Institute for Global Environmental Strategies 環境と難民 ー激動のルワンダー 森 秀行 Hideyuki Mori IGES所長 President, Institute for Global Environmental Strategies (IGES) Institute for Global Environmental Strategies (IGES) Photo No.1 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) I. 環境と難民 環境 難民 • 環境難民:環境問題が難民を作り 出す (ルワンダの虐殺) ダ 虐殺) • 難民による環境破壊 難民による環境破壊:難民が環境 難民が環境 問題を作り出す(ルワンダ難民) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 3 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの自然社会条件 1. アフリカで最も高い人口密度 (1990年) • ルワンダ 293人/平方キロ • イギリス 235人/平方キロ、 オランダ 366人/平方キロ • 日本 336人/平方キロ (2010年) 2. 人口の急増: 1948年に180万人、1992年には750万人。約4倍の人 口増加。 3. 「千の丘の国」 適度な雨量 肥沃な土地 マラリア蚊やツェツェバエがいない安全な 適度な雨量、肥沃な土地、マラリア蚊やツェツェバエがいない安全な 生活環境。「千の丘の国」と呼ばれるように高地にあり、熱帯にあっ ても気候が温暖。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの民族構成 • フツ族 フツ族: 85%、西ないし南からルワンダに、ツチ族より先 85% 西ないし南からルワンダに ツチ族より先 に移住。基本的に農民。背が低くガッチリ型、色が黒く、 鼻が低く 唇が厚く 顎が広い。 鼻が低く、唇が厚く、顎が広い。 • ツチ族:14% ツチ族:14%、北ないし東から、もっとも最近ルワンダに 北ないし東から もっとも最近ルワンダに 移住。基本的に遊牧民。背が高く痩せ型、肌色が薄くて、 唇も薄く、あ が細 。 唇も薄く、あごが細い。 • トゥワ族:1%弱。ルワンダにもっとも古くから居住。ピグミ ーとも言う。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの歴史 ダ 歴史 (そ (その1:植民地) 植民 ) • 1897年ドイツ、第 1897年ドイツ、第一次大戦後、1916年からベルギーが 次大戦後、1916年から ルギ が 植民地化。王権を形骸化、ツチ族を通して国の運営。ツ チ族が欧州人に近いと思ったため。 • 1930年代;ベルギー、ツチ族とフツ族をしめすIDカードの 携帯を義務化。両民族の固定化、対立を促進。 • 1957年、バフツ宣言、フツ族主導の独立に向けた基盤。 ベルギーもフツ族支持へ。 • 1961年、キゲリ国王(ツチ族)退任。 1961年 キゲリ国王(ツチ族)退任 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 7 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの歴史 (その2:独立) • 1962年: ルワンダ独立、フツ系カイバンダ大統領。 ルワンダ独立 フツ系カイバンダ大統領 • 1963年以降、フツによるツチ2万人の殺戮。約20万人のツチ族が、 1963年以降 フツによるツチ2万人の殺戮。約20万人のツチ族が 隣のウガンダやコンゴに移動。 • 1965年から6年間: 服部正也氏、ルワンダ中央銀行総裁として、税 制政策などの改革に貢献。ルワンダ中央銀行総裁日記〔中公新書) で有名。 で有名 • 1973年:フツ族、ハビャリマナ元帥による無血クーデター。ツチ族と 1973年 フツ族 ハビャリマナ元帥による無血ク デタ ツチ族と の共存政策に転換。その後、約15年間、ルワンダは経済的にも発展 。医療や教育の分野でもアフリカのモデルとなる。 。医療 教育 分野 リ な 。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの歴史 (その3:暗転) • 80年代後半からの旱魃や森林伐採により、徐々に経済発展鈍化。 80年代に 難民化したツチ族は60万人に 80年代に、難民化したツチ族は60万人に。 • 1989年、旱魃に加え、主要輸出産品であるコーヒーと紅茶の国際価 格 落 格暴落。世界銀行による緊縮政策、IMFによる構造調整政策の展開 銀 縮政策 構造 整政策 。社会政策の衰退、公共料金の値上げ、失業の増加。 • 1990年、ハビャリマナ大統領、外部からのツチ族の侵略を契機とし て、フツによるツチの殺戮を開始。内戦状態に。何百万のルワンダ 人が戦闘を避難し難民キャンプに。 • 1993年、タンザニアのアルーシャで停戦合意。この合意に基づき、 国連PKO 展開。2500人規模。フツ過激派は、この合意に反対。しか 展開 2500人規模 フツ過激派は この合意に反対 しか し、これは入れられず、更なる殺戮のための訓練など開始。民兵な どを組織化し、10家族に1人、計3万人規模に。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの歴史 (ジェノサイドの開始) • • • • • Hideyuki Mori 1994年4月:タンザニアから帰国したハビャリマナ大統領とブルンジ の次期大統領を乗せた飛行機がルワンダのキガリ空港で 2発のミ の次期大統領を乗せた飛行機がルワンダのキガリ空港で、2発のミ サイルにより爆破。