『新しい音を恐れるな』 作品原題つきCDガイド 本書に登場する音楽作品を CD で聴くための手引きとして、作品の原題と現在手に入る代表的なディスクを紹介する。音楽の専門家 でもなんでもない、ただの素人が作ったリストなので、情報の抜けや偏りはお許しを願いたい。 ・作曲家名の原語表記は、本書巻末の索引を参照されたい。 ・訳注で挙げた曲は除く。逆に、曲名が出てこなくとも本書の理解に役立つ作品は補う。 ・後期ロマン派以前の作品は除く。 ・録音が多数ある有名曲については、市販の CD ガイド本をご参考に。 また各曲のCDは、 ・メッツマッハー自身の演奏があれば、最初に紹介する。 ・それ以外の CD の並び順は無作為。 ・現在は廃盤でも、すぐれた録音は復活の可能性があるので紹介する。 ・選択肢が圧倒的に多く、価格も安い海外盤をおもに選んだ。 海外の通販サイトで検索するときの便を考え、演奏者名は原語のままとした。 レーベル名のあとの[ ]は、カップリング曲、アルバム名、発売形態などを示す。 これらの CD は大手チェーン店(タワーレコードや HMV)の店頭や直営の通販サイト(tower.jp, www.hmv.jp)で購入できるほか、 Amazon などインターネット通販でも扱っている。 海外の CD 通販サイトについては、この資料の最後にまとめておいた。また海外の DVD は日本の TV では再生できないこともあるの で、不安があれば国内の CD ショップで確認してから買うとよい(パソコン上で見る場合は問題なし)。 ★レーベル名の略号 DG=Deutsche Grammophon HM=Harmonia Mundi MDG=Musikproduktion Darbinghaus und Grimm Ph.=Philips Naxos や Brilliant のような廉価盤専門レーベルの商品や、それ以外で も1枚あたり 1500 円以下程度の海外盤には、声楽曲の歌詞はついてい ないものと思った方がよい。ただし最近は、メーカーのウェブサイトで ダウンロードできるものが増えつつある。 ★団体名の略号 Bav.RSO=バイエルン放送交響楽団 BPO=ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 CBSO=バーミンガム市交響楽団 CO=室内管弦楽団 EIC=アンサンブル・アンテルコンテンポラン LPO=ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 LSO=ロンドン交響楽団 NYPO=ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団 O=管弦楽団、オーケストラ ONDF=フランス国立管弦楽団 ORTF=フランス国立放送管弦楽団 Philh.O=フィルハーモニア管弦楽団 RCO=ロイヤル(アムステルダム) ・コンセルトヘボウ管弦楽 団 RSO=放送交響楽団 SO=交響楽団 SQ または Q=弦楽四重奏団 SWRSO=南西ドイツ放送交響楽団(現在のバーデン=バーデ ン・フライブルク SWR 交響楽団) VPO=ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ぼくの父 ヴェーベルン: 『チェロとピアノのための3つの小品』Drei kleine Stücke für Violoncello und Klavier op.11、 『チェロとピアノのため の2つの小品』Zwei Stücke für Cello und Klavier、 『チェロソナタ』Cellosonate *Clemens Hagen (DG) [Complete Webern] 6CD *Bruno Weinmeister (Arte Nova) ヴェーベルンのチェロ作品は上記3曲のみ。ハーゲン盤はヴェーベルン全集の中の1枚。 1 ある作曲家との対話 アントン・プラーテ *作曲者指揮による作品集(Wergo) [Moon a pale imitation / Greasy Luck / The Sting] 時間 B.A.ツィンマーマン『若き詩人のためのレクイエム』Requiem für einen jungen Dichter *B. Kontarsky / Holland SO ほか (Cybele) *Bertini / Köln RSO ほか (Wergo) 最新のコンタルスキー盤が圧倒的。初演者ギーレンの録音(Sony)は廃盤。 アルバン・ベルク:ヴァイオリン協奏曲 Violinkonzert *Anne-Sophie Mutter / Levine / Chicago SO (DG) *Thomas Zehetmair / Holliger / Philh.O (Apex) [ヤナーチェク、ハルトマンの協奏曲] *Louis Krasner / Webern / BBC SO (Testament) 録音多数。最初の1枚なら表情豊かなムター盤。廉価盤のツェートマイアはクールで選曲よし。初演者クラスナーによる’36 年ライヴ は貴重な記録。 チャールズ・アイヴズ 『ニューイングランドの三つの場所』Three Places in New England (Orchestral Set No. 1) *Ormandy / Philadelphia.O (Sony) [交響曲第1番、R.ブラウニング序曲] *Swierczewski / Gulbenkian O (Nimbus) [R.ブラウニング序曲、答えのない質問ほか] *J. Sinclair / Malmö SO(Naxos) [3つのオーケストラル・セット] *Marriner / Cleveland O (Decca) [3名の指揮者による交響曲全集] 2CD すぐれた演奏だったジンマン Zinman (Argo)、マイケル・ティルソン・トーマス(DG)とも廃盤。 『音の道』Tone Roads、 『舗装道路の上を』Scherzo:Over the Pavements、 『はしご車のゴング』 『イェールの鐘』The Bells of Yale、 The Gong on the Hook and Ladder *Metzmacher / Ensemble Modern (EMI) [アイヴズ作品集] アイヴズ入門に最適の1枚。 『ロバート・ブラウニング序曲』Robert Browning Overture *Metzmacher / Bamberg SO (EMI) [ハルトマン 交響曲第3番] *Stokowski / American SO (Sony) [交響曲第1番、ニューイングランドの三つの場所] *Swierczewski / Gulbenkian O (Nimbus) [ニューイングランドの三つの場所ほか] 交響曲第2番 Symphony No.2 *Bernstein / NYPO (DG) [はしご車のゴング、音の道 No.1、答えのない質問ほか] *M.Tilson Thomas / RCO (Sony) [交響曲第3番] *Litton / Dallas SO (Hyperion) [交響曲第 3 番ほか] 『ホリデイズ・シンフォニー』Holidays Symphony *M. Tilson Thomas / Chicago SO (Sony) [答えのない質問、夕暮れのセントラルパークほか] *Bernstein / NYPO (Sony) [答えのない質問、E.