悲観するかそれとも「誰もできないことを経験でき
ている。隠れていた課題 ・ 問題点が明らかになった」
と前向きにとらえるかで、その後の展開は大きく変
わってきますので、当事業所は、是非後者のスタンス
当社ブース
●中国安全規格(CCC)取得
中国安全規格(CCC)を取得し、
「釆保托晋」
(ロボ
トップ)の中国商標登録を行い中国での販売を開始し
ました。
で対応していきたいと考えています。
現状への危機感、緊張感は当然必要ですが、決して
悲観することはないと思います。
「ロボット産業は
2025 年における 6 兆円市場」との経済産業省見通しは
下方修正されそうですが、依然として医療 ・ 福祉 ・ 介護等
のサービスロボットは有望市場です。また、産業用
ロボットにおいても、今回の経済不況で顕在化した
非正規社員の雇用問題もあり、双腕ロボットに代表
される、人に代わるロボットの導入拡大は期待される
ところです。
ここはひとつ、しっかりと地に足をつけて「今だから
できる、今しかやれない」ことを行って次に備えたい
ロボトップケーブル
と考えています。
また、環境面では「CO2 排出量原単位を 2012 年度
に 2009 年度比で 3%以上削減する」という目標を立て
活動を開始し、地球環境保全にこれまで以上に貢献
していきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。
6 社会・環境報告書 2010
大電って 上峰事業所
■トピックス
■経営者の声
●佐賀県知事来社
9 月には佐賀県の「オンリーワン」
「国内シェア
NO1」等の企業を対象とした視察計画第 1 号として、
上峰事業所が選ばれ、古川知事が来社されました。
最新鋭の工場や技術開発への取り組み等を高く評価
していただきました。
「新たな価値の創造」を通して
お客さま満足度の向上を図り
たい
常務取締役
上峰事業所長
井上 誠二
当事業所には、産業機器部とネットワーク機器部の
2 つの事業部門と機能材料開発室という 1 つの研究開
発部門があります。産業機器部は、バッテリーインジ
ケータを主力とする化成製品群と油圧バルブを主力と
する精機製品群を、ネットワーク機器部は、メディア
コンバータやスイッチングハブを主力とするネット
ワーク機器製品群を、機能材料開発室は蛍光体類を製造
しており、全く性格の異なる 4 つの製品群を有する
事業所です。
佐賀県知事の工場視察
それぞれの部門とも、現在の厳しい市場環境の変化
に対応した「新たな価値の創造」を通してお客さま
満足度の向上と事業基盤の拡大を図る所存です。
具体的に言いますと、産業機器部は「視点と発想を
●無災害事業場表彰
上峰事業所が佐賀県労働基準協会主催の無災害事業
変える」ことで、ネットワーク機器部は「ブランド戦略
場表彰式で「第三種(10 年)事業場」表彰を受けました。
を推進する」ことで知名度を高め、お客さまに新しい
操業開始以来 23 年間の無災害記録を更新中です。
価値をご提供することで事業基盤を確固たるものに
していきたいと考えています。
また、研究開発部門である機能材料開発室はプラズマ
ディスプレイ(PDP)用の蛍光体を主力に製造してい
ます。PDP は液晶パネル(LCD)との競争にさらされ、
厳しい環境ではありますが、特徴のある製品を開発し、
競争力のある体制を創ることで事業化を目指していき
たいと考えています。
どうぞよろしくお願いします。
表彰状
社会・環境報告書 2010 7
特集
地球温暖化対策が叫ばれる中、物流部門においてモーダルシフトという手段により輸送効率を大幅に
改善し、CO2 排出量の大幅削減を達成しています。その取り組みを紹介します。
モーダルシフトの取り組み
■ 2009 年度の取り組み内容と CO2 削減実績 当社は、物流部門の地球温暖化対策として、モーダル
シフトに取り組んでいます。具体的には、2008 年
3 月より、住電日立ケーブル様、タツタ電線様、当社
の 3 社ならびに運送業者様が協力して「31 フィート
コンテナによる電線ケーブルの輸送」
を開始しました。
当社からタツタ電線様までの 663km の輸送をトラック
から鉄道に切り替えることで、CO2 排出量が 429t
削減可能となりました。
また、2009 年度からは海上輸送の比率も上げ、当社
のモーダルシフト率は 21%へと向上し、大幅な CO2
削減を実現しました。
2009 年度 CO2 削減実績
520t/ 年
31 フィートコンテナへの積載
●モーダルシフトとは
モーダルシフト (Modal Shift) とは、環境負荷
の低い輸送手段への転換のことをいいます。
トラック輸送を鉄道や船舶輸送に転換すること
です。例えば、1 トンの貨物を 1km 輸送したとき
の鉄道が排出する CO2 はトラックの 8 分の 1 に
すぎません。
近年、モーダルシフトは地球温暖化対策として
注目されていますが、その他にも輸送コストの
大阪
佐賀
削減や道路混雑の緩和、交通事故減少などの効果
も期待されます。
モーダルシフトによる CO2 排出削減効果
輸送距離
663km
国土交通省資料
8 社会・環境報告書 2010
特集 ■表彰実績
●環境優良企業賞
2009 年 12 月 10 日、31 フィートコンテナ輸送の
●物流環境特別賞
取り組みに対して、国土交通省より「環境優良企業賞」
2008 年 3 月から住電日立ケーブル様、タツタ電線様、
を受賞しました。
当社の 3 社ならびに運送業者様が協力して運用する
功績概要としては、「様々な創意工夫により輸送効率
「31 フィートコンテナによる電線ケーブルの輸送」の
を大幅に改善し、環境負荷の小さい物流体系の構築に
取り組みに対して、2008 年 6 月 19 日に社団法人日本
多大な貢献をした」というものです。
物流団体連合会により「物流環境特別賞」を共同で
31 フィートコンテナ輸送の取り組みに対しての
受賞しました。
表彰は、これで 3 回目となりました。
●九州グリーン物流パートナーシップ推進事業
会長賞
2009 年 11 月 16 日、31 フィートコンテナ輸送の
取り組みに対して、九州グリーン物流パートナーシップ
推進事業会長賞を受賞しました。電線業界初の運用と
CO2 削減効果実績が大きく評価されたものです。
また、環境省エネ優良企業社に授与される専用ロゴ
マークを頂き、この使用が認められました。
国土交通省グリーン物流パートナーシップ授賞
●今後の取り組み
2008 年の 31 フィートコンテナ導入前と比較する
と当社の物流モーダルシフト率は 10%以上向上し、
九州グリーン物流パートナーシップ推進事業会長賞授賞
全体の 21%を鉄道輸送へ切り替えることができ、CO2
削減、積載効率アップ、物流コスト削減に大きく寄与
出 来 て い ま す(2007 年 末:10.8 % 2009 年 末:
21.5%の実績)
更なるモーダルシフト向上を目指し 2009 年 1 月
から電線の海上輸送(船舶)にも着手しており、この
比率をさらに高めていきたいと考えています。
環境省エネ優良企業に
授与される専用ロゴマーク
社会・環境報告書 2010 9
社会貢献
1985 年 6 月に、創業者の吉田直大により創設されました吉田学術教育振興会は、着実な運営に基づき
数多くの貢献をさせていただいております。これからも地道な支援を続けてまいりたいと考えています。
吉田学術教育振興会活動
■設立の経緯
■学術奨励金
当振興会は、福岡県下で科学技術の先進的な研究に
2009 年度の学術奨励金の贈呈先が決まり、5 人の
取り組む新進気鋭の研究者、また児童生徒の豊かな
研究者に各 200 万円の研究費が贈呈されました。
人間性を育む教育に取り組まれている学校の特色ある
以下、その内容を紹介します。
学習活動に、資金的な側面からお役に立つことは出来
かじかわ
1)柁川 一弘 様
ないかとの思いで、創業者の吉田直大が私財を投じて
創設した公益財団法人です。
当振興会は、学術奨励金、奨学金、振興助成金、
図書等の贈呈をその基本事業として活動を行って
おり、幸い創設当初より福岡県教育委員会をはじめ、
県下の各教育関係機関、学校、大学の研究機関等、
ご関係各機関から過分なご評価とご理解を賜って
おります。
また、昨今、学習指導要領の改訂に伴い、総合学習
の時間が設けられ、特に子供達の生きる力を育む教育
ということが大きな狙いとなっておりますが、当振興会
は、自然科学に興味 ・ 関心を高める理科学教育、地球
環境保全の大切さを学ぶ地球環境教育、更には広く
国際社会との協調を学ぶ国際理解教育等の推進もまた、
今日の我が国に求められている重要な教育課題では
なかろうかと考え、かかるテーマを通しての特色ある
九州大学 大学院システム情報科学研究院超伝導
科学部門・准教授
『液体水素移送ポンプ用超伝導モータの開発研究』
こひき
2)古曳 重美 様
九州工業大学 工学研究院教授
『ハーフナノメタルナノ粒子/希土類固溶導電性
酸化物ハイブリッドに関する研究』
3)藤田 克彦 様
九州大学 先導物質化学研究所・准教授
『バルクヘテロ型有機太陽電池の最適構造探索』
4)津田 祐輔 様
久留米工業高等専門学校 生物応用化学科教授
『印刷法による薄膜形成を可能とする光デバイス
用溶媒可溶型ポリマー材料の開発』
学習活動を推めておられる学校を特に支援しています。
5)恵良 秀則 様
■これまでの活動
教授
1985 年から学術奨励金、奨学金、振興助成金、図
『X 線 ・ 電子線回折を用いたスピネル型化合物の
書等の贈呈を行い贈呈した金額累計が
原子占有サイトに関する研究』
九州工業大学 大学院工学研究院物質工学研究系
4億 8 千万円
を超える支援を行ってきています。
当振興会の特徴は「学術教育の振興こそ、社会発展
の基礎であるという創設者の信念に基づき、当振興会
の行う事業の学術奨励金 ・ 振興助成金・奨学金の贈呈
等は、一切返済不要で、使用についての条件は付けな
い」ということです。
これまでの実績は
113 名 奨学金述べ人数 603 名
振興助成金(教材寄贈)
259 箇所
図書等の贈呈 726 校
学術奨励金 となっています。
10 社会・環境報告書 2010
学術奨励金を受けられた方々(前席)
社会貢献 ■奨学金
■吉田学術教育振興会最近の活動
2009 年度の奨学生の内訳は、大学生 7 名、高専生
当財団では、毎年、県内の小中高校 12 校に 50 万円
4 名、高校生 20 名の合計 31 名で、大学生と高専
相当の教材を贈呈しています。その活用風景を写真で
生 4、5 年生は年額 36 万円、高校生と高専生 1 ~ 3
紹介します。
年生は年額 24 万円で、大学入試時に給付する一時金
は 30 万円です。過去 24 年間の奨学生の人数は、年
平均 25 名ほどですが、最近は、人数、金額ともに増加
させています。
●吉田学術教育振興会
から
久留米市立篠山小学校は、「久留米水の祭典パレード」
に金管楽器マーチングバンドとして出場するなどマー
チング演奏が伝統的教育活動となっていますが、当
不況のいまこそ、地元の
振興会からトランペットとユニフォームを贈りました。
研究者や教育機関を支え
たい!
理事長
吉田 曉生
創業者である吉田直大は『家の経済事情で、
勉強のための書物を購入できなかったのが最も
辛かった』と語っていました。事業が軌道に
久留米高等学校には、プロジェクターとスクリーンを
乗り、自分と同じ思いをする人を一人でも支援
贈りましたが、課題研究活動の校内発表会でプロジェ
したいとの思いで、自分の卒業した高校に奨学
クターで成果を発表しました。
金を出し、徐々に拡大して財団設立に繋がりま
した。
また、支援先を福岡県内に限っているのは、
関東や関西に比べ九州にいると金額的にも支援
が手薄になり不利になってしまうと思うので、
少しでも地元の研究者や教育機関の支援を手厚く
したいと考えているからです。
現在の不況で財団の運営は厳しいが、支援を
止める気はありません。不況でさまざまな支援
が受けにくいからこそ、地元の研究者や教育機関
を支えたいのです。
三潴高等学校には、デジタル HD ビデオカメラ、DVD
レコーダー、液晶テレビ等を贈りましたが、スポーツ
文化コースの視聴覚教材として使用されるほか、
トレーニング状況を撮影し、上級者との比較等を行う
などスポーツへの科学的、文化的な理解に効果をあげ
ています。
社会・環境報告書 2010 11
社会貢献
佐賀・上峰事業所では 10 年前から久留米事業所では 7 年前から毎年 6 月 5 日の「世界環境デー」や
5 月 30 日の「ゴミゼロの日」に合わせて美化運動を行っています。
美化運動
■事業所周辺美化運動
■工業団地清掃活動
久留米 ・ 上峰事業所では 6 月 4 日、佐賀事業所では
上峰事業所では、
6 月の事業所周辺美化運動のほか、
6 月 5 日に事業所周辺の美化運動を実施しました。
工業団地組合主催の清掃活動や佐賀東部中核工業団地
350 名 が参加しました。
全企業合同の清掃活動に参加しています。
2009 年度は、
工業団地組合主催の清掃活動
佐賀事業所周辺美化運動
佐賀東部中核工業団地全企業合同の清掃活動
●参加者の声
住民の方からの笑顔
久留米事業所周辺美化運動
の挨拶に感動
上峰事業所
上峰管理部 管理課
古賀 和美
工場周辺の住宅付近まで空き缶やゴミを拾っ
ていると、住民の方から笑顔で挨拶して頂いた
事が印象的でした。小さな笑顔一つでも喜びを
感じる事が出来るんですね。
12 社会・環境報告書 2010
社会貢献 工場案内
地域イベントへの参加
■久留米事業所
■くるめ水の祭典
毎年、久留米事業所に隣接する南小学校から 3 年生
