新春無料セミナー「日本における USCPA の価値」 イクスコア総合会計事務所 代表 ㈱イクスコア・コンサルティング 代表取締役 米国公認会計士・税理士・宅建主任者 榎 本 洋 樹 氏 ◆Profile◆ 榎本 洋樹(えのもと ひろき) 1969 年 11 月生まれ。1993 年早稲田大学法学部卒業。 アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG 税理士法人、ASG 税理士法人など大手国際会計事務所 で国内・国際税務、M&A コンサルティング、事業承継業務に従事。 また、大手コンサルティングファームでのビジネスコンサルティング業務や UFJ つばさ証券 (現・三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券)での M&A アドバイザリー業務など税務以外の多様 な経験を有する。 2007 年 1 月に独立開業し、イクスコア総合会計事務所、株式会社イクスコア・コンサルティングを設立、 現在に至る。 去る 2012 年 1 月 7 日 TAC 渋谷校で行われた新春特別セミナー「日本における U.S.CPA の価値」で 講演していただいた開業 U.S.CPA の榎本洋樹氏のお話をお伝えします。 私はアメリカ・イリノイ州の公認会計士(USCPA)、そして日本の税理士の資格を保有しております。 本日は、USCPA の価値と、どのようなキャリアアップができるのかというテーマと伺っておりますの で、私の経験を踏まえまして具体的に皆様がイメージしやすいお話をさせていただこうと思います。 私が USCPA を受験したのは 2000 年から 2001 年、3 回目の 2001 年の試験で全科目合格しました。 当時の私は、今まさに皆様がお持ちの受験に対する不安や将来の希望を持っていて、受験勉強を始める べきか、やらないほうがいいのかと悩んでいました。そして、当時仲間であった合格者の経験談も参考 に熟慮し、最終的に受験する決断をしました。 受験時代 まずは、私のキャリアパスを簡単にお話しさせていただきたいと思います。 もともとは日本の税理士を取得しまして、皆様ご存知だと思いますが、今は Big4、当時は Big6 とい いましたが、デロイト・トウシュ・トーマツとか KPMG 等ですね、その中でアーサーアンダーセンに入 社しました。現在はアンダーセンと KPMG と合併しまして、KPMG として存続しています。アンダー セン時代に働きながら USCPA の受験を開始して、無事合格しました。おそらく今日お集まりの方は学 生の方や社会人の方で働きながら学習される方もいらっしゃるかと思います。 税理士試験は学生時代に始めまして、大学卒業後もアルバイトをしながら勉強に専念して合格しまし たが、USCPA はアンダーセンで働きながら、まさに激務の中受験しましたので、勉強に専念できる環境 での受験の大変さと働きながら時間を有効に使って受験する大変さの両方をわかっているつもりです。 合格後はそれ以前にも増して実務も楽しくなり、自分自身に自信もつきました。また、お客様、同僚 などの私に対する評価も変わったのではないかと感じました。 このような前提がございますので、これから皆様がどのような目的で USCPA を取得されるのか、取 得した後にどのような人生が待っているのか、というようなお話しをさせていただきたいと思います。 低下する日本の地位 最近のニュースを見ますと、毎日のように歴史的円高のために日本経済が打撃を受けている、ユーロ圏 の財政問題を発端として世界経済が低迷しているとか、世界経済に関するニュースが主流になっていま す。それからタイですね。洪水のためにアユタヤ方面からバンコク方面にかけて広い範囲で甚大な被害 が発生しました。そして、遠く日本から離れた地域で洪水がおこった、というニュースにも関わらず、 日本の名だたる企業が操業停止に追い込まれてしまった。そして多くの企業が業績を下方修正しました。 このようなニュースが日々我々の耳に入ってきます。私の個人的な感覚ですが、最近のこのようなニュ ースは、 「日本で何かあったから外国にこういう影響がある」ではなく、「海外でなにかあった。だから 日本でどのような影響がありますね」というニュースが多いと思います。それは日本人の私にとっては 寂しく感じるところです。というのは、日本で何かあったから世界にどのような影響があるかというニ ュースでなくて、世界で何かがあったから日本にどのような影響があるのかという伝え方になってしま っているからです。 