こちら

㪈
美術に親しむ
―名作の技法とエピソード―
目次
1.
「美術に親しむ―名作の技法とエピソード―」DVD 刊行に寄せて
寺島洋子(国立西洋美術館 学芸課教育普及室長)
・ ・・・・2
2.DVD を 使 っ た 鑑 賞 指 導 の た め の 学 習 指 導 案
① ②−吉野朋美(千葉県長生郡一宮町立一宮中学校)
③ ④−田中晃(埼玉県立近代美術館 学校・教育普及担当課長)
⑤−西尾隆一(熊本県熊本市立桜山中学校)
・ ・・・・3
3.DVD チャプター資料
・ ・・・・21
4.DVD<静止画選択メニュー>収録作品リスト
・・・・・23
●この資料は「美術に親しむ―名作の技法とエピソード―」に関連して作成された資料です。資料内
容についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
クリエイティヴ・コア株式会社 教育ソフト制作部 tel03-3555-1160 fax03-3555-1165
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「美術に親しむ―名作の技法とエピソード―」DVD 刊行に寄せて
寺島洋子(国立西洋美術館 学芸課教育普及室長)
美術館に来た子どもたちと一緒に、ロダンの《考える人》を鑑賞しているとよく「何を考えて
いるの?」という質問に出会います。
「さあ、あなたは何を考えているんだと思う?」という質問
を逆にすると、子どもたちは作品を観察しながら、
「あまり嬉しそうな顔してないから、何か辛か
ったことかな」とか、あるいはその時の自分の気持ちを投影させて「友達のことで悩んでる」な
ど、思い思いの発想を自由に述べてくれます。
美術作品を鑑賞する楽しさの一つは、このように個人的で、自由な発想が許されるところにあ
ります。数式を解くように、誰もが同じ答えを求める必要はないのです。子どもたちは、自分の
持てる知識や経験を土台に作品に対峙して、日常にとどまらない多様な世界観や表現に心を動か
され、新たな発見をするのです。
しかし、子どもが成長して自我に目覚めてくると、自由に発想を巡らせると同時に、作品と自
分との間に距離を持つようになってきます。つまり、
「何を考えているの?」という質問の答えに
より客観性を求めるようになるのです。自分の考えはさておき、一般的にはどう言われているの
か、あるいは《考える人》を作った彫刻家はなんと言っているのかといった事実や知識により強
い関心を示します。単体で展示されている《考える人》は、実は《地獄門》という作品の一部と
して制作されたものであった事実や、それを制作したロダンという彫刻家が《地獄門》の着想を
何から得ていたのかなど、作品をとりまく様々な知識や情報は、彼らにとって作品理解に欠かせ
ないものとなるのです。
この DVD シリーズは、ある時代の美術や作家を総花的に紹介するのではなくて、1 点の作品に
ついて、様々な視点からその作品を掘り下げる構成になっています。作家自身が残した言葉は、
作品を見る者を大いに説得する材料となるでしょう。また、作家が影響を受けた人物や出来事、
あるいは作家を育んだ社会や時代などもその作品をより深く理解する手助けになります。さらに、
他の作品との比較や、表現技法のことなど。このように 1 点の作品を、視点を変えて見ることに
よって鑑賞の幅が広がるだけでなく、作品の背後にあるこうした多くの知識や情報は子どもの思
考力を養う土壌をより豊かにすることにも繋がるでしょう。
そして、美術作品の鑑賞で重要なのは、楽しさとも繋がることですが、まずは自分の目で見る
ことです。ものを「見る」という行為は、それ自体が自分を取りまく世界を理解しようとする行
為であり、批判的思考力と深く繋がっています。物事の理解を深めるための知識や情報は、後か
ら補足されることによってより効果をあげるもので、最初に与えられてしまっては、逆に思考力
を制限してしまうことにもなりかねないことを認識しておくことが大切です。
この DVD シリーズの良い点は、1 点の作品を多様な視点から紹介する本編と、そこで取り上げ
た作品の画像のみを別に収録した資料が付いていることです。本編を見る前に先入観のない目で
作品をじっくり見ることもできるし、また本編を見た後でその作品だけをもう一度見ることもで
きます。プログラムを選択することができるので、教室では状況に応じて工夫して利用すること
ができるでしょう。
㪊
DVD を 使 っ た 鑑 賞 指 導 の た め の 学 習 指 導 案 ①
1.テーマ
リンゴひとつで ―美術に親しむ「リンゴとオレンジ」セザンヌより―
2.題材について
戸外に出て自然を観察し,そこで受けた感覚をすばやく画面に留めようとした
印象派の表現は,明るく生き生きした効果をもたらした。しかし,感覚に頼りす
ぎた印象派の形態の欠如や不安定な構図を批判し,新たな表現を模索する者達が
19 世 紀 末 に 現 れ て く る 。 こ れ が セ ザ ン ヌ , ス ー ラ , ゴ ー ギ ャ ン , ゴ ッ ホ と い っ た
後期印象派である。中でもセザンヌは自然を冷静に観察し堅固とした画面構成を
目 指 し ,単 純 化 し た 幾 何 学 的 な 形 態 と 強 い 色 彩 を 用 い て 構 築 的 な 絵 画 を 確 立 し た 。
セザンヌは一つ一つの色面が光の感覚を伝えると同時に多角的な視点,物質的な
存在感を空間の中に再現する手法を追究している。これは,後のナビ派やキュビ
ズ ム (立 体 派 ),フ ォ ー ビ ズ ム な ど 20 世 紀 に 登 場 す る 新 た な 芸 術 表 現 を 予 告 す る も
のでもあった。
本題材では特に彼の静物画に焦点を当てる。セザンヌにとって静物画は,画面
の中に完璧な空間を構築する実験の場であった。写真のように写実的に描くこと
は も う 古 い 表 現 に な っ て き た 時 代 に ,セ ザ ン ヌ は 静 物 画 で 何 を 追 究 し て い た の か 。
学習の過程で,セザンヌが熟慮を重ねた末に生まれた形態と画面構成が生まれる
過程を追体験できればと思う。そのために,本題材では各自でモチーフを配置し
たものを比較したり,単純化されたフォルムが生まれた理由を話し合ったりしな
がら,制作のねらいに迫っていきたい。
3.題材の計画
(2 時間)
①
ワークシートへのスケッチでモチーフの配置を検討する。
…0.5
②
できあがったスケッチを全員で比較・検討する。
…0.5
③
モチーフの単純化の目的について話し合う。
…0.5
④
それぞれ発表した意見を総合的に理解し,DVD資料を視聴しながらまとめをする。
…0.5
4.指導目標
・作品に興味を持ち,考えたことを進んで発言するとともに友達の意見を受容する。
(関心・意欲・態度)
・作品の特徴をとらえ作者の思いを感じ,画面構成の奥深さを感じ取る。
(鑑賞の能力)
㪋
5.展開 (1/2)
学 習
過程
3
1.
