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鎌倉市立大船中で行われた出前授業で、南極で使用される防寒服を試着して教室を歩く田中潤也さん
(4・5面へ)
巻頭特集
第3回高校新聞部インターハイ新聞コンクール
最優秀賞に兵庫県立神戸鈴蘭台高校
2・3
学校×企業 鎌倉市立大船中×NECネッツエスアイ、東レ、JTBなど 4・5
第13回海外プロジェクト探検隊
高校生6人がカリフォルニア訪問 6・7
第65回読売教育賞決まる 8 第30回A
IU高校生国際交流プログラム 9
千葉県八千代市の小中学校に地元販売店が新聞提供 NI
E活発に 10 お知らせ・短信 10
リレーエッセー ニューヨーク大アブダビ校「世界をまわる旅」 11
2016.11
Vol.23
Yomiuri Education Network
兵庫県立神戸鈴蘭台
「鈴高新聞」
第158、159、160号
「鈴高miniプレス」
第2419~2536号のうち40点
(号外1点含む)
「工業っ子」No.132、
133、
136
さらなる成長楽しみ
長崎県立西陵
「西陵速報」第32、
33、
34号
見出し、記事、写真がバランスよく
配されている。勢いのあるレイアウ
トがインターハイの熱気をストレー
トに伝えた。紙面を横長に使った
のも新鮮な印象を与えた。
見出しは、
メッセージを簡潔な
言葉に凝縮させようという工夫の
跡がうかがえる。剣道のメイン写
真は、動きのある一瞬を切り取った構図で、
レイアウトもレベルが高い。
囲みの使い方もうまい。小ぶりの囲み
「ちょっと裏話」
は紙面の中でアクセント
の役割を果たした。
このほか、剣道の記事も緊迫した試合の詳細をしっかり押さえ
た書きぶりで、紙面全体を引き締めた。
(中村明)
3
全 校 生 徒の顔 が 見 え る
新聞作り
「西陵速報」
の最大の特徴はメリ
ハリを利かせた紙面だ。各号とも、
全国高校総体(インターハイ)
や予選などを取材した学校新聞
横向き紙面が新鮮
● 最優秀賞・読売新聞社賞
弘学館(佐賀県)
県総体を、
A3判5面を使って伝えた。試合
経過に加えて、選手、顧問の試合中の不安、
喜びなど揺れ動く気持ちをうまく捉えてお
り、
「 選手が頑張る姿を伝えたい」
という記
者の気持ちがあふれている。
廃部直前の柔道部を取り上げた
「さらば
柔道部」
は、顧問の
「残念な気持ち」
を取材し
て、その心境が伝わる大きな写真を併せて
載せている。特筆すべきは、全国の高校の
柔道部や相撲部の現状を調べ、
「 国技全体
への問題提起」
をしていることだ。社会問題
への切り口として、参考にしたい視点であ
り、素晴らしい記事だ。ほかにも、
ウィットの
効いた記事があり、今後のさらなる成長が
楽しみな新聞である。
(松井孝二)
● 優秀賞(レイアウト)
33
を顕彰する「第3回高校新聞部
インターハイ新聞コンクール」
( 主 催・ 読 売 新 聞 社、 後 援・ 全
国高等学校体育連盟、全国高等
学校文化連盟)で、兵庫県立神
戸鈴蘭台高校編集部が制作した
プレ
「 鈴 高 新 聞 」 と「 鈴 高 mini
ス」が最優秀賞・読売新聞社賞
に選ばれた。
総体への意気込みや目標を、運動部すべてに事前にインタビューしている姿勢
が光っている。さらに、出場した試合の結果を部長、部員、顧問のインタビューを
交えて丹念に取材して記事にまとめた。
「高総体この一枚」
のコーナーからは、新聞部員がカメラを片手に試合会場を走
り回っている姿が伝わってくる。圧巻は、
「新聞部員海に出る」
と称して、
ヨット競技
を同行取材したルポ記事だ。風雨が強い中、
ライフジャケットを着用してカメラを
濡らしながら悪戦苦闘する様子が迫ってきた。
インターハイ本戦に出場した競技の記事もしっかりフォローアップしている。結
果はどうであれ、継続性を生かしている点が素晴らしい。
(中根淳一)
11
年間117号発行した「 mini
プレス」で全部活動の部員たち
を紹介。全校生徒の顔が見える
新聞作りを続け、インターハイ
本戦に出場する部活動がなくて
も学校全体に活気をもたらして
海に出て果敢に取材
全国大会に5競技も出場しただけに、紙
面からは新聞部の意気込みが随所に感じら
れた。とくに写真は、
ここぞという瞬間をよ
く切り取っており、
キャプションもしっかりし
ている。選手の名前を入れているので、地域
の方が読んでも共感を呼ぶだろう。
IH
(インターハイ)
特集として編集された
第70号では、中面見開きで相撲の団体優
勝を伝えた。
「気持ちでつかんだ団体優勝」
の見出しがやや地味だが、優勝が決まった
歓喜の選手らをとらえた写真は圧巻だ。た
だ、合計12枚の写真掲載はやや多い印象を
受ける。写真をしっかり押さえようと取材現
場に身を置くことで、足でかせいだ裏方取
材も充実した。
(秋山哲也)
いることが高く評価された。
このほか、記事や写真、企画
などで優れた新聞を作った5校
に優秀賞、 校に奨励賞が贈ら
れた。今年は昨年と同数の 校
から応募があった。