実際に最近の東京株式市場、マーケットを見ていてもアメリカの雇用情勢の悪化を受けてニューヨー クのダウ平均が下落したのにつられて日本市場も下がってしまった。また、ヨーロッパ市場環境が悪化 して、投資家心理が冷え込んだために日本市場も下落した、というような、日本発信のニュースが世界 に影響を与えるのではなく、逆に、日本経済が世界情勢に振り回されている状態です。つまり、日本の 世界に対する影響力が相対的に低下して、世界の日本に対する関心が薄れ、日本の国際競争力も低下し ていると思うのです。 私は会計事務所を営んでいますが、お客様の約半分は外資系企業・外国人の方で、日々英語を使い、 日本人とは視点・切り口の異なる考え方の方々とお付き合いするような仕事をしています。 これは昨年の例ですが、外資系のお客様が日本から海外に拠点を移してしまったり、日本に進出を検 討されていた外国企業が、日本進出を取りやめたという例が多くありました。 その理由を聞いてみますと、もはや日本には魅力がない、日本には元気がないと・・これはあくまで もそのお客様の意見ですが。例えば香港やシンガポールに行くよと。アジアなら香港やシンガポールは 非常に元気があって経済的にも活気があり、外資系企業の受け入れ態勢がしっかりしている、また、税 率が安いということが主要な理由らしいです。今までは日本が魅力的と感じていた方々も海外に出て行 ってしまいます。日本にとどまる理由がないと。この流れは日本の政治や経済の状況がこのままでは、 原則として続いていくのではないでしょうか。外資系の企業が日本に魅力を感じないということは、日 本企業から見ても同じように感じられるでしょう。海外マーケットに魅力を感じて、ますます海外進出 する傾向が強まると言えるのではないでしょうか。 これから目指す方向性 そうしますと、これから私たち日本人、ビジネスマンとしては、いままで当たり前と思っていた思考 を一旦リセットして、新しい発想が必要になるのではないでしょうか。もちろん、私は日本人ですので、 日本経済がかつてのような勢いを取り戻して、世界に対する影響力を取り戻してほしいと思っています。 しかし、現状を考えたときに、日本に生まれたからと言って日本にそのままとどまって、日本だけとい う発想を持っていたとしたら、これは企業としても個人としても取り残されてしまうのではないかと感 じます。現在アメリカ経済に元気がないと言われています。逆に中国、インドその他の新興国がどんど ん発展しています。しかし、アメリカはそのような状況ではありますが、世界が動向を注目しています し、現実に世界に大きな影響力を有しています。 アメリカの経済指標や株価の変動に応じて世界の株価や為替も影響を受ける傾向があります。もちろ ん、他の国、ヨーロッパ、中国その他の地域のニュースにもマーケットは反応しますが、やはりアメリ カの影響は大きいのではないでしょうか。アメリカ大統領選挙も日本のメディアは注目して報道します よね。もちろん現在はという意味で、将来はどうなるかは分かりませんが。 逆に、日本の首相が変わったとか、こういう発言をしたとか、日本の経済市況がこうなったよと言っ ても、あまり世界のマーケットは影響を受けているようには見えません。やはり日本の影響力は弱まっ ている。そしてアメリカの影響力は依然として強い傾向にあるということが分かります。今後 20 年、30 年で BRICs と言われている新興国が伸びてくると、アメリカの影響力も相対的には低下すると思います が、それ以上に日本の発言力、経済力というのは相対的に低下して、今以上に厳しい状況になるのでは ないかと危惧しています。その中で我々個人がどうすべきか、ということを考える必要がありますよね。 もちろん今のままが悪いとかではないですよ。でも、このままでは、周りに抜かされていきます。他の 国がどんどん伸びていますから。すると、国とか地域とかという枠に留まっていたのでは、取り残され てしまうという危機感が大きくなりますよね。日本企業も外国の方の採用枠を増やしたり、海外拠点を 増やしています。最近ですと、ユニクロや楽天が公用語を英語にすると言っている。世界に目を向けな ければ戦えないと意思表示しています。我々個人はどのように生き抜いていけるのか、どうやって世界 の人々と戦えるのか考える必要があります。世界に通じるスキル・武器が必要になってきます。すると、 一つの考えですが、世界に通用する資格を身につけていたとしたら、共通語である英語ができて会計・ 法律など専門知識を身につけていたら、日本企業でも、外資系企業でも、いくらでもチャンスが広がる と思いませんか。外資系企業が日本にやってくるケース、日系企業が海外展開するケースがあります。 