カーター『オーケストラのための協奏曲』] このほかに M.ティルソン・トーマス/サンフランシスコ響の解説つき DVD が出ている(発売元は SFS) 。 交響曲第4番 Symphony No.4 *M.Tilson Thomas / Chicago SO (Sony) [交響曲第1番ほか] *Litton / Dallas SO (Hyperion) [交響曲第1番、夕暮れのセントラルパーク] *Dohnányi / Cleveland O (Decca) [3名の指揮者による交響曲全集]2CD 初演者ストコフスキーの録音(Sony)は残念だが廃盤。 2 『宇宙交響曲(ユニバース・シンフォニー) 』Universe Symphony Lally Austin 編曲版 *Gerhard Samuel / Cincinnati PO (Centaur) *Michael Stern / Saarbrücken RSO (Col Legno) [交響曲第2番] Johnny Reinhard 編曲版 *Johnny Reinhard / American Festival of Microtonal Music O (Pitch) どちらの「編曲」も評価は割れており、アイヴズが残した素材に基づく新しい作品とみるべき。 グスタフ・マーラー 『さすらう若人の歌』Lieder eines fahrenden Gesellen *Fischer-Dieskau / Kubelik (DG)[交響曲第1番] *Janet Baker / Barbirolli (EMI)[リュッケルト歌曲集、亡き子をしのぶ歌] 録音多数。ほかに男声ではハンプソン Hampson(DG)や S.ローレンツ S. Lorenz (Berlin Classics)、女声ではファスベンダー Fassbaender (Decca)、ミントン Minton(Decca)など。 『少年の魔法の角笛』Des Knaben Wunderhorn *von Otter / Quasthoff / Abbado (DG) *Schwarzkopf / F-Dieskau / Szell (EMI) スタンダードな新旧二つの録音。Forrester / Rehfuss / Prohaska(Vanguard)は廃盤だが、素朴でぬくもりのある演奏を求める人は探 してみるとよい。 交響曲第1~9番 *Michael Gielen / SWRSO (Hänssler) [セット、分売とも入手可] *Jonathan Nott / Bamberg SO (Tudor) [1,4,5,9 番が発売済み。2 番は近日発売] 録音多数。個々の曲の録音についてはガイド本を参照されたい。ここでは現代音楽のスペシャリストによる全集としてギーレン盤と、 現在進行中のジョナサン・ノット盤だけを挙げておく。 色彩 モーリス・ラヴェル『ダフニスとクロエ』Daphnis et Chloé *Munch / Boston SO (RCA) *Boulez / BPO (DG) [ラ・ヴァルス] *Ernest Bour / SWRSO (Hännsler) [クープランの墓ほか] この曲も名演が多く、ほかにモントゥーMonteux (Decca)、デュトワ Dutoit (Decca)らフランス系指揮者のすぐれた録音がある。上記 ミュンシュとブーレーズは肌触りが対照的。エルネスト・ブールはラヴェルの音楽に潜む「毒」を感じさせる異色の演奏(組曲版) 。 アルバン・ベルク『ヴォツェック』Wozzeck *Metzmacher / Hamburg Opera O ほか (EMI) *Abbado / VPO ほか(DG) *Boulez / Paris Opera O ほか(Sony) メッツマッハーのライヴ盤はファンの間では好評だったが、入手難。アッバード、ブーレーズは定評あり。ドホナーニ盤(Decca)が復活 すれば、トップに推せる。DVD ではバレンボイム(Warner)、マデルナ(Arthaus)など。 ジェルジ・リゲティ『アトモスフェール』Atmosphères *Abbado / VPO (DG) [“Wiener Modern“ 他にノーノ、リーム、ブーレーズの作品] *Nott / BPO (Teldec) [Ligeti Project 2] *Bour / SWRSO (Wergo) [リゲティ作品集] アッバードの録音は「ウィーン・モデルン」と題された現代曲集に入っている。ノットの「リゲティ・プロジェクト」は、全5枚のセ ットもあり。ブールは’66 年の録音で、やや古い。 クロード・ドビュッシー 『牧神の午後への前奏曲』Prélude à l’après-midi d’un faune 3 『夜想曲』Nocturnes(雲 Nuages / 祭り Fêtes / シレーヌ Sirènes) 交響詩『海』La mer 『管弦楽のための映像』Images pour orchestre(ジーグ Gigues / イベリア Ibéria / 春のロンド Rondes de printemps) 『遊戯』Jeux *Jean Martinon / ORTF ほか (EMI2CD×2、Brilliant4枚セット) *Bernard Haitink / RCO (Ph.2枚組) いずれの曲も録音多数。上記の曲すべてを収めたものとして、世評が高いのはマルティノン盤。Brilliant からボックスで安く再発売さ れている。ハイティンク盤は知る人ぞ知る銘盤。ニュアンス豊かで陰影に富む。 オリヴィエ・メシアン *Olivier Messiaen Complete Edition (DG) 32 枚ボックス メシアンの生誕百周年を記念し、全作品を収録したセット。オケ物の指揮はチョン・ミョンフンやブーレーズが担当。価格も、枚数 を考えれば安いと言っていい。限定盤だが、まだ店頭で在庫を見かける。 *Messiaen : The Works for Orchestra. Sylvain Cambreling / SRWSO (Hännsler) 8CD カンブルラン・南西ドイツ放響のメシアン管弦楽曲集。演奏・録音とも鮮烈。本書に登場する作品では『鳥たちの目覚め』 、 『異国の 鳥たち』 、 『われ死者の復活を待ち望む』 、 『峡谷から星たちへ…』 、 『われらが主イエス・キリストの変容』 、 『トゥランガリーラ交響曲』 が入っている。