原田さん (中央) による模擬授業で、公園づくりについて話し合う参加者 (秋元和夫撮影) 2・3面へ 巻頭特集 18歳の1票 主権者教育セミナー 身近なテーマで政治に関心 キャリアデザインセミナー 就活の大学生を支援 4・5 第9回全国高等学校英語スピーチコンテスト 6・7 広がる世界わくわく学ぼう 2.3 読売ワークシート通信 2016.2 Vol.14 8・9 ASIJで「ことばの授業」 10 お知らせ・短信 11 米コロンビア大学「コロンビア大のコア・カリキュラム」 12 Yomiuri Education Network 巻頭特集 巻頭特集 大阪、京都府、東京都で出前授業 ドイツの政治教育 よい妥協を探る力育成 近藤孝弘 早大教授 下げられる見通しとなったのを受け、1 月に大阪、京 日本では政治教育が大切だと分かっていて 都府と東京都の 3 高で、読売新聞による 18 歳選挙 権をテーマにした出前授業が行われた。 のではという不安が先生の間に広がっている。 羽衣学園高 大阪府高石市の羽衣学園高校では 1 月 20 日、1 年生 102 人を対象に、読売新聞東京本社の小松夏樹編集委員 が講師を務めた。授業では、政治を身近に感じてもらおう と、03 年に行われた堺市と高石市との合併の是非を問う 住民投票を題材に、3 人から 4 人のグループごとに、賛成 か反対か話し合った。生徒たちは堺市と高石市の人口と 地方債、将来負担率などの資料を参考に、 「堺市と合併す れば、ごみが無料になるのでは」や「高石のいいところが 合併するとなくなりそうなので反対」など様々な意見を出 し合っていた。 ● 少子化問題をテーマに も、保護者らから中立的ではないと批判される ドイツの政治的中立性とは、色々な考え方がある中で、その真ん 中という意味ではなく、意見を幅広く紹介することを意味する。中 立性は批判を受けないためではなく、多様な意見を持つ生徒が活 発に議論するために必要だ。 ドイツの政治教育は、自分とは異なる意見をよく理解した上で、 良い妥協を探る力なども育てようとしており、直接的に民主主義社 会を支える有権者を育てることを目指す。 日本は政治制度の知識の伝達を重視してきたが、現実の政治問 題に目を向ける必要がある。政治家の演説や研究者の論文などの 資料の分析も政治教育には有効だ。 指導に話し合い活動を 都立大田桜台高 一方、東京都大田区の都立大田桜台高校では 1 月 25 見を述べ、異なる意見にも耳を傾けて合意形成する力を育むこと が求められている。結論に至る議論の過程を大切にし、生徒の考え や議論が深まるように様々な見解を示すことも重要だ。 選挙管理委員会や選挙啓発団体などと連携すれば、学校の負担 べることは避け、中立かつ公正な立場で指導してほしい。 ホワイトボードに支持する案の紙を貼る生徒たち ● 模擬投票を実施 京都学園高 また、翌 26 日には京都市右京区の京都学園高校でも、 渡辺編集委員による出前授業が行われ、同校の 1 年生約 160 人に読売新聞の紙面を示しながら、国内外のニュー 少子化や待機児童対策を巡り、3 人が争う架空の選挙を 想定した模擬投票を実施。生徒たちは各候補者の政策を 比較し、票を投じた。 読売新聞は主権者教育に関する中学、高校への 記者の出前授業を行っています。申し込みは http://kyoiku.yomiuri.co.jp/senkyoken/ 3 大隅哲平 松山市選管主任 公園に何を望む? 若年層の投票率を高めようと、2013 年の参 近隣住民、母親などの立場から 考え、それぞれ紙に書き留める 院選で、全国に先駆け、松山大のキャンパス 内に期日前投票所を設置した。年代別の投票 率が 10 年の参院選を軒並み下回る中、20 歳代前半だけが約 3 ポ イント上がった。 一人で長く話し続けないなど話 し合いの作法を説明 若者を巻き込んだ参画型の活動も進めてきた。大学生や高校生 を「選挙コンシェルジュ(案内人)」に認定。現在約 30 人が選挙啓 発活動の企画・立案・実施に取り組んでいる。また、大学サーク 考えを聞こう グループで考えを紹介し合う ルなど 12 団体約 300 人を「選挙クルー」に認定し、投票呼び掛け などの活動を進めてもらっている。 私は高校などでの出前授業も年間約 40 回実施し、高校生に本物 理想の公園は? グループで公園設計図案に設備 などを書き込みながら話し合う の投票箱、記載台などを使った模擬投票、開票作業などを体験して 講師による解説 もらっている。全国の選管も先生方からの相談を待っているはずだ。 2016.2〈vol.14〉 2016.2〈vol.14〉 37 11 12 90 24 「ペットを遊ばせるスペースを 設けるべきか」で議論になった グループもあった。 話し合いをしながら、フェン スなど必要と考える設備を設計 するためにも、必ず投票に行くべきだ」と述べた。続いて、 グループで話し合う 18 図案に書き込む。あるグループ は「憩いのスペースと活動的に 動けるエリアに分けることでま とまった」と発表した。 原田さんは、東京都中野区が 区民の声を反映させた公園づく りに取り組んだ実例や、茨城県 つくば市が住民投票の結果、公 園建設を撤回したケースを紹介 し、「 新 た な 公 園、 駅 の 周 り の 開発など、住んでいる街の中に い傾向にあることに触れ、 「自分が生きやすい社会を実現 政治と言えば? 大学に期日前投票所設置で 投票率アップ も 政 治 は あ る。『 高 校 生 』 の 皆 さんが変化の起点になってほし い」と強調した。 参加した群馬県太田市のぐん ま国際アカデミー中高等部の教 よしふみ 「課 諭、野村佳史さん( )は、 題や役割設定などの工夫次第 で、話し合いが盛り上がること がわかった。授業で生かしてい きたい」と話していた。 スや世論調査の方法などを解説。20 歳代の投票率が低 模擬授業の流れ 学生」「幼児を連れた母親」「お 年 寄 り 」「 商 店 主 」 の 立 場 に 割 り振られた。 