大電の地元久留米では、8 月 4 日「くるめ水の祭典
児童が工場見学にやってきます。2009 年度は 176 名
1 万人総踊り」が開催され、毎年参加しています。
が「校区発見」という学習の一環で、当事業所を訪れ
2009 年は 180 名が「明るく楽しくさわやかに」を
ました。
コンセプトに参加し、昼休みの時間を利用してみっちり
当事業所にある FA ロボット電線事業部を紹介する
練習を行いその成果を披露しました。
DVD は今回も大変好評で、また、工場内は元気いっ
8 月という酷暑の中を 2 時間踊り続けますが、全員
ぱいの小学生たちで賑わいました。
気持ちのよい汗を出しながら踊ることができました。
そろばんおどり
元気に質問する小学生
■佐賀事業所
毎年、300 名ほどの方々を工場案内しておりますが、
2009 年度も日本電気技術者協会 51 名を始め、多く
の方々にお越しいただきました。ありがとうございま
した。
●参加者の声
●工場案内者の声
当社を少しでも理解してい
お祭りも「明るく楽しく
ただきたいと思っています
元気に」やっています
佐賀事業所
管理本部
管理部 総務課 課長
総務部 総務課
旭爪 弘之
坂口 熊夫
工場案内の機会は頻繁にあり、気を遣います
ので結構大変ですが、お越しいただく方に少し
でも当社をご理解いただけるよう大きな声で
楽しく説明するように心掛けております。私の
キャラも活かして、より明るい工場見学に努めて
真夏に開催されるため、汗だくになってしまう
祭りなのですが、いつも楽しく参加しています。
この歳になっても愉快に踊れることが元気
な証拠なんだなあとつくづく感じています。
います。
社会・環境報告書 2010 13
安全衛生/健康
2003 年に労働安全衛生マネジメントシステムを構築し運用しています。リスクアセスメントやメンタル
ヘルス対策などを行い、働きやすい環境づくりに努めています。
安全衛生マネジメントシステム
安全衛生標語
■災害発生状況
■安全標語
2009 年は、休業災害 0 件、不休業災害 1 件という
応募総数 497 件の中から優秀作品(1 ~ 3 位、佳作)
結果となりました。
を選考し、表彰しました。
不休業災害につきましては、原因究明後、再発防止
1位 無災害 !!「今から」「ここから」「自分から」
を図っております。
2位 ヒヤリ、ハットは危険の合図
■教育実施
すぐにつみ取れその危険
2009 年度は、以下のような安全衛生教育を実施
2位 慣れから生まれる「だろう」作業
しました。
「かもしれない」でつみ取る危険
1)安全衛生方針や目標を理解させる教育
習慣づけよう危険予知
2位 気をつけよう 油断が過信が怪我のもと
2)リスクアセスメント実践教育
3)KYT 実践教育
●1位受賞者の声
4)社内外の災害事例活用の類似災害防止教育
5)作業手順書遵守教育
6)メンタルヘルス教育
7)交通安全教育
1 位になって思うこと
8)内部監査員教育
久留米事業所
FA ロボット電線事業部
●リスクアセスメントとは
これまでの労働災害防止は、事故が起きてから
製造課
橋本 浩二
その原因を分析して事故の再発防止を図るという
1 位になってびっくりすると同時に大変光栄な
後追いのやり方でしたが、技術の進展等により、
ことだと喜びましたが、入賞を機会に「今から」
多種多様な機械設備や化学物質等が生産現場で
用いられるようになり、その危険性や有害性が
「ここから」「自分から」ゼロ災害をリードして
いきたいと思っています。
多様化してきています。
リスクアセスメントは、職場の潜在的な危険性
又は有害性を見つけ出し、これを除去、低減する
ため手法で、危険を事前に見つけて防止しようと
する先取りのやり方です。
■衛生標語
応募総数 472 件の中から優秀作品(1 ~ 3 位、佳作)
を選考し、表彰しました。
1位 ちょっとした 目配り気配り心掛け
みんなで築く 快適職場
2位 心の健康 笑顔が一番
みんなできずこう 明るい職場
2位 心と体の健康管理、
さわやか笑顔で明るい職場
2位 続けよう心と体の健康管理
未来のあなたに健康貯蓄
14 社会・環境報告書 2010
安全衛生/健康 メンタルヘルス対策
DY 駅 dEN(ダイ駅デン)大会
■産業医によるメンタルヘルスケア講習会
■大会開催の経緯
全国労働衛生週間準備月間の行事として、管理監督
チーム毎に歩数を競う社内イベントで、従業員の
者および産業保健スタッフ等を対象にメンタルヘルス
生活習慣病予防を目的に 1999 年に開始して以来、
ケア研修を実施しました。
「ストレスとは?」
「部下の
毎年行っています。 SOS サインを見つける」など管理監督者の立場に沿った
団体賞、チームワーク賞、 継続賞があります。
内容での講義に 65 名が参加しました。
管理監督者は、部下の業務状況やストレス要因を
日常的に把握し、その改善を図ることができる立場に
ありますので、今回の研修で得た知識を有効に活用
してまいります。
(佐賀事業所 27 チーム参加)
賞
チーム名
1 日平均歩数
1位
シース職人
16,771
2位
高圧 職人
16,135
3位
ライオン
15,440
4位
ザ・ベテラン
13,687
5位
チーム サバイバル
13,326
(久留米事業所 18 チーム参加)
メンタルヘルスケア講習会
健康教室
■保健師による健康教室
前年の健康診断でメタボ予備軍が増えている結果を
受け、職場で手軽に実践できるメタボ予防体操の指導
賞
チーム名
1 日平均歩数
1位
崖っぷち中年体
15,006
2位
N・B・M たなか
14,916
3位
M・K・F
12,019
4位
一寸先はメタボ
11,375
5位
F ロボウォーキング部
11,128
を受けました。
そのポイントは
1)有酸素運動に加えて筋量を増大することができる
筋力トレーニングを加えること
2)40 歳以降は下肢の筋肉量は年 1%の割合で減少 していくと言われる
3)時間がないということを理由に運動を避けるケース
が多いので、日常生活の中に筋力トレーニングを
取り入れる
(上峰事業所 12 チーム参加)
賞
チーム名
1 日平均歩数
1位
イルネックス
13,425
2位
FujiKITA 珍道中
12,360
3位
SS-05
11,910
4位
リークⅠ
11,207
5位
ロジユニバース
11,098
健康教室
社会・環境報告書 2010 15
リスクマネジメント/従業員満足
情報セキュリティや新型インフルエンザ対策にいち早く対応するとともに自己啓発、相互啓発につながる
小集団活動(DYP 活動)やライフプランセミナー開催などを行っています。
情報セキュリティ対策
BCP(事業継続計画)
■情報セキュリティへの取り組み
■新型インフルエンザへの対応
2005 年 4 月に個人情報保護法が全面施行され、
当社では、これまでいち早く新型インフルエンザ