活 動
備考
ワ ー ク シ ー ト の 1. ワークシートを配付し学習内容 ・ 赤・黄・オレンジの色鉛筆
内容を確認する。
(分)
学習の内容と主な発問
の確認をする。
を用意させる。
・ ワークシートと同じ絵を原
画に近い大きさで拡大コピ
ーし,黒板に掲示する
1 0 2. 画面の配置を考えて 2. 枠内の絵がある静物画の構図で ・ 色鉛筆を使って短時間で簡
ワークシートにモチー
あり,リンゴとオレンジが抜けて
素にスケッチできるように
フを描き込む。
いることを説明する。
する。
「枠の中のテーブルクロスの辺り ・ 3分程描けたら1度作業を
にリンゴとオレンジを配置して絵
止めて全員のスケッチを見
を完成させてみよう。」
て回るようにするとよい。
1 5 3. 全員のスケッチを鑑 3.
賞し,比較する。
全員のスケッチを1カ所に集め ・ 分類する時,モチーフの大
て、どんな印象を受けるか話し合
きさ,多さの他に安定感・不
う。その後,モチーフの大きさ,
安定感,静寂感・躍動感等,
個数等で分類,マッピングをして
様々な観点から分類するこ
スケッチの傾向を具体的に理解で
とで絵画をみる時の視点を
きるようにする。
知ることができる。
20 4. 画面の近くに集まり,4.
「リンゴとオレンジ」を画面に ・ DVD資料の静止画 5を
自分たちのスケッチの
映して第一印象や分類した時の特
使用。プロジェクターやモニ
長所短所を踏まえた上
徴と当てはまる要素があるかどう
ター画面で映し出す。
で元の作品をみて気づ
か観察する。
いたことを発表する。
・ 生徒のつぶやきや発言を黒
・発表のルールを説明する。
板や模造紙に書き留めてお
①人の言葉を最後までよく聞く。
く。
②他の意見を笑ったり,否定したり ・ 画像を見て考えたことを
しない。
積極的に発表できるように
「作品を見た時の一番最初に考え
する。そのためにはルール
たことを教えてください。
」
をよく説明し発言しやすい
「この作品はみんなのスケッチと
環境を用意する。
比較して,モチーフの大きさや数
はどうでしょうか?安定感や静か
動かという観点から見るとどうで
しょう。」
2
5.
ワークシートに 5.
今日の鑑賞でこの作品につい ・
対話を繰り返す中で浮か
今日の感想をまと
て考えたことをワークシートに
んできた自分なりの作品に
める。
まとめる。
対する考えを記入させる。
㪌
5.②展開 (2/2)
過程
5
(分)
学
習 活 動
学習の内容と主な発問
5. 前時の内容を振り返 5.
る。
備考
作品の前に集めて座らせる。ワ ・ 前回の発言内容を振り返る
ークシートを配る。
・ DVD資料の静止画 5を
使用。プロジェクターやモニ
ター画面で映し出す。
10 6. 「リンゴとオレンジ」 6. 部分を観察することによって, ・
の部分を観察し形態
モチーフの形態が単純化され幾何 ・
の特徴を見つける。
学的な形になっていることに気づ
静止画 7を使用。
くようにする。
発表のルールを再確認す
る。
・ 生徒のつぶやきや発言を黒
「作品を観察して,気づいたり気に
板や模造紙に書き留めてお
なったことを発表していきましょ
く。
う。」
・
・ 同時に筆使いや輪郭線に関
丸 い ,ボ ー ル の よ う だ ,絵 の
することなど多様な意見を
具の塗り方が強い…
受け入れる。
10 7. 6.での特徴がなぜ 7. 資料と比較し,セザンヌの表現 ・ 後年のルノワール,モネの
生まれてきたのか話
の特徴を考える。
静物画や風景画を比較資料
し合い,ワークシート
「それぞれの作品の描き方の特徴
とする。
に記入する。
を言ってみましょう。」
・
ルノワール,モネの代表する印
象派の特徴とその後に登場したセ
・ 比較することによって,部
分を観察した時の内容がさ
らに確認される。
ザンヌとの関係を補足説明する。
1 5 8. DVD資料を視聴す 8.
作者の表現のねらいを考えなが ・ 作者が自然の再構成を目指
る。
らDVD資料を視聴させる。
(チャプター2∼)
「みんなが話し合った話題も出て ・ 複数の視点をひとつの画面
くるので,視聴してみましょう。」
したことに気づかせる。
に取り入れたことに関して
補足説明する。
10 9. ワークシートに気づ 9.
ワークシートにまとめを記入さ ・ 授業の始めと終わりの作品
いたこと・感想を記入
せ,セザンヌの技法的特徴を確認
の見方に変化があることを
する。
する。
意識させる。
㪍
「リンゴひとつで」
Q1
ワークシート1
配置を考えながら,この画面の中にリンゴとオレンジを描き込んでみましょう。
折
Q2 自分のスケッチのポイン
(よいところ)はどこでしょう?
Q4
り
線
Q3 友だちの作品のよいところ,参考
にしたいところはどこでしょう?
作品を見た時のあなたの第一印象は?
今日の授業でわかったことと感想
年
(収まらないときは裏面に続けてください)
組
番 氏名
㪎
「リンゴひとつで」
Q4
ワークシート2
作品の部分をみて気づいたことは何でしたか。また,モチーフの描き
方から考えて作者はどんなことを表現したかったと思いますか?
Q5 DVDをみてわかったことをメモしよう。
Q6 作者は静物画を描くことでどんなことを表現したかったのでしょうか?