「 そ の 人 に な り き っ て 一 番 望 むことを考えて」と原田さんに 支持したり批判したりしないことが大切だ。個人的な主義主張を述 促され、それぞれの立場での意 見を別の紙に書き込んでいく。 高齢者役や母親役から「バリ アフリーにして段差をなくし、 ベ ン チ も ほ し い 」「 子 ど も が 安 心して遊べる遊具や砂場が必要 だ」と要望が出ると、近隣住民 役は「若者のたまり場にはして ほしくない」と注文を付けた。 が軽減できる。現実の政治課題を取り上げる際は、特定の政党を 18 「 歳の1票 主権者教育セミナー」が1月 日、読売新聞東京 本社で開かれた。昨年 月に続く2回目で、約 人が参加した。ド イツの政治教育に詳しい早稲田大の近藤孝弘教授が講演し、文科省 の梶山正司氏が高校生用の副教材について説明。松山市選挙管理委 員会の大隅哲平氏が活動の実践例を紹介した。また、NPO法人「ユ ースクリエイト」の原田謙介代表による模擬授業も行われた。(こ の記事の本文は読売新聞の教育面で2月 日に掲載されました) 指導する際は、特に話し合い活動を取り入れてほしい。自分の意 教 員 ら が 生 徒 役 に 義を説いた。 を踏まえてほしい。 「各グループは一つの街です。 新たな公園をつくる案につい 票率は 60 歳代と比べ 3 分の 1 にとどまると説明。 「投票 に行かなければ意見は反映できない」と18 歳選挙権の意 下では、選挙は最も重要な手段だということ て、どうしたらより良い公園に なるか考えましょう」 原田さんの呼びかけで、参加 者が「高校生」になっての模擬 授業が始まった。 代表者が、議会で法律や予算を決定する制度 票してほしい」と、3 年生 145 人に呼びかけた。 選挙権年齢が 歳以上に引き 下げられるのに向けて、高校生 生用の副教材を配布した。国民から選ばれた の関心や一番身近なことでどの候補がいいかを選び、投 らの政治参加意欲を高めること が急務になっている。ユースク リエイトは全国各地の高校など で出前授業をしている。独自の 主権者教育プログラム「公園を つくろう!」は、身近なテーマ で、政治に興味を持ってもらう のが狙いだ。 文科省は昨年末、政治や選挙に関する高校 業が開かれた。渡辺編集委員は「難しく考えすぎず、自分 原田さんの模擬授業「公園をつくろう!」 5、6 人 ず つ か ら な る グ ル ー プには、公園の見取り図を記し た「公園設計図案」が配られ、 メ ン バ ー は「 近 隣 の 住 民 」「 中 梶山正司 文科省主任視学官 日、読売新聞東京本社の渡辺嘉久編集委員による出前授 少子高齢化が進む中、近年の国政選では 20 歳代の投 公園づくりのアイデアを発表するグループの代表者 (左端) 。右端は原田謙介さん 身近なテーマで政治に関心 ● 堺市と高石市の合併を題材に 主権者 教育セミナー 今夏の参院選から選挙権年齢が 18 歳以上に引き 2 Yomiuri Education Network 不足を招いたり、歩きスマホに よる事故などが増えたりする」 と述べた。 男子学生は、NIE面の 歳 選 挙 権 の 記 事 を 読 ん で、 「実は マホでゲームや検索が簡単にで きてしまうので、それに時間を とられて、思考力の低下や運動 恐れがある」との意見を発表し た。 別 の 女 子 学 生 は 家 計 面 の 「脱スマホ依存」を選んだ。 「ス 呈する声も上がった。一方で、 「候補者のウェブサイトを見て われていないので、若者がちゃ んと日本の政治のことを考えて 投票するだろうか。人気投票に なってしまう可能性もある」と 選挙権年齢の引き下げに疑義を 全員の発表が終わった後、こ の テ ー マ に 話 題 が 集 中。「 今 の 日本では思考力を養う教育が行 者が投票するようになれば、政 治も若者の意見に耳を傾けるは ず」と予想した。 内定者、採用担当者による パネルディスカッション セミナーは各回とも最初に、 「 就 職 レ デ ィ ネ ス・ チ ェ ッ ク 」 は質問するのか」と題して講義 を行い、新聞が就活に有用な理 由を分かりやすく解説した。 阿部さんは、企業が面接で見 極めようとしているのは「仕事 で 結 果 を 出 せ そ う か?」 「仲間 としてうまくやっていけそう か?」の2点しかないと断言。 それに答えるために面接で述べ るべきことは「私は○○な仕事 を通じて、○○な人々に、○○ な形で貢献したい」という志望 動機であると強調した。 志望動機を明確にしていく過 程で重要なのは、社会は「つな が り 」 で で き て お り、 「未来に 向けて変化している」と、しっ かり認識すること。それを会得 するのにもっとも適しているの が、政治、経済、社会、文化、 スポーツなどあらゆるジャンル について最新の情報が網羅され ている新聞だと説いた。 4 2016.2〈vol.14〉 新聞は考えるきっかけ 業を絞っていきたい。 シートを用いて、就職活動に対 する意識や準備度を各自で確 認。引き続き、人材開発コンサ ルタントの阿部淳一郎さんをコ ーディネーターに、各業界の内 定者4人と採用担当者 人を加 えた計6人によるパネルディス 使ったワークでは、こんな見方ができる カッションが行われた。 志望業界はどのように絞って いったのか、業界研究や企業研 究、自己分析はどのように進め たのか、など内定者の体験談が 生の言葉で語られ、参加した学 生は熱心にメモを取りながら聞 き入っていた。 容を解説しあって勉強になった。会社見学 金融業界志望の学生たちが集 まった2月3日のセミナー。最 たくさんのOBに会い、考えて業界や企 いることに、気づいた。 学生たちはお互いの関心や考 え方の違いに新鮮な驚きを感じ ながらも、楽しそうに議論して いた。同じ業界を目指す他大学 の学生と交流できたことも大き な収穫になったようだった。 で、いろいろな問題意識を持っている人が 阿部さん「つながりと 未来への変化の認識を」 考えを聞けたのも参考になった。