カ ケ ン の 各 種 試 験 ・ 評 価 へ の 取 り 組 み ニーズに対応した様々な性能評価 カケンは、日本工業規格(JIS)にもとづく試験はもちろんのこと、新たな試験方法の開 発・提案や、各種海外規格試験方法への対応もおこなっています。また、特別な試験環境 設備の拡充・整備をおこない、様々な試験ニーズに対応し、業界の発展に寄与する事を目 指しています。 歩行動作型 環境試験室における クリーンルーム用衣服 血液、ウィルス、バクテ 新しい試験方法として サーマルマネキンに、カケン で開発した駆動装置を組み合 わせ、ISO 15831 規定の上 肢・下肢が駆動するサーマル マネキン・システムとして設 置しました。 10℃から50℃、30%RHか ら80%RHまで設定可能な、 環 境 試 験 室 を 設 置 して い ま す。また、血流量、発汗量、 呼気ガス分析などの生体反応 計測器を整備しました。 試験環境として、 ISO Class 5 クリーンルームを設置して おり、多くの産業分野で使用 されるクリーンルーム用衣服 の、発塵性試験が可能です。 ASTM F 1670 、1671 、 2101 に規定の、人工血液、 ウィルス、バクテリアに対す るバリア性など、医療現場の 防護衣料等を評価する試験が 可能です。 人体の歩行運動を模擬した状 態で、被服の温熱特性が試験 可能となります。 これらを組み合わせ人体の生 体反応を計測することによ り、快適性評価への応用が期 待できます。 ・パイル保持性 ・表面フラッシュ ・吸水速乾性 ・吸湿時の発熱温度特性 ・光-熱変換材料の温度特性 ・温度調節繊維の温度特性 ・マイクロファイバークロス の拭き取り性能試験 など サーマルマネキン 各種生体反応計測 の発塵性や、捕集効率 また、微小な粒子状物質の フィルター性能である、捕集 効率の測定もおこなっていま す。 リアに対するバリア性 また、ISO 22609 規定のマ スクの人工血液バリア性の試 験も開始しました。 開発・提案した例 一般財団法人カケンテストセンターについて 一般財団法人カケンテストセンター(旧 財団法人日本化学繊維検査協会)は、商工省(現経済産業省)の許可を受け昭和23年に設立 され、主として化学繊維・合成繊維の輸出検査、内需検査を中心にその業務を開始しました。その後、産業貿易構造の変革ととも に事業内容をいち早く試験業務へと転換し、現在に至っております。 今日、カケンの発行する品質検査報告書・試験証明書等は広く品質管理の分野で活用されており、国際的な総合試験機関として、 国内流通或いは輸出入品等における公正で安定した商取引や、官公庁納入などに貢献しています。 http://www.kaken.or.jp 一般財団法人カケンテストセンター カ ケ ン の 各 種 試 験 ・ 評 価 へ の 取 り 組 み 防護服の人工血液/ウィルスバリア性 ヒトの血液や体液には、いろいろな病原体を含んでいる可能性があります。医療現場で は、このような血液や体液に医療従事者が曝される危険性があるのです。 そのため、医療従事者が着用する防護衣料やマスクには、飛散する血液や体液の浸透に対 する耐性が求められています。 試験方法とその概要 防護服 フェースマスク の人工血液バリア性:ISO 22609、JIS T 8062 防護服材料の人工血液バリア性:ASTM F 1670、JIS T 8060 防護服材料のウィルスバリア性:ASTM F 1671、JIS T 8061 防護服 フェースマスク の人工血液バリア性 防護服材料のウィルスバリア性 試験方法(例 ISO法): 試験方法(例 ASTM法): 装置にとりつけた試料から 30 cmの位置のノズルから、人工血液を10.6、 前記、防護服材料の人工血液バリア性に合格した試料について、試験をお 16.0、21.3 KPaの 3水準の圧力で噴射します。噴射後、試料裏面に人工血液 こないます。試験方法は人工血液バリア性試験と同様ですが、人工血液の が透過しているかどうか、目視観察します。 代わりにウィルス(phi-X174 bacteriophage)懸濁液を使用します。 防護服材料の人工血液バリア性 54分間の静置後、試料裏面の洗い出しをおこない、洗い出し液中にウィル 人工血液または、ウィルス懸濁液の透過の有無を確認する試験です。防護 服材料、特にラミネート加工等を施した通気性のない試料が対象です。 すべての過程で試料裏面にウィルス液の浸透が見られず、 試験方法(例 ASTM法): スが存在しないかどうか培養して確認します。 ! 試料を試験装置にセットします。 1)装置に人工血液を注ぎ、5分間静置 洗い出し液のウィルス数 < 1 PFU/mL (検出限界以下) であれば合格となります。 不合格サンプル(プラークあり) 合格サンプル(プラークなし) 2)人工血液の浸透が見られなければ、 13.8KPaの圧力で加圧し、1分間保持 3)さらに人工血液の浸透が見られなけ れば、加圧を止めて 54分間静置 すべての過程で試料裏面に人工血液の 浸透が見られなければ、合格です。 