英語が使えてかつ日本の会計、国際会計基準、US-GAAP を使うことができたとしたら、それは我々が企 業にとって役に立つ人財になるということは火を見るより明らかなところですよね。 例えば、弊社のお客様、特に外国のお客様からご依頼をいただくときに、私が USCPA であることで、 USCPA と名乗ることで、英語ができ専門知識があると認識して頂ける、あるいは国際的な仕事ができる と認識してもらえます。 日本のお客さまからもアメリカの公認会計士ということで、日本の資格プラスアルファの価値を感じ て頂いています。 ベースは税理士ですが、CPA というグローバルな資格を持っていることによって、ワールドワイドな 感覚、お客様とお付き合いすることができているということが言えます。 今日お集まりの方の中には、日本の資格、会計士、税理士あるいは他の資格を目指されている方もい らっしゃるかもしれません。その中で今日は USCPA に的を絞って受験のお話しをさせていただくと、 私が USCPA を勉強してよかったと思えることは、専門知識はもちろんですが、英語力もブラッシュア ップできたことです。皆様も英語が話せたらいいなと思っていらっしゃると思います。英会話ができた らかっこいいじゃないですか?外国の人と英語で話ができればかっこいいなと思っていらっしゃると思 います。 私は留学経験もあり、USCPA 受験以前から仕事でも英語を使っていましたが、受験して思ったのが、 今までの私たちが受けた英語教育は英語そのものを勉強していたじゃないですか。単語や文法等、英語 そのものを勉強していた。だけどそれを活かす場所がなかった。コミュニケーション手段としての活用 はしてこなかった。しかし、USCPA は英語で勉強します。今まで英語が目的だったのが、英語が手段に なります。英語で専門知識を勉強すること、今まで皆様が蓄えた英語の知識を使って英語で勉強ができ、 その上会計、税務あるいは法律を学びますので、将来的に外資系企業に就職するにしても、あるいは日 系企業に就職するにしても非常に役立つ英語の能力と専門知識が、いままでとは全く違うレベルのもの になるはずです。日本の法律もアメリカの法律も似ているところはありますので、アメリカの法律を勉 強すると日本での生活やビジネスに応用が利くこともあると思います。 USCPA と IFRS 次に IFRS です。IFRS つまり国際会計基準が今後上場企業に適用されます。任意適用はすでに始まっ ていますが、これからは基本的に強制適用になります。これまで日本の上場企業は日本の会計基準に従 って処理していればよかったのが、これからは国際会計基準という国際的なものさしに従わなければな らず、嫌でも適用せざるをえないという状況になります。 すると USCPA を保有している、あるいは勉強している、となりますと、IFRS、国際会計基準を勉強 していますので、 監査人で CPA として監査をする場合でも、 企業の中で財務会計の仕事をする場合でも、 非常に役立つ必要不可欠の知識を有していることになります。英語を使って最先端の会計を勉強して仕 事で使えるのですから、その観点からも有意義な資格という考え方ができると思います。 USCPA とアジア 香港、シンガポールあるいはインドなどエイジアンパシフィック地域に行きますと、USCPA を持って いるアメリカ人以外の方がかなりいらっしゃいました。 当時の香港人の同僚に「何で香港なのに USCPA を取得したの」と尋ねると、 「香港では USCPA は非 常に評価が高いんだよ」と言っていました。他の人と話した時も自分の国にも CPA という資格はあるけ れど、アメリカの CPA を取っておくと就職にいいよと、あるいは、監査法人であるとか会計事務所にい ても USCPA は非常に有効だよと言っていましたね。前提は国際的な仕事をする監査法人や会計事務所 と思いますが。 肩書の強さ 私の名刺には、 「米国公認会計士・税理士」と書いてあります。自分でいうのも変ですが、かっこいい と思いませんか。お客様が私の名刺をご覧になって「あっすごいですね。アメリカの公認会計士もお持 ちなんですね?」っておっしゃいます。その瞬間お客様の私を見る目というのは変わりますよ。良くも 悪くも日本は学歴社会・肩書社会ですから。そういう意味では、例えば「英語が得意です」とか「会計 が得意です」と言っても、相手はピンとこないですよね。でも名刺に「米国公認会計士・税理士」と刷 っているだけで、お客様には「これはすごい」って思ってもらえます。これは非常に強い武器になりま す。何も言わなくても相手が、この人は専門知識があって英語もできる、そう思ってくれますから。 