ここぞの瞬間切り取る
全体講評
● 優秀賞(企画)
「弘学館新聞」通巻85号
鳥取城北(鳥取県) ● 優秀賞・ポカリスエット賞(ルポルタージュ) 長崎県立長崎工業
個 性 派 、力 作 そ ろ う
● 優秀賞(写真)
今回も応募作品は力作ぞろい
だ っ た。 そ れ ぞ れ の 紙 面 か ら
本社教育ネットワーク事務局専門委員・前写真部長)
は、インターハイにのぞむ部員
松井孝二(全国高等学校新聞教育研究会会長)/中根淳一
(神奈川県立横須賀高校教諭)/秋山哲也(読売新聞東京
たちの弾む気持ちや、チームを
サポートする人たちの思いが伝
わってきた。
審査員長・中村明(読売新聞東京本社紙面審査委員長)/
入賞作には「個性派」が目立
った。選手たちに深く取材し、
大会に向けて学校全体を盛り上
げようという活気あふれる紙
面、読者をページの中に誘い込
む大胆なレイアウト、動きのあ
る一瞬を斬新な構図でとらえた
【審査員】
写真、速報版を精力的に発行す
るフットワーク……いずれも、
津/静岡県立韮山/滋賀県立彦根東/島根県立安来/長崎
県立長崎南
読み手に強いメッセージを届け
た。
先輩たちがつくった紙面パタ
ーンを続けている新聞もみられ
る。
「伝統」を重んじるのはも
ちろん大切だ。一方で、紙面を
進化させていくことも意識した
松山/向上(神奈川県)/石川県立金沢泉丘/福井県立金
い。小さな囲みの新企画を始め
るだけでも、ページの表情は随
分と変わってくる。 (中村明)
福島県立郡山東/群馬県立高崎/群馬県立富岡/埼玉県立
最優秀賞に輝いた兵庫県立神戸鈴蘭台
高校の編集部員たち
● 優秀賞(記事)
「崇徳学園新聞」221号、
「崇徳学園
新聞」速報版129~162号のうち18点
崇徳(広島県)
選手の気持ち引き出す
総体期間中に計19回の
「インターハイ新
聞」
を発行し、県大会や全国大会に出場した
各部の活躍をタイムリーに伝えた。どの記
事も、試合の展開や選手の思い、心の動き
などをよく取材して聞き出していて、記事に
臨場感がある。
また、
3年ぶりの
「全国制覇」
を逃した柔
道部、準決勝敗退のサッカー部などの記事
では、部員たちの悔しさを伝えるともに、部
員たちの不屈の精神を引き出している点が
良い。これらは生徒全体に勇気を与える記
事である。部員に焦点を当て、
いろいろな形
で取り上げているのも良い。
「先輩から後輩
へ」
などの囲み記事もあり、紙面作りの面で
も参考になる新聞だ。
(松井孝二)
2016.11〈vol.23〉
第3回 インターハイ新聞コンクール
巻頭特集
◆奨励賞(11 校)
「城北新聞」第69、
70号
「城北かわら版」No.116
最優秀賞に神戸鈴蘭台高校
巻頭特集
学校全体に活気
速報版
「鈴高mi
n
iプレス」
を年間119回も発行。総体
に臨む各部活動の熱意がよく伝わってくる。
新キャプテンシリーズは部員やマネジャー、前部長な
どにもインタビューし、キャプテンをクローズアップ。部
活動への意識が盛り上がる工夫をしている。総体メン
バーシリーズでは、顔写真付きで顧問や他の部活動から
のエールを載せるなど企画がとても面白い。
全部活動の部員たちを紹介し、全校生徒の顔が見え
る新聞作りがなされているところがスゴイ。インターハイ
本戦に出場する部活動がなくても学校全体に活気をも
たらしている。学校を活性化するための使命を学校新聞
が十二分に果たしている好例だ。
2016.11〈vol.23〉
(中根淳一)
2
Yomiuri Education Network
NECネッツエスアイ
は、南極越冬隊の仕事をテ
した経験のある森内秀樹さ
んが「中学時代に青年海外
協力隊員募集のポスターを
見たのがきっかけで、通信
技術を身につけて海外で働
るお茶目なペンギンやアザ
ラシなど、映像満載の授業
に教室は大いに沸いた。
基地での生活についても
詳しく紹介。1年に1度し
か来ない砕氷船が1年分の
食料や燃料を運んでくるこ
とや、ディーゼルで発電し
た電気を使っての生活。ミ
ニトマトやモヤシを栽培し
たり、時には外でサッカー
をしたりすることも、ユー
モアいっぱいに語られた。
今はメールでやりとりも
できるが、当時は電話の利
用に1分間3000円もし
たので、電話代が150万
円になってしまったという
経験も打ち明けた。
森内さんは「南極で自然
の厳しさと助け合いの大切
さ、創意工夫をして、決し
て諦めないことが大事だと
学んだ」と授業を締めくく
った。
ヒーの生産や集荷を中心
に、 人の生徒を前に講義
を行った。
コーヒーの消費量はトッ
プがアメリカ。以下ブラジ
ル、ドイツと続き、日本は
世界第4位だという。ブラ
ジルには3回赴任して、通
算 年2か月駐在したとい
う安達さんは「日本のコー
ヒー輸入量はブラジルから
が一番多い。柔らかい酸味
ディレクトフォースの授
業では、大手商社で長年コ
ーヒーを扱ってきた安達公
一さんが、ブラジル産コー
ーヒー農園で働く労働者が
必要となり、1908年に
日本人781人が最初の移
民としてブラジルに渡った
