ANAグループの多角化を推進する全日空商事

特集
ANAグループの多角化を推進する全日空商事
ANAグループの持株会社制への移行を機に、当社報告セグメントでこれまで
「その他」
に含まれていた商社事業を
当期より新たなセグメントとして独立させました。全日空商事を中核とする商社事業のビジネスをご紹介します。
■商社事業の概要
ビジネス概要
カンパニー
航空・電子カンパニー
航空機部品の調達・供給 航空機導入・売却支援 海外エアライン向けパイロット訓練プログラムの提供
整備補修部品・機材の輸入・販売 半導体・セキュリティー機器・太陽電池部材の輸入・販売
生活産業・メディア
カンパニー
機内販売商品の企画・開発・調達 機内用品の企画・開発・調達 航空旅客に向けた広告企画の提案・販売
紙製品の提供 ゴルフ場の運営管理
リテールカンパニー
国内空港店舗「ANA FESTA」の事業運営
国際空港店舗「ANA DUTY FREE SHOP」の事業運営
ショッピングサイト「ANA ショッピング astyle」の企画・運営
食品カンパニー
世界の食品の輸入・販売(バナナ、ナッツ、
ドライフルーツ等)
産地直送ギフト商品の開発・販売
「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」の運営
機内は全日空商事が活躍するビジネスフィールド
商社事業の概要(2013年3月期)
航空附帯ビジネスを基盤に新たな成長領域へ
さらに、役割を終えて退役する航空機の売却ビジネスも手掛
全日空商事はANAの航空機部品の調達や全国の空港に
けており、航空会社に代わって、売却先の選定から条件面の
展開する物販店舗の運営という、二つの航空附帯ビジネスを
交渉、そして最終的に機材を売却先に引き渡すまでをトータル
柱として1970年に設立されました。ANAグループの航空関
にサポートしています。
連ビジネスで蓄積した知識やノウハウを基盤に、航空産業の
●売上高の構成比
機内の座席からはじまり、客室乗務員が使用するワゴンカート、
機内や空港ラウンジの食器やグラス、毛布などのサービス
その他 1%
用品、ワインやコーヒーなどの飲料、機内でお楽しみいただ
く映画や音楽プログラム、さらに機内で販売する商品まで、
食品カンパニー 29%
最新の航空機退役手段として、機材を個々の部品に解体
を推進する役割を担い、幅広く事業を展開しています。
機内のサービスにも、さまざまなかたちで関わっています。
1,012億円
28億円
31億円
航空・電子カンパニー 14%
新たな手法が退役機材の価値を増大
延長線上にある、新たな成長領域でANAグループの多角化
売上高
営業利益
経常利益
リテールカンパニー 28%
お客様の周りにあるほぼ全てのものの企画・開発・調達に
生活産業・メディアカンパニー
28%
全日空商事は携わっています。
また、機内誌「翼の王国」
に加え、機内、空港、そして空港
して航空機部品市場に販売する手法を手掛けています。
退役まで良好なコンディションで使われてきた機材が生み
航空機の導入から退役までを全面的にサポート
出す収益を増加させるとともに、航空機の退役手法の選
全日空商事はエアラインビジネスの最前線で、国内外の
択肢を多様化させることで、機種・市況に応じて最適な
エアラインに航空機が導入されてから退役するまでの、各ス
方法を選択し、エアラインの
テージを全面的にサポートしています。
さまざまな広告媒体を一体活用し、広告ビジネスを展開して
国内外で急増するパイロット養成ニーズを受けて、パイ
います。
ロット訓練事業に参画しています。全日空商事はANA
panda・Flight・Academy
につなげています。
の各種手配や日本国内での航空機登録、輸入通関手配など、
パイロット訓練プログラムの提供
およびANAグループの
スムーズな機材の入れ替え
新しく製造された航空機を日本に空輸する際には、経由地で
までの交通アクセスで、航空機を利用するお客様に向けた、
のパイロット訓練プログラム
新造機が就航するまでの複雑なプロセスをバックアップしてい
を海外のエアラインに提供
ます。また、現役で稼働する航空機には、世界中の部品メーカーを
機材から取り外された
電子装備品
結ぶネットワークを構築してエンジン部品をはじめとした約10万
しています。
機内サービス用品として、企画・開発・
調 達 を 行って いる 国 際 線 用 アメニ
ティー ( 上 ) と国際線用ワイン ( 左 )
エアバスA320型機
フライトシミュレーター
点もの航空機部品を安定供給することで支援を行っています。
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特集
空港でもインターネットでもお客様にアプローチ