あとは英語ですよね。やっぱりかっこいいですよ。外国の方とは英語で話しますが、周りの人から見 れば、非常にかっこいいわけですよ。他の日本人から見ると。英語が本当にペラペラな帰国子女から見 ると私の英語はカッコ悪いへんてこりんな間違いだらけの英語ですが、通じてますから大丈夫です。CPA を勉強するときに動機が不純でもいいと思いますよ。「英語をしゃべれてかっこよさそう」とか。 USCPA のビジネスチャンス① USCPA を取得したら監査法人で仕事をしなくてはならないとか、企業で経理財務しか仕事がないので はないかとか、そのような発想を持たれる方がおそらくいらっしゃると思いますが、決してそうではな いです。 私は税理士であり USCPA ですが、税理士だから税務しかやってはいけない、という法律はどこにも ありません。税務は税理士の独占業務だと税理士法には書いていますが、税理士は税務しかやってはい けないということはどことにも書いてない。 CPA も監査は会計士の独占業務だけれども、監査以外はやってはいけないということはどこにも書い ていないはずです。私は以前証券会社で M&A アドバイザーもやっていましたし、宅建も持っています。 宅建は本業ではないですよ。だけどお客様から不動産絡みの相談を受けたら、それなりのことを話すこ ともできますし、自分の手に負えなければ他のプロフェッショナルにつなぐこともできます。つまり何 を言いたいかといいますとね、USCPA を取得したら活躍できる分野が限られるのではないか、という発 想をお持ちかもしれないですけど、専門業務はもちろんやったらいいですけど、それ以外のこともどん どんやっていいのです。むしろ資格があるからこそ広がる世界がある、ということを念頭においていた だきたいです。 日本の会計士でも税理士でも法律で守られている独占業務というのはある意味では狭いし、税理士、 会計士というのはどんどん増えてきていますから、競争も激しくなってきています。過当な価格競争が あったりします。消耗戦です。すると我々が今後どこに目を向けるかというと、資格を必要としないが、 資格があると付加価値を認めて頂ける分野なのです。 例えば、M&A 等で買収対象企業の価値を算定する企業価値評価ですが、この算定作業自体には資格は 必要ありません。誰でもできます。でもビジネスとして行っているのは、金融機関や税理士や会計士、 税理士法人、監査法人等です。なぜか。数字、税務、会計に関する知識を必要としますから、我々有資 格者が強みを活かせるのは間違いない。しかし、税理士や会計士以外は算定業務を行ってはいけないと いう法律はない。ですから誰がやってもいいのです。だけど、お客様はやはり有資格者のサインが欲し いのです。間違いなく資格はいらないのですが、税理士や会計士が作成した評価書のほうが信頼できる と思ってくれます。資格というものは国がその品質を保証してくれるのですから、お客様もそのことを しっかりと理解されています。皆様も USCPA を取得されたとしても、監査や財務にこだわらなくてい のです。何でもできますし、他の業務に価値を見出して、どんどん積極的に付加価値のある提案もでき ると思います。 USCPA のビジネスチャンス② 日本は少子高齢化が進んでいます。少子高齢化が進んでいきますと、基本的には国力が弱くなってい きます。 それは国際競争力の低下や GDP 等統計的にも出ています。去年は GDP で中国に抜かれました。 日本は世界第 3 位の経済大国になりました。 中国の人口は約 15 億人いて、 日本は 1 億 2 千万人ですから、 国単位としては抜かれましたが、一人当たり GDP ではまだまだ勝っているという考え方もあります。ま た、別の指標ですと、日本の国際競争力は毎年下がり続け、ある報道では世界で確か 24 位ぐらいまで下 がってきていたと記憶しています。 少子高齢化が進むと、なんとなく日本に元気がなくなってくると思いませんか。少子高齢化が大きな ニュースになるのは、やはり、好ましくないからですよね。いろいろな観点がありますが、労働力人口 という意味での若い人が減少してくると、やはり国としての活力は徐々に落ちてくる。 外国の例ですと、インドでしたら、おそらく人口は 12 億人ぐらいで、12 億人のうちの 25 歳以下の人 口多は確か 50%近くあったと記憶しています。まさに、若者がしっかりと人口ピラミッドを支えていて、 これから力を発揮する人口構成をしています。人口構成からも活力がみなぎっていて、国力も伸びると 思います。逆に、日本は逆ピラミッドになっていて、労働力としての若者が少なくなっている構造です。 海外の労働力を入れるという発想は当然あります。