新聞を セミナーの目玉は、阿部さん による新聞を活用したグループ ワーク。各自、その日の読売新 聞朝刊で気になった記事を1つ ピ ッ ク ア ッ プ し、「 な ぜ 気 に な っ た か 」「 そ れ が 社 会 に ど ん な ば、いろんな見方があると実感できた。 阿部さんが4回のセミナーで 強く訴えたのが新聞の重要性。 ぞれ違ったことが面白かったし、記事の内 前列のグループをのぞいてみる と、全員見事に別の記事を選ん でいた。 ある女子学生は生活面に掲載 されていた「電力自由化」の記 事 に 注 目。「 料 金 が 安 く な る と 大量に電気を使うことに抵抗が 同じ記事でも、個人の経験や背景が違え しまうと思った。みんなで新聞を読むこと ナーでは会社見学も行われ、参加した学生からは「企業の雰囲気 大変刺激になった。女子大なので男性の なくなり、環境破壊を助長する 内定者から率直な声を聞けてよかった。 就職活動に取り組む大学生を支援する「キャリアデザインセミ 各回とも、新聞活用ワークに先 立ち、 「『最近、気になるニュー スはありますか?』となぜ企業 三枝尚輝さん(早稲田大3年) 児玉梨花さん(日本女子大 3 年) 影響を与えると思うか」を考え、 4~6人ずつのグループの中で 共有、議論するというシンプル な内容だ。 ●メーカー モンド社石山記念ホールでそれぞれ行われた。読売新聞でのセミ 新聞ワークでは、気になった記事が人それ キャリアデザインセミナー 一度も投票に行ったことがない けど、これから自分より年下の ションを維持するためにしてい た こ と は あ り ま す か 」「 早 く 内 定が出る業界ってありますか」 など就活全般に関してのアド バイスや情報を求める質問の ほ か、「 総 合 商 社 で の 面 接 で、 自分はこれがしたいって希望職 新聞を読む大切さを教えてもらったのが良 かった。環境問題に関する記事を紹介して 金融、商社、メーカー各志望者向けの3回は東京・渋谷のダイヤ ●商社 就活の大学生を支援 人がどんな風に投票するのか気 に な っ た 」 と 告 白。 「今の政治 は高齢者向けの政策が中心。若 も、いいことばかりしか書いて いない。客観的な情報を得る手 段があるといい」との提案もあ った。 お互いにとても初対面とは思 えないほど、リラックスした雰 囲気で議論が展開したが、これ は会場全体に共通していた。新 聞がものごとを考えるきっかけ になることを実感できたグルー プワークとなった。 内定者を取り囲んで質問攻め 種を限定してしまっていいんで す か 」「 地 味 な 仕 事 が 好 き な の で事務職を希望しているのです が、そんな風に答えたらまずい でしょうか」など、個別具体的 な面接対策も気になっている様 子だった。 橋本潮音さん(フェリス女学院大 3 年) 初回のマスコミ志望者向けは東京・大手町の読売新聞東京本社で、 ●マスコミ マスコミ、 金融、 商社、 メーカー 業種別に4回 プログラム終了後、内定者や 採用担当者に対する質疑応答タ イムが設けられた。パネルディ スカッションで質問を募って も、手を上げにくいのに配慮し ●金融 望業種ごとに4回にわたって行われ、計319人の学生が参加した。 参加者の声 1 内定者はそれぞれの質問に丁 寧に答え、学生たちは納得した ような表情でうなずいていた。 のか、と勉強になった。視野が広がった と思う。図書館などを利用して、意識し が分かってよかった」と好評だった。 で、新聞ができるまでの流れを説明しても らい、記者になりたい気持ちが強くなった。 ナー」(読売新聞社主催)が1月30日から2月12日にかけて、志 学生たちの質問に答える内定者 (2月12日) 新聞を活用したグループワークに取り組む学生たち。中央は阿部淳一郎さん (2月8日) た手法で、学生たちは話を聞き たい内定者を取り囲んで質問攻 めにした。 「 長 い 就 活 の 日 々 で モ チ ベ ー くれた人がいたが、私だったら見過ごして 読売新聞東京本社の編集局を見学する学生たち (1月30日) て新聞を読んでいきたい。 長尾里穂さん(慶應義塾大 3 年) 18 就職活動を振り返る内定者ら (1月30日) 2016.2〈vol.14〉 5 リポート リポート Yomiuri Education Network 第9回全国高等学校英語スピーチコンテスト 臣賞は東恩納盛南さん(沖縄尚学高1年)に輝いた。 が反対する世界を想像できます か」と呼びかけ、一気に聴衆を 引き付けた。 スリランカではうなづく際の ジェスチャーが日本と逆、と種 明かしをした上で、交換プログ ラムでスリランカの生徒をホー ムステイで受け入れた際の戸惑 いから、内戦に悩まされた同世 代に共感し、異文化と交流する ことの重要さに気付いていった ことを説明。 「 彼 ら に 対 し て 出 来 る こ と は 何もないが、同様の境遇にある ひ が お ん な さん 地区大会を勝ち進んで出場した参加者ら 部 第1部 ◆ 第 1 位 文部科学大臣賞・文部科学大臣杯 シュレヤス・プラダン 岡山県立岡山朝日高 2 年(中国地区) 「Invest, Not Donate」 神戸市立葺合高 2 年(近畿地区) ◆ 第 3 位 全英連会長賞 仙北谷侑希 「Let’s Vote」 北海道札幌旭丘高 2 年(北海道地区) ◆ 第 4 位 全英連会長賞 中村真央 最初に聴衆への質問で始まっ た。 「 私 が ゲ イ だ、 と 言 っ た ら どう感じますか?」 しも、理解しているとは言えな い雰囲気だったことも付け加 数者(LGBT)への理解が世 界で進んでいる現状を報告した。 一方、自分の友達がゲイだと 告白した際の周囲の反応が必ず プラダンさんは 中学3年だった 2013年、高円宮 杯第 回全日本中学 パフォーマンスだっ た。 さん 移転や雇用機会を増やす投資 を、と呼びかけることだった。 