http://www.kaken.or.jp 一般財団法人カケンテストセンター カ ケ ン の 各 種 試 験 ・ 評 価 へ の 取 り 組 み BFE バクテリアバリア性 ヒトの口腔や上気道、鼻腔には、およそ 250 種類の細菌が生息しています。その唾液 1g 当たりにはおよそ 1億個の細菌が存在しており、ヒトが会話をするだけでもその周辺には およそ 5,000個もの細菌が発散され環境を汚染しているとされます。医療現場では、患者 はもとより他の医療従事者に対するこのような細菌の曝露を防止するために、医療従事者 へのマスクの着用が義務づけられています。 バクテリアバリア性(BFE)とは、主に医療用マスクを対象にした、空気中の細菌を捕集 (ろ過)する性能のことです。 試験方法とその概要 JIS L 1912 付属書2. 細菌ろ過効率、ASTM F 2101 Bacterial Filtration Efficiency (BFE) 試験方法: VFE ウィルスバリア性試験の検討について: 試験菌(黄色ぶどう球菌)の懸濁液を平均粒径 3µm のエアロゾルにし、吸引 ポンプにより一定流量下に制御された試験チャンバー内に導入します。 Fro幅 (財 )カケン大阪事業所 3F 06 6441 2420 2007/04/16 18:03 #404 P .004/004 鞭 F 割 01 試験片を通過したエアロゾルを、寒天平板培 C o n tln u o u s d riv e m e c h a n is m 目測関税 la lsu sP e n sio n N e b u liz e r 地をセットしたアンダーセンサンプラーによ り捕集し、培養後のコロニー数から B F E C a llb ra t日d flo W m 日ta r M m m , A e ro s o l C h a m b e r (Bacterial Filtration Efficiency バクテリア C o m p re s s o r をa C u u m p u m p ) M a t印ri領l u n d e r te St ろ過効率)を算出します。 BFE 算出式! (A n d e rg o n ) s ie v e s a m p le r F M蕁1 1 日珀□t・ rl田 目眩ra tio n 巳増G I鬱n Ie y T e at A P P目ra ttu o BFE % = (A-B)/A × 100 14 ,9 R e済態 w 頴ch s1d e o f th e 8pecim Gn w 鵠 o d G m ed to w ard th e ch al1巳n gG a田め8o L sp c鎚 m ens 鮮1d po弧饉v e co n tro ls, 盤 8IX:c踵ed by the 凪a n u fa c 齦 re r of m e c鵜cad e im p acto齢. T h e n 脳ad o n e伍cien cy p ercen t ag e s 鰈 ' c a lc u latc d u錠n g 鑪e 鮠n o w室ng equ鱒ion : 15。 P rec競 o n 目n d 部lag 15 .1 P 推c鬘わ枠一囮he 鉈P eatab山野 o f 曲e p 1P c e d u 1肥 m m est N【ethod F 2 10 1 fb r m el腸u涜ng the b ac約辱弘 鯨饉at1o n 刻随clancy o f m c霞cal face m 鷁k m a蛇豆□1s w 鵠 d etennm n ed 施r a s m g】e 1ab o m to 1影 酊1d a s m g le o p e ra to r u g趾g t脳巳c m a鰐豆al馬 T hc re su lts o f th e ge te sts are su m m 鱸 銘ld m T ab lc L T h c rc朝博d uc. 遊山ty o f t垣g 蛇鋭 m eth o d 18 b elm g d ete抑頭n ed a r1d sh o uld bg 盤胆b 1e by Jaulu出y 2 (X )4 , av 幇uFo工m a鑪o n c鑑阻 be p regen ted o n 曲e b呈鵠 For 15 ,2 忍#“$-- N oま I ・ th e P ro c e d u re m m e瓢 M e th od F 2 LO 1 , 約# m e i鵬u 豆n g / ▼ b acte罐al m tra饉o n e伍c庭n cy o f m e韮cal faco m 鵜k m atc森 ゞ, b e c a u se n o m a蛇亘al h av m g an a cc e p te d re fe 肥 n c e