今日の授業でわかったことと感想
年
(収まらないときは裏面に続けてください)
組
番
氏名
㪏
DVD を 使 っ た 鑑 賞 指 導 の た め の 学 習 指 導 案 ②
1.テーマ
瞬間をとらえた作家
―
美術に親しむ「睡蓮」モネより ―
2.題材について
19 世 紀 後 半 の 芸 術 運 動 で あ る 印 象 派 は , 現 代 の 社 会 に も 多 く の 影 響 を 与 え て
い る 。フ ラ ン ス で 生 ま れ た 印象派という一つの流れを作った作家たちの作品は,その頃主
流だったサロン(官展)で評価されるような表現技法とは大きく異なるものであった。日本人
にとって非常に馴染みのある印象派であるが,多くの鑑賞者は,
「何が具体的に描かれているか」
「誰の作品か」に注目し,それが判別できれば安心して次の作品に目を移してしまう。だが,
光の反射が目に飛び込んでくる「色」を改めて主役にした印象派の表現は,様々な美術的要素
を掴む手がかりとすることができる。まず,戸外に飛び出しあふれる光を追求したこと,光学
的な光の認識を発展させたこと,キャンバスという二次元の世界に再現するために編み出した
色彩の分割法,官展との対峙など,1つの作品からも様々なことを読み解くことが可能である。
この技法的な特徴と色彩の豊かさに注目した後に作品と出会ってもらいたいという思いから,
その方法の一つとしてアートカード(今回は作品のコピーを分割してパズルを作成)を利用し
た。
本題材で取り上げるのは,印象派の代 表 的 な 作 家 として知られるモネの「睡蓮」である。
モネは光の変化や水面の一瞬の揺らぎをとらえようとして睡蓮の連作に取り組んだ。輪郭を強
調するのではなく今回の導入ではアートゲームをしながら「睡蓮」の部分をパズルのピースと
して注目することによって,使用されている色の特徴や筆使いの勢いに集中することが期待で
きる。そして,パズルを完成させるという目標を通じて,作品の画面が多くの色の重なりによ
って構成されていることを観察し,その技法から作家が何をねらいとしていたのかを考えても
らいたい。その後,画面の部分を観察することで出た興味と疑問点と照らし合わせながらDV
D資料を視聴していくと,より深く作品に対する理解をすることができるだろう。
3.指導計画(1時間)
・
アートカードを使い,作品鑑賞
…0.5
*使用されている色彩とタッチに注目
包み込む光を色で表現していることを観察
・
DVD視聴
…0.5
*表現の理由,モネの心情に迫る
4.本時の学習
①
本時の目標
・積極的にアートゲームに取り組み,色の特徴や筆使い・筆触に注目しながら意欲的に画
面の観察をすることができる。
(関心・意欲・態度)
・作品の特徴をとらえ,その特徴から作者の意図を考えることができる。
(鑑賞の能力)
㪐
② 本時の展開
過程
2
(分)
学 習 活 動
学習の内容と主な発問
備考
1. アートカードをグループ内 1. 4∼6グループに分かれて座ら ・
で分ける。
せ,アートカードのセットを配る。
配布する際,カードのも
との絵が分からないように
する。
3
2. アートカードをよく観察し,2. それぞれに配布されたアートカ ・
その色彩や描かれている様子
ードをよく観察させる。
を考える。
「このカードの色や模様をじっく
生徒のつぶやきや発言を
黒板に書き留めておく。
・
はじめは個別に観察させ
るが,アイディアが浮かば
り見てみよう。」
ないようだったら,近くの
友達と話し合ってよい。
15 3. グループで,アートカード 3. アートカードがパズルになって ・
のパズルを完成させる。
全く見当がつかなかった
いる仕組みを伝え,パズルに挑戦さ
りパズルが原画と異なって
せる。完成後,お互いのグループの
もよい。
パズルを見せ合うのもよい。
・
制限時間になったら完
成しなくても終了する。
7
4. 他の静止画像を参考に画面 4.パズルの元になった作品を紹介し ・ 静止画1・7・8・9を使
の特徴を考え,印象派の技法の
てからDVD資料の中から睡蓮の
用。プロジェクターやモニ
特徴について気づいたことを
静止画像を鑑賞し,パズルになった
ター画面で映し出す。
ワークシートに記入する。
作品との共通点を見つけさせ,気づ ・
生徒のつぶやきや発言を
黒板に書き留めておく。
いたことを発表・記入する。
「ピースになっている作品と比べ
・
使用されている色の傾向
てみよう。
」
や筆使いの特徴を整理でき
「どんなに簡単なことでもいいか
るように板書に補足記述す
らあれっ?と思ったことをメモし
る。
ておこう。」
5.話し合った結果から,作者の 5.睡蓮の描き方・筆使いから,作者 ・ 色彩の分割法や筆のタッ
5
表現のねらいを考える。
1 3 6.DVD資料を視聴する。
(チャプター2∼)
が自然の変化をすばやくとらえる
チによって何を表現しよう
手法を求めていたことを推測させ
としているかを考えさせ
る。
る。
6.作者の表現のねらいを考えながら ・
DVD資料を視聴させる。
これらの技法が印象派の
特徴であることを告げ,あ
ふれる光や色彩の変化の表
現を目指したことに気づか
せる。
10
7.ワークシートに気づいたこ
と・感想を記入する。
7.ワークシートにまとめを記入さ
・
授業の始めと終わりの作
せ,印象派の技法的特徴を確認す
品の見方に変化があること
る。
を意識させる。
㪈㪇
∼瞬間をとらえた作家 ∼ ワークシート
Q1 自分が手にしているピースの特徴を考えよう
どんな色が使われている?
どんな筆の使い方をしている?
Q2 パズルの画面と連作を観察して気づいたことは?
Q3 作者はどんなことを描きたかったのだろう…?