「 究 極 の 目 標 は、 外 国 か ら の 援助のくびきから解放されるこ とだ」と結論付けた。米ウォー ルストリート・ジャ ーナル紙、英ガーデ ィアン紙、英BBC 放送や百科事典を引 用し、説得力のある る寄付ではなく、新しい技術の シュレヤス・プ ラ ダン 被 災 国への支 援のあ り 方 はっとするような出だしで、 緊張感を与えることに成功した。 え、差別は人類の最も醜悪な特 徴だ、と断じ、その例として、 性差別、人種差別、それに自分 ドでも同姓婚を支援するチャリ ティーが学校で催され、性的少 彼我の政治に対する意識の違い を認識した。 スウェーデンでは学校で選挙 権のない生徒たちによる模擬投 票があり、学校に政党の青年部 昨年交換プログラムでスウェ ーデンを訪問した際、現地の友 達に「支持する政党はある?」 と問われたことをきっかけに、 歳の選挙権というホットな 話題を取り上げた。 奥はんな さ ん 日 本の若 者の政 治 意 識 そこで出した提案が、不要不 急なものに使われる可能性があ 実際、2010年に起きたハイ チ大地震を見ると、発生から5 年たった今も8万5000人が キャンプで暮らしている。 大地震を題材にとって援助のあ り方を考えた。日本を含め各国 が支援を表明したことに安心し たものの、ネパールにとって支 援が本当に有効なのかどうか、 懐疑的になった。 政府高官たちの私物車や、飛 行機のファーストクラスのチケ ットになるのではないか……。 出身国ネパールで昨年4月に 起き、9000人が亡くなった 第 1位 米連邦最高裁が昨年6月、同性 婚を合憲と認めた判決を紹介。 米国だけでなくニュージーラン 高 木 サブリ ナ さ ん 少 数 者 に対 す る 差 別 下げるために新聞を調べさせて いる」と1位を喜んでいた。 る。そう思いませんか?」と言 って、再び首を左右に振るジェ スチャーをして、喝采を浴びた。 指導に当たったトーマス・ミ ッチェル教諭も「彼は、中学時 代も生徒会長をやった頑張り屋 さん。授業では時事問題を掘り にもなる。変化を恐れては いけない」と訴えた。 最 後 に、 「この架け橋は 未来の日本へ導くことにな 立つ、として年間2万人の 難民受け入れ案を支持す る、 と 主 張。 「文化の交流 から新しい考え方は生ま れ、架け橋を創造する道具 東恩納盛南 異 文 化 交 流の重 要 性 シュレヤス・プラダンさん(岡山県立岡山朝日高2年)、第2部の1位外務大 人を助けることはできる」と語 じ ょ な 文部科学大臣賞にプラダンさん 外務大臣賞に東恩納さん ック記念青少年総合センターで開かれた。地区大会を勝ち進んできた18人 、 「沖縄 「 夕 食 に チ キ ン は?」 が好き?」 、 「僕のこと好き?」 いずれの問いにもジェスチャ ー で 首 を 左 右 に 振 り、 「だれも 第2部 会主催、読売新聞社など後援)が1月31日、東京・代々木の国立オリンピ を招いてディスカッションして も ら う。「 若 者 に は、 自 分 た ち の社会を変える力があるという 信念がある」と感じた。 一方、日本はどうか。 代の 投票率は低く、選挙への関心も 少ない。 現状を見た上で「すべての学 校で模擬投票を」と提案する。 各政党の政策を調べて、それぞ れの長短を分析する。そして投 票して、最後に実際の選挙結果 と比較してみる。こうすれば、 日本の未来を形成する責任感を 持つようになると訴えた。 奥さんは「スウェーデンで話 題についていけなかった経験を テーマにすれば、タイムリーだ と思った。スクリプトを頭に入 れ、観客の目をしっかり見なが ら話せたのがよかった」と語っ ていた。 が小さいころにいじめられた体 験を挙げた。 そ し て、「 世 界 は 変 わ っ た 」 と し、「 差 別 さ れ る も の に と っ て、それがどれだけいらだたし いものか、想像できるか」と問 いかけ、差別されるものの側に 立った発想を訴えた。 高木さんは「みんなスピーチ が上手で、受賞できると思って いなかったので、うれしかった。 ◆ 第 1 位 外務大臣賞・外務大臣杯 東恩納盛南 第2部 沖縄尚学高 1 年(九州地区) ◆ 第 2 位 読売新聞社賞 高木サブリナ 「The Bridge to Japan’s Future」 福井県・仁愛女子高 3 年(東海北陸地区) 「The Fundamental Freedom of Love」 さん ほかの人のスピーチを聞くこと ドバイスが役に立った」 思いは十分伝えられたと思う。 伝えたいメッセージの骨を 本 残して、そこから枝分かれしす ぎないように、という先生のア さん 4位 中 村 真 央 「 や っ た、 と い う 感 じ。 原 稿 を作るとき、自分が何を伝えた いのか、を自分の中でしっかり 固めるのが大変だった。自分の めて発表できたのがよかったと 思う」 んだり、ビデオを見たりして、 初めて知ることが多かった。そ の上で作った原稿を、感情を込 位 仙北谷侑希 「 最 初 は 日 本 の 英 語 教 育 を テ ーマにしようと思ったが、先生 からアドバイスを受け、アイヌ 語にした。アイヌ語の資料を読 したが、普段より自信をもって 発表できた。資料集めに苦労し たが、発表の構成に気を配った 結果、オーディエンスに伝わっ ているという実感を得られた」 と語っていた。 校英語弁論大会(読売新聞社な ど 主 催、 コ カ・ コ ー ラ 特 別 協 賛)で2位に入賞した経験を持 つ。 念 願 の 1 位 に な り、「 緊 張 「Live! Rise Up to the Challenge」 ができて楽しかった」と喜んだ。 6 2016.2〈vol.14〉 「Languages Are Dying」 20 3 ◆ 第 2 位 読売新聞社賞 奥はんな 65 1 2位 第1部は英語圏に通算1年以上住んだ経験が ない生徒で、それ以外の生徒は第2部に出場 1 第1部 18 第9回全国高等学校英語スピーチコンテスト(全国英語教育研究団体連合 り、日本での多くの難民の受け 入れを提案した。 