ほかに『クロノクロミー』 、 『彼方の閃光…』などを収録。分売もされており、いずれも各曲の代表的な演奏といえる(重 複を避けるため、個別には挙げない) 。 『鳥たちの目覚め』Réveil des oiseaux *Kent Nagano / ONDF (Erato/Warner) [神の現存の三つの小典礼] *Boulez / Cleveland O (DG) [ミのための詩、七つの俳諧] *ノイマン / チェコ PO (DENON 国内盤) [異国の鳥たちほか] 『鳥のカタログ』Catalogue d’oiseaux(ピアノ曲集) *Håkon Austbø (Naxos) 3CD *Anatol Ugorski (DG) 3CD *Peter Hill (Unicorn→Regis, Brilliant) 3CD いずれも廉価盤。ヒルはメシアンの門下生で、ピアノ曲全集を録音している(現在は Regis からまとめて出ているほか、Brilliant のメ シアン・エディション第1巻にも収められている) 。 『異国の鳥たち』Oiseaux exotiques *Salonen / London Sinfonietta (Sony) [峡谷から星たちへ…、天国の色彩] 2CD *Boulez / EIC (Montaigne) [七つの俳諧、天国の色彩] 『われ死者の復活を待ち望む』Et exspecto resurrectionem mortuorum *Boulez / Cleveland O (DG) [クロノクロミー、天より来たりし都] *R. de Leeuw / Netherlands Wind Ensemble (Chandos) [天国の色彩ほか] 2CD なぜか現在バラで手に入るものが少ない。ボド Baudo (EMI)やハイティンク(Ph.→Decca)は、各レーベルのメシアン作品集ボックス に入っている。 『天国の色彩』Couleurs de la cité céleste *Chung Myung-Whun / Radio France PO (DG)[神の現存の三つの小典礼] *Salonen / London Sinfonietta (Sony) [峡谷から星たちへ…、異国の鳥たち] 2CD 『峡谷から星たちへ…』Des canyons aux étoiles... *Salonen / London Sinfonietta (Sony) [異国の鳥たち、天国の色彩] 2CD *Chung Myung-Whun / ORTF PO (DG) *Constant / Ensemble Ars Nova (Apex)[聖体秘蹟への賛歌、忘れられた捧げ物] マリウス・コンスタンの録音は2枚組廉価盤。 『われらが主イエス・キリストの変容』La Transfiguration de Notre Seigneur Jésus-Christ 現在バラで手に入るのは、カンブルラン盤の分売のみ。 4 『神の現存の三つの小典礼』Trois petites Liturgies de la présence divine *Nagano / ONDF (Erato/Warner) [鳥たちの目覚め] *Chung Myung-Whun / Radio France PO (DG) [天国の色彩] 『トゥランガリーラ交響曲』Turangalîla-Symphonie *Riccardo Chailly / RCO ほか (Decca) *Simon Rattle / CBSO.(EMI) [時の終わりのための四重奏曲] 2CD *Antoni Wit / Polish RSO (Naxos) [キリストの昇天] 2CD 録音多数。他に新しい録音ではチョン・ミョンフン(DG)、ナガノ(Teldec)も優れている。アントニ・ヴィトは廉価盤ながら素晴らしい 出来で、トップに推す人もある。 『時の終わりのための四重奏曲』Quartuor pour la fin du temps *Tashi (RCA) *Béroff / Gruenberg / Pleeth / de Peyer (EMI) *Trio Wanderer / Moragues (HM) *Messiaen / Pasquier ほか (Accord) 定番のタッシは、いま聴くとやや楽天的か。ベロフほか(EMI)はラトルの『トゥランガリーラ』の余白に入っているが、1枚物もある はず。新しいトリオ・ワンダラーはしなやかな表現。作曲者自身の’56 年録音は貴重な記録。A.コンタルスキー/サシュコ・ガヴリロ フ/パルム/ダインツァー盤(HM)が廃盤なのは惜しい。 またメッツマッハーの『アッシジの聖フランチェスコ』Saint François d'Assise と『彼方の閃光…』Éclairs sur l'au-delà…については、 「新しい音を恐れるな」巻末ディスコグラフィを参照されたい。 アルノルト・シェーンベルク 三つのピアノ曲 作品 11 Drei Klavierstücke op.11 *Hardy Rittner (MDG) [ピアノ曲全集] 楽器は Streicher(1879) / Steinway D. (1901) *Peter Hill (Naxos) [新ウィーン楽派ピアノ曲集] *Sarah Rothenberg “Shadows & Fragments” (Arabesque) [ブラームス後期作品] リットナーはオールド・ピアノでの演奏。豊かな倍音の美しさは、既存のシェーンベルク像を覆す。クールな美感のヒルはベルク、ウ ェーベルンのピアノ曲も併録でお買い得。ブラームスとシェーンベルクを交互に並べたローゼンバーグのアイディアは秀逸。定評ある ポリーニ(DG)とグールド(Sony)は、あえて触れるまでもないだろう。 弦楽四重奏曲ニ長調 Quartett (D-Dur) für zwei Violinen, Bratsche und Violoncello *Leipzig SQ(MDG) [弦楽四重奏曲第1番] *LaSalle Q (DG→Brilliant) [新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲] 4CD 1 枚物で手に入るのはライプツィヒ SQ のみ。ラサール SQ はセット物だが手頃な値段。 『浄められた夜』Verklärte Nacht(弦楽六重奏版) *LaSalle Q(DG / Brilliant) *Juilliard SQ (Sony) *The Hollywood SQ (Testament) ラサール (DG は 1 枚、Brilliant は前述のセット。同じ演奏)とジュリアードが双璧。作曲者本人の前でこの曲を演奏したハリウッド SQ は古い録音だが、熱っぽい語り口に圧倒される。 