News Release - 株式会社 産業革新機構

News Release
2010年11月1日
丸紅・INCJ が協働するコンソーシアムが、チリ水事業会社を買収
丸紅株式会社(以下「丸紅」)・株式会社産業革新機構(以下「INCJ」)に
より構成するコンソーシアムは、スペインの商業銀行であるサンタンデール社
が保有するチリ水事業アグアス・ヌエバス社(以下「AN」)の株式を100%
買収することに合意しました。
本件は、国内有数の水事業実績を持つ丸紅とともに日本が水ビジネスの国際
展開を図るプラットフォームを構築するものであり、今後、日本の EPC メー
カー、東京都水道局等の参画を念頭に、海外水メジャーに対抗する能力を備え、
取水から小売までの水事業バリューチェーンを一貫して運営できる水事業コ
ンソーシアム作りを進めてまいります。日本の EPC メーカーや公的機関の有
する技術力・知見を活用し、投資後の付加価値付けや協業を通じて、オープン
イノベーションを実現いたします。
オープンイノベーションの推進を通じた次世代産業の育成を目指す株式会社産
業革新機構(本社:東京都千代田区丸の内。代表取締役社長:能見公一)は、チ
リの水事業に投資することを決定いたしました。
スペインの商業銀行サンタンデール社は、かねてから、AN(チリ第3位の大手
水道事業者。給水人口約120万人)の売却先について、競争入札の方法により
募集していました。
丸紅株式会社(本社:東京都千代田区大手町。代表取締役社長:朝田 照男)は
チリを始めとした国内外での水道事業の管理・運営実績を持つとともに、海外展
開のノウハウと信用力を有します。また、国内 EPC メーカーは、水事業における
高度な商品技術力や水処理施設の設計・調達・工事・プロジェクトマネジメント
に関するノウハウを有しており、今後の積極的な海外展開が期待されています。
こうした異分野でそれぞれの強みを有する民間企業の協働を確保することにより
日本企業の海外水事業への進出を支援する予定です。
本コンソーシアムに対しては、民間企業に加えて、INCJ と協定を結ぶ東京都水
道局が管理・運営面でサポートする予定です。東京都水道局は、世界トップクラ
スの水事業ノウハウを基に、大規模(例:給水人口1000万人超)かつ高品質
(例:漏水率3.1%)な水道事業の管理・運営実績を有する公的機関です。我
が国では民間企業が水事業での運営実績に乏しいため、こうした水事業の運営実
績を有する公的機関がコンソーシアムと協働することにより、個別の機器販売で
はなくシステムとしての水事業の受注に対応することが可能となります。
INCJ は、これら民間企業・公的機関が協働することにより、既存の枠組みを超
えて技術・ノウハウを結集し、成長著しい海外水事業を着実に実施していくこと
ができるものと判断し、投資することを決定いたしました。
世界水ビジネス市場は、中国・インド等の新興国及び東南アジアにおける人口
増大や経済発展等の進展にともない急速に拡大することが見込まれており、20
25年に87兆円になると試算されています。政府の新成長戦略でも「新幹線・
都市交通、水、エネルギーなどのインフラ整備支援や、環境共生型都市の開発支
援に官民あげて取り組む」と位置付けられる重要課題となっています。そうした
背景の下、日本政府も本事業に対し全面的な支援を行っております。
こうした検討を重ねた結果、この度、本コンソーシアムが、サンタンデール社
から AN の株式を100%買収することに合意しましたのでお知らせいたします。
尚、INCJと丸紅は、各々50%出資致します。
本コンソーシアムが、本事業をベースに、水事業に関する日本の民間企業・公
的組織の技術・ノウハウを結集する経験・実績を蓄積することにより海外水メジ
ャーと伍していける存在へ成長するとともに、成長著しい世界の水市場における
「プラットフォーム」となることも期待されます。
本件の概要については、「別添1」のとおりです。
株式会社産業革新機構(INCJ)について
INCJ は、2009年7月にオープンイノベーションの推進を通じた次世代産業
の育成を目指して、法律に基づき設立された会社です。総額8000億円超の投
資能力を有しており、革新性を有する事業に対し出資等を行うことで産業革新を
支援することをミッションとしています。