のです」。
日系ブラジル人は現在、
150万~200万人。ブ
ラジルに進出している日系
企業は約700社にも上っ
ている。
日本とブラジルが「修好
通商航海条約」を結んだの
ラジルでも奴隷制があり、
「それが廃止されたのは
1888年。このため、コ
中に広がり、翌年3月
から5月にかけて結実
する。集荷された豆は
色や形などを基準にコ
ンピューターが選別す
るなど、かつては人力
に頼る部分がかなりあ
ったが、大幅に自動化
が進んでいるという。
安達さんが力を込め
て説明したのは、日本
とブラジルとの関係。
奴隷制廃止といえばア
メリカが頭に浮かぶが、ブ
が日本人に好まれているか
らです」と説明した。
できた。この会社に入って
良かったと思った」と振り
返った。
仕事の概要を話した後
は、グループに分かれての
「 実 習 」。「 京 都 に 時 分
ごろに着く新幹線の切符が
ほしい」という客の申し込
いた様子だった。
は1895年(明治 年)。
120年以上も前から外交
の歴史があるという安達さ
んの解説に、生徒たちは驚
ブラジルのコーヒーの開
花は9~ 月。ジャスミン
の香りがする白い花が農園
ディレク ト フォース
考える授業を行った。
会社の仕事について「地
球を舞台に、あらゆる交流
を 創 造 す る『 文 化 交 流 事
みに対し、JTB社員にな
りきって、切符を手配する
「仕事」に取り組んだ。
JTBは、法人営業横須
賀支店長の益山賢太さんが
「 形 に は 残 ら な い が、 心 に
残る仕事の魅力」について
業』です」と解説。国外の
事業所も多く、約2万7千
人の社員のうち4000人
狭 い の で 広 く す る 」「 外 国
人用の案内看板を増やす」
その後、地元・鎌倉に、
海外から観光客をもっと呼
び込むためには何を改善し
たらいいかを、グループご
と に 話 し 合 っ た。「 道 路 が
話した。
若い頃の添乗員時代の
様々なエピソードも交えな
がら「人の心に残る仕事が
4
2016.11〈vol.23〉
生徒の質問に丁寧に答える安達さん(中央)
「 バ ス を 増 や す 」 な ど、 具
体的な提案が次々に発表さ
れた。
授業を受けた
松岡直輝さん
は「旅行に行く
のが好きなので
この授業を受け
た。JTBの仕
事は大変なこと
が多いと分かっ
たが、楽しいこ
とも見つけられ
そうだと思っ
た」と感想を話
していた。
コーヒーを介したブラジルとの関係
「観光客呼び込むには」グループで討論
20
は外国人であることや、旅
行を案内する添乗員の中に
は1年のうち250日も海
外にいる人もいることな
ど、仕事の特殊性も丁寧に
30
12
ーマにした授業を行った。
同社は1992年から、昭
和基地に設置した多目的衛
星データ受信システムの運
用、保守点検のため、毎年
越冬隊に参加し続けている。
授業を受けた梅澤優さん
は「動物や食事の話など貴
重な話を聞けた。基地の中
は意外に暖かそうだった」、
菊池諒さんは「知らなかっ
た南極のことを知ることが
できた。オーロラがきれい
で、行ってみたいと思った」
と話していた。
よりも深く金融のことが学
べて楽しかった」と話して
いた。
水をホットプレートに垂ら
し蒸発させると、プレート
上に食塩が残り、食塩はろ
過されないことも確認し
た。絵の具の粒子はろ過で
きて、食塩の粒子はろ過で
きないことを、自らの目で
確かめることで、物質によ
って粒子の大きさに違いが
あることを生徒たちは体感
した。
生徒の一人は「普段使っ
ているものに、こんな先端
技術が使われているという
ことに驚いた」などと感激
していた。
28
11
いてみようと思った」と話
し、無線通信技術者として
南極観測隊に加わった経緯
を語った。
南極の大自然や夜空に輝
く生き物のようなオーロ
ラ。基地にたまにやってく
じゅん
かかわりについて理解して
もらうのが狙い。基礎研究
センターで医薬研究に携わ
る渕信寛さんが講師を務め
た。
授業では、同社が開発し
た超微細孔の「中空糸膜」
という、家庭用浄水器のカ
ートリッジなどに使われて
いる素材を用いて、絵の具
を溶かした水と食塩水をろ
過 す る 実 験 を 行 っ た。 ま
ず、青色の絵の具を溶かし
た水を通して、透明な水に
ろ過されるのを確認。続い
て、中空糸膜を通した食塩
紙幣を数える方法を学ぶ生徒たち
授業では、同社CSR企
画・社会貢献グループの鈴
木正人さんが会社の概要を
説明した後、越冬隊に参加
NECネッツエスアイ
生徒たちは のグループに
分かれて臨んだ。
『円』という単位は、何
「
時代から使われています
か」
( 答 え・ 明 治 )
、
「千円
札が破損して5分の2にな
ってしまいました。銀行に
行くと、いくらに交換して
もらえるでしょうか」
(答
三菱UFJフィナンシャ
ル・グループは、三菱東京
UFJ銀行大船支店の山村
徹支店長ら4人が講師を務
め、 人の生徒に、預金、
貸し出し、為替など銀行の
主要業務について説明した。
ごう だ ひろ き
講師の一人、江田公毅課