でも、いままでの政策をみていると、いろいろな問 題も生じる可能性があるので、外国人をどこまで受け入れるかというと、どうなるかわからない。する と、こういうことです。私が日本の有資格者で、日本の内部にしか関心がない、日本企業や日本人に対 してしかアドバイスできないとします。すると、私の現在のお客様の半分は外資系企業あるいは外国の お客様ですから、もし私に USCPA 資格がなく、英語が使えなかったら、単純にいうと私のお客様・事 務所の規模は今の半分しかいないということになってしまいます。 ですが、英語ができて税理士であり USCPA だから外資系のお客様とも友好な信頼関係が築けていま す。チャンスが広がります。会計ができる、英語ができる、いわゆる国際的に通用する資格を持ってい る。多くの日本人は勉強としての英語はできると思いますけど、コミュニケーション手段としては使え ないケースが散見されます。大学を出た人でも、自分は英語ができない、と言う人が多い。それはなぜ か。簡単です。英語で話した経験が非常に少ないことが考えられます。しかし勉強としての英語の知識 は充分すぎるほどある。単語は何千個と覚えていたしネイティブの人が知らない英文法だって知ってい たりします。だけど話せない。USCPA を勉強すると、会計用語もわかりますし、英語で勉強しますから、 コミュニケーションに応用が利くようになると思います。 日本の人口は 1 億 2500 万人ぐらいですよね。昨年は初の減少傾向になりました。しかし全世界人口は 増加し 70 億人を超えてきました。するとすごく簡単ですよ。われわれ日本人は世界の中で 1.8%しかい ない。その 1.8%の半分近くが高齢者になりつつあります。国内での消費は停滞するし生産能力もおそら く停滞していくかもしれない。でも皆様が、本日お集まりいただいている皆様が世界に目を向ける。世 界には残りの 69 億人の人がいて、我々が国際的なビジネスをしようとすれば共通言語として英語や会計 が使われています。英語や会計を共通言語として私たち日本人と他の国の人たちでビジネスができてし まう。もはやビジネスの世界においては、日本人とか○○人とかいう区別自体が意味のないものかもし れません。われわれが世界に視野を向ければ残りの 69 億人を相手にビジネスができてしまう。あるいは 外資系企業が日本に進出してビジネスを行う場合でも、共通言語である英語や会計・法律の知識を使う ことによって日本にいながら皆様が海外を相手に国際的な仕事ができてしまう訳です。外国に行っても、 日本国内でも、知識さえあれば国際的な仕事ができるのです。 USCPA と国際化 よく国際的国際的といわれますけど、外国に行く、外国で働くことだけが国際的ではなくて、日本に いても国際的な仕事はできます。私もそうですが、日本にいながら毎日のように外国の方とメールでや りとりできてしまいます。最近はインターネット、一つの例としてスカイプというネット電話あるじゃ ないですか。これは PC 間で会話ができて無料です。この前もロサンゼルスの友人と、彼も CPA ですが、 そのロスにいる友人とスカイプで情報交換しました。今アメリカでは何が流行っているのか、景気はど うなのかとか。 また、 オーストラリアの CPA にスカイプでオーストラリアの税制について質問しました。 全部英語です。世界は IT の発達によりすごく小さくなってしまっているわけですから、英語という共通 言語があれば、日本国内にいても国際的な仕事はできます。もちろん海外でもチャンスはあります。日 本国内にいても国際的な仕事ができるし、どんどんチャンスが広がってくると思っています。皆様の発 想次第でグローバルな展開ができます。 TAC 事務局から 今回のセミナーでは、榎本先生に、最近の経済事情を交えて、USCPA という資格の価値についてお話 しいただきました。実際に先生がビジネスの現場でお感じになり USCPA 資格をもっていてよかった点 や今後の資格の活かし方をお話しいただきました。一昔前までは主に監査法人に就職したい方が取得さ れた USCPA 資格ですが、企業の海外進出が活発になっている最近の経済事情を考えますと今後様々な ビジネスの現場で活かすことができるようになってくるでしょう。 今回のセミナー内容につきまして、USCPA の学習を始めようかどうか迷われている方はもちろんすで に学習を始められている方も今後の参考にしていただければ幸いです。最後までお読みいただきまして ありがとうございました。
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