食品分野も新たな収益の柱に
プルーンなどのドライフルーツの輸入販売にも注力しています。
「ANA FESTA」
「ANA DUTY FREE SHOP」
の二つのブラ
お客様に提供している
「安全・安心への徹底したこだわり」
カリフォルニア州にある農地から高品質な原料を調達し、
ンドを中心に、国内の空港でお土産物や免税商品を販売す
は、食品の分野でも活かされています。プライベートブランドの
日本国内の市場への長期的な安定供給を実現しています。
るショップ、89店舗を運営しています。また、インターネット
フィリピン産バナナ
「frescana(フレスカーナ)」
とエクアドル産
さらにスイーツの分野では、パリで活躍する世界的に著名
ではANAのマイルを使ってお買い物ができるショッピング
プレミアムバナナ
「田辺農園」
は全国のスーパーやコンビニエ
なパティシエの青木定治氏のブティック
「パティスリー・サダハル・
サイト
「ANAショッピング astyle」の運営も行っています。
ンスストアで販売しており、国内のバナナ流通市場でのシェア
アオキ・パリ」
を運営しています。青木氏のパリのアトリエから
空港店舗とインターネット、二つの小売チャネルを連動させ、
も高まっています。
直輸入したショコラやマカロンは人気が高く、2013年3月期
お客様に魅力ある商品を提供しています。
また、
米国に拠点を構える米国全日空商事と連携して、
クルミや
は過去最高の売り上げを記録しました。
お客様からのありがとうのために
全日空商事が事業を行っていく上で、その根底にあるのは
成田・羽田・関西空港で免税店を9店舗運営
しています。成田空港にはブルガリ、関西空港
ではバーバリーのブティックも展開しています。
www.anadf.com
東京都内4カ所
(丸の内
店、新宿伊勢丹店、東京
ミッドタウン店、渋谷ヒカリ
エShinQs店)
で店舗を運
営。2013年9月11日 に
はジェイアール 名 古 屋
髙 島 屋に5店目を出店
する予定です。
www.sadaharuaoki.jp
「お客様からのありがとうのために」
という理念です。一人
でも多くのお客様の「ありがとう」のために、新たな領域に
チャレンジしていく全日空商事にご期待ください。
変革に挑戦し、成長を加速する
全日空商事は、ANAグループ内に
おけるビジネスに端を発した企業では
パティスリー・サダハル・アオキ・パリで人気のマカロン
ありますが、そこで培った専門性を集
積することで、現在ではエアラインビジ
バナナの二大ブランド
「frescana」
と
「田辺農園」
ネスのみならず、さまざまな事業分野 全日空商事株式会社
代表取締役社長
に進出しています。そして、ANAグ
「frescana」
はスペイン語の
「fresco(新鮮な)
」
という単語
ANA便が就航する国内34空港に80店舗を出店。
各地のお土産物を取り揃えたギフトショップや、
羽田空港でのフードショップ、羽田・那覇・石垣
空港内のスターバックスコーヒーのフランチャイズ
店舗を展開しています。
www.anafesta.com
マイルが使える!貯まる!ANAのショッピングサイト。充実したトラベル
バッグのラインナップ、世界中から厳選された逸品に加え、国際線の
機内サービスで提供しているワインやANAオリジナル商品、国内外
のブランドとのコラボレーションによる限定品など、独自性豊かな商
品を多数取り揃えています。
www.astyle.jp
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と
「ANA」
を名前の由来とした商品。現地フィリピンでの
ループの持株会社制の下で、商社
生産指導から輸入、国内での加工・販売を一貫して行っ
日出間 公敬
事業を推進するこれからの全日空商事の役割は、従来
ています。
「田辺農園」
は世界最大のバナナ輸出国エクア
以上に大きくなっています。
ドルで日本人の田辺正裕さんが生産するプレミアムバナナ。
株主・投資家の皆様からのご期待にお応えして企業
甘さとコクが特長です。
価値を高めるために、過去の延長線上に将来を描くので
www.jff.co.jp
はなく、自らを変革していくことが必要と考え、当社の
2013-15年度中期経営計画では
「変革に挑戦し、成長を
大手スーパーではイトーヨー
カドー、マルエツ、成城石井
など、コンビニエンスストアで
はローソンでお買い求めいた
だけます。
加速する」
ことを基本方針に据え、成長戦略を着実に実践
しています。
経営環境の変化を当社のさらなる成長に向けたチャン
スと捉え、不退転の決意で経営に取り組んでまいります。
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