日本の少子化問題解決にも役 2位 2016.2〈vol.14〉 7 第2部 が出場。12人が出場した第1部は、1位の文部科学大臣賞にネパール出身の 1位 受賞者(敬称略) リポート リポート 神奈川県立神奈川総合高 2 年(関東甲信越地区) Yomiuri Education Network リポート リポート 数 登録者 0人 800 校内ポストに投函 仙台市立七北田小 仙台市立七北田(ななきた)小学校(森 函されたのは、わずか 2 通。しかし、楽し 屋勝治校長)は、 「読売ワークシート通信」 そうに取り組む児童に触発され、2 ~ 4 年 を全校的な取り組みとして活用している。 生を中心に徐々に広まったという。同小 2 児童が校内の「NIE ポスト」に投函した解 年の女子児童は「難しいところは親に聞き 答を、森屋校長が自ら採点し、担任から返 ます」 「 (決まった答えがあるのではなく) 却する仕組み。自主的に参加する児童は 自分で考える問題が面白い」などと話して 毎日 10 ~ 20 人に上るという。 いた。 同小では、今藤正彦教諭が中心になっ NIE コーナーには、同小の卒業生で、ソ てワークシート通信を活用してきた。昨年 チ五輪フィギュアスケート金メダリストの 羽生結弦選手が登場する記事も貼ってあ NIE コーナーにワークシート通信を貼り、 る。森屋校長は「記事には生の出来事が 持ち帰れるようにコピーを置いた。宿題 登場する。授業で育んだ力を使って、そ とはせず、児童が自ら参加するようにした れを読み解こうとする児童が増えてくれれ 2016年㻌 2月10日 (水) 社会「日銀㻌 マイナス金利」㻌 サイン 㻌㻌㻌 㻌 年㻌 㻌 㻌 㻌 組㻌 (㻌 㻌 㻌 )㻌 名前 2016年 2月 3日 (水) せいかつ「冷え込み彩る ◆日本銀行(日銀) 㻌あられ」㻌 は、お金を預けると サイン 㻌㻌㻌 㻌 お金がどんどん 名前 年㻌 㻌 㻌 㻌 組㻌 (㻌 㻌 㻌 )㻌 減 っ てし ま う 「 マイ れ さ ◆ 」 れ あ が た か 、 、 と 石いし お 川かわ 米こ み 㻌 㻌 㻌 㻌 年㻌 県けん め ど で 㻌 㻌 㻌 組㻌 で で (㻌り㻌 㻌 )㻌 名前 つ き 、 き ◆ ブラ ジル く の スラた ム 街い で育 った ら お 少 女 が 、音 ろ れ 会 楽 と出 かって に人 生 変えました。音 て し 色いろ を 楽 い教師 「とな ま あ づって地 元 の 子 ども たちす に音ら け える 楽 を教 夢を持ってい 。 ます。㻌 ナス金利」という政 策に、初めて踏み 社会「スラム 2016年 2月 3日 (水 街 㻌 希望の旋 律 切ります。㻌 ) 」㻌 (2016年2月5日読売中高生新聞より) サイン 【1】マイナス金利とは どのような金融政策です か。下の語句を使って説 明しましょう。 㻌 預ける㻌 㻌 手数料㻌 㻌 㻌 㻌 日銀㻌 㻌 㻌 0.1% 㻌 一般銀行㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 9 月、児童が通る多目的スペースにある 広がる世界 わくわく学ぼう いろ ため、初日に校長室前の NIE ポストに投 ば」と話している。 (㻌 A㻌 )が(㻌 B㻌 )に いろ です の すきな 色は なに色 【1】 あなた いろ しゃや ようふ く な か。そ の 色で じどう う。 ましょ えがき ど すきな ものを お金を(㻌 C㻌 )と、 (㻌 D㻌 )の(㻌 E㻌 )を 払わなければなら ない金融政策。 いつでもワークシートが手に取れるNIEコー ナーの前で問題を読む児童たち A ●解説●㻌 文字 の大き さは、主題文 >回答欄 >設問文>こ の欄。右 上日 付と 設問 番号 は 全角数字。㻌 日本の裏側でも新鮮な記事 パラグアイ・アスンシオン日本人学校 リオデジャネ イロ でバイオリン 【1】ファベ を弾くイザベ ーラとはどん 南米・パラグアイの首都にあるアスン 「海外にいるから『国際理解』も深まる スを降りた生徒たちから回収することにし シオン日本人学校(田口克敏校長)では、 だろうと単純に考えがちですが、日本の事 た。しかも、ワークシートの問題に解答す 昨年 11 月から、中学生が「読売ワークシ 情に疎くなると、国際理解の基盤となる自 るだけでなく、要約と意見も課した。ノー ート通信」に取り組んでいる。パラグアイ 国理解が疎かになってしまいます」と言う トの左側にワークシートを貼り、見開きの は南米大陸のほぼ中央に位置し、人口約 田口校長は、以前から教育記事のチェッ 右ページに、原稿用紙のプリントを貼って 700 万人。農業が盛んで、大豆の輸出国と クに使っていた「ヨミウリ・オンライン」で、 要約と意見を各 150 字以内で書く。集め たノートには、田口校長自身が目を通して 日系人も少なくない。 速申し込んだ。 いる。 昨春、パラグアイに着任した田口校長 インターネット経由なら国内と同時に、 課題が出るようになって、最初は「そん は、中学生の社会科の授業を担当して、 日々の新鮮な記事で作られたワークシー なに書くの、うわーっ」と思ったという男 生徒たちが「日本の情報から隔絶されて トを入手できる。日本にいるときから、新 子生徒は、 「書かれている文はとても勉強 いる」と感じた。日本語の新聞は入手が難 聞が読める力を中学生の段階で付けさせ になり、スラスラと300 字書けるようにな しい。テレビは NHK だけが視聴できるも たいと考えていた田口校長は、ほぼ毎日、 りました。今まではネットニュースを見て のの、ニュースの時間は限られる。 1 枚ずつシートを渡し、翌日の朝、通学バ 聞夕刊より) (2016年1月23日㻌 読売新 う かきましょう。 おとを 3つ いじょ べいを たべた ときの 【2】あられや おせん 【2 】イ ザベ しょう。 かきま ラさ んの選択 5つ いじょう をあ なたはど たべもの(りょうり)を 思いますか。 