企業からの個人情報流出事故がニュースを賑わす
対策を実施してきております。
ようになり、当社においても以下のような対応を
具体的には、2008 年度から検討を進め、第 1 段の
行いました。
対策として全従業員 2 ヶ月分のマスクを購入配備し
まず、当社におけるセキュリティの状況を網羅的に
ました。2009 年 5 月には「新型インフルエンザ対策
洗い出し、体系だったセキュリティ対策を行うべく
マニュアル」を発行するとともに、新型インフルエンザ
2006 年 6 月から 2 ヶ月間、外部機関によるアセス
流行に際しては、社長を総本部長とする対策総本部を
メントを実施しました。
立ち上げ、迅速な対応を行いました。また、2009 年
その後、情報セキュリティマネジメントを全社的 ・
10 月には営業拠点向けに在宅勤務用パソコン配備を
効果的に推進するため、2006 年 10 月に「情報セキュ
行いました。
リティ委員会」を組織化し、組織規程を制定し、セキュ
今後は、強毒型に備え BCP(事業継続計画)の中に
リティ対策のための社内体制を構築しました。
組み入れる検討を行ってまいります。
そして、2007 年 11 月に先に実施しましたアセス
メントの結果、リスクや有効性が高い項目について
「情報セキュリティ対策標準」を制定しました。
●担当者の声
加えて 2009 年 5 月に、情報セキュリティに関する
会社の基本方針を定めた
「情報セキュリティ基本規程」
を定めました。
以上のような経過を経て、当社の情報セキュリティは
備えあれば憂いなし
構築され、現在、維持 ・ 運用に努めているところです。
管理本部
●対応者の声
従業員全員が共通認識を
持つ必要があります
管理本部
情報システム部
総務部
仲間 公亮
6 月の WHO によるインフルエンザパンデミック
警戒レベルがフェーズ 5 からフェーズ 6 に引き
上げられたときは、とまどいましたが、強毒型
の新型インフルエンザへの予行演習も兼ねて
対応しました。それらの経験を今後の発生に
備えたいと考えています。
溝口 幸治
情報セキュリティは、しばしば「桶」に例え
られます。桶一杯に溜めた水は、ある 1 箇所が
欠けて低いところがあれば、水が流れて水位が
下がり、どんなに水を足しても水位は上がりま
せん。桶が情報セキュリティ対策であり、水が
情報資産です。従業員全員が共通の認識を持っ
て取り組まなければ、桶のように情報資産が流
出してしまいますので、今後も、従業員全員の
意識向上を図っていきたいと考えています。
16 社会・環境報告書 2010
■天災発生時の対応
天災では、特に地震の発生が考えられますので、
万一大きな地震が発生した際に、お客さまにご迷惑を
かけないための体制を確立しております。
具体的には、お客さまへの資材供給をストップさせ
ないための方策を立て実行に移しています。今後は、
新型インフルエンザ対策同様、BCP の一環に組み入れる
検討を行い、お客さまにご迷惑をかけないような対応
を図ってまいります。
リスクマネジメント/従業員満足 DYP活動
ライフプランセミナー
■DYP活動とは
■セミナー開催の経緯
1983 年から活動を開始しました当社独自の小集団
当社では、1994 年から定年を間近に迎えた 53 歳
活動です。発足にあたっての創業者吉田直大の言葉の
以上 57 歳以下の社員を対象にライフプランセミナー
一部を紹介しますが、現在にもあてはまる言葉だと
を開催してきています。
思います。
本セミナーは、現在までの仕事人生をふり返り自分
「今日までのようなバラ色の日本から灰色の日本に
を棚卸しし、これから定年まで、さらには雇用延長の
なることは明らかである。灰色の世の中では油断すれば
60 歳を見据えて、活き活きとした職業生活 ・ 家庭
暗黒の部に追い込まれる。我社を暗黒の会社にして
生活を築くために役立つ情報を提供する参加型研修
はならぬ。これが DYP 活動を発足さす理由である。
です。
光のための目標達成、今まで蓄積されたパワー、今後
実際のセミナーは、グループミーティング等を交え、
培われるパワー、これまでの活動にパワーを加える
なごやかな雰囲気で行われ有意義な研修と言うことで
ことである。世の中は綱引きと同様、統制がとれた
好評を得ています。
組が勝つ。個の力が如何に強くとも足並み乱れては
力にならぬ。DYP 活動も一口で言えば綱引きのように、
みんなが同一の目的に向かい、持てるすべての力を
合わせ発揮することである。
百の議論、
百の批評より実践である。傍観は許さぬ。
今日の仕事に全力をあげて取り組み、我等の信條の
神髄が DYP 活動により発揮され結実することを期待
する。
」
■活動紹介
2009 年度の発表会で発表されたテーマの一部を紹
介します。
定年後のライフプランを発表する受講者
職場
テーマ
●受講者の声
研究開発部
スパイラルハンガー通線
工具の開発
東京支社
受注業務および消し込み
業務の効率化
関西支店
支払い条件変更の検討
九州支店
引当在庫について
佐賀事業所電力機器部
ゴム成形工程の経費削減
佐賀事業所品質管理部
検査業務の効率化
いたら、年老いてしまいます。奇跡とでも言える
久留米事業所製造部
筒型撚線機の線速 UP および
品質安定化について
は、
「この世で何をなすべきか」を真剣に問い
久留米事業所品質管理課 断混線試験器の効率化
配偶者と話す時間が、平日平均 6 分、休日
平均 11 分という話がありましたが、私も家内
の話をきちんと聴いていないところがあるので、
話をきちんと聴いて、また、聴く時間を長く
したいと思いました。
相田みつをの詩で「そのうち そのうち 弁解
しながら 日が暮れる 今来た道には帰れない」と
いう詩の紹介がありましたが、そのとおりだと
思いました。何でも、そのうちそのうちと言って
ような機会を得て、この世に生を受けた私たち
発見し、それを実践していかなければならない
と思うことができ有意義なセミナーとなりまし
た。
社会・環境報告書 2010 17
環境パフォーマンス
環境方針では、環境負荷低減のため、環境に配慮した製品化、グリーン調達、有害化学物質の管理、
廃棄物の削減、省エネルギーという 5 項目に重点をおいた取り組みを行っています。
環境方針
2006 年 3 月の環境部設立に伴い、全社の環境マネジ
メント体制を整備し、全社環境方針、環境マネジメント
組織を定めました。この方針や環境影響評価結果など
に基づき、事業所毎の方針を定め、環境配慮活動を
展開しています。
●基本理念
大電株式会社は「環境問題が人類共通の重要
●環境管理責任者の声
課題である」ことを認識し、企業活動のあらゆる
面でよりよい地球環境への保全を目指して活動
し、製品及びサービスの提供を通じて、社会に
貢献する。
ISO14001 を有効に活用
して経営改善を!