長は「お金が経済の血液と
だ い授 業 に 参 加 し た 白 石 惇
大さんは「円高・円安につ
いてよく理解できた。授業
南極の昭和基地に設置された多目的アンテナについて説明する森内さん
え・500円)などの問題
に対し、解答を発表するご
とに大きな歓声が上がった。
するなら、銀行は心臓、血
管と言えます」と、銀行の
社会的役割を分かりやすく
解説した。
授業では、銀行やお金に
ちなんだクイズが行われ、
10
12
JTB
益山さん(左奥)が出した問題を時刻表を使って調べる生徒たち
5企業・団体が一斉出前授業
神奈川県鎌倉市立大船中学校で 10月20日、読売教育ネットワークに参加している、NECネッツエスアイ、
三菱 UFJフィナンシャル・グループ、東レ、JTB、ディレクトフォースの 5 つの企業・団体による出前授業が行われた。
3 年生を対象にした90 分にわたるもので、生徒らは自分で受けたい授業を選び、真剣に聞き入っていた。
鎌倉市立
大船中
三 菱UFJフィナ ン シャル
東レの授業は、同社が研
究開発に力を入れている先
端素材と地球環境問題との
東レ
中空糸膜を使ってろ過実験を行う生徒たち
南極越冬隊で学んだこと
クイズ形式で銀行とお金を学ぶ
実験通じて粒子の大きさを体感
39
2016.11〈vol.23〉
5
学校 × 企業
学校 × 企業
Yomiuri Education Network
日本の高校生を海外に派遣し、ビジネスの最前線を視察したり、
Huron
「第 13 回海外プロジェクト探検隊」
(主催・読売新聞社、特別協賛・三菱商事、
Los Angeles
後援・アメリカ大使館)が8月 24 ~ 29 日、米カリフォルニア州で行われた。
6人の高校生が「食の安心と安全」をテーマに現地の農業生産現場などを巡った。
倫理的消費に関心高める
気込みで、社会貢献に取り組め
ば、貧困や環境問題の解決に役
立つはず」と期待を寄せた。
の将来が明るくなりそう」と
感 心 し た 様 子。 村 山 晶 彦 さ ん
も「一つ一つの企業が、世界を
より良い方向に導こうという意
熱心に見学していた小川夏生
さんは「いろんな企業がサステ
ナビリティーに配慮すれば世界
高校生6人 カリフォルニアを訪問
翌日は、三菱商事ロサンゼル
ス支店をたずね、同支店が取り
扱っているチョコレートなどの
フェアトレード商品について学
■主な日程
25日 カリフォルニア州ヒューロンなどで
Ol
am社関連の農場や加工工場を視察
26日 ロサンゼルスで三菱商事ロサンゼルス支店、
UCLAなどを訪問
27日 ロサンゼルス市内観光、
郊外の火力発電施設(DGC社)を見学
28日 日本へ向け出発
29日 帰国
7月半ばから9月いっぱいごが
うおん
収穫期。ハーヴェスターが轟音
をあげながら、広大な土地に実
ったトマトをどんどん刈り取っ
ていく。パスタソースやサルサ
ソースなどに商品化される加工
用のトマトだ。 時間ノンスト
ト農場。三菱商事が資本業務提
携する世界的な農産物事業会社
」
「 Olam International Limited
( 以 下、 O l a m 社、 シ ン ガ ポ
ール市場上場)が運営している。
一行がまず訪れたのは、カリ
フォルニア州ヒューロンのトマ
節水の取り組みに目見張る
り2000トンが収穫される。
乾燥地帯であるにも関わら
ず、スプリンクラーも農業用水
も見あたらない。不思議に思っ
た高校生がOlam社のスタッ
かん
フ に た ず ね る と、「 ド リ ッ プ 灌
すい
水システム」を採用していると
の回答。給水チューブが埋設さ
れ、センサーが水の状況を常時
チェックして過不足なく灌水さ
れる仕組みだ。
次に訪れたアーモンド農場で
も、徹底した節水対策を目の当
たりにした。ここでも、給水は
センサーによって管理されてい
る。高さ4~5メートルの成木
の根の深さは約150センチあ
ことを誓った。佐藤詠美さんも
「 買 い 物 を 通 じ て、 高 校 生 で も
理意識がある。
業し、現在は世界 か国で事業
を展開する国際企業に成長した
Olam社の成功の背景には、
環境と社会へのこうした高い倫
るが、給水は地下約 センチで
停止される。それによって、水
が無駄に地下深くへ浸透してい
くことを防いでいる。葉を切り
取って水分量をチェックするこ
ともあるという。害虫駆除のた
め天敵である益虫を放つなどし
て、より環境に優しい農業を目
指していることも説明された。
Olam社のビジネス展開は
サステナビリティー(持続可能
性)への配慮で知られる。環境
面はもちろん、安全で健康的な
作業空間を労働者に提供してい
る ほ か、 地 域 の 生 活 を 向 上 さ
せ る 社 会 貢 献 に も 積 極 的 だ。
英語が話せない。息子は
年の米国暮らしで英語
本文化に憧れ日本へ深い愛情を
持つ人、外国に生まれ育ったた
め、日本文化も日本語も知らな
人種が異なっても日本人と同
様の文化や言語力を持つ人、日
を話すが、娘は幼くて日
本語しかできない。自身は日本