全員死亡。 事件の首謀者は不明 しかし この事件後 フツ過激は 首相始めフ 事件の首謀者は不明。しかし、この事件後、フツ過激は、首相始めフ ツ穏健派の政府の要人を虐殺、クーデターにより、ルワンダを制圧。 ラジオな を通 、 キ リを殺 」 、 チ族 殺戮を呼び け。 ラジオなどを通じ、「ゴキブリを殺せ」と、ツチ族の殺戮を呼びかけ。フ ツ国軍による銃を使ってのツチの虐殺開始。虐殺当初、ルワンダの ツチ族の人口は100万人程度。 その後、フツの民兵組織による、斧などを使ったツチの無差別虐殺。 後 組織 斧などを使 無差 虐殺 多くのツチが、まとめて教会や学校、病院などで、首を切られあるい は火をかけられ殺害。 国連は平和維持軍は、本部から関与する権限を与えられず撤退、フ ランスはフツ政府を支援、米国は関与なし。 IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの歴史 (ジェノサイドの結末) • 殺戮開始後 殺戮開始後、6週間で約80万人のツチ族殺害。ルワンダ 6週間で約80万人のツチ族殺害。ルワンダ のツチ人口の4分の3、全人口の約11%に相当。 • ツチ族の正規軍RPF(ルワンダ愛国戦線:特にウガンダ で訓練された精鋭)が反撃。6月半ばには全土を掌握。 • 反撃の中、約2万5千から6万人のフツを殺戮、13万人余 反撃の中 約2万5千から6万人のフツを殺戮 13万人余 を投獄。 • 約200万人のフツがタンザニアとコンゴにそれぞれ約100 万人ずつ難民として流出。 • 約75万人のツチがウガンダなどの国外から、ルワンダに 約 人 がウガ ダなど 国外から ダに 帰還。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ジェノサイドの悲劇 • ツチとフツは ツチとフツは、実際には、同じ言葉を話し、同じ教会や学 実際には 同じ言葉を話し 同じ教会や学 校に通い、同じ村に住み、同じ職場で働き、ツチとフツと の結婚もごく普通。 • ベルギーがIDを導入するまでは、民族間の移動も普通。 見かけもそれほど変わらない 実は同じ民族だが職業の 見かけもそれほど変わらない。実は同じ民族だが職業の 違いなどで分化したのだという説も有力。 • ルワンダの殺戮の悲劇は、夫婦、親戚、友人、同僚が殺 ルワンダの殺戮の悲劇は 夫婦 親戚 友人 同僚が殺 しあったこと • ルワンダの虐殺を扱った映画もいくつかある。「ルワンダ ルワンダの虐殺を扱 た映画もいくつかある 「ルワンダ の涙」とか「ホテルルワンダ」など。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) II. 虐殺の原因: 環境劣化と生活の困窮 直接の原因:フツの過激な政治家が、政権の奪取、維持の 直接の原因:フツの過激な政治家が 政権の奪取 維持の ため、国民の間にある民族間の不信を利用して、大量殺 戮を行った。(Human Rights Watch) 間接的原因:上記政治的な原因以外にも重要な要因あり • 人口の1%を占めるトヮ(ピグミー)も殺戮の対象。 • 住民が殆どフツであるルワンダ北西部でも、人口の約5 が ダ %が殺害。(フツ同士の殺し合い) • 他の地域でもツチの殺害後、フツ同士の殺し合い。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 農地の拡大と森林の破壊 • 独立以降、農業の近代化に失敗。森林伐採や湿地の埋め 降 農業 敗 森 立てによる農地の拡大、休耕田の廃止、年に数度の作付け などが進行 国全体が山の上まで農場 などが進行。国全体が山の上まで農場。 • 80年代の半ばまでには 80年代の半ばまでには、国立公園以外のすべての土地は 国立公園以外のすべての土地は 耕作地に転換。 • 段々畑とか棚田、植生によるカバーとかの土壌保護措置な し その結果 土壌流失 川の汚濁や水量の減少へ 農地 し。その結果、土壌流失、川の汚濁や水量の減少へ。農地 拡大による森林消失と相まって、不規則な降雨。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ルワンダの食料生産/分配 • 60年代70年代: ツチの国外に流出により、フツ ツチの国外に流出により フツ は農地を再配分でき、利益に浴する。 • 66年から81年:一人当たりの食糧生産増加。そ の後、減少し、60年代のレベルに。 • 1989年:旱魃に加え、主要輸出産品であるコー ヒーと紅茶の国際価格暴落 農業に壊滅的打撃 ヒーと紅茶の国際価格暴落。農業に壊滅的打撃 。 国民の6人に1人は飢餓状態に。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 16 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 一農村の事例 (北西部 スマナ地区 その2) 人口密度:1988年の1740人から、1993年2040人に。 この間、貧富の差の拡大:大きな農家(2.5エーカ以上)が5%から 8%へ。小さな農家(0.6エーカ以下)が36-45%へ。中規模農家が大 きく減少。 きく減少 農外収入がある者の平均は、1.3エーカ。小規模農家は、農外収入 も少なく、さらに格差拡大。 少 、 格 拡 。 小規模農家は、病気や結婚、葬式など、緊急にお金必要な時に、農 地の手放し。さらに貧困化。一方、大規模農家は、小規模農家から 土地 買 足 さら 大規模化 土地の買い足し、さらに大規模化。 若者、農地の入手困難。両親と同居継続。20から25歳の女性39-67 % 男性71 100%が両親と同居継続 家族数も4 9から5 3に増加 %、男性71-100%が両親と同居継続。