v 証u e is ay 鎧lab le a は艫s 山鵲no . (1) W h e re等 = a v e ra g o P 1ate C o u n t to ta1 fo r te gt C o n tro 18 , 田辺 7 豊 p late c o u n t to tal 斡T te st ga m p le . C ! ! ここで、A = コントロールの生菌数、B = 試料の生菌数 ま生 L7 C alcu late the m 貸出 P田恒C1e 31z色 u sin g 由e sP ec m ca鴎 饉o n o f 出e m筑n u ract肛cr o f thc c asca d e 蓋胆p a c to最 n he m 鯛風 p an症clc s匙c o f 曲e b ac蛇亘al aero芯o l sh all bc m 頭nt鑪ncd at 3 .0 14 . R ep o rt 性能区分例(右表): 144 S ta te th at th e te st w 鵜 c o n d u c ted 鵠 盡匡cted m m 甥t y【etho d F 2 10 1 , 14 2 R ep o蛇 th e are a o f thc tC SL SP c ci m c n te ste d . 143 R eP o xt the 員o w 強記 d u貞n g tc stin g . , 14 4 R ep o rt the m 蟹田L群阻まC1e aize o f the Ch allen g e a 馴o go L 14 .5 R cp o箕 曲e p e rc cn t b nctc壼鑪 鎚trnd o n e籏cien cy 知【 1 6 . K ey w o rd g 特性 M aterl日I BFE(%) A 色 C 14 .7 R ePo rt th e a v e ra g e P 1ate C o u n t resu lts of th e n巳g a t1V e 料の性能仕様」より 14議 R eP o耽 m e p lat-e C o u n t to t凪 for each sta g e , ー ‐なぎさ‐ れふき‐ ムふきき : 低バリア性 http://www.kaken.or.jp 4 ,Lも 〉「[-'"■ 【 【 ■ 【 【 吋い ハ 、.・"V1、 l内 ・▼ lしt・ yul【 h 1VL′ .' I「y[I 州-=1 ′ ′ "ハト u'ハ 99 .54 99.BO 94 ,48 Q l 763 O.36督 毛040 0 0逢O35 0.20鮒 0 ,6146 X璽 m e an oreach m atenaL S rF 旧pe日鰓酬晦 EtEnd日rd dav髄Eon for 6Aoh m 醜蝸はL r或95 % rep m ta朝野 nm lt for ・巍Ch m m e内al, C o n tro ls , 中バリア性 下図:検討中のVFE試験による、プラークの様子 M m e rla la三三R甑P @ 能霞b lllty e a c h te gt 日p e c主m e n . 高バリア性 カケンでは、このVFE性能評価に対する要望の高まりを受け、VFE試験 方法を確立すべく鋭意検討を続けてまいりました。現在、その検討はほ ぼ終盤にはいっております。試験受託開始の際には、追ってご紹介させ ていただきます。 T A B LE 倦 B a cto rla I F Iltra tlo n E = le IG n o y P @ rfo rm -盡n□●□f V損rlo u o 14 .6 R ep o式 th e a v e齢a g e 坦at-e Co u n t re su 1ts o f th e P o suu v e イスマスクに使用される材 このウィルスバリア性(VFE)は、海外の業界で一般的に用いられてい る方法はあるものの、ISOやASTM、ましてやJIS等の試験規格として定 められているものはありませんでした。また、試験エアロゾルにウィル スを含む懸濁液を使用することから、高い測定技術も必要とされます。 16 .l aero so l; b ac紀鬘a1 軸ぽ且tlo n e館cicn cy (B 同亘)も m e澁cal face m a sk m atc五als C0 nはo ls . ASTM F 2100「医療用フェ 近年は、細菌に対する捕集(ろ過)性能だけでなく、ウィルスに対する 捕集(ろ過)性能の評価試験も求められています。 ≧ 98 ≧ 98 ー・h- -、 9媒 ′ 〉、 電 、,^ ,、 ノ 、=3 l川 、 .=-1い -'・,I′y ′ ′加 l、 ーー ′′ ^′ 、 -- ・ ′‐----------一--- -, ≧ 95 一般財団法人カケンテストセンター カ ケ ン の 各 種 試 験 ・ 評 価 へ の 取 り 組 み マスクの各種粒子捕集(ろ過)効率試験 マスク等のフィルタ部分が、花粉代替粒子や微小粒子を捕集(ろ過)する性能を試験しま す。