Q4 DVDをみてわかったことをメモしよう。
今日の授業でわかったことと感想
年
組
番
氏名
(収まらないときは裏面に続けてください)
㪈㪈
パ ズ ル の 概 要
1.自分が持っている画像等から,モネの睡蓮の作品を一つ選びます。
2.カラープリントやカラーコピーを利用してA3サイズまで引き延ばし印刷します。
この場合,作品の部分でもかまいません。
3.厚口の画用紙等で裏打ちをした後,だいたい40等分に裁断します。
A3サイズの紙を一辺 約 5×5 ㎝のカードに分割すると,40等分になります。
例
4.ここではあえてアトランダムな形にせず,同一の形のピースになるように裁断しました。こ
れはピースの形からパズルの完成を予測するのではなく,色面のつながりをよく観察してもら
うためです。
5.クラス人数の状況に合わせて,これを数セット作成します。
6.裏面に1∼40 までの数字を振り,一セットずつ小袋等に入れておくと管理しやすいです。
(裏面の数字の振り方によってパズルの正解を見抜かれないように工夫が必要です。)
7.生徒たちはすぐに正解を求めがちですが,作品の正体やパズルが「合っている,当たってい
る」というコメントは避けた方がよいでしょう。
パズルをするのは色彩の細かな変化や筆使いのリズムに注目するためですから,色を手掛か
りに,大いに悩みましょう。
8.パズルをしている最中も生徒はどんな絵なのかを推理しています。その言葉をたくさん聞き
取り,黒板に書き留めておくとモネの作品の特徴を考えるときに役立ちます。
作品の正体は「後で説明するね」と,静止画の呈示をするまで先延ばしにしておきましょう。
㪈㪉
DVD を 使 っ た 鑑 賞 指 導 の た め の 学 習 指 導 案 ③
美術に親しむ 「アルルの寝室」ゴッホ
DVD を使用した鑑賞指導事例
対象:中学校1∼3年、1単位時間 50 分設定
近代美術「アルルの寝室/ゴッホ」の楽しみ方
1ねらい
ゴッホについてはその名前を知らない生徒は殆どいないだろう。
しかし、画家に対する情報はとかく断片的で、事件めいたことなどが
取り上げられがちである。この DVD では、心情的な部分も含め、
炎の画家と呼ばれたゴッホについてその人となりを見ることが出来る。
そこで、「アルルの寝室」に描かれた椅子から思いを広がらせ、その時
その時の感情や思いなどをモティーフや技法から読み取りながら、ゴッ
ホの人となりを感じていく過程を通して、短い画家としての人生を生き
抜いたゴッホの作品を味わうヒントを得たい。
2、用意するもの
DVD「近・現代の名画アート館 アルルの寝室/ゴッホ」
ワークシート(B5 または A4 サイズくらいで、アルルの寝室の2脚のイ
スだけが描かれているものを用意:手描きでも可)
3、流れ
導入
①
【A】から【D】までの設問はワークシートに対応しています。
絵の中にある 2 脚のイスから、さまざまな要素を想像し理由などを聞きながら情景への思い
をさらに深める。*ワークシートを配布*
「ここに2脚のイスがあります。」
【A1】
・Q
このイスはある部屋に置かれています。この部屋はどんな部屋だと想像
しますか?部屋の様子を描いてみましょう。
→思い思いに部屋の様子を想像しながら描いてみる。人が登場するなど自由に
膨らませてよい。
【A2】・Q では、この部屋の住人はどんな人?またこの二つのイスの関係は?
→男の人、年寄り、女の人、貧乏な夫婦、・・・
【A3】・Q なぜそう思ったのですか?
→イスが古くて質素な感じ、ぼろいイスで貧しそう、木製のイスの感じ
から昔の老夫婦見たいな感じがした、など
②
DVD 名画選択メニュー2を見る
ふたつのイスが置かれていたのはこの部屋です。この部屋に暮らしていたのは
ある画家です。では、この部屋からはじまる物語を見てみましょう。
※まず予想と比較して生徒から様々な感想が聞かれるのでいくつか取り上げて
興味を高めていくと良い。また、
「ゴッホだ!」という声が出ることも考えら
㪈㪊
れるが、その時に「ゴッホについて知っていることは何ですか?」という質
問をしても良い。生前は 1 枚しか絵が売れなかった、耳をそいだ、などの大
きな出来事や事件など断片的な情報が多いと予想されるが、心情や様子を知
ることで共感的理解につながることも期待される。
展開
③ DVD02【ゴッホと「アルルの寝室」】を視聴
④ DVD 名画選択メニュー1 を見る
【B】・Q
もう一度この作品をよく見てみましょう。どんな特徴が見えますか?
→力強い筆のタッチ、くねらして線を走らせる独特のタッチがある。
※このとき、人物に注目し性格的なことも想像させる。
→精神病だった、神経質、青ばかりで暗い性格、タッチから頑固やしつこい性格
が見えるなど
⑤ DVD 名画選択メニュー4 を見る
【C】・Q
ではこの絵をよく見てみましょう。先の絵と比較してどのようなことが感じ
られますか?
→明るい色使いが見られる、背景に日本風の景色が見える、タッチは大きくは変わ
らない、表情がやさしい、など
※さっきと性格的な印象は変わりましたか?
→日本画好きな性格、実は心の優しい人、など
この絵は先の自画像よりもずいぶん前に描かれたものです。ではその頃の様子を
見てみましょう。
⑥ DVD03∼04【パリ時代】∼【アルル時代】を視聴
⑦ DVD 名画選択メニュー9 を見る
【D】・Q このゴッホの表情からどんなことを感じますか?
→なんとなく力がない、寂しそう、耳を落として痛々しい、など
まとめ
⑧ DVD05【失意の時代】を視聴
※視聴後、少し余韻を残してからまとめに入る。
(補)ゴッホはゴーギャンと衝突し、かみそりで切りつけたことをとても悔やみ
自らの耳をそぎ落として償おうとしました。DVD からもわかるようにゴッホが絵
にかけた情熱と真面目な姿勢から、この部屋に込められた思い、描かれた 2 脚の
イスに対し、あなたは何を思いますか?
⑨ お互いに感じたことを発表し合う
※この際、画面には DVD 名画選択メニュー2を出しておく。
⟤ⴚߦⷫߒ߻
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㪈㪋
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#‫ޣ‬㧞‫ߩߎޤ‬ㇱደߩ૑ੱߪߤࠎߥੱߛߣᕁ޿߹ߔ߆㧫߹ߚੑߟߩࠗࠬߩ㑐ଥߪ㧫
#‫ޣ‬㧟‫ߦ߁ࠃߩߘߗߥޤ‬⠨߃߹ߒߚ߆㧫
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㪈㪌
DVD を 使 っ た 鑑 賞 指 導 の た め の 学 習 指 導 案 ④
美術に親しむ 「地獄の門」ロダン
DVD を使用した鑑賞指導事例
対象:中学校2∼3年、1単位時間 50 分設定
「近代美術
地獄の門/ロダン」の楽しみ方
1、ねらい
《地獄の門》はロダン彫刻の真髄ともいえる作品であり、日本にお
いて実物が見られる作品としてぜひ実際に見る機会を設けてあげた
い。そこで、誰でも知っているであろう「考える人」を糸口に、実
はとても大きく、深い意味のある作品の一部であったことや、精神性を追
求したロダンの思いに近づくことが出来るよう、興味を持たせるとともに
彫刻作品の鑑賞がより深まることを期待して実施したい。
2、用意する物
DVD 「近・現代の名画アート館 地獄の門/ロダン」
筆記具
※必要に応じて進行をサポートするためのワークシート
3、流れ
導入
①
【A】∼【E】の設問はワークシートに対応しています。
《地獄の門》に対して、
「地獄」という言葉の響きからイメージをつくる
【A】・Q1
《地獄》という言葉から思い浮かべることを書き出してみよう。
→恐い、残酷、血の海、醜い、懺悔、閻魔大王、悪いことの極み、など
【A】・Q2 もし自分がこの入り口に立ったとしたらどんなことを考えますか?