『ペレアスとメリザンド』Pelleas und Melisande *Boulez / Chicago SO (Warner) [オーケストラのための変奏曲] *Robert Craft / Philh.O (Naxos) [期待] *Matthias Bamert Scottish National O (Chandos) [ピアノ協奏曲] ブーレーズ盤はさらにヴァイオリン協奏曲まで加えた2枚組廉価盤(Apex)もあり。クラフト盤、バーメルト盤は演奏だけでなくカップ リングも充実。 『室内交響曲第一番』Kammersymphonie für 15 Soloinstumente op.9 *Boulez / EIC (Sony) [ヤコブの梯子、映画の一場面の伴奏音楽] *Rattle / CBSO (EMI) [期待、オーケストラのための変奏曲ほか] 2CD 5 *Craft / Philh.O (Naxos) [月に憑かれたピエロ] ラトル盤は2枚組廉価盤で盛りだくさんな内容。 カンタータ『グレの歌』Gurre-Lieder *Chailly / Berlin RSO ほか (Decca) *Rattle / BPO ほか (EMI) よい演奏に恵まれている作品だが、総合点ではこの二つか。ほかにもギーレン(Hännsler)、ブーレーズ(Sony)、サロネン(Signum)、ク ラフト(Naxos)など個性的な演奏が揃う。 歌曲集『架空庭園の書』15 Gedichte aus »Das Buch der hängenden Gärten« *Jennifer Lane / Christopher Oldfather (Naxos) [弦楽四重奏のための協奏曲ほか] *Jan DeGaetani / Gilbert Kalish (Nonesuch) [月に憑かれたピエロ] *Helen Vanni / Gould (Sony) [シェーンベルク歌曲集] クラフトによるシェーンベルク作品集第2巻に、レーン/オールドファザーの演奏が入っている。原語歌詞と英語対訳つき。完成度高 い。ちなみにこのCDの最後には、シェーンベルクのインタビュー(英語)も収録。デガエタニ、ヴァンニはやや甘さを感じる。 モノドラマ『期待』Erwartung *Janis Martin / Boulez / BBC SO (Sony) [月に憑かれたピエロ、山鳩の歌] *Anja Silja / Craft / Philh.O (Naxos) [ペレアスとメリザンド] *P. Bryn-Julson / Rattle / CBSO (EMI) [室内交響曲第1番ほか] 2CD 歌手の魅力ではクラフト盤が光る。 エドガー・ヴァレーズ 『アメリカ』Amériques 『イオニザシオン』Ionisation 『アルカナ』Arcana 『砂漠』Déserts *Chailly / RCO (Decca) [器楽曲も含むヴァレーズ全集] 2CD *Boulez / Chicago SO (DG) [上記4曲のみ] *Nagano / ONDF (Apex) [オクタンドル、オフランドほか] 2CD *Christopher Lyndon-Gee / Polish National RSO (Naxos) [ヴァレーズ管弦楽曲集 1&2] いずれも優れた演奏で、上記4曲を収録。ナガノは廉価盤。リンドン=ギーはバラ2枚でヴァレーズの管弦楽曲が揃う。有名な指揮者 ではないが批評筋の評価は非常に高い。ブーレーズの旧盤(Sony)は『砂漠』のかわりに『オクタンドル』や『密度 21,5』が入る。 ノイズ ヘルムート・ラッヘンマン『ムーヴマン―(硬直の前の) 』Mouvement-(vor der Erstarrung) *Hans Zender / Klangforum Wien(KAIROS) [ラッヘンマン作品集] 録音はこれ一種のみだが、作曲家でもあるツェンダー指揮の演奏は信頼できる。 カールハインツ・シュトックハウゼン シュトックハウゼンは自作の多くをみずからの監修/演奏で録音し、入念な編集作業をへて CD 化していた。これらはドイツのシュ トックハウゼン・フェアラーク(出版局)が直接販売している。日本への発送も可能だがクレジットカードは使えない。くわしくは同 出版局のウェブサイト www.stockhausen.org で。価格は 1 枚あたり 19~23 ユーロ(サーフェイスでの送料込み) 。メールのやりとり は英語で問題ない。 また PayPal のアカウントがあれば、イギリスにあるシュトックハウゼン協会経由でも注文できる(www.stockhausensociety.org)。 多少は高くつくが、カードで支払えるのは助かる。 本書に登場する下記の作品はすべて、このシュトックハウゼン・フェアラーク盤で聴くことができるので、カタログを参照されたい (www.stockhausen.org/cd_catalog.html) 。 個 々 の デ ィ ス ク の 内 容 に つ い て は 、「 シ ュ ト ッ ク ハ ウ ゼ ン 音 楽 情 報 」 (www001.upp.so-net.ne.jp/kst-info)あるいは声楽家・松平敬氏のウェブサイト(http://matsudaira-takashi.jp)が詳しい。 それ以外の一般レーベルの CD で入手できるものは、曲名のあとに挙げておいた。 6 『コンタクテ』Kontakte *David Tudor / Christoph Caskel (Wergo) 『少年の歌』Gesang der Jünglinge 『ヒュムネン』Hymnen 『グルッペン』Gruppen *Péter Eötvös ほか Köln RSO (Budapest Music Center Records) [プンクテ] 『カレ』Carré 『モメンテ』Momente 『ミクストゥーア』Mixtur 『ミクロフォニー Ⅰ』MikrophonieⅠ 『プロツェッシオン』Prozession 『クルツヴェレン』Kurzwellen 『シュティムング』Stimmung *Singcircle / Gregory Rose(Hyperion) *Theatre of Voices / Paul Hillier(HM) 『七つの日より』Aus den sieben Tagen *Diego Masson / Ensemble Musique Vivante (HM) [部分のみ] 『マントラ』Mantra *Andreas Grau / Götz Schumacher (Wergo) *Rosalind Bevan / Yvar Mikashoff (New Albion) 『シュテルンクラング』Sternklang 『Inori(祈り) 』 『ティーアクライス』Tierkreis *Fernow, Hussong, Svoboda ほか (Wergo) [室内楽による2バージョンを収録] *Volker Hemken / Steffen Schleiermacher (MDG) [バスクラリネットとピアノ版] 『シリウス』Sirius 『光』Licht 『プンクテ』Punkte *Péter Eötvös ほか Köln RSO(上記グルッペンとのカップリング) このほかに手に入りやすいものとして、 *作品集( 『ツィクルス』 、 『シュピラール』 、 『ティーアクライス』 、 『日本』ほか)Tristan Fry ほか(EMI) 2CD *初期作品集( 『コントラ・プンクテ』 、 『ルフラン』 、 『ツァイト=マッセ』ほか)Rupert Huber / ensemble recherche (Wergo) *『ヘリコプター・カルテット』 :初演に至るまでのドキュメントと本番の演奏風景を収録した DVD(Euroarts) 。