花粉粒子に対する捕集効率を測定する際には、花粉代替粒子として、粒径がスギ花粉 と同等の約 30 µm でアレルギーの知見が報告されていない天然粒子を用います。より微 小な粒子に対する捕集効率を測定する際には、試験用粒子として、例えば 0.1 µm 粒径の ポリスチレンラテックス粒子などを用います。 試験方法とその概要 マスクの花粉粒子捕集(ろ過)効率試験 マスクのPFE(微小粒子捕集効率)試験 一定流量で吸引される試験系内に、調湿した H E PAフィルターによりクリーンな環境に 試料を装置に取り付け、試験粒子を定速供給 維持された試験チャンバー中に、試験粒子 しながら試験片面上に均一分散落下させま を連続安定供給し、一定流量で吸引しなが 試験方法: す。規定量の試験粒子が試験片を通過した重 量を計測し、捕集効率(%)を算出します。 試験方法: スギ花粉 ら試験片であるフィルター材料前後(上流 側、下流側)の粒子数をパーティクルカウ ンター二台で計測し、捕集効率( % )を算 試験装置の特徴: 出します。 試験片面上に過剰の試験粒子が集積・積層すると「試験粒子層によるフィ ルター化」が生じ、本来と異なる性能評価をしてしまうおそれがありま す。カケンが開発した本装置は、試験粒子の微量供給と面分散を制御する ことで、こうした問題点を克服しています。 捕集効率は、次式にて算出されます。 PFE % = (1 − 下流側粒子数/上流側粒子数)×100 試験装置の特徴: ASTM F 2299「医療用フェイスマスク素材の、ポリスチレンラテックス球 による初期捕集効率試験方法」に規定されている仕様にもとづくもので す。カケンで開発した本装置では、ASTM F 2299 規格通りの「試験粒子が 測定後の試験片面 除電された状態での測定」のみならず、海外の業界で一般的な「除電をし ない状態での測定」とを、選択して試験することが可能となっています。 なお、このPFE試験は、ASTM F 2100「医療用フェイスマスクに使用さ れる材料の性能仕様」にも、もりこまれています。 表:ASTM F 2100 性能区分 測定後のファイナルフィルター面 用途:医療従事者が着用するフェイスマスク 特性 カケンで開発したこの試験装置および試験方法は、(社)日本衛生材料工 業連合会 全国マスク工業会において「花粉粒子の捕集(ろ過)効率試験 方法」として採用されています。また、カケンは同工業会の推奨試験機関 となっております。 http://www.kaken.or.jp 低バリア性 中バリア性 高バリア性 試験項目 バクテリアバリア性(BFE) (%) 圧力損失 (mmH2O/cm2) 微小粒子捕集効率(PFE) at 0.1µm (%) 人工血液バリア性 (mmHg) 燃焼速度 95 98 98 <4.0 <5.0 <5.0 適用しない 98 98 80 120 160 Class 1 Class 1 Class 1 一般財団法人カケンテストセンター カ ケ ン の 各 種 試 験 ・ 評 価 へ の 取 り 組 み 低発塵性の性能評価試験 私たちの身の回りにあるパソコンや医薬品、化粧品そして食品に至るまで、多くの生活用 品がクリーンルームの中でつくられています。 クリーンルーム とは 塵(ちり)や埃 (ほこり)を極力減少させたきれいな部屋 のことを言います。クリーンルーム内の汚染 原因の一つに人体からの発塵が考えられるため、クリーンルーム用衣服によって人体から の汚染物の発生を抑えることが必要になります。また、クリーンルーム用衣服自身も発塵 源の一つとなることがあり、低発塵性のものが求められます。 試験方法には、大きく分けてタンブリング法とシェーキング法があります。試験はクリーンルーム内でおこない、発塵数 をパーティクルカウンターで計測します。測定粒径は、0.3 ∼ 25 µm または 0.1 ∼ 1 µmです。 試験方法とその概要 タンブリング法(主に織布) JIS B 9923 クリーンルーム用衣服の汚染粒子測定方法6.2 シェーキング法(主に不織布) 不織布の試験 第10部:不織布の表面および内 ISO 9073-10 部からの分離可能な粒子の発生程度 (1.2) タンブリング法 クリーンルーム用衣服の汚染粒子測定方法6.2 JIS B 9923 IEST-RP-CCOO3.3 APPENDIX B クリーンルーム用無塵衣 B2.2.5-Helmke ドラム 試験(織布、不織布、コーティング生地) (1.1) シェーキング法 不織布の発塵性 INDA IST 160.1 EDANA ERT 220.1 http://www.kaken.or.jp 不織布の発塵性試験方法 一般財団法人カケンテストセンター
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