家族数も4.9から5.3に増加。 1人当たりの農地は、5分の1エーカから、7分の1エーカに減少。 • • • • • • Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 一農村の事例 (北西部 スマナ地区 その3) • • • • 伝統的にルワンダでは、裕福な農家がそうでない農家を援助。裕福な農 伝統的にルワンダでは 裕福な農家がそうでない農家を援助 裕福な農 家も、余裕がなく、援助不可能に。 離婚した女性、孤児など脆弱なグループが特に深刻。女性に相続権が なく 離婚すると実家に 実家では 男の兄弟が 彼女が息子を連れて なく、離婚すると実家に。実家では、男の兄弟が、彼女が息子を連れて 帰ってくるのを拒否。男の子を残して帰郷。残された男の子は、孤児に なり、相続不可に。 父親から長男に土地を譲り、長男が他の兄弟にそこから土地を与える のが伝統。これが維持できず、農地の均等分配へ。先に結婚する長男 に多くの土地が渡されたり 両親の面倒を見るのは末っ子なので その に多くの土地が渡されたり、両親の面倒を見るのは末っ子なので、その 分多く相続させるべきなどの要求が出て、多くの争いが家族で頻発。 1994年以前にすでに、若年層の犯罪率は極めて高くなった。犯罪率は 、人口密度におおむね比例。 密度 おおむね 例 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 一農村の事例 (北西部 スマナ地区 その4) • ジェノサイドの後、フツ族しか住んでいないその村では少なく とも5.4%が殺害。国の平均の約半分。 • 殺されたのは、殆どが裕福な農家の長(50歳以上)、トラブル メーカー、貧乏な家の若者や子供、栄養不足で衰弱していた 者など。 • このことから、この機会に村の人口を間引きし、適正人口にし とから 機会に村 人 を間引きし 適 人 にし ようとしたとの推測がされる。現にそのように原因を見ている ルワンダ人も多い。 ルワンダ人も多い • 多くの研究者は、人口の増加や土壌浸食や森林減少による 環境の悪化で農業生産が減り 危機的な状況にあったことが 環境の悪化で農業生産が減り、危機的な状況にあったことが などが間接的原因で、この状況の中で政治的な事件で虐殺 が起こったと見ている。 見 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) III. 難民が引き起こす環境問題 • ルワンダの虐殺の後、タンザニアとコンゴ(当時ザイール)に、フツ族がそれ ぞれ100万人ずつ、難民として流入。 • 難民には、食料が与えられるが、燃料の支給はしない。その結果、難民キャ ンプの周りの森林伐採が進行。 プの周りの森林伐採が進行 • 難民キャンプから、10キロ以上歩かなければ、蒔きが得られなくなるなどの 難民キャンプから 10キロ以上歩かなければ 蒔きが得られなくなるなどの 事態となり、特に、女性に過重な労働を課する結果に。 • この事態にどう対処するか、それが問題となった。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 20 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) Photo No.2 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 典型的な環境問題 • 難民キャンプの周りでの森林伐採 • 野生生物の不法捕獲 • 廃棄物の処理や周辺河川などの 汚染 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 22 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) UNHCRにとっての政策課題 政策課題 • UNHCRは環境問題に取り組む べきか • 如何なる形で取り組むか • 必要なコストはどうするのか • 役割分担はどうするのか Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 24 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) UNHCRは環境問題に取り組むべきか 環境問題 取り組 1.難民に対する被害 1 難民に対する被害 2 地域住民に対する被害 2.地域住民に対する被害 3.難民受け入れ国の難民条約に対 する対応の変化 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 25 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 環境問題 環境問題への従来の取り組み 従来 取り組み 1.アドホック (場当たり的) 2.ショートターム (短期的視野) 3.スモールスケール (小規模) 規模 4.ユニセクター(セクター毎) セクタ (セクタ 毎) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 26 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 環境対策のコスト負担 1990年代半ば、2千万の難民のうち、途上国地域に住む難民に 燃料供給を行えば、 1.