→今までの自分を振り返り罪なことを悔いる、進むべきかどうするか悩む、など
※ここでは《地獄》をテーマに生徒とのディスカッション的な対話で意見交換を
する。
展開
②
DVD 静止画選択メニュー1、《考える人》を見る
【B】・Q この作品を知っていますか?そう《考える人》です。
あなたが上記・Q2 で考えたことをそのままこの作品に重ねてみてください。どのよ
うな表情に見えますか?また彫刻作品としてどのような感じがしますか?
→普通に考えているのかと思っていたが苦しそうな感じがした、考えるというより悩ん
でいるように見える、ゴツゴツとした形が実際の人とは違って迫力がある、手が異様
に大きい、バランスがおかしい、など
※ここは彫刻による表現の特徴とロダンの精神性につながるような、力強い感
じや塊感などを見ることも押さえておきたい。
③
DVD02∼03【制作の経緯とテーマ】~【構想のヒントと独創性】を視聴
㪈㪍
このロダンの《考える人》は一つの作品ではなく、ある作品の一部だったのです。ではそ
の作品のことを紹介します。
④
《地獄の門》の背景を知り、そこにこめられた作者の思いを考える。
この作品はロダンが美術館の門として国から注文され、ダンテの神曲という話の中
の地獄編から作られた《地獄の門》という作品だったのですね。
【C】・Q 他の門と比べてロダンの《地獄の門》の特徴はどのようなことでしたか?
→仕切りがなく縦横無尽に地獄の様子が展開している、左上から右に地獄の先に向かっ
ていく流れが作られている、など
⑤
DVD 静止画選択メニュー7 を見る
【D】・Q この 3 人の姿をみてどんなことを感じますか?また何か気付いたことはありま
すか?
→地獄の入り口に立って苦しそうな感じ、同じような格好をしている、など
⑥ DVD04【部分と全体の構成】を視聴
まとめ
⑦
ロダンは美術館の門として《地獄の門》を作ろうとしたのはなぜかその謎を解く。
【E】・Q
ロダンが、中止となった美術館建設に対して長い年月をかけて《地獄の門》を
作り続けたことにはどんな思いがあったのでしょう?またこの《地獄の門》で何を
表現したかったのでしょうか?
※ ここは DVD からの読み取りと、作品の鑑賞から一人ひとりが描いた想像をもとにディス
カッションして生徒自身による解釈や分析を促していきたい。
※ その際に、静止画選択メニューを効果的に活用し、生徒の指摘したことが反映されてい
る画像などで理解を深めたり、共有したりしていく。
⑧
自分の意見をまとめてみよう
Q ディスカッションを通して感じたことや、考えたことをまとめて自分が考える
《ロダン》のこと、《地獄の門》のことをまとめよう。
WORK
調べてみよう!ロダンの作品が見られる場所∼日本編
授業後、自分達の周りや日本国内でロダンの作品があるところを調べてまとめる。
幸い、日本でもロダン彫刻を各地で見ることが出来ます。特に国立西洋美術館にある
《地獄の門》は鋳造第 1 号としても貴重なものであり、《カレーの市民》などの作品に
も親しむことが出来ます。この鑑賞を通して考えたり、得たりしたことをもとに、実
際のロダンの作品を見ることで、内面を捉えるロダン彫刻の一端に触れることが出
来るのではないでしょうか。
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㪈㪏
DVD を 使 っ た 鑑 賞 指 導 の た め の 学 習 指 導 案 ⑤
1.テーマ
永遠の微笑み「モナ・リザ」( 生徒間対話型鑑賞授業)
2.題材について
イタリア・ルネッサンスが生んだ天才レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の代表作として名高いこ
のモナ・リザは16世紀以来、常に変わることなく優しく謎めいた微笑みを投げかけてきました。
美術史家マッサーリはモナ・リザのことをこう書いています。
「目は生命の輝きに満ちあふれ、繊
細な鼻は命そのものである。唇は絵の具というよりまさに肉の色である。そして胸元の谷間をよ
く見るとまるで息づいて微かに動いているかのようにさえ見える。」と。
表面上はシンプルな肖像画ですが、レオナルドはモデルと風景を統合的に描くことに成功して
います。女性の髪の毛、衣装の感覚的な曲線はスフマートを用いて描かれ、背景にあるうねった
谷と川にとけ込んでいます。モデルのわずかな微笑みを含めて、これらの全てが調和した一つの
絵に仕上げた裏には、レオナルドがもっていた人間と自然の宇宙的なつながりの構想が反映され
ており、レオナルドの才能と先見を永遠に記録しています。
絵の背景には広大な景観と、遠くには氷でできた山が描かれています。曲がりくねった道と遠
くに見える橋以外、人間の痕跡はありません。ぼやけた輪郭、優雅な造形、明暗の劇的な変化、
全体の落ち着いた雰囲気を含めてレオナルドの「型」であり、これらの特徴はそのままその後の
肖像画のプロトタイプともなっています。
この絵画は、肖像画として初めて空想の空間の前に人物を描いたものの一つでもあります。興
味深い特徴として景色が平らでないことが挙げられます。右側の景色に対して左側の景色は明ら
かに低く、このことから、背景は後に追加されたとも考えられています。
出典
モナ・リザ. (2008, 3 月 27). Wikipedia, . Retrieved 19:40, 3 月 29, 2008 from
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%82%B6&oldid=18832880.