日本語字幕付 き。 また O.Saginian 氏制作のウェブサイト (www.stockhausenmusic.com)では『ヒュムネン』が試聴できる。 静寂 アントン・ブルックナー 交響曲第9番 Sinfonie Nr.9 *Carlo Maria Giulini / VPO (DG) *Günther Wand / BPO (RCA) *Cambreling / SWRSO (Glor) 録音多数。最初の1枚なら柔和で情感あふれるジュリーニか、峻厳なヴァントを(中庸のハイティンクが廃盤なのは無念) 。新しいカン ブルラン盤は随所にユニークな発想が光る。 アントン・ヴェーベルン『管弦楽のための5つの小品』Fünf Stücke für Orchester op.10 *Boulez / EIC (DG) [Complete Webern] 6CD *Abbado / VPO (DG) [6つの小品、シェーンベルク『ワルシャワの生き残り』] *ケーゲル/ライプツィヒ RSO (徳間/キング) *Craft / Philh. O (Naxos) ブーレーズの新録は、以前はバラでも出ていた。Sony の旧録が安く手に入ればお買い得。1枚ものなら、ケーゲルの演奏が国内盤で 出ている。アッバードはカップリングよし。 チャールズ・アイヴズ 『答えのない質問』The Unanswered Question *Bernstein / NYPO (DG) [交響曲第2番、はしご車のゴングほか] 7 *M. Tilson Thomas / Chicago SO (Sony) [ホリデイズ・シンフォニーほか] *Gielen / SWRSO (Hänssler) [マーラー 交響曲第1番] ジョン・ケージ 『4分 33 秒』4’ 33’’’ *Z. Kocsis / Amadinda Percussion Group (Hungaroton) [ヴァレーズ、チャベスほかの作品] *”Non Stop Flight” Deep Listening Band (Musik&Arts) [現代曲オムニバス] *Chance Operation: The John Cage Tribute (Koch) [ケージとその周辺の作品集] 2CD 「チャンス・オペレーション」はフランク・ザッパによる『4 分 33 秒』を収録。また YouTube には、この曲の演奏がいくつもアップ されている。 ルイージ・ノーノ 『プロメテオ』Prometeo *Metzmacher / Ensemble Modern ほか (EMI) *Peter Hirsch / ensemble recherche ほか (Col Legno) メッツマッハーの録音はあいにく廃盤だが、ペーター・ヒルシュ盤は作品の全貌を知るうえで、なんの不足もない。時間軸に沿って歌 詞を多層的に表示した「リスニング・スコア」付き。また、アッバードによる『プロメテオ組曲』Prometeo Suite (Sony)は、短いなが ら作品の雰囲気をよく伝える。 『死の間近な時 ポーランド日記第2番』Quando stanno morendo. Diario polacco n.2 *André Richard/SWR 実験スタジオほか (Neos) [冷たい怪物に気をつけろ] 2CD *Neue Vocalsolisten Stuttgart (Col Legno) [ノーノ声楽作品集] 『冷たい怪物に気をつけろ』Guai ai gelidi mostori *André Richard/SWR 実験スタジオほか (Neos) [死の間近な時] 2CD 『イントレランツァ 1960』Intolleranza 1960 B. Kontarsky / Stuttgart Opera (Teldec)が唯一の録音だったが、廃盤。 『愛に満ちた偉大な太陽に向かって』Al gran sole carico d’amore *Lothar Zagrosek / Stuttgart Opera (Teldec) 『光に照らされた工房』La fabbrica illuminata *Carla Henius / Giulio Bertola ほか (Wergo) [Ha venido, アウシュヴィッツの出来事の記録] *Tiziana Scandaletti/Douo Alterno ほか(Stradivarius)[A Pierre, ドナウのための後=前=奏曲] 『生命と愛の歌――広島の橋の上で』Canti di vita e d’amore; Sul ponte di Hiroshima *Leonard / Randle / Metzmacher / Bamberg SO (EMI) [ハルトマン 交響曲第1番ほか] *Taskova/ Driscoll / Gielen / Saarbrücken RSO (Wergo) [バスティアーナのために、エミリオ・ヴェドヴァへのオマージュ] メッツマッハー盤は廃盤で入手困難。 『ポーランド日記(’58)』Composizione per orchestra n.2: Diario polacco ‘58 *Bruno Maderna / Frankfurt RSO (RCA) [Sinfonische Werke 1: Rundfunk als Mäzen] Musik in Deutschland 1950-2000 シリーズの1枚。 『アウシュヴィッツの出来事の記録』Ricorda cosa ti hanno fatto in Auschwitz *Stefania Woytowitz ほか(Wergo) [光に照らされた工房, Ha venido] 『イル・カント・ソスペーソ』Il canto sospeso *Abbado / BPO ほか(Sony) [マーラー『亡き子をしのぶ歌』 国内盤のほうが入手しやすい。邦題は『断ち切られた歌』となっている。 8 告白 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ 交響曲第9番 Sinfonia N.9 *Metzmacher / BPO ほか (EMI)[ラトル指揮 交響曲第7番] 2CD *Marek Janowski / Berlin RSO ほか (Wergo) 熱気ならメッツマッハーの初演ライヴ(廉価盤で歌詞なし) 、完成度なら新しいヤノフスキ盤(独英対訳歌詞付き) 。 