植生回復(100億円強)や他の環境対策を織り込めば200億 近く 経費必要 近くの経費必要 (UNHCR年間予算の15-20%に相当) 2 燃料供給した場合の難民による濫用の可能性 (灯油とスト 2. ーブの供給が濫用 (アフガニスタン難民)) 従って、予算の濫用などが起こらない、リースト・コスト・アプロー チが必要 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 27 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 環境対策 おける新し 役割分担 環境対策における新しい役割分担 1.UNHCRと受入れ国が主要な責任を 1 UNHCRと受入れ国が主要な責任を 有する。 2.メンバー国やドナーは必要な資金を 充当。 充当 3 地域住民は知見の提供 問題解決に 3.地域住民は知見の提供、問題解決に 協 。 協力。 4.難民は、環境問題の解決に努力。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 28 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 難民関連環境問題 難民関連環境問題への新しい対処原則 新し 対処原則 1.統合(Integration) 2.未然防止(Prevention) 3.費用効果(Cost Effectiveness) 費用効果( 4.参加(Local Participation) 参加( ) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 新しい原則に基づくアプローチ(1) 難民の役割 1.伐採し購入した薪を、そのまま難民には渡さない。 2.2キロメータほど、キャンプの外まで難民に取りに来させる 反論 難民女性に不当な加重労働 難民の子供の教育に障害 賛成 難民に資源の貴重性を感じさせる 子供に実践的教育が出来る 地域住民とのバランス Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 新し 原則 基 くア 新しい原則に基づくアプローチ(2) チ( ) 効率的ストーブの普及 • 効率的ストーブの普及に向けてのコミュニティーグループ の設置 (土でのコンロの作り方、食料の粉末化) (土での ン の作り方 食料の粉末化) • 携帯用コンロの普及 (植樹などとのリンク) • 草地では、グラスストーブの普及 • 乾燥地では、ソーラークッカーの普及(無償ないし、植樹 乾燥地では、ソ ラ クッカ の普及(無償ないし、植樹 とのリンク) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 新し 原則 基 くア 新しい原則に基づくアプローチ(3) チ( ) 1. 自立的なアプローチ • 植林従事者にトークンを供与 • トークンと薪などとの交換システム ト クンと薪などとの交換システム • 薪伐採者がキャンプに入場時、薪の一部の 物納 2. 一石二鳥アプローチ • ルワンダ難民のキャンプ跡地クリーンアップ 従事者 従事者にトークンを供与 ク を供与 • リサイクルしたモノとトークンの交換システム Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 32 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) レッスン ッ ン (教訓) 1.原因者負担の原則の重要性 1 原因者負担の原則の重要性 2.状況に応じた適切な技術を導入する ことの重要性 3.環境保全上責任ある対応を誘導する システムつくりの重要性 (経済 社会面も含め) (経済、社会面も含め) Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) エピローグ グ 1 ルワンダ難民は 1. ルワンダ難民は、1997年半ば頃から帰還。フツとツチと 1997年半ば頃から帰還。フツとツチと の平和構築努力開始。 2 その後、ツチ族の現政権の下、外国からのツチの機関 2. その後 ツチ族の現政権の下 外国からのツチの機関 車を中心に、外資などの導入を積極的に行い、「アフリ カの奇跡」といわれる成長を謳歌 アフリカのシンガポー カの奇跡」といわれる成長を謳歌。アフリカのシンガポ ルを目指す。 3 多くの難民が流入したコンゴでは、コンゴ内のツチ族の 3. 多くの難民が流入したコンゴでは コンゴ内のツチ族の 流れをくむ一派を中心としたクーデターに成功。当時、 長くコンゴの政権にいたモブツ大統領を追放 カビラ政 長くコンゴの政権にいたモブツ大統領を追放。カビラ政 権成立。 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 34 Institute for Global Environmental Strategies (IGES) 使用した写真 ク ディッ 使用した写真のクレディット • 「難民キャンプの子供たち」 田沼 武 能、岩波新書、2005年4月 (写真番 号:4、5、8、9、10、11、14、15) • UNHCR Homepage H (写真番号 1 3 (写真番号:1、3、 6、7、12、13、16) • 本人所有のもの (写真番号:2) 真 Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama Institute for Global Environmental Strategies (IGES) ご清聴ありがとうございました。 Hideyuki Mori President/IGES h [email protected] [email protected] Hideyuki Mori IGES | http://www.iges.or.jp 28 January 2012, IGES Headquarters, Hayama 35
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