に生まれ育ち、現在、英語を使
って仕事をしている。
「 同 じ 家 族 で も『 日 本 人 』 に
はこんなに幅がある」との阿部
教授の言葉に、高校生はハッと
させられた。
たい」と、気づきを得た様子だ
った。
デアの源泉になっている。留学
してみたくなった」と笑顔を見
せた。小林龍之介さんも「日本
や日本人について考え直すいい
機会になった。多様な価値観に
ついて今後も考えを深めていき
とらえるほうが楽しいし、いろ
んな可能性が生まれるのではな
いか」。阿部教授の持論に一同、
思わずうなずいた。
森下瑞紀さんは「アメリカ社
会では、多様な価値観や異文化
との出会いが新しい発見、アイ
。「『日本人』を固
い日系人
定的にではなくダイナミックに
─
1989年にナイジェリアで創
90
ツ用品などのフェアトレード商
市デザイン学科長を務める阿部
品が買えるが、認知度はさほど
仁史教授を訪ねる機会にも恵ま
高くない。谷口朋さんは「同じ
れた。阿部教授が多人種社会に
身を置いて考えた「日本人観」
地球に生きる人間として、消費
行動に敏感にならなくては」と、 「日本観」について話を伺った。
阿部教授は自身の家族を例に
今後は選択的な消費を心がける
語り始めた。妻は米国人の父と
日本人の母の間に生まれたが、
フェアトレード商品の売れ
行きを見ようと地元のスーパ
ー「ホールフーズ」も訪れた。
国際貢献ができる。フェアトレ
ード商品が開発途上国にいい影
カリフォルニア大学ロサンゼ
ルス校(UCLA)で建築・都
改めて思う、
「日本人」とは?
農業の生産現場を取材
ナッツ類、バナナなどの
果 物、 ト マ ト ペ ー ス ト
。フェアトレード認
証シールがついた商品が大量に
販売されている。一般的商品と
響を与えていることを、もっと
日本の消費者にも知ってもらい
たい」と話した。
─
比 べ 1・5 ~ 2 倍、 値 段 が 高 い
が、客は普通に購入している。
米国では、多少値がはっても環
組み。世界に多くの認証団体が
あり、児童労働を禁じて安全な
労働環境を作ったり、自然環境
に配慮したモノ作りを奨励した
りしている。
ップで作業が行われ、1日あた
24
California
国際交流したりした体験を読売新聞紙上などで発信する
6
2016.11〈vol.23〉
■参加者(敬称略)
森下瑞紀 (東京都立小石川中等教育学校5年)
小林龍之介(東京・早稲田大学高等学院2年)
村山晶彦 (東京・私立武蔵高校2年)
谷口 朋 (福井県立藤島高校2年)
小川夏生 (東京・神田女学園高校3年)
佐藤詠美 (東京・渋谷教育学園渋谷高校2年)
70
8月24日 米国へ出発
境や貧困問題に配慮した倫理的
な商品を購入しようという傾向
がある。
日本でも食品、衣類、スポー
Ol
am社が運営する広大なトマト農場を見学した
(上)
Ol
am社社員との交流会では、
生の英語にたじろいだ
(中)
「日本人とは何か」
について考えたUCLAのキャンパス
(下)
サンタモニカのビーチで思い切りリラックス
2016.11〈vol.23〉
7
10
第13回 海外プロジェクト探検隊
んだ。フェアトレードとは、開
発途上国の産品を適正な価格で
継続購入することで、労働者の
生活向上と自立を促す貿易の仕
農場ではアーモンドの実を観察することもできた
リポート
リポート
Yomiuri Education Network
リポート
■国語教育
兵庫県立神戸甲北高校教諭 荒川稔 「エッセイと小説の書き方を教える意義」
最優秀賞
■算数・数学教育
広島大学付属中・高校教諭 橋本三嗣
「生徒の活動を重視した数学Ⅰ
『データの分析』の
授業実践」
■理科教育
慶応義塾幼稚舎(東京都渋谷区)教諭 相場博明
「化石の魅力を多くの子供達に伝える」
■社会科教育
埼玉県立いずみ高校教諭 華井裕隆
「本当の主権者教育を求めて」
■生活科・総合学習
栃木県小山市立福良小学校 代表・中島利雄 最優秀賞に8部門8件
別支援学校分教室教諭・田中博之 ■特別支援教
育 宮城県立角田支援学校主幹教諭・大坂聡
か っ た 」「 他 に も 関 係 あ り そ う
なことを調べたい」など、前向
きな反応が返ってきたという。
橋本教諭は「今後も生徒が目
的と興味を持って活動できるよ
う、指導に取り組みたい。ほか
の学校にも同様の実践が広がれ
ば、いろいろな反応が見られる
のではないか」と期待している。
結城紬でふるさと学習
着きつつある。
つむぎ
が発案するなど、自分たちで何
ができるかを考える姿勢も身に
ったりと、物質的な面でも地域
の協力が欠かせない。
今年は、黄色の繭ができる蚕
の飼育に挑戦した。卒業制作の
余りで、来年の新入生に贈るア
クセサリーを作ろうと児童たち
アで児童たちに教えている。地
ふ か
元JAから孵化させた蚕を無償
で譲ってもらったり、織機など
の用具を市民から寄付してもら
10
福良小の取り組みを紹介する。
野村裕子)
■地域社会教育活動 兵庫県立姫路特
データ分析 生徒の興味刺激
長・沢登一浩/群馬県高崎市立乗附小学校(代表・