アルノルト・シェーンベルク『ワルシャワの生き残り』A Survivor from Warsaw *Metzmacher / Bamberg SO(EMI)[ハルトマン 交響曲第1番ほか] *Boulez / BBC SO(Sony) [Boulez Edition Schoenberg Ⅱ] *Abbado / VPO (DG) [ヴェーベルン 管弦楽のための5つの小品、同 6 つの小品] メッツマッハーは廃盤。ブーレーズ盤は、まるで機械のようなギュンター・ライヒの語りがあまりにも恐ろしい。ほかにツェンダー(CPO)、 クラフト(Naxos)など。 この章で話題になっているフェルッチョ・ブゾーニの作品を二つ紹介しておく。 *ピアノ協奏曲:1時間を超す大作で、最後は男声合唱まで加わる。定評あるオグドン John Ogdon(EMI)か、超絶技巧のアムラ ン Marc-André Hamelin(Hyperion)で。 *『対位法的幻想曲』Fantasia Contrappuntisitica:バッハの『フーガの技法』最後の未完フーガに基づくピアノ曲。新しいミル ン Hamish Milne (Hyperion)の録音が見事 。 カール・アマデウス・ハルトマン 交響曲第3番 3. Symphonie *Metzmacher / Bamberg SO (EMI) [アイヴズ『ロバート・ブラウニング序曲』 *Leitner / Bav.RSO (Wergo) [複数の指揮者による交響曲全集+歌の情景] 4CD メッツマッハー盤はバラ・ボックスとも入手可能。Wergo のハルトマン交響曲全集に入っているライトナーの重く粘っこい表現も魅力 ある。 ヴェーベルン『管弦楽のための6つの小品』Sechs Stücke für großes Orchester op.6 *Metzmacher / Bamberg SO (EMI) [ハルトマン 交響曲第6番] *Boulez / EIC (DG) [Complete Webern 6CD] *Abbado / VPO (DG) [ヴェーベルン 管弦楽のための5つの小品、同 6 つの小品] *Rattle / CBSO (EMI)[シェーンベルク 管弦楽のための5つの小品ほか] メッツマッハーは廃盤。ラトル/バーミンガム市響(EMI)は廉価盤。ほかにクラフト(Naxos)、国内盤のケーゲル(徳間/キング) 。 交響詩『ミゼレ』Miserae *Metzmacher / Bamberg SO ほか(EMI)[歌の情景、ダラピッコラ「解放の歌」] *Leon Botstein / LPO (Telarc) [交響曲第1・6番] メッツマッハーは廃盤だが、ボットスタイン盤は演奏・録音とも良い。 『悲劇的交響曲』Sinfonia tragica→交響曲第3番へ改作 *Janowski / Berlin RSO (Capriccio)[ヴィオラとピアノのための協奏曲] *Rickenbacher / Bamberg SO (Koch) [歌の情景、交響曲第2番] 組み合わせの良いリッケンバッハーは廃盤。 『嘆きの歌』Klagegesang→交響曲第3番へ改作。現役盤なし。 『あるレクイエムの試み』Versuch eines Requiems = 交響曲第1番 『葬送協奏曲』Concerto funebre *Isabelle Faust / Poppen /ミュンヒェン CO (ECM) [交響曲第4番、室内協奏曲] *Alina Ibragimova / Britten Sinfonia (Hyperion) [独奏 Vn のためのソナタと組曲] 選択はカップリングの好みで。演奏はどちらも訴求力に富む。ヤナーチェクやベルクの協奏曲と組んだ廉価盤のツェートマイア(Apex) もよい。 「ブルレスケ・ムジーク」ほかハルトマンの珍しい作品と組んだ Benjamin Schmid 盤(Wergo)も。 交響曲第1・7・8番 9 *Metzmacher / Bamberg SO (EMI) *複数の指揮者による交響曲全集(Wergo)[+歌の情景]4CD メッツマッハーのハルトマン交響曲全集はバラでの入手が難しくなっており、7/ 8 番の CD も廃盤。全集ボックス(3CD)も、早めの購 入をすすめる(国内盤あり) 。 Wergo の全集はフリッツ・リーガー(第1) 、ズデニェク・マーツァル(第7) 、ラファエル・クーベリック(第8)の演奏(すべてバ イエルン放響) 。 ほかに第1番は『ミゼレ』の項で紹介したボットスタイン盤。第7番は現在、メッツマッハー以外に1枚物 CD なし。第8番はケー ゲルの演奏がある(Berlin Classics)。これはヘルビッヒ指揮の第5・第6交響曲と1枚にしたもの。 『歌の情景』Gesangsszene *Metzmacher / Bamberg SO ほか(EMI)[ミゼレ、ダラピッコラ「解放の歌」] *Kubelik / Bav.RSO ほか(Wergo) [複数の指揮者による交響曲全集]4CD メッツマッハーは廃盤、しかも交響曲全集ボックスには入っていない。Wergo の交響曲全集の余白にクーベリックの演奏が入っている。 1枚で出ていた Rickenbacher (Koch)は廃盤だが、中古で手に入るかも。 イーゴリ・ストラヴィンスキー ストラヴィンスキーの小さな曲は意外に集めにくい。ならばいっそ、作曲者本人の指揮・監修でほとんどの作品をおさめた Works of Igor Stavinsky (Sony)はいかがだろう。22 枚ボックスで実売価格は 6~7 千円(下記の作品はすべて収録) 。声楽曲の歌詞が入っていな いのが泣き所だが、作風の変遷を辿るには最高の資料だ。 「ストラヴィンスキーは指揮が下手だった」と言う人もあるが、バラ売りされている『ペトルーシュカ』&『春の祭典』か、 『火の鳥』 を聴いてみるといい。まさにメッツマッハーのいう「透明さ」 、 「明晰さ」に貫かれた演奏だ。ひとつのスタンダードとして、聴いてみ て損はない(他にもバラ売りされている曲多数) 。 『火の鳥』L’Oiseau de feu 録音多数→『春の祭典』の項を参照 『トレニ』Threni 現在は上記 Works of Stravinsky のセットのみ。クラフトの演奏が1枚で復活するのを待ちたい。 『エボニー・コンチェルト』Ebony Concerto *Sabine Meyer / Metzmacher / バンベルク SO (EMI) ”Homage to Benny Goodman” *Arrignon / Boulez / EIC (DG) [ダンバートン・オークスほか] *Pieterson / de Waart ほか(Ph.) [ストラヴィンスキー交響曲・協奏曲集] 2CD ザビーネ・マイアーとメッツマッハーのアルバムば、他の作曲家のクラリネット曲との組み合わせ。