3.題材の計画
①
DVD を鑑賞し、作品の表現に表された作者の心情や意図と表現の工夫を感じ取る。
②
鑑賞作品を班単位で学習し、お互いの意見交換を基に、それぞれの班が解釈した鑑賞作品
のプレゼンテ−ションを通して、生徒間の解釈を深める。
4.本時の学習
①
本時の目標
・ 作品の見方を広げ、多様な表現のよさや美しさなどを味わい、鑑賞に親しむことができる。
・
作品の見方を広げ、多様な表現に関心を持ち、新しい発見を見つけることができる。
・ 作品の背景を考え、作者の意図を考えながら意見交換することができる。
・ 互いの意見交換を基に、それぞれの班が解釈した鑑賞作品のプレゼンテ−ションを通して、作 品の解釈を深める
ことができる。
③
本時の展開
(ア) 本編を視聴する。
(イ) 名画選択メニューから、班で対象作品を選び読み込む。
(ウ)プレゼンテ−ションをつくり、発表・質疑応答をする。
(エ)感想を発表する。
㪈㪐
過程
知
る
学 習 活 動
1.DVD 永 遠 の 微 笑 み
2.気づいたことを発表させる。
み
3.名画選択メニューから各班へ鑑賞
る
○本編を視聴する。
作品を提示する。
備考
・モニター
・DVDデッキ
「 モ ナ ・ リ ザ 」 を 視聴する。
読
取
学習の内容と主な発問
○本時の目標を具体的に意識させ ・モニターはテレビでもよ
る。
○作品読み取りのポイントを学ば
いが、できればパソコン
とプロジェクターを接
4.読み取り開始。
せ、次のステップへつなげてい
続し、大きく映し出した
5.班でプレゼン内容を協議する。
く。
ほうがよい。
班単位のプレゼンテーターから他の班への質問が、この鑑賞授業のポイントである。
班単位で協議しながら品解説を考えていくので、新しい発見やどうしても疑問に思う
ことが出てくる。その疑問を解くため、班単位のプレゼンテーターは全体に対して、
いくつかの質問を用意する。はずした質問を用意すると教室が静まりかえってしまう
ので、あらかじめ指導者からよい例・悪い例を提示すると更に内容が深まる。
6.班から全体への質問を考える。 ○作品のよさや美しさ、情感や雰 ・ワークシート
7.プレゼンの役割分担を考える。
囲気を感じ取り、発表できるよ
うにワークシートにまとめさ
せる。
名画選択メニューの鑑賞作品から様々な内容を読み取り、気づいたことや作者の意図
について話し合い、プレゼンテーションをつくらせる。
味
わ
う
8.班単位で話し合った内容をプレゼ ○プレゼンテーターから他の班 ・ワークシート
ンテーションする。
9.
へ質問をする。
班からから全体へ質問をする。
10.発表し、意見交換をする。
○発表の班が司会をするので、指
導者は活発な意見が出るよう
に努力する。
この鑑賞授業は単なる知識の発表会ではない。質疑応答を重ねながら他者の感じ方・
考え方がお互いに深まることを目的とするため、発表者がみんなの関心をひきながら
深く考えさせるような質問を練れるように支援せねばならない。慣れて盛り上がって
くると、予想もしないような鋭い質問や珍解答が飛び出す。それぞれの感性でしっか
りと受け止める授業に発展していくので、その学習効果は高い。指導者が解答を提示
せず支援者に徹することで、子どもたちが楽しく能動的に物事を幅広く見つめ、新鮮
な心で感じ取り、想像力を働かせながら感じ方を深める授業へと発展していく。
ま
と
め
11.まとめる
○授業の感想を書かせる。
○発表(代表)させる。
・ワークシート
㪉㪇
鑑賞ワークシート
手順①
名画選択メニュー
手順② 名画を選ぼう
年 組
号 氏名(
)
を比 較 して みる
私たちは(
手順③ 何が描かれているのか話し合おう
)を選びます
どの よう な こと が描 かれ てい る のか 考え る
(説 明)
手順④ みんなへの質問を考えよう
・ 自分 がわ から な いこ と・ みん な がわ から ない と 思う こと
(質 問)
手順⑤ 発表しよう
1.「た だ今 より (
2.「(
)班 の 発表 を行 いま す。」
)を 見て く ださ い。」
3.「わたしたちが夢から覚めると・・・
なんと!
4.「こ れは たぶ ん(
(
絵の 説 明
)が目の前にありました」
)を あ らわ して いる と 思い ます。」
5.「こ れを 見て ると わた し たち はい くつ かの 疑 問が 湧い てき ま した。」
「み なさ ん、 教え て下 さ い」 (質問 開始 )
今日 の感 想
㪉㪈
クリエイティヴ・
コア
「
美術に親しむ−名作の技法とエピソード−」
DVDチャプター資料
①美の女神「ミロのヴィーナス」
チャプター番号
1
チャプター名とタイムコード
PLAY ALL
美の象徴
2
0:30∼
発掘と復元
3
1:39∼
魅力を探る
4
6:28∼
様式と独創性
5
9:24∼
チャプターの内容
全部見る
世界で最も美しいといわれ、多くの人を魅了し注目を集めてきたミロのヴィーナス。別名メロスのアフロディテ、愛と美の女
神。
1820年にエーゲ海にあるミロス島で発見された。畑から発見され、フランス海軍を通じてフランス、パリへ運ばれ国王ルイ
18世に献上、ルーヴル美術館に収められる。発掘時はバラバラであったため像の復元が試みられた。
しなやかな身体の線、わずかに傾いた上半身、ほっそりした肩、引き締まった頭部、顔の表情ははるか遠くを見つめる眼
差しなどにより美の女神らしい神秘的な雰囲気を漂わせている。原型としては、カプアのヴィーナスが考えられる。
ヘレニズム時代、人間の極限の身体や動きを表現しようとした。古いものと新しいもの 紀元前2世紀あたりに作られたと考
えられる。
②永遠の微笑「モナ・リザ」ダ・ヴィンチ
チャプター番号
1
チャプター名とタイムコード
PLAY ALL
「
モナ・
リザ」
とレオナルド
2
0:30∼
「
モナ・
リザ」
のモデル
3
3:43∼
表現技法と ほほえみ
4
5:14∼
後世の評価
5
10:22∼
チャプターの内容
全部見る
レオナルド自身が思い入れ深く手元に置き続けた作品「
モナ・
リザ」
。レオナルドは、光と影を効果的に使う画家であった。