小山市立福良小学校(中島利
雄 校 長 ) が 1、2 年 生 の 生 活 科
や3年生以上の総合的な学習の
時間の授業を見直し、6年間か
解 東京都立白鷗高校主任教諭・小林翔 ■カリキュ
「サンタがいないと気づいた年
齢と一人で寝られるようになっ
た時期」などユニークなデータ
に 着 目 し、 関 係 を 分 析。「 サ ン
タの存在を信じている人ほど一
のグループに分けて、生徒たち
にテーマを考えさせた。生徒は
学校や地域での優れた教育実践を顕彰する「第 回読売教育
賞」は、全国から 部門に160件の応募が寄せられた。最優
秀賞は8部門で8件、優秀賞は9部門で 件が選ばれた。この
中から、広島大付属中・高校の橋本三嗣教諭と栃木県小山市立
65
ラム・学校づくり 山梨県南アルプス市立若草小学校
けて地元の産業である結城紬の
一連の工程を学ぶ「ふるさと学
校主幹養護教諭・足助麻理 ■外国語・異文化理
人で寝られるようになるのは遅
い」と仮説を立て、関連がある
■健康・体力づくり 東京都品川区立第四日野小学
広島大学付属中・高校の橋本
三嗣教諭( )は、2010年
度から、身近なデータを集めて
分析する授業を続けている。学
柳沼智恵/茨城県立水戸工業高校教諭・金沢容子
8
2016.11〈vol.23〉
11
学習 埼玉県所沢市立宮前小学校教諭・木下智実
習指導要領の改定で 年度か
ら、高校の「数学Ⅰ」にコンピ
ューターなどで数値データを整
京 都 渋 谷 区、代 表・藤 田 憲 宏 )
■ 生 活 科・総 合
理し、説明する「データの分析」
の単元が加えられたが、これを
先取りしたものだ。
■国語教育 福島県郡山市立郡山第五中学校教諭・
習」を始めてから5年目を迎え
る。
蚕の飼育や糸紡ぎ、染色、織
りなど を数える工程はそれぞ
れ、地元の専門家がボランティ
大輔 ■社会科教育 渋谷教育学園渋谷中学校(東
12
12
優秀賞
かどうかを探った。
どんな発言や質問が出るのか
予測できず不安もあったが、生
徒からは「他の班が推測したこ
とにつっこみを入れるのが楽し
■算数・数学教育 徳島市立城東中学校教頭・斎藤
42
■特別支援教育
千葉県立特別支援学校流山高等学園
主幹教諭 野尻浩
「社会自立を支援する学校設定教科『キャリア・
チャレンジ』の挑戦」
データの読み取り方など基礎
的な知識を教えた後、5人ほど
NPO高知市民会議 代表・尾崎昭仁
「子ども・若者の地域社会への参画意識の涵養
に関する一考察」
■地域社会教育活動
第65回 読売教育賞決まる
■児童生徒指導
堺市立三原台中学校 代表・木田哲生
「不登校対策『みんいく(睡眠教育)
』を通じた学
校づくり」
11月11日に読売新聞東京本社で行われた表彰式で記念の盾を受け取る橋本教諭
「ふるさと学習を通して、地域を愛し、地域の課
題解決に取り組む児童の育成」
リポート
AIU高校生国際交流プログラムが30周年
AIU 高校生国際交流プログラム
国際社会で活躍する人材の育成を目標にし
たプログラム。AIUが日本での営業開始 40 周
年を記念して1987 年に始めた。当初は東京都
内の高校生のみを対象としていたが、1993 年
から全国に対象を広げた。AIUとフリーマン財団
の協賛金で運営され、渡航費や滞在費は無料。
渡米プログラム(HSD=AIU High School
Diplomats Program)
と国内プログラム
(USHSD
=AIU US High School Diplomats Program)
の 2つがある。
渡米プログラムは、米国の首都ワシントンやニ
ューヨーク市内にある米政府機関や国連本部な
どを訪問し、ホームステイや米国の高校生との
共同生活も体験する。国内プログラムは、来日
した米国の高校生を受け入れ、国内の研修セン
ターで10日間、共同生活を行って日米の文化
交流を行う。
パネルディスカッションでプログラムの経験を発表した高校生たち
(右の3人)
一方、USHSD の日程は7月27日から8月8日ま
で。募集人員は男女各 10 人の計 20 人。申込書に
よる1 次選考を経て、面接による2 次選考を5月に行
う。詳細はウェブサイトを参照。
http://www.highschooldiplomats.org/contents/
download.html
30
は「( プ ロ グ ラ ム を 通 じ て ) 主
体的に情報を集めなければいけ
ない、ということを学んだ」と
発 言。 外 交 官 か ビ ジ ネ ス マ ン
になって、世界を股にかけて活
躍したいという志を抱く邱さん
は「一人ひとり、違っていると
いうことが価値を生むことに気
づ き、 違 い を リ ス ペ ク ト で き
るようになった」と語った。ま
た、国境なき医師団(MSF)
しん し
の救急救命医を目指す山本さん
は「アメリカ人の高校生たちが
真摯に話してくれて、異文化の
人との接し方を知ることができ
た」と述べた。
式典では、キャロライン・ケ
ネディ駐日米大使からの「参加
が目的ではありません。これが