●行動指針
1.環境保全への取り組みを経営の重要課題の
一つとして位置づけた環境経営を推進する
とともに、ISO14001 規格に準じた環境マネジ
メントシステムの充実を図り、継続的な
改善及び汚染の予防に努める。
2.国内外の環境関連法令、条例及び同意する
その他の要求事項の遵守はもとより、その
維持、向上に努める。
3.事業活動、製品及びサービスにおける環境
側面に対する負荷低減のため次の項目を
重点的に取り組む。
(1)環境に配慮した製品化
(2)グリーン調達
(3)有害化学物質の管理
(4)廃棄物の削減
(5)省エネルギー
4.環境目的、目標を定め、環境改善活動を実施し、
定期的な見直しを行う。
5.環境方針は、組織で働く人又は組織のため
に働く全ての人に周知し、環境保全に関する
教育を通じ意識の高揚を図る。
6.この環境方針は、一般に公開する。
18 社会・環境報告書 2010
管理本部
環境部 部長
冨田 辰男
佐賀 ・ 上峰事業所は 1999 年 11 月に、本社 ・
久留米事業所は 2002 年 1 月に ISO14001 認証
を取得し、環境リスク低減や法の遵守さらには
環境配慮製品の開発などの環境改善活動を
推進しています。
ところで、昨今 ISO14001 のマンネリ化や
認証取得企業の不祥事などが指摘される中、
当社では、この ISO14001 というツールを
活用し会社の経営改善が図れるようシステムの
中心で活躍する内部監査員や環境影響評価者の
レベルアップ教育に力を注いでいます。
また、2010 年度からはマネジメントレビュー
が有効に機能するようプロセスアプローチ手法
を取り入れた改善を行っています。
今後も、この ISO14001 を有効に活用し、
ステークホルダーさまの安心につながるよう尽力
してまいります。どうぞよろしくお願いします。
環境パフォーマンス 環境マネジメントシステムの状況
■環境マネジメント組織図
各事業所
実行組織
管理
内部監査員
環境事務局
環境部
営業
技術
(関係会社)
社長
環境担当役員
事業所長
環境管理責任者
大電産業
業務
法的責任者
製造
・・・
本社・久留米事業所と佐賀 ・ 上峰事業所の 2 つの
サイトで、事業所長をトップに各サイトの環境側面を
JQA-EM2103(本社 ・ 久留米事業所)
考慮したマネジメントを行っています。
JQA-EM0608(佐賀事業所)
(各サイトで ISO14001 を取得)
■環境監査
■環境教育
本社 ・ 久留米事業所及び佐賀 ・ 上峰事業所では、
新入社員や管理監督者層及び関連会社も含めた従業員
ISO14001 の要求事項や環境マネジメントシステムに
に対して、業務を推進する上で必要な環境保全教育を
基づく取り決めが確実に実行されているかを確認する
実施しています。
ため、内部監査と審査機関による監査を実施し、シス
2009 年度は不況のあおりを受け、費用のかかる
テムの継続的改善に努めています。
社外教育を受講させることが出来ませんでしたが、
代わりに社内教育を充実させました。
内容は新入社員教育や内部監査員養成セミナー、
内部監査員レベルアップセミナー、有益な環境側面
抽出レベルアップセミナーなどです。
外部審査の様子(工場案内の写真)
新入社員教育の様子
社会・環境報告書 2010 19
環境パフォーマンス
当社では、環境方針や環境関係法規制、環境影響評価結果などをもとに環境目的 ・ 目標を設定し、改善
活動に積極的に取り組んでいます。
環境目標と実績
■ 2009 年度実績
2009 年度は、環境に配慮した 製品化、グリーン調達の推進、省エネルギーの推進などに関するテーマを掲げて
推進し、ほとんどの部門で目標達成することができました。
テーマ
環境に配慮
した 製品化
グリーン調達
の推進
2009 年度目標
目標値
実績
評価
環境に配慮した被覆材料を
開発・ 改良する
1 件以上
1件
○
可動用ケーブルのリリース
3 件以上
7件
○
リンとボロンの含有調査回収率
90%以上
100%
○
チタンと亜鉛及びその化合物の含有
調査回収率 90%以上
100%
○
フマル酸ジメチルの含有調査回収率
90%以上
96.4%
○
REACH AIS 調査回収率
90%以上
90.4%
○
情報シート ・ 不使用保証書の回答率
100%を達成する
100%
○
1)REACH 対応への支援
2) 当社データベース構築の検討支援
など 2 件以上の支援を行う
2件
○
3,268MH
○
1,687MH
○
88.3%
○
21.8%
○
717 万円
△
取引先からの禁止物質非含有
保証品の調達活動を実施する
グリーン調達の運用実績を高める
有害化学物質
管理活動の
REACH 対応支援
推進
工数の低減 1,800MH/ 年以上
(電力製造)
省エネルギーに貢献するため
省エネルギー
に、生産効率の改善活動を推進
の推進
する
工数の低減 1,200MH/ 年以上
(光通信製造)
使用する木製ドラムのうち、再生
木製ドラムの使用率、物流輸送 ドラム使用比率 81%を維持する
におけるモーダルシフトの目標
値を維持する
環境配慮活動
物流輸送におけるモーダルシフト率
の推進
19%を維持する
VE 提案、効率的な生産指示等
800 万円以上
によるコスト削減
(評価)○:達成率 100%以上 △:達成率 60%以上 100%未満 ×:達成率 60%未満
20 社会・環境報告書 2010
環境パフォーマンス ■ 2010 年度目標
2010 年度も引き続き、環境に配慮した 製品化、グリーン調達の推進、省エネルギーの推進などに関するテーマ
を掲げ環境保全活動を推進してまいります。
テーマ
環境に配慮
した製品化
2010 年度目標
目標値
環境に配慮した製品の技術確立を推進する
2 件以上
長寿命化製品の開発
3 件以上
化学有害禁止物質の含有調査
1) 化学有害禁止物質情報の共有化
2) 調査対象品の選定および取引先への報告依頼
回収率 90%以上
3) 禁止物質情報の収集と依頼部署への提供
グリーン調達
の推進
グリーン調達の運用実績向上
改正省エネ法対応
省エネルギー
の推進
REACH 取り組み状況アンケートの回収率
70%以上
エネルギー管理企画推進者業務及び全社定期
報告書 ・ 中長期計画書提出業務を確立する
工数の低減 1,000MH/ 年以上
省エネルギーに貢献するために、生産効率の
改善活動を推進する
(電力製造)
工数の低減 1,000MH/ 年以上
(光通信製造)
使用する木製ドラムの内、再生ドラム使用
木製ドラムの使用率、物流輸送におけるモーダル
環境配慮活動
の推進
シフトの目標値を維持する
比率 82%以上を維持する
物流輸送に於けるモーダルシフト率を 20%