アリニョン/ブーレーズ盤はベル クの『室内協奏曲』 、ストラヴィンスキーの『ダンバートン・オークス』と1枚になっている。ピーターソン/デ・ワールトはお得な2 枚組廉価盤。 『ラグタイム』Ragtime *Salonen / London Sinfonietta (Sony) [プルチネッラ、コンチェルティーノほか] *Neeme Järvi / Scottish National O (Chandos) [兵士の物語、ペトルーシュカほか] 『ダンバートン・オークス』Dumbarton Oaks *Boulez / EIC (DG) [エボニー・コンチェルトほか] *Craft / St.Luke’s O (Naxos) [ハ調の交響曲、三楽章の交響曲、木管八重奏曲] 『ジェズアルドのための記念碑』Monumentum pro Gesualdo *Dennis Russell Davies / Stuttgart CO (ECM) セットに入った自作自演盤をのぞけば、 『協奏的舞曲』 、 『ミューズを率いるアポロ』ほかと組み合わせたデニス・ラッセル・デイヴィス 盤ぐらい。 『春の祭典』Le sacre du printemps まず「三大バレエ」(春の祭典、火の鳥、ペトルーシュカ)を2枚組にまとめたものを紹介する。 *Boulez / Cleveland SO ほか (Sony) [+プルチネッラ] *Colin Davis / RCO (Ph.) [+LSO との「オルフェウス」] *Haitink / LPO (Ph.) [マルケヴィッチの「ミューズを率いるアポロ」] 10 1枚ものとしては、 *作曲者 / Columbia SO (Sony) [ペトルーシュカ] *M. Tilson Thomas / San Francisco SO(RCA)[火の鳥、ペルセフォーヌ] 他にも多数の録音があるので、ガイド本を参考にされたい。また、ドキュメンタリーを含む M.ティルソン・トーマス/サンフランシス コ響の DVD も、日本語字幕はないがじつに面白い。サイト www.keepingscore.org で一部が見られる。 『エディプス王』Oedipus Rex *Salonen / Swedish RSO ほか(Sony) *Franz Welser-Möst / LPO ほか(EMI) *Craft / Philh.O (Naxos) アンチェル (Supraphon)やコリン・デイヴィス (EMI)など、 古い演奏にも力強さがある。 小澤/サイトウキネンの舞台上演を DVD (Ph.) で見るのもよい。 『プルチネッラ』Pulcinella 録音多数。 「三大バレエ」とこの曲を二枚に収めたものが何種類も出ている(ブーレーズ、アッバード、ムーティなど)。ほかに1枚物と しては、 *Craft / Philh.O (Naxos) [妖精のくちづけ] *Salonen / London Sinfonietta (Sony) [ラグ・タイム、コンチェルティーノほか] 三楽章の交響曲 Symphony in Three Movements *Boulez / BPO (DG) [詩篇交響曲、管楽器のための交響曲] *作曲者 / Columbia SO (Sony) [ハ調の交響曲、詩篇交響曲] *de Waart / LSO(Ph.) [ストラヴィンスキー交響曲・協奏曲集] 2CD 『春の祭典』と組んだサロネン(Sony)、ノット(Tudor)もよい。 『オルフェウス』Orpheus *Craft / LSO (Naxos) [ミューズを率いるアポロ、アゴン] *Colin Davis / LSO (Ph.) [三大バレエ] 2CD *N. Järvi / RCO (Chandos) [カルタ遊び] クラフト盤はシリーズ最良の出来で、選曲も気が利いている。 ジョン・ケージ まずケージの作品だけをまとめて。 『プリペアド・ピアノと室内オーケストラのための協奏曲』 Concerto for Prepared Piano and Chamber Orchestra *Giancarlo .Simonacci / N.Paszkowski / Vincenzo Galilei O (Brillliant) [プリペアド・ピアノのための作品全集] 3CD *Margaret Leng Tan / Russel Davies / American Composers O (ECM) [The Seaseons, Suite for Toy Piano ほか] シモナッチ盤は『ソナタとインターリュード』ほか重要作品が聴けるお買い得セット。また、本書ディスコグラフィで紹介した DVD 「ジョン・ケージ」には、クレッチュマーとメッツマッハーによる演奏を収録。 『ウォーター・ミュージック』Water Music *Steffen Schleiermacher (MDG) [ピアノ曲全集第4巻] 2CD この作品の題名は「演奏が行われる地名と年月日」に変えてよいという指示があり、シュライアーマッハーの録音では” Arolsen, February 8, 1998“となっている。高橋悠治・高橋アキ兄妹のアルバム「ケージ(リ)ミックス」 (フォンテック)は廃盤のもよう。 『オルガン²/アズ・スロー・アズ・ポッシブル』Organ²/ ASLSP *Christoph Bossert & Hans-Ola Ericsson (organum) [part1-9] ナウムブルク・聖ヴェンツェル教会のヒルデブラント・オルガン使用。ハルバーシュタットで進行中の演奏よりはるかに「速い」演奏 なので、 「音楽」らしく聞こえる。ドイツ以外では取扱い店が少ないので、京都のパララックス・レコードから取り寄せるのが便利 (www.parallaxrecords.jp)。 Gerd Zacher(Col Legno)の短い演奏もあったが、カタログから消えている。 次にサティの作品を。 『ソクラテ』Socrate(室内オーケストラ伴奏版) *Richard Bernas / Music Projects London ほか (LTM) [+歌曲集] 11 *Friedrich Cerha / Ensemble Die Reihe(Vox) [管弦楽曲、連弾曲ほか] 2CD 廃盤になっているデルヴォー・パリ管(EMI)の復活が待たれる。 『官僚的なソナチネ』Sonatine bureaucratique 『三つのジムノペディ』Trois Gymnopédies *Pascal Rogé (Decca) *Jean-Yves Thibaude(Decca)[ピアノ曲全集/バラ] *Aldo Ciccolini (EMI)[ピアノ曲全集/バラ] *Cristina Ariagno (Brilliant) [ピアノ曲全集セットのみ] 録音多数。代表的なもののみを挙げておく。1枚物なら定評あるロジェ。