皆さんの出発点です」というビ
デオメッセージが披露された
後、AIGジャパン・ホールデ
ィングスのロバート・ノディン
社長兼CEOが「残念ながら、
プログラム参加者で現在AIG
に勤務している人は5人しかい
な い 」 と 苦 笑 し な が ら、
「重要
なのはこのプログラムに参加し
9
た3500人の人生が参加をき
っかけに変わったこと」とプロ
グラムの意義を強調した。
なお、AIU高校生国際交流
プログラムは今年、 周年を機
に読売教育ネットワークに参加
した。
30
30
記念式典で参加高校生が発表
考を経て、面接による2 次選考を3月に行う。
一人ひとりの違いが
価値を生むことに気づいた
員は男女各 20 人の計 40 人。申込書による1 次選
国際公務員となって世界の
人々のために働く仕事につきた
い、 と い う 夢 が あ る 伊 藤 さ ん
HSD の日程は7月16日から8月7日まで。募集人
26
プログラムOGの加藤菜々さん
(上智大)が務めた。
USHSDは2月募集開始予定。
60
米保険大手AIG傘下のAIU保険会社が高校生国際交流プログ
ラムを開始して 回を迎えたのを記念した、「AIU高校生国際交
流プログラム 周年記念式典」が東京都港区のホテルで開かれた。
式典のパネルディスカッションでは、今年のプログラムに参加した
は、HSD が 12 月 開 始 で、締 め 切りは 1 月31 日。
日本の高校生 人の中から3人が研修の成果を披露した。
2017 年に実施される第 31 回プログラムの募集
てん ち
第 31 回の募集は 12 月から
しおり
30 回のプログラムに参加した。
発表したのは、国際交流プロ
グラムのうち、渡米プログラム
に参加した田園調布学園高(東
立岡山朝日高のシュレヤス・プラダンさんも、第
京都)の伊藤栞さん、筑波大付
おか
属高(同)の邱龍一さんと、国
内プログラムに参加した学芸大
校英語スピーチコンテストで1 位になった岡山県
回のプログラムに参加した渡米
昨年から読売新聞が後援している全国高等学
付 属 高( 同 ) の 山 本 天 智 さ ん
(いずれも2年)。司会は、第
米国に派遣された日本の高校生と、日本を訪
れた米国の高校生は計約 3500 人に達する。
2016.11〈vol.23〉
Yomiuri Education Network
リポート
米本南小
12
護者にも一言書いてもらい、翌
日、クラスで発表している。
「入試に勝つ新聞記事2017」を刊行
浜学園、駿台・浜学園と、読売新聞教育
▲スクリーンの前で、児
童に新聞ができるまでを
説明する高野企画委員
(10月21日)
NIE活発に
緊張した」と感想を語った。
12
県八千代市内の小学校22校、中学校11校で
は今年5月から、教材として1日計約370部
の読売新聞朝刊が地元の販売店から提供され
ている。各校では、この新聞を活用した取り
組み(NIE)が活発に行われている。
千葉 県 八 千 代 市 の 小 中 学 校 で
嶺黎香さん( )と後藤里桜さ
ん( )は「せっかく授業を受
けたので思いついた。校外の人
へのインタビューは初めてで、
21
子供たちに新聞に触れてもらおうと、千葉
辺由菜さん(8)は「新聞作り
のいろんなことがわかり、興味
月の新聞週間( ~ 日)
に合わせ、市立米本南小では
気になる記事に感想
国語担当の田中智大教諭
( ) は「 様 々 な 記 事 を 読 ん で
自分で考え、人に伝える経験を
積ませている。保護者に感想を
21
地元の販売店が新聞を提供
がわいた」と話した。
この後の給食の時間に、同小
の放送委員会の児童が講師3人
に突撃インタビューを実施。仕
事内容などを聞いた6年の與那
日、読売新聞東京本社教育ネッ
トワーク事務局の記者3人が講
師となり、新聞の作り方などに
八千代台西中の1年生4クラ
スではほぼ毎日、配布された新
書いてもらうことで親子の会話
のきっかけになるし、自分とは
15
記者3人がインタビュー指導
ついて解説した。
このうち、高野義雄企画委員
は 3、4 年 生 を 対 象 に、 記 者 の
七つ道具やインタビューの仕方
聞を生徒が交代で自宅に持ち帰
り、気になる記事をチェックす
八千代台西中
などを説明。教員に氏名や生年
月日、学校の先生になった理由
る」と狙いを話していた。
違う意見に触れる機会にもな
などを質問し、取材のお手本を
る。切り抜いた記事をシートに
貼って感想を記入するほか、保
みせた。授業を受けた3年の渡
26
10
◀気になった新聞記事
について感想を発表す
る八 千 代 台 西 中の生
徒ら
(10月13日)
読響が教育機関に
演奏CDを寄贈
ネットワーク事務局が共同編集した中学
読売日本交響楽団(読響)は音楽教育のサポート
2017」が、読売新聞社から刊行されまし
します。日ごろの演奏を会場でそのまま収めたライブ盤で、歴
問、
リオ五輪・パラリンピックなど、2017年
のです。寄贈するCDは、
グルリット作曲、歌劇「ヴォツェック」
(指
受験用時事問題集「入試に勝つ新聞記事