以上を維持する
VE 提案、効率的な生産指示等によるコスト削減
800 万円以上
社会・環境報告書 2010 21
環境パフォーマンス
当社は、事業活動が環境に与えた影響をマテリアルフローで表すとともに、環境保全に関わる費用と
その効果を定量的に把握・分析し環境会計として情報開示しています。
マテリアルフロー
INPUT
OUTPUT
資源
排出物
上水道 27,589 t 地下水 31,805 t 工業用水 CO2 排出量
開発設計
159,504 t 銅 7,667 t アルミ 1,200 t 調達
廃棄物排出量
111 t 廃油排出量
58.3 KL 排水量
203 千 t (t)
廃棄物排出量
250
200
エネルギー
7,211 t 199
192
150
電力 16,102 MWH
378 KL 重油 50
3
LPG 9 千m
軽油 31 KL ガソリン 13 KL 111
100
0
2007
2008
2009 (年度)
生産
(KL)
廃油排出量
150
115
87
100
58.3
(MWH)
25,000
20,000
50
電力使用量
19,959
販売
19,858
0
2007
16,102
2008
2009
(年度)
15,000
排水量
(千 t)
10,000
220
5,000
215
0
2007
2008
2009
216
215
210
(年度)
使用
203
205
200
195
2007
●産業廃棄物の費用削減について
当社では、以前より産業廃棄物の削減に取り組んで
います。佐賀事業所では、産業廃棄物処理費用が
(万円)
1,000
600
これは、産業廃棄物そのものの排出を抑制した
400
ほか、有価物への転換が難しい産業廃棄物を有価物
200
(年度)
産業廃棄物処理費用
528
0
2007
22 社会・環境報告書 2010
2009
760
800
2009 年度は 2007 年度に比べて半減しました。
へ転換した結果です。
997
2008
2008
2009
(年度)
環境パフォーマンス 環境会計
■環境保全コスト
■環境保全対策に伴う経済効果
環境保全コストは、環境負荷発生の防止や抑制、
環境保全対策に伴う経済効果とは、環境保全対策を
回避、環境影響の除去、発生した被害の回復または
進めた結果、当社の利益に貢献した効果を金額で集計
これらに資する取り組みのための投資額および費用額
したものです。
を集計したものです。
分類
投資額
1) 公害防止コスト
事業エリア内
2) 地球環境保全
コスト
コスト
研究開発コスト
環境損傷対応
コスト
研究開発
0
3.1
0
1.8
8.5
0
7.1
76.1
67.4
0
2.3
ISO14001 審査、
緑化等
環境配慮製品の
費用額
0
3) 資源循環コスト
管理活動コスト
(単位:百万円)
(単位:百万円)
土壌調査
分類
効果の内容
収益
金額
廃棄物の有価物としての売却益
費用削減
省エネルギーによるエネルギー
費の節減額
合計
0.4
11.6
12.0
●環境会計実施者の声
■環境保全効果
環境保全効果は、環境負荷発生の防止、抑制又は
回避、影響の除去、発生した被害の回復またはこれら
に資する取り組みによる効果を物量単位で集計した
ものです。
データを目に見える形に
していく喜び
事業活動に投入する資源に関する環境保全効果
2008 年度 2009 年度 2008 年度
実績
新エネルギー投入量
水資源投入量
実績
との差
209TJ
172TJ
-37TJ
238 千 t
219 千 t
-19 千 t
2008 年度 2009 年度 2008 年度
温室効果ガス排出量
総排水量
廃棄物総排出量
熊倉 毅
私が環境会計を実施してみて気づいたこと
があります。それは当社の環境配慮製品の
研究開発にかける投資 ・ 費用の金額の大きさ
は 144 百万円となりました。厳しい経済情勢
廃棄物に関する環境保全効果
実績
環境部
で す。2008 年 の 47 百 万 円 に 対 し、2009 年
事業活動から排出する環境負荷および
実績
管理本部
との差
8,647t
7,211t
-1,436t
215 千 t
203 千 t
-12 千 t
192t
111t
-81t
の中でも環境配慮製品開発に資源を投入して
いることを改めて認識することが出来てうれ
しくなりました。
環境配慮は時代の要請でもあります。それ
にきちんと応えることによって社会ひいては
お客さまとの信頼も生まれるのだと考えて
います。
社会・環境報告書 2010 23
環境パフォーマンス
当社では、環境マネジメントプログラムに基づく省エネ活動や日常の省エネ活動、さらにはクールビズ、
ウォームビズ、業務の効率化などを通して CO2 排出量削減に取り組んでいます。
地球温暖化防止
■エネルギー使用量と CO2 排出量
●エネルギー使用量の推移
電気
重油
2005 年
2006 年
2007 年
2008 年
2009 年
20.1GWH
20.3GWH
20.0GWH
19.9GWH
16.1GWH
(TJ)
250
444KL
250KL
402KL
370KL
378KL
200
19 千 m3
21 千 m3
17 千 m3
14 千 m3
9 千 m3
150
軽油
30KL
37KL
39KL
38KL
31KL
100
ガソリン
18KL
17KL
13KL
15KL
13KL
50
214.9TJ
209.3TJ
211.5TJ
208.9TJ
172.2TJ
LP ガス
合計
0
エネルギー使用量
211.5
208.9
172.2
2007
2008
2009 (年度)
● CO2 排出量の推移
2005 年
電気
重油
2006 年
7,525t
7,595t
2007 年
7,465t
2008 年
7,427t
2009 年
6,022t
1,199t
674t
1,086t
999t
1,021t
LP ガス
121t
130t
105t
88t
57t
6,000
軽油
79t
96t
103t
98t
82t
4,000
ガソリン
42t
39t
31t
35t
30t
2,000
8,965t
8,534t
8,789t
8,647t
7,211t
合計
CO2 排出量
(t)
10,000
8,789
8,647
7,211
8,000
0
2007
2008
2009
(年度)
(注)2005 ~ 2009 年の電気の CO2 換算係数は 0.000374t/KWH を用いました。
●省エネ担当者の声
■チーム ・ マイナス 6%への参加 2009 年、当社は京都議定書の目標達成に向け
た地球温暖化防止の国民運動である「チーム ・ マイ
ナス 6%」に参加しました。