INCJ は、投資・技術・経営等で多様な経験をもつ民間人材によって運営されて
おり、法令に基づき、当社内に設置している産業革新委員会にて、国の定める支
援基準に従って投資の可否の判断を行い、日本の産業革新に資する投資を実施い
たします。
また、INCJ は、海外水ビジネスについて東京都水道局と相互協力協定を締結し
ており、東京都水道局が持つトップレベルの水事業運営ノウハウの活用も可能と
なっています。2010年5月11日には、INCJ にとってインフラ分野で最初の
投資案件として、三菱商事株式会社・日揮株式会社及び Manila Water Company, Inc
とともに、豪州水道事業会社を買収することに合意したことを発表しています。
INCJ では、当面、環境エネルギーにも関連するエレクトロニクスや IT の分野、
バイオ・ライフサイエンス分野、水ビジネス・原子力発電等インフラ関連ビジネ
スのグローバル展開等の分野において、先端基礎技術の結集・活用、ベンチャー
企業等の経営資源の結集・活用、技術等を核とした事業の再編・統合など政府の
定める支援基準に掲げる事業ステージに対して投資を行ってまいります。
(詳細は
「別添2」参照)
(本発表資料のお問い合わせ先)
(株)産業革新機構 企画調整室 中井、梶、平賀
東京都千代田区丸の内1-6-5丸の内北口ビル22階
電 話:03-5218-7200(大代表)
丸紅・INCJが協働するコンソーシアムによるチリ水事業の買収
<別添1>
【案件の概要】
 丸紅及びINCJで構成するコンソーシアムにより、
スペインの商業銀行であるサンタンデール社が
保有するチリ水事業アグアス・ヌエバス社の株
式を100%買収することで合意
参画促進予定
出資
国内EPCメーカー等
出資
【案件の意義(投資インパクト) 】
 海外水事業O&M(Operation & Maintenance)
における官民連携案件
 INCJと協定を締結した東京都が参画予定
 世界の水市場への展開のためのプラット
フォームへ
【INCJの役割】
 オペレーションのノウハウを含む世界トップクラ
スの水道技術を有する東京都水道局の参画促
進
 技術・ノウハウを有する日本のEPCメーカー等
によるコンソーシアムへの参加促進
 コンソーシアムの信用力の強化
(出資)
相互協力協定
技術・ノウハウを提供予定
アグアス・ヌエバス社
• チリのO&M事業会社
• 4州で事業を実施
• 120万人に給水
Innovation Network Corporation of Japan (INCJ)
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当面の投資の方向性
事業
ステージ
投資セグ
メント
先端基礎技術
の結集・活用
ベンチャー
企業等の経営
資源の結集・
活用
<別添2>
エレクトロニクス・IT
(環境エネルギー関連など)
知財ファンド
複数のテーマ・領域ごとに知財ファンド
を組成・支援することを検討中。
次世代エレクトロニクス技術ベンチャー
バイオ・
ライフサイエンス
インフラ系
(水・鉄道・原子力など)
そ
の
他
ライフサイエンス
知財ファンド「LSIP」
(バイオマーカー、ES/幹細胞、 がん、アルツハイマー)
バイオベンチャー(創薬以外)
(フラッシュメモリ)
環境エネルギー技術ベンチャー
バイオベンチャー(創薬)
水ビジネスのグローバル展開
30超の創薬ベンチャー企業を
調査。
(小型風力発電機)
(リチウムイオン電池)
環境エネルギー技術の切り出しベンチャー
技術等を核と
した事業の再
編・統合
投資対象候補を絞り込み中。
製薬メーカーの研究開発パ
イプラインの切り出し
豪州水事業
チリ水事業
(電源コア・電流センサ)
エレクトロニクス・IT、環境・エネルギー
関連のグローバル展開
オープンイノベーション・プラットフォーム
イノベーションデザインラボ
(相互協力協定)
KKフォーラム
ローマの市場にて
外部ネット
ワーキング
Innovation Network Corporation of Japan (INCJ)
鉄道・原子力ビジネスの
グローバル展開体制の構築
国際原子力開発
事業化人材発掘・派遣
プログラムの構築
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