た。熊本地震やオバマ米大統領の広島訪
の中学入試に出題が予想される重要な時
事問題について、実際に読売新聞に掲載
された記事を収録するとともに、記事のポ
の一環として全国の教育機関を対象に特製CD(非売品)を寄贈
代の常任指揮者らとの競演を記録した音源としても貴重なも
揮:ゲルト・アルブレヒト=録音2000年11月)など7点。読響ウェ
ブサイトから応募フォーム、
または用紙をダウンロードしてお申
し込みください。 http://yomikyo.or.jp/present2016.php
イントや重要語句、関連項目などについて詳しく解説しています。
【対 象】小中学校、高校、大学・大学院(短大を含む)、
境」の5分野を網羅。各章の最後に掲載した一問一答形式の問題や
【点 数】1校・1団体 各種1枚ずつ
語カードとして持ち歩ける、重要時事ワードの一問一答カードもつ
【送 料】読響が負担
税別1450円。書店、YC(読売新聞販売店)などで購入できます。
【問い合わせ】
読売日本交響楽団事務局 ☎03・5283・5215(平日)
「日本の政治」
「日本の経済「世界の動き」
「文化と社会」
「自然と環
入試予想問題で知識の確認ができるほか、巻末には、切り離して単
いています。
2016.11〈vol.23〉
各種学校、図書館、音楽資料館
※品切れの場合は、在庫があるCDのみ送付
【募集期間】2016年12月末日まで。
10
海外で学ぶ・リレーエッセー
ニューヨーク大学アブダビ校
Abu Dhabi
New York
University
Abu Dhabi
YUAD進学はこの多様性が決
め手だった。合計104もの言
るが、その分、大学が様々なイ
ベントを開いてくれる。私は社
会研究・公共政策学と演劇学を
専攻しているが、世界的に有名
な中国人ピアニストのラン・ラ
ト島に閉じ込められているよう
な感じに苦しめられることもあ
さん 語を話す113の国籍の生徒が
4%の合格率をくぐり抜け、集
まっている。決め手のもう一つ
はアブダビ首長国政府からの一
人当たり年間8万ドルの(返済
ンがアブダビを訪れた時、彼か
ら直接アドバイスをもらえるマ
か
の必要がない)奨学金だった。
この中には、授業料、住宅費、
スタークラスに運良く選ばれ
た。少人数制であるこの大学の
特権と運でこのような素晴らし
い機会に恵まれたのであった。
もうすぐ大学2年になる。ス
ペイン語を上達させるためのブ
と
本・資料代、給付金のほか、1
年に2回日本を往復できる航空
券も含まれている。
NYUが最初に海外進出した
のは1958年、マドリードだ
った。大学の目標がグローバル
エノスアイレス校(アルゼンチ
ン)への留学が待ち遠しい。3
年次にはアクラ(ガーナ)で発
あ
市民の育成ということもあり、
学生は世界NYU全 拠点で最
大2学期学ぶことができ、教授
展途上国に住む子供達への支援
について研究し、4年次では公
共政策学と演劇学のダブル専攻
じ ょ
徐 亜 斗香
が学生を外国に連れて行ってく
れることもしばしばだ。授業の
一環で、イタリアにルネサンス
の卒業論文を終わらせる。これ
までの人生を覆すような「旅」
の後の自分が、どれだけ前と変
わったかを確かめるのが楽しみ
関西学院大阪インターナショナルスクール卒、
ニューヨーク大学アブダビ校1年
(執筆時)
先日、中東人類学の授業で、
米プリンストン大学のアブデ
ラ・ハムディ教授(人類学)が
芸術を学びに行ったし、ウガン
ダで行われたアフリカの演劇祭
も観に行った。バーレーンでは
沿岸の開発を視察し、インドで
だ。
( 会 報 編 集 部 抄 訳 The Japan
2016年5月 日)
News
14
イスラム教徒のメッカ巡礼「ハ
ッジ」を描いた本を読んだ。そ
れ以来、ここニューヨーク大学
アブダビ校(NYUAD)での
Dubai
ニューヨーク大学
アブダビ校
アラブ首長国連邦(UAE)
のアブダビ首長国とニュ
ーヨーク大学の合意によ
り、2010年に創設された。
米主要大学によって運営
される包括的なリベラル
アーツ、科学分野の中東
地域初の大学。
UAE
毎日の「旅」が、ある意味私の
中での「ハッジ」なのではない
かと思っている。
大 食 堂(
「大好きな教室」と
私は呼んでいる)では、異文化
間の会話が自然に生まれる。N
はインド武道とダンスの激しい
トレーニングも行った。
キャンパスがあるサディアッ
22
2016.11〈vol.23〉
英語の原文は http://the-japan-news.com/news/article/0002892641でお読みいただけます。
11
23
「NYUADとの世界をまわる旅」
リレーエッセー
海外留学を目指す高校生に進学支
ローシップ」
のメンバーが、
海外のキャ
援を行っているNPO法人「留学フェ
ンパスライフをリレー連載します。留
(http://ryu-fellow.org)
へ。
学フェローシップの詳細はウェブサイ
ト
インド南部のコラムにある寺院でカタカリ舞踊を練習する徐さん
(中央)
=本人提供