クールビズ ・ ウォームビズ活動については、2005
年より取り組みを開始しており、例えば、本社ビル
日常の業務を通して省エネルギー
活動を通して貢献
佐賀事業所
では運動の実施前と実施後の使用電力量を比較しま
設備技術部 保全課長補佐
すと、クールビズで約 30%、ウォームビズで 10%
池上 政光
の削減を実現しています。
私たち保全課員は省エネ設備の導入や日常の保全
活動を通してエネルギーの削減に努めています。
2009 年度は厳しい経済情勢が続く中、設備導入
が出来なかったためエア漏れ削減などの地道な省エネ
活動に努めました。
また、久留米事業所では「CO2 排出量原単位を
2012 年度に 2009 年度比で 3%以上削減する」として
活動を開始しました。私たちはこの目標達成を
支援するために知恵と工夫を駆使した活動を行って
24 社会・環境報告書 2010
まいります。
環境パフォーマンス 環境コミュニケーションと法令遵守の状況
■環境コミュニケーションの状況
項目
社会・環境報告書の
活用
■法令遵守の状況
内容
主な法律名
久留米
佐賀
事業所
事業所
基準値オー
当社のホームページに掲載する
とともに、工場見学者やお客
騒音規制法
○
さまに配付しています。
2006 年 10 月 17 日に締結しま
バーのため
騒音対策
実施中
振動規制法
○
○
大気汚染防止法
-
○
○
○
○
○
久留米市へ環境負荷 した「環境共生都市づくり協定」
低減計画提出
に基づき 2009 年度の環境負荷
低減計画を提出しました。
エネルギーの使用の合理化に
関する法律
廃棄物の処理及び清掃に関す
●環境ニュースの発行
社内コミュニケーションの一環として、環境ニュー
スを発行しています。
またトピックスとして、REACH 対応状況や改正省
エネ法の情報提供などを行うことで、社員の環境意識
の向上を図っています。
る法律
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の
適正な処理の推進に関する特
○
-
別措置法
(PCB 廃棄
物保管中)
容器包装に係る分別収集及び再
○
○
工場立地法
○
○
毒劇物法
-
○
-
○
-
○
商品化の促進等に関する法律
特定化学物質の環境への排出
量の把握等及び管理の改善の
促進に関する法律
土壌汚染対策法
○:問題なし
-:該当しない
環境ニュース
社会・環境報告書 2010 25
環境パフォーマンス
地球環境保全の必要性が益々高まる中、環境に配慮した設計 ・ 開発が重要な使命となっています。
ここでは 2009 年度に開発しました環境配慮製品の一部を紹介します。
環境配慮製品の開発
■機器内配線用電線(Dy-SOFT)の開発(技術部)
■耐トラッキング引込線の開発(技術部)
高柔軟性でかつ耐熱性に優れる機器内配線用電線
耐トラッキング性引込線を開発、2009 年 7 月から
(Dy-SOFT)を開発し、2009 年 9 月から販売を開始
納入を開始しました。従来、低圧引込線は DV(PVC
しました。絶縁材は当社開発品で、環境負荷を配慮
絶縁)が使用されていますが、絶縁体を耐燃性ポリエ
した鉛フリー ・DOP フリーの PVC で優れた柔軟性を
チレンベースとし、環境負荷を低減しました。
実現しました。
耐燃性ポリエチレン(着色部)
導体
耐燃性ポリエチレン(黒)
機器内配線用電線(Dy-SOFT)
■平型検知用電線(HEDF)の開発(技術部)
● Dy-SOFT 材料開発者の声
従来、鉄道会社にて盗難検知用としてIV電線を
使用されていましたが、環境負荷低減と外径コンパクト
化を考慮した平型検知線 ( 高密度ポリエチレン絶縁 )
発想を変えて、新たな材料を
を開発、2009 年 8 月から納入を開始しました。
開発しました
技術開発本部
研究開発部
使用状況
材料開発グループ
大久保 欣史
研究開発部の材料開発グループでは、以下のような
考えで環境に配慮した材料開発を行っています。
1)規制物質 ・ 懸念物質の削減
塩ビタイプ:RoHS 指令対応、DEHP フリー
非塩ビタイプ:RoHS 指令対応、ハロゲンフリー
2)作業の効率化 ・ コンパクト化
可とう性に優れた電線にすることができるので、 配線が楽になり良くなり、小さく曲げやすくなる ので機器をコンパクトにすることができます。
3)耐久性の向上
耐熱性、耐摩耗性に優れており非塩ビタイプに
ついては特殊配合により傷付き白化もありません。
ところで、今回の開発にあたってはプラスチック
平型検知用電線(HEDF)
■配電遠制用光 ・ メタル複合ケーブルの開発
(技術部)
電力会社の将来の光IP配電遠制方式に向けて、配電
遠制用光 ・ メタル複合ケーブルを開発し、2009 年 7 月
から納入開始しました。本製品は、光エレメントと
通信線を撚り合わせることにより従来の光複合ケーブル
に比べて細径化を実現し、外被に鉛フリー PVC を
使用しています。
材料を軟らかくしていくと、一般的に電線被覆材と
して必要な性能が低下していきます。しかし、当被覆材
は特殊配合により、高柔軟でありながら被覆材に必要
な性能を維持 ・ 向上させることができました。
配電遠制用光 ・ メタル複合ケーブル
26 社会・環境報告書 2010
環境パフォーマンス ■マルチ認証ケーブルの開発
(FA ロボット電線事業部)
■メディアコンバータ RoHS 対応への取り組み
(ネットワーク機器部)
欧州 ・ 米国 ・ 中国 ・ カナダ ・ 日本の各種規格に対応
EU が 2006 年 7 月 1 日 に 施 行 し た 有 害 物 質 規 制
した認証ケーブルです。
RoHS 指令の対象物質である鉛、水銀、カドミウム、
マルチ対応にしたことにより、お客さまにとりまし
六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニル
ては出荷する国によるケーブルの選定の手間が省け、
エーテルに対して、いち早く RoHS 指令への対応に
また使用範囲が広いケーブルであるため、在庫削減が
取り組み RoHS 指令施行前に RoHS 対応製品をリリース
期待出来ます。
しました。
また、製品の小型化をはじめ、電源電圧を他社に
比べて低くすることで低消費電力化を図るなど、常に
環境に優しい製品作りを心がけています。
マルチ認証ケーブル
●マルチ認証ケーブル
開発者の声
お客さまに喜んでいただける
製品づくりをしたい
メディアコンバータ
久留米事業所
FA ロボット電線事業部
技術部 技術課
彌永 幸聞
開発のきっかけは、お客さまから「輸出先ごとに
ケーブルを準備すると在庫も増えるのでマルチ認証
ケーブルが出来ないか」