彼にとって絵画は芸術のためだけのものでなく科学であり、その実験に欠かせないものだった。
「
モナ・
リザ」
のモデルは、フィレンツェの商人ジョコンドの妻リザという説のほかに、ジュリアーノ・メヂィチの愛人コンスタン
ツァや、
マントヴァ皇妃イザベラであるという説などがある。
「モナ・リザ」は、精密繊細な技法で一筆一筆の全てが溶け合うように描かれている。ポプラの板に油彩。作品のポーズや
構図は、15世紀絵画によく見られるもの。新しい表現技法としての光の使い方。モデルを逆光にしてかすかな光をあて薄
明かりの画面を作り出す。また、輪郭を霧や煙のようにぼかし、しなやかに生き生きと描く。背景には岩と水が交じり合う神
秘的な、世界全体をイメージした風景が描かれている。世界の象徴としての人間、人間と自然の一体を目指す。一番の魅
力、ほほえみを引き出すために音楽や道化師を用いたといわれる。肖像画、モデルの心の動き、完璧な技術と光と影の効
果によってそれが見事に実現された作品。
16世紀以来、「モナ・リザ」は繰り返し模写され模倣されてきた。既成の価値や権威の象徴として攻撃されることが多く、特
に ほほえみ が歪められたイメージが演出された。しかし、それらの攻撃は逆に「
モナ・
リザ」の魅力を再認識させることに
なった。レオナルドが空間、光、モデルの心理を見事に計算して作りあげた傑作。
③「りんごとオレンジ」セザンヌ
チャプター番号
1
チャプター名とタイムコード
チャプターの内容
PLAY ALL
全部見る
セザンヌとりんご
19世紀末の、印象派の一歩先を行く画家、セザンヌ。セザンヌにとって「りんご」とはあらやる想像の源。単純な形、赤、
黄、緑などの鮮やかな色彩、自然をいかにキャンバスに描くかをセザンヌは執拗に模索。自らの方法論に基づいて、「
水
浴する人々」や「サント・ヴィクトワール山」などを描いた。
2
0:30∼
静物画による様々な実験
3
2:32∼
セザンヌの評価
4
8:54∼
静物画は17世紀に現れた新しいジャンル。歴史画や肖像画が一般的な中で、画家たちは次第に現実に目を向け、日常
のありふれたものを描く。ルイズ・モワロンや現実への徹底的な観察を試みたデュバン・ボージャンの作品の紹介/セザン
ヌは対象を「ありのまま」ではなく、再構成をし、望む空間を創造したモネのような「一瞬の現実」に飽き足らず、その本質に
迫ることが目標とされる。ルネサンス以来の遠近法の解体。3次元の現実をいかに2次元で表現するかの模索をした結果、
「様々な視点」を取り入れた。
「自然を円筒形、球、円錐形によって扱う」。ピカソなどのキュビスムの到来を予告するセザンヌの視点。日常の風景を幾何
学的な形に単純化し構成し、複数の視点でモノの本質を描く。みたままに描くのではなく、その奥にあるものを見えるよう
にする。現代美術の先駆けとして、肖像画における人物もりんごと同じくあくまで線と色を表現するための道具として描い
ていた。
生涯200点もの静物画を制作。1895年頃の「キューピットのある静物」は最も複雑な構造をもつ。水彩画も多く描いた。原
色をごく薄く塗り透明感を表現、量感を表す技法。1895年「
りんごとオレンジ」
の制作を開始した年、画商ボラールの尽力
によりセザンヌ回顧展開かれ、高い評価を得る。セザンヌに影響を受けた19世紀末の画家たち。モーリス・ドニ、ボナール
など。20世紀美術の扉を開けた画家セザンヌ。
㪉㪉
④「地獄の門」ロダン
チャプター番号
1
チャプター名とタイムコード
PLAY ALL
制作の経緯とテーマ
2
0:30∼
構想のヒントと独創性
3
4;50∼
部分と全体の構成
4
7:15∼
チャプターの内容
全部見る
未完の大作「地獄の門」、パリの装飾美術館(建設中止)のために1880年国から制作委託受けた。「地獄の門」の人物像の
多くは、同時期に作られたロダンの他の作品と相関関係がある。ロダンは人間の肖像を描くとき、写実性(
姿・
形)
でなく精
神の奥深くにあるものを捉えようとした。魂の遍歴と浄化を描いたダンテ「神曲」の「地獄編」を題材にした「地獄の門」は、
激しい感情表現を描いている。200人近くの人物像がひしめき合う壮大な作品となった。
構想初期は、先人ギベルティによる記念碑的な門に通じる幾何学的構図が考えられていた。最終的な構想は、人物を縦
横無尽に配置させ、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の壁画を思わせる。ロダンの独創性は、神に見捨てられた人々
の苦しみを描いたことに表れる。
同じ像を配置や向きを変化させ複数用いるという試み。「
ここより入るものは希望を捨てよ」
と発する門の最上部三体の像
や、門の上部「地獄」への入口に配置された身を反らせた官能的な女性像にみられる。枠部に並ぶ頭部、上段中央部の
「考える人」、まさに地獄に落ちようとする人、我が子を喰らおうとする人、激しく哀願する人、身をよじり苦しみを表現した
人、幼い子どもや痩せこけた老婆などが表れる。門の両脇には、人間の罪をおかした原罪を示すアダムとイブが配置され
る。「
地獄の門」
はロダンが終生手を加え続け、完成させることはなかった。
⑤「睡蓮」モネ
チャプター番号
1
チャプター名とタイムコード
PLAY ALL
「睡蓮」の展示と制作
2
0:30∼
印象派の主導者
3
3:30∼
展示構想と制作技法
4
5:36∼
20世紀美術の先駆け
5
9:34∼
チャプターの内容
全部見る
パリ、オランジュリー美術館「睡蓮」の間に、モネの「睡蓮」は展示されている。「睡蓮」は、パリ郊外、ジヴェル二ーにある自
宅の日本風の庭園で制作された。
1802年のモネの「印象、日の出」が「印象派」の発端。自然の印象をすばやく捉える手法で、サン・ラザール駅、セーヌ川、
ひなげしの丘などが描かれる。1890年頃からは連作が試みられる。積み藁、ルーアン大聖堂、テムズ河畔など。光の条件
の変化を描き分けた。
第一次世界大戦当時のフランス首相クレマンソンの推進を受け、オランジェリー美術館に「
睡蓮」
の間が設置される。透明
だが虹色に輝き、周囲の色を映し出す「水」は、モネにとって興味深い対象となった。具体的な形を重んじる従来の絵画と