う 【3】色が きれいな 景気㻌 㻌 㻌 㻌㻌 教育関連情報は㻌「読売教育ネットワーク」で㻌㻌㻌㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㼗㼥㼛㼕㼗㼡㻚㼥㼛㼙㼕㼡㼞㼕㻚㼏㼛㻚㼖㼜㻌 発揮 ↑読売中高生新聞の記事を使っています 㼥㼛㼙㼕㼡㼞㼕㻚㼏㼛㻚㼖㼜㻌 小学1年生から中学・高校生まで 多様な難易度のシートを提供 ットワーク」で㻌 㻌㻌㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㼗 㼥㼛㼕㼗㼡㻚㼥㼛㼙㼕㼡㼞㼕 ©㼀㼔㼑㻌㼅㼛㼙㼕㼡㼞 㻚㼏㼛㻚㼖㼜 㻌 㼕㻌㻿㼔㼕㼙㼎㼡㼚㻌 通信が始まったのは 2009年4月。今ほど教 科書で新聞が取り上げられ ていない時期で、新聞と子 どもたちをどのように結び 学校での新聞活用を支援 するため、読売新聞社は毎 週、「 読 売 ワ ー ク シ ー ト 通 信」を教材として先生方に 無料配信しています。登録 者数は8000人を超え、 現場の先生が使い方を工夫 したり、日本語の新聞が手 に入りにくい海外で親しま れたりと、活用の方法はさ まざまです。 高 ま っ た 」「 自 分 の 意 見 を 表 現 す る 力 が つ い た 」「 学 力テストの成績がアップし た」といった感想が寄せら れています。教員の多忙さ が話題になる中で、手軽な 教材として使われる一方、 自ら設問を考え独自のワー クシートを作るようになっ た先生方もいて、新聞活用 聞が創刊されたため、記事 の種類も増え、子どもたち の成長度に応じたふりがな 付きのシートや、複雑なニ ュースをわかりやすく解説 するシートが提供できるよ うになりました。 朝学習や授業の冒頭など で日常的に利用するほか、 家庭学習で生かしている例 も 多 く、 「社会への関心が 外ではなかなか得られない情報を得るこ 㻌㻌 →㻌 【3】マイナス金利が始まると、日本の景気は良くなると思いますか。記事をよく読んで、あなたの考えを裏 もじ㻌 面に書きましょう。 ©㼀㼔㼑㻌㼅㼛㼙㼕㼡㼞㼕㻌㻿㼔㼕㼙㼎㼡㼚㻌 【3】どんな 職業に就き、 したいですか あなたの力を 。 つけたらいいかを考えてい る先生の参考になるように と企画。読売新聞や英字紙 の記事を The Japan News 切り抜いて設問と解答欄を つけ、A4判1枚のシート にまとめたものです。 ました」と書いた。ほかの生徒からも「海 国 語、 算 数、 社 会 や 総 合、英語など様々な教科に 当てはまる内容を、小学校 低学年から高校生まで難易 度別に作成し、小学校版と 中学高校版として、それぞ れ5枚セットで配信してい 日本について知ることができるようになり 㻌㻌 会社や㻌 →㻌 もじ㻌 㻌 㻌 個人㻌 㻌㻌 ©㼀㼔㼑㻌㼅㼛㼙㼕㼡㼞㼕㻌㻿㼔㼕㼙㼎㼡㼚㻌 ます。その後、読売KOD OMO新聞や読売中高生新 深く考えることはなかったのですが、ワー 㻌㻌 一般㻌 㻌㻌 銀行㻌 㻌㻌 読2 売0 新1 6 聞年 朝1 刊月 よ 28 り日 いろ 教育関連情報 は㻌「読売教 育ネ クシートに書かれている内容を見て今の E 【2】マイナス金利の導入で、日銀はどのようなシナリオを描いていますか。 。 とができました」 「興味のある記事が多か 課題が楽しみになってきたという報告が 寄せられている。 ワークシートを貼った生徒のノートをチェック する田口校長=上、日本人学校の校舎=左 (い ずれも田口校長提供) 4 月からは、小学生も含めて、全児童生 徒にワークシートの取り組みを始めたい と田口校長は考えている。 の幅を広げるのに役立てて もらっています。 「この話題知っている」ということが増え、 配信対象は、原則として 小中高校の教員および学校 といった感想や、家でテレビを見ていて 司書。まずは「読売教育ネ ットワーク」へご登録くだ さい。参加登録の際には、 読売ワークシート通信「希 望シート(小学校版か中学 高 校 版 か )」 選 択 欄 に チ ェ ックを入れてください。 ったです」 「国語の力と社会の力がつく」 参加登録、配信お申し込みは 新聞記事教材 9 読売教育ネットワーク 2016.2〈vol.14〉 2016.2〈vol.14〉 新聞記事が教材に して知られる。戦前から日本人が移民し、 「ワークシート通信」の紹介を目にして早 C D ラさん(18) な場所ですか 㻛㻛㼗㼥㼛㼕㼗㼡㻚 ネットワーク」で㻌㻌㻌㼔㼠㼠㼜㻦 教育関連情報は㻌「読売教育 B http://kyoiku.yomiuri.co.jp/ 8 Yomiuri Education Network リポート アメリカンスクール・イン・ジャパン 記事の書き方学ぶ in ASIJ インターナショナル・スクールで初開催 記者パソコンで打った見本の原 さん (中央) 稿を映し出して授業をする瀬尾 読売とACEの「ことばの授業」 読売新聞社がNPO法人企 業教育研究会(ACE)と 年以上にわたって展開してき た「ことばの授業」が、2月 日、英語を主言語とするイ ンターナショナル・スクール で初めて開かれた。 授業を招請したのは、東京 都調布市にある「アメリカン スクール・イン・ジャパン」 (A S I J )。 中 学 生 約 人 が、 読売新聞教育ネットワークの 佐藤伸専任部長とACEの瀬 尾悠太さんの軽妙な掛け合い に 導 か れ、「 新 聞 記 者 に な ろ う」をテーマにメモの取り方 から簡潔な記事の書き方まで を学んだ。 授業は、日本語を母国語並 みのレベルでしゃべれる生徒 人前後のクラス3組が対象 で、それぞれ 分間にわたっ て行われた。最初に、記者が 「罫線がない」「小さい」など と い う 指 摘 に 加 え、「 紙 が 薄 い」といった鋭い観察が飛び 出し、講師陣をたじたじとさ せる場面もあった。 