という要望を受けたことです。
ケーブル規格を調査すると国ごとに要求が異なり、
製品化には長期間を要しましたところが苦労した点
です。
しかし、なんとか製品化出来ましたことでお客さま
■高圧絶縁カバー鉛フリー化(産業機器部)
電力向け高圧絶縁カバーは従来、鉛を含んだ材料を
使用していましたが、今回鉛フリーの材料へ変更しま
した。これにより産業機器部で使用しています成形
材料は全て RoHS 指令にて規制されている 6 物質を
含有しない材料になりました。
の在庫削減やケーブル断線による廃棄物の低減が期待
でき満足しています。
●エコラベル
JIS 改訂により J-MOSS グリーン
マークを使用できなくなったため
新たな環境ラベルを制定し、ネット
ワーク機器製品に使用しています。
エコラベル
高圧絶縁カバー
社会・環境報告書 2010 27
環境パフォーマンス
化学物質管理は当社だけが行っても不十分で、サプライチェーン全体で化学物質管理体制を構築 ・ 運用し
情報を伝達する必要があります。そのため、お取引先さまにも化学物質管理体制の構築をお願いしています。
グリーン調達 / 化学物質管理
■グリーン調達
■ REACH 規則とは
EU の RoHS 指令をはじめとした有害化学物質への
REACH 規則とは、欧州連合(EU)における化学品
取り組みに対する法的規制の強化、あるいは、社会的
の登録 ・ 評価 ・ 認可および制限に関する規則で
要請が益々高まってきており、製品への有害化学物質
2007 年 6 月に発行されました。
の含有禁止等が強く求められています。
その内容は、EU に上市される製品(機器製品、部品、
当社もこのような市場環境を考慮し、環境負荷の
サプライ、包装材、製造用消耗品など)を対象に、
少ない材料や部品の調達を行うため 2005 年 8 月に
化学物質含有情報の届出、伝達などの段階的実施が
「グリーン調達基準」を制定し、お取引先さまに調達
義務付けられるというものです。
製品の環境品質に対する管理の徹底を依頼しています。
当社では、お客さまからの要請を受け以下のような
その一環として、お取引先さまには下記の 4 文書の
対応を推進しています。
ご提供をお願いしています。
1)JAMP MSDSPlus 及び JAMP AIS による川上企業
1)環境保全活動に関する取組調査表
さまからの確実な情報伝達
2)不使用証明書
2)情報収集の仕組みの構築
3)特定の化学物質含有情報シート
3)川上企業さま ・ 関連生産拠点への指導
4)事前協議書
4)情報に変更が生じた場合の速やかな新情報の伝達
また、REACH 規則に対応した JAMP MSDSPlus 及び
JAMP AIS による情報伝達が出来るよう体制整備を
● REACH 規則に伴う AIS 対応
図っております。
お客さまからの JAMP AIS 回答要請に迅速に対応
するため効率化を図るため、ケーブル主要材料の AIS
●化学物質管理体制
自動回答作成ソフト(エクセルマクロ利用)を開発し
AIS 回答作成時間を 8 分の 1 に削減することが出来ま
した。
お取引先さま
1)環境保全活動に関する取組調査表
2)不使用保証書
3)特定の化学物質含有情報シート
4)事前協議書
● AIS 調査回収状況
FA ロボット電線事業部では 2009 年 4 月から JAMP
AIS による調査を開始し、92 社のお取引先さまに対し
2009 年 12 月までに 90%のお取引先さまから調査結果
を回収をいたしました。回収は、お取引先さまの理解
を得てのコミュニケーションを多く必要とする業務
であり簡単なものではありませんでした。
当社関連部門
購買(文書回収)
下記は、その回収状況を表すグラフです。
(%)
100
100 技術(確認)
製造
80
80 60
60 40
40 20
20 0
0 4᦬
5᦬
6᦬
7᦬
8᦬
9᦬ 10᦬ 11᦬ 12᦬
4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月
28 社会・環境報告書 2010
環境パフォーマンス ■お客さまグリーン認証
■内部環境品質監査
2006 年 3 月にリコー CMS(化学物質管理システム)
ISO14001 に基づいた内部環境監査を実施する際
認証を取得し、2008 年 3 月にはソニーグリーン
に、時間を別に設定し「内部環境品質監査」を実施
パートナー認定を取得しました。また、その他のお客
しています。
さまからもグリーンサプライヤーとしての認定されて
「内部環境品質監査」とはお客さまの化学物質に
おり、個々のお客さまの要求に沿った化学物質管理を
関する要求事項に該当部門が対応できているかを監査
行っています。
するものです。
2009 年度の監査では、化学物質に関しての役割
分担が不明確なことに関して指摘がなされ改善を図る
●リコー CMS 認証
「リコー CMS 認証」とは、リコーグループ様が
ことができました。
要求される化学物質管理システムを構築し、審査を
受け基準を満たしていれば認定される制度です。
■化学物質分析
当社では RoHS 指令等対応に向けて蛍光 X 線分析
●ソニーグリーンパートナー環境品質認定制度
「ソニーグリーンパートナー環境品質認定制度」と
は、ソニー株式会社様が取引先の環境マネジメント
システムを 確認され基準を満たしていれば「グリーン
装置を保有しています。1 台は現場で簡単に分析可能
な携帯型で、もう 1 台は固定型です。
また、関連会社に設置の ICP 発光分光分析装置で
精密分析を行っています。
パートナー」として認定される制度です。その基準は
例えば、カドミウムは 5ppm 未満、鉛は 100ppm
未満に設定され、RoHS 指令より非常に厳しい ものと
なっています。
蛍光 X 線分析装置(携帯型) 蛍光 X 線分析装置(固定型)
リコー CMS 認定証
ソニーグリーンパートナー
認定証
ICP 発光分光分析装置
社会・環境報告書 2010 29
大電株式会社
〒 830-8511 福岡県久留米市南 2-15-1
発行部署(お問い合わせ先)/ 環境部
TEL:0942-51-2111 FAX: 0942-51-2222
発行/ 2010 年 4 月
次回発行/ 2011 年 4 月予定
環境にやさしい報告書作成を目指して
この報告書は、Adobe の InDesign という DTP ソフト
を用いて作成し、社内のデジタルカラー複合機にて、
小冊子印刷し発行しています。
必要の都度印刷すればよく、在庫のムダもなく環境に
やさしいといえます。 当社ホームページにも掲載しております。
http://www.dyden.co.jp
2010-05