の決別を思わせるモネの画風。
具体性を退けたモネの絵画の影響は後続の芸術家に影響を与えた。フランスのシュルレアリスト、アンドレ・
マッソン、戦後
アメリカの前衛画家ジャクソン・ポロックのアクション・ペインティング、フランスのジョルジュ・マチューのアンフォルメルなど
への影響、さらに、絵画の枠組みに留まらず映画作品等にも広く影響を与えた。
⑥「アルルの寝室」ゴッホ
チャプター番号
1
チャプター名とタイムコード
チャプターの内容
PLAY ALL
全部見る
ゴッホと「アルルの寝室」
ゴッホは晩年1889年5月南フランス、サン・
レミにある精神科の病院に入院する。入院中、自画像を含む多くの作品を制
作。作品の新しい構想や出来上がった絵はパリで画商をしている弟のテオに送った。テオはゴッホの生活費を工面してい
た。「
アルルの寝室」
はこの入院中に描かれたもの。ここでゴッホは実りの多い一時を過ごした。
2
0:30∼
パリ時代
3
3:07∼
アルル時代
4
4:21∼
失意の時代
5
9:54∼
1886年、弟のテオを頼りにパリへ出たゴッホ。印象派の画家、ゴーギャンと出会う。モンマルトルの画商を描いた「タンギー
爺さん」に見られるように、日本美術に傾倒。買い集めた浮世絵の模写も行った。カフェの女主人を描いた「イタリア女」に
も平面的な構図や強烈な配色など浮世絵からの影響がみられる。太陽の光に恵まれた南フランスと日本のイメージを重ね
合わせていた。
1888年早春、南フランスのアルルに住居・アトリエを構える。テオの援助のもと平穏なくらしの中で、精力的に作品制作。
190点もの作品。この頃のゴッホの夢は、アルルに芸術家村をつくること。黄色い家を芸術家の共同生活の拠点にしたいと
願った。当時の芸術家のように画材にあふれかえった部屋でなく、殺風景な部屋を好む。穏やかな星空を描く。最も醜い
絵の一つと自ら呼んだ、強い色彩で描かれた「夜のカフェ」。人間を堕落させ罪を犯させる場所として描く。酒びたりの生
活を重ねた時期の、不安に満ちた作品。一方でアルルの寝室は安らぎに満ちている。頭と想像力を休める絵として描かれ
た。1888年10月、ゴーギャンとの共同生活が始まる。この頃の作品には、家主の女性を描いた「アルルの女」やエミール・
ベルナールの開発した輪郭線を強く描くクロワズニズムを取り入れた「アルルのダンスホール」。
ゴッホはゴーギャンとの決定的な諍いの後、自分の耳たぶを切り落とす事件を起す。ゴーギャンはパリを去る。この時期の
作品「包帯姿の自画像」「ゴッホの椅子」。数ヶ月後自ら入院、1890年7月、オーベールの麦畑にて自殺。しかし、わずか10
年の画家生活の中で800点以上の作品を制作。彼が晩年に見出した豊かな色彩表現は次の時代に大きな影響を残し
た。
㪉㪊
クリエイティヴ・コア
「美術に親しむ −名作の技法とエピソード−」
静止画選択メニュー収録作品リスト
美の女神「ミロのヴィーナス」
番号
作品名
1 ミロのヴィーナス(部分)
2 ミロのヴィーナス(部分)
3 ミロのヴィーナス(部分)
4 ミロのヴィーナス(部分)
5 ミロのヴィーナス(部分)
6 カプアのヴィーナス(アフロディテ)
7 アレクサンダー大王の胸像
8 ミロのヴィーナス(部分)
9 ミロのヴィーナス(部分)
10 ミロのヴィーナス(部分)
永遠の微笑「モナ・リザ」ダ・ヴィンチ
番号
作品名
1 モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)(部分)
2 モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)(部分)
3 モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)(部分)
4 自画像
5 三賢王の礼拝(マギの礼拝)
6 聖アンナと聖母子
7 「レダ」習作
8 ジネヴラ・デ・ベンチの肖像
9 春(プリマヴェーラ)
10 洗礼者聖ヨハネ
「りんごとオレンジ」セザンヌ
番号
作品名
1 りんごとビスケットの皿
2 玉ねぎのある静物
3 大水浴
4 サント・ヴィクトワール山
5 りんごとオレンジのある静物
6 りんごとオレンジのある静物(部分)
7 りんごとオレンジのある静物(部分)
8 りんご、瓶、グラスと椅子
9 チェス盤のある静物
10 キューピッドのある静物
「地獄の門」ロダン
番号
作品名
1 地獄の門
2 考える人
3 地獄の門(部分)
4 ダンテの小舟(地獄のダンテとヴェルギウス)
5 システィーナ礼拝堂「最後の審判」
6 地獄の門(部分)
7 地獄の門(部分)
8 地獄の門(部分)
9 地獄の門(部分)
10 地獄の門(部分)
制作年
紀元前2世紀後半
備考
紀元前4世紀中頃
紀元前2世紀後半
制作年
1503∼06
1512頃
1481∼82
1512頃
1506頃
1474∼76
1478頃
1513∼16
制作年
1879∼82頃
1895頃
1905頃
1885∼87
1895∼1900
1904∼06
1636以前
1895頃
制作年
1880∼(未完)
1902∼04
1822
1541完成
備考
サンドロ・ボッティチェリ
備考
リュバン・ボージャン
備考
ウジェーヌ・ドラクロア
ミケランジェロ
㪉㪋
「睡蓮」モネ
番号
1 睡蓮の池
2 印象、日の出
3 サン・ラザール駅
4 ひなげし
5 アルジャントゥイユ
6 日を浴びる積み藁
7 睡蓮、朝の柳
8 睡蓮
9 睡蓮(部分)
10 第一番A
作品名
「アルルの寝室」ゴッホ
番号
作品名
1 自画像
2 ゴッホのアルルの寝室
3 ゴッホのアルルの寝室(部分)
4 タンギー爺さんの肖像
5 イタリア女
6 夜のカフェ(部分)
7 夜のカフェ
8 アルルのダンスホール
9 耳に包帯をした自画像
10 ゴッホの椅子
制作年
1899
1872
1877
1873
1875
1891
1916∼24
1906∼07
ジャクソン・ポロック
1948
制作年
1889
1889
1887∼88
1887
1888
1888
1889
1888
備考
備考