千葉大学教育学部などを母 体とするACEは、2005 年以来、読売新聞と ともに「ことばの授 業」を毎年全国約 授業で積極発言したK君 ( )は、 「前にいた学校でも 新聞記事のコピーを渡されて 作文する授業はあったけど、 分間という制約があった が、生徒たちは学んだばかり の記事化の技術を駆使して、 立派な文章に仕立て上げた。 で補足する準備をしていた。 ところが、ふたを空けてみる と生徒の理解度、表現力は高 く、取り越し苦労に終わった。 授業のクライマックスは、 学校でのある「事件」を伝え る動画を見て、記事にまとめ る課題だった。締め切りまで ちが日本語での説明について こられない事態に備えて英語 て、これまでインタ ー校での実施例はな かった。パリやカイ ロ、ジュネーブに駐在経験の ある佐藤部長は今回、生徒た 日本語学習は充実させたい。 『ことばの授業』のようなハ ンズオン(実践的)なプログ ラムはありがたい」と述べた。 まった。 ASIJジャパン・センタ ーの高野京子ディレクター は、 「日本にある学校として、 会貢献活動を進める読売新聞 の意向と一致し、今回のコラ ボが実現した。ASIJの読 売教育ネットワーク参加も決 で日本の言語や文化の学習に も力を入れている。これが、 子供たちの表現力を高める社 国の国籍を持つ計1500人 が通う。英語で高水準の教育 の子弟らが通うASIJは、 幼稚園から高校生まで、 か 校で実施してきた が、日本語を教える という特性もあっ 60 今回は映像を見て自分で記事 を 書 け た。 と て も 面 白 か っ た」と感想を語った。 首都圏に住む外国人駐在員 記事を書く上での注意点を説明する 佐藤専任部長 (右) を施していることで知られ、 卒業生の多くが米欧の有力大 学に進む。一方で、2015 年には「ジャパン・センター」 を開設、生け花から折り紙ま 38 60 使う取材用のメモ帳を渡され た子供たちは興味津々。瀬尾 さんが、記者メモ帳と学習用 ノ ー ト の 違 い を 尋 ね る と、 80 10 2016.2〈vol.14〉 15 12 15 20 10 お知らせ・短信 卒業をテーマに 写真コンテスト -読売中高生新聞 3/29に 関西大会 中学生ビブリオバトル 活字文化推進会議は3月29日(火)正午 から、大阪大学中之島センターで中学生 ビブリオバトル関西大会を開催します。 読売中高生新聞では「卒業」をテーマにした写真 コンテストを開催します。苦楽を共にした友達との別 【日時】 3月29日 (火) 作ってくれる最後のお弁当など、あなたなりの「卒業」 【場所】 大阪大学中之島センター す。自由な発想の作品をお待ちしています。 グランプ 【対象】 関西2府4県(大阪、京都、兵庫、奈 新聞で4月に紹介する予定です。 【応募方法】 学校長推薦もしくは各校で 12:00~(受付11:30~) れ、お世話になった恩師との涙の抱擁、お母さんが (大阪市北区) を写真に撮って送って下さい。在校生の参加も歓迎で リ、準グランプリを初めとする優秀作品は読売中高生 良、滋賀、和歌山)の中学生(現3年生含む) 【応募資格】 中学生、高校生 【締め切り】 3月15日 (郵送は当日消印有効) 【応募方法】 ①題名 ②名前 ③住所 ④電話番号 ⑤学校名 ⑥生年月日 ⑦作品に込めた思い (100~300字)⑧デジタル処理をした場合、その具体的内容 を明記の上、画像データをメール添付で送信、またはプリントを郵送してくださ い。学校単位での応募の場合は担当の教諭の連絡先も記載してください。 【あて先】 ■メール [email protected] ■郵送 〒103・8601 日本橋郵便局留 読売中高生新聞「卒業写真コンテスト係」 校内予選を実施、代表を決定し、 「関西大 会出場希望」 と明記の上、①学校名、学年 ②発表者名(ふりがな)③紹介する本、著 者、出版社 ④担当教諭(司書)⑤電話番号 を記入して事務局までお申し込み下さい。 発表者の決定が遅れる場合、学校名だけ の仮エントリーも可です。先着20校まで。 なお観戦も申し込みが必要です。 【送信先】 FAX:03・3217・4309 応募についての詳細は、 ヨミウリ・オンラインの中高生新聞コーナーをご覧下さい。 メール:[email protected] http://www.yomiuri.co.jp/teen/special/20160208-OYT8T50128.html 【問い合わせ】 読売新聞東京本社 2020 TAKUSHOKU NEW ORANGE スポーツフォーラム 活字文化推進会議事務局 ロンドンオリンピック競泳メダリストの寺川綾さんと拓殖大学の女子アスリートたちが集 高校ビブリオバトル 新年度の予定 ☎ 03・3217・4302(平日10:00~17:00) オリンピアンが語る 『夢の叶え方』 い、2020年に向けた"夢"を語り合います。春のオープンキャンパスも同日開催します。 【日時】 2016年3月20日 (日・祝)13:00~ 14:30(受付開始12:30~) 決勝大会は2017年1月8日(日)に、 よみうり 【会場】 拓殖大学文京キャンパス 後藤新平・新渡戸稲造記念講堂 大手町ホールで開催します。 東京都文京区小日向3-4-14(東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅 徒歩3分) 都府県大会は新年度、群馬、岐阜、宮崎など 【定員】 300人(先着順)入場無料・事前申込不要 で新たに開催を検討しています。 ブロック大会 は、北海道(10月2日、北海道大学)、東北(9月4 ■コーディネーター 小田貴子(フリーアナウンサー/外国語学部卒) 藤野舞子(商学部卒 北京オリンピック400m個人メドレー代表選手) ■オリンピアン 寺川 綾(ロンドンオリンピック競泳背泳ぎ100m銅メダリスト) ■女子学生アスリート 女子バスケットボール部 橋本美華(商学部経営学科4年) 空手道部 建部美希(国際学部国際学科2年) ボクシング部 山田夏冴(政経学部経済学科1年) 主催:2020 TAKUSHOKU NEW ORANGE PROJECT 後援:読売新聞社 【問い合わせ】 拓殖大学広報室 ☎ 03・3947・7160 ネットワーク参加企業が出展 日、東北大学)、関東・甲信越(未定)、北陸(8月 7日、石川県政記念しいのき迎賓館)、東海(9月 25日、椙山女学園大学)、関西(未定)、中国(未 定)、四国(7月23日、松山東雲女子大学)、北部 九州・山口(11月13日、西南学院大学)の9大会 です。 