チッコリーニはさすがに音が古くなったので、全集なら新し いティボーデがお薦め。アリアーニョ盤は穏やか。 『官僚的なソナチネ』は入っていないが、遅いテンポの Reinbert de Leeuw(Ph.)も 面白い。 『ヴェクサシオン』Vexations 上記デ・レーウのサティ作品集(Ph.)か、ティボーデ、チッコリーニの全集で。ただし、これらはいずれも数分だけの演奏。アリアーノ の全集は1枚をそっくりこの曲にあてている。 Alan Marks(LTM)や Stephane Ginsburgh(Sub Rosa)による、 この曲だけの CD もあり。 ギンスブルク盤はサティ愛用のピアノを使った録音。20 回リピート演奏すると、サティが指定した 840 回になるよう作られている。 旅の途中で アレクサンドル・モソロフ『鉄工場』Завод(露), Iron Foundry(英) *Evgeny Svetlanov / USSR State SO (Venezia) [モソロフ作品集] *Victor de Sabata (Naxos) [ベートーヴェン「田園」ほか] スヴェトラーノフはロシア盤だが、 国内の大手輸入盤店で手に入る。 デ・サーバタは’33 年トリノ放響との古い録音。 シャイー盤(Decca) の復活が望ましい。 ニコライ・オブコフ『生の書の序章』Préface au Livre de Vie:現役盤なし。 アルテュール・ルリエ『大気のかたち』Formes en l’air *Daniele Lombardi (Col Legno) [ルリエ初期ピアノ曲集] 同じロンバルディのアルバム Futurpiano (LTM)にも入っているが、同じ録音かどうかは不明。こちらはアンタイルやオルンシテイン の作品とのカップリング。 ルチアーノ・ベリオ『テンピ・コンチェルターティ』Tempi concertati *Asko Ensemble (Attacca) [Asko Ensemble Live 2] 現代音楽を専門とするオランダの室内オーケストラ、Asko アンサンブルのライヴ盤。ほかにマデルナ、ドナトーニらの作品を収録。 ヴィトルド・ルトスワフスキ『ヴェネツィアの遊び』Jeux Vénetiens *作曲者 / Polish National RSO (EMI / Brilliant) *Witold Rowicki / Warsaw National PO (Ph.) [作品集] 2CD *Wit / Polish National RSO (Naxos) [交響曲第1番ほか] ポーランド国立放送響を作曲者自身が指揮した録音は1枚でも手に入るが、他の自演盤と合わせて Brilliant から再発売された3枚組も ある。ロヴィツキ、ヴィトの演奏も良いので、関心度に応じて選ぶとよい。 ジョージ・アンタイル『バレエ・メカニーク』Ballet méchanique *Daniel Spalding / Philadelphia Virtuosi CO (Naxos) [アンタイル作品集] 現在手に入りやすいのはこの1枚。HKグルーバーとアンサンブル・モデルン(RCA)も楽しい演奏だったが廃盤。 ヴェーベルン『管弦楽のための6つの小品』→ハルトマンの項を参照 ノーノ『進むべき道はない、だが進まねばならない…』No hay caminos, hay que caminar... *Emilio Pomárico / Köln RSO (Kairos) [カミナンテス三部作] 2CD *Mario Venzago / Basel SO (Col Legno) [初期作品集] ポマリコ盤は『 「進まねばならない」と夢みつつ』”Hay que caminar” soñando と『進みゆく者よ…アヤクチョ』Caminantes...Ayacucho も併録した素晴らしい企画。ヴェンザーゴ盤は『カノン風変奏曲』Variazioni canoniche ほかと組んだ1枚。ギーレンの欧州初演ライ ヴ (Astrée)は廃盤だが、いつか復活するだろう。 12 ★海外のネット通販 CD ショップについて(送料は改訂の可能性あり) Amazon.com (www.amazon.com) 書籍やCD通販の最大手。DG, Philips, Sony, Decca などメジャーレーベルに強く、Apex や Naxos の在庫も豊富。 「マーケット・プ レイス」では廃盤の掘り出し物も多い。アメリカとイギリス(amazon.uk)では在庫が違う。欧州盤は概してイギリスのほうが在庫豊富。 またドイツ語やフランス語の心得があれば amazon.de や amazon.fr の在庫ものぞいてみるとよい。ただし送料の体系がアメリカと は違うので注意。 HB Direct (www.hbdirect.com) アメリカの CD 通販専門店。検索バーが使いやすく、作曲名や作品名がうろ覚えでも探しているディスクにたどり着ける。レーベル 名からの検索も容易。新譜の入荷はやや遅め。 品揃えは豊富で、特に Nonesuch や Vox, Vanguard のような米国系レーベルに強い。Naxos や Brilliant もセールに当たればさらに 激安。 価格はおおむねアマゾンより安いが、最初の1枚の送料が 11.20 ドルと高めなので、まとめ買い向き。 MDT Mail Order (www. mdt.co.uk) イギリスのクラシック専門 CD 通販店。EMI, Hyperion, Nimbus, Testament, Regis など英国系レーベル(とにかく安い)の在庫量 は最多。Harmonia Mundi や Accord, Hänssler, MDG など仏独系もまんべんなく揃えている。 新譜の情報・入荷はたぶん最速。検索のコツとして、まず CD のタブをクリックして、作曲家名やレーベル名をリストから選ぶとい い。日本からの注文には ex. VAT(付加価値税抜き)の価格が適用される。 送料が安い(最初の1枚が 1.50 ポンド)ので、少量の注文なら HB Direct より安くなることも多い。 JPC (www.jpc.de) ドイツの書籍・CD 通販店。上のボタンで言語を ENGLISH に切り替えてしまえば、英語圏の通販サイトと変わらない。試聴機能充 実。検索のために作曲家や演奏家の名前を入力する必要あり。Wergo、Col Legno、KAIROS、Cybele などドイツ系現代音楽レーベル の在庫は随一。 知られざる名曲の発掘で有名な CPO レーベルの直営店なので、セール時には同レーベルの CD が叩き売り状態になるのも魅力。 価格は付加価値税(19%)込みの表示だが、日本から注文すれば自動的に税引きとなる。日本向け送料は、数量に関係なく 13.99 ユー ロ。メジャーレーベルの CD はさほど安くないので、他で探しても見つからなかったものだけを、まとめて発注するとよい。 13
© Copyright 2024 Paperzz