ブロック大会、都府県大会の開催情報は21 世紀活字文化プロジェクトのウェブサイトで → http://katsuji.yomiuri.co.jp/ 奈良市「交流の集い」 地域で取り組む教育活動を報告し合う奈良市の「交流の集い」 (同市教委など主催)が2月13日、 同市のなら100年会館で行われました。市立中学校の校区ごとに活動する21の地域教育協議会 が、それぞれ成果を紹介し、参加者らが意見交換しました。 ポスターセッションで来場者に説明する中学生 各協議会は、中学校の斜面の雑草対策に羊を飼って地域と中学生で世話をしている様子、垂仁 天皇陵や唐招提寺、薬師寺などがある校区では地域ぐるみで史跡の清掃や伝統文化の体験、 また は梅や紅花染め、竹炭など地域の特産を生かした活動などをそれぞれポスターにまとめて順番に発表しました。 会場では、子どもたちが手作りしたお菓子やせっけんなど 「学区ブランド産品」の販売も。企業・団体・大学もブース参加し、読売新聞ほか読 売教育ネットワーク参加企業の関西電力や大阪ガスが、学校支援プログラムを紹介。別会場では、中学生が地域の大人から職業について学 習したことを来場者に説明し、 どの発表が良かったかを投票してもらう 「ポスターセッション」 も行われました。 「地区の茶農家の思い」 「保育士 の裏側」 「お客様が快適に過ごす工夫」 といった題名で手作りの写真や説明文を掲示しながら、元気よく学習の成果を披露しました。 11 2016.2〈vol.14〉 Yomiuri Education Network か せ あ や 加瀬 彩乃 の さん かんでよろけながらラウンジに 出た。 人ほどの寮生がもうシ ェークスピアの「リア王」のコ ピーを手にカウチに座り込んで 同じ階の寮生一人からテキス トを受け取ると、自分の本をつ 「 ラ ウ ン ジ で『 リ ア 王 』 の リ ーディング!」 U.S. いる。と言っても私たちは英文 学専攻でもなければ、シェーク スピア・マニアというわけでも ない。経済、医学、コンピュー ター科学を専攻する学生たち が、この英文学の演劇の古典を 熱心に大声で読んでいる。 これは古典文学と呼ぶコース の多くの科目の一つだ。コロン ビア大に進学した1年目の学生 面を描いた古代ギリシャのつぼ を調べる。フリック・コレクシ ースに深いディスカッションを 行う。時には、本を閉じ、キャ ンパスの外に出ることもある。 バスに乗ってメトロポリタン美 術館へ行き、イーリアスの一場 週間に2回、1回2時間の授業 で、 人の学生と教授一人が、 1週間に読む200ページをベ の名著を教材にする。ホメロス やドストエフスキー、個人的に 好きだった聖書なども扱う。1 大の多様な学生を共通の学習を 通して一つにまとめることがで き る。 「 コ ア 」 が な け れ ば、 コ ロンビアを経験した、とは言え ないだろう。 のラウンジで見られる光景のよ う に、 「 コ ア 」 は、 コ ロ ン ビ ア らだ。普通だったら目に留まら ないような問題に目を見開かせ てくれる機会であり、そうする ことで、専攻選択への展望を開 かせてくれるのだ。そして、寮 機会だ。広い知識とものの見方 に触れることで、少人数クラス を通して自分のものにできるか ない、と否定するものもいるか もしれない。けれど私にとって は、欠くことができない学習の ( 会 報 編 集 部 抄 訳 The Japan 2015年9月 日) News ョン(美術館)には地下鉄で行 き、ドン・キホーテのタペスト リーを精査した。学習体験を豊 かなものにしてくれる。これこ そ、ニューヨークという大都市 で学ぶ特権だ。 古典文学はコロンビアの「コ ア・カリキュラム」の一つであ り、哲学から科学まで、コロン ビア大生一人ひとりが取得しな ければならない。四年制の学生 として、私は「政治哲学」を取 った。これは、ある一つの社会 の 宗 教、 政 治、 経 済、 哲 学 的 な価値を精査することによっ て、様々な社会の諸問題を理解 し よ う と す る も の だ。 「コア」 は全学生が同じ書物を開け、批 判的な対話に関わる、という共 同体的体験だ。授業は自分の専 プの詳細はウェブサイト ( http://ryu-fellow.org) へ。 Washington は全員、履修する。この前後期 NPO法人「留学フェローシップ」のメンバーが、海外の 11 キャンパスライフをリレー連載します。留学フェローシッ 20 攻には直接的には役立たない、 と言って「コア」を実際的では 海外留学を目指す高校生に進学支援を行っている New York 一年間のコースでは、西欧文学 米ニューヨーク市にある1754年創立の総合大学。植民 地時代に英国国王ジョージ2世の勅許により、キングズ カレッジとして創立され、全米で5番目に古く、アイビ ーリーグの一つ。 コロンビア大学 Columbia Yale Univ. Univ. 10 海外で学ぶ・リレーエッセー⑭ 渋谷教育学園渋谷高卒、米コロンビア大学 年 加瀬彩乃さん (前列右から2人目) (本人提供) 12 英語の原文は http://the-japan-news.com/news/article/0002379554でお読みいただけます。 2016.2〈vol.14〉 2 米コロンビア大学 「コロンビア大のコア・カリキュラム」 リレーエッセー
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